説明

基板処理方法

【課題】上面部材をウェハとともに回転させて処理し,処理流体供給ノズルをウェハの処理面に移動させて処理流体を供給できる基板処理方法を提供する。
【解決手段】上面部材90を上昇させた状態で,基板Wをスピンチャック60によって保持し,上面部材90を下降させて基板Wの表面に近接させ,スピンチャック60に係合させた状態にし,上面部材90と基板Wとの間に形成された隙間に処理流体を供給し,基板W,スピンチャック60及び上面部材90を一体的に回転させて基板Wを処理し,基板W,スピンチャック60及び上面部材90の回転を停止し,上面部材90を上昇させてスピンチャック60から離脱させた状態で基板W及びスピンチャック60を一体的に回転させて基板Wを処理し,基板W及びスピンチャック60の回転を停止し,スピンチャック60の基板Wに対する保持を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,例えば半導体ウェハやLCD基板用ガラス等の基板を洗浄処理などする基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体デバイスの製造工程においては,半導体ウェハ(以下,「ウェハ」という。)の表面に対して洗浄,レジスト膜の除去等の処理を施す処理システムが使用される。かような処理システムに備えられる基板処理装置として,水平にして保持したウェハに処理液を供給して処理する枚葉式のものが知られている。従来の枚葉式基板処理装置は,パーティクルの付着によるウェハの汚染防止や処理流体の消費量削減等の観点から,ウェハ処理時にプレート状の上面部材をウェハ上面に対して近接させ,ウェハ上面全体を上面部材によって覆った状態で処理するようにしていた。即ち,処理時に上面部材とウェハ上面との間に狭い隙間を形成し,この隙間に薬液や乾燥ガス等の処理流体を満たすようにすると,少量の処理流体の供給によってウェハの上面を処理することができる。こうして,処理流体の消費量を抑制するようにしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記基板処理装置において,上面部材を回転可能な構成とすることが考えられる。そうすれば,ウェハの洗浄処理,乾燥処理の性能を向上させる効果がある。しかしながら,ウェハを回転させる回転駆動機構とは別に,上面部材を回転させる回転駆動機構を設置するのでは,コストが増加する問題がある。また,上面部材を回転させる回転駆動機構を,ウェハの処理位置の上部に配置すると,回転駆動機構から発生するパーティクルが基板の周囲に侵入する心配がある。さらに,ウェハ上面に対して処理流体供給ノズルを移動させて処理する方法が希望される場合,上面部材及び回転駆動機構を昇降させるシリンダーもウェハの処理位置の上部に配置すれば,シリンダーから発生するパーティクルがウェハの周囲に侵入する心配がある。また,上面部材がウェハに近接している時に,ウェハ上面に処理流体を供給する方法が希望される場合,回転駆動機構の回転軸を貫通しなければ,ウェハに処理液を供給することができない等の課題がある。
【0004】
従って本発明の目的は,上面部材をウェハとともに回転させて処理し,上面部材とウェハを離隔させた状態での処理,例えば,処理流体供給ノズルをウェハの処理面に移動させて処理流体を供給することができる基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために,本発明によれば,基板に処理流体を供給して処理する基板処理方法であって,上面部材を上昇させた状態で,基板をスピンチャックによって保持し,前記上面部材を下降させて前記基板の表面に近接させ,前記スピンチャックに係合させた状態にし,前記上面部材と基板との間に形成された隙間に処理流体を供給し,前記基板,スピンチャック及び上面部材を一体的に回転させて基板を処理し,前記基板,スピンチャック及び上面部材の回転を停止し,前記上面部材を上昇させて前記スピンチャックから離脱させた状態で前記基板及びスピンチャックを一体的に回転させて基板を処理し,前記基板及びスピンチャックの回転を停止し,前記スピンチャックの基板に対する保持を解除することを特徴とする,基板処理方法が提供される。
【0006】
さらに,本発明によれば,前記基板及びスピンチャックの回転を停止した後,再び,前記上面部材を下降させて前記基板の表面に近接させ,前記スピンチャックに係合させた状態にし,前記上面部材と基板との間に形成された隙間に処理流体を供給し,前記基板,スピンチャック及び上面部材を一体的に回転させて基板を処理し,前記基板,スピンチャック及び上面部材の回転を停止し,前記上面部材を上昇させて前記スピンチャックから離脱させ,その後,前記スピンチャックの基板に対する保持を解除することを特徴とする,基板処理方法が提供される。
【0007】
前記上面部材を上昇させて前記スピンチャックから離脱させた状態で前記基板及びスピンチャックを一体的に回転させて基板を処理するに際し,前記上面部材と基板との間において,処理流体供給ノズルを前記基板の少なくとも中心から周縁まで移動させて,回転する基板に対して前記処理流体供給ノズルから処理流体を供給することが好ましい。この場合,ウェハ上面全体に処理流体を供給できる。
【0008】
前記上面部材と基板との間に形成された隙間に処理流体を供給するに際し,前記基板の表面に供給された処理流体に前記上面部材を接触させることが好ましい。また,前記上面部材と基板との間に形成された隙間に処理流体を供給するに際し,前記基板の表面に供給された処理流体に前記上面部材を接触させないようにしても良い。
【0009】
前記基板を処理するに際し,さらに,下面部材を上昇させて前記基板の裏面に近接させ,前記下面部材と基板との間に形成された隙間に処理流体を供給して,前記基板の裏面を処理することが好ましい。
【0010】
なお,基板に処理流体を供給して処理する基板処理装置であって,基板を保持するスピンチャックと,基板に近接して上面を覆う上面部材を備え,前記上面部材を前記スピンチャックに対して係脱自在とし,前記上面部材を前記スピンチャックに係合させて前記上面部材と前記スピンチャックを一体的に回転させる構成としたことを特徴とする,基板処理装置が提供される。かかる基板処理装置にあっては,上面部材をウェハ上面に近接させてウェハとともに回転させる処理と,上面部材とウェハを離隔させた状態での処理が可能となる。
【0011】
この基板処理装置にあっては,前記上面部材を前記スピンチャックに対して昇降自在とし,前記上面部材と前記スピンチャックのいずれか一方に係合凹部,他方に係合凸部を設け,前記上面部材が前記スピンチャックに対して下降した際に,前記係合凹部と前記係合凸部が係合し,上昇した際に,前記係合凹部と前記係合凸部が離脱する構成とし,前記係合凹部及び/又は前記係合凸部に,前記係合凸部の挿入を容易にするためのテーパ部を設けることが好ましい。この場合,上面部材の自重により上面部材をスピンチャックに支持することができる。また,係合凸部を上又は下方向から係合凹部に係合させる場合,スピンチャックが水平面内で回転する際も,係合凸部と係合凹部を係合させた状態を維持することができる。
【0012】
また,この基板処理装置にあっては,前記上面部材を下降させて前記スピンチャックに係合させる位置と上昇させて前記スピンチャックから離脱させる位置とに昇降させる上面部材昇降機構を備えることが好ましい。さらに,前記上面部材昇降機構は,前記スピンチャックから離脱させた前記上面部材を支持する支持部材を備え,前記上面部材に,前記支持部材と係脱自在な係合部を設け,前記上面部材が前記スピンチャックに係合している状態において,前記係合部と前記支持部材を係脱させることとしても良い。
【0013】
前記係合部と前記支持部材の係脱は,前記上面部材と前記スピンチャックを一体的に回転させることにより行われることが好ましい。かかる場合,スピンチャックの回転駆動機構を用いて前記係合部と前記支持部材の係脱を行うため,当該係脱のための駆動機構を別に設置する必要はない。一方,前記上面部材昇降機構は,前記上面部材を把持するクランプ機構を備えることとしても良い。
【0014】
また,前記上面部材の中央に,基板に供給する処理流体を通過させる供給穴を設けるようにしても良い。この場合,ウェハに上面部材を近接させて隙間を形成した状態で隙間に処理流体を供給することができる。
【0015】
また,基板に供給する処理流体を吐出する処理流体供給ノズルを1又は2以上備え,前記処理流体供給ノズルを前記基板の上方において少なくとも前記基板の中心から周縁まで移動させるアームを備えることが好ましい。そうすれば,上面部材をスピンチャックから離脱させた状態のとき,スピンチャックによってウェハを回転させながら,ウェハ上面と上面部材との間に処理流体供給ノズルを移動させることができる。従って,例えば,回転中のウェハの上方を移動する処理流体供給ノズルから処理液を吐出させることにより,ウェハ上面全体に処理液を供給することができる。さらに,処理液にガスを混合して基板に吐出する処理流体供給ノズルを少なくとも1つ備えても良い。
【0016】
また,前記アームは,前記処理流体供給ノズルを前記基板の少なくとも中心から周縁まで移動させることが可能なことが好ましい。さらにまた,前記アームは,前記スピンチャックから前記上面部材が離脱させられた状態において,前記基板の上方に前記処理流体供給ノズルを移動させることが好ましい。即ち,処理流体供給ノズルから処理流体を吐出しながら,ウェハを回転させることにより,ウェハの上面全体に処理流体を供給することができる。
【0017】
また,前記基板,前記スピンチャック及び前記上面部材を囲むチャンバーと,前記処理流体供給ノズルを密閉して格納する処理流体供給ノズル格納部を備え,前記処理流体供給ノズルを前記処理流体供給ノズル格納部から前記チャンバー内に移動させるための開閉自在な開口を設けるようにしても良い。
【0018】
なお,前記基板の裏面に対して相対的に上昇して近接し,下降して離隔する下面部材を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば,上面部材をスピンチャックに係合させ,上面部材をスピンチャック及び基板と一体的に回転させて処理する方法と,上面部材をスピンチャックから離脱させ,処理流体供給ノズルを上面部材と基板の間に移動させて処理流体を供給する方法を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下,本発明の好ましい実施の形態を,基板の一例としてウェハを洗浄する基板処理装置としての基板洗浄ユニットに基づいて説明する。図1は,本実施の形態にかかる基板洗浄ユニット12,13,14,15を組み込んだ洗浄処理システム1の平面図である。図2は,その側面図である。この洗浄処理システム1は,ウェハWに洗浄処理及び洗浄処理後の熱的処理を施す洗浄処理部2と,洗浄処理部2に対してウェハWを搬入出する搬入出部3から構成されている。
【0021】
搬入出部3は,複数枚,例えば25枚のウェハWが所定の間隔で略水平に収容可能な容器(キャリアC)を載置するための載置台6が設けられたイン・アウトポート4と,載置台6に載置されたキャリアCと洗浄処理部2との間でウェハの受け渡しを行うウェハ搬送装置7が備えられたウェハ搬送部5と,から構成されている。
【0022】
ウェハWはキャリアCの一側面を通して搬入出され,キャリアCの側面には開閉可能な蓋体が設けられている。また,ウェハWを所定間隔で保持するための棚板が内壁に設けられており,ウェハWを収容する25個のスロットが形成されている。ウェハWは表面(半導体デバイスを形成する面)が上面(ウェハWを水平に保持した場合に上側となっている面)となっている状態で各スロットに1枚ずつ収容される。
【0023】
イン・アウトポート4の載置台6上には,例えば,3個のキャリアを水平面のY方向に並べて所定位置に載置することができるようになっている。キャリアCは蓋体が設けられた側面をイン・アウトポート4とウェハ搬送部5との境界壁8側に向けて載置される。境界壁8においてキャリアCの載置場所に対応する位置には窓部9が形成されており,窓部9のウェハ搬送部5側には,窓部9をシャッター等により開閉する窓部開閉機構10が設けられている。この窓部開閉機構10は,キャリアCに設けられた蓋体もまた開閉可能である。
【0024】
ウェハ搬送部5に配設されたウエハ搬送装置7は,Y方向とZ方向に移動可能であり,かつ,X―Y平面内(θ方向)で回転自在に構成されている。また,ウェハ搬送装置7は,ウェハWを把持する取出収納アーム11を有し,この取出収納アーム11はX方向にスライド自在となっている。こうして,ウェハ搬送装置7は,載置台6に載置された全てのキャリアCの任意の高さのスロットにアクセスし,また,洗浄処理部2に配設された上下2台のウェハ受け渡しユニット16,17にアクセスして,イン・アウトポート4側から洗浄処理部2側へ,逆に洗浄処理部2側からイン・アウトポート4側へウェハWを搬送することができるようになっている。
【0025】
洗浄処理部2は,主ウェハ搬送装置18と,ウェハ搬送部5との間でウェハWの受け渡しを行うためにウェハWを一時的に載置するウェハ受け渡しユニット16,17と,本実施の形態にかかる4台の基板洗浄ユニット12,13,14,15と,洗浄処理後のウェハWを加熱処理する3台の加熱ユニット及び加熱されたウェハWを冷却する冷却ユニットからなる加熱・冷却部19とを備えている。主ウェハ搬送装置18は,ウェハ受け渡しユニット16,17,基板洗浄ユニット12,13,14,15,加熱・冷却部19の全てのユニットにアクセス可能に配設されている。
【0026】
また,洗浄処理部2は,洗浄処理システム1全体を稼働させるための電源である電装ユニット23と,洗浄処理システム1内に配設された各種装置及び洗浄処理システム1全体の動作制御を行う機械制御ユニット24と,基板洗浄ユニット12,13,14,15に送液する所定の処理液を貯蔵する薬液貯蔵ユニット25とが配設されている。電装ユニット23は図示しない主電源と接続される。洗浄処理部2の天井部には,各ユニット及び主ウェハ搬送装置18に,清浄な空気をダウンフローするためのファンフィルターユニット(FFU)26が配設されている。
【0027】
ウェハ受け渡しユニット16,17は,いずれもウェハ搬送部5との間でウェハWの受け渡しを行うためにウェハWを一時的に載置するものであり,これらウェハ受け渡しユニット16,17は上下2段に積み重ねられて配置されている。例えば,下段のウェハ受け渡しユニット17は,イン・アウトポート4側から洗浄処理部2側へ搬送するウェハWを載置するために用い,上段のウェハ受け渡しユニット16は,洗浄処理部2側からイン・アウトポート4側へ搬送するウェハWを載置するために用いることができる。
【0028】
主ウェハ搬送装置18は,図示しないモータの回転駆動力によって回転可能な筒状支持体30と,筒状支持体30の内側に沿ってZ方向に昇降自在に設けられたウェハ搬送体31とを有している。ウェハ搬送体31は,筒状支持体30の回転に伴って一体的に回転されるようになっており,それぞれ独立して進退移動することが可能な多段に配置された3本の搬送アーム34,35,36を備える。
【0029】
基板洗浄ユニット12,13,14,15は,図2に示すように,上下2段で各段に2台ずつ配設されている。図1に示すように,基板洗浄ユニット12,13と基板洗浄ユニット14,15とは,その境界をなしている壁面41に対して対称な構造を有しているが,対称であることを除けば,各基板洗浄ユニット12,13,14,15は概ね同様の構成を備えている。そこで,基板洗浄ユニット12を例として,その構造について詳細に以下に説明することとする。
【0030】
図3は,基板洗浄ユニット12の平面図であり,図4は,その縦断面図である。基板洗浄ユニット12のユニットチャンバー45内には,ウェハWを収納して処理流体によって処理するアウターチャンバー46が備えられる。ユニットチャンバー45には開口50が形成され,アウターチャンバー46の側壁46aには開口52が形成され,開口50と開口52は,開口部47によって連通している。また,エアシリンダー等からなるシリンダ駆動機構54によって昇降し,開口52を開閉するメカシャッター53が設けられている。例えば搬送アーム34によってアウターチャンバー46に対して開口部47からウェハWが搬入出される際に,このメカシャッター53を開く。メカシャッター53はアウターチャンバー46の内部から開口52を開閉するようになっている。即ち,アウターチャンバー46内が陽圧になった場合でも,アウターチャンバー46内部の雰囲気が外部に漏れ出ない構成となっている。
【0031】
図4に示すように,アウターチャンバー46内には,ウェハWを略水平に保持するスピンチャック60が配置されている。ウェハWは,例えば半導体デバイスが形成される処理面である表面を上面にして,周縁部分をスピンチャック60によって保持される。
【0032】
スピンチャック60は,図5に示すように,チャックプレート65と,チャックプレート65の底部に接続する回転筒体67と,ウェハの周縁に当接する3つの保持部材70から構成される。また,回転筒体67の下部に接続するモータ72は,回転筒体67を回転させることにより,スピンチャック60全体を回転させる。スピンチャック60に保持されたウェハWは,スピンチャック60と一体的に水平面内で回転する。
【0033】
保持部材70は,図3に示すように,チャックプレート65の周囲において,略円盤形状のウェハWの中央を中心として,中心角が120°となるように3箇所に配置されており,それら3つの保持部材70の内面によりウェハWを周縁から保持する。また,チャックプレート65には,ウェハWが保持される高さにウェハWを支持するための3つの支持ピン71が備えられている。3つの支持ピン71は,図3に示すように,ウェハWの裏面に当接し,中心角が120°となるように3箇所に配置されている。また,保持部材70の内面には,図6に示すように,ウェハWの中心に向かって互いに離れる方向に傾斜する上斜面70aと下斜面70bが形成されており,3つの保持部材70の内面でウェハWの周縁を外側から挟んで保持する際には,ウェハWの周縁部を上斜面70aと下斜面70bの間で挟持して保持する構成となっている。この場合,ウェハWの周縁部を上下から確実に保持することができる。
【0034】
基板洗浄ユニット12にウェハWを搬入するときは,図6(a)に示すように,先ず支持ピン71によってウェハWの周縁部を裏面から支持する。このとき,3つの保持部材70の上部は互いに離隔して外側に移動しており,搬送アーム34から支持ピン71に受け渡されるウェハWに接触しない位置に待機している。ウェハWが3つの支持ピン71に支持されたら,図6(b)に示すように,3つの保持部材70を内側に移動させ,ウェハWの周縁部を上斜面70aと下斜面70bの間に挟んで保持する。このとき,ウェハWが支持ピン71から持ち上げられた状態となる。また,基板洗浄ユニット12からウェハWを搬出する際は,先ず3つの保持部材70を外側に移動させ,保持部材70の保持を解除する。すると,ウェハWが支持ピン71に載った状態となる。こうして支持ピン71によって支持されたウェハWを搬送アーム34に受け渡す構成となっている。
【0035】
モータ72は,図5に示すように,スピンチャック60により保持されるウェハWの下方に形成された駆動機構収納チャンバー74の内部に配置されている。駆動機構収納チャンバー74はモータ72の周囲及び上部を囲み,モータ72から発生するパーティクルがウェハW側に侵入することを防止する。
【0036】
アウターチャンバー46は,スピンチャック60によって保持されたウェハWを上方及び周囲から囲むようになっている。即ち,アウターチャンバー46は,ウェハWの周囲を包囲する環状の側壁46aと,ウェハW上面の上方を覆う天井部46bを備えており,ウェハWの周囲及び上方の雰囲気を密閉し,アウターチャンバー46の外部の雰囲気から隔離する。
【0037】
また,アウターチャンバー46の側壁46aには,スピンチャック60により保持されたウェハWが位置する高さに傾斜部46cが形成されており,ウェハWは傾斜部46cに包囲されるようになっている。傾斜部46cはウェハWの位置する高さの上方から下方に向かって外側に傾斜しているため,ウェハWの周囲に飛散する処理液の液滴などは傾斜部46cに当たって下方に落下する。また,開口50,52はスピンチャック60により保持されたウェハWが位置する高さに開口しており,メカシャッター53は傾斜部46cの一部となっている。例えば搬送アーム34によってスピンチャック60に対してウェハWを授受させる際には,メカシャッター53を開き,開口部47からウェハW及び搬送アーム34を水平に移動させる。
【0038】
図3及び図4に示すように,ユニットチャンバー45内には,アウターチャンバー46に隣接する密閉構造のノズル格納チャンバー77が設置されている。ノズル格納チャンバー77内には,アーム79,処理流体供給器80及びアーム回動装置82が収納されている。また,ノズル格納チャンバー77とアウターチャンバー46の間には,開口84が設けられており,さらに,ノズル格納チャンバー77内から開口84を開閉自在にするノズル格納チャンバー用メカシャッター86が設けられている。ノズル格納チャンバー用メカシャッター86は,ノズル格納チャンバー77内に設置されたモータ等からなる回転駆動機構88によって駆動される。
【0039】
処理流体供給器80はアーム79の先端に取り付けられており,アーム79の基端には図示しないモータを備えたアーム回動装置82が取り付けられている。アーム79は,図示しないモータの駆動によってアーム回動装置82を中心として水平面内で旋回して,開口84からアウターチャンバー46内に移動し,処理流体供給器80が少なくともウェハWの中心の上方に位置する場所まで回動することができる。こうして,アーム79の回動によって,処理流体供給器80をアウターチャンバー46内のウェハWの少なくとも中心から周縁まで移動させる。処理流体供給器80は,ウェハWを処理する処理流体として,例えば,SC−1液(アンモニア水と過酸化水素水と純水の混合溶液)等の薬液,N2ガス,純水(DIW),及びN2ガスと純水の混合流体等を吐出することができる。
【0040】
図4に示すように,アウターチャンバー46内において,スピンチャック60によりウェハWが保持される位置の上方には,ウェハWに近接して上面を覆う上面部材としてのトッププレート90が備えられている。トッププレート90は,スピンチャック60によって保持されたウェハWの上面を覆うことが可能な大きさに形成されている。
【0041】
図7及び図8に示すように,トッププレート90の下面には,ウェハWの上面全体を覆うための,下方に突出した面91が形成されている。面91の周縁部(エッジ)91’は,ウェハW上面の周縁端部より僅かに外側に形成されている。また,トッププレート90の周縁には,トッププレート90中央を中心として対向する2箇所に,係合凸部材95が設けられている。係合凸部材95はトッププレート90に対して垂直に接続する柱状の部材であり,それぞれ下端において,後述する係合凹部材97と係合する。また,トッププレート90をウェハWの上方に配置した際,各係合凸部材95とスピンチャック60に保持されたウェハWの周縁との間に十分な間隙が形成されるように設けられており,さらに,スピンチャック60及びスピンチャック60に保持されたウェハWに対してトッププレート90が昇降する際も,各係合凸部材95がスピンチャック60及びウェハWに干渉しないように配置されている。
【0042】
一方,係合凹部材97は,チャックプレート65の周囲2箇所に固着されている。各係合凹部材97は,図9に示すような上側に開口する凹部98を有する部材であり,各係合凸部材95の下端を上方から各凹部98にそれぞれ挿入するように配置されている。また,各係合凹部材97は,スピンチャック60に保持されたウェハWの周縁部の高さより下方に配置されている。さらに,凹部98の内側の側面は,下側から上側に向かって広がるテーパ面となっており,角柱型の各係合凸部材95の下端を上方からスムーズに挿入することができる。
【0043】
各係合凸部材95の下面を各凹部98の下面に当接させた状態にすると,各係合凸部材95が各係合凹部材97によって支持され,係合することができる。各係合凸部材95と各係合凹部材97は,トッププレート90中央を中心として対向する2箇所にてそれぞれ係合するので,トッププレート90がスピンチャック60に保持されたウェハW上方に安定的に支持される。このように,トッププレート90の自重を利用して,トッププレート90をスピンチャック60に対して係合させるようになっている。また,トッププレート90はスピンチャック60に対して係合と離脱が自在な構成となっている。
【0044】
トッププレート90をスピンチャック60に係合させ,前述したモータ72によってスピンチャック60を回転させると,トッププレート90をスピンチャック60と一体的に回転させることができる。また,スピンチャック60がウェハWを保持しているときは,スピンチャック60,ウェハW,及びトッププレート90が一体的に回転する。このように,トッププレート90はモータ72によって回転させられ,モータ72の他にトッププレート90を回転させるモータ等の回転駆動機構を別個に設置する必要がない。即ち,トッププレート90とスピンチャック60の回転駆動機構をそれぞれ別個とした場合と比較して,回転駆動機構に必要なコストを大幅に削減することができる。また,モータから発生するパーティクルが低減される。そして,トッププレート90を回転させる回転駆動機構を,ウェハWの処理位置(保持位置)の上方,例えばアウターチャンバー46上部(天井部46bの上面)等に設置しないので,回転駆動機構から発生するパーティクルがウェハの周囲に侵入する心配がなく,ウェハWに対するパーティクルの影響を防止することができる。
【0045】
図10に示すように,アウターチャンバー46の外側には,トッププレート90を下降させてスピンチャック60に係合させる位置と上昇させてスピンチャック60から離脱させる位置とに昇降させるトッププレート昇降機構100が配設されている。トッププレート昇降機構100は,以下に説明するトッププレート昇降シリンダー102,昇降ロッド104,支持ロッド106,昇降部材108,トッププレート昇降支持部材110から構成される。なお,トッププレート昇降機構100の駆動によりパーティクルが発生しても,アウターチャンバー46内部に収納されているウェハWの周囲に侵入しないようになっている。
【0046】
トッププレート昇降シリンダー102はユニットチャンバー45の下部に配置されており,アウターチャンバー46の側方に配置された昇降ロッド104を長手方向に昇降させる。また,アウターチャンバー46を挟んで昇降ロッド104と対向する位置には,支持ロッド106が設けられている。支持ロッド106は,アウターチャンバー46の外側面に設けられたロッドガイド107内を昇降自在に構成されている。そして,アウターチャンバー46の上方には,昇降ロッド104上端と支持ロッド106上端によって両端をそれぞれ支持された昇降部材108が配置されている。即ち,昇降部材108は,トッププレート昇降シリンダー102の駆動によって,ユニットチャンバー45の天井面とアウターチャンバー46の天井部46bの上方との間を上下移動する。また,天井部46bからアウターチャンバー46内部に2本のトッププレート昇降支持部材110が貫通しており,2本のトッププレート昇降支持部材110は,それぞれ上端が昇降部材108に固着され,下端がアウターチャンバー46内部にて昇降するように配置されている。
【0047】
2つのトッププレート昇降支持部材110の下端には,図11に示すごとき鍔111がそれぞれ備えられている。一方,トッププレート90の上面には,図7及び図8に示すように,各鍔111とそれぞれ係脱自在な,2つのトッププレート側係合部113が設けられている。これら一対のトッププレート側係合部113とトッププレート昇降支持部材110下端の鍔111は,トッププレート90上面の中央を中心として対向する位置においてそれぞれ係合する構成となっており,トッププレート90を安定的に支持することができる。そして,トッププレート90をトッププレート昇降支持部材110に係合させると,トッププレート昇降シリンダー102の駆動によって,トッププレート90を昇降ロッド104,支持ロッド106,昇降部材108,トッププレート昇降支持部材110と一体的に昇降させることができる。
【0048】
なお,アウターチャンバー46の上方には,トッププレート90を回転させる回転駆動機構等が設置されていない。また,トッププレート昇降シリンダー102はユニットチャンバー45の下部に配置されており,ウェハWの処理位置の上方に,トッププレート90の回転駆動機構や,トッププレート90及びトッププレート90の回転駆動機構を一体的に昇降させるシリンダーを配置した場合に比べて,トッププレート90の回転駆動機構とシリンダーから発生するパーティクルがウェハの周囲に侵入する心配がなく,ウェハWに対するパーティクルの影響を抑制することができる。
【0049】
図11に示すように,トッププレート90の上面には,鍔111を挿入する穴121が設けられている。穴121は,鍔111を内部においてトッププレート90の回転方向に相対的に移動させることができる大きさに形成されている。穴121の上部には,穴121の一部を覆う蓋部123が固着している。さらに,蓋部123を上面から下面に貫通する切欠き部124が設けられている。蓋部123の側面には,鍔111及びトッププレート昇降支持部材110を切欠き部124に対して相対的に入出させる入出口126が形成されている。入出口126の両側は,入出口126内から外側に向かって広がるテーパ部131となっており,入出口126から切欠き部124に対して鍔111を容易に挿入することができるようになっている。
【0050】
さらに,切欠き部124の奥には,トッププレート昇降支持部材110の側面を嵌合させる嵌合溝128が形成されている。嵌合溝128の下部には,鍔111を嵌合させる鍔嵌合溝133が設けられている。例えば,入出口126から切欠き部124内に鍔111及びトッププレート昇降支持部材110を挿入した後,穴121内に鍔111を下降させて,スピンチャック60を回転させることによりトッププレート90を反時計方向に回転させると,トッププレート昇降支持部材110は嵌合溝128に対して相対的に時計方向に移動し,嵌合溝128に嵌合する。その後,鍔111を上昇させると,鍔111が鍔嵌合溝133に嵌合するようになっている。トッププレート昇降支持部材110を嵌合溝128に,鍔111を鍔嵌合溝133に嵌合させた状態にして,トッププレート昇降支持部材110を上昇させると,嵌合溝128は鍔111を通過させない大きさとなっているので,鍔111の上面が鍔嵌合溝133の上面に係合する構成となっている。
【0051】
上記2つのトッププレート側係合部113は,それぞれ,穴121,蓋部123,切欠き部124,入出口126,嵌合溝128,テーパ部131,鍔嵌合溝133から構成される。以下,トッププレート昇降支持部材110とトッププレート側係合部113を係合及び離脱させる方法について説明する。
【0052】
トッププレート昇降支持部材110とトッププレート側係合部113を係合させるときは,先ず,各トッププレート昇降支持部材110を,係合する各トッププレート側係合部113の反時計方向(CCW)側の正面位置,即ち,各入出口126の正面位置に待機させる。即ち,各トッププレート側係合部113が所定位置にて待機するようにスピンチャック60及びトッププレート90を静止させるとともに,各トッププレート昇降支持部材110を下降させ,各鍔111の下面をトッププレート90上面に近接させる。そして,スピンチャック60及びトッププレート90を一体的に所定量反時計方向に回転させることにより,各鍔111及び各トッププレート昇降支持部材110を各トッププレート側係合部113に対して相対的に時計方向(CW)に移動させ,各入出口126から各切欠き部124に相対的に挿入させる。さらに,各トッププレート昇降支持部材110を下降させることにより各鍔111を各穴121内に下降させる。その後,スピンチャック60及びトッププレート90をさらに僅かに反時計方向に回転させると,各鍔111が各穴121内を相対的に時計方向に移動するとともに,各トッププレート昇降支持部材110が各嵌合溝128に対して相対的に時計方向に移動して嵌合する。そして,各トッププレート昇降支持部材110を上昇させると,各鍔111が各穴121内から上昇して各鍔嵌合溝133に嵌合する。これにより,各トッププレート側係合部113と各トッププレート昇降支持部材110が係合し,トッププレート90を上昇させることができる。なお,切欠き部124の上方から,トッププレート昇降支持部材110及び鍔111を下降させて,各穴121内に挿入するようにしても良い。
【0053】
また,スピンチャック60にトッププレート90を係合させ,トッププレート昇降支持部材110とトッププレート側係合部113を離脱させるときは,先ず,スピンチャック60にトッププレート90を係合させる。即ち,スピンチャック60の回転により各係合凹部材97を所定の係合位置に移動させ,トッププレート昇降支持部材110に支持されたトッププレート90を下降させ,各係合凸部材95と各係合凹部材97を係合させる。その後,トッププレート昇降支持部材110の鍔111を穴121内に下降させて嵌合を解除する。そして,係合させたときと逆方向に,各鍔111を各穴121内に相対的に移動させる。即ち,例えば,スピンチャック60及びトッププレート90を一体的に僅かに時計方向に回転させることにより,各鍔111が各穴121内を相対的に反時計方向に移動するとともに,各トッププレート昇降支持部材110が各嵌合溝128に対して相対的に反時計方向に移動して嵌合が解除される。そして,トッププレート昇降機構100の駆動により,トッププレート昇降支持部材110及び鍔111を穴121内から切欠き部124内に上昇させ,そのまま切欠き部124の上方に上昇,退出させる。このようにして,各トッププレート昇降支持部材110と各トッププレート側係合部113を離脱させることができる。なお,トッププレート昇降支持部材110及び鍔111を切欠き部124内から退出させる際,スピンチャック60及びトッププレート90をさらに時計方向に回転させることにより,相対的に反時計方向に各入出口126に通過させるようにしても良い。
【0054】
このように,トッププレート昇降支持部材110は,トッププレート90に対して係脱自在な構成となっている。また,各トッププレート昇降支持部材110と各トッププレート側係合部113の係脱は,スピンチャック60とトッププレート90を係合させ,スピンチャック60及びトッププレート90を一体的に回転させることにより行うことができる。
【0055】
トッププレート昇降支持部材110とトッププレート90を係合させてトッププレート昇降機構100を駆動させると,トッププレート90をスピンチャック60に対して昇降させることができる。また,スピンチャック60がウェハWを保持している状態において,トッププレート90をスピンチャック60に対して昇降させると,トッププレート90を下降させてウェハWに近接させた位置(一点鎖線)と上昇させてウェハWから離隔させた位置(実線)とに昇降させることができる。さらに,トッププレート90の昇降によって,各係合凹部材97の凹部98に対して各係合凸部材95を挿入出させる。即ち,トッププレート90とスピンチャック60を係合及び離脱させることができる。
【0056】
以下,トッププレート90とスピンチャック60を係合及び離脱させる方法について説明する。トッププレート90とスピンチャック60を係合させる際は,先ず,トッププレート昇降機構100によって上昇させた各係合凸部材95の下方に,各係合凹部材97を移動させる。即ち,スピンチャック60を回転させて,各係合凹部材97を所定の係合位置に移動させる。そして,トッププレート90を下降させると,各係合凹部材97の凹部98に各係合凸部材95の下端をそれぞれ挿入することができる。このようにして,各係合凸部材95と各係合凹部材97を係合させる。即ち,トッププレート90をスピンチャック60に係合させた状態となる。一方,トッププレート90とスピンチャック60を離脱させる際は,先ず,各トッププレート昇降支持部材110と各トッププレート側係合部113を係合させる。そして,トッププレート昇降機構100の駆動によってトッププレート90を上昇させると,各係合凸部材95が各凹部98から退出し,各係合凸部材95と各係合凹部材97を離脱させることができる。即ち,トッププレート90をスピンチャック60から離脱させた状態となる。
【0057】
トッププレート90をスピンチャック60に係合させ,さらに各トッププレート昇降支持部材110を各トッププレート側係合部113から離脱させると,トッププレート90はスピンチャック60のみに支持される。この状態でスピンチャック60を回転させると,トッププレート90とスピンチャック60を一体的に回転させることができる。一方,トッププレート90をスピンチャック60から離脱させた状態においては,トッププレート90を回転させずにスピンチャック60とウェハWを一体的に回転させることができる。
【0058】
また,スピンチャック60がウェハWを保持している状態においてトッププレート90をスピンチャック60に係合させると,トッププレート90はウェハWの上面に対して近接する状態となる。このとき,トッププレート90下面とウェハW上面との間には,例えば1mm程度の狭い隙間が形成される。一方,トッププレート90をスピンチャック60から離脱させ,トッププレート90を上昇させると,トッププレート90の下面はウェハWの上面から離隔する。このとき,トッププレート90下面とウェハW上面との間には,例えば100mm程度の高さを有する空間が形成される。このようにトッププレート90下面とウェハW上面との間に十分な空間を形成することにより,トッププレート90下面とウェハW上面との間に処理流体供給器80を移動させ,ウェハWの上面に処理流体を供給することができる。また,搬送アーム34,35又は36のいずれかによってスピンチャック60に対してウェハWを授受させる際には,余裕をもってウェハWをスピンチャック60に授受させることができる。
【0059】
なお,処理流体供給器80及びアーム79をウェハW上方に移動させる際は,例えば,図3に示すように,ウェハWの周縁において対向する2つの係合凸部材95の間から,アーム79がウェハW上方に回動することができるように,係合凸部材95と係合凹部材97を配置する。即ち,トッププレート90及びスピンチャック60の回転により,係合凸部材95と係合凹部材97を処理流体供給器80及びアーム79に接触しない位置に移動させ,回転停止後,トッププレート90をスピンチャック60から離脱させ,2つの係合凸部材95の停止位置の間から,処理流体供給器80をウェハW上方に移動させるようにする。また,処理流体供給器80及びアーム79に接触しない高さまで,2つの係合凸部材95を上昇させるようにしても良い。同様に,スピンチャック60に対してウェハWを授受させる際には,搬送アーム34,35又は36や授受されるウェハWに接触しない位置に係合凸部材95又は係合凹部材97を配置する。
【0060】
図7及び図8に示すように,トッププレート90の中央には,ウェハWに供給する処理流体を通過させる供給穴140が設けられている。即ち,ウェハWに処理流体を供給する際,供給穴140の上方からウェハWの中央付近に処理流体を供給することができる。供給穴140の周囲には,トッププレート90の中央側から外周側に向かって下方に傾斜するテーパ部142が形成されている。
【0061】
処理流体供給器80からウェハW上面に薬液,純水等の処理流体を供給する際は,処理流体供給器80から吐出した処理流体を供給穴140からウェハWの中心部近傍に供給する一方,スピンチャック60,スピンチャック60と係合したトッププレート90,及びスピンチャック60に保持されたウェハWを一体的に回転させる。即ち,ウェハWの回転による遠心力によって,ウェハWの中心部近傍から外周方向に処理流体が流れるようにする。トッププレート90は,トッププレート90下面とウェハW上面の間に狭い隙間が形成される状態でスピンチャック60と係合しているので,隙間に処理流体のみを介在させることができる。従って,少量の処理流体でウェハWを処理することができる。この場合,トッププレート90下面に形成された面91の周縁部91’がウェハWの周縁端部より僅かに外側に位置するように形成されていると,薬液の液膜をウェハWの周縁部まで形成し易い効果がある。
【0062】
処理流体供給器80は,図12に示すように,処理流体供給ノズルとして,薬液及びリンス液を供給する処理液供給ノズル151と,混合流体を供給する2流体混合ノズル155と,乾燥ガス供給ノズル157とを備えている。処理液供給ノズル151,2流体混合ノズル155,乾燥ガス供給ノズル157は,アーム79の先端に支持されている。
【0063】
処理液供給ノズル151は,薬液として例えばSC−1液(アンモニアと過酸化水素と水の混合溶液)を供給する。また,リンス液として例えば純水を供給する。処理液供給ノズル151が供給する処理液は,図示しない切り換え手段によりSC−1と純水のいずれかに切り換える。また,処理液供給ノズル151は,アーム79の回動によりウェハWの上方又はトッププレート90の上方に移動する。ウェハWに薬液又はリンス液を供給する場合は,図13に示すように,トッププレート90を下降させた状態で供給穴140の上方に処理液供給ノズル151を移動させ,ウェハW中心部近傍に向かって,処理液供給ノズル151から薬液又はリンス液を吐出する。
【0064】
2流体混合ノズル155の内部には,純水を通過させる純水送液路161が配設されており,2流体混合ノズル65の先端には吐出口162が設けられている。純水供給路161から送液された純水は,吐出口162から下方へ吐出される。また,2流体混合ノズル155の内部において,純水送液路161の途中に,N2ガスを送出するN2ガス送出路164が介設されている。純水送液路161とN2ガス送出路164が接続する部分は,純水とN2ガスを混合する混合部となっており,ここでN2ガスによって純水に圧力が加えられ,吐出口162から,N2ガスとN2ガスによって加圧された純水とが混合した混合流体が吐出される。即ち,吐出口162からウェハWに純水を吹き付けるように供給することができる。2流体混合ノズル155は,アーム79の回動によりウェハWの上方に移動する。なお,純水送液路161から供給する純水に,COを溶解させても良い。この場合,静電気を低減する効果がある。
【0065】
混合流体を用いてウェハWを処理する場合は,図14に示すように,トッププレート90をスピンチャック60から離脱させ,スピンチャック60と一体的にウェハWを回転させながら,アーム79の回動により2流体混合ノズル155をウェハWの少なくとも中心から周縁まで移動させ,混合流体をウェハW上面全体に供給する。このように,ウェハW上面全体に混合流体を吹き付けるように供給することにより,ウェハW上面のパーティクルが混合流体により吹き飛ばされ,効果的に除去される。
【0066】
なお,2流体混合ノズル155,処理液供給ノズル151は,アーム79をノズル格納チャンバー77内に収納した状態において,ウェハWの周縁側から外側に向かってこの順に並ぶように配置されている。即ち,アーム79がウェハWの中心側から周縁側へ回動する際,2流体混合ノズル155が処理液供給ノズル151を追従して移動するように構成されている。これにより,例えば,処理液供給ノズル151によってリンス液を供給して処理した後,2流体混合ノズル155から供給する混合流体によってリンス液及びパーティクル等をウェハWから除去する場合,混合流体による処理中に処理液供給ノズル151からリンス液等の処理液が落下しても,落下した処理液を混合流体によってウェハWの外側に吹き飛ばすことができる。従って,落下した処理液がウェハWに付着して残留することを防止する。
【0067】
乾燥ガス供給ノズル157は,乾燥ガスとして例えばN2ガスを供給する。また,乾燥ガス供給ノズル157は,アーム79の回動によりウェハWの上方に移動する。
【0068】
この基板洗浄ユニット12にあっては,トッププレート90とウェハW上面の間に狭い隙間を形成し,隙間に処理流体を供給する処理と,ウェハWを回転させながら処理流体供給器80をウェハW上面の上方に移動させて処理流体を供給する処理を実施することができる。
【0069】
ウェハW上面は,供給穴140の部分を除いてはトッププレート90によって覆われた状態となる。SC−1供給後又はリンス液として純水供給後,処理液供給ノズル151内にSC−1又は純水が残留して,処理液供給ノズル151が供給穴140の上方から退避する移動中に,処理液供給ノズル151からSC−1又は純水の液滴が落下する虞があるが,これらの液滴はトッププレート90の上面に受け止められ,ウェハWに付着することはない。特に,供給穴140の周囲は,供給穴140の周縁を高位置としてトッププレート90の外周に向かうほど下方に傾斜するテーパ部142となっているので,例えば,液滴がテーパ部142の上面に落下した場合,液滴はテーパ部142に沿ってトッププレート90上面の外周に向かって流れ落ちる。従って,供給穴140の中に液滴が侵入する虞がない。また,液滴がテーパ部142の外側においてトッププレート90の上面に落下した場合も,テーパ部142が供給穴140を囲んで凸状に形成されているので,供給穴140の中に液滴が侵入することはない。さらに,トッププレート90の上部に落下したSC−1,純水は,トッププレート90の回転時にトッププレート90の外周側に流れ,トッププレート90の周辺に排出される。
【0070】
図4に示すように,スピンチャック60によって保持されるウェハWの下方には,ウェハWに下方から近接してウェハWの下面(裏面)を覆う下面部材としてのアンダープレート170が配設される。また,図5に示すように,回転筒体67の内部には,回転筒体67の内部に設けた空洞を貫挿し,アンダープレート170を支持するアンダープレートシャフト171が備えられている。アンダープレートシャフト171は,水平板174の上面に固着されており,この水平板174は,アンダープレートシャフト171と一体的に,エアシリンダー等からなるアンダープレート昇降機構175により鉛直方向に昇降させられる。従って,アンダープレート170は,下降してスピンチャック60により保持されたウェハW下面から離れて待機している位置と,上昇してスピンチャック60により保持されたウェハW下面に対して処理を施す位置とに上下に移動自在である。なお,アンダープレート昇降機構175はアウターチャンバー46の下方に配置されており,アンダープレート昇降機構175から発生するパーティクルがウェハの周囲に侵入する心配はない。
【0071】
アンダープレート170上面の周縁部(エッジ)170’は,スピンチャック60により保持されるウェハWの周縁端部より,僅かに外側に位置するように形成されている。即ち,アンダープレート170上面は,ウェハWの下面全体を覆うことができる。また,図6に示すように,アンダープレート170上面の周縁には,僅かに凹状の逃げ部177が形成されている。図6(b)に示すように,アンダープレート170上面がウェハW下面に近接した際,支持ピン71が逃げ部177の中に入り,アンダープレート170と接触しないようになっている。従って,アンダープレート170上面とウェハW下面との間の隙間をより狭く形成することが可能である。また,逃げ部177は,アンダープレート170上面の周縁全体に沿って形成されており,アンダープレート170とウェハWを相対的に回転させても,アンダープレート170に支持ピン71が接触することはない。
【0072】
アンダープレート170には,例えばSC−1,HF等の薬液,純水,乾燥用ガスとしてのN2ガス等を,ウェハW下面に対して処理流体として供給する下面供給路178が備えられている。下面供給路178は,アンダープレートシャフト171及びアンダープレート170内を貫通して設けられている。下面供給路178から薬液を供給し,ウェハWを回転させると,アンダープレート170上面とウェハW下面との間に薬液を拡散させて液膜を形成することができる。この場合,アンダープレート170の周縁部170’がウェハWの周縁端部より僅かに外側に位置するように形成されていると,薬液の液膜を薬液の表面張力によりウェハWの周縁部まで形成し易い効果がある。
【0073】
また,アンダープレート170の下方において,不活性ガスとしてのパージ用N2ガスを供給するN2ガス供給路180が備えられている。N2ガス供給路180は,アンダープレートシャフト171内を貫通して設けられている。N2ガス供給路180は,チャックプレート65上面とアンダープレート170下面との間の空間と,回転筒体67の内部に設けた空洞内にN2ガスを供給し,これらの空間をN2ガスによって満たすことによりパージする。これにより,ウェハWを回転させる際に,チャックプレート65とアンダープレート170との間の雰囲気が負圧になることを防止し,モータ72の回転駆動により発生するパーティクルが,回転筒体67の内部の空洞を通過してチャックプレート65とアンダープレート170との間に侵入することを防止できる。
【0074】
図4に示すように,アウターチャンバー46の上部には,N2ガス等の不活性ガス又は空気をアウターチャンバー46内に供給するパージ用ガスノズル182が備えられている。パージ用ガスノズル182は,側壁46a上部及び天井部46bの複数箇所に配置されており,トッププレート90が下降している際に,トッププレート90の上部に例えばN2ガス等の不活性ガスや,空気等のガスを吐出し,アウターチャンバー46内にダウンフローを形成する。また,トッププレート90上面とアウターチャンバー46との間の空間をN2ガス,空気等のガスによって満たしてパージする。これにより,例えば蒸発した処理液がトッププレート90の周囲から上部の空間に回り込むことを防止する。このように,ウェハWに処理液を供給する際や,ウェハW処理中などに,パージ用ガスノズル182からダウンフロー(パージ)用ガスを供給することにより,アウターチャンバー46内の上部に薬液雰囲気,水蒸気雰囲気などの処理液雰囲気が残留することを防止することができる。
【0075】
パージ用ガスノズル182は,疎水性のウェハWを処理する際にはダウンフロー用ガスとしてN2ガスを供給する。この場合,疎水性ウェハWの表面にウォーターマークが発生することを防止する効果がある。一方,親水性のウェハWを処理する際には空気を供給するようにし,ダウンフロー用ガスのコストを低減させても良い。また,トッププレート90の供給穴140の真上に設けられているパージ用ガスノズル182aは,トッププレート90が上昇した際に,供給穴140を通過してトッププレート90の下方に突出するように配設されている。また,側壁46a上部には,トッププレート90が上昇した際に,トッププレート90の下方にガスを吐出する位置にパージ用ガスノズル182bが配設されている。従って,トッププレート90が上昇した際も,アウターチャンバー46内にダウンフローを形成するとともに,トッププレート90下面とウェハWとの間の空間を不活性ガス,空気等のガスによって満たす。
【0076】
図4に示すように,アウターチャンバー46内には,ウェハWを包囲するインナーカップ185が備えられている。また,回転するウェハWの高さより下方に開口するアウターチャンバー排出口190と,アウターチャンバー46内の液滴を排液するアウターチャンバー排出管193と,インナーカップ185内の液滴を排液するインナーカップ排出管195が備えられている。
【0077】
インナーカップ185は,下降してスピンチャック60をインナーカップ185の上端の上方に突出させてウェハWを授受させる位置と,上昇してウェハWを包囲し,ウェハW両面に供給した処理液等が周囲に飛び散ることを防止する位置とに上下に移動自在である。
【0078】
アウターチャンバー排出口190は,ウェハWの周囲2箇所においてアウターチャンバー46の側壁46aに開口しており,ウェハW,チャックプレート65及びトッププレート90の回転によってウェハW周囲に向かって流れる処理液雰囲気,乾燥用N2ガスや,ダウンフロー用ガス,パージ用N2ガス等の雰囲気をスムーズに排出する。アウターチャンバー排出管193は,アウターチャンバー46の側壁46aとインナーカップ185外壁の間に排液された処理液を,アウターチャンバー46底部から排出する。インナーカップ排出管195は,インナーカップ185内から処理液を排出する。
【0079】
図15に示すように,ウェハWをインナーカップ185によって包囲する状態(実線)にすると,インナーカップ185の上部の傾斜部がアウターチャンバー46の傾斜部46cに近接し,ウェハWの周縁から落下する液滴,処理液雰囲気,処理流体,ダウンフロー用ガス,パージ用N2ガス等は,インナーカップ185の内側を下方に流れてインナーカップ排出管195によって排出される。一方,ウェハWをインナーカップ185の上端よりも上方に突出させる状態(一点鎖線)にすると,液滴,処理液雰囲気,処理流体,ダウンフロー用ガス,パージ用N2ガス等は,インナーカップ185の外側を下降し,アウターチャンバー排出管193によって排出される。また,ウェハWが高速回転する場合,アウターチャンバー46の側壁46aに向かって吹き飛ばされた処理液雰囲気,処理流体,乾燥用N2ガス,ダウンフロー用ガス,パージ用N2ガス等の雰囲気は,アウターチャンバー排出口190によって排気される。
【0080】
以上が基板洗浄ユニット12の構成であるが,洗浄処理システム1に備えられた他の基板洗浄ユニット13,14,15も,基板洗浄ユニット12と同様の構成を有し,ウェハW両面を同時に洗浄することができる。
【0081】
さて,この洗浄処理システム1において,先ず図示しない搬送ロボットにより未だ洗浄されていないウェハWを例えば25枚ずつ収納したキャリアCがイン・アウトポート4に載置される。そして,このイン・アウトポート4に載置されたキャリアCから取出収納アーム11によって一枚ずつウェハWが取り出され,取出収納アーム11から主ウェハ搬送装置18にウェハWが受け渡される。そして,例えば搬送アーム34によってウェハWは各基板洗浄ユニット12,13,14,15に適宜搬入され,ウェハWに付着しているパーティクルなどの汚染物質が洗浄,除去される。こうして所定の洗浄処理が終了したウェハWは,再び主ウェハ搬送装置18によって各基板洗浄ユニット12,13,14,15から適宜搬出され,取出収納アーム11に受け渡されて,再びキャリアCに収納される。
【0082】
ここで,代表して基板洗浄ユニット12での洗浄について説明する。図4に示すように,先ず基板洗浄ユニット12のメカシャッター53が開く。そして,ウェハWを保持した搬送アーム34がアウターチャンバー46内に進入する。このとき,トッププレート90は予め上昇して,ウェハWがスピンチャック60に保持される位置から離隔している。即ち,トッププレート90はトッププレート昇降支持部材110に支持され,スピンチャック60から離脱しており,トッププレート90下面とスピンチャック60上部の間には,ウェハWの授受に十分な空間が形成されている。また,インナーカップ185は下降して,スピンチャック60の上部を上方に突出させている。アンダープレート170は予め下降して,ウェハWがスピンチャック60に保持される位置から離隔している。アンダープレート170上面とスピンチャック60上部との間には,ウェハWの授受に十分な空間が形成されている。処理流体供給器80はノズル格納チャンバー77内に収納されている。
【0083】
主ウェハ搬送装置18は,搬送アーム34を水平移動させて支持ピン71にウェハWを渡す。支持ピン71は半導体デバイスが形成されるウェハW表面を上面にしてウェハWを支持する。このとき,トッププレート90とアンダープレート170は支持されるウェハWの位置(高さ)から離隔しており,トッププレート90周縁の2つの係合凸部材95は,搬送アーム34及び搬入されるウェハWに接触しない位置に移動している。従って,搬送アーム34は余裕をもってウェハWを支持ピン71に渡すことができる。ウェハWを支持ピン71に受け渡した後,搬送アーム34はアウターチャンバー46の内部から退出し,退出後,メカシャッター53が閉じられる。
【0084】
次いで,保持部材70が支持ピン71によって支持されたウェハWの周縁を持ち上げて,保持する。また,トッププレート昇降機構100がトッププレート90を下降させ,ウェハWに近接させる。このとき,係合凹部材97は予め係合位置に移動しているので,係合凸部材95は係合位置の上方から下降して係合凹部材97と係合することができる。近接位置に移動したトッププレート90と保持されたウェハW上面の間には,例えば1mm程度の隙間が形成される。係合凸部材95と係合凹部材97が係合したら,スピンチャック60を僅かに回転させ,トッププレート昇降支持部材110とトッププレート側係合部113を離脱させる。こうして,トッププレート90をスピンチャック60に受け渡した後,トッププレート昇降支持部材110はトッププレート昇降機構100の駆動により上昇してトッププレート90から離隔する。
【0085】
一方,アンダープレート170はウェハWに近接した位置に上昇する。近接位置に移動したアンダープレート170と保持されたウェハW下面(ウェハW裏面)の間には,例えば1mm程度の隙間が形成される。また,インナーカップ185は上昇してスピンチャック60に保持されたウェハWを囲む。
【0086】
先ず,SC−1液を用いたウェハWの薬液処理を行う。アーム79の回動により,ノズル格納チャンバー77内からトッププレート90の上方に処理流体供給器80が移動する。そして,図13に示すように,処理液供給ノズル151からウェハW中心部近傍に向かって,薬液としてSC−1液を吐出する。薬液は供給穴140を通過してウェハWの中心部近傍に供給される。一方,スピンチャック60,スピンチャック60によって保持されたウェハW,トッププレート90を一体的に低速回転させる。ウェハW中心部近傍に供給された薬液は,ウェハWの回転による遠心力でウェハWの外周方向に流れる。また,下面供給路178からも薬液としてSC−1液がウェハWに供給される。トッププレート90とウェハW上面の間,及びアンダープレート170とウェハW下面の間には狭い隙間が形成されているので,これらの間に薬液のみを介在させることができる。こうしてウェハWの両面に薬液の液膜を形成し,処理流体供給器80と下面供給路178からの薬液供給を停止し,所定時間,ウェハWを液膜が崩れない程度に低速に回転させる。この場合,少量の薬液でウェハWを処理することができる。
【0087】
ウェハW両面の薬液処理が終了したら,回転によりスピンチャック60,ウェハW,トッププレート90,アンダープレート170から薬液を振り切り,インナーカップ185内に排出する。なお,薬液処理後に薬液を振り切る際に,乾燥ガス供給ノズル157及び下面供給路178からN2ガスを供給して,薬液を押し流して排出するようにしても良い。
【0088】
次に,インナーカップ185を下降させ,ウェハW両面のリンス処理を開始する。処理液供給ノズル151が供給穴140に向かって純水を吐出し,供給穴140からウェハW上面の中心部近傍に供給された純水を,遠心力でウェハWの外周方向に流す。また,下面供給路178からも純水を供給し,ウェハW両面のリンス処理を行う。トッププレート90とウェハWの間,及びアンダープレート170とウェハWの間に狭い隙間が形成されていることにより,これらの間に純水のみを介在させることができ,少量の純水でウェハWを処理することができる。また,ウェハWのリンス処理と同時に,トッププレート90下面及びアンダープレート170上面を純水によって洗浄することができる。リンス処理においては,スピンチャック60,ウェハW,トッププレート90を薬液処理時よりも高速に回転させる。
【0089】
ウェハW両面のリンス処理が終了したら,処理液供給ノズル151,下面供給路178からの純水の吐出を停止し,処理流体供給器80をノズル格納チャンバー77内に退避させる。そして,スピンチャック60の回転によりスピンチャック60,ウェハW,トッププレート90,アンダープレート170から純水を振り切り,アウターチャンバー46内に排出する。
【0090】
次に,ウェハW上面に2流体混合ノズル155から混合流体を供給するため,トッププレート90とスピンチャック60を離脱させる。先ず,ウェハW,スピンチャック60及びトッププレート90の回転を停止する。そして,各トッププレート昇降支持部材110をトッププレート90に対して下降させ,各トッププレート側係合部113と各トッププレート昇降支持部材110を係合させる。そして,トッププレート昇降支持部材110とともにトッププレート90を上昇させる。また,トッププレート90の上昇により,各係合凸部材95が上昇して各係合凹部材97から離脱する。即ち,トッププレート90を上昇させ,ウェハWから離隔させる。こうして,トッププレート90下面とスピンチャック60上部の間に,2流体混合ノズル155を移動させるための十分な空間が形成される。
【0091】
その後,2流体混合ノズル155をウェハW上方に移動させる。そして,図14に示すように,2流体混合ノズル155から混合流体を吐出させながら,スピンチャック60及びウェハWを一体的に回転させる。2流体混合ノズル155は,回転中のウェハW上面の少なくとも中心から周縁まで移動する。一方,下面供給路178からはウェハW下面に純水を供給する。
【0092】
混合流体を用いた処理の後,乾燥用N2ガスを用いた乾燥処理を行う。乾燥ガス供給ノズル157から乾燥用N2ガスを吐出させながら,乾燥ガス供給ノズル157を回転中のウェハWの少なくとも中心から周縁まで移動させる。一方,下面供給路178からはウェハW下面に乾燥用N2ガスを供給する。乾燥処理中は,リンス処理時よりウェハWを高速に回転させる。なお,乾燥用N2ガスの供給を開始する前に,予め,パージ用ガスノズル182によってパージ用ガスとしてN2ガスを供給し,アウターチャンバー46内をN2ガス雰囲気にしておいても良い。このような,乾燥用N2ガスのスキャンを利用して純水をウェハW中心部より周縁部へ追い出す乾燥を,N2ガス雰囲気中において行うと,ウォーターマークの発生を防止する効果がある。もちろん,パージ用ガスノズル182からのN2ガス供給は,乾燥処理の間に限定されず,その前の薬液処理,リンス処理等の各処理中から継続して行い,常時,アウターチャンバー46内にN2ガスのダウンフロー又はパージを形成することが好ましい。
【0093】
乾燥処理が終了したら,ウェハW,スピンチャック60及びトッププレート90の回転を停止させ,処理流体供給器80をノズル格納チャンバー77内に退避させ,アンダープレート170を退避位置に下降させる。その後,基板洗浄ユニット12内からウェハWを搬出する。メカシャッター53が開き,主ウェハ搬送装置18が搬送アーム34をアウターチャンバー46内に進入させてウェハW下面を支持する。一方,保持部材70のウェハWの保持を解除し,支持ピン71によりウェハW下面を支持する。次いで,搬送アーム34が支持ピン71からウェハWを離して受け取る。こうして,スピンチャック60のウェハWの保持を解除する。その後,ウェハWを保持した搬送アーム34が装置内から退出する。
【0094】
かかる基板洗浄ユニット12によれば,スピンチャック60によってウェハWとトッププレート90を一体的に回転させるので,モータ72の他にトッププレート90を回転させる回転駆動機構を設置する必要がない。従って,従来の基板処理装置と比較して,回転駆動機構から発生するパーティクルが低減される。また,回転駆動機構に必要なコストを大幅に削減することができる。さらに,ウェハWの保持位置の上方に回転駆動機構及びシリンダー等の昇降機構が一切設置されないので,ウェハWに対するパーティクルの影響を抑制することができる。
【0095】
また,トッププレート90を下降させたときは,ウェハWとトッププレート90との間の隙間を狭く,安定して形成することができるので,効率の良い処理を行うことができる。さらにまた,処理流体供給器80からウェハW上面に薬液,リンス液等の処理流体が落下することを防止する。トッププレート90をスピンチャック60から離脱させた状態のとき,スピンチャック60とウェハWを一体的に回転させるとともに,ウェハW上面とトッププレート90下面との間に処理液供給ノズル151及び2流体混合ノズル155を移動させることができる。トッププレート90をウェハWとともに回転させて処理する方法と,処理液供給ノズル151及び2流体混合ノズル155をウェハの上方に移動させて処理流体を供給する方法を実施することができる。
【0096】
以上,本発明の好適な実施の形態の一例を示したが,本発明はここで説明した形態に限定されない。例えば本発明は処理液が供給される基板洗浄装置に限定されず,その他の種々の処理液などを用いて洗浄以外の他の処理を基板に対して施すものであっても良い。また,基板は半導体ウェハに限らず,その他のLCD基板用ガラスやCD基板,プリント基板,セラミック基板などであっても良い。
【0097】
本実施の形態においては,係合凸部材95と係合凹部材97をそれぞれ2個ずつ設けた場合について説明したが,3個以上の係合凸部材95と,係合凸部材95と同数の係合凹部材97を設置し,3箇所以上において係合させるようにしても良い。そうすれば,スピンチャック60とトッププレート90の係合をさらに安定した状態とし,スピンチャック60とトッププレート90の一体的回転をより安定させることができる。
【0098】
トッププレート90とスピンチャック60を係脱させる係合凹部と係合凸部は,トッププレート90とスピンチャック60のいずれか一方に係合凹部,他方に係合凸部を設けるものであればよい。例えば,図16に示すように,トッププレート90の下面に係合凹部材201を設け,係合凸部材202を複数の保持部材70の上面にそれぞれ設けると,ウェハW上面とトッププレート90下面との間の隙間をより狭く形成することが可能となる。
【0099】
トッププレート90をスピンチャック60に係合させる構成に,磁石を利用しても良い。例えば,各係合凸部材95の下面と,各係合凹部材97の凹部98の下面に磁石を備え,これにより各係合凸部材95を各係合凹部材97に係合させ,トッププレート90を支持する構成とすることができる。また,トッププレート90をスピンチャック60に係合したことを検出するセンサーを備えても良い。例えば,各係合凸部材95の下面と,各係合凹部材97の凹部98の下面が接触したことを検出するセンサーを設け,これにより各係合凸部材95と各係合凹部材97の係合を確実に行うことができる。
【0100】
チャックプレート65に,係合凹部材97と異なる高さにおいて各係合凸部材95と係合する複数の係合凹部材群を設け,各係合凸部材95に係合させる係合凹部材群をいずれか選択することにより,トッププレート90の下面とウェハWの上面との間に形成される隙間の幅を複数の高さに調整可能にしても良い。例えば,チャックプレート65の周縁2箇所に,係合凹部材97よりも高い位置で各係合凸部材95と係合する第2係合凹部材を備える。即ち,2個の係合凹部材97からなる第1の係合凹部材群と,2個の第2係合凹部材からなる第2の係合凹部材群を配置する。また,係合凸部材95に係合凹部材97をそれぞれ係合させた場合の隙間の高さは,例えば1mm程度とし,第2係合凹部材をそれぞれ係合させた場合の隙間の高さは,例えば5mm程度となるようにする。即ち,各第2係合凹部材と各係合凸部材95をそれぞれ係合させた場合は,各係合凹部材97と各係合凸部材95をそれぞれ係合させた場合よりも,トッププレート90の下面とウェハWの上面との間に形成される隙間の幅(高さ)が大きくなる。このように,隙間の高さを調整可能にすることにより,例えば,ウェハW上面に供給された薬液により形成される液膜の上面に,トッププレート90の下面を接触させる処理と,液膜上面にトッププレート90の下面を接触させない処理を行うことができる。高温処理を行う場合,トッププレート90に接触する状態では温度低下が懸念されるが,そのような虞がある処理では係合凸部材95と第2係合凹部材を係合させ,図17に示すように,トッププレート90と液膜との間に隙間を形成する。即ち,トッププレート90と液膜との間に,例えば空気層を形成することにより,液膜の温度低下を防止できる。また,トッププレート90を液膜に近接させることにより,薬液の蒸発を防止する効果がある。
【0101】
なお,トッププレート90に,係合凸部材95と異なる長さの柱状に形成した複数の係合凸部材群を設け,各係合凹部材97に係合させる係合凸部材をいずれか選択することにより,トッププレート90の下面とウェハWの上面との間に形成される隙間の幅を複数の高さに調整可能にしても良い。例えば,トッププレート90の周縁2箇所に,係合凸部材95より長い柱状に形成した第2係合凸部材を配設し,係合凹部材97に係合凸部材95をそれぞれ係合させた場合の隙間の高さは,例えば1mm程度とし,第2係合凸部材をそれぞれ係合させた場合の隙間の高さは,例えば5mm程度となるようにする。この場合も,ウェハW上面に供給された薬液により形成される液膜に,トッププレート90の下面を接触させる処理と,液膜にトッププレート90の下面を接触させない処理を行うことができる。
【0102】
また,トッププレート昇降機構100にクランプ機構205を備えても良い。図16に示すクランプ機構205は,トッププレート90に設けた凸部206を把持して,トッププレート昇降機構100によって昇降する。また,トッププレート90がスピンチャック60に係合している状態において,トッププレート90に設けた凸部206に対するクランプ機構205の把持及び把持の解除を行う。また,供給口140の周囲を囲む,トッププレート90上面に対して垂直な円筒状の壁面を形成し,この円筒部分を凸部206とし,円筒部分の外壁にクランプ機構205を当接させて凸部206を把持する構成としても良い。
【0103】
処理液供給ノズル151をトッププレート90に対して傾斜した状態に設けても良い。この場合,処理液供給ノズル151の先端の最下点がテーパ部142の上方に位置するように停止させ,処理液を斜めに吐出することにより,処理液を供給穴140に通過させてウェハW中心部に供給する。そうすれば,薬液又はリンス液供給停止後,処理液供給ノズル151を供給穴140上方から移動させる前に,処理液供給ノズル151の内部に残留した処理液が最下点から落下しても,供給穴140周辺のテーパ部142において落下した液滴を受けることができる。
【0104】
また,処理液供給ノズル151からフッ酸(HF)を供給する構成とし,図示しない切り換え手段により,吐出する処理液をSC−1,純水又はHFのいずれかに切り換えるようにしても良い。以下,第1の薬液としてSC−1液を,第2の薬液としてHFを用いたウェハWの洗浄処理を説明する。
【0105】
先ず,ウェハWにSC−1液を用いた処理を行う。図13に示すように,ウェハWの両面にトッププレート90及びアンダープレート170を近接させ,処理液供給ノズル151から供給穴140にSC−1液を供給し,ウェハWの両面にSC−1の液膜を形成し,所定時間ウェハWを低速回転させる。ウェハW両面のSC−1処理が終了したら,回転によりスピンチャック60,ウェハW,トッププレート90,アンダープレート170からSC−1を振り切り,インナーカップ185内に排出する。次に,インナーカップ185を下降させ,処理液供給ノズル151から供給穴140に供給する純水を用いたウェハW両面のリンス処理を行う。その後,スピンチャック60の回転によりスピンチャック60,ウェハW,トッププレート90,アンダープレート170から純水を振り切り,アウターチャンバー46内に排出する。その後,ウェハW,スピンチャック60及びトッププレート90の回転を停止し,図14に示すように,トッププレート90を上昇させ,スピンチャック60から離脱させる。そして,2流体混合ノズル155から回転するウェハW上面に混合流体を供給して処理する。ウェハWの処理に供した混合流体はアウターチャンバー46内に排出される。
【0106】
その後,HFを用いた処理を行う。先ず,図13に示すように,ウェハW及びスピンチャック60の回転を停止し,トッププレート90が下降し,ウェハWに近接した状態でスピンチャック60に係合する。次に,トッププレート昇降支持部材110がトッププレート90から離脱して退避する。一方,アンダープレート170はウェハWに近接している。そして,ノズル格納チャンバー77内からトッププレート90の上方に処理流体供給器80が移動し,処理液供給ノズル151から薬液としてHFを吐出する。HFは供給穴140を通過してウェハWの中心部近傍に供給される。一方,スピンチャック60,スピンチャック60によって保持されたウェハW,トッププレート90を一体的に回転させる。ウェハW中心部近傍に供給されたHFは,ウェハWの回転による遠心力でウェハWの外周方向に流れる。また,下面供給路178からも薬液としてHFを供給し,ウェハWの両面にHFの液膜を形成する。そして,処理流体供給器80と下面供給路178からのHF供給を停止し,所定時間,ウェハWを液膜が崩れない程度に低速に回転させる。その後,スピンチャック60の回転によりスピンチャック60,ウェハW,トッププレート90,アンダープレート170からHFを振り切り,アウターチャンバー46内に排出する。
【0107】
次に,処理液供給ノズル151から供給穴140に供給する純水を用いたウェハW両面のリンス処理を行う。その後,スピンチャック60,ウェハW,トッププレート90を一体的に高速回転させることによりスピンチャック60,ウェハW,トッププレート90,アンダープレート170から純水を振り切る。即ち,ウェハWを高速回転させることにより乾燥させる。その後,トッププレート90を上昇させてスピンチャック60から離脱させ,アンダープレート170を下降させる。そして,基板洗浄ユニット12内からウェハWを搬出する。
【0108】
SC−1,HF等の薬液の液膜をウェハWに形成する際は,トッププレート90とアンダープレート170の間においてウェハW全体が薬液に包み込まれるようにする。即ち,ウェハWの両面に供給された薬液をウェハWの側面(外周面)まで回り込ませ,図9に示すように,ウェハWの両面及び側面にも薬液の液膜を形成する。この場合,ウェハWの側面も薬液処理することが可能となり,処理品質をより高めることが可能となる。なお,トッププレート90下面に形成された面91の周縁部91’が,ウェハWの上面周縁部より僅かに外側に位置し,アンダープレート170上面の周縁部170’がウェハWの下面周縁部より僅かに外側に位置するように形成されていると,周縁部91’と周縁部170’との間に薬液の液膜を形成できるので,ウェハWの周縁部を包み込むように液膜を形成し易い効果がある。また,液膜形成後も処理流体供給器80と下面供給路178からの薬液供給を継続し,ウェハW両面に中心から外周に流動する液膜を形成しながら薬液処理するようにしても良い。
【0109】
ウェハW上面のSC−1,HF等の薬液の液膜は,トッププレート90をウェハW上面から離隔させた状態で形成することもできる。例えば,トッププレート90をウェハW上面から離隔させた状態で,処理流体供給器80をウェハWの上方に移動させる。そして,ウェハWをスピンチャック60と一体的に静かに回転させ,処理液供給ノズル151をウェハWの少なくとも中心から周縁まで移動させることにより,処理液供給ノズル151から吐出するSC−1をウェハW上面全体に供給する。このようにして,ウェハW上面にSC−1の液膜を形成した後,処理流体供給器80をウェハW上方から退避させ,トッププレート90を下降させる。そして,トッププレート90下面を液膜に接触させることにより,トッププレート90とウェハW上面の間にSC−1のみを介在させることができる。また,トッププレート90下面は,図17に示すように液膜上面との間に隙間を形成するようにして近接させても良い。その際において,薬液の蒸発をトッププレート90で防止する効果がある。
【0110】
リンス処理,乾燥処理は,トッププレート90をウェハW上面から離隔させた状態で行うこともできる。例えば,ウェハWをスピンチャック60と一体的に回転させながら,2流体混合ノズル155をウェハWの少なくとも中心から周縁まで移動させ,純水又は乾燥用N2ガスをウェハW上面全体に供給するようにして行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】洗浄処理システムの平面図である。
【図2】洗浄処理システムの側面図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる基板洗浄ユニットの平面図である。
【図4】基板洗浄ユニットの縦断面図である。
【図5】スピンチャックの周辺の構成を説明する基板洗浄ユニットの縦断面図である。
【図6】保持部材と支持ピンの動作を説明する説明図である。
【図7】トッププレートの平面図である。
【図8】トッププレートの立面図である。
【図9】係合凸部材と係合凹部材の係合を説明する説明図である。
【図10】トッププレートの昇降を説明する,基板洗浄ユニットの縦断面図である。
【図11】トッププレート昇降支持部材とトッププレート側係合部の係合を説明する説明図である。
【図12】処理液供給ノズル,2流体混合ノズル及び乾燥ガス供給ノズルの構成を説明する説明図である。
【図13】トッププレートをウェハに近接させ,供給口から処理流体を供給する状態を説明する説明図である。
【図14】トッププレートをウェハから離隔させ,2流体混合ノズルを移動させながら処理流体を供給する状態を説明する説明図である。
【図15】インナーカップの昇降と排液又は排気の流れを説明する説明図である。
【図16】別の実施の形態にかかるトッププレート昇降機構に備えたクランプ機構,及び係合凹部と係合凸部を説明する説明図である。
【図17】トッププレートと液膜との間に隙間を形成する処理方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0112】
C キャリア
W ウェハ
1 洗浄処理システム
12 基板洗浄ユニット
46 アウターチャンバー
60 処理流体供給器
70 スピンチャック
79 アーム
90 トッププレート
97 トッププレート昇降機構
95 係合凸部材
97 係合凹部材
110 トッププレート昇降支持部材
113 トッププレート側係合部
151 処理液供給ノズル
155 2流体混合ノズル
170 アンダープレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に処理流体を供給して処理する基板処理方法であって,
上面部材を上昇させた状態で,基板をスピンチャックによって保持し,
前記上面部材を下降させて前記基板の表面に近接させ,前記スピンチャックに係合させた状態にし,前記上面部材と基板との間に形成された隙間に処理流体を供給し,前記基板,スピンチャック及び上面部材を一体的に回転させて基板を処理し,
前記基板,スピンチャック及び上面部材の回転を停止し,
前記上面部材を上昇させて前記スピンチャックから離脱させた状態で前記基板及びスピンチャックを一体的に回転させて基板を処理し,
前記基板及びスピンチャックの回転を停止し,
前記スピンチャックの基板に対する保持を解除することを特徴とする,基板処理方法。
【請求項2】
前記基板及びスピンチャックの回転を停止した後,
再び,前記上面部材を下降させて前記基板の表面に近接させ,前記スピンチャックに係合させた状態にし,前記上面部材と基板との間に形成された隙間に処理流体を供給し,前記基板,スピンチャック及び上面部材を一体的に回転させて基板を処理し,
前記基板,スピンチャック及び上面部材の回転を停止し,
前記上面部材を上昇させて前記スピンチャックから離脱させ,
前記スピンチャックの基板に対する保持を解除することを特徴とする,請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記上面部材を上昇させて前記スピンチャックから離脱させた状態で前記基板及びスピンチャックを一体的に回転させて基板を処理するに際し,
前記上面部材と基板との間において,処理流体供給ノズルを前記基板の少なくとも中心から周縁まで移動させて,回転する基板に対して前記処理流体供給ノズルから処理流体を供給することを特徴とする,請求項1又は2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記処理流体供給ノズルは,処理液にガスを混合して基板に吐出することを特徴とする,請求項3に記載の基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−306029(P2007−306029A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−202738(P2007−202738)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【分割の表示】特願2002−82763(P2002−82763)の分割
【原出願日】平成14年3月25日(2002.3.25)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】