説明

導電性エポキシ樹脂組成物及びその製造方法

【課題】 高導電性を有し、射出成形といった高効率の成形方法に容易に適用でき、更には短時間で成形が可能で、しかもその際膨れを発生することも無い導電性樹脂組成物、並びに前記導電性樹脂組成物を成形してなり、高強度、高導電性で、脹れも無く寸法精度も高い燃料電池用セパレータ及びその他の成形体を提供する。
【解決手段】 エポキシ樹脂と、硬化剤と、ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩からなる硬化促進剤と、膨張黒鉛を含む炭素材料とを含有する導電性エポキシ樹脂組成物、並びに前記導電性エポキシ樹脂組成物を成形してなる燃料電池用セパレータ及び他の成形体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性を有するエポキシ樹脂組成物及びその製造方法に関する。また、本発明は、この導電性エポキシ樹脂組成物を成形してなる燃料電池用セパレータ、あるいは各種成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば図1に概略斜視図で示すように、燃料電池用セパレータ10は、平板部11の両面に所定間隔で複数の隔壁12を立設して形成されている。燃料電池とするには、多数の燃料電池用セパレータ10を、隔壁12の突出方向(図中、上下方向)に積層する。そして、この積層により、隣接する一対の隔壁12で形成されるチャネル13に反応ガス(水素や酸素)を流通させる構成となっている。燃料電池用セパレータは、樹脂材料と、黒鉛等の導電性材料を含む樹脂組成物を上述したような形状に成形して製造される。
【0003】
燃料電池用セパレータの成形方法としては、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、硬化剤や硬化促進剤、炭素材料等を含む混合物を金型に充填し、熱間でプレスする熱圧縮成形により成形するのが一般的である。しかし、この熱圧縮成形は生産性が低いことから、射出成形により燃料電池用セパレータを製造することも試みられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
射出成形では、上記組成の樹脂組成物からなるコンパウンドをシリンダーから金型内に射出するが、このとき、コンパウンドはランナーと呼ばれる狭い流路を通じて金型のキャビティに移送され、しかも、金型は閉じた状態であり、金型の隅々まで充填させるために、コンパウンドには高い流動性が必要となる。しかし、炭素材料として人造黒鉛や天然黒鉛を用いた場合、燃料電池用セパレータとして必要な導電性を確保するためには、多量添加する必要があり、相対的に樹脂量が少なくなることから樹脂組成物は粘度が高く、流動性が低いものとなる。
【0005】
炭素材料として、導電性に優れる膨張黒鉛を用い、その使用量を低減して樹脂組成物の流動性を高めることも考えられるが、膨張黒鉛は薄い燐片状であるため、樹脂材料との混練中に破砕されやすいという問題がある。これは、樹脂組成物は通常、樹脂材料、硬化剤、硬化促進剤、炭素材料等を溶融混練して得られるが、溶融混練の際に硬化剤の硬化が進行して増粘し、大きなせん断力が作用して膨張黒鉛を破砕するためである。また、溶融混練に代えて、ドライミックスにより樹脂組成物を調製することも行なわれているが(例えば、特許文献4参照)、ほとんど流動しないほど粘度が高くなり、射出成形は実質的に不可能である。
【0006】
また、硬化促進剤として、ジウロン((3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア)等のウレア化合物を用いることも行なわれている(例えば、特許文献5参照)。ウレア系の硬化促進剤を用いることにより樹脂組成物の熱安定性が高まり、溶融混練時に増粘が起こらないといったメリットがあるものの、硬化時にウレア系化合物が分解してガスが発生し、それにより燃料電池用セパレータに膨れが発生する場合がある。特に膨張黒鉛を使用した場合は、膨れが発生しやすくなる。また、短時間で硬化させた場合、硬化が不十分であるがために膨れが発生しやすくなる。ウレア化合物を多量に添加することで、短時間で硬化するが、分解ガスが多量に生成するため、かえって膨れが多量に発生することがある。このような膨れが発生すると、反応ガスのシール性が悪化して燃料電池スタックの発電性能が低下する。
【0007】
【特許文献1】特開2003−338294号公報
【特許文献2】特開2003−297386号公報
【特許文献3】特開2003−242994号公報
【特許文献4】特開2003−257447号公報
【特許文献5】特開2002−201257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、高導電性を有し、射出成形といった高効率の成形方法に容易に適用でき、更には短時間で成形が可能で、しかもその際膨れを発生することも無い導電性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、このような導電性樹脂組成物を成形してなり、高強度、高導電性で、脹れも無く寸法精度も高い燃料電池用セパレータ及びその他の成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は以下を提供する。
(1)エポキシ樹脂と、硬化剤と、ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩からなる硬化促進剤と、膨張黒鉛を含む炭素材料とを含有することを特徴とする導電性エポキシ樹脂組成物。
(2)有機酸の酸解離定数が0以上10以下であることを特徴とする上記(1)記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
(3)有機酸が芳香族有機酸であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
(4)有機酸が多価有機酸であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
(5)有機酸がオルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸またはトリメシン酸であることを特徴とする上記(3)記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
(6)ジアザビシクロ化合物が環状ジアザビシクロ化合物であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
(7)ジアザビシクロ化合物が1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウエンデセン-7または1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5であることを特徴とする上記(6)記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
(8)硬化剤が分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有することを特徴とする上記(1)〜(7)の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
(9)エポキシ樹脂が多官能エポキシ樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(8)の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
(10)炭素材料の5〜100質量%が膨張黒鉛であり、残部が人造黒鉛、天然燐状黒鉛、土壌黒鉛、カーボンブラック及びカーボンファイバーの少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
(11)炭素材料が全量の35〜85質量%を占めることを特徴とする上記(1)〜(10)の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
(12)硬化剤100重量部に対し硬化促進剤を0.1〜20重量部配合することを特徴とする上記(1)〜(11)の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
(13)エポキシ樹脂と、硬化剤と、ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩からなる硬化促進剤と、膨張黒鉛を含む炭素材料とを所定比率で配合して溶融混練することを特徴とする導電性エポキシ樹脂組成物の製造方法。
(14)エポキシ樹脂または硬化剤の軟化温度以上の温度で溶融混練することを特徴とする上記(13)記載の導電性エポキシ樹脂組成物の製造方法。
(15)上記(1)〜(12)の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物をトランスファー成形または射出成形してなることを特徴とするエポキシ樹脂成形体。
(16)上記(1)〜(12)の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物からなることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
【発明の効果】
【0010】
本発明の導電性エポキシ樹脂組成物は、特定の硬化促進剤により溶融混練中の硬化が抑えられて流動性が高まり、トランスファー成形や射出成形による成形が可能になり、更には金型への高充填が可能になり、高強度で、脹れの発生も無く寸法精度の高い成形体を効率良く製造できる。また、導電性充填材も導電性に優れた膨張黒鉛を含むため、少ない使用量で十分な導電性を確保できることから、導電性充填材のコスト低減が可能で、更には相対的に樹脂量が多くなることから流動性の更なる向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
【0012】
本発明の導電性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び炭素材料を必須成分として含む。
【0013】
エポキシ樹脂は、分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物が好ましく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のビスフェノール型のエポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリス・ヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシンエポサイド、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂が挙げられるが挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
上記のエポキシ樹脂の中では、耐熱性と強度の高い成形体が得られるため、多官能型エポキシ樹脂が特に好適に使用される。尚、エポキシ当量は、好ましくは50以上500以下であり、さらに好ましくは100以上300以下である。エポキシ当量が低すぎる場合は、成形体が脆くなる。一方、エポキシ当量が高すぎる場合は耐熱性と強度の低い成形体しか得られなくなる。
【0015】
エポキシ樹脂は、硬化剤と反応することによって、エポキシ硬化物を生成する。硬化剤も各種公知の化合物を使用することができる。例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N-アミノエチルピペラジン、m-キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の脂肪族、脂環式、芳香族のポリアミンまたはその炭酸塩;無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、ポリアゼライン酸無水物等の酸無水物;フェノールノボラック、クレゾールノボラックのようなポリフェノール;ポリメルカプタンが挙げられるが、これらに限定されない。複数の硬化剤を併用することもできる。
【0016】
上記の硬化剤の中で、ポリアミンやその炭酸塩、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等の硬化剤は、自身がエポキシ化合物と重付加反応してエポキシ硬化物を構成するので、重付加型硬化剤と呼ばれる。重付加型硬化剤の過不足は未反応官能基の残存につながる故、添加量には適正域が存在する。一般に、エポキシ樹脂前駆体のエポキシ基1個当たり0.7〜1.2当量、特に0.8〜1.1当量の重付加型硬化剤を使用するのが好ましい。これら硬化剤の種類、量と熱硬化性樹脂樹脂の種類、硬化促進剤の種類、量を種々に選択することにより、熱硬化性樹脂樹脂の硬化速度を任意に変化させることができる。当業者であれば、所望の硬化条件に合わせ、熱硬化性樹脂や硬化剤や硬化促進剤の種類及び使用量を決定することは容易であろう。
【0017】
本発明では、硬化剤としてフェノール性水酸基を2個以上有する化合物が好ましい。このような化合物としては、フェノールノボラック、レゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、アラルキル型フェノールノボラック、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、テルペンフェノールノボラック、テルペンフェノール樹脂、ナフトールノボラック、フェノールジシクロペンタジエン樹脂のような上述したポリフェノールやビスフェノールAが挙げられる。これらフェノール性水酸基を2個以上有する硬化剤は、耐熱性の高い成形体を得ることが出来る。
【0018】
本発明では、硬化促進剤としてジアザビシクロ化合物と有機酸との塩を使用する。ジアザビシクロ化合物としては、特に制限はないが、例えば1,8−ジアザビシクロ (5,4,0)ウンデセン−7(略称はDBU)、1,5−ジアザビシクロ (4,3,0)−ノネン−5(略称はDBN)及び6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ (5,4,0)ウンデセン−7を挙げることが出来るが、これらに限定されない。中でも、1,8−ジアザビシクロ (5.4.0)ウンデセン−7は安価で入手が容易であり、安定性が高く揮発しにくいため、本発明では好ましいジアザビシクロ化合物である。
【0019】
有機酸としては例えば、オルソフタル酸(芳香族多価有機酸、酸解離定数=2.95)、イソフタル酸(芳香族多価有機酸、酸解離定数=3.48)、テレフタル酸(芳香族多価有機酸、酸解離定数=3.54)、トリメシン酸(芳香族多価有機酸、酸解離定数=3.13)、ギ酸(酸解離定数=3.55)、酢酸(酸解離定数=4.76)、フェノール(芳香族有機酸、酸解離定数=9.89)、安息香酸(芳香族有機酸、酸解離定数=4.00)、サリチル酸(芳香族有機酸、酸解離定数=2.75)、シュウ酸(多価有機酸、酸解離定数=1.27)、ケイ皮酸(酸解離定数=4.44)、酒石酸(多価有機酸、酸解離定数=3.04)、乳酸(酸解離定数=3.86)、フェノールノボラック(多価有機酸、酸解離定数不明)、オルソクレゾールノボラック(多価有機酸、酸解離定数不明)等を挙げることが出来るが、これらに限定されない。また、有機酸は硬化反応中にエポキシ樹脂に取り込まれるため、有機酸としては剛直な分子構造を有し、かつ、エポキシ樹脂との反応点の多いものほど、耐熱性と強度の高い成形体を得ることが出来る。そのため、剛直な構造である芳香族有機酸、エポキシ樹脂との反応点の多い多価有機酸が好ましい。
【0020】
ジアザビシクロ化合物と有機酸の塩は、加熱するとジアザビシクロ化合物と有機酸に解離し、解離したジアザビシクロ化合物が硬化促進剤として作用する。よって、ジアザビシクロ化合物と有機酸の塩が解離する温度が高ければ、熱安定性の高い成形材料が得られる。解離する温度は有機酸の強さに比例し、有機酸の酸が強い場合は、熱安定性の高い成形材料を得ることが出来るが、極端に強い有機酸を場合は、有機酸の潮解性によりジアザビシクロ化合物と有機酸との塩が加水分解を起こし、かえって熱安定性が低下する。また、極端に強い有機酸を用いた場合は、混合装置や成形装置が腐食することがある。酸の強さは酸解離定数(pKa)で表され、酸解離定数が低いものほど強い酸である。そこで、本発明では使用する有機酸の酸解離定数は好ましい範囲が存在する。本発明においては使用する有機酸としては酸解離定数が好ましくは0以上10以下、さらに好ましくは2以上4以下である。例えば、硫酸や塩酸等の強酸は、濃度にもよるが、酸解離定数が0未満の負の値をとる場合があり、好ましくない。また、有機酸としては芳香族有機酸や多価有機酸を用いた場合に、耐熱性と強度の高い成形体が得られる。例えば、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメシン酸は、酸解離定数が適当な値であり、芳香族多価有機酸であるために、特に熱安定性と強度と耐熱性に優れた成形材料を得ることが出来る。尚、本発明における酸解離定数は、多価有機酸の場合は1段階目の酸解離定数(pKa1)を指す。
【0021】
ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩は、従来公知の方法で製造することが出来る。例えばジアザビシクロ化合物と有機酸を溶媒に溶解させて混合する、または、有機酸の融点以上の温度で攪拌することで製造することが出来るが、製造方法はこの方法に限定されない。尚、ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩を製造する際は、ジアザビシクロ化合物または有機酸が酸化劣化しないよう、窒素雰囲気で攪拌混合することが好ましい。
【0022】
ジアザビシクロ化合物と有機酸との混合比率は、有機酸の比率が高いと、樹脂組成物の熱安定性に優れるが、硬化促進剤としての活性が低くなり、成形に長時間要するものとなり、また、成形を高温で行う必要が生じる。一方で、有機酸の比率が低いと、樹脂組成物の熱安定性が損なわれる。本発明においては、ジアザビシクロ化合物100重量部に対して有機酸の量は好ましくは10〜2000重量部、さらに好ましくは50〜500重量部、さらにより好ましくは80〜120重量部である。
【0023】
また、硬化促進剤として、市販されているジアザビシクロ化合物と有機酸との塩を使用することも可能である。
【0024】
硬化促進剤として使用するジアザビシクロ化合物と有機酸との塩の使用量は、硬化剤100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは1〜15重量部、さらに好ましくは5〜10重量部である。硬化促進剤の量が多すぎると、熱安定性を損なわれ、硬化促進剤の量が少なすぎると、成形に長時間要するようになり、また、成形を高温で行う必要が生じる。
【0025】
炭素材料は、膨張黒鉛を必須成分として含む。通常の鱗片状黒鉛は、薄板状の結晶が積層されたものである。これに対して、膨張黒鉛とは、鱗片状黒鉛を濃硫酸や硝酸や過酸化水素水等で処理し、薄板状結晶の隙間にこれら薬液をインターカレートさせ、さらに加熱してインターカレートされた薬液が気化する際に薄板状結晶の隙間を広げることによって得られる黒鉛である。膨張黒鉛は、鱗片状黒鉛や球状黒鉛と比較して嵩密度が低く、表面積が大きく、粒子はより薄い薄板状となっているため、樹脂と混合した際に容易に導電パスを形成し、成形体の導電性が飛躍的に向上する。そのため、使用量を低減でき、相対的に樹脂量を増すことができるため、樹脂組成物の流動性を高めることができる。また、膨張黒鉛は薄板状となっているため、人造黒鉛や天然黒鉛と比較して柔軟であり、これを使用する成形体も柔軟なものとなる。
【0026】
炭素材料の全てを膨張黒鉛としてもよく、一部を膨張黒鉛とし、それ以外を他の炭素材料としても良い。他の炭素材料としては、例えば、鱗片状人造黒鉛、球状人造黒鉛、天然の鱗辺状黒鉛、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドライクカーボン、フラーレン、カーボンナノホーン等が挙げられるが、これらに限定されない。炭素材料に占める膨張黒鉛の割合は、好ましくは5〜100質量%、より好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは30〜70質量%、特に好ましくは40〜60質量%である。膨張黒鉛の比率が低い場合は、接触抵抗が高くなる。また、膨張黒鉛は嵩密度が低いため、膨張黒鉛の比率が高い場合はコンパウンド作製の混練時の材料ハンドリング性が悪く、作業環境を汚す懸念がある。
【0027】
また、炭素材料は、樹脂組成物全量の35〜85質量%とする必要がある。炭素材料の比率が低すぎる場合は導電性が低下する。一方で、炭素材料の比率が高すぎる場合は強度が低くなり、また、コンパウンドの流動性が低くなるため、熱圧縮成形や射出成形の際に金型内に射出した際に金型内で成形材料の圧力分布が大きくなり、成形する燃料電池用セパレータの寸法精度が悪くなるため問題である。
【0028】
本発明の導電性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、種々の樹脂用添加剤を配合することができる。例えば、滑剤を配合することにより、成形加工時に金型や混練機への貼り付きを防止することが可能になる。滑剤としては、カルナバワックス、ステアリン酸やモンタン酸ワックスやこれらの金属塩等を使用できる。また、導電性を低下させない範囲で、ガラス繊維、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム等の無機充填材や、木粉等の有機充填材、可塑剤を添加することも可能である。
【0029】
本発明の導電性エポキシ樹脂組成物は、溶融混合によって得られる。エポキシ樹脂や硬化剤は、ある温度以上で軟化する。この軟化する温度は軟化点と呼ばれるが、本発明においては、エポキシ樹脂または硬化剤の何れかの軟化温度以上となるよう調整した装置で混合すればよい。エポキシ樹脂または硬化剤の何れかが常温で液状である場合は、常温で混合してもよい。混合に使用する装置としては種々の慣用の装置を使用することが可能であり、例えば無圧ニーダー、加圧ニーダー、二軸押出機、単軸押出機、バンバリーミキサー、インターミックス、二本ロールミル、三本ロールミル等が挙げられるがこれらに限定されない。また、ドライミックスによって予備混合を行った後、溶融混合してもよい良い。
【0030】
従来、混練中の硬化を防ぐために、エポキシ樹脂、炭素材料を含む原料を混練したのち、粉砕して予備コンパウンドを製造する工程と、得られた予備コンパウンドと硬化剤及び硬化促進剤とを混練し、粉砕して最終コンパウンドを製造する工程とからなる多段練り工程を行なっているが、本発明では上記した特定の硬化促進剤により温度安定性に優れるために、このような2段練り、あるいは更に多段の練り工程を採用しなくてもよく、製造コストの上でも有利となる。
【0031】
上述したように、本発明の重要な点は、膨張黒鉛と、ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩を併用し、これを溶融混合することにある。ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩を用いても膨張黒鉛を用いなかった場合、溶融混練時やスクリュー内で硬化しない熱安定性に優れた樹脂組成物は得ることができるが,膨張黒鉛を用いたときと同様の導電性を得るためには、導電性充填材を大量に添加する必要があり、樹脂量が減少する。即ち、樹脂組成物の流動性を向上させる樹脂量が減り、流動性を低下させる炭素材料の使用量が増し、成形性が大幅に低下する。また、膨張黒鉛を用いてもジアザビシクロ化合物と有機酸との塩を用いなかった場合、樹脂組成物の溶融混合時もしくは射出成形のスクリュー内で硬化反応が進行して粘度が急増し、溶融混合時もしくは射出成形のスクリュー内で膨張黒鉛が砕かれてしまう。その結果、成形体の強度も低下し、導電性も大幅に低下する。また、低温で硬化させる場合は、硬化促進剤を多量に添加する必要があるが、硬化促進剤を多量に添加した場合は上述したように膨張黒鉛破砕により、強度と導電性がさらに悪化し、更に流動性低下により成形性も悪化する。有機酸との塩とせず、ジアザビシクロ化合物を単独で使用した場合は、硬化促進剤としての活性が強すぎるために、混練中に硬化反応が急激に進行し、上記の問題がさらに顕著に現われる。ウレア系の硬化促進剤を用いた場合は、熱安定性に優れるため、成形材料製造時に増粘が起こらないといったメリットがあるものの、硬化成形時にウレア系化合物が分解してガスを発生し、発生ガスにより成形体に膨れが生じる場合がある。特に膨張黒鉛を使用した場合は、膨張黒鉛は成形体中で面方向に配向するため、面と垂直方向のガスが透過、拡散し難くなり、発生ガスが成形体中に封入され、膨れが発生しやすくなる。また、ウレア化合物を用いた場合に短時間で硬化させた場合は、硬化が不十分であるがために膨れが発生しやすくなる。ウレア化合物を多量に添加することで、短時間で硬化するが、分解ガスが多量に生成するため、かえって膨れが多量に発生することがある。燃料電池用セパレータでは、膨れが発生すると反応ガスのシール性が悪化し、燃料電池スタックの発電性能が低下する。また、ドライブレンドした場合は、成形材料製造時に膨張黒鉛粒子が破砕されないため、導電性に優れたものが得られるが、流動性が低く、射出成形やトランスファー成形等の効率の高い方法で成形することが出来ない。これに対し、ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩と、膨張黒鉛とを併用すると、これらの問題は解決される。その機構は、以下によるものと推察される。
【0032】
ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩を使用した場合は、樹脂組成物が混練時や射出成形のシリンダー内で想定される程度の100℃以下の低温では硬化反応が進行し難く、樹脂組成物に負荷される剪断力を抑えることが可能となり、膨張黒鉛の粉砕が最小限に抑えられる。鱗片状黒鉛や球状黒鉛と比較して嵩密度が低く、表面積が大きく、粒子はより薄い薄板状となっている膨張黒鉛が、樹脂と混合した際に容易に導電パスを形成し、かつ流動に適した粉砕状態となる。即ち、他の硬化促進剤を用いたときは膨張黒鉛が粉砕され導電パスが形成され難いが、ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩を用いることにより、膨張黒鉛は粉砕されず導電パスが形成されやすい。また、膨張黒鉛と、ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩を併用することで膨張黒鉛の粉砕を抑制できる効果は、樹脂組成物中で導電性を低下させる樹脂量を増やすことも可能にする。樹脂量が増加することは、樹脂組成物の流動性が上昇し、成形体の寸法精度が大幅に向上する。ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩は、加熱することにより硬化促進剤であるジアザビシクロ化合物と有機酸とに分解する。このとき、分解温度は有機酸の強さに依存し、酸解離定数が高いと低温で分解し、酸解離定数が低いと高温で分解する。前述した好ましい範囲の酸解離定数を有する有機酸とジアザビシクロ化合物との塩は、混練工程中では分解し難く、硬化成形時に金型温度に加熱されると急激に有機酸とジアザビシクロ化合物とに分解して、ジアザビシクロ化合物の硬化促進剤としての活性が発現する。そして、有機酸とジアザビシクロ化合物とに分解した後に、硬化反応が開始するため、金型への材料投入開始から一定時間の誘導期間を経て硬化反応が開始する。更には、硬化反応が進行すると増粘するため、流動性や金型転写性が悪化して寸法精度に問題が生じるが、金型への材料投入開始から硬化反応開始までの誘導期間があるため、流動性の高い状態で金型に充填でき、成形圧力を低く抑えることも可能となり、樹脂圧で金型が変形しづらく、寸法制度の高い成形体を得ることが出来る。
【0033】
本発明の導電性エポキシ樹脂組成物は、上記のように、特に導電性及び流動性に優れたものとなる。そのため、この導電性エポキシ樹脂組成物を成形原料に用いることにより、機械的強度に優れかつ高い導電性を有する燃料電池用セパレータ等の成形体を得ることができる。また、成形に際して、高流動性であることからトランスファー成形や射出成形が可能であり、生産性にも優れる。
【実施例】
【0034】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明に更に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0035】
(ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩の作製)
DBU10gまたはDBN10gをジクロロメタン20mlに溶解し、ジアザビシクロ化合物溶液を調製した。これとは別に、オルソフタル酸またはフェノールノボラック(軟化点約90℃)10gをジクロロメタン20mlに溶解し、有機酸溶液を調製した。ジアザビシクロ化合物溶液と有機酸溶液とを所定の割合で混合して5分間攪拌し、析出した結晶を濾別し、ヘキサンで洗浄後・乾燥してジアザビシクロ化合物と有機酸との塩を作製した。尚、DBUとオルソフタル酸との塩はDBU:オルソフタル酸=152:166(重量比)、DBU30%のDBUフェノールノボラック塩はDBU:フェノールノボラック=30:70(重量比)、DBN10%のDBNフェノールノボラック塩はDBN:フェノールノボラック10:90(重量比)となるように調整した。
【0036】
(成形材料の作製)
表1に示す配合に従い、材料合計500gを10Lのヘンシェルミキサーで予備混合した後、1Lの加圧ニーダーで、チャンバー温度100℃で5分間混練した。これを粉砕機で粒径約2mmの粒子状に粉砕して成形材料とした。表1の配合の単位は質量%である。尚、比較例6では、ヘンシャルミキサーで予備混合、即ちドライミックスしたものをそのまま成形材料として用いた。また、成形材料について、下記に示す流動性の評価及び硬化反応進行の測定を行なった。
【0037】
(成形体の作製)
成形材料を用い、射出成形により成形体を作製した。射出成形機は型締め力80tの熱硬化性樹脂用成形機(菱屋精工製)を用い、シリンダー温度はホッパ下50℃、ノズルは90℃とし、金型温度は170℃とし、射出速度20mm/sec、硬化時間は60〜180秒とした。成形圧力は30〜70MPaの範囲で適宜設定した。これを、1辺100mm、厚さ2mmの正方形薄板状の形状に射出成形した。そして、得られた成形体に切断加工を施し、試験体とした。尚、成形体に膨れが生じた場合は、膨れ以外の部位をサンプリングして試験体とした。そして、試験体について以下の評価を行った。
【0038】
(導電性の評価)
図2に示す方法で貫通方向の抵抗を測定し、導電性の評価を行った。試験体から切り出した試料21を、カーボンペーパー22を介して電極23にセットし、電極間に流した電流(電流計24で測定)とカーボンペーパー間の電圧(電圧計25で測定)から、電気抵抗を計算し、これに試料面積を掛けて貫通方向の抵抗率とした。結果を表1に示す。
【0039】
(熱間曲げ強さの測定)
JIS K7171プラスチック−曲げ特性の試験方法に準じて求めた。試験は恒温槽付きのインストロン型万能試験機を使用し、試験雰囲気100℃で行った。結果を表1に示す。
【0040】
(膨れ発生有無の確認)
試験体のうち、成形後に膨れの発生した成形体の数をカウントした。表1には、"膨れの発生した成形体数/全成形体数"を表記した。
【0041】
(流動性の評価)
成形材料をJIS−K−6911、熱硬化性プラスチック一般試験方法「押出式流れ,フェノール樹脂の流れの良いもの」準じて求めた。流出量を流動性の指標とした。結果を表1に示す。
【0042】
(硬化反応進行の測定)
ムービングダイレオメータを用いて、成形材料の100℃または170℃における硬化反応の進行に伴うトルク変化を測定した。測定時間は15分とした。トルクが上昇したものは硬化が進行したことを示す。結果を図3〜図8にグラフにて示す。
【0043】
【表1】

【0044】
表1に示すように、実施例及び比較例は何れもビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂と、硬化剤としてフェノールノボラックを使用している。また、各実施例は、ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩を硬化促進剤として添加し、炭素材料として膨張黒鉛と人造黒鉛とを用いている。これに対し、比較例1、2は硬化促進剤として3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素を、比較例3はトリフェニルホスフィンを、比較例4はイミダゾール化合物である2-メチルイミダゾールを用いている。また、比較例5は硬化促進剤としてジアザビシクロ化合物と有機酸との塩を用いているが、炭素材料として膨張黒鉛を使用せずに人造黒鉛のみを使用している。比較例6は実施例1と同一配合であるが、ドライミックスにより成形材料を得ている。
【0045】
試験結果から明らかなように、各実施例の成形体は高強度で電気抵抗が低く、膨れも確認されず、外観上の問題は生じなかった。また、各実施例の成形材料は流動性も良好であり、射出成形しやすい材料であり、成形温度である170℃で一定の誘導期間をおいてからトルクが上昇するため、硬化反応開始までの間の流動性が高い状態で金型に充填可能である。また、100℃におけるトルク変化は少なくとも5分以内はほとんど発生していないことから、100℃で硬化反の進行が非常に遅く、熱安定性に優れている。特に実施例1,2の硬化促進剤として1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7とオルソフタル酸との塩を用いたものは、誘導期間をおいてから急激にトルクが上昇するため、短時間での硬化が可能で、実施例の中でも強度が高い成形体得られている。
【0046】
これに対し、硬化促進剤としてジメチルウレア化合物を使用した比較例1,2は、熱安定性は非常に優れ、高強度で電気抵抗の低い成形体が得られたが、成形体に膨れが見られる場合があった。比較例3,4はいずれも熱安定性に問題があり、強度、電気抵抗とも実施例と比較して劣っている。また、比較例3,4は誘導期間が短く、金型への充填途中で硬化して、ショートショットとなったり、成形圧上昇により金型破損・寸法精度低下の懸念がある。比較例5は電気抵抗が非常に高く問題である。比較例6は流動性が低く、シリンダーから成形材料を吐出させることが不可能であり、成形材料を得ることが出来なかった。
【0047】
以上より、本発明により、膨れの発生が無く導電性と寸法精度に優れた成形体が得られることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】燃料電池用セパレータの一例を示す概略斜視図である。
【図2】実施例において全抵抗の測定方法を示す概略図である。
【図3】硬化反応進行の測定結果を示すグラフである。
【図4】硬化反応進行の測定結果を示すグラフである。
【図5】硬化反応進行の測定結果を示すグラフである。
【図6】硬化反応進行の測定結果を示すグラフである。
【図7】硬化反応進行の測定結果を示すグラフである。
【図8】硬化反応進行の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0049】
10 燃料電池用セパレータ
11 平板部
12 隔壁
13 チャネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂と、硬化剤と、ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩からなる硬化促進剤と、膨張黒鉛を含む炭素材料とを含有することを特徴とする導電性エポキシ樹脂組成物。
【請求項2】
有機酸の酸解離定数が0以上10以下であることを特徴とする請求項1記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
有機酸が芳香族有機酸であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
有機酸が多価有機酸であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
【請求項5】
有機酸がオルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸またはトリメシン酸であることを特徴とする請求項3記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
【請求項6】
ジアザビシクロ化合物が環状ジアザビシクロ化合物であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
【請求項7】
ジアザビシクロ化合物が1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウエンデセン-7または1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5であることを特徴とする請求項6記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
【請求項8】
硬化剤が分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
【請求項9】
エポキシ樹脂が多官能エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
【請求項10】
炭素材料の5〜100質量%が膨張黒鉛であり、残部が人造黒鉛、天然燐状黒鉛、土壌黒鉛、カーボンブラック及びカーボンファイバーの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
【請求項11】
炭素材料が全量の35〜85質量%を占めることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
【請求項12】
硬化剤100重量部に対し硬化促進剤を0.1〜20重量部配合することを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物。
【請求項13】
エポキシ樹脂と、硬化剤と、ジアザビシクロ化合物と有機酸との塩からなる硬化促進剤と、膨張黒鉛を含む炭素材料とを所定比率で配合して溶融混練することを特徴とする導電性エポキシ樹脂組成物の製造方法。
【請求項14】
エポキシ樹脂または硬化剤の軟化温度以上の温度で溶融混練することを特徴とする請求項13記載の導電性エポキシ樹脂組成物の製造方法。
【請求項15】
請求項1〜12の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物をトランスファー成形または射出成形してなることを特徴とするエポキシ樹脂成形体。
【請求項16】
請求項1〜12の何れか1項に記載の導電性エポキシ樹脂組成物からなることを特徴とする燃料電池用セパレータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−137809(P2006−137809A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−326851(P2004−326851)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(000110804)ニチアス株式会社 (432)
【Fターム(参考)】