説明

基板保持装置、露光装置、デバイス製造方法、及び基板保持装置の調整方法

【課題】基板ホルダにおける基板載置面の平面度を迅速に調整する。
【解決手段】基板ステージPSTは、基板ホルダPHの下面を押圧して基板ホルダPHの上面を上方に押し上げる押しネジ81と、基板ホルダPHを微動ステージ21に引き寄せることにより基板ホルダPHの上面をへこませる引きネジ82と、を含むネジユニット83を複数有している。従って、基板ホルダPH上面の平面度の計測と並行して、その複数のネジユニット83を適宜用いて基板ホルダPHの平面度を調整できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板保持装置、露光装置、デバイス製造方法、及び基板保持装置の調整方法に係り、更に詳しくは、平板状の基板を保持する保持部材を含む基板保持装置、該基板保持装置の調整方法、及び該基板保持装置を備えた露光装置、並びに該露光装置を用いたデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示素子、半導体素子(集積回路等)等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、主として、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが用いられている。
【0003】
この種の投影露光装置では、表面に感光剤が塗布されたガラスプレート、あるいはウエハなどの基板(以下、基板と総称する)が、基板ステージ装置の基板ホルダ上に載置され、例えば真空吸着などにより基板ホルダに保持される。そして、エネルギビームの照射により、マスク(あるいはレチクル)に形成された回路パターンが、投影レンズ等の光学系を介して基板表面に転写される。このとき、回路パターンを基板の所定の位置に精度良く転写する必要があるため、基板ホルダにおける基板載置面は、高い平面度が要求される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、従来、基板ステージ装置において、基板ホルダ上面(基板載置面)の平面度調整は、例えば、基板ホルダと、その基板ホルダを下方から支持する部材(例えば、水平面に沿って移動するテーブル部材)と、の間にシムを挿入することにより行われていた。しかるに、近年、基板、特に液晶ディスプレイ向けの基板は、その一辺の長さが、例えば3mを超えるなど、より大型化される傾向にある。そして、基板ホルダは、基板の下面全体を支持する必要があるため、基板の大型化に伴って大型化している。
【0005】
しかしながら、基板ホルダが大型化すると、基板ホルダ(特に基板ホルダの中央部近傍)の下面側にシムなど挿入することが困難になるとともに、シムの挿入箇所が増加して平面度調整に多くの時間を要するなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2008/129762号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の事情の下でなされたもので、第1の観点からすると、所定の二次元平面に平行な平板状に形成され、その一面側に基板を保持する保持部材と;前記保持部材の他面側に所定の間隔で配置され、その少なくとも一部で前記保持部材を支持する支持部材と;前記支持部材及び前記保持部材の少なくとも一方に取り付けられ、前記保持部材と前記支持部材との前記二次元平面に直交する方向の間隔を互いに異なる複数箇所で調整可能な調整装置と;を備える基板保持装置である。
【0008】
これによれば、基板をその一面側に保持する保持部材の他面側には、その保持部材を支持する支持部材が所定間隔で配置される。そして、保持部材と支持部材との間の間隔を互いに異なる複数箇所で調整する調整装置が、支持部材及び/又は支持部材に取り付けられている。従って、保持部材の一面(基板載置面)の平面度の調整を、その一面の平面度の計測と並行して行うことができ、保持部材の基板載置面の平面度調整を迅速に行うことができる。
【0009】
本発明は、第2の観点からすると、基板保持装置と;前記保持部材に保持された前記基板にエネルギビームを用いて所定のパターンを形成するパターン形成装置と;を備える露光装置である。
【0010】
本発明は、第3の観点からすると、本発明の露光装置を用いて前記基板を露光することと;前記露光された前記基板を現像することと;を含むデバイス製造方法である。
【0011】
本発明は、第4の観点からすると、所定の二次元平面に平行な平板状に形成され、その一面側に基板を保持する保持部材の他面側に、所定の間隔で支持部材を配置し、該支持部材に前記保持部材を支持させることと;前記支持部材及び前記保持部材の少なくとも一方に取り付けられた調整装置を用いて、前記保持部材と前記支持部材との前記二次元平面に直交する方向の間隔を、互いに異なる複数箇所で調整することと;を含む基板保持装置の調整方法である。
【0012】
これによれば、基板をその一面側に保持する保持部材の他面側には、その保持部材を支持する支持部材が所定間隔で配置される。そして、支持部材及び/又は支持部材に取り付けられた調整装置により、保持部材と支持部材との間の間隔を互いに異なる複数箇所で調整される。従って、保持部材の一面(基板載置面)の平面度の調整を、その一面の平面度の計測と並行して行うことができ、保持部材の基板載置面の平面度調整を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態の液晶露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1の液晶露光装置が有する基板ステージ装置の断面図である。
【図3】基板ステージ装置が有する基板ホルダの平面度調整装置の概略構成を示す図である。
【図4】第2の実施形態に係る基板ホルダの平面度調整装置の概略構成を示す断面図である。
【図5】第3の実施形態に係る基板ホルダの平面度調整装置の概略構成を示す断面図である。
【図6】図6(A)は図5の平面度調整装置が有するネジユニットの拡大図、図6(B)、及び図6(C)は、図5の平面度調整装置が有するスライダ装置の拡大図である。
【図7】第4の実施形態に係る基板ホルダの平面度調整装置の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜図3に基づいて説明する。
【0015】
図1には、第1の実施形態に係る液晶露光装置10の概略構成が示されている。液晶露光装置10は、液晶表示装置の表示パネルに用いられる矩形(角型)のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
【0016】
液晶露光装置10は、照明系IOP、マスクMを保持するマスクステージMST、投影光学系PL、上記マスクステージMST及び投影光学系PLなどが搭載されたボディBD、基板Pを保持する基板ステージ装置PST、及びこれらの制御系等を含んでいる。以下においては、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系PLに対してそれぞれ相対走査される方向をX軸方向とし、水平面内でこれに直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
【0017】
照明系IOPは、例えば米国特許第6,552,775号明細書などに開示される照明系と同様に構成されている。すなわち、照明系IOPは、図示しない光源(例えば、水銀ランプ)から射出された光を、それぞれ図示しない反射鏡、ダイクロイックミラー、シャッター、波長選択フィルタ、各種レンズなどを介して、露光用照明光(照明光)ILとしてマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)などの光(あるいは、上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。また、照明光ILの波長は、波長選択フィルタにより、例えば要求される解像度に応じて適宜切り替えることが可能になっている。
【0018】
マスクステージMSTには、回路パターンなどがそのパターン面(図1における下面)に形成されたマスクMが、例えば真空吸着(あるいは静電吸着)により固定されている。マスクステージMSTは、後述するボディBDの一部である鏡筒定盤31の上面に固定された一対のマスクステージガイド35上に、例えば不図示のエアベアリングを介して非接触状態で浮上支持されている。マスクステージMSTは、例えばリニアモータを含むマスクステージ駆動系(不図示)により、一対のマスクステージガイド35上で、走査方向(X軸方向)に所定のストロークで駆動されるとともに、Y軸方向、及びθz方向にそれぞれ適宜微少駆動される。マスクステージMSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、マスクステージMSTが有する不図示の反射面に測長ビーム照射するレーザ干渉計を含むマスク干渉計システム38により計測される。
【0019】
投影光学系PLは、マスクステージMSTの図1における下方において、鏡筒定盤31に支持されている。本実施形態の投影光学系PLは、例えば米国特許第6,552,775号明細書に開示された投影光学系と同様の構成を有している。すなわち、投影光学系PLは、レンズモジュールなどを含む光学系を複数有し、その複数の光学系は、Y軸方向に沿って、いわゆる千鳥状に配列されている(マルチレンズ投影光学系とも称される)。複数の光学系それぞれとしては、例えば両側テレセントリックな等倍系で正立正像を形成するものが用いられている。前述の照明系IOPは、複数の光学系に対応した複数の照明光ILをそれぞれマスクMに照射するように構成されている。このため、マスクM上には、千鳥状に配置された複数の照明光ILの照明領域が形成されるとともに、投影光学系PLの下方に配置された基板P上には、複数の光学系それぞれに対応して、千鳥状に配置された複数の照明光ILの照射領域が形成される。液晶露光装置10では、基板P上に形成される複数の照射領域が合成されることにより、千鳥状に配置された複数の光学系から成る投影光学系PLが、Y軸方向を長手方向とする長方形状の単一のイメージフィールドを持つ投影光学系と同等に機能する。
【0020】
このため、照明系IOPからの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、マスクMを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、投影光学系PLの像面側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布された基板P上の照明領域に共役な照明光ILの照射領域(露光領域)に形成される。そして、マスクステージMSTと基板ステージ装置PSTとの同期駆動によって、照明領域(照明光IL)に対してマスクMを走査方向(X軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域(照明光IL)に対して基板Pを走査方向(X軸方向)に相対移動させることで、基板P上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMのパターン(マスクパターン)が転写される。すなわち、本実施形態では照明系IOP及び投影光学系PLによって基板P上にマスクMのパターンが生成され、照明光ILによる基板P上の感応層(レジスト層)の露光によって基板P上にそのパターンが形成される。
【0021】
ボディBDは、一対の基板ステージ架台33(図2参照)と、該一対の基板ステージ架台33上に配置された一対の支持部材32を介して水平に支持された鏡筒定盤31と、を有している。一対の基板ステージ架台33は、それぞれY軸方向を長手方向とする部材から成り、X軸方向に所定間隔で配置されている(図2参照)。一対の基板ステージ架台33は、それぞれその長手方向の両端部が、床面F上に設置された防振機構34に支持されており、床面Fに対して振動的に分離されている(−X側かつ−Y側の防振機構34は不図示)。これにより、ボディBDは、床面Fに対して振動的に分離されている。
【0022】
基板ステージ装置PSTは、一対の基板ステージ架台33上に固定された定盤12と、床面F上に固定された一対のベースフレーム14と、一対のベースフレーム14上に搭載されたX粗動ステージ23Xと、X粗動ステージ23X上に搭載され、X粗動ステージ23Xと共にXY二次元ステージ装置を構成するY粗動ステージ23Yと、Y粗動ステージ23Yの+Z側(上方)に配置された微動ステージ21と、基板Pを保持する基板ホルダPHと、定盤12上で微動ステージ21を支持する重量キャンセル装置60と、基板ホルダPHの上面の平面度を調整する平面度調整装置80(図1では不図示。図2参照)と、を備えている。
【0023】
定盤12は、例えば石材により形成された平面視で(+Z側から見て)矩形の板状部材から成り、その上面は、平面度が非常に高く仕上げられている。
【0024】
一対のベースフレーム14は、一方が定盤12の+Y側、他方が定盤12の−Y側に配置されている。一対のベースフレーム14それぞれは、X軸方向を長手方向とする部材から成り、基板ステージ架台33を跨いだ状態で床面Fに固定されている。なお、図1を含む各図面では不図示であるが、一対のベースフレーム14は、X粗動ステージ23XをX軸方向に直進案内するためのXリニアガイド部材、及びX粗動ステージ23Xを駆動するXリニアモータを構成するX固定子(例えばコイルユニット)などを有している。
【0025】
X粗動ステージ23Xは、平面視矩形の外形形状を有する枠状の部材から成り、その中央部にY軸方向を長手方向とする長孔状の開口部23Xa(図2参照)を有している。X粗動ステージ23Xの下面には、YZ断面逆U字状に形成されたステージガイド15が固定されている。ステージガイド15は、図1では不図示であるが、ベースフレーム14の有するXリニアガイド部材(不図示)に対してスライド可能に係合するスライド部材、及び、上述したX固定子と共にXリニアモータを構成するX可動子(例えば、磁石ユニット)などを有している。X粗動ステージ23Xは、Xリニアモータを含むX粗動ステージ駆動系により、一対のベースフレーム14上で、X軸方向に所定ストロークで直進駆動される。また、X粗動ステージ23Xの上面には、図2に示されるように、X軸方向に離間して配置された一対のYリニアガイド部材28が固定されている。また、各図面では不図示であるが、X粗動ステージ23Xの上面には、Y粗動ステージ23Yを駆動するYリニアモータを構成するY固定子(例えばコイルユニット)が固定されている。
【0026】
Y粗動ステージ23Yは、X粗動ステージ23XよりもY軸方向の寸法が短い平面視で矩形の外形形状を有する枠状の部材から成り、その中央部に開口部23Ya(図2参照)を有している。Y粗動ステージ23Yの下面の、例えば四隅部には、XZ断面逆U字状に形成されたスライダ29が固定されている(図1では、−X側の2つのスライダは、+X側の2つのスライダに対して紙面奥側に隠れている)。−X側の2つのスライダ29は、−X側のYリニアガイド28にスライド可能に係合し、+X側の2つのスライダ29は、+X側のXリニアガイド28にスライド可能に係合している。また、各図面では不図示であるが、Y粗動ステージ23Yの下面には、上述したY固定子と共にYリニアモータを構成するY可動子(例えば、磁石ユニット)が固定されている。Y粗動ステージ23Yは、Yリニアモータを含むY粗動ステージ駆動系により、X粗動ステージ23X上でY軸方向に所定ストロークで駆動される。X粗動ステージ23X、及びY粗動ステージ23Yそれぞれの位置情報は、例えば不図示のリニアエンコーダシステムにより計測される。なお、X粗動ステージ23X,Y粗動ステージ23YをそれぞれX軸方向、Y軸方向に駆動する駆動方式は、例えば送りねじによる駆動方式、あるいはベルト駆動方式などの他の方式であっても良い。
【0027】
微動ステージ21は、平面視略正方形の高さの低い箱形(中空の直方体状)の部材から成る。微動ステージ21の−Y側の側面には、図1に示されるように、ミラーベース24Yを介してY軸に直交する反射面を有するY移動鏡(バーミラー)22Yが固定されている。また、微動ステージ21の−X側の側面には、図2に示されるように、ミラーベース24Xを介してX軸に直交する反射面を有するX移動鏡(バーミラー)22Xが固定されている。ミラーベース24X,24Yは、それぞれXY平面に平行な板状の部材から成る(図3参照)。微動ステージ21のXY平面内の位置情報は、Y移動鏡22Y及びX移動鏡22Xそれぞれに測長ビームを照射し、その反射光を受光するレーザ干渉計を含むレーザ干渉計システム39(図1参照)によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。なお、実際には、レーザ干渉計システム39は、Y移動鏡22Y、X移動鏡22Xそれぞれに対応したXレーザ干渉計、Yレーザ干渉計を有しているが、図1では、代表的にYレーザ干渉計のみが図示されている。
【0028】
微動ステージ21は、例えばY粗動ステージ23Yに固定された不図示の固定子(例えば、コイルユニット)と、微動ステージ21に固定された不図示の可動子(例えば、磁石ユニット)と、から成るボイスコイルモータを含む微動ステージ駆動系により、Y粗動ステージ23Y上で6自由度方向(X軸、Y軸、Z軸、θx、θy、θzの各方向)に微少駆動される。これにより、微動ステージ21は、投影光学系PLに対し、XY2軸方向に長ストロークで移動(粗動)可能、且つ6自由度方向に微少移動(微動)可能となっている。なお、ボイスコイルモータは、X軸方向に駆動力を発生するXボイスコイルモータ、Y軸方向に駆動力を発生するYボイスコイルモータ、及びZ軸方向に駆動力を発生するZボイスコイルモータが、それぞれ複数(特にZボイスコイルモータは、同一直線上にない3箇所以上に)設けられている。
【0029】
基板ホルダPHは、微動ステージ21よりもX軸及びY軸方向の寸法が大きい平面視矩形(例えば、ほぼ正方形)の板状部材から成り、図2に示されるように、微動ステージ21の上面にボルト40により取り付けられている。基板ホルダPHは、例えば図示しない真空吸着装置(又は静電吸着装置)を有しており、その上面に基板P(図1参照)を吸着保持する。なお、図2では、基板ステージ装置PSTから基板Pが除かれている。
【0030】
ここで、図2に示されるように、微動ステージ21の上面と、基板ホルダPHの下面との間には、所定のクリアランスが形成されている(微動ステージ21と基板ホルダPHとがZ軸方向に離間している)。ただし、微動ステージ21の上面と基板ホルダPHの下面との間に挿入されたスペーサ41を介して、微動ステージ21と基板ホルダPHとは、その中央部において互いに密着している。前述のボルト40は、スペーサ41に形成された不図示の孔部を挿入されており、基板ホルダPHと微動ステージ21とを、互いの中心位置付近で締結している。
【0031】
また、微動ステージ21の上面における外周縁部と基板ホルダPHの下面との間にも、同様にスペーサ42が挿入されており、微動ステージ21と基板ホルダPHとのZ軸方向のがたつきが抑制されている。また、微動ステージ21の外側(ただし、ミラーベース24X,24Yが設けられている部分を除く)には、XZ断面(あるいはYZ断面)がL字状の部材から成るストッパ43が、微動ステージ21の外側面に沿って設けられている。ストッパ43は、微動ステージ21の外側面及び基板ホルダPHの下面それぞれに、図示しないボルトにより締結されており、微動ステージ21と基板ホルダPHとのX軸方向、Y軸方向、及びθz方向への相対移動を制限している。なお、スペーサ41、42、及びストッパ43は、微動ステージ21に一体的に形成されていても良い。
【0032】
また、図3に示されるように、微動ステージ21の+X側、+Y側、−Y側の各側面(ただし、ミラーベース24Yが設けられている部分を除く)、及び四隅部(角部)には、片持ちのアーム状部材から成る複数(本実施形態では、例えば10本)のホルダサポート46の一端が固定されている。複数のホルダサポート46は、微動ステージ21の中心から略放射状に延設されている。ホルダサポート46は、図2に示されるように、他端(先端部)にZ軸方向に弾性を有するバネ46a(圧縮コイルバネ)を有している。バネ46aは、基板ホルダPHの下面における外周縁部に当接しており、基板ホルダPHを+Z方向に押圧することにより、基板ホルダPHの外周縁部の自重による垂れ下がりを抑制している。なお、ホルダサポート46は、バネ46aによる基板ホルダPHの押圧力を調整する不図示の調整装置を有している。
【0033】
重量キャンセル装置60は、図2に示されるように、Z軸方向に延設された柱状の部材であり、心柱とも称される。重量キャンセル装置60は、筐体61、空気バネ62、スライド部63、及びレベリング装置64を有している。
【0034】
筐体61は、+Z側が開口した有底の筒状部材から成り、X粗動ステージ23Xの開口部23Xa、及びY粗動ステージ23Yの開口部23Yaに挿入されている。筐体61は、その下面に取り付けられた複数の非接触スラスト軸受、例えばエアベアリング66により、定盤12上に非接触支持されている。筐体61は、Y粗動ステージ23Yに対して板バネを含む複数の連結装置65(フレクシャ装置とも称される)を介して接続されている。連結装置65は、筐体61の+X側、−X側,+Y側,及び−Y側に配置されており(ただし、+Y側及び−Y側の連結装置は不図示)、筐体61は、Y粗動ステージ23Yと一体的にX軸方向、及び/又はY軸方向に移動する。
【0035】
また、筐体61の周壁面の上端部外側には、図1及び図2から分かるように、+X方向、−X方向、+Y方向、−Y方向それぞれに延びるアーム部材67が固定されている。4本のアーム部材67それぞれの先端部には、微動ステージ21の下面に測長ビームを照射して筐体61に対する微動ステージ21のZ軸方向の位置情報を計測するレーザ変位計68(あるいはレーザ干渉式測長機。以下、Zセンサと称する)が固定されている。Zセンサの出力は、図示しない主制御装置に供給される。主制御装置は、4つのZセンサの計測結果を用いることで、微動ステージ21のZ軸方向の位置、及びθx方向、θy方向のチルト量を制御する。
【0036】
空気バネ62は、筐体61内の最下部に収容されている。空気バネ62には、不図示の気体供給装置から気体(例えば空気)が供給されており、その内部が外部に比べて気圧の高い陽圧空間に設定されている。重量キャンセル装置60は、空気バネ62が発生する上向き(+Z方向)の力で、微動ステージ21を含む系(具体的には、微動ステージ21、基板ホルダPH、基板Pなどから成る系)の重量(重力加速度による下向き(−Z方向)の力)を打ち消すことにより、微動ステージ駆動系を構成する複数のボイスコイルモータ(図示省略)に対する負荷を低減する。
【0037】
スライド部63は、筐体61の内部に収容された筒状の部材から成り、空気バネ62の上方に配置されている。重量キャンセル装置60は、空気バネ62の内圧を変化させることにより、スライド部63を上下動させる(Z軸方向に駆動する)ことができようになっており、微動ステージ21(すなわち基板P)をZ軸方向に駆動するアクチュエータとしても機能する。
【0038】
レベリング装置64は、スライド部63の上方に配置されており、ベース64aと、ボール64bとを含む。ベース64aは、スライド部63の上面に取り付けられた図示しない複数の非接触軸受(例えば、エアベアリング)により、スライド部63に非接触(浮上)支持されている。ベース64aの上面には、凹部が形成されており、その凹部にボール64bの下部が嵌合している。レベリング装置64は、ベース64aの下部を除き、微動ステージ21の下面部中央に形成された円形の開口部21b(図3参照)を介して微動ステージ21の内部に収容されている。また、ボール64bの上部は、微動ステージ21の内壁面のうちの+Z側の面(天井面)に固定された固定部材21aの下面に形成された凹部に嵌合している。なお、図2ではその図示が省略されているが、ボール64bの外周面とベース64aの凹部を規定する面との間、及びボール64bの外周面と固定部材21aの凹部を規定する面との間には、それぞれ複数のボール(ただし、ボール64bよりも径が小さい)が挿入されている。これにより、微動ステージ21は、レベリング装置64を介して、重量キャンセル装置60にθx方向及びθy方向にチルト自在(揺動自在)な状態で支持される。なお、上記連結装置65(フレクシャ装置)を含み、重量キャンセル装置60の構成は、例えば国際公開第2008/129762号などに開示されている。
【0039】
次に、基板ホルダPHの上面の平面度を調整する平面度調整装置80、及びその平面度調整装置80を用いた基板ホルダPH上面の平面度調整方法について説明する。図2に示されるように、微動ステージ21の上面部には、一本の押しネジ81(あるいはボルト)と、一本の引きネジ82(あるいはボルト)と、から成る複数(本実施形態では、例えば28)のネジユニット83が設けられている(図3参照)。複数のネジユニット83は、図3に示されるように、所定間隔で互いに離間して配置されている。なお、理解を容易にするため、図3において、押しネジ81は、黒丸印(●)で示され、引きネジ82は、白丸印(○)で示されている。
【0040】
また、図3に示されるように、ネジユニット83は、ミラーベース24X,24Yにもそれぞれ複数(本実施形態では、例えばそれぞれ6)設けられている。さらに、ネジユニット83は、複数のホルダサポート46の上面に固定された断面逆U字状(図2参照)の固定部材84にも設けられている(ただし、ミラーベース24Yに隣接するホルダサポート46を除く)。このように、平面度調整装置80は、互いに離間して配置された合計52のネジユニット83を有しており、複数のネジユニット83は、基板ホルダPHの下面の略全体をカバーしている。なお、図3に示されるように、本実施形態に係る複数のネジユニット83は、押しネジ81と引きネジがX軸方向に隣接しているものとY軸方向に隣接しているものとあるが、その機能は実質的に同じであるため同じ符号を用いて説明する。
【0041】
なお、複数のネジユニット83は、図3に示されるように、基板ホルダPHの下面の全体をカバーするように分散して配置されていることが好ましいが、その配置自体は図3に示されるものに限られず、適宜変更が可能である。例えば、複数のネジユニット83は、マトリクス状に(X軸及びY軸方向それぞれに均等な間隔で)配置されていても良い。また、各ネジユニット83の間隔も、図3に例示された場合よりも密であっても良いし、粗であっても良い。また、押しネジ81と引きネジ82は、X軸方向に隣接していても良いし、Y軸方向に隣接していても良い。さらに、一つのネジユニット83が、複数の押しネジ81、複数の引きネジ82をそれぞれ有していても良い。また、一つのネジユニット83が、押しネジ81及び引きネジ82の一方のみを有していても良い。
【0042】
図2に示されるように、微動ステージ21に取り付けられた押しネジ81は、いわゆるイモネジ(セットスクリュー)であり、+Z側の端部(先端部)が基板ホルダPHの下面に対向し、−Z側の端部に、例えば六角穴が形成されている。押しネジ81は、微動ステージ21の上面部に形成されたネジ孔に螺合しており、その回転により、+Z方向又は−Z方向に移動する。ミラーベース24X,24Yそれぞれに取り付けられた押しネジ81は、ミラーベース24X,24Yそれぞれに形成されたネジ孔に螺合している。また、ホルダサポート46に固定部材84を介して取り付けられた押しネジ81は、固定部材84に形成されたネジ孔に螺合している。従って、基板ホルダPHは、押しネジ81が微動ステージ21,ミラーベース24X,24Y、あるいは固定部材84のネジ孔にねじ込まれることにより、その押しネジ81の先端部に押圧され、その上面が+Z側に微少量張り出す。なお、各押しネジ81には、ネジ孔に対する緩みを防止するためのロックナット81aが螺合している。
【0043】
一方、微動ステージ21に取り付けられた引きネジ82は、微動ステージ21の上面部に形成された貫通孔に挿入され、+Z側の端部(先端部)が、基板ホルダPHの下面に形成されたネジ穴に螺合している。また、ミラーベース24X,24Yそれぞれに取り付けられた引きネジ82(図2では不図示。図3参照)は、ミラーベース24X,24Yそれぞれに形成された貫通孔に挿入されるとともに、基板ホルダPHの下面に形成された不図示のネジ穴に螺合している。また、ホルダサポート46に固定部材84を介して取り付けられた引きネジ82(図2では不図示。図3参照)は、固定部材84に形成された貫通孔に挿入されるとともに、基板ホルダPHの下面に形成された不図示のネジ穴に螺合している。引きネジ82は、−Z側の端部に頭部(ねじ山が形成された部分よりも径の大きな部分)を有している。従って、引きネジ82が基板ホルダPHの下面に形成されたネジ穴に対してねじ込まれることにより、基板ホルダPHが微動ステージ側に引きつけられる(基板ホルダPHの上面を微少量凹ませることができる)。なお、図3では省略されているが、微動ステージ21は、その内部に微動ステージ21の上面部と下面部とを接続する補剛部材を有しており、基板ホルダPHよりもZ軸方向に関する剛性が高くなっている。従って、ネジユニット83を用いて基板ホルダPHと微動ステージ21との間隔を調整する際に、基板ホルダPHを微動ステージ21の数倍の変位量で+Z方向、あるいは−Z方向に微少量変形させることができる。
【0044】
本実施形態の基板ステージ装置PSTでは、複数のネジユニット83が微動ステージ21の下面全体をカバーするように、概ね均等に分散して設けられているので、その複数のネジユニット83を構成する押しネジ81及び/又は引きネジ82を用いて、基板ホルダPHの上面の平面度を、複数箇所(ネジユニット83に対応する箇所。すなわち、本実施形態では、例えば52箇所)で個別に調整できる。
【0045】
また、図3に示されるように、微動ステージ21は、その下面部中央に前述した開口部21bを有するとともに、その開口部21bの周囲に複数(本実施形態では、例えば28)の円形の開口部21cを有する。複数の開口部21cそれぞれは、微動ステージ21に設けられた複数のネジユニット83それぞれに対応する位置に形成されている。従って、開口部21b、21cから工具などを微動ステージ21内に挿入することにより、微動ステージ21の下方からネジユニット83を構成する押しネジ81、及び引きネジ82それぞれを操作する(回す)ことができるようになっている。
【0046】
基板ステージ装置PSTでは、基板ホルダPHに基板P(図1参照)が載置されていない状態で、例えば液晶露光装置10のオペレータにより、複数のネジユニット83の押しネジ81、及び/又は引きネジ82が適宜回操作(回転)され、これにより基板ホルダPH上面の平面度が調整される。基板ホルダPH上面の平面度は、例えばオートコリメータを含む平面度計測装置、あるいは変位センサ(レーザ等を用いた非接触式でも、接触式でも良い)を含む平面度計測装置などを用いて計測することができ、基板ホルダPH上面の平面度調整は、これらの計測装置を用いて基板ホルダPH上面の平面度を計測(モニタ)しつつ行われ、基板Pは、基板ホルダPH平面度の調整が行われた後に、その基板ホルダPHに載置される。
【0047】
上述のようにして構成された液晶露光装置10(図1参照)では、不図示の主制御装置の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージMST上へのマスクMのロード、及び不図示の基板ローダによって、基板ステージ装置PST上への基板Pのロードが行なわれる。その後、主制御装置により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、アライメント計測の終了後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。この露光動作は従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式と同様であるのでその説明は省略するものとする。
【0048】
以上説明したように、本実施形態の基板ステージ装置PSTによると、基板ホルダPHの上面(基板載置面)の平面度を、その基板ホルダPHの下方から複数のネジユニット83(押しネジ81、及び引きネジ82)を用いて調整できる。従って、例えば基板ホルダPHと微動ステージ21との間に間隔調整用の部材(例えば、シムなど)を挿入する場合に比べ、基板ホルダPHの上面の平面度調整を容易且つ迅速に行うことができる。
【0049】
また、基板ホルダPHの上面の平面度調整を、その基板ホルダPHの下方から行うことができるので、基板ホルダPHの上面の平面度計測と、平面度調整とを、同時に行うことができる。従って、基板ホルダPHの上面の平面度調整を、短時間で行うことができる(上記シムなどを用いた調整方法では、調整と計測とを交互に行う必要がある)。そして、基板ホルダPHの上面の平面度を微動ステージ21上で調整できるので、予め基板ホルダの上面を平面度良く厳密に加工する必要、及び微動ステージ21に搭載された状態でその基板ホルダPHが自重により変形しないように剛性を高く(例えば、厚みを大きくする)する必要がなくなる。このように、基板ホルダPHの自重によるたわみが、ある程度許容されることにより、基板ホルダPHの軽量化を図ることが可能になる。また、基板ホルダPHの加工精度を緩和することができるので、基板ホルダPHの加工時間を短縮できる。
【0050】
また、ネジユニット83は、基板ホルダPHの中央部近傍を含み、基板ホルダPH下面のほぼ全体をカバーしているので、基板ホルダPHの平面度を任意の位置で微調整できるとともに、上述した基板ホルダPHと微動ステージ21との間にシムなどを挿入する場合では困難な、基板ホルダPHの中央部における平面度調整を容易に行うことができる。
【0051】
また、基板ホルダPHは、重量キャンセル装置60により、その中央部が支持され、その他の部分(重量キャンセル装置60に支持されていない部分)の下方が空間となっている。従って、ネジユニット83を用いた基板ホルダPHの平面度調整を容易に行うことができる。また、基板ホルダPHと微動ステージ21とは、ボルト40及びストッパ43により締結されているので、例えば、基板ホルダPHの慣性力により基板ホルダPHと微動ステージ21とが水平方向にずれることがない。なお、例えばボルト40を複数本設けなどすることにより基板ホルダPHと微動ステージとのずれを抑制することができれば、ストッパ43を設けなくても良い。
【0052】
《第2の実施形態》
次に第2の実施形態の液晶露光装置について説明する。なお、第2の実施形態、及び後述するその他の実施形態に係る液晶露光装置の構成は、それぞれ基板ステージ装置が有する基板の平面度調整装置の構成が異なる点を除き、第1の実施形態と同じであるので、以下、平面度調整装置についてのみ説明する。なお、第1の実施形態に係る基板ステージ装置PSTと同様の構成、機能を有するものについては、その図示、あるいは説明を適宜省略する。なお、図4に示される第2の実施形態に係る基板ステージ装置PSTでは、X粗動ステージ23X、Y粗動ステージ23Y,重量キャンセル装置60(それぞれ図1及び図2参照)などの図示が省略されている。また、図4では微動ステージ21の側面に固定されたホルダサポート46、及びミラーベース24X(それぞれ図2参照)の図示が省略されている。
【0053】
図4に示されるように、第2の実施形態の平面度調整装置280は、押しネジ及び引きネジを含むネジユニット83と、押圧ユニット70と、をそれぞれ複数有している。ネジユニット83は、上記第1の実施形態の平面度調整装置80(図2参照)が有するネジユニット83と同様の構成、機能を有する。ただし、上記第1の実施形態において、ネジユニット83が微動ステージ21の上面全体に分散して配置されていたのに対し、本第2の実施形態では、ネジユニット83は、微動ステージ21の外周縁部を除く領域にのみ設けられている。なお、図4では不図示であるホルダサポート46、及びミラーベース24X、24Yには、上記第1の実施形態と同様に、それぞれネジユニット83が設けられている。
【0054】
押圧ユニット70は微動ステージ21の内部に収容され(ただし、後述する調整ネジ72の一部を除く)、微動ステージ21の外周に沿って複数設けられている。なお、以下では図4に示される微動ステージ21の+X側、及び−X側に設けられた押圧ユニット70について説明する。微動ステージ21の+Y側、及び−Y側に設けられた不図示の押圧ユニットは、図4に示される押圧ユニット70に対し、θz方向に90度回転して(後述する調整ネジ72が微動ステージ21の外側面から外側に突出するように)配置されている。
【0055】
押圧ユニット70は、微動ステージ21に固定されたXZ断面(あるいはYZ断面)L字状の部材からなるベース71と、XY平面に平行に設けられ、ベース71に形成された不図示のねじ穴に螺号する調整ネジ72と、XY平面に傾斜する傾斜面を有し、調整ネジ72によりX軸方向(あるいはY軸方向)にベース71上を移動するくさび部材73と、くさび部材73の傾斜面に対向する傾斜面を有する押圧部材74と、を有する。
【0056】
くさび部材73は、XZ断面(あるいはYZ断面)が直角三角形の部材から成り、その傾斜面は、微動ステージの中心側が低く、微動ステージの外側に向けて高くなっている(先端部が微動ステージ21の中心を向くように配置されている)。くさび部材73は、図示しない案内部材により、ベース71上でX軸方向(あるいはY軸方向)に直進案内される。調整ネジ72は、微動ステージ21に側面部に形成された孔部を介してその一端(ネジ頭を含む端部)が微動ステージ21の外側面から外側に突き出しており、微動ステージ21の側方から操作(回転させる)することができる。調整ネジ72の他端(先端)は、くさび部材73に対し回転可能に、且つX軸方向(あるいはY軸方向)に関して一体的に移動するように機械的に係合している。従って、調整ネジ72が回転されることにより、くさび部材73がX軸方向(あるいはY軸方向)に微少量移動する。
【0057】
押圧部材74は、くさび部材73を上下逆さまにした形状を有し、その傾斜面がくさび部材73の傾斜面に対向した状態で、くさび部材73上に搭載されている。押圧部材74の上面は、XY平面に平行であり、基板ホルダPHの下面に対向している。押圧部材74の上面と基板ホルダPHの下面との間には、押圧部材74を基板ホルダPHの下面に固定するスペーサ75が挿入されている。
【0058】
押圧ユニット70では、調整ネジ72を締める方向に回転させてくさび部材73を微動ステージ21の中心に向かう方向に移動させると、くさび部材73を移動させるための水平方向の力が鉛直方向の力に変換され、押圧部材74を+Z方向に微少量移動させることができ、これにより、基板ホルダPHの上面を+Z方向に微少量移動させることができる。
【0059】
また、押圧ユニット70では、上記の場合とは逆に、調整ネジ72を緩める方向に回転させ、くさび部材73を押圧部材74の下方から引き抜く方向に移動させると、基板ホルダPHの自重により、押圧部材74は、その傾斜面がくさび部材73の傾斜面と摺動しつつ−Z方向に微少量移動する。これにより、基板ホルダPHの上面が−Z方向へ微少量移動させることができる。なお、くさび部材73が引き抜かれる方向に移動する際に、基板ホルダPHの自重の作用によることなく押圧部材74が−Z方向に移動するように、押圧部材7を、例えばばねなどで付勢(ただし、小さな力で)しておいても良い。また、くさび部材73を押圧部材74の下方から引き抜かれる方向に付勢するばねなどを設けても良い。
【0060】
以上説明した第2の実施形態に係る基板ステージ装置PSTの平面度調整装置280も、上記第1の実施形態と同様に、基板ホルダPHの上面の平面度を容易且つ迅速に調整できる。また、くさび部材73を移動させる調整ネジ72は、微動ステージ21の外側面から外側に突き出しているので、例えば微動ステージ21の下方に形成される空間が狭くても、容易に操作することができる。
【0061】
《第3の実施形態》
次に第3の実施形態に係る基板ステージ装置について図5及び図6を用いて説明する。なお、図5に示される第3の実施形態に係る基板ステージ装置PSTでは、X粗動ステージ23X、Y粗動ステージ23Y,重量キャンセル装置60(それぞれ図1及び図2参照)などの図示が省略されている。また、図5では微動ステージ21の側面に固定されたホルダサポート46、及びミラーベース24X(それぞれ図2参照)の図示が省略されている。
【0062】
基板ステージ装置PSTは、複数のネジユニット383により、基板ホルダPHの平面度を調整する平面度調整装置380を有している。ネジユニット383は、一本の押しネジ381と一本の引きネジ382とを含む。複数のネジユニット383の配置は、上記第1の実施形態に係る平面度調整装置80(図3参照)と同じであり、基板ホルダPHの下面全体をカバーするように、ほぼ均等に分散している。また、ネジユニット383は、図5では不図示であるホルダサポート46、及びミラーベース24X、24Yにも、上記第1の実施形態と同様に設けられている(図2及び図3参照)。
【0063】
図6(A)に示されるように、ネジユニット383が有する押しネジ381、及び引きネジ382は、それぞれその長手方向の中央部であって、微動ステージ21(あるいはミラーベース24X,24Y,固定部材84(図2及び図3参照))に螺号しない部分の径寸法が、その他の部分より細く形成されている(くびれている)。従って、例えば押しネジ381,引きネジ382それぞれは、径寸法が均一なネジに比べてXY平面に平行な方向の剛性が低く、XY平面に平行な力(せん断力)が作用した場合、そのせん断力の作用する方向に曲がりやすくなっている(押しネジ381,引きネジ382それぞれが、ヒンジ構造になっている)。
【0064】
また、微動ステージ21の+X側及び−X側の外側面には、図5に示されるように、微動ステージ21と基板ホルダPHとのX軸方向への相対移動を許容しつつ、互いのZ軸方向への相対移動を制限する複数のスライダ装置90が設けられている。複数のスライダ装置90は、Y軸方向に所定間隔で配置されている。なお、図5では、その図示が省略されているが、微動ステージ21の−Y側及び+Y側の外側面にも、同様に微動ステージ21と基板ホルダPHとのY軸方向への相対移動を許容しつつ、互いのZ軸方向への相対移動を制限する複数のスライダ装置90が、X軸方向に所定間隔で設けられている。ただし、複数のスライダ装置90は、ミラーベース24X,24Yが設けられている部分には、設けられていない。
【0065】
図6(B)及び図6(C)から分かるように、スライダ装置90は、XZ断面(あるいはYZ断面)L字状の部材から成り、微動ステージ21の側面にボルト92により固定されたベース91と、ベース91上にボルト94により固定されたリニアガイド93と、リニアガイド93上を直進移動する可動部材95と、可動部材95と基板ホルダPHとを一体的に締結する締結部材97と、を有している。ここで、リニアガイド93は、X軸方向(あるいはY軸方向)に延びる直方体状の部材から成り、微動ステージ21の+X側及び−X側の側面に配置されたスライダ装置90のリニアガイド93は、X軸方向に延び、微動ステージ21の+Y側及び−Y側の側面に配置されたスライダ装置90のリニアガイド93は、Y軸方向に延びている。すなわち、複数のスライダ装置90が有するリニアガイド93は、微動ステージ21の中心から略放射状に延びている。リニアガイド93の両側面それぞれには、X軸(あるいはY軸)に平行な溝93aが形成されている。可動部材95は、ガイド93に形成された一対の溝93aそれぞれに嵌合する一対のボール96を有している。なお、一対のボール96は、リニアガイド93の長手方向に沿って所定間隔で複数設けられている(図6(C)では、紙面奥行き方向に重なっている)。
【0066】
ここで、基板ホルダPH、及び微動ステージ21が、例えば金属材料により形成されている場合、基板ホルダPH、及び微動ステージ21は、その周辺温度の変化により、それぞれ膨張又は収縮(熱膨張、又は熱収縮)する。これに対し、本実施形態の平面度調整装置380では、基板ホルダPHと微動ステージ21との水平方向の移動が許容されているので、仮に基板ホルダPH、及び微動ステージ21が熱膨張又は熱収縮したとしても、互いの膨張量又は収縮量の差に起因する基板ホルダPHに歪み(いわゆるバイメタル現象と同様の現象)が生じにくく、基板ホルダPH上面の平面度が良好に保たれる。また、スライダ装置90のリニアガイド93が微動ステージ21の中心から放射状に延びているため、微動ステージ21、及び基板ホルダPHが熱により等方的に変形(熱膨張、又は熱収縮)する際、その変形を阻害しない。なお、押しネジ381,引きネジ382それぞれのXY平面に平行な方向の剛性は、基板ホルダPHが水平方向に変形する際の抵抗にならない程度であることが好ましく、例えばそのZ軸方向の剛性の1/100以下が好ましい。なお、基板ホルダPHと微動ステージ21とを水平方向にのみ相対移動可能に接続する装置としては、上記一軸案内装置であるスライダ装置90に限らず、例えば平行に配置された一対の板バネ(平行リンクと同様に機能する)などでも良い。
【0067】
《第4の実施形態》
次に第4の実施形態に係る基板ステージ装置について図7を用いて説明する。図7に示されるように、基板ステージ装置PSTの平面度調整装置480は、上記第2の実施形態に係る平面度調整装置280(図4参照)の押圧ユニット70と同様の構成の押圧ユニット70を複数有し、その複数の押圧ユニット70により基板ホルダPHの上面の平面度が調整される。なお、上記第2実施形態複数の押圧ユニット70が微動ステージ21の外周部に沿って設けられていたのに対し、本第4の実施形態に係る押圧ユニット70は、微動ステージ21の中心部側にも配置され、全体として基板ホルダPHの下面全体をカバーするように所定の間隔で分散して配置されている。
【0068】
ここで、複数の押圧ユニット70のスペーサ75それぞれと、基板ホルダPHとの間には、ロードセル78が挿入されている。そして、ロードセル78の計測値は、押圧部材74がスペーサ75を介して基板ホルダPHを押圧する際に、その基板ホルダPHから受ける反力に応じて変化するので、ロードセル78の出力を基板ホルダPHのZ軸方向に関する位置情報に変換できる。そこで、基板ホルダPH上面の平面度を調整する際には、まず、液晶露光装置の外部に微動ステージ21と同様の構成、すなわち、くさび部材を用いた複数の押圧ユニット(押圧ユニット70と同じ構成及び配置)を有するステージ装置(図示省略)を用意し、そのステージ装置上に基板ホルダPHを搭載して、その基板ホルダPHの上面の平面度を調整する。そして、基板ホルダPHの平面度が所望の値となった状態で、ステージ装置が有する複数の押圧ユニットそれぞれのロードセルの計測値(以下、基準データと称する)を記録する。なお、ステージ装置自体は、水平面に沿って移動可能である必要はない。
【0069】
この後、基板ホルダPHは、液晶露光装置が有する基板ステージ装置PSTの微動ステージ21上に搭載される。微動ステージ21上での基板ホルダPHの平面度調整は、複数の押圧ユニット70それぞれのロードセル78の計測値に基づいて行われる。具体的には、複数の押圧ユニット70それぞれのロードセル78の計測値が、上記基準データと同じとなるように、複数の押圧ユニット70が調整される。このように、本第4の実施形態では、液晶露光装置の外部に設けられた不図示のステージ装置上、及び微動ステージ21上それぞれにおいて、基板ホルダPHの平面度が、基板ホルダPHの平面度がロードセル78(ステージ装置上のロードセルは不図示)の計測値(力)に基づいて管理される。従って、2つの異なる装置(基準データを採るためのステージ装置、及び微動ステージ21)も用いているにも関わらず、該基準データを採取した際の基板ホルダPHの平面度を確実に微動ステージ21上で再現できる。
【0070】
本第4の実施形態の基板ステージ装置PST4によれば、予め求めた基準データに基づいて、基板ホルダPHの面位置の調整ができる。従って、微動ステージ21上における基板ホルダPHの平面度調整を短時間で行うことができる。なお、必要に応じて微動ステージ21上で基板ホルダPHの上面の平面度を計測(位置計測)しつつ、複数の押圧ユニット70を用いて基板ホルダPH上面の位置の微調整を行っても良い。
【0071】
なお、上記第1〜第3の実施形態に係る基板ステージ装置は、それぞれ基板ホルダPH上面を+Z方向に張り出させる(押し上げる)装置(上記第1〜第3の実施形態では、押しネジ81,381)と、基板ホルダPH上面を−Z方向に凹ませる(引き下げる)装置(上記第1〜第3の実施形態では、引きネジ82,382)とを有していたが、これに限らず、基板ホルダの平面度調整装置は、基板ホルダPH上面を+Z方向に張り出させる装置、及び基板ホルダPH上面を−Z方向に凹ませる装置の一方のみを有するものであっても良い。
【0072】
また、基板ホルダPH上面を+Z方向に押し上げる装置、基板ホルダPH上面を−Z方向に引き下げる装置は、上記第1〜第3の実施形態のようにネジを用いたものでなくても良く、例えば磁石による吸引力、及び反発力(斥力)を利用したものであっても良いし、ピエゾアクチュエータ(ピエゾ素子を用いたアクチュエータ)、エアシリンダなどの一軸アクチュエータ、あるいはコイルバネなどの弾性部材などを用いたものであっても良い。要は、Z軸方向に力を発生でき、且つその力を調整できる装置(+Z方向、及び−Z方向のうち、一方にのみ力を発生できれば良い)であれば、その手段(機械的手段、磁気的手段、電気的手段など)を問わず、基板ホルダPH上面を+Z方向に押し上げる装置、基板ホルダPH上面を−Z方向に引き下げる装置として用いることができる。
【0073】
また、上記実施形態では、基板は、水平面に沿って案内されたが、これに限らず水平面に直交する二次元平面(鉛直面)、あるいは水平面に対して傾斜する二次元平面に沿って案内されても良い。また、上記実施形態の微動ステージは、一本の柱状部材から成る重量キャンセル装置により支持されたが、基板ステージ装置としては、重量キャンセル装置を有していなくても良いし、重量キャンセル装置を複数有していても良い。
【0074】
また、照明光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。また、照明光としては、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを使用しても良い。
【0075】
また、上記実施形態では、投影光学系PLが、複数本の光学系を備えたマルチレンズ方式の投影光学系である場合について説明したが、投影光学系の本数はこれに限らず、1本以上あれば良い。また、上記実施形態では投影光学系PLとして、投影倍率が等倍系のものを用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系は拡大系及び縮小系のいずれでも良い。
【0076】
また、上記実施形態では、スキャニング・ステッパに本発明が適用された場合について説明したが、これに限らず、ステッパなどの静止型露光装置に本発明を適用しても良い。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の投影露光装置にも本発明は適用することができる。また、本発明は、投影光学系を用いない、プロキシミティ方式の露光装置にも適用することができる。
【0077】
また、露光装置の用途としては、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。なお、露光対象となる物体はガラスプレートに限られるものでなく、例えばウエハ、セラミック基板、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。
【0078】
なお、本発明に係る基板保持装置は、露光装置に限らず、例えばインクジェット式の機能性液体付与装置を備えた素子製造装置にも適用することができる。
【0079】
液晶表示素子(あるいは半導体素子)などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたマスク(あるいはレチクル)を製作するステップ、ガラス基板(あるいはウエハ)を製作するステップ、上述した各実施形態の露光装置、及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをガラス基板に転写するリソグラフィステップ、露光されたガラス基板を現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ガラス基板上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上説明したように、本発明の基板保持装置は、基板を所定の二次元平面に沿って平面度良く保持するのに適している。また、本発明の露光装置は、所定の二次元平面に沿って配置された基板に所定のパターンを形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの生産に適している。また、本発明の基板保持装置の調整方法は、基板を保持する保持部材の基板保持面を平面度良く調整するのに適している。
【符号の説明】
【0081】
10…液晶露光装置、21…微動ステージ、60…重量キャンセル装置、80…平面度調整装置、81…押しネジ、82…引きネジ、83…ネジユニット、P…基板、PH…基板ホルダ、PST…基板ステージ装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の二次元平面に平行な平板状に形成され、その一面側に基板を保持する保持部材と;
前記保持部材の他面側に所定の間隔で配置され、その少なくとも一部で前記保持部材を支持する支持部材と;
前記支持部材及び前記保持部材の少なくとも一方に取り付けられ、前記保持部材と前記支持部材との前記二次元平面に直交する方向の間隔を互いに異なる複数箇所で調整可能な調整装置と;を備える基板保持装置。
【請求項2】
前記二次元平面は、水平面に平行であり、
前記支持部材は、前記二次元平面に直交する方向に延びる柱状の部材から成り、該支持部材及び前記保持部材を含む系の重量をキャンセルする重量キャンセル装置により、前記二次元平面に平行な支持面上で支持される請求項1に記載の基板保持装置。
【請求項3】
前記支持部材は、前記重量キャンセル装置により、その中央部が支持される請求項2に記載の基板保持装置。
【請求項4】
前記保持部材は、その中央部が前記支持部材の中央部に固定される請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板保持装置。
【請求項5】
前記支持部材は、前記保持部材を支持する本体部と、前記本体部に固定され且つ前記保持部材の前記他面に対向する対向部材と、を有し、
前記調整装置は、前記本体部及び前記対向部材それぞれに設けられる請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板保持装置。
【請求項6】
前記調整装置は、前記支持部材に設けられ、前記保持部材の他面を押圧することにより、前記保持部材を前記支持部材に対して離間させる押圧装置を複数含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板保持装置。
【請求項7】
前記押圧装置は、前記支持部材に設けられたネジ山に螺合し、その一端部で前記保持部材の他面部を押圧する押しネジを含む請求項6に記載の基板保持装置。
【請求項8】
前記押圧装置は、前記保持部材及び前記支持部材の一方に設けられ、前記二次元平面に対して傾斜した傾斜面部を有し、前記二次元平面に平行な方向に移動する移動部材と、前記保持部材及び前記支持部材の他方に設けられ、前記移動部材の前記傾斜面部に当接する当接部材と、を含む請求項6に記載の基板保持装置。
【請求項9】
前記押圧装置は、前記保持部材と前記支持部材との前記二次元平面に平行な方向への相対移動を許容する請求項6〜8のいずれか一項に記載の基板保持装置。
【請求項10】
前記押圧装置は、前記保持部材と前記支持部材とに架設される部材の前記二次元平面に平行な方向の剛性が、前記二次元平面に直交する方向の剛性よりも低い請求項9に記載の基板保持装置。
【請求項11】
前記調整装置は、前記支持部材に設けられ、前記保持部材を前記支持部材に対して引き寄せる引き寄せ装置を複数含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板保持装置。
【請求項12】
前記引き寄せ装置は、その先端部が前記保持部材に設けられたネジ山に螺号する引きネジを含む請求項11に記載の基板保持装置。
【請求項13】
前記引き寄せ装置は、前記保持部材と前記支持部材との前記二次元平面に平行な方向への相対移動を許容する請求項11又は12に記載の基板保持装置。
【請求項14】
前記引き寄せ装置は、前記保持部材と前記支持部材とに架設される部材の前記二次元平面に平行な方向の剛性が、前記二次元平面に直交する方向の剛性よりも低い請求項13に記載の基板保持装置。
【請求項15】
前記支持部材と前記保持部材とを、前記二次元方向に直交する方向への相対移動を制限しつつ、前記二次元平面に平行な方向への相対移動を許容した状態で機械的に締結する締結装置を更に有する請求項1〜14のいずれか一項に記載の基板保持装置。
【請求項16】
前記支持部材を、前記二次元平面に平行な平面に沿って所定のストロークで駆動する駆動装置をさらに備える請求項1〜15のいずれか一項に記載の基板保持装置。
【請求項17】
前記保持請求項1〜16のいずれか一項に記載の基板保持装置と;
前記保持部材に保持された前記基板にエネルギビームを用いて所定のパターンを形成するパターン形成装置と;を備える露光装置。
【請求項18】
前記基板は、ディスプレイ装置の表示パネルに用いられる請求項17に記載の露光装置。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の露光装置を用いて前記基板を露光することと;
前記露光された前記基板を現像することと;を含むデバイス製造方法。
【請求項20】
所定の二次元平面に平行な平板状に形成され、その一面側に基板を保持する保持部材の他面側に、所定の間隔で支持部材を配置し、該支持部材に前記保持部材を支持させることと;
前記支持部材及び前記保持部材の少なくとも一方に取り付けられた調整装置を用いて、前記保持部材と前記支持部材との前記二次元平面に直交する方向の間隔を、互いに異なる複数箇所で調整することと;を含む基板保持装置の調整方法。
【請求項21】
前記保持部材の前記一面の平面度を計測すること、をさらに含む請求項20に記載の基板保持装置の調整方法。
【請求項22】
前記調整は、前記平面度の計測を行いつつ行う請求項21に記載の基板保持装置の調整方法。
【請求項23】
前記調整は、前記保持部材と前記支持部材との間隔に応じて変化する前記調整装置に作用する負荷を計測しつつ、その計測による負荷が、前記保持部材の前記一面の平面度が所望の値となるときに得られる値とほぼ同じとなるように行われる請求項20〜22のいずれか一項に記載の基板保持装置の調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−60823(P2011−60823A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205813(P2009−205813)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】