説明

基板検査装置

【課題】プローバフレームの個数やプローバフレームストッカの容積を増やすことなく、多種類のパネル仕様に対するプローバフレームの対応を可能とする。
【解決手段】プローバフレームのコンタクトピンの配置位置を変更自在とし、コンタクトピンの配置位置変更をプローバフレームストッカにおいて行う。真空状態でTFTアレイ基板の検査を行うメインチャンバと、大気側との間及びメインチャンバとの間でTFTアレイ基板の搬出入を行うロードロックチャンバと、プローバフレームを格納するプローバフレームストッカとを備え、プローバフレームストッカ内にプローバフレームのコンタクトピンの配置位置を変更するコンタクトピン配置位置変更部を備える。プローバフレームストッカは、二つのプローバフレームをプローバフレームストッカとメインチャンバとの間で交互に入れ替え、コンタクトピン配置位置変更部は、プローバフレームのコンタクトピンの配置位置を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板検査装置に関し、特に基板検査に用いる治具であるプローバフレームの交換に関し、LCD製造に際に用いるTFTアレイ検査装置に好適である。
【背景技術】
【0002】
TFT(薄膜トランジスタ)をアレイ状に配列した構成として例えば液晶基板があり、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)等に用いられている。
【0003】
TFTを用いて構成される液晶ディスプレイは、TFT及びピクセル電極が形成された一方のガラス基板と対向電極が形成された他方のガラス基板との間に液晶を流しこんだ液晶パネルを基本構造としている。
【0004】
TFT及びピクセル電極が形成されたガラス基板(以下「TFT基板」という。)の検査においては、電子線の電圧コントラスト技術を用いることによって、非接触で基板上の各ピクセルの状態を判定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
電圧コントラスト技術を用いたTFTアレイ検査装置では、検査されるTFT基板は高真空室内に搬送され、ステージ上に配置された状態において検査信号が印加され、このときに電圧状態を検出することでTFTアレイ検査が行われる
【0006】
このようなTFTアレイ検査装置は、電子線発生源、二次電子検出器及びデータ処理手段を備える。電子線発生源は、TFT基板の各ピクセルに電子線を照射し、二次電子検出器は電子線をTFT基板の各ピクセルに照射して発生した二次電子を検出する。また、二次電子検出器は、二次電子の検出量に基づいてピクセルの電圧波形に対応した波形を表わす信号をデータ処理手段(コンピュータシステム等)に出力する。データ処理手段は、二次電子検出器の出力信号を解析して、ピクセルの状態、特に、ピクセルの欠陥の有無や欠陥の内容を検査する。
【0007】
基板検査は、高真空のメインチャンバ内のステージ上に検査対象の基板を搬送し、この基板上にプローバフレームを載せて、基板とプローバフレームとの各電極を接触させ、プローバフレームから基板に検査信号を印加することで行われる。
【0008】
図11は、TFTアレイ基板検査装置の従来構成を説明するための概略図である。TFTアレイ基板検査装置201は、検査対象の基板をメインチャンバ202内に搬出入するために、ロードロックチャンバ203をメインチャンバ202に隣接させて配置している。メインチャンバとロードロックチャンバの配置については、例えば、特許文献2に記載されている。
【0009】
検査対象の基板は、その基板寸法、基板上に形成されるパネルのパターンの形状や寸法、パネルに設けられた電極配置等の各仕様が異なることがある。これらの種々の仕様の基板を検査するには、各仕様に対応した各種プローバフレームが必要になる。そこで、これら各種の基板に対応した各種のプローバフレームを用意して、プローバフレームストッカ204に格納しており、このプローバフレームストッカ204から検査対象の基板に対応したプローバフレームを取り出して、メインチャンバに導入することが行われる。
【0010】
そこで、複数のプローバフレームを格納可能なプローバフレームストッカ204をメインチャンバ202に隣接させて配置し、プローバフレームストッカ204とメインチャンバ202との間でプローバフレーム210を入れ替えることで、検査対象に適したプローバフレーム210をメインチャンバ202内に導入する。
【0011】
なお、ロードロックチャンバ203には大気側との間にゲートバルブ211が設けられ、このロードロックチャンバ203とメインチャンバ202との間にはゲートバルブ212を設け、さらに、メインチャンバ202とプローバフレームストッカ204との間にはゲートバルブ213を設ける。また、メインチャンバ202、ロードロックチャンバ203内には基板を搬送するための搬送機構を設け、プローバフレームストッカ204内にはプローバフレーム210を搬送する搬送機構を設ける。
【0012】
図11(a)〜図11(d)は、プローバフレームの交換の動作例を示している。なお、ここでは、メインチャンバ内に導入されているプローバフレームを、プローバフレームストッカに格納された別のプローバフレームと入れ替える例を示している。図11(a)では、メインチャンバ202内にプローバフレーム210aが設置され、プローバフレームストッカ204にプローバフレーム210b,210cが格納された状態を示している。
【0013】
メインチャンバ202は、通常、真空状態にあるため、メインチャンバ202内に窒素を導入して大気圧とした後にゲートバルブ213を開き、プローバフレーム210aをプローバフレームストッカ204に移動させる(図11(b))。次に、プローバフレームストッカ204を移動させて、次に使用するプローバフレーム210bが格納されている段をメインチャンバ202側の高さに位置合わせする(図11(c))。プローバフレーム210bをメインチャンバ202内に移動させた後、ゲートバルブ213を閉じ、その後メインチャンバ202内を真空引きして検査が可能な状態とする(図11(d))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第5,982,190号明細書
【特許文献2】特開2002−252155公報(段落0017,0018,図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
TFTアレイ基板上には、パネルの他に、パネルとの間で各種信号を授受するために電極が設けられる。この電極の配置位置は、TFTアレイ基板上に形成されるパネルの個数やサイズ等のパネル仕様に応じて異なる。
【0016】
プローバフレームは、TFTアレイ基板に検査信号を供給するために、TFTアレイ基板の電極と電気的に接触するコンタクトピンを備える。このコンタクトピンは、パネル仕様に応じて配置位置を設定する必要がある。
【0017】
従来、各種のパネル仕様に応じたコンタクトピンの配置を設定した専用のプローバフレームを用意してプローバフレームストッカに格納しておき、検査対象のパネル仕様に応じたプローバフレームを選択している。
【0018】
したがって、従来では、パネル仕様ごとに専用のプローバフレームを用意しておく必要があるという問題がある。例えば、パネルサイズが32インチ、40インチ、46インチ、52インチ、60インチの5種類のパネル仕様が設定されたTFTアレイ基板を検査する場合には、各パネル仕様に応じた5種類のプローバフレームを予め用意しておく必要がある。
【0019】
増加するパネル仕様に対してプローバフレームを追加することで対応するには、パネル仕様の種類数だけプローバフレームの個数を用意する必要がある。しかしながら、プローバフレームストッカに収納できるプローバフレームの個数は、プローバフレームストッカの収納量を越えることはできず、限りがあるため、限度を超えて増加するパネル仕様に対して対応することができないという問題がある。
【0020】
また、パネル仕様の増加に対してプローバフレームストッカの収納量を増加させることで対応する場合には、プローバフレームストッカの容積を増加させる必要があり、プローバフレームストッカの容積の増加に伴って検査装置の容積が大きくなる等、プローバフレームの保管場所の問題が発生する。
【0021】
そこで、本発明は上記課題を解決し、TFTアレイ基板検査装置において、プローバフレームの個数やプローバフレームストッカの容積を増やすことなく、多種類のパネル仕様に対するプローバフレームの対応を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を解決するために、本発明は、プローバフレームのコンタクトピンの配置位置を変更自在とし、このプローバフレームのコンタクトピンの配置位置変更をプローバフレームストッカにおいて行う構成とする。これによって、多種類のパネル仕様に対応した限られた個数のプローバフレームでの対応を可能とする。
【0023】
本発明のTFTアレイ基板検査装置は、TFTアレイ基板にプローバフレームのコンタクトピンを通して検査信号を印加し、TFTアレイ基板上で電子線を走査させて検査を行うTFTアレイ検査装置において、真空状態でTFTアレイ基板の検査を行うメインチャンバと、大気側との間及びメインチャンバとの間でTFTアレイ基板の搬出入を行うロードロックチャンバと、プローバフレームを格納するプローバフレームストッカとを備える。
【0024】
本発明のプローバフレームはコンタクトピンの配置位置を変更自在とすると共に、プローバフレームストッカ内に、プローバフレームのコンタクトピンの配置位置を変更するコンタクトピン配置位置変更部を備える。
【0025】
本発明のプローバフレームストッカは、ロードロックチャンバを通して、二つのプローバフレームをプローバフレームストッカとメインチャンバとの間で交互に入れ替えを行い、内部に備えたコンタクトピン配置位置変更部は、プローバフレームのコンタクトピンの配置位置を変更する。メインチャンバ内では、プローバフレームのコンタクトピンを通してTFTアレイ基板に検査信号を印加する。
【0026】
本発明は、二つのプローバフレームの内、一方のプローバフレームをメインチャンバ内に配してTFTアレイ基板の検査等の処理を行っている間に、他方のプローバフレームをプローバフレームストッカ内のコンタクトピン配置位置変更部においてコンタクトピンの配置位置をパネル仕様に応じて変更する。この構成によって、パネル仕様毎にプローバフレームを用意することなく、二つのプローバフレームによって多種類のパネル仕様に対応することができる。
【0027】
プローバフレームのコンタクトピンの配置位置の変更は、メインチャンバ内において一方のプローバフレームを用いてTFTアレイ基板の検査を行っている間に行うことができるため、タクトタイムに影響を与えることなくコンタクトピンの配置位置を変更することができる。
【0028】
本発明のコンタクトピン配置位置変更部は、TFTアレイ基板のパネルレイアウト情報に基づいて、プローバフレームのコンタクトピンの配置位置を変更する。
【0029】
本発明のプローバフレームは、少なくともTFTアレイ基板の外周を囲むフレーム枠とフレーム枠の対向する辺部間において位置を自在とするフレームバーと、フレームバーの長さ方向の任意の位置に着脱自在とするコンタクトピンユニットとを備えた構成を用いることができる。
【0030】
本発明のコンタクトピン配置位置変更部は、上記した構成のプローバフレームにおいて、フレーム枠に対するフレームバーの位置と、フレームバー上のコンタクトピンユニットの位置を変更することによってコンタクトピンの配置位置を変更する。
【0031】
フレーム枠の辺部に対するフレームバーの位置の変更は、パネルレイアウト情報のパネル配置に基づいて行う。また、フレームバーの長さ方向に対するプローバユニットの位置の変更は、パネルレイアウト情報の電極配置に基づいて行う。
【0032】
本発明のTFTアレイ基板検査装置は、プローバフレームストッカとメインチャンバとの間においてプローバフレームで交互に入れ替えるプローバフレーム搬送部を備える。
【0033】
本発明のプローバフレーム搬送部は、プローバフレームを支持するプローバフレーム支持部と、ロードロックチャンバを閉じる天板とを備える。
【0034】
プローバフレーム搬送部の天板は、ロードロックチャンバを介して、メインチャンバとプローバフレームストッカとの間でプローバフレームを交換するときには、天板はプローバフレーム支持部と共に移動するためロードロックチャンバの上部は開放され、プローバフレームを交換することができる。
【0035】
一方、メインチャンバとロードロックチャンバとの間でTFTアレイ基板を搬出入するときには、ロードロックチャンバの上部を閉じ、ロードロックチャンバ内を密閉することができる。
【0036】
本発明のTFTアレイ基板検査装置によれば、プローバフレームの交換をロードロックチャンバとプローバフレームストッカとの間で行い、メインチャンバに対するプローバフレームの導出入はロードロックチャンバとの間で行うため、ロードロックチャンバを真空状態としてメインチャンバとの間でプローバフレームの入れ替えを行うことができる。これによって、メインチャンバはチャンバ内を真空状態に保持したままで、プローバフレームの入れ替えを行うことができる。
【0037】
さらに、大気圧状態に戻す必要がないため、大気圧状態とするために電子銃等の電源を停止する必要がなく、電源を停止したことによって初期状態から駆動状態に至るために要するいわゆる暖機時間が不要となり、検査時間の長時間化を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明のTFTアレイ基板検査装置によれば、プローバフレームの個数やプローバフレームストッカの容積を増やすことなく、多種類のパネル仕様に対するプローバフレームの対応を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明のTFTアレイ基板検査装置を説明するための図である。
【図2】本発明のTFTアレイ基板検査装置を説明するための図である。
【図3】本発明のプローバフレームの構成を説明するための図である。
【図4】本発明のプローバフレームのコンタクトピンの配置位置の変更を説明するための図である。
【図5】本発明のプローバフレームのコンタクトピンの配置位置の変更およびプローバフレームの交換動作の第1の例を説明するための図である。
【図6】本発明のプローバフレームのコンタクトピンの配置位置の変更およびプローバフレームの交換動作の第1の例を説明するための図である。
【図7】本発明のプローバフレームのコンタクトピンの配置位置の変更およびプローバフレームの交換動作の第1の例を説明するための図である。
【図8】本発明のプローバフレームのコンタクトピンの配置位置の変更およびプローバフレームの交換動作の第1の例を説明するための図である。
【図9】本発明のプローバフレームのコンタクトピンの配置位置の変更およびプローバフレームの交換動作の他の例を説明するための図である。
【図10】本発明のプローバフレームのコンタクトピンの配置位置の変更およびプローバフレームの交換動作の他の例を説明するための図である。
【図11】基板検査装置の従来構成を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明のTFTアレイ基板検査装置が検査対象とする基板は、液晶基板等のTFT基板に限らず、有機ELの基板、半導体基板など各種の基板に適用することができる。
【0041】
以下では、本発明のTFTアレイ基板検査装置について図1,2を用いて説明し、プローバフレームの構成について図3,4を用いて説明し、図5〜図8を用いてプローバフレームのコンタクトピンの配置位置の変更およびプローバフレームの交換動作の第1の例について説明し、図9〜図10を用いてプローバフレームのコンタクトピンの配置位置の変更およびプローバフレームの交換動作の第2の例について説明する。
【0042】
本発明のTFTアレイ基板検査装置について、図1,2を用いて説明する。
図1に示すTFTアレイ基板検査装置1は、TFTアレイ基板にプローバフレーム10のコンタクトピンを通して検査信号を印加し、TFTアレイ基板上で電子線を走査させて検査を行うTFTアレイ検査装置である。プローバフレーム10は、コンタクトピンの配置位置を変更自在としている。
【0043】
TFTアレイ基板検査装置1は、真空状態で基板の検査を行うメインチャンバ2と、大気側との間及びメインチャンバ2との間でTFTアレイ基板の搬出入を行うロードロックチャンバ3と、プローバフレーム10を格納するプローバフレームストッカ4とを備える。
【0044】
メインチャンバ2とロードロックチャンバ3との間にはゲートバルブ12が設けられる。TFTアレイ基板およびプローバフレーム10はゲートバルブ12を通して搬出入が行われる。メインチャンバ2には、電子線源8および検出器(二次電子検出器)9が設けられる
【0045】
ロードロックチャンバ3と外部との間にはゲートバルブ11が設けられる。TFTアレイ基板はゲートバルブ11を通して搬出入が行われる。
【0046】
メインチャンバ2の上方にはプローバフレームストッカ4が設けられる。プローバフレームストッカ4は、プローバフレームのコンタクトピンのピン配置位置を変更するコンタクトピン配置位置変更部5および、プローバフレームの交換時にプローバフレームを一時的に保持するプローバフレーム保持部6A,6Bを備える。
【0047】
プローバフレーム保持部6Aは、コンタクトピン配置位置変更部5によるコンタクトピンの配置位置を変更する処理中にプローバフレームを保持する。プローバフレーム保持部6Bは、プローバフレーム10Aとプローバフレーム10Bとを交換する際に、一方のプローバフレームを保持する。
【0048】
メインチャンバ2とロードロックチャンバ3との間にはプローバフレーム搬送部7が設けられる。プローバフレーム搬送部7は、プローバフレーム支持部7aと上板7bを備える。プローバフレーム支持部7aは、メインチャンバ2とロードロックチャンバ3との間の搬出入時においてプローバフレームを支持する。上板7bは、TFTアレイ基板の搬出時において、ロードロックチャンバ3の上方の開口部を閉じ、ロードロックチャンバ3内を密閉する。
【0049】
TFTアレイ基板検査装置1は、各制御部21〜28を備える。
検査信号生成部21は、メインチャンバ2内に搬入されたプローバフレーム10Aに検査信号を供給する。走査制御部22は、メインチャンバ2に設け電子線源8から照射する電子線の走査を制御する。プローバフレーム移動制御部23は、メインチャンバ2内およびメインチャンバ2とロードロックチャンバ3との間におけるプローバフレーム10の移動を制御する。
【0050】
検出信号処理部24は、二次電子検出器等の検出器9で検出した検出信号を信号処理する。欠陥検出部25は、検出信号処理部24で得られた信号に基づいてTFTアレイ基板の欠陥検出を行う。
【0051】
ピン配置位置制御部26は、パネル仕様の情報に基づいてプローバフレームストッカ4内に配置したコンタクトピン配置位置変更部5を制御する。コンタクトピン配置位置変更部5は、プローバフレームストッカ4内のプローバフレーム10Bのピン配置位置を変更する。
【0052】
プローバフレーム搬送制御部27は、プローバフレーム搬送部7を制御し、プローバフレームストッカ4とロードロックチャンバ3との間のプローバフレームの搬送を行う。
【0053】
基板搬送制御部28は、ゲートバルブ11,12および基板搬送装置(図示していない)を制御して、メインチャンバ2とロードロックチャンバ3との間のTFTアレイ基板の搬出動作、およびロードロックチャンバ3と外部との間のTFTアレイ基板の搬出動作を行う。
【0054】
メインチャンバ2内のステージ(図示していない)上には、検査対象であるTFTアレイ基板、およびプローバフレーム10がロードロックチャンバ3を介して搬送され、プローバフレーム10によってTFTアレイ基板に検査信号が印加されるとともに、電子線源8から電子線が照射される。電子線の照射によって、TFTアレイ基板は電圧状態に応じた二次電子を放出す。検出器9(二次電子検出器)はこの二次電子を検出する。二次電子量と電圧状態とは関連性があるため、検出した二次電子量から電圧波形を求め、検出した電圧波形と、正常状態において検査信号を印加した際に検出される電圧波形とを比較する。この電圧波形を比較することによって、基板の欠陥検査を行うことができる。
【0055】
ロードロックチャンバ3は、大気側との間、およびメインチャンバ2との間で、TFTアレイ基板の搬出入を行う他、メインチャンバ2との間でプローバフレーム10の入れ替えを行う。これらのTFTアレイ基板及びプローバフレーム10のチャンバ間の移動は、各チャンバに設けた搬送機構によって行う。なお、ロードロックチャンバ3と大気側との間、ロードロックチャンバ3とメインチャンバ2との間は、各ゲートバルブ11,12の開閉を制御することによって、各チャンバにおける真空引きあるいは窒素等の導入による大気圧への圧力制御を行う。
【0056】
なお、図1、図2では、メインチャンバ2およびロードロックチャンバ3を真空引きする真空ポンプ等に排気機構や、各チャンバ内に窒ガスを導入して大気圧に戻すためのガス導入機構については省略し図示していない。
【0057】
プローバフレームストッカ4は、複数種のプローバフレーム20を格納して保持する部分であり、第2の搬送機構6によって、プローバフレーム20の搬出入を行う。
【0058】
ロードロックチャンバ3の上端は開口部を有し、開口部は上板7bによって開閉自在としている。なお、上板7bによってロードロックチャンバ3の開口部を閉じる場合には、この上板7bはロードロックチャンバ3を閉じる蓋部として作用する。上板7baの下方には、プローバフレーム10を搬送する際にプローバフレーム10を支持するプローバフレーム支持部7aが設けられる。なお、上板7bがロードロックチャンバ3を閉じた状態では、プローバフレーム支持部7a、ロードロックチャンバ3内に収納される。
【0059】
プローバフレーム支持部7aおよび上板7bは、昇降機構(図示していない)によって一体で昇降動作を行う。
【0060】
図2は、プローバフレームストッカ4内のプローバフレーム保持部6Aにプローバフレーム10Aを保持し、プローバフレーム搬送部7のプローバフレーム支持部7aにプローバフレーム10Bを支持した状態を示している。この状態は、プローバフレーム搬送部7のプローバフレーム支持部7aおよび上板7bを昇降機構(図示していない)によって上昇させた状態を示している。
【0061】
図1(a)に示す状態において、上板7bは図示しない昇降機構によってロードロックチャンバ3から上昇してロードロックチャンバ3を開放するとともに、プローバフレーム支持部7aに支持されたプローバフレーム10Bをロードロックチャンバ3の上方に取り出される。なお、ロードロックチャンバ3内が真空状態にある場合には、上板7bを上昇させる前に、ロードロックチャンバ3内に窒素ガス等を導入し、ロードロックチャンバ3内の圧力を大気圧としておく。
【0062】
また、プローバフレーム支持部7aは、プローバフレームストッカ4のプローバフレーム保持部6A,6Bとの間でプローバフレーム10A,10Bの移動を行うことで、プローバフレームの入れ替えを行う。
【0063】
一方、上板7bを下降させ、ロードロックチャンバ3の開口部に当接させてロードロックチャンバ3を閉じるとともに、上板7bの下部に設けられたプローバフレーム支持部7aをロードロックチャンバ3内に導入する。この上板7bを下降させてロードロックチャンバ3を閉じた後には、ロードロックチャンバ3内を真空排気して真空状態とし、ゲートバルブ12を開くことで、真空状態のメインチャンバ2との間でプローバフレーム10の入れ替えを行うことができる。なお、搬送機構は、例えば、ローラ搬送機構を用いることができる。
【0064】
メインチャンバ2内のステージ(図示していない)上には、検査対象であるTFTアレイ基板、およびプローバフレーム10がロードロックチャンバ3を介して搬送される。TFTアレイ基板には、プローバフレーム10によって検査信号が印加され、電子線源8から電子線が照射される。電子線照射によって、TFTアレイ基板はその電圧状態に応じた二次電子を放出する。検出器9(二次電子検出器)は放出された二次電子を検出する。検出信号処理部24は検出した二次電子量から電圧波形を求め、欠陥検出部25は、検出した電圧波形と、正常状態において検査信号を印加した際に検出される電圧波形とを比較して、TFTアレイ基板の欠陥検査を行う。
【0065】
プローバフレーム10は、TFTアレイ基板の電極と電気的に接続するコンタクトピンを備える。TFTアレイ基板の検査を行うには、ステージに載置したTFTアレイ基板にプローバフレームを配置し、TFTアレイ基板とプローバフレームとの間において、電極端子とコンタクトピンを接触させることによって電気的接続を行い、コンタクトピンと電極端子との接続を通してTFTアレイに検査信号を供給する。また、プローバフレームとステージとの間の接続は、プローバフレーム及びステージ側に設けたコネクタにより行われる。
【0066】
図3は本発明のTFTアレイ基板検査装置に用いるプローバフレームを説明するため概略図である。なお、図3では、検査対象のTFTアレイ基板101は9枚のパネル102を有し、各パネルの電極端子はパネルの一つの位置(図3中でTFTアレイ基板に対して上方右方の位置)に配置される例を示しているが、TFTアレイ基板101のパネル仕様および電極配置は任意とすることができる。
【0067】
図3において、TFTアレイ基板101には、ガラス基板等の絶縁性基板の上に、TFTアレイ、ITO電極等(図示していない)で形成される複数個のピクセルが格子状に形成され、これらのピクセルに駆動信号を供給する配線が設けられている。
【0068】
プローバフレーム10は、TFTアレイ基板101の外周を囲むフレーム枠10aとフレーム枠10aの対向する辺部間に設置されるフレームバー10bとを備え、フレームバー10bはフレーム枠10aの少なくとも一方の軸方向に対して設置位置を自在とする。
【0069】
フレーム枠10aには、複数のコンタクトピン10cを備えるコンタクトピンユニット10dが着脱自在に設けられ、配置位置を変更可能としている。
【0070】
プローバフレーム10は、内側を中空としてパネルを見通せるように外周部分の枠体で形成した矩形のフレーム枠10aと、このフレーム枠10aに取り付けられるフレームバー10bを備え、レームバー10bはフレーム枠10aに対してX軸方向に配置され、フレーム枠10aの対向するY軸方向の2本の辺部に対してY軸方向の任意の位置に設置する。なお、図3では、フレームバー10bをフレーム枠10aに固定する固定部は示していないが、フレーム枠10aの任意の位置に固定することができる。フレームバー10bは、図3で示すX方向に配置する他、Y方向に配置する構成としてもよい。
【0071】
また、フレームバー10bは長さ方向に沿ってフレームバー配線(図示していない)を配設している。このフレームバー配線は、プローバフレーム10の外部からコンタクトピンを介してTFTアレイ基板101の電極端子に検査信号を印加するための配線であり、例えば、プリント基板をフレームバー10bの部材を用いることができる。
【0072】
コンタクトピンユニット10dは、フレームバー10bの長さ方向の任意の位置に着脱自在であり、TFTアレイ基板101の電極端子と接触する複数本のコンタクトピン10cとを備える。コンタクトピン10cとTFTアレイ基板101の電極端子との接触によって、TFTアレイ基板に検査信号を供給する。
【0073】
プローバフレーム10において、フレーム枠10aに対してフレームバー10bの設置位置をY軸方向で変更可能であり、また、コンタクトピンユニット10dのフレームバー10bに対する設置位置をX軸方向で変更可能であるため、コンタクトピン10cをTFTアレイ基板101上に設けられた電極端子に対して位置合わせを行うことが可能であり、パネル仕様に対応させることができる。
【0074】
図4を用いて、本発明のプローバフレームのコンタクトピンの配置位置の変更について説明する。
【0075】
図4は、TFTアレイ基板に形成されるパネル数および電極端子の配置位置が異なる例を示している。
【0076】
図4(a)のTFTアレイ基板101aと図4(c)のTFTアレイ基板101bとは、パネル数および電極端子の配置位置を異にする。
【0077】
図4(a)に示すTFTアレイ基板101aでは、4枚のパネルを有し、各パネルの下方左方位置に電極端子103が設けられる例を示し、図4(b)に示すTFTアレイ基板101bでは、6枚のパネルを有し、各パネルの下方右方位置に電極端子103が設けられる例を示している。
【0078】
したがって、TFTアレイ基板101aとTFTアレイ基板101bとは、パネル数および電極端子の配置において異なる構成であるため、何れか一方のTFTアレイ基板に対応してコンタクトピンの配置位置を設定されたプローバフレームは、他方のTFTアレイ基板については使用することができない。
【0079】
図4(b)に示すプローバフレーム10は、図4(a)に示すTFTアレイ基板101aの電極端子103の配置位置に対応させて、フレームバー10bをフレーム枠に対して移動させ、フレームバー10bに対してコンタクトピンユニット10dの配置位置を変更することによって、コンタクトピン10cの位置とTFTアレイ基板101aの電極端子103の位置とを位置合わせることができる。
【0080】
図4(d)に示すプローバフレーム10は、図4(c)に示すTFTアレイ基板101bの電極端子103の配置位置に対応させて、フレームバー10bをフレーム枠に対して移動させ、フレームバー10bに対してコンタクトピンユニット10dの配置位置を変更することによって、コンタクトピン10cの位置とTFTアレイ基板101aの電極端子103の位置とを位置合わせることができる。
【0081】
次に、本発明のTFTアレイ基板検査装置1において、プローバフレームのピン配置位置の変更および移動動作例について図5〜図8を用いて説明する。
【0082】
なお、ここでは、メインチャンバ2内に一方のプローバフレーム10Aが配置され、プローバフレームストッカ4内に他方のプローバフレーム10Bが配置された状態からの動作について説明する。
【0083】
メインチャンバ2において、プローバフレーム10AによってTFTアレイ基板(図示していない)の検査信号を供給して基板検査を行い、プローバフレームストッカ4において、コンタクトピン配置位置変更部5によってプローバフレーム10Bのコンタクトピンの配置位置を変更する。
【0084】
コンタクトピンの配置位置の変更が完了したプローバフレーム10Bを、プローバフレーム保持部6Aからプローバフレーム支持部7aに載置する(図5(a))。
【0085】
プローバフレーム搬送部7を上方に移動させ、プローバフレーム支持部7aに載置したプローバフレーム10Bを、プローバフレームストッカ4のプローバフレーム保持部6Bに高さに位置合わせする(図5(b))。
【0086】
プローバフレーム10Bをプローバフレーム支持部7aからプローバフレーム保持部6Bに移動させ、一時的に保持させる(図5(c))。
【0087】
プローバフレーム搬送部7を下方に移動させ、プローバフレーム支持部7aをロードロックチャンバ3内に導入し、上板7bによってロードロックチャンバ3の上部の開放部を閉じ、ロードロックチャンバを排気する((図5(d))。
【0088】
ゲートバルブ12を開いて、メインチャンバ2からロードロックチャンバ3にプローバフレーム10Aを搬出して、プローバフレーム支持部7a上に載置する((図6(a))。
【0089】
プローバフレーム搬送部7を上方に移動させ、プローバフレーム支持部7aに載置したプローバフレーム10Aを、プローバフレームストッカ4のプローバフレーム保持部6Aに高さに位置合わせ、プローバフレーム10Aをプローバフレーム保持部6Aに移動する。プローバフレーム10Aは、コンタクトピン配置位置変更部5によってコンタクトピンの配置位置を変更することができる。コンタクトピン配置位置変更部5による変更は、TFTアレイ基板のパネルレイアウト情報に基づいて行う(図6(c))。
【0090】
プローバフレーム搬送部7を上方に移動させ、プローバフレーム支持部7aを、プローバフレームストッカ4のプローバフレーム保持部6Bに高さに位置合わせする(図6(d))。
【0091】
プローバフレームストッカ4のプローバフレーム保持部6Bに保持されるプローバフレーム10Bをプローバフレーム支持部7a上に載置する(図7(a))。
【0092】
プローバフレーム搬送部7を下方に移動させ、プローバフレーム10Bを載置したプローバフレーム支持部7aをロードロックチャンバ3内に導入し、上板7bによってロードロックチャンバ3の上部の開放部を閉じ、ロードロックチャンバを排気する((図7(b))。
【0093】
ゲートバルブ12を開いて、ロードロックチャンバ3からメインチャンバ2にプローバフレーム10Bを搬入する。これによってプローバフレームの入れ替えが行われる((図7(c))。
【0094】
ゲートバルブ12を閉じ、ロードロックチャンバ3内を大気圧に戻した後、ゲートバルブ11を開いて、検査対象のTFTアレイ基板101をロードロックチャンバ3内に搬入する((図7(d))。
【0095】
ゲートバルブ11を閉じてロードロックチャンバ3内を排気した後(図7(c))、ゲートバルブ12を開いてロードロックチャンバ3からメインチャンバ2内にTFTアレイ基板101を搬入する(図8(a))。
【0096】
ゲートバルブ11を閉じ、メインチャンバ2内において、先に搬入しておいたプローバフレーム10BをTFTアレイ基板101側に移動させて、プローバフレーム10BのコンタクトピンをTFTアレイ基板101の電極端子に接触させてTFTアレイ基板に検査信号を供給し、TFTアレイ基板の検査を行う(図8(b))。
【0097】
TFTアレイ基板の検査が終了した後、ロードロックチャンバ3を排気し、ゲートバルブ12を開き、検査済みのTFTアレイ基板101をメインチャンバ2からロードロックチャンバ3に搬出する(図8(c))。
【0098】
ゲートバルブ12を閉じた後、ロードロックチャンバ3を大気圧に戻し、ゲートバルブ11を開いてTFTアレイ基板101を搬出する。この後は、同種のパネル仕様のTFTアレイ基板について検査を行う。
【0099】
このTFTアレイ基板を行っている間に、プローバフレームストッカ4においてコンタクトピン配置位置変更部5で他方のプローバフレーム10Aのコンタクトピンの配置を、次に検査を行うTFTアレイ基板のパネル仕様に応じて変更しておく(図8(d))。
【0100】
次に、本発明のTFTアレイ基板検査装置1において、プローバフレームのピン配置位置の変更および移動動作の別の例について図9〜図10を用いて説明する。
【0101】
この動作例は、プローバフレームストッカ内に二つのコンタクトピン配置位置変更部を備える例である。
【0102】
メインチャンバ2において、プローバフレーム10AによってTFTアレイ基板(図示していない)の検査信号を供給して基板検査を行い、プローバフレームストッカ4において、コンタクトピン配置位置変更部5によってプローバフレーム10Bのコンタクトピンの配置位置を変更する。このとき、プローバフレーム搬送部7の上板7bはロードロックチャンバ3の開放部を閉じている(図9(a))。
【0103】
ゲートバルブ12を開いて、メインチャンバ2からロードロックチャンバ3にプローバフレーム10Aを搬出し、ゲートバルブ12を閉じる(図9(b))。
【0104】
ロードロックチャンバ3内を大気圧に戻した後、プローバフレーム搬送部7を上昇させて、ロードロックチャンバ3の開放部を開き、プローバフレーム支持部7a上に載置したプローバフレーム10Aを、プローバフレームストッカ4のプローバフレーム保持部6Aの高さに位置合わせする(図9(c))。
【0105】
プローバフレーム10Aをプローバフレーム支持部7aからプローバフレームストッカ4のプローバフレーム保持部6Aに移動する(図9(d))。
【0106】
プローバフレーム支持部7aをプローバフレームストッカ4のプローバフレーム保持部6Bの高さに位置合わせし(図10(a))、プローバフレーム保持部6B上に載置されたプローバフレーム10Bをプローバフレーム支持部7a上の移動する(図10(b))。
【0107】
プローバフレーム搬送部7を下降させ、プローバフレーム10Bをロードロックチャンバ3内に移動させる。このとき、プローバフレーム搬送部7の上板7bはロードロックチャンバ3の開放部を閉じている(図10(c))。
【0108】
ロードロックチャンバ3内を排気した後、ゲートバルブ12を開いて、プローバフレーム10Bをロードロックチャンバ3からメインチャンバ2内に搬入する(図10(d))。
【0109】
以後、前記図8で示した動作と同様に、ゲートバルブ11を閉じてロードロックチャンバ3内を排気した後、ゲートバルブ12を開いてロードロックチャンバ3からメインチャンバ2内にTFTアレイ基板101を搬入する。
【0110】
ゲートバルブ11を閉じ、メインチャンバ2内において、先に搬入しておいたプローバフレーム10BをTFTアレイ基板101側に移動させて、プローバフレーム10BのコンタクトピンをTFTアレイ基板101の電極端子に接触させてTFTアレイ基板に検査信号を供給し、TFTアレイ基板の検査を行う。
【0111】
TFTアレイ基板の検査が終了した後、ロードロックチャンバ3を排気し、ゲートバルブ12を開き、検査済みのTFTアレイ基板101をメインチャンバ2からロードロックチャンバ3に搬出する。
【0112】
ゲートバルブ12を閉じた後、ロードロックチャンバ3を大気圧に戻し、ゲートバルブ11を開いてTFTアレイ基板101を搬出する。この後は、同種のパネル仕様のTFTアレイ基板について検査を行う。
【0113】
このTFTアレイ基板を行っている間に、プローバフレームストッカ4においてコンタクトピン配置位置変更部5で他方のプローバフレーム10Aのコンタクトピンの配置を、次に検査を行うTFTアレイ基板のパネル仕様に応じて変更しておく。
【0114】
上述した本発明のプローバフレームの入れ替え、および基板の入れ替えの何れにおいても、メインチャンバ2内は真空状態を保持することができ、電子銃等の電源を停止させることなく、駆動状態を維持することができる。そのため、電源を停止することで、装置を再度駆動するために要する、いわゆる暖機時間を省くことができ、プローバフレームの交換時における装置のダウンタイムを短くすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明のTFTアレイ基板検査装置は、液晶のTFT基板の検査に限らず真空下で行う検査装置に適用することができ、また、電子線やイオンビームを用いた露光装置、電子顕微鏡等の真空処理室及びロードロック室を利用する装置に適応することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 TFTアレイ基板検査装置
2 メインチャンバ
3 ロードロックチャンバ
4 プローバフレームストッカ
5 コンタクトピン配置位置変更部
6 搬送機構
6A,6B プローバフレーム保持部
7 プローバフレーム搬送部
7a プローバフレーム支持部
7b 上板
8 電子線源
9 検出器
10,10A,10B プローバフレーム
10a フレーム枠
10b フレームバー
10c コンタクトピン
10d コンタクトピンユニット
11,12 ゲートバルブ
20 プローバフレーム
21 検査信号生成部
22 走査制御部
23 プローバフレーム移動制御部
24 検出信号処理部
25 欠陥検出部
26 ピン配置位置制御部
27 プローバフレーム搬送制御部
28 基板搬送制御部
101,101a,101b アレイ基板
102 パネル
103 電極端子
201 アレイ基板検査装置
202 メインチャンバ
203 ロードロックチャンバ
204 プローバフレームストッカ
210,210a,210b、210c プローバフレーム
211、212,213 ゲートバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
TFTアレイ基板にプローバフレームのコンタクトピンを通して検査信号を印加し、前記TFTアレイ基板上で電子線を走査させて検査を行うTFTアレイ検査装置において、
前記プローバフレームは、コンタクトピンの配置位置を変更自在とし、
真空状態でTFTアレイ基板の検査を行うメインチャンバと、
大気側との間及び前記メインチャンバとの間でTFTアレイ基板の搬出入を行うロードロックチャンバと、
前記プローバフレームを格納するプローバフレームストッカとを備え、
前記プローバフレームストッカは、前記プローバフレームのコンタクトピンの配置位置を変更するコンタクトピン配置位置変更部を備え、
前記ロードロックチャンバを通して、二つのプローバフレームを前記プローバフレームストッカと前記メインチャンバとの間で交互に入れ替え、
前記プローバフレームストッカ内において、プローバフレームのコンタクトピンの配置位置を前記コンタクトピン配置位置変更部によって変更し、
前記メインチャンバ内において、プローバフレームのコンタクトピンを通してTFTアレイ基板に検査信号を印加することを特徴とする、TFTアレイ基板検査装置。
【請求項2】
前記コンタクトピン配置位置変更部は、TFTアレイ基板のパネルレイアウト情報に基づいて、プローバフレームのコンタクトピンの配置位置を変更することを特徴とする、請求項1に記載のTFTアレイ基板検査装置。
【請求項3】
前記プローバフレームは、
少なくともTFTアレイ基板の外周を囲むフレーム枠と前記フレーム枠の対向する辺部間において位置を自在とするフレームバーと、
前記フレームバーの長さ方向の任意の位置に着脱自在とするコンタクトピンユニットとを備え、
前記コンタクトピン配置位置変更部は、
前記パネルレイアウト情報のパネル配置に基づいて、フレーム枠の辺部に対して前記フレームバーの位置を変更し、
前記パネルレイアウト情報の電極配置に基づいて、
フレームバーの長さ方向に対して前記プローバユニットの位置を変更することを特徴とする、請求項2に記載のTFTアレイ基板検査装置。
【請求項4】
前記プローバフレームストッカと前記メインチャンバとの間においてプローバフレームで交互に入れ替えるプローバフレーム搬送部を備え、
前記プローバフレーム搬送部は、
プローバフレームを支持するプローバフレーム支持部と、
前記ロードロックチャンバを閉じる天板とを備え、
前記メインチャンバと前記ロードロックチャンバとの間にTFTアレイ基板の搬出入時には、前記天板はロードロックチャンバの上部を閉じることを特徴とする、請求項1から3の何れか一つに記載のTFTアレイ基板検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−194119(P2012−194119A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59625(P2011−59625)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】