説明

微細パターンの形成方法

【課題】パターンの形状ラフネスを増加させることなく、パターンを転写することを可能にする。
【解決手段】基板上にハードマスクを形成する工程と、ハードマスク上にマスク補助材を形成する工程と、マスク補助材上に海島構造を有するジブロックコポリマー層を形成する工程と、ジブロックコポリマー層に前記海島構造の島部が凸部となる凹凸状構造のパターンを形成する工程と、ジブロックコポリマー層に形成されたパターンをマスクとしてマスク補助材およびハードマスクをエッチングし、ハードマスクにパターンを転写する工程と、を備え、マスク補助材はエッチング速度が、ハードマスクのエッチング速度より大きく、ジブロックコポリマーの海島構造の海の部分のエッチング速度より小さい材料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、微細パターンの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今のパソコンなどの情報機器の飛躍的な機能向上は、半導体装置の製造などに用いられる微細加工技術の進歩によるところが大きい。これまで、加工寸法の微細化は、リソグラフィーに用いられる露光光源の短波長化により進められてきた。しかし、加工寸法が微細化し、パターンが高密度化するほど、製造工程におけるリソグラフィーの加工コストは膨大になってきている。次世代の半導体装置、あるいはパターンドメディア(patterned media)などの微細加工を施した高密度記録媒体においては、パターン寸法を十数nmからそれ以下にまで微細化することが要求されている。このための露光光源としては、電子線などが用いられているが、加工のスループットの点で、非常に大きな課題が残されている。
【0003】
このような状況を背景として、安価でかつ高いスループットを実現できる加工方法として、材料が自己組織的に特定の規則配列パターンを形成する現象を利用する方法、中でも「ブロックポリマー」を利用する方法が注目を集めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3967114号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Appl.Phys.Lett.,60 P.2586.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ジブロックコポリマーの自己組織化により形成されるパターンをエッチングマスクに用いた微細加工技術において、ジブロックコポリマーのマスクとハードマスクとのエッチング速度の違いにより、エッチングマスクがサイドエッチングされる。そのため、ハードマスクへ転写されたパターンの形状ラフネス(変動係数)がエッチングマスクの形状フラフネスに比べて増加するという課題がある。
【0007】
本発明の実施形態は、パターンの形状ラフネスを増加させることなく、パターンを転写することのできる微細パターンの形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態の微細パターンの形成方法は、基板上にハードマスクを形成する工程と、前記ハードマスク上にマスク補助材を形成する工程と、前記マスク補助材上に海島構造を有するジブロックコポリマー層を形成する工程と、前記ジブロックコポリマー層に凹凸状構造のパターンを形成する工程と、前記ジブロックコポリマー層に形成されたパターンをマスクとして前記マスク補助材および前記ハードマスクをエッチングし、前記ハードマスクにパターンを転写する工程と、を備え、前記マスク補助材はエッチング速度が、前記ハードマスクのエッチング速度より大きく、前記ジブロックコポリマーの海島構造の海の部分のエッチング速度より小さい材料であることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態による微細パターン形成方法を説明する断面図。
【図2】実施例1と比較例の方法によって形成されるパターンを説明する図。
【図3】マスク補助材の膜厚とパターン変動係数の関係を示す図。
【図4】マスク補助材の膜厚とハードマスクの加工後の凹凸との関係を示す図。
【図5】実施例6による垂直磁気記録媒体の形成方法を説明する断面図。
【図6】実施例6による微細パターンの形成方法を説明する断面図。
【図7】実施例7による微細パターンの形成方法を説明する断面図。
【図8】実施例7による微細パターンの形成方法を説明する断面図。
【図9】実施例8による微細パターンの形成方法を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態による微細パターンの形成方法は、基板上にハードマスクを形成する工程と、ハードマスク上にマスク補助材を形成する工程と、マスク補助材上に海島構造を有するジブロックコポリマー層を形成する工程と、前記ジブロックコポリマー層に前記海島構造の島部が凸部となる凹凸状構造のパターンを形成する工程と、ジブロックコポリマー層に形成されたパターンをマスクとしてマスク補助材およびハードマスクをエッチングし、ハードマスクにパターンを転写する工程と、を備えている。そして、マスク補助材はエッチング速度が、ハードマスクのエッチング速度より大きく、ジブロックコポリマーの海島構造の海の部分のエッチング速度より小さい材料である。
【0011】
(一実施形態)
本実施形態の微細パターンの形成方法を説明する前に、その概要を説明する。本発明者達は、パターンを転写するハードマスクと配列構造を有するジブロックコポリマー層との間に、適切なマスク補助材を挿入することで、ハードマスクにパターンを転写した際に、形状ラフネスの変化が小さくなることを見出した。この方法を用いることにより、マスク補助材のパターンをハードマスクへ転写することが可能となり、ハードマスクへのパターン転写において、サイドエッチングされるポリマーの影響を受けなくすることができる。
【0012】
ここで、適切なマスク補助材とは、そのエッチング速度が、ハードマスクのエッチング速度と、後述するポリマー相Xのエッチング速度との間であって、かつ後述するポリマー相Yのエッチング速度と同程度となるものである。このような材料をマスク補助材として用いることにより、ジブロックコポリマーのパターンの形状を忠実にハードマスクへ転写できる。なお、本明細書では、「忠実に転写できる」とは、ジブロックコポリマーのマスクから、ハードマスクへのパターン転写において、形状の変動係数が10%以内である場合を意味する。
【0013】
次に、本実施形態による微細パターンの形成方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
本実施形態による微細パターンの形成方法の手順を図1(a)乃至1(e)に示す。まず、基板2を用意し、この基板2上に、パターンが転写されるハードマスク4を形成する(図1(a))。基板としては、ガラス基板、サファイア基板、シリコン基板のほか、例えばHDD(ハードディスクドライブ)用の磁性層が形成された基板を用いることができる。磁性層の材料としては、例えばCo−CrやCo−Pt系の合金や、Fe−PtやCo−Pt、Fe−Pd系などの合金、Co/PtやCo/Pdの多層膜系の材料を使用することができる。これらの合金または多層膜系材料は、高い結晶磁気異方性エネルギーを有しているため熱揺らぎ耐性が高く、好ましい。これらの合金または多層膜系材料に、磁気特性を改善する目的で、必要に応じてTaやCu、B、Crといった添加元素を加える。磁性層として、CoCrPt、CoCrPtB、CoCrPtTa、CoCrPtNd、CoCrPtCu、FePtCu等を用いることがより好ましい。磁性層は、必要に応じて二層以上の多層構造にしてもよい。その場合、少なくとも一層が上記のような層であればよい。また、ハードマスクとしては、カーボン、窒化カーボン、シリコン、酸化シリコンなどを用いることができる。また、それらを積層した多層マスクの構造を用いてもよい。
【0015】
続いて、ハードマスク4上にマスク補助材6を形成する(図1(b))。マスク補助材6の材料については後で詳細に説明する。その後、マスク補助材6上にブロックポリマー層8を形成する(図1(c))。ここで用いるブロックコポリマーとしては、例えば2種類のポリマー鎖Aとポリマー鎖Bとが結合したA−B型の「ジブロックコポリマー」をあげることができる。ジブロックコポリマーとは、ポリマーが二つ繋がった共重合体である。ジブロックコポリマーは、適当な温度でアニールすることにより、ポリマー相A(以下、ポリマー相Xともいう)とポリマー相B(以下、ポリマー相Yともいう)とに相分離して規則配列構造を形成する。例えば、ポリマー相Xを海とし、ポリマー相Xの海の中に、ポリマー相Yが島として2次元的に配列された海島構造を形成する。このような規則配列構造を構成するポリマー相Xおよびポリマー相Yの形状およびサイズは、ポリマー鎖A、Bの長さに依存する。これらの長さを調整することで、島として、例えば100nmの直径を持つサイズから、10nm、およびそれ以下の微細なサイズの島を形成することができる。
【0016】
このように形成されるジブロックコポリマーの規則配列構造として、例えば、A相とB相の片方が球状になり、分布する海島構造、片方が円柱状になり分布するシリンダー構造などが知られている。また、それらの並びは、球や円柱が細密に並んだ六方晶や、四方晶などがある。この規則配列構造は、それ自体が規則配列した凹凸状の構造を有している場合もあるが、凹凸状構造を有しない平坦な場合もある。本実施形態では、ジブロックコポリマーの相分離構造を凹凸状構造に変換する必要がある。一方、ブロックコポリマーの規則配列構造の表面が凹凸形状を持つ場合には、その凹凸状形状をそのまま利用することができる。
【0017】
凹凸状構造を有しない平坦な場合には、ブロックコポリマーの少なくとも一つのポリマー相を選択的に除去する必要がある。本実施形態では、海島構造の海の部分であるポリマー相Xを選択的にエッチングすることにより、ポリマー相Yの球状のパターンを先端に持ち、規則的に配列した微細パターンを形成する。
【0018】
また、ブロックコポリマーで形成される微細パターンの構造は、ポリマー相Xが海となり、ポリマー相Yが球状の島構造をもち、その球が規則的に配列するスフィア構造のほかに、ポリマー相Xが海となり、ポリマー相Yが円柱状の構造を形成するシリンダー構造を用いてもよい。これらの構造の違いは、ポリマー鎖A、ポリマー鎖Bの分子量や、基板の表面エネルギーまたは、アニール条件を変化させることで、制御することが可能となる。
【0019】
なお、ポリマー相Xを選択的に除去するためには、プラズマ、光、電子線などのエネルギー線や、熱などを照射した場合に、それらに対する耐性の異なる2種類以上のポリマー鎖によりブロックコポリマーを構成すればよい。例えば、Nをモノマー単位の総原子数、Ncをモノマー単位の炭素原子数、Noをモノマー単位の酸素原子数としたとき、モノマー単位の値N/(Nc−No)が小さい方が各プラズマ照射に対する耐性が高い。この観点から、プラズマ耐性の大きさの異なる2種類以上のポリマー鎖を組み合わせてもよい。
【0020】
また、プラズマ、光、電子線、熱などの照射により、架橋反応が起こり、硬化するポリマーと反応の起こらないポリマーとを組み合わせてもよい。さらに、親和性を考慮して、親水性‐疎水性のポリマーを用い、どちらか一方のポリマーに架橋剤を偏析させてもよい。
【0021】
このようにして、ブロックコポリマー層8が元々凹凸状構造を有していれば、その凹凸状構造を利用し、ブロックコポリマー層8が平坦であれば、ブロックコポリマー層8に凹凸状構造を形成する。本実施形態においては、図1(d)に示すように、ブロックコポリマー層8にOを用いたRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)を行って、ポリマー相Yからなる部分8bと、ポリマー相Xからなる部分8aを有する海島構造の島部8bが凸部となる凹凸状構造を形成する。なお、このとき、ポリマー相Xからなる部分8aの一部が凹部に残っていても良いし、島部8bの直下のポリマー相Xからなる部分8aの側部が一部エッチングされていてもよい。また、さらにこの凹凸状構造を有するブロックコポリマー層8をマスクとして、マスク補助材6もエッチングされる。
【0022】
次に、図1(e)に示すように、凹凸状構造を有するブロックコポリマー層8およびエッチングされたマスク補助材6からなるマスクパターンを用いてハードマスク4をエッチングし、ハードマスク4にパターン転写する。
【0023】
また、本実施形態において、マスク補助材6としては、ジブロックコポリマーのエッチングガスと同様のエッチングガスでエッチングされる材料が好ましく、特に、酸素でエッチングされる材料が特に好ましい。また、マスク補助材6のエッチング速度がジブロックコポリマー層の海の部分を形成するポリマー相Xのエッチング速度より小さく、かつハードマスク4のエッチング速度より大きい材料であることが好ましく、特にポリマー相Yのエッチング速度と同程度のエッチング速度であることが特に好ましい。
【0024】
マスク補助材6の具体的な材料としては有機ポリマー鎖が用いられる。上述した値N/(Nc−No)をパラメーターとすると、有機ポリマー鎖のエッチング速度Vetchと、上記パラメーターとの間には、VetchがN/(Nc−No)に比例するという関係式がある。このため、上記関係式を参考に、エッチング速度が、海島構造の海の部分とハードマスク4との間となる材料をマスク補助材として選ぶことができる。例えば、ブロックコポリマー層8としてPS(ポリスチレン)とPDMS(ポリジメチルシクロヘキサン)とが結合したジブロックコポリマーを用い、ハードマスク4としてカーボンを使用した場合には、海島構造の海の部分であるPSとカーボンとのエッチング速度を考慮して、PVN(ポリビニルナフタレン)、PHS(ポリヒドロスチレン)、PVB(ポリビニルビフェニル)、PS、PDMSを用いるとよい。特に、PDMSを用いた場合、エッチング速度は海島構造の海の部分であるPSとハードマスク4のカーボンとの間となり、更にパターンを形成する海島構造の島部ポリマー相Yと同じ材料であるため、パターンをより忠実に転写することができる。
【0025】
また、本実施形態においては、マスク補助材6の成膜方法は、溶液を用いてスピンコートで成膜するウエットプロセスと、蒸着、スパッタなどで成膜するドライプロセスのどちらを用いてもよい。
【0026】
マスク補助材6の膜厚tは、ジブロックコポリマー層8を構成する島部の直径dに対して0<t<dであることが好ましい。d≦tの場合、マスク補助材6をエッチングする際に、ジブロックコポリマー層8もエッチングされてしまい、ジブロックコポリマー層8のラフネスが増加してしまう。極端な場合、ハードマスク4へパターンを転写することができなくなる。一方、0=tの場合は、形状ラフネスを低減する効果は見られない。
【0027】
特に、0<t<d/2の領域では、エッチングにより形成されるハードマスク4の凹凸高さを高くすることができ、ハードマスク4を用いて基板2を加工する場合において、アスペクトの高いパターンを基板に作製できることから、0<t<d/2であることがより好ましい。
【0028】
ジブロックコポリマー層8の形成は、スピンコートで行うほか、基板2を溶液につけて一定の速度で引き揚げるディップコーティング法を用いてもよい。
【0029】
ジブロックコポリマー層8の膜厚tは、形成されるパターンのピッチpに合わせて、適宜変更してよい。配列、およびドット形状の良いマスクを作製する場合には、ジブロックコポリマー層8の膜厚tは0<t<1.5pにすることが好ましい。0<t<pの場合には、ドットは細密には並ばず、所々にパターンの消滅が発生し、ドット径のサイズにばらつきが発生する。しかし、微細加工のマスクとしての機能は問題ない。一方、1.5p<tの場合は、ドットパターンが単層ではなく、所々に二層もしくは多層に積層された構造を取るため、マスクとして機能しない。tが1.3p程度の場合、ドットの配列は二次元六方晶の配列となり特に好ましい。後述する実施例でのジブロックコポリマー層8の膜厚は、すべて1.3pになるように制御している。
【0030】
上記のように膜厚により形状の異なるパターンが形成される場合には、材料に合わせて適宜膜厚を調整する必要がある。膜厚の制御は、ジブロックコポリマーの溶液の濃度を変えて制御するほか、スピンコートの回転数および回転時間を調整して制御することができる。また、膜厚の測定にはAFM(原子間力顕微鏡)を用いるほか、接触段差計などを用いて測定することができる。
【0031】
基板上に塗布したジブロックコポリマーは、アニール処理をすることで規則配列した構造を形成する。ジブロックコポリマーのアニール雰囲気は、ポリマーの酸化を防ぐために、真空中、窒素雰囲気中などで行うとよい。また、水素と窒素の混合ガスであるフォーミングガスの雰囲気中で行ってもよい。アニール温度は示差走査熱量測定(DSC)を行うことで概算することができる。5℃/分で昇温し、DSCチャートを得ることで、ポリマーのガラス転移点(Tg)や相転移、分解などの情報を得ることができる。ジブロックコポリマーが相転移する秩序・無秩序転移温度(ODT)の温度がポリマーの分解温度より高い場合には、ポリマーが分解する温度の直前まで上げることが望ましい。一方、ODTがポリマーの分解温度以下である場合、ODTの温度程度でアニールを行うとよい。
【0032】
Tg、ODT、および分解温度はジブロックコポリマーの種類により異なるため、適宜最適な温度でアニールすることが必要となる。
【0033】
ジブロックコポリマー層8のパターン形成およびハードマスク4へのパターン転写に用いるドライエッチングは、RIEのほか、反応性イオンビームエッチング、イオンエッチング、中性子を用いたエッチングなどがある。
【0034】
RIEには、容量結合型RIE、誘導結合型RIE、ECR−RIEなどがあるが、どの装置を用いてエッチングを行っても同様な結果を得ることができる。
【0035】
本実施形態では、ジブロックコポリマー層8のパターン形成から、ハードマスク4へのパターン転写まで同一ガスでRIEを行っている。具体的には、酸素流量20sccn、全圧0.1Pa、投入コイルパワー100W、プラテンパワー10Wの条件で、30秒間RIEすることにより、ジブロックコポリマー層8のパターンをハードマスク4へ転写した。
【0036】
RIEに用いるガスとしては、酸素であることが望ましいが、酸素に少量のアルゴンや窒素、フッ素を混ぜた場合でも、ジブロックコポリマーのエッチング速度の変化が酸素でのエッチング速度を基準として、10%以内の変化である混合ガスを使用した場合も、酸素による8エッチング効果が主体であるため、酸素でのエッチングと定義することができる。
【0037】
パターン形状の評価には、変動係数(パターン直径の標準偏差をパターン直径の平均値で規格化した値を百分率にした値)を用いた。変動係数の値は小さいほうがよい。微細パターンをパターンドメディアへ応用することを考えた場合、学会や研究会において変動係数は10%以下であることが必要とされている。変動係数は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加工後の基板上のパターンを基板上部からSEMで測定した後、画像編集ソフトを用いてSEM像を二値化し、パターンの直径を計算することで算出した。
【0038】
パターン形状の評価方法には、SEMのほか、平面透過型電子顕微鏡(平面TEM)や、断面透過型電子顕微鏡(断面TEM)などがあり、それらの方法でパターン形状を測定し、直径を算出し変動係数を求めても同様の結果を得ることができる。
【実施例】
【0039】
以下、各実施例について説明する。
【0040】
(実施例1)
実施例1による微細パターンの形成方法を図1(a)乃至図1(e)を参照して説明する。
【0041】
まず、図1(a)に示すように、シリコン基板2をスパッタリング装置の真空チャンバー内に導入した。スパッタリング装置の到達真空度は1×10−5Paであった。シリコン基板2上にハードマスク4として膜厚が15nmのカーボンを成膜した(図1(a))。カーボン成膜時のAr圧力は0.4Pa、投入電力400Wという条件であった。
【0042】
続いて、トルエンを溶媒とした0.05wt%のポリジメチルシクロヘキサン(PDMS)溶液を、シリコン基板2上に成膜したカーボンからなるハードマスク4上にスピンコートし、厚さが5nmとなるPDMSのマスク補助材6を形成した(図1(b))。続いて、ジブロックコポリマー層8として、分子量11700のポリスチレン(PS)と分子量2900のPDMSからなるジブロックコポリマーをプロピレングリコールモノメチルエートルアセテート(PGMEA)に溶解したものを、膜厚22nmとなるようにスピンコート法により塗布した(図1(c))。そして、10Paの真空下において180℃で15時間アニールすることにより、相分離させて規則配列構造を形成した。
【0043】
次に、図1(d)に示すように、凸部を形成した。具体的には、酸素流量20sccn、全圧0.1Pa、投入コイルパワー100W、プラテンパワー10Wの条件で、30秒間、反応性イオンエッチング(RIE)することにより、PDMS8bのポリマーをマスクとして、PSのポリマー層8aをエッチングする。続いて、同じ条件で、ポリマー8bおよびポリマー8aをマスクとして、マスク補助材であるPDMS層6およびカーボンのハードマスク4をエッチングした(図1(e))。
【0044】
この時点で、ブロックコポリマー層8の上面を原子間力顕微鏡(AFM)により、観察すると、直径が約10nm、深さが約18nm、パターンピッチが約17nmの凸部が六方格子状に並んでいることが確認された。
【0045】
上記の条件で作製された微細パターンをSEMで測定し、SEM像からパターンサイズの平均値を見積もった結果、直径が約13nm、パターンピッチが約17nmであることがわかった。上記SEM像からパターンのバラつき(ドット径分散)を測定したところ、標準偏差は1.1nmであった。この結果、上記条件で作製したカーボンのハードマスク4のパターン形状の変動係数は8.5%であることがわかった。
【0046】
(比較例)
上述した実施例1の比較例として、マスク補助材6を形成しない以外は、実施例1と同様の工程を用いてパターンを転写し、測定を行った。転写後の基板2をSEMで測定し、パターンサイズの平均値を見積もった結果、直径は約13nmであり、標準偏差は3.4nmであった。その結果、マスク補助材6を形成しないでパターン転写した場合、パターンの変動係数は24%であることがわかった。
【0047】
図2(a)に示すような規則配列構造を有するジブロックコポリマー層8を用いて、比較例および実施例1で説明した方法で、ハードマスク4に転写されたパターンの上面の模式図を図2(b)および図2(c)にそれぞれ示す。
【0048】
図2(b)に示すように、比較例においては、パターンエッジのラフネスが増加してしまうことがわかる。これは、ハードマスク4上にエッチング速度の速いジブロックコポリマー層8の海の部分8aが直接積層された場合には、ハードマスク4とジブロックコポリマー層8との界面において、エッチング速度の速いジブロックコポリマーがサイドエッチングされ、サイドエッチングされたパターンがハードマスク4に転写されるため、パターンエッジのラフネスが増加する。極端な場合、ジブロックコポリマー層8の海の部分が完全にサイドエッチングされ、島の部分を支えることができなくなり、パターンが消滅することがある。
【0049】
これに対して、図2(c)に示すように、実施例1の方法では、ジブロックコポリマー層8のパターンの形状を忠実にハードマスク4へ転写できていることがわかる。
【0050】
(実施例2)
次に、実施例2として、マスク補助材6の膜厚と転写されたパターンの変動係数との関係およびマスク補助材6の膜厚とハードマスクの凹凸との関係について説明する。
【0051】
非磁性ガラス基板2上に成膜された15nmのカーボンのハードマスク4上に、マスク補助材6としてPDMSをスピンコートにより0nm、2nm、5nm、10nm、15nm、20nmの厚さで成膜した6種類のサンプルを作製する。なお、厚さ0nmとは、マスク補助材6を形成しないことを意味する。これらのサンプル上に実施例1と同じ条件でジブロックコポリマー層の形成し、エッチングを行った。RIEのエッチング時間は、マスク補助材6の膜厚変化に対応させて変化させた。作製した各サンプルのマスクのサイズバラつき(変動係数)をSEMによるサイズの測定結果から求めた。
【0052】
上記の条件で加工したマスク補助材6の膜厚が異なる各サンプルのパターンをSEMで測定し、変動係数を測定したところ、マスク補助材6の膜厚が0nmのサンプルでは24%、膜厚が2nmのサンプルでは8%、膜厚が5nmのサンプルでは8%、膜厚が10nmのサンプルでは9%であった。一方、膜厚が15nmのサンプルでは25%、膜厚が20nmのサンプルではパターンの形成を確認することができなかった。この結果をまとめると図3に示すようになる。
【0053】
用いたジブロックコポリマー(PS−PDMS)のパターン8bの直径は、約13nmである。このため、図3からわかるように、PDMSの膜厚が直径以下の膜厚である2nm、5nm、10nmのサンプルでは、変動係数の値が、マスク補助材6を有さないサンプルの変動係数値よりも小さな値となった。一方、膜厚が20nmのマスク補助材6を挿入したサンプルは、パターンを形成するPDMS8bよりも厚い膜厚のPDMS層6がハードマスク4上にあるため、マスク補助材6であるPDMS層をエッチングする時に、ジブロックコポリマー層8のパターンであるPDMS8bが消滅してしまい、ジブロックコポリマー層8のパターンをハードマスク4に転写することができない。
【0054】
図4にマスク補助材6の膜厚と、パターン転写されるハードマスク4の凹凸との関係を示す。ハードマスク4をマスクに、基板2をエッチングする場合において、ハードマスク4の膜厚は厚い方が好ましい。図4からわかるように、マスク補助材6の膜厚がジブロックコポリマー層8のドット8bの半径を超えた領域から、ハードマスク4の加工される膜厚は急激に減少することがわかる。その結果、ハードマスク4上に形成されるマスク補助材6の膜厚tは、マスクのドット8bの径dに対して0<t<d/2であることが好ましいことがわかる。
【0055】
(実施例3)
次に、実施例3による微細パターンの形成方法について図1(a)乃至図1(e)を参照して説明する。
【0056】
非磁性ガラス基板2上に成膜された膜厚が15nmのカーボンからなるハードマスク4上に、マスク補助材6としてポリアクリルニトリル(PVN)、ポリヒドロスチレン(PHS)、ポリビニルビフェニル(PVB)、PS、PDMSをそれぞれスピンコートにより膜厚5nmで成膜したサンプルを形成した(図1(a)、図1(b))。その後、それぞれのサンプルに対して、実施例1で説明したと同じ条件でジブロックコポリマー層8を成膜し、RIEを用いて、マスク補助材6およびハードマスク4のエッチングを行った(図1(c)乃至図1(e))。ここで、RIEのエッチング時間は、マスク補助材6のエッチング速度に対応させて変化させた。マスク補助材6に用いた層の、酸素によるエッチング速度は、PSのエッチング速度を1とすると、PVN:0.8、PHS:1.0、PVB:0.9、PS:1、PDMS:0.5であった。このとき、カーボンからなるハードマスク4のエッチング速度は0.3であった。
【0057】
上記サンプルのパターンをSEMで測定し、変動係数を測定したところ、PVNで9%、PHSで13%、PVBで12%、PSで13%、PDMSで8%、となることがわかった。
【0058】
また、上記ポリマー、すなわちPVN、PHS、PVB、PS、PDMSを混合して作製したマスク補助材6を用いた場合においても、それぞれ単層で用いた場合と同様に10%程度の変動係数を得ることができた。
【0059】
(実施例4)
次に、実施例4による微細パターンの形成方法について図1(a)乃至図1(e)を参照して説明する。
【0060】
非磁性ガラス基板2上に成膜された膜厚が15nmのカーボンからなるハードマスク4上に、マスク補助材6としてPS、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PDMSをそれぞれスピンコートにより5nmと成膜したサンプルを形成し、これらのサンプルのマスク補助材6上にそれぞれ、ジブロックコポリマー層8としてPS−PMMAを用いて膜厚が30nmになるように成膜し、マスク補助材6およびハードマスク4のエッチングを行い、ハードマスク4にパターンを転写した。
【0061】
PS−PMMAはPMMAの割合が20%程度になるように調合されており、成膜後アニール処理を行うことにより、PMMAが島となる海島構造を得ることができる。作製した各サンプルにおいて、パターン転写後におけるハードマスク4のパターンをSEMで測定し変動係数を測定したところ、マスク補助材6として、PSを用いた場合は15%であり、PMMAを用いた場合は11%、PDMSを用いた場合は18%であった。
【0062】
(実施例5)
次に、実施例5による微細パターンの形成方法について図1(a)乃至図1(e)を参照して説明する。
【0063】
非磁性ガラス基板2上に成膜された膜厚15nmのカーボンからなるハードマスク4上に、マスク補助材6としてPDMSをスピンコートにより5nmと成膜し、実施例1と同じ条件でジブロックコポリマー(PS−PDMS)層8を成膜し、マスク補助材6およびハードマスク4のエッチングを行い、ハードマスク4にパターンを転写した。転写後のハードマスク4のパターンをSEMで測定し、変動係数を測定したところ8%となることがわかった。
【0064】
(実施例6)
次に、実施例6による微細パターンの形成方法について図5(a)乃至図6(c)を参照して説明する。この実施例6の微細パターンの形成方法は、垂直磁気記録方式のパターンドメディアを形成するのに用いられる。
【0065】
まず、図5(a)に示すように、非磁性ガラス基板2上に、膜厚が120nmのCoZrNbからなる軟磁性層、膜厚が20nmの配向制御用下地層、および膜厚が15nmのCoPtからなる強磁性層がこの順序で積層された垂直磁気記録層3をスパッタリング装置を用いて形成する。続いて、々スパッタリング装置を用いて、垂直磁気記録層3上に膜厚が15nmのC(炭素)からなるハードマスク4を形成する。
【0066】
続いて、実施例1と同じ条件で、マスク補助材6、PS−PDMSからなるジブロックコポリマー層8を形成する(図5(b)、5(c))。その後、Oを用いたRIEを行い、ジブロックコポリマー層8に凹凸状構造8a、8bを形成する(図5(e))。
【0067】
次に、図6(a)に示すように、凹凸状構造8a、8bを有するジブロックコポリマー層8をマスクとして、Oを用いたRIEによってハードマスク4をエッチングし、ハードマスク4にパターンを転写する。このとき、転写されたパターンの凹部の底部には、垂直磁気記録層3の上面が露出する。
【0068】
次に、図6(b)に示すように、ハードマスク4に転写されたパターンをマスクとして、凹部の底部に露出した垂直磁気記録層3を、電子サイクロトロン共鳴(ECR)イオンガンを用い、Arガスを利用し、ガス圧が0.04Pa、マイクロ波パワーが600W、加圧電圧が600V、処理時間が20秒にて、パターニングした。
【0069】
その後、酸素流量が20sccm、全圧が0.1Pa、投入コイルRFパワーが200W、プラテンRFパワーが0Wの条件で20秒間、アッシングすることにより垂直磁気記録層3上に残存するハードマスク4を除去し、垂直磁気記録媒体を形成した(図6(c))。
【0070】
パターニングされたCoPtからなる強磁性層のパターンをSEMで測定し、変動係数を測定したところ12%であることがわかった。カーボンからなるハードマスク4でのパターンの変動係数は実施例1からわかるように8%であるが、その後のエッチングにより変動係数が増大していることがわかる。
【0071】
(比較例)
次に、実施例6の比較例として、マスク補助材6を形成する工程を行わず、それ以外の工程は実施例6と同様にして垂直磁気記録媒体を形成した。パターニングされたCoPtからなる強磁性層のパターンをSEMで測定し、変動係数を測定したところ33%であった。
【0072】
したがって、マスク補助材を形成することにより、磁気記録層に転写されるパターンを、形状ラフネスを増加させることなく、転写することができる。
【0073】
(実施例7)
次に、実施例7による微細パターンの形成方法について図7(a)乃至図7(c)を参照して説明する。
【0074】
まず、6インチのSi基板2上にCからなる膜厚が15nmのハードマスク層4を成膜した(図7(a))。
【0075】
次に、実施例1と同じ条件で、マスク補助材6、PS−PDMSからなるジブロック層8を順次形成する(図7(b)、7(c))。続いて、Oを用いたRIEによってジブロック層8に凹凸状構造8a、8bを有するパターンを形成する。
【0076】
次に、凹凸状構造8a、8bをマスクとしてマスク補助材6およびハードマスク4をエッチングし、ハードマスク4にパターンを転写する(図8(a))。このとき、転写されたパターンの凹部の底部にはSi基板2の上面が露出する。
【0077】
次に、転写されたパターンを有するハードマスク4をマスクとして、凹部の底部に露出したSi基板2を、CFガス流量が20sccm、全圧が0.1Pa、投入コイルRFパワーが100W、投入プラテンRFパワーが10Wの条件で45秒、RIEすることによりSi基板2にジブロックコポリマー層8の規則配列構造8a、8bのパターンを転写した(図8(b))。
【0078】
その後、酸素流量が20sccm、全圧が0.1Pa、投入コイルRFパワーが200W、プラテンRFパワーが0Wの条件で20秒、アッシングすることによりSi基板2上に残存するハードマスク4を除去し、パターンが転写されたSi基板2を得た(図8(c))。Si基板2に転写されたパターンをSEMで測定し、変動係数を求めると13%であった。
【0079】
(実施例8)
次に、実施例8による微細パターンの形成方法について図9(a)乃至図9(e)を参照して説明する。
【0080】
非磁性ガラス基板2上にCからなる膜厚30nmの第一のハードマスク4a、Siからなる膜厚3nmの第二のハードマスク4b、Cからなる膜厚5nmの第三のハードマスク4cを、スパッタリング装置を用いて順次成膜し、第一のハードマスク4a、第二のハードマスク4b、第三のハードマスク4cが積層された構造のハードマスク4を形成した(図9(a))。
【0081】
続いて、実施例1と同じ条件で、マスク補助材6、PS−PDMSからなるジブロックコポリマー層8を形成した(図9(b))。その後、ジブロックコポリマー層8のPS8aのエッチングと同時に、マスク補助材6および第三のハードマスク層4cであるカーボンを酸素でエッチングし、カーボンのハードマスク4cの凹凸を作製した(図9(c))。
【0082】
その後、第三のハードマスク層4cをマスクに、第二のハードマスク4bであるSiをエッチングした(図9(d))。具体的には、CFガス流量が20sccm、全圧が0.1Pa、投入コイルRFパワーが50W、プラテンRFパワーが10Wの条件で20秒、RIEすることにより第二のハードマスクであるSiをエッチングした。
【0083】
その後、第二のハードマスク4bであるSiをマスクに、第一のハードマスク4aのカーボンをエッチングした。具体的には、Oガス流量が20sccm、全圧が0.1Pa、投入コイルRFパワーが200W、プラテンRFパワーが10Wの条件で40秒、RIEすることにより第一のハードマスク4aであるCをエッチングし、第三のハードマスク4aにパターンを転写した。その後は、パタンが転写された第三のハードマスクをマスクとして基板2をエッチングし、基板2にパターンを転写した(図示せず)。
【0084】
ハードマスク4を3層構造にすることにより、基板2上に存在する第一のハードマスク4aの膜厚を厚くすることができる。そのため、そのマスクを利用して基板2を加工する際において、マスクの耐性を上げることができる。
【0085】
一方、3層構造のハードマスク4にすることにより、第三のハードマスク4cであるカーボンから第二のハードマスク4bであるシリコンへパターンを転写する際において、サイドエッチングの影響があり、形状のラフネスが増加してしまう。そのため、上記の方法で加工した基板2に転写されたパターンをSEMで測定し、変動係数を求めると15%とやや高い値となった。
【0086】
以上説明したように、本実施形態および各実施例によれば、ジブロックコポリマーで形成される規則配列パターンを、パターンの形状ラフネスを増加させることなく、パターンを転写することができる。このため、高密度記録媒体や高集積化電子部品などの各種製品の実用的な加工方法に提供でき、産業上のメリットが多大である。
【0087】
実施形態は例示であり、発明の範囲はそれらに限定されない。
【符号の説明】
【0088】
2 基板
3 垂直磁気記録層
4 ハードマスク
4a 第一のハードマスク
4b 第二のハードマスク
4c 第三のハードマスク
6 マスク補助材
8 ジブロックコポリマー
8a ポリマー相X(海)
8b ポリマー相Y(島)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にハードマスクを形成する工程と、
前記ハードマスク上にマスク補助材を形成する工程と、
前記マスク補助材上に海島構造を有するジブロックコポリマー層を形成する工程と、
前記ジブロックコポリマー層に前記海島構造の島部が凸部となる凹凸状構造のパターンを形成する工程と、
前記ジブロックコポリマー層に形成されたパターンをマスクとして前記マスク補助材および前記ハードマスクをエッチングし、前記ハードマスクにパターンを転写する工程と、
を備え、
前記マスク補助材はエッチング速度が、前記ハードマスクのエッチング速度より大きく、前記ジブロックコポリマーの海島構造の海の部分のエッチング速度より小さい材料であることを特徴とする微細パターンの形成方法。
【請求項2】
前記ジブロックコポリマー層の前記海島構造を構成する島部の直径をd(nm)とし、前記マスク補助材の膜厚をt(nm)とすると、0<t<dの条件を満たすことを特徴とする請求項1記載の微細パターンの形成方法。
【請求項3】
前記マスク補助材は、ポリビニルナフタレン(PVN)、ポリヒドロスチレン(PHS)、ポリビニルビフェニル(PVB)、ポリスチレン(PS)、ポリジメチルシクロヘキサン(PDMS)のいずれか一つもしくは、それらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1または2記載の微細パターンの形成方法。
【請求項4】
前記ジブロックコポリマー層の前記海島構造を構成する島部の材料と、前記マスク補助材とが同一材料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の微細パターンの形成方法。
【請求項5】
前記ジブロックコポリマー層がポリスチレンとポリジメチルシクロヘキサンとの共重合体であり、前記マスク補助材がポリジメチルシクロヘキサンであることを特徴とする請求項1に記載の微細パターンの形成方法。
【請求項6】
パターンが転写された前記ハードマスクを用いて前記基板をエッチングし、前記基板にパターンを転写する工程を更に備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の微細パターンの形成方法。
【請求項7】
前記ハードマスクが、カーボンを含む第一のハードマスク、シリコンを含む第二のハードマスク、カーボンを含む第三のハードマスクを順次積層した構造であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の微細パターンの形成方法。
【請求項8】
前記基板には強磁性層が形成されており、パターンが転写された前記ハードマスクを用いて前記強磁性層をエッチングし、前記強磁性層にパターンを転写する工程を更に備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の微細パターンの形成方法。
【請求項9】
前記マスク補助材および前記ハードマスクのエッチングは、酸素を用いて行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の微細パターンの形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−64783(P2012−64783A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208122(P2010−208122)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度、経済産業省、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構委託研究「超高密度ナノビット磁気記録技術(グリーンITプロジェクト)産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)」
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】