説明

携帯端末および録画再生処理システム

【課題】携帯端末で放送番組の視聴、または録画を行うユーザーの使い勝手を向上した携帯端末および録画再生処理システムを提供する。
【解決手段】携帯端末において、番組情報、録画状態情報やユーザー情報などから、録画モードや再生モードを設定する。例えば、コンテンツデータの録画および再生が可能な携帯端末であって、コンテンツデータを受信する受信手段と、受信したコンテンツデータを記憶する記憶手段と、コンテンツデータを受信して記憶する外部録画機器と通信を行う通信手段と、前記記憶手段により記憶されたコンテンツデータあるいは前記外部録画機器から送信されたコンテンツデータを再生する再生手段と、前記携帯端末のユーザーが録画を希望するコンテンツを選択する際に用いられる操作手段と、前記操作手段を用いて前記ユーザーにより録画を希望するコンテンツが選択された場合に前記選択されたコンテンツの種類に応じて選択された前記コンテンツのコンテンツデータの録画方法および再生方法を設定する設定手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送番組を録画再生する機能を有する携帯端末および録画再生処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話で地上波デジタル放送を受信表示したり、放送番組を録画したりすることができるようになってきた(例えば、特許文献1参照)。さらに、特許文献2には、携帯電話により所望のテレビ番組の録画予約がされると、サーバ装置が番組を保存し、後で携帯電話から視聴要求を受けるとインターネットなどの通信経由で、サーバ装置が保存した番組を携帯電話に送信することが開示されている。また、特許文献3には、携帯端末でコンテンツデータを記録中である旨やコンテンツデータの記録開示時刻をユーザーへ報知することが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−348510号公報
【特許文献2】特開2003−339041号公報
【特許文献3】特開2005−341481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動する携帯端末で放送番組の受信や、録画をしようとすると、場所や移動状況によっては受信状態が悪化し、放送番組の再生や録画ができない場合がある。特許文献2に記載のシステムではこのような状況に対応するために、携帯端末から録画指示を出して外部装置で録画し、外部装置で録画したデータを、携帯端末にダウンロードし、携帯端末で再生視聴するようにしている。
【0005】
しかし、端末あるいは外部装置のいずれかで録画するかを定める設定や、後で外部装置から携帯端末にデータをダウンロードするか否かの設定、録画常態が悪い場合に録画続行するか否かの設定、録画したファイルを再生直後に消去するか否かの設定などを行うことは、ユーザーにとって煩わしい場合がある。
【0006】
本発明は、携帯端末で放送番組の視聴、または録画を行うユーザーの使い勝手を向上した携帯端末および録画再生処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる携帯端末は、番組情報、録画状態情報やユーザー情報などから、録画モードや再生モードを設定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、携帯端末で放送番組の視聴、または録画を行うユーザーの使い勝手を向上した携帯端末および録画再生処理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、録画再生処理システムの構成例を示したものである。携帯端末100は、放送
【0010】
局200からの放送波を受信して放送番組をユーザーが視聴可能なように表示したり、放送番組を録画したりすることが可能である。また、携帯端末100は、基地局300を介してネットワーク400とつながり、外部録画器500やコンテンツサーバー600と通信を行うことができる。
【0011】
携帯端末100は、番組放送波を受信するアンテナ(放送用)1、ユーザーが操作をして命令やデータの入力を行う操作部2、受信した信号よりデータを取り出す受信部3、放送番組データを処理してメモリ部5に録画したり表示部6に出力したりする制御部4、録画データを保存するメモリ部5、放送番組やユーザーへ通知する情報を表示する表示部6、アンテナ(通信用)8を介して外部とデータの送受信を行う送受信部7とを備えている。
【0012】
制御部4は、データ処理部41、録画処理部42、再生処理部43を備え、さらにデータ処理部41は、録画再生モード設定部411、録画状態検出部412および録画再生動作制御部413を備える。
【0013】
なお、携帯端末100は、例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)や携帯プレーヤなどの携帯端末装置である。また、アンテナ(放送用)1は、テレビやラジオの放送を受信する装置である。操作部2は、携帯電話などのキーボタンやPDAなどのキーボード、タッチパネル、音声で命令を入力する装置など、ユーザーの意向や指示を入力する際に用いられるものである。受信部3は、アンテナ(放送用)1を介して受信した信号よりデータを取り出す処理を行う装置である。制御部4は、CPUなどの処理装置で構成され、データ処理部41等を用いて、データ処理・録画処理・再生処理を行うことができる。メモリ部5は、メモリICやハードディスク等のデータを記憶する装置であるが、着脱可能なメモリカードや外部より接続された記憶装置等で実現してもよい。表示部6は、メイン/サブの液晶画面やLEDなどであり、放送番組表示やユーザーへの通知情報を表示する装置である。送受信部7は、アンテナ(通信用)8を介して外部の基地局や他の無線機器と電波の送受信を行う装置である。
【0014】
また、放送局200は、テレビやラジオの番組を放送波で出力する放送局である。基地局300は、携帯電話の無線基地局や無線LANのアクセスポイントなどで、携帯端末100と接続し通信を行い、インターネットなどのネットワーク400と接続を行えるようにするものである。外部録画器500は、例えば家庭のビデオや外部録画装置であり、ネットワーク400と接続し携帯端末100と通信を行う。コンテンツサーバー600は、ネットワーク400に接続したデータサーバーなどであり、放送番組データをネットワーク経由で配信する。
【0015】
図2に録画再生処理システムの概要を示す。携帯端末100は、放送局200からの放送波を受信し、放送番組を視聴したり、録画したり、録画した番組を再生したりすることができる。また、携帯端末100は、基地局300やネットワーク400経由で外部録画器500やコンテンツサーバー600と通信を行うことができる。これにより、例えば、携帯端末100から外部録画器500に対して命令を送り、放送局200からの放送波を外部録画器500で録画を行わせたり、外部録画器500が録画した番組データをネットワーク400及び基地局300経由でダウンロードさせたりすることができる。また、携帯端末100は、コンテンツサーバー600からダウンロードした放送番組データを再生することによっても、番組の視聴が可能となる。
【0016】
以上のように、本システムでは、携帯端末100に録画保存したデータだけではなく、外部録画器500やコンテンツサーバー600などからも取得したデータをも携帯端末100で再生することができる。このシステムにおいて、録画再生モードを簡単に設定し、録画場所やダウンロード取得の有無などの設定の煩雑さを軽減し、ユーザーの使い勝手を向上する方法について、以下説明する。
【0017】
まず、録画処理設定時の動作について説明する。図3(1)は、録画モード設定処理の一例を示すフローチャートである。操作部2を介してユーザーから携帯端末100での録画又は録画予約などの設定指示が入力されると、処理を開始する(S101)。ユーザーに録画する番組の入力を求め、ユーザーからの入力があると、制御部4に命令を送り、録画する番組を指定する(S102)。その後、例えば図4に示すような表示を表示部6に出力し、ユーザーに録画再生モードの選択を求め、操作部2を用いてユーザーがモードを選択すると、録画再生モード設定部411に録画再生モードの指定を行い(S103)、録画設定を終了する(S104)。
【0018】
ここで、図4の表示例で示した「無料金録画のモード」とは、ニュースなどを一応録画して暇つぶしに見るなど、電波障害等で録画できなくてもユーザーが気にしない、それほど重要ではない番組の録画に使用するモードのことである。また、「低料金録画モード」は、携帯端末100で録画できなかった部分がある場合に、コンテンツサーバー600などの外部から補完するデータをダウンロードして、録画を行うモードである。「端末絶対録画のモード」は、携帯端末100のみで録画を行うモードである。「2ヶ所絶対録画のモード」は、携帯端末100と外部録画器500の2ヶ所で確実に録画を行うモードである。
【0019】
それぞれの録画モードにおける録画処理を図3(2)〜(5)に示すフローチャートを用いて説明する。
【0020】
まず、S103で無料金録画モードが設定されると(S201)、携帯端末100で録画を開始(S202)、録画状態検出部412で録画成功率を検出する(S203)。録画再生動作制御部413は、録画の成功率がA%などの閾値未満になると、録画を中止させる。一方、録画成功率が閾値以上の場合には、録画を継続する(S204)。録画の成功率は、例えば次のように検出する
録画の成功率は、例えば次のように検出する。送受信するデータがパケット形式のデータとすると、送信側でパケットデータの1つのパケット毎に番号をつけて送信しており、送信側でこれらのパケット形式のデータを送信すると、受信側でこの番号のチェックを行いながら受信を行う。受信側ではこの番号順にデータを並べ、送信側と同じデータを得ることができる。このため、録画成功率は、抜けたパケットデータの割合で検出する。例えば、4パケット中1パケットが欠落している場合は、3/4=0.75で75%の録画成功率である。
【0021】
また、制御部4で受けるデータの単位時間に受けるデータ量(ビットレート)が一定である場合は、録画開始から録画処理したデータ量はタイマー等を使用して制御部4で判るので、録画開始からの処理すべきデータ量に対する実際に処理したデータ量で、録画成功率が検出する。例えば、1秒などの単位時間に100バイトのデータを送信するシステムで、受信側で単位時間に80バイトしか受信処理できなかった場合は、80%の録画成功率と判断する。
【0022】
なお、無料金録画モードの場合は、録画成功率の閾値であるA%は高く設定することが望ましい。無料金録画モードを選択した場合、ユーザーにとって重要なデータである可能性が低いため、録画状態が少しでも悪くなった場合には、録画を停止することにより、重要ではない不要な録画ファイルの増大を防ぐことができる。
【0023】
次に、S103で低料金録画モードが設定された場合(S301)、携帯端末100と外部録画器500で録画を開始させるように設定し(S302)、携帯端末100と外部録画器500の両方で録画を行う(S303)。なお、外部録画器500への命令は、制御部4から送受信部7、アンテナ8経由で送信され、基地局300及びネットワーク400を経て外部録画器500へ伝わり録画の設定を行う。
【0024】
録画が開始されると、録画中に携帯端末100の録画状態検出部412で録画成功率を検出し(S304)、録画成功率がC%以上の場合にはそのまま録画を続ける(S307)。この際に、録画部分がある程度抜けても良いのであれば成功率Cの値を低く設定すれば良いし、録画抜けが許されないのであればCの値を高く設定する。 録画成功率B%以上、C%未満の場合(C>B)の場合には、録画を失敗した部分の補完録画を行う(S306)。ここで補完処理について、図5(1)を用いて説明する。例えば、携帯端末100などの移動機で録画する場合、移動時の電波状況の悪化などで、録画OKの部分と録画NGの部分が発生することがある。このとき、携帯端末100の制御部4では録画処理部42などで録画NGの部分を把握している。この録画NGの部分の時間などの情報を送受信部7経由の通信を使用して外部録画器500に送信し、該当する部分の録画データを外部録画器500で録画したデータから抜き出し、この部分のみのデータを携帯端末100に送信する。このデータを携帯端末100は送受信部7経由で制御部4に受信し、メモリ部に録画したデータをデータ補完して録画NGの部分を埋めて再生できない部分も再生できるようにする。このようにして、携帯端末100で録画できなかった部分を外部からデータを取得して補完し、完全に見ることができるようにすることができる。同様に、図5(2)はコンテンツサーバー600から補完するデータを取得する例である。録画NGの部分のみダウンロードするので、コンテンツ全てをダウンロードする場合と比較して、ダウンロードデータ量が少ないため通信費の削減、端末処理負荷の軽減となる。コンテンツサーバー側から言えばコンテンツの量り売りができるシステムとなる。
【0025】
S303において検出された録画成功率がB%未満の場合には、録画を中止する処理を行う(S305)。録画失敗の部分が多く、補完処理を行った場合には、ダウンロードするデータ量が多くなってしまうため、録画を中止する。以上のように低料金録画モードの場合に録画成功率によって録画動作を制御することで、録画の中止や録画に失敗した部分の補完録画など、複雑な録画処理を指定することができる。
【0026】
S103で端末絶対録画モードが設定されると(S401)、制御部4は端末のみで録画を開始し(S402)、録画状態検出部412で録画成功率の検出を行う(S403)。録画成功率がD%以上の場合には、そのまま録画を続行する(S407)。録画成功率がD%未満の場合には、送受信部7やアンテナ(通信用)8経由で通信を行い、録画番組のコンテンツをコンテンツサーバー600からダウンロード入手できるか否かを検出する(S404)。コンテンツのダウンロード入手ができない場合(S404 No)、放送受信録画を継続する(S405)。一方、ダウンロードが可能な場合(S404 Yes)、携帯端末100における録画を中止する(S406)。
【0027】
以上のように端末絶対録画モードの場合には、録画成功率によってそのまま録画するか放送番組のコンテンツをダウンロードしてくるかを制御することにより、録画成功率が悪くなった場合であても、ユーザーは複雑な設定をすることなく、所望のコンテンツを録画することができる。
【0028】
また、S103で2ヶ所絶対録画モードが設定されると(S501)、制御部4は、携帯端末100と外部録画器で録画を開始させるように設定し(S502)、携帯端末100と外部録画器500の両方で録画を行う(S503)。このように、携帯端末100と外部録画器500の両方で録画を行うことにより、たとえ携帯端末100で録画し損ねた場合であっても、外部録画器500でも録画しているため、重要なコンテンツを確実に録画することができる。
【0029】
録画が開始されると、録画中に携帯端末100の録画状態検出部412で録画成功率を検出し(S504)、録画成功率がE%以上の場合にはそのまま録画を続ける(S506)。一方、録画成功率が悪くE%未満の場合には、携帯端末100における録画を中止する(S505)。外部録画器500でも録画しているので、携帯端末100で見ることにこだわらなければ、録画状態の悪い番組は録画中止してもかまわないことが考えられる。以上のようにして、2ヶ所絶対録画のモード時に録画の処理を制御する。
【0030】
携帯端末や外部録画器などの録画場所や、端末の録画中止の実行/非実行や、端末での番組コンテンツや外部録画器データのダウンロード実行/非実行や、録画データ補完処理の実行/非実行など、多くの組合せがあり、録画モードが非常に多くなることが考えられるが、実際に使用する場合は、例えば、録画状態が悪く補完録画を行う場合は外部からダウンロードを行うし、2ヶ所で録画する場合は録画状態が悪くても無理に補完処理や録画続行をする必要はないし、放送番組のコンテンツダウンロードを行った場合は録画を続行しても消費電力と端末処理動作の負荷が多くなるだけである。また、録画状態が良ければダウンロード実行や補完処理を行う必要は無い。このように録画の処理は、録画状態と実際に使用するモードのみを設定することで、実現することができる。
【0031】
以上のようにして、録画場所指定、携帯端末100でのダウンロード処理の実行/非実行の設定、補完処理の実行/非実行の設定、状態悪化時の途中録画停止処理の実行/非実行の設定、などの複雑な設定が、簡単な録画モードを設定するだけで実現できる。
【0032】
なお、図3(2)から(5)の例では、録画成功率の検出は一度のみとなっているが、これに限定するものではなく、所定時間ごとに録画成功率を検出し、それに応じて録画や中止等の制御を行うようにしても良い。例えば、図3(2)において、S204およびS205からS203に戻り、所定時間ごとに録画成功率を検出し、検出結果に応じて録画中止あるいは録画を行うようにしても良い。なお、録画成功率はあらかじめ決めてあっても良いし、ユーザーが設定しても良い。
【0033】
以上の例では、録画モードとして、無料金録画モード、低料金録画モード、端末絶対録画モード、2ヵ所絶対録画モードを上げたが、これらは一例であって、他の録画モードを備えるようにしても良い。また、モードの名称や、モードの設定内容をユーザーが変更できるようにしても良い。
【0034】
図6に、ユーザーにより録画モードの設定が行われる際に表示部6に表示する画面表示の例を示す。まず、録画モードの概要を示す名前が示された画面1001(a)を表示して、ユーザーに録画モードの選択を求める。本例では、録画モードの種類として、確実録画モード、端末のみモード、ダウンロードしないモード、単純モードなどの名称が示されている。ここで、例えば、ユーザーが端末のみモードを選択すると、このモードにおける設定内容を示す画面1001(b)が表示される。モードの名称だけでは、ユーザーがどのようなモードであるか理解することができないことがあるため、このように設定内容を示すことにより、ユーザーが所望のモードを選択しやすくすることができる。また、画面1001(b)に示すような複雑な各種の録画モードをあらかじめ設定してあるため、ユーザーはモードを選択するだけで、それぞれの設定を入力したり選択したりする必要がなく、ユーザーの手間を省くことができる。
【0035】
なお、予め設定されているモードだけでなく、ユーザーが録画場所やダウンロードの有無などを選択し、あらたなモードを設定できることが望ましい。ユーザーごとに使用形態が異なるため、ユーザーが任意のモードを設定できるようにすることにより、ユーザーの使い勝手を向上することができる。また、予め設けられているモードの設定内容の一部を変更できるようにすることにより、ユーザーの使い勝手を向上するようにしても良い。
【0036】
以上のようにして、録画再生モード設定部411の録画のモードを設定することができる。設定された録画モードは、例えば図7に示すように録画場所を示すデータや、ダウンロードの有無を示すデータなどと関連付けてで記憶され、録画開始時にはこのデータを基に携帯端末100の録画再生動作制御部413で、前述した録画場所やダウンロード処理、補完処理、録画停止などの録画の処理の制御が行われる。
【0037】
図1の録画状態検出部412で録画中の録画状態を検出しているので、録画再生モード設定部411に録画状態があまりに悪い場合には録画停止するという設定であれば、制御部4のデータ処理部41は録画再生動作制御部413に命令して録画を中止することもできる。また、録画状態が悪い場合には、通信経由で外部録画器500やコンテンツサーバー600から放送番組のダウンロード取得に切り替えることも可能である。
【0038】
次に、再生モード設定時の再生処理動作の例について説明する。図8は、再生モード設定処理シーケンスの一例を示すフローチャートである。
【0039】
ユーザーによる操作部2の操作により、再生モード設定の開始指示が入力されると、再生モード指定を開始する(S601)。まず、ユーザーに再生前消去確認を行うか否かの選択を求め、確認の実施有無を指定する(S602)。再生前消去確認とは、例えば図9の画面1002(b)や画面1002(c)のような表示を表示部6に行い、再生前にユーザーに不要なファイルの消去を選択するように求めることである。このようにすることにより、あまり重要でないメモリ部5に録画された録画データを簡単に消去できる。
【0040】
なお、この再生前消去確認の設定は、共通した設定だけでなく、録画モードごとに設定できるようにすることが望ましい。また、再生前消去確認の設定がされている場合であっても、図4に示す端末絶対録画モードや2ヵ所絶対録画、図6に示す確実録画モードが選択された録画したファイルについては、ユーザーが再生前にファイルを消去を希望する可能性が低いため、これら録画モードにより録画したファイルは画面1002(b)に示すリストには表示しないようにしたり、画面1002(a)に示すようにファイル消去の確認を表示しないようにしても良い。また、再生前消去確認の設定がされており、かつ、ユーザーが再生していないファイルが所定以上ある場合に、表示するようにしても良い。これにより、見ていない録画ファイルが沢山溜まったときに、ユーザーにファイル整理を促すことができる。
【0041】
次に、ユーザーに再生後消去確認指定の選択を求める表示を行い、確認の実施有無を指定する(S603)。再生後消去確認指定とは、例えば図9の画面1002(d)のような表示を表示部6に行い、ユーザーにファイル再生後にそのファイルの消去を行うか否かを選択するように求めることである。例えばニュースなど1回だけ視聴すれば十分な場合があり、このような表示をすることにより、視聴し終わって不要なファイルの消し忘れを防止し、メモリ部5の記憶容量を有効に活用することができる。
【0042】
なお、本例では、ユーザーに再生後にファイル消去の問合せを実行するか否かの設定を行っているが、このステップに代えて、あるいは追加して、再生後のファイル自動消去の実行を行うか否かの設定を行うステップを設けても良い。
【0043】
次に、ユーザーに再生時にダイジェスト再生を行うか否かの選択を求める表示を行い、ユーザーの選択に応じて処理の指定を行う(S604)。なお、ダイジェスト再生とは、例えば録画再生動作制御部413が再生制御部43に倍速再生を指示して早送りでファイルを再生させたり、再生時間が長いファイルの場合に番組が盛り上がったところのみをピックアップして再生するようにしたものである。
【0044】
そして、ユーザーに再生時に補完処理を行うか否かの選択を求める表示を行い、ユーザーの選択に応じて処理の指定を行う(S605)。ここで補完処理とは、携帯端末100で録画したコンテンツと対応するものが外部録画器500やコンテンツサーバー600が録画されているかどうかを検索し、録画されている場合には、携帯端末100で録画できなかった部分のデータを通信経由でダウンロード取得し、再生するものである。なお、このステップは、図3(5)の2ヵ所絶対録画モードのように外部録画器500で録画を行う録画モードが選択されている場合のみ設定できるようにしても良い。また、他の録画モードが選択されている場合には、対応するコンテンツがない場合が多いため、このような制御を行うことにより、外部録画器500やコンテンツサーバー600へアクセスし、コンテンツの有無を検索する手間を省くことができる。。
【0045】
なお、以上の説明では、ユーザーが再生モードの選択を行っているが、これに限定するものではなく、予め再生前消去確認の有無等が設定された複数の再生モードの中からユーザが選択するようにしても良いし、録画予約時に設定する録画モードにより再生モードを自動的に設定しても良い。 録画モード設定時に自動的に設定する場合の例を説明すると、例えば無料金録画モードの場合には、再生前消去確認指定の設定は有り、再生後消去確認指定の設定も有り、ダイジェスト再生の処理指定の設定も有り、補完再生の処理指定の設定は無しとする。無料金録画モードで録画する番組はあまり重要ではない録画であるため、再生前後で簡単に消去できるように処理を行い、飛ばし見できるようにダイジェスト再生を行い、全てをじっくり視聴する訳ではないので補完再生は行わないように、再生時に動作制御を行う。低料金録画や端末絶対録画のモードの場合には、重要な録画ファイルの場合であるので、再生前後の消去確認指定の設定は無し、ダイジェストダイジェスト再生の処理指定の設定も無し、補完再生の処理指定の設定は無しとする。2ヶ所絶対録画モードの場合には、再生前後の消去確認指定の設定は無し、ダイジェストダイジェスト再生の処理指定の設定も無し、外部録画器にデータが有るので補完再生の処理指定の設定は有りとする。
【0046】
以上のように録画モード設定をすると同時に再生処理の設定も自動的に指定することができ、録画再生時に行う処理の複雑な設定を簡単に行うことができる。
【0047】
また、図10の例に示すように、ファイルごとに再生モード(1)〜(4)を設定するようししても良い。本例では、再生モードとともに、コンテンツ全体のうちでどの程度を録画できたか否かを示す録画状態情報を対応させて記憶している。この録画状態情報に応じて、自動的に再生前消去確認や、補間処理の有無などを設定するようにしても良い。
【0048】
次に、放送視聴モード設定時の再生処理動作の例について説明する。放送視聴モードの設定は、携帯端末100の録画再生モード設定部411にあらかじめ設定してあっても良いし、放送視聴時にユーザーが操作部2を用いて設定しても良い。
【0049】
放送視聴モードには、例えば図11に示すように、放送視聴時補完再生を行うモードと行わないモードがある。放送視聴時に補完再生を行わないモードは、通常の視聴方法であり、携帯端末100が電波状況の悪い所に行けば放送波が届かないので、その間は放送を受信できず、ユーザーは放送番組を見ることができない。放送視聴時補完再生が有りのモードの場合は、携帯端末100で放送番組をメモリ部5に一度録画し、一定時間後にメモリ部5から読み出して再生するという、いわゆるタイムシフト再生処理を行うものである。この際、録画できなかった部分のデータは、外部録画器500やコンテンツサーバー600から送受信部7経由でダウンロードし、番組内容が途切れることなく、ユーザーに提供されるというものである。
【0050】
図12を用いて説明すると、携帯端末100では、一度メモリ部5に録画しながら、一定時間遅らせてメモリ部5から再取得したデータを再生処理部43で再生させて放送視聴を行う。携帯端末で録画している場合、放送波の電波状況が悪いと、録画NGの部分が発生する。この録画NGの部分を携帯端末100の録画状態検出部で412で検出し、録画NGの時間情報などを外部録画器500やコンテンツサーバー600に送信し、対応する部分の番組データをダウンロードする。そして、ダウンロードしたデータを用いて録画NGだった部分の保完を行い、録画NGだった部分もユーザーが視聴できるようにする。なお、視聴再生を一定時間遅らせるのは、録画NGの部分を検出し、該当するデータ部分をダウンロードして再生出力準備するのに時間がかかるためである。以上のように放送視聴の制御をすることで、携帯端末で番組を視聴する場合であっても、放送電波の状況の悪化による放送視聴の途切れを無くすことができる。
【0051】
これまで、録画モード、再生モード、放送視聴モードをそれぞれの手順処理で行う例について説明したが、これに限定するものではなく、図13に示すように、携帯端末100の表示部6で、全ての設定の一覧表をユーザーに提示して設定するようにしても良い。
【0052】
前述の例は、録画モード、再生モード、放送視聴モードをユーザーの設定で行っていたが、録画番組関連情報や携帯端末の通話料やユーザーが毎週録画している番組などのユーザー情報により、それに関連するモードの設定を行うことも可能である。
【0053】
例えば、図14の(1)のように、モード設定開始時に(S701)、携帯端末の今月の通話料があらかじめ決めていた基準を超えているか否かを検出する(S702)。通話料が基準を超えている場合(S702 No)、自動的にダウンロードしない設定を行う(S703)。このようにすることで、ユーザーが予定していた通話料よりも多くなる場合はダウンロードを制限し、通信料の増加を抑制することができる。なお、図14(1)の例では、通話料が基準を超えているか否かの検出およびダウンロード使用の有無の設定は、所定時間ごとに繰り返し行っているが、録画や再生や放送視聴をする時に一度実行するようにしても良い。また、本例では、通話料に応じてダウンロード使用の有無の設定を行っているが、これに限定するものではなく、電池残量、時間、放送側/通信側の受信状況、携帯端末の移動の有無、携帯端末のマナーモード等の設定などに応じて設定するようにしても良い。
【0054】
また、図14の(2)に示すように、例えば録画再生する番組がニュースなどの特定のコンテンツであるか否かを検出し(S704)、特定のコンテンツである場合にはダウンロードを使用せず、再生前および後の消去確認するなどの設定を自動的に行う(S705)。ニュースなどの特定のコンテンツの場合、ユーザーにとって、手軽に見て捨てるという利用形態が予想されるので、録画は携帯端末のみ/通信料はかけない/一度見終わったらすぐ捨てる、などの録画再生モード設定部411の設定を自動的に行うことにより、ユーザーによる設定の手間を省くことができる)。このように番組によって録画・再生のモード設定することで、ユーザーにとって使いやすい録画再生の処理を行うことができる。
【0055】
また、図14(3)に示すように、録画状態が基準よりも悪い場合(S706 Yes)、録画中の場合は録画を続けても無駄なので、録画処理部42に命令して録画停止をしたり、録画状態が悪いファイルは再生後にファイル消去をする/しないの選択肢を表示部6に表示したり、ダイジェスト再生を行ったりするなどの設定を行うようにしても良い(S707)。なお、録画状態に限らず、番組ジャンル、チャンネル、放送番組の時間長、電子番組表、録画日時、ファイルサイズ、ファイル保存期間などに応じて設定するようにしても良い。
【0056】
また、図14の(4)に示すように、例えば毎日や毎週など、ユーザーが定期的に録画する番組かどうかを検出し(S708)、該当する場合は(S708 Yes)、ユーザーにとって重要なコンテンツであると判断し、自動的に携帯端末100と外部録画器500の両方で録画を行い、携帯端末100での録画ができなかった部分を外部録画器500からダウンロードして補完処理を行うように設定するようにしても良い(S709)。このように、ユーザーの録画再生状況などのユーザー情報より録画再生処理を設定することで、使い勝手の良い録画再生処理を行うことができる。この他にも、判断材料となるユーザー情報には、前回ファイル再生日時、ファイル再生回数、などが考えられる。
【0057】
このように、通話料や録画するコンテンツに応じて自動的に設定することにより、ユーザーによる設定の手間を省くことができる。なお、図14(1)〜(4)の制御は、別々に実行されるものに限定するものではなく、これらの一部または全てを組み合わせて実施しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】録画再生処理システムの構成例を示した図である。
【図2】録画再生処理システムの概要を示した説明図である。
【図3】録画モード設定処理および録画処理の一例を示すフローチャート図である。
【図4】録画モード設定処理における携帯端末における表示例を示した図である。
【図5】録画再生処理における補完処理の一例を示した説明図である。
【図6】録画モード設定処理における携帯端末における表示の一例を示した図である。
【図7】録画モード設定処理における録画モード設定一覧の一例を示した図である。
【図8】再生モード設定処理シーケンスの一例を示した図である。
【図9】携帯端末での再生処理時の表示の例を示した図である。
【図10】再生モード設定処理における再生モード設定一覧の一例を示した図である。
【図11】放送視聴モード設定処理における放送視聴モード設定一覧の一例を示した図である。
【図12】放送視聴モード設定に基づいた放送視聴時の補完処理再生を示した図である。
【図13】録画再生や放送視聴モード設定処理におけるモード設定一覧の一例を示した説明図である。
【図14】録画再生や放送視聴モードの設定処理シーケンスの一例を示した図である。
【符号の説明】
【0059】
1 アンテナ(放送用)
2 操作部
3 受信部
4 制御部
5 メモリ部
6 表示部
7 送受信部
8 アンテナ(通信用)
41 データ処理部
42 録画処理部
43 再生処理部
411 録画再生モード設定部
412 録画状態検出部
413 録画再生動作制御部
200 放送局
300 基地局
400 ネットワーク
500 外部録画器
600 コンテンツサーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータの録画および再生が可能な携帯端末であって、
コンテンツデータを受信する受信手段と、
前記受信部により受信したコンテンツデータを記憶する記憶手段と、
コンテンツデータを受信し、記憶可能な外部録画機器と通信を行う通信手段と、
前記記憶手段により記憶されたコンテンツデータあるいは前記外部録画機器から送信されたコンテンツデータを再生する再生手段と、
前記携帯端末のユーザーが録画を希望するコンテンツを選択する際に用いられる操作手段と、
前記操作手段を用いて前記ユーザーにより録画を希望するコンテンツが選択された場合、前記選択されたコンテンツの種類に応じて、選択された前記コンテンツのコンテンツデータの録画方法および再生方法を設定する設定手段と、
を備えていることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
コンテンツデータを受信可能な携帯端末であって、
コンテンツデータを受信する受信手段と、
前記受信部により受信したコンテンツデータを記憶する記憶手段と、
コンテンツデータを受信し、記憶可能な外部録画機器と通信を行う通信手段と、
前記携帯端末のユーザーが録画を希望するコンテンツを選択する際に用いられる操作手段と、を備え、
前記操作手段を用いて前記ユーザーにより録画を希望するコンテンツが選択された場合、前記選択されたコンテンツの種類に応じて、前記受信手段により前記コンテンツのコンテンツデータを受信し、前記記憶手段により前記受信したコンテンツデータを記憶するとともに、前記通信手段により前記外部録画機器に前記コンテンツのコンテンツデータの記憶を指示することを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
放送局と、放送波や通信経由で番組コンテンツを受信し、受信した番組コンテンツをメモリに録画可能な携帯端末と、
前記携帯端末からの指示を伝送する基地局及びネットワークと、
前記携帯端末の指示により放送波や通信経由で番組コンテンツの録画処理を行う外部録画器と、
番組コンテンツをネットワーク経由で配信するコンテンツサーバーと、を備えた録画処理システムにおいて、
前記携帯端末は、前記携帯端末のユーザーにより選択された録画モードを設定する録画モード設定部と、前記メモリに録画している番組コンテンツの録画状態を検出する録画状態検出部と、前記録画再生モード設定部に設定された録画モードと前記録画状態検出部により検出された録画状態により、前記メモリあるいは前記外部録画器のどちらか一方または両方で録画実行や、前記メモリでの録画の停止や、前記コンテンツサーバーからの番組コンテンツをダウンロードを行うように制御する録画動作制御部と、を備えることを特徴とする録画処理システム。
【請求項4】
放送局と、放送波や通信経由で番組コンテンツを受信し、受信した番組コンテンツをメモリに録画可能な携帯端末と、
前記携帯端末からの指示を伝送する基地局及びネットワークと、
前記携帯端末の指示により放送波や通信経由で番組コンテンツの録画処理を行う外部録画器と、
番組コンテンツをネットワーク経由で配信するコンテンツサーバーと、
を備えた録画再生処理システムにおいて、
前記携帯端末は、前記携帯端末のユーザにより選択された再生モードを設定する再生モード設定部と、前記メモリに録画している番組コンテンツの録画状態を検出する録画状態検出部と、前記再生モード設定部に設定された再生モードと前記録画状態検出部により検出された録画状態により、前記ユーザに番組コンテンツを削除するか否かの選択要求の実行、倍速再生やダイジェスト再生の実行や、前記メモリに記憶した番組コンテンツを再生できない部分を前記外部録画器あるいは前記コンテンツサーバーから受信した番組コンテンツで保完する補完再生処理の実行を行うように制御する再生動作制御部と、を備えることを特徴とする録画再生処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−193537(P2008−193537A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−27490(P2007−27490)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】