説明

多機能性食品とその製造方法。

【課題】 香成分を利用した機能性食品は時代の要請によりもっと機能的な側面が求められているという課題がある。また、匂い成分はその分子量が小さい為匂いの劣化が早いという課題がある。
【解決手段】 バラの花蕾を凍結乾燥微粉末又はバラエキス又はその微粉末10〜20%、紅茶微粉末50〜60%、ローズヒップス微粉末又はレモン果汁微粉末5〜10%、シナモンパウダー又はエキス3〜5%、乳酸菌生成物質又はラクトフェリン又はオリゴ糖5%、必要に応じてヘミセルロース、サイクロデキストリン又は乳糖を使用するものとする。バラの花蕾を湿潤乾燥又は滅菌洗浄後天日乾燥したものを添加しても良く、蜂蜜及び乾燥蜂蜜の粉、甘草エキス、羅漢果糖、果糖、メープルシロップ、キシリトール、トレハロースから選択される甘味料5〜10%を持って機能性食品、お茶、飲料水とすることで課題を解決する手段として提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多機能性食品とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、バラの花から抽出したエキスをより安全で安価な抗インフルエンザ剤として食品の分野まで利用することは知られている。(例えば、特許文献1、参照)
【0003】
従来の技術として、アルコール抽出バラエキスを紅茶他に添加して安眠促進機能のある清涼飲料水の製造方法は知られている。(例えば、特許文献2、参照)
【特許文献1】特開2002−145790号公報
【特許文献2】特開2006−34177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の特許文献1における技術は、抗インフルエンザ剤としてはよいものであると考えられるが、食品に抗インフルエンザ剤を混ぜることはない。薬は薬で飲むべき性格のものと思われるという課題がある。
【0005】
従来の特許文献2における技術は、アルコール抽出バラエキスを紅茶並びに清涼飲料水に添加することはおそらく公知の部分である。(テレビ報道並びにワイン抽出方法等。)バラの花蕾微粉末又はエキスを紅茶などに添加する方法はヨーロッパの貴族社会で飲まれていた歴史的な事実がある上に、加糖熱水抽出及びアルコール抽出のバラエキスは匂い部分の劣化が早いという課題がある。(匂い成分はいずれもその傾向がある。)
【0006】
安眠促進機能を強調するならば、バラ抽出エキスでも良いが、芳香成分でその機能が良い素材(実施例7のキンモクセイの花(丹桂)、姫ウイキョウ)があるという課題がある。
【0007】
近年ストレス等によるところの不眠症、精神障害並びに犯罪などが多発している。薬を使用すべきものであるが、習慣性などが報告されているだけでなく、本人並びに周りが発症に気が付いていないという現象も報告されている。食品並びに飲料を持って速い段階にさまざまなストレスを軽減や予防でき、しかも薬ではなく日常的に極簡単に摂取できるものが少ないという課題がある。
【課題を解決する手段】
【0008】
バラの花蕾を凍結乾燥微粉末又はバラエキス又はその微粉末10〜20%、紅茶微粉末50%、ローズヒップス微粉末又はレモン果汁微粉末5〜10%、シナモンパウダー又はエキス3〜5%、乳酸菌生成物質又はラクトフェリン又はオリゴ糖5%、匂い部分の劣化防止方法としてヘミセルロース、サイクロデキストリン又は乳糖を使用できるものとする(実施例5、参照)。バラの花蕾湿潤乾燥又は滅菌洗浄後天日乾燥したものを各々の包装内に少なくとも一個以上入れ、蜂蜜又はその粉末、甘草エキス、羅漢果糖、果糖、はと麦糖、メープルシロップ、グラニュー糖、キシリトール、トレハロースから選択される甘味料5〜10%を持って課題を解決する手段として提供する。
【0009】
微粉末にしなくてもアラビキの状態で煎じだして使用することも可能である。テーパック方式にして利便性を高めることが出来る。甘味料は煎じだしたもの又は熱湯で抽出したものに添加する方法を持って課題を解決する手段として提供する。
【0010】
エキス成分として、インスタントタイプとすることで、利便性を高める事を持って課題を解決する手段として提供する。
【0011】
匂い部分の劣化防止方法は実施例5参照を持って課題を解決する手段として提供する。
【発明の効果】
【0012】
従来の清涼飲料水に比べて機能が格段にアップする。その上バラの花蕾微粉末又はバラエキス微粉末、シナモンパウダー又はエキスを添加することによって抗ストレス、抗花粉症、抗アレルギー作用があり、幾分かのデオドラント効果並びに香水機能が見込める。
【0013】
バラの花蕾微粉末又はバラエキス又はその微粉末、ローズヒップス微粉末における主要成分はビタミンC、Pでありそれだけでも保険機能成分である。
【0014】
シナモンは漢方薬名を桂皮といい、さまざまな漢方薬又は香辛料等で利用されているポピラーな食材であるが血流等を整える働きがある。
【0015】
乳酸菌生成物質及びラクトフェリンは腸内細菌のバランスを整えることで免疫機能の亢進に役立つ、どちらか使用されていれば良い。プロバイオテックスの考え方である。
【0016】
配合する甘味料と配合比率を工夫すれば保湿、活性酸素消去作用があり、皮膚等の環境改善効果のある清涼飲料水並びに機能性食品になる。
【0017】
オリゴ糖もまた腸内有用菌の繁殖に寄与することで全体のハーモニー効果が見込める。
【0018】
配合の点から判断して抗ストレス剤の性格が見込める。何よりもリラックス効果が期待できる。(バラの花蕾微粉末またはバラエキス、乳酸菌生成物質およびラクトフェリン、シナモンの相乗効果である。)
【0019】
継続的に使用しているとおならの臭いが相当改善されていることは実感できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
粉剤、顆粒、清涼飲料水等の液体、アラビキ粉末テーパック方式であろうが、そのエキス分を抽出した機能性食品として粒の状態でも、のど飴の状態としても本発明を実施するための最良の形態である。
【実施例1】
【0021】
基本的な配合をエキス成分として、ショウガエキス、くず粉をそれぞれ2〜5%添加したものは温感食品となる。(バラの花蕾微粉末及びエキスにもその働きはある。)
【実施例2】
【0022】
基本的な配合をエキス成分として、実施例1素材並びに甘味料から選択される数種類と黒糖、水あめ等を添加したものはのど飴様のものになる。(甘草エキスは風邪及び喉の薬として認可成分である。バラエキスには特許文献1の抗インフルエンザ剤の作用がある。相乗効果が期待できる配合になる。)
【実施例3】
【0023】
バラの花蕾微粉末又はバラエキス又はその微粉末を意識的に多く配合すれば、花粉症、アトピー性皮膚炎の予防が期待できる。(オイゲニンの作用によるものであるが、ローズヒップス微粉末又はそのエキス、乳酸菌生成物質並びにラクトフェリン等と相乗的な働きがある。)
【実施例4】
【0024】
基本的な配合をエキス成分として清涼飲料水とする事が可能である。少量の抗酸化剤並びに水溶性カルシウム又は珊瑚由来カルシウム、匂い成分の劣化防止剤(具体的には実施例5で説明する。)並びにコラーゲン、ヒアルロン酸の保湿効果のある素材並びに保湿系甘味料(例えば、トレハロース、キシリトール、)を添加するものとする。
【0025】
牛乳等を添加してミルクテー様の飲料としたものは広い範囲で健康効果が期待できる。
【0026】
清涼飲料水として特殊な機能性食品とする実施例がある。バラ水(水溶性バラエキス、ノンアルコールタイプ)+ビオチーム飲料又はスポーツ飲料とする配合はバラ水5%〜7%、乳酸菌生成物質0.05〜1%(商品名ラブボデー又は乳酸B、登録商標登録済み。)、ビオチーム(登録商標登録済み、納豆菌由来ペプチド構造のアミノ酸酵素)又は大豆ペプチド、燃焼系アミノ酸(BCAA、バリン、ロイシン、イソロイシン及びL−カルニチン)12〜15%、ビオチン1%以内、N−3アセチルグルコサミン0.5%以内、カルシウム1〜2%、[課題を解決する手段]記載の甘味料から選択される数種類及び保湿系甘味料5〜10%以内、紅茶エキス又はりんご果汁0.5〜1%、ローズヒップス由来ビタミンC又はクエン酸(矯味料及び酸化防止剤として)0.5〜1%を使用することで新規な飲料水が提供できる。
【実施例5】
【0027】
香機能を強調する製造方法として、バラ抽出エキス微粉末を増量するか(増量しすぎるとエグミが出てくるので他の素材との配合バランスがある。)、ヘミセルロース、サイクロデキストリン又は乳糖に水溶性バラエキスを包接加工した物のいずれかを数パーセント配合することで解決が付く。包接加工したものを清涼飲料水にする方法として基本的な配合を考慮しながら難消化性デキストリンを添加してファイブミニ(登録商標登録済み)様のものにすることがベターである。いずれの方法でも、匂い成分の劣化を3〜6ヶ月程遅くすることが可能となる。香機能の素材を抽出する新規な方法(超臨界CO2抽出法)を取れば劣化の少ない匂い成分が提供できる。
【0028】
基本的な配合をエキス粉末として顆粒とする時には、匂い成分の劣化防止のためにアルミ箔等で包装するものとする。
【実施例6】
【0029】
お茶由来成分(テアニン)、カルシウム、シソエキスを添加して抗ストレス、抗アレルギー剤としての機能を高めることが出来る。
【実施例7】
【0030】
基本的な配合の仕方でバラ以外の素材で香機能があって飲めるタイプのもので代替することも可能である。(例えば、ハイビカスの花、キンモクセイの花、浜茄子の花、金銀花、アロマセラピー剤、姫ウイキョウ、漢方薬、民間薬の内の何種類か又はそれらのエキス成分である。匂いの弱いものは包接加工又は濃縮加工したものを使用するものとする。)
【実施例8】
【0031】
選択される甘味料も予防したい症状により異なったものにしたほうがベターである。
【実施例9】
【0032】
簡単な製造方法としては、味さえ合えば、あらゆる清涼飲料水の中にバラ抽出エキスを数%添加しただけでよいが、素材間の相性並びに配合比率、匂いの劣化防止を工夫する必要がある。
【実施例10】
【0033】
局方指定(1−A)の漢方薬成分他を添加すれば医薬品となる。(例えば、カノコ草,チョウトウコウ、くず粉、しょうがエキス等である。)適応症は興奮感、イライラ感、緊張感の緩和。左記症状に伴う疲労倦怠感、頭重の緩和等である。
【実施例11】
【0034】
バラエキス10%以内(他の素材とのバランスで配合比率は変更可能)、お茶エキス又は紅茶エキス3〜5%、乳酸菌生成物質、乳酸、塩(この三種類で50%以内)、オリゴ糖10〜12%、及びデキストリン、サイクロデキストリンの何れかにバラエキスを包接加工したもの2〜3%、ハト麦エキス又はハトムギ糖及び甘草エキス5〜8%、少量の光触媒剤(二酸化チタン等の飲める光触媒剤。)2〜5%を配合し、ミスト状にしたものは飲めるだけでなく台所、居間、動物臭、浴室のカビ防止、食品添加物、自動車の室内の消臭抗菌芳香スプレーとして利用可能である。エタノールを添加する方法もあるが飲めない。
【0035】
上記の配合品に、二型コラーゲン、ヒアルロン酸、真珠カルシウム又は珊瑚由来カルシウムを添加したものは呑む化粧水となる。(コラーゲンは腸管吸収のほうが効果的である。)
【0036】
二酸化チタンは使用目的によって配合比率は可変可能とするが、遮光ビン、食用パラフン、シソ油の何れかで匂い成分の劣化防止策を講ずるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0037】
利用範囲が極端に広い素材であり、匂い部分は代替可能である。ただ、匂い部分の劣化防止策(デキストリン又はサイクロデキストリンに包接加工、超臨界流体抽出法)を講ずれば大量生産が可能であると言う理由から価格的にも安いものが供給できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バラの花蕾微粉末又はバラエキス、紅茶微粉末又はエキス、ローズヒップス微粉末又はレモン果汁微粉末、シナモンパウダー又はエキス、乳酸菌生成物質又はラクトフェリン又はオリゴ糖、バラ花蕾湿潤乾燥したもの一つ以上、蜂蜜の粉、甘草エキス、羅漢果糖、果糖、はと麦糖、キシリトール、トレハロース、グラニュー糖、メープルシロップ等の甘味料から選択される数種類を使用することを特徴とした多機能性食品。
【請求項2】
基本的な配合にショウガエキス、くず粉、甘草エキスを配合することを特徴とした請求項1記載の多機能性食品。
【請求項3】
基本的な配合をエキス成分として、甘草エキス、水あめ、蜂蜜等を添加して液状又は粒であることを特徴とした請求項1記載の多機能性食品。
【請求項4】
清涼飲料水とする時、コラーゲン、ヒアルロン酸、牛乳を添加したことを特徴とした請求項1記載の多機能性食品。
【請求項5】
匂い成分の劣化防止策として、ヘミセルロース、サイクロデキストリン、乳糖にバラ抽出エキスを包接加工したものを数%混入する事を特徴とした請求項1、4記載の多機能性食品とその製造方法。
【請求項6】
におい成分の劣化防止策として、超臨界CO2抽出法又はアルミ箔で包装することを特徴とした請求項1記載の多機能性食品とその製造方法。
【請求項7】
バラ水、乳酸菌生成物質、ビオチーム(登録商標登録済み)又は大豆ペプチド又は燃焼系アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)、ビオチン、N−3アセチルグルコサミン、数%のカルシウム、保湿系甘味料(トレハロース、はと麦糖)、紅茶エキス又はリンゴ果汁、ローズヒッスエキス又はクエン酸を添加した事を特徴とする請求項1記載の多機能性食品。
【請求項8】
芳香機能のある素材として、キンモクセイの花、浜茄子の花、金銀花、ハイビスカスの花等の微粉末及びエキス、アロマセラピー剤の数種類、漢方薬、民間薬成分を添加した事を特徴とした請求項1記載の多機能性食品。
【請求項9】
バラエキス、お茶エキス又は紅茶エキス、乳酸菌生成物質、乳酸菌、塩、保湿系甘味料、はと麦エキス又はハトムギ糖、及び光触媒剤を混ぜミストタイプとした事を特徴とする請求項1記載の多機能性食品。

【公開番号】特開2008−161166(P2008−161166A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−357537(P2006−357537)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(505056292)
【出願人】(504186736)
【出願人】(507033381)
【出願人】(507033392)
【Fターム(参考)】