説明

情報管理装置、コンテンツ取得装置、ユーザ検出プログラムおよびコンテンツ情報取得プログラム

【課題】コンテンツに埋め込む情報量が少ない場合であっても、コンテンツ情報の配信と、コンテンツを再配信したユーザを特定することが可能な情報管理装置を提供する。
【解決手段】情報管理装置30は、ユーザ情報とコンテンツ情報とからハッシュ値を生成し、予め定めたデータ長以下にハッシュ値のデータ長を削減することで埋め込み用の配信情報を生成する配信情報生成手段342と、コンテンツに埋め込まれている配信情報および当該コンテンツの特徴量を含んだコンテンツ情報の要求に対し、当該配信情報および当該特徴量に対応するコンテンツ情報を配信するコンテンツ情報配信手段35と、コンテンツから配信情報を検出するとともに、当該コンテンツからコンテンツ情報に含まれている特徴量を抽出し、当該配信情報および当該特徴量に対応するユーザ情報を出力するユーザ検出手段36と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してコンテンツを配信するコンテンツ配信システムにおける情報管理装置、コンテンツ取得装置、ユーザ検出プログラムおよびコンテンツ情報取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、映像、音声等のコンテンツに、当該コンテンツに関する情報(コンテンツ情報)、例えば、コンテンツの所在、著作権者、サーバへのアップロード時刻等をバインドしておき、コンテンツを利用するユーザが、当該コンテンツ情報を確認しながらコンテンツの編集等を行うといった、コンテンツを二次利用する形態がある。特に、コンテンツにコンテンツ情報をバインドする方法としては、電子透かし技術が有望視されている。この電子透かし技術により、コンテンツの中にコンテンツ情報を埋め込むことで、コンテンツが加工された場合であっても、その情報を取り出すことができるためである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、複数のユーザにコンテンツを配信する形態では、コンテンツが不正に使用されないように、コンテンツの配信者が、コンテンツそのものに、正規のユーザを識別する識別情報を電子透かしにより埋め込む技術が存在する。この技術によれば、コンテンツの配信者が、コンテンツにユーザ固有の識別情報を電子透かしとして埋め込むことで、不正にコンテンツが流通しても、その不正コンテンツから識別情報を検出して、不正に再配信を行ったユーザ(不正ユーザ)を検出することができる(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
このユーザ固有の識別情報を埋め込んだコンテンツの配信において、不正ユーザの検出を妨害する結託攻撃と呼ばれる手法が知られている。この結託攻撃は、同じコンテンツの配信を受けた複数のユーザ(攻撃者)がそれぞれのコンテンツを持ち寄り、編集を行うことで、個々のコンテンツに埋め込まれたユーザ固有の識別情報を改竄するものである。特に、識別情報を埋め込む手法は、複数のコンテンツを比較することで、その差異がある部分に識別情報等が埋め込まれていることが容易に検知されてしまうため、改竄を容易に行うことができる。この結託攻撃されたコンテンツからは、たとえ、識別情報を検出できたとしても、1人のユーザを特定する識別情報ではないため、不正な配信を行ったユーザを特定することができない。
【0005】
このような結託攻撃に対処するため、埋め込み情報に結託耐性符号を用いる方式が知られている。この結託耐性符号は、c人(最大結託攻撃者数)の結託に対して耐性を有する方式としてTardosが開発した方式が有名であり(非特許文献1参照)、現在、この方式の改良が盛んに行われている。例えば、藤津らが、結託する攻撃者が少ないアプリケーションへの対応として、2名の結託攻撃者を想定し、効率的な攻撃者追跡方法を提案している(非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−020600号公報
【特許文献2】特開2002−368985号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】G. Tardos,“Optimal Probabilistic Fingerprint Codes”, Proc. of the 35th Annual ACM Symposium on Theory of Computing, pp.116-125, 2003.
【非特許文献2】藤津他,“2名の結託攻撃に耐性を有する符号の追跡アルゴリズムの改良”, SCIS2007予稿集 , 3B-1 , 2007.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、コンテンツの中に、コンテンツに関する情報(コンテンツ情報)を電子透かしとして埋め込む手法は、埋め込むことができる情報量に上限がある。特に、コンテンツの質、例えば、画質や音質を極力劣化させないためには、コンテンツに埋め込む情報は少ないほどよい。すなわち、コンテンツ情報を電子透かしとして埋め込む手法は、その埋め込む情報量の制限から、すべてのコンテンツ情報を電子透かしとして埋め込むができないという問題がある。
【0009】
一方、コンテンツを不正に再配信する不正ユーザを追跡するための結託耐性符号をコンテンツに埋め込む手法は、結託耐性の強度に応じて結託耐性符号のビット長が変化するため、前記したように、コンテンツに埋め込む情報量の上限を超えて埋め込むことはできない。このため、不正なユーザを特定することができないという問題がある。
さらに、従来の結託耐性符号は、ユーザ固有の識別情報を符号に変換し、コンテンツに埋め込む方式であるため、コンテンツ情報をコンテンツに埋め込むことはできない。
【0010】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザ情報やコンテンツ情報の情報量よりも、コンテンツに埋め込み可能な情報量の方が少ない場合であっても、ユーザが、当該コンテンツのコンテンツ情報を取得することを可能とし、さらに、不正にコンテンツを再配信したユーザを特定することを可能とする情報管理装置、コンテンツ取得装置、ユーザ検出プログラムおよびコンテンツ情報取得プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載の情報管理装置は、コンテンツのユーザおよび当該コンテンツを特定する配信情報を管理する情報管理装置と、配信情報を電子透かしにより埋め込んだコンテンツおよび当該コンテンツに関するコンテンツ情報をコンテンツ取得装置に配信するコンテンツ配信装置と、を備えたコンテンツ配信システムにおける情報管理装置であって、ユーザ情報記憶手段と、コンテンツ情報記憶手段と、配信情報生成手段と、配信情報送信手段と、配信情報記憶手段と、コンテンツ情報配信手段と、電子透かし検出手段と、特徴量抽出手段と、ユーザ特定手段と、を備える構成とした。
【0012】
かかる構成において、情報管理装置は、ユーザ情報記憶手段に、コンテンツの配信対象のユーザを特定する情報であるユーザ情報をユーザごとに予め記憶しておく。このユーザ情報は、コンテンツ配信のサービスを受けるユーザを特定する情報であって、例えば、ユーザ識別子、ユーザが使用する端末を特定する端末識別情報等である。
【0013】
また、情報管理装置は、コンテンツ情報記憶手段に、コンテンツの予め定めた種類の特徴量を少なくとも含んだ当該コンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を予め記憶しておく。このコンテンツ情報は、コンテンツに関する情報であって、映像、音声等の特徴量、あるいは、コンテンツを特定するコンテンツの所在、コンテンツの作成日時、サーバへのアップロード時刻、著作者等である。なお、このコンテンツ情報は、ユーザがコンテンツを二次利用する際に参照される情報である。
【0014】
そして、情報管理装置は、配信情報生成手段によって、ユーザ情報とコンテンツ情報とから、ハッシュ関数によりハッシュ値を生成し、コンテンツに電子透かしとして埋め込むための予め定めたデータ長以下にハッシュ値のデータ長を削減することで配信情報を生成する。このように生成された配信情報は、電子透かしとして埋め込み可能な情報量となる。
【0015】
さらに、情報管理装置は、配信情報送信手段によって、配信情報を、当該配信情報をコンテンツに埋め込むためのコンテンツ配信装置に送信する。これによって、コンテンツは、コンテンツ内に配信情報が埋め込まれて流通することになる。
【0016】
また、情報管理装置は、配信情報記憶手段に、配信情報生成手段で生成した配信情報を、ユーザ情報およびコンテンツ情報に対応付けて記憶する。これによって、データ長(情報量)が削減された配信情報であっても、ユーザ情報およびコンテンツ情報を補間情報として、特定することが可能になる。
【0017】
そして、情報管理装置は、コンテンツ情報配信手段によって、コンテンツに埋め込まれている配信情報、および、当該コンテンツの特徴量を含んだコンテンツ取得装置が生成したコンテンツ情報の要求に対し、当該配信情報および当該特徴量に対応するコンテンツ情報をコンテンツ情報記憶手段から読み出して配信する。このように、配信情報のみでは、コンテンツ情報を特定することができない場合であっても、コンテンツの特徴量によって、コンテンツ情報を特定することができる。
【0018】
また、情報管理装置は、電子透かし検出手段によって、配信情報が埋め込まれたコンテンツから、電子透かしにより配信情報を検出する。さらに、情報管理装置は、特徴量抽出手段によって、コンテンツからコンテンツ情報に含まれている特徴量と、予め定めた同種の特徴量とを抽出する。
そして、情報管理装置は、ユーザ特定手段によって、電子透かし検出手段で検出した配信情報と、特徴量抽出手段で抽出した特徴量とに対応するユーザ情報をユーザ情報記憶手段から読み出して出力する。このように、配信情報のみでは、ユーザ情報、すなわち、ユーザを特定することができない場合であっても、コンテンツの特徴量によって、ユーザを限定することが可能になる。
【0019】
また、請求項2に記載のコンテンツ取得装置は、コンテンツのユーザおよび当該コンテンツを特定する配信情報を管理する請求項1に記載の情報管理装置と、配信情報を電子透かしにより埋め込んだコンテンツおよび当該コンテンツに関するコンテンツ情報を配信するコンテンツ配信装置と、を備えたコンテンツ配信システムにおいて、コンテンツ配信装置からコンテンツおよびコンテンツ情報を取得するコンテンツ取得装置であって、コンテンツ受信手段と、特徴量抽出手段と、電子透かし検出手段と、コンテンツ情報要求手段と、コンテンツ情報受信手段と、検証用配信情報生成手段と、配信情報照合手段と、を備える構成とした。
【0020】
かかる構成において、コンテンツ取得装置は、コンテンツ受信手段によって、配信情報が埋め込まれたコンテンツをコンテンツ配信装置から受信する。そして、コンテンツ取得装置は、特徴量抽出手段によって、コンテンツから、コンテンツ情報に含まれている特徴量と予め定めた同種の特徴量を抽出する。さらに、コンテンツ取得装置は、電子透かし検出手段によって、コンテンツから、電子透かしにより埋め込まれた配信情報を検出する。
【0021】
そして、コンテンツ取得装置は、コンテンツ情報要求手段によって、特徴量抽出手段で抽出した特徴量、および、電子透かし検出手段で検出した配信情報を含んだコンテンツ情報の要求を送信する。このように、情報量が限定された配信情報に、コンテンツの特徴量を付加してコンテンツ情報の要求を行うことで、コンテンツ情報を特定することができる。また、コンテンツ取得装置は、コンテンツ情報受信手段によって、コンテンツ情報の要求に対して、情報管理装置から送信されるコンテンツ情報を受信する。
【0022】
そして、コンテンツ取得装置は、検証用配信情報生成手段によって、コンテンツ情報受信手段で受信したコンテンツ情報と、当該コンテンツ取得装置のユーザを特定するユーザ情報とから、情報管理装置が生成したハッシュ関数と同じである予め定めたハッシュ関数によりハッシュ値を生成し、情報管理装置が生成した配信情報と同じである予め定めたデータ長にハッシュ値のデータ長を削減することで、検証用配信情報を生成する。このように、検証用配信情報生成手段は、情報管理装置において生成される配信情報と同様の手順により検証用配信情報を生成する。
そして、コンテンツ取得装置は、配信情報照合手段によって、検証用配信情報生成手段で生成した検証用配信情報と、電子透かし検出手段で抽出した配信情報とを照合し、一致した場合に、取得したコンテンツ情報が正当な情報であると判定する。
【0023】
さらに、請求項3に記載のユーザ検出プログラムは、コンテンツのユーザおよび当該コンテンツを特定する配信情報を管理する情報管理装置と、配信情報を電子透かしにより埋め込んだコンテンツおよび当該コンテンツに関するコンテンツ情報をコンテンツ取得装置に配信するコンテンツ配信装置と、を備えたコンテンツ配信システムにおいて、配信情報を埋め込んだコンテンツから当該コンテンツのユーザを特定するために、情報管理装置のコンピュータを、ハッシュ値演算手段、情報量削減手段、配信情報送信手段、電子透かし検出手段、特徴量抽出手段、ユーザ特定手段、として機能させる構成とした。
【0024】
かかる構成において、ユーザ検出プログラムは、ハッシュ値演算手段によって、ユーザ情報記憶手段に予め記憶されているコンテンツの配信対象のユーザを特定する情報であるユーザ情報と、コンテンツ情報記憶手段に予め記憶されているコンテンツの予め定めた特徴量を少なくとも含んだ当該コンテンツに関する情報であるコンテンツ情報とから、ハッシュ関数によりハッシュ値を生成する。これによって、ハッシュ値演算手段は、ユーザ情報とコンテンツ情報とから一意の乱数を生成する。
【0025】
そして、ユーザ検出プログラムは、情報量削減手段によって、ハッシュ値のデータ長を、コンテンツに電子透かしとして埋め込むための予め定めたデータ長以下に削減することで、配信情報を生成し、ユーザ情報およびコンテンツ情報に対応付けて配信情報記憶手段に記憶する。これによって、データ長(情報量)が削減された配信情報であっても、ユーザ情報およびコンテンツ情報を補間情報として、特定することが可能になる。
【0026】
さらに、ユーザ検出プログラムは、配信情報送信手段によって、情報量削減手段で生成した配信情報を、コンテンツに埋め込むためのコンテンツ配信装置に送信する。
また、ユーザ検出プログラムは、電子透かし検出手段によって、配信情報が埋め込まれたコンテンツから、電子透かしにより配信情報を検出する。さらに、ユーザ検出プログラムは、特徴量抽出手段によって、コンテンツからコンテンツ情報に含まれている特徴量と、予め定めた同種の特徴量とを抽出する。
そして、ユーザ検出プログラムは、ユーザ特定手段によって、電子透かし検出手段で検出した配信情報と、特徴量抽出手段で抽出した特徴量とに対応するユーザ情報をユーザ情報記憶手段から読み出して出力する。
【0027】
また、請求項4に記載のコンテンツ情報取得プログラムは、コンテンツのユーザおよび当該コンテンツを特定する配信情報を管理する請求項1に記載の情報管理装置と、配信情報を電子透かしにより埋め込んだコンテンツおよび当該コンテンツに関するコンテンツ情報を配信するコンテンツ配信装置と、を備えたコンテンツ配信システムにおいて、コンテンツ配信装置からコンテンツ情報を取得するために、コンテンツ取得装置のコンピュータを、特徴量抽出手段、電子透かし検出手段、コンテンツ情報要求手段、コンテンツ情報受信手段、検証用配信情報生成手段、配信情報照合手段、として機能させる構成とした。
【0028】
かかる構成において、コンテンツ情報取得プログラムは、特徴量抽出手段によって、コンテンツから、コンテンツ情報に含まれている特徴量と、予め定めた同種の特徴量とを抽出する。さらに、コンテンツ情報取得プログラムは、電子透かし検出手段によって、コンテンツから、電子透かしにより埋め込まれた配信情報を検出する。
【0029】
そして、コンテンツ情報取得プログラムは、コンテンツ情報要求手段によって、特徴量抽出手段で抽出した特徴量、および、電子透かし検出手段で検出した配信情報を含んだコンテンツ情報の要求を送信する。また、コンテンツ情報取得プログラムは、コンテンツ情報受信手段によって、コンテンツ情報の要求に対して、情報管理装置から送信されるコンテンツ情報を受信する。
【0030】
そして、コンテンツ情報取得プログラムは、検証用配信情報生成手段によって、コンテンツ情報受信手段で受信したコンテンツ情報と、当該コンテンツ取得装置のユーザを特定するユーザ情報とから、情報管理装置が生成したハッシュ関数と同じである予め定めたハッシュ関数によりハッシュ値を生成し、情報管理装置が生成した配信情報と同じである予め定めたデータ長にハッシュ値のデータ長を削減することで、検証用配信情報を生成する。
そして、コンテンツ情報取得プログラムは、配信情報照合手段によって、検証用配信情報生成手段で生成した検証用配信情報と、電子透かし検出手段で抽出した配信情報とを照合し、一致した場合に、前記コンテンツ情報が正当な情報であると判定する。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、以下に示す優れた効果を奏するものである。
請求項1,3に記載の発明によれば、コンテンツに電子透かしとして埋め込むデータ長(情報量)が限定されている場合であっても、ユーザ情報およびコンテンツ情報を、ハッシュ値を削減した形式の配信情報としてコンテンツに埋め込むことができる。これによって、電子透かしを埋め込むコンテンツの劣化を防止しつつ、ユーザ情報およびコンテンツ情報を埋め込むことができる。
【0032】
また、請求項1,3に記載の発明によれば、データ長(情報量)が制限された配信情報で、ユーザを一意に特定することができない場合であっても、コンテンツの特徴量を用いることで、不正にコンテンツを流通させたユーザを限定して特定することができる。さらに、請求項1に記載の発明によれば、データ長が制限された配信情報であっても、コンテンツの特徴量を用いることで、対応するコンテンツ情報を特定することができ、コンテンツ取得装置において、コンテンツ情報を取得し、二次利用を行うことが可能になる。
【0033】
請求項2、4に記載の発明によれば、検証用の配信情報をコンテンツ取得装置において生成することができるため、コンテンツに埋め込まれている配信情報と比較することで、コンテンツ情報の正当性を検証することができる。これによって、ユーザは、コンテンツに対応する正規のコンテンツ情報を用いて、コンテンツの二次利用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るコンテンツサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るユーザ情報管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係るユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ配信動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムにおける配信情報生成動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ情報配信動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムにおける不正ユーザ検出動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムにおける他の不正ユーザ検出動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
≪コンテンツ配信システムの構成≫
最初に、図1を参照して、本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成について説明する。このコンテンツ配信システム1は、ネットワーク上で、映像、音声等のコンテンツとともに、コンテンツに関する情報(コンテンツ情報)をユーザ側の端末(ユーザ端末40)に配信するシステムである。さらに、コンテンツ配信システム1は、配信されたコンテンツが不正に再配信された場合、その配信を行ったユーザを特定するシステムでもある。
【0036】
ここでは、コンテンツ配信システム1は、コンテンツの配信者(以下、プロバイダという)側に、イントラネット3で接続されたコンテンツサーバ10と、コンテンツ配信サーバ20と、ユーザ情報管理サーバ30と、ゲートウェイ(GW)5とを備え、コンテンツの購入者(以下、ユーザという)側に、ユーザ端末40を備えて構成されている。また、プロバイダ側のゲートウェイ5およびユーザ側のユーザ端末40は、インターネット2に接続されている。以下、コンテンツ配信システム1を構成するそれぞれの装置について概要を説明する。
【0037】
<プロバイダ側の構成概要>
コンテンツサーバ10は、図示を省略した記憶手段に複数の配信用のコンテンツを保持し、コンテンツ配信サーバ20から要求のあったコンテンツをコンテンツ配信サーバ20に送信するものである。
【0038】
コンテンツ配信サーバ(コンテンツ配信装置)20は、ユーザ端末40から要求のあったコンテンツをコンテンツサーバ10から取得し、ユーザ端末40に送信するものである。なお、コンテンツ配信サーバ20は、コンテンツをユーザ端末40に送信する際に、ユーザ情報管理サーバ30から、ユーザ(ユーザ端末40)ごとに異なる埋め込み用の情報(配信情報)を取得し、コンテンツに配信情報を埋め込むことで、配信情報埋め込みコンテンツを生成し、送信する。これによって、コンテンツ配信システム1は、コンテンツが不正に再配信された場合、どのユーザに配信したコンテンツであるのかを探索することが可能になる。
さらに、コンテンツ配信サーバ20は、ユーザ端末40からコンテンツ情報が要求された場合、コンテンツ情報をユーザ情報管理サーバ30から取得し、ユーザ端末40に送信するものでもある。
【0039】
ユーザ情報管理サーバ(情報管理装置)30は、コンテンツに個々のユーザごとに異なる電子透かしとして埋め込む情報(配信情報)や、コンテンツ情報を保持し、管理するものである。このユーザ情報管理サーバ30は、コンテンツ配信サーバ20から要求のあった配信情報や、コンテンツ情報を、コンテンツ配信サーバ20に送信する。
さらに、ユーザ情報管理サーバ30は、不正に再配信されたコンテンツが、どのユーザが配信したのかを特定するものでもある。
【0040】
<ユーザ側の構成概要>
ユーザ側には、ネットワーク(インターネット2)に接続されたユーザ端末40が備えられている。なお、ここでは、1台のユーザ端末40のみを図示しているが、インターネット2を介して、複数のユーザ端末40が接続可能なことは言うまでもない。
【0041】
ユーザ端末(コンテンツ取得装置)40は、ユーザが所望するコンテンツを、プロバイダ側のコンテンツ配信サーバ20に対して要求し、取得することで、コンテンツ再生等の利用を行うものである。なお、ユーザ端末40は、編集、加工等のコンテンツの二次利用を行う場合、ユーザ端末40は、コンテンツ配信サーバ20からコンテンツ情報を取得する。また、ユーザ端末40は、当該コンテンツ情報の正当性の判定を行う機能を有している。
【0042】
以下、プロバイダ側の装置であるコンテンツサーバ10、コンテンツ配信サーバ20およびユーザ情報管理サーバ30と、ユーザ側の装置であるユーザ端末40との各構成について順次説明を行う。
【0043】
<プロバイダ側の構成>
最初に、プロバイダ側の各構成について説明する。
(コンテンツサーバ)
まず、図2を参照して、コンテンツサーバ10の構成について説明する。ここでは、コンテンツサーバ10は、コンテンツ入力手段11と、コンテンツ記憶手段12と、コンテンツ要求受信手段13と、コンテンツ送信手段14と、を備えている。
【0044】
コンテンツ入力手段11は、ユーザに配信するための配信用のコンテンツを入力するものである。ここで入力されたコンテンツは、固有のコンテンツ識別子(例えば、ファイル名等)を付して、コンテンツ記憶手段12に書き込まれ記憶される。このコンテンツ入力手段11は、例えば、図示していない記録媒体からコンテンツを読み出すものであってもよいし、ネットワーク(インターネット等)を介して、通信データとしてコンテンツを取得するものであってもよい。
【0045】
コンテンツ記憶手段12は、コンテンツ入力手段11で入力されたコンテンツを、固有のコンテンツ識別子に対応付けて記憶するものであって、ハードディスク等の一般的な記憶装置である。このコンテンツ記憶手段12に記憶されたコンテンツは、コンテンツ送信手段14によって読み出される。
【0046】
コンテンツ要求受信手段13は、コンテンツ配信サーバ20から送信される、配信用のコンテンツを特定するコンテンツ識別子を含んだコンテンツの要求(コンテンツ要求)を、イントラネット3を介して受信するものである。このコンテンツ要求受信手段13は、コンテンツ要求に含まれるコンテンツ識別子をコンテンツ送信手段14に出力する。
【0047】
コンテンツ送信手段14は、コンテンツ要求受信手段13から出力されるコンテンツ識別子に対応するコンテンツを、コンテンツ記憶手段12から読み出して、要求のあったコンテンツ配信サーバ20に送信するものである。
【0048】
以上説明したようにコンテンツサーバ10を構成することで、コンテンツサーバ10は、コンテンツ配信サーバ20から要求のあったコンテンツを、コンテンツ配信サーバ20に送信することができる。なお、コンテンツサーバ10は、図示を省略したCPUやメモリを搭載した一般的なコンピュータで実現することができる。このとき、コンテンツサーバ10は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるプログラムによって動作する。
【0049】
(コンテンツ配信サーバ)
次に、図3を参照して、コンテンツ配信サーバ20の構成について説明する。ここでは、コンテンツ配信サーバ20は、コンテンツ送受信手段21と、配信情報埋め込み手段22と、コンテンツ情報送受信手段23と、を備えている。
【0050】
コンテンツ送受信手段21は、ユーザ端末40から要求のあったコンテンツをコンテンツサーバ10から取得し、ユーザ端末40に送信するものである。ここでは、コンテンツ送受信手段21は、コンテンツ要求受信手段211と、コンテンツ要求送信手段212と、コンテンツ受信手段213と、コンテンツ送信手段214と、を備えている。
【0051】
コンテンツ要求受信手段211は、ユーザ端末40から送信される、ユーザが所望するコンテンツを示す要求(コンテンツ要求書)を、ネットワーク(インターネット2等)を介して受信するものである。このコンテンツ要求書には、少なくともコンテンツを特定するコンテンツ識別子IDと、どのユーザのどのユーザ端末40からの要求かを示すユーザ識別子IDおよび端末識別情報TID(例えば、IPアドレス等)とが含まれている。このコンテンツ要求受信手段211は、コンテンツ識別子IDをコンテンツ要求送信手段212に出力し、端末識別情報TIDをコンテンツ送信手段214に出力する。さらに、コンテンツ要求受信手段211は、コンテンツに埋め込むための情報(配信情報)を取得するため、ユーザ識別子IDおよびコンテンツ識別子IDを配信情報埋め込み手段22の配信情報要求手段221に出力する。
【0052】
コンテンツ要求送信手段212は、コンテンツ要求受信手段211から出力されるコンテンツ識別子IDを含んだコンテンツの要求(コンテンツ要求)を生成し、その生成したコンテンツ要求を、イントラネット3を介してコンテンツサーバ10に送信するものである。
【0053】
コンテンツ受信手段213は、コンテンツ要求送信手段212から送信されたコンテンツ要求に応じてコンテンツサーバ10から返信されるコンテンツを、イントラネット3を介して受信するものである。このコンテンツ受信手段213は、受信したコンテンツを、配信情報埋め込み手段22の電子透かし埋め込み手段223に出力する。
【0054】
コンテンツ送信手段214は、コンテンツ受信手段213で受信され、配信情報埋め込み手段22の電子透かし埋め込み手段223で配信情報が埋め込まれたコンテンツ(配信情報埋め込みコンテンツ)を、インターネット2を介して端末識別情報TIDで示されるユーザ端末40に送信するものである。
【0055】
配信情報埋め込み手段22は、ユーザ端末40に配信するコンテンツに、ユーザ情報管理サーバ30で管理されているユーザ(ユーザ端末40)ごとに異なる埋め込み用の情報(配信情報)を埋め込むものである。ここでは、配信情報埋め込み手段22は、配信情報要求手段221と、配信情報受信手段222と、電子透かし埋め込み手段223と、を備えている。
【0056】
配信情報要求手段221は、コンテンツ送受信手段21のコンテンツ要求受信手段211から出力されるユーザ識別子IDおよびコンテンツ識別子IDを含んだ配信情報の要求(配信情報要求)を生成し、その生成した配信情報要求を、イントラネット3を介してユーザ情報管理サーバ30に送信するものである。
【0057】
配信情報受信手段222は、配信情報要求手段221から送信された配信情報要求に応じてユーザ情報管理サーバ30から返信される配信情報を、イントラネット3を介して受信するものである。この配信情報受信手段222は、受信した配信情報を電子透かし埋め込み手段223に出力する。
【0058】
電子透かし埋め込み手段223は、コンテンツ受信手段213で受信したコンテンツに、配信情報受信手段222で受信した配信情報を、電子透かしとして埋め込むものである。この電子透かし埋め込み手段223が行う配信情報の埋め込みは、一般的な電子透かし技術を用いればよい。なお、電子透かし埋め込み手段223は、コンテンツの種類、例えば、静止画、動画像、音声、テキスト等のそれぞれの種類に応じて、使用する電子透かしを予め定めておくこととする。この電子透かし埋め込み手段223は、配信情報を埋め込んだコンテンツ(配信情報埋め込みコンテンツ)を、コンテンツ送信手段214に出力する。
【0059】
コンテンツ情報送受信手段23は、ユーザ端末40から要求のあったコンテンツ情報をユーザ情報管理サーバ30から取得し、ユーザ端末40に送信するものである。ここでは、コンテンツ情報送受信手段23は、コンテンツ情報要求受信手段231と、コンテンツ情報要求送信手段232と、コンテンツ情報受信手段233と、コンテンツ情報送信手段234と、を備えている。
【0060】
コンテンツ情報要求受信手段231は、ユーザ端末40から送信される、ユーザが所望するコンテンツに関する情報(コンテンツ情報)を示す要求(コンテンツ情報要求書)を、ネットワーク(インターネット2等)を介して受信するものである。このコンテンツ情報要求書には、どのユーザ端末40からの要求かを示す端末識別情報TID(例えば、IPアドレス等)と、コンテンツに埋め込まれている配信情報Du,cと、コンテンツの特徴量Sとが含まれている。このコンテンツ情報要求受信手段231は、配信情報Du,cおよび特徴量Sをコンテンツ情報要求送信手段232に出力し、端末識別情報TIDをコンテンツ情報送信手段234に出力する。
【0061】
コンテンツ情報要求送信手段232は、コンテンツ情報要求受信手段231から出力される配信情報Du,cおよび特徴量Sを含んだコンテンツ情報の要求(コンテンツ情報要求)を生成し、その生成したコンテンツ情報要求を、イントラネット3を介してユーザ情報管理サーバ30に送信するものである。
【0062】
コンテンツ情報受信手段233は、コンテンツ情報要求送信手段232から送信されたコンテンツ情報要求に応じてユーザ情報管理サーバ30から返信されるコンテンツ情報(またはエラーメッセージ)を、イントラネット3を介して受信するものである。このコンテンツ情報受信手段233は、受信したコンテンツ情報を、コンテンツ情報送信手段234に出力する。
【0063】
コンテンツ情報送信手段234は、コンテンツ情報受信手段233で受信したコンテンツ情報(またはエラーメッセージ)を、インターネット2を介して端末識別情報TIDで示されるユーザ端末40に送信するものである。
【0064】
以上説明したようにコンテンツ配信サーバ20を構成することで、コンテンツ配信サーバ20は、ユーザ固有の情報である配信情報をコンテンツに埋め込んで、当該コンテンツを要求したユーザ端末40に送信することができる。さらに、コンテンツ配信サーバ20は、ユーザ端末40から要求のあったコンテンツ情報を、ユーザ端末40に送信することができる。なお、コンテンツ配信サーバ20は、図示を省略したCPUやメモリを搭載した一般的なコンピュータで実現することができる。このとき、コンテンツ配信サーバ20は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるプログラムによって動作する。
【0065】
(ユーザ情報管理サーバ)
次に、図4を参照して、ユーザ情報管理サーバ30の構成について説明する。ここでは、ユーザ情報管理サーバ30は、ユーザ情報記憶手段31と、コンテンツ情報記憶手段32と、配信情報記憶手段33と、配信情報生成配信手段34と、コンテンツ情報配信手段35と、ユーザ検出手段36と、を備えている。
【0066】
ユーザ情報記憶手段31は、コンテンツ配信システム1(図1参照)においてコンテンツ配信サービスを受けるユーザに関連する情報(ユーザ情報)を記憶するものであって、ハードディスク等の一般的な記憶装置である。このユーザ情報記憶手段31には、ユーザ情報として、ユーザを識別するためのユーザ識別子ID等を記憶しておく。
【0067】
なお、ユーザ情報は、ユーザを特定する情報であれば、特に限定されるものではない。例えば、1つのユーザ端末40に1人のユーザが使用する環境であれば、ユーザ端末40を識別するための端末識別情報TIDでもよい。あるいは、ユーザの氏名、住所、生年月日、あるいはその組み合わせであってもよい。
このユーザ情報記憶手段31に記憶されるユーザ情報(例えば、ユーザ識別子ID、端末識別情報TID)は、図示を省略したキーボード等の入力装置を介して、ユーザ登録等の手続きにおいて登録されるものである。
【0068】
コンテンツ情報記憶手段32は、コンテンツに関連する情報(コンテンツ情報)を予め記憶するものであって、ハードディスク等の一般的な記憶装置である。このコンテンツ情報記憶手段32には、コンテンツ情報として、コンテンツを識別するためのコンテンツ識別子IDと、当該コンテンツに関連する情報とを対応付けて記憶しておく。
【0069】
なお、コンテンツ情報は、コンテンツに関連する情報であれば、特に限定されるものではない。例えば、コンテンツの特徴量、コンテンツの所在(コンテンツサーバ10のIPアドレス等)、コンテンツの作成日時、コンテンツサーバ10へのアップロード時刻、著作者等でもよい。ここで、コンテンツの特徴量は、例えば、コンテンツが画像であればエッジ情報、色情報等、映像であれば動きベクトル等を用いることができる。
【0070】
また、コンテンツ情報は、1つの情報のみではなく、前記した各情報を複数含んだものであってもよい。ここでは、コンテンツ情報記憶手段32には、コンテンツ情報として、コンテンツ識別子IDに、コンテンツの特徴量Sのみが対応付けられているものとする。
【0071】
配信情報記憶手段33は、配信情報生成配信手段34の配信情報生成手段342によって生成される配信情報を記憶するものであって、ハードディスク等の一般的な記憶装置である。なお、ここでは、配信情報記憶手段33は、配信情報以外に、配信情報に対応するユーザ情報およびコンテンツ情報として、ユーザ識別子IDおよび端末識別情報TIDと、コンテンツ識別子IDおよびコンテンツの特徴量Sとを対応付けて記憶しておく。
【0072】
この配信情報記憶手段33に記憶された配信情報は、コンテンツ情報配信手段35が、コンテンツ情報を特定する際、あるいは、ユーザ検出手段36が不正ユーザを特定する際に参照される。なお、配信情報記憶手段33に記憶されている配信情報以外の情報は、ハッシュ値が削減された配信情報のみでは、ユーザやコンテンツ情報を特定することができない場合に、その特定を行う際の補間情報となる。
【0073】
配信情報生成配信手段34は、コンテンツに埋め込むための配信情報を生成し、コンテンツ配信サーバ20に送信するものである。ここでは、配信情報生成配信手段34は、配信情報要求受信手段341と、配信情報生成手段342と、配信情報送信手段343と、を備えている。
【0074】
配信情報要求受信手段341は、コンテンツ配信サーバ20から送信される配信情報要求を、イントラネット3を介して受信するものである。この配信情報要求受信手段341は、受信した配信情報要求に含まれているユーザ識別子IDおよびコンテンツ識別子IDを配信情報生成手段342に出力する。
【0075】
配信情報生成手段342は、ユーザ情報記憶手段31に記憶されているユーザ情報と、コンテンツ情報記憶手段32に記憶されているコンテンツ情報とに基づいて、ユーザに配信するコンテンツに埋め込むための配信情報を生成するものである。ここでは、配信情報生成手段342は、ハッシュ値演算手段342aと、情報量削減手段342bと、を備えている。
【0076】
ハッシュ値演算手段342aは、ユーザ情報とコンテンツ情報とを合成(連結)し、予め定めたハッシュ関数により演算を行い、ハッシュ値を生成するものである。このハッシュ値演算手段342aで生成されたハッシュ値は、情報量削減手段342bに出力される。
【0077】
このハッシュ値演算手段342aは、例えば、ユーザ情報であるユーザ識別子IDおよび当該ユーザ識別子IDに対応してユーザ情報記憶手段31に記憶されている端末識別情報TIDと、コンテンツ情報であるコンテンツ識別子IDおよび当該コンテンツ識別子IDに対応してコンテンツ情報記憶手段32に記憶されている情報(ここでは、コンテンツの特徴量S)とを合成(連結)し、予め定めたハッシュ関数(hash(・))により、以下の(1)式に示すようにハッシュ値Du,c′を計算する。
【0078】
u,c′=hash(ID‖TID‖ID‖S) …(1)式
なお、(1)式中、「‖」は、データの連結を示す。
また、ここでは、ハッシュ値Du,c′を、ユーザ識別子ID、端末識別情報TID、コンテンツ識別子IDおよびコンテンツの特徴量Sを用いて算出したが、ハッシュ値演算手段342aは、ユーザ情報とコンテンツ情報とのそれぞれの一部の情報のみで算出することとしてもよい。例えば、ユーザ情報としてユーザ識別子ID、コンテンツ情報としてコンテンツの特徴量Sを用い、以下の(2)式の演算により、ハッシュ値Du,c′を生成することとしてもよい。
【0079】
u,c′=hash(ID‖S) …(2)式
本実施形態においては、この(2)式によりハッシュ値を生成するものとして説明を行う。
【0080】
情報量削減手段342bは、ハッシュ値演算手段342aで生成されたハッシュ値のデータ長を、コンテンツ配信サーバ20でコンテンツに電子透かしとして埋め込むデータ長(情報量)以下に削減することで、実際にコンテンツに埋め込む配信情報を生成するものである。
すなわち、情報量削減手段342bは、図3で説明した電子透かし埋め込み手段223で電子透かしとして埋め込むデータ長(情報量)がNビットである場合、ハッシュ値Du,c′から、情報量Nのみを抽出して配信情報Du,cを生成する。例えば、情報量削減手段342bは、ハッシュ値Du,c′の先頭ビットからNビット分のデータを抽出することで、配信情報Du,cを生成する。なお、この情報量削減手段342bは、データを部分的に抽出する以外にも、種々の圧縮等によって、情報量を削減することとしてもよい。
【0081】
なお、情報量削減手段342bは、配信情報Du,cと、この配信情報Du,cに対応するユーザ情報(ユーザ識別子ID、端末識別情報TID)と、配信情報Du,cに対応するコンテンツ情報(コンテンツ識別子ID、コンテンツの特徴量S)とを対応付けて、補間情報として配信情報記憶手段33に記憶する。
【0082】
コンテンツ情報配信手段35は、コンテンツに埋め込まれている配信情報、および、当該コンテンツの特徴量を含んだ、コンテンツ配信サーバ20から要求にあったコンテンツ情報の要求に対し、当該配信情報および当該特徴量に対応するコンテンツ情報を、コンテンツ配信サーバ20に送信するものである。ここでは、コンテンツ情報配信手段35は、コンテンツ情報要求受信手段351と、コンテンツ情報送信手段352と、を備えている。
【0083】
コンテンツ情報要求受信手段351は、コンテンツ配信サーバ20から送信されるコンテンツ情報要求を、イントラネット3を介して受信するものである。このコンテンツ情報要求受信手段351は、受信したコンテンツ情報要求に含まれている配信情報Du,cおよび特徴量Sをコンテンツ情報送信手段352に出力する。
【0084】
コンテンツ情報送信手段352は、コンテンツ情報要求を送信してきたコンテンツ配信サーバ20に、コンテンツ情報を送信するものである。ここでは、コンテンツ情報送信手段352は、コンテンツ情報要求受信手段351から出力される配信情報Du,cおよび特徴量Sに対応するコンテンツ識別子IDを配信情報記憶手段33において検索する。そして、コンテンツ情報送信手段352は、検出したコンテンツ識別子IDに対応するコンテンツ情報を、コンテンツ情報記憶手段32から読み出して、イントラネット3を介して、コンテンツ配信サーバ20に送信する。
【0085】
なお、コンテンツ情報送信手段352は、配信情報Du,cおよび特徴量Sに対応するコンテンツ識別子IDあるいはコンテンツ情報が検索できなかった場合は、その旨(エラーメッセージ)をコンテンツ配信サーバ20に送信する。
【0086】
このように、コンテンツ情報配信手段35は、ユーザを特定するための配信情報を含んだコンテンツ情報要求によりコンテンツ情報の要求を受け付けるため、正規のユーザからの要求に対応したコンテンツ情報を送信することができる。また、コンテンツ情報配信手段35は、ハッシュ値が削減された配信情報によっては、コンテンツ情報を特定することができない場合であっても、当該配信情報を補間する補間情報(ここでは、特徴量S)により、コンテンツ情報を特定することができる。
【0087】
ユーザ検出手段36は、不正に流通しているコンテンツから、当該コンテンツを不正に流通させたユーザを検出するものである。ここでは、ユーザ検出手段36は、電子透かし検出手段361と、特徴量抽出手段362と、ユーザ特定手段363と、を備えている。
【0088】
電子透かし検出手段361は、配信情報が電子透かしとして埋め込まれたコンテンツ(配信情報埋め込みコンテンツ)から、配信情報を検出するものである。この電子透かし検出手段361は、不正に流通しているコンテンツを、図示を省略した入力手段を介して、例えば、CD−ROM、DVD等の記録媒体から入力し、検出した配信情報をユーザ特定手段363に出力する。
【0089】
なお、電子透かし検出手段361における電子透かしの検出技術は、一般的な電子透かし技術を用いればよいが、図3のコンテンツ配信サーバ20の電子透かし埋め込み手段223において行った電子透かしの埋め込みに対し、逆処理となる検出手法を用いることとする。
【0090】
特徴量抽出手段362は、入力したコンテンツ(配信情報埋め込みコンテンツ)から特徴量を抽出するものである。この特徴量抽出手段362は、配信情報記憶手段33に記憶されている特徴量Sと同種の特徴量を抽出する。例えば、配信情報記憶手段33に記憶されている特徴量Sが、エッジ情報であれば、特徴量抽出手段362は、エッジ情報を特徴量として抽出する。この特徴量抽出手段362は、抽出した特徴量をユーザ特定手段363に出力する。
【0091】
ユーザ特定手段363は、電子透かし検出手段361で検出された配信情報に対応するユーザ識別子ID(あるいは端末識別情報TID)を配信情報記憶手段33において検索することで、ユーザを特定するものである。このユーザ特定手段363は、配信情報に対応するユーザ(ユーザ識別子ID、端末識別情報TID)が1つであれば、そのデータをユーザの特定結果として出力する。また、配信情報に対応するユーザ(ユーザ識別子ID、端末識別情報TID)が複数存在する場合、ユーザ特定手段363は、特徴量抽出手段362からコンテンツの特徴量を取得し、その複数のユーザからさらに、特徴量に合致するユーザを配信情報記憶手段33において検索する。
【0092】
ここでは、ユーザ特定手段363は、電子透かし検出手段361で検出された配信情報に基づいて、配信情報記憶手段33において、ユーザ(ユーザ端末)を検出し、一意に特定できなかった場合に、特徴量抽出手段362で抽出された特徴量でさらにユーザ(ユーザ端末)の絞込みをかけることとした。しかし、ユーザ特定手段363は、特徴量抽出手段362で抽出された特徴量に基づいて、配信情報記憶手段33において、ユーザ(ユーザ端末)を検出し、一意に特定できなかった場合に、電子透かし検出手段361で検出された配信情報でさらにユーザ(ユーザ端末)の絞込みをかけることとしてもよい。
このように、ユーザ検出手段36は、配信情報で一意に不正なユーザを特定することができない場合であっても、コンテンツの特徴量によって、ユーザを絞込むことができる。
【0093】
以上説明したようにユーザ情報管理サーバ30を構成することで、ユーザ情報管理サーバ30は、電子透かしとして埋め込まれるデータ長(情報量)に制限があって、ユーザごとに異なる配信情報が、コンテンツ情報やユーザを一意に特定できない場合であっても、補間情報(コンテンツの特徴量等)によって特定する確率を高めることができる。なお、ユーザ情報管理サーバ30は、図示を省略したCPUやメモリを搭載した一般的なコンピュータで実現することができる。このとき、ユーザ情報管理サーバ30は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるプログラム(ユーザ検出プログラム等)によって動作する。
【0094】
以上、プロバイダ側の構成について説明したが、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、ここでは、コンテンツサーバ10、コンテンツ配信サーバ20およびユーザ情報管理サーバ30をそれぞれ個別の装置として構成したが、2以上の装置を1つの装置として構成することとしてもよい。
【0095】
<ユーザ側の構成>
(ユーザ端末)
次に、図5を参照して、ユーザ端末40の構成について説明する。ここでは、ユーザ端末40は、ユーザ情報記憶手段41と、コンテンツ・コンテンツ情報記憶手段42と、コンテンツ取得手段43と、コンテンツ情報取得手段44と、を備えている。
【0096】
ユーザ情報記憶手段41は、コンテンツ配信システム1(図1参照)においてコンテンツ配信サービスを受けるユーザ(ユーザ端末40)に関連する情報(ユーザ情報)を記憶するものであって、ハードディスク等の一般的な記憶装置である。
このユーザ情報は、ユーザを特定する情報であって、例えば、プロバイダから当該サービスへの登録時に与えられるユーザ識別子ID、ユーザ端末40を特定する情報である端末識別情報TID(例えば、IPアドレス等)である。
【0097】
コンテンツ・コンテンツ情報記憶手段42は、コンテンツ取得手段43で取得したコンテンツ(配信情報埋め込みコンテンツ)や、コンテンツ情報取得手段44で取得したコンテンツ情報をコンテンツ識別子IDと対応付けて記憶するものであって、ハードディスク等の一般的な記憶装置である。
【0098】
このコンテンツ・コンテンツ情報記憶手段42に記憶されたコンテンツは、図示を省略した表示装置、編集装置等に表示され、ユーザに利用される。また、コンテンツ・コンテンツ情報記憶手段42に記憶されたコンテンツ情報は、図示を編集装置等でユーザがコンテンツを編集等の二次利用をする際に参照される。
【0099】
コンテンツ取得手段43は、ユーザが所望するコンテンツを、プロバイダ側のコンテンツ配信サーバ20から取得するものである。ここでは、コンテンツ取得手段43は、コンテンツ要求手段431と、コンテンツ受信手段432と、を備えている。
【0100】
コンテンツ要求手段431は、ユーザが所望するコンテンツを示す要求(コンテンツ要求書)を、インターネット2を介してプロバイダ側のコンテンツ配信サーバ20に送信するものである。例えば、コンテンツ要求手段431は、図示を省略したキーボード等の入力装置によって、ユーザが所望するコンテンツを特定するコンテンツ識別子(例えばファイル名等)IDを入力されることでコンテンツの要求(コンテンツ要求)を受け付け、コンテンツ識別子IDと、ユーザ識別子IDおよび端末識別情報TIDとを含んだコンテンツ要求書を生成し、コンテンツ配信サーバ20にコンテンツ要求書を送信する。
【0101】
コンテンツ受信手段432は、コンテンツ配信サーバ20から、ユーザが要求したコンテンツ(配信情報埋め込みコンテンツ)を、インターネット2を介して受信するものである。このコンテンツ受信手段432は、受信したコンテンツを、コンテンツ識別子IDと対応付けて、コンテンツ・コンテンツ情報記憶手段42に書き込み、記憶する。
【0102】
コンテンツ情報取得手段44は、コンテンツ受信手段432で受信したコンテンツに関する情報(コンテンツ情報)を、コンテンツ配信サーバ20から取得するものである。このコンテンツ情報取得手段44は、ユーザがコンテンツ情報を取得する際に、図示を省略した入力装置を介して、コンテンツを特定する情報(コンテンツ識別子)を入力されることで動作することとする。なお、コンテンツ情報取得手段44は、コンテンツ受信手段432でコンテンツを受信したタイミングで動作することとしてもよい。
ここでは、コンテンツ情報取得手段44は、特徴量抽出手段441と、電子透かし検出手段442と、コンテンツ情報要求手段443と、コンテンツ情報受信手段444と、検証用配信情報生成手段445と、配信情報照合手段446と、を備えている。
【0103】
特徴量抽出手段441は、コンテンツ受信手段432で受信したコンテンツから特徴量を抽出するものである。ここでは、特徴量抽出手段441は、図示を省略した入力装置を介して、コンテンツを特定する情報(コンテンツ識別子)を入力されることで、コンテンツ情報の要求(コンテンツ情報要求)を受け付け、当該コンテンツ識別子に対応するコンテンツをコンテンツ・コンテンツ情報記憶手段42から読み出し、特徴量を抽出する。この特徴量抽出手段441は、抽出した特徴量をコンテンツ情報要求手段443に出力する。
【0104】
なお、この特徴量抽出手段441は、図4で説明した配信情報記憶手段33に記憶されている特徴量Sと同種の特徴量を抽出することとする。例えば、配信情報記憶手段33に記憶されている特徴量Sが、エッジ情報であれば、特徴量抽出手段441は、エッジ情報を特徴量として抽出する。
【0105】
電子透かし検出手段442は、コンテンツ受信手段432で受信したコンテンツ(配信情報埋め込みコンテンツ)から、電子透かしとして埋め込まれている配信情報を検出するものである。ここでは、電子透かし検出手段442は、図示を省略した入力装置を介して入力されたコンテンツ識別子に対応するコンテンツをコンテンツ・コンテンツ情報記憶手段42から読み出し、配信情報を検出する。この配信情報検出手段422は、検出した配信情報を、コンテンツ情報要求手段443および配信情報照合手段446に出力する。
なお、電子透かし検出手段442における電子透かしの検出は、図3のコンテンツ配信サーバ20の電子透かし埋め込み手段223において行った電子透かしの埋め込みに対し、逆処理となる検出手法を用いることとする。
【0106】
コンテンツ情報要求手段443は、コンテンツ受信手段432で受信したコンテンツに関する情報(コンテンツ情報)の要求(コンテンツ情報要求書)を、インターネット2を介してコンテンツ配信サーバ20に送信するものである。このコンテンツ情報要求手段443は、特徴量抽出手段441で抽出したコンテンツの特徴量Sと、電子透かし検出手段442で検出した配信情報Du,cと、ユーザ情報記憶手段41に記憶されているユーザ端末40の固有の情報である端末識別情報(例えば、IPアドレス等)TIDとを合成(連結)してコンテンツ情報要求書を生成し、コンテンツ配信サーバ20にコンテンツ情報要求書を送信する。
【0107】
コンテンツ情報受信手段444は、コンテンツ配信サーバ20から、インターネット2を介して、コンテンツ情報を受信するものである。このコンテンツ情報受信手段444は、受信したコンテンツ情報をコンテンツ・コンテンツ情報記憶手段42に書き込み、記憶する。さらに、コンテンツ情報受信手段444は、受信したコンテンツ情報を、検証用配信情報生成手段445に出力する。なお、コンテンツ情報受信手段444は、コンテンツ配信サーバ20から、コンテンツ情報が存在しない旨を示すエラーメッセージを受信した場合、図示を省略した表示装置等にその旨を示すエラーメッセージを表示することとする。
【0108】
検証用配信情報生成手段445は、ユーザ情報記憶手段41に記憶されているユーザ情報と、コンテンツ配信サーバ20から取得したコンテンツ情報とから、当該コンテンツの配信情報を再生成するものである。ここでは、検証用配信情報生成手段445は、ハッシュ値演算手段445aと、情報量削減手段445bと、を備えている。
【0109】
ハッシュ値演算手段445aは、ユーザ情報とコンテンツ情報とを合成(連結)し、予め定めたハッシュ関数によりハッシュ値を演算するものである。このハッシュ値演算手段445aで演算されたハッシュ値は、情報量削減手段445bに出力される。なお、ハッシュ値演算手段445aにおいて使用するユーザ情報とコンテンツ情報とは、図4で説明したハッシュ値演算手段342aにおいて使用する情報と同種のものである。具体的には、ハッシュ値演算手段342aが、前記(2)式によりハッシュ値Du,c′を計算した場合、ハッシュ値演算手段445aは、ユーザ情報としてユーザ情報記憶手段41に記憶されているユーザ識別子IDと、コンテンツ情報としてコンテンツ情報受信手段444で受信したコンテンツ情報(ここでは、コンテンツの特徴量S)とを用い、前記(2)式により、ハッシュ値Du,c′を計算する。なお、このハッシュ値を生成するハッシュ関数およびハッシュ関数の引数となるデータの種類は予め定めておくこととする。
【0110】
情報量削減手段445bは、ハッシュ値演算手段445aで演算されたハッシュ値のデータ長を、コンテンツに電子透かしとして埋め込むデータ長(情報量)以下に削減して、検証用の配信情報を生成するものである。
すなわち、情報量削減手段445bは、図4で説明した情報量削減手段342bと同様に、電子透かしとして埋め込む情報量がNビットである場合、ハッシュ値Du,c′から、情報量Nを削減して、配信情報Du,cを生成する。例えば、情報量削減手段445bは、ハッシュ値Du,c′の先頭ビットからNビット分のデータを抽出することで、配信情報Du,cを生成する。この情報量削減手段445bは、生成した配信情報Du,cを配信情報照合手段446に出力する。
【0111】
配信情報照合手段446は、電子透かし検出手段442で検出した配信情報と、検証用配信情報生成手段445で生成した検証用の配信情報とを照合し、取得したコンテンツ情報の正当性を判定するものである。この配信情報照合手段446は、両配信情報が一致した場合、コンテンツ情報受信手段444で受信したコンテンツ情報が正しいコンテンツ情報であると判定し、両配信情報が一致しない場合、コンテンツ情報が正しくないと判定する。このコンテンツ情報が正しいと判定された場合、ユーザは、コンテンツの編集等を行う二次利用時に、当該コンテンツ情報を参照や利用することが可能になる。
【0112】
なお、コンテンツ情報が正しくないと判定された場合、配信情報照合手段446は、コンテンツ・コンテンツ情報記憶手段42に記憶されている当該コンテンツ情報を削除する。また、このとき、配信情報照合手段446は、図示を省略した表示装置等にその旨を示すエラーメッセージを表示することとしてもよい。
【0113】
以上説明したようにユーザ端末40を構成することで、ユーザ端末40は、コンテンツを二次利用する際に、当該コンテンツに対応したコンテンツ情報を利用することができる。また、ユーザ端末40は、取得したコンテンツの正当性を判定することができる。
【0114】
≪コンテンツ配信システムの動作≫
次に、図6〜図10を参照して、本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムの動作について説明する。
【0115】
<コンテンツ配信動作>
最初に、図6および図7を参照して、コンテンツ配信システム1において、コンテンツを配信する動作について説明する。なお、構成については、適宜図1〜図5を参照することとする。
【0116】
まず、ユーザ側において、ユーザ端末40は、コンテンツ取得手段43のコンテンツ要求手段431によって、ユーザ識別子ID、端末識別情報TIDおよびコンテンツ識別子IDを含んだコンテンツ要求書を生成し(ステップS10)、インターネット2を介して、プロバイダ側のコンテンツ配信サーバ20に送信する(ステップS11)。
【0117】
そして、プロバイダ側において、コンテンツ配信サーバ20は、コンテンツ送受信手段21のコンテンツ要求受信手段211によって、ユーザ端末40から送信されたコンテンツ要求書を受信する(ステップS12)。そして、コンテンツ配信サーバ20は、コンテンツ要求送信手段212によって、ステップS11で受信したコンテンツ要求書に含まれているコンテンツ識別子IDを含んだコンテンツの要求(コンテンツ要求)を、イントラネット3を介してコンテンツサーバ10に送信する(ステップS13)。
【0118】
さらに、コンテンツ配信サーバ20は、配信情報埋め込み手段22の配信情報要求手段221によって、ステップS12で受信したコンテンツ要求書に含まれているユーザ識別子IDおよびコンテンツ識別子IDを含んだ配信情報の要求(配信情報要求)を生成し(ステップS14)、イントラネット3を介して、ユーザ情報管理サーバ30に送信する(ステップS15)。
そして、ユーザ情報管理サーバ30は、配信情報生成配信手段34の配信情報要求受信手段341によって、コンテンツ配信サーバ20から送信された配信情報要求を受信する(ステップS16)。
【0119】
そして、ユーザ情報管理サーバ30は、配信情報生成手段342によって、配信情報を生成する(ステップS17)。なお、このステップS17の動作(配信情報生成動作)については、後で、図7を参照して、詳細に説明を行う。そして、ユーザ情報管理サーバ30は、配信情報生成手段342によって、ステップS17で生成した配信情報を配信情報記憶手段33に書き込み、記憶する(ステップS18)。さらに、ユーザ情報管理サーバ30は、配信情報生成手段342によって、その生成した配信情報に対し、補間情報として、ユーザ情報およびコンテンツ情報を対応付ける(ステップS19)。この配信情報記憶手段33に記憶された配信情報と、当該配信情報に対応した補間情報であるユーザ情報およびコンテンツ情報とは、後記するコンテンツ情報配信動作、不正ユーザ検出動作において、参照される情報となる。
その後、ユーザ情報管理サーバ30は、配信情報送信手段343によって、ステップS17で生成した配信情報を、イントラネット3を介してコンテンツ配信サーバ20に送信する(ステップS20)。
【0120】
一方、コンテンツサーバ10は、コンテンツ要求受信手段13によって、コンテンツ配信サーバ20からステップS13で送信されたコンテンツ要求を受信する(ステップS21)。そして、コンテンツサーバ10は、コンテンツ送信手段14によって、コンテンツ要求に含まれているコンテンツ識別子に対応するコンテンツをコンテンツ記憶手段12から読み出し(ステップS22)、イントラネット3を介してコンテンツ配信サーバ20に送信する(ステップS23)。
【0121】
そして、コンテンツ配信サーバ20は、コンテンツ送受信手段21のコンテンツ受信手段213によって、コンテンツサーバ10からコンテンツを受信する(ステップS24)。さらに、コンテンツ配信サーバ20は、配信情報埋め込み手段22の配信情報受信手段222によって、ユーザ情報管理サーバ30から配信情報を受信する(ステップS25)。なお、このステップS24およびS25の動作は、必ずしもこの順番ではなく、コンテンツサーバ10およびユーザ情報管理サーバ30のデータの送出タイミングによっては、前後する場合がある。
【0122】
このステップS24におけるコンテンツの受信と、ステップS25における配信情報の受信とが完了した段階で、コンテンツ配信サーバ20は、配信情報埋め込み手段22の電子透かし埋め込み手段223によって、ステップS24で受信したコンテンツに、ステップS25で受信した配信情報を電子透かしで埋め込むことで、配信情報埋め込みコンテンツを生成する(ステップS26)。
そして、コンテンツ配信サーバ20は、コンテンツ送信手段214によって、ステップS26で生成した配信情報埋め込みコンテンツを、インターネット2を介して、コンテンツを要求したユーザ端末40に送信する(ステップS27)。
【0123】
そして、ユーザ端末40は、コンテンツ受信手段432によって、コンテンツ配信サーバ20から送信されたコンテンツ(配信情報埋め込みコンテンツ)を受信する(ステップS28)。
【0124】
(配信情報生成動作)
次に、図7を参照して、図6のステップS17における配信情報を生成する動作について説明する。なお、構成については、適宜図4を参照することとする。
【0125】
配信情報要求を受信後、ユーザ情報管理サーバ30は、配信情報生成手段342のハッシュ値演算手段342aによって、ユーザ情報記憶手段31に記憶されているユーザ情報を取得し(ステップS30)、コンテンツ情報記憶手段32に記憶されているコンテンツ情報を取得する(ステップS31)。なお、このステップS30およびS31の動作は、その順番を換えてもよい。
【0126】
具体的には、ハッシュ値演算手段342aは、ステップS30において、配信情報要求に含まれているユーザ識別子IDに基づいて、ユーザ情報記憶手段31に記憶されているユーザ情報を検索し、取得する。なお、ハッシュ値演算手段342aは、ユーザ情報として、ユーザ識別子IDのみを用いる場合、ユーザ情報記憶手段31に当該ユーザ識別子IDが登録されていることを前提とする。これによって、ユーザ登録等がなされていないユーザに対する配信情報の生成を防止することができる。
【0127】
また、ハッシュ値演算手段342aは、ステップS31において、配信情報要求に含まれているコンテンツ識別子IDに基づいて、コンテンツ情報記憶手段32に記憶されているコンテンツ情報を検索し、取得する。なお、ハッシュ値演算手段342aは、コンテンツ情報として、コンテンツ識別子IDのみを用いる場合、コンテンツ情報記憶手段32に当該コンテンツ識別子IDが登録されていることを前提とする。ユーザ情報管理サーバ30が管理しているコンテンツ情報を対象とするためである。
【0128】
そして、ユーザ情報管理サーバ30は、ハッシュ値演算手段342aによって、ステップS30で取得したユーザ情報と、ステップS31で取得したコンテンツ情報とを合成(連結)し、予め定めたハッシュ関数により演算を行い、ハッシュ値を生成する(ステップS32)。例えば、ユーザ情報としてコンテンツ識別子ID、コンテンツ情報としてコンテンツの特徴量Sを用いる場合、ハッシュ値演算手段342aは、前記(2)式の演算を行いハッシュ値Du,c′を生成する。
【0129】
その後、ユーザ情報管理サーバ30は、情報量削減手段342bによって、ステップS32で生成したハッシュ値のデータ長を、コンテンツ配信サーバ20でコンテンツに電子透かしとして埋め込むデータ長(情報量)以下に削減することで、実際にコンテンツに埋め込む配信情報を生成する(ステップS33)。例えば、情報量削減手段342bは、コンテンツに電子透かしとして埋め込む情報量がNビットである場合、ステップS32で生成したハッシュ値Du,c′から、情報量Nのみを抽出して配信情報Du,cを生成する。
その後、ユーザ情報管理サーバ30は、図6のステップS18に動作を進める。
【0130】
以上、図6および図7で説明した動作により、ユーザ端末40は、ユーザが所望したコンテンツを取得することができる。また、プロバイダは、ユーザ情報およびコンテンツ情報の一部を配信情報として埋め込んだコンテンツ(配信情報埋め込みコンテンツ)をユーザに配信することができる。
【0131】
<コンテンツ情報配信動作>
次に、図8を参照して、コンテンツ配信システム1において、コンテンツ情報を配信する動作について説明する。なお、構成については、適宜図1、図3〜図5を参照することとする。
【0132】
まず、ユーザ側において、ユーザ端末40は、コンテンツ情報を取得したい対象となるコンテンツを指示されることで、コンテンツ情報取得手段44の特徴量抽出手段441によって、コンテンツ・コンテンツ情報記憶手段42に記憶されている該当するコンテンツの特徴量を抽出する(ステップS40)。さらに、ユーザ端末40は、電子透かし検出手段442によって、そのコンテンツに電子透かしとして埋め込まれている配信情報を検出する(ステップS41)。
【0133】
そして、ユーザ端末40は、コンテンツ情報要求手段443によって、ステップS40で抽出したコンテンツの特徴量Sと、ステップS41で検出した配信情報Du,cと、ユーザ情報記憶手段41に記憶されているユーザ端末40の固有の情報である端末識別情報(例えば、IPアドレス等)TIDとを合成(連結)してコンテンツ情報要求書を生成し(ステップS42)、インターネット2を介して、プロバイダ側のコンテンツ配信サーバ20にコンテンツ情報要求書を送信する(ステップS43)。
【0134】
そして、プロバイダ側において、コンテンツ配信サーバ20は、コンテンツ情報送受信手段23のコンテンツ情報要求受信手段231によって、ユーザ端末40から送信されたコンテンツ情報要求書を受信する(ステップS44)。そして、コンテンツ配信サーバ20は、コンテンツ情報要求送信手段232によって、ステップS44で受信したコンテンツ情報要求書に含まれている配信情報Du,cおよびコンテンツの特徴量Sを含んだコンテンツ情報の要求(コンテンツ情報要求)を生成し(ステップS45)、イントラネット3を介してユーザ情報管理サーバ30に送信する(ステップS46)。
【0135】
一方、ユーザ情報管理サーバ30は、コンテンツ情報配信手段35のコンテンツ情報要求受信手段351によって、コンテンツ配信サーバ20から送信されたコンテンツ情報要求を受信する(ステップS47)。そして、ユーザ情報管理サーバ30は、コンテンツ情報送信手段352によって、コンテンツ情報要求に含まれている配信情報Du,cおよびコンテンツの特徴量Sに対応するコンテンツ識別子IDを配信情報記憶手段33において検索し、そのコンテンツ識別子IDに対応するコンテンツ情報をコンテンツ情報記憶手段32において検索する(ステップS48)。
【0136】
ここで、コンテンツ情報の検索に成功した場合(ステップS49で「Yes」)、ユーザ情報管理サーバ30は、コンテンツ情報送信手段352によって、ステップS48で検索したコンテンツ情報を、イントラネット3を介して、コンテンツ配信サーバ20に送信する(ステップS50)。
【0137】
一方、コンテンツ情報の検索に失敗した場合(ステップS49で「No」)、ユーザ情報管理サーバ30は、コンテンツ情報送信手段352によって、コンテンツ情報が存在しない旨のエラーメッセージを、イントラネット3を介して、コンテンツ配信サーバ20に送信する(ステップS51)。
【0138】
そして、コンテンツ配信サーバ20は、コンテンツ情報送受信手段23のコンテンツ情報受信手段233によって、ユーザ情報管理サーバ30から送信されたコンテンツ情報またはエラーメッセージを受信する(ステップS52)。その後、コンテンツ配信サーバ20は、コンテンツ情報送信手段234によって、ステップS52で受信したコンテンツ情報またはエラーメッセージを、インターネット2を介して、コンテンツ情報を要求したユーザ端末40に送信する(ステップS53)。
【0139】
そして、ユーザ端末40は、コンテンツ情報受信手段444によって、コンテンツ配信サーバ20からコンテンツ情報またはエラーメッセージを受信する(ステップS54)。なお、ここでは、受信したコンテンツ情報をコンテンツ・コンテンツ情報記憶手段42に書き込み、記憶しておくこととする。
このステップS54で、エラーメッセージを受信した場合(ステップS55で「No」)、ユーザ端末40は、コンテンツ情報受信手段444によって、図示を省略した表示装置等にその旨を示すエラーメッセージを表示し、動作を終了する。
【0140】
一方、ステップS54で、コンテンツ情報を受信した場合(ステップS55で「Yes」)、ユーザ端末40は、検証用配信情報生成手段445によって、配信情報を検証するための検証用配信情報を生成する(ステップS56)。
なお、このステップS56における検証用配信情報の生成は、図7で説明した配信情報の生成と同様の手順で行う。すなわち、ユーザ端末40は、検証用配信情報生成手段445のハッシュ値演算手段445aによって、ユーザ情報記憶手段41に記憶されているユーザ情報(ここでは、ユーザ識別子ID)を取得し、ステップS54で受信したコンテンツ情報から特徴量Sを取得する。そして、ユーザ端末40は、ハッシュ値演算手段445aによって、ユーザ情報(ユーザ識別子ID)と、コンテンツ情報(特徴量S)とを合成(連結)し、予め定めたハッシュ関数により演算を行い、ハッシュ値を生成する。その後、ユーザ端末40は、情報量削減手段445bによって、ハッシュ値のデータ長を電子透かしとして埋め込むデータ長(情報量)以下に削減することで、検証用配信情報を生成する。
【0141】
そして、ユーザ端末40は、配信情報照合手段446によって、ステップS41で検出した配信情報と、ステップS56で生成した検証用配信情報とを比較、照合する(ステップS57)。ここで、照合結果として、両配信情報が一致した場合(ステップS57で「一致」)、コンテンツ・コンテンツ情報記憶手段42に記憶されたコンテンツ情報は、そのまま保持され、ユーザによって、コンテンツの二次利用の際に使用される(ステップS59)。一方、両配信情報が不一致の場合(ステップS58で「不一致」)、配信情報照合手段446は、図示を省略した表示装置等にその旨を示すエラーメッセージを表示し、コンテンツ・コンテンツ情報記憶手段42に記憶したコンテンツ情報を削除する(動作として図示せず)。
【0142】
以上の動作により、ユーザ端末40は、コンテンツに対応するコンテンツ情報を取得することができる。さらに、ユーザ端末40は、取得したコンテンツ情報の正当性を検証することができる。
【0143】
<不正ユーザ検出動作>
次に、図9を参照して、コンテンツ配信システム1において、コンテンツを不正に流通させたユーザを検出する動作について説明する。なお、構成については、適宜図4を参照することとする。
【0144】
まず、ユーザ情報管理サーバ30は、ユーザ検出手段36において、図示を省略した入力手段により、不正に流通しているコンテンツ(配信情報埋め込みコンテンツ)を入力する(ステップS60)。
そして、ユーザ情報管理サーバ30は、電子透かし検出手段361によって、ステップS60で入力された配信情報埋め込みコンテンツから、電子透かしにより埋め込まれた配信情報を検出する(ステップS61)。そして、ユーザ情報管理サーバ30は、ユーザ特定手段363によって、配信情報記憶手段33に記憶されている配信情報の中から、ステップS61で検出した配信情報と一致する配信情報を検索する(ステップS62)。
【0145】
ここで検索した配信情報が1件であった場合(ステップS63で「Yes」)、ユーザ特定手段363は、ステップS63で検索した配信情報に対応するユーザを、不正にコンテンツを配信したユーザとして特定し、当該配信情報に対応するユーザ識別子IDを、図示を省略した表示装置等に出力する(ステップS64)。
【0146】
一方、ステップS62で検索した配信情報が複数あった場合(ステップS63で「No」)、ユーザ情報管理サーバ30は、特徴量抽出手段362によって、ステップS60で入力したコンテンツの特徴量を抽出する(ステップS65)。そして、ユーザ情報管理サーバ30は、さらに、ステップS62で検索した複数の配信情報の中で、配信情報記憶手段33に対応して記憶されている特徴量が、ステップS65で抽出した特徴量と一致する配信情報を検索する(ステップS66)。
【0147】
ここで検索した配信情報が1件であった場合(ステップS67で「Yes」)、ユーザ特定手段363は、ステップS66で検索した配信情報に対応するユーザを、不正にコンテンツを配信したユーザとして特定し、当該配信情報に対応するユーザ識別子IDを、図示を省略した表示装置等に出力する(ステップS68)。
【0148】
一方、ステップS66における絞込み検索においても複数の配信情報が該当する場合(ステップS67で「No」)、ユーザ特定手段363は、ステップS66で検索した複数の配信情報に対応する複数のユーザ識別子IDを、図示を省略した表示装置等に出力する(ステップS69)。
【0149】
以上の動作により、ユーザ情報管理サーバ30は、不正に流通したコンテンツから、当該コンテンツを流通させたユーザを特定することができる。また、ユーザ情報管理サーバ30は、埋め込み量が限定された配信情報によっては、1人のユーザを特定することができない場合であっても、特徴量によって、ユーザを絞り込むことができ、不正ユーザを特定する確率を高めることができる。
【0150】
なお、ここでは、ユーザ情報管理サーバ30は、コンテンツに埋め込まれている配信情報により不正なユーザを特定し、1人のユーザを特定することができなかった場合には、さらに、コンテンツの特徴量によりユーザを絞り込んで特定することとした。しかし、ユーザ情報管理サーバ30は、先に流通しているコンテンツの特徴量によりユーザを特定し、1人のユーザを特定することができなかった場合に、コンテンツに埋め込まれている配信情報によりユーザを絞り込んで特定することとしてもよい。
【0151】
すなわち、ユーザ情報管理サーバ30は、図10に示したように動作することとしてもよい。なお、この図10に示したフローチャートでは、図9に示したステップS65,S66の動作を、ステップS61B,S62Bにおいて動作させ、図9に示したステップS61,S62の動作を、ステップS65B,S66Bにおいて動作させている。その他の動作については、図9で説明した動作と同一であるため、説明を省略する。
【符号の説明】
【0152】
1 コンテンツ配信システム
10 コンテンツサーバ
11 コンテンツ入力手段
12 コンテンツ記憶手段
13 コンテンツ要求受信手段
14 コンテンツ送信手段
20 コンテンツ配信サーバ(コンテンツ配信装置)
21 コンテンツ送受信手段
211 コンテンツ要求受信手段
212 コンテンツ要求送信手段
213 コンテンツ受信手段
214 コンテンツ送信手段
22 配信情報埋め込み手段
221 配信情報要求手段
222 配信情報受信手段
223 電子透かし埋め込み手段
23 コンテンツ情報送受信手段
231 コンテンツ情報要求受信手段
232 コンテンツ情報要求送信手段
233 コンテンツ情報受信手段
234 コンテンツ情報送信手段
30 ユーザ情報管理サーバ(情報管理装置)
31 ユーザ情報記憶手段
32 コンテンツ情報記憶手段
33 配信情報記憶手段
34 配信情報生成配信手段
341 配信情報要求受信手段
342 配信情報生成手段
342a ハッシュ値演算手段
342b 情報量削減手段
343 配信情報送信手段
35 コンテンツ情報配信手段
351 コンテンツ情報要求受信手段
352 コンテンツ情報送信手段
36 ユーザ検出手段
361 電子透かし検出手段
362 特徴量抽出手段
363 ユーザ特定手段
40 ユーザ端末(コンテンツ取得装置)
41 ユーザ情報記憶手段
42 コンテンツ・コンテンツ情報記憶手段
43 コンテンツ取得手段
431 コンテンツ要求手段
432 コンテンツ受信手段
44 コンテンツ情報取得手段
441 特徴量抽出手段
442 電子透かし検出手段
443 コンテンツ情報要求手段
444 コンテンツ情報受信手段
445 検証用配信情報生成手段
445a ハッシュ値演算手段
445b 情報量削減手段
446 配信情報照合手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツのユーザおよび当該コンテンツを特定する配信情報を管理する情報管理装置と、前記配信情報を電子透かしにより埋め込んだコンテンツおよび当該コンテンツに関するコンテンツ情報をコンテンツ取得装置に配信するコンテンツ配信装置と、を備えたコンテンツ配信システムにおける前記情報管理装置であって、
前記コンテンツの配信対象のユーザを特定する情報であるユーザ情報を前記ユーザごとに予め記憶するユーザ情報記憶手段と、
前記コンテンツの予め定めた特徴量を少なくとも含んだ当該コンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を予め記憶するコンテンツ情報記憶手段と、
前記ユーザ情報と前記コンテンツ情報とから、ハッシュ関数によりハッシュ値を生成し、前記コンテンツに電子透かしとして埋め込むための予め定めたデータ長以下に前記ハッシュ値のデータ長を削減することで、前記配信情報を生成する配信情報生成手段と、
この配信情報生成手段で生成した配信情報を、当該配信情報を前記コンテンツに埋め込むための前記コンテンツ配信装置に送信する配信情報送信手段と、
前記配信情報生成手段で生成した配信情報を、前記ユーザ情報および前記コンテンツ情報に対応付けて記憶する配信情報記憶手段と、
前記コンテンツに埋め込まれている配信情報、および、当該コンテンツの特徴量を含んだ前記コンテンツ取得装置が生成したコンテンツ情報の要求に対し、当該配信情報および当該特徴量に対応するコンテンツ情報を前記コンテンツ情報記憶手段から読み出して配信するコンテンツ情報配信手段と、
前記配信情報が埋め込まれたコンテンツから、電子透かしにより前記配信情報を検出する電子透かし検出手段と、
前記コンテンツから前記コンテンツ情報に含まれている特徴量と、予め定めた同種の特徴量とを抽出する特徴量抽出手段と、
前記電子透かし検出手段で検出した配信情報と、前記特徴量抽出手段で抽出した特徴量とに対応するユーザ情報を前記ユーザ情報記憶手段から読み出して出力するユーザ特定手段と、
を備えることを特徴とする情報管理装置。
【請求項2】
コンテンツのユーザおよび当該コンテンツを特定する配信情報を管理する請求項1に記載の情報管理装置と、前記配信情報を電子透かしにより埋め込んだコンテンツおよび当該コンテンツに関するコンテンツ情報を配信するコンテンツ配信装置と、を備えたコンテンツ配信システムにおいて、前記コンテンツ配信装置から前記コンテンツおよび前記コンテンツ情報を取得するコンテンツ取得装置であって、
前記配信情報が埋め込まれたコンテンツを前記コンテンツ配信装置から受信するコンテンツ受信手段と、
このコンテンツ受信手段で受信したコンテンツから、前記コンテンツ情報に含まれている特徴量と予め定めた同種の特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記コンテンツ受信手段で受信したコンテンツから、電子透かしにより埋め込まれた前記配信情報を検出する電子透かし検出手段と、
前記特徴量抽出手段で抽出した特徴量、および、前記電子透かし検出手段で検出した配信情報を含んだコンテンツ情報の要求を送信するコンテンツ情報要求手段と、
このコンテンツ情報要求手段で送信したコンテンツ情報の要求に対して、前記情報管理装置から送信されるコンテンツ情報を受信するコンテンツ情報受信手段と、
このコンテンツ情報受信手段で受信したコンテンツ情報と、当該コンテンツ取得装置のユーザを特定するユーザ情報とから、前記情報管理装置が生成したハッシュ関数と同じである予め定めたハッシュ関数によりハッシュ値を生成し、前記情報管理装置が生成した配信情報と同じである予め定めたデータ長に前記ハッシュ値のデータ長を削減することで、検証用配信情報を生成する検証用配信情報生成手段と、
この検証用配信情報生成手段で生成した検証用配信情報と、前記電子透かし検出手段で抽出した配信情報とを照合し、一致した場合に、前記コンテンツ情報が正当な情報であると判定する配信情報照合手段と、
を備えることを特徴とするコンテンツ取得装置。
【請求項3】
コンテンツのユーザおよび当該コンテンツを特定する配信情報を管理する情報管理装置と、前記配信情報を電子透かしにより埋め込んだコンテンツおよび当該コンテンツに関するコンテンツ情報をコンテンツ取得装置に配信するコンテンツ配信装置と、を備えたコンテンツ配信システムにおいて、前記配信情報を埋め込んだコンテンツから当該コンテンツのユーザを特定するために、前記情報管理装置のコンピュータを、
ユーザ情報記憶手段に予め記憶されている前記コンテンツの配信対象のユーザを特定する情報であるユーザ情報と、コンテンツ情報記憶手段に予め記憶されている前記コンテンツの予め定めた特徴量を少なくとも含んだ当該コンテンツに関する情報であるコンテンツ情報とから、ハッシュ関数によりハッシュ値を生成するハッシュ値演算手段、
このハッシュ値演算手段で生成したハッシュ値のデータ長を、前記コンテンツに電子透かしとして埋め込むための予め定めたデータ長以下に削減することで、前記配信情報を生成し、前記ユーザ情報および前記コンテンツ情報に対応付けて配信情報記憶手段に記憶する情報量削減手段、
この情報量削減手段で生成した配信情報を、前記コンテンツに埋め込むための前記コンテンツ配信装置に送信する配信情報送信手段、
前記配信情報が埋め込まれたコンテンツから、電子透かしにより前記配信情報を検出する電子透かし検出手段、
前記コンテンツから前記コンテンツ情報に含まれている特徴量と、予め定めた同種の特徴量とを抽出する特徴量抽出手段、
前記電子透かし検出手段で検出した配信情報と、前記特徴量抽出手段で抽出した特徴量とに対応するユーザ情報を前記ユーザ情報記憶手段から読み出して出力するユーザ特定手段、
として機能させることを特徴とするユーザ検出プログラム。
【請求項4】
コンテンツのユーザおよび当該コンテンツを特定する配信情報を管理する請求項1に記載の情報管理装置と、前記配信情報を電子透かしにより埋め込んだコンテンツおよび当該コンテンツに関するコンテンツ情報を配信するコンテンツ配信装置と、を備えたコンテンツ配信システムにおいて、前記コンテンツ配信装置から前記コンテンツ情報を取得するために、コンテンツ取得装置のコンピュータを、
予め受信したコンテンツから、前記コンテンツ情報に含まれている特徴量と、予め定めた同種の特徴量とを抽出する特徴量抽出手段、
前記コンテンツから、電子透かしにより埋め込まれた前記配信情報を検出する電子透かし検出手段、
前記前記特徴量抽出手段で抽出した特徴量、および、前記電子透かし検出手段で検出した配信情報を含んだコンテンツ情報の要求を送信するコンテンツ情報要求手段、
このコンテンツ情報要求手段で送信したコンテンツ情報の要求に対して、前記情報管理装置から送信されるコンテンツ情報を受信するコンテンツ情報受信手段、
このコンテンツ情報受信手段で受信したコンテンツ情報と、当該コンテンツ取得装置のユーザを特定するユーザ情報とから、前記情報管理装置が生成したハッシュ関数と同じである予め定めたハッシュ関数によりハッシュ値を生成し、前記情報管理装置が生成した配信情報と同じである予め定めたデータ長に前記ハッシュ値のデータ長を削減することで、検証用配信情報を生成する検証用配信情報生成手段、
この検証用配信情報生成手段で生成した検証用配信情報と、前記電子透かし検出手段で抽出した配信情報とを照合し、一致した場合に、前記コンテンツ情報が正当な情報であると判定する配信情報照合手段、
として機能させることを特徴とするコンテンツ情報取得プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−200215(P2010−200215A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45299(P2009−45299)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】