説明

撮像システム

【課題】本願発明では、撮像局から基地局に伝送されてくる画像情報の伝送速度が高速である場合において、画像情報を漏れなく記録することができる撮像システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本願発明に係る撮像システムでは、撮像局3は、所定の撮像対象を撮像して画像情報を出力するカメラ11と、カメラ11から与えられる画像情報を通信回線を介して基地局5に伝送する配信装置15とを備えている。さらに、基地局5は、互いに独立して画像情報の所定の記録媒体への記録動作を行う複数の記録装置25と、撮像局3から伝送されてくる画像情報を受信して複数の記録装置25に振り分けて記録させる分配手段21aと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像局等の第1局で撮像した画像を通信回線を介して基地局等の第2局に伝送する撮像システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の撮像システムの従来技術を以下に列挙する。
【0003】
第1の従来技術では、撮像局に複数の撮像手段が設けられた場合にも、撮像局には単一の圧縮処理手段しか設けられておらず、各撮像手段が撮像した画像情報を、単一の圧縮処理手段によって同一の圧縮方式および圧縮割合で圧縮処理して基地局に伝送している。
【0004】
第2の従来技術では、撮像局から伝送されてくる画像情報を、基地局に備えられた単一の記録手段に記録している。この記録手段としては、大きな記録容量が要求されるため、ハードディスク等の大容量の記録媒体に記録を行うものが用いられる。
【0005】
第3の従来技術では、基地局で受信された圧縮画像情報は、半導体メモリによって構成される大容量のバッファメモリに格納された後、そのバッファメモリから読み出されて伸張処理されて表示手段に表示されるようになっている。また、バッファメモリに格納されている圧縮画像情報を、記録媒体への記録を行う記録手段(ハードディスク等)に記録する場合には、伸張処理された画像情報の表示手段への表示が行われた後に、記録ホルダの指定および記録コマンドの入力等を行うことにより記録手段への記録が行われるようになっている。
【0006】
第4の従来技術では、撮像局から基地局に伝送される画像情報には、画像情報が撮像された各時点の時刻を示す時刻情報が付与されていない。
【0007】
ここで、撮像局から通信回線を介して基地局に伝送された複数のカメラの各画像情報を、撮像動作中のカメラ台数に応じて自動的に表示手段の画面の分割数を決定して表示するような構成の撮像システムはまだ存在しないと思われる。
【0008】
第5の従来技術では、複数の撮像手段が撮像した画像情報を撮像局から基地局に伝送する際には、各撮像手段の画像情報が同一の伝送レート(単位時間当たりの伝送情報量)で伝送されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記第1の従来技術では、撮像局には単一の圧縮処理手段しか備えられていないため、各撮像手段が撮像した撮像画像に行う圧縮処理の処理内容を各撮像手段ごとに個別に設定することができないという問題がある。
【0010】
前記第2の従来技術では、撮像局から伝送されてくる画像情報を、基地局に備えられた単一の記録手段に記録しているため、基地局に伝送されてくる画像情報の伝送速度が高速である場合には、その伝送速度に記録手段の記録速度が追いつかず画像情報を漏れなく記録することができないという問題がある。
【0011】
前記第3の従来技術では、基地局側で受信された圧縮画像情報は、一旦バッファメモリに格納された後、伸張されて表示手段に表示されてから、記録ホルダの指定および記録コマンドの入力等を行うことにより、バッファメモリから記録手段に転送されて記録されるようになっており、圧縮画像情報の受信から記録手段への記録までの間に複数の工程が必要であるため、伸張処理やコマンド入力等に時間がかかり、圧縮画像情報の迅速な記録ができないという問題がある。
【0012】
前記第4の従来技術では、撮像局から基地局に伝送される画像情報には、画像情報の撮像された各時点の時刻を示す時刻情報が付与されていないため、基地局にて記録した画像情報のうちの所定の時刻の画像情報を再生したい場合等に、画像情報の検索が不便であるという問題がある。
【0013】
前記第5の従来技術では、各撮像手段の画像情報が同一の伝送レートで伝送されているため、各撮像手段の撮像対象の特徴に応じた伝送レートを設定することができないという問題がある。
【0014】
そこで、前記問題点に鑑み、本発明の第1の目的は、各撮像手段ごとに画像情報の圧縮処理の処理内容を設定することができる撮像システムを提供することである。
【0015】
本発明の第2の目的は、基地局に伝送されてくる画像情報の記録媒体への記録の高速化が図れる撮像システムを提供することである。
【0016】
本発明の第3の目的は、撮像時刻に基づく画像情報の検索を容易に行うことができる撮像システムを提供することである。
【0017】
本発明の第4の目的は、通信回線を介して基地局に伝送された複数のカメラの各画像情報を、撮像動作中のカメラ台数に応じて1台の表示手段に適切な表示サイズで表示することができる撮像システムを提供することである。
【0018】
本発明の第5の目的は、各撮像手段が撮像した画像情報を撮像局から基地局に伝送する際の単位時間当たりの伝送情報量を、各撮像手段の撮像対象の特徴等に基づいて各画像情報ごとに設定することができる撮像システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的に鑑みて、請求項1に記載の撮像システムは、第1局で撮像した画像を通信回線を介して第2局に伝送する撮像システムであって、前記第1局は、所定の撮像対象を撮像して画像情報を出力するカメラと、前記カメラから与えられる前記画像情報を前記通信回線を介して前記第2局に伝送する送信手段と、を備え、前記第2局は、互いに独立して前記画像情報の所定の記録媒体への記録動作を行う複数の記録手段と、前記第1局から伝送されてくる前記画像情報を受信して前記複数の記録装置に振り分けて記録させる分配手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
また、請求項2に記載の撮像システムでは、前記カメラは、前記第1局に複数備えられ、前記送信手段は、前記各カメラから出力される前記各画像情報を、前記各画像情報を識別するための識別情報をそれぞれ付して多重化して前記通信回線を介して前記第2局に伝送し、前記分配手段は、前記各画像情報が前記複数の記録手段に均等に振り分けられるように、1または複数の前記カメラの前記画像情報ごとに1つの前記記録手段を割り当て、前記識別情報に基づいて前記各画像情報を識別して対応する前記各記録手段に記録するものである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の撮像システムによれば、第2局に伝送されてきた画像情報が、互いに独立して記録動作を行う複数の記録手段に分配手段によって振り分けられて記録される。したがって、高速度で伝送されてくる画像情報も漏れなく記録することができる。
【0022】
また、請求項2に記載の撮像システムによれば、各カメラの画像情報が複数の記録手段に均等に振り分けられるように、1または複数のカメラの画像情報ごとに1つの記録媒体が割り当てられている。したがって、複数の記録装置を効率的に使用して画像情報の記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る監視システムの全体的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1の監視システムの部分的構成をより詳細に示すブロック図である。
【図3】図1の監視システムの部分的構成をより詳細に示すブロック図である。
【図4】複数の記録装置と圧縮画像情報との対応関係を示す図である。
【図5】圧縮画像情報およびそれに付与される時刻情報のデータ構成を示す図である。
【図6】図6(a)ないし図6(e)は表示装置の画面の分割形態を示す図である。
【図7】伝送される複数の圧縮画像情報の伝送形態を示す図である。
【図8】伝送される複数の圧縮画像情報の伝送形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る監視システム(撮像システム)の全体的な構成を示すブロック図である。まず、図1を参照してこの監視システムの全体的な構成を説明する。この監視システムは、インターネット等の通信回線1を介して接続された撮像局3と基地局5とを備えており、撮像局3で所定の監視対象(撮像対象)を撮像等によって得られた画像等を、通信回線1を介して基地局5に伝送するようになっている。これによって、基地局5にて、撮像局3から伝送されてくる画像等に基づいて遠隔地の監視を行うことができるようになっている。
【0025】
撮像局3には、少なくとも、互いに異なるあるいは同一の監視対象を撮像する複数のカメラ11と、各カメラ11を介して監視する監視対象の特徴(異常発生等)を検出するセンサ群13と、配信装置15とが備えられている。配信装置15は、各カメラ11およびセンサ群13の制御、各カメラ11が撮像した画像およびセンサ群13の検出結果等の通信回線1を介した基地局5への伝送、および通信回線1を介して基地局5から伝送されてくる制御情報等の受信等を行っている。なお、撮像局3と基地局5との間の情報伝送は、すべて通信回線1を介して行われる。
【0026】
基地局5には、少なくとも、受信装置21と、表示装置23と、複数の記録装置25とが備えらえている。受信装置21は、操作入力の受付、表示装置23および各記録装置25の制御、撮像局5から伝送されている各種情報の受信、受信画像の表示装置23への表示、受信画像の各記録装置25に対する記録および読み出し、各種の制御情報の通信回線1を介した撮像局3への伝送等を行っている。また、受信装置21によって撮像局3に伝送される情報には、異常発生等を報知するため等に撮像局3に備えられる警報装置(図示せず)を作動されるための警報情報も含まれている。
【0027】
各記録装置25は、所定の記録媒体に対して情報の記録および読み出しを行う大容量の記録装置であり、ここではハードディスクが用いられている。なお、ここでは、記録装置25としてハードディスクを用いたが、DVDに対して記録および読み出しを行うDVDデッキを用いてもよく、あるいは、大容量を実現可能であればフラッシュROM等の不揮発性メモリを用いてもよい。
【0028】
以下に、本実施形態に係る監視システムの特徴点について説明する。なお、下記の説明では、この監視システムの各特徴点を抽出し、各特徴点ごとに説明を行うこととする。
【0029】
<第1の特徴点>
図2は、図1の監視システムの部分的構成をより詳細に示すブロック図である。各カメラ11には、割り当てられた監視対象の撮像を行う撮像部(撮像手段)11aと、圧縮処理部(圧縮処理手段)11bと、配信装置15から入力される制御情報に基づいてカメラ11の制御、および撮像部11aの撮像結果等に基づいて各カメラ11bの監視対象の特徴の検出等を行う処理部11cとが備えられている。ここで、この各カメラ11の処理部11bおよびセンサ群13が、本発明に係る特徴部検出手段の機能を担っている。
【0030】
撮像部11aは、CCD撮像素子を備えて構成され、撮像の結果得られた画像情報を出力する。また、処理部11cの制御により、撮像部11aは、ズーム、パン、チルト、絞り値、感度等の撮像条件を調節する機能等を有している。
【0031】
圧縮処理部11bは、撮像部11aから出力されたディジタル式の画像情報を圧縮処理し、圧縮画像情報として配信装置15に出力する。また、圧縮処理部11bは、圧縮処理を行う際の圧縮内容(ここでは、圧縮方式および各圧縮方式による圧縮処理の特性を決定するパラメータ(圧縮率を示すパラメータ等))を処理部11cの制御により設定変更する機能を有している。
【0032】
処理部11cは、配信装置15から与えられる制御情報に基づき、撮像部11aの撮像条件および圧縮処理部11bの圧縮処理の処理内容の設定を行う。また、処理部11cは、撮像部11aの撮像結果等に基づいて各カメラ11が撮像する監視対象の特徴を検出し、検出結果を配信装置15に出力する機能を有している。
【0033】
この処理部11cの監視対象の特徴検出機能には、撮像部11aによって撮像された画像の変化(動き)の度合いを検出する画像変化検出機能(モーションセンサ機能)、撮像された画像の複雑さを検出する画像複雑さ検出機能、撮像された画像中の被写体のサイズを検出する被写体サイズ検出機能、撮像された画像中の被写体とカメラ11との間の実際の距離を検出する測距機能、監視対象の明るさを検出する照度検出機能等が含まれている。
【0034】
モーションセンサ機能では、例えば、撮像部11aから出力されるフレーム画像間の差分が取られ、その差分結果の大小に基づいて画像の変化の度合いが検出される。複雑さ検出機能では、一般の画像圧縮方式では複雑な画像ほど圧縮によって情報量の減少率が小さい点に着目し、圧縮処理部11bでの圧縮処理の前後での画像情報の情報量の減少率に基づいて画像の複雑さが検出される。
【0035】
被写体サイズ検出機能では、例えば、撮像された画像中の移動物が被写体として認識され、その被写体の画像中でのサイズが検出される。測距機能では、例えば、撮像された画像中の移動物が被写体として認識され、その認識された被写体とカメラ11との距離がカメラ11に備えられた測距センサ11dを介して検出される。照度検出機能では、撮像された画像の輝度に基づいて監視対象の明るさが検出される。
【0036】
センサ群13には、少なくとも、各カメラ11の監視対象である撮像領域内の各箇所に配設され、侵入者等の検出を行う複数の対人センサ等が備えられている。各対人センサ11は、侵入者を検出すると、検出結果を配信装置15に出力する。
【0037】
配信装置15には、送受信部(送信手段)15aと処理部(圧縮制御手段、撮像制御手段)15bとが備えられている。送受信部15aは、通信回線1を介した基地局5との間の情報の伝送を行う。処理装置15bは、各カメラ11の電源のオン、オフ、各カメラ11の処理部11cを介した撮像部11aおよび圧縮処理部11bの制御等の撮像局3全体の制御を行う。この処理部15bの詳細な制御動作については、後述する。
【0038】
受信装置21には、送受信部21aと、伸張処理部21bと、処理部21cと、入力受付部21dとが備えられている。送受信部21aは、通信回線1を介した撮像局3との間の情報の伝送を行う。伸張処理部21bは、送受信部21aが受信した圧縮画像情報を伸張処理して画像情報として表示装置23に出力する。その出力された画像情報は、表示装置23に画像として表示される。処理部21cは、入力受付部21dを介して入力される操作入力に基づく送受信部21aおよび伸張処理部21bの制御等の基地局5全体の制御を司っている。また、処理部21cは、手動で撮像局3の各カメラ11の設定内容(撮像条件および圧縮処理の処理内容)の制御を行う際等に、入力受付部21dを介して入力される制御情報を送受信部21bを介して撮像局3に伝送する機能なども有している。
【0039】
この第1の特徴点においてさらに注目すべきは、撮像局3の配信装置15の処理部15bが、各カメラ11の処理部11cおよびセンサ群13によって検出された各監視対象の特徴に基づいて、以下に記載するように、各カメラ11の撮像部11aの撮像条件および圧縮処理部11bの圧縮処理の処理内容を処理部11cを介して自動的にあるいは半自動的に設定している点である。
【0040】
ここで、処理部15bによる撮像部11aおよび圧縮処理部11bの制御には、自動制御モード、半自動制御モードおよび手動制御モードが切り替え可能に備えられている。この制御モードの切り替えは、受信装置21の入力受付部21dを介して制御モード切替指令を入力することにより行われる。
【0041】
自動制御モードでは、予め登録された複数の撮像条件および圧縮処理の処理内容のうちから処理部11cおよびセンサ群13によって検出された各監視対象の特徴に最も適する撮像条件および圧縮処理の処理内容が、各カメラ11の処理部11cおよびセンサ群13によって検出された各監視対象の特徴に基づいて、予め設定された対応関係に従って各カメラ11ごとに決定され、各カメラ11の撮像部11aおよび圧縮処理部11bに設定されるようになっている。
【0042】
半自動制御モードでは、予め登録された複数の撮像条件および圧縮処理の処理内容のうちから処理部11cおよびセンサ群13によって検出された各監視対象の特徴に最も適する撮像条件および圧縮処理の処理内容が、各カメラ11の処理部11cおよびセンサ群13によって検出された各監視対象の特徴に基づいて、予め設定された対応関係に従って各カメラ11ごとに決定されるとともに、各カメラ11の撮像部11aおよび圧縮処理部11bの設定変更を実行するか否かの決定を促す実行決定要求信号が、送受信部15aを介して基地局21に伝送される。このとき、その実行決定要求信号とともに、その設定変更の候補となっている撮像条件および圧縮処理の処理内容が、送受信部15を介して基地局5に伝送されて、表示装置23に表示されるようにしてもよい。
【0043】
そして、基地局21の受信装置21の入力受付部21dを介して設定変更を行う旨の指令が入力されて基地局1から伝送されてきた場合には、その設定変更の候補となっている撮像条件および圧縮処理の処理内容が、各カメラ11の撮像部11aおよび圧縮処理部11bに設定される。一方、基地局21の入力受付部21dを介して設定変更を行わない旨の指令が入力されて基地局1から伝送されてきた場合には、各カメラ11の撮像部11aの撮像条件および圧縮処理部11bの圧縮処理の処理内容がそのままに保持される。
【0044】
手動制御モードでは、基地局5の受信装置21に備えられる入力受付部21dを介して操作入力され、基地局5から伝送されてくる制御情報に基づいて、各カメラ11の撮像部11aの撮像条件および圧縮処理部11bの圧縮処理の処理内容が設定される。
【0045】
ここで、自動制御モードあるいは半自動制御モード(特に、自動制御モード)では、撮像局3および基地局5間での各カメラ11の制御に必要な制御情報の伝送情報量を削減することができるとともに、制御情報の伝送に必要な伝送時間を削減して迅速な制御を行うことができるようになっている。
【0046】
なお、本実施形態では、自動制御モード、半自動制御モードおよび手動制御モードによるカメラ11の制御を、配信装置15の処理部15bが行うようにしたが、受信装置21の処理部21cに行わせるようにしてもよい。
【0047】
【表1】

【0048】
上記の表1は、自動制御モードにおける各カメラ11の撮像部11aの撮像条件および圧縮処理部11bの圧縮処理の処理内容の設定例を示している。表1の監視対象の特徴に関して、「動きが少ない」および「動きが多い」は、画像変化検出機能の検出結果に基づいて判断される。「精密な画像」か否かは、画像複雑さ検出機能の検出結果に基づいて判断される。「小さな被写体」か否かは、被写体サイズ検出機能の検出結果に基づいて判断される。「近距離の被写体」か否かは、測距機能の検出結果に基づいて判断される。「重要度が高い」か否かは、例えば、画像変化検出機能およびセンサ群13の検出結果に基づいて判断される。ここで、画像変化検出機能によって画像の変化(監視対象の変化)があった場合、あるいは、センサ群13の対人センサが侵入者を検出した場合には、その画像、あるいは対人センサが設けられた監視対象を撮像した画像が重要な画像とされる。「暗い」か否かは、照度検出機能の検出結果に基づいて判断される。
【0049】
また、表1の設定項目は、処理部15bが自動設定を行う項目を例示している。「撮像条件」は、各カメラ11の撮像部11aの撮像条件を示し、「圧縮方式」は、各カメラ11の圧縮部11bが行う圧縮方式を示し、「画像サイズ」は、各カメラ11が撮像した画像を縮小処理して基地局5に伝送する際の縮小サイズを示しており、「圧縮率」は、各カメラ11の圧縮処理部11bで圧縮処理が行われる際の圧縮の割合を示すパラメータを示し、「フレーム数」は、各カメラ11から配信装置15を介して伝送される画像のフレームレートを示している。なお、表1中、「−−」は、任意の設定でよいことを示しており、例えば、この「−−」の部分では、既存の設定状態が維持される。
【0050】
なお、表1の設定例において、撮像した画像が精密(複雑)な場合に、カメラ11の撮像部11aの絞りを絞るのは、画像の各部のピントを合わせるために、絞りを絞ることにより、撮像部11aのピントの合う距離範囲を拡大するようにしたものである。
【0051】
そして、この第1の特徴点においてさらに注目すべきは、撮像局3の配信装置15の処理部15bは、上述の3つの各制御モードにおいて、各カメラ11の撮像部11aおよび圧縮処理部11bの制御を、同一の設定内容が設定されるように、あるいは互いに関連づけられた設定内容が設定されるように同時に行うことができるようになっている点である。
【0052】
この具体的な制御例としては以下のような例が考えられる。例えば、自動制御モードにおいて、日が暮れて各カメラ11の監視対象が暗くなった場合に、各カメラ11の撮像部11aの感度を自動的に同時に上げることが考えられる。また、自動制御モードにおいて、センサ群13のいずれかの対人センサが侵入者を検出した場合に、各カメラ11の撮像部11aのパン角およびチルト角を互いに関連させて自動的に同時に変化させることにより、各カメラ11の撮像部11aを侵入者を検出した対人センサの設置個所に向かせることが考えられる。さらに、手動制御モードにおいて、受信装置21の入力受付部21dに備えられたジョイスティックなどの操作入力手段から入力されて通信回線1を介して伝送されている単一の操作信号に同期して、複数のカメラ11の撮像部11aの撮像方向(パン角およびチルト角)を同時に変化させる(例えば、複数のカメラ11を同時に右方向に向かせる)ことが考えられる。
【0053】
以上により、第1の特徴点では、各カメラ11ごとに圧縮処理部11bが設けられているため、各カメラ11の監視対象の特徴に応じて各カメラ11ごとに圧縮方式および圧縮率等のパラメータを設定することができる。
【0054】
また、各カメラ11の撮像条件および圧縮処理の処理内容が各監視対象の特徴に応じた最適な設定内容に自動的あるいは半自動的に決定される自動制御モードおよび半自動制御モードが設けられているため、監視者(ユーザ)が撮像条件および圧縮処理の処理内容をわざわざ決定する必要がなく、便利である。
【0055】
さらに、配信装置15の処理部15bが、各制御モードにおいて、各カメラ11の撮像部11aおよび圧縮処理部11bの制御を、同一の設定内容が設定されるように、あるいは互いに関連づけられた設定内容が設定されるように同時に行うようになっているため、カメラ11を1つずつ順番に制御する場合に比べて短時間で各カメラ11の制御を行うことができ、また、1回の操作入力により一度に複数のカメラ11を一度に制御することができ、便利であるとともに効率的である。
【0056】
<第2の特徴点>
図3は、図1の監視システムの部分的構成をより詳細に示すブロック図である。本実施形態に係る監視システムでは、図3に示すように、撮像局3から伝送されてきた各カメラ11に対応する各圧縮画像情報が、基地局5にて、複数の記録装置25に振り分けられて記録されるようになっている。
【0057】
撮像局3(図2および図3参照)では、配信装置15の送受信部(送信手段)15aが、各カメラ11から出力される圧縮画像情報を基地局5側でいずれのカメラ11によるものかを識別するための識別符号(ID=1〜n等)を各圧縮画像情報に付して基地局5に伝送するようになっている。このとき、各カメラ11から出力される各圧縮画像情報は、時分割多重方式により多重化されて伝送されるようになっている。ここで、各圧縮画像情報に付される識別符号には、予め各カメラ11ごとに予め固定的に付与されているものが用いられるようになっているが、予め用意された複数の識別符号のうちのいずれをいずれのカメラ11に付与するかがカメラ11に電源が投入された順番に従って、例えば、ID=1,2,3・・・のように決定されるようなものを用いてもよい。
【0058】
これに対応して、受信局5側では、各カメラ11に付与された1または複数の識別符号ごとに1つの記録装置25が均等に割り当てられており、受信装置21の送受信部(分配手段)21aは、撮像局5から時分割多重により時系列的に伝送されてくる各圧縮画像情報を受信すると、その各圧縮画像情報を、その各圧縮画像情報に付された識別符号に対応する記録装置25に振り分けて記録する。
【0059】
例えば、カメラ11が6つ、記録装置25が3つ備えなれている場合について説明する。この場合、各カメラ11にはID=1〜6の識別符号が付与され、各カメラ11から出力される各圧縮画像情報は、識別符号(ID)の若い順番に1または数フレームずつパケット方式により時系列的に基地局5に伝送されるようになっている。そして、各記録装置25には、図4に示すように、順番の隣接する識別符号(ID)が(例えば、ID=1とID=2と)が同一の記録装置25に割り当てられることがないように(いわゆるとびとびに)、3つの記録装置25に6つ識別符号が均等に割り当てられる。
【0060】
ここでは、記録装置25aには、ID=1とID=4とが割り当てられ、記録装置25bには、ID=2とID=5とが割り当てられ、記録装置25aには、ID=3とID=6とが割り当てられている。そして、各圧縮画像情報が基地局5に伝送されてくると、1パケットの各圧縮画像情報が、記録装置25a、記録装置25b,記録装置25cの順に循環的に均等に記録されるようになっている。
【0061】
以上のように、この第2の特徴点によれば、時分割多重により時系列的に基地局5に伝送されてくる各カメラ11の圧縮画像情報が、図4に例示するように、複数の記録装置25にとびとびに均等に振り分けられて記録されるようになっているため、高速度で伝送されてくる圧縮画像情報も漏れなく記録することができる。
【0062】
<第3の特徴点>
さらに、本実施形態に係る監視システムにおいては、図3に示すように、基地局5では、撮像局3から伝送されてくる各圧縮画像情報が受信装置21で受信されると、受信と同時に、送受信部21aによってその各圧縮画像情報が対応する各記録装置25に記録されるとともに、これと平行して圧縮処理部21bによって各圧縮画像情報が伸張処理されて画像情報として表示装置23に出力されて、画像として表示されるようになっている。ここで、本願に記載の処理手段には、受信装置21が対応している。
【0063】
以上のように、この第3の特徴点によれば、基地局5にて受信された圧縮画像情報が受信と同時に(圧縮画像情報に対する伸張処理が行われる前に)、バッファメモリを介さずに記録装置25に直接記録されるようになっているため、伸張処理に要する時間の長短にかかわらずに、受信した圧縮画像情報を迅速に記録することができる。
【0064】
<第4の特徴点>
さらに、本実施形態に係る監視システムにおいては、撮像局3(図2および図3参照)では、配信装置15の送受信部15が、各カメラ11から出力される各圧縮画像情報を基地局5に伝送する際に、その各圧縮画像情報に対応する画像が各カメラ11によって撮像された各時点の撮像時刻を示す時刻情報を、各圧縮画像情報に所定時間間隔で付与し、前記各圧縮画像情報とともに基地局5に伝送するようになっている。
【0065】
この点をより詳細に説明すると、各カメラ11から出力される各圧縮画像情報は、図5に示すように、時系列的に伝送される複数の画像フレーム31によって構成されており、時刻情報は、時刻フレーム33として画像フレーム31の間に介装されて伝送されるようになっている。なお、時刻情報は、各カメラ11から出力される各圧縮画像情報ごとに付与される。
【0066】
ここでは、時刻情報は、時、分、秒を示しており、1分間隔で各圧縮画像情報に付与されるようになっているが、時刻を時、分、秒のどの単位まで示すか、また、どのくらいの時間間隔で各圧縮画像情報に付与するかは、任意に変更できる。
【0067】
これに対応して、基地局5(図3参照)では、受信装置21の送受信部21aが、受信した時刻情報を各圧縮画像情報とともに、その各圧縮画像情報が対応する各記録装置25に記録するようになっている。また、送受信部21aは、受信した各圧縮画像情報に付与された各時刻情報を各記録装置25に記録する際、下記の表2に示すように、記録した各時刻情報と、その各時刻情報の各記録装置25の記録媒体内における記録位置(ロケーション、アドレス、セクタなど)とを対応付けた表(テーブル)を各記録装置25ごとに作成し、各記録装置25に記録するようになっている。なお、ここでは表を各記録装置25ごとに記録するようにしたが、すべての記録装置25における各時刻情報とその各時刻情報の記録位置とを示す表を、代表するいずれか1つの記録装置25に記録するようにしてもよい。
【0068】
【表2】

【0069】
以上のように、この第4の特徴点によれば、撮像局3から伝送される各圧縮画像情報には、撮像が行われた各時点の撮像時刻を示す時刻情報が所定時間間隔で付与されているため、基地局5側で記録している圧縮画像情報のうちから特定の時刻に撮像された画像に対応する圧縮画像情報を検索する際に、時刻情報に基づいて容易に検索することができる。
【0070】
また、基地局5の各記録装置25には、記録した各時刻情報と、その各時刻情報の各記録装置25の記録媒体内における記録位置とを対応付けた表(テーブル)が作成されて記録されているため、圧縮画像情報の検索時にこの表を各記録装置25から読み出して検索を行うことにより、さらに迅速に圧縮画像情報の検索を行うことができる。
【0071】
ここで、本実施形態の変形例として、配信装置15の送受信部15aが、時刻情報だけでなく、各カメラ11から出力される各圧縮画像情報の各時点のフレームレートを示すフレームレート情報を図5に示す各時刻フレーム33に含ませるようにしてもよい。これによって、フレームレートが、時刻情報が付与される時間間隔内に複数フレームのフレーム画像が伝送されるように設定されている場合には、基地局5側で、時刻情報と、その時刻情報が示す時刻のフレームレートとを参照することにより、フレーム単位でそのフレーム画像が撮像された時間をほぼ特定して検索することができる。例えば、時刻情報が1分間隔で付与され、フレームレートが毎秒1フレームの画像が伝送されるように設定されている場合において、12時30分30秒の画像が検索したい場合には、時刻情報に基づいて12時30分のフレーム画像を検索するとともに、フレームレートに基づいてその13時30分のフレーム画像から30枚目のフレーム画像が12時30分30秒のフレーム画像であるとして検索することができる。
【0072】
<第5の特徴点>
さらに、本実施形態に係る監視システムにおいては、撮像局3(図2参照)では、各カメラ11から出力される圧縮画像情報の伝送を開始時等に、配信装置15の送受信部15aが、各カメラ11の電源のオン、オフあるいは各カメラ11からの撮像画像の出力の有無を検出することにより、撮像動作を行っているカメラ11のカメラ台数mを検出し、台数情報として通信回線1を介して基地局5に伝送するようになっている。
【0073】
これに対応して、基地局5(図2参照)では、受信装置21の処理部21cが、図6(a)ないし図6(e)に示すように、表示装置23の画面35を格子状に均等に自然数nの2乗個の分割数で分割して得られた各表示領域35aに各カメラ11が撮像した画像を表示させる機能と、撮像局3から伝送されてくる台数情報に基づき、その台数情報が示すカメラ台数mに最適な画面25の分割数を決定する機能とを備えている。なお、本願に係る処理手段の機能は、受信装置21が担っている。
【0074】
処理部21cによる最適な画面35の分割数の決定は、
(n−1)2<m≦n2
の関係式を満たす自然数nを導出し、その自然数nの2乗を分割数することにより行われる。すなわち、カメラ台数mと最適な画面35の分割数との関係は、下記の表3のように与えられる。
【0075】
【表3】

【0076】
ここで、画面35を格子状に均等に自然数nの2乗個に分割するようにしているのは、この分割方法は単純であるため、ハード的(あるいはソフト的)に画面35の分割処理を行う際に簡単なハード構成で容易に行うことができるからである。
【0077】
このように最適な分割数で分割されて得られた各表示領域35aには、処理部21cの制御により、送受信部21aが受信した各カメラ11の各圧縮画像情報を伸張処理部21bが伸張処理して得られた各画像情報が、画像としてそれぞれ表示されるようになっている。
【0078】
以上のように、この第5の特徴点では、撮像動作中のカメラ台数mに応じて表示装置23の画面35の最適な分割数が決定され、その結果得られる各表示領域35aに基地局5に伝送された各カメラ11の画像情報が表示されるようになっているため、複数のカメラ11の画像情報を撮像動作中のカメラ台数mに応じて1台の表示手段に適切な表示サイズで表示することができる。
【0079】
以下に、この特徴点に関する変形例を記載する。複数の画像が表示装置23の各表示領域35aに表示されている状態において、異常発生時等に、その表示されている複数の画像のうちの1または複数の画像を優先させて表示させたい場合がある。このような場合には、撮像局3のセンサ群13の対人センサから出力されて伝送されてくる異常発生情報や、各カメラ11の処理部11cの画像変化検出機能により画像の変化が検出され、その処理部11cから出力されて伝送されてくる異常発生情報等に処理部21cが応答して、その異常発生情報が対応する画像の表示順序を繰り上げたり、画面25の分割数を変更してその異常発生情報に対応する画像のみをアップにして表示するようにしてもよい。あるいは、監視者から入力受付部21dを介して入力された操作入力によって選択された1または複数の画像の表示順序が繰り上げられたり、画面25の分割数を変更してその選択された1または複数の画像のみをアップにして表示するようにしてもよい。
【0080】
<第6の特徴点>
さらに、本実施形態に係る監視システムにおいては、撮像局3(図2参照)では、配信装置15の処理部15b各カメラ11の圧縮処理部(情報加工手段)11bが、各カメラ11から出力される各圧縮画像情報が送受信部15bによって時分割多重されて伝送される際の順番、および単位時間当たりに伝送される伝送情報量の配分(ビットレート配分)を決定するようになっている。決定されたビットレート配分は、各カメラ11の処理部11cを介して圧縮処理部11bに設定される。そして、各圧縮処理部11bでは、その設定されたビットレート配分に適合するように、画像情報の圧縮率を決定して圧縮処理を行うようになっている。
【0081】
例えば、図7に示す例では、4つのカメラ11から出力される4つの圧縮画像情報D1〜D4が、D1、D2、D3、D4の順番で、また、D1に40Mbps、D2〜D3に20Mbpsのビットレートがそれぞれ配分されて合計100Mbpsで伝送されるようになっている。また、図8に示す例では、3つのカメラ11から出力される3つの圧縮画像情報D1〜D3が、D2、D1、D3の順番で、また、D2に44Mbps、D1に33Mbps、D3に23Mbpsのビットレートがそれぞれ配分されて合計100Mbpsで伝送されるようになっている。
【0082】
なお、このように伝送の順番を可変にしたのは、伝送の順番を各カメラ11の監視対象の重要度の変化に対応させるためである。また、各カメラ11の画像へのビットレート配分を可変にしたのは、通信回線1を介して伝送可能なビットレートは、通信回線1、配信装置15および受信装置21等の設備環境等によって上限があり、そのビットレートを各カメラ11の画像にどのように割り振るかは、撮像を行っているカメラ11の台数や各カメラ11の画像の重要度等によって大きく変化するからである。
【0083】
処理部15bによる伝送順序およびビットレート配分の決定は、自動または手動で行われるようになっている。自動の場合は、撮像動作中のカメラ11の台数、センサ群13および各カメラ11の処理部11bによって検出された各監視対象の特徴に基づいて、伝送順序およびビットレート配分が自動的に決定されるようになっている。例えば、センサ群13の対人センサから出力されて伝送されてくる異常発生情報や、各カメラ11の処理部11cの画像変化検出機能により画像の変化が検出されてその処理部11cから出力されて伝送されてくる異常発生情報等に対応する圧縮画像情報に、大きなビットレートおよび速い伝送順序が与えられるようになっている。一方、手動の場合は、基地局5の受信装置21の入力受付部21dを介して監視者により入力されて伝送されてくる操作入力に基づいて伝送順序およびビットレートが決定される。この自動および手動の切り替えは、受信装置21の入力受付部21dを介して入力されて伝送される操作入力によって行われる。
【0084】
次に、各カメラ11の圧縮処理部11bによる設定されたビットレートに適用する圧縮率の決定方法について説明する。各圧縮処理部11bは、配信装置15の処理部15bによってビットレートが設定されると、撮像部11aから出力される画像情報を所定の圧縮率で仮の圧縮処理(仮圧縮処理)を行い、その仮の圧縮処理後の画像情報の情報量に基づいて、実際の圧縮処理によって得られる圧縮画像情報の情報量が設定されたビットレートに適合するように、実際の圧縮処理の際の圧縮率を決定する。そして、各圧縮処理部11bは、その決定した圧縮率で各画像情報を圧縮処理して圧縮画像情報として出力するようになっている。
【0085】
なお、仮の圧縮処理と実際の圧縮処理とは、圧縮率が異なるのみで同一の圧縮処理が行われる。また、圧縮処理前の画像情報に対する圧縮後の圧縮画像情報の情報の減少率は、圧縮率とほぼ比例関係にあるため、この比例関係と、仮の圧縮処理の際の圧縮率と、仮の圧縮処理の前後の画像情報の情報量とに基づいて、実際の圧縮処理の画像情報の情報量が設定されたビットレートに対応する値となるような圧縮率を決定できるようになっている。さらに、仮の圧縮処理を、圧縮率を変化させて複数回を行い、これによって圧縮率の決定精度を向上させるようにしてもよい。
【0086】
以上のように、この第6の特徴点によれば、各カメラ11から出力される各圧縮画像情報が撮像局3から基地局5に伝送される際の伝送順序およびビットレート配分が可変となっているため、撮像動作中のカメラ11の台数や、各カメラ11が撮像した画像の重要度等に応じた伝送順序およびビットレートの設定を行うことができる。
【0087】
また、その伝送順序およびビットレートの設定が自動または手動とで切り替え可能となっており、自動モードでは、撮像動作中のカメラ11の台数、センサ群13および各カメラ11の処理部11bによって検出された各監視対象の特徴に基づいて、伝送順序およびビットレート配分が自動的に決定されるようになっているため、便利である。
【0088】
ところで、圧縮方式の種類によっては一定の圧縮率で圧縮しても画像の複雑さの違いによって圧縮前の画像情報量と圧縮後の画像情報量との比率が大きく変化するものがあり、このような圧縮方式では圧縮後の画像情報量を予測するのが困難であるが、この第6の特徴点によれば、仮圧縮処理の結果に基づいて画像情報に行う圧縮処理の圧縮率が決定されるようになっているため、採用する圧縮方式の種類や画像の複雑さによらずに、実際の圧縮処理後の圧縮画像情報の情報量が設定されたビットレートに適合するように、各画像情報に対して行う圧縮処理の圧縮率を容易にかつ迅速に決定することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 通信回線
3 撮像局
5 基地局
11 カメラ
11a 撮像部
11b 圧縮処理部
11c 処理部
13 センサ群
15 配信装置
15a 送受信部
15b 処理部
21 受信装置
21a 送受信部
21b 伸張処理部
21c 処理部
21d 入力受付部
23 表示装置
25 記録装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1局で撮像した画像を通信回線を介して第2局に伝送する撮像システムであって、
前記第1局は、
所定の撮像対象を撮像して画像情報を出力するカメラと、
前記カメラから与えられる前記画像情報を前記通信回線を介して前記第2局に伝送する送信手段と、を備え、
前記第2局は、
互いに独立して前記画像情報の所定の記録媒体への記録動作を行う複数の記録手段と、
前記第1局から伝送されてくる前記画像情報を受信して前記複数の記録手段に振り分けて記録させる分配手段と、を備えることを特徴とする撮像システム。
【請求項2】
前記カメラは、前記第1局に複数備えられ、
前記送信手段は、前記各カメラから出力される前記各画像情報を、前記各画像情報を識別するための識別情報をそれぞれ付して多重化して前記通信回線を介して前記第2局に伝送し、
前記分配手段は、前記各画像情報が前記複数の記録手段に均等に振り分けられるように、1または複数の前記カメラの前記画像情報ごとに1つの前記記録手段を割り当て、前記識別情報に基づいて前記各画像情報を識別して対応する前記各記録手段に記録することを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−89444(P2009−89444A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16343(P2009−16343)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【分割の表示】特願2000−18923(P2000−18923)の分割
【原出願日】平成12年1月27日(2000.1.27)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】