説明

成形用複合材及びそれを用いた成形体

【課題】 加熱加圧成形によっても3次元形状に加工が容易な成形用複合材を提供し、成形形状の制約が少なく、かつ耐衝撃性に優れた成形体を提供する
【解決手段】 少なくとも一部に引張強度が20cN/dtex以上の有機繊維を含む有機繊維糸条を長手方向に並行に配列した層と、少なくとも一部に引張強度が20cN/dtex以上の有機繊維を含む有機繊維糸条が前記層の有機繊維糸条の配列方向に直交した方向に並行に配列した層とを含む複数の有機繊維層をステッチ糸で一体化した多層多軸ステッチ布帛に、合成樹脂が付与されてなることを特徴とする成形用複合材及び該成形用複合材が複数枚重ね合わせられ、加熱加圧成形されてなることを特徴とする成形体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱加圧成形に好適な成形用複合材に関する。詳しくは、加熱加圧成形によっても3次元形状に加工が容易で、かつ耐衝撃性に優れた成形体を形成可能な成形用複合材であり、さらには、該成形用複合材を用いて加熱加圧成形された耐衝撃性複合成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
防弾ヘルメットや防護盾等に使われる高強度有機繊維からなる耐衝撃複合成形材としては一般的に織物に熱硬化性樹脂を含浸したものが知られている。また、最近では、高強度有機繊維からなる織物に樹脂を含浸して得られた耐衝撃複合材料(特許文献1)や繊維を一方向に薄く引き揃え、エラストマー性樹脂を含浸して複数層をそれぞれが直交して配置した材料を多層積層した複合材(特許文献2)も提案されている。
複合成形材は、多くの場合、成形形状は曲面を有するために、複合成形材の基材には曲面の追従性が要求される。ところが織物に樹脂を含浸して得られた耐衝撃性複合材料は曲面への追従性が高いものの織物の形態から発生するクリンプと呼ばれる弛みによって繊維が持つ性能が十分発揮できないため、耐衝撃性が不十分となりやすい。
また、一方向に引き揃えたシートを直交して積層した耐衝撃性複合材は繊維が一直線に配置されているため性能発現には優れるが、平面性が強く曲面へ追従できず、平面もしくは曲率の大きい円筒形状しか成形することができない欠点がある。
【0003】
【特許文献1】特開2003−165852号公報
【特許文献2】特開2004−58517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加熱加圧成形によっても3次元形状に加工が容易な成形用複合材を提供し、成形形状の制約が少なく、かつ耐衝撃性に優れた成形体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、以下の構成を採用する。
すなわち、
第1の発明は、少なくとも一部に引張強度が20cN/dtex以上の有機繊維を含む有機繊維糸条を長手方向に並行に配列した繊維層と、少なくとも一部に引張強度が20cN/dtex以上の有機繊維を含む有機繊維糸条が前記繊維層の有機繊維糸条の配列方向に直交した方向に並行に配列した繊維層とを含む複数の有機繊維層をステッチ糸で一体化した多層多軸ステッチ布帛に、合成樹脂が付与されてなることを特徴とする成形用複合材である。
第2の発明は、前記有機繊維糸条がポリベンズアゾール繊維、高分子量ポリエチレン繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維のいずれかであることを特徴とする第1の発明に記載の成形用複合材である。
第3の発明は、前記有機繊維糸条がポリベンズアゾール繊維又は/及び高分子量ポリエチレン繊維であることを特徴とする第1の発明又は第2の発明に記載の成形用複合材である。
第4の発明は、前記ステッチ糸の繊度が400dtex以下であることを特徴とする第1の発明に記載の成形用複合材である。
第5の発明は、前記ステッチ糸の少なくとも一部が150℃以下の融点を持つ熱融着性繊維で、熱処理によって有機繊維糸条を固定していることを特徴とする第1の発明に記載の成形用複合材である。
第6の発明は、前記合成樹脂の含有率が30質量%以下であることを特徴とする第1の発明に記載の成形用複合材である。
第7の発明は、前記合成樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする第1の発明に記載の耐衝撃性複合成形材である。
第8の発明は、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が100℃以下であることを特徴とする第7の発明に記載の成形用複合材である。
第9の発明は、前記熱可塑性樹脂がエチレンビニルアルコール共重合体樹脂またはポリウレタン樹脂であることを特徴とする第8の発明に記載の成形用複合材である。
第10の発明は、前記成形用複合材を2枚重ね合わせて加熱加圧成形した積層体において、該積層体の剥離強度(JIS-K-6328に準拠)が5〜50N/cmであることを特徴とする第1〜9の発明の成形用複合材である。
第11の発明は、第1〜9の発明の成形用複合材が複数枚重ね合わせられ、加熱加圧成形されてなることを特徴とする成形体。
第12の発明は、前記成形品の少なくとも片面に厚み1mm以上の金属板が接合されてなることを特徴とする第11の発明に記載の成形体である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の耐衝撃性複合成形材は、長手方向に高強度有機繊維糸条を並行に配列した層と、該層と直交した高強度有機繊維糸条が並行に配列した層を含む複数の有機繊維糸条をステッチ糸で一体化した多層多軸ステッチ布帛を基材として用いているため、成形金型曲面への追従性が良く、良好な曲面成形性と耐衝撃性を併せ持つことができ、加熱加圧成形によっても3次元形状に加工が容易で、成形形状の制約が少なく、耐衝撃性に優れた成形体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明についてさらに詳述する。
本発明で用いられる有機繊維糸条は、少なくとも一部に引張強度が20cN/dtex以上の高強度有機繊維を含むものであり、ポリベンズアゾール繊維、高分子量ポリエチレン繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維のいずれかが含まれることが好ましい。高強度有機繊維としてポリベンズアゾール繊維と高分子量ポリエチレン繊維の組合せかいずれか単独で用いられるとさらに優れた耐衝撃性を持つ複合成形材を得ることができる。
有機繊維の引張強度が20cN/dtexに満たないものは、有機繊維糸条中、90質量%未満とすることが好ましく、より好ましくは50質量%未満であり、有機繊維の引張強度が20cN/dtexに満たないものの含有率が高いほど、必要な耐衝撃性能が得にくくなる。有機繊維の引張強度は、好ましくは25cN/dtex以上、さらに好ましくは30cN/dtex以上である。
【0008】
本発明で使用されるステッチ糸としては、繊度は400dtex以下であることが好ましい。400dtexを超える場合、繊維の剛性が強いため、成形時の加圧によって期待される繊維束の扁平化が阻害されることがある。ステッチ糸の繊度が200dtex以下であると複合材料性能に直接寄与しない繊維成分の質量を最小にすることができるためより好ましい。また、本発明で使用されるステッチ糸は、熱溶融性繊維であることが好ましく、少なくとも一部が150℃以下の融点を持つ熱融着性繊維であることがより好ましい。熱溶融性繊維であることにより、熱処理によって有機繊維糸条を固定することができ、樹脂含浸工程、成形工程での有機繊維糸条の乱れを防ぐことができる。
【0009】
本発明における多層多軸ステッチ布帛とは、経編多軸挿入機などを使用して製造することができるステッチボンド布帛とも言われる布帛であり、長手方向に並行に配列した有機繊維糸条のシート状の層と、該層の有機繊維糸条の方向と直交した方向で並行に配列した有機繊維糸条のシート状の層が積層され、前記ステッチ糸によってステッチされて形態が保持されている。
通常、たて糸、よこ糸、ステッチ糸の3種類の糸を使用し、よこ糸によるシート層にたて糸によるシート層が、よこ糸とたて糸とが直交するように重ねられ、このシートにステッチ糸による編み目が挿入される。本発明における多層多軸ステッチ布帛は、2層2軸ステッチ布帛であることが好ましい。
【0010】
本発明で使用される合成樹脂としては、有機繊維糸条層に付与できるものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれをも用いることができ、特に限定されないが、熱可塑性樹脂を用いると中間材料の寿命を長くでき、手扱い性にも優れるため好ましい。熱可塑性樹脂を用いた場合、ガラス転移温度が100℃以下であるとより優れた耐衝撃性能を得ることができる。熱可塑性樹脂の種類としては使用される環境に応じて種々の樹脂から選択することができるが、なかでもエチレンビニルアルコール共重合体樹脂、ポリビニルブチラール変性フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂が好適である。
【0011】
本発明で使用される合成樹脂の含有率は、多層多軸ステッチ布帛に対して、30質量%以下1質量%以上であることが好ましい。主に耐衝撃性能に寄与するものは有機繊維糸条であり、必要以上の樹脂は単位質量当たりの性能を低下させる。本発明で樹脂に求められる機能は形態の維持であり、30質量%以下1質量%以上の合成樹脂が付与されていればその目的を達成することができる。合成樹脂の付与方法は、特に限定されず、合成樹脂溶液をパディング、スプレー、コーティングなどで含浸させる方法、パウダーを散布する方法、フィルムをラミネートする方法などの公知の方法を採用することができるが、含浸法が均一性に優れ簡便で好ましい。
【0012】
合成樹脂が含浸された多層多軸ステッチ布帛は、複数枚積層されて平板熱プレス機などの公知の方法によって加圧加熱成形をすることで複合成形体とすることができる。その際の成形圧力によって有機繊維束を扁平化することが優れた耐衝撃性を発現するためには重要であり、成形時の圧力は2MPa以上であることが好ましい。成形圧力が2MPa未満である場合、繊維糸条が十分扁平化できず、必要な耐衝撃性能を得ることができないことがある。
【0013】
本発明における樹脂含浸された多層多軸ステッチ布帛の特性として、2枚積層して加熱加圧成形して積層体とした場合において、JIS-K-6328に準拠した剥離強度が5〜50N/cmであることが好ましい。このことにより、形態維持と耐衝撃性のバランスが良い耐衝撃性複合成形体を得ることができる。剥離強度が5N/cm未満の場合は、通常の取り扱いで剥離などが発生し易く、一方、剥離強度が50N/cmを超える場合は、布帛同士の密着力が強すぎるために有機繊維の性能が十分引き出せなくなり耐衝撃性能が低下する傾向がある。
【0014】
本発明における成形用複合材は、長手方向に有機繊維糸条が並行に配列した層と、該層と直交した有機繊維糸条が並行に配列した層とを有し、該有機繊維糸条がステッチ糸で一体化した多軸ステッチ布帛が基材として用いられ、繊維糸条は0度、90度双方に一直線に引き揃えられ、かつステッチ糸で布帛の状態が維持されているだけの状態であるため、織布の場合の様な有機繊維糸条の交差部の拘束力はないため、金型追随性に優れる。したがって、立体形状に成形が容易で、かつ有機繊維糸条が高強力であるため、曲面成形性と耐衝撃性を併せ持つことが可能である。
【0015】
本発明の耐衝撃性の複合成形体において、必要に応じて複合成形体の少なくとも片面に厚みが1mm以上の金属板が接合されていても良い。特に盾などに用いられる場合は積み重ねられたり、落下したりする可能性が高く、表面を保護するために金属板を接合することが望ましい。この場合、金属板としてはアルミ合金、チタン合金などが用いられるが特に限定するものではない。
【実施例】
【0016】
以下、本発明を実施例によって説明する。
(1)耐衝撃性能試験方法
MIL-STD-662E試験法に準拠し、各試料、口径9mmのSCLJ弾に対するV50値を測定した 。V50値とは試料を貫通する確率が50%と推定される弾の速度を表すものである。
【0017】
(2)曲面成形性
得られた成形用複合材を500mm角に切断して5枚重ね合わせ、曲率が500mmの球面 となる金型が取り付けられた熱プレス機を用いて150℃×30分×5MPaの条件で 加熱加圧し、曲面成形板の成形状態を観察した。
◎:良好(面全体を覆うことが出来ている)
○:概ね良好(小さな空隙はあるが、貫通するような孔は認められない)
×:不良(重なり皺の発生、貫通孔が認められる)
【0018】
(実施例1)
0度、90度双方の有機繊維糸条として3330dtexのポリベンズビスオキサゾール繊維(東洋紡績株式会社製ザイロンAS、引張強度37cN/dtex)、ステッチ糸として160dtexのポリエチレンテレフタレート糸を用い、マイヤー社製経編多軸挿入機で10ゲージの密度の2層2軸挿入布帛を製作した。布帛の単位目付は273g/m2であった。得られた布帛に樹脂固形分質量が50±5g/m2となるようにポリウレタン樹脂(GOVI社製 L9009)を含浸させ、本発明の成形用複合材を得た。得られた成形用複合材を500mm角に切断して22枚重ね合わせ、平行平板熱プレス機を用いて130℃×30分×5MPaの条件で加熱加圧し、単位面積質量が7150g/m2の平板成形板を作成した。
得られた平板成形板について、SCLJ弾に対するV50値を測定した。また、前記の成形用複合材の5枚積層による曲面成形性を評価した。これらの結果を表1に示す。
【0019】
(実施例2)
ステッチ糸として、ポリエチレンテレフタレート繊維に熱融着性ポリエステル繊維をカバリングした繊度が180dtex加工糸を用い、熱処理によって熱融着性ポリエステル繊維を溶融し有機繊維糸条を接着した以外は実施例1と同様にして単位面積質量が6990g/m2の平板成形板を作成した。なお、布帛の単位目付は274g/m2であった。
実施例1と同様にして、得られた平板成形板のV50値及び曲面成形性の評価結果について表1に示す。
【0020】
(実施例3)
平行平板熱プレス機を用いて150℃×30分×1MPaの条件で加熱加圧したことを除いては実施例1と同様の方法で、単位面積質量が7030g/m2平板成形板を作成した。
実施例1と同様にして、得られた平板成形板のV50値及び曲面成形性の評価結果について表1に示す。
【0021】
(実施例4)
樹脂固形分質量が100±5g/m2となるようにポリウレタン樹脂含浸させ、積層枚数を20枚とした以外は実施例1と同様にして、単位面積質量が7020g/m2平板成形板を作成した。
実施例1と同様にして、得られた平板成形板のV50値及び曲面成形性の評価結果について表1に示す。
【0022】
(実施例5)
実施例1と同じ2層2軸挿入布帛に樹脂固形分質量が50±5g/m2となるようにポリビニルブチラール変性フェノール樹脂(住友ベークライト社製)を含浸させた。得られた成形用複合材を500mm角に切断して22枚重ね合わせ、平行平板熱プレス機を用いて150℃×30分×5MPaの条件で加熱加圧し、単位面積質量が7070g/m2の平板成形板を作成した。
実施例1と同様にして、得られた平板成形板のV50値及び曲面成形性の評価結果について表1に示す。
【0023】
(実施例6)
実施例2と同じ2層2軸挿入布帛に樹脂固形分質量が50±5g/m2となるようにポリビニルブチラール変性フェノール樹脂を含浸させた。得られた成形用複合材を500mm角に切断して22枚重ね合わせ、平行平板熱プレス機を用いて150℃×30分×5MPaの条件で加熱加圧し、単位面積質量が7010g/m2の平板成形板を作成した。
実施例1と同様にして、得られた平板成形板のV50値及び曲面成形性の評価結果について表1に示す。
【0024】
(比較例1)
1670dtexのポリベンズビスオキサゾール繊維(東洋紡績株式会社製ザイロンAS)を用い、20本/25mmの織り密度の平織物を製作した。織物の単位目付は277g/m2であった。得られた織物に固形分質量が50±5g/m2となるようにポリウレタン樹脂を含浸させた。得られた成形用複合材を500mm角に切断して22枚重ね合わせ、平行平板熱プレス機を用いて130℃×30分×5MPaの条件で加熱加圧し、単位面積質量が7100g/m2の平板成形板を作成した。
実施例1と同様にして、得られた平板成形板のV50値及び曲面成形性の評価結果について表1に示す。
【0025】
(比較例2)
高強力ポリエチレン繊維(東洋紡績株式会社製、ダイニーマ(登録商標)、引張強度29cN/dtex)を一方向に引きそろえ直交して積層した単位面積質量253g/m2のダイニーマ製シールドを500mm角に切断して28枚積層し、平行平板熱プレス機を用いて130℃×30分×5MPaの条件で加熱加圧し、平板成形板を作成した。
実施例1と同様にして、得られた平板成形板のV50値及び曲面成形性の評価結果について表1に示す。
【0026】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の成形用複合材は、成形金型追随性に優れるため、3次元形状に加工が容易であり、軽量でかつ耐衝撃性に優れた複合成形体が得られ、人や車両などの防御体に広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の成形用複合材の糸構成の1例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0029】
1:0度有機繊維糸条(よこ糸)
2:90度有機繊維糸条(たて糸)
3:ステッチ糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部に引張強度が20cN/dtex以上の有機繊維を含む有機繊維糸条を長手方向に並行に配列した繊維層と、少なくとも一部に引張強度が20cN/dtex以上の有機繊維を含む有機繊維糸条が前記繊維層の有機繊維糸条の配列方向に直交した方向に並行に配列した繊維層とを含む複数の有機繊維層をステッチ糸で一体化した多層多軸ステッチ布帛に、合成樹脂が付与されてなることを特徴とする成形用複合材。
【請求項2】
前記有機繊維糸条がポリベンズアゾール繊維、高分子量ポリエチレン繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の成形用複合材。
【請求項3】
前記有機繊維糸条がポリベンズアゾール繊維又は/及び高分子量ポリエチレン繊維であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成形用複合材。
【請求項4】
前記ステッチ糸の繊度が400dtex以下であることを特徴とする請求項1に記載の成形用複合材。
【請求項5】
前記ステッチ糸の少なくとも一部が150℃以下の融点を持つ熱融着性繊維で、熱処理によって有機繊維糸条を固定していることを特徴とする請求項1に記載の成形用複合材。
【請求項6】
前記合成樹脂の含有率が30質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の成形用複合材。
【請求項7】
前記合成樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の成形用複合材。
【請求項8】
前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が100℃以下であることを特徴とする請求項7に記載の成形用複合材。
【請求項9】
前記熱可塑性樹脂がエチレンビニルアルコール共重合体樹脂またはポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項8に記載の成形用複合材。
【請求項10】
前記成形用複合材を2枚重ね合わせて加熱加圧成形した積層体において、該積層体の剥離強度(JIS-K-6328に準拠)が5〜50N/cmであることを特徴とする請求項1〜9に記載の成形用複合材。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれかに記載の成形用複合材が複数枚重ね合わせられ、加熱加圧成形されてなることを特徴とする成形体。
【請求項12】
前記成形品の少なくとも片面に厚み1mm以上の金属板が接合されてなることを特徴とする請求項11に記載の成形体。

【図1】
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【公開番号】特開2007−38609(P2007−38609A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228040(P2005−228040)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】