説明

建設機械

建設機械1のコントローラ102は、アイドルストップ制御機能を作業や安全の支障にならないように制御する。コントローラ102は、ユーザに操作される選択スイッチ30に応答してアイドルストップ制御機能の有効と無効を切替え、アイドルストップ制御機能が有効なときには車内外の警報/表示器33,34,37,38に表示を出力する。コントローラ102は、アイドルストップ制御によりエンジン101を自動停止する前に、車内外の警報/表示器33,34,37,38に警報を出力する。コントローラ102は、自動停止したエンジン101を再起動する前にも、車内外の警報/表示器33,34,37,38に警報を出力し、そして、ロックレバー23により油圧回路がロックされていない限り、エンジン101を再起動しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイドルストップ制御機能を備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、省エネルギーや環境保護のために、建設機械にアイドルストップ制御機能を搭載することが要求されている。アイドルストップ制御機能とは、建設機械のアイドル状態、すなわちエンジンが作動したままで建設機械が待機する状態、が発生したとき、自動的にエンジンを停止させる機能である。建設機械車両では、作業を行っている最中に一時的にアイドリング状態が発生することが頻繁にあり、その都度にエンジンが停止したのでは、かえって、作業に支障をきたす。そこで、待機時間が或る程度長い時間継続する場合、あるいはオペレータが運転席から離れたことが検出された場合に、エンジンを自動的に停止させることが提案されている(特許文献1,2,3参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003-65097号公報
【特許文献2】特開2002-13425号公報
【特許文献3】特開2003-307142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アイドルストップ制御によりエンジンが自動的に停止した後にエンジンが再始動するとき、操作レバーの位置によっては、建設機械が不意に動き出す虞がある。そのため、エンジン再始動時の安全対策も一緒に講じない限り、アイドルストップ制御機能を建設機械に搭載するべきではない。
【0005】
アイドルストップ制御機能は、一般的には、省エネルギーや環境保護のために有益であると言われている。しかし、アイドルストップ制御機能により不具合が生じる場合もある。例えば、厳冬期や真夏期には、運転室に設備されている空調機器を継続的に作動させておくために、エンジンにより空調機器のコンプレッサを駆動し続ける必要がある。リフティングマグネットを装備した油圧ショベルや移動式クレーン(ラフテレーンクレーンやクローラクレーン)などが荷役作業を行っている場合、荷物の保持力を維持しておくために、エンジンにより発電機又は油圧ポンプを駆動し続ける必要がある。住宅街などで作業を行っている場合、エンジン始動時の騒音や振動の頻繁な発生が問題となる。頻繁なエンジンの始動は、不完全燃料ガスの排出を増やし、環境に悪影響を与える。
【0006】
また、アイドルストップ制御によりエンジンが自動停止した場合、イグニションキーは停止前と同じオン位置にあるため、建設機械の電気回路は通電状態にある。この状態が長時間続くとバッテリが消耗し、後の作業に支障をきたすことになる。上述した特許文献3には、アイドルストップ制御によりエンジンが自動停止した場合、バッテリから電気回路への給電も自動的に遮断することが開示されている。しかし、オペレータの操作によらずに自動的に電源ターンオフすることが、作業の都合や安全性の観点から是認できない場合がある。
【0007】
本発明の目的は、アイドルストップ制御機能を搭載した建設機械の安全性を向上することにある。
【0008】
別の目的は、アイドルストップ制御機能が、できるだけ、作業に支障を与えないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に従う、エンジンと、前記エンジンからの動力により駆動される作業機と、ロック位置とロック解除位置に切り替えられ、前記ロック位置では前記エンジンが作動していても前記作業機を作動不能にロックし、前記ロック解除位置では前記作業機を作動可能にするロックレバーとを備えた建設機械は、前記建設機械がアイドル状態にあるときに前記エンジンを自動的に停止するエンジン停止制御手段と、前記エンジン停止制御手段により前記エンジンが自動的に停止した後に、所定のトリガ操作に応答して前記エンジンを再始動するエンジン再始動制御手段と、前記ロックレバーの位置をチェックし、前記ロックレバーが前記ロック解除位置にある限り、トリガ操作に応答して前記エンジンを再始動しないように、前記エンジン再始動手段を制御するエンジン再始動禁止手段とを備える。
【0010】
この建設機械によれば、アイドルストップ制御によりエンジンが自動停止した後、ロックレバーがロック解除位置にある限り、エンジンの再始動は行われない。ロックレバーがロック位置にあって、エンジンが再始動しても作業機が作業しないようになっているならば、エンジンの再始動は行われ得る。これにより、エンジンの再始動時に建設機械が不意に動き出すことが防止され、安全性が向上する。
【0011】
好適な実施形態では、前記エンジン再始動手段が前記トリガ操作に応答して前記エンジンを再始動しようとする場合にエンジン始動警報を出力するエンジン始動警報手段が更に設けられる。そのエンジン始動警報は、建設機械の外装部に設けられた警報器又は表示器に出力されて、建設機械の周囲に居る作業員の注意を喚起するようになっている。また、エンジン始動警報は、建設機械の運転室内に設けられた警報器又は表示器に出力されて、建設機械のオペレータにも与えられる。オペレータや他の作業員に余裕を与えるためにエンジン始動警報が出力されたときから若干時間遅れて、エンジンが再始動される。
【0012】
好適な実施形態では、さらに、前記エンジン停止制御手段が前記エンジンを自動的に停止しようとする場合にエンジン停止警報を出力するエンジン停止警報手段が設けられる。エンジン停止警報も、運転室内の警報器又は表示器からオペレータにも与えられ、また、外装部上の警報器又は表示器から、建設機械の周囲に居る作業員に対しても与えられる。オペレータや他の作業員に余裕を与えるために、エンジン停止警報が出力されたときから若干時間遅れて、エンジンが自動停止される。とりわけオペレータは、エンジン停止警報に促されて、手動により安全に、建設機械の電源を切り、エンジンを停止させることができる。
【0013】
好適な実施形態では、またさらに、選択スイッチと、前記選択スイッチに応答して、前記エンジン停止制御手段を有効及び無効のいずれかに制御する選択制御手段と、前記エンジン停止制御手段が有効である間、前記建設機械の外装部又は運転席内に設けられた表示器に所定の表示を継続的に出力する表示制御手段とが設けられる。空調機器を継続的に作動させておく必要がある場合、リフティングマグネットやクレーンなどで荷役作業を行っている場合、及び住宅街などで作業を行っている場合などにおいては、オペレータは選択スイッチによりアイドルストップ制御機能を無効にし、それにより、アイドルストップ制御機能による作業や安全や環境への支障を回避することができる。また、アイドルストップ制御機能が有効なときには、所定の表示が車内外に継続的に表示されるから、オペレータや周囲の作業員は安全を確保するよう注意をすることができる。
【0014】
本発明の別の側面に従う、エンジンと、前記エンジンからの動力により駆動される作業機とを備えた建設機械は、前記建設機械がアイドル状態にあるときに前記エンジンを自動的に停止するエンジン停止制御手段と、前記エンジン停止制御手段により前記エンジンが自動的に停止した後に、所定のトリガ操作に応答して前記エンジンを再始動するエンジン再始動制御手段と、前記エンジン再始動手段が前記トリガ操作に応答して前記エンジンを再始動しようとする場合に、エンジン始動警報を出力するエンジン始動警報手段とを備える。この建設機械によれば、一旦自動停止したエンジンが再始動される際、エンジン再始動警報が発されることにより、オペレータや建設機械の近くにいる人々は、エンジンが再始動されることを認識でき、それにより、万が一エンジン再始動により建設機械が急に動き出したとしても安全を確保できるよう注意することができる。好適な実施形態では、オペレータや他の作業員に余裕を与えるためにエンジン始動警報が出力されたときから若干時間遅れて、エンジンが再始動される。
【0015】
本発明のまた別の側面に従う、エンジンと、前記エンジンからの動力により駆動される作業機とを備えた建設機械は、前記建設機械がアイドル状態にあるときに前記エンジンを自動的に停止するエンジン停止制御手段と、前記エンジン停止制御手段により前記エンジンが自動的に停止した後に、所定のトリガ操作に応答して前記エンジンを再始動するエンジン再始動制御手段と、前記エンジン停止制御手段が前記エンジンを自動的に停止しようとする場合に、エンジン停止警報を前記エンジン停止警報を前記建設機械の外装部に設けられた警報器又は表示器に出力するエンジン停止警報手段とを備える。この建設機械によれば、エンジンが自動停止する際、建設機械の外部へ警報が発されるので、建設機械の近くにいる人々は、エンジンが自動停止されることを認識でき、それにより、安全を確保できるよう注意することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アイドルストップ制御機能を搭載した建設機械の安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態にかかる油圧ショベルの外観を示す斜視図。
【図2】運転室の内部を示す斜視図。
【図3】運転室内のモニタ装置の正面図。
【図4】エンジンを制御するための装置の構成を示すブロック線図。
【図5】アイドルストップ制御機能を有効にするか否かをオペレータのスイッチ操作で選択可能にするためにコントローラ102がもつ機能的な構成を示すブロック線図。
【図6】アイドル状態におけるエンジン101の回転数の変化を示した図。
【図7】コントローラ102によるエンジン自動停止のための制御のフローチャート。
【図8】コントローラ102によるエンジン再始動のための制御のフローチャート。
【符号の説明】
【0018】
1 油圧ショベル
3 上部旋回体
5 作業機
10 運転室
20 計器盤
21,22 作業機操作レバー
23 ロックレバー
24 モニタ装置
24a 表示スクリーン
30,31,32 選択スイッチ
33 文字表示
34 表示ランプ
37 警報器
38 表示板
101 エンジン
102 コントローラ
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の建設機械の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態として、油圧ショベルに本発明を適用した場合について説明する。
【0020】
図1には本実施形態の油圧ショベルの外観が示されている。
【0021】
油圧ショベル1は、下部走行体2と、その下部走行体2の上部に旋回機構(図示せず)を介して旋回可能に装着される上部旋回体3とを備える。上部旋回体3上に、作業機5と動力部4および運転室10が設けられている。作業機5は、基部を上部旋回体3に揺動可能に取付けられているブーム51と、そのブーム51の先端に揺動可能に連結されているアーム52と、アーム52先端に揺動可能に連結されているバケット53とを備えている。
【0022】
油圧ショベル1の外装部の適当箇所、例えば上部旋回体3上の運転室10の外表面上に、警報器37が取付けられている。警報器37は、例えば、光信号を発するランプ、音声信号を発するスピーカ、或いはそれらの組み合わせなどであってよい。警報器37は、後に説明されるようなアイドルストップ制御に関連する各種の警報又は情報、例えば、アイドルストップ制御によりエンジンがストップすることや、その後にエンジンが再始動することなどを、油圧ショベル1の外で作業する人たちに告知するために使用される。これにより、油圧ショベル1が作動途中で自動的に停止する場合、および、油圧ショベル1が作動を再開する場合に、外部の人々が油圧ショベル1に近寄らないようにさせて彼らの安全を確保することができる。上記の警報器37に代えて又はそれと併用して、他の警報器、例えば、運転室の外側面に取り付けられた表示板38、を設けることもできる。表示板38は、上記のような警報又は情報を、光のマーク又は文字として表示する。
【0023】
図2には、運転室10の内部が示されている。図3には運転室内にあるモニタ装置24の正面パネルが示されている。
【0024】
図2に示すように、運転室10の内部中央に運転席11が設けられる。この運転席11の前方位置に、下部走行体2を操縦するための走行レバー13,14と走行ペダル15,16が配されている。走行ペダル16の近傍には、アタッチメントを操作するためのアタッチメント用ペダル17が設けられる。一方の側方窓18の縁に沿って、計器盤(コンソール)20が設けられている。
【0025】
運転席11の前方両側位置には、作業機操作レバー21,22がそれぞれ設置されている。これらの作業機操作レバー21,22は、ブーム51の上下動、アーム52およびバケット53の回動および上部旋回体3の旋回操作などを行わせるためのものである。運転席への乗降口には、ロック位置とロック解除位置とに切換わることができるロックレバー23が設けられている。ロックレバー23がロック位置にあると、エンジンが作動していても、エンジンからの動力で作業機5や上部旋回体3を動かすための油圧回路の作動が停止される。要するに、エンジンが作動していても、ロックレバー23がロック位置にあると、作業機5や上部旋回体3は動けないようにロックされる。一方、ロックレバー23がロック解除位置にあると、油圧回路は作動することが可能であり、よって、作業機5や上部旋回体3は動くことできる。オペレータが油圧ショベル1を運転している最中は、ロックレバー23はロック解除位置に置かれ、このとき、ロックレバー23は乗降口を遮断するようにして乗降口をロックする。オペレータが油圧ショベル1を運転していないとき、ロックレバー23はロック位置に置かれ、このとき、ロックレバー23は乗降口を解放し、人が運転席11に自由に乗り降りできるようになる。
【0026】
さらに、運転室10内には、エンジンの作動に関する情報をオペレータに伝達するためのモニタ装置24が備えられている。モニタ装置24は、例えば、運転室10の前窓26と一方の側方窓18とを仕切る縦支柱27の下部に配置されている。図3に示すように、モニタ装置24は、エンジンの状態を示すメッセージ又は画像を表示するための表示スクリーン24aと、モニタ装置24又は後述するコントローラにユーザの指示を入力するためのキーボード24bを有する。
【0027】
この油圧ショベル1の後述するコントローラは、下部走行体の走行、上部旋回体3の旋回及び作業機5の動作のいずれもが所定の時間継続して停止したときに、エンジンを自動的に停止させるアイドルストップ制御機能を備える。運転室10内には、このアイドルストップ制御機能を有効にするか無効にするかをオペレータが任意に選択するための選択スイッチ30、31又は32が設けられている。すなわち、図2に示すように、選択スイッチ30が、運転席11側方のコンソール20上に配置される。あるいは、選択スイッチ31が、操作レバー21または22のグリップ上に設けられてもよい。あるいは、図3に示すように、選択スイッチ30が、上述したモニタ装置24のキーボート24b上に設けられてもよい。
【0028】
また、選択スイッチ30、31又は32の選択によりアイドルストップ制御機能が有効である時にそのことをオペレータ及び油圧ショベル1の外部に居る人々に通知又は警告するための表示器又は警報器も設けられている。例えば、図3に示すように、モニタ装置24の表示スクリーン24a上に、アイドルストップ制御機能が有効であることを示す文字又は画像表示33が出力される。あるいは、図2に示すように、運転席11の前方の適所(例えば前窓枠の上部など)に配置された表示ランプ34が、アイドルストップ制御機能が有効であるときに点灯する。このような運転室10内の表示だけでなく、図1に示した外装部の警報器37又は表示板38も、例えば点灯する又は所定のメッセージを表示するなどして、アイドルストップ制御機能が有効であることを外部の人々に認識させる。
【0029】
さらに、アイドルストップ制御機能が有効である時には、後に詳述するように、上述した車内外の表示器又は警報器33、34、37又は38は、アイドルストップ制御によりエンジンが停止すること、又はエンジンが再始動されることを、オペレータ又は外の人々に通知又は警告するためにも用いられる。これにより、後の説明から分かるように、アイドルストップ制御が働いても、作業の支障が防止され、また、オペレータや外の人々の安全が確保されることになる。
【0030】
図4には、油圧ショベル1に搭載されるエンジンを制御するための装置の構成が示されている。
【0031】
図4に示されるエンジン制御装置は、上述したように、アイドルストップ制御機能を有し、所定時間以上継続して油圧ショベル1がアイドル状態(例えば、作業機操作レバーが中立状態)にあるとき、エンジン101を自動的に停止させるようになっている。このアイドルストップ制御機能は、上記アイドル状態が継続しているとき、エンジン101を自動的に停止させるのに先立って、車内外に警報を発する機能を含んでいる。この警報に接したオペレータは、油圧ショベル1の状態(例えば、作業機5の位置)を、エンジン101が停止しても安全である状態にセットした上で、イグニションスイッチ117をターンオフするであろう。また、油圧ショベル1の周囲にいる作業者は、その警報に接することにより油圧ショベル1のエンジン101がまもなく停止することを知り、例えば油圧ショベル1に近づくことを避けるなど、自己の安全に支障がないように注意するであろう。
【0032】
さらに、アイドルストップ制御機能は、上記のようにエンジン101を自動的に停止させた後に、オペレータの所定操作に応答してエンジン101を再始動する機能と、エンジン1を再始動するのに先立って、車内外に警報を発する機能とを含んでいる。この警報に接したオペレータは、エンジン101が再始動しても油圧ショベル1が不意に動きださないよう対処するであろう。また、油圧ショベル1の周囲にいる作業者は、その警報に接することにより油圧ショベル1のエンジン101がまもなく始動することを知り、例えば油圧ショベル1に近づくことを避けるなど、自己の安全に支障がないように注意するであろう。
【0033】
図4に示されるエンジン制御装置には、エンジン101及び既に説明した運転室10内の各種の操作レバーや車内外の警報/表示器などに接続されたコントローラ102が設けられている。コントローラ102は、図示による詳細な説明は省略するが、所定のコンピュータプログラムを実行してアイドルストップ制御を始めとする各種制御のための情報処理を行う中央演算処理装置、前記プログラムや上記制御に必要な各種データ(テーブル、設定条件データなど)を記憶する記憶装置、外部回路から/へ各種の信号を入出力する入出力装置、及び、タイマ103などを備えている。
【0034】
また、エンジン101により駆動される油圧モータ104を含む油圧回路が設けられている。この油圧回路では、油圧モータ104から送出される圧油が、コントロールバルブ5を通じて、各種油圧アクチュエータ106(例えば、作業機5のブーム、アーム及びバケットの油圧シリンダ、上部旋回体3を旋回させるための油圧モータ、下部走行体2内の各種油圧モータなど)に供給される。作業機操作ギア107(図2に示した作業機操作レバー21,22、ロックレバー23を指す)により、作業機5や上部旋回体3のための油圧アクチュエータが操作される。また、走行操作ギア108(図2に示した走行レバー13,14と走行ペダル15、16を指す)により、下部走行体2の油圧アクチュエータが操作される。また、作業機操作ギア107には減圧操作弁109が結合され、減圧操作弁9に付設された油圧−電気信号変換器109aからコントローラ102に、作業機操作ギア107の状態を示した電気信号が入力される。同様に、走行操作ギア108には減圧操作弁110が結合され、減圧操作弁110に付設された油圧−電気信号変換部110aからコントローラ102に、走行操作ギア108の状態を示した電気信号が入力される。
【0035】
エンジン101は、例えばディーゼル式のエンジンである。エンジン101には、燃料噴射ポンプ111、ガバナ112、ガバナ駆動モータ113及びポテンショメータ114などが付設され、これらの装置111,112,113,114は、コントローラ102と連携してエンジン101の動作を制御するようになっている。エンジン101には、エンジン101を始動するためのエンジン始動装置115が接続されている。エンジン始動装置115は、スタータ116、イグニションスイッチ117、バッテリ118、バッテリリレー119、及びそれらを接続する配線などを備えている。エンジン始動装置115において、オペレータがイグニションキー120を用いてイグニションスイッチ117を廻してこれを始動位置C(C端子)にすると、スタータ116へ始動信号が印加されるとともに、バッテリ118からの電力がバッテリリレー119を介してスタータ116に供給され、これによってスタータ116が回転してエンジン101を始動する。エンジン101の始動後、オペレータがイグニションスイッチ117は自動的にオン位置(図示せず)になり停止する。この状態では、バッテリ118はエンジン101やコントローラ102を始めとする各種電気回路と接続され、エンジン101の作動が維持される。オペレータがイグニションキー120を廻してイグニションスイッチ117をオフ位置(図示せず)にすると、バッテリ118はエンジン101やコントローラ102を始めとする各種電気回路から切り離され、エンジン101は停止する。
【0036】
イグニションスイッチ117がオン位置で停止しているとき、コントローラ102は、上述したアイドルストップ制御を行ない、この制御の過程で、エンジン101への給電を遮断してエンジン101を自動的に停止させ、また、その後に、オペレータの所定操作に応答してスタータ116へ向けて始動信号が印加することにより、スタータ116を駆動してエンジン101を始動する。
【0037】
図2を参照して既に説明したロックレバー23に付設されたリミットスイッチ126が、ロックレバー23がロック解除位置にあるときにロック解除信号をコントローラ102に出力する。コントローラ102は、このロック解除信号によりロックレバー23の位置を把握し、そして、ロックレバー23がロック解除位置にあるときには、油圧アクチュエータ106の動作を可能にするよう、ロックレバー23がロック解除位置にないときには、油圧アクチュエータ106の動作を停止させる(油圧アクチュエータ106を動かないように固定する)よう、上述した油圧回路を制御する(油圧回路を制御するための信号線は図示省略されている)。
【0038】
図2を参照して既に説明した選択スイッチ30,31又は32からの信号がコントローラ102に入力される。コントローラ102は、選択スイッチ30,31又は32からの信号により、アイドルストップ制御機能を有効にするか無効にするかを選択する。
【0039】
図1及び2参照して既に説明した車内の警報/表示器33又は34及び車外の警報/表示器37又は38が、コントローラ102に接続されている。コントローラ102は、アイドルストップ制御が有効であるとき、アイドルストップ制御に伴う作業の支障を減らしたり、安全性を高めるための警報又は表示を発するように、車内の警報/表示器33又は34、及び車外の警報/表示器37又は38を制御する。
【0040】
以下、コントローラ102が行うアイドルストップ制御に関わる各種の制御について、より具体的に説明する。
【0041】
図5は、アイドルストップ制御機能を有効にするか否かをオペレータのスイッチ操作で選択可能にするためにコントローラ102がもつ機能的な構成を示す。
【0042】
コントローラ102は、前記コンピュータプログラムを実行することにより、図5に示すように選択制御処理40、アイドルストップ制御処理41及び表示制御処理42を行う。選択制御処理40は、選択スイッチ30,31又は32に応答して、アイドルストップ制御処理41及び表示制御処理42をオン/オフ制御する。すなわち、選択スイッチ30,31又は32からオン信号を受けると、選択制御処理40は、アイドルストップ制御処理41及び表示制御処理42を起動する。つまり、アイドルストップ制御機能が有効になる。選択スイッチ30,31又は32からオフ信号を受けると、選択制御処理40は、アイドルストップ制御処理41及び表示制御処理42を停止させる。つまり、アイドルストップ制御機能が無効になる。
【0043】
アイドルストップ制御機能が有効である間、アイドルストップ制御処理41は後に具体的に示すような制御を行なう。この間、表示制御処理42は、アイドルストップ制御機能が有効である旨を車内のオペレータや社外の他の作業員などに知らせるように、車内の警報/表示器33又は34、ならびに社外の警報/表示器37又は38を作動させる。これにより、アイドルストップ制御機能が有効である間、例えば、車外の表示ランプ37及び車内の表示ランプ34が点灯し続ける、或いは、車外の表示板38及び車内の表示スクリーン24aが所定の通告表示を出力し続ける、などの動作が行われる。
【0044】
さらに、以下に具体的に説明するように、表示制御処理42は、アイドルストップ制御処理41によりエンジン101が停止される直前、およびその後にエンジン101が再始動される直前などに、その旨を車内のオペレータおよび社外の他の作業員などに知らせるように、車内の警報/表示器33又は34、ならびに車外の警報/表示器37又38から警報を出力する。これにより、アイドルストップ制御処理41によりエンジン101が停止される直前、およびその後にエンジン101が再始動される直前などに、例えば、車外の表示ランプ37および車内の表示ランプ34が点滅する、車外の表示板38及び車内の表示スクリーン24aが所定の警報表示を表示する、或いは、車外のスピーカ37及び車内のスピーカ(図示省略)が所定の警報音又は警報音声メッセージを出力する、などの動作が行われる。
【0045】
以下、上述したコントローラ102のアイドルストップ制御処理41と表示制御処理42による制御動作を具体的に説明する。
【0046】
まず、エンジン101を自動的に停止させるための制御について説明する。
【0047】
油圧ショベル1がアイドル状態(エンジン101が作動しているが、下部走行体2による走行も、作業機5による作業も、上部旋回体3による旋回も行われていない状態)になると、コントローラ102は、アイドルストップ制御処理41により、そのアイドル状態が継続しているときの経過時間をタイマ103(図4参照)で計測し、その経過時間が一定の閾値時間に達したとき、エンジン101を自動的に停止させる。この過程において、コントローラ102は、上述した表示制御処理42により、タイマ103で計測された上記経過時間が、上記閾値時間に達するより適当時間だけ前の時点で(つまり、エンジン101を停止するより前に)、所定のエンジン停止警報を、車内の警報/表示器33又は34、ならびに車外の警報/表示器37又38から警報に出力する。このエンジン停止警報は、上述したように例えばランプの点灯、メッセージの表示、或いは警報音又は音声メッセージの出力などである。このエンジン停止警報の態様は、エンジン101がもうすぐ停止することをオペレータや他の作業員に認識させ得るようなもの、とりわけ、オペレータに対しては、イグニションスイッチ117をターンオフして電源を遮断するように促すことができるものであることが望ましい。
【0048】
このエンジン停止のための制御をより具体的に説明する。
【0049】
図6は、アイドル状態においてアイドルストップ制御処理41により制御されるエンジン101の回転数の変化を示している。
【0050】
図6に示すように、油圧ショベル1がアイドル状態になると、アイドルストップ制御処理41は、まずエンジン101の回転数を落とすデセル制御を行う。このデセル制御は、アイドル状態が開始したときにエンジン101の回転数を第1デセル回転数(定常回転数から例えばおよそ100〜50rpm低下した回転数)まで落とし、その後に所定時間(例えば数秒)経過した時点t1で、第2デセル回転数(例えばおよそ1400rpm)まで落とし、更に所定時間(例えば十数秒)経過した時点t2で、ローアイドル回転数(例えばおおよそ900rpm)まで降下させる。そして、エンジン回転数がローアイドル回転数に移行したときに、上述した表示制御処理42により、エンジン停止警報が出力される。
【0051】
エンジン停止警報に促されて、オペレータは、イグニションキー120を操作してイグニションスイッチ117をターンオフするであろう。このとき、オペレータは、イグニションスイッチ117をターンオフする前に、作業機操作ギア107及び走行操作ギア108(図4参照)を操作して油圧ショベル1の位置や姿勢や作業機1の位置などを安全なものにし、さらに、ロックレバー23をロック位置にして油圧回路を作動しないようにロックするであろう。結果、安全が確保された状態でエンジン101が停止し、バッテリ118の放電の問題も発生しない。このようにして、エンジン停止警報に促されてオペレータがイグニションスイッチ117をターンオフした場合には、コントローラ102など油圧ショベルの基本的な動作機能のすべてが停止する。その後の油圧ショベル1の再始動時には、コントローラ102や油圧回路は初期状態から起動する。
【0052】
さて、エンジン停止警報が発された後もイグニションスイッチ117がオンのまま放置された場合、警報発生後さらに所定時間(例えば、およそ十数秒〜数十秒)が経過した時点t3で、アイドルストップ制御処理41はエンジン101を停止する。このように自動的にエンジン101が停止しても、上述した事前のエンジン停止警報によって安全性は改善される。なぜなら、油圧ショベル1の周囲に居る作業員は、エンジン停止警報に接すると、まもなく油圧ショベル1のエンジン101が停止することを知り、油圧ショベル1に近づかないようにするなど、然るべき注意をすることができるからである。
【0053】
図7は、上述したエンジン自動停止のための制御の流れを示す。
【0054】
図7に示すように、ステップS1で油圧ショベル1が現在アイドル状態であるかがチェックされる。油圧ショベル1がアイドル状態であれば(yes)、制御はステップS2に移行し、アイドル状態の開始からの現在までの経過時間が所定の警報発生時間に達したかチェックされる。油圧ショベル1が現在アイドル状態ではない場合、及び、アイドル状態の開始から経過時間が上記警報発生時間にまだ達してない場合、制御はステップS3に進み、エンジン101の運転が継続される。この制御で、油圧ショベル1がアイドル状態である場合には、図6を参照して説明したデセル制御も実行される。なお、上記警報発生時間は、固定的な値であってもよいし、オペレータが任意に可変的に設定できるものであってもよい。
【0055】
ステップS2で、アイドル状態の開始から上記所定時間が経過したと判断された場合、制御はステップS4に移行して、上述したエンジン停止警報が車内の警報/表示器33,34及び車外の警報/表示37,38から出力される。
【0056】
その後、制御はステップS5へ進み、油圧ショベル1が依然としてアイドル状態であるかチェックされ、アイドル状態ではければ、制御は上述したステップS3へ戻る。依然としてアイドル状態である場合には、制御はステップS6へ進み、アイドル状態の開始からの経過時間が所定の閾値時間に達したかチェックされ、まだ達してなければ、ステップS7でエンジンの運転(図6に示したローアイドル回転数での運転)が継続される。
【0057】
アイドル状態が継続したまま上記閾値時間が経過すると、制御はステップS8に進み、エンジン101が停止され、そして、ステップS9でエンジン再始動制御が開始される。ここで、エンジン再始動制御とは、次に説明するように、エンジン101が自動的に停止された後に、オペレータの所定操作に応答してエンジン101を再始動するための制御である。なお、上記閾値時間は、固定的な値であってもよいし、オペレータが任意に可変的に設定できるものであってもよい。
【0058】
図8は、コントローラ102によるエンジン再始動制御の流れを示す。
【0059】
図8に示すように、エンジン再始動制御が開始すると、ステップS11で、オペレータにより所定のトリガ操作が行われたか否かがチェックされる。ここで、トリガ操作とは、エンジン再始動を要求する信号をコントローラ102に与える動作である。トリガ操作として、例えば、イグニションスイッチ117が始動位置Cまで廻されたこと、を採用することができる。図2に示すように、イグニションスイッチ117が始動位置Cまで廻されると、スタータ116に始動信号が印加されると同時に、コントローラ2に再始動の信号が伝達される。或いは、トリガ操作は、運転室10内に別途設置されるエンジン再始動スイッチ(図示せず)が押されて、エンジン再始動スイッチから再始動の信号がコントローラ102に入力されるというものであってもよい。或いは、トリガ操作は、作業機操作ギア107が操作されることであってもよい。図2に示すように、作業機操作レバー7が操作されると、これに付属するポテンショメータ121がコントローラ2に再始動の信号を送信する。いずれにしても、トリガ操作が行われると、再始動の信号がコントローラ102に入力される。
【0060】
再び図8を参照して、ステップS11で、上記再始動信号がまだコントローラ102に入力されていない間は、エンジン101の停止状態が維持される。上記再始動信号がコントローラ102に入力されると、制御はステップS12へ進み、コントローラ102はロックレバー23が現在ロック位置にあるか否か、つまり、油圧回路が動作しない状態になっているか否か、をチェックする。その結果、ロックレバー23が現在ロック位置にない場合には、依然としてエンジン101の停止状態が維持される。
【0061】
ステップ12で、ロックレバー23が現在ロック位置にあると判断された場合、制御はステップS13へ進み、上述したエンジン始動警報が車内の警報/表示器33,34及び車外の警報/表示37,38から出力される。エンジン始動警報に接して、オペレータは、まもなくエンジン101が始動することを認識し、ロックレバー23や作業機操作ギア107や走行操作ギア108の操作に関し、安全を確保するよう注意するであろう。また、油圧ショベル1の周囲に居る作業員は、エンジン停止警報に接すると、まもなく油圧ショベル1のエンジン101が動き出すことを予想し、油圧ショベル1に近づかないようにするなど、然るべき注意をするであろう。このようにして、エンジン再始動に伴う安全性が向上する。
【0062】
エンジン始動警報が出力された後、コントローラ102はステップS14で所定の待ち時間(例えば数秒)だけ待つ(待ち時間の間、エンジン始動警報が出力され続けてよい)。ここで、上記待ち時間は、固定的な値であってもよいし、オペレータが任意に可変的に設定できるものであってもよい。この待ち時間が経過し、かつロックレバー23が依然としてロック位置にある場合、コントローラ102は、図2に示すスタータ116に始動信号を送り、同時にスタータリレー119をターンオンしてバッテリ118からスタータ116に電力を供給し、それにより、スタータ116を駆動してエンジン101を始動する。エンジン101が始動した後、ステップS9で、図7に示したエンジン停止制御が再びスタートする。
【0063】
エンジン101が始動すると、油圧ポンプ4も駆動される。このときステップS12で確認されたように、ロックレバー23がロック位置にある。そのため、油圧ショベル1が不意に動き出すという虞はない。エンジン101の始動後、オペレータは、周囲の安全を確認した後に、ロックレバー23をロック解除位置に切替え、それから作業機操作ギア107および走行操作ギア108を操作して作業を開始するであろう。従って、エンジン再始動に伴う安全性が一層向上する。
【0064】
以上のように、エンジン101を再始動時するには、事前にエンジン始動警報を発することと、ロックレバー23がロック位置にあるという、二重の安全条件を満たす必要がある。変形例として、この二重の安全条件のうちの一方のみを満たせばエンジン101を再始動時するような制御を採用することもできる。例えば、ロックレバー23がロック位置になくても、事前のエンジン始動警報を行った後にエンジン101を再始動時するようにしてもよい。或いは、ロックレバー23がロック位置にあれば、事前のエンジン始動警報を行なうことなくエンジン101を再始動時するようにしてもよい。
【0065】
上述した実施形態によれば、オペレータは必要に応じてアイドルストップ制御機能を無効にすることができるので、アイドルストップ制御機能がかえって作業に支障を与えたり或いは周囲環境に悪影響を与えかねない状況下では、そのような問題を防止することができる。
【0066】
また、アイドルストップ制御機能が有効であるときには、その旨をオペレータや周囲に他の作業員などに知らせることができるので、オペレータや他の作業員は、アイドルストップ制御によりエンジンの自動停止や再起動が行われても安全を確保することができるように、注意することができる。
【0067】
特に、アイドルストップ制御によりエンジンを間もなく停止しようとするときに、事前にエンジン停止警報が発される。そのため、エンジンが自動停止する前に、オペレータは手動操作により、より一層安全に、電源を切りエンジンを停止させることができる。また、周囲の他の作業員は、エンジンの自動停止が行われても安全を確保することができるように注意することができる。
【0068】
また、特に、アイドルストップ制御により自動停止したエンジンを再始動しようとするときに、事前にエンジン始動警報が発される。そのため、エンジンが再始動する前に、オペレータと周囲の他の作業員は、エンジンが始動しても安全を確保することができるように注意することができる。
【0069】
さらに、ロックレバーがロック位置にあって油圧回路が動作できない状態にないかぎり、エンジンは再始動されない。そのため、エンジンが再始動するとき油圧ショベルが不意に動き出す虞がない。
【0070】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は本発明の説明のための例示にすぎず、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなく、その他の様々な態様でも実施することができる。本発明は、油圧ショベルだけでなく、他の種々の建設機械にも適用されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(101)と、前記エンジンからの動力により駆動される作業機(5)と、ロック位置とロック解除位置に切り替えられ、前記ロック位置では前記エンジンが作動していても前記作業機を作動不能にロックし、前記ロック解除位置では前記作業機を作動可能にするロックレバー(23)とを備えた建設機械(1)において、
前記建設機械がアイドル状態にあるときに前記エンジンを自動的に停止するエンジン停止制御手段(102、S8)と、
前記エンジン停止制御手段により前記エンジンが自動的に停止した後に、所定のトリガ操作に応答して前記エンジンを再始動するエンジン再始動制御手段(102、S15)と、
前記ロックレバーの位置をチェックし、前記ロックレバーが前記ロック解除位置にある限り、トリガ操作に応答して前記エンジンを再始動しないように、前記エンジン再始動手段を制御するエンジン再始動禁止手段(102、S12、S14)と
を備えたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
請求項1記載の建設機械において、
前記エンジン再始動手段が前記トリガ操作に応答して前記エンジンを再始動しようとする場合に、エンジン始動警報を出力するエンジン始動警報手段(102、S13)を更に備えたことを特徴とする建設機械。
【請求項3】
請求項2記載の建設機械において、
前記エンジン始動警報手段は、前記エンジン始動警報を前記建設機械の外装部に設けられた警報器又は表示器(37、38)に出力することを特徴とする建設機械。
【請求項4】
請求項2記載の建設機械において、
前記エンジン始動警報手段は、前記エンジン始動警報を前記建設機械の運転室内に設けられた警報器又は表示器(33、34)に出力することを特徴とする建設機械。
【請求項5】
請求項2記載の建設機械において、
前記エンジン再始動手段が、前記エンジン始動警報が出力されたときから遅れて、前記エンジンを再始動することを特徴とする建設機械。
【請求項6】
請求項1記載の建設機械において、
前記エンジン停止制御手段が前記エンジンを自動的に停止しようとする場合に、エンジン停止警報を出力するエンジン停止警報手段(102、S4)を更に備えたことを特徴とする建設機械。
【請求項7】
請求項6記載の建設機械において、
前記エンジン停止警報手段は、前記エンジン停止警報を前記建設機械の運転室内に設けられた警報器又は表示器(33、34)に出力することを特徴とする建設機械。
【請求項8】
請求項6記載の建設機械において、
前記エンジン停止警報手段は、前記エンジン停止警報を前記建設機械の外装部に設けられた警報器又は表示器(37、38)に出力することを特徴とする建設機械。
【請求項9】
請求項6記載の建設機械において、
前記エンジン停止手段が、前記エンジン停止警報が出力されたときから遅れて、前記エンジンを停止することを特徴とする建設機械。
【請求項10】
請求項1記載の建設機械において、
選択スイッチ(30、31、32)と、
前記選択スイッチに応答して、前記エンジン停止制御手段を有効及び無効のいずれかに制御する選択制御手段(40)と、
前記エンジン停止制御手段が有効である間、前記建設機械の外装部又は運転席内に設けられた表示器に所定の表示を継続的に出力する表示制御手段(42)と
を更に備えたことを特徴とする建設機械。
【請求項11】
エンジンと、前記エンジンからの動力により駆動される作業機と、ロック位置とロック解除位置に切り替えられ、前記ロック位置では前記エンジンが作動していても前記作業機を作動不能にロックし、前記ロック解除位置では前記作業機を作動可能にするロックレバーとを備えた建設機械における前記エンジンの制御方法において、
前記建設機械がアイドル状態にあるときに前記エンジンを自動的に停止するステップと、
前記エンジンが自動的に停止された後に、前記ロックレバーが前記ロック位置にある場合に、所定のトリガ操作に応答して前記エンジンを再始動するステップと
を備えたことを特徴とする建設機械のエンジンの制御方法。
【請求項12】
エンジン(101)と、前記エンジンからの動力により駆動される作業機(5)とを備えた建設機械(1)において、
前記建設機械がアイドル状態にあるときに前記エンジンを自動的に停止するエンジン停止制御手段(102、S8)と、
前記エンジン停止制御手段により前記エンジンが自動的に停止した後に、所定のトリガ操作に応答して前記エンジンを再始動するエンジン再始動制御手段(102、S15)と、
前記エンジン再始動手段が前記トリガ操作に応答して前記エンジンを再始動しようとする場合に、エンジン始動警報を出力するエンジン始動警報手段(102、S13)と
を備えたことを特徴とする建設機械。
【請求項13】
エンジン(101)と、前記エンジンからの動力により駆動される作業機(5)とを備えた建設機械(1)において、
前記建設機械がアイドル状態にあるときに前記エンジンを自動的に停止するエンジン停止制御手段(102、S8)と、
前記エンジン停止制御手段により前記エンジンが自動的に停止した後に、所定のトリガ操作に応答して前記エンジンを再始動するエンジン再始動制御手段(102、S15)と、
前記エンジン停止制御手段が前記エンジンを自動的に停止しようとする場合に、エンジン停止警報を前記エンジン停止警報を前記建設機械の外装部に設けられた警報器又は表示器(37、38)に出力するエンジン停止警報手段(102、S4)と
を備えたことを特徴とする建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【国際公開番号】WO2005/054649
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【発行日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515938(P2005−515938)
【国際出願番号】PCT/JP2004/017844
【国際出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】