携帯電話機
【課題】
着信音の差別化を十分に行えるとともに、着信時の様々な状況を着信音の変化で把握でき、優れた利便性を有する携帯電話機を提供する。
【解決手段】
信号の着信を着信音で報知する携帯電話機において、複数のパターンで着信音を発生させる着信音発生手段と、携帯電話機の動作を制御する制御手段を備え、制御手段は信号の着信時に予め設定された条件に基づいて複数のパターンの着信音のうちから、一つのパターンを選択して着信音発生手段に着信音を発生させる制御を行うよう構成されたことを特徴とする。
着信音の差別化を十分に行えるとともに、着信時の様々な状況を着信音の変化で把握でき、優れた利便性を有する携帯電話機を提供する。
【解決手段】
信号の着信を着信音で報知する携帯電話機において、複数のパターンで着信音を発生させる着信音発生手段と、携帯電話機の動作を制御する制御手段を備え、制御手段は信号の着信時に予め設定された条件に基づいて複数のパターンの着信音のうちから、一つのパターンを選択して着信音発生手段に着信音を発生させる制御を行うよう構成されたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号の着信を着信音で報知する携帯電話機に係り、特に着信時の条件を着信音で使用者に報知するのに好適な携帯電話機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話機における着信音は、トーン信号をディジタル符号化した数々のトーンデータによるものが一般であった。着信があった場合にはその着信音が鳴ることにより、利用者は自分の携帯電話機に電話が掛かっている事を簡単に気が付いた。しかし、現在は携帯電話機の利用者数が急増しており、同じ場所で携帯電話機を所持している人が多くなった。そのため、他の人の携帯電話機への着信が、自分の携帯電話機への着信と間違う利用者が出て来たので、携帯電話機個々の着信音を区別する必要が求められている。例えば、メロディ発生手段により各自が固有メロディを作成し、差別化を図るものが普及してきた。さらに特許文献1にあるようにメロディをダウンロードにより更新する機能や、特許文献2のように着信音を事前に外部マイクから取り込むことにより、独自の着信音を作成する手段もある。ごく最近では、FM音源方式のように音データベースから音を合成することにより楽器の音色を奏でられるようにする手段も発表されてきた。
【0003】
また、他人の携帯電話機との差別化以外にも、特許文献3のように電話を掛けて来た相手によって、着信音や発光パターンを変更する手段が用いられるようになった。それにより、着信音を聞くだけで発呼者が分かるなどの利用価値が高められるようになった。
【特許文献1】特開平10−4442号公報
【特許文献2】特開平08−251258号公報
【特許文献3】特開平09−312684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は単純にビープ音を作成している周波数の範囲を広げたり、テンポを可変にしたりして、それ以前の機械的なビープ音を用いたものに比べて、メロディ音を聞き易くしていた。さらに、音データベースから音を合成するFM音源方式を着信音に用いたものもあるが、これも楽器などの特定な音を再生するだけに留まり、人の声などは作成することができない。また、PCM音源方式などを単に用いれば、人の声や効果音を作成できて無限に着信音を作成することができるが、小形、軽量が要求される携帯電話機にとっては、保持するデータの容量が大きくなりすぎるという問題点が生じてくる。
【0005】
本発明の目的は、着信音の差別化を十分に行えるとともに、着信時の様々な状況を着信音の変化で把握でき、優れた利便性を有する携帯電話機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するため、信号の着信を着信音で報知する携帯電話機において、複数のパターンで着信音を発生させる着信音発生手段と、携帯電話機の動作を制御する制御手段を備え、制御手段は信号の着信時に予め設定された条件に基づいて複数のパターンの着信音のうちから、一つのパターンを選択して着信音発生手段に着信音を発生させる制御を行うよう構成されたことを特徴とするものである。
【0007】
好ましい実施態様においては、着信音発生手段は、それぞれ異なる発生方法により発生される複数の音データをそれぞれ記憶する記憶手段と、記憶された複数の音データをそれぞれの発生方法に従って再生する複数の再生手段と、複数の音データのうち再生する音データの選択と、選択された音データのそれぞれの再生タイミングを記憶する再生タイミング記憶手段とを備え、制御手段は再生タイミングにより選択されたそれぞれの音データが再生されるよう再生手段を制御することを特徴とするものである。
【0008】
さらに好ましい実施態様においては、複数の音データは、PCM音源方式などの振幅の大小またはパワーに応じて量子化幅を設定する波形符号化方式の音データと、FM音源方式などの信号をモデル化して符号化を行う分析合成符号化方式の音データを含むことを特徴とする。以上の手段により、主なフレーズはFM音源方式のような音データベースから合成するものを用いて、付加的に、PCM音源方式の人の声や効果音などを用いることができる。これによって、着信音を作成する際に、無限のバリエーションが得られるとともに、容量を小さくすることができる。
【0009】
また、予め設定された条件として、発呼者の電話番号が登録された電話番号と一致したとき、発呼者の電話番号の一部分(市外局番等)が登録された電話番号の一部分(市外局番等)と一致したとき、信号の着信日が予め設定された期間に含まれるとき、特定の発呼者からの不在着信回数が予め設定された回数の範囲内に含まれるとき、着信時における電池残量が予め設定された容量の範囲内に含まれるとき、着呼時に携帯電話機周囲の音が予め設定された音の条件に含まれるとき、着呼時に携帯電話機周囲の音量レベルが予め設定された音量レベルの範囲内に含まれるとき、熱または圧力センサーにより携帯電話機が使用者の手に保持されていることが検知されたときなどである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、着信音の差別化を十分に行えるとともに、着信時の様々な状況を着信音の変化で把握でき、優れた利便性を有する携帯電話機を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図18により説明する。
本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の構成を図15に示す。1510は送受信アンテナ、1511は送受信データと無線信号を変換する無線部、1512は送受信データを音声信号に変換する符号復号処理部、1513はマイク、1514はレシーバ、1515は携帯電話機としての動作を制御するのに必要とされるプログラム及びデータ等を保持するための通信用メモリ部、1516は本携帯電話機を制御するための通信制御部、1517は表示部、1518はキー入力部を示している。1519は無線信号着信時に報知信号を発生させるための報知信号発生部、1520は報知信号発生部1519で再生された報知信号を出力させるためのスピーカを示す。
【0012】
図1は、図15の通信制御部1516と着信音発生部1519の詳細を示すブロック図である。本実施の携帯は複数の音データを同時に再生できる携帯電話機である。本実施の形態では、複数の音データ方式に対応する音データを記憶する記憶部が複数個設けられている。具体的には、FM音源方式音データ記憶部3aとPCM音源方式音データ記憶部3bとMIDI方式データ記憶部3cが設けられ、それぞれの方式に対応して音データを再生する音データ再生部としてFM音源方式音データ再生部4aとPCM音源方式音データ再生部4bとMIDI方式音データ再生部4cが設けられている。また、FM音源方式音データ再生部4aとPCM音源方式音データ再生部4bとMIDI方式音データ再生部4cは制御部2に接続され、制御部2は再生タイミング記憶部1に記憶された複数の音データのうち再生する音データの選定と選定された音データのそれぞれの再生タイミングの決定を行い、選定されたそれぞれの音データを決定された再生タイミングにより音データ再生部に再生を行わせる。音データ再生部の出力は混合器5に接続され、各々の音データが加算されて、この混合器5に接続されたスピーカー6(図15のスピーカー1520に対応)から最終的に着信音として外部に出力される。
【0013】
図2に示すように、再生タイミング記憶部1には、再生を行う音データ番号と、それぞれの再生のタイミングなどが記憶されている。音データ番号はFM音源方式音データが1番、PCM音源方式音データが2番、MIDI方式音データが3番とそれぞれ対応している。音データとしては上記に限ることはなく、MP3方式音データも用いることができ、音データ番号として4番が割り当てられる。以下、音データを追加する毎に5番、6番と音データ番号が割り当てられていく。パターン番号は、相手の電話番号に応じて変更したり、着信時刻によって変更したりすることができる。その設定方法、種類などは後に詳しく説明する。再生タイミングはONとOFFで制御されており、ONの時にその音データが再生されて、OFFの時には再生されないように制御される。
【0014】
次に、パターン番号の設定方法について説明する。図16は本実施の形態における携帯電話機の概略の外観を示す正面図である。電話機本体1601の正面(使用者が操作するキー、ディスプレイ、マイク、スピーカ等が設けられた面)には、一端に受話器となるスピーカ1602が設けられ、これから他端に向かってディスプレイ部1602と各種操作キーが設けられる。各種の操作キーの中には、ディスプレイ部に表示されるカーソルをそれぞれ上下左右に移動させるための上キー1604、下キー1605、左キー1606、右キー1607と、入力された内容を確定する確定キー1608と、入力された内容の削除や操作の解除を行うクリアキー1609と、各種の機能を選択または実行させるファンクションキー1610が含まれる。上キー1604、下キー1605、左キー1606、右キー1607、確定キー1608は、電話番号や時刻等を入力する数字キーの一部が割り当てられている。他端には送話器としてのマイク1513が設けられるが、本図では図示が省略されている。
【0015】
上記のキーを操作して、発呼者の電話番号で着信音を変更する方法を説明する。このときのディスプレイ部1603の表示画面の例を図17の(a)、(b)、(c)に示す。まず、ファンクションキー1610とメニュー画面選択に割り当てられたキーを押下して図17(a)に示される「着信音変更メニュー画面」(d1)に行く。そこでは、何に対して着信音を変更するかの選択が行われ、例えば相手の電話番号や、着信日時や、不在着信回数により変更できるものとする。選択する項目を示すカーソルとして選択項目の左側に不等号「>」が表示される。そこで、上キー1604押下或いは下キー1605押下でカーソルを移動させ、不等号「>」の先端(この場合右側の鋭角部分)を選択する項目に合わせる。着信音を電話番号により変更したい場合は「1.相手の電話番号」を選択して、確定キーを押下する。すると図17(b)に示される「相手の電話番号による着信音変更画面」(d2)に移る。この画面中で上キー1604押下或いは下キー1605押下でカーソルを移動させ、着信音を変更したい電話番号を選択して確定キーを押下することにより相手の電話番号を選択することができる。なお、相手の電話番号は数字キーを用いて直接入力するようにしてもよい。電話番号を選択後、確定キーを押下すると図17(c)に示される「着信音のパターン選択画面」(d3)に移り、選択した電話番号に対応する着信音のパターンを選択できるようになる。そこでは、上キー1604押下或いは下キー1605押下でカーソルを移動させ、所望のパターン番号を選択する。本実施の携帯ではパターンが選択される度にそのパターンでの着信音がスピーカ1602から再生され、パターンを確認することができる。ここでは、所望しているパターンとして「2.パターン番号2」を選択して確定キーを押下することにより、着信音を設定することができる。パターン番号2では、図2に示されるように音データ番号1のFM音源、音データ番号2のPCM音源、音データ番号4のMP3音源の音データが同図に示されるタイミングで再生される。画面を前画面に戻したいときは、(d3)の画面でクリアキー1609押下により、(d2)の画面へ戻ることができる。同様に(d2)の画面でクリアキー1609押下により(d1)の画面へ戻ることができる。
【0016】
次に、音データが再生されるまでの処理過程を図1、図2、図3、図4及び図18を用いて説明する。ここでは1例として、発呼者の電話番号からパターン番号を選択し、再生する方法を説明する。図3は、発呼者の電話番号からパターン番号の選択を行うために必要な機能ブロックを示すブロック図である。図15に示す携帯電話機の回路構成と対応づけて説明すると、無線信号を受信する受信部101は図15の無線部1511中に含まれる受信回路部分であり、電話番号検出部102は図15の通信制御部1516であり通信用メモリ部1515に記憶されたプログラムに従って無線信号の復調後に電話番号を検出する。図15の通信用メモリ部1515のメモリエリアの一部はパターン番号記憶部103として割り当てられ、電話番号及び各々の電話番号に対応する着信音のパターン番号が図4に示されるように記憶されている。パターン番号記憶部103には設定されて記憶された電話番号に対する着信103a、103bや、電話番号のある部分、例えば、発呼者の電話番号の市外局番に対する着信103c、103dなどに応じた着信音のパターン番号を記憶することができ、使用者の要望に応じていろいろなサービスが展開できる。通信制御部1516は検出された電話番号に対応するパターン番号をパターン番号記憶部103に記憶されたデータに基づいて決定し、その後は、図1の再生タイミング記憶部1に記憶されたデータに基づいてそのパターン番号に対応する音データの再生タイミングを読み出して着信音の作成過程へ移行する。
【0017】
以下、フローチャートを用いて具体的に説明する。図18のフローチャートで、着信時(s1)において、相手の電話番号などを検出して、着信音が選択される(s2)。相手の電話番号により着信音を変えるよう設定してあった場合には、図3に示すように携帯電話機に着呼があると受信部101は無線信号を受信して復調し、復調された信号が電話番号検出部102に送られ、復調後のデータから電話番号検出部102は発呼者(相手)の電話番号を検出する。この電話番号に対応する信号はパターン番号記憶部103に送られ、ここで記憶された電話番号と照合されてその電話番号に対して設定されたパターン番号が出力される。相手の電話番号が「012−345−6789」であったとすると、図4に示されるようにこの番号に対して設定されたパターン番号「1」の着信音を再生することとなり、図2における音データ番号「1」と音データ番号「2」と音データ番号「3」が再生されることとなる。また、発呼者が住んでいる地域ごとに着信音変更を行うことも市外局番毎にパターン番号を設定し記憶することにより可能である。例えば、発呼者の電話番号の上3桁が「045」である場合は、パターン番号「3」の着信音を再生することとなり、図2における音データ番号「3」が再生されることとなる。
【0018】
制御部2は再生タイミング記憶部1にアクセスして、図2における各音データの再生タイミングのサーチを始まる(s3)。制御部2では音データ番号「1」(FM音源方式)の再生タイミング(s4a)、音データ番号「2」(PCM音源方式)の再生タイミング(s4b)、音データ番号「3」(MIDI音源方式)の再生タイミング(s4c)を各々チェックする。ここで、着信音報知始め(図2中a時点)では、音データ番号「1」と、音データ番号「3」がONになっているので、各々は(s5a)及び(s5c)に進む。音データ番号「2」はOFFのため処理はされず、サーチ待ちの状態になる。音データ番号「1」であるFM音源方式音データ再生部4aでは、FM音源方式音データ3aを読み込み、混合器へ送る(s5a)。同様に、音データ番号「3」であるMIDI音源方式音データ再生部4cでは、MIDI音源方式音データ3cを読み込み、混合器へ送る(s5b)。混合器5では、送られて来た二つの音データを混合しスピーカー6に渡す。スピーカー6では送られて来た音データを、着信音として出力する(s6)。その後、終わりまでサーチされたか判断を行い(s7)、次の再生タイミングが設定されている場合には、次のタイミングのサーチを行う(s8)。
【0019】
音データ番号「1」及び音データ番号「3」の再生中、暫くすると(図2中b時点)、音データ番号「2」もb時点の再生タイミングでONとなる(s4b)。すると音データ番号「2」であるPCM音源方式音データ再生部4bで、PCM音源方式音データ3bが読み込まれ、混合器へ送られる(s5b)。混合器5では、送られて来た三つの音データを混合しスピーカー6に渡す。スピーカー6では送られて来た音データを、着信音として出力する(s6)。その後、終わりまでサーチされたか判断を行い(s7)、次の再生タイミングが設定されている場合には、次のタイミングのサーチを行う(s8)。終わりまでサーチされている場合には、着信音の再生を終了する(s9)。これらの全ての処理の過程であっても、携帯電話機利用者が電話を取って通話を開始することにより、着信音データの再生は終了となる(s9)。
【0020】
以上の処理過程を踏むことにより、複数の方式で記憶された音データを同時に再生させることが可能となる。なお、この方法を用いると、記憶容量が大きいPCM音源方式などの音データは、再生する時間を短く設定することによりメモリの節約ができる。また、回路規模は若干大きくなるかもしれないが、FM音源方式によるピアノやギターなどの楽器の音色をバックグラウンドに、例えばPCM音源方式による人の声などを再生することが可能となる。主なフレーズはFM音源方式のような音データベースから合成するものを用いて、付加的に、PCM音源方式の人の声や効果音などを用いることができる。これによって、着信音を作成する際に、無限のバリエーションが得られて、かつ、容量は小さくなる効果が得られる。その結果、着信時での着信音のバリエーションが豊富になり、他の人の携帯電話機の着信音との差別化を容易に図ることができる。
【0021】
着信音のバリエーションを豊富にする例として、上記以外に、パターン番号記憶部に記憶されている電話番号の所持者の名前を事前にPCM音源方式の音データとして記憶しておき、音声として再生すると発呼者の名前が着信音となる。例えば、発呼者の名前が「徳川家康」であり、これに対応する音データとして「トクガワイエヤス」と記憶されている場合には着信時に音声で「トクガワイエヤス」と再生される。これは発呼者が携帯電話を使用しているときにも有効である。発呼者が電話線(光ケーブルを含む)を介して電話局に接続される電話器を使用している場合には、地域をPCM音源方式の音データとして記憶しておき、音声として再生することにより、着信時に相手の発信場所が分かる。例えば、発呼者の市外局番が「045」であり、これに対応する音データとして「ヨコハマ」と記憶されている場合には着信時に音声で「ヨコハマ」と再生される。このように電話を取らなくても、着信音を聞くだけで事前に登録している誰からの着呼やどこからの発信なのかが理解でき、適切な応答をすることができる。
【0022】
次に、パターン番号の選択方法の他の例を第2の実施の形態として図5、図6を用いて説明する。本実施の形態では、着信時刻からパターン番号の選択を行うことにより着信音の変更が行われる。通信制御部1516の制御プログラムおよび機能、通信用メモリ部1515に記憶されるパターン番号テーブルの内容以外は第1の実施の形態と同様である。図5は、着信時刻からパターン番号の選択を行うために必要な機能ブロックを示すブロック図である。図15に示す携帯電話機の回路構成と対応づけて説明すると、無線信号を受信する受信部201は図15の無線部1511中に含まれる受信回路部分であり、着信時刻検出部202及び時計機能204はいずれも図15の通信制御部1516である。時計機能204は通信用メモリ部1515に記憶されたプログラムに従って計時を行い時刻を出力する。着信時刻検出部202は、通信用メモリ部1515に記憶されたプログラムに従って、受信部201から着信有りの情報を受けたときに時計機能204の出力により無線信号の着信時刻を検出する。図15の通信用メモリ部1515のメモリエリアの一部はパターン番号記憶部203として割り当てられ、着信時刻に対応する着信音のパターン番号が図6に示されるように記憶されている。本実施の形態ではパターン番号記憶部203には設定されて記憶された時間帯に対する着信203a、203bに応じた着信音のパターン番号を記憶することができる。通信制御部1516は検出された時刻に対応するパターン番号をパターン番号記憶部203に記憶されたデータに基づいて決定し、その後は、図1の再生タイミング記憶部1に記憶されたデータに基づいてそのパターン番号に対応する音データの再生タイミングを読み出して着信音の作成過程へ移行する。図6では、例として、午前0時から午前8時の間に着信があった場合にはパターン番号「1」203aが適用され、午後5時15分から午後9時30分の間に着信があった場合にはパターン番号「2」203bの着信音が再生される設定が示されている。具体的には、着信時刻が、午前1時の場合は、図6の第一の設定時刻である午前0時から午前8時までの間に入るので、パターン番号「1」の着信音、すなわち、図2における音データ番号「1」と音データ番号「2」と音データ番号「3」が再生される。また、午後8時に着信があった場合には、第二の設定時刻である午後5時15分から午後9時30分までの間になるので、パターン番号「2」の着信音、すなわち、同様に図2における音データ番号「1」と音データ番号「2」と音データ番号「4」が再生される。これにより、使用者は、着信音を聞くだけで現在の大まかな時刻を把握することができる。この結果、時間に関係する諸活動において大まかな時刻が把握できているので、余裕ある行動が取れることとなる。また、時間帯により着信音を変えることができるので、例えば、深夜から早朝にかけてはさわやかな着信音、アフターファイブで騒がしい場所にいるときは大音量でにぎやかな着信音にして、その時間帯に使用者がいるであろう環境に適した着信音にすることもできる。
【0023】
また、時計機能204を利用して、時間の単位を日または月とすることによりカレンダー機能とすることができる。これにより、着信時の曜日や平日・祝日の区別、或いは、月に応じて着信音を変更することが可能となる。さらに、特定の相手から電話が掛かって来るはずの時刻を設定して、実際に電話が掛かってきた時刻との時間のズレ幅から着信音を変更することも可能となる。
【0024】
次に、パターン番号の選択方法の3番目の例を第3の実施の形態として図7、図8を用いて説明する。
【0025】
本実施の形態では、発呼者の電話番号から特定の電話番号を特定して、その電話番号からの不在時の着信回数によりパターン番号の選択を行うことにより着信音の変更が行われる。通信制御部1516の制御プログラムおよび機能、通信用メモリ部1515に記憶されるパターン番号テーブルの内容以外は第1の実施の形態と同様である。図7は、着信回数からパターン番号の選択を行うために必要な機能ブロックを示すブロック図である。図15に示す携帯電話機の回路構成と対応づけて説明すると、無線信号を受信する受信部301は図15の無線部1511中に含まれる受信回路部分であり、電話番号検出部302は図15の通信制御部1516であり、通信用メモリ部1515に記憶されたプログラムに従って無線信号の復調後に電話番号を検出し、検出された電話番号毎の不在時の着信回数をカウントする。ここで、「不在時」とは、着信時に着信音が予め設定された時間あるいは回数以上再生されても受信者の応答がない場合であり、携帯電話の場合には、例として、使用者が携帯電話を手元に置いていない場合、使用者が会議中、映画等の鑑賞中、電車等に乗車中、自動車を運転中等で電源を切っていたり、マナーモードにしていた場合等である。図15の通信用メモリ部1515のメモリエリアの一部はパターン番号記憶部303及び着信回数記憶部304として割り当てられ、不在時の着信回数及び着信回数に対応する着信音のパターン番号が図8に示されるように記憶されている。通信制御部1516は設定された電話番号から不在時の着信があると着信回数記憶部304に記憶された電話番号の着信回数をインクリメントして更新する。
【0026】
図8では、予め設定された特定電話番号への着信回数に応じて、1回目の着信時にはパターン番号「1」303aが適用され、着呼しない場合、すなわち、不在時である場合、同じ電話番号が検出されるとパターン番号「2」303bが適用される。それも着呼しなくて、3回目に同じ電話番号が検出されるとパターン番号3が適用される設定が示されている。具体的には、1回目の着信時には、パターン番号「1」303aの着信音を再生することとなり、図2における音データ番号「1」と音データ番号「2」と音データ番号「3」が再生されることとなる。また、2回目の着信時には、パターン番号「2」303bの着信音を再生することとなり、同様に図2における音データ番号「1」と音データ番号「2」と音データ番号「4」が再生されることとなる。また、3回目の着信時には、パターン番号「3」303cの着信音を再生することとなり、図2における音データ番号「2」が再生されることとなる。何回目かに不在が解消して着呼すると、その後は、通信制御部1516が図1の再生タイミング記憶部1にその回数に対応するパターン番号を送り、着信音の作成過程へ移行する。
【0027】
この場合、予め設定された電話番号に対してだけ、このモードが動作するようにしたのは、うるさくしつこい勧誘等の電話、いたずら電話、無言電話等の迷惑電話、あるいはFAXの誤送信による迷惑なリトライ動作に対するこのモードの動作を防止するためであるとともに、例えば、家族あるいは親類等に病人等がいる場合に着信の緊急性、重要性を使用者に知らせることができる。
【0028】
着信音にPCM音源を用いて、設定された電話番号からの2回目の不在着信には、「2回目の電話です」などの言葉を再生させることも可能である。このように、回数が増える毎に人の注意を喚起する音を設定しておくと、最初の着信で気が付かなかった場合でも着信回数が増えると着信が分かり易くなり電話を取れるようになる。また、着信回数が分かるのでその着信の緊急性、重要性が分かり、優れた使い易さを得られる。
【0029】
また、通信制御部1516が、不在着信回数の代わりに、検出された電話番号の一回の着信におけるコール回数をカウントして、着信回数記憶部304にコール回数を記憶させるとともにインクリメントして更新するよう、プログラムを変更してもよい。この場合には、一回の着信において、時間の経過とともに着信音を変更することができる。例えば、最初の方のコールでは優しい音で呼出しを行い、コール回数が非常に多くなるとうるさい呼出し音に変えることにより、利用者が着信に気付き易くなる。
【0030】
次に、パターン番号の選択方法の4番目の例を第4の実施の形態として図9、図10、図13、図14を用いて説明する。本実施の形態では、携帯電話機が用いられる環境の音の状態に応じてモードを設定し、そのモードによりパターン番号の選択を行うことにより着信音の変更が行われる。図9,図10では、通常の街頭などのように使用する周囲がうるさい場合での着信を知らせるモードや、会議中の静かにしないといけない場面での着信を知らせるモードなどを設定して、そのモードによりパターン番号の選択を行うことにより着信音の変更が行われる。図13,図14では着信を行っている携帯電話機の周囲の雑音のレベルに応じてモードを設定し、そのモードによりパターン番号の選択を行うことにより着信音の変更が行われる。通信制御部1516の制御プログラムおよび機能、通信用メモリ部1515に記憶されるパターン番号テーブルの内容以外は第1の実施の形態と同様である。図9及び図13は、周囲の音の状態からパターン番号の選択を行うために必要な機能ブロックを示すブロック図である。受信部401と受信部601、着信音制御部402と周囲雑音検出部602、パターン番号記憶部403とパターン番号記憶部603とはそれぞれ同様の機能を有するものであるため、代表して図9にて説明する。図15に示す携帯電話機の回路構成と対応づけて説明すると、無線信号を受信する受信部401は図15の無線部1511中に含まれる受信回路部分であり、着信音制御部402は図15の通信制御部1516であり、通信用メモリ部1515に記憶されたプログラムに従って携帯電話機周囲の音の状態に応じてモードを設定し、そのモードによりパターン番号の選択を行う。周囲の音の状態はマイク1513が検出した音の周波数、音圧レベル、音圧レベルの高低差、ある音圧レベルの継続時間、または、ある特定の周波数範囲の音の継続時間等により判定される。図15の通信用メモリ部1515のメモリエリアの一部はパターン番号記憶部403として割り当てられ、携帯電話機周囲の音の状態に対応する着信音のパターン番号が図6に示されるように記憶されている。これらの対応関係は受信部601、周囲雑音検出部602、パターン番号記憶部603についても同様である。
【0031】
図9、図10の場合においては、着信音制御部402は、通常の街頭などのように使用する周囲がうるさい場合か、会議中などのように静かにしないといけない場合かを判定するために、音圧レベル、音圧レベルの高低差、ある音圧レベルの継続時間、または、ある特定の周波数範囲の音の継続時間等を判定する。例えば、会議中では発言中か否かで音圧レベルの高低差があり、また、人間の声の周波数範囲の音が断続的に検出される。また、図書室などの場合には人間の声の周波数範囲の音が断続的に検出されるが、音圧レベルが低いとともに音圧レベルの高低差も少ない。一方、街頭などの周囲がうるさい場合には、音圧レベルが大きいとともに音圧レベルの高低差が少なく、広い周波数範囲の音が連続的に検出される。着信音制御部402は、例えば上記のような音圧レベルの大小、音圧レベルの高低差、ある音圧レベルの継続時間、または、ある特定の周波数範囲の音の継続時間等の差異に基づいて携帯電話機周囲の環境を判断してモード番号を決定し、このモード番号に対応するパターン番号をパターン番号記憶部403に記憶されたパターン番号から選択する。パターン番号記憶部403には、図10のように設定モードに応じて、パターン番号が設定されている。設定モードは周囲がうるさい場合はモード番号「1」や、図書室など静かにしないといけない場合はモード番号「2」や、普段の部屋での着信を念頭においたモード番号「3」など、自分で適当に設定して良い。ここでは、モード番号「1」、「2」、「3」に応じて、それぞれパターン番号「1」、「2」、「3」が設定されている。
【0032】
図13,図14の場合においては、単に着信時の携帯電話機周囲の雑音の音量レベルに対応してパターン番号を設定してパターン番号記憶部603に記憶している。この場合には周囲雑音検出部602は携帯電話機周囲の雑音の音量レベルをマイク1513が検出した音の音圧レベルで判定する。パターン番号記憶部603は、図14のように周囲雑音レベルに応じて、パターン番号が設定されている。周囲雑音レベルにおいて、例えば、60dB以上の音圧レベル範囲を「周囲がかなりうるさい」と設定者が感じる範囲としてモード番号「1」603aを設定し、59dB〜40dBの音圧レベル範囲を「まあまあうるさい」と感じる範囲としてモード番号「2」603bを設定し、39dB以下の音圧レベル範囲を「雑音は存在しない」と感じる範囲としてモード番号「3」603cを設定する。この範囲はそれぞれ設定者個人個人の感覚に応じて自由に設定することができる。 その後、通信制御部1516は図1の再生タイミング記憶部1にパターン番号を送り、着信音の作成過程へ移行する。
【0033】
ここで、周囲がうるさい場合のモードに対応するパターン番号では、周囲の音と容易に区別できて気がつきやすい着信音を事前に設定しておく。また、図書室などの静かな場面での着信を設定するモードでの着信音は、なるべく自分にしか分からないような静かな着信音を設定しておく。これにより、着信時に周囲の音の状況に合わせて事前に自分が設定した着信音が再生される。また、周囲雑音レベルが「かなりうるさい」と感じられる場合に対応するパターン番号では、気がつきやすいように例えば甲高い着信音を事前に設定しておく。また、図書室などのように、周囲雑音レベルが「雑音はない」と感じられる場合では、なるべく自分にしか分からないような静かな着信音を設定しておく。これにより、着信時に自動的に周囲雑音を検出して、事前に自分が設定した着信音で呼出しが行われる。その結果、着信時に周囲の状況に対応した適切な着信音で呼出しを行うことができる。またモード設定数を増やすことにより、携帯電話機利用者の利用状況の複雑さにも対応できる。
【0034】
本発明は以上の実施の形態に限ることはなく、使用者が携帯電話機を手に取ったことを検知する熱・圧力センサーや、温度センサーなどを設けて着信音を変更するようにしたものであってもよい。携帯電話機を利用者が手に持っている時には、けたたましい着信音がなる必要がない。そこで、人の体温を感知する熱センサーや、手で持ったことが検知できる圧力センサーを搭載することにより、人が手に取っていることを自動判断し、着信音を小さくするよう制御してもよい。また、手で持ったことが検知できる圧力センサーと温度センサーを組合せ、手で持っていないときでも摂氏25度以上の温度が検出されたら、気温が高い、すなわち、暑い場所あるいは暑い季節であると判断して涼しげな着信音にして、利用者の心を和らげるこようにしてもよい。また、光センサーを組み合わせて、バッグの中に携帯電話機がある場合は大きい着信音であり、バッグから出すと、外の光を感じ取り静かな着信音になる機能を追加してもよい。また、近年法律により車中での携帯電話機の使用は罰せられるようになった。そこで、携帯電話機が車中にあることを加速度センサーにより検知する機能を追加して運転中であることを自動で判断して、自動的に着信音を利用者が分からないように小さくするか、あるいは第3の実施の形態の不在着信回数モードにしてもよい。上記の変形例は第4の実施の形態における周囲雑音センサーであるマイク1513の出力の代わりに、熱センサー、圧力センサー、温度センサー、光センサー、あるいは加速度センサーの出力を用いることにより実施可能である。
【0035】
次に、パターン番号の選択方法の5番目の例を第5の実施の形態として図11、図12を用いて説明する。
【0036】
本実施の形態では、携帯電話機の電池残量からパターン番号の選択を行うことにより着信音の変更が行われる。通信制御部1516の制御プログラムおよび機能、通信用メモリ部1515に記憶されるパターン番号テーブルの内容以外は第1の実施の形態と同様である。図11は、電池残量からパターン番号の選択を行うために必要な機能ブロックを示すブロック図である。図15に示す携帯電話機の回路構成と対応づけて説明すると、電池機能504は携帯電話器に電力を供給したり充電器(図示せず)から充電された電力を蓄える部分であり、無線信号を受信する受信部501は図15の無線部1511中に含まれる受信回路部分であり、電池残量検出部502は図15の通信制御部1516であり、通信用メモリ部1515に記憶されたプログラムに従って受信部501からの着信有りの情報を受けて電池機能504から現在の充電されている電池容量を検出する部分である。図15の通信用メモリ部1515のメモリエリアの一部はパターン番号記憶部503として割り当てられ、電池残量に対応する着信音のパターン番号が図12に示されるように記憶されている。パターン番号記憶部503は、図12のように電池残量検出部502で得られた電池残量に応じて、パターン番号が設定、記憶されており、例として、電池残量が十分ある場合には、パターン番号「1」503aが適用され、ディスプレイ上でメモリ2個分の残量の場合にはパターン番号「2」503bが適用され、充電の必要がある場合には、パターン番号「3」503cの着信音が再生されるよう設定されている。通信制御部1516は電池残量に対応したパターン番号を選択した後、図1の再生タイミング記憶部1に該パターン番号を送り、着信音の作成過程へ移行する。
【0037】
このように着信が行われた場合に、着信音を聞くだけで、電池残量を大まかに把握することができる。この結果、通話前に電池残量が確認できているので、通話時間を短くしたり、充電後に再度交信することを依頼することができ、通話中の不慮の通話切断を防止できる。(従来は通話中に電池容量が無くなり、不慮の通話切断が起こる場合があった。)また要充電の着信音を使用者が気がつきやすいものに設定しておくことで、充電の必要性を携帯電話機利用者に強く認識させることもできる。また、電池残量に代えて、アンテナの電界強度や、住所録のメモリ残数や、累積通話時間などにより着信音を変更するようにしてもよい。これにより、利用者は、アンテナの電界強度や、住所録のメモリ残数や、累積通話時間などの情報を着信時に付加的に把握することができる。
【0038】
以上の実施の形態に置いては、着信音として、分析合成符号化方式(FM音源方式)をメインに用いることにより、比較的メモリ容量が小さくて済むとともに、楽器などの音を豊富に再生することができる。それに付随して、直接マイクなどから録音した音源方式などの波形符号化方式(PCM音源方式)を使用することにより、自分の携帯電話機の着信音が、他人の携帯電話機の着信音と区別できる効果が得られる。この時、PCM音源方式のデータを保持するデータの容量が大幅に必要となるが、PCM音源方式のデータを付加的に使用することにより、メモリ容量を削減できる効果が得られる。
【0039】
また、発呼者の電話番号から着信音を変更することにより、事前に発呼者を認識することができる。これにより、着信音を聞くだけで重要な用件と思われる着信者には直ぐに出たり、不必要な着呼は保留にしたりできる効果が得られる。
【0040】
また、現在時刻や電池残量に応じて着信音を変更することにより、着信音を聞くだけで現在の大まかな時刻の把握や電池残量が分かるなど付加的な情報を得ることができる。また、特定の人からの発呼回数や、着信音制御モード、或いは、周囲の雑音レベルそれぞれに応じて着信音を変更することにより、所持者が着信に気付き易くなる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の音データ再生部分の主要部のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の音データ番号とそれぞれの再生タイミングの対応図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の発呼者の電話番号からパターン番号の選択を行う機能ブロックを示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の発呼者の電話番号とパターン番号の対応図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における携帯電話機の着信時刻からパターン番号の選択を行う機能ブロックを示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における携帯電話機の着信時刻とパターン番号の対応図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における携帯電話機の特定の電話番号の着信回数から、パターン番号の選択を行う機能ブロックを示すブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における携帯電話機の特定の電話番号の着信回数とパターン番号の対応図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態における携帯電話機の周囲の音の状態から着信音を制御する機能ブロックを示すブロック図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態における携帯電話機の周囲の音の状態から着信音を制御するモードとパターン番号の対応図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態における携帯電話機の携帯電話機の電池残量からパターン番号の選択を行う機能ブロックを示すブロック図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態における携帯電話機の電池残量とパターン番号の対応図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態における携帯電話機の周囲雑音レベルから着信音を制御する機能ブロックを示すブロック図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態における携帯電話機の周囲雑音レベルから着信音を制御するモードとパターン番号の対応図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の概略の外観を示す正面図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の着信音設定時のディスプレイ表示例を示す図で、同図(a)は「着信音変更メニュー画面」、同図(b)は「相手の電話番号による着信音変更画面」、同図(c)は「着信音のパターン選択画面」をそれぞれ示す図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の着信音再生時のフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1:再生タイミング記憶部
2:制御部
3:音データ記憶部
4:音データ再生部
5:混合器
103:電話番号検出部
202:着信時刻検出部
303:着信回数記憶部
402:着信音制御部
502:電池残量検出部
602:周囲雑音検出部
103、201、301、401、501、601:受信部
103、203、303、403、503、603:パターン番号記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号の着信を着信音で報知する携帯電話機に係り、特に着信時の条件を着信音で使用者に報知するのに好適な携帯電話機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話機における着信音は、トーン信号をディジタル符号化した数々のトーンデータによるものが一般であった。着信があった場合にはその着信音が鳴ることにより、利用者は自分の携帯電話機に電話が掛かっている事を簡単に気が付いた。しかし、現在は携帯電話機の利用者数が急増しており、同じ場所で携帯電話機を所持している人が多くなった。そのため、他の人の携帯電話機への着信が、自分の携帯電話機への着信と間違う利用者が出て来たので、携帯電話機個々の着信音を区別する必要が求められている。例えば、メロディ発生手段により各自が固有メロディを作成し、差別化を図るものが普及してきた。さらに特許文献1にあるようにメロディをダウンロードにより更新する機能や、特許文献2のように着信音を事前に外部マイクから取り込むことにより、独自の着信音を作成する手段もある。ごく最近では、FM音源方式のように音データベースから音を合成することにより楽器の音色を奏でられるようにする手段も発表されてきた。
【0003】
また、他人の携帯電話機との差別化以外にも、特許文献3のように電話を掛けて来た相手によって、着信音や発光パターンを変更する手段が用いられるようになった。それにより、着信音を聞くだけで発呼者が分かるなどの利用価値が高められるようになった。
【特許文献1】特開平10−4442号公報
【特許文献2】特開平08−251258号公報
【特許文献3】特開平09−312684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は単純にビープ音を作成している周波数の範囲を広げたり、テンポを可変にしたりして、それ以前の機械的なビープ音を用いたものに比べて、メロディ音を聞き易くしていた。さらに、音データベースから音を合成するFM音源方式を着信音に用いたものもあるが、これも楽器などの特定な音を再生するだけに留まり、人の声などは作成することができない。また、PCM音源方式などを単に用いれば、人の声や効果音を作成できて無限に着信音を作成することができるが、小形、軽量が要求される携帯電話機にとっては、保持するデータの容量が大きくなりすぎるという問題点が生じてくる。
【0005】
本発明の目的は、着信音の差別化を十分に行えるとともに、着信時の様々な状況を着信音の変化で把握でき、優れた利便性を有する携帯電話機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するため、信号の着信を着信音で報知する携帯電話機において、複数のパターンで着信音を発生させる着信音発生手段と、携帯電話機の動作を制御する制御手段を備え、制御手段は信号の着信時に予め設定された条件に基づいて複数のパターンの着信音のうちから、一つのパターンを選択して着信音発生手段に着信音を発生させる制御を行うよう構成されたことを特徴とするものである。
【0007】
好ましい実施態様においては、着信音発生手段は、それぞれ異なる発生方法により発生される複数の音データをそれぞれ記憶する記憶手段と、記憶された複数の音データをそれぞれの発生方法に従って再生する複数の再生手段と、複数の音データのうち再生する音データの選択と、選択された音データのそれぞれの再生タイミングを記憶する再生タイミング記憶手段とを備え、制御手段は再生タイミングにより選択されたそれぞれの音データが再生されるよう再生手段を制御することを特徴とするものである。
【0008】
さらに好ましい実施態様においては、複数の音データは、PCM音源方式などの振幅の大小またはパワーに応じて量子化幅を設定する波形符号化方式の音データと、FM音源方式などの信号をモデル化して符号化を行う分析合成符号化方式の音データを含むことを特徴とする。以上の手段により、主なフレーズはFM音源方式のような音データベースから合成するものを用いて、付加的に、PCM音源方式の人の声や効果音などを用いることができる。これによって、着信音を作成する際に、無限のバリエーションが得られるとともに、容量を小さくすることができる。
【0009】
また、予め設定された条件として、発呼者の電話番号が登録された電話番号と一致したとき、発呼者の電話番号の一部分(市外局番等)が登録された電話番号の一部分(市外局番等)と一致したとき、信号の着信日が予め設定された期間に含まれるとき、特定の発呼者からの不在着信回数が予め設定された回数の範囲内に含まれるとき、着信時における電池残量が予め設定された容量の範囲内に含まれるとき、着呼時に携帯電話機周囲の音が予め設定された音の条件に含まれるとき、着呼時に携帯電話機周囲の音量レベルが予め設定された音量レベルの範囲内に含まれるとき、熱または圧力センサーにより携帯電話機が使用者の手に保持されていることが検知されたときなどである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、着信音の差別化を十分に行えるとともに、着信時の様々な状況を着信音の変化で把握でき、優れた利便性を有する携帯電話機を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図18により説明する。
本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の構成を図15に示す。1510は送受信アンテナ、1511は送受信データと無線信号を変換する無線部、1512は送受信データを音声信号に変換する符号復号処理部、1513はマイク、1514はレシーバ、1515は携帯電話機としての動作を制御するのに必要とされるプログラム及びデータ等を保持するための通信用メモリ部、1516は本携帯電話機を制御するための通信制御部、1517は表示部、1518はキー入力部を示している。1519は無線信号着信時に報知信号を発生させるための報知信号発生部、1520は報知信号発生部1519で再生された報知信号を出力させるためのスピーカを示す。
【0012】
図1は、図15の通信制御部1516と着信音発生部1519の詳細を示すブロック図である。本実施の携帯は複数の音データを同時に再生できる携帯電話機である。本実施の形態では、複数の音データ方式に対応する音データを記憶する記憶部が複数個設けられている。具体的には、FM音源方式音データ記憶部3aとPCM音源方式音データ記憶部3bとMIDI方式データ記憶部3cが設けられ、それぞれの方式に対応して音データを再生する音データ再生部としてFM音源方式音データ再生部4aとPCM音源方式音データ再生部4bとMIDI方式音データ再生部4cが設けられている。また、FM音源方式音データ再生部4aとPCM音源方式音データ再生部4bとMIDI方式音データ再生部4cは制御部2に接続され、制御部2は再生タイミング記憶部1に記憶された複数の音データのうち再生する音データの選定と選定された音データのそれぞれの再生タイミングの決定を行い、選定されたそれぞれの音データを決定された再生タイミングにより音データ再生部に再生を行わせる。音データ再生部の出力は混合器5に接続され、各々の音データが加算されて、この混合器5に接続されたスピーカー6(図15のスピーカー1520に対応)から最終的に着信音として外部に出力される。
【0013】
図2に示すように、再生タイミング記憶部1には、再生を行う音データ番号と、それぞれの再生のタイミングなどが記憶されている。音データ番号はFM音源方式音データが1番、PCM音源方式音データが2番、MIDI方式音データが3番とそれぞれ対応している。音データとしては上記に限ることはなく、MP3方式音データも用いることができ、音データ番号として4番が割り当てられる。以下、音データを追加する毎に5番、6番と音データ番号が割り当てられていく。パターン番号は、相手の電話番号に応じて変更したり、着信時刻によって変更したりすることができる。その設定方法、種類などは後に詳しく説明する。再生タイミングはONとOFFで制御されており、ONの時にその音データが再生されて、OFFの時には再生されないように制御される。
【0014】
次に、パターン番号の設定方法について説明する。図16は本実施の形態における携帯電話機の概略の外観を示す正面図である。電話機本体1601の正面(使用者が操作するキー、ディスプレイ、マイク、スピーカ等が設けられた面)には、一端に受話器となるスピーカ1602が設けられ、これから他端に向かってディスプレイ部1602と各種操作キーが設けられる。各種の操作キーの中には、ディスプレイ部に表示されるカーソルをそれぞれ上下左右に移動させるための上キー1604、下キー1605、左キー1606、右キー1607と、入力された内容を確定する確定キー1608と、入力された内容の削除や操作の解除を行うクリアキー1609と、各種の機能を選択または実行させるファンクションキー1610が含まれる。上キー1604、下キー1605、左キー1606、右キー1607、確定キー1608は、電話番号や時刻等を入力する数字キーの一部が割り当てられている。他端には送話器としてのマイク1513が設けられるが、本図では図示が省略されている。
【0015】
上記のキーを操作して、発呼者の電話番号で着信音を変更する方法を説明する。このときのディスプレイ部1603の表示画面の例を図17の(a)、(b)、(c)に示す。まず、ファンクションキー1610とメニュー画面選択に割り当てられたキーを押下して図17(a)に示される「着信音変更メニュー画面」(d1)に行く。そこでは、何に対して着信音を変更するかの選択が行われ、例えば相手の電話番号や、着信日時や、不在着信回数により変更できるものとする。選択する項目を示すカーソルとして選択項目の左側に不等号「>」が表示される。そこで、上キー1604押下或いは下キー1605押下でカーソルを移動させ、不等号「>」の先端(この場合右側の鋭角部分)を選択する項目に合わせる。着信音を電話番号により変更したい場合は「1.相手の電話番号」を選択して、確定キーを押下する。すると図17(b)に示される「相手の電話番号による着信音変更画面」(d2)に移る。この画面中で上キー1604押下或いは下キー1605押下でカーソルを移動させ、着信音を変更したい電話番号を選択して確定キーを押下することにより相手の電話番号を選択することができる。なお、相手の電話番号は数字キーを用いて直接入力するようにしてもよい。電話番号を選択後、確定キーを押下すると図17(c)に示される「着信音のパターン選択画面」(d3)に移り、選択した電話番号に対応する着信音のパターンを選択できるようになる。そこでは、上キー1604押下或いは下キー1605押下でカーソルを移動させ、所望のパターン番号を選択する。本実施の携帯ではパターンが選択される度にそのパターンでの着信音がスピーカ1602から再生され、パターンを確認することができる。ここでは、所望しているパターンとして「2.パターン番号2」を選択して確定キーを押下することにより、着信音を設定することができる。パターン番号2では、図2に示されるように音データ番号1のFM音源、音データ番号2のPCM音源、音データ番号4のMP3音源の音データが同図に示されるタイミングで再生される。画面を前画面に戻したいときは、(d3)の画面でクリアキー1609押下により、(d2)の画面へ戻ることができる。同様に(d2)の画面でクリアキー1609押下により(d1)の画面へ戻ることができる。
【0016】
次に、音データが再生されるまでの処理過程を図1、図2、図3、図4及び図18を用いて説明する。ここでは1例として、発呼者の電話番号からパターン番号を選択し、再生する方法を説明する。図3は、発呼者の電話番号からパターン番号の選択を行うために必要な機能ブロックを示すブロック図である。図15に示す携帯電話機の回路構成と対応づけて説明すると、無線信号を受信する受信部101は図15の無線部1511中に含まれる受信回路部分であり、電話番号検出部102は図15の通信制御部1516であり通信用メモリ部1515に記憶されたプログラムに従って無線信号の復調後に電話番号を検出する。図15の通信用メモリ部1515のメモリエリアの一部はパターン番号記憶部103として割り当てられ、電話番号及び各々の電話番号に対応する着信音のパターン番号が図4に示されるように記憶されている。パターン番号記憶部103には設定されて記憶された電話番号に対する着信103a、103bや、電話番号のある部分、例えば、発呼者の電話番号の市外局番に対する着信103c、103dなどに応じた着信音のパターン番号を記憶することができ、使用者の要望に応じていろいろなサービスが展開できる。通信制御部1516は検出された電話番号に対応するパターン番号をパターン番号記憶部103に記憶されたデータに基づいて決定し、その後は、図1の再生タイミング記憶部1に記憶されたデータに基づいてそのパターン番号に対応する音データの再生タイミングを読み出して着信音の作成過程へ移行する。
【0017】
以下、フローチャートを用いて具体的に説明する。図18のフローチャートで、着信時(s1)において、相手の電話番号などを検出して、着信音が選択される(s2)。相手の電話番号により着信音を変えるよう設定してあった場合には、図3に示すように携帯電話機に着呼があると受信部101は無線信号を受信して復調し、復調された信号が電話番号検出部102に送られ、復調後のデータから電話番号検出部102は発呼者(相手)の電話番号を検出する。この電話番号に対応する信号はパターン番号記憶部103に送られ、ここで記憶された電話番号と照合されてその電話番号に対して設定されたパターン番号が出力される。相手の電話番号が「012−345−6789」であったとすると、図4に示されるようにこの番号に対して設定されたパターン番号「1」の着信音を再生することとなり、図2における音データ番号「1」と音データ番号「2」と音データ番号「3」が再生されることとなる。また、発呼者が住んでいる地域ごとに着信音変更を行うことも市外局番毎にパターン番号を設定し記憶することにより可能である。例えば、発呼者の電話番号の上3桁が「045」である場合は、パターン番号「3」の着信音を再生することとなり、図2における音データ番号「3」が再生されることとなる。
【0018】
制御部2は再生タイミング記憶部1にアクセスして、図2における各音データの再生タイミングのサーチを始まる(s3)。制御部2では音データ番号「1」(FM音源方式)の再生タイミング(s4a)、音データ番号「2」(PCM音源方式)の再生タイミング(s4b)、音データ番号「3」(MIDI音源方式)の再生タイミング(s4c)を各々チェックする。ここで、着信音報知始め(図2中a時点)では、音データ番号「1」と、音データ番号「3」がONになっているので、各々は(s5a)及び(s5c)に進む。音データ番号「2」はOFFのため処理はされず、サーチ待ちの状態になる。音データ番号「1」であるFM音源方式音データ再生部4aでは、FM音源方式音データ3aを読み込み、混合器へ送る(s5a)。同様に、音データ番号「3」であるMIDI音源方式音データ再生部4cでは、MIDI音源方式音データ3cを読み込み、混合器へ送る(s5b)。混合器5では、送られて来た二つの音データを混合しスピーカー6に渡す。スピーカー6では送られて来た音データを、着信音として出力する(s6)。その後、終わりまでサーチされたか判断を行い(s7)、次の再生タイミングが設定されている場合には、次のタイミングのサーチを行う(s8)。
【0019】
音データ番号「1」及び音データ番号「3」の再生中、暫くすると(図2中b時点)、音データ番号「2」もb時点の再生タイミングでONとなる(s4b)。すると音データ番号「2」であるPCM音源方式音データ再生部4bで、PCM音源方式音データ3bが読み込まれ、混合器へ送られる(s5b)。混合器5では、送られて来た三つの音データを混合しスピーカー6に渡す。スピーカー6では送られて来た音データを、着信音として出力する(s6)。その後、終わりまでサーチされたか判断を行い(s7)、次の再生タイミングが設定されている場合には、次のタイミングのサーチを行う(s8)。終わりまでサーチされている場合には、着信音の再生を終了する(s9)。これらの全ての処理の過程であっても、携帯電話機利用者が電話を取って通話を開始することにより、着信音データの再生は終了となる(s9)。
【0020】
以上の処理過程を踏むことにより、複数の方式で記憶された音データを同時に再生させることが可能となる。なお、この方法を用いると、記憶容量が大きいPCM音源方式などの音データは、再生する時間を短く設定することによりメモリの節約ができる。また、回路規模は若干大きくなるかもしれないが、FM音源方式によるピアノやギターなどの楽器の音色をバックグラウンドに、例えばPCM音源方式による人の声などを再生することが可能となる。主なフレーズはFM音源方式のような音データベースから合成するものを用いて、付加的に、PCM音源方式の人の声や効果音などを用いることができる。これによって、着信音を作成する際に、無限のバリエーションが得られて、かつ、容量は小さくなる効果が得られる。その結果、着信時での着信音のバリエーションが豊富になり、他の人の携帯電話機の着信音との差別化を容易に図ることができる。
【0021】
着信音のバリエーションを豊富にする例として、上記以外に、パターン番号記憶部に記憶されている電話番号の所持者の名前を事前にPCM音源方式の音データとして記憶しておき、音声として再生すると発呼者の名前が着信音となる。例えば、発呼者の名前が「徳川家康」であり、これに対応する音データとして「トクガワイエヤス」と記憶されている場合には着信時に音声で「トクガワイエヤス」と再生される。これは発呼者が携帯電話を使用しているときにも有効である。発呼者が電話線(光ケーブルを含む)を介して電話局に接続される電話器を使用している場合には、地域をPCM音源方式の音データとして記憶しておき、音声として再生することにより、着信時に相手の発信場所が分かる。例えば、発呼者の市外局番が「045」であり、これに対応する音データとして「ヨコハマ」と記憶されている場合には着信時に音声で「ヨコハマ」と再生される。このように電話を取らなくても、着信音を聞くだけで事前に登録している誰からの着呼やどこからの発信なのかが理解でき、適切な応答をすることができる。
【0022】
次に、パターン番号の選択方法の他の例を第2の実施の形態として図5、図6を用いて説明する。本実施の形態では、着信時刻からパターン番号の選択を行うことにより着信音の変更が行われる。通信制御部1516の制御プログラムおよび機能、通信用メモリ部1515に記憶されるパターン番号テーブルの内容以外は第1の実施の形態と同様である。図5は、着信時刻からパターン番号の選択を行うために必要な機能ブロックを示すブロック図である。図15に示す携帯電話機の回路構成と対応づけて説明すると、無線信号を受信する受信部201は図15の無線部1511中に含まれる受信回路部分であり、着信時刻検出部202及び時計機能204はいずれも図15の通信制御部1516である。時計機能204は通信用メモリ部1515に記憶されたプログラムに従って計時を行い時刻を出力する。着信時刻検出部202は、通信用メモリ部1515に記憶されたプログラムに従って、受信部201から着信有りの情報を受けたときに時計機能204の出力により無線信号の着信時刻を検出する。図15の通信用メモリ部1515のメモリエリアの一部はパターン番号記憶部203として割り当てられ、着信時刻に対応する着信音のパターン番号が図6に示されるように記憶されている。本実施の形態ではパターン番号記憶部203には設定されて記憶された時間帯に対する着信203a、203bに応じた着信音のパターン番号を記憶することができる。通信制御部1516は検出された時刻に対応するパターン番号をパターン番号記憶部203に記憶されたデータに基づいて決定し、その後は、図1の再生タイミング記憶部1に記憶されたデータに基づいてそのパターン番号に対応する音データの再生タイミングを読み出して着信音の作成過程へ移行する。図6では、例として、午前0時から午前8時の間に着信があった場合にはパターン番号「1」203aが適用され、午後5時15分から午後9時30分の間に着信があった場合にはパターン番号「2」203bの着信音が再生される設定が示されている。具体的には、着信時刻が、午前1時の場合は、図6の第一の設定時刻である午前0時から午前8時までの間に入るので、パターン番号「1」の着信音、すなわち、図2における音データ番号「1」と音データ番号「2」と音データ番号「3」が再生される。また、午後8時に着信があった場合には、第二の設定時刻である午後5時15分から午後9時30分までの間になるので、パターン番号「2」の着信音、すなわち、同様に図2における音データ番号「1」と音データ番号「2」と音データ番号「4」が再生される。これにより、使用者は、着信音を聞くだけで現在の大まかな時刻を把握することができる。この結果、時間に関係する諸活動において大まかな時刻が把握できているので、余裕ある行動が取れることとなる。また、時間帯により着信音を変えることができるので、例えば、深夜から早朝にかけてはさわやかな着信音、アフターファイブで騒がしい場所にいるときは大音量でにぎやかな着信音にして、その時間帯に使用者がいるであろう環境に適した着信音にすることもできる。
【0023】
また、時計機能204を利用して、時間の単位を日または月とすることによりカレンダー機能とすることができる。これにより、着信時の曜日や平日・祝日の区別、或いは、月に応じて着信音を変更することが可能となる。さらに、特定の相手から電話が掛かって来るはずの時刻を設定して、実際に電話が掛かってきた時刻との時間のズレ幅から着信音を変更することも可能となる。
【0024】
次に、パターン番号の選択方法の3番目の例を第3の実施の形態として図7、図8を用いて説明する。
【0025】
本実施の形態では、発呼者の電話番号から特定の電話番号を特定して、その電話番号からの不在時の着信回数によりパターン番号の選択を行うことにより着信音の変更が行われる。通信制御部1516の制御プログラムおよび機能、通信用メモリ部1515に記憶されるパターン番号テーブルの内容以外は第1の実施の形態と同様である。図7は、着信回数からパターン番号の選択を行うために必要な機能ブロックを示すブロック図である。図15に示す携帯電話機の回路構成と対応づけて説明すると、無線信号を受信する受信部301は図15の無線部1511中に含まれる受信回路部分であり、電話番号検出部302は図15の通信制御部1516であり、通信用メモリ部1515に記憶されたプログラムに従って無線信号の復調後に電話番号を検出し、検出された電話番号毎の不在時の着信回数をカウントする。ここで、「不在時」とは、着信時に着信音が予め設定された時間あるいは回数以上再生されても受信者の応答がない場合であり、携帯電話の場合には、例として、使用者が携帯電話を手元に置いていない場合、使用者が会議中、映画等の鑑賞中、電車等に乗車中、自動車を運転中等で電源を切っていたり、マナーモードにしていた場合等である。図15の通信用メモリ部1515のメモリエリアの一部はパターン番号記憶部303及び着信回数記憶部304として割り当てられ、不在時の着信回数及び着信回数に対応する着信音のパターン番号が図8に示されるように記憶されている。通信制御部1516は設定された電話番号から不在時の着信があると着信回数記憶部304に記憶された電話番号の着信回数をインクリメントして更新する。
【0026】
図8では、予め設定された特定電話番号への着信回数に応じて、1回目の着信時にはパターン番号「1」303aが適用され、着呼しない場合、すなわち、不在時である場合、同じ電話番号が検出されるとパターン番号「2」303bが適用される。それも着呼しなくて、3回目に同じ電話番号が検出されるとパターン番号3が適用される設定が示されている。具体的には、1回目の着信時には、パターン番号「1」303aの着信音を再生することとなり、図2における音データ番号「1」と音データ番号「2」と音データ番号「3」が再生されることとなる。また、2回目の着信時には、パターン番号「2」303bの着信音を再生することとなり、同様に図2における音データ番号「1」と音データ番号「2」と音データ番号「4」が再生されることとなる。また、3回目の着信時には、パターン番号「3」303cの着信音を再生することとなり、図2における音データ番号「2」が再生されることとなる。何回目かに不在が解消して着呼すると、その後は、通信制御部1516が図1の再生タイミング記憶部1にその回数に対応するパターン番号を送り、着信音の作成過程へ移行する。
【0027】
この場合、予め設定された電話番号に対してだけ、このモードが動作するようにしたのは、うるさくしつこい勧誘等の電話、いたずら電話、無言電話等の迷惑電話、あるいはFAXの誤送信による迷惑なリトライ動作に対するこのモードの動作を防止するためであるとともに、例えば、家族あるいは親類等に病人等がいる場合に着信の緊急性、重要性を使用者に知らせることができる。
【0028】
着信音にPCM音源を用いて、設定された電話番号からの2回目の不在着信には、「2回目の電話です」などの言葉を再生させることも可能である。このように、回数が増える毎に人の注意を喚起する音を設定しておくと、最初の着信で気が付かなかった場合でも着信回数が増えると着信が分かり易くなり電話を取れるようになる。また、着信回数が分かるのでその着信の緊急性、重要性が分かり、優れた使い易さを得られる。
【0029】
また、通信制御部1516が、不在着信回数の代わりに、検出された電話番号の一回の着信におけるコール回数をカウントして、着信回数記憶部304にコール回数を記憶させるとともにインクリメントして更新するよう、プログラムを変更してもよい。この場合には、一回の着信において、時間の経過とともに着信音を変更することができる。例えば、最初の方のコールでは優しい音で呼出しを行い、コール回数が非常に多くなるとうるさい呼出し音に変えることにより、利用者が着信に気付き易くなる。
【0030】
次に、パターン番号の選択方法の4番目の例を第4の実施の形態として図9、図10、図13、図14を用いて説明する。本実施の形態では、携帯電話機が用いられる環境の音の状態に応じてモードを設定し、そのモードによりパターン番号の選択を行うことにより着信音の変更が行われる。図9,図10では、通常の街頭などのように使用する周囲がうるさい場合での着信を知らせるモードや、会議中の静かにしないといけない場面での着信を知らせるモードなどを設定して、そのモードによりパターン番号の選択を行うことにより着信音の変更が行われる。図13,図14では着信を行っている携帯電話機の周囲の雑音のレベルに応じてモードを設定し、そのモードによりパターン番号の選択を行うことにより着信音の変更が行われる。通信制御部1516の制御プログラムおよび機能、通信用メモリ部1515に記憶されるパターン番号テーブルの内容以外は第1の実施の形態と同様である。図9及び図13は、周囲の音の状態からパターン番号の選択を行うために必要な機能ブロックを示すブロック図である。受信部401と受信部601、着信音制御部402と周囲雑音検出部602、パターン番号記憶部403とパターン番号記憶部603とはそれぞれ同様の機能を有するものであるため、代表して図9にて説明する。図15に示す携帯電話機の回路構成と対応づけて説明すると、無線信号を受信する受信部401は図15の無線部1511中に含まれる受信回路部分であり、着信音制御部402は図15の通信制御部1516であり、通信用メモリ部1515に記憶されたプログラムに従って携帯電話機周囲の音の状態に応じてモードを設定し、そのモードによりパターン番号の選択を行う。周囲の音の状態はマイク1513が検出した音の周波数、音圧レベル、音圧レベルの高低差、ある音圧レベルの継続時間、または、ある特定の周波数範囲の音の継続時間等により判定される。図15の通信用メモリ部1515のメモリエリアの一部はパターン番号記憶部403として割り当てられ、携帯電話機周囲の音の状態に対応する着信音のパターン番号が図6に示されるように記憶されている。これらの対応関係は受信部601、周囲雑音検出部602、パターン番号記憶部603についても同様である。
【0031】
図9、図10の場合においては、着信音制御部402は、通常の街頭などのように使用する周囲がうるさい場合か、会議中などのように静かにしないといけない場合かを判定するために、音圧レベル、音圧レベルの高低差、ある音圧レベルの継続時間、または、ある特定の周波数範囲の音の継続時間等を判定する。例えば、会議中では発言中か否かで音圧レベルの高低差があり、また、人間の声の周波数範囲の音が断続的に検出される。また、図書室などの場合には人間の声の周波数範囲の音が断続的に検出されるが、音圧レベルが低いとともに音圧レベルの高低差も少ない。一方、街頭などの周囲がうるさい場合には、音圧レベルが大きいとともに音圧レベルの高低差が少なく、広い周波数範囲の音が連続的に検出される。着信音制御部402は、例えば上記のような音圧レベルの大小、音圧レベルの高低差、ある音圧レベルの継続時間、または、ある特定の周波数範囲の音の継続時間等の差異に基づいて携帯電話機周囲の環境を判断してモード番号を決定し、このモード番号に対応するパターン番号をパターン番号記憶部403に記憶されたパターン番号から選択する。パターン番号記憶部403には、図10のように設定モードに応じて、パターン番号が設定されている。設定モードは周囲がうるさい場合はモード番号「1」や、図書室など静かにしないといけない場合はモード番号「2」や、普段の部屋での着信を念頭においたモード番号「3」など、自分で適当に設定して良い。ここでは、モード番号「1」、「2」、「3」に応じて、それぞれパターン番号「1」、「2」、「3」が設定されている。
【0032】
図13,図14の場合においては、単に着信時の携帯電話機周囲の雑音の音量レベルに対応してパターン番号を設定してパターン番号記憶部603に記憶している。この場合には周囲雑音検出部602は携帯電話機周囲の雑音の音量レベルをマイク1513が検出した音の音圧レベルで判定する。パターン番号記憶部603は、図14のように周囲雑音レベルに応じて、パターン番号が設定されている。周囲雑音レベルにおいて、例えば、60dB以上の音圧レベル範囲を「周囲がかなりうるさい」と設定者が感じる範囲としてモード番号「1」603aを設定し、59dB〜40dBの音圧レベル範囲を「まあまあうるさい」と感じる範囲としてモード番号「2」603bを設定し、39dB以下の音圧レベル範囲を「雑音は存在しない」と感じる範囲としてモード番号「3」603cを設定する。この範囲はそれぞれ設定者個人個人の感覚に応じて自由に設定することができる。 その後、通信制御部1516は図1の再生タイミング記憶部1にパターン番号を送り、着信音の作成過程へ移行する。
【0033】
ここで、周囲がうるさい場合のモードに対応するパターン番号では、周囲の音と容易に区別できて気がつきやすい着信音を事前に設定しておく。また、図書室などの静かな場面での着信を設定するモードでの着信音は、なるべく自分にしか分からないような静かな着信音を設定しておく。これにより、着信時に周囲の音の状況に合わせて事前に自分が設定した着信音が再生される。また、周囲雑音レベルが「かなりうるさい」と感じられる場合に対応するパターン番号では、気がつきやすいように例えば甲高い着信音を事前に設定しておく。また、図書室などのように、周囲雑音レベルが「雑音はない」と感じられる場合では、なるべく自分にしか分からないような静かな着信音を設定しておく。これにより、着信時に自動的に周囲雑音を検出して、事前に自分が設定した着信音で呼出しが行われる。その結果、着信時に周囲の状況に対応した適切な着信音で呼出しを行うことができる。またモード設定数を増やすことにより、携帯電話機利用者の利用状況の複雑さにも対応できる。
【0034】
本発明は以上の実施の形態に限ることはなく、使用者が携帯電話機を手に取ったことを検知する熱・圧力センサーや、温度センサーなどを設けて着信音を変更するようにしたものであってもよい。携帯電話機を利用者が手に持っている時には、けたたましい着信音がなる必要がない。そこで、人の体温を感知する熱センサーや、手で持ったことが検知できる圧力センサーを搭載することにより、人が手に取っていることを自動判断し、着信音を小さくするよう制御してもよい。また、手で持ったことが検知できる圧力センサーと温度センサーを組合せ、手で持っていないときでも摂氏25度以上の温度が検出されたら、気温が高い、すなわち、暑い場所あるいは暑い季節であると判断して涼しげな着信音にして、利用者の心を和らげるこようにしてもよい。また、光センサーを組み合わせて、バッグの中に携帯電話機がある場合は大きい着信音であり、バッグから出すと、外の光を感じ取り静かな着信音になる機能を追加してもよい。また、近年法律により車中での携帯電話機の使用は罰せられるようになった。そこで、携帯電話機が車中にあることを加速度センサーにより検知する機能を追加して運転中であることを自動で判断して、自動的に着信音を利用者が分からないように小さくするか、あるいは第3の実施の形態の不在着信回数モードにしてもよい。上記の変形例は第4の実施の形態における周囲雑音センサーであるマイク1513の出力の代わりに、熱センサー、圧力センサー、温度センサー、光センサー、あるいは加速度センサーの出力を用いることにより実施可能である。
【0035】
次に、パターン番号の選択方法の5番目の例を第5の実施の形態として図11、図12を用いて説明する。
【0036】
本実施の形態では、携帯電話機の電池残量からパターン番号の選択を行うことにより着信音の変更が行われる。通信制御部1516の制御プログラムおよび機能、通信用メモリ部1515に記憶されるパターン番号テーブルの内容以外は第1の実施の形態と同様である。図11は、電池残量からパターン番号の選択を行うために必要な機能ブロックを示すブロック図である。図15に示す携帯電話機の回路構成と対応づけて説明すると、電池機能504は携帯電話器に電力を供給したり充電器(図示せず)から充電された電力を蓄える部分であり、無線信号を受信する受信部501は図15の無線部1511中に含まれる受信回路部分であり、電池残量検出部502は図15の通信制御部1516であり、通信用メモリ部1515に記憶されたプログラムに従って受信部501からの着信有りの情報を受けて電池機能504から現在の充電されている電池容量を検出する部分である。図15の通信用メモリ部1515のメモリエリアの一部はパターン番号記憶部503として割り当てられ、電池残量に対応する着信音のパターン番号が図12に示されるように記憶されている。パターン番号記憶部503は、図12のように電池残量検出部502で得られた電池残量に応じて、パターン番号が設定、記憶されており、例として、電池残量が十分ある場合には、パターン番号「1」503aが適用され、ディスプレイ上でメモリ2個分の残量の場合にはパターン番号「2」503bが適用され、充電の必要がある場合には、パターン番号「3」503cの着信音が再生されるよう設定されている。通信制御部1516は電池残量に対応したパターン番号を選択した後、図1の再生タイミング記憶部1に該パターン番号を送り、着信音の作成過程へ移行する。
【0037】
このように着信が行われた場合に、着信音を聞くだけで、電池残量を大まかに把握することができる。この結果、通話前に電池残量が確認できているので、通話時間を短くしたり、充電後に再度交信することを依頼することができ、通話中の不慮の通話切断を防止できる。(従来は通話中に電池容量が無くなり、不慮の通話切断が起こる場合があった。)また要充電の着信音を使用者が気がつきやすいものに設定しておくことで、充電の必要性を携帯電話機利用者に強く認識させることもできる。また、電池残量に代えて、アンテナの電界強度や、住所録のメモリ残数や、累積通話時間などにより着信音を変更するようにしてもよい。これにより、利用者は、アンテナの電界強度や、住所録のメモリ残数や、累積通話時間などの情報を着信時に付加的に把握することができる。
【0038】
以上の実施の形態に置いては、着信音として、分析合成符号化方式(FM音源方式)をメインに用いることにより、比較的メモリ容量が小さくて済むとともに、楽器などの音を豊富に再生することができる。それに付随して、直接マイクなどから録音した音源方式などの波形符号化方式(PCM音源方式)を使用することにより、自分の携帯電話機の着信音が、他人の携帯電話機の着信音と区別できる効果が得られる。この時、PCM音源方式のデータを保持するデータの容量が大幅に必要となるが、PCM音源方式のデータを付加的に使用することにより、メモリ容量を削減できる効果が得られる。
【0039】
また、発呼者の電話番号から着信音を変更することにより、事前に発呼者を認識することができる。これにより、着信音を聞くだけで重要な用件と思われる着信者には直ぐに出たり、不必要な着呼は保留にしたりできる効果が得られる。
【0040】
また、現在時刻や電池残量に応じて着信音を変更することにより、着信音を聞くだけで現在の大まかな時刻の把握や電池残量が分かるなど付加的な情報を得ることができる。また、特定の人からの発呼回数や、着信音制御モード、或いは、周囲の雑音レベルそれぞれに応じて着信音を変更することにより、所持者が着信に気付き易くなる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の音データ再生部分の主要部のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の音データ番号とそれぞれの再生タイミングの対応図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の発呼者の電話番号からパターン番号の選択を行う機能ブロックを示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の発呼者の電話番号とパターン番号の対応図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における携帯電話機の着信時刻からパターン番号の選択を行う機能ブロックを示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における携帯電話機の着信時刻とパターン番号の対応図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における携帯電話機の特定の電話番号の着信回数から、パターン番号の選択を行う機能ブロックを示すブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における携帯電話機の特定の電話番号の着信回数とパターン番号の対応図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態における携帯電話機の周囲の音の状態から着信音を制御する機能ブロックを示すブロック図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態における携帯電話機の周囲の音の状態から着信音を制御するモードとパターン番号の対応図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態における携帯電話機の携帯電話機の電池残量からパターン番号の選択を行う機能ブロックを示すブロック図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態における携帯電話機の電池残量とパターン番号の対応図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態における携帯電話機の周囲雑音レベルから着信音を制御する機能ブロックを示すブロック図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態における携帯電話機の周囲雑音レベルから着信音を制御するモードとパターン番号の対応図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の概略の外観を示す正面図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の着信音設定時のディスプレイ表示例を示す図で、同図(a)は「着信音変更メニュー画面」、同図(b)は「相手の電話番号による着信音変更画面」、同図(c)は「着信音のパターン選択画面」をそれぞれ示す図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の着信音再生時のフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1:再生タイミング記憶部
2:制御部
3:音データ記憶部
4:音データ再生部
5:混合器
103:電話番号検出部
202:着信時刻検出部
303:着信回数記憶部
402:着信音制御部
502:電池残量検出部
602:周囲雑音検出部
103、201、301、401、501、601:受信部
103、203、303、403、503、603:パターン番号記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号の着信を着信音で報知する携帯電話機において、複数のパターンで着信音を発生させる着信音発生手段と、上記携帯電話機の動作を制御する制御手段を備え、上記制御手段は上記信号の着信時に予め設定された条件に基づいて上記複数のパターンの着信音のうちから、一つのパターンを選択して上記着信音発生手段に着信音を発生させる制御を行うよう構成されたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
上記着信音発生手段は、それぞれ異なる発生方法により発生される複数の音データをそれぞれ記憶する記憶手段と、記憶された上記複数の音データをそれぞれの発生方法に従って再生する複数の再生手段と、上記複数の音データのうち再生する音データの選択と、上記選択された音データのそれぞれの再生タイミングを記憶する再生タイミング記憶手段とを備え、上記制御手段は上記再生タイミングにより上記選択されたそれぞれの音データが再生されるよう上記再生手段を制御することを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
それぞれ異なる発生方法により発生される複数の音データをそれぞれ記憶する記憶手段と、記憶された上記複数の音データをそれぞれの発生方法に従って再生する複数の再生手段と、上記複数の音データのうち再生する音データの選択と、上記選択された音データのそれぞれの再生タイミングを記憶する再生タイミング記憶手段と、上記再生タイミングにより上記選択されたそれぞれの音データの再生を制御する制御手段と、上記再生手段の出力を音として出力するスピーカーを備え、上記制御手段は上記複数の音データのうちの少なくとも一つが上記再生タイミング記憶手段に記憶された再生タイミングに基づいて上記スピーカーから出力されるよう上記再生手段を制御するよう構成されたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項4】
上記複数の音データは、振幅の大小またはパワーに応じて量子化幅を設定する波形符号化方式の音データと、信号をモデル化して符号化を行う分析合成符号化方式の音データを含むことを特徴とする請求項2または3記載の携帯電話機。
【請求項5】
請求項3の携帯電話機において、呼出信号を含む無線信号を受信する無線部と、受信された上記無線信号から発呼者の電話番号を検出する電話番号検出部と、予め登録された電話番号毎に設定された上記音データの再生パターンを記憶するパターン記憶部をさらに備え、上記制御手段は上記検出された電話番号が上記登録された電話番号と一致したときに上記登録された電話番号に対応する再生パターンで上記音データが再生されるよう上記再生手段を制御することを特徴とする携帯電話機。
【請求項6】
請求項5の携帯電話機において、上記パターン記憶部は電話番号の一部分が予め登録され、上記制御手段は上記検出された電話番号の一部分が上記登録された電話番号の一部分と一致したときに上記登録された電話番号の一部分に対応する再生パターンで上記音データが再生されるよう上記再生手段を制御することを特徴とする携帯電話機。
【請求項7】
請求項1の携帯電話機において、計時手段を備え、上記予め設定された条件は上記信号の着信時刻が予め設定された時間帯に含まれることであることを特徴とする携帯電話機。
【請求項8】
請求項1の携帯電話機において、カレンダー機能を備え、上記予め設定された条件は上記信号の着信日が予め設定された期間に含まれることであることを特徴とする携帯電話機。
【請求項9】
請求項1の携帯電話機において、特定の発呼者からの不在着信回数の計数手段を備え、上記予め設定された条件は上記不在着信回数が予め設定された回数の範囲内に含まれることであることを特徴とする携帯電話機。
【請求項10】
請求項1の携帯電話機において、携帯電話機の電池残量を測定する手段を有し、上記予め設定された条件は上記信号の着信時における電池残量が予め設定された容量の範囲内に含まれることであることを特徴とする携帯電話機。
【請求項11】
請求項1の携帯電話機において、音の測定手段を備え、上記予め設定された条件は上記信号の着呼時に上記携帯電話機周囲の音が予め設定された音の条件に含まれることであることを特徴とする携帯電話機。
【請求項12】
請求項1の携帯電話機において、音量レベルの測定手段を備え、上記予め設定された条件は上記信号の着呼時に上記携帯電話機周囲の音量レベルが予め設定された音量レベルの範囲内に含まれることであることを特徴とする携帯電話機。
【請求項13】
請求項1の携帯電話機は、熱センサーと圧力センサーの少なくともいずれか一方を備え、上記予め設定された条件は上記信号の着信時に上記熱センサーまたは上記圧力センサーの少なくともいずれか一方により上記携帯電話機が使用者の手に保持されていることが検知されたことであることを特徴とする携帯電話機。
【請求項1】
信号の着信を着信音で報知する携帯電話機において、複数のパターンで着信音を発生させる着信音発生手段と、上記携帯電話機の動作を制御する制御手段を備え、上記制御手段は上記信号の着信時に予め設定された条件に基づいて上記複数のパターンの着信音のうちから、一つのパターンを選択して上記着信音発生手段に着信音を発生させる制御を行うよう構成されたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
上記着信音発生手段は、それぞれ異なる発生方法により発生される複数の音データをそれぞれ記憶する記憶手段と、記憶された上記複数の音データをそれぞれの発生方法に従って再生する複数の再生手段と、上記複数の音データのうち再生する音データの選択と、上記選択された音データのそれぞれの再生タイミングを記憶する再生タイミング記憶手段とを備え、上記制御手段は上記再生タイミングにより上記選択されたそれぞれの音データが再生されるよう上記再生手段を制御することを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
それぞれ異なる発生方法により発生される複数の音データをそれぞれ記憶する記憶手段と、記憶された上記複数の音データをそれぞれの発生方法に従って再生する複数の再生手段と、上記複数の音データのうち再生する音データの選択と、上記選択された音データのそれぞれの再生タイミングを記憶する再生タイミング記憶手段と、上記再生タイミングにより上記選択されたそれぞれの音データの再生を制御する制御手段と、上記再生手段の出力を音として出力するスピーカーを備え、上記制御手段は上記複数の音データのうちの少なくとも一つが上記再生タイミング記憶手段に記憶された再生タイミングに基づいて上記スピーカーから出力されるよう上記再生手段を制御するよう構成されたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項4】
上記複数の音データは、振幅の大小またはパワーに応じて量子化幅を設定する波形符号化方式の音データと、信号をモデル化して符号化を行う分析合成符号化方式の音データを含むことを特徴とする請求項2または3記載の携帯電話機。
【請求項5】
請求項3の携帯電話機において、呼出信号を含む無線信号を受信する無線部と、受信された上記無線信号から発呼者の電話番号を検出する電話番号検出部と、予め登録された電話番号毎に設定された上記音データの再生パターンを記憶するパターン記憶部をさらに備え、上記制御手段は上記検出された電話番号が上記登録された電話番号と一致したときに上記登録された電話番号に対応する再生パターンで上記音データが再生されるよう上記再生手段を制御することを特徴とする携帯電話機。
【請求項6】
請求項5の携帯電話機において、上記パターン記憶部は電話番号の一部分が予め登録され、上記制御手段は上記検出された電話番号の一部分が上記登録された電話番号の一部分と一致したときに上記登録された電話番号の一部分に対応する再生パターンで上記音データが再生されるよう上記再生手段を制御することを特徴とする携帯電話機。
【請求項7】
請求項1の携帯電話機において、計時手段を備え、上記予め設定された条件は上記信号の着信時刻が予め設定された時間帯に含まれることであることを特徴とする携帯電話機。
【請求項8】
請求項1の携帯電話機において、カレンダー機能を備え、上記予め設定された条件は上記信号の着信日が予め設定された期間に含まれることであることを特徴とする携帯電話機。
【請求項9】
請求項1の携帯電話機において、特定の発呼者からの不在着信回数の計数手段を備え、上記予め設定された条件は上記不在着信回数が予め設定された回数の範囲内に含まれることであることを特徴とする携帯電話機。
【請求項10】
請求項1の携帯電話機において、携帯電話機の電池残量を測定する手段を有し、上記予め設定された条件は上記信号の着信時における電池残量が予め設定された容量の範囲内に含まれることであることを特徴とする携帯電話機。
【請求項11】
請求項1の携帯電話機において、音の測定手段を備え、上記予め設定された条件は上記信号の着呼時に上記携帯電話機周囲の音が予め設定された音の条件に含まれることであることを特徴とする携帯電話機。
【請求項12】
請求項1の携帯電話機において、音量レベルの測定手段を備え、上記予め設定された条件は上記信号の着呼時に上記携帯電話機周囲の音量レベルが予め設定された音量レベルの範囲内に含まれることであることを特徴とする携帯電話機。
【請求項13】
請求項1の携帯電話機は、熱センサーと圧力センサーの少なくともいずれか一方を備え、上記予め設定された条件は上記信号の着信時に上記熱センサーまたは上記圧力センサーの少なくともいずれか一方により上記携帯電話機が使用者の手に保持されていることが検知されたことであることを特徴とする携帯電話機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−238460(P2006−238460A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−66902(P2006−66902)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【分割の表示】特願2000−5858(P2000−5858)の分割
【原出願日】平成12年1月7日(2000.1.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【分割の表示】特願2000−5858(P2000−5858)の分割
【原出願日】平成12年1月7日(2000.1.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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