説明

改良された接触パッドを有する半導体デバイスとその製造方法

半導体デバイスおよびその製造方法が開示される。このデバイスは、1以上の導電性ゲート(11)を具えた活性半導体領域(1A)と、前記活性半導体領域(1A)の周辺に位置し主としてフィールド酸化領域(3)よりなるコンタクト領域(1B)とを具える。周辺コンタクト領域(1B)上、および、少なくとも一部の活性半導体領域(1A)上に、導電性ゲート(11)の間にコンタクト窓(19a)が形成された絶縁層(17)が積層される。絶縁層(17)上に積層された金属コンタクトパッド(23)が、前記コンタクト領域(1B)に設けられる。この金属コンタクトパッド(23)は、導電性のパターンを介して、絶縁層(17)の下に埋設されているコンタクトストリップ(15)に接触し、この導電性のパターンは、コンタクト窓(19b)充填物の複数個で構成されており、コンタクトパッド(23)の実質的な領域を横切って延びている。このパターンは平行な一連のトレンチに充填されたもので構成されているのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスの金属コンタクトに関する。本発明は、特に、しかしそれに限定されることなく、トレンチゲート型およびDMOS型のパワー半導体デバイスのゲートコンタクトの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
トレンチ型MOSFETのような、トレンチゲート型のパワー半導体において、活性シリコン(すなわちソース電極)へのコンタクト窓のサイズは、トレンチ密度の増加に伴って減少する。とりわけ、デバイスの密度を増加させるためトレンチ幅とトレンチ間隔とを減少させたときには、これに対応させてソースに対するコンタクト窓のサイズを減少させなければならない。このサイズの減少の結果、望ましくないことではあるが、活性シリコンへのコンタクト窓に形成されたアルミニウムコンタクトのコンタクト抵抗は増加する。同様な問題がDMOSパワー半導体にも起こっている。このようなコンタクト抵抗の増加の問題を解決するために、アルミニウム金属層を形成するのに先立って、コンタクト窓に1以上のコンタクト層もしくはバリア層を設けてコンタクト抵抗を低減することが知られている。コンタクト層は、例えば、アルミニウムコンタクトを形成する前に、活性基板上に積層された絶縁層の上、および、この絶縁層を貫通させて形成したコンタクト窓内に、チタンの層を積層させることによって形成することができる。窒化チタンのバリア層がこのチタン層の上に形成され、そのあと、シリサイドアニール処理を施すことにより、チタンのコンタクト層を、活性シリコンに対して極めて低い抵抗を有するシリサイドチタンに変性することが行われる。
【0003】
コンタクト層/バリア層を使うことは、活性シリコンへのアルミニウムソース電極のコンタクト抵抗を低減することになりソースコンタクトの信頼性を改良するすることは分かってきたが、ゲートコンタクトパッド領域にそのようなコンタクト層/バリア層が存在することが問題であることも分かってきた。この問題について図1を参照して説明する。
【0004】
図1は、典型的な従来のトレンチ型MOSFETデバイスのアルミニウムゲートコンタクトを模式的に示す断面図であり、このゲートコンタクトは、多くの場合、半導体(例えばシリコン)基板1上の活性シリコン領域の周辺に位置するフィールド酸化物領域内に設けられる。活性シリコン領域でトレンチゲートと接触しているドープポリシリコンストリップ(図示なし)が、周辺ゲートコンタクト領域内のフィールド酸化物3上に積層されたポリシリコンゲートコンタクトパッド9まで延在し、その上に設けられたTEOS(二酸化珪素)層17によって絶縁されている。ゲートコンタクトパッドを画成する境界の縁に沿って延在するコンタクトリングが、TEOS層17を貫通してポリシリコンゲートコンタクト9まで延びている。このコンタクトリングは、コンタクト層/バリア層18に被覆されていて、このコンタクト層/バリア層18は、チタンシリサイドと窒化チタンとを含有するとともに、アルミニウムコンタクトパッド23を形成するようコンタクト層/バリア層18上に延在するアルミニウムが充填されている。このゲートコンタクトは、一般的に、活性領域にソースコンタクト窓を形成すると同時に、TEOS17の中にコンタクトリングをエッチングすることによって形成される。続いて、チタン/窒化チタンの層がTEOS層17の上に形成され、そして、上記のように、ソースコンタクトのコンタクト抵抗を改良するためにチタンをチタンシリサイドに変性するアニール処理が行われる。次に、アルミニウムが、図1に示すように、ゲートコンタクトパッドを完成させるために形成されエッチングされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゲートコンタクトの一部を構成する窒化チタンのバリア層は、その下に積層されているTEOS層に対して接着性がよくなく、窒化チタンの下層からの剥離、その結果として、ゲートボンドパッドのアルミニウムの下層からの剥離が発生し、ゲートコンタクトの減少、そして、それに続くデバイスの故障を引き起こす可能性があることが分かってきた。
【0006】
本発明は、大きくは、金属コンタクトパッドの、絶縁層を貫通してその下にあるコンタクトストリップに対する機械的、電気的な接触を改良することにある。
【0007】
本発明は、さらに、金属コンタクトパッド、及び/又は、コンタクト層の、これらに対応する1以上の下層に対する接着性を改良することを目的とする。例えば、このコンタクトパッドが、窒化チタンのコンタクト層よりなるコンタクトを有するパワー半導体デバイス(トレンチ型MOSFET又はラテラルDMOS)のゲートコンタクトパッドである場合には、この発明の目的は、このコンタクトの接着性を改良することにあり、特に、窒化チタンの、下層となっている絶縁層やポリシリコンコンタクトストリップに対する接着性を改良するものであり、このことによって、コンタクト層を介在させることによってソースコンタクトのコンタクト抵抗を改良の効果を生かすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一の態様によれは、本発明は、1以上の導電性ゲートを具えた活性半導体領域と、前記活性半導体領域の周辺に位置するコンタクト領域と、この周辺コンタクト領域上、および、少なくとも一部の活性半導体領域上に積層され、前記導電性ゲートの間に1以上のコンタクト窓が貫通するように形成されている絶縁層と、前記コンタクト領域内の前記絶縁層上に積層された金属のコンタクトパッドとを具える半導体デバイスにおいて、前記金属のコンタクトパッドは、導電性のパターンを介して、前記絶縁層の下に埋設されているコンタクトストリップに接触しており、この導電性のパターンは、複数の充填済みコンタクト窓で構成されており、コンタクトパッドの大部分の面積を横切って延びていることを特徴とする半導体デバイスを提供する。
【0009】
導電性のパターンは、コンタクトパッドの大部分の面積を横切って延びているので、コンタクトストリップと接触している面積が増加し、金属コンタクトパッドとその下層との機械的、電気的接触を改良することができる。
【0010】
さらに、導線性のパターンが絶縁層に対する接着性が乏しい材料よりなるバリア層またはコンタクト層を含む場合(例えば窒化チタンのバリア層とTEOSの絶縁層との場合)にも、このコンタクトストリップと接触しているコンタクト層もしくはバリア層の表面積を増加させ、このパターン(通常ポリシリコンよりなる)はコンタクトストリップに対しては良接着性を有しているため、このことによって、金属コンタクトパッドの総合的な接着性を改良する。
【0011】
そして、好ましくは、この導電性のパターンは、金属コンタクトパッドの表面積の少なくとも3分の1の面積を横切って延在するのが好ましく、さらには、この表面積の3分の2を越えているのが好ましい。
【0012】
実施形態の1つとして、導電性パターンは、実質的に金属コンタクトパッドの全面積にわたって延在することもできる。
【0013】
いくつかの実施形態においては、前記導電性のパターンは、複数本の実質的に平行なトレンチのコンタクトからなるものとすることができる。これらのトレンチのピッチおよび幅等の寸法は、理想的には、活性領域にあるゲート間のコンタクト窓のピッチおよび寸法に実質的に対応しているのが好ましい。このことによって、その形成に際し、活性領域およびコンタクト領域におけるコンタクト窓のエッチングを同時に完成することができ、その結果、エッチングされたコンタクトの信頼性を向上させることができる。
【0014】
他の実施形態においては、そのパターンを、同心のリングまたは円弧として、あるいは、同心の正方形または直交するトレンチとして与えることもできる。
【0015】
導電性のパターンによって占有される表面積は、金属コンタクトパッドの全面積の5%〜50%とするのが好ましく、これを約10%とするのとさらに好ましい。
【0016】
充填済みのコンタクト窓よりなる導電性パターンによって占有さえるコンタクトの面積の割合を増やすことによって、従来の1本のコンタクトリングだけのものと比較して、より大量のコンタクト層/バリア層を形成する材料を、金属材料(例えばアルミニウム等)の充填に先立ってコンタクト窓に供給し、このより大量の材料を、絶縁層より良好な接着性を有するコンタクトストリップに接触させることができる。このようにして、コンタクト層/バリア層(例えば窒化チタンよりなる)のリスクを低減することができ、コンタクト層/バリア層と絶縁層との接着不良に起因して、アルミニウム等の金属材料が下層のTEOS層等の絶縁層から剥離するリスクを低減することができる。
【0017】
第二の態様によれば、本発明は、1以上の導電性ゲートを具えた活性半導体領域と、前記活性半導体領域の周辺に位置するコンタクト領域と、前記周辺コンタクト領域上、および、少なくとも一部の活性半導体領域上に積層され、前記導電性ゲートの間の位置に1以上のコンタクト窓が貫通して形成された絶縁層と、前記周辺コンタクト領域において、前記絶縁層上に積層された導電性のコンタクトパッドとを具える半導体デバイスにおいて、前記コンタクトパッドは、充填済みコンタクト窓よりなる導電性のパターンを介して、前記絶縁層の下に埋設されているコンタクトストリップに接触しており、このコンタクト窓は、実質的に平行もしくは同心円状の複数のトレンチで構成された導電性のパターンを形成していることを特徴とする半導体デバイスを提供する。
【0018】
前記パターンの寸法及び/又はピッチは、理想的には、実質的に、活性領域の1以上のコンタクト窓の寸法及び/又はピッチに対応しているのがよい。
【0019】
第三の態様によれば、本発明は、半導体基板に、活性半導体領域、および、前記活性半導体領域の周辺に位置するコンタクト領域を画成する工程と、前記半導体基板上にフィールド酸化物領域を形成する工程と、前記活性半導体領域に、導電性のゲート、および、それらのゲートの少なくともいくつかから前記コンタクト領域に延びるコンタクトストリップを形成するため、前記ポリシリコン層にパターンを形成する工程と、パターンが形成されたポリシリコン層の上に絶縁層を形成する工程と、前記活性半導体領域内のゲートの少なくともいくつかの間にコンタクト窓を絶縁層を貫通して形成するとともに、コンタクト領域のコンタクトストリップ上に複数のコンタクト窓を形成する工程と、コンタクト窓内、および、絶縁層上に導電性材料の層を形成する工程と、前記活性半導体領域内および前記コンタクト領域のゲートコンタクトパッドに金属コンタクトを形成するために、前記導電層にパターンを形成する工程とを具え、ゲートコンタクトパッドをコンタクトストリップに接触させている複数の充填済みコンタクト窓はコンタクトパッドの大部分の面積を横切って延びていることを特徴とする半導体デバイスの製造方法を提供する。
【0020】
コンタクト窓内、および、絶縁層上に導電性材料層を形成する工程は、コンタクト層もしくはバリア層を、コンタクト窓内、および、絶縁層上に形成する工程と、コンタクト層もしくはバリア層の上に金属材料の層を形成する工程とよりなるものとするのが好ましい。
【0021】
本発明の他の随意的な特徴および効果については、以下の記載と付帯するクレームから明かであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施形態について、例示説明だけでもしくは付属する図も参照して、以下に記載する。
【0023】
なお、それらの図は、例示の目的のためだけに示すものであり、実寸ではない。また、図中の同様の要素については、同じ参照番号を付けて対応させた。
【0024】
図2a〜2eは、本発明に係る第一実施形態のトレンチゲート型パワー半導体デバイスの製造における工程を示すものである。
【0025】
図2aに一般的に示すように、このデバイスは、半導体基板1(例えば、シリコン単結晶基板)の、活性半導体領域1Aと、その周辺に位置するコンタクト領域1Bとを具える。活性半導体領域1Aは、基板1内に形成された複数のトレンチゲート型MOSFETを具え、周辺コンタクト領域1Bは、周辺フィールド酸化物領域を構成している。
【0026】
図2aに示す工程に先立って、コンタクト領域1Bに厚いフィールド酸化物層3が成長によって形成され、活性領域1Aにトレンチ5がエッチングされ、トレンチ5内にゲート誘電体7が形成され(例えば酸化物を成長させることにより)、そして、トレンチ5内およびフィールド酸化物3上にポリシリコン9が積層され、適切なドーパントがドープされる。
【0027】
続いて、図2bに示すように、ポリシリコン9がエッチングされる。特に、活性領域1A内のポリシリコン9はエッチングされて、トレンチ5にポリシリコンが充填されてポリシリコンゲート11が形成された基板1となり、一方、コンタクト領域1B内のポリシリコンは、適当なエッチングマスクを用いてエッチングされ、比較的大きなポリシリコンゲートコンタクトパッド15が残される。ポリシリコンゲート11をポリシリコンコンタクトパッド15に接続しているポリシリコンストリップ(図示なし)も、そのエッチングマスク(図示なし)を用いてポリシリコンゲートコンタクトパッド15と一体的に形成されることは理解できるであろう。このように、ポリシリコンコンタクトパッド15は、ポリシリコンストリップの終点部分であり、したがって、コンタクトパッドとコンタクトストリップという用語は同意的に用いられる。
【0028】
絶縁層17が、図2Cに示すように、活性領域1Aおよびコンタクト領域1Bに形成される。絶縁層17には、二酸化珪素、TEOS、窒化珪素、ONOのような絶縁スタック、ポリマー絶縁体等、適当な絶縁材料であればどんな材料を用いてもよい。このような絶縁層17は、従来のもしくは既知の方法により積層して形成することができる。
【0029】
絶縁層17は、次に、従来の技術を用いてパターンが形成されエッチングされてコンタクト窓19a、19bが形成される。特に、図2dに示すように、絶縁層17を貫通するコンタクトバイアスは、下層の基板にソースコンタクト形成用のコンタクト窓19aを設けるために、少なくとも数本の(通常は全ての)トレンチゲート11の間に均等な間隔でエッチングされる。これに加えて、ポリシリコンゲートコンタクトパッド15にコンタクト窓19bを付与するために、トレンチ形状バイアスのコンタクトパターンが、前記均等な間隔と同じ間隔でコンタクト領域1Bの絶縁層17を貫通してエッチングされる。絶縁層17のエッチングは、図2dに示すように基板1の表面で止まっている。
【0030】
いくつかの実施形態においては、活性領域1Aのコンタクト窓19aと、コンタクト領域1Bのコンタクト窓19bとは、それらの構造およびピッチにおいて実質的に同じであるのが好ましい。これは、活性領域1Aと周辺領域1Bとでは、エッチング寸法が同じであること、および、エッチングされる絶縁材料の構成が同じであることによって、絶縁層17を貫通させるコンタクト窓19aのエッチングは、コンタクト窓19bのエッチングと実質的に同時に終了することができるという点で有利である。
【0031】
例示された実施例におてい、バリア層もしくはコンタクト層18は、絶縁層17の上と、活性領域1Aのコンタクト窓19a内とコンタクト窓19b内とに形成される。例えば、チタンと窒化チタンとの2層よりなる連続コンタクト層を用いることができる。特に、そして従来技術に従って、チタンのようなシリサイド金属の連続層が、コンタクト層として、絶縁層17上、ゲートコンタクト窓19b内、およびソースコンタクト窓19a内に形成されるとともに、窒化チタンのバリア層がそのチタン層の上に形成される。続いて、この構造は、ソースコンタクト窓19aの基部においてチタン層をシリサイドチタン(図示なし)に変性するために加熱され、このことによって、ソースコンタクトのコンタクト抵抗を改良することができる。窒化チタンよりなるバリア層18は、図2eに示すように、最後まで残る。他の実施形態として、バリア層またはコンタクト層は、チタン、タングステン、コバルト、ニッケル、タンタル、モリブデン、プラチナ等のような他のシリサイド金属で形成することもできる。これに代えて、いくつの実施形態においては、バリア層やコンタクト層を全く無しにすることもできる。
【0032】
そして、導電性の材料よりなる金属層21が、コンタクトを形成するため、図2eで示すように、前記の完成した構造の上に積層される。通常、導電性の金属は、アルミニウムのような金属で構成される。
【0033】
続いて、比較的大きな表面積を有するコンタクトパッド23を形成するため、金属層21に、図5に示すように、他の導電性の金属構造と同様にしてパターンが形成される。コンタクトパッド23は、ポリシリコンに対して比較的大きな機械的および電気的接触表面積を有する複数のコンタクトよりなるパターンによって、下層のポリシリコンゲートパッド15に接触しているので、そしてまた、このコンタクトパターンは、コンタクトパッド表面に対して高い占有比率をもって延在するので、それらに対する接着不足に起因する、金属材料及び/又はコンタクト層又はバリア層がTEOSから剥離するリスクが最小化されて、有利なものとなる。
【0034】
代替の実施形態として、図2dに示すように、基板面まで絶縁層17をエッチングする工程のあと、活性領域1Aのシリコンをさらにエッチングし、従来技術において知られている通り、図3aに示すように、ソースモートコンタクト19a‘を形成してもよい。このモートコンタクトを形成する追加のエッチング工程で、コンタクト領域1B内にポリシリコンコンタクトパッド15もエッチングすることもできる。このように、コンタクト窓19b’がポリシリコン15内を延びてフィールド酸化物3の表面に(好ましくはフィールド酸化物3の中に入らないようにして)達するように形成される。このあと、金属層23のためのコンタクト層又はバリア層と導電層とが、上の図2eに関して説明した前記の構造の上に、図3bに示すように形成される。コンタクト領域1B内のモートコンタクトは、ポリシリコン15に接触するコンタクト層18の表面積をさらに増加させ、このことによって接着をさらに向上させる。
【0035】
本発明は、トレンチ型MOSFET以外の半導体デバイス構成にも用いることは、当業者にも理解できるであろう。例えば、この発明は、図4a〜4eを参照して説明するように、ラテラルパワーDMOSデバイスにも用いることができる。なお、図4a〜4eは、図2a〜2eと同様の図であり、同様の特徴を有する部分には同じ符号を用いている。
【0036】
図4a〜図4eのデバイスにおいて、活性領域1Aは、基板100上に形成されたDMOSゲート111の複数個を具え、周辺コンタクト領域1Bは周辺フィールド酸化物領域を構成する。
【0037】
図4aに示した工程に先立って、薄いゲート誘電層107が活性領域1A内に形成され、厚いフィールド酸化物層103がコンタクト領域に成長されて形成される。そのあと、図4aに示すように、ポリシリコン109の層が、活性領域1Aおよび周辺コンタクト領域1B上に積層され、ドープされる。
【0038】
引き続いて、図4bに示すように、ポリシリコン109がエッチングされる。特に、ポリシリコン109の層にフォトリソグラフのような従来のパターン化技術を用いてパターンが成され、この層は、活性領域1A内にポリシリコンDMOSゲートを形成するためにエッチングされ、そして、比較的大きいポリシリコンゲートコンタクトパッド115がコンタクト領域1Bに形成される。ポリシリコンゲート111をポリシリコンゲートコンタクトパッド115に接続するためのポリシリコンストリップ(図示せず)がこの工程において一体的に形成されること、そして、コンタクトパッド115はこのようなコンタクトストリップの終点を構成することは容易に分かるであろう。
【0039】
絶縁層117が、図4cに示すように、活性領域1Aおよびコンタクト領域1Bの上に形成される。絶縁層117は、二酸化珪素、TEOS、窒化珪素、ONOのような絶縁スタック、ポリマー絶縁体等の適当な絶縁材料で構成することができる。この絶縁層は、既知の従来の方法を用いて積層することができる。
【0040】
絶縁層117は、次に、コンタクト窓19a、19bを形成するために、従来の技術を用いてパターンが形成されエッチングされる。特に、図4dに示すように、絶縁層117を貫通するコンタクトバイアスは、ソースコンタクト形成用に、下層の基板にコンタクト窓119aを設けるために少なくとも数本の(図示のように通常は全ての)DMOSゲート111の間に均等な間隔でエッチングされる。これに加えて、ポリシリコンゲートコンタクトパッド115にコンタクト窓119bを付与するために、トレンチ形状バイアスのコンタクトパターンが、前記均等な間隔と同じ間隔でコンタクト領域1Bの絶縁層117を貫通してエッチングされる。絶縁層117のエッチングは、図4dに示すように、基板100の表面で止まっている。
【0041】
いくつかの実施形態においては、活性領域1Aのコンタクト窓19aとコンタクト領域1Bとのコンタクト窓19bとのピッチおよび形状(例えば寸法)は実質的に同じであるのがよい。
【0042】
例示された実施形態において、バリア又はコンタクト層118が、活性領域1Aでは、絶縁層117上およびコンタクト窓119a内に形成され、コンタクト領域1Bでは、コンタクト窓119b内に形成される。例えば、従来技術に従って、チタンのようなシリサイド金属の層が、コンタクト層として、絶縁層117上、ゲートコンタクト窓19b内、およびソースコンタクト窓19a内に形成されるとともに、窒化チタンのバリア層がそのチタン層の上に形成される。続いて、この構造を加熱することによりチタン層がシリサイドチタン(図示なし)に変性され、このことによって、窒化チタンよりなるバリア層118を残したままソースコンタクトのコンタクト抵抗を改良することができる。いくつの他の実施形態においては、バリア層又はコンタクト層は他の材料で形成することができ、さらに、バリア層118を全く無しにすることもできる。
【0043】
導電性金属よりなる金属層121が、次に、図4eに示すように、コンタクトを形成するために前記の完成された構造の上に積層される。普通、導電性の金属は、アルミニウムのような金属で構成される。
【0044】
図5a、5bは、本発明に係る実施形態によるゲートコンタクトを示すものである。この例示において、窒化チタンよりなるバリア層18が、TEOS絶縁層17上とゲートコンタクト窓19b内とに設けられ、これらは、ソースコンタクト窓19aと同様の形状とピッチとを有する平行なトレンチの集まりとして形成される。なお、図5aと5bとに例示されたトレンチのピッチと形状とはスケールに合ったものではない。このようにアルミニウムコンタクトパッド23は、窒化チタンで覆われアルミニウムが充填された、コンタクトパッド23の実質的に全領域を横切って延在するトレンチよるなる導電性コンタクトパターンによって電気的および機械的にポリシリコンゲートコンタクトパッドに接触している(図5b参照)。上述のように、窒化チタンは、TEOSに対して接着性は悪い。しかし、接着性が良好なポリシリコンに対してはそれが接触する表面積は、図1に示した従来のコンタクトリングと比較して増加しているので、コンタクトパッド23の接着性を向上させ、それによって、窒化チタンとその上のアルミニウムコンタクトパッドとが剥離しデバイスが駄目になってしまうリスクが低減される。
【0045】
コンタクトパターンは、充填されたトレンチが平行に延在するパターンでなくてもよく、一連の同心のリングや円弧でもよく、同心の正方形、直交するトレンチのパターンや他の同様なパターンでもよい。これに加えて、コンタクトパターンは、コンタクトパッドの全領域をカバーしている必要もない。例えば、図6aは、直交して並んだ導電性のトレンチのパターンを示し、図6bは、導電性材料で被覆され充填された同心の正方形のトレンチよりなるパターンを示す。図6aを参照すると、導電性パターンは金属コンタクトパッドの全面積Aを占める必要はない。一般的に、導電性コンタクトパターンは、コンタクトパッドの全面積Aの3分の1以上の面積Bを占めるのがよく、より好ましくは、面積Aの少なくとも3分の2あるのがよい。これとともに、パターンのサイズ、寸法、およびピッチ等の特性は、ソースコンタクト窓のエッチングが同時に行われるよう最適化するのがよい。コンタクトパッドの全面積の少なくとも3分の1以上を占めるようにコンタクトパターンを選択することにより、下層のポロシリコンゲートコンタクトストリップに対する機械的、電気的なコンタクトを確保するとともに、良好な接着性を得ることができる。
【0046】
ある実施形態においては、上記に説明したエッチング絶縁材料によって形成されたコンタクトパターンは、コンタクトパッド23の主要部分を構成する絶縁材料の全面積Aの5%〜50%の、面積C(図6bにおけるハッチング部分)を占めている。コンタクトパターンの形状(例えばトレンチ)の寸法が、ソースコンタクト窓のものと同等であるトレンチ型MOSFETのような典型的な実施形態においては、面積Cは金属コンタクトパッドを構成する全面積Aの10%程度のものとすることができる。
【0047】
同業者であれば、本発明は、パワートレンチMOSFETやDMOS以外のコンタクトパッドにも適用できることが明らかであろう。例えば、TOPFETデバイスのコンタクトパッドに用いることができる。
【0048】
上記の開示を読めば、当業者には、他のバリエーションや変形例が可能であることは明かであろう。このようなのバリエーションや変形例には、従来技術として既に知られている特徴に等価なものやそれ以外のもの、そして、この明細書に既に記載された特徴に代替され追加されて使用されるものも含む。
【0049】
従属クレームは、特徴の特別な組み合わせを示しているものの、現在いずれかのクレーム中にクレームされているのと同じ発明に関連するか否かに関わりなく、また、本発明が解決するのと同じ技術課題の一部もしくは全部を解決するかに関わらず、本発明の開示範囲は、この明細書に明示的に、暗示的に、あるいは、それらを一般化して開示されたいずれの新規な特徴もしくはそれらの新規な組み合わせ含むものとして理解されるべきである。
【0050】
別の実施形態として記載されている特徴は、単一の実施形態の組み合わとして付与することもできる。逆に、簡潔にするために単一の実施形態中に記載されている種々の特徴は、バラバラにして別個に、もしくは、適当な下位の組み合わせとして付与される。出願人は、新規クレームが、本出願もしくは本出願に由来するすべてのさらなる出願が係属中である間は、それらの特徴及び/又はそれらの特徴の組み合わせに合わせて立てられることが可能であることに注意を喚起しておく。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】従来のトレンチゲート型パワー半導体デバイスのゲートコンタクトを示す断面図である。
【図2】本発明に係る第一の実施形態のトレンチゲート型パワー半導体デバイスを製造する工程を示す図である。
【図3】本発明に係る第二の実施形態のトレンチゲート型パワー半導体デバイスを製造する工程を示し、第一の実施形態における図2eの工程を置換した工程を具えている。
【図4】本発明に係る第三の実施形態のDMOS型パワー半導体デバイスを製造する工程を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るパワー半導体デバイスのゲートコンタクトパッドを示す模式的透過断面図および模式的平面図である。
【図6】本発明に係る代替の実施形態のゲートコンタクトパッドを示す模式的平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の導電性ゲートを具えた活性半導体領域と、
前記活性半導体領域の周辺に位置するコンタクト領域と、
この周辺コンタクト領域上、および、少なくとも一部の活性半導体領域上に積層され、前記導電性ゲートの間にコンタクト窓(19a)が貫通するように形成されている絶縁層と、
前記コンタクト領域内の前記絶縁層上に積層された導電性のコンタクトパッドと、を具える半導体デバイスにおいて、
前記コンタクトパッドは、導電性のパターンを介して、前記絶縁層の下に埋設されているコンタクトストリップに接触しており、この導電性のパターンは、複数の充填済みコンタクト窓(19b)で構成されており、コンタクトパッドの大部分の面積を横切って延びていることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項2】
前記導電性のパターンを形成するコンタクト窓は、実質的に平行もしくは同心円状の複数のトレンチ(19b)で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
1以上の導電性ゲートを具えた活性半導体領域と、
前記活性半導体領域から離れて位置するコンタクト領域と、
前記周辺コンタクト領域上、および、少なくとも一部の活性半導体領域上に積層され、前記導電性ゲートの間の位置に1以上のコンタクト窓(19a)が形成された絶縁層と、
前記周辺コンタクト領域において、前記絶縁層上に積層された導電性のコンタクトパッドと、を具える半導体デバイスにおいて、
前記コンタクトパッドは、充填済みコンタクト窓(19b)よりなる導電性のパターンを介して、前記絶縁層の下に埋設されているコンタクトストリップに接触しており、このコンタクト窓(19b)は、実質的に平行もしくは同心円状の複数のトレンチ(19b)で構成された導電性のパターンを形成していることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項4】
前記トレンチ(19b)のピッチは、活性半導体領域のゲートの間のコンタクト窓のピッチに実施的に対応していることを特徴とする請求項2もしくは3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記トレンチ(19b)の形状は、活性半導体領域のゲートの間のコンタクト窓のピッチに実施的に対応していることを特徴とする請求項2、3又は4のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記絶縁層上、および、コンタクト窓(19a、19b)内に積層されたコンタクト層又はバリア層を具えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記コンタクト層又はバリア層は、チタン、タングステン、コバルト、ニッケル、タンタル、モリブデン、プラチナ、および、コバルトとその窒化物よりなる群から選択された材料を具えることを特徴とする請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記絶縁層が、TEOS、二酸化珪素、窒化珪素、および、ポリマー絶縁体よりなる群より選ばれた材料を具えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記コンタクトストリップは、前記活性領域の導電性ゲートの少なくともいくつかと接触しているドープポリシリコンのストリップを具えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項10】
パワートレンチ型MOSFET、ラテラルパワーDMOS、又は、TOPFETを具えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記導線性のパターンは、前記コンタクトパッドの全面積の少なくとも3分の1の面積を占めることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項12】
導電性のパターンを形成するコンタクト窓(19a)は、前記コンタクトパッドの全面積の5%〜50%の面積を占めることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項13】
半導体基板に、活性半導体領域、および、前記活性半導体領域の周辺に位置するコンタクト領域を画成する工程と、
前記半導体基板上の前記コンタクト領域内にフィールド酸化物領域を形成する工程と、
前記活性半導体領域および前記コンタクト領域のフィールド酸化物の上にポリシリコン層を設ける工程と、
前記活性半導体領域に、導電性のゲート、および、それらのゲートの少なくともいくつかから前記コンタクト領域に延びるコンタクトストリップを形成するため、前記ポリシリコン層にパターンを形成する工程と
パターンが形成されたポリシリコン層の上に絶縁層を形成する工程と、
前記活性半導体領域内の少なくともいくつかのゲートの間にコンタクト窓(19a、19b)を、絶縁層を貫通して形成するとともに、コンタクト領域のコンタクトストリップ上に複数のコンタクト窓(19b)を形成する工程と、
コンタクト窓(19a、19b)内、および、絶縁層上に導電性材料の層を形成する工程と、
前記活性半導体領域内および前記コンタクト領域のゲートコンタクトパッド(23、123)に金属コンタクトを形成するために、前記導電層にパターンを形成する工程と、を具え、
ゲートコンタクトパッドをコンタクトストリップに接触させている複数の充填済みコンタクト窓(19b)はコンタクトパッドの大部分の面積を横切って延びていることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
【請求項14】
コンタクト窓(19a、19b)内、および、絶縁層上に導電性材料の層を形成する工程は、コンタクト層を、コンタクト窓(19a、19b)内、および、絶縁層上に形成する工程と、コンタクト層の上に金属材料をの層を形成する工程とよりなることを特徴とする請求項13に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項15】
半導体基板をシリコンで構成し、コンタクト層を、シリサイド金属で構成するとともに、前記コンタクト層を形成する工程の後、活性半導体領域内のコンタクト窓(19a)の基部にシリサイドを形成するためコンタクト層をアニールする工程を具えることを特徴とする請求項14に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項16】
前記コンタクト層は、前記絶縁層の材料に対して接着性の乏しい材料で構成することを特徴とする請求項14もしくは15に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項17】
前記コンタクト窓(19a、19b)を形成する工程は、コンタクト領域にバイアスパターンをエッチングする工程を具え、このパターンは、コンタクトパッドの全面積の少なくとも3分の1の面積を占有することを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項18】
前記コンタクト窓(19a、19b)を形成する工程は、コンタクト領域)にバイアスパターンをエッチングする工程を具えるとともに、このバイアスパターンは、コンタクトパッドの面積の5%〜50%の面積を占めることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項19】
前記バイアスパターンをエッチングする工程は、バイアスを平行もしくは同心円のトレンチの形状にエッチングする工程を具えることを特徴とする請求項17もしくは18に記載の半導体デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【公表番号】特表2009−510758(P2009−510758A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532960(P2008−532960)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際出願番号】PCT/IB2006/053535
【国際公開番号】WO2007/036898
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(507219491)エヌエックスピー ビー ヴィ (657)
【Fターム(参考)】