説明

基板処理システム、基板搬送方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体

【課題】露光前に基板の裏面洗浄を行う機能を備えた基板処理システムにおいて、基板処理の歩留まりを向上させる。
【解決手段】露光装置で露光処理を行う前に、露光装置における基板のフォーカスの状態を検査する検査ユニット100であって、ウェハWを、露光装置で露光処理される際と同じ条件で裏面から吸着保持するウェハ保持台141と、ウェハ保持台141に吸着保持されたウェハWにおける厚み方向の高さを測定する高さ測定機構150と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の処理を行う基板処理システム、基板処理システムにおける基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体デバイスの製造工程におけるフォトリソグラフィー工程では、ウェハ上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、レジスト膜を所定のパターンに露光する露光処理、露光されたレジスト膜を現像する現像処理などの一連の処理が順次行われ、ウェハ上に所定のレジストパターンが形成されている。これらの一連の処理は、ウェハを処理する各種処理ユニットやウェハを搬送する搬送ユニットなどを搭載した基板処理システムである塗布現像処理システムで行われている。
【0003】
例えば図12に示すように塗布現像処理システム200は、従来、外部からカセットCを搬入出するためのカセットステーション201と、レジスト塗布処理、現像処理及び熱処理等の各種処理を行う複数の処理ユニットが正面と背面に設けられた処理ステーション202と、塗布現像処理システム200の外部に隣接して設けられた露光装置Aと処理ステーション202との間でウェハの受け渡しを行うインターフェイスステーション203を一体に備えている。
【0004】
また、例えば裏面にパーティクルなどが付着した状態のウェハが露光装置に持ち込まれると、例えば図13に示すように、露光装置Aのステージ204に吸着保持された際に、ウェハWとステージ204との間に挟みこまれたパーティクルPにより当該ウェハWが撓んでしまう。そうすると、露光パターンに影響を及ぼす(デフォーカス)という問題が生じ、製品不良を招いてしまう。
【0005】
そのため、インターフェイスステーション203には、裏面が汚れた状態でウェハWが露光装置Aへ持ち込まれることを防ぐために、露光装置Aに搬入される前のウェハの裏面を洗浄する洗浄ユニット210や、洗浄後のウェハを検査する検査ユニット211、検査の結果露光装置Aへの搬送が禁止されたウェハを一時的に収容するリジェクトウェハカセット212、各ユニット210、211とリジェクトウェハカセット212との間でウェハを搬送する、リジェクトウェハカセット212と多段に設けられた受け渡しユニット213や、ウェハ搬送装置214などが設けられている(特許文献1)。
【0006】
そして、塗布現像処理システム200においてウェハ処理が行われる際には、先ず1ロットの複数枚のウェハが収容されたカセットCがカセットステーション201に搬入される。次いで、カセットC内のウェハが処理ステーション202に順次搬入され、所定の処理レシピに基づいて処理される。その後、各ウェハはインターフェイスステーション203での裏面洗浄及び検査を経て、当該検査において異常有りと判定されたウェハはリジェクトウェハカセット212を経てカセットステーション201に回収され、異常無しと判定されたウェハは露光装置Aに搬送される。そして、露光装置Aでは、ステージ204上にウェハWが吸着保持され、その状態でウェハが露光処理される。露光処理を終えたウェハは、インターフェイスステーション203を介して処理ステーション202に戻され、処理ステーション202で現像処理等が施される。その後、ウェハは処理ステーション202からカセットステーション201のカセットCに戻される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−135583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述のように、ウェハW裏面の洗浄と検査をした後に露光装置Aで露光した場合であっても、デフォーカスが生じることがあった。
【0009】
このデフォーカスについて本発明者らが調査した結果、ウェハWの裏面の清浄度とデフォーカスとは、相関関係が完全ではないことがわかった。具体的には、例えばウェハW裏面に付着したパーティクルが多い場合であっても、当該パーティクルのヤング率が低く、露光装置Aのステージ204に吸着保持された際に潰れてしまうような場合がある。そして、このような場合は、パーティクルが大きかったり多かったりしてもデフォーカスが生じにくいことがわかった。反対に、パーティクルが少なかったり、小さかったりした場合でも、ヤング率が高いと、ステージ204でウェハWを吸着保持した際にウェハWが撓んでしまう場合がある。このような場合は、パーティクルが小さかったり少なかったりしてもデフォーカスが生じやすいことがわかった。
【0010】
したがって現状は、ウェハW裏面の洗浄と検査を経て露光処理を行っても、露光後のウェハを実際に検査しないと、フォーカス異常の有無を知ることができない。そうすると、この場合、デフォーカスが発生したウェハが無駄になると共に、塗布現像処理システムの歩留まりが低下してしまう。そのため、ウェハに露光処理を行う前に、デフォーカスを引き起こすリスクのあるウェハを選別する方法の開発が望まれている。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、露光処理を行う前に、デフォーカスを引き起こすリスクのあるウェハを選別し、これにより露光処理における歩留まりを向上させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するため、本発明は、露光装置で露光処理を行う前に、露光装置における基板のフォーカスの状態を検査する基板検査装置であって、基板を、前記露光装置で露光処理される際と同じ条件で裏面から吸着保持する基板保持台と、前記基板保持台に吸着保持された基板における厚み方向の高さを測定する高さ測定機構と、を有することを特徴としている。
【0013】
本発明者らは、デフォーカスを引き起こすリスクの有無を、上述のようにウェハW裏面のパーティクルの大小や多寡で判断するのではなく、露光装置での露光処理の際にウェハの厚み方向に生じる撓みに基づいて判断すれば、より正確にデフォーカスのリスクについて評価できる点に着目した。本発明はこの着想に基づくものであり、本発明においては、基板の裏面を基板保持台に吸着保持することで、露光装置のステージに吸着保持された状態を再現し、その状態で高さ測定機構により、基板の厚み方向における高さを測定する。換言すれば、従来のように、基板の裏面に付着したパーティクル等の異物の状態を検査するのではなく、露光処理の際に当該パーティクル等がウェハWの厚み方向の高さにどの程度影響を与えるかを、直接検査している。これにより、露光処理の際に、基板の厚み方向の高さがどの程度焦点からずれるかを求めることができる。これにより、露光処理を行う前に、デフォーカスを引き起こすリスクのあるウェハを高い精度で選別することが可能となる。その結果、デフォーカスを引き起こすリスクのない基板のみを露光装置に搬送することが可能となり、これにより露光処理の歩留まりを向上させることができる。
【0014】
前記高さ測定機構は、前記基板保持台に吸着保持された基板の表面側から当該基板の厚み方向の高さを測定してもよい。
【0015】
前記高さ測定機構はレーザ変位計であってもよい。
【0016】
前記高さ測定機構はレーザ変位計であり、前記基板保持台は、前記レーザ変位計から照射されるレーザが透過可能であり、前記レーザ変位計は、前記基板保持台を挟んで前記基板保持台に吸着保持される基板に対向して設けられ、且つ前記基板保持台に吸着保持された基板の裏側から当該基板の厚み方向の高さを測定してもよい。
【0017】
前記高さ測定機構を基板の直径方向に移動させる移動機構と、前記基板保持台を、当該基板保持台の中心を軸として回転させる回転機構と、前記高さ測定機構を基板の直径方向に移動させ、且つ前記基板保持台を回転させながら、基板の全面において厚み方向の高さを測定するように前記移動機構と前記回転機構を制御する制御部と、を有していてもよい。
【0018】
別な観点による本発明は、前記の基板検査装置を備えた基板処理システムであって、前記露光装置に搬入する前の基板の裏面を洗浄する洗浄ユニットを有していることを特徴としている。
【0019】
前記洗浄ユニットは、前記基板検査ユニットでの基板の検査により、前記露光装置で正常に露光できないと判定された基板の裏面を洗浄してもよい。
【0020】
また、前記洗浄ユニットは、前記基板検査ユニットで基板を検査する前に、当該基板の裏面を洗浄してもよい。
【0021】
また、別な観点による本発明は、前記高さの測定は、基板を吸着保持する基板保持台を挟んで、当該基板保持台に吸着保持される基板に対向して設けられたレーザ変位計により行い、前記基板保持台は、前記レーザ変位計から照射されるレーザが透過可能であり、前記基板保持台に吸着保持された基板の厚み方向における高さの測定は、当該基板の裏側からレーザを照射して行うことを特徴としている。
【0022】
前記基板保持台に吸着保持された基板の表面側から当該基板の厚み方向の高さを測定してもよい。
【0023】
前記高さの測定は、レーザ変位計により行ってもよい。
【0024】
前記高さの測定は、前記基板保持台を挟んで前記基板保持台に吸着保持される基板に対向して設けられたレーザ変位計により行い、前記基板保持台は、前記レーザ変位計から照射されるレーザが透過可能であり、前記基板保持台に吸着保持された基板の厚み方向における高さの測定は、当該基板の裏側からレーザを照射して行ってもよい。
【0025】
前記高さ測定機構を基板の直径方向に移動させ、且つ前記基板保持台を回転させながら、基板の全面において厚み方向の高さを測定してもよい。
【0026】
さらに別な観点による本発明によれば、前記基板検査方法を基板検査装置によって実行させるために、当該基板検査装置を制御する制御装置のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
【0027】
また別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、光処理を行う前に、デフォーカスを引き起こすリスクのあるウェハを選別し、これにより露光処理における歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施の形態にかかる塗布現像処理システムの内部構成の概略を示す平面図である。
【図2】本実施の形態にかかる塗布現像処理システムの正面側の内部構成の概略を示す説明図である。
【図3】本実施の形態にかかる塗布現像処理システムの背面側の内部構成の概略を示す説明図である。
【図4】本実施の形態にかかるインターフェイスステーションの構成の概略を示す説明図である。
【図5】本実施の形態にかかる検査ユニットの構成の概略を示す縦断面図である。
【図6】本実施の形態にかかる検査ユニットの構成の概略を示す平面図である。
【図7】高さ測定機構により測定された箇所の軌跡を示す平面図である。
【図8】高さ測定機構の測定結果を表すヒストグラムである。
【図9】ウェハ面内における厚み方向の高さを表す画像の内容を示す説明図である。
【図10】洗浄ユニットの構成の概略を示す縦断面図である。
【図11】洗浄ユニット内でウェハが水平方向に移動される様子を示す説明図である。
【図12】従来の塗布現像処理システムの構成の概略を示す説明図である。
【図13】露光装置のステージ上で露光する様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる基板検査装置を備えた、基板処理システムとしての塗布現像処理システム1の内部構成の概略を示す説明図である。図2及び図3は、各々塗布現像処理システム1の内部構成の概略を正面側及び背面側から示す説明図である。
【0031】
塗布現像処理システム1は、図1に示すように例えば外部との間で、複数枚のウェハWが収容されたカセットCが搬入出されるカセットステーション2と、フォトリソグラフィー処理の中でウェハWに所定の処理を施す処理ユニットを複数備えた処理ステーション3と、露光装置4との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション5とを一体に接続した構成を有している。また、塗布現像処理システム1は、各種処理ユニットなどの制御を行う制御装置6を有している。
【0032】
カセットステーション2は、例えばカセット搬入出部10とウェハ搬送部11により構成されている。カセット搬入出部10は、例えば塗布現像処理システム1のY方向負方向(図1の左方向)側の端部に設けられている。カセット搬入出部10には、カセット載置台12が設けられている。カセット載置台12上には、カセット載置板13が例えば4つ設けられている。カセット載置板13は、水平方向のX方向(図1の上下方向)に一列に並べて設けられている。これらのカセット載置板13には、塗布現像処理システム1の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置することができる。
【0033】
ウェハ搬送部11には、図1に示すようにX方向に延びる搬送路20上を移動自在なウェハ搬送装置21が設けられている。ウェハ搬送装置21は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各載置板13上のカセットCと、後述する処理ステーション3の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
【0034】
カセットステーション2に隣接する処理ステーション3には、各種ユニットを備えた複数、例えば4つのブロックG1、G2、G3、G4が設けられている。処理ステーション3の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション3の背面側(図1のX方向正方向側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション3のカセットステーション2側(図1のY方向負方向側)には、第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション3のインターフェイスステーション5側(図1のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
【0035】
例えば第1のブロックG1には、図2に示すように複数の液処理ユニット、例えばウェハWのレジスト膜の下層に反射防止膜(以下「下部反射防止膜」という)を形成する下部反射防止膜形成ユニット30、ウェハWにレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布ユニット31、ウェハWのレジスト膜の上層に反射防止膜(以下「上部反射防止膜」という)を形成する上部反射防止膜形成ユニット32、ウェハWを現像処理する現像処理ユニット33が、下から順に4段に重ねられている。
【0036】
これら第1のブロックG1の各処理ユニット30〜33は、処理時にウェハWを収容するカップFを水平方向に複数有し、複数のウェハWを並行して処理することができる。
【0037】
例えば第2のブロックG2には、図3に示すようにウェハWの熱処理を行う熱処理ユニット40や、ウェハWを疎水化処理する疎水化処理装置としてのアドヒージョンユニット41、ウェハWの外周部を露光する周辺露光ユニット42が上下方向と水平方向に並べて設けられている。熱処理ユニット40は、ウェハWを載置して加熱する熱板と、ウェハWを載置して冷却する冷却板を有し、加熱処理と冷却処理の両方を行うことができる。なお、熱処理ユニット40、アドヒージョンユニット41及び周辺露光ユニット42の数や配置は、任意に選択できる。
【0038】
例えば第3のブロックG3には、複数の受け渡しユニット50、51、52、53、54、55、56が下から順に多段に設けられている。また、第4のブロックG4には、複数の受け渡しユニット60、61、62が下から順に多段に設けられている。
【0039】
図1に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えばウェハ搬送装置70が複数、例えば3台配置されている。各ウェハ搬送装置70はそれぞれ同じ構造である。
【0040】
ウェハ搬送装置70は、例えばY方向、前後方向、θ方向及び上下方向に移動自在に構成されている。ウェハ搬送装置70は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲の第1のブロックG1、第2のブロックG2、第3のブロックG3及び第4のブロックG4内の所定のユニットにウェハWを搬送できる。各ウェハ搬送装置70、70、70は、例えば図3に示すように上下に配置され、例えば各ブロックG1〜G4の同程度の高さの所定のユニットにウェハWを搬送できる。
【0041】
また、図3に示すように、ウェハ搬送領域Dには、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置80が設けられている。
【0042】
シャトル搬送装置80は、例えば図3のY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置80は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡しユニット52と第4のブロックG4の受け渡しユニット62との間でウェハWを搬送できる。
【0043】
図1に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側に隣接する領域には、ウェハ搬送装置90が設けられている。ウェハ搬送装置90は、例えば前後方向、θ方向及び上下方向に移動自在に構成されている。ウェハ搬送装置90は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡しユニットに当該ウェハWを搬送できる。
【0044】
第4のブロックG4の例えばX方向正方向側には、ウェハ搬送装置85が設けられている。ウェハ搬送装置85は、例えば前後方向、θ方向及び上下方向に移動自在に構成されている。ウェハ搬送装置85は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、インターフェイスステーション5にウェハWを搬送できる。
【0045】
図4は、カセットステーション2側から見た、インターフェイスステーション5の内部構成の概略を示す説明図である。図4に示すように、インターフェイスステーション5には、種ユニットを備えた2つのブロックG5、G6が設けられている。第5のブロックG5は、例えばインターフェイスステーション5の正面側(図1のX方向負方向側)に設けられている。第6のブロックG6は、第5のブロックG5のX方向正方向側に設けられている。
【0046】
例えば第5のブロックG5には、図4に示すように、露光装置4に搬入する前のウェハWを検査する、基板検査装置としての検査ユニット100が、例えば上下方向に2台配置されている。検査ユニット100の具体的な構成については後述する。
【0047】
また、第5のブロックG5の検査ユニット100の下方には、検査ユニット100での検査の結果、露光装置4での露光に適さない、即ちデフォーカスを引き起こすリスクがあると判定されたウェハWの裏面を、露光装置4に搬入する前に洗浄する洗浄ユニット101が、例えば上下方向に3台配置されている。
【0048】
第6のブロックG6には、ウェハ搬送装置85を介して処理ステーション3との間でウェハWの受け渡しを行う受け渡しユニット110と、検査ユニット100で検査した後のウェハWを一時的に収容する、バッファユニット111と、検査後のウェハWを露光装置4に搬入する前に所定の温度に調整する温度調整機構としての温度調整ユニット112が上下方向に多段に重ねて設けられている。より具体的には、第6のブロックG6の上部には、受け渡しユニット110とバッファユニット111が上からこの順で交互に3段ずつ重ねて配置されている。第6のブロックG6の下部には、受け渡しユニット110と温度調整ユニット112が上からこの順で交互に2段ずつ重ねて配置されている。温度調整ユニット112は、ペルチェ素子などの温度調整部材を備えた温度調整板を有し、当該温度調整板に載置されたウェハWを所定の温度、例えば常温に温度調整できる。
【0049】
第5のブロックG5と第6のブロックG6との間であって、第5のブロックG5に隣接した領域には、基板搬送機構としてのウェハ搬送機構120が設けられている。ウェハ搬送機構120は、例えば第1の搬送アーム121、第2の搬送アーム122、第3の搬送アーム123を有している。各アーム121、122、123は、例えば前後方向、θ方向及び上下方向に移動自在に構成されている。これにより各搬送アーム121、122、123は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、各ブロックG5、G6の各ユニットの間でウェハWを搬送できる。なお、インターフェイスステーション5における各ユニットの配置や数は任意に選択できる。
【0050】
また、ウェハ搬送機構120によるウェハWの搬送は、図1に示した制御装置6の基板搬送制御部としてのウェハ搬送制御部125により制御される。ウェハ搬送制御部125は、第1の搬送アーム121により、検査ユニット100と受け渡しユニット110との間でウェハWを搬送するようにウェハ搬送機構120を制御する。また、ウェハ搬送制御部125は、第2の搬送アーム122により、洗浄ユニット101で洗浄した後のウェハWを再度検査ユニット100に搬送し、第3の搬送アーム123により、検査ユニット101で検査した後のウェハWをバッファユニット111に搬送するように制御する。
【0051】
図4における、第6のブロックG6に隣接したX方向正方向側の領域には、ウェハ搬送機構130が設けられている。ウェハ搬送機構130は、例えば第3の搬送アーム131と、第4の搬送アーム132を備えている。各搬送アーム131、132は、例えば前後方向、θ方向及び上下方向に移動自在に構成されている。搬送アーム131は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第6のブロックG6上部の受け渡しユニット110とバッファカセット111との間でウェハWを搬送する。また、搬送アーム132は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第6のブロックG6下部の各ユニット110、112の間及び各ユニット110、112と露光装置4との間でウェハWを搬送できる。ウェハ搬送機構130によるウェハWの搬送制御、及び塗布現像処理システム1内の他のウェハ搬送装置の動作の制御も、ウェハ搬送制御部125により行われる。
【0052】
次に検査ユニット100の構成について説明する。図5は検査ユニット100の構成の概略を示す縦断面図、図6は検査ユニット100の構成の概略を示す平面図である。
【0053】
検査ユニット100は、図5及び図6に示すように筐体140を有している。筐体140には、第1の搬送アーム121との間でウェハWの受け渡しを行うための開口部140aが形成されている。筐体140の内部には、例えば円盤形状に形成され、ウェハWを裏面から吸着保持する、基板保持台としてのウェハ保持台141が設けられている。ウェハ保持台141の上面には、例えば図6に示すように、上下左右方向に所定のパターンで溝142が複数形成されている。各溝142には、図5に示すように、吸引管143が接続されている。吸引管143は、例えば真空ポンプなどの排気装置144に接続されている。したがって、ウェハ保持台141にウェハWを載置した状態で、排気装置144により溝142の内部を排気することで、ウェハ保持台141によりウェハWを吸着保持することができる。
【0054】
また、図5に示すように、ウェハ保持台141には、当該ウェハ保持台141を厚み方向に貫通する、円環状の環状溝145が形成されている。この環状溝145の内部には、ウェハWを下方から支持して昇降させる昇降ピン146が設けられている。昇降ピン146は、図示しない昇降機構により昇降自在に構成されている。そして、ウェハWを支持した状態で昇降ピン146を上昇させることにより、当該昇降ピン146と第1の搬送アーム121との間でウェハWの受け渡しを行うことができる。
【0055】
ここで、ウェハ保持台141上面の平坦度やウェハ保持台141に設けられた溝142のパターンは、露光装置4でウェハWを露光する際にウェハが吸着保持されるステージと同じになっている。したがって、ウェハ保持台141によりウェハWを吸着保持する際に、露光装置4のステージでウェハWを吸着保持する場合と同じ排気量で排気装置144により各溝142の内部を排気することで、露光装置4で露光処理される際と同じ条件でウェハWを裏面から吸着保持できる。換言すれば、露光装置4で露光処理する際のウェハWの状態を、検査ユニット100内で再現することができる。
【0056】
ウェハ保持台141の下面は、回転基台147により支持されている。回転基台147の内部には、図示しない回転機構が内蔵されている。これにより、回転基台147が支持するウェハ保持台141を、水平方向に回転させることができる。なお、ウェハ保持台141には、上述の環状溝145が形成されているので、ウェハ保持台141を回転させた際に、当該ウェハ保持台141と昇降ピン146が干渉することを防止できる。
【0057】
図5に示すように、ウェハ保持台141の上方には、ウェハ保持台141に吸着保持されたウェハWの、厚み方向の高さを測定する高さ測定機構150が設けられている。高さ測定機構150は、例えばレーザ変位計であり、被測定物に対して測定用のレーザ光を照射する照射部151と、被測定物から反射したレーザ光を検出する受光部152を有している。高さ測定機構150は制御装置6に接続されており、受光部152での検出結果は制御装置6に入力される。なお、高さ測定機構150としては、レーザ変位計に限定されるものではなく、ウェハWの、厚み方向の高さを測定できるものであれば、任意に選択が可能である。
【0058】
高さ測定機構150は、保持部材153により保持されている。保持部材153は、例えば図6に示すように、Y方向に沿って延伸するレール154に、当該レール上を自在に移動できる駆動機構155を介して接続されている。また、保持部材153は、Y方向の位置をウェハWの中心位置に合わせた場合に、当該保持部材153により保持される高さ測定機構150が、ウェハWの中心部上方に位置するように長さが調整されている。したがって、高さ測定機構150は、ウェハWの直径方向に沿って、ウェハWの端部からウェハWの中心部上方まで移動できる。また、保持部材153は駆動機構155によって昇降自在であり、高さ測定機構150の高さ方向の位置を調整できる。
【0059】
次に、検査ユニット100におけるウェハWの検査方法について説明する。
【0060】
ウェハWの検査にあたっては、先ずウェハWを保持した第1の搬送アーム121が開口部140aから進入し、次いで昇降ピン146が上昇してウェハWが昇降ピン146に受け渡される。
【0061】
次いで、ウェハWを支持した状態で昇降ピン146が下降し、ウェハ保持台141の上面にウェハWが載置される。
【0062】
その後、排気装置144により溝142を排気して、ウェハ保持台141によりウェハWを吸着保持する。この際、排気装置144による溝142の排気量は、露光装置4のステージでウェハWを吸着保持する際の排気量と同じである。これにより、ウェハWは、露光装置4で露光処理される際と同じ条件でウェハ保持台141により裏面を吸着保持される。
【0063】
続いて、駆動機構155により、高さ測定機構150をウェハWの端部上方まで移動させる。次いで、高さ測定機構150の照射部151からウェハWの表面に対してレーザ光を照射し、ウェハWの厚み方向の高さの測定を開始する。それと共に、回転基台147によりウェハ保持台141を回転させ、同時に、高さ測定機構150をウェハWの中心部上方に向けて移動させる。そして、高さ測定機構150による測定を、当該高さ測定機構150がウェハWの中心部上方に到達するまで継続する。これにより、ウェハWの表面に照射されるレーザ光の軌跡Rは、例えば図7に示すように、ウェハWの中心部を中心とした螺旋状となり、ウェハWの全面について、当該ウェハWの厚み方向の高さが検出される。
【0064】
受光部152により検出された情報は、制御装置6に入力される。制御装置6では入力された情報に基づいて、例えば図8に示すように、横軸を時間、縦軸をウェハWの厚み方向の高さとして表したヒストグラムを作成する。
【0065】
そして、即ちウェハWの裏面に付着したパーティクルによりウェハWに撓みが生じ、当該ヒストグラムにおいてウェハWにおける厚み方向の高さが所定の値Kを越えている箇所がある場合、制御装置6は当該ウェハWがデフォーカスを引き起こすリスクがあると判定し、厚み方向の高さが所定の値Kを越えていなければ、露光装置4による露光が可能と判定する。
【0066】
なお、高さ測定機構150の受光部152により検出された情報に基づいてデフォーカスのリスクを判定する方法は、本実施の形態の内容に限定されない。例えば、制御装置6により、受光部152で検出された情報に基づいてウェハW面内における厚み方向の高さを表す画像を作成し、この画像からウェハWにおける厚み方向の高さが所定の値Kを超えている箇所Mの位置を特定し、次いで、図9に示すように、ウェハWをダイシングする際のスクライブラインLをこの画像に重ね合わせ、ダイシングにより切り出したチップのうちデフォーカスの影響を受けるものの数を予測し、当該影響を受けるチップの数に基づいてデフォーカスのリスクを判定してもよい。
【0067】
次に、洗浄ユニット101の構成について説明する。図10は洗浄ユニット101の構成の概略を示す縦断面図である。
【0068】
洗浄ユニット101は、上面が開口した筐体160を有している。筐体の内部には、第2の搬送アーム122を介して搬送されたウェハWを吸着保持する吸着パッド161と、この吸着パッド161から受け取ったウェハWを水平に吸着保持するスピンチャック162と、ウェハWの裏面を洗浄するブラシ163を有している。吸着パッド161は、例えば平面視においてスピンチャック162を挟んで平行に2本延伸して設けられており、ウェハWを水平に保持することができる。吸着パッド161は、図示しない支持部材によりその両端部を保持されており、支持部材は駆動機構(図示せず)により水平方向及び上下方向に移動自在に構成されている。
【0069】
吸着パッド161の上方には、上部カップ164が設けられている。上部カップ164の上面には、ウェハWの直径より大きな径の開口部164aが形成されており、この開口部164aを介して第2の搬送アーム122と吸着パッド161との間でウェハWの受け渡しが行われる。
【0070】
スピンチャック162はシャフト165を介して駆動機構166に接続されており、スピンチャック162は、この駆動機構166により回転及び昇降自在に構成されている。
【0071】
スピンチャック162の周囲には昇降機構(図示せず)により昇降自在な昇降ピン167が設けられている。
【0072】
ブラシ163は、例えば多数のプラスチック繊維を円柱状に束ねて構成されている。ブラシ163は支持体170により支持されている。支持体170は、駆動機構171に接続されている。駆動機構171は例えば筐体160に接続され、筐体160に沿って水平方向に移動できる。したがって、駆動機構171を筐体160に沿って移動させることで、支持体170を介してブラシ163を移動させることができる。ブラシ163は、支持体170に内蔵された駆動機構(図示せず)により回転自在に構成されている。したがって、ブラシ163の上面をウェハWの裏面に押し付けた状態で回転させて当該ブラシ163とウェハWとを摺動させることにより、ウェハWの裏面に付着したパーティクルを除去することができる。
【0073】
また、支持体170の先端にはブラシで除去されたパーティクルを洗い流す洗浄液を供給する洗浄液ノズル(図示せず)と、洗浄後にウェハWの裏面に付着している洗浄液を乾燥させるための、例えば窒素等の気体を供給するパージノズル(図示せず)が設けられている。
【0074】
筐体160の底部には、洗浄液を排出するドレン管172と、洗浄ユニット101内に下方向の気流を形成し、且つ当該気流を排気する排気管173が設けられている。
【0075】
洗浄ユニット101におけるウェハWの洗浄にあたっては、先ず第2の搬送アーム122によりウェハWが上部カップ164の上方に搬送され、次いで、昇降ピン167が上昇して、ウェハWが昇降ピン167に受け渡される。その後、昇降ピン167が下降して、ウェハWが吸着パッド161に受け渡されて保持される。
【0076】
次いで、吸着パッド161でウェハWを吸着保持した状態で、例えばブラシ163をウェハW裏面の中央部に対応する領域に移動させ、その後、吸着パッド161を下降させ、ウェハWの裏面にブラシ163の上面を押し当てる。
【0077】
次いで、洗浄液ノズルから洗浄液を供給すると共にブラシ163を回転させて、ウェハW裏面の中央部を洗浄する。この際、ブラシ163と吸着パッド161をそれぞれ往復動させることで、ウェハW裏面の中央部が万遍なく洗浄される。
【0078】
ウェハW裏面の中央部の洗浄が終わると、ウェハWを吸着パッド161からスピンチャック162に受け渡し、次いで、ウェハWの裏面にブラシ163を押し当てた状態でウェハWを回転させる。それと共に、ブラシ163を往復動させ、ウェハW裏面の周縁部を洗浄する。これにより、ウェハWの裏面全体のパーティクルが除去される。
【0079】
ウェハW裏面の洗浄が完了すると、ブラシ163の回転や洗浄液の供給を停止し、スピンチャック162を高速で回転させることで、ウェハW裏面に付着している洗浄液が振り切り乾燥される。この際、パージノズルによるパージも並行して行われる。
【0080】
そして、乾燥が終了すると、洗浄ユニット101に搬送された際とは逆の順序でウェハWが第2の搬送アーム122に受け渡される。
【0081】
制御装置6は、例えばCPUやメモリなどを備えたコンピュータにより構成されている。この制御装置6には、例えば塗布現像処理システム1の各種処理ユニットでのウェハ処理の内容や各ウェハWの搬送ルートを定めた処理レシピが、プログラムとして例えばメモリに記憶されている。このプログラムを実行することによって、塗布現像処理システム1の各種処理ユニットの制御や上述したウェハ搬送制御部125によるウェハ搬送機構120、130及び各ウェハ搬送装置の動作を制御し、塗布現像処理システム1におけるウェハWの各種処理や搬送制御を行う。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御装置6にインストールされたものであってもよい。
【0082】
以上のように構成された塗布現像処理システム1では、例えば次のようなウェハ処理が行われる。図11は、かかるウェハ処理の主な工程の例を示すフロー図である。
【0083】
ウェハWの処理にあたっては、先ず、複数枚のウェハWを収容したカセットCがカセット搬入出部10の所定のカセット載置板13に載置される。その後、ウェハ搬送装置21によりカセットC内の各ウェハWが順次取り出され、処理ステーション3の第3のブロックG3の例えば受け渡しユニット53に搬送される。
【0084】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2の熱処理ユニット40に搬送され、温度調節される(図11の工程S1)。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって例えば第1のブロックG1の下部反射防止膜形成ユニット30に搬送され、ウェハW上に下部反射防止膜が形成される(図11の工程S2)。その後ウェハWは、第2のブロックG2の熱処理ユニット40に搬送され、加熱処理が行われる。その後第3のブロックG3の受け渡しユニット53に戻される。
【0085】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置90によって同じ第3のブロックG3の受け渡しユニット54に搬送される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2のアドヒージョンユニット41に搬送され、アドヒージョン処理される(図11の工程S3)。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によってレジスト塗布ユニット31に搬送され、ウェハW上にレジスト膜が形成される。(図11の工程S4)。
【0086】
その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理ユニット40に搬送されて、プリベーク処理される(図11の工程S5)。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡しユニット55に搬送される。
【0087】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって上部反射防止膜形成ユニット32に搬送され、ウェハW上に上部反射防止膜が形成される(図11の工程S6)。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理ユニット40に搬送されて、加熱され、温度調節される。その後、ウェハWは、周辺露光ユニット42に搬送され、周辺露光処理される(図11の工程S7)。
【0088】
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡しユニット56に搬送される。
【0089】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置90によって受け渡しユニット52に搬送され、シャトル搬送装置80によって第4のブロックG4の受け渡しユニット62に搬送される。
【0090】
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置85によって第7のブロックG7の受け渡しユニット110に搬送される。次にウェハWは、第1の搬送アーム121により検査ユニット100に搬送されて検査される(図11の工程S8)。
【0091】
次にウェハWは第3の搬送アーム123によりバッファユニット111に搬送され、検査ユニット100でのウェハWの検査結果が判明するまで一時的にバッファユニット111に収容される。
【0092】
検査ユニット100での検査結果が判明すると、ウェハ搬送制御部125は所定のルールに基づきウェハ搬送機構120を制御してウェハWの搬送を行う。具体的には、検査ユニット100での検査の結果、ウェハWの状態が良好であり、露光装置4でのデフォーカスを引き起こすリスクがないと判定されれば、ウェハWを第3の搬送アーム123により温度調整ユニット112に搬送する。次いで、例えば第5の搬送アーム132により当該ウェハWを露光装置4に搬送する。また、検査の結果、ウェハWの状態が、露光装置4でのデフォーカスを引き起こすリスクがあると判定されれば、当該ウェハWを第2の搬送アーム122により洗浄ユニット101に搬送して洗浄する(図11の工程S9)。そして、洗浄ユニット101で洗浄されたウェハWは、第2の搬送アーム122により再度検査ユニット100に搬送される。その後、検査ユニット100で露光可能と判定されると、ウェハWは第3の搬送アーム123により温度調整ユニット112に搬送され、次いで第5の搬送アーム132により露光装置4に搬送されて露光処理される(図13の工程S10)。
【0093】
なお、例えば、ウェハWを検査ユニット100での検査した結果、露光装置4でのデフォーカスを引き起こすリスクがあると判定された場合、例えば当該ウェハWの以後の処理を中止して処理ステーション3に搬送し、カセット載置板13のカセットCに回収するようにしてもよい。また、洗浄ユニット101での洗浄した後、検査ユニット100での再検査の結果、依然としてデフォーカスのリスクが解消していないと判定された場合も、当該ウェハWをカセットCに回収するようにしてもよい。いずれの場合においても、検査ユニット100でウェハWを検査した後に、当該ウェハWをどのように処理するかは本実施の形態に限定されるものではなく、任意に選択が可能である。
【0094】
露光処理されたウェハWは第4の搬送アーム124により第6のブロックG6の受け渡しユニット110に搬送される。その後、ウェハWはウェハ搬送装置85によって第4のブロックG4の受け渡しユニット60に搬送される。次いで、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理ユニット40に搬送され、露光後ベーク処理される(図11の工程S11)。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって現像処理ユニット33に搬送され、現像処理される(図11の工程S12)。現像終了後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理ユニット40に搬送され、ポストベーク処理される(図11の工程S13)。
【0095】
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡しユニット50に搬送され、その後カセットステーション2のウェハ搬送装置21によって所定のカセット載置板13のカセットCに搬送される。こうして、一連のフォトリソグラフィー工程が終了する。
【0096】
以上の実施の形態によれば、ウェハWの裏面をウェハ保持台141に吸着保持することで、露光装置4のステージに吸着保持された状態を再現し、その状態で高さ測定機構150により、ウェハWの厚み方向における高さを測定する。換言すれば、従来のように、ウェハWの裏面に付着したパーティクル等の異物の状態を検査するのではなく、露光処理の際に当該パーティクル等がウェハWの厚み方向の高さにどの程度影響を与えるかを、直接検査している。これにより、露光処理の際に、ウェハWの厚み方向の高さがどの程度焦点からずれるかを、ウェハWの裏面に付着したパーティクル等の状態に影響されることなく、露光装置4に搬送する前に予め知ることができる。したがって本発明によれば、露光処理を行う前に、デフォーカスを引き起こすリスクのあるウェハを高い精度で選別することが可能となる。その結果、デフォーカスを引き起こすリスクのないウェハWのみを露光装置4に搬送することが可能となり、これにより露光処理の歩留まりを向上させることができる。
【0097】
以上の実施の形態によれば、塗布現像処理システム1には、検査ユニット100での検査の結果、露光装置4での露光に適さないと判断されたウェハWの裏面を洗浄する洗浄ユニット101が設けられている。この場合、露光に適さないと判断された全てのウェハWについて以後の処理を中止してカセットCに回収する場合と比較して、カセットCに回収するウェハWの数を低減できる。その結果、塗布現像処理システム1によるウェハW処理の歩留まりを向上させることができる。
【0098】
なお、以上の実施の形態においては、ウェハ保持台141によりウェハWの裏面を保持した状態で、当該ウェハWの表面側から厚み方向の高さを測定したが、ウェハ保持台141を、高さ測定機構150のレーザ光を透過する例えば石英などにより形成すると共に、高さ測定機構150をウェハ保持台141の下方に配置し、ウェハ保持台141に吸着保持されたウェハWの裏面から高さ測定機構150により当該ウェハの厚み方向の高さを測定してもよい。かかる場合においても、露光装置4のステージに吸着保持された状態を再現し、その状態で高さ測定機構150により、ウェハ保持台141に吸着保持されたウェハWにおける厚み方向の高さを求めるので、デフォーカスを引き起こすリスクのあるウェハを高い精度で選別することが可能である。
【0099】
以上の実施の形態においては、ウェハWを回転させた状態で高さ測定機構150をウェハWの直径方向に移動させることで、ウェハWの表面を螺旋状に測定したが、ウェハWの全面にわたって厚み方向の高さを測定できれば、ウェハWや高さ測定機構150をどのように動かすかは本実施の形態に限定されるものでなく、任意に選択できる。例えば、ウェハWは回転させず、高さ測定機構150のみをウェハWの上方で螺旋状に移動させてもよい。
【0100】
なお、以上の実施の形態では、検査ユニット100でウェハWの検査を行った後、必要に応じて当該ウェハWを洗浄ユニット101で洗浄したが、例えば全てのウェハWを先ず洗浄ユニット101で洗浄し、その後検査ユニット100でウェハWの検査を行ってもよい。
【0101】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、例えば半導体ウェハ等の基板に対して処理を行う際に有用である。
【符号の説明】
【0103】
1 塗布現像処理システム
2 カセットステーション
3 処理ステーション
4 露光装置
5 インターフェイスステーション
6 制御装置
10 カセット搬入出部
11 ウェハ搬送部
12 カセット載置台
13 カセット載置板
20 搬送路
21 ウェハ搬送装置
30 下部反射防止膜形成ユニット
31 レジスト塗布ユニット
32 上部反射防止膜形成ユニット
33 現像処理ユニット
40 熱処理ユニット
41 アドヒージョンユニット
42 周辺露光ユニット
50〜56 受け渡しユニット
60〜62 受け渡しユニット
70 ウェハ搬送装置
85 ウェハ搬送装置
90 ウェハ搬送装置
100 検査ユニット
101 洗浄ユニット
102 脱水ユニット
110 受け渡しユニット
111 バッファユニット
112 温度調整ユニット
120 ウェハ搬送機構
121 第1の搬送アーム
122 第2の搬送アーム
123 第3の搬送アーム
125 ウェハ搬送制御部
130 ウェハ搬送機構
131 第4の搬送アーム
132 第5の搬送アーム
140 筐体
141 ウェハ保持台
142 溝
143 吸引管
144 排気装置
145 環状溝
146 昇降ピン
147 回転基台
150 高さ測定機構
151 照射部
152 受光部
153 保持部材
154 レール
160 筐体
161 吸着パッド
162 スピンチャック
163 ブラシ
164 上部カップ
165 シャフト
166 駆動機構
167 昇降ピン
170 支持体
171 駆動機構
172 ドレン管
173 排気管
C カセット
D ウェハ搬送領域
F カップ
W ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光装置で露光処理を行う前に、露光装置における基板のフォーカスの状態を検査する基板検査装置であって、
基板を、前記露光装置で露光処理される際と同じ条件で裏面から吸着保持する基板保持台と、
前記基板保持台に吸着保持された基板における厚み方向の高さを測定する高さ測定機構と、を有することを特徴とする、基板検査装置。
【請求項2】
前記高さ測定機構は、前記基板保持台に吸着保持された基板の表面側から当該基板の厚み方向の高さを測定することを特徴とする、請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記高さ測定機構はレーザ変位計であることを特徴とする、請求項2に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記高さ測定機構はレーザ変位計であり、
前記基板保持台は、前記レーザ変位計から照射されるレーザが透過可能であり、
前記レーザ変位計は、前記基板保持台を挟んで前記基板保持台に吸着保持される基板に対向して設けられ、且つ前記基板保持台に吸着保持された基板の裏側から当該基板の厚み方向の高さを測定することを特徴とする、請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項5】
前記高さ測定機構を基板の直径方向に移動させる移動機構と、
前記基板保持台を、当該基板保持台の中心を軸として回転させる回転機構と、
前記高さ測定機構を基板の直径方向に移動させ、且つ前記基板保持台を回転させながら、基板の全面において厚み方向の高さを測定するように前記移動機構と前記回転機構を制御する制御部と、を有することを特徴とする、請求項1〜4に記載の基板検査装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の基板検査装置を備えた基板処理システムであって、
前記露光装置に搬入する前の基板の裏面を洗浄する洗浄ユニットを有していることを特徴とする、基板処理システム。
【請求項7】
前記洗浄ユニットは、前記基板検査ユニットでの基板の検査により、前記露光装置で正常に露光できないと判定された基板の裏面を洗浄することを特徴とする、請求項6に記載の基板処理システム。
【請求項8】
前記洗浄ユニットは、前記基板検査ユニットで基板を検査する前に、当該基板の裏面を洗浄することを特徴とする、請求項6に記載の基板処理システム。
【請求項9】
露光装置で露光処理を行う前に、露光装置における基板のフォーカスの状態を検査する基板検査方法であって、
基板を、前記露光装置で露光処理される際と同じ条件で裏面から吸着保持し、
その状態で、当該基板の厚み方向における高さを測定することを特徴とする、基板検査方法。
【請求項10】
前記吸着保持された基板の表面側から当該基板の厚み方向の高さを測定することを特徴とする、請求項9に記載の基板検査方法。
【請求項11】
前記高さの測定は、レーザ変位計により行うことを特徴とする、請求項10に記載の基板検査方法。
【請求項12】
前記高さの測定は、基板を吸着保持する基板保持台を挟んで、当該基板保持台に吸着保持される基板に対向して設けられたレーザ変位計により行い、
前記基板保持台は、前記レーザ変位計から照射されるレーザが透過可能であり、前記基板保持台に吸着保持された基板の厚み方向における高さの測定は、当該基板の裏側からレーザを照射して行うことを特徴とする、請求項9に記載の基板検査方法。
【請求項13】
前記高さ測定機構を基板の直径方向に移動させ、且つ前記基板保持台を回転させながら、基板の全面において厚み方向の高さを測定することを特徴とする、請求項9〜12に記載の基板検査方法。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれかに記載の基板検査方法を基板検査装置によって実行させるために、当該基板検査装置を制御する制御装置のコンピュータ上で動作するプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−102053(P2013−102053A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244839(P2011−244839)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】