説明

成膜装置及び成膜方法

【課題】得られる膜のパターンや厚さの精度向上を図った、成膜装置とこれを用いた成膜方法を提供する。
【解決手段】複数のノズルを有し、ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッド34と、液滴吐出ヘッド34を移動させるヘッド移動手段33と、液滴吐出ヘッド34における各ノズルからの液滴の吐出を制御する制御手段40と、を有してなる成膜装置30である。制御手段40は、被成膜体S上への液滴吐出による描画処理とは別に、描画処理に先立つ待機時において液滴吐出ヘッド34に、描画処理における液滴吐出ヘッド34全体での液滴吐出速度の、±10%の範囲の液滴吐出速度で、非描画領域Fに吐出をなさせるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置とこれを用いた成膜方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主に薄膜の形成に用いられる成膜方法として、薄膜塗布法の一つであるスピンコート法が一般に知られている。このスピンコート法は、塗布液を基板上に滴下した後に、基板を回転させて遠心力により基板全面に塗布を行い、薄膜を形成する方法であり、回転数及び回転保持時間、あるいは塗布液の粘度などによって膜厚を制御するものである。このようなスピンコート法は、例えば半導体製造工程等に用いられるフォトレジスト膜やSOG(スピンオングラス)等の層間絶縁膜の形成、液晶装置製造工程等におけるオーバーコート膜(平坦化膜)や配向膜の形成、さらには光ディスク等の製造工程における保護膜の形成等に広く用いられている。
【0003】
ところが、このスピンコート法では、供給された塗布液の大半が飛散してしまうため、多くの塗布液を供給する必要があるとともに無駄が多く、生産コストが高くなるといった不都合があった。また、基板を回転させるため、遠心力により塗布液が内側から外側へと流動し、外周領域の膜厚が内側よりも厚くなる傾向があるため、膜厚が不均一になるといった不都合もあった。
【0004】
これらの対策のため、近年、いわゆるインクジェット法(液滴吐出法)によって基板上に塗布液を塗布し、成膜を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、膜材料となる液状体(インク)を吐出する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドを移動させる移動手段を有した成膜装置(液滴吐出装置)を用い、前記液滴吐出ヘッドのノズルから液状体を液滴として基板上に吐出することにより、液状体を基板上に均一に塗布するようにしたものである。
このような成膜装置によって成膜を行う場合、特に液状体(インク)の吐出量の精度向上が、すなわち、制御手段で制御した通りの正規の吐出量で液状体を基板上に塗布することが、得られる膜のパターンや厚さの精度向上を図るうえで重要となっている。
【特許文献1】特開2006−58607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記の成膜装置にあっては、例えば一枚の基板に対して所望の描画処理(成膜処理)を終了させた後、液滴吐出ヘッドを基板上(描画領域)から非描画領域に移動させ、基板を入れ替えて次の基板に対し新たに描画処理を行うまでの間、その非描画領域で待機させるのが一般的である。なお、待機させている間には、例えばノズルに残る液状体が乾燥して目詰まりが起こるのを防止するため、液滴吐出ヘッドをキャップで覆うといったことも、必要に応じてなされている。
【0006】
また、液滴吐出ヘッドは、吐出時には液滴を吐出させるアクチュエータへの通電等によって発熱し、その結果、液滴吐出ヘッド自体の温度も高くなる。したがって、連続的に吐出動作をなす描画処理時には、ある程度温度が上昇した後、ある温度で安定するものの、特に基板を入れ替える際の待機時には、液滴吐出ヘッドは放熱により温度が低下してしまう。すると、再度描画処理を行う際、特にその初期において液滴吐出ヘッドの温度が低いことに起因して、一回の吐出動作における液状体(インク)の吐出量が所望の量と異なる量になってしまい、結果として得られる膜のパターンや厚さの精度が損なわれてしまう。
【0007】
すなわち、液滴吐出ヘッドの温度変化により、吐出する液状体の粘度が変化したり、アクチュエータとして例えばピエゾ素子(圧電素子)を用いた場合に、その共振周波数が変動して液状体への加圧動作が変化したり、近傍の電子部品の特性変化によって印加電圧が変化したりしてしまうことから、一回の吐出動作における液状体(インク)の吐出量が、わずかながら変動してしまうのである。
【0008】
このような課題を解決し得るものとして、例えば、発熱量による特性差を補正する補正機能(例えば、温度に応じて駆動アルゴリズムを変える機能)を付加することが考えられ、パルス幅変調により温度をキャンセルするアルゴリズムを搭載したもの(例えば、特開平5−31905号公報に記載のもの)も提案されている。しかし、このように補正機能を付加すると、制御システムが肥大化し、成膜装置自体が大型化したり、高価になってしまうといった新たな課題を生じてしまう。
【0009】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、発熱量による特性差を補正する補正機能、すなわちフィードバック機能を具備することなく、描画処理に先立つ待機時において液滴吐出ヘッドの温度が低くなってしまうことに起因する不都合を防止し、これによって得られる膜のパターンや厚さの精度向上を図った、成膜装置とこれを用いた成膜方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため本発明の成膜装置は、複数のノズルを有し、該ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドを移動させるヘッド移動手段と、前記液滴吐出ヘッドにおける前記各ノズルからの液滴の吐出を制御する制御手段と、を有してなる成膜装置であって、前記制御手段は、被成膜体上への液滴吐出による描画処理とは別に、該描画処理に先立つ待機時において前記液滴吐出ヘッドに、前記描画処理における前記液滴吐出ヘッド全体での液滴吐出速度の、±10%の範囲の液滴吐出速度で、非描画領域に吐出をなさせるように構成されていることを特徴としている。
【0011】
この成膜装置によれば、描画処理に先立つ待機時において、液滴吐出ヘッドに、描画処理における前記液滴吐出ヘッド全体での液滴吐出速度の、±10%の範囲の液滴吐出速度で、非描画領域に吐出をなさせるようにしているので、待機時にも描画処理時とほぼ同等の吐出動作をなすことにより、液滴吐出ヘッドの温度を、描画処理時とほぼ同じに保持することが可能になる。したがって、このように待機時にも描画処理時とほぼ同じ温度に液滴吐出ヘッドを保持できることから、待機時後の描画処理時に、特にその初期においても液状体(インク)を所望の量で吐出させることができ、これにより得られる膜のパターンや厚さの精度向上を図ることができる。
また、温度検知による吐出駆動制御へのフィードバックや、事前の温度予測による吐出駆動制御の変更を必要としないため、装置構成がよりシンプルになり、装置の大型化や高価格化が抑えられる。
【0012】
また、前記成膜装置においては、前記描画処理が被成膜体に対する複数回の走査によってなされ、前記制御手段は、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記描画処理における前記液滴吐出ヘッド全体での液滴吐出速度として、最初の走査時における液滴吐出速度を用いるのが好ましい。
このようにすれば、特に待機時後の描画処理時の最初の走査時において、液状体(インク)を所望の量で吐出させることができる。
【0013】
また、前記成膜装置においては、前記描画処理が被成膜体に対する複数回の走査によってなされ、前記制御手段は、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記描画処理における前記液滴吐出ヘッド全体での液滴吐出速度として、複数回の走査時における液滴吐出速度の平均を用いるのが好ましい。
このようにすれば、特に待機時後の描画処理時における複数回の走査時の各液滴吐出速度が異なる場合に、待機時にその平均の速度で吐出させることで、液滴吐出ヘッドを描画処理時における平均的な温度にすることができ、したがって描画処理時に液状体(インク)を所望の量で吐出させることができる。
【0014】
また、前記成膜装置においては、前記待機時の前に前描画処理があり、前記制御手段は、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記前描画処理で吐出を行ったノズルとは異なるノズルを少なくとも一つ用いて、前記非描画領域に吐出をなさせるのが好ましい。
このように、前描画処理で吐出を行ったノズルとは異なるノズルを少なくとも一つ用いて、待機時に吐出をなさせることにより、特に前描画処理で吐出を行わなかったことによって液状体が乾燥し易くなっているノズルの、目詰まりを防止することができる。
【0015】
本発明の成膜方法は、複数のノズルを有し、該ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドを移動させるヘッド移動手段と、を有してなる成膜装置を用い、前記液滴吐出ヘッドのノズルから被成膜体上に液滴を吐出して成膜を行う成膜方法であって、被成膜体上への液滴吐出による描画処理とは別に、該描画処理に先立つ待機時において前記液滴吐出ヘッドに、前記描画処理における前記液滴吐出ヘッド全体での液滴吐出速度の、±10%の範囲の液滴吐出速度で、非描画領域に吐出をなさせることを特徴としている。
【0016】
この成膜方法によれば、描画処理に先立つ待機時において、液滴吐出ヘッドに、描画処理における前記液滴吐出ヘッド全体での液滴吐出速度の、±10%の範囲の液滴吐出速度で、非描画領域に吐出をなさせるので、待機時にも描画処理時とほぼ同等の吐出動作をなすことにより、液滴吐出ヘッドの温度を、描画処理時とほぼ同じに保持することが可能になる。したがって、このように待機時にも描画処理時とほぼ同じ温度に液滴吐出ヘッドを保持できることから、待機時後の描画処理時に、特にその初期においても液状体(インク)を所望の量で吐出させることができ、これにより得られる膜のパターンや厚さの精度向上を図ることができる。
また、温度検知による吐出駆動制御へのフィードバックや、事前の温度予測による吐出駆動制御の変更を必要としないため、成膜装置の構成をよりシンプルにすることができ、したがって成膜装置の大型化や高価格化を抑えることができる。
【0017】
また、前記成膜方法においては、前記描画処理を被成膜体に対する複数回の走査によって行う場合に、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記描画処理における前記液滴吐出ヘッド全体での液滴吐出速度として、最初の走査時における液滴吐出速度を用いるのが好ましい。
このようにすれば、特に待機時後の描画処理時の最初の走査時において、液状体(インク)を所望の量で吐出させることができる。
【0018】
また、前記成膜方法においては、前記描画処理が被成膜体に対する複数回の走査によって行う場合に、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記描画処理における前記液滴吐出ヘッド全体での液滴吐出速度として、複数回の走査時における液滴吐出速度の平均を用いるのが好ましい。
このようにすれば、特に待機時後の描画処理時における複数回の走査時の各液滴吐出速度が異なる場合に、待機時にその平均の速度で吐出させることで、液滴吐出ヘッドを描画処理時における平均的な温度にすることができ、したがって描画処理時に液状体(インク)を所望の量で吐出させることができる。
【0019】
また、前記成膜方法においては、前記待機時の前に前描画処理がある場合に、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記前描画処理で吐出を行ったノズルとは異なるノズルを少なくとも一つ用いて、前記非描画領域に吐出をなさせるのが好ましい。
このように、前描画処理で吐出を行ったノズルとは異なるノズルを少なくとも一つ用いて、待機時に吐出をなさせることにより、特に前描画処理で吐出を行わなかったことによって液状体が乾燥し易くなっているノズルの、目詰まりを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の成膜装置の一実施形態を示す図であり、図1において符号30は成膜装置である。この成膜装置30は、インクジェット装置(液滴吐出装置)としての構成を有したもので、ベース31、基板移動手段32、ヘッド移動手段33、液滴吐出ヘッド(以下、吐出ヘッドと記す)34、液供給手段35、制御手段40等を有してなるものである。ベース31は、その上に前記基板移動手段32、ヘッド移動手段33を設置したものである。
【0021】
基板移動手段32は、ベース31上に設けられたもので、Y軸方向に沿って配置されたガイドレール36を有したものである。この基板移動手段32は、例えばリニアモータ(図示せず)により、スライダ37をガイドレール36に沿って移動させるよう構成されたものである。
スライダ37上にはステージ39が固定されている。よって、基板移動手段32がステージ39の移動軸となる。このステージ39は、被成膜体となる基板Sを位置決めし保持するためのものである。すなわち、このステージ39は、公知の吸着保持手段(図示せず)を有し、この吸着保持手段を作動させることにより、基板Sをステージ39の上に吸着保持するようになっている。基板Sは、例えばステージ39の位置決めピン(図示せず)により、ステージ39上の所定位置に正確に位置決めされ、保持されるようになっている。
なお、この基板移動手段32には、図示しない搬送手段によって基板Sが供給され、さらには、描画処理後の基板Sが搬出されるようになっている。これにより、描画処理後、基板Sの入れ替えが自動的に短時間でなされるようになっている。
【0022】
ステージ39上の基板Sに対し、その両側、すなわち基板Sに対して描画を行うための描画領域とは異なる非描画領域には、吐出ヘッド34にフラッシングを行わせるためのフラッシングエリアF、Fが配されている。これらフラッシングエリアF、Fは、後述する吐出ヘッド34の移動方向(X軸方向)での両側に位置しており、吐出ヘッド34からのフラッシングによる液滴を受ける容器50を配設している。容器50は、前記ステージ39の移動方向(Y軸方向)に沿って長く形成された直方体状のもので、内部にスポンジ等の液滴を吸収する部材(図示せず)を収容したものである。
【0023】
ヘッド移動手段33は、ベース31の後部側に立てられた一対の架台33a、33aと、これら架台33a、33a上に設けられた走行路33bとを備えてなるもので、該走行路33bをX軸方向、すなわち前記の基板移動手段32のY軸方向と直交する方向に沿って配置したものである。走行路33bは、架台33a、33a間に渡された保持板33cと、この保持板33c上に設けられた一対のガイドレール33d、33dとを有して形成されたもので、ガイドレール33d、33dの長さ方向に吐出ヘッド34を搭載するキャリッジ42を移動可能に保持したものである。キャリッジ42は、リニアモータ(図示せず)等の作動によってガイドレール33d、33d上を走行し、これにより吐出ヘッド34をX軸方向に移動させるよう構成されたものである。ここで、このキャリッジ42は、ガイドレール33d、33dの長さ方向、すなわちX軸方向に例えば1μm単位で移動が可能になっており、このような移動は後述する制御手段40によって制御されるようになっている。
【0024】
吐出ヘッド34は、前記キャリッジ42に取付部43を介して回動可能に取り付けられたものである。取付部43にはモータ44が設けられており、吐出ヘッド34はその支持軸(図示せず)がモータ44に連結している。このような構成のもとに、吐出ヘッド34はその周方向に回動可能となっている。また、モータ44も前記制御手段40に接続されており、これによって吐出ヘッド34はその周方向への回動も、制御手段40によって制御されるようになっている。
【0025】
ここで、吐出ヘッド34は、図2(a)に示すように例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数の空間15と液溜まり16とが形成されている。各空間15と液溜まり16の内部は液状体で満たされており、各空間15と液溜まり16とは供給口17を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート12には、空間15から液状体を噴射するためのノズル18が縦横に整列させられた状態で複数形成されている。一方、振動板13には、液溜まり16に液状体を供給するための孔19が形成されている。
【0026】
また、振動板13の空間15に対向する面と反対側の面上には、図2(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、アクチュエータとして機能するもので、一対の電極21を有し、これら電極21、21間に通電されると外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。そして、このような構成のもとに圧電素子20が接合されている振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲するようになっており、これによって空間15の容積が増大するようになっている。したがって、増大した容積分に相当する液状体が、液溜まり16から供給口17を介して空間15内に流入する。また、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。したがって、空間15も元の容積に戻ることから、空間15内部の液状体の圧力が上昇し、ノズル18から基板に向けて液状体の液滴22が吐出される。
【0027】
このような構成からなる吐出ヘッド34は、その底面形状が略矩形状のもので、例えばノズル18を、60μmのピッチで1320個一列に整列配置させたものである。ここで、図1では吐出ヘッド34を一つしか示していないが、本発明の液滴吐出装置はこれに限定されることなく、吐出ヘッド34を複数備えていてもよい。例えば、形成する膜をカラーフィルタとする場合には、通常は赤(R)、緑(G)、青(B)の3種類のインクを吐出してそれぞれに対応したカラーフィルタを成膜するため、これら各色に対応するように、3つの吐出ヘッド34を並列した状態に備えるようにしてもよい。さらに、基板Sが大型である場合には、例えば12台の吐出ヘッド34を並列した状態に備えることもできる。
また、吐出ヘッド34としては、前記の圧電素子20を用いたピエゾジェットタイプ以外にも、例えばエネルギー発生素子として電気熱変換体を用いる方式などを採用することができる。
【0028】
液供給手段35は、前記吐出ヘッド34に接続した液供給チューブ46と、この液供給チューブ46に接続したタンク45とを有したものである。タンク45は、前記吐出ヘッド34に供給する液状体(インク)をその内部に貯留したものである。なお、この液供給手段35は、吐出ヘッド34から吐出する液状体の種類毎に備えられたもので、例えば前記したように赤(R)、緑(G)、青(B)の3種類のカラーフィルタ用インクを吐出するべく、3つの吐出ヘッド34が並列した状態に備えられている場合には、これら3つの吐出ヘッド34に対応して、液供給手段35も3つ備えられている。
【0029】
制御手段40は、装置全体の制御を行うマイクロプロセッサ等のCPUや、各種信号の入出力機能を有するコンピュータなどによって構成されたもので、吐出ヘッド34による吐出動作、さらにはヘッド移動手段33及び基板移動手段32による各移動動作を制御するようになっている。また、前述したように容器50の位置、具体的にはY軸に平行となる両方の側縁のX座標を記憶するとともに、吐出ヘッド34の位置情報、すなわち吐出ヘッド34のガイドレール33d、33d上での位置(X座標)や、そのときの各ノズルの位置(X座標)などを検知して記憶するようになっている。
【0030】
さらに、この制御手段40には、予め基板Sに形成する膜についての情報、すなわち描画情報が記憶されており、これによって制御手段40は、この描画情報に基づき、吐出ヘッド34の各ノズル18毎の吐出動作、すなわち前記した圧電素子20への通電を制御し、基板Sに描画処理をなさせるようになっている。
また、この制御手段40は、前記の描画処理に先だって非描画領域で吐出ヘッド34を待機させるが、この待機時に、前記のフラッシングエリアFにおいて前記容器50に向けて液滴を吐出させ、吐出ヘッド34にフラッシング動作をなさせるようになっている。
【0031】
その際、制御手段40は、その後に行う描画処理における前記吐出ヘッド34全体での液滴吐出速度の、±10%の範囲の液滴吐出速度で、前記容器50に吐出をなさせ、フラッシングさせるようになっている。ここで、吐出ヘッド34全体での液滴吐出速度とは、以下の式に示すように、多数のノズル18全てから、単位時間あたりに吐出される液滴のドット数によって表される値である。
・吐出ヘッド全体での液滴吐出速度=全てのノズルからの合計吐出ドット数/時間
【0032】
ここで、待機時におけるフラッシング動作を、描画処理における前記吐出ヘッド34全体での液滴吐出速度の、±10%の範囲の液滴吐出速度でなさせるようにしたのは、このような範囲でフラッシングをなさせることにより、吐出ヘッド34の温度を、描画処理時とほぼ同じに保持することができるからである。すなわち、吐出ヘッド34は、吐出時に圧電素子(アクチュエータ)20へ通電することによって発熱し、その結果、吐出ヘッド34自体の温度が高くなる。このような発熱による昇温は、吐出ヘッド34が環境温度より十分に高くなることから、ある温度になると熱的に平衡状態となり、安定化する。したがって、描画待機時におけるフラッシング時にも、描画時と同等の速度で吐出を行う、つまり描画時と同等に通電を行うことにより、待機時において吐出ヘッド34を描画時と同じ温度に調整しておき、これによって特に描画処理の初期においても、液状体(インク)の吐出量を所望の量となるようにするのである。
【0033】
また、特に、描画処理における吐出ヘッド34全体での液滴吐出速度の、±10%の範囲の液滴吐出速度でフラッシング動作を行わせるのは、この範囲内の速度であれば、環境温度のわずかな変動などによる影響と同等の影響しかなく、吐出量に実質的な変動を与えるだけの温度変化が生じないためである。
【0034】
なお、成膜に際しての描画処理としては、基板Sに対して吐出ヘッド34を複数回走査(スキャン)させることにより、面を構成する膜を得るのが一般的である。その際、例えばカラーフィルタのようにR、G、B毎に均一な膜を形成する場合、通常は各走査毎に同一の吐出動作をなさせる。すなわち、各走査毎に同一のアルゴリズムで吐出動作を行わせ、これによって同じノズルを用いて同じ吐出タイミングで同じ回数の吐出を行わせるようにする。これに対し、配線などのような不均一なパターンを形成する場合には、各走査毎に異なるアルゴリズムで吐出を行う場合もある。
【0035】
このように、描画処理を基板Sに対して複数回走査(スキャン)することで行う場合、前記制御手段40は、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記描画処理における前記吐出ヘッド34全体での液滴吐出速度として、最初の走査時における液滴吐出速度を用いることができる。このようにすれば、特に待機時後の描画処理時の最初の走査時において、液状体(インク)を所望の量で吐出させることができる。また、カラーフィルタ成膜のように、各走査毎に同一のアルゴリズムで吐出動作を行わせる場合、最初の走査時における液滴吐出速度がそのまま描画処理中の液滴吐出速度となり、したがってこのような成膜を行う場合に好適となる。
【0036】
また、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記描画処理における前記吐出ヘッド34全体での液滴吐出速度として、複数回の走査時における液滴吐出速度の平均を用いることもできる。このようにすれば、特に不均一なパターンを形成する描画処理のように、描画処理時における複数回の走査時の各液滴吐出速度が異なる場合に、待機時にその平均の速度で吐出させることで、液滴吐出ヘッドを描画処理時における平均的な温度にすることができ、したがって描画処理時に液状体(インク)を所望の量で吐出させることができる。なお、不均一なパターンを形成する描画処理の場合にも、前記したように、描画処理における前記吐出ヘッド34全体での液滴吐出速度として、最初の走査時における液滴吐出速度を用いることもできる。
【0037】
また、複数の基板Sに対して描画処理を行う場合、これら描画処理の間の待機時を基にして見れば、この待機時の前に相対的に前描画処理がなされていることになる。このように前描画処理がある場合、前記制御手段40は、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記前描画処理で吐出を行ったノズルとは異なるノズルを少なくとも一つ用いて、前記非描画領域に吐出をなさせるようになっていてもよい。このようにすれば、特に前描画処理で吐出を行わなかったことによって液状体が乾燥し易くなっているノズルの、目詰まりを防止することができる。
【0038】
次に、このような構成からなる成膜装置30を用いた成膜方法を、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からなるカラーフィルタの成膜に適用した例について説明する。なお、この例では、成膜装置30として、前述したように3種類のカラーフィルタインクに対応した3つの吐出ヘッド34を、並列した状態に備えたものを用いるものとする。
【0039】
まず、搬送手段(図示せず)によって基板Sをベース31上に供給し、これをステージ39上の所定位置にセットする。ここで、基板Sとしては、例えば液晶装置における対向基板となる、ガラス基板が用いられる。なお、本発明の成膜方法は、カラーフィルタ以外の各種の機能膜の形成にも適用可能であり、当然ながら形成する機能膜に応じて、被成膜体となる基板Sも種々のものが使用可能である。
【0040】
次に、基板S上にカラーフィルタインクを吐出する描画処理に先立ち、待機時での吐出(フラッシング)を行う。この待機時の吐出では、制御手段40による制御により、ヘッド移動手段33を駆動させて吐出ヘッド34を一方のフラッシングエリアFの容器50上に移動させ、その位置で所定時間吐出をなさせる。このときの吐出(フラッシング)については、特に、その後の描画処理における吐出ヘッド34全体での液滴吐出速度の、±10%の範囲の液滴吐出速度で、吐出をなさせる。好ましくは、描画処理における吐出ヘッド34からの吐出と同一の条件、すなわち同じノズルを用いて同じ吐出タイミングで同じ回数の吐出を同じ時間行わせるようにする。ただし、生産性を考慮した場合、必ずしも描画処理の時間と同じ時間フラッシングを行う必要はなく、吐出によって吐出ヘッド34の温度上昇がほとんど起こらなくなる程度の時間、つまり吐出ヘッド34の温度が安定化する時間、フラッシング(吐出)を行えばよい。
【0041】
また、本例ではカラーフィルタを成膜するが、通常カラーフィルタの形成は必要な膜厚を確保するため、複数回の走査(スキャン)を行うことで所定の厚さのカラーフィルタを得る。本例でも、一方のフラッシングエリアF側から他方のフラッシングエリアF側への移動を一回の走査(スキャン)とすると、8回の走査(スキャン)を行うものとする。なお、カラーフィルタについては前述したようにR、G、B毎に均一な膜を形成することから、この8回の走査(スキャン)では、各走査時の液滴吐出条件を同じとしている。したがって、この描画処理における吐出ヘッド34全体での液滴吐出速度としては、最初の走査時における液滴吐出速度を用いても、複数回の走査時における液滴吐出速度の平均を用いても、同じになる。よって、本例では描画処理時の最初の走査時における液滴吐出速度を用いて、容器50へのフラッシングを行うものとする。
【0042】
このようにして、待機時において容器50(非描画領域)に吐出(フラッシング)をなさせたら、ヘッド移動手段33を駆動させて基板S上に吐出ヘッド34を8回走査させ、かつ、基板移動手段32によって各走査間などに基板Sを移動させつつ、予め制御手段40に記憶させた描画除法に基づいて吐出ヘッド34の各ノズルから吐出(描画)をなさせることにより、描画処理を行う。
【0043】
このようにして描画処理を終了させたら、搬送手段によって基板Sを搬出し、これを次工程に移送する。また、描画処理済みの基板Sを搬出したら、これに続いて、搬送手段によって新たな基板Sをベース31上に供給し、これをステージ39上の所定位置にセットする。この基板Sの入れ替えの間、制御手段40は、先の基板Sのときの描画処理に先立つ待機時と同様に、一方のフラッシングエリアF(非描画領域)において、容器50に向けて吐出(フラッシング)をなさせる。
【0044】
このときの吐出(フラッシング)についても、その後の描画処理における吐出ヘッド34全体での液滴吐出速度の、±10%の範囲の液滴吐出速度でなさせる。その場合、前述したように特に描画処理における吐出ヘッド34からの吐出と同一の条件で吐出をなさせるのが好ましい。ただし、前の基板Sについての描画処理(前描画処理)において使用せず、今回の描画処理で使用するノズル18があるような場合には、前の描画処理(前描画処理)で吐出を行ったノズル18とは異なるノズル18を少なくとも一つ用いて、前記非描画領域に吐出をなさせるようにしてもよい。このようにすれば、特に前描画処理で吐出を行わなかったことによって液状体が乾燥し易くなっているノズル18の、目詰まりを防止することができる。
【0045】
このようにして、待機時において容器50(非描画領域)に吐出(フラッシング)をなさせたら、前の描画処理と同様にして、ヘッド移動手段33を駆動させて基板S上に吐出ヘッド34を8回走査させ、かつ、基板移動手段32によって各走査間などに基板Sを移動させつつ、予め制御手段40に記憶させた描画除法に基づいて吐出ヘッド34の各ノズルから吐出(描画)をなさせ、描画処理を行う。
さらに、前記と同様にして基板Sを入れ替え、待機時における非描画領域への吐出、描画処理、さらには基板Sの入れ替えを順次繰り返すことにより、基板Sへのカラーフィルタの形成を連続的に行うことができる。
【0046】
このような成膜方法にあっては、描画処理に先立つ待機時において、吐出ヘッド34に、描画処理における前記吐出ヘッド34全体での液滴吐出速度の、±10%の範囲の液滴吐出速度で、容器50(非描画領域)に吐出をなさせるので、待機時にも描画処理時とほぼ同等の吐出動作をなすことにより、吐出ヘッド34の温度を、描画処理時とほぼ同じに保持することができる。したがって、このように待機時にも描画処理時とほぼ同じ温度に吐出ヘッド34を保持できることから、待機時後の描画処理時に、特にその初期においても液状体(インク)を所望の量で吐出させることができ、これにより得られる膜のパターンや厚さの精度向上を図ることができる。特に、本例のカラーフィルタの場合には、膜厚が均一になることにより、色むらの無い良好なカラーフィルタを得ることができる。
また、温度検知による吐出駆動制御へのフィードバックや、事前の温度予測による吐出駆動制御の変更を必要としないため、成膜装置30の装置構成がよりシンプルになり、その大型化や高価格化を抑えることができる。
【0047】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。例えば、形成する膜についても、カラーフィルタ以外の各種膜、例えば配線や電極となる金属膜、各種絶縁膜、半導体膜などの成膜に本発明を適用することができる。
また、前記実施形態では、フラッシングを行う非描画領域を、フラッシングエリアFに配された容器50としたが、例えばこれに代えて、フラッシングエリアFに配される、吐出ヘッド34の底面側(吐出面側)を覆うキャップに、フラッシングをなさせるようにしてもよい。
【0048】
次に、本発明の効果を確認するためのシミュレーション結果について説明する。
図3は、吐出ヘッドの駆動時間と吐出ヘッドの温度とのシミュレーション結果を示した図である。図3において横軸は駆動時間、縦軸は吐出ヘッドの相対的な温度である(以下の図4、図5においても同様)。
図3に示したシミュレーション結果は、休みなく連続して吐出(描画)を行った場合の例であり、具体的には、隣り合う8つのノズルから吐出を行い、その隣りの3つのノズルからは吐出を休止させ、さらにその隣りの8つのノズルから吐出させるといった、駆動ノズルと休止ノズルとを繰り返させた構成のもとで吐出動作をなさせ、かつ、各駆動ノズルからの吐出を、50μs間隔で連続吐出した場合の例である。
図3に示すように、同じ駆動ノズルから連続して吐出を行うと、単位時間あたりの発熱量が一定になるため、駆動をある程度続けると、発熱量と放熱量とが等しくなる熱平衡状態となり、吐出ヘッドの温度はある値(温度)に収束する。
【0049】
実際の基板への描画について考えると、従来では、走査(スキャン)と走査(スキャン)との間に駆動ノズルについても吐出の休止が入り、さらには、基板の入れ替え時の待機時間では全てのノズルがその吐出を休止する。図4は、この状態をシミュレーションした結果を示す図である。
この例では、図4中Aで示すように、走査(スキャン)間での駆動ノズルの吐出休止による比較的小さい温度低下が生じ、さらには、図4中Bで示すように、基板の入れ替え時の待機時間による比較的大きい温度低下が生じる。したがって、基板の入れ替え後の描画処理時には、特にその初期において、吐出ヘッドの温度が低くなることに起因して、一回の吐出動作における液状体(インク)の吐出量が所望の量と異なる量になってしまい、結果として得られる膜のパターンや厚さの精度が損なわれてしまうことになる。
【0050】
これに対し、本発明では、特に基板の入れ替え時の待機時間においても、描画処理時と同じ液滴吐出速度で、駆動ノズルから吐出をなさせる。図5は、この状態をシミュレーションした結果を示す図である。
この例では、図5中Aで示すように、走査(スキャン)間での駆動ノズルの吐出休止による比較的小さい温度低下は生じるものの、基板の入れ替え時(待機時)にも、描画処理時と同じ液滴吐出速度で駆動ノズルから吐出をなさせているので、図4中Bで示したような比較的大きい温度低下が起こらず、したがって吐出ヘッドはその温度が全体的に安定した状態に保持される。よって、本発明によれば、待機時にも描画処理時とほぼ同じ温度に吐出ヘッドを保持することができ、これにより描画処理時の初期においても、液状体(インク)を所望の量で吐出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の成膜装置の概略的構成を示す斜視図である。
【図2】(a)、(b)は吐出ヘッドの概略構成を説明するための図である。
【図3】シミュレーション結果を示すグラフである。
【図4】従来の成膜方法のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図5】本発明の成膜方法のシミュレーション結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0052】
18…ノズル、30…吐出装置、33…ヘッド移動手段、34…液滴吐出ヘッド、40…制御手段、50…容器(非描画領域)、S…基板(被成膜体)、F…フラッシングエリア(非描画領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルを有し、該ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドを移動させるヘッド移動手段と、前記液滴吐出ヘッドにおける前記各ノズルからの液滴の吐出を制御する制御手段と、を有してなる成膜装置であって、
前記制御手段は、被成膜体上への液滴吐出による描画処理とは別に、該描画処理に先立つ待機時において前記液滴吐出ヘッドに、前記描画処理における前記液滴吐出ヘッド全体での液滴吐出速度の、±10%の範囲の液滴吐出速度で、非描画領域に吐出をなさせるように構成されていることを特徴とする成膜装置。
【請求項2】
前記描画処理が被成膜体に対する複数回の走査によってなされ、前記制御手段は、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記描画処理における前記液滴吐出ヘッド全体での液滴吐出速度として、最初の走査時における液滴吐出速度を用いることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
【請求項3】
前記描画処理が被成膜体に対する複数回の走査によってなされ、前記制御手段は、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記描画処理における前記液滴吐出ヘッド全体での液滴吐出速度として、複数回の走査時における液滴吐出速度の平均を用いることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
【請求項4】
前記待機時の前に前描画処理があり、前記制御手段は、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記前描画処理で吐出を行ったノズルとは異なるノズルを少なくとも一つ用いて、前記非描画領域に吐出をなさせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の成膜装置。
【請求項5】
複数のノズルを有し、該ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドを移動させるヘッド移動手段と、を有してなる成膜装置を用い、前記液滴吐出ヘッドのノズルから被成膜体上に液滴を吐出して成膜を行う成膜方法であって、
被成膜体上への液滴吐出による描画処理とは別に、該描画処理に先立つ待機時において前記液滴吐出ヘッドに、前記描画処理における前記液滴吐出ヘッド全体での液滴吐出速度の、±10%の範囲の液滴吐出速度で、非描画領域に吐出をなさせることを特徴とする成膜方法。
【請求項6】
前記描画処理を被成膜体に対する複数回の走査によって行う場合に、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記描画処理における前記液滴吐出ヘッド全体での液滴吐出速度として、最初の走査時における液滴吐出速度を用いることを特徴とする請求項5記載の成膜方法。
【請求項7】
前記描画処理が被成膜体に対する複数回の走査によって行う場合に、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記描画処理における前記液滴吐出ヘッド全体での液滴吐出速度として、複数回の走査時における液滴吐出速度の平均を用いることを特徴とする請求項5記載の成膜方法。
【請求項8】
前記待機時の前に前描画処理がある場合に、待機時において非描画領域に吐出をなさせる際、前記前描画処理で吐出を行ったノズルとは異なるノズルを少なくとも一つ用いて、前記非描画領域に吐出をなさせることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の成膜方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−313448(P2007−313448A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−146810(P2006−146810)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】