説明

多相クロック間の相間スキュー検出回路、相間スキュー調整回路、および半導体集積回路

【課題】N相クロックの相間スキューの検出を行なうための基準クロックを半導体集積回路内で生成する。
【解決手段】分周回路14は、N相(4相)クロックCLK1/CLK2/CLK3/CLK4をN+1個(6個)の分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)に分周し、位相比較対象クロック生成回路12は、分周クロックA1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)から位相比較対象クロックB1/B2/B3/B4を生成する。位相比較基準クロック生成回路13は、分周クロックA4(−1)/A1(0)/・・・/A1(+1)から所定の組み合わせと演算規則に従いN個(4個)の基準クロックC1/C2/C3/C4を生成する。そして、位相比較対象クロックB1/B2/B3/B4と基準クロックC1/C2/C3/C4のそれぞれの位相差を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多相クロックの位相ずれ(スキュー)を検出する相間スキュー検出回路と、該相間スキュー検出回路を用いた相間スキュー調整回路と、この相間スキュー調整回路を備える半導体集積回路(LSI)に関する。
【背景技術】
【0002】
2相クロックや4相クロックといった多相クロックは半導体集積回路(単に「LSI」とも呼ぶ)で用いられている。ここで、クロックツリーの分配遅延差や、クロック分配ドライバの製造ばらつきによって生じる遅延誤差等により、LSI内にクロックを分配した後には、相間位相の理想値からのずれ(スキュー)が生じるため、遅延マージンが縮小することによって誤動作を起こす要因となりうる。そこで、特許文献1に開示されているように、1つのクロック信号から多相クロックを生成する際に、相間の位相差を均一化するような機能が考案されている(図1,段落0035)。しかしながら、特許文献1においては、本願発明のように、クロック分配後の相間スキューの検出機能は見られず、多相クロックのスキュー検出を行なうための基準クロックを半導体集積回路内で生成しようとするものではない。
【0003】
また、関連する高速回路のデータエッジ−クロックエッジ位相検出器がある(特許文献2を参照)。この特許文献2では、データ信号と基準クロック信号との間のスキューを検出してデータ信号と基準クロック信号とを同期させる新規の方法およびシステムが開示されている(図1、段落0012,0013)。しかしながら、本願発明のように、多相クロックのスキュー検出を行なうための基準クロックを半導体集積回路内で生成するものではない。
【0004】
また、関連するクロック・スキュー測定装置がある(特許文献3を参照)。このクロック・スキュー測定装置は、オンチップ・クロック信号間のスキューを効率的に測定することを目的としている(明細書P2L4〜L19)。しかしながら、本願発明のように、多相クロックのスキュー検出を行なうための基準クロックを半導体集積回路内で生成するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−163034号公報
【特許文献2】特表2008−541657号公報
【特許文献3】国際公開第03/036313号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
多相クロックにおいては、N相の各クロックはそれぞれ(360/N)度ずつ位相差があるのが理想状態であり、この(360/N)度からのずれを検出するためには、(360/N)度の位相差を持つ基準クロックが必要となる。しかしながら、クロック分配系末端において、この基準クロックを高精度で実現する手段がなかった。
【0007】
本発明の主たる課題は、多相クロックの相間スキュー検出を行なうための基準クロックを半導体集積回路内で生成できるようにし、外部から多相の基準クロックを半導体集積回路内に入力する必要をなくすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の相間スキュー検出回路は、被測定対象となるN相クロックを所定のタイミングでN+2個の分周クロックに分周する分周回路と、所定のN個の分周クロックからN個の位相比較対象クロックを生成する位相比較対象クロック生成回路と、前記N+2個の分周クロックから所定の組み合わせと演算規則に従いN個の位相比較基準クロックを生成する位相比較基準クロック生成回路と、前記N個の位相比較対象クロックと前記N個の基準クロックのそれぞれの位相差を検出する位相比較回路と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の相間スキュー検出回路においては、半導体集積回路(LSI)の外部から基準クロックを入力するのではなく、LSI内部のクロック分配系末端において、多相クロック自身から相間スキュー検出用の基準クロックを生成し、位相比較対象クロックと位相比較を行なう機能を有する。具体的には、被測定N相クロックを所定のタイミングで分周する分周回路と、分周されたクロックから位相比較対象クロックを生成する遅延回路と、分周されたクロックから位相比較基準クロックを生成する基準生成回路と、比較対象クロックと基準クロックとの位相差を検出する位相比較回路と、を有する。そして、位相比較基準クロックは、(360/N)度という位相差の絶対値を実現するのではなく、N相中の第Kクロックに対する基準クロックの場合、第K−1クロックと第K+1クロックの位相差を等しく2分する位相となるようにする。
【0010】
これにより、多相クロックの相間スキュー検出を行なうための基準クロックを半導体集積回路(LSI)内で生成できる。このために、外部から多相の基準クロックをLSIに入力する必要がなくなり、LSIの外部ピン数を増加させずに、内部クロック信号となる多相クロックの相間スキューを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係わる相間スキュー調整回路の構成を示すブロック図である。
【図2】相間スキュー検出回路の構成を示すブロック図である
【図3】分周回路の構成を示す図である。
【図4】相間スキュー検出回路の動作を表すタイミングチャートである。
【図5】フェイズ・インターポレータの動作説明図である。
【図6】相間スキュー検出回路および相間スキュー調整回路おけるスキュー調整手順の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係わる相間スキュー調整回路の構成を示すブロック図である。図1に示す例は、N相クロックが「N=4」である4相クロックの場合の例であり、位相調整用遅延回路2と、遅延量制御回路3と、相間スキュー検出回路11とを含む半導体集積回路内のクロック分配系を示している。図1に示す相間スキュー調整回路1では、4相の外部入力クロックCKIN1/CKIN2/CKIN3/CKIN4のそれぞれの位相を位相調整用遅延回路2により調整し、位相調整された内部クロックとなる4相クロックCLK1/CLK2/CLK3/CLK4を生成して、半導体集積回路内の論理回路21に供給する。
【0013】
位相調整用遅延回路2は、多相の外部入力クロックCKIN1,CKIN2,CKIN3,CKIN4のそれぞれを、遅延量可変の遅延素子(Delay)2a,2b,2c,2dを用いて遅延調整し、半導体集積回路内の内部クロック信号となる4相クロックCLK1/CLK2/CLK3/CLK4を生成する。この遅延素子2a,2b,2c,2dにおける遅延量は、遅延量制御回路3から出力される遅延量設定信号Set1,Set2,Set3,Set4に基づき設定される。
【0014】
遅延量制御回路3は、後述の相間スキュー検出回路11から出力される位相比較結果DT1/DT2/DT3/DT4の信号を入力とし、遅延量設定信号Set1,Set2,Set3,Set4により位相調整用遅延回路2の各遅延値を調整していく。例えば、後述するようにクロックCLK1とCLK3の位相差を180度とするために、相間スキュー検出回路11における位相比較結果が「DT1=DT3」となるよう位相調整用遅延回路2における遅延量(クロック信号CLK1,CLK2に対する遅延量)を調整する。
【0015】
図2は、相間スキュー検出回路11の構成を示すブロック図である。また、図3は、分周回路14の回路構成例を示している。
図2に示す相間スキュー検出回路11では、被測定対象となる4相クロックCLK1/CLK2/CLK3/CLK4を分周回路14に入力し、6個々の分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)を生成する。この場合、分周クロックA4(−1)等の周期が、4相クロックCLK1等の2倍の周期となるように分周される。
【0016】
図3に示すように、分周回路14は、N+2個のF/F(D−フリップフロップ)により構成される。4相クロックの場合は、6個のF/F141,142,143,144,145,146で構成される。第1のF/F141は、イネーブル信号ENを入力すると分周動作を開始し、クロックCLK4の立上りエッジに同期して分周クロックA4(−1)を出力する。第2のF/F142は分周クロックA4(−1)を入力とし、クロックCLK1の立上りエッジに同期して分周クロックA1(0)を出力する。
【0017】
第3のF/F143は分周クロックA1(0)を入力とし、クロックCLK2の立上りエッジに同期して分周クロックA2(0)を出力する。第4のF/F144は分周クロックA2(0)を入力とし、クロックCLK3の立上りエッジに同期して分周クロックA3(0)を出力する。第5のF/F145は分周クロックA3(0)を入力とし、クロックCLK4の立上りエッジに同期して分周クロックA4(0)を出力する。第6のF/F146は分周クロックA4(0)を入力とし、クロックCLK1の立上りエッジに同期して分周クロックA1(+1)を出力する。
【0018】
図4のタイミングチャートに、クロックCLK1,CLK2,CLK3,CLK4と、分周回路14により生成される分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)の波形の例を示している。
図4に示すように、分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)は、クロックCLK4の2クロックサイクルの期間に生成される。そして、クロックCLK4の立ち上がりエッジに同期して、分周クロックA4(−1)が“0(Low)”から“1(High)”に立ち上がる(矢付線k4(−1)を参照)。
【0019】
また、クロックCLK1の立ち上がりエッジに同期して、分周クロックA1(0)が“0”から“1”に立ち上がる(矢付線k1を参照)。クロックCLK2の立ち上がりエッジに同期して、分周クロックA2(0)が“0”から“1”に立ち上がる(矢付線k2を参照)。クロックCLK3の立ち上がりエッジに同期して、分周クロックA3(0)が“0”から“1”に立ち上がる(矢付線k3を参照)。クロックCLK4の立ち上がりエッジに同期して、分周クロックA4(0)が“0”から“1”に立ち上がる(矢付線k4を参照)。また、クロックCLK1の立ち上がりエッジに同期して、分周クロックA1(+1)が“0”から“1”に立ち上がる(矢付線k1(+1)を参照)。
【0020】
また、図2に示す位相比較対象クロック生成回路12では、分周クロックA1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)を入力とし、位相比較対象クロックB1/B2/B3/B4を生成する。位相比較対象クロック生成回路12はN個のフェイズ・インターポレータ(単に「PI」とも呼ぶ)から構成され、4相クロックの場合には4個のPIとなる。第1のPI121には分周クロックA1(0)を入力し、位相比較対象クロックB1を出力とする。第2のPI122には分周クロックA2(0)を入力し、位相比較対象クロックB2を出力とする。第3のPI123には分周クロックA3(0)を入力し、位相比較対象クロックB3を出力とする。第4のPI124には分周クロックA4(0)を入力し、位相比較対象クロックB4を出力とする。
【0021】
図5は、フェイズ・インターポレータ(PI)に対する入力信号の位相と出力信号の位相関係を表す図である。PIの2入力信号A,Bが同相の信号である場合、回路遅延分Δtだけの遅延がついて信号Yが出力される。また、PIの2入力信号A,Bが異なる位相の信号である場合、信号AとBの中間位相の信号Yが回路遅延分Δtだけの遅延がついて出力される。なお、位相比較対象クロック生成回路12を使用するのは、分周クロックA1(0)等を位相比較対象クロックB1等として遅延させることにより、位相比較基準クロック生成回路(単に「基準クロック生成回路」とも呼ぶ)13に入力される分周クロックA4(−1)等に対する位相比較基準クロック(単に「基準クロック」とも呼ぶ)C1等の遅延時間をキャンセルするためである。すなわち、基準クロック生成回路13では、2つの分周クロックの位相を2分する位相を求めるために使用されるのであるが、信号を出力するまでに時間を要し、出力信号に基本的な遅延Δtが生じるので、この遅延を位相比較対象クロック生成回路12を用いてキャンセルしている。なお、図2に示すように、複数ビットの制御信号CNT[n:0]をPIに入力し、この信号を切替えることにより、入力信号AとBの合成比を調整することができ、出力信号Yの位相を任意に設定することが可能となっている。
【0022】
図4のタイミングチャートに、分周クロックA1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)と、位相比較対象クロック生成回路12により生成される位相比較対象クロックB1/B2/B3/B4の波形の例を示している。図4に示すように、分周クロックA1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)の立ち上がりエッジに同期して、前述の遅延時間Δtの後に位相比較対象クロックB1/B2/B3/B4が“0”から“1”に立ち上がる(矢付線a1,a2,a3,a4を参照)。
【0023】
基準クロック生成回路13では、分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)を入力し、基準クロックC1/C2/C3/C4を生成する。基準クロック生成回路13はN個のPIから構成され、4相クロックの場合には4個のPIとなる。第1のPI131には分周クロックA4(−1)とA2(0)を入力し、基準クロックC1を出力する。基準クロックC1は、分周クロックA4(−1)とA2(0)のそれぞれの位相を2分したクロック信号となる。すなわち、それぞれの位相について「C1=(A4(−1)+A2(0))/2」となる。第2のPI132には分周クロックA1(0)とA3(0)を入力し、基準クロックC2を出力とする。すなわち、基準クロックC2は、分周クロックA1(0)とA3(0)のそれぞれの位相を2分したクロック信号となる。
【0024】
第3のPI133には分周クロックA2(0)とA4(0)を入力し、基準クロックC3を出力とする。すなわち、基準クロックC3は、分周クロックA2(0)とA4(0)のそれぞれの位相を2分したクロック信号となる。第4のPI134には分周クロックA3(0)とA1(+1)を入力し、基準クロックC4を出力とする。すなわち、基準クロックC4は、分周クロックA3(0)とA1(+1)のそれぞれの位相を2分したクロック信号となる。
【0025】
図4のタイミングチャートに分周クロックA4(−1)等と、基準クロック生成回路13により生成される基準クロックC1等の波形の例を示している。図に示すように、基準クロック生成回路13では、分周クロックA4(−1)とA2(0)とを基に、位相が2分された基準クロックC1を生成する(矢付線a4(−1)とa2を参照)。分周クロックA1(0)とA3(0)とを基に、位相が2分された基準クロックC2を生成する(矢付線a1とa3を参照)。分周クロックA2(0)とA4(0)とを基に、位相が2分された基準クロックC3を生成する(矢付線a2とa4を参照)。分周クロックA3(0)とA1(+1)とを基に、位相が2分された基準クロックC4を生成する(矢付線a3とa1(+1)を参照)。
【0026】
そして、相間スキュー検出回路11では、位相比較対象クロックB1/B2/B3/B4と、基準クロックC1/C2/C3/C4とを位相比較回路15へ入力し、それぞれのクロック間の位相差を検出する。位相比較回路15はN個のF/F(図示せず)から構成され、4相クロックの場合には4個のF/Fとなる。第1のF/FはクロックB1を入力とし、基準クロックC1に同期して位相比較結果DT1を出力する。第2のF/FはクロックB2を入力とし、基準クロックC2に同期して位相比較結果DT2を出力する。第3のF/FはクロックB3を入力とし、基準クロックC3に同期して位相比較結果DT3を出力する。第4のF/FはクロックB4を入力とし、基準クロックC4に同期して位相比較結果DT4を出力する。
【0027】
次に、図2に示す相間スキュー検出回路11の全体の動作について、図4のタイミングチャートを参照しながら説明する。図4に示すタイミングチャートは、前述のように4相クロックの場合のタイミングチャートであり、横方向に時間をとり、縦方向にN相クロックCLK1/CLK2/CLK3/CLK4と、分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)と、位相比較対象クロックB1/B2/B3/B4と、基準クロックC1/C2/C3/C4とを並べて示したものである。
【0028】
4相クロックCLK1、CLK2、CLK3、CLK4が分配されている状態で、分周回路14にイネーブル信号ENが入力されると、分周回路14の第1のF/F141がCLK4に同期してトグル動作による分周を開始する。その後は、F/F141,142,143,144,145,146が、クロックCLK1、CLK2、CLK3、CLK4と順次同期した信号を出力し、最後にクロックCLK1で6(N+2)発目の信号を出力する。これにより、クロックCLK4の2クロックサイクルの間に、分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)が出力される。
【0029】
基準クロック生成回路13では、分周された分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)から、位相比較を行なうための基準クロックC1/C2/C3/C4を生成する。第1の基準クロックC1は、A4(−1)とA2(0)とを合成し、両信号の位相を2分する位相で出力される。この時、A4(−1)とA2(0)はそれぞれ任意の位相であるため、基準クロックC1との位相差は「360/N)度=90度」であることは全く保障されない。同様に、第2の基準クロックC2は、A1(0)とA3(0)とを合成し、両信号の位相を2分する位相で出力される。第3の基準クロックC3は、A2(0)とA4(0)とを合成し、両信号の位相を2分する位相で出力される。第4の基準クロックC4は、A3(0)とA1(+1)とを合成し、両信号の位相を2分する位相で出力される。
【0030】
そして、位相比較回路15により、基準クロックC1/C2/C3/C4と、位相比較対象クロックB1/B2/B3/B4とのそれぞれのクロック間で位相差検出を行い、位相比較結果DT1/DT2/DT3/DT4が出力される(図示せず、図1を参照)。この位相比較結果DT1/DT2/DT3/DT4は、生成された基準クロック(例えば、基準クロックC1)に対して、位相比較対象クロック(例えば、位相比較対象クロックB1)の位相が早ければ出力信号は“1”となり、位相が遅ければ出力信号は“0”となる。
【0031】
次に、この相間スキュー検出回路11を使用して、位相調整を行なう手順を示す。具体的な説明を行なうために、4相クロックを例に挙げ、0度/90度/180度/270度の4信号という定義で説明する。
【0032】
図6は、位相調整手順を模式的に表した図である。図6では、横方向に位相を取り、縦方向に、遷移する各状態1,2、3,4ごとに、分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)と、基準クロックC1/C2/C3/C4と、位相比較結果DT1/DT2/DT3/DT4とを並べて示している。また、分周クロックA4(−1)等と、基準クロックC1等では、各クロックの立上りエッジを上向き矢印で示している。また、位相比較結果DTを位相差で示している。位相差は、クロックCLK1のタイミングを0とし、クロックCLK1の1周期を100で表しているため、調整後の位相としては、CLK2が25、CLK3が50、CLK4が75で表される。
【0033】
図6を参照して、まず、調整前(状態1)の位相は、分周クロック「A4(−1)=−35」、「A1(0)=0」、「A2(0)=20」、「A3(0)=40」、「A4(0)=65」、「A1(+1)=100」であるとする。
従って、各基準クロックC1/C2/C3/C4の位相は、以下のようになる。
基準クロックC1=(A4(−1)+A2(0))/2=−7.5、
基準クロックC2=(A1(0)+A3(0))/2=20、
基準クロックC3=(A2(0)+A4(0))/2=42.5、
基準クロックC4=(A3(0)+A1(+1)/2=70、
また、位相比較結果DT1/DT2/DT3/DT4は、
位相比較結果DT1=A1(0)−C1=+7.5、
位相比較結果DT2=A2(0)−C2=±0、
位相比較結果DT3=A3(0)−C3=−2.5、
位相比較結果DT1=A4(0)−C4=−5.0、となる。
【0034】
この状態において、手順1を実行する。この手順1では、図1に示す位相調整用遅延回路2により位相が調整される外部入力クロック信号CKIN3に対応する、位相が180度のクロックCLK3の位相を調整する。調整量としては、位相比較結果DT3がDT1と等しくなるまで調整を行なう。ここでは、DT3を調整して、「DT3=DT1=+7.5」になるように調整する。これにより、スキュー検出結果のDT2やDT4の値に関わらず、分周クロックA1(0)に対して分周クロックA0(3)は180度を実現することになる(矢付線S1を参照)。何故なら、基準クロックC1と基準クロックC3の位相差は180度であるからである。この時、DT1もDT3も位相差=0にはなっていなくても良い。これにより、クロックCLK1とクロックCLK3が180度の位相差となる。
【0035】
この手順1の調整により、状態2となり、分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)の位相は、「A4(−1)=−35」、「A1(0)=0」、「A2(0)=20」、「A3(0)=50」、「A4(0)=65」、「A1(+1)=100」となる。
従って、各基準クロックC1/C2/C3/C4の位相は、「C1=−7.5」、「C2=25」、「C3=42.5」、「C4=65」となる。また、位相比較結果DT1/DT2/DT3/DT4は、「DT1=+7.5」、「DT2=−5.0」、「DT3=+7.5」、「DT4=−10」、となる。
【0036】
続いて、手順2により、位相が90度のクロック(CLK2)を調整する。CLK1に対してCLK3の位相が180度になっているため、クロックCLK2の基準クロックC2は90度の位相となっている(A1(0)〜A3(0)が180度であるため、これを2分した基準クロックC2は、A1(0)に対して90度になる)。そこで、「DT2=0(位相差=0)」になるように、位相調整用遅延回路2により、クロックCLK2の位相を調整することで、90度の位相を実現する(矢付線S2を参照)。
この手順2の調整により、状態3になり、分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)の位相は、「A4(−1)=−35」、「A1(0)=0」、「A2(0)=25」、「A3(0)=50」、「A4(0)=65」、「A1(+1)=100」となる。
従って、各基準クロックC1/C2/C3/C4の位相は、「C1=−5.0」、「C2=25」、「C3=45」、「C4=75」となる。また、位相比較結果DT1/DT2/DT3/DT4は、「DT1=+5.0」、「DT2=±0」、「DT3=+5.0」、「DT4=−10」、となる。
【0037】
そして、手順3により、位相が270度のクロック(CLK4)を調整する。手順2と同様、CLK4の基準クロックC4は270度の位相となっているので、DT4が位相差=0になるように、位相調整用遅延回路2により、クロックCLK4の位相を調整することで、270度の位相を実現する(矢付線S3を参照)。
この手順3の調整により、状態4となり、分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)の位相は、「A4(−1)=−25」、「A1(0)=0」、「A2(0)=25」、「A3(0)=50」、「A4(0)=75」、「A1(+1)=100」となる。
従って、各基準クロックC1/C2/C3/C4の位相は、「C1=±0」、「C2=25」、「C3=50」、「C4=75」となる。また、位相比較結果DT1/DT2/DT3/DT4は、「DT1=±0」、「DT2=±0」、「DT3=±0」、「DT4=±0」、となる。
【0038】
以上説明した上記手順1、手順2および手順3を実行することにより、調整後の位相としては、クロックCLK1が0、クロックCLK2が25、クロックCLK3が50、クロックCLK4が75となり、各クロック信号間のスキューが均等になるように調整される。
【0039】
このように、本発明においては、LSIの外部から基準クロックを入力するのではなく、LSI内部のクロック分配系末端において、多相クロック自身から相間スキュー検出用の基準クロックC1/C2/C3/C4を生成し、比較対象クロックB1/B2/B3/B4と位相比較を行なうとともに、位相調整用遅延回路2により多相クロックの相間のスキューが均等になるように調整することができる。
【0040】
以上説明したように、本発明の相間スキュー検出回路は、半導体集積回路(LSI)の外部から基準クロックを入力するのではなく、LSI内部のクロック分配系末端において、多相クロック自身から相間スキュー検出用の基準クロックを生成し、比較対象クロックと位相比較を行なうことができる。また、相間スキュー検出回路11への入力となる被測定N相クロックは、各相の位相を制御する位相調整用遅延回路を有する。そして、本発明の相間スキュー検出回路で生成する位相比較基準クロックは、(360/N)度という位相差の絶対値を実現するのではなく、N相クロック中の第Kクロックに対する基準クロックの場合、第K−1クロックと第K+1クロックの位相差を等しく2分する位相とする。この場合に、位相比較回路から出力される位相比較結果の信号を用いて位相調整用遅延回路によりN相クロックの相間スキュー調整を行なう場合に、第Kクロックの位相を調整すると、第K−1クロックに対する基準クロックの位相と、第K+1クロックに対する基準クロックの位相が同時にずれることになる。この特性を巧みに利用して、好適なスキュー調整手順を実現するものである。
【0041】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の相間スキュー調整回路は、多相クロックが差動信号(differential clock)の場合にも適用できるものである(例えば、DDR−SDRAMにおける差動クロック信号CK/CK#信号の場合等)。この場合の回路の構成としては、図1および図2に示す回路構成と同じであるが、位相調整機能において、180度のクロックは0度のクロックの逆相となるため、180度のクロックの位相を調整する場合は、0度のクロックのデューティを調整することになる。同様に、270度のクロックは90度のクロックの逆相となるため、270度のクロックの位相を調整する場合は、90度のクロックのデューティを調整することになる。
【0042】
なお、ここで上述した実施形態と本発明との対応関係について補足して説明しておく。本発明における被測定対象となるN相クロックはクロックCLK1/CLK2/CLK3/CLK4が対応し、N+2個の分周クロックは分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)が対応し、位相比較対象クロックは位相比較対象クロックB1/B2/B3/B4が対応する。また、位相比較基準クロックは位相比較基準クロックC1/C2/C3/C4が対応し、位相調整用遅延回路に入力される外部入力クロックは外部入力クロックCKIN1/CKIN2/CKIN3/CKIN4が対応する。また、本発明における相間スキュー調整回路は相間スキュー調整回路1が対応し、相間スキュー検出回路は相間スキュー検出回路11が対応し、分周回路は分周回路14が対応し、位相比較対象クロック生成回路は位相比較対象クロック生成回路12が対応し、位相比較基準クロック生成回路は位相比較基準クロック生成回路13が対応し、位相比較回路は位相比較回路15が対応し、位相調整用遅延回路は位相調整用遅延回路2が対応する。
【0043】
そして、上記実施形態おいて、相間スキュー検出回路11は、被測定対象となるN相クロックCLK1/CLK2/CLK3/CLK4を所定のタイミングでN+2個の分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)に分周する分周回路14と、所定のN個の分周クロックA1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)からN個の位相比較対象クロックB1/B2/B3/B4を生成する位相比較対象クロック生成回路12と、N+2個の分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)から所定の組み合わせと演算規則に従いN個の基準クロックC1/C2/C3/C4を生成する位相比較基準クロック生成回路13と、N個の位相比較対象クロックB1/B2/B3/B4とN個の基準クロックC1/C2/C3/C4のそれぞれの位相差を検出する位相比較回路15と、を有して構成される。
このように、本発明の相間スキュー検出回路では、被測定対象となるN相クロックから生成されるN+2個の分周クロックにおいて、所定の組み合わせ(例えば、1つの分周クロックを間において隣接する分周クロックの組み合わせ)と所定の演算規則(例えば、組となる2つの分周クロックの位相を2分した位相を算出する)に従いN個の基準クロックを生成する。これにより、多相クロックの相間スキュー検出を行なうための基準クロックを半導体集積回路(LSI)内部で生成することができる。
【0044】
また、上記実施形態において、分周回路14は、4相(n=1,2,3,4)クロックCLK1/CLK2/CLK3/CLK4を入力とし、4相目のクロックCLK4、1相目のクロックCLK1、2相目のクロックCLK2、3相目のクロックCLK3、4相目のクロックCLK4、1相目の各クロックCLK1に同期して順次に生成される6個の分周クロックであって、4相クロックの各クロックの2倍の周期に分周される6個(1,2,3,4,5,6番目)の分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)を生成し、位相比較対象クロック生成回路12は、6個の分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)の内の2番目の分周クロックA1(0)から5番目の分周クロックA4(0)までを、それぞれ所定の遅延量で遅延させることにより、4個(1,2,3,4番目)の位相比較対象クロックB1/B2/B3/B4を生成し、位相比較基準クロック生成回路13は、6個の分周クロックA4(−1)/A1(0)/A2(0)/A3(0)/A4(0)/A1(+1)を基に、1番目の分周クロックA4(−1)と3番目の分周クロックA2(0)、2番目の分周クロックA1(0)と4番目の分周クロックA3(0)、3番目の分周クロックA2(0)と5番目の分周クロックA4(0)、4番目の分周クロックA3(0)と6番目の分周クロックA1(+1)の各組内において、それぞれのクロックの位相を2分した位相で4個(1,2,3,4番目)の位相比較基準クロックC1/C2/C3/C4を生成し、位相比較回路は、4個の位相比較対象クロックB1/B2/B3/B4と、4個の位相比較基準クロックC1/C2/C3/C4について、それぞれの順番に対応する位相比較対象クロックと位相比較基準クロックごとに位相差を検出する。
このように、4相クロックの場合は、1つの分周クロックを間において隣接する分周クロックの組み合わせ「分周クロックA4(−1)とA2(0)、分周クロックA1(0)/A3(0)、分周クロックA2(0)とA4(0)、分周クロックA3(0)とA1(+1)」により基準クロックC1/C2/C3/C4を生成する。これにより、多相クロックの相間スキュー検出を行なうための基準クロックを半導体集積回路(LSI)内部で生成することができる。
【0045】
また、上記実施形態において、相間スキュー調整回路1は、相間スキュー検出回路11を備え、相間スキュー検出回路11内の位相比較回路15における位相比較結果を基に、分周回路14に入力されるN相クロックCLK1/CLK2/CLK3/CLK4のそれぞれの位相を調整するための位相調整用遅延回路2を備える。
このように、N相クロックCLK1/CLK2/CLK3/CLK4の位相を調整する位相調整用遅延回路2を有する。
これにより、多相クロックの相間スキュー検出を行なうための基準クロックC1/C2/C3/C4を半導体集積回路(LSI)内部で生成して、N相クロックCLK1/CLK2/CLK3/CLK4の相間スキューの調整を行うことができる。このために、外部から多相の基準クロックをLSIに入力する必要がなくなり、LSIの外部ピン数を増加させず、基準クロック自身のLSI内部における分配スキューを抑制できる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の相間スキュー検出回路、および相間スキュー調整回路は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0047】
1・・・相間スキュー調整回路、2・・・位相調整用遅延回路、2a,2b,2c,2d・・・遅延素子、3・・・遅延量制御回路、11・・・相間スキュー検出回路、12・・・位相比較対象クロック生成回路、13・・・位相比較基準クロック生成回路、14・・・分周回路、15・・・位相比較回路、21・・・論理回路、A4(−1),A1(0),A2(0),A3(0),A4(0),A1(+1)・・・分周クロック、B1,B2,B3,B4・・・位相比較対象クロック、C1,C2,C3,C4・・・位相比較基準クロック、CKIN1,CKIN2,CKIN3,CKIN4・・・外部入力クロック、CLK1,CLK2,CLK3,CLK4・・・N相クロック、DT1,DT2,DT3,DT4・・・位相比較結果

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定対象となるN相クロックを所定のタイミングでN+2個の分周クロックに分周する分周回路と、
所定のN個の分周クロックからN個の位相比較対象クロックを生成する位相比較対象クロック生成回路と、
前記N+2個の分周クロックから所定の組み合わせと演算規則に従いN個の位相比較基準クロックを生成する位相比較基準クロック生成回路と、
前記N個の位相比較対象クロックと前記N個の基準クロックのそれぞれの位相差を検出する位相比較回路と、
を備えることを特徴とする相間スキュー検出回路。
【請求項2】
前記分周回路は、4相(n=1,2,3,4)クロックを入力とし、該4相クロックの4相目、1相目、2相目、3相目、4相目、1相目の各クロックに同期して順次に生成される6個の分周クロックであって、前記4相クロックの各クロックの2倍の周期に分周される6個(1,2,3,4,5,6番目)の分周クロックを生成し、
前記位相比較対象クロック生成回路は、前記6個の分周クロックの内の2番目の分周クロックから5番目の分周クロックまでを、それぞれ所定の遅延量で遅延させることにより、4個(1,2,3,4番目)の位相比較対象クロックを生成し、
前記位相比較基準クロック生成回路は、前記6個の分周クロックを基に、1番目の分周クロックと3番目の分周クロック、2番目の分周クロックと4番目の分周クロック、3番目の分周クロックと5番目の分周クロック、4番目の分周クロックと6番目の分周クロックの各組内において、それぞれのクロックの位相を2分した位相でN個(1,2,3,4番目)の位相比較基準クロックを生成し、
前記位相比較回路は、前記4個の位相比較対象クロックと、前記4個の位相比較基準クロックについて、それぞれの順番に対応する位相比較対象クロックと位相比較基準クロックごとに位相差を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の相間スキュー検出回路。
【請求項3】
前記分周回路は、n相(n=1,2,3,・・・,N)のクロックを入力とし、N相目、1相目、2相目、・・・、N−1相目、N相目、1相目の各クロックに同期して順次に生成されるN+2個の分周クロックであって、前記N相クロックの各クロックの2倍の周期に分周されるN+2個(1,2,3,・・・,N+2番目)の分周クロックを生成し、
前記位相比較対象クロック生成回路は、2番目の分周クロックからN+1番目の分周クロックまでを、それぞれ所定の遅延量で遅延させることにより、N個(1,2,3,・・・,N番目)の位相比較対象クロックを生成し、
前記位相比較基準クロック生成回路は、前記N+2個の分周クロックを基に、1番目の分周クロックと3番目の分周クロック、2番目の分周クロックと4番目の分周クロック、・・・、N−1番目の分周クロックとN+1番目の分周クロック、N番目の分周クロックとN+2番目の分周クロックの各組内において、それぞれのクロックの位相を2分した位相でN個(1,2,3,・・・,N番目)の位相比較基準クロックを生成し、
前記位相比較回路は、前記N個の位相比較対象クロックと、前記N個の位相比較基準クロックについて、それぞれの順番に対応する位相比較対象クロックと位相比較基準クロックごとに位相差を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の相間スキュー検出回路。
【請求項4】
前記位相比較基準クロック生成回路では、2つの分周クロックの位相を2分した位相で位相比較基準クロックを生成する際に、フェイズ・インターポレータを使用し、
前記位相比較対象クロック生成回路では、前記フェイズ・インターポレータにおいて生じる出力信号の遅延時間に相当する遅延量により、入力される分周クロックを遅延させる
ことを特徴とする請求項2または3に記載の相間スキュー検出回路。
【請求項5】
前記請求項1から4のいずれかに記載の相間スキュー検出回路を備え、
前記相間スキュー検出回路内の位相比較回路における位相比較結果を基に、前記分周回路に入力されるN相クロックのそれぞれの位相を調整するための位相調整用遅延回路を備えることを特徴とする相間スキュー調整回路。
【請求項6】
請求項5に記載の相間スキュー調整回路を備えることを特徴とする半導体集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−138342(P2011−138342A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298374(P2009−298374)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】