説明

広帯域特性を備えた干渉光学ディスプレイシステム

干渉変調器の動作光学範囲内の光の波長に対する閾値未満の吸光係数(k)を有する物質を組み込むことによって、MEMディスプレイ装置において、広帯域白色光を得ることができる。一実施形態は、この物質(23)を透明基板(20)の少なくとも一部の上に堆積させる段階と、この物質の層の上に誘電体層(24)を堆積させる段階と、この誘電体の上に犠牲層を形成する段階と、この犠牲層の上に導電性層(14)を堆積させる段階と、犠牲層の少なくとも一部を除去することによってキャビティ(19)を形成する段階とを備えたMEMSディスプレイ装置の製造方法を提供する。適切な物質は、ゲルマニウム、多様な組成のゲルマニウム合金、ドーピングしたゲルマニウム、ドーピングしたゲルマニウム含有合金を含み得て、透明基板上に堆積されるか、透明基板または誘電体層内に組み込まれ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、干渉変調器(iMoD,interferometric modulator)として使用される微小電気機械システムに関する。特に、本発明は、干渉変調器の製造を改善するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS,microelectromechanical system)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び、電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、及び/又は、他の微小機械プロセス(基板及び/又は堆積させた物質層の一部をエッチングしたり、電気的及び電気機械的装置を形成するための層を追加したりする)を用いて、形成され得る。MEMS装置の一種類は、干渉変調器と呼ばれる。本願において、干渉変調器または干渉光変調器という用語は、光干渉原理を用いて光を選択的に吸収及び/又は反射する装置を称する。特定の実施形態において、干渉変調器は、一対の導電性板を備える。その一対の導電性板の一方または両方は、その全体または一部が透明及び/又は反射性であり、適切な電気信号の印加に対して相対的に動くことができる。特別な実施形態において、一方の板は、基板上に堆積させた静止層を備え、他方の板は、空隙によって静止層から離隔された金属膜を備える。本願において詳述されるように、他方の板に対する一方の板の位置によって、干渉変調器に入射する光の光学干渉を変化させることができる。このような装置は広範な応用を有し、こうした種類の装置の特性を利用及び/又は変更する分野において有益であり、その特徴を、既存の製品を改善し、また、未だ開発されていない新規製品を創作するのに活かすことができる。
【特許文献1】米国特許第6743570号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明のシステム、方法及び装置はそれぞれ、複数の側面を有するものであり、それらは単にその望ましい特性のみに対するものという訳ではない。本発明の範囲を限定することなく、そのより顕著な特徴について、これから簡潔に説明する。この説明を考慮した後、特に、“発明を実施するための最良形態”の部分を読んだ後においては、本発明の特徴が、他のディスプレイ装置に対してどのようにして利点を提供するかということが理解されるものである。
【0004】
一実施形態は、透明基板を提供する段階と、その透明基板上に干渉変調器のアレイを形成する段階とを備えたMEMSディスプレイ装置の製造方法を提供する。ここで、干渉変調器は、干渉変調器の動作光学範囲内の光の波長に対する閾値未満の吸光係数(k)を有する物質を備える。
【0005】
他の実施形態は、透明基板上に光学積層体を形成する段階と、その光学積層体上に犠牲層を堆積させる段階と、その犠牲層上に導電性層を形成する段階と、犠牲層の少なくとも一部を除去して、基板と導電性層との間にキャビティを形成する段階とを備えた干渉変調器のアレイの形成方法を提供する。
【0006】
他の実施形態は、透明基板を提供する段階と、その透明基板上に干渉変調器のアレイを形成する段階とを備えた方向によって製造されたMEMSディスプレイ装置を提供する。ここで、干渉変調器は、波長が増大すると増大する屈折率を有する物質を備える。
【0007】
他の実施形態は、光を透過させる手段と、その光を透過させる手段を介した光を干渉反射する手段とを備えた干渉ディスプレイ装置を提供する。ここで、干渉反射する手段は、干渉変調器の動作光学範囲内の光の波長に対する閾値未満の吸光係数(k)を有する物質を備える。
【0008】
他の実施形態は、基板と、その基板上に堆積させた干渉変調器のアレイとを備えたMEMSディスプレイ装置を提供する。ここで、アレイは、干渉変調器の動作光学範囲内の光の波長に対する閾値未満の吸光係数(k)を有する物質を備える。本実施形態のディスプレイ装置は、アレイと電気通信し、画像データを処理するように構成されたプロセッサと、そのプロセッサと電気通信するメモリ装置と、を更に備える。
【0009】
これらの及び他の実施形態について、以下に詳述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下の詳細な記載は、本発明の特定の実施形態に対するものである。しかしながら、本発明は、多種多様な方法で実施可能である。この記載においては、全体にわたり同様の部分には同様の参照符号を付した図面を参照する。以下の記載から明らかになるように、動的な画像(例えば、ビデオ)または静的な画像(例えば、静止画)や、文字または図表の画像を表示するように設計されているあらゆる装置において、本実施形態を実装可能である。更に、携帯電話、無線装置、PDA、携帯型コンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、置時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、自動車用ディスプレイ(例えば、走行距離計等)、コックピット制御機器及び/又はディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(例えば、自動車の後方ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電光掲示板または電光サイン、プロジェクタ、建築物、パッケージング、審美的構造(例えば、宝石上の画像表示)等の多種多様な電子機器において、本実施形態を実装可能であるが、これらに限定されるものではない。本願で開示されるような構造のMEMS装置は、電子スイッチ装置などのディスプレイ以外の応用においても使用可能である。
【0011】
本発明の一実施形態は、干渉変調器の動作光学範囲内の光の波長に対する閾値未満の吸光係数(k)を有する物質を用いたディスプレイ装置である。他の実施形態では、動作光学範囲内で波長が増大すると、増大する屈折率(n)及び/又は減少する吸光係数(k)を有する物質が使用され得る。一例として、その物質として、ゲルマニウム、または、ゲルマニウム系合金(SiGe1−x等)を挙げることができる。この物質を含むディスプレイ装置は、“暗”状態における装置の暗度に影響を与えずに、“明”状態における広帯域白色を反射することができる。一実施形態では、干渉装置の吸収体層内部に、ゲルマニウム層が用いられて、視聴者に広帯域白色光を反射する装置が提供される。他の実施形態では、この物質が、或る金属と組み合わせられて、積層構造にされる。この金属によって、ディスプレイ装置の光学性能を追加的に微調整することが可能になる。特に、前記物質に隣接させて金属層を追加することによって、暗状態における減少した反射率(暗度)がもたらされ、ディスプレイ装置のコントラスト比が改善される。勿論、本発明の実施形態は、これらや特定の層の厚さ等に限定されるものではないことを認識されたい。
【0012】
干渉MEMSディスプレイ素子を備えた干渉変調器ディスプレイの一実施形態を、図1に示す。この装置において、画素は、明状態または暗状態のどちらかである。明(“オン”、“オープン”)状態において、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分を使用者に反射する。暗(“オフ”、“クローズ”)状態において、ディスプレイ素子は、入射可視光の僅かしか使用者に反射しない。実施形態に応じて、“オン”及び“オフ”状態の光の反射性を逆にしてもよい。MEMS画素は、選択された色を主に反射するように構成可能であり、白黒に加えてカラーディスプレイが可能である。
【0013】
図1は、画像ディスプレイの一続きの画素の内の二つの隣接する画素を示す等角図である。ここで、各画素は、MEMS干渉変調器を備えている。一部の実施形態では、干渉変調器ディスプレイは、これら干渉変調器の行列のアレイを備える。各干渉変調器は、互いに可変で制御可能な距離に配置された一対の反射層を含み、少なくとも一つの可変寸法を備えた共鳴光学キャビティを形成する。一実施形態において、反射層の一方は、二つの位置の間を移動し得る。第一の位置(緩和位置と称する)では、可動反射層は、固定された部分反射層から比較的離れた位置に在る。第二位置(作動位置と称する)では、可動反射層は、部分反射層により近づいて隣接する位置に在る。これら二つの層から反射される入射光は、可動反射層の位置に応じて、建設的にまたは破壊的に干渉して、各画素に対して全体的な反射状態または非反射状態のどちらかがもたらされる。
【0014】
図1に示される画素アレイの一部は、二つの隣接する干渉変調器12a及び12bを含む。左側の干渉変調器12aでは、可動反射層14aが、光学積層体16a(部分反射層を含む)から所定の距離離れた緩和位置で示されている。右側の干渉変調器12bでは、可動反射層14bが、光学積層体16bに隣接した作動位置で示されている。
【0015】
本願において、光学積層体16a及び16b(まとめて光学積層体16と称する)は典型的に複数の結合層から構成され、インジウム錫酸化物(ITO,indium tin oxide)等の電極層、クロム等の部分反射層、及び、透明誘電体を含み得る。従って、光学積層体16は、導電性であり、部分的には透明で部分的には反射性であり、例えば、透明基板20上に上述の層を一層以上堆積させることによって、製造可能である。一部の実施形態では、これらの層が平行なストリップにパターニングされて、以下に記載するようなディスプレイ装置の行電極を形成し得る。可動反射層14a、14bは、ポスト18の上面と、ポスト18間に堆積させた介在犠牲物質の上面とに堆積させた堆積金属層(一層または複数層)の一続きの平行なストリップ(16a及び16bの行電極に直交する)として形成され得る。犠牲物質がエッチングされると、画定されたギャップ19によって、可動反射層14a、14bが光学積層体16a、16bから離隔される。反射層14に対しては、アルミニウム等の高導電性及び反射性物質を使用可能であり、そのストリップが、ディスプレイ装置の列電極を形成し得る。
【0016】
電圧が印加されていないと、図1の画素12aに示されるように、可動反射層14aと光学積層体16aとの間にキャビティ19が残ったままであり、可動反射層14aは、機械的に緩和状態にある。一方で、選択された行と列に電位差が印加されると、対応する画素の行電極と列電極の交差する部分に形成されるキャパシタが帯電して、静電力が電極を互いに引き寄せる。電圧が十分に高いと、可動反射層14が変形して、光学積層体16に押し付けられる。光学積層体16内の誘電体層(この図には示さず)は、短絡を防止して、図1の右側の画素12bに示されるように、層14と層16との間の間隔を制御することができる。印加される電位差の極性に関わり無く、挙動は同じである。このように、反射画素状態対非反射画素状態を制御可能な行/列の作動は、従来のLCDや他のディスプレイ技術で用いられているものと多くの点で類似している。
【0017】
図2から図5は、ディスプレイ応用における干渉変調器のアレイを用いるためのプロセス及びシステムの一例を示す。
【0018】
図2は、本発明の複数の側面を組み込み得る電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。例示的な実施形態では、電子装置はプロセッサ21を含み、そのプロセッサ21は、ARM、Pentium(登録商標)、Pentium(登録商標)II、Pentium(登録商標)III、Pentium(登録商標)IV、Pentium(登録商標)Pro、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)等の一般的なシングルチップまたはマルチチップのマイクロプロセッサであり、または、デジタル信号プロセッサや、マイクロコントローラやプログラマブルゲートアレイ等の専用マイクロプロセッサであり得る。従来技術のように、プロセッサ21は、一つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得る。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、eメールプログラムや、他のソフトウェアアプリケーション等の一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
【0019】
一実施形態では、プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するようにも構成されている。一実施形態では、アレイドライバ22は、パネルつまりディスプレイアレイ(ディスプレイ)30に信号を提供する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に示されるアレイの断面図は、図2の線1‐1に沿ったものである。MEMS干渉変調器に対しては、行/列の作動プロトコルは、図3に示される装置のヒステリシス特性を利用し得る。例えば、可動層を緩和状態から作動状態に変形させるには、10ボルトの電位差が必要とされる。一方で、この値よりも電圧が減少すると、電圧が10ボルト未満に下がっても、可動層がその状態を維持する。図3の例示的な実施形態では、可動層は、電圧が2未満に下がるまでは完全に緩和しない。従って、或る電圧範囲(図3に示される例では略3から7V)においては、装置が緩和状態または作動状態のどちらかで安定している印加電圧のウィンドウが存在する。これを本願では、“ヒステリシスウィンドウ”または“安定ウィンドウ”と称する。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイに対しては、行/列の作動プロトコルを以下のように構成可能である。即ち、行のストローブ中には、作動されるべきストローブ行が略10ボルトの電圧に晒されて、緩和されるべき画素がゼロボルトに近い電圧に晒されるように構成可能である。ストローブ後には、画素が略5ボルトの安定状態電圧に晒されて、画素が、行のストローブによって与えられた状態を保つ。描かれた後には、各画素は、本実施例では3〜7ボルトの“安定ウィンドウ”内の電位差を見る。この特徴は、図1に示される画素構造を、同一の印加電圧条件の下において、作動または緩和の既存状態のどちらかで安定させる。干渉変調器の各画素(作動または緩和状態)は本質的に、固定反射層及び可動反射層によって形成されたキャパシタであるので、ほぼ電力消費無く、ヒステリシスウィンドウ内の電圧において、この安定状態を保持することができる。印加電位が固定されていれば、本質的に電流は画素内に流れない。
【0020】
典型的な応用では、表示フレームは、第1番目の行(行1)の作動画素の所望の組に従った列電極の組をアサートすることによって、生成され得る。その後、行パルスが行1の電極に印加されて、アサートされた列ラインに対応する画素を作動させる。その後、第2番目の行(行2)の作動画素の所望の組に対応するために、列電極のアサートされる組を変更する。その後、パルスが行2の電極に印加されて、アサートされた列電極に従った行2の適切な画素を作動させる。行1の画素は、行2のパルスによって影響されず、行1のパルスの間に設定された状態のままである。このことが、一続きの行全体に対して逐次的に反復されて、フレームを生成する。一般的に、秒毎の所望のフレーム数でこのプロセスを連続的に反復することによって、フレームがリフレッシュされ及び/又は新しい表示データに更新される。表示フレームを生成するために画素アレイの行電極及び列電極を駆動するプロトコルは、多種多様なものが周知であり、本発明と組み合わせて使用可能である。
【0021】
図4及び図5は、図2の3×3アレイ上に表示フレームを生成する作動プロトコルとして考えられるものの一つを示す。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に対して使用され得る列及び行の電圧レベルの組として考えられるものの一つを示す。図4の実施形態において、画素を作動させることには、適切な列を−Vバイアスに設定し、適切な行を+ΔVに設定することが含まれ、それぞれ−5ボルトと+5ボルトに対応し得る。画素の緩和は、適切な列を+Vバイアスに設定し、適切な行を同じ+ΔVに設定して、画素に対する電位差をゼロボルトにすることによって、達成される。行の電圧がゼロボルトに保たれている行においては、列が+Vバイアスであるか−Vバイアスであるかに関わらず、元々の状態で安定である。また、図4に示されるように、上述のものとは逆極性の電圧も使用可能であるということを認識されたい。例えば、画素を作動させることは、適切な列を+Vバイアスに設定し、適切な行を−ΔVに設定することを含むことができる。この実施形態では、画素の緩和は、適切な列を−Vバイアスに設定し、適切な行を同じ−ΔVに設定して、画素に対して電位差をゼロボルトにすることによって、達成される。
【0022】
図5Bは、図2の3×3アレイに印加される一続きの行及び列の信号を示すタイミング図であり、図5Aに示される表示配置がもたらされる。ここで、駆動画素は非反射性である。図5Aに示されるフレームを描く前においては、画素はいずれの状態であってもよく、この例では、全ての行は0ボルトであり、全ての列は+5ボルトである。これらの印加電圧に対しては、全ての画素は、作動または緩和のその時点での状態で安定である。
【0023】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)、(3,3)が作動している。これを達成するためには、行1に対する“ライン時間”中に、列1及び列2は−5ボルトに設定され、列3は+5ボルトに設定される。全ての画素が3〜7ボルトの安定ウィンドウ内のままであるので、これによっては、いずれの画素の状態も変化しない。その後、行1が、0から5ボルトに上がりゼロに戻るパルスで、ストローブされる。これによって、(1,1)及び(1,2)の画素を作動させて、(1,3)の画素を緩和する。アレイの他の画素は影響を受けない。要求どおりに行2を設定するため、列2を−5ボルトに設定し、列1及び列3を+5ボルトに設定する。その後、行2に印加される同じストローブによって、画素(2,2)を作動させて、画素(2,1)及び(2,3)を緩和する。ここでも、アレイの他の画素は影響を受けない。同様に、列2及び列3を−5ボルトに設定して、列1を+5ボルトに設定することによって、行3を設定する。行3のストローブは、行3の画素を図5Aに示されるように設定する。フレームを描いた後において、行の電位はゼロであり、列の電位は+5または−5ボルトのどちらかを保つことができ、そうして、ディスプレイは図5Aに示される配置で安定である。同じ手順を、数十または数百の行列のアレイに対して用いることができるということを認識されたい。また、行及び列の作動を実施するために用いられるタイミング、シーケンス及び電圧レベルは、上述の基本原理内において多様に変更可能であり、上述の例は単の例示的なものであり、他の作動電圧方法を本願のシステム及び方法で使用可能であることも認識されたい。
【0024】
図6A及び図6Bは、ディスプレイ装置40の一実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイ装置40は例えば携帯電話である。しかしながら、ディスプレイ装置40の同一の構成要素またはその僅かな変形体は、テレビや携帯型メディアプレーヤー等の多種多様なディスプレイ装置の実例にもなる。
【0025】
ディスプレイ装置40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、マイク46と、入力装置48とを含む。ハウジング41は、当業者に周知の多種多様な製造方法のいずれかによって一般的には形成され、射出成形、真空成形が挙げられる。また、ハウジング41は、多種多様な物質のいずれかから形成可能であり、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、それらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、ハウジング41は、取り外し可能部(図示せず)を含む。該取り外し可能部は、色の異なるまたは異なるロゴや画像やシンボルを含む他の取り外し可能部と交換可能である。
【0026】
例示的なディスプレイ装置40のディスプレイ30は、多種多様なディスプレイのいずれかであり得て、本願に記載されるような双安定性(bi−stable)ディスプレイが含まれる。他の実施形態では、ディスプレイは、当業者に周知なように、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、TFT LCD等のフラットパネルディスプレイや、CRTや他のチューブデバイス等の非フラットパネルディスプレイを含む。しかしながら、本願の実施形態を説明するために、ディスプレイは、本願に記載されるような干渉変調器ディスプレイを含む。
【0027】
図6Bに、例示的なディスプレイ装置40の一実施形態の構成要素を概略的に示す。図示されている例示的なディスプレイ装置40は、ハウジング41を含み、また、それに少なくとも部分的に封入される追加の構成要素を含むことができる。例えば、一実施形態では、例示的なディスプレイ装置40は、送受信機47に結合されているアンテナ43を含むネットワークインターフェイス27を備える。送受信機47はプロセッサ21に接続されていて、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続されている。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例えば信号をフィルタリングする)ように構成可能である。調整ハードウェア52は、スピーカー45及びマイク46に接続されている。また、プロセッサ21は、入力装置48及びドライバ制御装置29にも接続されている。ドライバ制御装置29は、フレームバッファ28及びアレイドライバ22に結合されている。アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に結合されている。電源50は、この特定の例示的なディスプレイ装置40の構成に必要とされるような全ての構成要素に電力を供給する。
【0028】
ネットワークインターフェイス27は、アンテナ43及び送受信機47を含み、例示的なディスプレイ装置40が、ネットワーク上の一つ以上の装置と通信できるようになっている。一実施形態では、ネットワークインターフェイス27は、プロセッサ21の要求を軽減するためにある程度の処理能力を有し得る。アンテナ43は、信号の送受信用として当業者に知られているアンテナのいずれかである。一実施形態では、アンテナは、IEEE802.11規格(IEEE802.11(a)、(b)または(g)を含む)に準拠したRF信号を送受信する。他の実施形態では、アンテナは、BLUETOOTH規格に準拠したRF信号を送受信する。携帯電話の場合には、CDMA、GSM、AMPS等の無線携帯電話ネットワーク内で通信するために用いられる周知の信号を受信するようにアンテナが設計されている。送受信機47は、アンテナ43から受信した信号を前処理して、その後、信号がプロセッサ21によって受信されて、更に処理されるようにし得る。また、送受信機47は、プロセッサ21から受信した信号も処理して、その後、信号が、アンテナ43を介して例示的なディスプレイ装置40から送信されるようにし得る。
【0029】
代替的な一実施形態では、送受信機47が、受信機に交換可能である。更の他の代替的な実施形態では、ネットワークインターフェイス27が、プロセッサ21に送信されるべき画像データを記憶することまたは発生させることが可能な画像ソースに交換可能である。例えば、画像ソースは、画像データを発生するソフトウェアモジュールや、画像データを含むDVDやハードディスクドライブであり得る。
【0030】
プロセッサ21は一般的に、例示的なディスプレイ装置40の動作全体を制御する。プロセッサ21は、データ(ネットワークインターフェイス27や画像ソースからの圧縮画像データ等)を受信し、そのデータを生の画像データに処理するか、または、生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。その後、プロセッサ21は、記憶用のフレームバッファ28にまたはドライバ制御装置29に処理されたデータを送信する。生データとは典型的に、画像内の各位置において画像特性を識別する情報のことを称す。例えば、各画像特性は、色、彩度、グレイスケールレベルを含むことができる。
【0031】
一実施形態では、プロセッサ21は、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するマイクロ制御装置、CPU、または、論理ユニットを含む。調整ハードウェア52は一般的に、スピーカー45に信号を送信するための、また、マイク46から信号を受信するためのアンプ及びフィルタを含む。調整ハードウェア52は、例示的なディスプレイ装置40内の個別の構成要素であってもよく、プロセッサ21や他の構成要素に組み込まれたものであってもよい。
【0032】
ドライバ制御装置29は、プロセッサ21が発生させた生の画像データを、プロセッサから直接、または、フレームバッファ28から受信し、アレイドライバ22に対する高速送信用に適切な生の画像データに再フォーマットする。特に、ドライバ制御装置29は、生の画像データを、ラスタ状フォーマットを有するデータフローに再フォーマットして、データフローが、ディスプレイアレイ30にわたる走査に適した時間オーダを有するようになる。その後、ドライバ制御装置29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送信する。LCD制御装置等のドライバ制御装置29は、独立型の集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21と関係していることが多いが、このような制御装置は多種多様な方法で実装可能である。このような制御装置は、ハードウェアとしてプロセッサ21内に組み込み可能であるし、ソフトウェアとしてプロセッサ21内に組み込む可能であるし、アレイドライバ22と共にハードウェア内に完全に集積可能でもある。
【0033】
典型的には、アレイドライバ22は、ドライバ制御装置29からフォーマットされた情報を受信し、ビデオデータを、波形の並列的な組に再フォーマットする。この波形の並列的な組は、ディスプレイの画素のx‐yマトリクスによってもたらされる数百の(数千のこともある)リードに対して、一秒間に何度も印加される。
【0034】
一実施形態では、ドライバ制御装置29、アレイドライバ22及びディスプレイアレイ30は、本願で記載されるあらゆる種類のディスプレイに対しても適合するものである。例えば、一実施形態では、ドライバ制御装置29は、従来のディスプレイ制御装置、または、双安定性ディスプレイ制御装置(例えば、干渉変調器制御装置)である。他の実施形態では、アレイドライバ22は、従来のドライバ、または、双安定性ディスプレイドライバ(例えば、干渉変調器ディスプレイ)である。一実施形態では、ドライバ制御装置29は、アレイドライバ22と集積される。このような実施形態は、携帯電話、腕時計、他の小型ディスプレイ等の高集積システムにおいて一般的である。更に他の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、典型的なディスプレイアレイ、または、双安定性ディスプレイアレイ(例えば、干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0035】
入力装置48によって、使用者が例示的なディスプレイ装置40の動作を制御することを可能になる。一実施形態では、入力装置は、キーパッド(QWERTYキーパッドや電話のキーパッド等)、ボタン、スイッチ、タッチスクリーン、感圧または感熱膜を含む。一実施形態では、マイク46が、例示的なディスプレイ装置40用の入力装置になる。マイク46を用いて装置にデータを入力する場合には、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するために、使用者によって音声命令が提供され得る。
【0036】
電源50は、当該分野で周知の多種多様なエネルギー蓄積装置を含むことができる。例えば、一実施形態では、電源50は、ニッケル・カドミウム電池やリチウムイオン電池等の充電可能な電池である。他の実施形態では、電源50は、再生可能エネルギー源、キャパシタ、または、太陽電池であり、プラスチック太陽電池や太陽電池ペイントが挙げられる。他の実施形態では、電源50は、壁コンセントから電力を供給されるように構成されている。
【0037】
一部の実施においては、上述のように、電子ディスプレイシステム内の複数の位置に配置可能なドライバ制御装置に、プログラム可能性が備わっている。一部の場合では、プログラム可能性は、アレイドライバ22に備わっている。当業者は、上述の最適化が、如何なる数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素においても、また、多種多様な構成において実施可能であるということを認識されたい。
【0038】
上述の原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は、多種多様なものであり得る。例えば、図7A〜7Eは、可動反射層14とその支持構造の五つの異なる実施形態を示す。図7Aは、図1の実施形態の断面図であり、金属物質のストリップ14が、直交して延伸する支持構造体18の上に堆積されている。図7Bでは、可動反射層14が、テザー32に対して、角でのみ支持体に取り付けられている。図7Cでは、可動反射層14が、フレキシブル金属を含み得る変形可能層34から懸架されている。変形可能層34は、該変形可能層34の周囲において、基板20に直接的または間接的に接続する。この場合、この接続部のことを支持ポストと称すことができる。図7Dに示される実施形態は、支持ポストプラグ42を含む支持構造体を有する。この支持ポストプラグの上に、変形可能層が横たわる。図7A〜7Cのように、可動反射層14はキャビティ上に懸架されている。しかしながら、変形可能層34と光学積層体16との間のホールを充填することによって、変形可能層34が支持ポスト18を形成していない。むしろ、支持ポスト18は、支持ポストプラグ42を形成するために用いられる平坦化物質を備える。図7Eに示される実施形態は、図7Dに示される実施形態をベースにしたものであるが、図7A〜7Cに示される実施形態、並びに、図示されていない追加の実施形態のいずれにおいても機能し得るものである。図7Eに示される実施形態では、金属または他の導電性物質の追加的な層が用いられて、バス構造44を形成している。これによって、信号が、干渉変調器の背面に沿ってルーティングすることが可能になり、基板上に形成しなければならなかった多数の電極を省略することが可能になる。
【0039】
図7に示されるような実施形態では、干渉変調器は、直視型装置として機能し、画像は透明基板20の前面から視られ、その反対側に変調器が配置されている。こうした実施形態では、反射層14は、変形可能層34及びバス構造44(図7E)を含む基板20の反対側の反射層の側において、干渉変調器の一部を光学的に遮蔽する。これによって、遮蔽された領域を、画像の質に悪影響を与えずに、構成及び動作させることが可能になる。この分離可能な変調器の設計によって、変調器の電気機械的側面及び光学的側面用に用いられる構造設計及び物質が、互いに独立に選択され、また、機能することが可能になる。更に、図7C〜7Eに示される実施形態は、反射層14の光学的特性をその機械的特性から切り離すこと(このことは、変形可能層34によって達成される)に因る追加的な利点を有する。これによって、光学的特性に関して、反射層に用いられる構造設計及び物質を最適化することが可能になり、また、所望の機械的特性に関して、変形可能層34に用いられる構造設計及び物質を最適化することが可能になる。
【0040】
一実施形態は、透明基板を提供する段階と、その透明基板上に干渉変調器のアレイを形成する段階とを備えたMEMSディスプレイ装置の製造方法を提供する。ここで、干渉変調器は、干渉変調器の動作光学範囲内の光の波長に対する閾値未満の吸光係数(k)を有する物質を備える。干渉変調器のアレイを形成する段階は、透明基板上に光学積層体を形成し、その光学積層体上に犠牲層を堆積させ、犠牲層の上に導電性層を形成し、犠牲層の少なくとも一部を除去して基板と導電性層との間にキャビティを形成することを備える。
【0041】
図8は、広帯域白色光を反射する干渉変調器の製造プロセス800の一実施形態の特定の段階を示す。こうした段階は、図8には示されない他の段階と共に、例えば、図1、7及び9に示される一般的なタイプの干渉変調器の製造プロセス内に存在し得るものである。図8及び9Aを参照すると、プロセス800は、透明基板が提供される段階805で開始する。一部の実施形態では、透明基板20は、ガラス、プラスチック等の光に対して透明な物質であり、更に、干渉変調器アレイの製造を支持することが可能である。当業者は、本願で用いられる“透明”という用語が、干渉変調器の動作波長に対して実質的に透明であり、従って、透明基板は、光の全波長を透過させる必要はなく、干渉変調器の動作波長の光の一部を吸収し得るということを認識されたい。一部の実施形態では、透明基板20は大画面ディスプレイであり得る。
【0042】
プロセス800は、透明基板20上に光学積層体16を形成する段階810に続く。上述のように、光学積層体16は導電性であり、部分的には透明で部分的には反射性であり、例えば、透明基板20上に一層以上の層を堆積させることによって製造可能である。一部の実施形態では、層は、平行なストリップにパターニングされ、ディスプレイ装置の行電極を形成可能である。一部の実施形態では、光学積層体16は、一層以上の部分反射性物質(例えば、前記物質)の層の上に誘電体層24を含む。
【0043】
一実施形態の例としての図9Aを参照すると、光学積層体16を形成する段階は、基板20の少なくとも一部の上に部分反射性物質23(例えば、前記物質)を堆積させることと、部分反射性物質23の上に誘電体層24を堆積させることとを備える。典型的には、誘電体層の厚さは略100から略800オングストローム(Å)である。部分反射性物質23(例えば、前記物質)は、干渉変調器の動作光学範囲内の光の波長に対する閾値未満の吸光係数(k)を有する。一実施形態では、kの閾値は略2.5である。一部の実施形態では、部分反射性物質23は、干渉変調器の動作光学範囲内の光の波長に対して実質的に一定のままのk値を有し得る。更に他の一部の実施形態では、干渉変調器の動作光学範囲内で光の波長が増大すると、部分反射性物質23のk値が減少し得る。また、一部の実施形態は、干渉変調器の動作光学範囲内で光の波長が増大すると反射率(n)が増大する部分反射性物質も有し得る。干渉変調器の動作光学範囲は、略300nmから略800nmの波数であり得て、好ましくは略350nmから略750nmであり得て、更に好ましくは略400nmから略700nmであり得る。一部の実施形態では、部分反射性物質23(例えば、前記物質)は、シリコンゲルマニウム合金(例えば、SiGe1−x)を含む。他の実施形態では、部分反射性物質23(例えば、前記物質)はゲルマニウムであり得る。部分反射層の厚さは、略20から略400Åであり得て、好ましくは略50から略200Åであり得る。一部の実施形態では、x及びyの値を変更することによって、多様な組成のSiGe1−x(x=0〜1)を得ることができ、この変更を用いて、n及びkのパラメータの“微調整”が可能であり、結果として、高強度の反射広帯域白色光のスペクトル特性を調整する能力がもたらされる。他の実施形態では、部分反射性物質23(例えば、前記物質)のn及びkの特性を、ゲルマニウムまたはゲルマニウム含有合金(例えば、SiGe1−x)に、略0.01%から略10%の範囲の濃度で不純物をドーピングすることによって、調整可能である。不純物としては、B、P、As、C、In、Al、Gaが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施形態では、部分反射性物質23は、略2.5から略6のn対kの比を有する。他の実施形態では、部分反射性物質23は略3のn対kの比を有する。
【0044】
他の実施形態では、透明基板上にゲルマニウムリッチな層を形成し、ゲルマニウムリッチな層の上にSiO型層を形成することを対象としている。この実施形態では、光学積層体を形成する段階は、基板上にゲルマニウム含有合金(例えば、SiGe1−x)を堆積させることと、O、NO、OまたはNO等の酸化雰囲気下で堆積させたSiGe1−x合金を熱酸化させることによって、Siを選択的に酸化させて透明なシリコン酸化物誘電体層を形成することと、ゲルマニウムリッチな部分反射性物質の層に所望のn及びkの特性を残すこととを備える。一部の実施形態では、堆積させたゲルマニウム含有合金の厚さは略20から略500Åであり得る。
【0045】
他の実施形態では、部分反射性物質23が、積層構造内の一金属と組み合わせられる。金属層は、クロム、モリブデン、屈折性物質、屈折性合金から成る群から選択された物質を含む。金属によって、ディスプレイ装置の光学性能の追加的な微調整が可能になる。特に、前記物質に隣接した金属層の追加によって、暗状態における減少した反射率(暗度)が得られ、ディスプレイ装置のコントラスト比が改善される。一実施形態では、クロム層は1から50Å、10から40Å、または、25から35Åの厚さである。他の実施形態では、金属層は、1から50Å、10から40Å、または、25から35Åの厚さである。
【0046】
図8に示されるプロセス800は、光学積層体16の上に犠牲層を堆積させる段階815に続く。犠牲層は後に(例えば段階830で)除去されて、後述のようにキャビティ19を形成する。従って、犠牲層は、図1、7及び9に示される結果物の干渉変調器12には示されていない。光学積層体16の上へ犠牲層を形成することは、モリブデン、タングステン、アモルファスシリコン等のXeFでエッチング可能な物質を、犠牲層を除去した後に所望のサイズを有するキャビティ19を提供するように選択された厚さで堆積させることを含み得る。一部の実施形態では、犠牲層は、熱蒸発性物質(例えば、有機ポリマー)であり得る。熱蒸発性物質は、蒸発温度に加熱すると蒸発する固体物質であり、実質的に全てのポリマー(例えば、>95重量%)が蒸発する。蒸発温度範囲は、熱蒸発性物質が通常の製造温度では無傷のままであるように十分高温ではあるが、蒸発中に存在する他の物質が損傷を受けないように十分低温であることが好ましい。一実施形態では、熱蒸発性物質は、熱蒸発性ポリマーである。多種多様な熱蒸発性ポリマーが使用可能である。例えば、このような熱蒸発性物質の一つは、熱解重合性ポリカーボネート(HDP,heat−depolymerizable polycarbonate)であり、ポリ(シクロヘキサンカーボネート)や、エポキシド及びCOから作製可能な脂肪族ポリカーボネートが挙げられる(特許文献1を参照)。他のHDPも使用可能である。
【0047】
光学積層体及び犠牲物質の堆積は、従来の堆積方法も用いて実行可能であり、物理気相堆積(PVD,physical vapor deposition,スパッタリング等)、プラズマ化学気相堆積(PECVD,plasma‐enhanced chemical vapor deposition)、熱CVD、分子線堆積、スピンコーティング、イオン注入、イオンビーム支援堆積、電気メッキ、パルスレーザ堆積(PLD,pulse laser deposition)等が挙げられる。犠牲層は、例えば、印刷法(そのひとつはインクジェット堆積法である)を用いて、選択位置に堆積可能である。一実施形態では、犠牲層は、ポスト構造体の位置(既にポスト構造体が堆積されている位置、または、ポスト構造体が堆積されるべき位置)に隣接した位置の上に印刷される。
【0048】
一部の実施形態では、支持構造体の形成段階(図9には示されず)が、段階815の後であって、段階820の導電性層14の形成の前に実施され得る。図1、7及び9に示されるようなポスト18の形成は、犠牲層をパターニングして支持構造体開口部を形成する段階と、その後、PECVD、熱CVD、スピンコーティング、イオン注入、イオンビーム堆積、PLD等の堆積法を用いて、その開口部内に非導電性物質(例えば、ポリマー)を堆積させてポスト18を形成する段階とを含み得る。パターニング段階は、電子線リソグラフィ及び転写等の方法を備え得る。その後、段階820にて、犠牲層及びポストの上に導電性層14が形成されて、段階825で犠牲層が除去された後にポストが導電性層14を支持するようになる。
【0049】
一部の実施形態では、犠牲層内に形成される支持構造体開口部は、犠牲層及び光学積層体16の両方を貫通して、その下の基板20にまで延伸して、図7Aに示されるように、ポスト18の下端が基板20に接触する。他の実施形態では、犠牲層内に形成される開口部は犠牲層を貫通するが、光学積層体16を貫通しない。例えば図7Cには、光学積層体16に接触している支持ポストプラグ42の下端が示されている。一実施形態では、XeFでエッチング可能な物質が、ポスト構造体の少なくとも一部を形成するのに用いられ得る。ポスト構造体に適したXeFでエッチング可能な物質としては、モリブデンや、シリコン含有物質が挙げられる。このシリコン含有物質としては、シリコン自体(アモルファスシリコン、ポリシリコン、結晶シリコンが含まれる)、並びに、シリコンゲルマニウム、シリコン窒化物が挙げられる。他の実施形態では、ポスト、または、ポスト構造体はポリマーであり得る。
【0050】
図8に示されるプロセス800は、図1、7及び9に示されるような可動反射層14のような可動反射層の形成段階820に続く。可動反射層14は、一以上の堆積段階を用いて形成し得る。例えば、反射層(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金)の堆積段階であり、これと共に一以上のパターニング段階、マスキング段階及び/又はエッチング段階が行われる。上述のように、可動反射層14は典型的に導電性であり、本願においては、導電性層と称される。プロセス800の段階820で形成された製造途中の干渉変調器にはまだ犠牲層が存在しているので、この段階では典型的に、可動反射層14は可動状態ではない。犠牲層を含む製造途中の干渉変調器を、本願では、“未解放”の干渉変調器と称する。
【0051】
図8に示されるプロセス800は、キャビティ(例えば、図1、7及び9に示されるようなキャビティ19)の形成段階825に続く。キャビティ19は、犠牲物質(段階815で堆積させた)をエッチング剤に晒すことによって形成可能である。例えば、モリブデンやアモルファスシリコン等のエッチング可能な犠牲物質は、乾式化学エッチングによって除去可能であり、例えば、基板を、固体二フッ化キセノン(XeF)由来の蒸気等のガス状または蒸気性エッチング剤に、キャビティ19を取り囲む構造体に対して典型的には選択的に、所望の量の物質を除去するのに効果的な時間にわたって、晒す。例えば、湿式エッチング及び/又はプラズマエッチング等の他のエッチング法も使用可能である。一部の実施形態では、蒸発段階825は加熱を含む。加熱は、オーブン内の、窯内の加熱プレート上で実施可能であり、または、犠牲物質の実質的に全てが蒸発するのに十分長い時間にわたって、熱蒸発性物質を蒸発させるのに十分な温度を達成及び維持可能な加熱装置を用いることによって実施可能である。犠牲層は、プロセス800の段階825中に除去されるので、この段階の後には典型的に、可動反射層は可動状態である。犠牲層の除去の後において、結果として得られる完成したまたは製造途中の干渉変調器は、本願において、“解放された”干渉変調器と称される。一部の実施形態では、プロセス800は、追加的な段階を含み得て、また、段階が、図8に例示される順番から再構成される。
【0052】
図9Aから9Eは、基板20、及び、該基板20上に堆積させた干渉変調器のアレイを備えたMEMSディスプレイ装置の多様な実施形態を例示する。ここで、該アレイは、干渉変調器の動作光学範囲内の光の波長に対する閾値未満の吸光係数(k)を有する物質23を含む。基板20は、ガラスやプラスチック等の光に対して透明な大型透明基板であり得る。従って、透明基板は、光を透過させる手段でもある。干渉変調器は、透過手段(例えば、透明基板)を介した光を干渉反射する手段でもある。干渉変調器は、光学積層体16と、導電性層14(例えば、可動層)と、支持構造体(例えば、ポストまたはポスト構造体18)と、光学積層体を導電性層から離隔するキャビティ19とを備え得る。物質23(例えば、部分反射層)は典型的に、絶縁体または誘電体層及びキャビティ内の空気の波長変化を補償可能な分散/吸光係数の挙動を有する。一実施形態では、この物質は、図10に示されるような分散/吸光係数曲線を有する。図10は、動作光学範囲内で波長が増大すると、増大する屈折率及び減少する吸光係数を所有するゲルマニウムの分散/吸光係数の挙動を示す。同じ様な分散/吸光係数の挙動を備えた物質によって、暗/オフ状態における有利に高レベルの可視光吸収を妥協せずに、高い全体的な反射率が得られる。一部の実施形態では、動作光学範囲において、全体的な反射率は略30%から70%であり得る。物質層23(例えば、ゲルマニウム、ゲルマニウム合金、ドーピングされたゲルマニウム、ドーピングされたゲルマニウム含有合金層)の典型的な厚さは、略50から略200Åの範囲内であり得る。
【0053】
一部の実施形態では、部分反射性物質23(例えば、前記物質)が、透明基板20上に堆積可能である。一実施形態では、透明導電性物質25(例えば、ITO、または、ZnO等の他の透明導電性酸化物)を、部分反射性物質23の上に堆積可能である(図9Aを参照)。他の実施形態では、部分反射性物質23(例えば、前記物質)を、透明導電性層25の上に堆積可能である(図9Bを参照)。この場合、部分反射性物質23(例えば、前記物質)の堆積に先立って、基板の少なくとも一部の上に、透明導電性層25が堆積され得る。透明導電性物質25は、光学的に透明な導電性物質の何れかであり得て、その典型的な厚さは略100から略800Åである。透明導電性物質25の厚さは、層の位置及び所望のキャビティサイズによって決定される。一部の実施形態では、透明導電性物質25は、錫系酸化物、アンチモン系酸化物、または、インジウム系酸化物を含む。図9Cに示される他の実施形態では、ゲルマニウム層またはゲルマニウム含有合金層自体が、導電性層としても機能するように構成可能であるので(特に、III族元素(例えば、B、Al、Ga)またはV族元素(例えば、P、As、Sb)がドーピングされた場合)、透明導電性物質25(例えば、ITO)が省略可能である。
【0054】
図9Dに示される他の実施形態では、部分反射性物質23(例えば、前記物質)は、透明基板20内部に統合され得る。透明基板20は、部分反射性物質23でドーピングされ得る。このことは、周知の半導体処理法のいずれかを用いて、基板20内へ物質のイオン注入をすることによって実行可能であり、物質が基板内に部分反射性物質23のバンドまたは層を形成する。この実施形態では、この物質を含む基板の一部が、光学積層体16の一部とみなされる。図9Eに示される更に他の実施形態では、部分反射性物質23のバンドが、誘電体層24(例えば、絶縁体層)内部に統合可能である。例えば、誘電体薄膜(例えば、SiO)を初めに堆積させて、その後、その上に、部分反射性物質23を堆積させて、最後に、部分反射性物質23の上にSiOを更に堆積させる。任意で、絶縁体または誘電体層24を堆積させる前に、透明導電性物質25(例えば、ITO)を、導電体として基板上に堆積可能である。
【実施例1】
【0055】
図11に示される未解放の干渉変調器の一実施形態に基づいて、干渉変調器装置のシミュレーションをモデル化した。モデル化した構造は、ガラス基板20と、ガラス基板20条の光学積層体16と、光学積層体16及びAl反射層14を離隔するキャビティ19とを含む。光学積層体16は、基板20上のITO層102と、ITO層102上の部分反射性物質23と、部分反射性物質23上の誘電体層24とを含む。この例では、Geが部分反射性物質23として用いられた。ITO層、Ge及び誘電体層の厚さを変更することによって、干渉変調器の特性(コントラスト、反射率、ホワイトバランス、または、それらの組み合わせ等)が最適化可能であった。PCソフトウェアプログラム(Thin Film Center社(アリゾナ州ツーソン)製のEssential Macleod)を用いて、積層体の反射率及び透過率を、各層の厚さ、屈折率(n)及び吸光係数(k)に基づいて、波長の関数として計算した。
【0056】
このシミュレーションにおける層の厚さの最適な入力値は、ITO層102に対して330Åであり、部分反射性物質23用のGeに対して99Åであり、SiOに対して119Åであり、誘電体層24用のAlに対して80Åであり、Al反射層14に対して300Åであった。キャビティ19は、明状態において1900Åの間隔を有し(図11A)、暗状態において0Åであった(図11B)。部分反射層(例えば吸収体)としてGeを用いた広帯域白色干渉変調器のスペクトル応答のシミュレーション結果は、明状態で50%を超える反射率を示し、明状態と暗状態との間のコントラストは100:1であった(図12)。
【実施例2】
【0057】
図11に示される未解放の干渉変調器の一実施形態に基づいて、他の干渉変調器装置のシミュレーションをモデル化した。モデル化した構造は、ガラス基板20と、ガラス基板20上の光学積層体16と、光学積層体16及びAl反射層14を離隔するキャビティ19とを含む。光学積層体16は、基板上のITO層102と、ITO層102上の部分反射性物質23と、部分反射性物質23上の誘電体層24とを含む。しかしながら、この例では、金属層(例えば、CrやMo)が、部分反射性物質23の上または下のどちらかにモデル化されている。ITO、Ge、金属層及び誘電体層の厚さを変更することによって、干渉変調器の特性(コントラスト、反射率、ホワイトバランス、または、それらの組み合わせ等)が最適化可能であった。PCソフトウェアプログラム(Thin Film Center社(アリゾナ州ツーソン)製のEssential Macleod)を用いて、積層体の反射率及び透過率を、各層の厚さ、屈折率(n)及び吸光係数(k)に基づいて、波長の関数として計算した。
【0058】
このシミュレーションにおける層の厚さの最適な入力値は、ITO層に対して330Åであり、Ge層に対して100Åであり、Crに対して10〜40Åであり、SiOに対して119Åであり、誘電体層用のAlに対して80Åであり、Al層に対して300Åであった。キャビティ19は、明状態において1850Åの間隔を有し、暗状態において0Åであった。吸収体としての金属(例えば、CrやMo)とGeとを組み合わせることによって、コントラストを略25%改善可能である。
【実施例3】
【0059】
図13に示されるような未解放の干渉変調器を、ガラス基板20上に部分反射層23として90ÅのGeを堆積させることによって作製した。SiO絶縁体層101をGe層上に堆積させ。その後、厚さ300Å超のAl反射層14を、SiO層101上に堆積させた。未解放の干渉変調器のSiO絶縁体層101は、解放された干渉変調器のキャビティに対応する。SiO絶縁体層101の厚さは、部分反射層23とAl反射層14(つまり、解放された干渉変調器の可動層)との間の間隔に等しい。450ÅのSiO層を備えた装置と、1080ÅのSiO層を備えた装置とを両方作製した。450ÅのSiO層を備えた装置(図13B)は、暗状態における解放された干渉変調器と等価である。一方、1080ÅのSiO層を備えた装置(図13A)は、明状態の解放された干渉変調器と等価である。両方の装置のスペクトル応答を測定して、Thin Film Center社(アリゾナ州ツーソン)製のEssential Macleodソフトウェアプログラムを用いて生成したシミュレーションデータと比較した。
【0060】
図14は、スパッタリングで堆積させた90ÅのGe層の実験の分散曲線である。これによって、Geが、動作光学範囲(つまり、400から700nm)内で波長が増大すると、増大する屈折率(n)及び/又は減少する吸光係数(k)を有する物質の一つであるということが確かめられる。
【0061】
図15は、部分反射層として90ÅのGeを備えた未解放のこれらの干渉変調器のスペクトル応答である。シミュレーションデータ及び実験データの両方が、400から700nmの波長では、明状態(例えば、1080ÅのSiO層を備えた)における全体的な反射率が30から70%の範囲内であり、暗状態(例えば、450ÅのSiO層を備えた)では10%未満であることを示した。
【実施例4】
【0062】
図13に示されるような一連の未解放の干渉変調器を、ガラス基板上に部分反射層23として70ÅのGeを堆積させることによって作製した。Ge層上にSiO絶縁体層101を堆積させ、その後、SiO層101上に厚さ300Å超のAl反射層14を堆積させた。未解放の干渉変調器のSiO絶縁体層101は、解放された干渉変調器のキャビティに対応する。SiO絶縁体層101の厚さは、部分反射層23と反射層14(つまり、解放された干渉変調器の可動層)との間の間隔に等しい。この例では、四つの異なる厚さのSiO絶縁体層101を用いて、四つの装置を構成した。装置の一つでは、441ÅのSiO層をGe層の上に堆積させて、暗状態の解放された干渉変調器に等価な装置を形成した(図13B)。他の三つの装置は、異なるキャビティサイズを備えた明状態におけるスペクトル応答測定用に、異なる厚さのSiOで作製した(図13A)。これらの装置に対するSiOの厚さはそれぞれ、1084Å、1277Å、1488Åであった。図16は、部分反射層として70ÅのGeを備えたこれらの未解放の干渉変調器のスペクトル応答を示す。シミュレーションデータ及び実験データの両方が、異なる明状態における全体的な反射率が30%から70%の範囲内であり、暗状態では20%未満であることを示している。
【実施例5】
【0063】
図11に示されるような未解放の干渉変調器の一実施形態に基づいて、他の干渉変調器装置のシミュレーションをモデル化した。モデル化した構造は、ガラス基板20と、ガラス基板20上の光学積層体16と、光学積層体16及びAl反射層14を離隔するキャビティ19とを含む。光学積層体16は、ITO層上の部分反射性物質23と、部分反射性物質23上の誘電体層とを含む。このシミュレーションの層の厚さの入力値は、Ge層に対して90Åであり、誘電体層用のSiOに対して250Åであり、Al層に対して300Åであった。キャビティ19は、明状態(図11A)において1700Åの間隔を有し(図11A)、暗状態では100Åであった(図11B)。
【0064】
異なるn:k比の部分反射性物質23(例えば、吸収体)をシミュレーションして、n及びkのパラメータの調整の効果を示した。図17は、二つの干渉変調器のスペクトル応答のシミュレーション結果を例示及び比較する。(A)は、Geを備えた干渉変調器であり、(B)は、4:1.6(これらは、分散無しのGeの平均的なnとkの値である)というn:k比を有する吸収体を備えた干渉変調器である。図18は、スペクトル応答のシミュレーション結果を示し、(A)はCuOを備えた干渉変調器であり、(B)は、2.5:0.8(これらは、分散無しのCuOの平均的なnとkの値である)というn:k比を有する吸収体を備えた干渉変調器である。特定の部分反射性物質の平均的なnとkの値を用いたシミュレーションによって、干渉変調器の動作光学範囲内において、現実の物質がどのように応答するのかを予言することが可能である。図19は、7:2.4というn:k比を有する部分反射性物質を備えた干渉変調器のスペクトル応答のシミュレーション結果を示す。図20は、4:1というn:k比を有する部分反射性物質を備えた干渉変調器のスペクトル応答のシミュレーション結果を示す。これらのシミュレーション結果は、好ましいn対kの比が略2.5から略6であり、更に好ましくは略3であるということを示唆している。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】一番目の干渉変調器の可動反射層が緩和位置にあり、二番目の干渉変調器の可動反射層が作動位置にある干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部を示す等角図である。
【図2】3×3干渉変調器ディスプレイを組み込む電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉変調器の実施形態の一例に対する可動ミラーの位置対印加電圧の図である。
【図4】干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用可能な行及び列の電圧の組の図である。
【図5A】図2の3×3干渉変調器ディスプレイの表示データのフレームの一例である。
【図5B】図5Aのフレームを描くために使用可能な行及び列の信号用のタイミング図の一例である。
【図6A】複数の干渉変調器を備えた画像表示装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉変調器を備えた画像表示装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1の装置の断面図である。
【図7B】干渉変調器の代替的な実施形態の断面図である。
【図7C】干渉変調器の他の代替的な実施形態の断面図である。
【図7D】干渉変調器の更に他の代替的な実施形態の断面図である。
【図7E】干渉変調器の更なる代替的な実施形態の断面図である。
【図8】干渉変調器の製造方法の一実施形態における特定の段階を示すフロー図である。
【図9A】干渉変調器の一実施形態の断面図である。
【図9B】干渉変調器の代替的な実施形態の断面図である。
【図9C】干渉変調器の他の代替的な実施形態の断面図である。
【図9D】干渉変調器の更に他の代替的な実施形態の断面図である。
【図9E】干渉変調器の更なる実施形態の断面図である。
【図10】干渉変調器の動作光学範囲内で波長が増大すると、増大する屈折率及び減少する吸光係数(k)を備えた物質(例えば、Ge)を例示する分散曲線である。
【図11A】明状態におけるスペクトル応答シミュレーションに用いられる干渉変調器の一実施形態の断面図である。
【図11B】暗状態におけるスペクトル応答シミュレーションに用いられる干渉変調器の一実施形態の断面図である。
【図12】広帯域白色特性を示す吸収体としてGeを備えた図11のモデル化した干渉変調器のスペクトル応答のシミュレーション結果である。
【図13A】明状態の解放された干渉変調器に対応する未解放の干渉変調器の一実施形態の断面図である。
【図13B】暗状態の解放された干渉変調器に対応する未解放の干渉変調器の一実施形態の断面図である。
【図14】基板上に堆積させた90ÅのGe層の実験の分散曲線である。
【図15】図13の未解放の干渉変調器のスペクトル応答の実験結果及びシミュレーション結果の比較である。
【図16】図13の未解放の干渉変調器のスペクトル応答の実験結果及びシミュレーション結果の他の比較である。
【図17】二つの干渉変調器のスペクトル応答のシミュレーション結果を示す。(A)はGeを備えた干渉変調器であり、(B)は、4:1.6(これらは分散無しのGeの平均的なnとkの値である)というn:k比を有する吸収体を備えた干渉変調器である。
【図18】(A)CuOを備えた干渉変調器と、(B)2.5:0.8(これらは分散無しのCuOの平均的なnとkの値である)というn:k比を有する吸収体を備えた干渉変調器とのスペクトル応答のシミュレーション結果を示す。
【図19】7:2.4というn:k比を有する部分反射性物質を備えた干渉変調器のスペクトル応答のシミュレーション結果を示す。
【図20】4:1というn:k比を有する部分反射性物質を備えた干渉変調器のスペクトル応答のシミュレーション結果を示す。
【符号の説明】
【0066】
12 干渉変調器(画素)
14 可動反射層
16 光学積層体
18 ポスト
19 キャビティ(ギャップ)
20 透明基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板を提供する段階と、
前記透明基板上に干渉変調器のアレイを形成する段階と、を備えたMEMSディスプレイ装置の製造方法であって、
前記干渉変調器が、干渉変調器の動作光学範囲内の光の波長に対する閾値未満の吸光係数(k)を有する物質を備えている、方法。
【請求項2】
前記閾値が略2.5である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記干渉変調器のアレイを形成する段階が、
前記透明基板上に光学積層体を形成する段階と、
前記光学積層体上に犠牲層を堆積させる段階と、
前記犠牲層上に導電性層を形成する段階と、
前記犠牲層の少なくとも一部を除去して、前記基板と前記導電性層との間にキャビティを形成する段階と、を備えた、請求項1または請求項2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記光学積層体が透明導電性物質を更に備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記光学積層体が誘電体層を更に備える、請求項3または請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記物質が前記誘電体層中に組み込まれている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記透明基板内に前記物質を組み込む段階を更に備えた、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記吸光係数(k)が、前記干渉変調器の動作光学範囲内で光の波長が増大すると、減少するかまたは実質的に一定を保つ、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記物質が、前記干渉変調器の動作光学範囲内で光の波長が増大すると、増大する屈折率(n)を有する、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記物質が略2.5から略6のn対k比を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記動作光学範囲が略400nmから略700nmである、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の方法によって製造したMEMSディスプレイ装置。
【請求項13】
光を透過させる手段と、
前記透過させる手段を介した光を干渉反射する手段と、を備えた干渉ディスプレイ装置であって、
前記干渉反射する手段が、干渉変調器の動作光学範囲内の光の波長に対する閾値未満の吸光係数(k)を有する物質を備えている、干渉ディスプレイ装置。
【請求項14】
前記閾値が略2.5である、請求項13に記載の干渉ディスプレイ装置。
【請求項15】
前記物質の層が前記透過させる手段内に組み込まれている、請求項13または請求項14のいずれかに記載の干渉ディスプレイ装置。
【請求項16】
前記透過させる手段が透明基板を備える、請求項13から請求項15のいずれか一項に記載の干渉ディスプレイ装置。
【請求項17】
前記吸光係数(k)が、干渉変調器の動作光学範囲内で光の波長が増大すると、減少するかまたは実質的に一定を保つ、請求項13から請求項16のいずれか一項に記載の干渉ディスプレイ装置。
【請求項18】
前記物質が、干渉変調器の動作光学範囲内で光の波長が増大すると、増大する屈折率(n)を有する、請求項13から請求項17のいずれか一項に記載の干渉ディスプレイ装置。
【請求項19】
前記物質が略2.5から略6のn対k比を有する、請求項18に記載の干渉ディスプレイ装置。
【請求項20】
基板と、
前記基板上に堆積させた干渉変調器のアレイと、を備えたMEMSディスプレイ装置であって、
前記アレイが、干渉変調器の動作光学範囲内の光の波長に対する閾値未満の吸光係数(k)を有する物質を備えている、MEMSディスプレイ装置。
【請求項21】
前記閾値が略2.5である、請求項20に記載のMEMSディスプレイ装置。
【請求項22】
前記物質が前記透明基板内に組み込まれている、請求項20または請求項21のいずれかに記載のMEMSディスプレイ装置。
【請求項23】
前記吸光係数(k)が、前記干渉変調器の動作光学範囲内で光の波長が増大すると、減少するかまたは実質的に一定を保つ、請求項20から請求項22のいずれか一項に記載のMEMSディスプレイ装置。
【請求項24】
前記物質が、前記干渉変調器の動作光学範囲内で光の波長が増大すると、増大する屈折率(n)を有する、請求項20から請求項23のいずれか一項に記載のMEMSディスプレイ装置。
【請求項25】
前記物質が略2.5から略6のn対k比を有する、請求項24に記載のMEMSディスプレイ装置。
【請求項26】
前記動作光学範囲が略400nmから略700nmである、請求項20から請求項25のいずれか一項に記載のMEMSディスプレイ装置。
【請求項27】
前記MEMS装置が携帯電話を含む、請求項20から請求項26のいずれか一項に記載のMEMSディスプレイ装置。
【請求項28】
前記アレイと電気通信し、画像データを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと電気通信するメモリ装置と、を更に備えた、請求項20から請求項27のいずれか一項に記載のMEMSディスプレイ装置。
【請求項29】
前記アレイに少なくとも一つの信号を送信するように構成されたドライバ回路を更に備えた、請求項28に記載のMEMSディスプレイ装置。
【請求項30】
前記ドライバ回路に画像データの少なくとも一部を送信するように構成された制御装置を更に備えた、請求項29に記載のMEMSディスプレイ装置。
【請求項31】
前記プロセッサに画像データを送信するように構成された画像ソースモジュールを更に備えた、請求項28から請求項30のいずれか一項に記載のMEMSディスプレイ装置。
【請求項32】
前記画像ソースモジュールが、受信機、送受信機、送信機の少なくとも一つを備えている、請求項31に記載のMEMSディスプレイ装置。
【請求項33】
入力データを受信し、該入力データを前記プロセッサに送信するように構成された入力装置を更に備えた、請求項28から請求項32のいずれか一項に記載のMEMSディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2009−533712(P2009−533712A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505386(P2009−505386)
【出願日】平成19年4月2日(2007.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/008089
【国際公開番号】WO2007/120464
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】