説明

情報表示装置および表示制御方法

【課題】画面に表示される情報量の増減の切り替えを可能にすること。画面に表示される
情報の種類の取捨選択を可能にすること。
【解決手段】記憶手段5に、表示情報量の多い最大表示レベル、表示情報量の少ない最小
表示レベル、それらの間の中間表示レベルのそれぞれに対して、表示情報群のそれぞれの
「表示」または「非表示」を定めた表示制御テーブル51を格納する。表示制御テーブル
51の各表示情報群の「表示/非表示」の設定は、ユーザが入力手段1を操作することに
よって、変更可能である。また、画像表示手段3に表示される画像の表示レベルも、ユー
ザが入力手段1を操作することによって、変更可能である。制御手段6は、表示制御テー
ブル51および表示レベルの設定値に基づいて、画像表示手段3に画像を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置の画面に地図情報と現在位置情報を表示する情報表示装置および表示制御方法に関する。ただし、本発明の利用は前述の情報表示装置および表示制御方法に限らない。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば自動車、航空機、船舶などの各種の移動体のための測位装置として、
いわゆる自立型のナビゲーション装置がある。この自立型ナビゲーション装置は、方位セ
ンサからの方位データと、速度センサからの速度データに基づいて、移動体の二次元的変
位(ベクトル量)を求める。そして、この二次元的変位を基準点に積算することにより、
現在位置を求める。
【0003】
すなわち、例えば自動車の場合では、基準点から現在位置までに、ドライブシャフトの
回転により発生した総パルス数から距離を算出する。その算出された距離に距離補正係数
を乗じることにより、走行距離が求められる。ドライブシャフトが1回転する間に発生す
るパルス数は、予め設定されている。
【0004】
また、人工衛星(GPS衛星)を利用した測位装置として、GPS(Global P
ositioning System)型ナビゲーション装置がある。このGPS型ナビ
ゲーション装置は、通常3個以上のGPS衛星から電波を受信する。そして、各GPS衛
星と受信点との間の受信機の時刻オフセットを含んだ疑似距離データと、各GPS衛星の
位置データに基づいて、受信点の現在位置を算出する。GPS型ナビゲーション装置の画
像表示装置には、算出された現在位置が含まれる地図データと現在位置の情報が表示され
る。
【0005】
ユーザである自動車ドライバなどは、画面に表示された画像により、自己の現在位置を
地図と関連して把握することができる。地形図などの地図データ、並びに道路や交差点の
名称、道路幅および目印となるランドマークなどの案内情報のデータは、CD−ROM(
コンパクト・ディスク−リード・オンリ・メモリ)、DVD−ROM(デジタル・バーサ
ティル・ディスク−リード・オンリ・メモリ)またはハード・ディスクなどのデータ記録
媒体や、通信を介してネットワークにより提供される。また、地図情報と一緒に、通信を
介してネットワークから提供された渋滞情報や天気情報などを表示する機能を有するナビ
ゲーション装置もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のナビゲーション装置の場合、上述した地図情報および種々のナビ
ゲーション情報が同時に画面に表示される。近時のように、ナビゲーション情報が多様化
すると、画面に表示される情報量が多くなり過ぎて、繁雑で見難い。また、ユーザが、画
面に表示される情報の種類を取捨選択することができないため、不要な情報まで表示され
ることがある。本発明が解決しようとする課題としては、表示される情報量が多過ぎて見
難いという問題と、表示される情報の種類を取捨選択することができないという問題がそ
れぞれ一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の情報表示装置は、それぞれが1以上の情報を含む複数の表示情報群を記憶する記憶手段と、2以上の表示レベルのそれぞれに対して前記表示情報群のそれぞれの表示または非表示を定めることにより、画面に表示される情報の情報量を当該表示レベルに応じて調整する表示制御手段と、前記2以上の表示レベルのいずれかを選択するために操作指令を入力する入力手段と、を備え、前記表示制御手段は、入力された操作指令により選択された一の表示レベルに応じた情報量を調整する際に、当該一の表示レベルが選択される直前に前記画面に表示されていた他の表示レベルに対しての幾つかの情報を非表示にする、または当該情報に幾つかの他の情報を追加表示することにより前記情報量の増減を調整することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の表示制御方法は、それぞれが1以上の情報を含む複数の表示情報群を記憶する記憶手段から当該情報を読み出して画面に表示するとともに、2以上の表示レベルのそれぞれに対して前記表示情報群のそれぞれの表示または非表示を定めることにより、画面に表示される情報の情報量を当該表示レベルに応じて調整する表示制御方法であって、前記2以上の表示レベルのいずれかを選択するために操作指令を入力する入力工程と、前記入力された操作指令により選択された一の表示レベルに応じた情報量を調整する際に、当該一の表示レベルが選択される直前に前記画面に表示されていた他の表示レベルに対しての幾つかの情報を非表示にする、または当該情報に幾つかの他の情報を追加表示することにより前記情報量の増減を調整する表示制御工程、とを含むことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報表示装置および表示制御方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、実施の形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、ナビゲーション装置は、入力手段1、測位手段2、画像表示手段3、情報提供手段4、記憶手段5および制御手段6を有する。
【0010】
入力手段1は、外部から操作指令を入力する際に使用される装置である。測位手段2は
、現在位置を測定し現在位置情報として出力する。画像表示手段3は、現在位置を含む種
々の地図情報、現在位置の情報および種々の案内情報を画像表示する。情報提供手段4は
、複数の表示情報群を提供する。各表示情報群は、1以上の情報を含む。記憶手段5は、
2以上の表示レベルのそれぞれに対して表示情報群のそれぞれの「表示」または「非表示
」を定めた表示制御テーブル51を記憶する。
【0011】
例えば、表示レベルが高いほど、画像表示手段3に表示される情報量が多くなる。最大
表示レベルでは、情報提供手段4により提供されたすべての表示情報群が表示される。最
小表示レベルでは、案内経路上の道路およびその近辺の道路を含む道路情報と、目印とな
る案内情報のみが表示される。中間表示レベルで表示される情報量は、最大表示レベルよ
りも少なく、かつ最小表示レベルよりも多い。制御手段6は、ナビゲーション装置全体の
制御を行う。制御手段6は、測位手段2および情報提供手段4よりそれぞれ提供された現
在位置情報および種々の地図情報や案内情報を画像表示手段3に表示させる。
【0012】
制御手段6は、表示レベルが変更される際には、表示レベルの変更が決定される前に、
画像表示手段3に表示されている表示レベル変更前の画像を徐々に消すとともに、画像表
示手段3に表示レベル変更後の画像を徐々に表示させる。それによって、ユーザは、表示
レベルの変更後の表示画像を確認しながら、表示レベルの切り替えを行うことができる。
また、表示レベル変更前の表示画像が徐々に消えていく(フェードアウト)とともに、表
示レベル変更後の画像が徐々に表示される(フェードイン)ので、ユーザは、画像表示手
段3に表示される情報量を無段階に増減させるような操作感が得られる。また、ユーザは
、画面に表示される画像が切り替わらずに、同一の画像が表示された状態で情報量の増減
を調整するような感覚で、操作することができる。
【0013】
また、ナビゲーション装置は、入力手段1に入力された外部からの操作指令により、表
示制御テーブル51の任意の表示情報群の「表示」を「非表示」に切り替え、または「非
表示」を「表示」に切り替えることができる。制御手段6は、表示制御テーブル51の「
表示/非表示」の設定が変更される際には、設定変更が決定される前に、画像表示手段3
に表示されている設定変更前の画像を徐々に消すとともに、画像表示手段3に設定変更後
の画像を徐々に表示させる。それによって、ユーザは、「表示/非表示」の設定変更後の
表示画像を確認しながら、「表示/非表示」の設定の切り替えを行うことができる。また
、ユーザは、画面に表示される画像が切り替わらずに、同一の画像が表示された状態で特
定の情報の「表示/非表示」を切り替えるような感覚で、操作することができる。
【0014】
入力手段1の操作により表示レベルを変更する指令が入力されると、制御手段6は、表
示レベル変更前の表示画像を徐々に消す(フェードアウト)。また、制御手段6は、記憶
手段5から表示制御テーブル51を読み出す。そして、制御手段6は、情報提供手段4か
ら提供された複数の表示情報群のうち、表示制御テーブル51の、当該変更指令により選
択された表示レベルにおいて「表示」に指定された情報を画像表示手段3にプレビュー表
示画像として徐々に表示させる(フェードイン)。その際、制御手段6は、表示制御テー
ブル51の、当該変更指令により選択された表示レベルにおいて「非表示」に指定された
情報については、画像表示手段3への表示を禁止する。
【0015】
ユーザがプレビュー表示画面を見て、表示レベルを変更すると決めると、制御手段6は
、それを反映して、以後の表示レベルを変更後のレベルとする。一方、ユーザが表示レベ
ルを変更しないと決めると、制御手段6は、表示レベルの変更指令が入力される前の画像
に戻す。
【0016】
実施の形態によれば、画面に表示される情報量が多くて見難い場合、画面に表示される
情報量がより少ない表示レベルに変更することができる。ユーザが表示レベルをより情報
量の少ないレベルに変更することによって、見やすい画像が表示される。従って、ユーザ
は、表示画像を容易に読み取ることができる。また、ユーザが好みに応じて画面に表示さ
れる情報を取捨選択することができるので、種々の表示レベルにおいてユーザの好みの画
像を表示させることができる。
【実施例】
【0017】
次に、車載用のナビゲーション装置に適用した具体例について説明する。図2は、実施
例のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、この車載用
ナビゲーション装置100は、地磁気センサ21、角速度センサ22、走行距離センサ2
3、GPSレシーバ24、システムコントローラ61、入力装置11、DVD−ROMド
ライブ(CD−ROMドライブやハード・ディスク・ドライブでもよい)41、DVD−
ROMディスク(CD−ROMディスクやハード・ディスクでもよい)42、表示ユニッ
ト31および音響再生ユニット71を備えている。
【0018】
地磁気センサ21は、自車の進行方向の方位データを出力する。角速度センサ22は、
自車の回転時の角速度を検出して、角速度データを出力する。走行距離センサ23は、シ
ャフトの回転数を検出し、積分することにより、走行距離データを出力する。GPSレシ
ーバ24は、GPS衛星からの電波を受信して、GPS測位データを出力する。
【0019】
システムコントローラ61は、方位データ、角速度データ、走行距離データおよびGP
S測位データに基づいて、ナビゲーション装置100全体の制御を行う。システムコント
ローラ61は、インターフェース部62、CPU63、ROM(リード・オンリ・メモリ
)64およびRAM(ランダム・アクセス・メモリ)65を備えている。インターフェー
ス部62は、外部とのインターフェース動作を行う。
【0020】
CPU63は、システムコントローラ61全体を制御する。ROM64は、システムコ
ントローラ61を制御する制御プログラムを格納している。RAM65は、図示しない不
揮発性メモリ部を有し、各種データを書き込み可能に格納する。RAM65の不揮発性メ
モリ部は、表示制御テーブルおよび現在の表示レベルを記憶している。表示制御テーブル
および表示レベルについては、後述する。システムコントローラ61は、バスライン66
を介して、入力装置11、DVD−ROMドライブ41、表示ユニット31および音響再
生ユニット71に接続されている。
【0021】
入力装置11は、ユーザが各種データを入力する際に使用される。DVD−ROMドラ
イブ41は、システムコントローラ61の制御下でDVD−ROMディスク42から各種
データを読み出して、出力する。DVD−ROMディスク42は、種々の地図情報や案内
情報などの表示情報群を格納している。表示ユニット31は、システムコントローラ61
の制御下で各種表示情報を表示する。表示ユニット31は、グラフィックコントローラ3
2、バッファメモリ33、表示制御部34およびディスプレイ35を備えている。
【0022】
グラフィックコントローラ32は、バスライン66を介して送られるCPU63からの
制御データに基づいて、表示ユニット31全体の制御を行う。バッファメモリ33は、V
RAM(ビデオRAM)などのメモリからなり、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶
する。表示制御部34は、グラフィックコントローラ32から出力される画像データに基
づいて、液晶表示装置やCRT(陰極線管)などのディスプレイ35を表示制御する。
【0023】
音響再生ユニット71は、システムコントローラ61の制御下で各種音声データを再生
して、出力する。音響再生ユニット71は、D/Aコンバータ72、増幅器73およびス
ピーカ74を備えている。D/Aコンバータ72は、DVD−ROMドライブ41または
RAM65からバスライン66を介して送られる音声デジタルデータのデジタル/アナロ
グ変換を行う。増幅器73は、D/Aコンバータ72から出力される音響アナログ信号を
増幅する。スピーカ74は、増幅された音響アナログ信号を音響振動に変換して出力する

【0024】
上述した構成において、地磁気センサ21、角速度センサ22、走行距離センサ23お
よびGPSレシーバ24は、測位手段を構成している。システムコントローラ61は、制
御手段に相当する。入力装置11は、入力手段に相当する。表示ユニット31は、画像表
示手段に相当する。RAM65は、後述する表示制御テーブルを記憶する記憶手段に相当
する。
【0025】
DVD−ROMディスク42およびDVD−ROMドライブ41は、例えば「ランドマ
ーク」、「道路」、「鉄道」、「県境」、「街区」、「家形」、「交差点名称」、「走行
道路名称」、「インターチェンジ名称」、「高速ランプ名称」、「方面案内」、「車線案
内」および「季節情報」の各表示情報群を格納しており、これらの表示情報群に含まれて
いる情報を提供する情報提供手段を構成している。また、CPU63は、ナビゲーション
装置100の各部から送られてくる信号に基づいて、あるいは図示しない無線通信手段を
介してネットワークから送られてくる信号に基づいて、例えば「自車位置」、「案内ルー
ト」、「現在地」、「交通規制」、「スケール表示」、「渋滞情報」、「方位」、「時刻
」、「到着予定時刻」、「目的地までの距離」、「走行軌跡」、「緯度経度」および「気
象情報」の各表示情報群を演算処理して求め、これらの表示情報群に含まれている情報を
提供する情報提供手段4を構成している。
【0026】
図3は、RAM65の不揮発性メモリ部に記憶されている表示制御テーブルの構成を示
す図である。図3に示すように、例えば表示制御テーブル8は、複数の表示レベル、例え
ば最大表示レベル、中間表示レベルおよび最小表示レベルのそれぞれについて、例えば「
1.自車位置」、「2.案内ルート」、「3.現在地」、「4.交通規制」、「5.ラン
ドマーク」、「6.道路」、「7.鉄道」、「8.スケール表示」、「9.渋滞情報」、
「10.方位」、「11.県境」、「12.街区」、「13.家形」、「14.時刻」、
「15.到着予定時刻」、「16.目的地までの距離」、「17.走行軌跡」、「18.
交差点名称」、「19.走行道路名称」、「20.インターチェンジ名称」、「21.高
速ランプ名称」、「22.方面案内」、「23.車線案内」、「24.緯度経度」、「2
5.気象情報」および「26.季節情報」の各表示情報群を表示するか否かを示すフラグ
の値を格納している。
【0027】
表示制御テーブル8のフラグの値が1であれば「表示」であり、「0」であれば「非表
示」である。ユーザは、表示レベルに応じて、上述した1〜26の数字を付した表示情報
群の「表示/非表示」の設定を個別に行うことができる。「6.道路」の表示情報群は、
例えば「高速道路」、「有料道路」、「主要国道」、「一般都道府県道」、「一般道」お
よび「細街路」の各サブ表示情報群に細分化されている。これらサブ表示情報群について
も、独立して「表示/非表示」の設定が可能である。
【0028】
最大表示レベルでは、目的地まで移動するにあたって有効なすべての情報がディスプレ
イ35に表示される。従って、最大表示レベルの表示画像には、地図情報の他に、地図情
報とは関係のない渋滞情報や時刻情報や気象情報などの情報も含まれている。また、最小
表示レベルでは、目的地まで移動するのが可能な程度の最小限の情報がディスプレイ35
に表示される。つまり、ディスプレイ35には、曲がり角の目印程度を表示した、いわゆ
るコマ地図レベルの情報が表示される。中間表示レベルでディスプレイ35に表示される
情報量は、最大表示レベルで表示される情報量よりも少なく、かつ最小表示レベルで表示
される情報量よりも多い。
【0029】
説明の便宜上、最小表示レベルでは、1〜6の数字を付した表示情報群についてはユー
ザによる「表示/非表示」の切り替えが可能であるが、それ以外の表示情報群は「非表示
」に固定されている。また、中間表示レベルでは、1〜14の数字を付した表示情報群に
ついてはユーザによる「表示/非表示」の切り替えが可能であるが、それ以外の表示情報
群は「非表示」に固定されている。最大表示レベルでは、ユーザは、すべての表示情報群
の「表示/非表示」を設定することができる。従って、図3に示す例では、各表示レベル
において、「表示/非表示」の設定が可能である表示情報群をすべて表示するように設定
されている。
【0030】
なお、図3に示す例では、3段階の表示レベルが設定されているが、中間表示レベルを
2段階以上設けることによって、4段階以上の表示レベルが設定されていてもよい。この
ようにすれば、表示情報群の「表示/非表示」をさらに細かく設定することが可能となる
。また、図3に示した表示情報群以外の情報群が設定されていてもよい。
【0031】
次に、予めユーザが表示情報群の「表示/非表示」の設定を行う際の手順について、図
4〜図9を参照しながら説明する。図4は、表示情報群の表示設定処理を示すフローチャ
ートである。図4に示すように、ユーザが表示情報群の「表示/非表示」の設定を開始す
ると、まず、ユーザが入力装置11のダイヤルやレバーやボタンを操作することによって
、設定対象の表示レベルが選択される(ステップA1)。その選択された表示レベルが最
小表示レベルの場合(ステップA2:最小)には、後述する共通表示情報群の設定処理が
行われる(ステップA3)。その設定処理の終了によって、表示情報群の表示設定処理が
終了となる。
【0032】
ユーザにより選択された表示レベルが中間表示レベルの場合(ステップA2:中間)に
は、共通表示情報群の設定処理(ステップA4)に続いて、後述する中間用表示情報群の
設定処理が行われる(ステップA5)。そして、それらの設定処理の終了によって、表示
情報群の表示設定処理が終了となる。ユーザにより選択された表示レベルが最大表示レベ
ルの場合(ステップA2:最大)には、共通表示情報群の設定処理(ステップA6)およ
び中間用表示情報群の設定処理(ステップA7)に続いて、後述する最大用表示情報群の
設定処理が行われる(ステップA8)。そして、それらの設定処理の終了によって、表示
情報群の表示設定処理が終了となる。
【0033】
ここで、共通表示情報群は、図3に示した表示制御テーブル8において1〜6の数字を
付した表示情報群(サブ表示情報群を含む)とする。また、中間用表示情報群は、表示制
御テーブル8において7〜14の数字を付した表示情報群とする。また、最大用表示情報
群は、表示制御テーブル8において15〜26の数字を付した表示情報群とする。
【0034】
図5は、上記ステップA3、A4およびA6において実行される共通表示情報群の設定
処理を示すフローチャートである。図5に示すように、共通表示情報群の設定処理が開始
されると、まず、CPU63は、RAM65から表示制御テーブル8と現在の表示レベル
を読み出す。そして、ディスプレイ35に、現在設定されている表示レベルの画像を表示
させる(ステップB1)。ユーザは、表示された画像を見ながら、表示制御テーブル8に
おいて1〜6の数字を付した共通表示情報群の「表示/非表示」を順次、設定することが
できる。
【0035】
表示制御テーブル8において付した数字の順番に従えば、まず、ユーザは、1の数字が
付された「自車位置」の表示設定を変更するか否かを設定する(ステップB2)。その際
、ディスプレイ35に変更するか否かの選択を促すメッセージを表示してもよいし、音声
によりユーザに問いかけるようにしてもよい。ディスプレイ35にメッセージを表示する
場合には、メッセージをスーパーインポーズにより表示してもよい。ユーザが入力装置1
1を操作して、変更することを選択した場合(ステップB2:変更する)、表示制御テー
ブル8を更新する、すなわち、表示制御テーブル8の、設定中の表示レベルにおける「自
車位置」のフラグの値を反転する(ステップB3)。具体的には、フラグの値が「1」で
あった場合には「0」にし、「0」であった場合には「1」にする。
【0036】
表示制御テーブル8が更新されたら、CPU63は、後述するプレビュー表示処理を行
い、ディスプレイ35に、更新された表示制御テーブル8に基づく新たな画像を表示させ
る(ステップB4)。ユーザは、表示されたプレビュー画像を見ながら、「自車位置」の
表示設定の変更を行うか否かを決定することができる。ユーザが入力装置11を操作して
、変更を行うことを決定した場合(ステップB5:Yes)、ユーザに共通表示情報群の
設定処理を終了するか否かを選択させる(ステップB8)。
【0037】
一方、ステップB5で、ユーザが変更しないことを決定した場合(ステップB5:No
)、CPU63は、表示制御テーブル8の更新を取り消す(ステップB6)。そして、後
述する元画像表示処理を行い、ディスプレイ35の表示画像をステップB4のプレビュー
表示前の画像に戻す(ステップB7)。そして、ステップB8へ進む。
【0038】
ステップB2において、表示設定を変更しない場合、すなわち当該表示情報群の設定処
理をスキップする場合も、ステップB8へ進み、ユーザに共通表示情報群の設定処理を終
了するか否かを選択させる。ステップB8において、ユーザが入力装置11を操作して、
終了を選択した場合(ステップB8:Yes)には、図4に示す表示情報群の表示設定処
理に戻る。ユーザが継続を選択した場合(ステップB8:Noの場合)には、次の共通表
示情報群の設定へ進む。
【0039】
ユーザは、2の数字が付された「案内ルート」の表示設定を変更するか否かを選択する
(ステップB9)。これ以降は、上記ステップB3〜B8と同様である。すなわち、ユー
ザが変更を選択した場合(ステップB9:変更する)、CPU63は、表示制御テーブル
8を更新する、すなわち、表示制御テーブル8の、設定中の表示レベルにおける「案内ル
ート」のフラグの値を反転する(ステップB10)。そして、プレビュー表示処理を行う
(ステップB11)。ユーザが変更を行うことを決定すると(ステップB12:Yes)
、ユーザは、共通表示情報群の設定処理を終了するか否かを選択する(ステップB15)

【0040】
一方、ステップB12で、ユーザが変更しないことを決定した場合(ステップB12:
No)、CPU63は、表示制御テーブル8の更新を取り消し(ステップB13)、元画
像表示処理を行って元の画像に戻す(ステップB14)。その後、ステップB15へ進む
。ステップB9において、表示設定を変更しない場合(ステップB9:変更しない)も、
ステップB15へ進む。このまま終了する場合(ステップB15:Yes)には、図4に
示す表示情報群の表示設定処理に戻る。継続する場合(ステップB15:No)には、次
の共通表示情報群の設定へ進む。
【0041】
以後、残りの共通表示情報群、すなわち表示制御テーブル8において3〜6の数字が付
された表示情報群(サブ表示情報群を含む)についても同様の処理を行う。そして、6の
数字が付された「道路」の表示設定処理が済んだら、図4に示す表示情報群の表示設定処
理に戻る。
【0042】
図6は、図4のステップA5およびA7において実行される中間用表示情報群の設定処
理を示すフローチャートである。中間用表示情報群の設定処理は、表示情報群の種別が異
なるだけで、図5に示す共通表示情報群の設定処理と基本的に同じである。図6に示すよ
うに、中間用表示情報群の設定処理が開始されると、まず、ユーザは、7の数字が付され
た「鉄道」の表示設定を変更するか否かを選択する(ステップC1)。これ以降は、図5
のステップB3〜B8と同様である。
【0043】
すなわち、ユーザが変更を選択した場合(ステップC1:変更する)、CPU63は、
表示制御テーブル8を更新する、すなわち、表示制御テーブル8の、設定中の表示レベル
における「鉄道」のフラグの値を反転する(ステップC2)。そして、プレビュー表示処
理を行う(ステップC3)。ユーザが変更を行うことを決定すると(ステップC4:Ye
s)、ユーザは、中間用表示情報群の設定処理を終了するか否かを選択する(ステップC
7)。
【0044】
一方、ステップC4で、ユーザが変更しないことを決定した場合(ステップC4:No
)、CPU63は、表示制御テーブル8の更新を取り消し(ステップC5)、元画像表示
処理を行って元の画像に戻す(ステップC6)。その後、ステップC7へ進む。ステップ
C1において、表示設定を変更しない場合も、ステップC7へ進む。このまま終了する場
合(ステップC7:Yes)には、図4に示す表示情報群の表示設定処理に戻る。継続す
る場合(ステップC7:No)には、次の中間用表示情報群の設定へ進む。
【0045】
ユーザは、8の数字が付された「スケール表示」の表示設定を変更するか否かを選択す
る(ステップC8)。これ以降は、図6のステップC9〜C14の処理を行う。ステップ
C9〜C14は、図5のステップB3〜B8と同様である。残りの中間用表示情報群、す
なわち表示制御テーブル8において9〜14の数字が付された表示情報群についても同様
の処理を行う。そして、14の数字が付された「時刻」の表示設定処理が済んだら、図4
に示す表示情報群の表示設定処理に戻る。
【0046】
図7は、図4のステップA8において実行される最大用表示情報群の設定処理を示すフ
ローチャートである。最大用表示情報群の設定処理は、表示情報群の種別が異なるだけで
、図5に示す共通表示情報群の設定処理と基本的に同じである。図7に示すように、最大
用表示情報群の設定処理が開始されると、まず、ユーザは、15の数字が付された「到着
予定時刻」の表示設定を変更するか否かを選択する(ステップD1)。これ以降は、図7
のステップD2〜D7の処理を行う。ステップD2〜D7は、図5のステップB3〜B8
と同様である。
【0047】
ステップD7で、最大用表示情報群の設定処理を終了する場合(ステップD7:Yes
)には、図4に示す表示情報群の表示設定処理に戻る。継続する場合(ステップD7:N
o)には、次の最大用表示情報群の設定へ進む。ユーザは、16の数字が付された「目的
地までの距離」の表示設定を変更するか否かを選択する(ステップD8)。これ以降は、
図7のステップD9〜D14の処理を行う。ステップD9〜D14は、図5のステップB
3〜B8と同様である。残りの最大用表示情報群、すなわち表示制御テーブル8において
17〜26の数字が付された表示情報群についても同様の処理を行う。そして、26の数
字が付された「季節情報」の表示設定処理が済んだら、図4に示す表示情報群の表示設定
処理に戻る。
【0048】
図8は、図5〜図7のステップB4、B11、C3、C10、D3およびD10におい
て実行されるプレビュー表示処理を示すフローチャートである。プレビュー表示処理が開
始されると、まず、CPU63は、ディスプレイ35に表示されている画像(元の画像)
を徐々に消す(ステップE1)。また、CPU63は、RAM65から表示制御テーブル
8を読み出し(ステップE2)、その読み出した表示制御テーブル8に基づいて、プレビ
ュー画像を生成する(ステップE3)。そして、そのプレビュー画像をディスプレイ35
に徐々に表示させる(ステップE4)。つまり、元の画像はフェードアウトされ、プレビ
ュー画像はフェードインされる。
【0049】
図9は、図5〜図7のステップB7、B14、C6、C13、D6およびD13におい
て実行される元画像表示処理を示すフローチャートである。元画像表示処理が開始される
と、まず、CPU63は、ディスプレイ35に表示されているプレビュー画像を徐々に消
す(ステップF1)。また、CPU63は、RAM65から表示制御テーブル8を読み出
し(ステップF2)、その読み出した表示制御テーブル8に基づいて、プレビュー表示前
の元の画像を生成する(ステップF3)。そして、その元の画像をディスプレイ35に徐
々に表示させる(ステップF4)。つまり、プレビュー画像はフェードアウトされ、元の
画像はフェードインされる。
【0050】
次に、ディスプレイ35にいずれかの表示レベルの画像が表示されているときに、ユー
ザが表示レベルを変更する際の手順について、図10〜図13を参照しながら説明する。
図10は、表示レベル変更処理を示すフローチャートである。図11、図12および図1
3は、それぞれ最大表示レベル、中間表示レベルおよび最小表示レベルでの表示画像を示
す図である。
【0051】
図10に示すように、まず、ユーザが入力装置11を操作することによって、表示レベ
ルを上げるのか、あるいは下げるのかを選択する(ステップG1)。ここで、表示レベル
を上げるとは、現在の表示レベルよりも1段階、最大表示レベル側にすることである。ま
た、表示レベルを下げるとは、現在の表示レベルよりも1段階、最小表示レベル側にする
ことである。
【0052】
表示レベルを上げることが選択された場合(ステップG2:1ランク上)、その選択さ
れた表示レベルが最大表示レベルであれば(ステップG3:Yes)、これ以上表示レベ
ルを上げることができないので、表示レベル変更処理を終了する。選択された表示レベル
が最大表示レベルでない場合(ステップG3:No)には、CPU63は、RAM65の
不揮発性メモリ部に記憶されている現在の表示レベルを1段階、上げる(ステップG4)
。そして、プレビュー表示処理を行う(ステップG7)。
【0053】
それによって、ディスプレイ35に、図12に示す中間表示レベルの画像が表示されて
いる場合には、図11に示す最大表示レベルの画像が表示される。図13に示す最小表示
レベルの画像が表示されている場合には、中間表示レベルの画像が表示される。特に限定
しないが、図13に示す表示例では、最小表示レベルでの道路の表示範囲は、案内ルート
の周辺に限られている。
【0054】
プレビュー表示処理では、CPU63は、表示レベル変更前の画像(元の画像)を徐々
に消す(図8、ステップE1)。また、RAM65から表示制御テーブル8および表示レ
ベルの更新された値を読み出し(図8、ステップE2)、プレビュー画像を生成する(図
8、ステップE3)。そして、そのプレビュー画像をディスプレイ35に徐々に表示させ
る(図8、ステップE4)。ユーザは、表示されたプレビュー画像を見ながら、表示レベ
ルの変更を行うか否かを決定することができる(ステップG8)。ユーザが入力装置11
を操作して、変更を行うことを決定した場合(ステップG8:Yes)には、表示レベル
変更処理を終了する。
【0055】
一方、ステップG8で、ユーザが変更しないことを決定した場合(ステップG8:No
)、CPU63は、ステップG7でプレビュー表示を行うために更新した表示レベルの値
を元に戻し、元画像表示処理を行う(ステップG9)。元画像表示処理では、CPU63
は、プレビュー画像を徐々に消す(図9、ステップF1)。また、RAM65から表示制
御テーブル8および表示レベルの更新が取り消された値を読み出し(図9、ステップF2
)、元の画像を生成する(図9、ステップF3)。そして、その元の画像をディスプレイ
35に徐々に表示させる(図9、ステップF4)。元の画像が表示されたら、表示レベル
変更処理を終了する。
【0056】
ステップG2で、表示レベルを下げることが選択された場合(ステップG2:1ランク
下)、その選択された表示レベルが最小表示レベルであれば(ステップG5:Yes)、
これ以上表示レベルを下げることができないので、表示レベル変更処理を終了する。選択
された表示レベルが最小表示レベルでない場合(ステップG5:No)には、CPU63
は、RAM65の不揮発性メモリ部に記憶されている現在の表示レベルを1段階、下げる
(ステップG6)。そして、ステップG7へ進み、プレビュー表示処理を行う。
【0057】
それによって、ディスプレイ35に、図11に示す最大表示レベルの画像が表示されて
いる場合には、図12に示す中間表示レベルの画像が表示される。中間表示レベルの画像
が表示されている場合には、図13に示す最小表示レベルの画像が表示される。
【0058】
ユーザが、表示されたプレビュー画像を見ながら入力装置11を操作して、変更を行う
ことを決定した場合(ステップG8:Yes)には、表示レベル変更処理を終了する。ス
テップG8で、ユーザが変更しないことを決定した場合(ステップG8:No)、CPU
63は、ステップG7でプレビュー表示を行うために更新した表示レベルの値を元に戻し
、ステップG9の元画像表示処理を行って、表示レベル変更処理を終了する。
【0059】
以上説明したように、本実施例によれば、ディスプレイ35に表示される情報量が多く
て見難い場合、ユーザが表示レベルをより情報量の少ないレベルに変更することによって
、ディスプレイ35に見やすい画像が表示される。従って、ユーザは、ディスプレイ35
に表示された画像を容易に読み取ることができる。また、ユーザが好みに応じてディスプ
レイ35に表示される情報を取捨選択することができるので、種々の表示レベルにおいて
ユーザの好みの画像を表示させることができる。なお、車載用のナビゲーション装置に限
らず、携帯電話やその他の携帯型の情報端末を利用したナビゲーション装置に適用しても
、同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施の形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】表示制御テーブルの構成を示す図である。
【図4】表示情報群の表示設定処理を示すフローチャートである。
【図5】共通表示情報群の設定処理を示すフローチャートである。
【図6】中間用表示情報群の設定処理を示すフローチャートである。
【図7】最大用表示情報群の設定処理を示すフローチャートである。
【図8】プレビュー表示処理を示すフローチャートである。
【図9】元画像表示処理を示すフローチャートである。
【図10】表示レベル変更処理を示すフローチャートである。
【図11】最大表示レベルの表示画像を示す図である。
【図12】中間表示レベルの表示画像を示す図である。
【図13】最小表示レベルの表示画像を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1 入力手段
2 測位手段
3 画像表示手段
4 情報提供手段
5 記憶手段
6 制御手段
51 表示制御テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが1以上の情報を含む複数の表示情報群を記憶する記憶手段と、
2以上の表示レベルのそれぞれに対して前記表示情報群のそれぞれの表示または非表示を定めることにより、画面に表示される情報の情報量を当該表示レベルに応じて調整する表示制御手段と、
前記2以上の表示レベルのいずれかを選択するために操作指令を入力する入力手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、入力された操作指令により選択された一の表示レベルに応じた情報量を調整する際に、当該一の表示レベルが選択される直前に前記画面に表示されていた他の表示レベルに対しての幾つかの情報を非表示にする、または当該情報に幾つかの他の情報を追加表示することにより前記情報量の増減を調整することを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記2以上の表示レベルのそれぞれに対して前記表示情報群のそれぞれの表示または非表示をユーザにより設定可能とする表示設定手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
それぞれが1以上の情報を含む複数の表示情報群を記憶する記憶手段から当該情報を読み出して画面に表示するとともに、2以上の表示レベルのそれぞれに対して前記表示情報群のそれぞれの表示または非表示を定めることにより、画面に表示される情報の情報量を当該表示レベルに応じて調整する表示制御方法であって、
前記2以上の表示レベルのいずれかを選択するために操作指令を入力する入力工程と、
前記入力された操作指令により選択された一の表示レベルに応じた情報量を調整する際に、当該一の表示レベルが選択される直前に前記画面に表示されていた他の表示レベルに対しての幾つかの情報を非表示にする、または当該情報に幾つかの他の情報を追加表示することにより前記情報量の増減を調整する表示制御工程と、
を含むことを特徴とする表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−31802(P2009−31802A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220274(P2008−220274)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【分割の表示】特願2004−331790(P2004−331790)の分割
【原出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(596125930)パイオニアデザイン株式会社 (21)
【Fターム(参考)】