説明

携帯型経路案内装置

【課題】 個人の健康管理に必要な情報、特に消費カロリーを考慮した経路案内が行える携帯型経路案内装置の提供。
【解決手段】本発明の携帯型経路案内装置は、設定,入力された起点,終点,目標消費カロリーの情報に基づいて、記憶された地図情報により経路を探索し、探索した経路を表示する携帯型経路案内装置であって、地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、自己位置を検出する自己位置検出手段と、個人の日常の健康管理に必要な情報を記憶する管理情報記憶手段と、前記地図情報記憶手段、自己位置検出手段および管理情報記憶手段から得られる情報に基づいて、推奨経路を探索する経路探索手段と、表示部とを備え、探索された前記経路を表示に表示するとともに、消費カロリーをカウントダウンまたはカウントアップして表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶された地図情報に基づいて目標消費カロリーを消費する徒歩,ジョギング,自転車のうちのいずれかの経路を探索し、探索した経路を表示する携帯型経路案内装置、特に個人の健康管理に必要な情報を利用する携帯型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の経路案内装置が提案されており、この経路案内装置では、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)装置等の現在地検出手段を有しており、これで現在地を常時検出する。また、CD−ROM等に収められた地図情報を有しており、ディスプレイなどに現在地を含む地図を現在地表示と共に表示する。また、目的地を設定した場合には、地図情報を用いて現在地から目的地までの最適経路を探索し、さらに経路を設定した走行においては、地図上に経路を設定すると共に、右左折する交差点などではこの案内を行う。
【0003】
ここで、従来の経路案内装置は、徒歩,公共交通機関(鉄道,バス)により、基本的に目的地までの所要時間を考慮するものである。従って、徒歩を考慮するといっても、徒歩により移動する距離を所要時間の一部として考慮するだけである。
【0004】
一方、人間が快適に生活していく上で、個々人の健康管理は非常に重要な要素である。そして、目的地までの移動において、どのくらいの距離を歩くか、その際の消費カロリーはどのくらいか等という情報は非常に重要な場合も多い。これらの問題を解決するための経路案内装置も提案されている(特許文献1)。しかしながら、徒歩,ジョギング,自転車により、目標消費カロリーを消費するために、地図情報に基づいて経路を探索し、探索した経路を表示する携帯型経路案内装置は提案されていない。
【特許文献1】特許第3233048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、個人の健康管理に必要な情報、特に消費カロリーを考慮した経路案内が行える携帯型経路案内装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の携帯型経路案内装置は、設定,入力された起点(出発地点),終点(出発地点),目標消費カロリーの情報に基づいて、記憶された地図情報により経路を探索し、探索した経路を表示する携帯型経路案内装置であって、地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、自己位置を検出する自己位置検出手段と、個人の日常の健康管理に必要な情報を記憶する管理情報記憶手段と、地図情報記憶手段、自己位置検出手段および管理情報記憶手段から得られる情報に基づいて、推奨経路を探索する経路探索手段と、表示部とを備え、探索された経路を表示に表示するとともに、目標(設定)消費カロリーをカウントダウンまたはカウントアップして表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、日常の健康管理に必要な情報が管理情報記憶手段に記憶されていて、この健康管理に必要な情報を利用して、経路探索を行うことで、健康についての使用者の要望に応じた経路を選択することができる。また、管理情報記憶手段が個人の日常の健康管理に必要な医療情報を記憶していることを特徴とする。携帯用であるため、徒歩,ジョギング,自転車走行の際に、そのスピードなどの管理が行え、所望のカロリー消費のための徒歩,ジョギングのペースをガイドしたりすることができる。また、温度計を備えて置くことで、熱中症を事前に防止することができる。また、i−モード機能を備えていれば、経路の天候なども把握して運動(徒歩,ジョギング,自転車走行)を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明に好適な実施の形態(以下、実施形態という)について、図面に基づいて説明する。図1は、実施形態の経路案内装置を利用した携帯型経路案内装置100の構成を示す図である。なお、実施例はこれに限定されるものではない。
【0009】
携帯型経路案内装置100は、CPU(制御部)10を有しており、このCPU10が各種の演算や、装置の制御を行う。18はRAMであり、CPU(制御部)10において処理されるプログラムのワークエリアとして機能するとともに、プログラム処理時にデータ等を一時的に記憶する記憶手段としても機能する。17はROMであり、CPU10にて処理されるプログラムが格納されている。
【0010】
携帯型経路案内装置100は、CPU(中央制御部)10の他、表示部11、入力部12、温度計13、心拍計14、GPS15、外部通信部16、各種データを記憶するデータベース19、音声合成IC20、イヤホン21、スピーカ21a、加速度計22、クロック23を備えている。なお、携帯電話に、温度計13、心拍計14、GPS15、外部通信装置16、各種データを記憶するデータベース19、音声合成IC20、イヤホン21、スピーカ21a、加速度計22を設けて、携帯型経路案内装置100と同様の機能を持たせてもよい。加速度計22は歩数を計測するものである。
【0011】
加速度計22は、携帯型経路案内装置100を持って、歩いたり走ったりした際に、その歩数をカウントする。また、クロック23と関連づけて、個人の徒歩,ジョギングの場合の歩幅(cm)を入力部12で入力しておくことで分速(m/分)をCPU10で演算できるようになっている。
【0012】
GPS15は、アンテナを備え、GPS衛星からの電波を受信して現在地を検出すると共に、FM多重放送などで提供されるGPS測位の誤差情報に基づいて現在地をより正確なものとして認識する。
【0013】
外部通信装置16は、無線によるi−モード通信機能を備え、各種データを記憶するデータベース19に、必要な地図情報をダウンロードできるようになっている。18はRAMであり、CPU10において処理されるプログラムのワークエリアとして機能するとともに、プログラム処理時にデータ等を一時的に記憶する記憶手段としても機能する。17はROMであり、CPU10にて処理される各種制御プログラムが格納されている。
【0014】
また、CPU10には、データベース19が接続されている。このデータベース19には、外部通信部16または、ICチップ(不図示)からダウンロードすることにより、歩道や階段の数なども含む道路地図情報を記憶する地図データベース19aが含まれている。この地図データベース19aには、例えば、道路形状、沿道の情報(公園,季節の花の開花情報,紅葉情報等)の情報が記憶されている。また、この地図データベース19aには、歩行用として、歩道、勾配、階段、高低差などの情報も含まれている。
【0015】
そして、このデータベース19には、個人の健康管理に必要な健康管理データベース19bとして、ユーザ個人の血圧,血糖値,体重,一日当たりの食事カロリー,カロリー制限データ,糖尿病,腎臓病などの医療情報が記憶されている。さらに、消費カロリーの計算のために、徒歩一歩(80cm)あたりの消費カロリーを0.02kcal,ジョギング一歩(130cm)あたりの消費カロリーを0.02kcalとして各運動の単位時間当たりの消費カロリーのテーブルも記憶している。
【0016】
なお、カロリーのテーブルは、例えば、徒歩やジョギングなどに応じた消費カロリーや階段の上り下りに応じた消費カロリーなどを記憶している。
【0017】
CPU10には、入力部12が設けられている。この入力部12は、操作キーが含まれ、徒歩及び/またはジョギングの起点,終点,目標消費カロリーの入力や、各種の個人データ、例えば、ユーザ個人の血圧,血糖値,体重,一日当たりの食事カロリー,カロリー制限データ,糖尿病,腎臓病などの医療情報の入力等に利用される。
【0018】
さらに、CPU10には、表示部11、音声合成IC20を介し、イヤホン21またはスピーカ21aが接続されていて、表示部11では、地図、GPS15による現在地表示等が行われ、イヤホン21またはスピーカ21aからは各種の指示、ガイダンスなどが出力される。
【0019】
次に、携帯型経路案内装置100における実際の使用例について図1,図2に基づいて説明する。まず、入力部12の操作キーで、徒歩及び/またはジョギングの起点,終点,目標消費カロリーの入力画面を表示させる(ステップS1:図2(a)参照)。
【0020】
この画面置において、起点(画面の例では、自宅)、終点(画面の例では、自宅)、目標消費kcal(画面の例では、300kcal)、運動の形態(画面の例では、徒歩)を入力する(ステップS2)。入力された内容の変更がない場合、カーソルを「次へ」に合せ、クリックする(ステップS3)と、次画面に遷移する(図2(b))。住所を入力することで起点とすることも可能である。
【0021】
この画面では、設定入力された目標消費カロリー300kcalが表示され、開始時刻を入力し、カーソルを「検索」に合わせてクリックすると、終了予定時刻、歩数が演算され、表示される(ステップS4)。複数の経路、実施例では3つの経路1,2,3がリスト表示される。歩数は、ディフォルト値としてROM17に記憶された、徒歩一歩の歩幅を80cm、ジョギング一歩の歩幅を130cmとして演算される。使用者個々人がこの値を入力部12で設定変更できるようになっている。
【0022】
この画面で、例えば経路1にカーソルを合わせクリックすると地図データベース19aから所望の地図が抽出され、図2(c)に示す経路1の地図・経路表示がなされる((ステップS5)。この画面で、カーソルを「確定」に合せ、クリックする(ステップS6)と、「案内を開始します。ウオーンキグを開始してください。」という音声ガイドがイヤホン21またはスピーカ21aからなされる。消費カロリーをカウントダウンする場合は、5つ(複数)のLEDのセグメントが全灯する。消費カロリーをカウントアップする場合は、5つ(複数)のLEDのセグメントは点灯しない。
【0023】
ウォーキングを続けると、開始からの消費カロリーの音声ガイドがイヤホン21またはスピーカ21aからなされる。また、GPS15により、現在位置がリアルタイムで視認できる。消費カロリーをカウントダウンする場合は、それに合せて、5つ(複数)のLEDのセグメントが設定消費カロリーの20%消費する毎に点灯数が1つずつ減少する。消費カロリーをカウントアップする場合は、設定消費カロリーの20%消費する毎に順次点灯数が増加する(ステップS7)。
【0024】
実施例では、ウォーキング(徒歩)の例に基づいて説明したが、ウォーキング(徒歩)とジョギングとの組合せでの設定、ジョギングでの設定、自転車での設定、自転車,ウォーキング(徒歩)組合せ等種々の組合せで、目標消費カロリーを設定でき、設定された情報に基づき、地図・経路表示を複数表示させ、選択することができる。なお、自転車の場合、例えば、10分(時速15km程度)走行で消費カロリーを30kcalとしている。
【0025】
また、温度計3,心拍計14を設けることで、夏季の熱中症の防止を図ることができる。特に、イヤホン12に、体温計(不図示)、心拍計14を設けることで、夏季の熱中症の防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
10 CPU、11 表示部、12 入力部、16 外部通信部、19a 地図データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定,入力された起点,終点,目標消費カロリーの情報に基づいて、記憶された地図情報により経路を探索し、探索した経路を表示する携帯型経路案内装置であって、
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、自己位置を検出する自己位置検出手段と、個人の日常の健康管理に必要な情報を記憶する管理情報記憶手段と、前記地図情報記憶手段、自己位置検出手段および管理情報記憶手段から得られる情報に基づいて、推奨経路を探索する経路探索手段と、表示部とを備え、探索された前記経路を表示に表示するとともに、目標消費カロリーをカウントダウンまたはカウントアップして表示することを特徴とする携帯型経路案内装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−309536(P2008−309536A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155896(P2007−155896)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】