固体撮像装置及びその製造方法
【課題】不純物層を特性よく形成し、更に合わせ位置を正確に形成し、更にノイズ低減が可能な固体撮像装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第1主面4aと第1主面4aと相対向する第2主面4bを有し、かつ撮像素子領域100aと周辺領域200とを有する第1導電型の半導体層4と、撮像素子領域100aにおける半導体層4の第1主面に形成され、光電変換により電荷を蓄積する受光部10と、受光部10を囲んで、半導体層4の第1主面4aから半導体層4の途中にまで延びる素子分離領域用の第2導電型の第1不純物層12と、半導体層4の第2主面4bから第1不純物層12の底部に達する素子分離用の第2導電型の第2不純物層13とを具備する。
【解決手段】第1主面4aと第1主面4aと相対向する第2主面4bを有し、かつ撮像素子領域100aと周辺領域200とを有する第1導電型の半導体層4と、撮像素子領域100aにおける半導体層4の第1主面に形成され、光電変換により電荷を蓄積する受光部10と、受光部10を囲んで、半導体層4の第1主面4aから半導体層4の途中にまで延びる素子分離領域用の第2導電型の第1不純物層12と、半導体層4の第2主面4bから第1不純物層12の底部に達する素子分離用の第2導電型の第2不純物層13とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話への応用で、小型カメラモジュールの市場が注目されている。カメラモジュールに使われるCCD、CMOSイメージセンサーなどの撮像素子は、半導体技術の微細化に伴い、そのセンサー性能が向上してきた。センサー性能を向上させる技術の一つとして、感度や高度シェーディングを向上させる、裏面照射型の撮像素子が報告されている。(例えば、非特許文献1)
撮像素子を裏面照射型にすることにより、マイクロレンズと受光部の間に光学的な障害物がなくなり、高い感度と少ない光学シェーディングを実現している。また、素子の表面側の配線レイアウトの自由度が増すため、高価な微細加工技術を避けることができる。更に、PN接合面積が増大することで、ダイナミックレンジの拡大も図れる。
【0003】
ところで、裏面照射型や表面照射型に係わらず、撮像素子の受光部に、隣接する撮像素子の受光部で光電変換された電子が紛れ込むことによって混色を生じることがある。そのため、撮像素子間に素子分離領域を設けることが必要である。また、裏面照射型の場合、特に、確実に光を吸収するために、波長の長い赤色の光用の受光部を半導体層深部に形成する必要がある。この素子分離領域は、一般的に、高加速イオン注入技術を用いて半導体層表面から裏面に達するように形成される。また、受光部も同様に、半導体層表面側から高加速イオン注入技術を用いて半導体層深部に形成される。
【0004】
しかし、高加速イオン注入技術によるイオン注入は、打ち込むイオンに与える加速エネルギーの上限が、イオン注入装置の性能、生産性、マスクプロセスなどによって決まっており、イオン注入の加速エネルギーの上限が制限される。そのため、半導体層が厚い場合には、半導体層の裏面まで達しない恐れがある。また、加速エネルギーを大きくすると、半導体層表面において素子分離領域の横方向への広がりが大きくなり、撮像素子(受光部)の形成領域の面積が小さくなる可能性がる。また、受光部においては、形成される不純物層の深さによって、その濃度にばらつきが生じる可能性もあり、その濃度のばらつきが光の光電変換量に影響を及ぼす可能性がある。その結果、センサー特性を劣化させるという問題がある。
【0005】
また、カラーフィルタやレンズなどを形成する際に、正確な位置に合わせるためにアライメントマークを形成する必要がある。このアライメントマークは、例えばSOI基板にトレンチが形成され、そのトレンチ内に、直接シリコン酸化膜が埋め込まれることにより形成される。そして、その埋め込まれたシリコン酸化膜と、SOI基板との境界の、エッジ部分を境に光の反射率が変わることによりアライメントマークとして使用されているが、製造の過程でこのシリコン酸化膜がエッチングされてしまい、エッジ部分が崩れてしまい、アライメントの精度が低下する可能性があった。
【0006】
更に、一般に撮像素子の暗時のリーク電流(以降、暗電流という)は画像に対してノイズとなることは既知であり、これを低減するために表面照射型撮像素子の場合、ゲッタリング技術を用いていた。しかしながら、裏面照射型撮像素子の場合、形成の過程で、一度、基板上に形成したゲッタリングサイトを、基板除去の工程で、基板と共に除去しなければならないため、ゲッタリングサイト除去後の熱工程による重金属汚染に対しての対策がなされていなかった。
【非特許文献1】裏面照射型CMOSイメージセンサ(ITE Technical Report Vol.30、No.25、PP.25〜28 IST2006−14、CE2006−43(Mar.2006))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、素子分離領域によるセンサー特性の劣化を防止し、更にカラーフィルタやレンズの正確な位置合せを可能にし、また、暗電流によるノイズ低減を可能にする固体撮像装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様の固体撮像装置は、第1主面と前記第1主面と相対向する第2主面を有し、かつ撮像素子領域と周辺領域とを有する第1導電型の半導体層と、前記撮像素子領域における前記半導体層の前記第1主面に形成され、光電変換により電荷を蓄積する受光部と、前記受光部を囲んで、前記半導体層の前記第1主面から前記半導体層の途中にまで延びる素子分離領域用の第2導電型の第1不純物層と、前記半導体層の前記第2主面から前記第1不純物層の底部に達する素子分離用の第2導電型の第2不純物層と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様の固体撮像装置は、第1主面と前記第1主面と相対向する第2主面を有し、かつ撮像素子領域と周辺領域とを有する第1導電型の半導体層の、第1主面からイオン注入し、光電変換により電荷を蓄積する受光部を形成する工程と、前記受光部を囲んで、前記半導体層の前記第1主面から前記半導体層の途中にまで伸びる素子分離領域用の第2導電型の第1不純物層を形成する工程と、前記半導体層の前記第2種面から前記第1不純物層の底部に達する素子分離用の第2導電型の第2不純物層を形成する工程と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、素子分離領域によるセンサー特性の劣化を防止することが可能でき、更にカラーフィルタやレンズの正確な位置合せが可能で、また暗電量によるノイズ低減が可能な固体撮像装置及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る裏面照射型構造のCMOS型固体撮像装置の断面図である。
【0013】
図1に示すように、固体撮像装置300は、N型エピタキシャル層(半導体層)4を有し、このN型エピタキシャル層4は、第1の主面(表面)4aとこの第1の主面4aと相対向する第2の主面(裏面)4bとを有する。また、このN型エピタキシャル層4は、素子領域100と周辺領域200とを有する。
【0014】
素子領域100は、撮像素子領域100aと周辺回路領域100bとを有し、撮像素子領域100aのN型エピタキシャル層4の第1の主面4aには、可視光を取り込み、光電変換及び信号電荷の蓄積を行うためのN型の受光部10と後述の暗電流を防ぐための第1のP型シールド層14とからなるフォトダイオードが形成されている。
【0015】
この受光部10を囲むように素子分離領域11が形成されている。この素子分離領域11は、N型エピタキシャル層4の第1の主面4aから第2の主面4bに達するように形成されている。また、この素子分離領域11は、第1のP型拡散層12とこの第1のP型拡散層と接続する第2のP型拡散層13とで形成されている。第1のP型拡散層12は、N型エピタキシャル層4の第1の主面4aからN型エピタキシャル層4の中間部まで延びている。また、第2のP型拡散層13は、N型エピタキシャル層4の第2の主面から延び、第1のP型拡散層12の底部(N型エピタキシャル層4の中間部)に達している。
【0016】
そして、第1のP型シールド層14は、受光部10の表面と、この受光部10の一方側(素子分離領域11側)に位置する第1のP型拡散層12の表面に形成されている。
【0017】
また、受光部10の他方側(転送ゲート電極17a側)に位置する第1のP型拡散層12の表面には、N型拡散層からなるNMOSFETのソース/ドレイン15a、15bが互いに離間形成されている。このソース/ドレイン15aと受光部10との間のN型エピタキシャル層4の第1の主面4aには、ゲート絶縁膜16を介して転送ゲート電極17aが形成されている。そして、受光部10、ソース/ドレイン15a及び転送ゲート電極17aとで、受光部10に蓄積された電荷を読み出すための読出用MOSFETが構成される。
【0018】
更に、ソース/ドレイン15a、15b間のN型エピタキシャル層4の第1の主面4a上には、ゲート絶縁膜16を介してリセットゲート電極17bが形成され、受光部10の電荷をリセットするためのリセット用MOSFETが構成される。
【0019】
一方、周辺回路領域100bのN型エピタキシャル層4の第1の主面4aには、P型半導体ウェル20とN型半導体ウェル21が形成されている。このP型半導体ウェル20とN型半導体ウェル21との境界部には、素子分離のための素子分離絶縁膜22が形成されている。これらP型半導体ウェル20及びN型半導体ウェル21とN型エピタキシャル層4の第2の主面4bとの間には、第2のP型拡散層13が形成されている。
【0020】
また、P型半導体ウェル20の主面には、NMOSFETのN型のソース/ドレイン23c、ゲート絶縁膜16及びゲート電極27cからなる周辺回路用NMOSFETが形成されている。N型半導体ウェル21の主面には、PMOSFETのP型のソース/ドレイン24d、ゲート絶縁膜16及びゲート電極27dからなる周辺回路用PMOSFETが形成されている。このP型やN型MOSFETは、例えば、アナログ回路やロジック回路などに使用される。
【0021】
周辺領域200には、アライメントマーク30が形成されている。このアライメントマーク30は、エピタキシャル層4の第1の主面4aから第2の主面4bに達するトレンチ31と、このトレンチ31の内面及びN型エピタキシャル層4の第2の主面4b側の開口端を覆うように形成されたHF耐性を有する耐エッチング膜32と、この耐エッチング膜32で覆われたトレンチ31内に埋め込まれたシリコン酸化膜などの埋め込み層33で構成されている。
【0022】
また、N型エピタキシャル層4の第1の主面4aには、配線層40が形成されている。この配線層40は、例えば第1乃至第3の配線40a、40b、40cと層間絶縁膜41とで構成されている。また、この配線層40のN型エピタキシャル層4と反対側の表面には、支持基板45が形成されている。これは、固体撮像装置300を支持するためのものである。
【0023】
一方、N型エピタキシャル層4の第2の主面4b上には、信号電荷を逃がさないようにするために第2のP型シールド層50が形成されている。この第2のP型シールド層50上の全面には、重金属汚染のゲッタリングサイトとして機能するアモルファスシリコン層51が形成されている。更に、このアモルファスシリコン層51上の全面には、第1の絶縁膜52が形成されている。
【0024】
また、撮像素子領域100aの第1の絶縁膜51上の一部には、遮光膜53が形成されている。この遮光膜53は、他の撮像素子領域(また、レンズ外)からの光の入射を防止するために、後述のレンズ56の周囲を囲うように形成されている。更に、第1の絶縁膜52及び遮光膜53上に、これらを覆うように第2の絶縁膜54が形成されている。そして、遮光膜53内の第2の絶縁膜54上には、カラーフィルタ55が形成され、カラーフィルタ55上にマイクロレンズ56が形成されている。カラーフィルタ55及びマイクロレンズ56は、N型の受光部10と正対する位置に配置される。
【0025】
上記固体撮像装置300では、マイクロレンズ56側から入射した光が、マイクロレンズ56で集光され、カラーフィルタ55、第2の絶縁膜54及び第1の絶縁膜52などを介することで、所望の波長の光となり、受光部10に信号電荷として蓄積される。そして、その受光部10に蓄積された信号電荷が、転送ゲート電極17aによって、読出用MOSFETのソース/ドレイン15aに転送され、その読出用MOSFETのソース/ドレイン15aの電圧が増幅トランジスタ(不図示)で増幅され、画素信号として周辺回路に出力される。
【0026】
図1の固体撮像装置300は、図2(a)、(b)の平面図に示すように、ウェハ400の多数のチップ401に素子領域100を形成される。そして、周辺領域200内のアライメントマーク30は、各チップ401間、例えば、素子領域100間のダイシングライン上の所定の位置に配置される。
【0027】
次に、上記固体撮像装置300の製造方法について、図3乃至図9を参照して説明する。
【0028】
まず、図3(a)に示すように、半導体基板1にBOX(Burried Oxide)層2、SOI(Silicon On Insulator)層3からなるSOI基板5を用意する。ここで、SOI層3は、膜厚が50〜100nmで、濃度が1015〜1017cm-3のN型結晶シリコンである。
【0029】
次に、図3(b)に示すように、SOI層3上の全面に、膜厚が3〜10μmで、濃度が1015〜1017cm-3のN型エピタキシャル層4を形成し、図3(c)に示すように、更にそのN型エピタキシャル層4上にシリコン酸化膜7及びシリコン窒化膜8を順次、積層形成する。
【0030】
次に、図4(a)に示すように、周知のリソグラフィー技術及びRIE(Reactive Ion Etching)技術を用いて、周辺領域200のシリコン窒化膜8、シリコン酸化膜7、エピタキシャル層4及びSOI層3を貫通し、BOX層2に到達するトレンチ31を形成する。続けて、図4(b)に示すように、耐エッチング膜32をトレンチ31の少なくとも第2の主面側の開口端部(底部)を覆うように形成し、更にシリコン酸化膜などの埋め込み層33でトレンチ31内を埋め込む。
【0031】
ここで、トレンチ31、耐エッチング膜32及び埋め込み層33により、後に行われるリソグラフィー工程時のアライメントマーク30が形成される。具体的には、このアライメントマーク30は、耐エッチング膜32の内側と、埋め込み層33との境界を境に光の反射率が変わることを利用して、アライメント信号を検出し、正確なリソグラフィーを行うために使われる。耐エッチング膜32は、HF耐性を有し、かつ、埋め込み層33とは光の反射率が異なる、例えば、シリコン窒化膜などが使用される。埋め込み層33は、シリコン酸化膜が好ましいが、これに限らず、リソグラフィー工程時にアライメントマークとして認識できる材料、つまり、耐エッチング膜32の光の反射率と異なる反射率を有するものであればよい。更には、埋め込み層33は、トレンチ31内の全体に設けなくても構わない。つまり、少なくともトレンチ31の底部近傍に埋め込み層33が設けられていれば良く、トレンチ31の底部近傍を除いた内部が空洞でも構わない。
【0032】
次に、シリコン窒化膜8上に形成された耐エッチング膜32及び埋め込み層33をCMP(Chemical Mechanical Polish)技術などを使って平坦化除去した後、図4(c)に示すように、シリコン窒化膜8をウエットエッチング、例えばリン酸H3PO4で剥離する。
【0033】
次に、周知のCMOSイメージセンサープロセスを用いてN型エピタキシャル層4上に、撮像素子及び周辺回路素子を形成する。以下、CMOSイメージセンサープロセスを図5乃至図10を参照して説明する。
【0034】
まず、図5(a)に示すように、シリコン酸化膜7上にレジスト60を塗布し、周知のリソグラフィー技術を用いて、レジスト60に開口部60aを形成する。この開口部60aは、素子分離のための第1のP型拡散層12を形成しようとする領域に対応して設けられる。続けて、このレジスト60をマスクとしてシリコン酸化膜7をエッチング除去し、N型エピタキシャル層4の第1主面4aを露出させる。
【0035】
次に、図5(b)に示すように、このN型エピタキシャル層4が露出した領域に、高加速イオン注入により第1のP型拡散層12を形成する。この第1のP型拡散層12は、例えば、1011〜1013cm−2程度のボロンを100kevから3Mev程度の加速エネルギーでP型が途切れないように順次打ち込むことで形成される。このとき、打ち込むイオンに与える加速エネルギーの上限は、イオン注入装置の性能、生産性、マスクプロセスなどで決まっており、3Mev以下が適当である。
【0036】
この第1のP型拡散層12の深さは、N型エピタキシャル層4の膜厚と、打ち込むイオンの加速エネルギーとの組合せで決まる。本実施の形態の場合、第1のP型拡散層12の膜厚がN型エピタキシャル層4の膜厚の半分またはそれよりも若干、深い位置まで達するように設定する。
【0037】
次に、図5(c)に示すように、レジスト60及びシリコン酸化膜7を順次除去する。その後、図6(a)に示すように、N型エピタキシャル層4の第1主面4a全面に、再度、レジストを塗布し、周知のリソグラフィー技術を用いて、周辺回路領域100bのうちNMOSFETが形成される領域に開口部を設け、その開口部からエピタキシャル層4の第1主面4aにボロンをイオン注入し、P型半導体ウェル20を形成する。そして、不要なレジストを除去した後、再度、レジストを塗布し、PMOSFETが形成される領域に開口部を設け、その開口部からエピタキシャル層4の第1主面4aにリンをイオン注入しN型半導体ウェル21を順次形成する。
【0038】
その後、図6(b)に示すように、撮像素子領域100a及び周辺回路領域100bにゲート絶縁膜16を形成する。次に、周辺回路領域100bのP型半導体ウェル20とN型半導体ウェル21の境界部上に素子分離絶縁膜22を形成する。この素子分離絶縁膜22は、P型半導体ウェル20とN型半導体ウェル21との境界部上にトレンチを形成し、そのトレンチ内にシリコン酸化膜などの絶縁膜を埋め込むことで形成する。
【0039】
次に、素子分離絶縁膜22を形成した後、撮像素子領域100aのエピタキシャル層4の第1主面4a上にゲート絶縁膜16を介してNMOSFETの転送ゲート電極17aや、リセットゲート電極17bをそれぞれ形成する。また、周辺回路領域100bのP型半導体ウェル20及びN型半導体ウェル21上にゲート絶縁膜16を介して周辺回路のPMOSFETのゲート電極27c及びNMOSFETのゲート電極27dをそれぞれ形成する。これらの各ゲート電極17a、17b、27c、27dは、周知のリソグラフィー技術とドライエッチング技術を用いて多結晶シリコンにパターニングを施し形成する。
【0040】
次に、図6(c)に示すように、撮像素子領域100aには、N型の受光部10、暗電流を防ぐための第1のP型シールド層14、NMOSFETのソース/ドレイン15a、15bなどを順次形成する。N型の受光部10は、転送ゲート電極17aをマスクにして素子分離領域11に囲まれたN型エピタキシャル層4の第1主面4aに形成される。第1のP型シールド層1は、受光部10のうち、転送ゲート電極17a側の表面部以外の表面部及び第1のP型拡散層12表面を含んでN型エピタキシャル層4の第1主面4aの部分に形成される。NMOSFETのソース/ドレイン15a、15bは、転送ゲート電極17a及びリセットゲート電極17bをマスクにして素子分離領域12の表面部分に形成される。
【0041】
また、周辺回路領域100bのP型半導体ウェル20の表面部分には、NMOSFETのソース/ドレイン23c、N型半導体ウェル21の表面部分には、PMOSFETのソース/ドレイン24dを順次形成する。NMOSFETのソース/ドレイン23cは、ゲート電極27cをマスクに形成され、PMOSFETのソース/ドレイン24dは、ゲート電極27dをマスクにして形成される。
【0042】
次に、図7(a)に示すように、N型エピタキシャル層4の第1主面4a上に、周知の多層配線プロセスで第1の配線40a、第2の配線40b及び第3の配線40cや、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などで形成される層間絶縁膜41、などからなる配線層40を形成する。また、これらの配線40a乃至40cは、フォトダイオードや、各MOSFETなどと適宜電気的に接続されている。
【0043】
次に、図7(b)に示すように、N型エピタキシャル層4と反対側にある配線層40の表面に、シリコン酸化膜である接着層(不図示)を形成して、その接着層の表面を平坦化研磨するとともに、表面にシリコン酸化膜である接着層(不図示)が形成された支持基板45を用意して、それぞれの接着層同士が対向するようにして配線層40と支持基板45とを貼り合わせる。
【0044】
次に、図7(c)に示すように、SOI基板5と支持基板45とを上下を反転させ、SOI基板5を上側にして、裏面材料である半導体基板1とBOX層2を、CMP法あるいはHF溶液によるウェットエッチング法などで除去し、SOI層3を露出させる。なお、この時、SOI層3の表面に位置するトレンチ31の底部は、HF耐性を有する耐エッチング膜32で覆われているので、HF溶液によるウェットエッチング法を用いた場合でも、エッチングされることなくSOI層3の表面に露出する。
【0045】
次に、図8(a)に示すように、SOI層3上に、レジスト61を塗布し、周知のリソグラフィー技術を用いて、レジスト61に開口部61bを形成する。この開口部61bは、第2のP型拡散層13を形成しようとする領域に対応して設けられる。続けて、このレジスト61をマスクとして高加速イオン注入により第2のP型拡散層13を形成する。この高加速イオン注入は、例えばボロンを、第2のP型拡散層13が第1のP型拡散層12の底面と接続するように加速エネルギーを選択し、打ち込むことによって行う。また、周辺回路領域100bにおいては、第2のP型拡散領域13が、P型半導体ウェル20及びN型半導体ウェル21の底面とそれぞれ接続するように行う。
【0046】
このように、周辺回路領域100bにおいて、P型半導体ウェル20及びN型半導体ウェル21のそれぞれに接続するように第2のP型拡散領域13を形成することにより、周辺回路領域100bのノイズ耐性を向上させることができる。
【0047】
次に、図8(b)に示すように、レジスト61を除去した後、エピタキシャル層4の第2主面4b全面に、暗電流を防ぐための第2のP型シールド層50を形成する。次に、図8(c)に示すように、第2のP型シールド層50上の全面に、ボロンが高濃度にドープされたアモルファスシリコン層51を低温で形成する。続けて、このアモルファスシリコン層51上の全面に、第1の絶縁膜52を形成する。
【0048】
なお、第2のP型シールド層50及びアモルファスシリコン層51は、少なくとも撮像素子領域100a上の全面に形成されていればよい。更に、図9に示すように、第1の絶縁膜52上の所定の位置に遮光膜53を形成した後、第2の絶縁膜54を遮光膜53及び第1の絶縁膜52上に形成する。遮光膜53は、N型の受光部10に対応する領域を露出し、その周辺部を遮蔽するように形成されている。なお、この遮光膜53は、撮像素子領域100aの縁に沿って一様に形成しても良いし、各撮像素子の周囲をそれぞれ囲むように形成しても良い。
【0049】
これにより、撮像素子領域100aにおいて、第1の絶縁膜52及び第2の絶縁膜53の膜厚と屈折率を適切に選ぶことで撮像素子の感度を高めることができる。
【0050】
更に、遮光膜53を各撮像素子の周囲を囲むように形成することにより、隣り合う撮像素子からの電荷の漏れ込みによる混色を防ぐことができ、より鮮明な画像を表示することができる。
【0051】
その後、カラーフィルタ55を第2の絶縁膜30の所定の位置に配置し、カラーフィルタ53上にマイクロレンズ56を配置する。上記工程を経ることにより図1に示すような固体撮像装置を得る。
【0052】
本実施の形態によれば、N型の受光部10は、N型エピタキシャル層4の第1の主面4aにイオン注入により形成し、N型エピタキシャル層4の第2の主面4b側にマイクロレンズを配置することにより、見掛け上、N型エピタキシャル層4の深部に形成した構造にしている。また、素子分離領域11は、N型エピタキシャル層4の第1の主面4aからイオン注入して第1のP型拡散層12を形成し、第2の主面4bからイオン注入して第1のP型拡散層13の底部に達する第2のP型拡散層13を形成することにより構成している。
【0053】
そのため、高加速イオン注入技術を適用する際に問題であった、イオン注入装置の性能、生産性、マスクプロセスなどによって決まるイオン注入の加速エネルギーの上限に制限されることがなくなる。それにより、例えばN型の受光部10を、均一な濃度で、かつ、レンズからより遠い位置に(レンズが配置される側である第2の主面側からみて深部に)形成することができ、赤色の波長の光をより確実に吸収できるようになる。また、素子分離領域11をN型エピタキシャル層4の第1の主面から第2の主面に達するように形成できる。また、素子分離領域を構成する第1及び第2のP型拡散層12,13は、いずれもN型エピタキシャル層4の中間位置の深さに形成すればよく、N型エピタキシャル層4の主面における横方向への広がりが小さく、受光部10の形成領域を小さくする恐れがない。その結果、固体撮像装置のセンサー特性が向上する。
【0054】
また、従来は、埋め込み層とN型エピタキシャル層との境界を利用してアライメント信号を検出していたが、BOX層3を除去する際に、トレンチ31に埋め込まれたシリコン酸化膜もエッチングされてしまう。そのため、シリコン酸化膜とN型エピタキシャル層との境界が乱れ、アライメントマークとしての機能が不十分となる可能性があった。これに対して、本実施の形態の場合、アライメントマーク30のトレンチ31の内壁のうち、少なくとも底部を、HF耐性を有する耐エッチング膜32で覆うことにより、BOX層3をHF溶液で除去する際に、トレンチ31の底部がエッチングされることがなく、耐エッチング膜32の内側と埋め込み層33との境界が乱れることがなく、より正確に位置合わせができるようになる。
【0055】
また、アモルファスシリコン層51は、熱工程などによる重金属汚染のゲッタリングサイトとして機能し、特に、マイクロレンズ56が配置される裏面側に配置するため、一度形成したゲッタリングサイトを除去する必要がなくなり、熱工程などによる重金属汚染に対してゲッタリング効果が向上し、暗電流によるノイズの低減が図れる。
【0056】
(第2の実施の形態)
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る固体撮像装置における断面図である。本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態が裏面照射型の固体撮像装置であるのに対し、本実施の形態は、表面照射型の固体撮像装置である点である。
【0057】
具体的には、まず、図10(a)に示すように、第2のP型シールド層26を形成するまでの製造方法は、第1の実施の形態における図8(b)までの製造方法と同様である。ただし、第1の実施の形態で形成したアライメントマーク30は形成しなくてもよい。
【0058】
次に、図10(b)に示すように、第2のP型シールド層50の表面にシリコン酸化膜である接着層(不図示)を形成して、その接着層の表面を平坦化研磨するとともに、表面にシリコン酸化膜である接着層(不図示)が形成された第2の支持基板45を用意して、それぞれの接着層同士が対向するようにして第2のP型シールド層50と支持基板45とを貼り合わせる。
【0059】
次に、図10(c)に示すように、第2の支持基板46と第1の支持基板45とを上下を反転させる。即ち、第1の支持基板45を上側にして、第2の支持基板46を下側にする。次に、この第1の支持基板45をCMP法あるいはウェットエッチング法などで除去し、配線層40を露出させる。
【0060】
次に、図11に示すように、配線層40上に、第1の実施の形態と同様に、アモルファスシリコン層51、第1の絶縁膜52、遮光膜53、第2の絶縁膜54、カラーフィルタ55及び、マイクロレンズ56を順次形成する。
【0061】
本実施の形態によれば、素子分離領域11は、N型エピタキシャル層4の第1の主面4aからイオン注入して第1のP型拡散層12を形成し、第2の主面4bからイオン注入して第1のP型拡散層13の底部に達する第2のP型拡散層13を形成することにより構成している。
【0062】
そのため、高加速イオン注入技術を適用する際に問題であった、イオン注入装置の性能、生産性、マスクプロセスなどによって決まるイオン注入の加速エネルギーの上限に制限されることがなくなる。それにより、素子分離領域11をN型エピタキシャル層4の第1の主面から第2の主面に達するように形成できる。また、素子分離領域を構成する第1及び第2のP型拡散層12,13は、いずれもN型エピタキシャル層4の中間位置の深さに形成すればよく、N型エピタキシャル層4の主面における横方向への広がりが小さく、受光部10の形成領域を小さくする恐れがない。その結果、固体撮像装置のセンサー特性が向上する。
【0063】
(第3の実施の形態)
図12(a)及び図12(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る固体撮像装置における断面図である。本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態では、SOI基板5は、半導体基板1上にBOX層2を介してSOI層3を形成した構造を有するが、本実施の形態では、SOI基板6は、半導体基板1上に第2のアモルファスシリコン層63を介してBOX層2を形成し、このBOX層上にSOI層3を形成した構造を有することである。
【0064】
図12(a)に示すように、まず、半導体基板1上に、ゲッタリングサイトとして機能する、ボロンが高濃度にドープされた第2のアモルファスシリコン層63を形成する。次に、図12(b)に示すように、第2のアモルファスシリコン63上に、BOX層2を形成し、BOX層2の上にSOI層3を形成する。
【0065】
その後の製造方法は、第1の実施の形態の製造方法と同様である。なお、この第2のアモルファスシリコン層63は、N型エピタキシャル層4の主面から半導体基板1とBOX層2を、CMP法あるいはウェットエッチング法などで除去するときに同時に除去される。
【0066】
本実施の形態によれば、第1の実施形態による効果の他に、本固体撮像装置300の製造工程の初めに第2のアモルファスシリコン層63が形成されるので、この第2のアモルファスシリコン層63が除去されるまでの間の熱工程などで発生する可能性のある重金属による汚染が防止でき、重金属汚染からの防止効果を更に向上させることができる。そのため、第1の実施形態に比べて、暗電流によるノイズの低減を図れる。
【0067】
(第4の実施の形態)
図13(a)は、本発明の第4の実施の形態に係る固体撮像装置における断面図である。本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態では、第2のP型拡散層13を形成した後に第2のP型シールド層50を形成したが、本実施の形態では、SOI基板5の形成の際、半導体基板1上にBOX層2を形成した後に、BOX層2上にSOI層3に替えて第2のP型シールド層50を形成する点である。上記工程を経ることにより図13(b)に示すような固体撮像装置を得る。
【0068】
本実施の形態によれば、第1の実施形態の効果の他に、第2のP型シールド層50をBOX層2上に予め形成しているので、図8(b)に示すように、SOI層3を除去する工程が不要であり、製造工程が短縮できる。
【0069】
本発明は、上述した第1乃至4の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々、変更して実施しても良い。
【0070】
例えば、第1の実施の形態では、半導体基板1上にBOX層2を形成し、BOX層2上にSOI層3を形成することでSOI基板5を形成したが、BOX層2に別個の半導体基板を張り合わせることによりSOI基板5を形成してもよい。
【0071】
また、アライメントマーク30は、図2(b)の配置に限定されるのではなく、その他の配置も可能である。
【0072】
また、アモルファスシリコン層51、第1の絶縁膜52、第2の絶縁膜54は、少なくとも撮像素子領域100aには形成することは必要であるが、周辺回路領域100b及び周辺領域200には適宜形成すればよい。
【0073】
また、配線層40の配線は、3層に限らない。例えば、2層でも構わないし、5層以上でも構わない。
【0074】
また、相補型MOSFETに限らず、PMOSFET単独、またはNMOSFET単独で構成されてもよい。
【0075】
また、配線層40と支持基板45との張り合わせは、接着層を用いずに圧力で接着してもよい。また、支持基板45は、半導体基板である必要な無く、ガラス基板など支持できるものであれば何でも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】第1の実施の形態に係る固体撮像装置の断面図である。
【図2】第1乃至第4の実施の形態に係るアライメントマークの位置を説明する図である。
【図3】第1の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図4】第1の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図5】第1の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図6】第1の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図7】第1の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図8】第1の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図9】第1の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図10】第2の実施の形態に係る表面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図11】第2の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図12】第3の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図13】第4の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0077】
1:半導体基板
2:BOX層
3:SOI層
4:N型エピタキシャル層
4a:第1の主面(表面)
4b:第2の主面(裏面)
5、6:SOI基板
7:シリコン酸化膜
8:シリコン窒化膜
10:受光部
11:素子分離領域
12:第1のP型拡散層
13:第2のP型拡散層
14:第1のP型シールド層
15a、15b、23c、23d:ソース/ドレイン
16:ゲート絶縁膜
17a:転送ゲート電極
17b:リセットゲート電極
20:P型半導体ウェル
21:N型半導体ウェル
22:素子分離絶縁膜
27c、27d:ゲート電極
30:アライメントマーク
31:トレンチ
32:耐エッチング膜
33:埋め込み層
40:配線層
40a:第1の配線
40b:第2の配線
40c:第3の配線
41:層間絶縁膜
45、46:支持基板
50:第2のP型シールド層
51、63:アモルファスシリコン層
52:第1の絶縁膜
53:遮光膜
54:第2の絶縁膜
55:カラーフィルタ
56:マイクロレンズ
60、61:レジスト
60a、61a:開口部
100:素子領域
100a:撮像素子領域
100b:周辺回路領域
200:周辺領域
300:固体撮像装置
400:ウェハ
401:チップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話への応用で、小型カメラモジュールの市場が注目されている。カメラモジュールに使われるCCD、CMOSイメージセンサーなどの撮像素子は、半導体技術の微細化に伴い、そのセンサー性能が向上してきた。センサー性能を向上させる技術の一つとして、感度や高度シェーディングを向上させる、裏面照射型の撮像素子が報告されている。(例えば、非特許文献1)
撮像素子を裏面照射型にすることにより、マイクロレンズと受光部の間に光学的な障害物がなくなり、高い感度と少ない光学シェーディングを実現している。また、素子の表面側の配線レイアウトの自由度が増すため、高価な微細加工技術を避けることができる。更に、PN接合面積が増大することで、ダイナミックレンジの拡大も図れる。
【0003】
ところで、裏面照射型や表面照射型に係わらず、撮像素子の受光部に、隣接する撮像素子の受光部で光電変換された電子が紛れ込むことによって混色を生じることがある。そのため、撮像素子間に素子分離領域を設けることが必要である。また、裏面照射型の場合、特に、確実に光を吸収するために、波長の長い赤色の光用の受光部を半導体層深部に形成する必要がある。この素子分離領域は、一般的に、高加速イオン注入技術を用いて半導体層表面から裏面に達するように形成される。また、受光部も同様に、半導体層表面側から高加速イオン注入技術を用いて半導体層深部に形成される。
【0004】
しかし、高加速イオン注入技術によるイオン注入は、打ち込むイオンに与える加速エネルギーの上限が、イオン注入装置の性能、生産性、マスクプロセスなどによって決まっており、イオン注入の加速エネルギーの上限が制限される。そのため、半導体層が厚い場合には、半導体層の裏面まで達しない恐れがある。また、加速エネルギーを大きくすると、半導体層表面において素子分離領域の横方向への広がりが大きくなり、撮像素子(受光部)の形成領域の面積が小さくなる可能性がる。また、受光部においては、形成される不純物層の深さによって、その濃度にばらつきが生じる可能性もあり、その濃度のばらつきが光の光電変換量に影響を及ぼす可能性がある。その結果、センサー特性を劣化させるという問題がある。
【0005】
また、カラーフィルタやレンズなどを形成する際に、正確な位置に合わせるためにアライメントマークを形成する必要がある。このアライメントマークは、例えばSOI基板にトレンチが形成され、そのトレンチ内に、直接シリコン酸化膜が埋め込まれることにより形成される。そして、その埋め込まれたシリコン酸化膜と、SOI基板との境界の、エッジ部分を境に光の反射率が変わることによりアライメントマークとして使用されているが、製造の過程でこのシリコン酸化膜がエッチングされてしまい、エッジ部分が崩れてしまい、アライメントの精度が低下する可能性があった。
【0006】
更に、一般に撮像素子の暗時のリーク電流(以降、暗電流という)は画像に対してノイズとなることは既知であり、これを低減するために表面照射型撮像素子の場合、ゲッタリング技術を用いていた。しかしながら、裏面照射型撮像素子の場合、形成の過程で、一度、基板上に形成したゲッタリングサイトを、基板除去の工程で、基板と共に除去しなければならないため、ゲッタリングサイト除去後の熱工程による重金属汚染に対しての対策がなされていなかった。
【非特許文献1】裏面照射型CMOSイメージセンサ(ITE Technical Report Vol.30、No.25、PP.25〜28 IST2006−14、CE2006−43(Mar.2006))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、素子分離領域によるセンサー特性の劣化を防止し、更にカラーフィルタやレンズの正確な位置合せを可能にし、また、暗電流によるノイズ低減を可能にする固体撮像装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様の固体撮像装置は、第1主面と前記第1主面と相対向する第2主面を有し、かつ撮像素子領域と周辺領域とを有する第1導電型の半導体層と、前記撮像素子領域における前記半導体層の前記第1主面に形成され、光電変換により電荷を蓄積する受光部と、前記受光部を囲んで、前記半導体層の前記第1主面から前記半導体層の途中にまで延びる素子分離領域用の第2導電型の第1不純物層と、前記半導体層の前記第2主面から前記第1不純物層の底部に達する素子分離用の第2導電型の第2不純物層と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様の固体撮像装置は、第1主面と前記第1主面と相対向する第2主面を有し、かつ撮像素子領域と周辺領域とを有する第1導電型の半導体層の、第1主面からイオン注入し、光電変換により電荷を蓄積する受光部を形成する工程と、前記受光部を囲んで、前記半導体層の前記第1主面から前記半導体層の途中にまで伸びる素子分離領域用の第2導電型の第1不純物層を形成する工程と、前記半導体層の前記第2種面から前記第1不純物層の底部に達する素子分離用の第2導電型の第2不純物層を形成する工程と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、素子分離領域によるセンサー特性の劣化を防止することが可能でき、更にカラーフィルタやレンズの正確な位置合せが可能で、また暗電量によるノイズ低減が可能な固体撮像装置及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る裏面照射型構造のCMOS型固体撮像装置の断面図である。
【0013】
図1に示すように、固体撮像装置300は、N型エピタキシャル層(半導体層)4を有し、このN型エピタキシャル層4は、第1の主面(表面)4aとこの第1の主面4aと相対向する第2の主面(裏面)4bとを有する。また、このN型エピタキシャル層4は、素子領域100と周辺領域200とを有する。
【0014】
素子領域100は、撮像素子領域100aと周辺回路領域100bとを有し、撮像素子領域100aのN型エピタキシャル層4の第1の主面4aには、可視光を取り込み、光電変換及び信号電荷の蓄積を行うためのN型の受光部10と後述の暗電流を防ぐための第1のP型シールド層14とからなるフォトダイオードが形成されている。
【0015】
この受光部10を囲むように素子分離領域11が形成されている。この素子分離領域11は、N型エピタキシャル層4の第1の主面4aから第2の主面4bに達するように形成されている。また、この素子分離領域11は、第1のP型拡散層12とこの第1のP型拡散層と接続する第2のP型拡散層13とで形成されている。第1のP型拡散層12は、N型エピタキシャル層4の第1の主面4aからN型エピタキシャル層4の中間部まで延びている。また、第2のP型拡散層13は、N型エピタキシャル層4の第2の主面から延び、第1のP型拡散層12の底部(N型エピタキシャル層4の中間部)に達している。
【0016】
そして、第1のP型シールド層14は、受光部10の表面と、この受光部10の一方側(素子分離領域11側)に位置する第1のP型拡散層12の表面に形成されている。
【0017】
また、受光部10の他方側(転送ゲート電極17a側)に位置する第1のP型拡散層12の表面には、N型拡散層からなるNMOSFETのソース/ドレイン15a、15bが互いに離間形成されている。このソース/ドレイン15aと受光部10との間のN型エピタキシャル層4の第1の主面4aには、ゲート絶縁膜16を介して転送ゲート電極17aが形成されている。そして、受光部10、ソース/ドレイン15a及び転送ゲート電極17aとで、受光部10に蓄積された電荷を読み出すための読出用MOSFETが構成される。
【0018】
更に、ソース/ドレイン15a、15b間のN型エピタキシャル層4の第1の主面4a上には、ゲート絶縁膜16を介してリセットゲート電極17bが形成され、受光部10の電荷をリセットするためのリセット用MOSFETが構成される。
【0019】
一方、周辺回路領域100bのN型エピタキシャル層4の第1の主面4aには、P型半導体ウェル20とN型半導体ウェル21が形成されている。このP型半導体ウェル20とN型半導体ウェル21との境界部には、素子分離のための素子分離絶縁膜22が形成されている。これらP型半導体ウェル20及びN型半導体ウェル21とN型エピタキシャル層4の第2の主面4bとの間には、第2のP型拡散層13が形成されている。
【0020】
また、P型半導体ウェル20の主面には、NMOSFETのN型のソース/ドレイン23c、ゲート絶縁膜16及びゲート電極27cからなる周辺回路用NMOSFETが形成されている。N型半導体ウェル21の主面には、PMOSFETのP型のソース/ドレイン24d、ゲート絶縁膜16及びゲート電極27dからなる周辺回路用PMOSFETが形成されている。このP型やN型MOSFETは、例えば、アナログ回路やロジック回路などに使用される。
【0021】
周辺領域200には、アライメントマーク30が形成されている。このアライメントマーク30は、エピタキシャル層4の第1の主面4aから第2の主面4bに達するトレンチ31と、このトレンチ31の内面及びN型エピタキシャル層4の第2の主面4b側の開口端を覆うように形成されたHF耐性を有する耐エッチング膜32と、この耐エッチング膜32で覆われたトレンチ31内に埋め込まれたシリコン酸化膜などの埋め込み層33で構成されている。
【0022】
また、N型エピタキシャル層4の第1の主面4aには、配線層40が形成されている。この配線層40は、例えば第1乃至第3の配線40a、40b、40cと層間絶縁膜41とで構成されている。また、この配線層40のN型エピタキシャル層4と反対側の表面には、支持基板45が形成されている。これは、固体撮像装置300を支持するためのものである。
【0023】
一方、N型エピタキシャル層4の第2の主面4b上には、信号電荷を逃がさないようにするために第2のP型シールド層50が形成されている。この第2のP型シールド層50上の全面には、重金属汚染のゲッタリングサイトとして機能するアモルファスシリコン層51が形成されている。更に、このアモルファスシリコン層51上の全面には、第1の絶縁膜52が形成されている。
【0024】
また、撮像素子領域100aの第1の絶縁膜51上の一部には、遮光膜53が形成されている。この遮光膜53は、他の撮像素子領域(また、レンズ外)からの光の入射を防止するために、後述のレンズ56の周囲を囲うように形成されている。更に、第1の絶縁膜52及び遮光膜53上に、これらを覆うように第2の絶縁膜54が形成されている。そして、遮光膜53内の第2の絶縁膜54上には、カラーフィルタ55が形成され、カラーフィルタ55上にマイクロレンズ56が形成されている。カラーフィルタ55及びマイクロレンズ56は、N型の受光部10と正対する位置に配置される。
【0025】
上記固体撮像装置300では、マイクロレンズ56側から入射した光が、マイクロレンズ56で集光され、カラーフィルタ55、第2の絶縁膜54及び第1の絶縁膜52などを介することで、所望の波長の光となり、受光部10に信号電荷として蓄積される。そして、その受光部10に蓄積された信号電荷が、転送ゲート電極17aによって、読出用MOSFETのソース/ドレイン15aに転送され、その読出用MOSFETのソース/ドレイン15aの電圧が増幅トランジスタ(不図示)で増幅され、画素信号として周辺回路に出力される。
【0026】
図1の固体撮像装置300は、図2(a)、(b)の平面図に示すように、ウェハ400の多数のチップ401に素子領域100を形成される。そして、周辺領域200内のアライメントマーク30は、各チップ401間、例えば、素子領域100間のダイシングライン上の所定の位置に配置される。
【0027】
次に、上記固体撮像装置300の製造方法について、図3乃至図9を参照して説明する。
【0028】
まず、図3(a)に示すように、半導体基板1にBOX(Burried Oxide)層2、SOI(Silicon On Insulator)層3からなるSOI基板5を用意する。ここで、SOI層3は、膜厚が50〜100nmで、濃度が1015〜1017cm-3のN型結晶シリコンである。
【0029】
次に、図3(b)に示すように、SOI層3上の全面に、膜厚が3〜10μmで、濃度が1015〜1017cm-3のN型エピタキシャル層4を形成し、図3(c)に示すように、更にそのN型エピタキシャル層4上にシリコン酸化膜7及びシリコン窒化膜8を順次、積層形成する。
【0030】
次に、図4(a)に示すように、周知のリソグラフィー技術及びRIE(Reactive Ion Etching)技術を用いて、周辺領域200のシリコン窒化膜8、シリコン酸化膜7、エピタキシャル層4及びSOI層3を貫通し、BOX層2に到達するトレンチ31を形成する。続けて、図4(b)に示すように、耐エッチング膜32をトレンチ31の少なくとも第2の主面側の開口端部(底部)を覆うように形成し、更にシリコン酸化膜などの埋め込み層33でトレンチ31内を埋め込む。
【0031】
ここで、トレンチ31、耐エッチング膜32及び埋め込み層33により、後に行われるリソグラフィー工程時のアライメントマーク30が形成される。具体的には、このアライメントマーク30は、耐エッチング膜32の内側と、埋め込み層33との境界を境に光の反射率が変わることを利用して、アライメント信号を検出し、正確なリソグラフィーを行うために使われる。耐エッチング膜32は、HF耐性を有し、かつ、埋め込み層33とは光の反射率が異なる、例えば、シリコン窒化膜などが使用される。埋め込み層33は、シリコン酸化膜が好ましいが、これに限らず、リソグラフィー工程時にアライメントマークとして認識できる材料、つまり、耐エッチング膜32の光の反射率と異なる反射率を有するものであればよい。更には、埋め込み層33は、トレンチ31内の全体に設けなくても構わない。つまり、少なくともトレンチ31の底部近傍に埋め込み層33が設けられていれば良く、トレンチ31の底部近傍を除いた内部が空洞でも構わない。
【0032】
次に、シリコン窒化膜8上に形成された耐エッチング膜32及び埋め込み層33をCMP(Chemical Mechanical Polish)技術などを使って平坦化除去した後、図4(c)に示すように、シリコン窒化膜8をウエットエッチング、例えばリン酸H3PO4で剥離する。
【0033】
次に、周知のCMOSイメージセンサープロセスを用いてN型エピタキシャル層4上に、撮像素子及び周辺回路素子を形成する。以下、CMOSイメージセンサープロセスを図5乃至図10を参照して説明する。
【0034】
まず、図5(a)に示すように、シリコン酸化膜7上にレジスト60を塗布し、周知のリソグラフィー技術を用いて、レジスト60に開口部60aを形成する。この開口部60aは、素子分離のための第1のP型拡散層12を形成しようとする領域に対応して設けられる。続けて、このレジスト60をマスクとしてシリコン酸化膜7をエッチング除去し、N型エピタキシャル層4の第1主面4aを露出させる。
【0035】
次に、図5(b)に示すように、このN型エピタキシャル層4が露出した領域に、高加速イオン注入により第1のP型拡散層12を形成する。この第1のP型拡散層12は、例えば、1011〜1013cm−2程度のボロンを100kevから3Mev程度の加速エネルギーでP型が途切れないように順次打ち込むことで形成される。このとき、打ち込むイオンに与える加速エネルギーの上限は、イオン注入装置の性能、生産性、マスクプロセスなどで決まっており、3Mev以下が適当である。
【0036】
この第1のP型拡散層12の深さは、N型エピタキシャル層4の膜厚と、打ち込むイオンの加速エネルギーとの組合せで決まる。本実施の形態の場合、第1のP型拡散層12の膜厚がN型エピタキシャル層4の膜厚の半分またはそれよりも若干、深い位置まで達するように設定する。
【0037】
次に、図5(c)に示すように、レジスト60及びシリコン酸化膜7を順次除去する。その後、図6(a)に示すように、N型エピタキシャル層4の第1主面4a全面に、再度、レジストを塗布し、周知のリソグラフィー技術を用いて、周辺回路領域100bのうちNMOSFETが形成される領域に開口部を設け、その開口部からエピタキシャル層4の第1主面4aにボロンをイオン注入し、P型半導体ウェル20を形成する。そして、不要なレジストを除去した後、再度、レジストを塗布し、PMOSFETが形成される領域に開口部を設け、その開口部からエピタキシャル層4の第1主面4aにリンをイオン注入しN型半導体ウェル21を順次形成する。
【0038】
その後、図6(b)に示すように、撮像素子領域100a及び周辺回路領域100bにゲート絶縁膜16を形成する。次に、周辺回路領域100bのP型半導体ウェル20とN型半導体ウェル21の境界部上に素子分離絶縁膜22を形成する。この素子分離絶縁膜22は、P型半導体ウェル20とN型半導体ウェル21との境界部上にトレンチを形成し、そのトレンチ内にシリコン酸化膜などの絶縁膜を埋め込むことで形成する。
【0039】
次に、素子分離絶縁膜22を形成した後、撮像素子領域100aのエピタキシャル層4の第1主面4a上にゲート絶縁膜16を介してNMOSFETの転送ゲート電極17aや、リセットゲート電極17bをそれぞれ形成する。また、周辺回路領域100bのP型半導体ウェル20及びN型半導体ウェル21上にゲート絶縁膜16を介して周辺回路のPMOSFETのゲート電極27c及びNMOSFETのゲート電極27dをそれぞれ形成する。これらの各ゲート電極17a、17b、27c、27dは、周知のリソグラフィー技術とドライエッチング技術を用いて多結晶シリコンにパターニングを施し形成する。
【0040】
次に、図6(c)に示すように、撮像素子領域100aには、N型の受光部10、暗電流を防ぐための第1のP型シールド層14、NMOSFETのソース/ドレイン15a、15bなどを順次形成する。N型の受光部10は、転送ゲート電極17aをマスクにして素子分離領域11に囲まれたN型エピタキシャル層4の第1主面4aに形成される。第1のP型シールド層1は、受光部10のうち、転送ゲート電極17a側の表面部以外の表面部及び第1のP型拡散層12表面を含んでN型エピタキシャル層4の第1主面4aの部分に形成される。NMOSFETのソース/ドレイン15a、15bは、転送ゲート電極17a及びリセットゲート電極17bをマスクにして素子分離領域12の表面部分に形成される。
【0041】
また、周辺回路領域100bのP型半導体ウェル20の表面部分には、NMOSFETのソース/ドレイン23c、N型半導体ウェル21の表面部分には、PMOSFETのソース/ドレイン24dを順次形成する。NMOSFETのソース/ドレイン23cは、ゲート電極27cをマスクに形成され、PMOSFETのソース/ドレイン24dは、ゲート電極27dをマスクにして形成される。
【0042】
次に、図7(a)に示すように、N型エピタキシャル層4の第1主面4a上に、周知の多層配線プロセスで第1の配線40a、第2の配線40b及び第3の配線40cや、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などで形成される層間絶縁膜41、などからなる配線層40を形成する。また、これらの配線40a乃至40cは、フォトダイオードや、各MOSFETなどと適宜電気的に接続されている。
【0043】
次に、図7(b)に示すように、N型エピタキシャル層4と反対側にある配線層40の表面に、シリコン酸化膜である接着層(不図示)を形成して、その接着層の表面を平坦化研磨するとともに、表面にシリコン酸化膜である接着層(不図示)が形成された支持基板45を用意して、それぞれの接着層同士が対向するようにして配線層40と支持基板45とを貼り合わせる。
【0044】
次に、図7(c)に示すように、SOI基板5と支持基板45とを上下を反転させ、SOI基板5を上側にして、裏面材料である半導体基板1とBOX層2を、CMP法あるいはHF溶液によるウェットエッチング法などで除去し、SOI層3を露出させる。なお、この時、SOI層3の表面に位置するトレンチ31の底部は、HF耐性を有する耐エッチング膜32で覆われているので、HF溶液によるウェットエッチング法を用いた場合でも、エッチングされることなくSOI層3の表面に露出する。
【0045】
次に、図8(a)に示すように、SOI層3上に、レジスト61を塗布し、周知のリソグラフィー技術を用いて、レジスト61に開口部61bを形成する。この開口部61bは、第2のP型拡散層13を形成しようとする領域に対応して設けられる。続けて、このレジスト61をマスクとして高加速イオン注入により第2のP型拡散層13を形成する。この高加速イオン注入は、例えばボロンを、第2のP型拡散層13が第1のP型拡散層12の底面と接続するように加速エネルギーを選択し、打ち込むことによって行う。また、周辺回路領域100bにおいては、第2のP型拡散領域13が、P型半導体ウェル20及びN型半導体ウェル21の底面とそれぞれ接続するように行う。
【0046】
このように、周辺回路領域100bにおいて、P型半導体ウェル20及びN型半導体ウェル21のそれぞれに接続するように第2のP型拡散領域13を形成することにより、周辺回路領域100bのノイズ耐性を向上させることができる。
【0047】
次に、図8(b)に示すように、レジスト61を除去した後、エピタキシャル層4の第2主面4b全面に、暗電流を防ぐための第2のP型シールド層50を形成する。次に、図8(c)に示すように、第2のP型シールド層50上の全面に、ボロンが高濃度にドープされたアモルファスシリコン層51を低温で形成する。続けて、このアモルファスシリコン層51上の全面に、第1の絶縁膜52を形成する。
【0048】
なお、第2のP型シールド層50及びアモルファスシリコン層51は、少なくとも撮像素子領域100a上の全面に形成されていればよい。更に、図9に示すように、第1の絶縁膜52上の所定の位置に遮光膜53を形成した後、第2の絶縁膜54を遮光膜53及び第1の絶縁膜52上に形成する。遮光膜53は、N型の受光部10に対応する領域を露出し、その周辺部を遮蔽するように形成されている。なお、この遮光膜53は、撮像素子領域100aの縁に沿って一様に形成しても良いし、各撮像素子の周囲をそれぞれ囲むように形成しても良い。
【0049】
これにより、撮像素子領域100aにおいて、第1の絶縁膜52及び第2の絶縁膜53の膜厚と屈折率を適切に選ぶことで撮像素子の感度を高めることができる。
【0050】
更に、遮光膜53を各撮像素子の周囲を囲むように形成することにより、隣り合う撮像素子からの電荷の漏れ込みによる混色を防ぐことができ、より鮮明な画像を表示することができる。
【0051】
その後、カラーフィルタ55を第2の絶縁膜30の所定の位置に配置し、カラーフィルタ53上にマイクロレンズ56を配置する。上記工程を経ることにより図1に示すような固体撮像装置を得る。
【0052】
本実施の形態によれば、N型の受光部10は、N型エピタキシャル層4の第1の主面4aにイオン注入により形成し、N型エピタキシャル層4の第2の主面4b側にマイクロレンズを配置することにより、見掛け上、N型エピタキシャル層4の深部に形成した構造にしている。また、素子分離領域11は、N型エピタキシャル層4の第1の主面4aからイオン注入して第1のP型拡散層12を形成し、第2の主面4bからイオン注入して第1のP型拡散層13の底部に達する第2のP型拡散層13を形成することにより構成している。
【0053】
そのため、高加速イオン注入技術を適用する際に問題であった、イオン注入装置の性能、生産性、マスクプロセスなどによって決まるイオン注入の加速エネルギーの上限に制限されることがなくなる。それにより、例えばN型の受光部10を、均一な濃度で、かつ、レンズからより遠い位置に(レンズが配置される側である第2の主面側からみて深部に)形成することができ、赤色の波長の光をより確実に吸収できるようになる。また、素子分離領域11をN型エピタキシャル層4の第1の主面から第2の主面に達するように形成できる。また、素子分離領域を構成する第1及び第2のP型拡散層12,13は、いずれもN型エピタキシャル層4の中間位置の深さに形成すればよく、N型エピタキシャル層4の主面における横方向への広がりが小さく、受光部10の形成領域を小さくする恐れがない。その結果、固体撮像装置のセンサー特性が向上する。
【0054】
また、従来は、埋め込み層とN型エピタキシャル層との境界を利用してアライメント信号を検出していたが、BOX層3を除去する際に、トレンチ31に埋め込まれたシリコン酸化膜もエッチングされてしまう。そのため、シリコン酸化膜とN型エピタキシャル層との境界が乱れ、アライメントマークとしての機能が不十分となる可能性があった。これに対して、本実施の形態の場合、アライメントマーク30のトレンチ31の内壁のうち、少なくとも底部を、HF耐性を有する耐エッチング膜32で覆うことにより、BOX層3をHF溶液で除去する際に、トレンチ31の底部がエッチングされることがなく、耐エッチング膜32の内側と埋め込み層33との境界が乱れることがなく、より正確に位置合わせができるようになる。
【0055】
また、アモルファスシリコン層51は、熱工程などによる重金属汚染のゲッタリングサイトとして機能し、特に、マイクロレンズ56が配置される裏面側に配置するため、一度形成したゲッタリングサイトを除去する必要がなくなり、熱工程などによる重金属汚染に対してゲッタリング効果が向上し、暗電流によるノイズの低減が図れる。
【0056】
(第2の実施の形態)
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る固体撮像装置における断面図である。本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態が裏面照射型の固体撮像装置であるのに対し、本実施の形態は、表面照射型の固体撮像装置である点である。
【0057】
具体的には、まず、図10(a)に示すように、第2のP型シールド層26を形成するまでの製造方法は、第1の実施の形態における図8(b)までの製造方法と同様である。ただし、第1の実施の形態で形成したアライメントマーク30は形成しなくてもよい。
【0058】
次に、図10(b)に示すように、第2のP型シールド層50の表面にシリコン酸化膜である接着層(不図示)を形成して、その接着層の表面を平坦化研磨するとともに、表面にシリコン酸化膜である接着層(不図示)が形成された第2の支持基板45を用意して、それぞれの接着層同士が対向するようにして第2のP型シールド層50と支持基板45とを貼り合わせる。
【0059】
次に、図10(c)に示すように、第2の支持基板46と第1の支持基板45とを上下を反転させる。即ち、第1の支持基板45を上側にして、第2の支持基板46を下側にする。次に、この第1の支持基板45をCMP法あるいはウェットエッチング法などで除去し、配線層40を露出させる。
【0060】
次に、図11に示すように、配線層40上に、第1の実施の形態と同様に、アモルファスシリコン層51、第1の絶縁膜52、遮光膜53、第2の絶縁膜54、カラーフィルタ55及び、マイクロレンズ56を順次形成する。
【0061】
本実施の形態によれば、素子分離領域11は、N型エピタキシャル層4の第1の主面4aからイオン注入して第1のP型拡散層12を形成し、第2の主面4bからイオン注入して第1のP型拡散層13の底部に達する第2のP型拡散層13を形成することにより構成している。
【0062】
そのため、高加速イオン注入技術を適用する際に問題であった、イオン注入装置の性能、生産性、マスクプロセスなどによって決まるイオン注入の加速エネルギーの上限に制限されることがなくなる。それにより、素子分離領域11をN型エピタキシャル層4の第1の主面から第2の主面に達するように形成できる。また、素子分離領域を構成する第1及び第2のP型拡散層12,13は、いずれもN型エピタキシャル層4の中間位置の深さに形成すればよく、N型エピタキシャル層4の主面における横方向への広がりが小さく、受光部10の形成領域を小さくする恐れがない。その結果、固体撮像装置のセンサー特性が向上する。
【0063】
(第3の実施の形態)
図12(a)及び図12(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る固体撮像装置における断面図である。本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態では、SOI基板5は、半導体基板1上にBOX層2を介してSOI層3を形成した構造を有するが、本実施の形態では、SOI基板6は、半導体基板1上に第2のアモルファスシリコン層63を介してBOX層2を形成し、このBOX層上にSOI層3を形成した構造を有することである。
【0064】
図12(a)に示すように、まず、半導体基板1上に、ゲッタリングサイトとして機能する、ボロンが高濃度にドープされた第2のアモルファスシリコン層63を形成する。次に、図12(b)に示すように、第2のアモルファスシリコン63上に、BOX層2を形成し、BOX層2の上にSOI層3を形成する。
【0065】
その後の製造方法は、第1の実施の形態の製造方法と同様である。なお、この第2のアモルファスシリコン層63は、N型エピタキシャル層4の主面から半導体基板1とBOX層2を、CMP法あるいはウェットエッチング法などで除去するときに同時に除去される。
【0066】
本実施の形態によれば、第1の実施形態による効果の他に、本固体撮像装置300の製造工程の初めに第2のアモルファスシリコン層63が形成されるので、この第2のアモルファスシリコン層63が除去されるまでの間の熱工程などで発生する可能性のある重金属による汚染が防止でき、重金属汚染からの防止効果を更に向上させることができる。そのため、第1の実施形態に比べて、暗電流によるノイズの低減を図れる。
【0067】
(第4の実施の形態)
図13(a)は、本発明の第4の実施の形態に係る固体撮像装置における断面図である。本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態では、第2のP型拡散層13を形成した後に第2のP型シールド層50を形成したが、本実施の形態では、SOI基板5の形成の際、半導体基板1上にBOX層2を形成した後に、BOX層2上にSOI層3に替えて第2のP型シールド層50を形成する点である。上記工程を経ることにより図13(b)に示すような固体撮像装置を得る。
【0068】
本実施の形態によれば、第1の実施形態の効果の他に、第2のP型シールド層50をBOX層2上に予め形成しているので、図8(b)に示すように、SOI層3を除去する工程が不要であり、製造工程が短縮できる。
【0069】
本発明は、上述した第1乃至4の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々、変更して実施しても良い。
【0070】
例えば、第1の実施の形態では、半導体基板1上にBOX層2を形成し、BOX層2上にSOI層3を形成することでSOI基板5を形成したが、BOX層2に別個の半導体基板を張り合わせることによりSOI基板5を形成してもよい。
【0071】
また、アライメントマーク30は、図2(b)の配置に限定されるのではなく、その他の配置も可能である。
【0072】
また、アモルファスシリコン層51、第1の絶縁膜52、第2の絶縁膜54は、少なくとも撮像素子領域100aには形成することは必要であるが、周辺回路領域100b及び周辺領域200には適宜形成すればよい。
【0073】
また、配線層40の配線は、3層に限らない。例えば、2層でも構わないし、5層以上でも構わない。
【0074】
また、相補型MOSFETに限らず、PMOSFET単独、またはNMOSFET単独で構成されてもよい。
【0075】
また、配線層40と支持基板45との張り合わせは、接着層を用いずに圧力で接着してもよい。また、支持基板45は、半導体基板である必要な無く、ガラス基板など支持できるものであれば何でも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】第1の実施の形態に係る固体撮像装置の断面図である。
【図2】第1乃至第4の実施の形態に係るアライメントマークの位置を説明する図である。
【図3】第1の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図4】第1の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図5】第1の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図6】第1の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図7】第1の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図8】第1の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図9】第1の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図10】第2の実施の形態に係る表面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図11】第2の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図12】第3の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【図13】第4の実施の形態に係る裏面照射型構造の固体撮像装置の製造方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0077】
1:半導体基板
2:BOX層
3:SOI層
4:N型エピタキシャル層
4a:第1の主面(表面)
4b:第2の主面(裏面)
5、6:SOI基板
7:シリコン酸化膜
8:シリコン窒化膜
10:受光部
11:素子分離領域
12:第1のP型拡散層
13:第2のP型拡散層
14:第1のP型シールド層
15a、15b、23c、23d:ソース/ドレイン
16:ゲート絶縁膜
17a:転送ゲート電極
17b:リセットゲート電極
20:P型半導体ウェル
21:N型半導体ウェル
22:素子分離絶縁膜
27c、27d:ゲート電極
30:アライメントマーク
31:トレンチ
32:耐エッチング膜
33:埋め込み層
40:配線層
40a:第1の配線
40b:第2の配線
40c:第3の配線
41:層間絶縁膜
45、46:支持基板
50:第2のP型シールド層
51、63:アモルファスシリコン層
52:第1の絶縁膜
53:遮光膜
54:第2の絶縁膜
55:カラーフィルタ
56:マイクロレンズ
60、61:レジスト
60a、61a:開口部
100:素子領域
100a:撮像素子領域
100b:周辺回路領域
200:周辺領域
300:固体撮像装置
400:ウェハ
401:チップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と前記第1主面と相対向する第2主面を有し、かつ撮像素子領域を有する第1導電型の半導体層と、
前記半導体層の前記第1主面に形成され、光電変換により電荷を蓄積する受光部と、
前記受光部を囲んで、前記半導体層の前記第1主面から前記半導体層の途中にまで延びる素子分離領域用の第2導電型の第1不純物層と、
前記半導体層の前記第2主面から前記第1不純物層の底部に達する素子分離用の第2導電型の第2不純物層と
を具備することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
前記半導体層の前記第1主面に設けられた配線層と、
前記半導体層の前記第2主面上に設けられたマイクロレンズと
を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記半導体層の前記第1主面に設けられた配線層と、
前記配線層上に設けられたマイクロレンズと
を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記撮像素子領域以外の周辺領域に、前記半導体層を貫通するトレンチと、前記トレンチ内壁及び前記第2主面側の開口端部に設けられた耐エッチング膜と、前記耐エッチング膜を有する前記トレンチ内に埋め込まれた埋め込み層とで構成されるアライメントマークと
を更に具備することを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記半導体層の前記第2主面上で、前記マイクロレンズの下にゲッタリングサイト
を更に具備することを特徴とする請求項2又は4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記受光部が複数、隣接して配列され、
前記各受光部の外周に沿って形成された遮光膜
を更に具備することを特徴とする請求項1乃至5に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
第1主面と前記第1主面と相対向する第2主面を有し、かつ撮像素子領域を有する第1導電型の半導体層の、第1主面からイオン注入し、光電変換により電荷を蓄積する受光部を形成する工程と、
前記受光部を囲んで、前記半導体層の前記第1主面から前記半導体層の途中にまで伸びる素子分離領域用の第2導電型の第1不純物層を形成する工程と、
前記半導体層の前記第2主面から前記第1不純物層の底部に達する素子分離用の第2導電型の第2不純物層を形成する工程と
を具備することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項8】
前記半導体層の前記第1主面に配線層を形成する工程と、
前記半導体層の前記第2主面上にマイクロレンズを形成する工程と
を更に具備することを特徴とする請求項7に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項9】
前記半導体層の第1主面に配線層を形成する工程と、
前記配線層上にマイクロレンズを形成する工程と
を更に具備することを特徴とする請求項7に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項10】
前記周辺領域に、前記半導体層を貫通するトレンチを形成し、前記トレンチ内壁及び前記第2主面側の開口端部に耐エッチング膜を形成し、前記耐エッチング膜を有する前記トレンチ内に埋め込み層を埋め込むことで、アライメントマークを形成する工程と
を更に具備することを特徴とする請求項8に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項11】
前記第2主面上で、前記マイクロレンズの下にゲッタリングサイトを形成する工程と
を更に具備することを特徴とする請求項10に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項12】
半導体基板上にBOX層を形成し、前記BOX層上に第2導電型のシールド層を形成し、前記第2導電型のシールド層上にエピタキシャル成長により前記半導体層を形成する工程
を更に具備することを特徴とする請求項7乃至11に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項13】
撮像素子領域と周辺領域とを有する第1の支持基板上に、BOX層を形成し、前記BOX層上に第1導電型のSOI層を形成する工程と、
前記SOI層上に第1導電型のエピタキシャル層を形成する工程と、
前記撮像素子領域の、前記エピタキシャル層の主面のうち、前記SOI層に接する第2主面に相対向する第1主面側から、選択的に、前記エピタキシャル層の膜厚の略半分の位置に底面が位置するように、第2導電型の第1拡散層を形成する工程と、
前記第1主面上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極を選択的に形成する工程と、
前記撮像素子領域の、前記エピタキシャル層の前記第1主面側に、選択的に、ソース、ドレイン、第2導電型の第1シールド層及び、第1導電型の受光部を形成する工程と、
前記第1導電型のエピタキシャル層の第1主面上に、配線及び層間絶縁膜を含む配線層を形成する工程と、
前記配線層上に第2の支持基板を形成する工程と、
前記第1の支持基板と前記BOX層とを除去し、前記SOI層を露出する工程と、
前記SOI層の露出面側から、前記第1拡散層の前記底面と接続するように、第2導電型の第2拡散層を形成する工程と、
少なくとも前記撮像素子領域の、前記エピタキシャル層の前記第2主面上に、前記受光部に対応する領域の周辺部を遮蔽するように遮光膜を形成する工程と、
前記エピタキシャル層の前記第2主面上の、前記受光部に対応する領域にマイクロレンズを形成する工程と
を具備することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項1】
第1主面と前記第1主面と相対向する第2主面を有し、かつ撮像素子領域を有する第1導電型の半導体層と、
前記半導体層の前記第1主面に形成され、光電変換により電荷を蓄積する受光部と、
前記受光部を囲んで、前記半導体層の前記第1主面から前記半導体層の途中にまで延びる素子分離領域用の第2導電型の第1不純物層と、
前記半導体層の前記第2主面から前記第1不純物層の底部に達する素子分離用の第2導電型の第2不純物層と
を具備することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
前記半導体層の前記第1主面に設けられた配線層と、
前記半導体層の前記第2主面上に設けられたマイクロレンズと
を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記半導体層の前記第1主面に設けられた配線層と、
前記配線層上に設けられたマイクロレンズと
を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記撮像素子領域以外の周辺領域に、前記半導体層を貫通するトレンチと、前記トレンチ内壁及び前記第2主面側の開口端部に設けられた耐エッチング膜と、前記耐エッチング膜を有する前記トレンチ内に埋め込まれた埋め込み層とで構成されるアライメントマークと
を更に具備することを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記半導体層の前記第2主面上で、前記マイクロレンズの下にゲッタリングサイト
を更に具備することを特徴とする請求項2又は4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記受光部が複数、隣接して配列され、
前記各受光部の外周に沿って形成された遮光膜
を更に具備することを特徴とする請求項1乃至5に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
第1主面と前記第1主面と相対向する第2主面を有し、かつ撮像素子領域を有する第1導電型の半導体層の、第1主面からイオン注入し、光電変換により電荷を蓄積する受光部を形成する工程と、
前記受光部を囲んで、前記半導体層の前記第1主面から前記半導体層の途中にまで伸びる素子分離領域用の第2導電型の第1不純物層を形成する工程と、
前記半導体層の前記第2主面から前記第1不純物層の底部に達する素子分離用の第2導電型の第2不純物層を形成する工程と
を具備することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項8】
前記半導体層の前記第1主面に配線層を形成する工程と、
前記半導体層の前記第2主面上にマイクロレンズを形成する工程と
を更に具備することを特徴とする請求項7に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項9】
前記半導体層の第1主面に配線層を形成する工程と、
前記配線層上にマイクロレンズを形成する工程と
を更に具備することを特徴とする請求項7に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項10】
前記周辺領域に、前記半導体層を貫通するトレンチを形成し、前記トレンチ内壁及び前記第2主面側の開口端部に耐エッチング膜を形成し、前記耐エッチング膜を有する前記トレンチ内に埋め込み層を埋め込むことで、アライメントマークを形成する工程と
を更に具備することを特徴とする請求項8に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項11】
前記第2主面上で、前記マイクロレンズの下にゲッタリングサイトを形成する工程と
を更に具備することを特徴とする請求項10に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項12】
半導体基板上にBOX層を形成し、前記BOX層上に第2導電型のシールド層を形成し、前記第2導電型のシールド層上にエピタキシャル成長により前記半導体層を形成する工程
を更に具備することを特徴とする請求項7乃至11に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項13】
撮像素子領域と周辺領域とを有する第1の支持基板上に、BOX層を形成し、前記BOX層上に第1導電型のSOI層を形成する工程と、
前記SOI層上に第1導電型のエピタキシャル層を形成する工程と、
前記撮像素子領域の、前記エピタキシャル層の主面のうち、前記SOI層に接する第2主面に相対向する第1主面側から、選択的に、前記エピタキシャル層の膜厚の略半分の位置に底面が位置するように、第2導電型の第1拡散層を形成する工程と、
前記第1主面上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極を選択的に形成する工程と、
前記撮像素子領域の、前記エピタキシャル層の前記第1主面側に、選択的に、ソース、ドレイン、第2導電型の第1シールド層及び、第1導電型の受光部を形成する工程と、
前記第1導電型のエピタキシャル層の第1主面上に、配線及び層間絶縁膜を含む配線層を形成する工程と、
前記配線層上に第2の支持基板を形成する工程と、
前記第1の支持基板と前記BOX層とを除去し、前記SOI層を露出する工程と、
前記SOI層の露出面側から、前記第1拡散層の前記底面と接続するように、第2導電型の第2拡散層を形成する工程と、
少なくとも前記撮像素子領域の、前記エピタキシャル層の前記第2主面上に、前記受光部に対応する領域の周辺部を遮蔽するように遮光膜を形成する工程と、
前記エピタキシャル層の前記第2主面上の、前記受光部に対応する領域にマイクロレンズを形成する工程と
を具備することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【公開番号】特開2010−3928(P2010−3928A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−162359(P2008−162359)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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