説明

基板処理装置

【課題】基板搬送手段の保持部を清浄に維持することが可能な保持部洗浄システムを提供する。
【解決手段】 洗浄用基板Waがスピンチャック51により保持された状態で、チャック回転機構511によってスピンチャック51が回転駆動される。それにより、洗浄用基板Waが回転する。回転する洗浄用基板Waを取り囲むように、第1のセンターロボットCR1のハンドCRH1が移動する。その状態で、ハンドCRH1が上下方向および水平方向に僅かに往復移動する。それにより、ハンドCRH1が、回転する洗浄用基板Waの外周端部に軽く押し当てられる。これにより、ハンドCRH1に付着する汚染物が洗浄用基板Waによって擦り取られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体ウェハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示装置用ガラス基板、光ディスク用ガラス基板等の基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられている。
【0003】
例えば基板処理装置には、基板に成膜処理を行う成膜処理ユニットおよび基板を搬送する搬送ロボットが設ける。搬送ロボットには、基板の外周端部を保持するためのハンドが設けられる。搬送ロボットは、ハンドによって基板を保持し、成膜処理ユニットに対する基板の搬入および搬出を行う。
【0004】
ところで、成膜処理時には、基板上に種々の膜が形成される。その膜が、基板の外周端部にも形成されることがある。その場合、成膜処理後の基板が搬送ロボットのハンドによって保持されるときに、基板の外周端部に形成された膜が剥離して搬送ロボットのハンドに汚染物として付着することがある。搬送ロボットのハンドに汚染物が付着すると、その汚染物が他の基板に転移して基板の処理不良が発生する可能性がある。また、その汚染物が基板処理装置内に落下し、基板処理装置の動作不良が発生する可能性もある。
【0005】
そこで、成膜処理後の基板にエッジリンス処理を行うことが提案されている(例えば特許文献1参照)。エッジリンス処理では、成膜処理後の基板の周縁部に薬液が供給されることにより、基板の周縁部に形成された膜が除去される。それにより、搬送ロボットのハンドの汚染を抑制することができる。
【特許文献1】特開平2−51219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のエッジリンス処理を行った場合でも、基板の周縁部に付着する膜を十分に取り除くことができないことがある。そのため、搬送ロボットのハンドの汚染を十分に防止することができない。また、基板上に形成される膜以外の他の汚染物(塵埃等)が搬送ロボットのハンドに付着し、その汚染物が基板に転移して基板の処理不良が発生することもある。
【0007】
本発明の目的は、基板搬送手段の保持部を清浄に維持することが可能な保持部洗浄システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)第1の発明に係る基板処理装置は、基板に処理を行う処理ユニットと、基板を保持する保持部および保持部を移動させる移動機構を含み、所定位置と処理ユニットとの間で基板を搬送する基板搬送手段と、処理ユニットおよび基板搬送手段を制御する制御手段と、基板搬送手段による基板の搬送経路および処理ユニットの少なくとも一方に設けられ、基板搬送手段の保持部を洗浄する保持部洗浄手段とを備え、保持部洗浄手段は、基板を水平姿勢で保持しつつ回転させる基板保持回転手段を含み、制御部は、保持部の洗浄時に、基板保持回転手段により回転する基板に保持部が接触するように基板保持回転手段および移動機構を制御するものである。
【0009】
その基板処理装置においては、基板搬送手段により所定位置と処理ユニットとの間で基板が搬送され、処理ユニットにより基板に処理が行われる。また、基板搬送手段による基板の搬送経路および処理ユニットの少なくとも一方において、保持部洗浄手段により基板搬送手段の保持部が洗浄される。
【0010】
保持部の洗浄時には、基板保持回転手段により、基板が水平姿勢で保持されて回転する。その状態で、その基板に接触するように保持部が移動機構によって移動する。この場合、基板と保持部との摩擦によって保持部に付着する汚染物が取り除かれる。
【0011】
これにより、基板搬送手段の保持部を清浄に維持することができる。したがって、処理ユニットによる処理前または処理後の基板に保持部を介して汚染物が転移すること、および保持部から基板処理装置内に汚染物が落下することが防止される。その結果、基板の処理不良および基板処理装置の動作不良の発生が防止される。
【0012】
また、人手を必要とせずに保持部を清浄に維持することができるので、使用者の作業負担の増大を抑制することができる。
【0013】
(2)処理ユニットは、保持部洗浄手段の基板保持回転手段と共通に設けられる第1の基板保持回転装置と、第1の基板保持回転装置により回転する基板に処理を行う処理手段とを含み、制御部は、保持部の洗浄時に、第1の基板保持回転装置により回転する基板に保持部が接触するように第1の基板保持回転装置および移動機構を制御してもよい。
【0014】
この場合、基板の処理時には、第1の基板保持回転装置によって基板が保持されて回転し、処理手段によりその基板に処理が行われる。保持部の洗浄時には、第1の基板保持回転装置によって基板が保持されて回転し、その基板に接触するように保持部が移動する。
【0015】
このように、処理ユニットの第1の基板保持回転装置が、基板の処理時と保持部の洗浄時とで兼用されることにより、基板処理装置の大型化およびコストの増大が抑制される。
【0016】
(3)基板処理装置は、搬送経路に設けられ、基板が一時的に載置される基板載置部をさらに備え、基板載置部は、保持部洗浄手段の基板保持回転手段と共通に設けられる第2の基板保持回転装置を含み、制御部は、保持部の洗浄時に、第2の基板保持回転装置により回転する基板に保持部が接触するように第2の基板保持回転装置および移動機構を制御してもよい。
【0017】
この場合、基板の処理時には、基板搬送手段によって搬送される基板が基板載置部に一時的に載置される。保持部の洗浄時には、基板載置部において、第2の基板保持回転装置により基板が保持されて回転し、その基板に接触するように保持部が移動する。
【0018】
このように、基板搬送手段による基板の搬送経路において保持部の洗浄が行われることにより、保持部の洗浄のためのスペースを基板の処理のためのスペースと別個に確保する必要がない。したがって、基板処理装置の大型化およびコストの増大が抑制される。
【0019】
(4)基板保持回転手段は、保持部の洗浄時に、洗浄用の基板を保持し、洗浄用の基板の外周部は、柔軟性を有する洗浄部材を有してもよい。
【0020】
この場合、基板保持回転手段によって保持されて回転する洗浄用の基板に保持部を接触させることにより、柔軟性を有する洗浄部材によって保持部に付着する汚染物を確実に取り除くことができる。それにより、基板搬送手段の保持部をより清浄に維持することができる。
【0021】
(5)基板処理装置は、保持部の洗浄後に、基板保持回転手段により回転する基板に洗浄液を供給する洗浄液供給手段をさらに備えてもよい。
【0022】
この場合、保持部の洗浄後に基板に洗浄液を供給することにより、保持部から基板に転移した汚染物を洗い流すことができる。それにより、同一の基板を保持部の洗浄に繰り返し使用することが可能となる。
【0023】
(6)保持部は、基板の外周端部を支持する支持部材を含み、制御手段は、基板保持回転手段により回転する基板の外周端部に保持部の支持部材が接触するように基板保持回転手段および移動機構を制御してもよい。
【0024】
この場合、支持部材によって基板の外周端部が支持されることにより、保持部と基板との接触面積が小さくなる。そのため、保持部と基板との間の汚染物の転移が抑制される。また、基板保持回転手段により回転する基板の外周端部に保持部の支持部材が接触することにより、支持部材に付着する汚染物が取り除かれる。それにより、処理ユニットによる処理前または処理後の基板に支持部材を介して汚染物が転移すること、および支持部材から基板処理装置内に汚染物が落下することが十分に防止される。
【0025】
(7)第2の発明に係る保持部洗浄システムは、基板搬送手段において基板を保持する保持部を洗浄する保持部洗浄システムであって、基板を水平姿勢で保持しつつ回転させる基板保持回転手段と、基板保持回転手段により回転する基板に保持部が接触するように基板保持回転手段および基板搬送手段を制御する制御手段とを備えるものである。
【0026】
その保持部洗浄システムにおいては、基板保持回転手段により、基板が水平姿勢で保持されて回転する。その状態で、基板搬送手段の保持部が、回転する基板に接触する。この場合、基板と保持部との摩擦によって保持部に付着する汚染物が取り除かれる。
【0027】
これにより、基板搬送手段の保持部を清浄に維持することができる。したがって、種々の処理が施されるべき基板に保持部を介して汚染物が転移することが防止される。その結果、基板の処理不良の発生が防止される。
【0028】
また、人手を必要とせずに基板搬送手段の保持部を清浄に維持することができるので、使用者の作業負担の増大を抑制することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、基板搬送手段の保持部を清浄に維持することができる。したがって、処理ユニットによる処理前または処理後の基板に保持部を介して汚染物が転移すること、および保持部から基板処理装置内に汚染物が落下することが防止される。その結果、基板の処理不良および基板処理装置の動作不良の発生が防止される。また、人手を必要とせずに保持部を清浄に維持することができるので、使用者の作業負担の増大を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態に係る基板処理装置について図面を用いて説明する。以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等をいう。
【0031】
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。なお、図1ならびに後述する図2〜図4には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。なお、各方向において矢印が向かう方向を+方向、その反対の方向を−方向とする。また、Z方向を中心とする回転方向をθ方向としている。
【0032】
図1に示すように、基板処理装置500は、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14およびインターフェースブロック15を含む。また、インターフェースブロック15に隣接するように露光装置16が配置される。露光装置16においては、液浸法により基板Wに露光処理が行われる。
【0033】
以下、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14およびインターフェースブロック15の各々を処理ブロックと呼ぶ。
【0034】
インデクサブロック9は、各処理ブロックの動作を制御するメインコントローラ(制御部)30、複数のキャリア載置台40およびインデクサロボットIRを含む。インデクサロボットIRには、基板Wを受け渡すためのハンドIRHが設けられる。
【0035】
反射防止膜用処理ブロック10は、反射防止膜用熱処理部100,101、反射防止膜用塗布処理部50および第1のセンターロボットCR1を含む。反射防止膜用塗布処理部50は、第1のセンターロボットCR1を挟んで反射防止膜用熱処理部100,101に対向して設けられる。第1のセンターロボットCR1には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH1,CRH2が上下に設けられる。
【0036】
インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間には、雰囲気遮断用の隔壁17が設けられる。この隔壁17には、基板載置部PASS1,PASS2および洗浄用基板収容部ST1が上下に積層配置される。基板載置部PASS1は、基板Wをインデクサブロック9から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に用いられ、基板載置部PASS2は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からインデクサブロック9へ搬送する際に用いられる。洗浄用基板収容部ST1には、第1のセンターロボットCR1のハンドCRH1,CRH2を洗浄するための洗浄用基板が収納される。洗浄用基板としては、例えば未処理の基板Wが用いられる。
【0037】
また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示せず)が設けられている。それにより、基板載置部PASS1,PASS2において基板Wが載置されているか否かの判定を行うことが可能となる。また、基板載置部PASS1,PASS2には、固定設置された複数本の支持ピンが設けられている。なお、上記の光学式のセンサおよび支持ピンは、後述する基板載置部PASS3〜PASS13にも同様に設けられる。
【0038】
洗浄用基板収容部ST1は基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を有し、固定設置された複数本の支持ピン上に洗浄用基板が載置されている。後述の洗浄用基板収容部ST2〜ST7は、洗浄用基板収容部ST1と同様の構成を有する。
【0039】
レジスト膜用処理ブロック11は、レジスト膜用熱処理部110,111、レジスト膜用塗布処理部60および第2のセンターロボットCR2を含む。レジスト膜用塗布処理部60は、第2のセンターロボットCR2を挟んでレジスト膜用熱処理部110,111に対向して設けられる。第2のセンターロボットCR2には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH3,CRH4が上下に設けられる。
【0040】
反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間には、雰囲気遮断用の隔壁18が設けられる。この隔壁18には、基板載置部PASS3,PASS4および洗浄用基板収容部ST2が上下に積層配置される。基板載置部PASS3は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられ、基板載置部PASS4は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に用いられる。洗浄用基板収容部ST2には、第2のセンターロボットCR2のハンドCRH3,CRH4を洗浄するための洗浄用基板が収納される。
【0041】
現像処理ブロック12は、現像用熱処理部120,121、現像処理部70および第3のセンターロボットCR3を含む。現像処理部70は、第3のセンターロボットCR3を挟んで現像用熱処理部120,121に対向して設けられる。第3のセンターロボットCR3には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH5,CRH6が上下に設けられる。
【0042】
レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間には、雰囲気遮断用の隔壁19が設けられる。この隔壁19には、基板載置部PASS5,PASS6および洗浄用基板収容部ST3が上下に積層配置される。基板載置部PASS5は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から現像処理ブロック12へ搬送する際に用いられ、基板載置部PASS6は、基板Wを現像処理ブロック12からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられる。洗浄用基板収容部ST3には、第3のセンターロボットCR3のハンドCRH5,CRH6を洗浄するための洗浄用基板が収納される。
【0043】
レジストカバー膜用処理ブロック13は、レジストカバー膜用熱処理部130,131、レジストカバー膜用塗布処理部80および第4のセンターロボットCR4を含む。レジストカバー膜用塗布処理部80は、第4のセンターロボットCR4を挟んでレジストカバー膜用熱処理部130,131に対向して設けられる。第4のセンターロボットCR4には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH7,CRH8が上下に設けられる。
【0044】
現像処理ブロック12とレジストカバー膜用処理ブロック13との間には、雰囲気遮断用の隔壁20が設けられる。この隔壁20には、基板載置部PASS7,PASS8および洗浄用基板収容部ST4が上下に積層配置される。基板載置部PASS7は、基板Wを現像処理ブロック12からレジストカバー膜用処理ブロック13へ搬送する際に用いられ、基板載置部PASS8は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック13から現像処理ブロック12へ搬送する際に用いられる。洗浄用基板収容部ST4には、第4のセンターロボットCR4のハンドCRH7,CRH8を洗浄するための洗浄用基板が収納される。
【0045】
レジストカバー膜除去ブロック14は、露光後ベーク用熱処理部140,141、レジストカバー膜除去用処理部90および第5のセンターロボットCR5を含む。露光後ベーク用熱処理部141はインターフェースブロック15に隣接し、後述するように、基板載置部PASS11,PASS12を備える。レジストカバー膜除去用処理部90は、第5のセンターロボットCR5を挟んで露光後ベーク用熱処理部140,141に対向して設けられる。第5のセンターロボットCR5には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH9,CRH10が上下に設けられる。
【0046】
レジストカバー膜用処理ブロック13とレジストカバー膜除去ブロック14との間には、雰囲気遮断用の隔壁21が設けられる。この隔壁21には、基板載置部PASS9,PASS10および洗浄用基板収容部ST5が上下に積層配置される。基板載置部PASS9は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック13からレジストカバー膜除去ブロック14へ搬送する際に用いられ、基板載置部PASS10は、基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14からレジストカバー膜用処理ブロック13へ搬送する際に用いられる。洗浄用基板収容部ST5には、第5のセンターロボットCR5のハンドCRH9,CRH10を洗浄するための洗浄用基板が収納される。
【0047】
インターフェースブロック15は、送りバッファ部SBF、洗浄/乾燥処理ユニットSD1、第6のセンターロボットCR6、エッジ露光部EEW、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットPASS−CP(以下、P−CPと略記する)、基板載置部PASS13、洗浄用基板収容部ST6,ST7、インターフェース用搬送機構IFRおよび洗浄/乾燥処理ユニットSD2を含む。なお、洗浄/乾燥処理ユニットSD1は、露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理を行い、洗浄/乾燥処理ユニットSD2は、露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理を行う。
【0048】
また、第6のセンターロボットCR6には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH11,CRH12(図4参照)が上下に設けられ、インターフェース用搬送機構IFRには、基板Wを受け渡すためのハンドH1,H2(図4参照)が上下に設けられる。インターフェースブロック15の詳細については後述する。
【0049】
本実施の形態に係る基板処理装置500においては、Y方向に沿ってインデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14およびインターフェースブロック15が順に並設されている。
【0050】
図2は、図1の基板処理装置500を+X方向から見た概略側面図であり、図3は、図1の基板処理装置500を−X方向から見が概略側面図である。なお、図2においては、基板処理装置500の+X側に設けられるものを主に示し、図3においては、基板処理装置500の−X側に設けられるものを主に示している。
【0051】
まず、図2を用いて、基板処理装置500の+X側の構成について説明する。図2に示すように、反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用塗布処理部50(図1参照)には、3個の塗布ユニットBARCが上下に積層配置されている。各塗布ユニットBARCは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック51およびスピンチャック51上に保持された基板Wに反射防止膜の塗布液を供給する供給ノズル52を備える。また、各塗布ユニットBARCは、洗浄用基板に洗浄液を供給する洗浄ノズル55(後述の図6参照)を備える。
【0052】
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用塗布処理部60(図1参照)には、3個の塗布ユニットRESが上下に積層配置されている。各塗布ユニットRESは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック61およびスピンチャック61上に保持された基板Wにレジスト膜の塗布液を供給する供給ノズル62を備える。また、各塗布ユニットRESは、洗浄用基板に洗浄液を供給する洗浄ノズル(図示せず)を備える。
【0053】
現像処理ブロック12の現像処理部70には、5個の現像処理ユニットDEVが上下に積層配置されている。各現像処理ユニットDEVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック71およびスピンチャック71上に保持された基板Wに現像液を供給する供給ノズル72を備える。また、各現像処理ユニットDEVは、洗浄用基板に洗浄液を供給する洗浄ノズル(図示せず)を備える。
【0054】
レジストカバー膜用処理ブロック13のレジストカバー膜用塗布処理部80には、3個の塗布ユニットCOVが上下に積層配置されている。各塗布ユニットCOVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック81およびスピンチャック81上に保持された基板Wにレジストカバー膜の塗布液を供給する供給ノズル82を備える。レジストカバー膜の塗布液としては、レジストおよび水との親和力が低い材料(レジストおよび水との反応性が低い材料)を用いることができる。例えば、フッ素樹脂である。塗布ユニットCOVは、基板Wを回転させながら基板W上に塗布液を塗布することにより、基板W上に形成されたレジスト膜上にレジストカバー膜を形成する。また、各塗布ユニットCOVは、洗浄用基板に洗浄液を供給する洗浄ノズル(図示せず)を備える。
【0055】
レジストカバー膜除去ブロック14のレジストカバー膜除去用処理部90には、3個の除去ユニットREMが上下に積層配置されている。各除去ユニットREMは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック91およびスピンチャック91上に保持された基板Wに剥離液(例えばフッ素樹脂)を供給する供給ノズル92を備える。除去ユニットREMは、基板Wを回転させながら基板W上に剥離液を塗布することにより、基板W上に形成されたレジストカバー膜を除去する。また、各除去ユニットREMは、洗浄用基板に洗浄液を供給する洗浄ノズル(図示せず)を備える。
【0056】
なお、除去ユニットREMにおけるレジストカバー膜の除去方法は上記の例に限定されない。例えば、基板Wの上方においてスリットノズルを移動させつつ基板W上に剥離液を供給することによりレジストカバー膜を除去してもよい。
【0057】
インターフェースブロック15内の+X側には、エッジ露光部EEWおよび3個の洗浄/乾燥処理ユニットSD2が上下に積層配置される。各エッジ露光部EEWは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック98およびスピンチャック98上に保持された基板Wの周縁を露光する光照射器99を備える。各洗浄/乾燥処理ユニットSD2は、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック105およびスピンチャック105上に保持された基板Wに洗浄液または不活性ガスを供給する供給ノズル(図示せず)を備える。また、各洗浄/乾燥処理ユニットSD2は、洗浄用基板に洗浄液を供給する洗浄ノズル(図示せず)を備える。
【0058】
次に、図3を用いて、基板処理装置500の−X側の構成について説明する。図3に示すように、反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用熱処理部100,101には、2個の加熱ユニット(ホットプレート)HPおよび2個の冷却ユニット(クーリングプレート)CPがそれぞれ積層配置される。また、反射防止膜用熱処理部100,101には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0059】
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用熱処理部110,111には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、レジスト膜用熱処理部110,111には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0060】
現像処理ブロック12の現像用熱処理部120,121には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、現像用熱処理部120,121には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0061】
レジストカバー膜用処理ブロック13のレジストカバー膜用熱処理部130,131には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、レジストカバー膜用熱処理部130,131には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0062】
レジストカバー膜除去ブロック14の露光後ベーク用熱処理部140には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置され、露光後ベーク用熱処理部141には2個の加熱ユニットHP、2個の冷却ユニットCPおよび基板載置部PASS11,PASS12が上下に積層配置される。また、露光後ベーク用熱処理部140,141には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0063】
インターフェースブロック15内の−X側には、送りバッファ部SBFおよび3個の洗浄/乾燥処理ユニットSD1が上下に積層配置される。各洗浄/乾燥処理ユニットSD1は、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック106およびスピンチャック106上に保持された基板Wに洗浄液または不活性ガスを供給する供給ノズル(図示せず)を備える。また、各洗浄/乾燥処理ユニットSD1は、洗浄用基板に洗浄液を供給する洗浄ノズル(図示せず)を備える。
【0064】
次に、図4を用いてインターフェースブロック15について詳細に説明する。
【0065】
図4は、インターフェースブロック15を+Y側から見た概略側面図である。図4に示すように、インターフェースブロック15内において、−X側には、送りバッファ部SBFおよび3個の洗浄/乾燥処理ユニットSD1が積層配置される。また、インターフェースブロック15内において、+X側の上部には、エッジ露光部EEWが配置される。
【0066】
エッジ露光部EEWの下方において、インターフェースブロック15内の略中央部には、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットP−CP、基板載置部PASS13および洗浄用基板収容部ST6,ST7が上下に積層配置される。洗浄用基板収容部ST6には、第6のセンターロボットCR6のハンドCRH11,CRH12を洗浄するための洗浄用基板が収納され、洗浄用基板収容部ST7には、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1,H2を洗浄するための洗浄用基板が収納される。エッジ露光部EEWの下方において、インターフェースブロック15内の+X側には、3個の洗浄/乾燥処理ユニットSD2が上下に積層配置される。
【0067】
また、インターフェースブロック15内の下部には、第6のセンターロボットCR6およびインターフェース用搬送機構IFRが設けられている。第6のセンターロボットCR6は、送りバッファ部SBFおよび洗浄/乾燥処理ユニットSD1と、エッジ露光部EEW、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットP−CP、基板載置部PASS13および洗浄用基板収容部ST6との間で上下動可能かつ回動可能に設けられている。インターフェース用搬送機構IFRは、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットP−CP、基板載置部PASS13および洗浄用基板収容部ST7と、洗浄/乾燥処理ユニットSD2との間で上下動可能かつ回動可能に設けられている。
【0068】
(2)基板処理装置の動作
次に、基板Wの処理時における基板処理装置500の動作について図1〜図4を参照しながら説明する。
【0069】
(2−1)インデクサブロック〜レジストカバー膜除去ブロックの動作
まず、インデクサブロック9〜レジストカバー膜除去ブロック14の動作について簡単に説明する。
【0070】
インデクサブロック9のキャリア載置台40の上には、複数枚の基板Wを多段に収納するキャリアCが搬入される。インデクサロボットIRは、ハンドIRHを用いてキャリアC内に収納された未処理の基板Wを取り出す。その後、インデクサロボットIRは±X方向に移動しつつ±θ方向に回転移動し、未処理の基板Wを基板載置部PASS1に載置する。
【0071】
本実施の形態においては、キャリアCとしてFOUP(front opening unified pod)を採用しているが、これに限定されず、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)等を用いてもよい。
【0072】
さらに、インデクサロボットIR、第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6およびインターフェース用搬送機構IFRには、それぞれ基板Wに対して直線的にスライドさせてハンドの進退動作を行う直動型搬送ロボットを用いているが、これに限定されず、関節を動かすことにより直線的にハンドの進退動作を行う多関節型搬送ロボットを用いてもよい。
【0073】
基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wは、反射防止膜用処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により受け取られる。第1のセンターロボットCR1は、その基板Wを反射防止膜用熱処理部100,101に搬入する。
【0074】
その後、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用熱処理部100,101から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを反射防止膜用塗布処理部50に搬入する。この反射防止膜用塗布処理部50では、露光時に発生する低在波やハレーションを減少させるために、塗布ユニットBARCにより基板W上に反射防止膜が塗布形成される。
【0075】
次に、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用塗布処理部50から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを反射防止膜用熱処理部100,101に搬入する。その後、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用熱処理部100,101から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS3に載置する。
【0076】
基板載置部PASS3に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により受け取られる。第2のセンターロボットCR2は、その基板Wをレジスト膜用熱処理部110,111に搬入する。
【0077】
その後、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用熱処理部110,111から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジスト膜用塗布処理部60に搬入する。このレジスト膜用塗布処理部60では、塗布ユニットRESにより反射防止膜が塗布形成された基板W上にレジスト膜が塗布形成される。
【0078】
次に、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用塗布処理部60から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジスト膜用熱処理部110,111に搬入する。その後、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用熱処理部110,111から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS5に載置する。
【0079】
基板載置部PASS5に載置された基板Wは、現像処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wを基板載置部PASS7に載置する。
【0080】
基板載置部PASS7に載置された基板Wは、レジストカバー膜用処理ブロック13の第4のセンターロボットCR4により受け取られる。第4のセンターロボットCR4は、その基板Wをレジストカバー膜用塗布処理部80に搬入する。このレジストカバー膜用塗布処理部80では、塗布ユニットCOVによりレジスト膜が塗布形成された基板W上にレジストカバー膜が塗布形成される。ジストカバー膜が形成されることにより、露光装置16において基板Wが液体と接触しても、レレジスト膜が液体と接触することが防止され、レジストの成分が液体中に溶出することが防止される。
【0081】
次に、第4のセンターロボットCR4は、レジストカバー膜用塗布処理部80から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジストカバー膜用熱処理部130,131に搬入する。その後、第4のセンターロボットCR4は、レジストカバー膜用熱処理部130,131から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS9に載置する。
【0082】
基板載置部PASS9に載置された基板Wは、レジストカバー膜除去ブロック14の第5のセンターロボットCR5により受け取られる。第5のセンターロボットCR5は、その基板Wを基板載置部PASS11に載置する。
【0083】
基板載置部PASS11に載置された基板Wは、インターフェースブロック15の第6のセンターロボットCR6により受け取られ、後述するように、インターフェースブロック15および露光装置16において所定の処理が施される。インターフェースブロック15および露光装置16において基板Wに所定の処理が施された後、その基板Wは、第6のセンターロボットCR6によりレジストカバー膜除去ブロック14の露光後ベーク用熱処理部141に搬入される。
【0084】
露光後ベーク用熱処理部141においては、基板Wに対して露光後ベーク(PEB)が行われる。その後、第6のセンターロボットCR6は、露光後ベーク用熱処理部141から基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS12に載置する。
【0085】
なお、本実施の形態においては露光後ベーク用熱処理部141により露光後ベークを行っているが、露光後ベーク用熱処理部140により露光後ベークを行ってもよい。
【0086】
基板載置部PASS12に載置された基板Wは、レジストカバー膜除去ブロック14の第5のセンターロボットCR5により受け取られる。第5のセンターロボットCR5は、その基板Wをレジストカバー膜除去用処理部90に搬入する。レジストカバー膜除去用処理部90においては、レジストカバー膜が除去される。
【0087】
次に、第5のセンターロボットCR5は、レジストカバー膜除去用処理部90から処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS10に載置する。
【0088】
基板載置部PASS10に載置された基板Wは、レジストカバー膜用処理ブロック13の第4のセンターロボットCR4により基板載置部PASS8に載置される。
【0089】
基板載置部PASS8に載置された基板Wは、現像処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wを現像処理部70に搬入する。現像処理部70においては、露光された基板Wに対して現像処理が施される。
【0090】
次に、第3のセンターロボットCR3は、現像処理部70から現像処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを現像用熱処理部120,121に搬入する。その後、第3のセンターロボットCR3は、現像用熱処理部120,121から熱処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS6に載置する。
【0091】
基板載置部PASS6に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により基板載置部PASS4に載置される。基板載置部PASS4に載置された基板Wは反射防止膜用処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により基板載置部PASS2に載置される。
【0092】
基板載置部PASS2に載置された基板Wは、インデクサブロック9のインデクサロボットIRによりキャリアC内に収納される。これにより、基板処理装置500における基板Wの各処理が終了する。
【0093】
(2−2)インターフェースブロックの動作
次に、インターフェースブロック15の動作について詳細に説明する。
【0094】
上述したように、インデクサブロック9に搬入された基板Wは、所定の処理を施された後、レジストカバー膜除去ブロック14(図1)の基板載置部PASS11に載置される。
【0095】
基板載置部PASS11に載置された基板Wは、インターフェースブロック15の第6のセンターロボットCR6により受け取られる。第6のセンターロボットCR6は、その基板Wをエッジ露光部EEW(図4)に搬入する。このエッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部に露光処理が施される。
【0096】
次に、第6のセンターロボットCR6は、エッジ露光部EEWからエッジ露光済みの基板Wを取り出し、その基板Wを洗浄/乾燥処理ユニットSD1のいずれかに搬入する。洗浄/乾燥処理ユニットSD1においては、上述したように露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
【0097】
ここで、露光装置16による露光処理の時間は、通常、他の処理工程および搬送工程よりも長い。その結果、露光装置16が後の基板Wの受け入れをできない場合が多い。この場合、基板Wは送りバッファ部SBF(図4)に一時的に収納保管される。本実施の形態では、第6のセンターロボットCR6は、洗浄/乾燥処理ユニットSD1から洗浄および乾燥処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを送りバッファ部SBFに搬送する。
【0098】
次に、第6のセンターロボットCR6は、送りバッファ部SBFに収納保管されている基板Wを取り出し、その基板Wを載置兼冷却ユニットP−CPに搬入する。載置兼冷却ユニットP−CPに搬入された基板Wは、露光装置16内と同じ温度(例えば、23℃)に維持される。
【0099】
なお、露光装置16が十分な処理速度を有する場合には、送りバッファ部SBFに基板Wを収納保管せずに、洗浄/乾燥処理ユニットSD1から載置兼冷却ユニットP−CPに基板Wを搬送してもよい。
【0100】
続いて、載置兼冷却ユニットP−CPで上記所定温度に維持された基板Wが、インターフェース用搬送機構IFRの上側のハンドH1(図4)により受け取られ、露光装置16内の基板搬入部16a(図1)に搬入される。
【0101】
露光装置16において露光処理が施された基板Wは、インターフェース用搬送機構IFRの下側のハンドH2(図4)により基板搬出部16b(図1)から搬出される。インターフェース用搬送機構IFRは、ハンドH2により、その基板Wを洗浄/乾燥処理ユニットSD2のいずれかに搬入する。洗浄/乾燥処理ユニットSD2においては、上述したように露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
【0102】
洗浄/乾燥処理ユニットSD2において洗浄および乾燥処理が施された基板Wは、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1(図4)により取り出される。インターフェース用搬送機構IFRは、ハンドH1により、その基板Wを基板載置部PASS13に載置する。
【0103】
基板載置部PASS13に載置された基板Wは、第6のセンターロボットCR6により受け取られる。第6のセンターロボットCR6は、その基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14(図1)の露光後ベーク用熱処理部141に搬送する。
【0104】
なお、除去ユニットREM(図2)の故障等により、レジストカバー膜除去ブロック14が一時的に基板Wの受け入れをできないときは、戻りバッファ部RBFに露光処理後の基板Wを一時的に収納保管することができる。
【0105】
ここで、本実施の形態においては、第6のセンターロボットCR6は、基板載置部PASS11(図1)、エッジ露光部EEW、洗浄/乾燥処理ユニットSD1、送りバッファ部SBF、載置兼冷却ユニットP−CP、基板載置部PASS13および露光後ベーク用熱処理部141の間で基板Wを搬送するが、この一連の動作を短時間(例えば、24秒)で行うことができる。
【0106】
また、インターフェース用搬送機構IFRは、載置兼冷却ユニットP−CP、露光装置16、洗浄/乾燥処理ユニットSD2および基板載置部PASS13の間で基板Wを搬送するが、この一連の動作を短時間(例えば、24秒)で行うことができる。
【0107】
これらの結果、スループットを確実に向上させることができる。
【0108】
(3)ハンド洗浄処理
基板処理装置500では、第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6のハンドCRH1〜CRH12、およびインターフェース用搬送機構IFRのハンドH1,H2を洗浄するハンド洗浄処理が行われる。以下、その詳細について説明する。なお、以下に示す各構成要素の動作は、図1のメインコントローラ30により制御される。
【0109】
(3−1)基板処理装置の動作の概要
まず、図1〜図4を参照しながらハンド洗浄処理時における基板処理装置500の動作の概要について説明する。なお、ハンド洗浄処理は、ロット間において自動的に行われてもよく、使用者による図示しないコントロールパネルの操作により任意のタイミングで行われてもよい。ハンド洗浄処理時には、上記の基板Wの処理は行われない。
【0110】
反射防止膜用処理ブロック10においては、第1のセンターロボットCR1が洗浄用基板収容部ST1から洗浄用基板を取り出し、その洗浄用基板を塗布ユニットBARCのいずれかに搬入する。塗布ユニットBARCに搬入された基板Wは、スピンチャック51により水平姿勢で保持される。そして、塗布ユニットBARCにおいて第1のセンターロボットCR1のハンドCRH1,CRH2が洗浄用基板により順に洗浄される。塗布ユニットBARCにおける動作の詳細については後述する。その後、第1のセンターロボットCR1が塗布ユニットBARCから洗浄用基板を搬出し、その洗浄用基板を洗浄用基板収容部ST1に戻す。
【0111】
レジスト膜処理用ブロック11においては、第2のセンターロボットCR2が洗浄用基板収容部ST2から洗浄用基板を取り出し、その洗浄用基板を塗布ユニットRESのいずれかに搬入する。塗布ユニットRESに搬入された基板Wは、スピンチャック61により水平姿勢で保持される。そして、塗布ユニットRESにおいて第2のセンターロボットCR2のハンドCRH3,CRH4が洗浄用基板により順に洗浄される。塗布ユニットRESにおける動作の詳細については後述する。その後、第2のセンターロボットCR2が塗布ユニットRESから洗浄用基板を搬出し、その洗浄用基板を洗浄用基板収容部ST2に戻す。
【0112】
現像処理ブロック12においては、第3のセンターロボットCR3が洗浄用基板収容部ST3から洗浄用基板を取り出し、その洗浄用基板を現像処理ユニットDEVにいずれかに搬入する。現像処理ユニットDEVに搬入された基板Wは、スピンチャック71により水平姿勢で保持される。そして、現像処理ユニットDEVにおいて第3のセンターロボットCR3のハンドCRH5,CRH6が洗浄用基板により順に洗浄される。現像処理ユニットDEVにおける動作の詳細については後述する。その後、第3のセンターロボットCR3が現像処理ユニットDEVから洗浄用基板を搬出し、その洗浄用基板を洗浄用基板収容部ST3に戻す。
【0113】
レジストカバー膜用処理ブロック13においては、第4のセンタ−ロボットCR4が洗浄用基板収容部ST4から洗浄用基板を取り出し、その洗浄用基板を塗布ユニットCOVのいずれかに搬入する。塗布ユニットCOVに搬入された基板Wは、スピンチャック81により水平姿勢で保持される。そして、塗布ユニットCOVにおいて第4のセンターロボットCR4のハンドCRH7,CRH8が洗浄用基板により順に洗浄される。塗布ユニットCOVにおける動作の詳細については後述する。その後、第4のセンターロボットCR4が塗布ユニットCOVから洗浄用基板を搬出し、その洗浄用基板を洗浄用基板収容部ST4に戻す。
【0114】
レジストカバー膜除去ブロック14においては、第5のセンターロボットCR5が洗浄用基板収容部ST5から洗浄用基板を取り出し、その洗浄用基板を除去ユニットREMのいずれかに搬入する。除去ユニットREMに搬入された基板Wは、スピンチャック91により水平姿勢で保持される。そして、除去ユニットREMにおいて第5のセンターロボットCR5のハンドCRH9,CRH10が洗浄用基板により順に洗浄される。除去ユニットREMにおける動作の詳細については後述する。その後、第5のセンターロボットCR5が除去ユニットREMから洗浄用基板を搬出し、その洗浄用基板を洗浄用基板収容部ST5に戻す。
【0115】
インターフェースブロック15においては、第6のセンターロボットCR6が洗浄用基板収容部ST6から洗浄用基板を取り出し、その洗浄用基板を洗浄/乾燥処理ユニットSD1に搬入する。洗浄/乾燥処理ユニットSD1に搬入された基板Wは、スピンチャック106(図3)により水平姿勢で保持される。そして、洗浄/乾燥処理ユニットSD1において第6のセンターロボットCR6のハンドCRH11,CRH12が順に洗浄される。洗浄/乾燥処理ユニットSD1における動作の詳細については後述する。その後、第6のセンターロボットCR6が洗浄/乾燥処理ユニットSD1から洗浄用基板を搬出し、その洗浄用基板を洗浄用基板収容部ST6に戻す。
【0116】
また、インターフェースブロック15においては、インターフェース用搬送機構IFRが洗浄用基板収容部ST7から洗浄用基板を取り出し、その洗浄用基板を洗浄/乾燥処理ユニットSD2に搬入する。洗浄/乾燥処理ユニットSD2に搬入された基板Wは、スピンチャック105(図2)により保持される。そして、洗浄/乾燥処理ユニットSD2においてインターフェース用搬送機構IFRのハンドH1,H2が順に洗浄される。洗浄/乾燥処理ユニットSD2における動作の詳細については後述する。その後、インターフェース用搬送機構IFRが洗浄/乾燥処理ユニットSD2から洗浄用基板を搬出し、その洗浄用基板を洗浄用基板収容部ST7に戻す。
【0117】
(3−2)各ロボットのハンドについて
次に、ハンドCRH1の具体的な構成について説明する。なお、ハンドCRH2〜CRH12,H1,H2は、ハンドCRH1と同様の構成を有する。図5(a)はハンドCRH1の具体例を示す平面図である。図5(b)は、図5(a)に示す基板支持部704のP−P線断面図である。
【0118】
図5(a)に示すように、ハンドCRH1は略U字形状を有し、基板Wの外周に沿って湾曲している。ハンドCRH1には、3つの基板支持部704がほぼ等角度間隔で設けられている。図5(b)に示すように、各基板支持部704は、内側下方に傾斜する傾斜面704a、およびその傾斜面704aの下端部から内方に延びる基板支持面704bを有する。基板支持面704bによって基板Wの下面の周縁部が支持されるとともに傾斜面704aによって基板Wが水平方向に位置決めされる。
【0119】
なお、ハンドCRH1〜CRH12,H1,H2の形状は図5の例に限定されない。例えば、ハンドCRH1〜CRH12,H1,H2が基板Wの下面側に延びるような形状を有してもよい。また、基板支持部704の基板支持面704bによって基板Wが支持される代わりに、基板支持部704の傾斜面704aによって基板Wが支持されてもよい。また、ハンドCRH1〜CRH12,H1,H2の形状は同一であっても互いに異なってもよい。
【0120】
(3−3)各ユニットについて
ハンド洗浄処理時には、塗布ユニットBARC,RES,COV、現像処理ユニットDEV、除去ユニットREMおよび洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2において、第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6のハンドCRH1〜CRH12およびインターフェース用搬送機構IFRのハンドH1,H2が洗浄される。以下、ハンド洗浄処理時における塗布ユニットBARC,RES,COV、現像処理ユニットDEV、除去ユニットREMおよび洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2の動作の詳細について、塗布ユニットBARCを例にして説明する。
【0121】
図6は、ハンド洗浄処理時における塗布ユニットBARCの動作を説明するための側面図および平面図である。なお、図6には、塗布ユニットBARCにおいて第1のセンターロボットCR1のハンドCRH1が洗浄される場合が示される。
【0122】
図6(a)に示すように、塗布ユニットBARCは、スピンチャック51および洗浄ノズル55を有する。スピンチャック51は、回転軸512の上端に固定されている。回転軸512は、チャック回転機構511によって回転駆動される。スピンチャック51には吸気路(図示せず)が形成されており、その吸気路内を排気することによってスピンチャック51上に載置された洗浄用基板Waを真空吸着して水平姿勢で保持することができる。
【0123】
洗浄ノズル55はスピンチャック51の斜め上方に設けられている。洗浄ノズル55には洗浄液(例えば純水)を供給するための液供給管56が接続されている。
【0124】
ハンド洗浄処理時には、洗浄用基板Waがスピンチャック51により保持された状態で、チャック回転機構511によってスピンチャック51が回転駆動される。それにより、洗浄用基板Waが回転する。この場合、洗浄用基板Waの回転速度は例えば10rpmに調整される。
【0125】
回転する洗浄用基板Waを取り囲むように、第1のセンターロボットCR1のハンドCRH1が移動する。その状態で、ハンドCRH1が上下方向および水平方向に僅かに往復移動する。それにより、ハンドCRH1の基板支持部704の傾斜面704a(図5(b)参照)および基板支持面704bが、回転する洗浄用基板Waの外周端部に軽く押し当てられる。これにより、ハンドCRH1の基板支持部704の傾斜面704aおよび基板支持面704bに付着する汚染物が洗浄用基板Waによって擦り取られる。
【0126】
所定時間経過後、ハンドCRH1が塗布ユニットBARCから退出するとともにハンドCRH2が塗布ユニットBARC内に進入する。そして、ハンドCRH1と同様にして、ハンドCRH2の基板支持部704の傾斜面704aおよび基板支持面704bが、回転する洗浄用基板Waに押し当てられる。それにより、ハンドCRH2の基板支持部704の傾斜面704aおよび基板支持面704bに付着する汚染物が洗浄用基板Waによって擦り取られる。その後、ハンドCRH2が塗布ユニットBARCから退出する。
【0127】
続いて、洗浄用基板Waの回転が維持された状態で、端部洗浄ノズル55から洗浄用基板Waの外周端部に洗浄液が供給される。これにより、第1のセンターロボットCR1のハンドCRH1,CRH2から洗浄用基板Waの外周端部に転移した汚染物が洗い流される。
【0128】
続いて、スピンチャック51が高速で回転駆動されることによって洗浄用基板Waが高速で回転し、洗浄用基板Waに付着する洗浄液が振り切られる。その後、第1のセンターロボットCR1により洗浄用基板Waが塗布ユニットBARCから搬出される。
【0129】
このようにして、塗布ユニットBARCにおいて第1のセンターロボットCR1のハンドCRH1,CRH2が洗浄される。なお、本例では、ハンドCRH1が先に洗浄されるが、ハンドCRH2が先に洗浄されてもよい。
【0130】
上記のように、塗布ユニットRES,COV、現像処理ユニットDEV、除去ユニットREMおよび洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2には、塗布ユニットBARCのスピンチャック51および洗浄ノズル55と同様のスピンチャック61,71,81,91,105,106および洗浄ノズルが設けられている。
【0131】
そのスピンチャック61,71,81,91,105,106および洗浄ノズルを用いて、塗布ユニットRES,COV、現像処理ユニットDEV、除去ユニットREMおよび洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2においても塗布ユニットBARCと同様の処理が行われる。それにより、第2〜第6のセンターロボットCR2〜CR6のハンドCRH3〜CRH12およびインターフェース用搬送機構IFRのハンドH1,H2が洗浄される。
【0132】
(4)実施の形態の効果
本実施の形態では、ハンド洗浄処理によってハンドCRH1〜CRH12,H1,H2に付着する汚染物が取り除かれる。それにより、ハンドCRH1〜CRH12,H1,H2を清浄に維持することができる。したがって、ハンドCRH1〜CRH12,H1,H2から基板Wに汚染物が転移すること、およびハンドCRH1〜CRH12,H1,H2から基板処理装置500内に汚染物が落下することが防止される。その結果、基板Wの処理不良の発生および基板処理装置500の動作不良の発生が防止される。
【0133】
また、人手を必要とせずにハンドCRH1〜CRH12,H1,H2を清浄に維持することができるので、使用者の作業負担の増大を抑制することができる。
【0134】
また、本実施の形態では、塗布ユニットBARC,RES,COV、現像処理ユニットDEV、除去ユニットREMおよび洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2において、ハンドCRH1〜CRH12,H1,H2の洗浄が行われる。すなわち、基板Wに処理を行うユニットを利用してハンドCRH1〜CRH12,H1,H2の洗浄が行われる。それにより、基板処理装置500の大型化およびコストの増大を抑制することができる。
【0135】
(5)洗浄用基板の他の例
上記実施の形態では、洗浄用基板Waとして未処理の基板Wを用いたが、図7に示す洗浄用基板を用いてもよい。
【0136】
図7は、洗浄用基板の他の例を示す平面図である。図7の洗浄用基板Wbの外周端部には、洗浄用部材Woが取り付けられている。洗浄用部材Woは、例えばスポンジまたはゴム等の軟質材料からなる。
【0137】
洗浄用基板Wbを用いる場合のハンド洗浄処理の例について、塗布ユニットBARCにおける処理を例として上記実施の形態と異なる点を説明する。
【0138】
塗布ユニットBARCにおいて、洗浄用基板Wbはスピンチャック51により保持されるとともにスピンチャック51の回転に伴い回転する。続いて、洗浄ノズル55から回転する洗浄用基板Wbの洗浄用部材Woに洗浄液が供給される。この場合、洗浄液としてアセトンまたはシンナー等の溶剤が用いられる。これにより、洗浄用基板Wbの洗浄用部材Woが溶剤を含有した状態となる。
【0139】
その状態で、上記実施の形態と同様に第1のセンターロボットCR1のハンドCRH1,CRH2の基板支持部704の傾斜面704aおよび基板支持面704bが洗浄用基板Wbの外周端部に押し当てられる。
【0140】
図8は、洗浄用基板WbとハンドCRH1,CRH2の基板支持部704との接触状態を示す図である。図8に示すように、洗浄用基板Wbを用いた場合には、基板支持部704の傾斜面704aおよび基板支持面704bが、回転する洗浄用基板Wbの洗浄用部材Woに接触する。それにより、基板支持部704の傾斜面704aおよび基板支持面704bに付着する汚染物が洗浄用部材Woによって磨き取られる。
【0141】
このように、洗浄用基板Wbを用いた場合には、アセトンまたはシンナー等の溶剤を用いてハンドCRH1,CRH2の洗浄を行うことができるので、ハンドCRH1,CRH2に付着する汚染物をより確実に取り除くことができる。
【0142】
(6)インデクサ洗浄機構
インデクサロボットIRのハンドIRHを洗浄するための洗浄機構(以下、インデクサ洗浄機構と呼ぶ)を設けてもよい。図9は、インデクサ洗浄機構の一例を示す図である。図9の例では、インデクサ洗浄機構が基板載置部PASS1に設けられる。
【0143】
図9(a)に示すように、基板載置部PASS1は水平に配置された棚板601を有する。棚板601上には、基板Wを支持するための複数本の支持ピン603が設けられている。
【0144】
インデクサ洗浄機構600は、棚板602を貫通するように設けられた回転軸605、その回転軸605の上端に固定されたチャック部606、および回転軸605を昇降駆動および回転駆動する昇降回転駆動部607を含む。ハンド洗浄処理が行われない期間は、チャック部606が支持ピン603よりも低位置に配置される。
【0145】
ハンド洗浄処理時には、インデクサロボットIRが洗浄用基板収容部ST1から洗浄用基板Waを取り出し、その洗浄用基板Waを基板載置部PASS1の支持ピン603上に載置する。
【0146】
その状態で、図9(b)に示すように、昇降回転駆動部607によって回転軸605が上昇する。それにより、支持ピン603上に載置された洗浄用基板Waがチャック部606により受け取られる。チャック部606は、洗浄用基板Waを真空吸着して水平姿勢に保持する。昇降回転駆動部607によって回転軸605が回転駆動されることにより、洗浄用基板Waが回転する。
【0147】
図9(c)に示すように、回転する洗浄用基板Waを取り囲むように、にインデクサロボットIRのハンドIRHが移動する。なお、インデクサロボットIRのハンドIRHは、図5に示したハンドCRH1と同様の構成を有する。
【0148】
その状態で、ハンドIRHが上下方向および水平方向に僅かに往復移動する。それにより、ハンドIRHの基板支持部704(図5参照)の傾斜面704aおよび基板支持面704bが、回転する洗浄用基板Waの外周端部に軽く押し当てられ、基板支持部704の傾斜面704aおよび基板支持面704bに付着する汚染物が擦り取られる。
【0149】
このように、洗浄用基板Waを保持して回転させるインデクサ洗浄機構600を基板載置部PASS1に設けることにより、インデクサロボットIRのハンドIRHの洗浄が可能となる。
【0150】
なお、インデクサ洗浄機構600は、基板載置部PASS2に設けられてもよい。また、インデクサ洗浄機構600を備えたユニットが、隔壁17またはインデクサブロック9内に設けられてもよい。また、洗浄用基板Waの代わりに図7の洗浄用基板Wbを用いてもよい。
【0151】
(7)他の実施の形態
上記実施の形態では、洗浄用基板収容部ST1〜ST7が基板載置部PASS1〜PASS13と同様の構成を有するが、洗浄用基板収容部ST1〜ST7の構成はこれに限らない。例えば、洗浄用基板収容部ST1〜ST7は、洗浄用基板Wa,Wbを密閉空間内に収容するチャンバ構造を有してもよい。その場合、洗浄用基板収容部ST1〜ST7に収容されている洗浄用基板Wa,Wbに塵埃等が付着することが防止される。
【0152】
また、図9において、インデクサロボットIRのハンドIRHを洗浄するためのインデクサ洗浄機構600が基板載置部PASS1に設けられる例が示されるが、インデクサ洗浄機構600と同様の構成の洗浄機構が、基板載置部PASS3〜PASS13に設けられてもよい。その場合、第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6およびインターフェース用搬送機構IFRのハンドIRH,CRH1〜CRH12,H1,H2を基板載置部PASS3〜PASS13において洗浄することが可能となる。
【0153】
また、インターフェースブロック15においては、洗浄用基板Wa,Wbが洗浄用基板収容部ST6,ST7の代わりに送りバッファ部SBFおよび戻りバッファ部RBFの少なくとも一方に収容されてもよい。
【0154】
また、上記実施の形態では、塗布ユニットBARC,RES,COV、現像処理ユニットDEV、除去ユニットREMおよび洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2に、洗浄用基板に洗浄液を供給する洗浄ノズルが設けられるが、洗浄用基板に洗浄液を供給する手段はこれに限らない。例えば、塗布ユニットBARC,RES,COV、現像処理ユニットDEV、除去ユニットREMにおいて、供給ノズル52,62,72,82,92を用いて洗浄用基板に洗浄液を供給してもよい。
【0155】
また、塗布ユニットBARC,RES,COVにおいて、洗浄ノズルを用いて成膜処理後の基板Wにエッジリンス処理を行ってもよい。その場合、基板W上に反射防止膜、レジスト膜またはレジストカバー膜が形成された後、洗浄ノズルから基板Wの周縁部に洗浄液(例えばアセトンまたはシンナー)が供給されることにより、基板Wの周縁部に形成された各膜が除去される。
【0156】
また、ハンド洗浄処理専用のハンド洗浄ユニットが設けられてもよい。その場合、ハンド洗浄ユニットには、スピンチャック51,61,71,81,91,105,106と同様の基板保持回転手段が設けられる。その基板保持回転手段により保持されて回転する洗浄用基板にハンドIRH,CRH1〜CRH12,H1,H2を接触させることにより、ハンドIRH,CRH1〜CRH12,H1,H2に付着する汚染物を取り除くことができる。
【0157】
(8)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0158】
上記実施の形態では、塗布ユニットBARC,RES,COV、現像処理ユニットDEV、除去ユニットREMおよび洗浄/乾燥処理ユニットSD1,SD2が処理ユニットの例であり、ハンドIRH,CRH1〜CRH12,H1,H2が保持部の例であり、インデクサロボットIR,第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6およびインターフェース用搬送機構IFRが移動機構および基板搬送手段の例であり、メインコントローラ30が制御手段の例である。
【0159】
また、スピンチャック51,61,71,81,91,105,106およびインデクサ洗浄機構600が保持部洗浄手段および基板保持回転手段の例であり、スピンチャック51,61,71,81,91,105,106が第1の基板保持回転装置の例であり、供給ノズル52,62,72,82,92が処理手段の例であり、インデクサ洗浄機構600が第2の基板保持回転装置の例であり、洗浄用基板Wbが洗浄用の基板の例であり、洗浄用部材Woが洗浄部材の例であり、洗浄ノズル55が洗浄液供給手段の例であり、基板支持部704が支持部材の例である。
【0160】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0161】
本発明は、基板搬送手段を有する種々の装置において有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。
【図2】図1の基板処理装置を+X方向から見た概略側面図である。
【図3】図1の基板処理装置を−X方向から見た概略側面図である。
【図4】インターフェースブロックを+Y側から見た概略側面図である。
【図5】ハンドの具体的な構成を示す図である。
【図6】ハンド洗浄処理時における塗布ユニットの動作を説明するための側面図および平面図である。
【図7】洗浄用基板の他の例を示す平面図および断面図である。
【図8】図7の洗浄用基板との基板支持部との接触状態を示す図である。
【図9】インデクサ洗浄機構の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0163】
30 メインコントローラ
51,61,71,81,91,105,106 スピンチャック
52,62,72,82,92 供給ノズル
55 洗浄ノズル
500 基板処理装置
600 インデクサ洗浄機構
704 基板支持部
BARC,RES,COV 塗布ユニット
DEV 現像処理ユニット
IR インデクサロボット
IRH,CRH1〜CRH12,H1,H2 ハンド
REM 除去ユニット
SD1,SD2 洗浄/乾燥処理ユニット
CR1〜CR6 第1〜第6のセンターロボット
IFR インターフェース用搬送機構
W 基板
Wo 洗浄用部材
Wa,Wb 洗浄用基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に処理を行う処理ユニットと、
基板を保持する保持部および前記保持部を移動させる移動機構を含み、所定位置と前記処理ユニットとの間で基板を搬送する基板搬送手段と、
前記処理ユニットおよび前記基板搬送手段を制御する制御手段と、
前記基板搬送手段による基板の搬送経路および前記処理ユニットの少なくとも一方に設けられ、前記基板搬送手段の前記保持部を洗浄する保持部洗浄手段とを備え、
前記保持部洗浄手段は、基板を水平姿勢で保持しつつ回転させる基板保持回転手段を含み、
前記制御部は、前記保持部の洗浄時に、前記基板保持回転手段により回転する基板に前記保持部が接触するように前記基板保持回転手段および前記移動機構を制御することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記処理ユニットは、
前記保持部洗浄手段の前記基板保持回転手段と共通に設けられる第1の基板保持回転装置と、
前記第1の基板保持回転装置により回転する基板に処理を行う処理手段とを含み、
前記制御部は、前記保持部の洗浄時に、前記第1の基板保持回転装置により回転する基板に前記保持部が接触するように前記第1の基板保持回転装置および前記移動機構を制御することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記搬送経路に設けられ、基板が一時的に載置される基板載置部をさらに備え、
前記基板載置部は、前記保持部洗浄手段の前記基板保持回転手段と共通に設けられる第2の基板保持回転装置を含み、
前記制御部は、前記保持部の洗浄時に、前記第2の基板保持回転装置により回転する基板に前記保持部が接触するように前記第2の基板保持回転装置および前記移動機構を制御することを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板保持回転手段は、前記保持部の洗浄時に、洗浄用の基板を保持し、前記洗浄用の基板の外周部は、柔軟性を有する洗浄部材を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記保持部の洗浄後に、前記基板保持回転手段により回転する基板に洗浄液を供給する洗浄液供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記保持部は、基板の外周端部を支持する支持部材を含み、
前記制御手段は、前記基板保持回転手段により回転する基板の外周端部に前記保持部の前記支持部材が接触するように前記基板保持回転手段および前記移動機構を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板搬送手段において基板を保持する保持部を洗浄する保持部洗浄システムであって、
基板を水平姿勢で保持しつつ回転させる基板保持回転手段と、
前記基板保持回転手段により回転する基板に前記保持部が接触するように前記基板保持回転手段および前記基板搬送手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする保持部洗浄システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−123801(P2009−123801A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−294073(P2007−294073)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(506322684)株式会社SOKUDO (158)
【Fターム(参考)】