説明

撮像システムおよび逆空間光学設計を用いる方法

【課題】光学撮像実行を容易にする撮像システム(10)および方法(600)が得られる。
【解決手段】システム(10)は、1つ以上のレセプターを有するセンサー(20)と、センサーおよびレセプターをオブジェクト視界(54)に縮尺する像伝達媒体(30)を含む。センサー(20)に付随するコンピュータ(824)、メモリー(864)および/またはディスプレイ(864)は、像を作りおよび/または像を処理するためにレセプターからの出力に関係する情報を保存および/または表示する。ここで、複数の照明源(60)を、像伝達媒体(30)に結合して使用することもできる。像伝達媒体(30)は、レセプターに関係するピッチ(116)をオブジェクト視界(54)内の回折限界スポット(50)に相互に関係づけるk空間フィルタ(110)として構成され得る。ここで、ピッチ(116)は、オブジェクト視界(54)内の回折限界スポット(50)のサイズとほぼ同じサイズに単位毎に位置づけられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する出願)
この出願は、2001年7月6日に出願し、「撮像システムおよび逆空間光学設計を用いる方法」と題する米国特許出願番号09/900,218の利益を主張する。
【0002】
本願発明は、概して像および光学システムに関する。より詳しくは、センサー特性をオブジェクト視界に投影する像伝達媒体により撮像実行を容易するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
顕微鏡により、小物体の拡大像を得ることが容易となる。レンズが1枚の単純な顕微鏡にくらべ、対象物からの光が2枚のレンズを通ることで、より高倍率に拡大できる。複合顕微鏡は2枚以上の凸レンズからなり、これらのレンズは、両方のレンズが順に光を屈折するように互いに直線上に配置されている。その結果、それぞれのレンズが単独で拡大するよりも高倍率に拡大された像を作ることができる。対象物を照らした光は、最初に対物レンズと呼ばれる短焦点距離レンズまたはレンズ群を通り、次に接眼レンズと呼ばれる長焦点距離レンズまたはレンズ群を通る前に一定の距離を進む。レンズ群は、単にレンズと単数で呼ばれることが多い。通常この2つのレンズは、第1のレンズの中心線が第2のレンズの中心線と同じ方向になるように、互いに近軸関係に配置される。観察者の目にどの程度の倍率で拡大された像が得られるかは、レンズの特質、特性、レンズ同士の関係および対物レンズと対象物との関係によって決まる。
【0004】
第1のレンズまたは対物レンズは、通常焦点距離が非常に短い小さいレンズである。標本または対象物は、照明するのに十分な輝度を有する光源の経路に置かれる。そして、標本が完全にレンズの焦点までではないが焦点に非常に近づくまで対物レンズを下げる。標本から放たれ、対物レンズを通過した光は、顕微鏡内の一般に中間画面と呼ばれる場所で、レンズの裏側に反転され、拡大された実像を結ぶ。第2のレンズまたは接眼レンズは、焦点距離がより長く、対物レンズで作られた像が焦点距離よりも短い距離(即ちレンズの焦点距離内)で接眼レンズに達するように顕微鏡中に配置される。ここで、対物レンズからの像は接眼レンズの対象となる。この対象は焦点距離の内側にあるので、反転され、拡大された虚像である第2の像を結ぶように第2のレンズは光を屈折する。これが、観察者の目に映る最終像である。
【0005】
対象物から放たれた光が焦点を結ばず、チューブレンズを通過するまでは集光しないで、投影された像が拡大および観察のために接眼レンズの焦点距離に位置する並行光線束となるような無限共役比特性を有する対物レンズを、一般の無限空間または無限遠補正顕微鏡は用いる。上述した複合顕微鏡のように多くの顕微鏡は、接眼レンズを通してある適度の画質の像が人間の目に見えるように設計されている。像がモニター上に映るように、電荷結合素子(CCD)センサーのような機械視覚センサーを顕微鏡につなぐのは難しい。これは、接眼レンズを通して人間の目で直接見る像に比べ、センサーによって得られ人間の目に映る画質は劣るからである。その結果、小さな物を拡大し、観察し、試験しおよび分析するための従来の光学システムでは、技術者が接眼レンズを通してモニタリングする際に、慎重な注意を払わなければならないことが多かった。モニターまたは他の出力ディスプレイ装置に表示される、上述の像センサーから得られる機械視覚またはコンピュータベースの像表示が、観察者が接眼レンズを通してみる際の画質に及ばないのは、このような理由による。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下に本発明のいくつかの態様の基礎的な理解のために簡素化した本発明の概要を示す。この概要は、本発明の広範囲にわたる概観ではない。この概要は、本発明の鍵となるものでも重要な構成要件を特定するものでもなく、本発明の範囲の外縁を決めるものでもない。この概要の唯一の目的は、後に示すより詳細な説明の前置きとして、平易な態様で本発明のいくつかの概念を示すものである。
【0007】
本発明は、光学撮像システムの撮像実行を容易にするシステムおよび方法に関する。光学および/または撮像システムのいくつかのパラメーターについて、従来システムに比べ多種の性能向上が実現される(例えばより大きい有効分解倍率、より大きい作動距離、絶対空間分解能の向上、視野空間フィールドの向上、被写界深度の増大、およそ1の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)、油浸対物レンズおよび接眼レンズを要しないなど)。センサーのレセプターが、オブジェクト視界内の回折限界ポイントまたはスポットに関係するスケールまたはサイズとほぼ同様のスケールまたはサイズでオブジェクト視界を効率的に占めるように縮尺する(例えば「位置づける(mapped)」、「サイズを合わせる」、「投影する」、「一致させる」、「縮小する」)ように、像伝達媒体(例えば1つ以上のレンズ、ファイバー光学媒体または他の媒体)を1つ以上のレセプター(例えばピクセル)を有するセンサーに適合させることにより、性能が向上する。したがって、投影されたレセプターのサイズ(センサーから物体空間に向かう方向の投影)がk空間を満たすように、フーリエ空間または「k空間」(k−space)などとして知られる空間周波数の帯域フィルタリングが達成される。
【0008】
言い換えると、k空間への変換が達成されるように、像伝達媒体は適合され、構成されおよび/または選択され、原理から推論する設計決定により目的のk空間または帯域周波数が全域にわたり実質的に維持され、k空間周波数より高いおよび低い周波数が低減される。k空間周波数より高いおよび低い周波数は、ぼけおよびコントラストの減少を引き起こす傾向があり、変調伝達関数および「光学ノイズ」に対する内在的制約を決定する従来の光学システム設計に一般に関係する。これは、本発明のシステムおよび方法が従来の幾何近軸光線設計に対して反対または対照であることを示している。その結果、従来システムに関係する既知の光学設計上の多くの制約が、本発明によって軽減される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様により、物平面と像平面との関係の変調伝達関数(MTF)を「単位毎に位置づける(ユニットマッピングする(unit−mapping))」ことを特徴とする「k空間」設計、システムおよび方法が提供される。k空間設計は、最適の理論関係を向上させるために像平面ピクセルまたはレセプターを物平面に向けて投影する。これは、像センサーレセプターと、レセプターサイズにしたがって一致する投影された物平面単位(例えばオブジェクト視界の最小の分解可能なポイントまたはスポットにより規定される単位)との間で実質的に一対一に対応することを特徴とする。k空間設計は、「単位毎の位置づけ(ユニットマッピング(unit−mapping))」または「単位毎の一致(ユニットマッチング(unit−matching))」が、k空間(「逆空間」とも呼ばれる)の物体および像の両方のスペクトル成分が実質的に一致するまたは量子化されることを示唆する効率的な「内部空間フィルタ(Intrinsic Spatial Filter)」として作用することを特徴とする。k空間設計により得られる利点は、例えばドライ対物レンズ撮像を行う場合でも、上述のパラメーターについての固有の制約を有する従来の油浸技法を使用しない場合でも、より高い有効分解倍率を実現し、それに基づいたおよびより向上した視界、被写体深度、絶対空間分解能および作動距離を伴うシステムおよび方法を提供することである。
【0010】
本発明の一態様は、あるピクセルピッチを有する光レセプター配列を伴う光学センサーを含む光学システムに関する。光学センサーに光学的に関係するレンズは、光学システムのピッチおよび目的とする分解能に機能が関係する光学パラメーターで設定される。その結果、レンズは、目的とする分解能を有する物体の一部を、関係する光レセプターの1つに光学経路にそって十分に位置づけるように作用する。
【0011】
本発明の他の態様は、光学システムの設計方法に関する。この方法は、あるピクセルピッチを有する複数の光レセプターを伴うセンサーを選択することを含む。所望の最小スポットサイズ分解能がシステムおよび構成するレンズに基づいて選択されるか、または、所望の分解能にしたがって複数の光レセプターを像の一部に位置づけるようにピクセルピッチおよび所望の最小スポットサイズに基づく光学パラメーターにより選択された既存のレンズが用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一態様による撮像システムを示す概念ブロック図である。
【図2】本発明の一態様によるk空間システム設計を示す線図である。
【図3】本発明の一態様によるセンサーレセプターのマッチングを示す典型的なシステムの線図である。
【図4】本発明の一態様によるセンサーマッチングに際し考慮すべきことを示すグラフである。
【図5】本発明の一態様による変調伝達関数(Modulation Transfer Function)を示すグラフである。
【図6】本発明の一態様による空間フィールド数(Spatial Field Number)に関係する性能指数を示すグラフである。
【図7】本発明の一態様による撮像方法を示す系統線図である。
【図8】本発明の一態様による光学パラメーターを選択する方法を示す系統線図である。
【図9】本発明の一態様による典型的な撮像システムを示す概念ブロック図である。
【図10】本発明の一態様によるモジュール撮像システムを示す概念ブロック図である。
【図11】本発明の一態様による他の撮像システムを示す図である。
【図12】本発明の一態様による他の撮像システムを示す図である。
【図13】本発明の一態様による他の撮像システムを示す図である。
【図14】本発明の一態様による典型的なアプリケーションを示す図である。
【図15】本発明の一態様による典型的なアプリケーションを示す図である。
【図16】本発明の一態様による典型的なアプリケーションを示す図である。
【図17】本発明の一態様による典型的なアプリケーションを示す図である。
【図18】本発明の一態様による典型的なアプリケーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明および添付する図は、本発明の説明に役立つ態様を詳細に説明する。しかし、この態様は、本発明の原理が利用できるさまざまな方法の内のわずかな部分を示しているにすぎず、本発明はそのような全ての態様およびそれらの均等物も包含するものである。本発明の他の利点および新規な特徴は、図と併せて考えれば以下の本発明の詳細な説明から明らかになる。
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明は、光学および/または撮像システムおよび方法に関する。本発明の一態様では、k空間フィルタは、撮像センサーレセプターをオブジェクト視界に相互に関係づける光学媒体のような像伝達媒体から構成され得る。1つ以上の使用目的を達成するためおよび多用途のために、さまざまな照明源も使用することができる。本発明の撮像システムのk空間設計は、従来システムにくらべ、実質的に高い有効分解倍率で高い視界(FOV)の像を得て、分析(例えば自動のおよび/または手動の)することを可能にする。これは、非常に高い有効分解倍率を得るのに、低倍率の対物レンズに付随して小さい開口数(NA)を採用することも含む。その結果、非常に高い有効分解倍率で、かなり大きい被写界深度(DOF)を有する像をも実現できる。また、k空間設計により、位置を変えても実質的に影響を受け難い均一の照明源を採用しやすくなり、これにより試験方法や分析方法を改善することができる。
【0015】
本発明の他の一態様により、低倍率から高倍率の有効分解倍率での撮像操作で、対物レンズと物体との距離(例えば作動距離)は一定に保持される。ここで、同程度の(例えば同程度の桁)有効分解倍率値を得るためには従来の顕微鏡システムではずっと小さい(0.01mmと同程度)物体と対物レンズ間の距離でなければならないのに対して、本発明の標準的な距離はおよそ0.1mm以上かつおよそ20mm以下である。他の態様では、作動距離はおよそ0.5mm以上かつおよそ10mm以下である。本発明は、上述の作動距離に限定されるものではない。多くの場合、上述の作動距離が採用されるが、より小さいかまたはより大きい距離が採用されることもある。さらに油浸および対物レンズの他の屈折率整合媒体または流体は、本発明の所定の有効撮像倍率レベルでは通常必要なく(例えば実質的に向上しない)、それでもなお、無限遠補正対物レンズを採用するシステムを含む従来の種々の顕微鏡光学設計で達成され得る有効分解倍率レベルを上回る。
【0016】
本発明のk空間設計は、小さな「ぼけの円(Blur Circle)」または物平面の回折限界ポイント/スポットを、物面および像面に関係する物空間および像空間の「ユニットマッピング(単位毎に位置づけること(unit−mapping))」により、実質的に一対一で撮像センサーレセプターまたはピクセルに一致させる設計パラメーターにより規定されることを特徴とする。これにより、本発明の性能および能力が向上する。k空間設計の一つの有力な原理は、数学上の概念に由来する。この数学上の概念とは、物体と像の両方のフーリエ変換はk空間(「逆空間」とも呼ばれる)で形成されるので、本発明による光学設計技術と要素構成によって、センサーがk空間の物平面に位置づけられる、というものである。本発明では、1つ以上の構成要素を設計しおよび/または選択するために、複数の他の変換またはモデルが利用できる。例えばウェーブレット変換、ラプラス変換(s−変換)、z−変換およびその他の変換が同様に利用できる。
【0017】
k空間設計方法は、幾何学的な近軸光線追跡および最適化理論に従って設計される従来の光学システムと異なる。これは、物体(例えば組織サンプル、粒子、半導体)および像の周波数成分がk空間で同一となり、それゆえ量子化されることを、k空間の最適化が促進するからである。したがって、本発明では、コントラスト対分解能および絶対空間分解能を規定する変調伝達関数(MTF)に課せられる特有な制限が実質上ない。例えばk空間での量子化は、従来システムでは得られないほど大幅に単一化された変調伝達関数をもたらす。k空間設計により得られる「内部空間フィルタ(Intrinsic Spatial Filter)」で投影されたピクセルを「ユニットマッピング」することにより、所望のより低開口数、より低倍率の対物レンズ(例えば通常およそ0.7より低い開口数、およそ50×より低い)で、高いMTF、空間分解能および有効分解撮像倍率が得られる。
【0018】
必要な場合、スペクトルが変化する構成要素、偏光が変化する構成要素および/またはコントラストまたは位相が変化する構成要素のみならず、関係する光学構成要素および照明と共に「無限遠補正」対物レンズを使用することができる。この構成要素は、「無限空間」内の対物レンズと像レンズ間の光路長に含まれる。したがって、光学システムアクセサリーおよびバリエーションを交換可能なモジュールとして、この配置に含むことができる。「無限遠補正」対物レンズを用いる従来の顕微鏡撮像機に比べ、k空間設計は、「ユニットマッピング」概念により無限空間配置を最大限に最適化することができる。これは、従来の顕微鏡システムでは光学補正なしでは典型的にわずか2つの構成要素の追加に限られるのに対して、この「無限空間」配置に挿入できる追加の構成要素の数に特に制限がないことを示唆する。
【0019】
本発明はまた、透過照明または反射照明のどちらかを採用する必要がある場合、複数の異なるアプリケーションを作動するように構成および再構成できる「ベースモジュール」設計も可能である。これは、実質的にいかなる支距における、実質的に全ての典型的な機械視覚照明構成(例えば暗視野、明視野、位相差)および他の顕微鏡透過技術(ケーラー、アッベ)を含み、そしてEpi照明およびその変法も含む。k空間設計は環境および機械振動に影響されず、したがって従来の顕微鏡撮像器械に伴う重い構造の機械設計および振動からの隔離が一般に必要ないので、本発明のシステムは複数の信頼性の高い光学機械設計を採用することができる。他の特徴は、必要であれば、記憶装置(例えばローカルデータベース、記憶装置/分析のための遠隔にあるコンピュータへの像データの伝送)および本発明によって得られる像の表示(例えばコンピュータディスプレイ、プリンター、フィルムおよび他の出力媒体)と共にデジタル撮像処理を含むことができる。例えばネットワークまたは他の媒体上を通信される関係するデータパケットを介する像データの通信および表示と共に、像データの遠隔信号処理も提供され得る。
【0020】
始めに図1において、本発明の一態様である撮像システム10を示す。撮像システム10は、像伝達媒体30と連動して作動する、ピクセルまたは不連続の光検出器(例えば下図3に示すものを参照)などの1つ以上のレセプターを有するセンサー20を含む。センサー20の位置の像平面におけるセンサー20の面積が参照数字34に示すオブジェクト視界に縮尺するように像伝達媒体30を適合または設計する。XおよびY座標平面である参照番号36は、センサー20の見かけ上または実質上のサイズがオブジェクト視界34に縮尺または縮小されることを説明するために示した。方向矢印38および40は、センサー20の見かけ上のサイズをオブジェクト視界34に向かって縮小する方向を示す。
【0021】
像伝達媒体30によって確立されるオブジェクト視界34は、顕微鏡検査対象の1つ以上のもの(図示せず)を含む物平面42の位置と関係する。センサー20は、1つ以上のレセプターを含む種々のサイズおよび形状の実質的にいかなるサイズ、形状および/または技術(例えばデジタルセンサー、アナログセンサー、電荷結合素子(CCD)センサー、CMOSセンサー、電荷注入素子(CID)センサー、配列センサー、直線走査センサー)でよく、この1つ以上のレセプターは、オブジェクト視界34の検査対象物から受ける光(例えば可視、非可視)に反応するようにセンサー上で同様な大きさまたは均等の大きさを有している。センサー20は、オブジェクト視界34から光を受けると、必要であれば、メモリー(図示せず)などのローカルまたは遠隔の記憶装置へ送信され、例えば実質的に介在するデジタル処理を行わず(例えばセンサーメモリーからディスプレイへのストレートビットマップ)、コンピュータによりメモリーから表示されおよび関係するディスプレイで表示される出力44を供給する。センサー20から受けた像データのローカルまたは遠隔の信号処理も行うことができる。例えば出力44は、電子データパケットに変換され、さらに分析および/または表示するためにネットワークを通しておよび/または無線通信伝送システムおよびプロトコルを介して、遠隔のシステムへ伝送される。同様に、さらに分析および/または表示するために、出力44は、次のコンピュータシステムへ伝送される前に、ローカルコンピュータメモリーに保存され得る。
【0022】
像伝達媒体30による縮尺は、あらかじめ決めた目的のk空間周波数を増大させ、あらかじめ決めた周波数外の周波数を低減する、媒体内の新規なk空間構成または設計によって決定される。これにより、像伝達媒体30内で空間周波数の帯域フィルタの効果を有し、倍率よりもむしろ分解能に関して撮像システム10を明確に特徴づける。以下により詳細に説明するように、k空間設計で規定される撮像システム10の分解能により、表示された像または保存された像は高有効分解倍率、高絶対空間分解能、大きい被写界深度、大きい作業距離および単一の変調伝達関数に加えその他の特徴を有する。
【0023】
k空間周波数を決定するために、「ピッチ」または間隔をセンサー20上の隣り合ったレセプターの間の距離と規定する。このピッチは、隣り合うレセプターの中心から中心までの距離および1つのレセプターのおよそのサイズまたは直径に関係する。センサー20のピッチは、センサーのナイキスト「カットオフ」周波数帯を決定する。k空間設計はこの周波数帯を増大し、他の周波数を低減する。撮像システム10でどのように縮尺が決定されるかを説明するために、小さいあるいは回折限界スポットまたはポイント50を物平面42に示す。回折限界ポイント50は、像伝達媒体30内の光学特性によって決定される最小の分解可能な物体を表しており、以下に詳述する。具体例のためにオブジェクト視界34の前方に描いた、センサー20のピッチに応じて決定されたサイズを有する縮尺されたレセプター54は、オブジェクト視界34の回折限界ポイント50とほぼ同じサイズに一致するまたは縮尺される。
【0024】
言い換えると、センサー20のいかなるレセプターのサイズでも、像伝達媒体30を介して、回折限界ポイント50のサイズとほぼ同じサイズに(または一致するサイズに)効率的にサイズが縮小される。これは、オブジェクト視界34をセンサー20の実質的に全てのレセプターで満たす効果も有し、それぞれのレセプターは回折限界ポイント50と同様なサイズに適度に縮尺される。以下により詳しく説明するように、オブジェクト視界34内の最小の分解可能な物体またはポイントにセンサー特性を一致させること/マッピングすること(位置づけること(mapping))は、絶対空間分解能に関して撮像システム10を特徴づけ、したがって、システムの操作能力を向上させる。
【0025】
本発明では、照明源60は、照明源からの光量子がセンサー20のレセプターを起動できるように、その光量子がオブジェクト視界の物体を透過および/または物体から反射するように備えられる。潜在的に自己発光する物体(例えば蛍光性または燐光性の生物または有機材料サンプル、冶金、鉱物および/または他の無機材料など)がセンサー20を起動するのに十分な放射線を放出する場合、本発明は潜在的に照明源60を必要としない。しかし、本発明では、発光ダイオードが効率的な照明源60となる。干渉性および非干渉性源、可視および非可視波長を含む実質的にいかなる照明源60も適用できる。しかし、非可視波長源にはセンサー20を適当に調整する。例えば赤外線または紫外線源には、赤外線または紫外線センサー20をそれぞれ採用する。そのほかの照明源60には、波長特定照明、広帯域照明、連続照明、ストロボ照明、ケーラー照明、アッベ照明、位相差照明、暗視野照明、明視野照明およびEpi照明が含まれる。透過性または反射性照明技法(例えば鏡面反射、光の散乱)も適用できる。
【0026】
図2において、システム100は本発明の一態様による像伝達媒体を示す。図1に示す像伝達媒体30は、上述したk空間設計概念に応じて規定され、より詳細には、あらかじめ決められたk空間周波数帯114を増大し、この周波数帯以外の周波数を低減するように適合し、構成しおよび/または選択したk空間フィルタによって規定される。これは、センサー(図示せず)の隣り合うレセプター116の間の距離であるピッチ「P」を決定し、レセプター116のピッチ「P」が回折限界スポット120とサイズが一致するようにフィルタ110内の光学媒体のサイズを決めることにより達成される。回折限界スポット120はフィルタ110内の媒体の光学特性から決定される。例えばレンズのような光学媒体の開口数により、レンズにより分解できる最小の物体またはスポットが決まる。ピッチのサイズが回折限界スポット120のサイズまたはスケールに効率的に一致する、「単位毎に位置づけられる(ユニットマップされる(unit−mapped))」、投影される、相互に関係づけられるおよび/または縮小されるようにフィルタ110はk空間変換を実行する。
【0027】
k空間フィルタ110を得るために複数の光学構成を用いることができる。このような構成の一つは、k空間変換およびセンサー空間から物空間への縮小を実施するように適合された非球面レンズ124により提供される。さらに他の構成は複合レンズ構成128によって得ることができ、レンズの組み合わせはフィルタリングおよび縮尺をするように選択される。さらに他の構成は繊維光学テーパ132または像用導管を採用することができ、複数の光学繊維または繊維の配列は、センサーのオブジェクト視界へのマッピングを実行するじょうご状に構成される。繊維光学テーパ132は、通常センサーと検査対象物との間で物理的に接触している(例えば顕微鏡スライドと接触する)。他のk空間フィルタ110の構成としては、ホログラフィック(または他の回折または位相構造)の光学構成要素136を採用し、本発明によるマッピングを達成するために、ホログラム(または他の回折または位相構造)(例えばコンピュータで生成した、光学的に生成したおよび/または他の方法)により、実質的に平らな光学面を構成するものも考えられる。
【0028】
k空間フィルタ110によって可能となるk空間光学設計は、センサーの「有効に投影されるピクセルピッチ」に基づいており、これはセンサー配列構成要素の物理的なサイズを物平面に光学システムを逆に通して追随する(「投影する」)ことにより導いた数字である。この方法では、共役平面および光学変換空間は、有効なレセプターまたはピクセルサイズのナイキストカットオフに一致する。これにより有効分解撮像倍率および視界のみならず、被写界深度および絶対空間分解能も最大化する。したがって、従来の光学系と撮像との組み合わせを規定している従来の近軸光線追跡の幾何光学設計パラメーターに依存しない光学理論の新規な応用が達成される。この点を以下にさらに説明する。
【0029】
物体および像のフーリエ変換がk空間(「逆空間」とも呼ばれる)で(光学システムにより)形成される。これが本発明のk空間設計による像最適化で実行される変換である。例えば本発明で採用する光学媒体は、物空間および像空間が実質的にすべての像面および物面について「ユニットマップされる(単位毎に位置づけられる(unit−mapped))」または「ユニットマッチされる(単位毎に一致する(unit−mathced))」ことを特徴とする構成を有する標準規格の比較的廉価な「既製の」構成要素によって設計できる。物平面の小さいぼけの円(Blur−circle)または回折限界スポット120は、像平面のピクセル(例えば選択した像センサーにおける)に実質的に一対一に対応して一致する設計により規定され、したがって画素化した配列のフーリエ変換が一致する。これは、設計によりぼけの円はレセプターまたはピクセルピッチとほぼ同じサイズに光学的に縮尺されることを示唆する。本発明は、k空間フィルタ110のような固有な空間フィルタ(Intrinsic Spatial Filter)を構成するものとして規定される。このような設計の定義および実施により、k空間の物体および像の両方のスペクトル成分をほぼ同じにすることまたは量子化することが可能となる。これは、センサーの変調伝達関数(MTF)(コントラストと空間分解能との比較)が物平面のMTFに一致することも規定している。
【0030】
図3は、本発明の一態様である光学システム200を示す。システム200は複数のレセプターまたはセンサーピクセル214を有するセンサー212を含む。例えばセンサー212は縦M横Nのセンサーピクセル配列214であり、M行とN列(例えば640×480、512×512、1280×1024など)である。MとNはそれぞれ整数である。概して正方形のピクセルを有する長方形のセンサー212が描かれているが、センサーは実質的にいかなる形状(例えば円、長円形、六角形、長方形など)であってよい。さらに配列内のそれぞれのピクセル214は実質的にいかなる形状またはサイズであってもよく、本発明の一態様では、いかなる配列212であってもピクセルはほぼ同じサイズかつ形状である。
【0031】
センサー212は、1つ以上のレセプター(またはピクセル)214を含む実質的にいかなる技術(例えばデジタルセンサー、アナログセンサー、電荷結合素子(CCD)センサー、CMOSセンサー、電荷注入素子(CID)センサー、配列センサー、直線走査センサー)であってよい。本発明の一態様では、ピクセル214のそれぞれは同様なサイズまたは均等であり、本願に記載するように検査対象物から受ける光(例えば可視、非可視)に反応する。
【0032】
センサー212はレンズネットワーク216に関係しており、レンズネットワークは、光学システムに要求される性能およびセンサー212のピッチサイズに基づいて設計される。本発明の一態様では、レンズネットワーク216は、センサー212の位置で確立される像平面におけるセンサー212の面積(例えばピクセル214)をオブジェクト視界220に縮尺する(または投影する)ように作用する。オブジェクト視界220は、検査対象の1つ以上の対象物(図示せず)を含む物平面222の位置に関係する。
【0033】
センサー212がオブジェクト視界220から光を受けると、メモリー(図示せず)などのローカルまたは遠隔の記憶装置へ送信され、例えば実質的に介在するデジタル処理を行わずに(例えばセンサーメモリーからディスプレイへのストレートビットマップ)コンピュータによりメモリーから表示されおよび関係するディスプレイで表示される出力226を、センサー212は必要であれば供給する。センサー212から受けた像データのローカルまたは遠隔の信号処理も行うことができる。例えば出力226は、電子データパケットに変換され、さらに分析および/または表示するためにネットワークを通して遠隔のシステムへ伝達される。同様に、さらなる分析および/または表示のために、出力226は、次のコンピュータシステムへ伝送される前にローカルコンピュータメモリーに保存され得る。
【0034】
レンズネットワーク216によるピクセル214の縮尺(または効率的な投影)は、本発明の一態様による新規なk空間構成または設計によって決定される。レンズネットワーク216のk空間設計は、あらかじめ決めた目的のk空間周波数を増大させ、あらかじめ決めた周波数帯以外の周波数を低減する。これにより、レンズネットワーク216内で空間周波数の帯域フィルタの効果を有し、倍率よりもむしろ分解能に関して撮像システム200を明確に特徴づける。以下により詳述するように、k空間設計により規定される撮像システム200の分解能により、関係する高絶対空間分解能、大きい被写界深度、より大きい作業距離および単一の変調伝達関数に加えその他の特性を伴う高「有効分解倍率(Effective Resolved Magnification)」(後に述べる性能指数)を有するなど、表示または保存した像は多数の特性が向上する。
【0035】
k空間周波数を決定するために、「ピッチ」または間隔228をセンサー212上のそれぞれ隣り合ったレセプター214の間と規定する。ピッチ(例えばピクセルピッチ)は、228に示すようにそれぞれ隣り合うレセプターの中心から中心への距離と一致し、センサーが全て同じサイズのピクセルを含むときには、ほぼ1つのレセプターのサイズまたは直径である。ピッチ228はセンサー212のナイキスト「カットオフ」周波数帯を決定する。k空間設計により増大されるのはこの周波数帯であり、他の周波数は低減される。撮像システム200でどのように縮尺が決定されるかを説明するために、所望の最小分解可能スポットサイズのポイント230を物平面222に示す。ポイント230は、例えばレンズネットワーク216の光学特性によって決定される最小の分解可能な物体を表す。すなわち、レンズネットワークは、それぞれのピクセル214がオブジェクト視界220でポイント230の所望の最小分解スポットサイズとほぼ同じサイズに一致するまたは縮尺する光学特性(例えば倍率、開口数など)を有するように構成される。説明のために、縮尺されたレセプター232を、センサー212のピッチ228にしたがって決定されたサイズで、ポイント230とほぼ同じサイズを有するように、視界220の前方に描く。
【0036】
例として、レンズネットワーク216は、センサー212のそれぞれのレセプター(例えばピクセル)214のサイズを、システム200による典型的な分解可能最小スポットサイズであるポイント230のサイズとほぼ同じサイズに(例えばサイズが一致する)効率的に縮小するように設計される。ポイント230は、回折ルール(例えば回折限界スポットサイズ)によって決定されるように、レンズネットワーク216内の光学特性により決定される最小の分解可能な物体に相当するサイズに選択され得る。したがって、レンズネットワーク216は、センサー212のそれぞれのピクセル214を回折限界サイズと同じかまたはより大きい任意のサイズに効率的に縮尺するように設計され得る。例えば分解可能なスポットサイズはこのような基準に適合する所望のいかなる像分解能が得られるようにも選択され得る。
【0037】
所望の分解能(分解可能なスポットサイズ)を選択した後、分解能にしたがい、ピクセル214をオブジェクト視界220に縮尺するための倍率を得るようにレンズネットワーク216を設計する。これは、オブジェクト視界220を実質的にセンサー212の全てのレセプターで占める効果を有し、それぞれのレセプターは所望の分解可能なスポットサイズに相当するポイント230と同様なサイズに適度に縮尺される。本発明の一態様では、オブジェクト視界220内の所望の(例えば最小の)分解可能な物体またはポイント230にセンサー特性を一致させること/マッピングすること(位置づけること)は、絶対空間分解能に関して撮像システム200を特徴づけ、システムの操作性能を向上させる。
【0038】
さらに例として、この例で単位毎の位置づけ(ユニットマッピング(unit−mapping)がなされるように、センサー配列212のピクセルピッチ228はおよそ10.0ミクロンであると仮定する。レンズネットワーク216は、対物レンズ234および第2のレンズ236を含む。例えば対物レンズ234は、第2のレンズ236の無限共役側に配置され、対物レンズと第2のレンズの間隔が自由に変えられる。センサー配列220で規定されるセンサー空間から物平面222で規定される物空間への縮小のためにレンズ234と236は相互に関係する。実質的に全てのピクセル214が対物レンズ234で規定されるオブジェクト視界220に投影される。例えばピクセル214のそれぞれは、対物レンズ234を通して、所望の最小分解可能スポットサイズとほぼ同じサイズに縮尺される。この例では、像平面222における所望の分解能は1ミクロンである。したがって、10倍の倍率は、10ミクロンのピクセルを物平面222に逆投影し、それを1ミクロンのサイズに縮小する。
【0039】
配列212および関係するピクセル214のサイズの縮小は、例えばおよそ150ミリメートルの焦点距離「D2」(配列212から伝達レンズ236まで)を有する伝達レンズ236を選択し、およそ15ミリメートルの焦点距離「D1」(対物レンズ236から物平面222まで)を有する対物レンズを選択することにより達成できる。この方法では、ピクセル214は、ピクセル1つ当たりおよそ1.0ミクロンのサイズに効率的に縮小され、したがって所望の分解可能スポット230のサイズと一致し、オブジェクト視界220を「事実上縮小された」ピクセルの配列で満たすことになる。所望の縮尺を得るために1つ以上のレンズの他の構成を採用することができる。
【0040】
上述の説明を考慮すると、当業者は、本発明の一態様では、光学媒体(例えばレンズネットワーク216)が、物空間および像空間が実質的にすべての像面および物面について「ユニットマップされる(単位毎に位置づけられる(unit−mapped))」または「ユニットマッチされる(単位毎に一致する(unit−mathced))」ことを特徴とする構成を有する標準規格の比較的廉価な「既製の」構成要素で設計できることを理解できる。レンズネットワーク216および特に対物レンズ234は、k空間(「逆空間」とも呼ばれる)で物体と像のフーリエ変換を実行する。本発明のk空間設計が像の最適化のために機能するのが、この変換である。
【0041】
物平面の小さなぼけの円(Blur−circle)またはエアリーディスク(Airy disk)は、像平面(例えば選択した像センサーにおける)のピクセルをエアリーディスクに実質的に一対一に対応して一致させる設計により規定され、それゆえに画素化した配列のフーリエ変換を一致させることができる。これは、設計により光学的に、エアリーディスクがレンズネットワーク216を通してレセプターまたはピクセルピッチとほぼ同じサイズに縮尺されることを示唆する。上述したように、レンズネットワーク216は、固有の空間フィルタ(Instrinsic Spatial Filter)(例えばk空間フィルタ)を構成するように規定される。このような設計の定義および実施により、k空間の物体および像の両方のスペクトル成分をほぼ同じにすることまたは量子化することが可能となる。これは、本発明の一態様では、センサーの変調伝達関数(MTF)(コントラストと空間分解能との比較)を物平面のMTFに一致させることも規定している。
【0042】
図3に示すように、k空間を対物レンズ234および第2のレンズ236の間の領域と規定する。本願で説明したユニットマッピングまたはk空間マッピングに基づいて、センサー配列212をオブジェクト視界220に縮小する、位置づける(マッピングする)および/または投影する実質的にいかなる光学媒体、レンズタイプおよび/またはレンズの組み合わせも、本発明の範囲に属する。
【0043】
図3に示す代表的なレンズ/センサーの組み合わせの新規性を明らかにするために、従来の幾何学的近軸光線技法により選択される従来の対物レンズは、一般に倍率、開口数、焦点距離および対物レンズから得られる他のパラメーターに基づいて選択されることに留意すべきである。したがって、このような対物レンズは、小物体を拡大するために、センサー(または従来の顕微鏡の接眼レンズ)に接近しているかまたはより近い後ろのレンズよりも、より長い焦点距離を有するものになる。これは、物体の拡大像としてセンサーの「部分」に投影される物平面の小物体を拡大することになり、既知の細部のぼけ(例えばレーリー回折およびそのほかの光学系の限界など)、無効倍率の問題およびナイキストエイリアシングやそのほかのセンサーの問題を生じる。本発明のk空間設計は従来の幾何学的近軸光線設計原理に代わる方法で作動する。すなわち、レンズ間の関係に示されるように、対物レンズ234および第2のレンズ236は、センサー配列212のサイズをオブジェクト視界220に縮小するように働く。
【0044】
本発明では、照明源240は、照明源からの光量子が、センサー212のレセプターを起動できるようにオブジェクト視界220の物体を透過および/または物体から反射するように備えられる。本発明は、潜在的な自己発光物体(例えば前述のように放射性特質のある物体または標本)がセンサー212を起動するのに十分な放射線を放出する場合、潜在的に照明源240を必要としない態様が考えられる。実質上、干渉および非干渉源、可視および非可視波長を含むいかなる照明源240も適用できる。しかし、非可視波長光源には、センサー212をそれに適合させるであろう。例えば赤外線または紫外線源には赤外線または紫外線センサー212をそれぞれ採用するであろう。他の適当な照明源240には、波長特定照明、広帯域照明、連続照明、ストロボ照明、ケーラー照明、アッベ照明、位相差照明、暗視野照明、明視野照明、Epi照明などを含む。透過性または反射性(例えば鏡面反射、散乱)照明技法も適用できる。
【0045】
図4は、X軸上の投影されたピクセルサイズとY軸上の回折限界スポットの分解サイズ「R」との間のマッピング特性および比較のグラフ300を示す。グラフ300の頂点310は、投影されたピクセルサイズと回折限界スポットサイズとの間のユニットマッピング(単位毎に位置づけること)に相当しており、本発明によるレンズネットワークとセンサー間の最適関係を表す。
【0046】
対物レンズ234(図3)は、最小の分解可能な物体の回折限界サイズ「R」が、投影されるピクセルサイズよりも小さくなるようには、一般には選択されない。もし選択するならば、「経済的な無駄」が生じ、より精密な情報が失われる(例えばより高い開口数を有するような、必要以上に高価な対物レンズの選択)。これは、境界線320の右側に、2つの小さい回折スポット350よりも投影されたピクセル340を大きく表す参照330として示される。反対に、投影されたピクセルサイズよりも大きい回折限界能の対物レンズを選択する場合、ぼけと無効倍率が生じる。これは、境界線320の左側に参照番号360で示され、投影されたピクセル370は回折限界物体380よりも小さい。しかし、投影されたピクセルサイズと回折限界スポットとの間に実質的に一対一の対応が達成されなくても、最適マッチングを下回る(例えばグラフ300の頂点310から線320の左または右に0.1%、1%、2%、5%、20%、95%離れて)システムを設定でき、本発明の一態様では、それでもなお適当な能力を提供できる。したがって、最適ではないマッチングでも本発明の精神および範囲に属するものである。
【0047】
図3に示したようなシステムのレンズ直径は、例えばフーリエ変換が物体空間からセンサー空間へ実行されたときに、上述の帯域範囲中の目的とする空間周波数(例えばピクセルのサイズと形を規定するのに利用される周波数)が実質的に減衰しないサイズにする。これは一般に、目的とする空間周波数の減衰を軽減するために、より大きい直径のレンズ(例えば約10から100ミリメートル)を選択することを意味する。
【0048】
次に図5では、本発明による変調伝達関数400を示す。Y軸には、黒と白のコントラストをパーセンテージで規定した変調率を0から100%で示す。X軸には、絶対空間分解能を分離の度合いをミクロンに換算して示す。線410はどの空間分解能でも変調率がおおむね一定して100%であることを示す。したがって、本発明では、およそセンサーの信号対雑音感度に課せられる限界までは、変調伝達関数は約1である。実例として、変調率(コントラスト)の減少に従い空間分解能も一般に減少することを特徴とする通常の漸近値をともなう指数曲線である、従来の光学系設計の変調伝達関数を線420で示す。
【0049】
図6は、本発明による、2つの主要な因子である、グラフ500のY軸に示した絶対分解能(Absolute Spatial Resolution)(r、単位ミクロン)および同X軸に示した視界(Field Of View)(F、単位ミクロン)に依存して決定される定量化可能な性能指数(Figure of Merit)(FOM)を示す。「空間フィールド数」(Spatial Field Number)(S)と呼ばれる妥当な性能指数(FOM)は、前記2つの数量の比率で表すことができ、以下のようにSの値が高いことが撮像には望ましい。
S=F/R
【0050】
線510は性能指数(FOM)が、全視界にわたりおよび絶対空間分解能の異なる値にわたり、おおむね一定であることを示し、従来のシステムよりも性能が向上している。
【0051】
図7、8、14、15および16は、本発明による撮像実行を容易にする方法を示す。説明を簡潔にするために、この方法を一連の行為で示し表すが、本発明に従って、ある行為が異なる順序で起こることおよび/またはここに示し表される以外の行為と同時に起こることがあるように、本発明はこの行為の順序に限定されない。例えば代わりに、当業者は、状態図のように相互に関係する一連の状態またはイベントとして、方法を表すことができることを理解するであろう。さらに示したすべての行為が、本発明による方法を実施するのに必要とされるわけではない。
【0052】
次に図7において610では、ユニットマッピングするようにおよびk空間設計を最適化するように、回折限界特性がピクセルサイズとほぼ同じサイズであるレンズが選択される。614ではまた、k空間内での空間周波数の減少を軽減するレンズ特性が選択される。上述のように、これは一般に、目的とする所望のk空間周波数の減衰を軽減するためにより大きい直径の光学系が選択されることを示唆する。618では、センサー位置により規定される像平面におけるピッチ「P」のピクセルが、オブジェクト視界内の(例えばユニットマップされる)回折限界スポットサイズとほぼ同じサイズで、ピッチにしたがってオブジェクト視界に縮尺されるようにレンズ構成を選択する。622では、同時モニタリングのためにセンサーからデータを出力することによりおよび/またはコンピュータディスプレイへ直接表示するためメモリーにデータを保存することによりおよび/または続いて起こるローカルまたは遠隔の像処理によりおよび/またはメモリー内での分析により像が作られる。
【0053】
図8は、本発明の一態様により、光学/撮像システムを設計するために採用することができる方法を示す。この方法は700で始まり、ここでシステムに適当なセンサー配列が選ばれる。センサー配列は、通常製造者によって規定される既知のピッチサイズを有するレセプターピクセルのマトリクスを含む。センサーは、実質上いかなる形(例えば長方形、円、正方形、三角形など)であってもよい。実例として、ピッチサイズ10μmの640×480ピクセルのセンサーを選ぶと仮定する。本発明の一態様では、光学システムはいかなるタイプおよび/またはサイズのセンサー配列にも設計できる。
【0054】
次に710では、像分解能が規定される。像分解能は、像平面の所望の最小分解可能スポットサイズに相当する。像分解能は、光学システムが設計されるアプリケーションに基づいて決定され、最小回折限界サイズよりも大きいかまたは同じであるいかなる分解能であってよい。したがって、分解能は、実質的にいかなるタイプのアプリケーションにも所望の像分解能を調整して提供できる選択可能な設計パラメーターであることが理解できる。対照的にほとんどの従来システムでは、レンズに固有の空間分解能は所定の波長の回折限界を超えることができないというレーリー回折にしたがって、分解能が限定される傾向がある。
【0055】
所望の分解能の選択(710)の後、その分解能を得るために適した倍率を720で決定する。例えば倍率はセンサー配列のピクセルピッチおよび最小分解可能スポットサイズに機能上関係している。倍率(M)は以下のように示すことができる。
M=x/y 式1
式中、xはセンサー配列のピクセルピッチであり、yは所望の像分解能(最小スポットサイズ)である。それゆえ、ピクセルピッチが10μmである上記の例で、所望の像分解能が1μmであるとすると、式1から10倍の光学システムであることがわかる。つまり、レンズシステムは、10μmピクセルのそれぞれを物平面に逆投影し、それぞれのピクセルを分解可能なスポットサイズ1ミクロンに縮小するように構成される。
【0056】
図8の方法は、730で開口数を決定することも含む。開口数(NA)は、対物レンズのNAを710で光学システムに決めた最小分解可能スポットサイズに関係づける確立された回折ルールにしたがって決定される。例として、NAの計算は以下の式に基づく。
NA=0.5×λ/y 式2
式中、λは光学システムで使用する光波長であり、yは最小スポットサイズである(例えば710で決められる)。光学システムがy=1ミクロンの分解スポットサイズを有する例を続け、波長が約500nm(例えば緑色光)であると仮定すると、NA=0.25が式2を満たす。比較的廉価な市販の10倍率の対物レンズが開口数0.25であることが知られている。
【0057】
式2で表されるNA、波長および分解能の関係は、対物レンズおよび集光器の性質を規定するさまざまな要素にしたがって異なる方法で表現できる。したがって、本発明の一態様による730での決定は、特定の式に限定されず、NAが波長および分解能に機能上関係する既知の一般物理法則に単に従う。選択したセンサー(700)に応じてレンズパラメーターを設計した後、付随する光学構成要素が、本発明の一態様による光学システム(740)を提供するように構成される。
【0058】
例示のために、図8の方法によって構成された光学システムの例が、顕微鏡デジタル撮像に利用されるものと仮定する。比較として、古典的な顕微鏡では、1ミクロン(およびそれ以下)に近いサイズの構造物を撮像し分解するためには、数百倍の倍率が通常必要である。この基本的な理由は、そのような光学系が、センサーが人間の目であるという状況にあわせて、従来式に設計されているからである。対照的に、図8の方法は、センサーのために光学システムを設計するもので、低コストで著しい性能の向上が得られる。
【0059】
本発明の一態様によるk空間設計方法では、光学システムは既知の一定面積を有する不連続のセンサーに基づいて設計される。その結果、この方法は、センサーサイズを物平面に「逆投影」して倍率因子を計算する、ずっと簡単で信頼性が高くかつ廉価な光学システム設計アプローチを提供できる。第2に本方法により、ある倍率が得られる光学系が、逆投影されたピクセルとほぼ同じサイズのスポットを光学的に分解するのに十分なNAを有することが容易となる。有利なことに、本発明の一態様により設計された光学システムは、特注および/または既製の構成要素を使用することができる。したがって、補正された顕微鏡光学系は比較的高価であるが、この例では、好適な結果を得るために廉価な光学系を、本発明の一態様にしたがって利用することができる。本発明の一態様により特注設計の光学系を使用するならば、許容倍率および開口数の範囲がかなり広くなり、既製の光学構成要素を使用する場合に比べかなりの性能向上が実現される。
【0060】
図1から8に関係して上述した概念に関して、関係する複数の撮像アプリケーションが本発明により可能となり機能が向上する。例えばアプリケーションは、限定されるものではないが、撮像、制御、検査、顕微鏡および/または以下のような他の自動分析を含む。 (1)生物医学的分析(例えば細胞群体計数、組織学、凍結切片、細胞学、血液学、病理学、腫瘍学、蛍光、干渉、位相および他の多くの臨床顕微鏡アプリケーションなど)
(2)粒度測定アプリケーション(例えば医薬製造、塗料製造、化粧品製造、食品処理工学など)
(3)空気品質モニタリングおよび浮遊微小粒子測定(例えばクリーンルーム認証、環境認証など)
(4)光学欠陥分析および他の透過および不透明な物質の両方の高分解能顕微鏡検査に必要とされるもの(冶金、自動半導体検査および分析、自動視覚システム、三次元撮像などの場合)
(5)カメラ、複写機、FAX装置および医学システムのような撮像技術
【0061】
図9、10、11、12および13は、図1から8に関係して既に上述した概念を採用して構成できる候補システム例を示す。図9は、本発明に応じて適合できる撮像システム800の光路の系統線図である。
【0062】
システム800は、光コンデンサー808が受ける照明光を放射する光源804を採用する。光コンデンサー808からの出力は、偏向ミラー812によって、スライドステージ820上に照明光を投じる顕微鏡コンデンサー816へ導かれ、本発明により、物体(図示しないが、スライドステージ上または内部に設置される)が撮像される。スライドステージ820は、コンピュータ824によりおよび対物レンズ832によって決められた視界内で1つ以上の物体を撮像するための付随するスライド供給装置828により、自動に(および/または手動で)設置される。システム800に描いた対物レンズ832および/または他の構成要素は、異なったおよび/または所望の像特性(例えば倍率、焦点、どの物体が視野に現れるか、被写界深度など)を得るために、手動で調節されおよび/またはコンピュータ824および付随する制御機器(図示せず)(例えばサーボモーター、チューブスライド、直線および/または回転位置符号器、光学、磁気、電子または他の自動制御機器、制御ソフトウェアなど)によって自動に調節してもよい。
【0063】
対物レンズ832からの光出力を任意の光学ビームスプリッター840を通して導き、ビームスプリッター840は、光整形光学系844および付随する光源848を含む補助的なepi−照明部842とともに(スライドステージ820の上から物体を照らすために)働く。ビームスプリッター840を通った光を像形成レンズ850で受ける。像形成レンズ850からの出力を、偏向ミラー860を介してCCDまたは他の撮像センサーまたは素子854に導く。CCDまたは他の撮像センサーまたは素子854は、物体から受けた光を、コンピュータ824へ伝送するためのデジタル情報へ変換し、物体の像は、864で同時に使用者に表示できおよび/またはメモリーに保存できる。上述したように、CCDまたは他の撮像センサーまたは素子854でとらえた像を規定するデジタル情報は、コンピュータ824によってビットマップ情報としてディスプレイ/メモリー864へ送ることができる。必要であれば、検査対象物体を識別しおよび/または分析するために、あらかじめ決めたサンプルまたは像と自動的に比較するような像処理を実行することができる。これは、メモリー864内の得られた像データに応用できる実質上いかなるタイプの像処理技術またはソフトウェアを利用できることも含む。
【0064】
図10は、本発明の一態様による撮像設計への典型的なモジュールアプローチを表すシステム900である。システム900は、例えばおよそ8ミクロン(または他のサイズ)のピクセルピッチを有するセンサー配列910に基づいており(例えば既製のカメラに用いられる)、例えば配列サイズは640×480から1280×1024(または上述したような他のサイズ)に変えることができる。システム900はモジュール設計を含んでおり、それぞれのモジュールは他のモジュールと十分に離れているので、精度許容差が緩和される。モジュールは以下のものを含む。
・像形成レンズ916および/または偏向ミラー918を含むカメラ/センサーモジュール914
・k空間領域922に挿入するためのepi−照明モジュール920
・サンプルを保持および提示するモジュール924
・コンデンサー934を含む光整形モジュール930
・ステージの下の照明モジュール940
システム900は例えば以下のような市販の構成要素を有利に採用することができる。
・光を提示するためのコンデンサー光学系934(NA<=1)
・(例えばOlympus U−SC−2)
・任意の倍率のために、物平面での投影されたピクセルピッチが光学系の回折限界分解スポットと長さが同様であるという所望の特性を満たすために選択された、倍率と開口数が例えば(4×、0.10)、(10×、0.25)、(20×、0.40)、(40×、0.65)の標準のプラン/アクロマート対物レンズ944
・(例えばOlympus 1−UB222、1−UB223、1−UB225、1−UB227)
【0065】
システム900は、例えば像形成レンズ916がf=150mmのアクロマートトリプレットに適合してあるときなどに、補助のおよび/または追加の光学構成要素、モジュール、フィルタなどを922のk空間領域に挿入するのを容易にするために、対物レンズ944と像形成レンズ916の間の無限空間(k空間)を利用する。さらに対物レンズ944と像形成レンズ916の間の無限空間(k空間)は、epi−照明のために光学経路に光を(光形成路を介して)注入するのを容易にするために提供され得る。例えばepi−照明のための光形成路は以下のものを含む。
・安定した電流電源により駆動するLEDのような光源950
・(例えばHP HLMP−CW30)
・光源の均質化および空間仮想光源の使用のための950における透過ホログラム
・(例えばPOC light shaping diffuser polyester film 30−degree FWHM)
・光源950のNAを撮像光学系のNAに制限するための960における可変の開口で、これにより像形成光学経路に入る散乱光の影響を軽減できる
・(例えばThorlabs iris diaphragm SM1D12 0.5−12.0mm aperture)
・仮想源950から集めた光を最大にして、光源のk空間特性を撮像光学系の特性に一致させるために採用される集光レンズ960
・(例えばf=50mmの非球面レンズ、f=50mmのアクロマートダブレット)
・同軸光路および像の経路を形成するために採用される一部を反射するビームスプリッター964。例えば光学系964は、第1面で(45度の傾斜で)50%の反射率を与え、第2面には広帯域の反射防止がコートされている。
【0066】
ステージの下の照明モジュール940は、上述のepi−照明の構成と実質的に類似した構成である。以下に例示する。
・光源970(安定した電流電源で駆動するLED)
・(例えばHP HLMP−CW 30)
・光源の均質化と空間仮想源の使用のための(光源970に付随する)透過ホログラム
・(例えばPOC light shaping diffuser polyester film 30−degree FWHM)
・仮想源970から集めた光を最大にして、光源のk空間特性を撮像光学系の特性に一致させるために採用される集光レンズ974
・(例えばf=50mmの非球面レンズ、f=50mmのアクロマートダブレット)
・光源970のNAを撮像光学系のNAに制限するための可変の開口980で、これにより像形成光学経路に入る散乱光の影響を軽減できる
・(例えばThorlabs iris diaphragm SM1D12 0.5−12.0mm aperture)
・光路を90度方向を変え、光学モジュールを正確に整列するために微調整に利用される鏡988、および
・可変の開口980のなかの像を物平面の上に(スライド990で)正確に位置を合わせるために採用されるリレーレンズ(図示せず)で、これにより、適当なホログラフィックディフューザの配置とあわせて、ケーラー照明を得ることができる。
・(例えばf=100mmの単純な平凸レンズ)
【0067】
上述したように、本発明により得られたデジタル像データを同時に表示しおよび/または保存/処理するためにコンピュータ994および付随するディスプレイ/メモリー998が備えられる。
【0068】
図11は本発明の一態様によるシステム1000を示す。この態様では、ステージの下の照明モジュール1010(例えばケーラー、アッベなど)が透過スライド1020(検査対象物体は図示せず)を通して光を投じ、アクロマート対物レンズ1030がスライドから光を受け、その光を1040の像にとらえるモジュールへ導く。アクロマート対物レンズ1030および/またはスライド1020は、検査対象物体の位置を定めるためおよび/または対物レンズの位置を定めるために、手動でおよび/または自動に制御される。
【0069】
図12は本発明の一態様によるシステム1100を示す。この態様では、ステージの上のまたはepi−照明の照明モジュール1110が不透明なスライド1120(検査対象物体は図示せず)へ光を投じ、対物レンズ1130(複合レンズ装置または他のタイプでもよい)はスライドから光を受け、その光を1040の像にとらえるモジュールへ導く。上述したように、対物レンズ1130および/またはスライド1120は、検査対象物体の位置を定めるためおよび/または対物レンズの位置を定めるために、手動でおよび/または自動に制御される。図13は、アクロマート対物レンズの代わりに複合対物レンズ1210を採用する以外は、図11のシステム1000と同様なシステム1200を示す。
【0070】
図1から13に関係して上述した撮像システムおよび処理は、したがって、サンプルの像をとらえ/処理するために利用でき、撮像システムにより生成した像を読み、その像と、数多くの現在のメモリー技術による搭載データ保存装置中のさまざまな像とを比較する処理装置またはコンピュータに撮像システムは連結されている。
【0071】
例えばコンピュータは比較を実行するための分析構成要素を含むことができる。像処理に利用できる多くのアルゴリズムの内のいくつかは、限定されるものではないが、(他の多くの基礎となる)畳み込み、FFT、DCT、シニング(またはスケレトニゼーション)、エッジ検出およびコントラスト強調を含む。これらは、通常ソフトウェアによって実行されるが、早く処理するために特殊用途のハードウェアを使用することもある。FFT(高速フーリエ変換)は、一群の離散データ値のフーリエ変換を計算するアルゴリズムである。データ点の有限な群、例えば実環境信号からの周期的なサンプリングを考えると、FFTはデータの成分周波数の形でそのデータを表す。FFTは、周波数データから信号を再構築する本質的に正反対の関係も扱う。DCT(離散コサイン変換)は、コサインの加重和として波形を表す技術である。像処理のためにデザインされた多様な既存のプログラミング言語があり、限定されるものではないが、これにはIDL、Image Pro、Matlabおよびその他多くの言語が含まれる。また、機能上の像操作および分析を実行するために書かれた専用および特注の像処理アルゴリズムにも特に制限がない。
【0072】
本発明のk空間設計はまた、あるサンプル物体の光学上相関する像処理分析を同時に実行するために、像に含まれるフーリエ周波数情報と、記憶装置に保存された情報とを直接光学的に相関することを可能にする。
【0073】
図14は、上述のシステムおよび処理に採用することができる粒度測定アプリケーション1300を示す。粒度測定は、上述のk空間設計概念にしたがって自動的に測定した粒度に照らして、粒子を同時に閉/開ループでモニタリングし、粒子で製造しおよび粒子を制御することを含む。これは、類似のまたは異なったサイズ(nの異なったサイズ、nは整数)を有する多様な粒子およびm形状/次元の粒子(mは整数)の粒子識別のための自動分析技術および検出技術を含む。本発明の一態様では、所望の粒子サイズ検出および分析は直接測定アプローチにより達成できる。これは、粒子媒体および関係する粒子分布を実質的に考慮することなしに、ピクセル1つ当たりの絶対空間分解能が撮像された粒子と、長さの単位で直接(または加えて実質上)関係することを意味する。直接測定により、一般に、モデルを作成するのではなく、所定のサンプル中の撮像した粒子の度量衡および形態を得る。これは、モデリングアルゴリズム処理、統計アルゴリズム処理および現行技術にあるモデリングの他の制約を軽減する。したがって、必要であれば、粒子データをモデルにするのでなく直接撮像し測定するので、サンプルの処理および状態のいずれかが問題となり、それが測定の正確度と精度を高める。
【0074】
粒度測定アプリケーション1300の1310において、粒度測定像パラメーターを決める。例えば基本的な装置設計を、撮像のために上述の所望のピクセル1つ当たりの絶対空間分解能および有効分解倍率に設定できる。これらのパラメーターは、例えば視界(FOV)、被写界深度(DOF)および作動距離(WD)を規定する。同時測定は、選択した時間間隔で、一般的なビデオ速度で同時におよび/または像をとらえる所望の速度で、媒体を非同期に撮像することにより達成できる。同時撮像はまた、後の像処理のために選択した時間で像をとらえることにより達成できる。非同期撮像は、後の像処理のために、選択した時間および負荷サイクルで機器照明をパルシングすることにより、選択した時間で像をとらえることで達成できる。
【0075】
1320では、自動(または手動)分析のためにサンプル導入処理を選択する。サンプルは、(限定されるものではないが)以下のあらゆる撮像処理で本発明に適する撮像装置に導入できる。
1) 上述した全ての方法および透過媒体に加えて
2) キュベット、スライドおよび/または透過媒体中の個々の手動サンプル
3) 例えばガスまたは液体の流れの中の粒子の連続流入
4) 反射撮像用に構成された撮像装置で、サンプルは不透明であり、分析する物質に実質的に関係しない不透明な「キャリアー」の上に乗せられる(自動でおよび/または手動で)
【0076】
1330では、処理制御および/またはモニタリングシステムを構成する。粒子の特性(例えばサイズ、形状、形態、断面、分布、密度、パッキングフラクションおよび他のパラメーターが自動に決定できる)の直接測定による処理の同時閉ループおよび/または開ループモニタリング、同処理による製造(例えば粒子サイズに基づく閉ループ)および同処理の制御が構成できる。直接測定技術は任意の粒子サンプルに実施されるが、必要であれば、自動アルゴリズムおよび/または処理は撮像したサンプルにも応用できる。さらに直接測定に基づく粒子のキャラクタライゼーション装置は、直接測定による処理制御、品質制御などを目的に粒子特性をモニターおよび通信するために、実質的に製造工程のいかなる点にも組み込むことができる。
【0077】
1340では、複数の異なるサンプルのタイプを分析のために選択できる。例えば所定のサンプルタイプの粒子特性を制御し、記録しおよび/または通信するための閉フィードバックループ処理システム(必要であれば開ループ技術も含む)の一部である装置での直接測定のために、上述のいかなる形状の粒子サンプルも、連続流入の、定期的なおよび/または非同期の処理に導入することができる。非同期および/または同期(非同期は、イベントによって送られる引き金となる信号でおよび/または撮像を始めるための引き金となる信号を発生するイベントまたは対象によって開始される引き金となる信号で撮像することを意味し、同期は、照明を始動するために送られるタイミング信号で撮像することを意味する。)。非同期および/または同期の撮像は、実質上いかなる粒子流入速度であっても、所望の撮像視界に一致するように照明源をパルシングすることにより達成できる。これは、撮像センサーが処理および分析のために像をとらえ、表示しおよび記録するように、固体照明を所定の負荷サイクルで断続的に「点滅」させるための、例えばコンピュータおよび/または機械の、光学のおよび/または電子のいずれかの「引き金」機構によって制御できる。これが、「動きを止める」というよりは媒体中を流れる粒子の動きを「フリーズ」するために効率的に調節できるならば、照明と撮像を確実に処理できる。その上、これにより後の撮像処理および分析のために視界中のサンプルを撮像できる。
【0078】
1340のk空間に基づく粒子特性の直接測定による処理の同時(または実質上同時)閉ループおよび/または開ループのモニタリング、同処理による製造および同処理の制御は、(限定されないが)以下のものを含む広範な処理に応用できる。セラミック、金属粉末、医薬品、セメント、鉱物、鉱石、塗料、粘着剤、顔料、染料、カーボンブラック、フィルタ材料、爆発物、食品調製品、健康および美容のエマルジョン、ポリマー、プラスチック、ミセル、飲料および処理のモニタリングおよび制御を要する粒子をベースとしたさらに多くの物質。
【0079】
他の応用は、限定されないが、以下のものを含む。
・機器の較正および標準化
・産業衛生調査
・材料研究
・エネルギーおよび燃焼研究
・ディーゼルおよびガソリンエンジンの排気物測定
・産業排出物測定
・基本的なエーロゾル研究
・環境調査
・生物エーロゾル検出
・医薬品研究
・健康および農業の実験
・吸入毒物検査、および/または
・フィルタ試験
【0080】
1350では、ソフトウェアおよび/またはハードウェアを基礎にしたコンピュータによる像処理/分析を行うことができる。本発明に適合する装置から得た像は、実質的にいかなるハードウェアおよび/またはソフトウェアにしたがって処理できる。像のファイル形式はデジタル形式(例えばとらえた粒子のビットマップ)であるので、ソフトウェアベースの像処理は特注のソフトウェアおよび/または市販のソフトウェアにより達成できる。
【0081】
分析、キャラクタライゼーションなどは、以下のものによっても行なえる。例えば分析は度量衡(直接測定に基づく)におよび/または比較(データベース)に基づく。比較分析は、既知の粒子の像データのデータベースおよび/またはその変形との比較を含む。高度な像処理は、同時のおよび/または定期的なサンプル測定により像の特性を明らかにし、目録を作成する。データは必要に応じて廃棄しおよび/または記録し、例えば既知のサンプル特性とのデータ照合により適当に選択した反応を始めることができる。さらにあらゆるデータ伝送処理の通信のために、本発明に適合する装置を結合することができる。これは、無線通信、広帯域通信、電話モデム、標準の電気通信、Ethernet(登録商標)または他のネットワークプロトコル(例えばインターネット、TCP/IP、Bluetooth、ケーブルTV伝送など)を含む。
【0082】
図15は、上述のシステムおよび処理に採用することができる本発明の一態様による蛍光アプリケーション1400を示す。k空間システムは、およそ250からおよそ400nmの波長の光(紫外光など)を放射する発光ダイオード(LED)などの低輝度光源を1410に含む光システムを有する本発明に適している。本願に説明したepi−照明、トランス照明(または他のタイプ)を得るためにLEDを利用できる。LED(または他の低出力UV光源)を使用することにより導波管照明も可能となり、UV光のエバネッセント波結合が物体中で蛍光を励起するようにUV励起波長を検査対象物体を担持する平面に1420で導入する。例えばUV光を、物体が位置する基材に対しほぼ直角に投じる。1430では、LED(または他の光源またはそれらの組み合わせ)は、あらかじめ決めた時間光を放射できるおよび/または所定の速度でパルスを放射するストロボのような方法で制御できる。1440では、1430で決めた時間、励起を行なう。1450では、物体の自動および/または手動分析を、励起期間(および/またはおよそその期間)中に実施する。
【0083】
実例として、物体は光源からのUV光の励起に反応して蛍光を発する点で、紫外線に対して感受性がある。蛍光は、物質(有機または無機の)の状態であり、物質が励起光を吸収する間、光を放射し続ける。蛍光は、物質固有の特性(自家蛍光など)でありまた、フルロクロム(flurochrome)染色または染料を利用することなどによって引き起こされる。物体に関係する異なった状態を知ることを容易にするために、染料は特異なたんぱく質または他の感受性を有するものに対して親和性を有することができる。特殊な例では、蛍光顕微鏡検査および/またはデジタル撮像により、二次蛍光を生ずるさまざまな物質を研究するための方法を得ることができる。
【0084】
さらに他の例として、UV LED(または他の光源)により、短時間のUV放射線の強烈なフラッシュを得ることができ、センサー(励起波長に適合したセンサー)により短時間後(例えば数ミリ秒から数秒)の像を作成できる。この様式は、検査している物体(またはサンプル)の蛍光成分の時間減衰特性を調査するのに利用できる。これは、物体の2つの部分(または異なるサンプル)が反応する(例えば連続照明下で実質的に同じ蛍光を発するが、異なる放射減衰特性を持つ)場合に重要である。
【0085】
LEDなどの低出力UV光源を使用する結果、光源からの光により、試験対象物体の少なくとも一部が一般に紫外波長ではない光を放射する。物体の少なくとも一部が蛍光を発するので、物体の異なった特性を解明するために、蛍光を発する前または後の像を、物体が蛍光を発している間に得た像と相互に関係付けることができる。
【0086】
対照的にほとんどの従来の蛍光システムは、試料に光を当て、次いで通常はフィルタを通して、より明るい励起光からずっと弱い再放射される蛍光を分離するように構成されている。蛍光を検出できるよう、このような従来のシステムは、通常強力な光源を必要とする。例えば光源は水銀またはキセノンアーク(バーナー)ランプであり、蛍光試料を撮像するのに十分強力な高輝度照明を得ることができる。これらのタイプの光源は、使用すると熱くなる(例えば一般的に100〜250ワットランプ)のに加えて、通常寿命が短い(例えば10〜100時間)。さらにアークランプは定格寿命を越えて使用すると、非効率的になり破損しやすい傾向があるので、このような従来の光源は、使用時間数を記録するのに役立つように多くの場合タイマーを含む。その上、水銀バーナーの輝度の大部分は近紫外線であるので、水銀バーナーでは、一般に、紫外線から赤外線までの周波数帯にわたる均一な輝度を得ることができない。これは多くの場合、不要な光波長を除く精密フィルタを必要とする。したがって、本発明によるUV LEDの使用は、電力消費および使用によって生じる熱を低減する、所望のUV波長での実質的に均一な輝度を得ることができる。加えて、LED光源の交換費用は従来のランプよりもずっと低い。
【0087】
図16は、本発明の一態様による薄膜アプリケーション1500を示す。膜および薄膜は、一般用語で薄い層を意味し(それぞれの物質に適した方法で選択した種々の基材の上に被覆された分子の厚さから、顕微鏡でしか見えないほど薄い物質、肉眼で見える物質または複数の物質まで多様)および(限定されないが)以下の何れのものも含む。金属コーティング(例えば部分的なものも含む、反射、不透明および透過コーティング)、光学コーティング(例えば干渉、透過、反射防止、通過帯域、遮断、保護、複数コートなど)、めっき(例えば金属、酸化物、化学、抗酸化、熱めっき(thermal planting)など)、電気伝導性のもの(例えば被覆または構成されたマクロおよびミクロの回路)、光学的に伝導性のもの(例えば被覆された種々の屈折率の光学物質、マイクロおよびマクロの光学「回路」)。膜は、所望の厚さ、堅さ、連続性、均一性、接着力および所定の被覆膜に関係する他の特性で、ある物質の所望の層を基材の上に沈着させる多様な方法で被覆することを特徴とするあらゆる基材上の他のコーティングおよび層状膜およびフィルム様物質をも含む。関係する薄膜分析は、微小の泡、空間、微細な破片、被覆のきずなどの検出を含む。
【0088】
1510において、k空間システムを本発明の一態様による薄膜分析用に構成する。k空間撮像装置を薄膜検査およびキャラクタライゼーションの問題へ応用することにより、例えば薄膜または膜のきずを特定し特徴を明らかにすることができる。このようなシステムは、以下のことを容易にするために適合できる。
1) すべての種類の被覆薄膜を有する基材の手動観察
2) 合否検査のための、すべての種類の被覆薄膜を有する基材の自動観察/分析およびキャラクタライゼーション
3) コンピュータ制御の比較処理のための、すべての種類の被覆薄膜を有する基材の自動観察およびキャラクタライゼーションで、これは、検証、認証などのための、選択した記録媒体(例えばCD―ROM、DVD−ROMなど)に書き込んだ像データを含む。
【0089】
k空間装置は、ピクセル当たりの所望の絶対空間分解能(ASR)および所定の有効分解倍率(ERM)で撮像するように構成できる。これらのパラメーターにより、例えばFOV、DOFおよびWDの決定が容易になる。これは、対物レンズに基づく設計構成および/または無色設計構成(例えば広いFOVおよび適度のERMおよびASRのために)を含む。照明は、例えば透過照明および/またはepi−照明のように、検査条件に基づいて選択する。
【0090】
1520では、走査するような方式で以下により基材を撮像機にのせる。
1) 光学走査方法による光学撮像路長の動き
2) 機械的な動きおよび制御(コンピュータによる自動のまたは操作者による手動の)による検査対象物体の直接の索引付け。これにより、要望に応じ表面全体または表面の部分を検査するのが容易になる。粒度測定の文中で上述したように、選択した時間間隔および/または同時に、基材のそれぞれの走査範囲(例えばFOVによって決める)を、一般的なビデオ速度および/または像をとらえる速度で非同期に撮像できる。索引をつけたおよび/または走査した範囲の像を、後の像処理のために所定の頻度でとらえる。加えてサンプルは、手動でおよび/またはコンベアシステムのような「供給装置」から自動化して装置に導入できる。
【0091】
1530では、薄膜アプリケーションの操作パラメーターを決定し、適用する。典型的な操作パラメーターは、(限定されないが)以下のものを含む。
1) 限定されないが、薄膜の表面(または内部)の粒子および穴を含むさまざまなきずおよび特性の撮像
2) 反射および透明の両方の表面用に必要に応じ変化するモジュール設計
3) 連続して索引をつけた(および/または「走査した」)像範囲を、サイズ、位置および/または数により、(それぞれのサンプル表面の索引の識別と総計で)表面のきずの自動計数および分類
4) 後の手動検査のための欠陥位置の記録
5) 後の移植(例えばEthernet(登録商標)または他のプロトコル経由で)のためにまたはコンピュータ、サーバーおよび/またはクライアント上のアーカイブおよび文書化用に、手動および/または自動の像処理のために、標準形式で像を得る、および/または
6) 総面積に依存する数秒から数分の表面当たりの名目走査時間。走査および索引づけの速度は、一般に、サンプル面積および後処理で変わる。
【0092】
1540では、ソフトウェアおよび/またはハードウェアに基づくコンピュータによる像処理/分析を行う。本発明に適合する装置からの像は、実質的にいかなるハードウェアおよび/またはソフトウェア処理でも処理できる。像のファイル形式はデジタル形式(例えばとらえた膜のビットマップなど)なので、ソフトウェアに基づく像処理は、特注のソフトウェアおよび/または市販のソフトウェアによって達成できる。分析、キャラクタライゼーションなどは、以下のものによっても達成できる。例えば分析は、度量衡(直接測定に基づく)におよび/または比較(データベース)に基づく。比較分析は、既知の膜の像データのデータベースおよび/またはその変形と比較することを含む。高度な像処理は、同時および/または定期的なサンプル測定で像の特性を明らかにし、目録を作成する。データは必要に応じて廃棄および/または記録でき、例えば既知のサンプル特性とのデータ照合により、適当に選択した反応を始めることができる。さらにあらゆるデータ伝送処理での通信のために、本発明に適合する装置を結合することができる。これは、無線通信、広帯域通信、電話モデム、標準の電気通信、Ethernet(登録商標)または他のネットワークプロトコル(例えばインターネット、TCP/IP、Bluetooth、ケーブルTV伝送など)を含む。
【0093】
本発明の他の態様では、上述の撮像システムは、生体物質の改善された撮像システムおよび方法を得るために利用できる生体物質および方法の特性の中でも特に、高有効分解倍率および高空間分解能を得ることができる。本発明の生体物質の撮像システムおよび方法により、生体物質の分類(例えば正常または異常)のみならず生体物質の識別ができる改善された像(高有効倍率、改善された分解能、改善された被写界深度など)の作成が可能である。
【0094】
生体物質は、細菌、ウイルス、原生動物、真菌および繊毛虫などの微生物(肉眼では観察できないほど小さい生物);標識または非標識の生物由来の細胞物質(溶解された細胞、細胞間物質または全細胞)、たんぱく質、抗体、脂質および炭水化物のような生物由来の細胞物質;および細胞塊(組織サンプル)、血液、瞳孔、虹彩、指先、歯、皮膚の部分、毛、粘膜、膀胱、胸部、雄/雌の生殖系構成要素、筋肉、血管構成要素、中枢神経系構成要素、肝臓、骨、結腸、すい臓などの生物の部分を含む。本発明の生体物質撮像システムは比較的大きい作動距離を採用することができるので、組織サンプルの摘出の必要なく人体の部分を直接検査してもよい。
【0095】
細胞は、ヒト細胞、ヒト以外の動物細胞、植物細胞および人工/研究用細胞を含む。細胞は、原核および真核の細胞を含む。細胞は、正常、癌、変異、損傷または異常細胞でもよい。
【0096】
ヒト以外の細胞の例には、炭疽菌(anthrax)、放線菌属(Actinomycetes spp.)、アゾトバクター(Azotobacter)、バチルス・アンスラシス(Bacillus anthracis)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バクテロイデス属(Bacteroides species)、Bordetella pertussis、Borrelia burgdorferi、Campylobacter jejuni、Chlamydia species、Clostridium species、Cyanobacteria、Deinococcus radiodurans、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロコッカス(Enterococcus)、Haemophilus influenzae、Helicobacter pylori、Klebsiella pneumoniae、Lactobacillus spp.、Lawsonia intracellularis、Legionellae、Listeria spp.、マイクロコッカス属(Micrococcus spp.)、Mycobacterium leprae、Mycobacterium tuberculosis、Myxobacteria、Neisseria gonorrheoeae、Neisseria meningitidis、Prevotella spp.、シュードモナス属(Pseudomonas spp.)、サルモネラ(Salmonellae)、Serratia marcescens、Shigella species、Staphylococcus aureus、Streptococci、Thiomargarita namibiensis、Treponema pallidum、Vibrio cholerae、Yersinia enterocolitica、Yersinia pestisなどを含む。
【0097】
さらに生体物質の例は、風邪、感染、マラリア、クラミジア、梅毒、淋病、結膜炎、炭疸病、脳膜炎、ボツリヌス中毒、下痢、ブルセラ症、カンピロバクター(campylobacter)、カンジダ症、コレラ、コクシジウム症(coccidioidomycosis)、クリプトコッカス症(cryptococcosis)、ジフテリア、肺炎、経口伝染病、鼻疽(鼻疽菌(Burkholderia mallei))、インフルエンザ、ライ病、ヒストプラズマ症、レジオネラ病、レプトスピラ症、リステリア症、類鼻疽、ノカルジア症、ノンテュバクロシス マイコバクテリウム(nontuberculosis mycobacterium)、消化性潰瘍、百日咳、肺炎、オウム病、腸炎菌(salmonella enteritidis)、細菌性赤痢、スポロトリクム症、連鎖球菌性咽頭炎、毒素性ショック症候群、トラコーマ、腸チフス、尿路感染症、ライム病などの疾患を起こすものである。後述するように本発明はさらに上述のいかなる疾患の診断方法にも関係する。
【0098】
ヒト細胞の例は、線維芽細胞、骨格筋細胞、好中性白血球、リンパ球白血球、赤芽球赤血球、骨芽細胞、軟骨細胞、好塩基球白血球、好酸球白血球、脂肪細胞、無脊椎動物の神経細胞(へリックス アスペラ(Helix aspera))、哺乳類神経細胞、副腎髄質細胞、メラニン形成細胞、上皮細胞、内皮細胞;全ての種類の腫瘍細胞(特に、黒色腫、骨髄球性白血病、肺、乳房、卵巣、大腸、腎臓、前立腺、膵臓および精巣の癌)、心筋細胞、内皮細胞、上皮細胞、リンパ球(T細胞およびB細胞)、肥満細胞、好酸球、血管内膜細胞、肝細胞、単核の白血球を含む白血球、ヘモポエティック(haemopoetic)、神経、皮膚、肺、腎臓、肝臓および筋の幹細胞のような幹細胞、破骨細胞、軟骨細胞および他の結合組織細胞、ケラチン生成細胞、メラニン形成細胞、肝臓細胞、腎臓細胞および脂肪細胞を含む。研究用細胞の例は、形質転換細胞、Jurkat T細胞、NIH3T3細胞、CHO、COSなどを含む。
【0099】
細胞株および他の生体物質の有用な材料は、ATCC Cell Lines and Hybridomas、Bacteria and Bactriophages、Yeast、Mycology and BotanyおよびProtists:Algae and ProtozoaおよびAmerican Type Culture Co.(Rockville, Md.)から入手可能な他のものの中から見出すことができ、これらの全てを本願明細書に引用したものとする。並べ挙げることができる細胞および他の生体物質の例は非常に多く、限定されるものではない。
【0100】
生体物質の識別および分類により疾患を診断できる場合もある。したがって、本発明は、改善された診断システムおよび方法をも提供する。例えば本発明は、アテローム性動脈硬化症、血管形成、動脈硬化症、炎症、アテローム硬化型心疾患、心筋梗塞、動脈または静脈壁の外傷、神経変性障害および心肺障害に加えて、癌、筋骨格系、消化器系、生殖性系および消化管の病理などの医学病理の検出およびキャラクタライゼーションの方法を提供する。本発明は、ウイルス性および細菌性感染の検出およびキャラクタライゼーションの方法も提供する。本発明により、試験管内および生体内の両方の系で、生体物質に対するさまざまな物質の影響または生理学的活性を評価することも可能である。例えば本発明により、培地で培養する細胞集団または組織に対する薬などのような生理学的物質の影響の評価が可能となる。
【0101】
本発明の生体物質撮像システムにより、生体物質サンプルからデータを得るコンピュータによる制御または自動処理制御が可能となる。この点で、生体物質撮像システムに組み合わせるコンピュータまたは処理装置は、種々のタイプの異常細胞のような生体物質の像を含むメモリーまたはデータベースを含んでいるかまたは連結している。これに関係して、正常および異常な生体物質を自動指定してもよい。生体物質撮像システムは、所定の生体物質サンプルから像を得て、その像を、メモリー内の異常細胞の像のようなメモリー内の像と比較する。ある意味で、コンピュータ/処理装置は、収集した像データおよび保存した像データの比較分析を行い、分析結果に基づき、所定の生体物質が何であるかを判定し、所定の生体物質の分類(正常/異常、癌性/非癌性、良性/悪性、感染/非感染などの)を判定し、および/または、状態(診断)を判定する。
【0102】
コンピュータ/処理装置が、生体物質サンプルの特定の像と保存した像(異常細胞または同じ生体物質など)の間に十分な類似性があると判断する場合は、その像を保存し、その像に関するデータを生成する。コンピュータ/処理装置が、生体物質サンプルの特定の像と異常細胞/特定の生体物質の保存した像の間に十分な類似性がないと判断する場合は、さらに生体物質サンプルの位置を変え、追加の像とメモリーの像とを比較する。生体物質サンプルの特定の像と生体物質の保存した像の間に十分な類似性があるか否かの決定を助けるために、コンピュータ/処理装置により、統計的な方法を適用できる。コンピュータ/処理装置は、適当なあらゆる相関手段、メモリー、操作システム、分析構成要素およびソフトウェア/ハードウェアを利用できる。
【0103】
図17において、コンピュータによる制御または自動処理制御により、生体物質サンプルから像を得ることができる本発明の一態様である自動生体物質撮像システム1600の典型的な態様を示す。前述の図1から16に関係して説明/構成した撮像システム1602を、生体物質1604の像をとらえるために利用してもよい。撮像システム1602を、撮像システム1602によって生成された像を読み、その像をデータ記録装置1608中のさまざまな像と比較する処理装置1606および/またはコンピュータに連結する。
【0104】
処理装置1606は比較のための分析構成要素を含む。像処理に使用する多くのアルゴリズムの内のいくつかは、(他の多くの基礎となる)畳み込み、FFT、DCT、シニング(またはスケレトニゼーション)、エッジ検出およびコントラスト強調を含む。これらは、通常ソフトウェアによって実行されるが、早く処理するために特殊用途のハードウェアを使用することもある。FFT(高速フーリエ変換)は、一群の離散データ値のフーリエ変換を計算するためのアルゴリズムである。データ点の有限な群、例えば実環境信号からの周期的なサンプリングを考えると、FFTはデータの成分周波数の形でそのデータを表す。FFTは、周波数データから信号を再構築する本質的に正反対の関係も扱う。DCT(離散コサイン変換)は、コサインの加重和として波形を表す技術である。像処理のために設計されたさまざまなアプリケーション、例えばCELIP(像処理用携帯電話言語)およびVPL(ビジュアルプログラミング言語)などがある。
【0105】
データ記録装置1608は、1組以上のあらかじめ定められた像を含む。像は、さまざまな生体物質の正常な像および/またはさまざまな生体物質の異常な像(病的な、変異した、物理的に崩壊したものなど)を含んでもよい。データ記録装置1608に保存された像は、所定のとらえた像が保存された像と類似しているか否か(または類似の程度)を決定する基礎となる。ある態様では、自動生体物質撮像システム1600は、生体物質サンプルが正常または異常であるかを判断するのに利用できる。例えば自動生体物質撮像システム1600は、生体物質サンプル中の癌細胞などの異常細胞の存在を識別でき、所定の疾患または状態の診断が容易になる。他の態様では、自動生体物質撮像システム1600は、疾患を引き起こす生体物質(前述の疾患を引き起こす細菌など)の存在を同定することによりおよび/または所定の生体物質が細菌のような疾患を引き起こすものに感染しているかを判定することにより、または、ある生体物資が異常(癌)であるかを判定することにより、先に挙げた疾患/疾病を診断できる。
【0106】
さらに他の態様では、自動生体物質撮像システム1600は、由来が不明の生体物質が何であるかを同定するのに利用できる。例えば自動生体物質撮像システム1600は、白い粉末が炭疽菌を含むかを識別できる。また、自動生体物質撮像システム1600により、例えばサンプル血液中の白血球または赤血球計数などの生体物質の処理が容易になる。
【0107】
遠隔/手動操作のない撮像が容易になるように、サーボモーターまたは物平面内で生体物質サンプルを動かす他の手段を制御する制御装置にコンピュータ/処理装置1606を連結してもよい。つまり、オブジェクト視界内に生体物質サンプルスライドを移動するために、モーター、調節器および/または他の機械的手段を採用することができる。
【0108】
さらに生体物質検査処理の像は、コンピュータスクリーン、テレビおよび/または閉回路モニターで観察するように最適化されるので、遠隔およびウェブに基づく観察および制御を行ってもよい。同時撮像により、迅速な診断、データ収集/生成などのうち少なくとも1つが容易になる。
【0109】
他の態様では、生体物質撮像システムは、ヒトの部分(腕の病変、角膜混濁など)および生成した像に利用できる。像を、特定の種類の異常細胞(メモリーに保存された像)が存在する可能性を特定するように指示されているコンピュータ/処理装置へ(またはインターネットなどのネットワークへ)送ることができる。異常細胞を識別すると、コンピュータ/処理装置は、例えばレーザー、液体窒素、切断器具および/または同様なものなどを使用して異常細胞を取り除く/破壊するようにシステムに指示する。
【0110】
図18は本発明による高度機械視覚システム1800を表す。システム1800は、本発明による撮像システム10(図1)を含む。撮像システム10は、上記にかなり詳細に説明しており、簡略にするためにそこで述べた詳細についてさらに説明することを省略する。撮像システム10は製品または処理1810に関係するデータを収集するために採用でき、例えば生産量、処理制御、品質制御、試験、検査などに関して、製品または処理1810を調節できる制御装置1820へ像情報を提供できる。撮像システム10は、上述のように多くの従来システムでは得られない精度で像データを収集することができる。さらに本撮像システム10により得られる信頼性の高い像データは、製品または処理1810の高効率の機械視覚検査を可能にする。例えば多くの従来の機械視覚システムでは、通常検出できない微小の製品欠陥が、撮像システム10によって収集された像データの結果、本システム1800により検出できる。制御装置1810は、例えば製造スキームに関係して採用される適当ないかなる制御装置または制御システムであってよい。制御装置1810は、機械視覚に基づく制御システムで一般におこなわれるように、欠陥製品または処理を退ける、製品または処理を変更する、製品または処理を受け入れるなどをするために収集した像データを利用できる。システム1800は、機械視覚に基づく適当なあらゆる状況で使用でき、本発明のそのようなすべての応用は本願付す請求項の範囲に入る。
【0111】
例えば本システム1800は、安定して信頼性の高い半導体ベースの製品を製造するのに装置および/または処理の許容誤差が決定的に重要である半導体製造に関係して使用することができる。したがって、製品1810は、例えば半導体ウエハーを表しており、撮像システム1800は、ウエハー上に形成される素子に関係するデータ(例えば重要な長さ、厚さ、起こり得る欠陥、他の物理的な性状など)を集めるために使用することができる。制御装置1820は、さまざまな欠陥を理由にウエハーを退ける、ウエハー上の素子製造に関係して処理を変更する、ウエハーを受け入れるなどをするために収集した像データを利用できる。
【0112】
上述の説明は、本発明の好適な態様である。言うまでもなく、考えられる全ての構成要素の組み合わせまたは方法を本発明を説明する目的で記載することは不可能であるが、当業者は、本発明のさらに多くの組み合わせおよび変更が可能であることを認識できる。したがって、本発明は、付した請求項の精神および範囲に入るそのような全ての変更、修正および変形を包含するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のレセプターを有するセンサーと、分解サイズパラメーターを有する像伝達媒体とを含む撮像システムであり、
前記レセプターはサイズを有し、
前記像伝達媒体はレセプターサイズをオブジェクト視界内の回折限界スポットに関係するスケールまたはサイズとほぼ同様のスケールまたはサイズでオブジェクト視界を占めるように縮尺する作用をし、前記像伝達媒体は複合レンズ構成を含み、前記複合レンズ構成はオブジェクト視界に向いて配置される第1のレンズ、およびセンサーに向いて配置される第2のレンズ、ならびにあらかじめ決めた目的のk空間周波数を増大させ、あらかじめ決めた周波数外の周波数を低減するk空間フィルタを含み、
前記第1のレンズは、像伝達媒体内でレセプターサイズが見かけ上縮小されるように、前記第2のレンズよりも短い焦点距離を有するものであり、
前記k空間フィルタ構成はレセプターのピクセルピッチを回折限界スポットに関係するスケールまたはサイズとほぼ同様のスケールまたはサイズに相互に関係づけることによって決定されるものである、
撮像システム。
【請求項2】
前記k空間フィルタが、さらに非球面レンズ、繊維光学テーパ、像用導管およびホログラフィック光学要素のうち少なくとも1つを含むものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記センサーが、さらに1つ以上のレセプターに関係するピクセルのMN配列を含むものであり、MおよびNは整数の行と列をそれぞれ表し、前記センサーが、さらにデジタルセンサー、アナログセンサー、電荷結合素子(CCD)センサー、CMOSセンサー、電荷注入素子(CID)センサー、配列センサーおよび直線走査センサーのうち少なくとも1つを含むものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
さらにセンサーからの出力を受けるコンピュータおよびメモリーを含むものであり、前記コンピュータは、メモリーに出力を保存すること、メモリーの出力の自動分析を行うことおよび像の手動分析を可能にするようにメモリーをディスプレイに位置づけることのうち少なくとも1つを行う、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
さらにオブジェクト視界内の1つ以上の非発光性物体を照明する照明源を含むものであり、前記照明源は、さらに発光ダイオード、波長特定照明、広帯域照明、連続照明、ストロボ照明、ケーラー照明、アッベ照明、位相差照明、暗視野照明、明視野照明、Epi照明、干渉光、非干渉光、可視光、および、非可視光に適応するセンサーに適合する非可視光のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記非可視光がさらに赤外および紫外波長のうち少なくとも1つを含むものである、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
さらに付随するアプリケーションを含むものであり、前記アプリケーションが、撮像、制御、検査、顕微鏡自動分析、生物医学的分析、細胞群体計数、組織学、凍結切片分析、細胞学、血液学、病理学、腫瘍学、蛍光、干渉、位相解析、生体物質分析、粒度測定アプリケーション、薄膜分析、空気品質モニタリング、浮遊微小粒子測定、光学欠陥解析、冶金、半導体検査および分析、自動視覚システム、三次元撮像、カメラ、複写機、FAX装置および医学システムアプリケーションのうち少なくとも1つを含むものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
センサー上の隣り合うピクセル間のピクセルピッチサイズを決め、
オブジェクト視界の分解可能な物体サイズを決め、
オブジェクト視界の分解可能な物体サイズに相当するように像伝達媒体によりセンサー上のピクセルピッチサイズを縮尺することを含む、
像を作る方法。
【請求項9】
像データを集める撮像システムと制御装置とを含む機械視覚システムであり、
さらに1つ以上のレセプターを有するセンサーと、オブジェクト視界からの光をセンサーの1つ以上のレセプターに導く像伝達媒体とを含み、
前記像伝達媒体はレセプターサイズをオブジェクト視界に回折限界スポットのサイズとほぼ同じサイズにマッチングし、
前記制御装置は像データを受けて、製品の製造に関係して像データを利用するものである、
機械視覚システム。
【請求項10】
半導体に関係する製造システムに利用される、請求項9に記載の機械視覚システム。
【請求項11】
生体物質の一部を撮像する撮像システムを含む生体物質撮像システムであり、
前記撮像システムは、1つ以上のレセプターを有するセンサーと、オブジェクト視界に回折限界スポットサイズを有する像伝達媒体とを含み、前記1つ以上のレセプターはレセプターサイズパラメーターを有し、前記像伝達媒体はオブジェクト視界のレセプターサイズパラメーターをオブジェクト視界の回折限界スポットサイズとほぼ同じサイズに縮尺する作用をするものである、
生体物質撮像システム。
【請求項12】
前記生体物質が、ヒト細胞、ヒト以外の動物細胞、植物細胞および人工細胞からなる群から選択される少なくとも1つを含むものである、請求項11に記載の生体物質撮像システム。
【請求項13】
前記生体物質がヒト細胞を含むものである、請求項11に記載の生体物質撮像システム。
【請求項14】
前記生体物質が癌細胞を含むものである、請求項11に記載の生体物質撮像システム。
【請求項15】
前記生体物質が細菌を含むものである、請求項11に記載の生体物質撮像システム。
【請求項16】
生体物質の一部を撮像する撮像システムの物平面に生体物質を配置し、
センサー上の隣り合うレセプター間のピクセルピッチサイズを決め、
オブジェクト視界の分解可能な物体サイズを決め、
オブジェクト視界の分解可能な物体サイズに相当するように像伝達媒体によりピクセルピッチサイズを縮尺し、
生体物質の像を形成することを含む、
生体物質を撮像する方法であり、
前記撮像システムは1つ以上のレセプターを有するセンサーと像伝達媒体とを含むものである、
生体物質を撮像する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−258746(P2009−258746A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168954(P2009−168954)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【分割の表示】特願2003−511312(P2003−511312)の分割
【原出願日】平成14年7月3日(2002.7.3)
【出願人】(504005851)パランティア リサーチ,エルエルシー (1)
【出願人】(504005839)
【出願人】(504005828)
【出願人】(504005862)
【出願人】(504005840)アンカー テクノロジー,エルエルピー (1)
【Fターム(参考)】