説明

小型モータの光学式エンコーダ装置

【課題】プリント回路基板とモータの接続及び固定強度を高めて、構造的に十分な頑強性を備えるだけでなく、ホトセンサモジュールをコードホイールとの位置関係において確実に位置決めして固定する。
【解決手段】ホトセンサモジュールは、樹脂製ホルダ内に、発光素子及び受光素子を収容することにより構成される。プリント回路基板は、平坦に形成したモータ側面に対して固定される。樹脂製ホルダは、これと一体に形成されて、エンドベルの端面及び軸受保持部に当接するガイド部を備え、このガイド部をエンドベルの端面に当接させつつ、軸受保持部とプリント回路基板との間に挟み込んで、前記プリント回路基板を固定することにより、ホトセンサモジュールをモータスラスト方向と径方向の両方向に位置決めする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータシャフトの回転を光学的に検出する小型モータの光学式エンコーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小型モータには、モータの回転速度や位置を検知するための装置を一体に組み付けることが求められる場合がある。このような検知装置として用いられる光学式エンコーダ装置を組み付けた小型モータは、回転制御が必要な、例えば、自動車電装用途とか、プリンター等のOA機器において用いられている。
【0003】
図8は、光学式エンコーダ装置のモータへの取り付けを例示する従来技術を示す図である(特許文献1参照)。図示したように、モータの平坦な側面(図中の下面)に一対の中ぐり穴が穿設され、プリント回路基板への接続を可能にしている。プリント回路基板は、一対の中ぐり穴に挿入できるようにした一対の接触ピンに加えて、ホトセンサモジュール、コネクタなどの電子部品を含んでいる。
【0004】
プリント回路基板を図中の下側から矢印の方向に押し込み、接触ピンが中ぐり穴に挿入された後、固定用クランプがモータに図中の上側から押し込まれる。すなわち、プリント回路基板と反対側のモータ側面から矢印の方向に押し込まれ、固定用クランプのペグをプリント回路基板上に形成された対応ガイド穴の中に押し込むことにより組み立てられる。また、モータのシャフト端にはコードホイールが固定される。
【0005】
このように、図示のプリント回路基板は、それを取り付けるためにモータ側面にメス端子(中ぐり穴)を備えたモータを使って、メス端子とプリント回路基板の接続は、プリント回路基板に立てた接触ピンで行っている。しかし、接触ピンによるメス端子接圧だけではプリント回路基板を支えられないため、高価な金属製の固定用クランプを使用しているが、その複雑な形状から大きなコストアップとなっている。コードホイールとセンサの位置決めは、複数部品が累積するため(モータとコードホイール、クランプとモータ、クランプと基板、基板とセンサ、というように)、位置決め精度に不安がある。
【0006】
プリント回路基板を取り付ける必要がある場合、モータ側面からではなく、通常はエンドベル端面からシャフト軸方向にオス端子(モータ端子)が出ているタイプのモータを使用する(特許文献2参照)。しかしφ20クラスの小径モータとなると、オス端子が邪魔になり基板の寸法制約上各種素子を搭載できなくなる。そこで、従来、モータ側面(フラット面)からオス端子が出ているタイプのモータを用いて、このオス端子にプリント回路基板を取り付けることも知られている。プリント回路基板とモータの接続は、オス端子への半田付けで行われるので、一応の固定は可能であるが、半田付け強度のみで固定されるために、プリント回路基板の外力に対する強度は十分なものではない。そのため、プリント回路基板として、高い強度の厚い高価なガラスエポキシ基板を使用せざるを得ないが、それでも、構造的に十分な頑強性をもつとはいい難い。コードホイールとホトセンサモジュールの位置関係が重要であるが、従来のエンコーダ装置は、構造的にホトセンサモジュールを位置決めする部位がなく、治具等による外部からの位置決めが必要で、作業性及び位置決め精度に不安がある。
【特許文献1】特開2003−199297号公報
【特許文献2】特開2006−129692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、係る問題点を解決して、小径モータに対しても各種素子を搭載したプリント回路基板をモータ側面(フラット面)で支持することのできるフラットタイプのモータを使用して、さらに、プリント回路基板とモータの接続及び固定強度を高めて、構造的に十分な頑強性を備えるだけでなく、治具等による外部からの位置決めを必要とすることなく、ホトセンサモジュールをコードホイールとの位置関係において確実に位置決めして固定することを目的としている。これによって、安価なプリント回路基板を使用しつつも、複数部品が累積するコードホイールとホトセンサモジュールの位置決めを精度良く行うことを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の小型モータの光学式エンコーダ装置は、モータエンドベルに備えた軸受保持部に収容される軸受を通ってモータ外部に延長するモータシャフトに取り付けられたコードホイールと、該コードホイールの光学変調トラック部がホトセンサモジュールの間隙に位置決め配置されるように、該ホトセンサモジュールを取り付けたプリント回路基板を装着し、かつ、ホトセンサモジュールが、樹脂製ホルダ内に、発光素子及び受光素子を収容することにより構成される。このプリント回路基板は、平坦に形成したモータ側面に対して固定される。樹脂製ホルダは、該ホルダから張り出すように一体に形成されて、エンドベルの端面及び軸受保持部に当接するガイド部を備え、このガイド部をエンドベルの端面に当接させつつ、軸受保持部とプリント回路基板との間に挟み込み、前記プリント回路基板を固定することにより、ホトセンサモジュールをモータスラスト方向と径方向の両方向に位置決めする。
【0009】
また、プリント回路基板のモータ側面に対する固定は、該モータ側面から突出する一対のモータ端子と、プリント回路基板の裏面側のプリント配線部を半田付けすることにより行われる。一対のオス端子を取り囲むようにしてエンドベルと一体に形成された端子台が、プリント回路基板に形成した穴に嵌め合わされるようにして、プリント回路基板がモータに対して位置決めされる。一対のモータ端子は、裏面にのみプリント配線部を有する片面配線タイプのフェノール樹脂製のプリント回路基板の裏面側で折り曲げられた後、プリント配線部に半田付けされる。ホトセンサモジュールは、そのホルダ裏面側に形成した複数個のボスを、対応して形成したプリント回路基板に設けた穴或いは溝に挿入することにより、位置決めされる。ガイド部は、ホルダから直角方向にL字状に張り出される。このガイド部は、軸受保持部側面の円形形状に対応して形成したラウンド面を、該軸受保持部側面に当接させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、小径モータに対しても各種素子を搭載したプリント回路基板をモータ側面で支持することのできるフラットタイプのモータに対して、プリント回路基板とモータの接続及び固定強度を高めて、構造的に十分な頑強性を備えるだけでなく、治具等による外部からの位置決めを必要とすることなく、ホトセンサモジュールをコードホイールとの位置関係において確実に位置決めして固定することができる。コードホイールとセンサの位置決めは、ホトセンサモジュールホルダにガイド部を設けることで、モータエンドベル面を基準にひとつの部品で位置決めできるため、位置決め精度が良い。これによって、安価な薄いプリント回路基板(片面フェノール基板)を使用しつつも、複数部品が累積するコードホイールとホトセンサモジュールの位置決めを精度良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、例示に基づき本発明を説明する。図1(A)は、モータ端子(オス端子)が出ているフラット面を図中の上側にして示すモータ単独の断面図であり、図1(B)はモータ外側から見た斜視図である。金属製のモータケース内部(円弧面側)には、固定子側磁極となる一対のマグネットが取り付けられている。モータシャフト上に積層コアと巻線によって構成される回転子磁極と、整流子とを一体に組み付けて構成される回転子が回転可能に取り付けられている。モータケースは、両サイドを平坦な面(フラット面)とし、その間を円弧面とした全体的には有底中空筒形状に構成されている。このモータケースの開口から、モータシャフト上に一体に組み立てられた回転子を挿入した後、モータケースの開口を閉じるように、樹脂(例えば、ポリアミド)製のエンドベルが嵌着される。このエンドベルは、モータケースと同様に平坦な面(フラット面)を両サイドに有する筒状のエンドベル側面と、この筒状エンドベル側面の一方の端面を閉じるように一体に形成したエンドベル端面とを有している。エンドベル端面は、モータシャフトが貫通し、かつモータシャフトに直交する面を意味し、図示したように軸受保持部を一体に備えている。エンドベルの両側フラット面の一方には、一対のオス端子を取り囲むようにして周囲のフラット面よりも高く、かつエンドベルと一体に形成されている端子台が備えられている。この端子台は、後述するように、プリント回路基板に形成した端子台用角穴(図5)に嵌め合わされる。
【0012】
モータシャフトは、モータケースの底部中央と、エンドベルの中央にそれぞれ位置する軸受によって回転可能に支持されている。エンドベル側の軸受は、エンドベルと一体に形成された軸受保持部内に収容されている。整流子に接触する一対のブラシは、エンドベルフラット面から外部に突出する一対のモータ端子(オス端子)にそれぞれ電気的に接続されている。このモータ端子には、外部より電源が供給される。このような小型モータ自体は、通常構成のものである。
【0013】
図2は、エンコーダ装置をモータに固定して組立を完成させた状態で示す斜視図である。但し、図示を明白にする目的のために、プリント回路基板裏側の半田付けは図示していない。図示したように、モータには、裏面にのみプリント配線部(図示省略)を有する片面配線タイプのプリント回路基板が固定されている。モータのオス端子は、プリント回路基板の裏面側で折り曲げられた状態で示されているが、この後、半田付けすることにより電気的及び機械的に接続固定されることになる。このプリント回路基板の表面側には、受光素子及び発光素子をホトセンサモジュールホルダへ一体に組み付けたホトセンサモジュール、コネクタなどの回路素子が取り付けられている。また、モータのエンドベル側から外方向に伸びるモータシャフトには、コードホイールがシャフト軸方向から取り付けられて、コードホイールの光学変調トラック部がホトセンサモジュールの対向する発光素子と受光素子の間の間隙に位置決め配置される。各種回路素子を取り付けたプリント回路基板とコードホイールによって、モータの回転速度や位置を検知するための光学式エンコーダ装置を構成している。本発明は、ホトセンサモジュールのホルダの形状、及びそれを取り付けたプリント回路基板のモータに対する接続固定に特徴を有している。以下、さらに、各部分を示す詳細図を参照しつつ説明する。
【0014】
図3(A)は、コードホイール単独の斜視図であり、図3(B)はこのコードホイールをモータシャフトに取り付けた状態で示すモータ斜視図である。モータに対して、コードホイールをモータシャフト軸方向から取り付け、固定する。コードホイール自体は通常のものであり、また、通常に固定することができる。例示のコードホイールは、中央のフランジ部とその周囲に固定した光学変調トラック部により構成されている。フランジ部が、軸受保持部からエンドベル外部に伸びるモータシャフト延長部に、圧入等により位置決め、固定される。フランジ部は、圧入する場合は樹脂を使うことが望ましいが、他に強度を考慮して、鉄や真鍮を使うことも考えられる。光学変調トラック部は、円周上に等間隔に複数のスリットが設けられている光学変調トラックを有して、モータシャフトの回転に伴ない、例えば50パルス/回転程度の信号を得られるようになっている。光学変調トラック部の一方の面側からの発光を、他方の面側で受光する際、回転する光学変調トラック部のスリット部と非スリット部によって受光をオンオフすることにより、回転速度及び位置を検出することができる。
【0015】
図4はホトセンサモジュールの外観を示す図であり、(A)及び(B)はそれぞれ異なる方向から見た同一のホトセンサモジュールを示している。ホトセンサモジュールは、樹脂製ホルダと、該ホルダ内の所定位置に収容した発光素子及び受光素子とから構成される。ホトセンサモジュールのホルダは、例えば、インジェンクション(射出)成形により、樹脂(例えば、ポリカーボネート)により一体形成されて、ホルダ内部に発光素子と受光素子を対向配置するための凹所を有している。受発光素子を挿入して位置決めするこれら凹所には、それぞれの凹所の内壁3面に抜け強度確保のための複数(2×3面=計6つ)のリブを備え、残り1面に押し当てるように構成している。受発光素子を収容したホトセンサモジュールホルダの間隙部においては、発光素子の発光部と受光素子の受光部が向かい合う間のホルダ部に穴もしくは溝が構成され(図示省略)、赤外光LED(発光素子)からの赤外光をホトダイオード(受光素子)で受信できるようになっている。ホルダは、赤外光を遮断することができるポリカーボネート(黒色)で構成されている事から、受光素子への乱反射赤外光の進入を抑制することができる。
【0016】
このホトセンサモジュールホルダの間隙に、コードホイールの光学変調トラック部が位置決め配置されることになる。発光素子及び受光素子の各端子は、プリント回路基板の端子用穴に挿入されて、半田付け固定される。なお、例示の受光素子は、2個のホトダイオードを接続して位相のずれた信号を検出することにより、回転速度だけでなく、モータ回転方向も検出することができるタイプのものであるために、3本の端子を有している。
【0017】
図示のホトセンサモジュールは、樹脂製ホルダと一体形成したL字状の張り出し部(ガイド部)を設け、かつ、ホトセンサモジュールのプリント回路基板当接面側(裏面側)に複数のボス(発光素子と受光素子の間に1個の丸形ボスと、ガイド部裏面側に2個の角形ボス)を備えている。ガイド部をL字状に、即ち、ホルダ本体から直角方向に張り出すのは、位置決め精度を高めるためである。ガイド部の高さ(図4(B))は、軸受保持部のスラスト方向の高さと同程度が望ましく、また、ガイド部が張り出す長さは、軸受保持部に当接するのに十分な長さを有し、エンドベル端面からはみ出さない程度が望ましい。図示のホトセンサモジュールは、図4(A)の左側からプリント回路基板が当接し、下側からエンドベル端面が当接する。さらに、軸受保持部側面の円形形状に当接するR(ラウンド)面が、プリント回路基板当接面とは反対側に形成されている。
【0018】
図5は、ホトセンサモジュールを取り付ける前のプリント回路基板を例示する図であり、(A)及び(B)はそれぞれ見る方向のみを異にする同一のプリント回路基板を示している。例示のプリント回路基板には、表面側(素子取付側)に抵抗、コネクタなどの素子が取り付けられると共に、それらの電気端子はプリント回路基板に設けた対応する穴を貫通して裏面に導出され、裏面側に構成されたプリント配線部(図示省略)へ半田付け固定される。また、このプリント回路基板には、エンドベルフラット面に設けた端子台に嵌め合わされる端子台用角穴が設けられ、さらに、この端子台用角穴には溝(2個)を設けて、ホトセンサモジュールのガイド部裏面側に設けた角形ボス(2個)に嵌合させる。プリント回路基板の厚さは、エンドベルの端子台の高さ(例えば、厚みt1.2mm)と合わせることが望ましい。
【0019】
図6は、ホトセンサモジュールを取り付けたプリント回路基板を例示する図であり、(A)はプリント回路基板の表面側(素子取付側)を示し、(B)はプリント回路基板の裏面側(プリント配線側)をそれぞれ示している。表面側(素子取付側)に抵抗、コネクタなどの素子が取り付けられたプリント回路基板(図5)には、さらに、ホトセンサモジュールが取り付けられて、位置決めされる。それらの電気端子はプリント回路基板に設けた対応する穴を貫通して裏面に導出される。その際、ホトセンサモジュール裏面側の丸形ボス、及び角形ボス(2個)が、プリント回路基板に設けた対応するボス穴及び溝(2個)に挿入されて位置決めされる。この後、電気端子が基板裏面側のプリント配線(銅箔パターン)部に半田付けして固定される。ホトセンサモジュールからの信号線及び電源線もまたプリント配線を介し、さらに、コネクタを介してプリント回路基板外部に引き出される。
【0020】
図7は、プリント回路基板のモータへの取付を説明する図であり、(A)は斜視図を、(B)は一部断面で示す側面図である。コードホイールをモータシャフトに固定した状態のモータ側面のフラット面(図3)に対して、各種回路素子を接続固定したプリント回路基板(図6)が取り付けられる。図示のプリント回路基板は、エンドベルのフラット面の上だけでなく、その一部がモータケースのフラット面の上にも張り出している(C部)。このプリント回路基板は、エンドベルにおいて一対のオス端子を取り囲むようにしてフラット面よりも高く形成されている端子台に、プリント回路基板に形成した端子台用角穴を嵌め合わす一方、ホトセンサモジュールホルダと一体に設けたL字状の張り出し部(ガイド部)を、エンドベル端面及び軸受保持部に当接することにより、スラスト方向(モータ軸方向)及びモータ径方向に位置決めされる。即ち、ホトセンサモジュールホルダの一部であるガイド部が、エンドベル端面と軸受保持部に対して、直交する両方向から接触して当接しているため、ホトセンサモジュールは、そのガイド部を介してモータに位置決めされる。この後、プリント回路基板とモータの接続は、オス端子を相対する外側へプリント回路基板の上に折り曲げた(図2参照)後、オス端子部をプリント配線部へ半田付けすることにより、モータに対するエンコーダ装置の全ての組立を完了する。このように、プリント回路基板をエンドベルの端子台に嵌め合わせ、モータのオス端子を外側に折り曲げることで、エンコーダ装置の厚み(図7(B)における上下方向の長さ)を薄くできる。また、モータ端子を外側へ折り曲げることで、プリント回路基板の仮固定ができ作業性が向上する。ホトセンサモジュールとプリント回路基板の位置決めは、それぞれに設けた基板案内部(ボスと対応するボス穴及び溝)を嵌め合わせることで、構造的に位置決めできる。
【0021】
このように、ホトセンサモジュールの位置決めは、ガイド部をエンドベル端面に当接することにより、ホトセンサモジュールのモータスラスト方向の位置決めを行う一方、ガイド部のR(ラウンド)面を、軸受保持部のラウンド(R)に合わせて、ガイド部を軸受保持部とプリント回路基板との間に挟み込んだ状態で、プリント回路基板を固定することにより、ホトセンサモジュールの径方向の位置決め固定を行うことができる。例示の構成は、このようなスラスト方向及び径方向の位置決めが可能となるだけでなく、プリント回路基板に作用する外力に対して、頑強性を有している。即ち、ガイド部がプリント回路基板と軸受保持部の間に挟まることで、プリント回路基板のA方向(図7(B))の外力に対する支柱となる一方、モータケースに当接するプリント回路基板の端部(C部)が支柱となって、B方向の外力に対しても十分な頑強性がある。それ故に、プリント回路基板自体に大きな機械的強度は必要とされず、かつ素子を含め半田付け面が片面だけになるため、安価で強度を必要としない片面配線の、例えば薄厚(t1.2mm)のフェノール樹脂製基板を使用することができる。また基板裏側のみで半田付けするために、プリント回路基板が壁となり、半田付け作業時に発生するフラックスや半田粒のセンサーモジュールや回路素子への付着を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(A)は、モータ端子(オス端子)が出ているフラット面を図中の上側にして示すモータ単独の断面図であり、(B)はモータ外側から見た斜視図である。
【図2】エンコーダ装置をモータに固定して組立を完成させた状態で示す斜視図である。
【図3】(A)は、コードホイール単独の斜視図であり、(B)はこのコードホイールをモータシャフトに取り付けた状態で示すモータ斜視図である。
【図4】ホトセンサモジュールの外観を示す図であり、(A)及び(B)はそれぞれ異なる方向から見た同一のホトセンサモジュールを示している。
【図5】ホトセンサモジュールを取り付ける前のプリント回路基板を例示する図であり、(A)及び(B)はそれぞれ見る方向のみを異にする同一のプリント回路基板を示している。
【図6】ホトセンサモジュールを取り付けたプリント回路基板を例示する図であり、(A)はプリント回路基板の表面側(素子取付側)を示し、(B)はプリント回路基板の裏面側(プリント配線側)をそれぞれ示している。
【図7(A)】プリント回路基板のモータへの取付を説明する図であり、斜視図を示す図である。
【図7(B)】プリント回路基板のモータへの取付を説明する図であり、一部断面で示す側面図である。
【図8】光学式エンコーダ装置のモータへの取り付けを例示する従来技術を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータエンドベルに備えた軸受保持部に収容される軸受を通ってモータ外部に延長するモータシャフトに取り付けられたコードホイールと、該コードホイールの光学変調トラック部がホトセンサモジュールの間隙に位置決め配置されるように、該ホトセンサモジュールを取り付けたプリント回路基板を装着し、かつ、前記ホトセンサモジュールが、樹脂製ホルダ内に、発光素子及び受光素子を収容することにより構成される小型モータの光学式エンコーダ装置において、
前記プリント回路基板は、平坦に形成したモータ側面に対して固定され、
前記樹脂製ホルダは、該ホルダから張り出すように一体に形成されて、前記エンドベルの端面及び軸受保持部に当接するガイド部を備え、
前記ガイド部を前記エンドベルの端面に当接させつつ、前記軸受保持部とプリント回路基板との間に挟み込み、前記プリント回路基板を固定することにより、前記ホトセンサモジュールをモータスラスト方向と径方向の両方向に位置決めすることから成る小型モータの光学式エンコーダ装置。
【請求項2】
前記プリント回路基板の前記モータ側面に対する固定は、該モータ側面から突出する一対のモータ端子と、プリント回路基板の裏面側のプリント配線部を半田付けすることにより行われる請求項1に記載の小型モータの光学式エンコーダ装置。
【請求項3】
前記一対のモータ端子を取り囲むようにしてエンドベルと一体に形成された端子台が、前記プリント回路基板に形成した穴に嵌め合わされるようにして、前記プリント回路基板がモータに対して位置決めされる請求項2に記載の小型モータの光学式エンコーダ装置。
【請求項4】
前記一対のモータ端子は、裏面にのみプリント配線部を有する片面配線タイプのフェノール樹脂製のプリント回路基板の裏面側で折り曲げられた後、プリント配線部に半田付けされる請求項3に記載の小型モータの光学式エンコーダ装置。
【請求項5】
前記ホトセンサモジュールは、そのホルダ裏面側に形成した複数個のボスを、対応して形成したプリント回路基板に設けた穴或いは溝に挿入することにより、位置決めされる請求項1に記載の小型モータの光学式エンコーダ装置。
【請求項6】
前記ガイド部は、前記ホルダから直角方向にL字状に張り出される請求項1に記載の小型モータの光学式エンコーダ装置。
【請求項7】
前記ガイド部は、軸受保持部側面の円形形状に対応して形成したラウンド面を、該軸受保持部側面に当接させる請求項1に記載の小型モータの光学式エンコーダ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7(A)】
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【図7(B)】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−206244(P2008−206244A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−37369(P2007−37369)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(000113791)マブチモーター株式会社 (69)
【Fターム(参考)】