説明

大動脈内皮細胞の一酸化窒素放出に対するアムロジピン及びアトルバスタチンの相乗効果

アムロジピンとアトルバスタチンの組み合わせは、NO産生を相乗的に合成するために作用する。更に、第三次化合物の添加は、NO産生におけるアムロジピンとアトルバスタチンのこの組み合わせを補完する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内皮細胞からの一酸化窒素(NO)の産生及び放出に対する、アムロジピン及びアトルバスタチン単独の、又は互いに組み合わせた、又は互いと第三次薬剤とを組み合わせた効果に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
この一部継続出願は、米国仮出願60/223,214(2000年8月4日出願)の利益及び優先権を請求する米国特許出願09/921,479(2001年8月3日出願)の利益及び優先権を請求する。
【背景技術】
【0003】
冠動脈疾患(CAD)は、先進国における死亡の主な原因であり、多大な罹患率にも関連する。典型的には、CADの患者は、高血圧、糖尿病、及び異脂肪血症を含む幾つかの随伴性の状態を有し、不良転帰の全体的な危険性を増大し、処置を複雑にする。CAD処置の治療目標は、アテローム動脈硬化症に寄与する複数の基礎的な疾患過程を同時に標的にすることができ、それによって疾患の経過を変えることができる薬剤の開発である。したがって、CAD治療は、抗高血圧剤及びHMG−CoAレダクターゼインヒビターの使用が、単一の送達系において組み合わされる場合に、肯定的な転帰を増大することができる。
【0004】
遊離コレステロールは、リン脂質分子の充填を調節し、したがって脂質二分子層動力学及び構造を調整する細胞原形質膜の重要な構成成分である。コレステロール分子は、長軸がリン脂質アシル鎖と平行であるように膜中で配向しており、膜の上方アシル鎖領域においてオーダーを上げ、同時に、末端メチル基において充填圧迫を下げる。しかしアテローム発生の際は、細胞コレステロールのレベルの増加は、血管壁の中に異常な沈着及びコレステロール結晶の形成をもたらす。
【0005】
アテローム性動脈硬化症の動物モデルにおいて、血管平滑筋及びマクロファージ泡沫細胞に関連する膜のコレステロール含有量が上昇して、別個のドメインの形成をもたらすことを実証した。34.0Åの単位胞周期性により特徴づけられるこれらの高度に組織化されたコレステロール構造は、細胞外結晶の形成の核形成部位として役割を果たすと思われる。これらのドメインは、モデル膜系において既に記載されてきた。本発明者たちの実験室における最近の研究は、培養マウス腹膜マクロファージ泡沫細胞が、細胞内膜部位から延びる、板、針及びらせんを含む多様な形態の遊離コレステロール結晶を産生することを示した。X線回析手法の使用によって、これらの細胞から単離した膜で結晶形成の初期段階を確認することができる。結晶の形成を防止することは、この段階のコレステロールが実質的に不活性であり、病変の退行を促進する薬理学的介入に良好に反応しないので、重要な目標である。
【0006】
加えて、内皮によるNOの正常な産生は、血管機能を維持するために重要である。しかしアテローム性動脈硬化症の間、内皮細胞機能不全は、NO産生に有意な低減をもたらし、その結果、1)単球及びLDL浸潤の増加、2)平滑筋細胞機能の損失及び異常増殖、3)酸化ストレスの増加、及び4)血小板凝集の増加をもたらす。内皮機能及びNO代謝を回復する薬理学的介入は、冠動脈疾患を含む多様な心血管障害の処置における利益を実証した。
【0007】
高血圧及び高脂血症の両方を治療する医薬組成物は、幾つかの利益を有する。例えば、多くの場合に個人の患者に存在する動脈性及び関連する心臓疾患の複数の危険因子を同時に標的にすることができる。加えて、一つの組み合わせ投与の摂取は容易なので、治療投薬計画に対する患者の服薬遵守を有意に増強することができる。
【0008】
したがって、動脈性及び関連する心臓疾患に伴う複数の病理過程を治療する併用治療を提供することが、本発明の目的である。これらには、高血圧及び高脂血症が挙げられるが、これらに限定はされない。そのような併用治療の有用で都合の良い投与レベル及び形態を開発することも、本発明の目的である。好ましくは、本医薬組成物は、動脈性及び関連する心臓疾患のこれらの特徴に対して、この組成物の成分の個々の効果が組み合わせにより増強されるような相乗効果を有する。
【0009】
したがって、本発明は、アテローム性動脈硬化症に寄与する複数の基礎的な疾患過程を同時に標的にすることができ、それによって疾患の経過を変えることができる薬剤の開発を必要とする、CAD処置の治療目標を包含する。したがって、本発明を使用するCAD治療は、抗高血圧剤及びHMG−CoAレダクターゼインヒビターの使用が、単一の送達系において組み合わされる場合に、肯定的な転帰を増大することができる。
【0010】
冠動脈疾患及び発作を含むアテローム性動脈硬化症の臨床症状は、米国における死亡及び障害の主な原因である。次にアテローム性動脈硬化症は、内皮NOシンターゼ(eNOS)から産生される一酸化窒素(NO)の生物学的利用能の低減により特徴づけられる、内皮依存性弛緩の機能障害と因果関係がある。事実、高脂血症、糖尿病、肥満、心不全、高血圧、及び喫煙のようなアテローム性動脈硬化症の主要な危険因子は、全て内皮依存性弛緩(EDR)の機能障害と関連する。EDRの低減の発症機序は、多因子的であるが、その最も重要な原因は、一酸化窒素(NO)経路の破壊である。したがって、NOの正常な産生を増強し回復する薬剤は、アテローム性動脈硬化症、最終的に心血管疾患の処置における新たな重要な展開を表す。発明者たちは、近年、アムロジピンとアトルバスタチンの組み合わせが、NOの生物学的利用能に相乗的な効果を与えることを発見した。これらの薬剤と、NOの生物学的利用能を更に増強する第三の薬剤とを組み合わせることが、現在望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、内皮細胞からの一酸化窒素(NO)の産生及び放出に対する、アムロジピン及びアトルバスタチン単独の、又は互いに組み合わせた、又は互いと第三次薬剤とを組み合わせた効果に関する。
【0012】
本発明の一つの実施態様は、治療有効量のアムロジピン、アトルバスタチン及びNO増強第三次化合物を含む、NO産生を増強する医薬組成物である。この実施態様の一つの態様において、アトルバスタチンは、アトルバスタチンそれ自体又はそのヒドロキシル化代謝産物のいずれかであることができる。さらに別の態様では、NO増強第三次薬剤は、例えば、L−アルギニン、テトラヒドロビオプテリン、ACEインヒビター、酸化防止剤、βブロッカー、アンギオテンシンII型1−レセプターアンタゴニストなどであることができる。
【0013】
さらに別の実施態様において、アムロジピンと、アトルバスタチン化合物と、NO増強第三次薬剤との組み合わせの治療有効量を投与することを含む、内皮細胞による一酸化窒素産生を相乗的に増加する方法が記載される。
【0014】
なお別の実施態様において、アムロジピンと、アトルバスタチン化合物と、NO増強第三次薬剤との組み合わせの治療有効量を投与することを含む、動脈性及び関連する心臓疾患を治療する方法が記載される。
【0015】
本発明の別の実施態様は、アムロジピンと、アトルバスタチン化合物と、NO増強第三次薬剤との組み合わせの治療有効量を投与することを含む、血圧及び全身脂質濃度を下げる方法である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、内皮細胞からの一酸化窒素(NO)の産生及び放出に対する、アムロジピン及びアトルバスタチン単独の、又は互いに組み合わせた、又は互いと第三次薬剤とを組み合わせた効果に関する。
【0017】
本発明の一つの実施態様は、治療有効量のアムロジピン、アトルバスタチン及びNO増強第三次化合物を含む、NO産生を増強する医薬組成物である。この実施態様の一つの態様において、アトルバスタチンは、アトルバスタチンそれ自体又はそのヒドロキシル化代謝産物のいずれかであることができる。さらに別の態様では、NO増強第三次薬剤は、例えば、L−アルギニン、テトラヒドロビオプテリン、ACEインヒビター、酸化防止剤、βブロッカー、アンギオテンシンII型1−レセプターアンタゴニストなどであることができる。
【0018】
アムロジピンをアトルバスタチンと組み合わせる効果を調べるために、研究が行われた。そのプロトコール及び結果を下記に記載する。
【0019】
再構成膜試料の調製。HPLC等級クロロホルム(10.0mg/ml)に溶解したブタ心臓リン脂質を、Avanti Polar Lipids Inc. (Alabaster, AL)から得て、−80℃で保存した。ホスファチジルコリン脂質の脂肪酸組成を、気液クロマトグラフィー分析により決定した。飽和と不飽和の脂肪酸の全体的な比率は、0.8:1であり、主要な構成成分は、18:2のリノール酸(30%)、16:0のパルミチン酸(22%)、18:1のオレイン酸(13%)及び20:4のアラキドン酸(11%)であった。コレステロール粉末もAvanti Polar Lipids Inc.から購入した。ベシル酸アムロジピン(AML)をPfizer Central Research (Groton, CT)から得て、一方、アトルバスタチンカルシウム(AT)は、Parke Davis (Ann Arbor, MI)から提供された。
【0020】
膜コレステロール組織及び構造に対する薬剤の効果を、等モルレベルのコレステロールとリン脂質を含有する良好に画定された脂質ビヒクルで評価した。この再構成膜系を以下の理由で使用した:1)この系は、コレステロールに富むアテローム硬化性マクロファージ及び平滑筋細胞膜で観察される膜構造における変化を再現する。2)膜調製にはカルシウムチャンネルを含まない。3)これらの試料を高度に再現可能な方法で調製することができる。脂質ビヒクルを、リン脂質及びコレステロールから、固定モル比でクロロホルムに溶解し、個々のガラス製13×100mm試験管に添加することによって、形成した。クロロホルム溶媒を、N2ガスの定常流下でシェル乾燥により除去した。残留溶媒を真空下で除去し、同時に光から試料を保護した。乾燥脂質を室温で急速に混合し、続いて緩衝生理食塩水(0.5mmol/L HEPES及び154.0mmol/L NaCl、pH7.2)を添加することによって、膜ビヒクルを回析解析のために製造した。最終リン脂質濃度は、5.0mg/mLであった。既に記載されているように、膜試料を、遠心分離し、次に温度及び相対湿度が制御された気密封止缶の中に置くことによって、回析解析のために配向した。
【0021】
小角X線回析解析。小角X線回析手法を使用して、膜中のコレステロールの組織に対する多様な薬剤の効果を直接調べた。X線回析実験は、試料を、高明度対陰極微焦点発生器(Rigaku Rotaflex RU-200, Danvers, MA)により生成される、平行ニッケルフィルター単色X線供給源(CuKα=1.54Å)に対して俯角入射で整列させることによって実施した。回析データを、試料から150mm離して置いた一次元位置敏感電子検出器(Innovative Technologies, Newburyport, MA)で収集した。検出器システムの直接較正に加えて、既に記載されているように、コレステロール一水和物結晶を使用して較正を確認した。膜脂質二分子層の単位胞周期性、すなわちd空間は、表面水和を含む、1つの二分子層と次の二分子層の中心からの測定距離であり、ブラッグの法則で計算された。
【0022】
NO放出測定。示される測定は全てインビトロで記録した。NO放出は、ウサギの大動脈の単一の内皮細胞から直接測定した。測定はハンクス平衡溶液中、37℃で行った。ポルフィリンセンサー(直径0.2±0.1μm)を、コンピューター制御マイクロマニピュレータを使用して内皮細胞の表面の近く(10±5μm)に置いた。センサーは3つの電極システム〔センサー作動電極、白金ワイヤ(0.1mm)対電極、及び飽和カロメル電極(SCE−基準電極)〕で作動した。3つの電極をポテンシオスタット/ガルバノスタットPAR273に接続した。カスタムソフトウエアを用いるIBMコンピューターの使用により、データを取得した。NO濃度に比例する電流を、SCEに対して0.63Vの定電圧の電流測定モードで作動するポルフィリンセンサーで測定した。
【0023】
NOの放出は、内皮細胞から制御された距離で置かれたtemtoinjectorを使用する、潜在的なアゴニストの内皮NOシンターゼ(eNOS)の注入により開始した。2つの異なるアゴニストを試験した。アムロジピンとアトルバスタチンである。同時に適用したこれら2つの化合物の異なる濃度も試験した。
【0024】
アテローム硬化様膜は、明確な結晶様ステロールドメインを有する:膜のステロールに富むドメインは、遊離コレステロール結晶形成の重要な核形成部位を表すことがあり、不安定なプラークの重要な特徴である。心臓組織から単離された天然リン脂質から再構成された膜の中のコレステロール一水和物形成に対する、AML及びATの別々の及び組み合わせた効果を評価した。不均質なアシル鎖から構成されるリン脂質をこれらの分析に使用した。この膜系は、ステロールに富む別個のドメインを、同様の実験条件下でのアテローム性動脈硬化症研究で既に観察されているレベルで再現的に形成した。
【0025】
配向した、コレステロールに富む膜のX線回析解析は、構造的に明確なステロールに富む及び乏しい膜領域に対応する、強力な再現性回析オーダーを生成した。d空間測定値は、表面水和を含む、1つの二分子膜と次の二分子膜の中心からの平均距離を意味する。ステロールに富む領域のd空間は34.0Åであり、単一のコレステロール一水和物分子としてコレステロール二分子層構造が17Åの長軸を有することを示した(図1)。一方、周囲のステロールに乏しい領域は、20℃及び相対湿度93%で65.9Åの平均幅を有した。ステロールに乏しいドメインの幅がより大きい(>90%)のは、周囲の膜領域にリン脂質が豊富にあることが原因である。コレステロールドメインは、広範囲の温度(5〜37℃)及び相対湿度レベル(74〜93%)にわたって常に存在し、以前のアテローム硬化様膜試料のX線回析解析と一致した。
【0026】
図1において、ステロイドに富む及び乏しいドメインに対応する回析ピークを、20℃で明確に識別することができる。1′及び2′と標識付けしたピークは、ステロールに富むドメイン(d=34.0Å)に対応し、一方、周囲のステロールに乏しい膜区域は、1、2及び4と標識付けしたピークに対応する、60.7Åのd空間値を有した。コレステロール一水和物相を説明するピークは、結晶様構造から予測されるように極めて鋭角である。評価した全ての試料において、ステロールに乏しい膜領域の形状は、リン脂質−コレステロール二成分混合物の不均質な化学組成及び力学的運動のために、温度及び相対湿度により調節されることが観察された。例えば相対湿度93%では、ステロールに乏しい領域のd空間は、試料の温度が15℃(64Å)から40℃(58.5Å)に増加すると、5.5Å(9%)減少し、トランス−ゴーシュ異性体化の増加と一致した(図2)。しかしこの同じ温度範囲にわたって、コレステロール一水和物相は、結晶様構造で予測されるように、34.0Åで変わらないままであった。加えて、高度に再現性のある34.0Å構造は、20℃での相対湿度(52〜93%)の大きな変化により影響を受けず、一方、ステロールに乏しい領域は、この同じ範囲にわたって19%又は10Å(52〜62Å)で変化した。
【0027】
アムロジピンとアトルバスタチンによるステロールドメイン形成の相乗的な抑制:コレステロールに富む膜試料へのAMLとATの両方の添加は、相乗的な様式でステロールドメイン形成を防止した。濃度30nMの緩衝水溶液では、AMLとATの組み合わせは、コレステロールとリン脂質をコレステロール:リン脂質のモル比1.1:1及び1.2:1で含有する膜試料で、コレステロールドメインの形成を完全に阻止した。2つの薬剤が存在すると、対照と比較して、多様な実験条件下でリン脂質二分子層に対応するピークしか観察することができなかった(図3)。1.1:1モル比では、対照及び薬剤組み合わせ含有試料のd空間値は、相対湿度74%及び5℃で、それぞれ54.2及び53.9Åであった。1.2:1モル比では、対照及び薬剤組み合わせ含有試料のd空間値は、相対湿度74%及び5℃で、それぞれ55.5及び53.5Åであった。
【0028】
AML又はATを膜試料に別々に添加する場合、コレステロールドメインは、小角X線回析手法により同一の条件下で明確に検出することができた。更に、AML及びATと他の薬剤との組み合わせは、コレステロール結晶形成に対して抑制効果がなかった。AMLとHMG−CoAレダクターゼインヒビターロバスタチンの組み合わせと、ATとCCBニフェジピンの組み合わせの両方とも、対照試料と比較して、コレステロールドメイン形成を妨げることに失敗した(図4)。コレステロールドメインは、34.0Åの単位胞周期性を有するこれらの試料において非常に顕著であった。これらの個別な構造は、周囲のステロールに乏しい膜領域と共存する。5℃及び相対湿度74%では、周囲のステロールに乏しい膜試料の領域は、次のd空間値:対照(55.5Å)、AML/ロバスタチン(54.4Å)及びAT/ニフェジピン(56.5Å)を有した。最後にAML及びATがコレステロールに富む膜試料に別々に添加される場合、これらはドメイン形成を妨げなかった。
【0029】
コレステロールドメイン形成に対するAMLとATの相乗効果も、より低い濃度のコレステロールで観察された。コレステロールとリン脂質のモル比1.1:1では、薬剤の組み合わせは、膜試料内でコレステロール結晶化を有効に妨げた(図5)。対照的に、別々に使用した場合、このより低いレベルの膜コレステロールであっても薬剤はドメイン形成に対して効果がなかった。5℃及び相対湿度74%では、周囲のステロールに乏しい膜試料の領域は、次のd空間値:対照(55.5Å)、AML単独(54.4Å)、AT単独(55.8Å)及びAML/AT(53.9Å)を有した。
【0030】
コレステロールの組織に対するAMLとATの相乗効果の説明は、それらの化学的特性であることができる。AMLは、他のCCBと比較して非常に高い親油性を有し、生理学的pHで形式正電荷を有する。AMLとATの間の静電相互作用、並びに膜のリン脂質頭部領域は、この薬剤の脂質二分子層への高い親和性に寄与する。更に、AMLの荷電アミノ−エトキシ官能基は、コレステロール分子のステロイド核に重なる膜の領域に薬剤を向かわせ、この効果は、膜におけるコレステロール分子の自己会合の破壊を直接もたらすことができる。同様に、ATはAMLのように膜の同様の位置で分割することが観察された。
【0031】
重要な所見は、AMLとATの組み合わせが、アテローム硬化様膜において、別々のコレステロールドメインの形成を相乗的な様式で抑制したという観察であった。薬剤の組み合わせのこの生物物理学的効果は、コレステロールに富む脂質膜を使用する小角X線回析手法によって、直接特徴づけられた。コレステロールは膜内で凝集するので、血管壁の中で細胞外遊離コレステロール結晶形成の核形成部位として役割を果たす可能性があり、そのようなステロールドメイン形成を阻止するAML/AT組み合わせの能力は、新規の抗アテローム硬化作用機序を示す。この観察された効果は、他の組み合わせが遊離コレステロールの凝集特性にこの変化を再現できなかったので、これらの薬剤にとって独特であると思われる。
【0032】
アテローム性動脈硬化症において、病変の破裂及び血栓症の発生率は、動脈硬化プラークの脂質組成により影響を受ける。アテローム硬化病変の脂質組成は、主にコレステロール及びリン脂質と、より少ない量の脂肪酸及びトリアシルグリセロールから構成される。時間とともに、コレステロールはヒトアテローム中に結晶構造を形成し、この現象は、全体的な病変質量及びプラークの不安定化に寄与する。いったん結晶化すると、病変内のコレステロールは、実質的に不活性になり、血漿中のリポタンパク質アクセプターで有効に除去することができない。対照的に、泡沫細胞膜と関連する非結晶化コレステロール又は細胞内ストアは、血漿HDL及び薬理学的介入により枯渇され、病変の退行をもたらすことができる。
【0033】
最近の報告は、細胞膜が遊離コレステロール蓄積の細胞部位であり、ステロールに富む個別のドメインをもたらし、最終的には結晶になることを指摘する。例えばマクロファージ泡沫細胞において、リポタンパク質(天然又は酸化された)取り込み及び/又は隣接する壊死泡沫細胞から放出される脂質の食作用の後、コレステロールの臨界質量が達成される。最終的に、核形成現象がコレステロール濃縮の臨界濃度で起こり、膜内にコレステロールドメインの発生をもたらす。膜内での高度に組織化されたコレステロール凝集体の形成を妨げることによって、AMLとATの組み合わせは、後に続く血管壁における結晶発生を有意に遅らせるか、さらには防止し、それによって、そうでなければアテローム動脈硬化症の不可逆的な段階の進行を阻止することができる。更に、これらの薬剤はHDL及び脂質低下療法と相乗的に作用して、細胞膜中でコレステロールを非結晶又は動的状態に維持することによって、疾患動脈の壁の中でのコレステロール結晶の蓄積を低減することができる。
【0034】
AMLとATが、コレステロールの凝集が個別のドメインになるのを妨げる機序は、それらの分子膜相互作用に関連する場合がある。生理学的pHにおいて、AMLのジヒドロピリジン環の2位と関連するアミノエトキシ官能基の90%超が、荷電状態である。この正電荷が、AMLと、リン脂質二分子層の表面と関連するリン酸基との特異的静電相互作用に寄与する。以前の小角X線回析、示差スキャニング熱量測定及び核磁気共鳴分析の結果は、リン脂質頭部領域において、AMLの荷電アミノ官能基を、逆帯電した基の近くに置く分子モデルを支持する。同時に、ジヒドロピリジン分子の疎水性部分を、頭部領域に隣接する膜炭化水素コアの中に埋める。これらの生物物理学的測定は、AMLの環構造の時間平均位置が、膜中のコレステロールのステロール核と重なり、これは、分子の特定の生物物理学的効果を調節し、自己会合を妨げることができることを示す。同様に、小角X線回析手法は、ATが二分子重膜の個別の位置で分割することを実証した。
【0035】
したがって、この予想外の相乗効果は、これらの化合物と膜脂質構成成分との分子相互作用に起因することができる。この所見は冠動脈疾患(CAD)の処置に重要な関連があり、それはこの疾患は、遊離コレステロールの異常蓄積が別個の膜ドメインになることによって特徴づけられるからである(34.0Åのd空間)。これらのドメインは、細胞機能を中断させ、かつ細胞外結晶形成をもたらし、これは不安定な動脈硬化プラークの重要な特徴である。小角X線回析解析は、初めて、AMLとATの組み合わせが、遊離コレステロールの凝集体が結晶様ドメインになることを、低いナノモルの濃度で阻止することを実証した。対照的に、これらの薬剤と他の関連する薬剤の組み合わせは、コレステロール結晶形成に対して抑制効果を示さなかった。これらの所見は、AMLとATの組み合わせが、アテローム硬化様膜においてコレステロール結晶形成を中断することによって、新規の抗アテローム硬化の効果を生じることを示す。血管壁中のコレステロール結晶の形成を中断することによって、AML/AT組み合わせは、プラークの不安定化を低減し、同時にHDLのようなステロールアクセプター粒子へのコレステロール流出を促進する。AML/AT組み合わせのこの新しい抗アテローム硬化性作用機序は、心血管疾患の有効な処置におけるこれらの薬剤の別々の活性を補完する。
【0036】
大動脈内皮細胞からのNO放出:図6は、アムロジピン、アトルバスタチン及び5μmol/Lアムロジピンと多様な濃度(1〜5μmol/L)のアトルバスタチンとの混合物により刺激されたNO放出の用量反応曲線を示す。図6で示されるデータに基づくと、用量の範囲において、アムロジピンとアトルバスタチンの組み合わせによる内皮細胞からのNO放出の刺激の後、有意な相乗効果が観察される。
【0037】
したがって、これらの分析の結果は、コレステロール結晶形成の抑制及びウサギ大動脈内皮細胞からの一酸化窒素の放出に対する、アムロジピンとアトルバスタチンの組み合わせの強力な相乗効果を実証した。この研究の結果は、心血管障害の処置におけるAMLとATを組み合わせた使用に対する、説得力のある科学的支援を提供する。AML/AT組み合わせのこれらの新規の抗アテローム硬化の効果は、CADを含む心血管疾患の処置におけるこれらの薬剤の別々の活性を補完する。
【0038】
本発明は、アムロジピン及びアトルバスタチン代謝産物と、内皮細胞からNOの生物学的利用能を増強する少なくとも1つの他のNO増強第三次薬剤との有効量を投与することによる、対象者の血管系に存在する一酸化窒素(NO)放出を相乗的に増加する方法を記載する。
【0039】
一酸化窒素(NO)は、NADPH依存性NOシンターゼ(NOS)の酵素作用により、アミノ酸L−アルギニンをL−シトルリンへ酵素的に変換することによって産生される。NOS酵素は、Ca2+/カルモジュリン、FAD、FMN及びテトラヒドロビオプテリン(BH4)を補助因子として必要とする(Moncada and Higgs, 1993, N. Engl J Med. 329:2002-2012; Nathan and Xie, 1994, J Biol Chem. 269:13725-28、この教示は全て参照として本明細書に組み込まれる)。血管において、NOは、血液剪断応力のような機械的ストレスにより、並びにブラキジニン及びアセチルコリンのようなアゴニストによる刺激により活性化される、NOSの内皮アイソフォーム(eNOS)の構成的発現によって、内皮から産生される。NOは、多様な機能を有するが、その内皮由来弛緩因子(EDRF)としての作用は、血管恒常性の維持にとって最も重要である(Moncada and Higgs, 1993)。
【0040】
内皮由来弛緩(EDR)の機能障害が、血管構造の変化が起きる前からでもアテローム硬化性血管に存在し、eNOS由来NOの生物学的利用能の低減を表す。EDR機能障害により特徴づけられる内皮細胞機能不全、それによるNOS由来NOの生物学的利用能の低減は、アテローム発生の重要な段階である。EDR機能障害の原因である種々の機序のうち、超酸化物によるNO分解の増加が重要であり、アテローム硬化性血管において超酸化物の産生が増加する。特定の状況下では、eNOSは機能不全になり、NOではなく超酸化物を産生する。機能不全eNOSの病態生理学的な役割が、アテローム動脈硬化症を含む血管障害において注目されてきた。
【0041】
前に記述したように、正常な条件下では、NOは、血流と、アセチルコリン、ブラキジニン及びサブスタンスPのような天然のアゴニストの増加に関連するメカノケミカルレセプターの活性化に反応して、血管内皮一酸化窒素シンターゼ(eNOS)により発生する。正常なNO産生の損失を含む内皮細胞機能不全は、アテローム性動脈硬化症、高血圧、心不全及び真性糖尿病を含む多様な心血管障害に関連する(Drexler H, Hayoz D, Munzel T, Hornig B, Just H, Brunner HR, Zelis R., Endothelial function in chronic congestive heart failure, Am. J. Cardiol. 1992;69:1596-1601; Gilligan DM, Panza JA, Kilcoyne CM, Waclawiw MS, Casion PR, Quyyumi AA., Contribution of endothelium-derived nitric oxide to exercise-induced vasodilation. Circulation. 1994;90:2853-2858; Panza JA, Quyyumi AA, Brush JE, Epstein SE. Abnormal endothelium-dependent vascular relaxation in patients with essential hypertension. N. Engl. J. Med. 1990;323:22-27; Cardillo C, Kicoyne CM, Quyyumi AA, Cannon RO, Panza JA. Selective defect in nitric oxide synthesis may explain the impaired endothelium-dependent vasodilation in patients with essential hypertension. Circulation. 1998;97:851-856; Drexler H, Hornig B. Endothelial dysfunction in human disease. J. MoI. Cell. Cardiol. 1999;3:51-60を参照すること;この教示は全て参照として本明細書に組み込まれる)。
【0042】
確認された高血圧の患者において、NO産生の低下は、正常な血管拡張の損失をもたらす。心不全の発症の際には、内皮細胞機能不全は、末梢血管及び骨格筋に不適応変化をもたらし、運動不耐性の症状を引き起こす(Drexler H, Hayoz D, Munzel T, Hornig B, Just H, Brunner HR, Zelis R. Endothelial function in chronic congestive heart failure. Am. J. Cardiol. 1992;69:1596-1601; Gilligan DM, Panza JA, Kilcoyne CM, Waclawiw MS, Casion PR, Quyyumi AA. Contribution of endothelium-derived nitric oxide to exercise-induced vasodilation. Circulation. 1994;90:2853-2858、この教示は全て参照として本明細書に組み込まれる)。
【0043】
NOの産生は、平滑で抗血栓形成性の表面を維持するために、内皮にとって必須の活性であると思われる。しかしアテローム動脈硬化症の際には、NO合成の欠如は、血管血行力学及び炎症に悪い結果をもたらす(Libby P. Changing concepts in atherogenesis. J. Intern. Med. 2000;247:349-358; Ross R. Atherosclerosis - An inflammatory disease. N. Engl. J. Med. 1999;340:115-126、この教示は全て参照として本明細書に組み込まれる)。これらの有害作用には、1)フリーラジカル損傷の増加、2)血小板凝集、3)白血球の超粘着性の増加、4)血管収縮の増強、及び5)血管収縮剤エンドセリン産生の増加が挙げられる。したがって、NO利用能の欠如は、ヒトの血管系におけるアテローム発生を促進する初期現象である可能性がある。
【0044】
NO合成を増強する薬理作用剤は、eNOSの構成的レベルを増加することによって、高血圧及びアテローム硬化性疾患(すなわち、冠動脈疾患)の患者に好ましい影響を与える(Wiemer G, Linz W, Hatrik S, Scholkens BA, Malinski T. Angiotensin-converting enzyme inhibition alters nitric oxide and superoxide release in normotensive and hypertensive rats. Hypertension. 1997;30:l183-1190; Treasure CB, Klein JL, Weintraub WS, Talley JD, Stillabower ME, Kosinski AS, Zhang J, Boccuzzi SJ, Cedarholm JC, Alexander RW. Beneficial effects of cholesterol-lowering therapy on the coronary endothelium in patients with coronary artery disease. N. Engl. J. Med. 1995;332:481-487、この教示は全て参照として本明細書に組み込まれる)。驚くべきことに、アムロジピンとアトルバスタチンの組み合わせは、高度に相乗的な様式で、ヒト内皮細胞からのNO産生を増強する。この所見は、心血管疾患の処置におけるこれらの薬剤の使用に幅広い影響を持つ。
【0045】
一つの態様において、アムロジピン及びアトルバスタチン代謝産物と、内皮細胞からNOの生物学的利用能を増強する少なくとも1つの他の薬剤との有効量を投与することによる、対象者の血管系に存在する一酸化窒素(NO)放出を相乗的に増加する方法が記載される。適切なNO増強第三次薬には、L−アルギニン(NOSの基質)、テトラヒドロビオプテリン(BH4、NOSの補助因子)、ACEインヒビター(ラミプリル、エナラプリル、キナプリル)、酸化防止剤(例えば、ビタミンE、プロブコール、ビタミンC)、βブロッカー(ネビボロール、カルベジロール、メトプロロール)及びアンギオテンシンII型1(AT1)−レセプターアンタゴニスト(イルベサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、ロサルタン)が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0046】
本発明の一つの態様は、有効量のアムロジピン/アトルバスタチン代謝産物と、ペルオキシソーム増殖因子活性レセプター(PPARγ)アゴニスト(例えば、ロシグリタゾン)とを投与することである。これらの薬剤は、細胞のインスリンに対する感受性を増強することによって、糖尿病の処置に使用される。しかし、これらの薬剤は、遺伝子調節を超える追加的な血管の利益を示し、内皮の改善と一致する、血圧と血管機能の改善をもたらす(Ryan et al. 2004 Hypertension, 43:661-666、この教示は全て参照として本明細書に組み込まれる)。
【0047】
本発明の実施態様の特定の態様は、内皮細胞機能不全を有する対象者を治療する方法である。内皮細胞機能不全は、1つ以上の心血管障害を引き起こすか、又はそれに寄与する。更なる態様において、心血管障害は、アテローム動脈硬化症、高血圧、異脂肪血症、真性糖尿尿、心不全、肥満、喫煙及び腎不全からなる群より選択される。これらの対象者には、アムロジピンと、アトルバスタチンと、上記で記載されたもののような第三の薬剤との組み合わせの有効量を投与することができる。
【0048】
本発明の確認された化合物のうちのいずれかを、ヒトを含む対象者に、それ自体で、又は適切な担体若しくは賦形剤と混合する医薬組成物で、本明細書で説明されたものにより特徴づけられたものを含む多様な疾患を予防、治療又は改善するのに治療上有効な用量で投与することができる。治療有効用量は、更に、そのような疾患に関連する症状の予防又は回復をもたらすのに十分な化合物の量を意味する。本発明の化合物の配合及び投与技術は、Goodman及びGilmanのThe Pharmacological Basis of Therapeutics, Pergamon Press, latest editionにおいて見いだすことができる。
【0049】
本発明の化合物は、特定の部位を、これらの部位に直接注入することによって標的にすることができる。中枢神経系における使用のために設計された化合物は、血液脳関門を通過できるべきであるか又は局所注入による投与に適切であるべきである。
【0050】
本発明における使用に適切な医薬組成物には、活性成分がその意図される目的を達成する有効量で含有される組成物が挙げられる。より詳細には、治療有効量は、治療される対象者に存在する症状及び基礎的な病理の発達を防止するか、又は回復するのに有効な量を意味する。有効量の決定は、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0051】
本発明の方法で使用されるあらゆる化合物のために、最初に、治療有効用量を細胞培養アッセイで推定することができる。例えば、用量は、細胞培養で決定したIC50(細胞の50%が所望の効果を示す用量)を含む循環濃度範囲を達成する動物モデルにおいて、配合することができる。そのような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用することができる。
【0052】
治療有効用量は、症状の減退又は対象者の生存延長をもたらす化合物の量を意味する。そのような化合物の毒性及び治療有効性は、細胞培養又は実験動物での標準薬学手順により、例えばLD50(所定の個体群の50%が致死の用量)及びED50(所定の個体群の50%に治療上有効な用量)を決定することにより決定できる。毒性と治療効果の用量比率は、治療指数であり、LD50とED50の比率として表すことができる。高い治療指数を示す化合物が好ましい。これらの細胞培養アッセイ及び動物研究から得たデータを、ヒトに用いる投与量範囲を処方するのに使用できる。そのような化合物の投与量は、好ましくは、毒性がほとんどないか又はまったくないED50を含む循環濃度の範囲内である。投与量は、用いられる投与形態及び利用される投与経路に応じてこの範囲内で変わることができる。正確な処方、投与経路及び投与量は、患者の状態の観点から個別の医師により選択することができる。投与量及び間隔は、所望の効果を維持するのに十分な活性部分の血漿レベルを提供するために、個別に調整することができる。
【0053】
局所投与又は選択的摂取の場合、薬剤の有効な局所濃度は、血漿濃度に関連しない場合がある。
【0054】
投与される組成物の量は、当然のことながら、治療される対象者、対象者の体重、病気の重篤度、投与方法、及び処方する医者の判断に左右される。
【0055】
本発明の医薬組成物は、それ自体既知の方法、例えば従来の混合、溶解、造粒、水ひ、乳化、カプセル化、閉じ込め、又は凍結乾燥プロセスによって、製造することができる。
【0056】
したがって、本発明に従って使用する医薬組成物は、活性化合物を、薬学的に使用できる調合剤に加工することを促進する、賦形剤及び佐剤を含む1つ以上の薬理学的に許容される担体を使用する、従来の方法で配合することができる。適切な配合は、選択される投与経路によって左右される。
【0057】
注入では、本発明の薬剤は、水溶液で、好ましくはハンクス溶液、リンゲル溶液又は生理食塩水緩衝液のような生理学的に適合する緩衝剤で配合することができる。経粘膜投与では、浸透する障壁に適切な浸透剤を配合に使用する。そのような浸透剤は一般に当該技術において知られている。
【0058】
経口投与では、化合物は、活性化合物を当該技術で周知の薬学的に許容される担体と組み合わせることによって、容易に配合することができる。そのような担体は、本発明の化合物を錠剤、丸剤、糖衣剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などとして、治療を受けている対象者が経口摂取するために配合することができる。賦形剤を固め、得られた混合物を場合により粉砕し、所望であれば適切な佐剤を加えた後、顆粒の混合物を加工して、錠剤又は糖衣剤コアを得ることによって、経口使用のための医薬調合剤を得ることができる。特に適切な賦形剤は、乳糖、ショ糖、マンニトール又はソルビトールを含む糖類のような充填剤;例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)のようなセルロース調製物である。望ましい場合、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸若しくはその塩のような崩壊剤を加えることができる。
【0059】
糖衣錠コアには適切な皮膜が提供される。この目的のために、糖濃縮液を使用することができ、これは場合によりアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに適切な有機溶媒若しくは溶媒混合物を含有することができる。染料又は顔料を、確認のため又は活性化合物用量の異なる組み合わせを特徴づけるために、錠剤又は糖衣剤皮膜に加えることができる。
【0060】
経口用に使用できる医薬調合剤には、ゼラチンから作られる押し込み式カプセル剤、並びにゼラチンと、グリセロール又はソルビトールのような可塑剤から作られる軟質密閉カプセル剤が挙げられる。押し込み式カプセル剤は、活性成分を、乳糖のような充填剤、デンプンのような結合剤、及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、場合により安定剤と組み合わせて含有することができる。軟質カプセル剤において、活性化合物を、脂肪油、液体パラフィン又は液体ポリエチレングリコールのような適切な液体に溶解又は懸濁することができる。加えて、安定剤を添加することができる。経口投与用の製剤は全てそのような投与に適切な投与量であるべきである。
【0061】
舌下投与では、組成物は、都合の良い方法で配合された錠剤又はロゼンジの形態をとることができる。
【0062】
吸入による投与では、本発明に従って使用される化合物は、適切な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタン、二酸化炭素又は他の適切なガスの使用により、加圧パック又は噴霧器からのエアゾールスプレー状の形態で都合良く送達される。加圧エアゾールの場合、投与量単位は、計量された量で送達するためにバルブを備えることによって、決定することができる。例えば吸入器又は注入器で用いるゼラチンのカプセル剤及びカートリッジ剤は、化合物と、乳糖又はデンプンのような適切な粉末基剤との粉末ミックスを含有して、配合することができる。
【0063】
化合物は、注入による、例えばボーラス注入又は連続注輸による非経口投与用に配合することができる。注入用製剤は、防腐剤を添加した、例えばアンプル中又は多用量容器中の単位投与量で存在することができる。組成物は、油又は水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤又は乳剤としてそのような形態をとることができ、懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤のような配合剤を含有することができる。
【0064】
非経口投与用の医薬製剤は、水溶性形態の活性化合物の水溶液を含む。加えて、活性化合物の懸濁剤は、適切な油性注入懸濁剤として調製することができる。適切な親油性溶媒又はビヒクルには、ゴマ油のような脂肪油、又はオレイン酸エチル又はトリグリセリドのような合成脂肪酸エステル、又はリポソームが挙げられる。水性注入懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール又はデキストランのような懸濁剤の粘度を増加する物質を含有することができる。場合により、懸濁剤は、高濃度溶液の調製を可能にするために、化合物の溶解度を増加する適切な安定剤又は薬剤を含有することもできる。
【0065】
あるいは、活性成分は、使用する前に適切なビヒクル、例えば発熱物質を含まない滅菌水と構成する、粉末形態であることができる。
【0066】
化合物は、また、例えばカカオバター又は他のグリセリドのような従来の坐剤基剤を含有する、坐剤又は保持浣腸のような直腸用組成物に配合することもできる。
【0067】
前記の配合に加えて、化合物は、デポー製剤として配合することもできる。そのような長時間作用製剤は、移植(例えば、皮下又は筋肉内)によるか又は筋肉内注入により投与することができる。したがって、例えば化合物は、適切なポリマー若しくは疎水性材料と(例えば、許容される油中の乳剤として)、又はイオン交換樹脂と、又はやや難溶性の誘導体として、例えばやや難溶性の塩として配合することができる。
【0068】
本発明の疎水性化合物の医薬担体は、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー及び水相を含む共溶媒系である。当然のことながら、共溶媒系の割合は、その溶解性及び毒性特性を破壊することなく大きく異なることができる。更に、共溶媒成分の素性は異なることができる。
【0069】
あるいは、疎水性医薬化合物用に他の送達系を用いることができる。リポソーム及び乳剤は、疎水性薬剤の送達ビヒクル又は担体の良く知られている例である。またジメチルスルホキシドのような特定の有機溶媒を用いてもよいが、通常、毒性がより大きいという代償を払う。加えて、化合物は、治療剤を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスのような持続放出系を使用して、送達することができる。多様な持続放出マトリックスが確立されており、当業者に良く知られている。持続放出カプセル剤は、化学的性質に応じて、化合物を数週間から100日を超えるまで放出する。治療用試薬の化学的性質及び生物学的安定性に応じて、タンパク質安定化のために追加の戦略を用いることができる。
【0070】
医薬組成物は、適切な固体又はゲル相担体又は賦形剤を含むこともできる。そのような担体又は賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖類、デンプン類、セルロース誘導体、ゼラチン及びポリエチレングリコールのようなポリマーが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0071】
本発明の多くの化合物は、薬学的に適合する対イオンとの塩として提供することができる。薬学的に適合する塩は、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸などが挙げられるが、これらに限定はされない多くの酸と形成することができる。塩は、対応する有機塩基形態よりも、水性溶媒又は他のプロトン性溶媒に可溶性である傾向がある。
【0072】
適切な投与形態は、例えば、経口、直腸内、経粘膜、経皮又は腸内投与;筋肉内、皮下、随内注入を含む非経口送達、並びに鞘内、直接心室内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、又は眼球内注入を含むことができる。
【0073】
あるいは、多くの場合、デポー製剤又は持続放出製剤で化合物を罹患領域に直接注入することによって、全身的な方法ではなく局所的に化合物を投与することができる。
【0074】
更に、標的薬剤送達系、例えば罹患細胞に特異的な抗体で被覆されたリポソームで化合物を投与することができる。リポソームは、細胞を標的にし、細胞により選択的に取り込まれる。
【0075】
望ましい場合、組成物は、活性成分を含有する1つ以上の単位投与形態を含有することができる、パック又はディスペンサー装置で存在することができる。例えばパックは、ブリスターパックのように金属又はプラスチック箔を含むことができる。パック又はディスペンサー装置は、投与のための使用説明書を伴うことができる。適合する医薬担体で配合された本発明の化合物を含む組成物を、調製し、適切な容器の中に置き、示された条件の状態のためにラベルを付けることもできる。ラベルで示された適切な状態は、本明細書で記載されたような疾患の処置を含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0076】
以下は、アムロジピンとアトルバスタチンの組み合せが、対照と比較して、ヒト内皮細胞からの一酸化窒素産生を相乗様式で刺激したことを実証する実験である。これらのデータは、冠動脈疾患及び心不全を含む多様な心血管障害の基礎疾患過程であるアテローム動脈硬化症の疾患状態を治療する、化合物のこの独特の組み合わせの相乗効果を実証する。上記で考察したように、一酸化窒素産生の欠如は、高血圧及びアテローム動脈硬化症の主な原因である内皮細胞機能不全と関連する。
【0077】
用いたプロトコールを下記に記載する。
【0078】
一酸化窒素のナノセンサー測定:
1.ナノセンサーを炭素繊維から調製した。炭素繊維の先端のサイズを、温度制御燃焼により6μmから1μm未満に小さくした。以前に記載された手順に従って、導電性ポリマーポルフィリンを付着し、ナフィオンの薄層で覆って、センサーをNOに敏感にした(Malinski T, Taha Z. Nitric oxide release from a single cell measured in situ by a porphyrinic-based microsensor. Nature. 1992;358:676-678、この教示は全て参照として本明細書に組み込まれる)。
【0079】
2.NOの測定は増殖培地溶液で行った。ナノセンサーを、電動式コンピューターマイクロマニピュレータの助けを借りて、内皮細胞の表面から約5±2μm離して位置決めした。ナノセンサーは、3電極系:ナノセンサー(作動電極)、飽和カロメル電極(基準電極)及び白金ワイヤ(対電極、直径0.5mm)の1つの部品として作動する。
【0080】
ナノセンサーは、飽和カロメル電極に対して0.68Vの定電圧で作動する。
【0081】
アンペログラム(電流対時間曲線)をGuniry FASl Femtostat(Warminster, PA)で記録した。
【0082】
3.HUVEC細胞をAmerican Type Culture Collection(Manassas, VA)から得て、1.5g/L重炭酸ナトリウムを含有するように調整し、かつ0.1mg/mlヘパリン及び0.03〜0.05mg/mL内皮細胞増殖サプリメント(ECGS)+10%ウシ胎児血清を補充した2mM L−グルタミンのHam's F12K培地で増殖した。HUVEC細胞を高CO2濃度(5%)の環境で保持した。
【0083】
4.測定では、細胞ウエルをFaradayケージに移動し、倒立顕微鏡(Leica Microsystems, Wetzlar, Germany)及びマイクロマニピュレータの助けを借りて、ナノセンサーをHUVECの表面の近くに位置決めした。約20秒後にベースラインが安定した。
【0084】
5.アムロジピン、アトルバスタチン又は2つの薬剤の混合物を、ナノインジェクターの助けを借りて注入した。NO濃度を約60秒間測定した。
【0085】
6.飽和溶液(濃度1.82mmol/L、電量分析法により確認)を使用して、NO用のナノセンサーを較正した。
【0086】
7.調製された貯蔵溶液:
A)アムロジピン:
重量51.5mg、分子量567.1
貯蔵溶液:エタノール中10μM
5.7mgを取って、エタノール1mLに溶解した
B)アトルバスタチン:
重量53.6mg、分子量585.68
貯蔵溶液:メタノール中10μM
5.9mgを取って、メタノール1mLに溶解した
【0087】
8.アムロジピンとアトルバスタチンの試料溶液を以下のように調製した。アムロジピンとアトルバスタチンの9個の別々の濃度を試験した:0.25;0.75;1.00;1.50;2.00;2.50;3.00及び5.00μM。貯蔵溶液を蒸留水で希釈することにより、希釈標準溶液を調製した。
【0088】
ピペット操作スキームは以下のようであった:
A)アムロジピン及びアトルバスタチン(両方とも貯蔵液、μM)
【0089】
【表1】

【0090】
B)細胞ウエル容量が2mLであったが、注入容量が10μL(200×希釈)であったので、希釈標準溶液は、必要(最終)よりも200×倍高い濃度を有した。
【0091】
9.相乗効果を、一定の濃度(5μM)のアムロジピン(A)と異なる濃度のアトルバスタチン(T)で試験した。次の一連の実験は、配合(A:T):1μMのA:1μMのT;2μMのA:2μMのT;2.5μMのA:2.5μMのT;3.0μMのA:3.0μMのT;5.0μMのA:5.0μMのTに従った一定の比率の両方の化合物でこの効果を試験した。
【0092】
10.最大NO濃度のピークを計算した。
【0093】
11.電流対時間曲線下の領域(アンペログラム)を積分し(電量分析)、ナノセンサーで検出されたNOの量を計算した。
【0094】
以下のHUVEC試料を37℃で三重に分析した。使用した方法は上記で記載された。
【0095】
【表2】

【0096】
アトルバスタチン
アトルバスタチンのデータを、アムロジピンのデータと同様にして記録した。
【0097】
【表3】

【0098】
【表4】

【0099】
データは、三重測定のそれぞれを平均±SEMとして表した。データ(計算し、プロットした)をMicrocal Origin Software(OriginLab Corp., Northampton, MA)に移した。
【0100】
【表5】

【0101】
図7は、ヒト内皮細胞からのNO放出(nM)に対するアムロジピン(中空四角)、アトルバスタチン(中黒円)の別々の及び組み合わせた効果を、薬剤濃度(μM)の関数として示した。アムロジピン及びアトルバスタチンの等モル濃度で、顕著な相乗効果がマイクロモル濃度(1.0から3.0μM)の範囲にわたって観察された。NO放出は、培養細胞表面の近くに近接して置いた敏感なポルフィリンセンサーにより、電気化学的に測定した。薬剤の組み合わせは、ヒト内皮細胞からのNOの放出を、薬剤の予測された追加的な効果を超えるレベルで引き起こし、したがって、明白な相乗効果を示した。
【0102】
ここで、前記開示の文面及び精神に一致し、本特許及び添付の請求項の精神の範囲内にある他の実施態様、改良、詳細及び使用を行えることが、当業者には明白である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】コレステロールに富む膜二分子層のX線回析パターン及び対応する分子モデルを示す。ステロールに富む及び乏しいドメインに対応する回析ピークを、相対湿度87%、20℃で明白に識別することができる。1′及び2′と標識付けしたピークは、ステロールに富むドメイン(d=34.0Å)に対応し、一方、周囲のステロールに乏しい膜区域は、1、2及び4と標識付けしたピークに対応する、60.7Åのd空間値を有した。対応する分子モデルは、図の影領域により強調されている、34.0Åの次元を持つコレステロール二分子層ドメインを示す(個別のコレステロール一水和物分子はそれぞれ17.0Åである)。
【図2】ベラパミル含有試料において、周囲のステロールに乏しい膜領域に対する、コレステロール一水和物ドメインの分子次元への温度(図2A)及び相対湿度(図2B)の異なる効果を示す。X線回析解析によりÅ単位で測定される膜幅は、表面水和を含む1つの膜と次の膜の中心からの距離を表す。図2Aでは、膜幅に対する温度の効果を一定の相対湿度93%で評価し、一方、図2Bでは、相対湿度の効果を一定の温度20℃で測定した。これらのデータは、コレステロール一水和物結晶ドメイン(34.0Å)の構造が、周りのステロールに乏しい膜領域と比較して、温度又は湿度の変化により影響を受けないことを示す。
【図3】AML/AT組み合わせの不在下又は存在下、5℃で調製された高いレベルのコレステロール(コレステロールとリン脂質のモル比1.1:1及び1.2:1)を含有する、配向された膜脂質二分子層からのX線回析パターンを示す。コレステロールとリン脂質のモル比1.1:1では、1、2及び4と標識付けしたピークは、対照及び薬剤含有試料において、それぞれ54.2Å及び53.0Åのd空間値に対応する。コレステロールとリン脂質のモル比1.2:1では、1及び2と標識付けしたピークは、対照及び薬剤含有試料において、それぞれ55.5Å及び53.5Åのd空間値に対応する。この図は、AMLとATの組み合わせが、低濃度(30nM)で、コレステロールの凝集が個別のドメインになるのを完全に阻止したことを示す。
【図4】AML単独、AT単独、AML/AT組み合わせ、AT/ニフェジピン組み合わせ、及びAML/ロバスタチン組み合わせの不在下又は存在下、5℃で調製された高いレベルのコレステロール(コレステロールとリン脂質のモル比1.2:1)を含有する、配向された膜脂質二分子層からのX線回析パターンを示す。1、2及び4と標識付けしたピークは、ステロールに乏しい膜領域に対応し、一方、1′及び2′と標識付けしたピークは、膜内(34.0Å)のコレステロール一水和物ドメインの構造に対応する。周囲のステロールに乏しい領域の次元は、以下であった:対照(55.5Å)、AML単独(57.8Å)、AT単独(56.8Å)、AML/AT(53.5Å)、AT/ニフェジピン(56.5Å)及びAML/ロバスタチン(54.4Å)。これらの実験は、膜コレステロールドメイン形成を妨げるAML/ATの組み合わせの能力は、別々にした薬剤によって又は他のCCB/スタチンの組み合わせによって再現できないことを実証した。
【図5】AML単独、AT単独、及びAML/AT組み合わせの不在下又は存在下、5℃で調製された高いレベルのコレステロール(コレステロールとリン脂質のモル比1.1:1)を含有する、配向された膜脂質二分子層からのX線回析パターンを示す。1、2及び4と標識付けしたピークは、ステロールに乏しい膜領域に対応し、一方、1′及び2′と標識付けしたピークは、膜内(34.0Å)のコレステロール一水和物ドメインの構造に対応する。周囲のステロールに乏しい領域の次元は、以下であった:対照(52.4Å)、AML単独(54.4Å)、AT単独(55.8Å)及びAML/AT(53.9Å)。これらの実験は、AML/ATの組み合わせが、別々の薬剤では再現できない方法で、膜コレステロールドメイン形成を妨げることができたことを実証した。
【図6】アムロジピン、アトルバスタチン(化合物T)、及びアムロジピンと異なる濃度のアトルバスタチン(化合物T)との混合物により刺激されたNO放出の用量反応曲線を示す。
【図7】NO合成に対する、アムロジピン、アトルバスタチンの単独又は組み合わせのいずれかでの効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アムロジピンの治療有効量と、
(b)アトルバスタチン及びヒドロキシル化アトルバスタチン代謝産物からなる群より選択されるアトルバスタチン化合物の治療有効量と、
(c)1つ以上のNO増強第三次薬剤の治療有効量と
を含む、NO産生を増強する医薬組成物。
【請求項2】
アムロジピンがアムロジピンの治療有効誘導体を含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
アムロジピンの治療有効誘導体がベシル酸アムロジピンを含む、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項4】
アトルバスタチン化合物がアトルバスタチン化合物の治療有効誘導体を含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
アトルバスタチン化合物の治療有効誘導体がヘミカルシウム塩である、請求項4記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記NO増強第三次薬剤が、L−アルギニン、テトラヒドロビオプテリン、ACEインヒビター、酸化防止剤、βブロッカー、アンギオテンシンII型1−レセプターアンタゴニストからなる群より選択される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記ACEインヒビターが、ラミプリル、エナラプリル、キナプリルなどからなる群より選択される、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記酸化防止剤が、ビタミンE、プロブコール、ビタミンCなどなどからなる群より選択される、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記βブロッカーが、カルベジロール、メトプロロールなどからなる群より選択される、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記アンギオテンシンII型1−レセプターアンタゴニストが、イルベサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、ロサルタンなどからなる群より選択される、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記医薬組成物が動脈性及び関連する心臓疾患の危険性を低減する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記動脈性及び関連する心臓疾患が、高血圧、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈疾患、心筋梗塞、うっ血性心不全、発作、及び狭心症からなる群より選択される、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
アムロジピンと、アトルバスタチン及びヒドロキシル化アトルバスタチン代謝産物からなる群より選択されるアトルバスタチン化合物と、NO増強第三次薬剤との組み合わせの治療有効量を投与することを含む、内皮細胞による一酸化窒素産生を相乗的に増加する方法。
【請求項14】
アムロジピンと、アトルバスタチン及びヒドロキシル化アトルバスタチン代謝産物からなる群より選択されるアトルバスタチン化合物と、NO増強第三次薬剤との組み合わせの治療有効量を投与することを含む、動脈性及び関連する心臓疾患を治療する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−519835(P2008−519835A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541236(P2007−541236)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/039534
【国際公開番号】WO2006/071351
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(501412223)
【Fターム(参考)】