説明

振動片、振動子及び発振器

【課題】異形部に依存することなく、股部の側面における電極間の短絡を回避できる構成の振動片、この振動片を備えた振動子及びこの振動片を備えた発振器の提供。
【解決手段】水晶振動片1は、水晶の原石などから、水晶の結晶軸としての互いに直交するX軸、Y軸、Z軸に対して所定の角度で切り出されたZ板を基材とし、外形形状がウエットエッチングによって形成された水晶振動片であって、基部11と、基部11からY軸に沿って延びる一対の振動腕12,13と、を備え、一対の振動腕12,13の根元部同士を繋ぐ股部19を挟んで一対の振動腕12,13の側面12a,13aに励振電極20,21が形成され、股部19の、X軸のプラス側を向いた側面19aに突起部19bが形成され、突起部19bが鋭角部19cを有していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動片、この振動片を備えた振動子及びこの振動片を備えた発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、音叉型水晶振動子(以下、音叉型水晶振動片という)において、音叉の2個の腕部(以下、振動腕という)が幅Dの間隔を有し、音叉型水晶振動片の股部の表面(主面)の円弧の最下部と股部の頂点との間に間隔Hを有し、かつD/Hが6から14である音叉型水晶振動片が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−308238号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の音叉型水晶振動片のように、水晶をウエットエッチング(以下、単にエッチングともいう)して形成される振動片には、水晶の結晶軸に対する方向によってエッチング速度が異なるエッチング異方性により、複数の振動腕同士を繋ぐ股部の側面に、傾斜面を有するヒレ状の異形部(エッチング残り)が形成されることがある(特許文献1の図1参照)。
振動片は、この異形部によって、例えば、股部に応力集中が発生し、高ドライブ時(印加電力が大きい状態)に振動腕が破損することや、振動特性の劣化が生じることがある。
【0005】
この異形部は、振動腕間の間隔を広げれば(股部を広げれば)、エッチングの進行度合いが変化することにより、発生し難くなることが分かっている。
しかしながら、振動片は、この異形部を電極形成の際に利用していることから、安易に振動腕間の間隔を広げられない状況にある。
具体的に述べれば、振動片は、この異形部の傾斜面に成膜された電極パターニング用のレジストが露光されることによって、股部の側面に成膜された不要な電極材料が除去されやすくなっている。これにより、振動片は、股部の側面における電極間の短絡が回避されている。
【0006】
しがたって、振動片は、この異形部に依存することなく、股部の側面における電極間の短絡を回避できる構成の具現化が課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例にかかる振動片は、水晶の結晶軸としての互いに直交するX軸、Y軸、Z軸に対して所定の角度で切り出されたZ板を基材とし、外形形状がウエットエッチングによって形成された振動片であって、基部と、前記基部から、前記Y軸に沿って延びる複数の振動腕と、を備え、前記複数の振動腕の根元部同士を繋ぐ股部を挟んで前記複数の振動腕の側面に電極が形成され、前記股部には、前記X軸のプラス側を向いた側面に突起部が形成され、前記突起部は、鋭角部を有していることを特徴とする。
【0009】
これによれば、振動片は、複数の振動腕の根元部同士を繋ぐ股部を挟んで複数の振動腕の側面に電極が形成され、股部の、X軸のプラス側を向いた側面に突起部が形成され、突起部が鋭角部を有している。
このことから、振動片は、振動腕の側面への電極形成の際に、突起部の鋭角部によって電極材料が付着し難くなることから、突起部への電極形成が阻害される。
この結果、振動片は、従来のような異形部に依存することなく、股部の側面における電極間の短絡を、突起部によって回避することができる。
【0010】
[適用例2]上記適用例にかかる振動片において、前記鋭角部の稜線が前記股部の一方の主面側と他方の主面側とを繋ぐように延びていることが好ましい。
【0011】
これによれば、振動片は、鋭角部の稜線が股部の一方の主面側と他方の主面側とを繋ぐように延びていることから、突起部への電極形成がより阻害され、股部の側面における電極間の短絡を、突起部によってより確実に回避することができる。
【0012】
[適用例3]上記適用例にかかる振動片において、前記振動腕の先端部に前記振動腕の腕部より幅が広い錘部が設けられていることが好ましい。
【0013】
これによれば、振動片は、振動腕の先端部に振動腕の腕部(振動腕の本体部分)より幅が広い錘部が設けられていることから、錘部の慣性質量の増加によるQ値の向上効果により、Q値を維持しながら振動腕を短くすることができる。
この結果、振動片は、Q値を維持しながら小型化を図ることが可能となる。
【0014】
[適用例4]上記適用例にかかる振動片において、前記複数の振動腕と、前記基部とを含んで音叉を構成することが好ましい。
【0015】
これによれば、振動片は、複数の振動腕と、基部とを含んで音叉を構成することから、股部の側面における電極間の短絡を突起部によって回避可能な音叉型圧電振動片を提供できる。
【0016】
[適用例5]本適用例にかかる振動子は、上記適用例1ないし適用例4のいずれか一例に記載の振動片と、前記振動片を収容するパッケージと、を備えたことを特徴とする。
【0017】
これによれば、振動子は、上記適用例1ないし適用例4のいずれか一例に記載の振動片を備えていることから、上記適用例1ないし適用例4のいずれか一例に記載の効果を奏する振動子を提供できる。
【0018】
[適用例6]本適用例にかかる発振器は、上記適用例1ないし適用例4のいずれか一例に記載の振動片と、前記振動片を発振させる発振回路を有する回路素子と、前記振動片及び前記回路素子を収容するパッケージと、を備えたことを特徴とする。
【0019】
これによれば、発振器は、上記適用例1ないし適用例4のいずれか一例に記載の振動片を備えていることから、上記適用例1ないし適用例4のいずれか一例に記載の効果を奏する発振器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態の振動片の概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の断面図。
【図2】図1(a)の要部拡大斜視図。
【図3】第2の実施形態の振動子の概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の断面図。
【図4】第3の実施形態の発振器の概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の振動片の概略構成を示す模式図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線での断面図である。図2は、図1(a)のB部拡大斜視図である。なお、図1の平面図では、電極を簡略化及び一部省略して表している。
【0023】
図1に示すように、振動片としての水晶振動片1は、水晶の原石などから、水晶の結晶軸としての互いに直交するX軸、Y軸、Z軸に対して所定の角度で切り出されたZ板を基材とし、外形形状がフォトリソグラフィ技術を用いたウエットエッチングによって形成されている。
【0024】
ここで、Z板とは、切り出し面(主面10)がZ軸に対して略直交したものをいい、このZ軸に直交した主面10が、X軸のプラス側から見てY軸からZ軸の方向へ反時計回りまたは時計回りに0度〜数度の範囲で回転した状態で切り出されたものも含まれる。
水晶振動片1は、X軸が電気軸、Y軸が機械軸、Z軸が光軸となるように、水晶の単結晶から切り出される。
なお、水晶振動片1は、水晶からの切り出し角度の誤差を、X軸、Y軸及びZ軸の各々につき多少の範囲(例えば、0度〜5度程度の範囲)で許容できる。
【0025】
水晶振動片1は、基部11と、基部11からY軸に沿って延びる互いに略平行な一対の振動腕12,13と、基部11をX軸方向に切り欠いた一対の切り欠き部14と、基部11からX軸方向に突出し、振動腕12,13側に略直角に折れ曲がり、振動腕12,13に沿ってY軸方向に延びる一対の支持部15とを備えている。
【0026】
一対の振動腕12,13は、基部11からY軸方向に延びる腕部16と、腕部16の先端部に形成され、腕部16より幅が広く、Y軸方向に延びる錘部17と、一対の振動腕12,13の延びる方向(Y軸方向)に沿って形成され、一対の振動腕12,13の並ぶ方向(X軸方向)に沿って切断した振動腕12,13の断面形状が、略H字状となる溝部18と、を有している。
なお、図1(b)に示すように、溝部18は、断面形状において、エッチング異方性により矩形形状になり難い。
【0027】
水晶振動片1は、一対の振動腕12,13の溝部18、一方の主面10a、他方の主面10b及び一対の振動腕12,13の根元部同士を繋ぐ股部19を挟んで一対の振動腕12,13の側面12a,13aなどに電極が形成されている。
水晶振動片1は、股部19のX軸のプラス側を向いた側面19aに突起部19bが形成されている。そして、突起部19bは、鋭角部19cを有している。
鋭角部19cの稜線は、股部19の一方の主面10a側と他方の主面10b側とを繋ぐように延びている。
なお、突起部19bの根元と側面19aとは、応力集中を緩和するために曲面で繋がれていることが好ましい。
【0028】
なお、水晶振動片1は、股部19の側面19aに対して反対側の側面(X軸のマイナス側を向いた側面)に突起部19bを設定した場合、水晶のエッチング異方性によって、所望の形状が安定的に形成されない虞がある。
これにより、水晶振動片1は、突起部19bが股部19のX軸のプラス側を向いた側面19aに形成されている。
【0029】
図1に示すように、水晶振動片1は、基部11と、一対の振動腕12,13とを含んで音叉を構成することで、音叉型振動片としての音叉型水晶振動片となっており、支持部15の所定の位置でパッケージなどの外部部材に固定されるようになっている。
そして、水晶振動片1は、一対の振動腕12,13に形成された後述する電極としての励振電極20,21に、外部から駆動信号が印加されることにより、一対の振動腕12,13が、所定の周波数(例えば、32kHz)で矢印C方向及び矢印D方向に交互に屈曲振動(共振)する。
【0030】
ここで、一対の振動腕12,13に形成されている励振電極20,21について詳述する。
図1(b)に示すように、一対の振動腕12,13には、外部から印加される駆動信号の印加電位の極性が異なる励振電極20と励振電極21とが形成されている。
このことから、励振電極20と励振電極21とは、短絡しないように互いに間隔を空けて形成される設定となっている。
振動腕12の溝部18には、励振電極20が形成され、振動腕12の両側面には励振電極21が形成されている。なお、振動腕12の両側面の励振電極21は、錘部17に形成された接続電極22を介して互いに接続されている。
【0031】
一方、振動腕13の溝部18には、励振電極21が形成され、振動腕13の両側面には励振電極20が形成されている。
なお、振動腕13の両側面の励振電極20は、錘部17に形成された接続電極22を介して互いに接続されている。
励振電極20,21は、基部11を介して支持部15まで引き出され、引き出された部分が、パッケージなどの外部部材に固定される際に用いられるマウント電極20a,21aとなっている。なお、マウント電極20a,21aは、一方の主面10a及び他方の主面10bの両方に形成されている。
【0032】
図2に示すように、股部19を挟んで振動腕12の側面12aには、励振電極21が形成され、振動腕13の側面13aには、励振電極20が形成されている。
つまり、一対の振動腕12,13の、股部19で繋がっている側面12a,13aには、股部19を挟んで、印加電位の極性が異なる励振電極20と励振電極21とが形成されている。
水晶振動片1は、仮に振動腕12,13の側面12a,13aに形成される励振電極20と励振電極21とが、股部19で分断されない場合、励振電極20と励振電極21とが短絡することとなる。
【0033】
ここで、励振電極20,21の形成方法の概略について説明する。
励振電極20,21は、Ni、Cr、Au、Ag、Al、Cuなどの電極材料が、蒸着、スパッタなどの方法で水晶振動片1の略全面に成膜され、成膜された電極材料を覆うようにレジストが塗布され、フォトリソグラフィ技術などを用いて所望の電極パターン形状に露光された後、電極材料の露出した不要部分がエッチングで除去されることにより、所望の電極パターン形状に形成される。
【0034】
この際、一対の振動腕12,13の股部19の突起部19bは、鋭角部19cを有していることから、蒸着、スパッタなどによる電極材料の成膜の段階で、電極材料が付着し難い状態となっている。
これにより、水晶振動片1は、仮に股部19の側面19aにおけるレジストの露光が十分でない場合でも、突起部19bへの励振電極20,21の形成が阻害される。
加えて、水晶振動片1は、鋭角部19cの稜線19dが、股部19の一方の主面10a側と他方の主面10b側とを繋ぐように延びていることから、突起部19bへの励振電極20,21の形成が、突起部19bの側面19aの一方の主面10a側から他方の主面10b側に亘って阻害される。
【0035】
上述したように、第1の実施形態の水晶振動片1は、股部19の、X軸のプラス側を向いた側面19aに突起部19bが形成され、突起部19bが鋭角部19cを有している。
これにより、水晶振動片1は、蒸着、スパッタなどを用いた電極材料の成膜の段階で、鋭角部19cによって、突起部19bに電極材料が付着し難い状態となっていることから、突起部19bへの励振電極20,21の形成が阻害される。
この結果、水晶振動片1は、従来のような異形部に依存することなく、股部19の側面19aにおける励振電極20,21間の短絡を、突起部19bによって回避することができる。
【0036】
加えて、水晶振動片1は、鋭角部19cの稜線19dが、股部19の一方の主面10a側と他方の主面10b側とを繋ぐように延びていることから、突起部19bへの励振電極20,21の形成が、突起部19bの側面19aの一方の主面10a側から他方の主面10b側に亘って阻害される。
この結果、水晶振動片1は、股部19の側面19aにおける励振電極20,21間の短絡を、突起部19bによってより確実に回避することができる。
【0037】
また、水晶振動片1は、振動腕12,13の先端部に腕部16より幅が広い錘部17が設けられていることから、錘部17の慣性質量の増加によるQ値の向上効果により、Q値を維持しながら振動腕12,13を短くすることができる。
この結果、水晶振動片1は、Q値を維持しながら小型化を図ることが可能となる。
【0038】
また、水晶振動片1は、一対の振動腕12,13と、基部11とを含んで音叉を構成することから、股部19の側面19aにおける励振電極20,21間の短絡を、突起部19bによって回避可能な音叉型水晶振動片を提供できる。
【0039】
なお、上記実施形態では、振動腕12,13の数を一対(2本)としたが、これに限定するものではなく、3本以上でもよい。
また、切り欠き部14、支持部15、錘部17、溝部18は、なくてもよい。
また、振動腕12,13の屈曲振動の方向は、振動腕12,13の厚み方向(Z軸方向)であってもよい。
【0040】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態として、上記で説明した水晶振動片を備えた振動子について説明する。
図3は、第2の実施形態の振動子の概略構成を示す模式図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は、図3(a)のE−E線での断面図である。なお、煩雑さを避けるために、水晶振動片の電極は省略してある。
【0041】
図3に示すように、振動子としての水晶振動子5は、第1の実施形態の水晶振動片1と、水晶振動片1を収容するパッケージ80と、を備えている。
パッケージ80は、パッケージベース81、シームリング82、蓋体85などから構成されている。
パッケージベース81は、水晶振動片1を収容できるように凹部が形成され、その凹部に水晶振動片1の図示しないマウント電極20a,21a(図1参照)と接続される接続パッド88が設けられている。
接続パッド88は、パッケージベース81内の配線に接続され、パッケージベース81の外周部に設けられた外部接続端子83と導通可能に構成されている。
【0042】
パッケージベース81の凹部の周囲には、シームリング82が設けられている。さらに、パッケージベース81の底部には、貫通穴86が設けられている。
水晶振動片1は、パッケージベース81の接続パッド88に導電性接着剤84を介して接着固定されている。そして、パッケージ80は、パッケージベース81の凹部を覆う蓋体85とシームリング82とがシーム溶接されている。
パッケージベース81の貫通穴86には、金属材料などからなる封止材87が充填されている。この封止材87は、減圧雰囲気内で溶融後固化され、パッケージベース81内が減圧状態を保持できるように、貫通穴86を気密に封止している。
水晶振動子5は、外部接続端子83を介した外部からの駆動信号により水晶振動片1が励振され、所定の周波数(例えば、32kHz)で発振(共振)する。
【0043】
上述したように、水晶振動子5は、水晶振動片1を備えていることから、第1の実施形態と同様の効果を奏する水晶振動子を提供することができる。
【0044】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態として、上記で説明した水晶振動片を備えた発振器について説明する。
図4は、第3の実施形態の発振器の概略構成を示す模式図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)のF−F線での断面図である。なお、煩雑さを避けるために、水晶振動片の電極類は省略してある。
【0045】
発振器としての水晶発振器6は、上記水晶振動子5の構成に回路素子をさらに備えた構成となっている。なお、水晶振動子5との共通部分については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図4に示すように、水晶発振器6は、第1の実施形態の水晶振動片1と、水晶振動片1を発振させる発振回路を有する回路素子としてのICチップ91と、水晶振動片1及びICチップ91を収容するパッケージ80と、を備えている。
ICチップ91は、パッケージベース81の底部に固着され、Au、Alなどの金属ワイヤー92により他の配線と接続されている。
水晶発振器6は、ICチップ91の発振回路からの駆動信号により水晶振動片1が励振され、所定の周波数(例えば、32kHz)で発振(共振)する。
【0046】
上述したように、水晶発振器6は、水晶振動片1を備えていることから、第1の実施形態と同様の効果を奏する水晶発振器を提供することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…振動片としての水晶振動片、5…振動子としての水晶振動子、6…発振器としての水晶発振器、10…主面(切り出し面)、10a…一方の主面、10b…他方の主面、11…基部、12…振動腕、12a…側面、13…振動腕、13a…側面、14…切り欠き部、15…支持部、16…腕部、17…錘部、18…溝部、19…股部、19a…側面、19b…突起部、19c…鋭角部、19d…稜線、20,21…電極としての励振電極、20a,21a…マウント電極、22…接続電極、80…パッケージ、81…パッケージベース、82…シームリング、83…外部接続端子、84…導電性接着剤、85…蓋体、86…貫通穴、87…封止材、88…接続パッド、91…回路素子としてのICチップ、92…金属ワイヤー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水晶の結晶軸としての互いに直交するX軸、Y軸、Z軸に対して所定の角度で切り出されたZ板を基材とし、外形形状がウエットエッチングによって形成された振動片であって、
基部と、
前記基部から、前記Y軸に沿って延びる複数の振動腕と、を備え、
前記複数の振動腕の根元部同士を繋ぐ股部を挟んで前記複数の振動腕の側面に電極が形成され、
前記股部には、前記X軸のプラス側を向いた側面に突起部が形成され、前記突起部は、鋭角部を有していることを特徴とする振動片。
【請求項2】
請求項1に記載の振動片において、前記鋭角部の稜線が前記股部の一方の主面側と他方の主面側とを繋ぐように延びていることを特徴とする振動片。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の振動片において、前記振動腕の先端部に前記振動腕の腕部より幅が広い錘部が設けられていることを特徴とする振動片。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の振動片において、前記複数の振動腕と、前記基部とを含んで音叉を構成することを特徴とする振動片。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動片と、
前記振動片を収容するパッケージと、を備えたことを特徴とする振動子。
【請求項6】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動片と、
前記振動片を発振させる発振回路を有する回路素子と、
前記振動片及び前記回路素子を収容するパッケージと、を備えたことを特徴とする発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−223228(P2011−223228A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89257(P2010−89257)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】