説明

搬送システムと搬送指令の転送方法

【課題】搬送車システムに異常がある場合の無駄な通信を減らし、かつ搬送要求を実行不能とするまでの処理を簡単化する。
【解決手段】上位コントローラに、走行ルートを構成する部分ルートの接続関係と、各部分ルートの走行の可否とを記憶するための記憶部とを設ける。記憶部のデータから、搬送要求を実行するために必要な部分ルートと部分ルートの走行の可否とを求めて、搬送要求の内で実行可能な搬送要求のみを下位コントローラへ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は搬送システムに関し、特に実行不能な搬送要求を検出することに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1:JP2006-313408Aは、搬送車システムに、搬送車の走行ルートを分割したゾーン毎のゾーンコントローラと、搬送車システム全体を管理するシステムコントローラとを設けることを開示している。ところで一般に、搬送車システムへの搬送要求は、生産を管理する生産コントローラから工場内の物流システム全体を管理する物流コントローラへ伝えられ、物流コントローラから搬送車システムのコントローラへ転送される。ここで物流コントローラは、生産コントローラと、搬送車システム等のコントローラとの中間のコントローラなので、搬送車システムなどの詳細を管理する必要がない。このため搬送車システムのレイアウト等を保持していない。このため物流コントローラは、走行ルートの一部に異常が生じている場合でも、搬送車システムのコントローラが正常、あるいは搬送車システムのコントローラとゾーンコントローラとが正常であれば、搬送要求を搬送車システムのコントローラに転送する。従って、物流システム内での無駄な通信が増え、また搬送要求が実行不能とされた過程の解析が難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】JP2006-313408A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の課題は、搬送車システムに異常がある場合の無駄な通信を減らし、かつ搬送要求を実行不能とするまでの処理を簡単化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、ホストコントローラからの搬送要求に従い、上位コントローラから下位コントローラに搬送指令を送信し、前記下位コントローラの管理下で、所定の走行ルートを走行する搬送車に前記搬送指令を実行させる搬送システムであって、
前記上位コントローラに、走行ルートを構成する部分ルートの接続関係と、各部分ルートの走行の可否とを記憶するための記憶部と、
前記記憶部のデータから、前記搬送要求を実行するために必要な部分ルートと部分ルートの走行の可否とを求めることにより、搬送要求が実行可能か否かを求める判定部とを設けて、
搬送要求の内で実行可能な搬送要求のみを前記下位コントローラへ通信部から送信するようにしたことを特徴とする。
【0006】
この発明はまた、ホストコントローラからの搬送要求に従い、上位コントローラから下位コントローラに搬送指令を送信し、前記下位コントローラの管理下で、所定の走行ルートを走行する搬送車に前記搬送指令を実行させるために、
前記上位コントローラの記憶部に、走行ルートを構成する部分ルートの接続関係と、各部分ルートの走行の可否とを記憶させるためのステップと、
いずれかの部分ルートが走行不能になった場合及び走行不能になった部分ルートが走行可能になった場合に、前記記憶部での記憶を変更するためのステップと、
ホストコントローラからの搬送要求に対し、前記記憶部のデータから、前記搬送要求を実行するために必要な部分ルートと部分ルートの走行の可否とを求めることにより、搬送要求が実行可能か否かを求めるためのステップと、
搬送要求の内で実行可能な搬送要求のみを前記下位コントローラへ送信するためのステップ、とを設けた搬送システムでの搬送指令の転送方法にある。
【0007】
この発明では、上位コントローラが簡単なデータを記憶することにより、実行不能な搬送要求を検出する。このため実行不能な搬送要求を下位コントローラへ転送することが無くなり、通信の無駄を減らし、また搬送要求のトラッキングが容易になる。
【0008】
好ましくは、前記記憶部では、前記部分ルートとしてのループ状の走行路であるベイと、ベイ間の接続関係及び各ベイの走行の可否を記憶する。このようにすると、ごく単純なデータを記憶することにより、搬送要求が実行可能か否かを判定できる。
【0009】
また好ましくは、搬送システムは、搬送車のシステムと自動倉庫システムとを備え、前記上位コントローラは、搬送車のシステムと自動倉庫システムを含む搬送システム全体を管理するコントローラで、前記下位コントローラは搬送車のシステムを管理するコントローラである。即ち搬送車のシステムと自動倉庫システムとを含む搬送システム全体を管理する上位コントローラは、搬送車システムの構成に付いて最小限のデータを持つだけで、搬送要求が実行可能か否かを判定できる。

【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例の搬送システムの制御系を示すブロック図
【図2】実施例での物流コントローラのブロック図
【図3】実施例での搬送車システムのレイアウトを示す平面図
【図4】実施例で、物流コントローラが記憶するピースデータを示す図
【図5】ピースデータの変形例を示す図
【図6】ピースデータでのベイへのロードポートの接続を示す図
【図7】実施例での、物流コントローラから搬送車コントローラへの搬送指令の送出アルゴリズムを示す図
【図8】実施例での、ピースデータレベルでのダウン登録アルゴリズムを示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
【実施例】
【0012】
図1〜図8に、実施例とその変形とを示す。各図において、2は物流コントローラ(MCS)で、物流システム全体の最上位コントローラであり、搬送車システムコントローラ(TVC)4及びストッカシステムコントローラ(STKC)6などの、サブシステムのコントローラを管理する。また物流コントローラ2は生産コントローラ(MES)8と通信し、生産コントローラ8から搬送要求を受け付け、これを搬送車システムコントローラ4等に送出して実行させる。そして搬送指令が実行されると、搬送車システムコントローラ4から実行結果の報告を受け、これを生産コントローラ8へ報告する。ストッカシステムコントローラ6は、図示しない複数のストッカを制御する。生産システムと物流システムは、半導体工場あるいはフラットパネルディスプレイの工場、電子部品の工場、医薬品の工場などに設けられ、生産コントローラ8は処理装置や検査装置などを管理する。工場内では、処理装置及び検査装置にある仕掛品は生産コントローラ8が管理し、処理装置及び検査装置の外部にある在庫は、ストッカシステムコントローラ6などを介して、物流コントローラ2が管理する。
【0013】
搬送車システムコントローラ4は、天井走行車あるいは地上を無軌道で走行する無人搬送車、地上走行の有軌道台車などのシステムを制御し、搬送車の走行ルートは例えば複数のベイに分割され、ベイは基本的にループ状の走行路であり、ベイ毎にベイコントローラ(BC)10が設けられている。ベイコントローラ10はベイ内の搬送車(OHT:Overhead Hoisting Transport)を1〜複数台管理し、搬送車12はそれぞれ機上コントローラを備えている。生産コントローラ8からの搬送要求が搬送車12により実行されるためには、搬送要求を物流コントローラ2が搬送車システムコントローラ4へ、搬送要求を搬送指令として送出し、搬送車システムコントローラ4がベイコントローラ10に搬送指令を転送し、ベイコントローラ10が搬送車12に搬送指令を割り付ける必要がある。
【0014】
物流コントローラ2の主な役割は、生産コントローラ8と通信し、コントローラ4,6等に、生産コントローラ8からの要求を実行するように指令することである。またコントローラ4,6の役割は、自己が管理するシステムを物流コントローラ2の指令に従って制御することである。このため、生産コントローラ8からの要求をそのまま搬送車システムコントローラ4へ転送すると、物流コントローラ2の処理を単純化できる。
【0015】
しかしながら生産コントローラ8からの要求が搬送車システムの状況に適合していない場合、搬送車システムを混乱させる可能性がある。例えば物流コントローラ2が実行不能な搬送指令を搬送車システムコントローラ4へ送出した場合、コントローラ4は実行不能である旨を回答する。これによって無駄な通信が増え、また生産コントローラ8の要求がなぜ実行されなかったのかのトラッキングが複雑になる。この発明では、生産コントローラ8からの搬送要求で実行不能なものが搬送車システムコントローラ4へ送出されないようにして、コントローラ2,4間などの通信を減らし、かつなぜ搬送要求が実行されなかったのかのトラッキングを容易にする。
【0016】
図2は、実施例の物流コントローラ2の構成を示し、通信インターフェース21は生産コントローラ8との間で通信する。通信インターフェース22は、搬送車システムコントローラ4等の、物流システム内のサブシステムのコントローラと通信する。24はモニタ、26はマウスやキーボードなどのユーザ入力であり、モニタ24とユーザ入力26とにより、GUI(Graphical User Interface)を構成する。28はCPU,30は搬送指令データベース、31は在庫データベースで、搬送指令データベース30は生産コントローラ8から受信した搬送要求と、それに応じて搬送車システムコントローラ4等に送出した搬送指令、並びにそれらの実行結果を記憶する。実行不能の搬送要求では、受け付けた搬送要求と、実行不能と生産コントローラに回答したこと、及び実行不能とした理由、例えばダウンしているベイを経由すること、を記録する。また在庫データベース31は、物流システム内の在庫を記録し、在庫データの詳細はストッカシステムコントローラ6及び搬送車システムコントローラ4等が記録する。例えば搬送車が搬送中の物品及び搬送車の走行ルートに設けた仮置き用のバッファなどにある物品は、搬送車システムコントローラ4が管理し、ストッカに保管中の物品はストッカシステムコントローラ6が管理する。
【0017】
ピースデータ記憶部32は、図4〜図6に示すピースデータを記憶し、ピースデータは搬送車の走行ルートを例えばベイ単位に分割し、ベイとベイの接続関係及び各ベイが正常かダウン(故障中)かを記載するデータである。データ登録部34は、搬送車システムコントローラ4からの報告により、オペレータがベイのダウン及び復旧を登録することを支援する。なおダウン及び復旧の登録はオペレータによらず、自動的に行ってもよい。ピースデータ作成部36はオペレータがピースデータを定義することを支援し、具体的にはモニタ24上にユーザ入力26からピースの配置とピース間の接続関係をユーザが入力することを支援する。作成されたピースデータはピースデータ記憶部32に記憶される。判定部37は、通信インターフェース21が受信した搬送要求での出発位置と目的位置とから、ピースデータ記憶部32のデータを用い、途中で経由するベイと、経由する各ベイが走行可能か否かとを求めて、搬送要求が実行可能か否かを判定する。
【0018】
図3に、搬送車システムのレイアウトを単純化して示し、B1〜B8はベイで、このうちベイB4,B5はインターベイルートで、ベイB1〜B3及びベイB6〜B8はイントラベイルートである。ベイB4,B5はショートカット40で分割されているので、2つのベイと見なしたが、ベイB4,B5を一括して1つのベイと見なしてもよい。またイントラベイルートB1〜B3,B6〜B8に面して複数のロードポートLPが配置され、実際にはこれ以外に複数のバッファ及びストッカがベイB1〜B8に面して設けられている。搬送車12はベイのルートに沿って走行し、ベイコントローラ10はそれぞれのベイを管理する。
【0019】
ここでベイB1のロードポートL1から、ベイB8のロードポートL2まで物品を搬送することを考える。従来の搬送車システムでは、走行ルートのレイアウトは搬送車システムコントローラ4及び下位のベイコントローラ10,搬送車12の機上コントローラが保持しており、物流コントローラ2は搬送システムのレイアウトを保持していない。このためロードポートL1からロードポートL2への搬送要求を受け付けると、コントローラ4に転送する。ここで仮にベイB5がダウンしており、搬送車12が走行不能であるとする。すると図3のレイアウトでは、ロードポートL1からロードポートL2への搬送が不能である。
【0020】
従前のシステムでは、このことはコントローラ4もしくはコントローラ10まで搬送要求を転送して始めて判明するので、物流コントローラ2が搬送指令をコントローラ4へ転送した後に搬送不能であることが判明する。このためコントローラ2,4間の通信などが増加し、また搬送が不能であると判明するまでに時間がかかり、搬送が不能であることのトラッキングデータも、種々のコントローラからばらばらに集める必要がある。
【0021】
図4は図3のレイアウトに対応するピースデータを説明し、同じ符号は同じものを表し、Nはベイの状態がノーマル(正常)で、Dはダウン即ち走行不能を意味している。なおダウンの意味は、走行ルートとしてのベイに異常がある場合と、ベイコントローラ10に異常がある場合の双方を含むが、これらを区別して記憶してもよい。またCはベイ間の接続部を意味し、ピースデータの内容は、ベイの状態と、どのベイとどのベイとが接続されているかの接続関係である。
【0022】
図5はピースデータの変形例を示し、ここではベイB1〜B8を線分ではなくループとして表現しており、他の点では図4と同じである。ループとして表現することの意味は、各ベイを前半と後半とに区分し、正常とダウンとの状態を前半と後半とで別々に記憶できる点にある。しかしながらこのようにすることのメリットは僅かである。
【0023】
図4,図5等のピースデータは、物流コントローラ2のピースデータ記憶部32に、例えば、ベイ間の接続関係と、走行の可否などのベイ毎の状態を示すデータとして記憶する。図5のピースデータを、ベイ毎の接続関係のテーブルとベイ毎の状態データのテーブルとして記憶する例を以下に示す。
【0024】
ベイ毎の接続関係 ベイ毎の状態データ
ベイ 接続されるベイ ベイ 状態
B1 B4 B1 Normal
B2 B4 B2 Normal
B3 B5 B3 Normal
B4 B1 B4 Normal
… B2 B5 Down
… B5 B6 Normal
… B6 B7 Normal
… B7 B8 Normal
B5 B3
… B4
… B8
B6 B4
B7 B4
B8 B5
【0025】
図6はベイBに対するロードポートLPの関係を示し、ロードポートの属性としてベイの番号を記憶することにより、ロードポートが指定されると属するベイが判明するようにする。
【0026】
ピースデータを用いると、ロードポートL1からロードポートL2への搬送では、ベイB1,B4,B5,B8を経由する以外にルートがないことが分かる。そしてここでベイB5に対してダウンが登録されていると、搬送が不能であることが分かる。このため物流コントローラ2の判定部37は、ピースデータというごく単純なデータを用いて、ベイの接続関係と各ベイの状態を正常と異常とに区別することにより、搬送要求が実行可能か不能かを認識できる。またピースデータにはベイの渋滞などのデータは含まれず、搬送要求が実行可能か不能かの判断のみを行う。
【0027】
図7に、物流コントローラから搬送車コントローラへの搬送指令の送出を示し、物流コントローラは生産コントローラから搬送要求を受け付ける。この時、搬送要求は(from,to)データとして受け付けられ、出発位置と目的位置とが含まれている。物流コントローラ2は(from,to)データを入手すると、ピースデータからどのベイを経由するかを求める。またピースデータには各ベイの状態がノーマルかダウンかが記載されているので、経由するベイのいずれかにダウンしているものがあれば、生産コントローラに搬送不能である旨を報告する。経由するベイが全て正常であれば、搬送車コントローラに(from,to)データを搬送指令として送出する。何れの場合も、搬送要求の処理結果(搬送不能もしくは搬送指令を送出済み)を搬送指令データベースに記憶する。
【0028】
図8に搬送システム側でダウンが生じた際の処置を示し、いずれかのベイにハードウェア的な異常が生じた場合、ベイコントローラがその旨を搬送車システムコントローラを介して物流コントローラへ報告する。ベイコントローラがダウンすると、搬送車システムコントローラからの要求にベイコントローラが応答しなくなるため、搬送車システムコントローラがそのことを検出し、物流コントローラへ報告する。搬送車システムコントローラ4は通常は2重化されており、ダウンはあり得ないことであるが、搬送車システムコントローラがダウンすると、物流コントローラからの通信に無回答になるので検出できる。以上のように、ハードウェアとしてのベイ、ベイコントローラ10、搬送車システムコントローラ4のいずれかがダウンすると、物流コントローラ2のデータ登録部34がモニタ24にその旨を表示し、オペレータはユーザ入力26を介して、ピースデータ記憶部32にダウンしたベイを登録する。この登録は、ベイのダウンとベイコントローラのダウンとを区別して行ってもよく、あるいはこれらをまとめて単にベイのダウンとしてもよい。万一搬送車システムコントローラ4がダウンすると、全てのベイをダウンと登録する。
【0029】
ベイがダウンから復旧すると、搬送車システムコントローラ4はその旨を物流コントローラ2に報告するので、データ登録部34は復旧した旨をモニタ24に表示し、オペレータはユーザ入力26からピースデータ記憶部32でのダウンデータをノーマルデータに書き換える。
【0030】
実施例では以下の効果が得られる。
(1) 物流コントローラ2が搬送車システムコントローラ4に依存せずに、搬送要求が実行可能か否かを判断できる。
(2) このため物流コントローラと搬送車システムコントローラ間の通信を減らし、またなぜ搬送要求を実行できなかったのかのトラッキングが簡単になる。
(3) このために物流コントローラ2で必要なデータは、レイアウトのデータよりも遙かに単純なピースデータであり、物流コントローラ2での負担とならない。特に図4のように、各ベイを1本の線分で表し、ベイとベイとの接続関係とベイの状態とを記載しただけのデータとすると、極めて単純なデータで、しかもロードポート間の搬送の可否を簡単に判別できる。

【符号の説明】
【0031】
2 物流コントローラ(MCS)
4 搬送車システムコントローラ(TVC)
6 ストッカシステムコントローラ(STKC)
8 生産コントローラ(MES)
10 ベイコントローラ(BC)
12 搬送車(OHT)
20 バス
21,22 通信インターフェース
24 モニタ
26 ユーザ入力
28 CPU
30 搬送指令データベース
31 在庫データベース
32 ピースデータ記憶部
34 データ登録部
36 ピースデータ作成部
37 判定部
40 ショートカット

B1〜B8 ベイ
LP ロードポート
C 接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストコントローラからの搬送要求に従い、上位コントローラから下位コントローラに搬送指令を送信し、前記下位コントローラの管理下で、所定の走行ルートを走行する搬送車に前記搬送指令を実行させる搬送システムであって、
前記上位コントローラに、走行ルートを構成する部分ルートの接続関係と、各部分ルートの走行の可否とを記憶するための記憶部と、
前記記憶部のデータから、前記搬送要求を実行するために必要な部分ルートと部分ルートの走行の可否とを求めることにより、搬送要求が実行可能か否かを求める判定部とを設けて、
搬送要求の内で実行可能な搬送要求のみを前記下位コントローラへ通信部から送信するようにしたことを特徴とする、搬送システム。
【請求項2】
前記記憶部では、前記部分ルートとしてのループ状の走行路であるベイと、ベイ間の接続関係及び各ベイの走行の可否を記憶するようにしたことを特徴とする、請求項1の搬送システム。
【請求項3】
搬送システムは、搬送車のシステムと自動倉庫システムとを備え、前記上位コントローラは、搬送車のシステムと自動倉庫システムを含む搬送システム全体を管理するコントローラで、前記下位コントローラは搬送車のシステムを管理するコントローラであることを特徴とする、請求項1または2の搬送システム。
【請求項4】
ホストコントローラからの搬送要求に従い、上位コントローラから下位コントローラに搬送指令を送信し、前記下位コントローラの管理下で、所定の走行ルートを走行する搬送車に前記搬送指令を実行させるために、
前記上位コントローラの記憶部に、走行ルートを構成する部分ルートの接続関係と、各部分ルートの走行の可否とを記憶させるためのステップと、
いずれかの部分ルートが走行不能になった場合及び走行不能になった部分ルートが走行可能になった場合に、前記記憶部での記憶を変更するためのステップと、
ホストコントローラからの搬送要求に対し、前記記憶部のデータから、前記搬送要求を実行するために必要な部分ルートと部分ルートの走行の可否とを求めることにより、搬送要求が実行可能か否かを求めるためのステップと、
搬送要求の内で実行可能な搬送要求のみを前記下位コントローラへ送信するためのステップ、とを設けた搬送システムでの搬送指令の転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−262588(P2010−262588A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114719(P2009−114719)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】