説明

基板処理装置及び基板処理方法並びに基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体

【課題】基板処理装置のスループットを低減させることなく、キャリアの内部やキャリアに収容された基板の汚損を防止すること。
【解決手段】本発明では、キャリア載置台(6)に載置されたキャリア(3)の蓋(5)を開放し、キャリア(3)に収容された基板(2)を基板処理室(7)へ搬送し、基板処理室(7)で基板(2)の処理を行う基板処理装置(1)及び基板処理方法並びに基板処理プログラムにおいて、キャリア載置台(6)に載置された第1のキャリア(3)に対して処理が行われている場合、第2のキャリア(3)の蓋(5)を閉塞させた状態で第2のキャリア(3)をキャリア載置台(6)に待機させ、その後、所定の条件が満たされたときに第2のキャリア(3)の蓋(5)を開放し、基板(2)の処理を開始することにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリア載置台に載置されたキャリアの蓋を開放した後に、キャリアに収容された基板を基板処理室へ搬送し、その後、基板処理室で基板の処理を行う基板処理装置及び基板処理方法、並びに基板処理装置に対して基板の処理を行わせる基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体部品やフラットパネルディスプレイなどを製造する場合には、各種の基板処理装置を用いて半導体ウエハや液晶用基板などの基板に洗浄処理等の処理を施している。その際に、基板は、複数枚まとめてキャリアの内部に収容されて各基板処理装置間を搬送される(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
基板処理装置では、キャリア載置台に搬入されたキャリアの蓋を開き、内部に収容された基板の位置や枚数などをマッピングセンサーで確認するマッピングを行い、その後、キャリアに収容された基板を基板搬送室の基板搬送装置でキャリアから基板処理室へと搬送して基板の処理を行う。また、処理後には、基板を基板搬送装置でキャリアへと搬送し、全ての基板がキャリアに戻った後にキャリアの蓋を閉じて、キャリアをキャリア載置台から送出する(図3(a)参照。)。
【0004】
また、基板処理装置では、既に先着のキャリアに収容された基板に対して処理を行っている場合でも、別のキャリアがキャリア載置台に搬入されると、後着のキャリアに収容された基板に対しても、キャリア載置台に搬入された後着のキャリアの蓋を開き、内部に収容された基板の位置や枚数などをマッピングセンサーで確認するマッピングを行う。
【0005】
そして、基板処理装置は、先着のキャリアに収容された基板に対する処理が終了するのを待ち、その後、後着のキャリアに収容された基板を基板搬送装置でキャリアから基板処理室へと搬送して基板の処理を行い、処理後の基板を基板搬送装置でキャリアへと搬送し、全ての基板がキャリアに戻った後にキャリアの蓋を閉じて、キャリアをキャリア載置台から搬出する(図3(b)参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−110609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、上記従来の基板処理装置では、スループットを向上させるために、後着のキャリアに対しても先着のキャリアと同様にキャリア載置台に搬入後直ちにキャリアの蓋を開放し、先着のキャリアに収容された基板に対する処理が終了した後に後着のキャリアに収容された基板に対する処理を行っている。
そのため、従来の基板処理装置では、先着のキャリアに収容された基板に対する処理が行われていて後着のキャリアに収容された基板に対する処理が行われていない間も、後着のキャリアの蓋が開放されたままの状態となっている。そして、後着のキャリアの蓋が長時間にわたって連続して開放された状態となっていると、キャリアの内部やキャリアに収容された基板が汚損されてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明では、開口部に蓋を有する複数のキャリアを載置するキャリア載置台と、基板を処理する基板処理室と、キャリア載置台と基板処理室との間で基板の搬送を行う基板搬送装置と、キャリアの蓋を開閉制御する制御手段とを有し、制御手段は、キャリア載置台に載置された第1のキャリアに収容された基板に対して処理が行われている場合、第2のキャリアの蓋を閉塞させた状態で第2のキャリアをキャリア載置台に待機させ、その後、所定の条件が満たされたときに第2のキャリアの蓋を開放するように制御することにした。
【0009】
また、前記所定の条件は、第1のキャリアに収容された未処理の基板の枚数が所定枚数以下となったこととした。
【0010】
また、前記所定の条件は、第1のキャリアから基板の搬送が開始されてから所定時間経過後となったこととした。
【0011】
また、前記制御手段は、第2のキャリアがキャリア載置台に載置されたときに、第2のキャリアの蓋を開放して、第2のキャリアに収容された基板の位置を確認するマッピングを行い、その後、第2のキャリアの蓋を閉塞させた状態で第2のキャリアをキャリア載置台に待機させるように制御することにした。
【0012】
また、前記第2のキャリアは、第1のキャリアの後にキャリア載置台に載置されたキャリアであることとした。
【0013】
また、前記第2のキャリアは、第1のキャリアに収容された基板が基板処理室で処理された後に基板搬送装置で搬送されるキャリアであることとした。
【0014】
また、本発明では、キャリア載置台に載置されたキャリアの蓋を開放し、キャリアに収容された基板を基板処理室へ搬送し、基板処理室で基板の処理を行う基板処理方法において、キャリア載置台に載置された第1のキャリアに収容された基板に対して処理が行われている場合、第2のキャリアの蓋を閉塞させた状態で第2のキャリアをキャリア載置台に待機させ、その後、所定の条件が満たされたときに第2のキャリアの蓋を開放し、基板の処理を開始することにした。
【0015】
また、前記所定の条件は、第1のキャリアに収容された未処理の基板の枚数が所定枚数以下となったこととした。
【0016】
また、前記所定の条件は、第1のキャリアから基板の搬送が開始されてから所定時間経過後となったこととした。
【0017】
また、第2のキャリアがキャリア載置台に載置されたときに、第2のキャリアの蓋を開放して、第2のキャリアに収容された基板の位置を確認するマッピングを行い、その後、第2のキャリアの蓋を閉塞させた状態で第2のキャリアをキャリア載置台に待機させることとした。
【0018】
また、本発明では、キャリア載置台に載置されたキャリアの蓋を開放し、キャリアに収容された基板を基板処理室へ搬送し、基板処理室で基板の処理を行う基板処理装置に対して基板の処理を行わせる基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、キャリア載置台に載置された第1のキャリアに収容された基板に対して処理が行われている場合、第2のキャリアの蓋を閉塞させた状態で第2のキャリアをキャリア載置台に待機させ、その後、所定の条件が満たされたときに第2のキャリアの蓋を開放し、基板の処理を開始することにした。
【0019】
また、前記所定の条件は、第1のキャリアに収容された未処理の基板の枚数が所定枚数以下となったこととした。
【0020】
また、前記所定の条件は、第1のキャリアから基板の搬送が開始されてから所定時間経過後となったこととした。
【0021】
また、第2のキャリアがキャリア載置台に載置されたときに、第2のキャリアの蓋を開放して、第2のキャリアに収容された基板の位置を確認するマッピングを行い、その後、第2のキャリアの蓋を閉塞させた状態で第2のキャリアをキャリア載置台に待機させることにした。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、基板処理装置のスループットを低減させることなく、キャリアの内部やキャリアに収容された基板の汚損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】基板処理装置を示す平面図。
【図2】基板処理プログラムを示すフローチャート。
【図3】基板処理方法を模式的に示す説明図。
【図4】他の基板処理プログラムを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明に係る基板処理装置及び基板処理方法並びに基板処理プログラムの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1に示すように、基板処理装置1は、複数枚(たとえば、25枚)の基板2(ここでは、半導体ウエハ)をまとめて収容可能な中空箱型状のキャリア3を用いて基板2を搬入及び搬出する。ここで、キャリア3は、複数枚の基板2を水平にした状態で上下に間隔をあけて複数段に収容するキャリア本体4と、キャリア本体4の開口部に開閉自在に装着した蓋5とを有している。
【0026】
また、基板処理装置1は、複数台(ここでは、3台)のキャリア3を同時に載置可能なキャリア載置台6と、基板2に対して洗浄や乾燥などの各種処理を施す基板処理室7と、これらのキャリア載置台6と基板処理室7との間で基板2の搬送を行う基板搬送装置8を収容した基板搬送室9とを有している。なお、基板処理室7は、中央部に基板搬送ユニット10を配置し、基板搬送室9と基板搬送ユニット10との間に基板受渡・反転ユニット11を配置し、さらに、基板搬送ユニット10の周囲に基板洗浄ユニット12,13と基板乾燥ユニット14と機械制御ユニット15と電装ユニット16と薬液貯蔵ユニット17を配置し、電装ユニット16に基板処理装置1の各部の制御を行う制御手段18を設けている。
【0027】
この基板処理装置1は、キャリア載置台6と基板搬送室9との間に隔壁19を形成し、隔壁19に複数個(ここでは、3個)の開閉扉20,21,22を開閉可能に設け、各開閉扉20,21,22の近傍に開閉扉20,21,22を開閉するための扉開閉機構23,24,25を設けている。また、各開閉扉20,21,22の近傍には、各キャリア3の内部に収容されている基板2の位置や枚数などを検知するための公知(たとえば、特開2003−218018号公報参照。)のマッピングセンサー26,27,28を設けている。さらに、各開閉扉20,21,22の近傍に、キャリア3の有無を検出するキャリアセンサー29,30,31を設けている。扉開閉機構23,24,25、マッピングセンサー26,27,28、キャリアセンサー29,30,31は、制御手段18に接続しており、制御手段18で制御される。
【0028】
そして、基板処理装置1は、キャリア載置台6のいずれかの開閉扉20,21,22の前方にキャリア3が搬入されると、キャリアセンサー29,30,31で検出するとともにキャリア3を開閉扉20,21,22の前方に接続してキャリア3の蓋5と開閉扉20,21,22とを連結し、扉開閉機構23,24,25で開閉扉20,21,22を開閉させると同時にキャリア3の蓋5を開閉させる。また、キャリア3の蓋5を開放させたときに、マッピングセンサー26,27,28でキャリア3の内部に収容された基板2の位置を確認し、キャリア3の内部において基板2がいずれの段に収容されており全体で何枚収容されているかを認識するマッピングを行う。
【0029】
基板処理装置1は、以上に説明したように構成しており、制御手段18(コンピュータ)で読み取り可能な記憶媒体32に記憶した基板処理プログラムにしたがってキャリア3で搬入・搬出される基板2を処理する。なお、記憶媒体32は、基板処理プログラム等の各種プログラムを記憶できる媒体であればよく、ROMやRAMなどの半導体メモリ型の記憶媒体であってもハードディスクやCD−ROMなどのディスク型の記憶媒体であってもよい。
【0030】
基板処理プログラムは、図2に示すフローチャートにしたがって図3に示す処理を基板処理装置1に行わせる。
【0031】
まず、基板処理プログラムは、キャリア載置台6に搬入されたキャリア3がキャリア載置台6に先に搬入された第1のキャリア3であるか否かを判断する(S1)。
【0032】
具体的には、基板処理装置1は、キャリア3が搬入された時に制御手段18でキャリアセンサー29,30,31の検出結果を分析して、キャリア載置台6に先に搬入されたキャリア3を第1のキャリア3とし、キャリア載置台6に第1のキャリア3よりも後に搬入されたキャリア3を第2のキャリア3とする。
【0033】
そして、基板処理プログラムは、キャリア載置台6に搬入されたキャリア3を第1のキャリア3であると判断した場合には、第1のキャリア3に対して蓋5の開放(S2)とマッピング(S3)とを行った後に、第1のキャリア3に収容された基板2の処理を開始する(S4)。
【0034】
具体的には、基板処理装置1は、正面視左端のキャリア3を第1のキャリア3とすると、制御手段18で扉開閉機構23を制御して、第1のキャリア3の蓋5を開閉扉20とともに開放する。その後、マッピングセンサー26で第1のキャリア3の内部に収容された基板2の位置や枚数などを確認する。その後、制御手段18で基板処理室7や基板搬送室9を制御して、第1のキャリア3に収容された基板2を基板搬送装置8で基板処理室7に搬送する。なお、第1のキャリア3に収容された基板2は、1枚ずつ基板処理室7に搬送され、基板処理室7で処理され、再び第1のキャリア3に収容される。そして、第1のキャリア3に収容された全ての基板2に対して処理が終了すると、制御手段18で扉開閉機構23を制御して、第1のキャリア3の蓋5を開閉扉20とともに閉塞する。その後、第1のキャリア3はキャリア載置台6から搬出される。
【0035】
一方、基板処理プログラムは、キャリア載置台6に搬入されたキャリア3を第2のキャリア3であると判断した場合には、第2のキャリア3をキャリア載置台6で蓋5を閉塞させた状態で待機させるか否かを判断する(S5)。
【0036】
具体的には、基板処理装置1は、制御手段18で基板処理室7や基板搬送室9の稼働状態を検出し、基板処理室7や基板搬送室9で第1のキャリア3に収容された基板2に対する処理(基板搬送装置8による搬送や基板処理室7での洗浄や乾燥などの各種処理)が行われている場合には、第2のキャリア3を待機させると判断し、第1のキャリア3に収容された基板2に対する処理が終了している場合には、第2のキャリア3を待機させないと判断する。なお、基板処理室7や基板搬送室9での稼働がトラブル等の影響で停止している場合にも第2のキャリア3を待機させると判断する。
【0037】
そして、基板処理プログラムは、第2のキャリア3を待機させないと判断した場合には、従来と同様に図3(b)に示すように、第2のキャリア3に対して蓋5の開放(S8)とマッピング(S9)とを行った後に、第2のキャリア3に収容された基板2の処理を開始する(S10)。
【0038】
一方、第2のキャリア3を待機させると判断した場合には、図3(c)に示すように、第2のキャリア3の蓋5を開放することなくキャリア載置台6で第2のキャリア3を待機させる(S6)。
【0039】
その後、基板処理プログラムは、次に処理される第2のキャリア3の待機状態を解除するか否かを判断する(S7)。その際に、基板処理プログラムは、第1のキャリア3に収容された基板2に対する処理が終了する前において、第1のキャリア3に対する所定の条件が満たされたと判断した場合に第2のキャリア3の待機状態を解除すると判断する。
【0040】
具体的には、基板処理装置1は、制御手段18で基板処理室7や基板搬送室9の稼働状態を検出し、第1のキャリア3対する所定の条件が満たされたか否かを判断する。
【0041】
ここで、第1のキャリア3に対する所定の条件は、制御手段18に基板2の処理に応じて適宜設定することができ、たとえば、第1のキャリア3に収容された未処理の基板2の枚数が所定枚数以下となったことを条件としてもよく、また、第1のキャリア3から基板搬送室9への基板2の搬送が開始されてから所定時間経過後となったことを条件としてもよい。また、所定時間経過後を条件とする場合は、第1のキャリア3から基板搬送室9への基板2の搬送が開始されてからの時間を設定することもでき、また、第1のキャリア3に収容された基板2に対する処理の終了予定時間を予め定め、その終了予定時間よりも所定時間前の時間を設定することもできる。第1のキャリア3に収容された基板2に対する処理が終了したことを所定の条件とすることもできるが、第1のキャリア3に収容された基板2に対する処理が終了した後に第2のキャリア3の待機状態を解除して蓋5を開放するとなると従来よりも第2のキャリア3の処理開始が遅くなってしまう。そのため、第1のキャリア3に収容された基板2に対する処理が終了した直後に第2のキャリア3の処理を開始できるように、第2のキャリア3の待機状態を解除してから処理を開始するまでに要する時間を考慮し、第1のキャリア3に収容された基板2に対する処理が終了する時点よりも第2のキャリア3の待機解除から処理開始の時間分以上前となる条件を設定して、基板処理装置1でのスループットの低減を防止する。なお、オペレーターが強制的に第2のキャリア3の待機状態を解除したことや、トラブル等の影響で停止していた基板処理室7や基板搬送室9が稼働を開始したことを条件とすることもできる。
【0042】
基板処理プログラムは、第2のキャリア3の待機状態を解除しないと判断した場合には、引き続き第2のキャリア3を蓋5を開放することなくキャリア載置台6で待機させ(S6)るが、第1のキャリア3に収容された基板2に対する所定の条件が満たされて第2のキャリア3の待機状態を解除すると判断した場合には、第2のキャリア3に対して蓋5の開放(S8)とマッピング(S9)とを行った後に、第2のキャリア3に収容された基板2の処理を開始する(S10)。
【0043】
具体的には、基板処理装置1は正面視中央のキャリア3を第2のキャリア3とすると、、制御手段18で扉開閉機構24を制御して、第2のキャリア3の蓋5を開閉扉21とともに開放する。その後、マッピングセンサー27で第2のキャリア3の内部に収容された基板2の位置や枚数などを確認する。その後、制御手段18で基板処理室7や基板搬送室9を制御して、第2のキャリア3に収容された基板2を基板搬送装置8で基板処理室7に搬送する。なお、第2のキャリア3に収容された基板2は、1枚ずつ基板処理室7に搬送され、基板処理室7で処理され、再び第2のキャリア3に収容される。そして、第2のキャリア3に収容された全ての基板2に対して処理が終了すると、制御手段18で扉開閉機構24を制御して、第2のキャリア3の蓋5を開閉扉21とともに閉塞する。その後、第2のキャリア3はキャリア載置台6から搬出される。
【0044】
以上に説明したように、上記基板処理装置1は、基板処理プログラムによって、キャリア載置台6に載置された第1のキャリア3に収容された基板2に対して処理が行われている場合に、第2のキャリア3の蓋5を閉塞させた状態で第2のキャリア3をキャリア載置台6に待機させ、その後、第1のキャリア3に収容された基板2に対する処理が終了する前に所定の条件が満たされたときに第2のキャリア3の蓋5を開放し、第2のキャリア3に収容された基板2の処理を開始する。
【0045】
このように、上記基板処理装置1では、第1のキャリア3に収容された基板2に対する処理が終了する前に第2のキャリア3をキャリア載置台6に蓋5を閉塞した状態で待機させているために、第2のキャリア3の蓋5を開放してから閉塞するまでの蓋5が連続して開放される時間を従来よりも短縮することができ、基板処理装置1のスループットを低減させることなく、第2のキャリア3の内部や第2のキャリア3に収容された基板2の汚損を防止することができる。
【0046】
上記基板処理装置1の基板処理プログラムでは、図3(c)に示すように、第2のキャリア3の待機状態を解除した後に第2のキャリア3の蓋5の開放(S8)やマッピング(S9)を行うようにしているが、これに限られず、図3(d)に示すように、第2のキャリア3がキャリア載置台6に載置されたときに、第2のキャリア3の蓋5を開放してマッピングを行うようにしてもよい。
【0047】
たとえば、図4に示す基板処理プログラムでは、キャリア載置台6に搬入されたキャリア3を第2のキャリア3であると判断した場合に、第2のキャリア3に対して蓋5の開放(S8')とマッピング(S9')とを行い、その後、第2のキャリア3をキャリア載置台6で蓋5を閉塞させた状態で待機させるか否かを判断する(S5)。
【0048】
そして、第2のキャリア3を待機させないと判断した場合には、第2のキャリア3に収容された基板2に対する処理を開始し(S10)、一方、第2のキャリア3を待機させると判断した場合には、第2のキャリア3の蓋5を一旦閉塞し(S11)、第2のキャリア3の待機状態が解除されたときに第2のキャリア3の蓋5を再び開放して(S8")、第2のキャリア3に収容された基板2に対する処理を開始する(S10)。
【0049】
また、上記基板処理装置1の基板処理プログラムでは、キャリア載置台6に最初に載置されたキャリア3を第1のキャリア3とし、2番目に載置されたキャリア3を第2のキャリア3として制御する場合について説明したが、これに限られず、あるキャリア3を第1のキャリア3とし、その第1のキャリア3とは別のキャリア3を第2のキャリア3として同様に制御することもできる。
【0050】
この場合に、第2のキャリア3を、第1のキャリア3の後にキャリア載置台6に載置されたキャリア3とし、第1のキャリア3に収容された基板2の処理が終了した後に第2のキャリア3に収容された基板2を処理するようにしてもよく、また、第2のキャリア3を、第1のキャリア3に収容された基板2が基板処理室7で処理された後に基板搬送室9から搬送されるキャリア3とし、第1のキャリア3に収容された基板2を基板処理室7での処理後に第2のキャリア3に搬入する処理を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 基板処理装置
2 基板
3 キャリア
5 蓋
6 キャリア載置台
7 基板処理室
8 基板搬送装置
9 基板搬送室
18 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部に蓋を有する複数のキャリアを載置するキャリア載置台と、
基板を処理する基板処理室と、
キャリア載置台と基板処理室との間で基板の搬送を行う基板搬送装置と、
キャリアの蓋を開閉制御する制御手段と、
を有し、
制御手段は、キャリア載置台に載置された第1のキャリアに収容された基板に対して処理が行われている場合、第2のキャリアの蓋を閉塞させた状態で第2のキャリアをキャリア載置台に待機させ、その後、所定の条件が満たされたときに第2のキャリアの蓋を開放するように制御することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、第1のキャリアに収容された未処理の基板の枚数が所定枚数以下となったこととする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、第1のキャリアから基板の搬送が開始されてから所定時間経過後となったこととする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、第2のキャリアがキャリア載置台に載置されたときに、第2のキャリアの蓋を開放して、第2のキャリアに収容された基板の位置を確認するマッピングを行い、その後、第2のキャリアの蓋を閉塞させた状態で第2のキャリアをキャリア載置台に待機させるように制御することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第2のキャリアは、第1のキャリアの後にキャリア載置台に載置されたキャリアであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第2のキャリアは、第1のキャリアに収容された基板が基板処理室で処理された後に基板搬送装置で搬送されるキャリアであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
キャリア載置台に載置されたキャリアの蓋を開放し、キャリアに収容された基板を基板処理室へ搬送し、基板処理室で基板の処理を行う基板処理方法において、
キャリア載置台に載置された第1のキャリアに収容された基板に対して処理が行われている場合、第2のキャリアの蓋を閉塞させた状態で第2のキャリアをキャリア載置台に待機させ、その後、所定の条件が満たされたときに第2のキャリアの蓋を開放し、基板の処理を開始することを特徴とする基板処理方法。
【請求項8】
前記所定の条件は、第1のキャリアに収容された未処理の基板の枚数が所定枚数以下となったこととする請求項7に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記所定の条件は、第1のキャリアから基板の搬送が開始されてから所定時間経過後となったこととする請求項7に記載の基板処理方法。
【請求項10】
第2のキャリアがキャリア載置台に載置されたときに、第2のキャリアの蓋を開放して、第2のキャリアに収容された基板の位置を確認するマッピングを行い、その後、第2のキャリアの蓋を閉塞させた状態で第2のキャリアをキャリア載置台に待機させることを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項11】
キャリア載置台に載置されたキャリアの蓋を開放し、キャリアに収容された基板を基板処理室へ搬送し、基板処理室で基板の処理を行う基板処理装置に対して基板の処理を行わせる基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、
キャリア載置台に載置された第1のキャリアに収容された基板に対して処理が行われている場合、第2のキャリアの蓋を閉塞させた状態で第2のキャリアをキャリア載置台に待機させ、その後、所定の条件が満たされたときに第2のキャリアの蓋を開放し、基板の処理を開始することを特徴とする基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
前記所定の条件は、第1のキャリアに収容された未処理の基板の枚数が所定枚数以下となったこととする請求項11に記載の基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
前記所定の条件は、第1のキャリアから基板の搬送が開始されてから所定時間経過後となったこととする請求項11に記載の基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
第2のキャリアがキャリア載置台に載置されたときに、第2のキャリアの蓋を開放して、第2のキャリアに収容された基板の位置を確認するマッピングを行い、その後、第2のキャリアの蓋を閉塞させた状態で第2のキャリアをキャリア載置台に待機させることを特徴とする請求項11〜請求項13のいずれかに記載の基板処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−65769(P2013−65769A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204498(P2011−204498)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】