説明

基板処理装置、基板処理方法および記憶媒体

【課題】複数の基板保持部材を備えた受け渡し機構を利用して、効率的に基板を搬送することが可能な基板処理装置等を提供する。
【解決手段】基板処理装置1は処理された基板Wを基板収納部100に戻すにあたり、搬送機構5を用いて処理済みの基板Wを中間受け渡し部41bに搬送する。受け渡し機構2が、中間受け渡し部41a、41bから処理済みの基板Wを取り出して基板収納部100に受け渡す際に、制御部7は、前記基板収納部100からセットで取り出された第1の基板Wと第2の基板Wとのうち、先に処理を終えた前記第1の基板Wが中間受け渡し部41bに受け渡された後、後続の基板Wが中間受け渡し部41bに受け渡されることを待って両方の基板Wを一緒に搬送するか、後続の基板Wを待たずに前記第1の基板Wを搬送するかを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象の基板を複数枚収納した基板収納部と処理部との間で基板を搬送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
基板である半導体ウエハ(以下、ウエハという)の表面に集積回路の積層構造を形成する半導体装置の製造工程においては、ウエハへの成膜処理やエッチング処理、フォトリソグラフィ工程におけるレジスト膜の塗布、現像処理等、種々のプロセス処理を行う基板処理装置が利用されている。
【0003】
例えば特許文献1には、各種の処理液をウエハに供給して液処理や乾燥処理を行う複数の処理部(ウエハ処理ユニット)を設け、これら処理部にウエハを搬送するための搬送機構(第2の基板搬送装置)や受け渡し機構(第1の基板搬送装置)を用いて基板収納部であるFOUP(Front-Opening Unified Pod)内のウエハを各処理部へ搬送する基板処理装置(基板処理システム)が記載されている。
【0004】
この基板処理装置には、FOUPと処理部との間を搬送されるウエハが一時的に載置されると共に、搬送機構と受け渡し機構との間でウエハの受け渡しが行われる、ウエハを複数枚収容可能な棚段状の中間受け渡し部(基板収容部)が設けられている。そして、受け渡し機構にてFOUPと中間受け渡し部との間のウエハの搬送を専用に行い、搬送機構を用いて中間受け渡し部-処理部間のウエハ搬送を行う。受け渡し機構は、ウエハを空いている中間受け渡し部に順次搬送していくことにより搬送効率を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−129769号公報:請求項1、段落0042〜0050、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の基板処理装置において、受け渡し機構には2枚の基板保持部材(フォーク)が設けられており、未処理のウエハを2枚1組(セット)として同時にFOUPから中間受け渡し部へ順次搬送することができる。また、処理済みのウエハを中間受け渡し部からFOUPへ搬送する場合には、受け渡し機構は、処理を終えた同じ組の2枚のウエハが中間受け渡し部に揃うのを待ってウエハの搬送を実行する。
【0007】
しかしながら、一部の処理部にトラブルが生じた場合や、ウエハによって処理時間が異なっている場合などでは、2枚のウエハを同時に搬送した方がウエハの搬送効率が高いとは必ずしもいえない場合もある。この点、特許文献1には、このような場合にどのようにウエハを搬送すれば効率的な搬送が実現できるかを判断する手法は開示されていない。
【0008】
本発明はこのような背景の下になされたものであり、複数の基板保持部材を備えた受け渡し機構を利用して、効率的にウエハを搬送することが可能な基板処理装置、基板処理方法及びこの方法を記憶した記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る基板処理装置は、複数の基板を収納する基板収納部から順次基板を取り出し、この基板を処理部にて処理した後、基板収納部に戻す基板処理装置において、
複数の基板が載置される中間受け渡し部と、
前記処理部にて処理された処理済みの基板を前記中間受け渡し部に1枚ずつ搬送する搬送機構と、
前記基板収納部と前記中間受け渡し部とに対して複数の基板の受け渡しを行うための複数の基板保持部材を有する受け渡し機構と、
この受け渡し機構により、前記基板収納部からセットで取り出された第1の基板と第2の基板とのうち、先に処理を終えた前記第1の基板が前記中間受け渡し部に受け渡された後、後続の処理済みの基板が前記中間受け渡し部に受け渡されることを待って前記受け渡し機構により両方の基板を一緒に搬送するか、後続の処理済みの基板の受け渡しを待たずに前記受け渡し機構により前記第1の基板を搬送するかを判断する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
上述の基板処理装置は以下の特徴を備えていてもよい。
(a)前記制御部にて行われる判断は、前記後続の処理済みの基板が中間受け渡し部に受け渡されるまでの待ち時間と、処理済みの前記第1の基板を基板収納部まで搬送した後、前記中間受け渡し部に次の基板を載置するまでの搬送時間と、を比較する判断であり、前記待ち時間の方が前記搬送時間より短い場合には、当該後続の処理済みの基板が中間受け渡し部に受け渡されるのを待つこと。
(b)前記待ち時間は、処理済みの前記第2の基板が中間受け渡し部に受け渡されるまでの時間であること。また、前記第2の基板よりも早く処理を終える基板が前記処理部にある場合には、当該処理部に最も早く搬入された基板が前記中間受け渡し部に受け渡されるまでの時間を前記待ち時間としたり、最も早く処理を終える基板が前記中間受け渡し部に受け渡されるまでの時間を前記待ち時間としたりすること。
(c)前記処理部では複数種類の処理が予め定められた順番で実行されるとき、前記制御部にて行われる判断は、これら複数種類の処理のうち、予め定めたタイミングよりも順番が後の処理が前記後続の基板に対して実行されているか否かの判断であり、当該順番が後の処理が実行されている場合には、前記後続の処理済みの基板が中間受け渡し部に受け渡されるのを待つこと。
(d)前記制御部は、処理済みの前記第1の基板が前記中間受け渡し部に受け渡された後、タイマーを動作させ、当該タイマーがタイムアップするまで前記受け渡し機構に後続の処理済みの基板を待たせ、前記制御部にて行われる判断は、前記タイマーがタイムアップするか否かの判断であること。
【0011】
(e)前記処理部は、互いに上下に積層された上段側の第1の処理部と下段側の第2の処理部とを備え、前記中間受け渡し部は、第1の処理部にて処理された処理済みの基板が受け渡される第1の中間受け渡し部と、この第1の中間受け渡し部に受け渡された処理済みの基板が移載機構によって移載されると共に、第2の処理部にて処理された処理済みの基板が受け渡される第2の中間受け渡し部と、を備え、前記受け渡し機構は、前記第2の中間受け渡し機構から処理済みの基板を取り出して前記基板収納部に受け渡すこと。
(f)前記処理部は、基板を水平に保持し、回転自在に構成された基板保持部と、回転している基板に処理液を供給するノズル部と、を備えた枚葉式の液処理部であること。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、複数の基板が載置される中間受け渡し部と、基板収納部との間で処理済みの基板を受け渡す受け渡し機構の動作について、受け渡し機構を用いた基板の搬送をフレキシブルに実行することが可能となり、より効率性の高い搬送を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】発明の実施の形態に係わる液処理装置の横断平面図である。
【図2】前記液処理装置の縦断側面図である。
【図3】前記液処理装置に設けられているウエハの受け渡し機構の斜視図である。
【図4】前記液処理装置に設けられているウエハの載置棚及び移載機構の側面図である。
【図5】前記液処理装置に設けられている液処理部の縦断側面図である。
【図6】前記液処理装置の動作説明図である。
【図7】前記液処理装置の動作の流れを示すフロー図である。
【図8】他の実施の形態に係わる液処理装置の動作の流れを示すフロー図である。
【図9】さらに他の実施の形態に係わる液処理装置の動作の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態に係わる基板処理装置の一例である液処理装置1の構成について説明する。本例に係わる液処理装置1は、基板であるウエハWに処理液を供給して液処理を実行する例えば8つの液処理部601〜608を備えており、4つの液処理部601、603、605、607にてウエハWの表面の処理を行い、残る4つの液処理部602、604、606、608にてウエハWの裏面の処理を行う構成となっている。
【0015】
図1は液処理装置1の全体構成を示す横断平面図、図2はその縦断側面図であり、以下これらの図に向かって左側を前方として説明を行う。液処理装置1は、載置ブロック11に設けられた載置台111に基板収納部を成すFOUP100が載置され、このFOUP100に収納された例えば直径300mmの複数枚のウエハWが、受け渡しブロック12及び中間ブロック13を介して後段の処理ブロック14(上段処理ブロック14a、下段処理ブロック14b)に受け渡される。処理ブロック14では、液処理部601〜608にてウエハWの表裏両面に対する液処理及びその後の乾燥が行われ、処理後のウエハWが再びFOUP100に収納される。
【0016】
受け渡しブロック12は、FOUP100の側面に設けられた蓋体を開閉する開閉扉122、及びFOUP100と中間ブロック13との間でのウエハWの受け渡しを行う受け渡し機構2を筐体内に設けた構造となっている。
【0017】
図3に示すように受け渡し機構2は、載置台111に載置されるFOUP100の並び方向に沿って、手前側から見て左右方向に延びるレール26上を走行する走行基体21と、この走行基体21の上面から、上方向に向かって伸びるように設けられ、伸縮自在、回転自在に構成された昇降軸22と、この昇降軸22の上端部に設けられ、支持部材23a、23bを介して2枚のフォーク状のウエハ保持部材24a、24b(基板保持部材)が取り付けられた基台25と、を備えている。
【0018】
ウエハ保持部材24a、24bは基台25の上面側に、互いに間隔をおいて重ねて配置されており、基台25内に設けられた不図示の駆動機構を用い、基台25から見て各ウエハ保持部材24a、24bを前後方向に移動させることができる。ここで前記駆動機構は、ウエハ保持部材24a、24bの各々に設けられており、例えばモーターと、リニアガイドと、ベルトとを備えている。これらの駆動機構は、ウエハ保持部材24a、24bを単独で移動させることも、同時に移動させることもできる。各々のウエハ保持部材24a、24bは、ウエハWを裏面側から1枚ずつ保持することができる。
【0019】
中間ブロック13は、前後を受け渡しブロック12及び液処理ブロック14a、14bに挟まれた位置に設けられた筐体内の空間であり、FOUP100から取り出された処理前のウエハW、及び液処理部601〜608にて処理が行われた後のウエハWが載置される中間受け渡し部である載置棚41a、41bと、この載置棚41a、41b間でウエハWを移載する移載機構3と、表裏両面の液処理を行うためにウエハWを反転する反転機構42と、を備えている。
【0020】
図4に示すように各載置棚41a、41bは、例えば3本の保持ピン(不図示)を備えた板状の棚板411を上下方向に間隔をおいて配置した棚段として構成されている。本例では載置棚41aには4段、載置棚41bには8段の棚板411が設けられている。ここで後述するように本実施の形態の処理ブロック14a、14bは上下2段に積層された構成となっており、載置棚41a、41bについても、各々の処理ブロック14a、14bに対応する高さ位置に上下に並んで配置されている。
【0021】
詳細には、図1、図2、図4に示すように、載置棚41aは上段処理ブロック14a(第1の処理部)に設けられた搬送機構5がアクセス可能な高さ位置に配置され、載置棚41bは下段処理ブロック14b(第2の処理ブロック)に設けられた搬送機構5、並びに既述の受け渡し機構2がアクセス可能な高さ位置に配置されている。これらの載置棚41a、41bは本実施の形態の中間受け渡し部を構成すると共に、上方側の載置棚41aは第1の中間受け渡し部に相当し、下方側の載置棚41bは第2の中間受け渡し部に相当している。
【0022】
図1、図4に示す移載機構3は、上下に配置された載置棚41a、41b間でウエハWを上下方向に搬送する役割を果たす。移載機構3は、中間ブロック13を構成する筐体の床面と天井面との間を上下方向に伸びレール33と、このレール33に沿って上下方向に移動可能な基台32と、この基台32から見て前後方向に進退自在な例えば2枚のウエハ保持部材31とを備えている。
【0023】
ここで図1に示すように、上方側の載置棚41aに対しては移載機構3、及び上段処理ブロック14a内の搬送機構5が別々の方向からアクセスすることが可能となっており、各機構3、5が互いに干渉しないようにウエハWの載置、取り出しを行っている。また、下方側の載置棚41bについても同様に、受け渡し機構2、移載機構3、及び下段処理ブロック14b内の搬送機構5が別々の方向からアクセスすることにより、各機構2、3、5が互いに干渉せずにウエハWの載置、取り出しを行える。
【0024】
図2に示すように反転機構42は、上段処理ブロック14a内に2段に積み重ねて配置された液処理部601〜604、下段処理ブロック14b内に2段に積み重ねて配置された液処理部605〜608の各高さ位置に対応させて、各載置棚41a、41bの上下に1つずつ、合計4つ設けられている。各反転機構42は、ウエハWの側周面を保持し、水平軸回りに回転自在に構成されたアーム形状の不図示のウエハ保持部材を備えており、ウエハWの表面が上面側を向いた状態と、裏面が上面側を向いた状態との間を180°反転することができる。
【0025】
図1、図2に示すように処理ブロック14には、4つの液処理部601〜604を備えた上段処理ブロック14aと、同じく4つの液処理部605〜608を備えた下段処理ブロック14bとが上下に積層されている。上段処理ブロック14a、下段処理ブロック14bは互いに同様の構成を備えているので、上段処理ブロック14aを例にとって説明する。
【0026】
上段処理ブロック14aには載置棚41a及びその上下の反転機構42に対してアクセス可能に構成され、前後方向に移動自在、鉛直軸回りに回転自在、昇降自在並びに各液処理部601〜604へ向けてウエハ保持部材を進退自在に構成された搬送機構5を備えている。搬送機構5は図3に示した受け渡し機構2とほぼ同様に構成されているが、例えばウエハ保持部材を少なくとも2本備え、液処理部601〜604から処理済みのウエハWを取り出してから、未処理のウエハWを当該処理部601〜604内に置くことができる。
【0027】
搬送機構5が前後に移動する空間を挟み、手前側から見て左手には、ウエハWの表面の液処理を行う液処理部601、603が上下2段に積み重ねて配置され、右手には、ウエハWの裏面の液処理を行う液処理部602、604が上下2段に積み重ねて配置されている。
【0028】
各液処理部601〜604には、例えばスピン処理によりウエハWの液処理を1枚ずつ行う枚葉式の液処理ユニット6が設けられている。図5の縦断側面図に例示するように液処理ユニット6は、アウターチャンバー61内に配置されたウエハ保持部63(基板保持部)にてウエハWをほぼ水平に保持し、このウエハ保持部63を鉛直軸周りに回転させることによりウエハWを回転させる。そして回転するウエハWの上方にノズルアーム64を進入させ、その先端部に設けられたノズル部641から処理液及びリンス液を予め定められた順に供給することによりウエハの上面側(表面を上面に向けて保持されている場合には表面、裏面を上面に向けている場合には裏面)の液処理が行われる。
【0029】
液処理は、例えばアルカリ性の処理液であるSC1液(アンモニアと過酸化水素水の混合液)によるパーティクルや有機性の汚染物質の除去→リンス液である脱イオン水(DeIonized Water:DIW)によるリンス洗浄→酸性薬液である希フッ酸水溶液(以下、DHF(Diluted HydroFluoric acid))による自然酸化膜の除去→DIWによるリンス洗浄が行われる。また、これらの処理に際し、ブラシや液体スプレーによる物理的洗浄を行ってもよい。これらの薬液はアウターチャンバー61やその内側に配置されたインナーカップ62に受け止められて排液口611、621より排出される。またアウターチャンバー61内の雰囲気は排気口612より排気されている。薬液による液処理を終えたら、ウエハWを回転させながらその上面にIPA(IsoPropyl Alcohol)を供給し、IPAを振り切るIPA乾燥を行う。
【0030】
上述の液処理ユニット6を用いた液処理は、液処理部601、603にてウエハWの表面に対して実行され、処理後のウエハWは搬送機構5により搬出されて反転機構42にて反転された後、液処理部602、604に搬入され、同様の液処理がウエハWの裏面に対して行われることになる。
また、下段処理ブロック14bに設けられた液処理部605〜608についても図5に示す液処理ユニット6を備えており、搬送機構5が前後に移動する空間の右手に積み重ねられた液処理部605、607はウエハWの表面に対する処理を実行し、左手に積み重ねられた液処理部606、608はウエハWの裏面に対する処理を実行することができる。
【0031】
以上に説明した構成を備えた液処理装置1は、図1に示すように制御部7と接続されている。制御部7は図示しないCPUと記憶部とを備えたコンピュータからなり、記憶部にはこれら液処理装置1の作用、即ちFOUP100からウエハWを順次、取り出し、載置棚41a、41bを介して各液処理部601〜608に搬送し、複数の液処理部601〜608を用いてウエハWの液処理を並行して行ってから、搬入時とは反対の経路でウエハWを搬送してFOUP100に収納するまでの動作に係わる制御についてのステップ(命令)群が組まれたプログラムが記録されている。このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカード等の記憶媒体に格納され、そこからコンピュータにインストールされる。
【0032】
特に、本実施の形態の液処理装置1における制御部7は、処理済みのウエハWが液処理部601〜604から載置棚41bに受け渡された後、受け渡し機構2によりFOUP100へと搬送する際に、(1)後続の処理済みのウエハWが当該載置棚41bに受け渡されることを待って2枚のウエハ保持部材24a、24bを用いて両方のウエハWを一緒に搬送する場合と、(2)後続の処理済みのウエハWを待たずに先のウエハWのみを搬送する場合とのいずれを実行するか判断する機能を備えている。
【0033】
前記の判断を行う基準の一例として、本例の制御部7は、載置棚41bに処理済みのウエハWが載置された後、当該載置棚41bの他の棚板411に処理済みのウエハWが載置されていない場合には、後続の処理済みのウエハWが載置棚41bに載置されるまでの待ち時間と、先の処理済みのウエハWをFOUP100まで搬送した後、次の処理前のウエハWをFOUP100から取り出して載置棚41bに載置するまでの搬送時間とを比較する。
【0034】
そして、待ち時間の方が搬送時間よりも短い場合には、後続の処理済みのウエハWが載置棚41bに載置されるのを待つことにより、両ウエハWを一緒に搬送する判断を行う。一方、待ち時間の方が搬送時間よりも長い場合には、後続の処理済みのウエハWを待たずに、先の処理済みのウエハWのみをFOUP100へ搬送した後、未処理のウエハWをFOUP100から取り出して、載置棚41bに載置する判断がなされる。
【0035】
以上に説明した構成を備えた液処理装置1の動作について図6、図7を用いて説明する。載置台111上にFOUP100が載置されると、受け渡しブロック12に接続され、蓋体が取り外される。受け渡し機構2はFOUP100内にウエハ保持部材24a、24bを順次進入させて、処理前の2枚のウエハWをセットで取り出し、載置棚41bの予め設定された段の棚板411(例えば8段のうちの下部側4段の棚板411)上にウエハWを載置する。図6では、FOUP100からセットで取り出された2枚のウエハWのうち、一方のウエハWの搬送経路の例を破線で示し、他方のウエハWの搬送経路の例を一点鎖線で示してある。
【0036】
載置棚41bに載置されたウエハWのうち、一方のウエハWを下段処理ブロック14b側で処理する場合には、下段処理ブロック14b側の搬送機構5が載置棚41bに進入してウエハWを取り出し、表面側の液処理を行う液処理部605、607(図6の例では液処理部605)に搬入する。そして、液処理ユニット6のウエハ保持部63上にウエハWを保持し、図5を用いて説明した順番にて各種の液処理、IPA乾燥を行う。こうして表面の処理を終えたウエハWは液処理部605、607から取り出され、反転機構42に搬送されて表裏反転される。
【0037】
表裏反転され、裏面が上面側を向いたウエハWは、搬送機構5により反転機構42から取り出されて、裏面側の液処理を行う液処理部606、608(図6の例では液処理部606)に搬入される。なお、図6では図面が煩雑になることを避けるため、各液処理部605〜608と反転機構42との間のウエハW搬送については搬送経路の記載を省略してある。
【0038】
液処理部606、608内においてもウエハWは、液処理ユニット6のウエハ保持部63上に保持され、図5を用いて説明した順番にて各種の液処理、IPA乾燥が行われる。そして、裏面の液処理を終えたウエハWは搬送機構5によって液処理部606、608から取り出され、反転機構42に搬送されて、再度反転される。
【0039】
表裏両面の液処理が行われ、再度、表面を上面側に向けたウエハWは搬送機構5によって反転機構42から取り出され、載置棚41bの予め設定された段の棚板411(例えば8段のうちの上部側4段の棚板411)上に載置される。
このように、図6中に破線で示した順序で搬送される一方のウエハWに対する処理と並行して、他方のウエハWを上段処理ブロック14a側にて処理する場合について説明する。
【0040】
下方側の載置棚41bに載置された他のウエハWは、移載機構3によって上方側の載置棚41aに移載され、上段処理ブロック14a内の搬送機構5によって取り出され、表面側の液処理を行う液処理部601、603(図6の例では液処理部603)に搬入される。そして、液処理ユニット6のウエハ保持部63上に保持され、図5を用いて説明した順番にて各種の液処理、IPA乾燥が行われた後、搬送機構5によって液処理部601、603から取り出され、反転機構42にて表裏反転される。
【0041】
表裏反転され、裏面が上面側を向いたウエハWは、搬送機構5により、裏面側の液処理を行う液処理部602、604(図6の例では液処理部604)に搬入される。液処理部602、604内においてもウエハWは、液処理ユニット6のウエハ保持部63上に保持され、図5を用いて説明した順番にて各種の液処理、IPA乾燥が行われる。そして、裏面の液処理を終えたウエハWは搬送機構5によって液処理部606、608から取り出され、反転機構42にて再度反転される。
【0042】
こうして表裏両面の液処理が行われ、表面を上面側に向けたウエハWは搬送機構5によって反転機構42から取り出され、載置棚41aの棚板411に載置された後、移載機構3によって載置棚41bの予め設定された段の棚板411(既述の上部側4段の棚板411)上に移載される。
【0043】
このように並行してウエハWの処理が行われたら、受け渡し機構2を利用して載置棚41bからFOUP100へと処理済みのウエハWを搬送する。このとき、先の処理済みのウエハWと後続の処理済みのウエハWとが載置棚41bに揃うのを待って、両方のウエハWを同時に搬送するか、先に載置棚41bに載置された処理済みのウエハWを一枚だけ搬送するか、の判断が実行される。この判断の動作の流れを図7のフロー図を参照しながら説明する。
【0044】
液処理装置1の動作中、受け渡し機構2は、FOUP100と載置棚41bとの間で処理前のウエハWの搬入、処理済みのウエハWの搬出を繰り返している。この受け渡し機構2が、載置棚41bから処理済みのウエハWを取り出す動作を開始するタイミングとなったら(スタート)、載置棚41bに処理済みのウエハWがあるか否かを確認し(ステップS101)、ウエハWがない場合には載置棚41bに処理済みのウエハWが搬送されてくるのを待つ(ステップS101;NO)。このとき、処理前のウエハWを載置する棚板411が空いている場合には、待ち時間を利用してウエハWの搬入動作を行ってもよい。
【0045】
そしてFOUP100からセットで取り出されたウエハWのうち、先に処理を終えたウエハW(第1の基板に相当する)が載置棚41bに載置されたら(ステップS101;YES)、後続のウエハWが搬送されてくるまでの待ち時間を計算する(ステップS102)。
【0046】
ここで「後続のウエハW」として、いくつかのパターンを考えることができる。(A)例えば搬入時にFOUP100からセットで取り出されたもう一方側のウエハW(第2の基板に相当する)を後続のウエハWとする場合などである。さらに、このセットで取り出されたウエハWよりも早く処理を終える他のウエハWがある場合には、(B)処理部601〜608に最も早く搬入された他のウエハWを「後続のウエハW」してもよいし、また(C)処理部601〜608で処理されているウエハWの内、最も早く処理が終了する他のウエハWを「後続のウエハW」としてもよい。このように、受け渡し機構2を動作させる上で効率的な「後続のウエハW」の決定法を適宜選択することができる。
【0047】
一方、例えば制御部7の記憶部には、載置棚41bに載置されている先の処理済みのウエハWをFOUP100まで搬送した後、次の処理前のウエハWを取り出して前記載置棚41bに載置するまでの搬送時間が予め記憶されている。そして、後続のウエハWの処理状況に応じて計算した待ち時間と、前記搬送時間とを比較し(ステップS103)、待ち時間の方が短い場合には(ステップS103;YES)、後続の処理済みのウエハWが載置棚41bに搬送されてくるのを待つ(ステップS104)。
【0048】
そして、後続の処理済みのウエハWが載置棚41bに搬送されてきたら(ステップS105)、2枚のウエハWの取り出し、FOUP100へと搬送する(ステップS106)。このとき、ウエハ保持部材24a、24bに保持されているウエハWは、FOUP100から同時に取り出されたウエハWであるとは限らない。それぞれのウエハWは、搬出時に当該ウエハWが収納されていたFOUP100の元の段に搬入される。
しかる後、FOUP100から処理前の2枚のウエハWをセットで取り出して、載置棚41bへと搬入した後(ステップS107)、次に搬出可能な処理済みのウエハWがあるか否かを確認する(ステップS101)。
【0049】
一方、後続の処理済みのウエハWが載置棚41bに搬送されてくるまでの待ち時間の方が、受け渡し機構2が1枚のウエハWをFOUP100へ搬送して戻ってくるまでの搬送時間よりも長い場合には(ステップS103;NO)、後続のウエハWを待たずに先の処理済みのウエハWを載置棚41bから取り出してFOUP100へ搬送する(ステップS108)。しかる後、FOUP100から処理前の2枚のウエハWをセットで取り出して載置棚41bに搬送した後、載置棚41bから処理済みのウエハWを搬出可能か否かを確認する(ステップS101)。
【0050】
このように本例の受け渡し機構2は、原則としてFOUP100から2枚のウエハWをセットで取り出して載置棚41bへ搬送する構成となっている。但し、例えばFOUP100内に収容されている未処理のウエハWが1枚だけである場合や、載置棚41bに未処理のウエハWを載置可能な棚板411が1枚しか残っていない場合などにおいては、FOUP100からウエハWを1枚だけ取り出して載置棚41bへ搬送してもよい。
【0051】
こうして液処理装置1は、載置ブロック11に載置されたFOUP100からウエハWを順次、取り出し、処理を終えた順に、元のFOUP100に戻す動作を実行する。そして、FOUP100内の全てのウエハWの処理を終えたら、未処理のウエハWを取り出す載置台111上のFOUP100を切り替えて、上述の動作を繰り返す。
【0052】
本実施の形態に係わる液処理装置1においては以下の効果がある。複数のウエハWが載置される載置棚41bと、FOUP100との間で処理済みのウエハWを受け渡す受け渡し機構2の動作について、ウエハWが載置棚41bに載置された後、後続の処理済みのウエハWが当該載置棚41bに載置されるのを待って、両方のウエハWを一緒に搬送する方がよいか、これを待たずに先のウエハWを搬送する方がよいかを判断する。これにより、必ず後続の処理済みのウエハWを待って両方のウエハWを一緒に搬送する場合に比べて、受け渡し機構2を用いたウエハWの搬送をフレキシブルに実行することが可能となり、より効率性の高い搬送を実現できる。
【0053】
例えば、1つのFOUP100内に処理時間が異なる2種類以上のウエハWが収納されていたり、処理時間が異なるウエハWを収納したFOUP100が載置ブロック11上に並んで載置されていたりする場合がある。この場合には、処理時間の異なるウエハWが液処理部601〜608にて並行して処理されることになる。このとき載置棚41bに2枚の処理済みのウエハWが揃うのを待ってFOUP100への搬送を行うと、各ウエハWの処理が終了するタイミングがずれて、無駄な待ち時間が発生するおそれもある。
【0054】
このような場合において本例の液処理装置1は、後続の処理済みのウエハWを待って両方のウエハWを一緒に搬送した方がよいか、後続の処理済みの基板を待たずに先の処理済みのウエハWだけを搬送した方がよいかを判断するので、上述の無駄な待ち時間を削減できる可能性がある。
【0055】
特に本例の液処理装置1は、後続の処理済みのウエハWが載置棚41bに受け渡されるまでの待ち時間と、先の処理済みのウエハWをFOUP100まで搬送した後、次の処理前のウエハWをFOUP100から取り出して載置棚41bに載置するまでの搬送時間とを比較し、待ち時間の方が短い場合には2枚のウエハWを一緒に搬送できるまで待つ。一方、待ち時間の方が長い場合には後続のウエハWを待たずに先のウエハWのみをFOUP100へ搬送するので、無駄な待ち時間を削減して効率的な搬送を実現できる。
【0056】
また、例えば上下に積み重ねられた処理ブロック14a、14bに交互にウエハWを搬送して処理を行う場合などにおいて、これら処理ブロック14a、14bに搬入されたウエハWが載置棚41bに戻ってきてから受け渡し機構2がFOUP100へウエハWの搬送を行う設定となっていることがある。このとき一方側の処理ブロック14a、14bにてトラブルが発生し、他方側の処理ブロック14b、14aが健全であるとき、両方の処理ブロック14a、14bで処理されたウエハWが載置棚41bに戻ってくるのを待つ場合には、液処理装置1全体が停止してしまうことになる。
【0057】
この点、本例の液処理装置1は同時に搬送する処理済みのウエハWの組をフレキシブルに変更することができるので、処理ブロック14a、14bの搬送機構5や液処理部601〜608などにトラブルがあった場合でも健全な機器を用いてウエハWの処理を継続することができる。
【0058】
ここで、載置棚41bに先の処理済みのウエハWがあるとき、後続の処理済みのウエハWを待つか否かを判断する手法は、後続の処理済みのウエハWが受け渡されるまでの待ち時間と、先のウエハWを搬送して次の処理前のウエハWを取り出して戻って来るまでの搬送時間とを比較する手法(図7)に限定されない。
【0059】
例えば図8のフロー図に示すように、載置棚41bに処理済みのウエハWがある場合(ステップS101;YES)、後続のウエハWの処理状況を確認し(ステップS111)、その処理状況が予め設定されたタイミング以後の処理である場合には(ステップS112;YES)、2枚搬送を行うため後続のウエハWを待ち(ステップS113、S114)、その処理状況が予め設定されたタイミングよりも前の処理である場合には(ステップS112;NO)、後続のウエハWを待たずに1枚搬送を行う構成としてもよい(ステップS108)。
【0060】
図6を用いて具体例を説明すると、FOUP100からセットで取り出された2枚のウエハWのうち、下段処理ブロック14bで処理されたウエハWが載置棚41bに受け渡され、受け渡し機構2が載置棚41bからウエハWを搬送可能となったとき、後続のウエハWについて、上述のステップS111の「予め設定されたタイミング」がウエハWの裏面側のIPA乾燥の開始であったとする。このとき、上段処理ブロック14aの液処理部604にてウエハWに対するIPA乾燥が開始されている場合には、IPA乾燥が終わり、当該ウエハWが載置棚41bに搬送されてくるのを待つ。一方で、実行中の処理がIPA乾燥の開始よりも前の例えばDHF処理後のリンス洗浄である場合には、受け渡し機構2は後続のウエハWが搬送されてくるのを待たず、載置棚41bに受け渡されたウエハWを1枚だけ搬送する。本例の場合にも「後続のウエハW」は、第1の実施の形態で説明した(A)〜(C)の決定法などにより決定される。
【0061】
また、図9に示したフロー図は、図7、図8に示した例のようにウエハWが搬送されてくるまでの待ち時間や、処理状況など、後続のウエハWの状態を確認する手法に替えて、タイマーの時間経過に基づいて1枚搬送か2枚搬送かの判断を行う点が異なっている。具体的には、搬出可能なウエハWが載置棚41bにある場合(ステップS101;YES)、制御部7などに設けられたタイマーを作動させ、予め設定された待ち時間が経過し、タイムアップするまで後続の処理済みのウエハWが搬送されてくるのを待つ(ステップS121;NO)。
【0062】
そしてタイムアップ後、載置棚41bに2枚の処理済みのウエハWが存在する場合には(ステップS122;YES)、2枚搬送を実行する(ステップS106)。一方、タイムアップ後も載置棚41bのウエハWが一枚である場合には(ステップS122;NO)、後続のウエハWを待たずに1枚搬送を行う(ステップS108)。この場合にも無制限に後続のウエハWを待ち続ける場合に比べて効率的な搬送を実行できる。なお、図9に示したステップS101の段階で2枚のウエハを搬送可能である場合には、タイマーの作動(ステップS121)を省略して直ちに2枚搬送を実行してもよい。
【0063】
ここで受け渡し機構2に設けられているウエハ保持部材24a、24bの数は2枚の例に限られるものではなく、3枚以上のウエハ保持部材24を備えていてもよい。この場合には、受け渡し機構2に設けられている全てのウエハ保持部材24にて保持可能なウエハWにつき、順次、後続の処理済みのウエハWを待つか否かの判断を行ってもよい。この場合には、FOUP100から順次、取り出されるウエハWの内、連続して取り出される一のウエハWを第1の基板、当該一のウエハWの次に取り出されるウエハWを第2の基板とし、このようなセットが複数組形成されると考えればよい。例えば3枚のウエハWが取り出される場合には、1枚目のウエハWと2枚目のウエハWとの間にセットが形成され、2枚目のウエハWと3枚目のウエハWとの間にもセットが形成されることになる。
【0064】
また、FOUP100から3枚以上取り出されるウエハWを1つのセットとし、受け渡し機構2が載置棚41bからウエハWを搬出可能な状態となったときに載置棚41bに載置されており、ウエハ保持部材24にて保持可能な全てのウエハW(1枚であってもよいし、複数枚であってもよい)をまとめて先の処理済みのウエハW(第1の基板)として取り扱ってもよい。このとき空いているウエハ保持部材24が残っている場合には、これら全てのウエハ保持部材24について後続のウエハWを待つか否かの判断をしてもよいし、一部(例えば1つ)のウエハ保持部材24について判断をおこなってもよい。
【0065】
また、処理ブロック14は上段処理ブロック14aと下段処理ブロック14bとに分かれて積層されている場合に限定されるものではなく、例えば複数の液処理部600を備えた処理ブロック14を1組だけ設けてもよいし、複数の処理ブロック14を横方向に隣り合うように並べ、これら処理ブロック14内の搬送機構5が共通の載置棚41へとアクセスすることが可能な構成としてもよい。処理ブロック14が積層されていない場合には、載置棚41a、41bを上下方向に並べる代わりに1つの載置棚41を設けてもよく、この場合には移載機構3を備えていなくてもよい。
【0066】
また、上述の各実施の形態では、処理液を用いる液処理部にてウエハWを処理する場合を例に挙げたが、本発明を適用可能な処理部の種類はこれに限定されるものではない。ウエハWに対してレジスト膜の塗布、現像処理やその前後の加熱、冷却処理を行ったり、エッチング処理や成膜処理を行ったりする各種の処理部から、中間受け渡し部を介して基板収納部へ処理済みのウエハWを搬送し、複数の基板保持部が設けられた受け渡し機構を備える基板処理装置に対しても本発明は適用することができる。
また、当該基板処理装置にて処理される基板の種類もウエハWに限られるものではなく、FPD(Flat Panel Display)などの材料となる角形のガラス基板などであってもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0067】
W ウエハ
1 液処理装置
100 FOUP
2 受け渡し機構
24a、24b
ウエハ保持部材
3 移載機構
41a、41b
載置棚
5 搬送機構
600、601〜608
液処理部
7 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を収納する基板収納部から順次基板を取り出し、この基板を処理部にて処理した後、基板収納部に戻す基板処理装置において、
複数の基板が載置される中間受け渡し部と、
前記処理部にて処理された処理済みの基板を前記中間受け渡し部に1枚ずつ搬送する搬送機構と、
前記基板収納部と前記中間受け渡し部とに対して複数の基板の受け渡しを行うための複数の基板保持部材を有する受け渡し機構と、
この受け渡し機構により、前記基板収納部からセットで取り出された第1の基板と第2の基板とのうち、先に処理を終えた前記第1の基板が前記中間受け渡し部に受け渡された後、後続の処理済みの基板が前記中間受け渡し部に受け渡されることを待って前記受け渡し機構により両方の基板を一緒に搬送するか、後続の処理済みの基板の受け渡しを待たずに前記受け渡し機構により前記第1の基板を搬送するかを判断する制御部と、を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記制御部にて行われる判断は、前記後続の処理済みの基板が中間受け渡し部に受け渡されるまでの待ち時間と、処理済みの前記第1の基板を基板収納部まで搬送した後、前記中間受け渡し部に次の基板を載置するまでの搬送時間と、を比較する判断であり、前記待ち時間の方が前記搬送時間より短い場合には、当該後続の処理済みの基板が中間受け渡し部に受け渡されるのを待つことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記待ち時間は、処理済みの前記第2の基板が中間受け渡し部に受け渡されるまでの時間であることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第2の基板よりも早く処理を終える基板が前記処理部にある場合には、当該処理部に最も早く搬入された基板が前記中間受け渡し部に受け渡されるまでの時間を前記待ち時間とすることを特徴とする請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第2の基板よりも早く処理を終える基板が前記処理部にある場合には、最も早く処理を終える基板が前記中間受け渡し部に受け渡されるまでの時間を前記待ち時間とすることを特徴とする請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記処理部では複数種類の処理が予め定められた順番で実行されるとき、前記制御部にて行われる判断は、これら複数種類の処理のうち、予め定めたタイミングよりも順番が後の処理が前記後続の基板に対して実行されているか否かの判断であり、当該順番が後の処理が実行されている場合には、前記後続の処理済みの基板が中間受け渡し部に受け渡されるのを待つことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、処理済みの前記第1の基板が前記中間受け渡し部に受け渡された後、タイマーを動作させ、当該タイマーがタイムアップするまで前記受け渡し機構に後続の処理済みの基板を待たせ、
前記制御部にて行われる判断は、前記タイマーがタイムアップするか否かの判断であることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記処理部は、互いに上下に積層された上段側の第1の処理部と下段側の第2の処理部とを備え、
前記中間受け渡し部は、第1の処理部にて処理された処理済みの基板が受け渡される第1の中間受け渡し部と、この第1の中間受け渡し部に受け渡された処理済みの基板が移載機構によって移載されると共に、第2の処理部にて処理された処理済みの基板が受け渡される第2の中間受け渡し部と、を備え、
前記受け渡し機構は、前記第2の中間受け渡し機構から処理済みの基板を取り出して前記基板収納部に受け渡すことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記処理部は、基板を水平に保持し、回転自在に構成された基板保持部と、回転している基板に処理液を供給するノズル部と、を備えた枚葉式の液処理部であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項10】
複数の基板を収納する基板収納部から順次基板を取り出し、この基板を処理部にて処理した後、基板収納部に戻す基板処理方法において、
前記処理部にて処理された処理済みの基板を前記中間受け渡し部に1枚ずつ搬送する工程と、
前記基板収納部と前記中間受け渡し部とに対して複数の基板の受け渡しを行うための複数の基板保持部材を有する受け渡し機構を用い、前記基板収納部からセットで取り出された第1の基板と第2の基板とのうち、先に処理を終えた前記第1の基板が前記中間受け渡し部に受け渡された後、後続の処理済みの基板が前記中間受け渡し部に受け渡されることを待って前記受け渡し機構により両方の基板を一緒に搬送するか、後続の処理済みの基板の受け渡しを待たずに前記受け渡し機構により前記第1の基板を搬送するかを判断する工程と、を含むことを特徴とする基板処理方法。
【請求項11】
前記判断は、前記後続の処理済みの基板が中間受け渡し部に受け渡されるまでの待ち時間と、処理済みの前記第1の基板を基板収納部まで搬送した後、前記中間受け渡し部に次の基板を載置するまでの搬送時間と、を比較する判断であり、前記待ち時間の方が前記搬送時間より短い場合には、当該後続の処理済みの基板が中間受け渡し部に受け渡されるのを待つことを特徴とする請求項10に記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記待ち時間は、処理済みの前記第2の基板が中間受け渡し部に受け渡されるまでの時間であることを特徴とする請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記第2の基板よりも早く処理を終える基板が前記処理部にある場合には、当該処理部に最も早く搬入された基板が前記中間受け渡し部に受け渡されるまでの時間を前記待ち時間とすることを特徴とする請求項12に記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記第2の基板よりも早く処理を終える基板が前記処理部にある場合には、最も早く処理を終える基板が前記中間受け渡し部に受け渡されるまでの時間を前記待ち時間とすることを特徴とする請求項12に記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記処理部では複数種類の処理が予め定められた順番で実行されるとき、前記判断は、これら複数種類の処理のうち、予め定めたタイミングよりも順番が後の処理が前記後続の基板に対して実行されているか否かの判断であり、当該順番が後の処理が実行されている場合には、前記後続の処理済みの基板が中間受け渡し部に受け渡されるのを待つことを特徴とする請求項10に記載の基板処理方法。
【請求項16】
処理済みの前記第1の基板が前記中間受け渡し部に受け渡された後、計時を行う工程を含み、
予め設定された待ち時間が経過するまで前記受け渡し機構に後続の処理済みの基板を待たせ、
前記判断は、前記この待ち時間が経過したか否かの判断であることを特徴とする請求項10に記載の基板処理方法。
【請求項17】
複数の基板を収納する基板収納部から順次基板を取り出し、この基板を処理部にて処理した後、基板収納部に戻す基板処理装置に用いられるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であって、
前記プログラムは請求項10ないし16のいずれか一つに記載された基板処理方法を実行するためにステップが組まれていることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−38126(P2013−38126A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171135(P2011−171135)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】