説明

整列コンベア用供給装置及びその運転方法、並びに箱詰め装置。

【課題】無端軌道に載っている物品の回転角度を正確に判断することができ、かつ正確な回転角度の判断を比較的低コストで実現できる整列コンベア用供給装置の運転方法、及びその運転方法を利用した整列コンベア用供給装置及び箱詰め装置を提供する。
【解決手段】本発明の整列コンベア用供給装置の運転方法は、無端軌道204と、無端軌道204の上方に配設された二次元コード読み取り装置202と、二次元コード読み取り装置202と通信可能に構成された制御装置30と、を有し、二次元コード読み取り装置202が無端軌道204によって搬送される物品Wの上面に表示されている二次元コードQの読み取り角度を取得する角度取得ステップと、制御装置30が読み取り角度を二次元コード読み取り装置202から取得して読み取り角度に基づいて物品Wの回転角度を算出する回転角度算出ステップと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整列コンベアの複数の仕切板間に物品を供給する整列コンベア用供給装置の運転方法と、その運転方法を利用した整列コンベア用供給装置及び箱詰め装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2に示すように、複数の仕切板間に物品を収容することによって物品を整列させる整列コンベアは、箱詰め装置の一部として用いられている。ここで、箱詰め装置は、無端軌道が折り返す送出側折返し部において一連の仕切板間に物品を収容して物品を整列させる整列コンベアと、前記物品の整列方向側方から全ての前記物品を押し出して物品列を形成する押出装置と、前記物品列を列方向から挟圧する挟圧装置と、前記物品列の床を開閉する開閉装置と、前記床が撤去された状態において前記挟圧された前記物品列の上面を下方に押して前記物品列を前記挟圧板間から下方に脱出させて、前記床の下方に待機する外装箱に前記物品列を押し込む押し込み装置と、を有する。また、特許文献1及び2を含め、整列コンベアの複数の仕切板間に物品を供給する整列コンベア用供給装置には、無端軌道を用いた搬送装置が一般的であった。
【0003】
一方で、光学的に読みとり可能であって、かつデータが二次元のマトリックス上にパターンとして配置された二次元コードは、特許文献3の[0008]、[0031]及び[0034]に記載されているように、二次元コード読み取り装置が二次元コードの読み取り角度を検出して解読(decode)を行う。
【0004】
また、特許文献4に示されるように、二次元コード読み取り装置には、CCDセンサが一般的に用いられている。
【特許文献1】特開2000−6910号公報
【特許文献2】特開2004−331159号公報
【特許文献3】特許第2938338号公報
【特許文献4】特開2000−337853号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、整列コンベアの複数の仕切板間に物品を供給する際には、整列コンベア用供給装置の無端軌道に載っている物品の回転角度によっては、物品が90度横向きに収容されたり、180度回転して逆様に収容されたりする場合があった。このような不具合を防ぐ整列コンベア用供給装置の運転方法、及びその運転方法を利用した整列コンベア用供給装置は、従来開発されていなかった。
【0006】
また、作業員の目視によって、整列コンベア用供給装置の無端軌道に載っている物品の回転角度を点検して、回転角度を修正したり、回転角度が大きい物品を無端軌道から排除したりする整列コンベア用供給装置の運転方法では、回転角度の判定は正確さにかけ、十分な不具合の抑制を達成できなかった。また、無端軌道面を撮像して画像処理によって、物品の回転角度を判定する方法も考えられるが、画像処理装置は大がかりであり、コストもかかるので現実的ではなかった。
【0007】
他方で、二次元コードの読み取り角度は、専らコードの解読に利用されるのみであり、二次元コードが表示されている物品の回転角度の判断情報として利用する技術は当業者間では検討されていなかった。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、無端軌道に載っている物品の回転角度を正確に判断することができ、かつ正確な回転角度の判断を比較的低コストで実現できる整列コンベア用供給装置の運転方法、及びその運転方法を利用した整列コンベア用供給装置を提供することを目的としている。また、その整列コンベア用供給装置を利用して、物品の箱詰め作業時の不具合を防止することができ、かつ物品の姿勢が揃っていない不良な箱詰め品の発生を防止することができる箱詰め装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、第1の本発明の整列コンベア用供給装置の運転方法は、送出側折返し部が整列コンベアの収容位置に接近して配設されている無端軌道と、
前記無端軌道の上方に配設された二次元コード読み取り装置と、前記二次元コード読み取り装置と通信可能に構成された制御装置と、を有し、前記整列コンベアの複数の仕切板間に物品を順次供給する整列コンベア用供給装置の運転方法であって、
前記二次元コード読み取り装置が前記無端軌道によって搬送される物品の上面に表示されている二次元コードの読み取り角度を取得する角度取得ステップと、
前記制御装置が前記読み取り角度を前記二次元コード読み取り装置から取得して、前記読み取り角度に基づいて物品の回転角度を算出する回転角度算出ステップと、を有する。
【0010】
このように構成すると、無端軌道に載っている物品の回転角度を正確に判断することができ、かつ正確な回転角度の判断を比較的低コストで実現できる。
【0011】
第2の本発明の整列コンベア用供給装置の運転方法は、前記回転角度に応じて前記物品を前記無端軌道から排除する排除ステップを有するとよい。
【0012】
このように構成すると、物品の回転角度に応じて物品を無端軌道から排除するので、整列コンベアへの物品の供給の際の不具合を防止することができる。したがって、より安定した運転を達成することができる。
【0013】
第3の本発明の整列コンベア用供給装置の運転方法は、前記回転角度に応じて前記物品の向きを修正する修正ステップを有するとよい。
【0014】
このように構成すると、物品を排除せずに、整列コンベアへの物品の供給の際の不具合を防止することができるので、供給装置の箱詰め効率の低下を防止することができる。
【0015】
第4の本発明の整列コンベア用供給装置は、送出側折返し部が整列コンベアの収容位置に接近して配設されている無端軌道と、
前記無端軌道の上方に配設された二次元コード読み取り装置と、前記二次元コード読み取り装置と通信可能に構成された制御装置と、を有し、前記整列コンベアの複数の仕切板間に物品を順次供給する整列コンベア用供給装置であって、
前記二次元コード読み取り装置が前記無端軌道によって搬送される物品の上面に表示されている二次元コードの読み取り角度を取得し、前記制御装置が前記読み取り角度を前記二次元コード読み取り装置から取得して、前記読み取り角度に基づいて物品の回転角度を算出する。
【0016】
このように構成すると、無端軌道に載っている物品の回転角度を正確に判断することができ、かつ正確な回転角度の判断を比較的低コストで実現できる。
【0017】
第5の本発明の整列コンベア用供給装置は、前記無端軌道の搬送方向において前記二次元コード読み取り装置の下流側に配設された物品排除装置をさらに有し、
前記制御装置が、前記回転角度に応じて前記物品排除装置を制御して前記物品を前記無端軌道から排除するとよい。
【0018】
このように構成すると、物品の回転角度に応じて物品を無端軌道から排除するので、整列コンベアへの物品の供給の際の不具合を防止することができる。したがって、より安定した運転を達成することができる。
【0019】
第6の本発明の整列コンベア用供給装置は、前記制御装置は、前記回転角度の取得に失敗した場合に、前記物品排除装置を制御して前記物品を前記無端軌道から排除するとよい。このように構成すると、二次元コードが二次元コード読み取り装置の読み取り領域を通過しない場合にも、物品を排除することができる。したがって、整列コンベアへの物品供給の不具合をより確実に防止することができる。
【0020】
第7の本発明の整列コンベア用供給装置は、前記制御装置は、前記回転角度と、予め記憶している許容角度範囲と、を比較して、前記回転角度が前記許容角度範囲外である場合に、前記物品排除装置を制御して前記物品を前記無端軌道から排除するとよい。このように構成すると、整列コンベアへの物品供給の不具合をより確実に防止することができる。
【0021】
第8の本発明の整列コンベア用供給装置は、前記制御装置は、前記検知信号に基づいて前回の前記検知信号との間の検知間隔を計測し、前記検知間隔と予め記憶している許容間隔とを比較して、前記検知間隔が前記許容間隔未満である場合に、前記物品排除装置を制御して、前記物品を前記無端軌道から排除するとよい。このように構成すると、先行する物Wとの間隔が短過ぎて整列コンベアへの収容に支障が生じる場合には、物品を排除して、整列コンベアへの物品供給の不具合を防止することができる。
【0022】
第9の本発明の整列コンベア用供給装置は、複数の前記二次元コード読み取り装置が、前記無端軌道上方において前記無端軌道を横断するように並列して配設されているとよい。このように構成すると、二次元コード読み取り装置が読みとれる無端軌道の読み取り領域を拡大することができるので、二次元コードの読み取り失敗を防止することができる。
【0023】
第10の本発明の箱詰め装置は、請求項4に記載の整列コンベア用供給装置と
収容位置において前記整列コンベア用供給装置から物品を順次一連の仕切板間に収容して物品を整列させる整列コンベアと、
前記物品の整列方向側方から全ての前記物品を押し出して物品列を形成する押出装置と、
前記物品列を列方向から挟圧する挟圧装置と、
前記物品列の床を開閉する開閉装置と、
前記床が撤去された状態において前記挟圧された前記物品列の上面を下方に押して前記物品列を前記挟圧装置から下方に脱出させて、前記床の下方に待機する外装箱に前記物品列を押し込む押し込み装置と、を有する。このように構成すると、物品の箱詰め作業時の不具合を防止することができ、かつ物品の姿勢が揃っていない不良な箱詰め品の発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明の整列コンベア用供給装置の運転方法及びその運転方法を利用した整列コンベア用供給装置によれば、無端軌道に載っている物品の回転角度を正確に判断することができ、かつ正確な回転角度の判断を比較的低コストで実現できる。また、本発明の整列コンベア用供給装置を利用した箱詰め装置によれば、物品の箱詰め作業時の不具合を防止することができ、かつ物品の姿勢が揃っていない不良な箱詰め品の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態の整列コンベア用供給装置を備えた箱詰め装置の概略を示す側面図である。図2は、図1の箱詰め装置の概略を示す上面図である。図3は、図1の箱詰め装置の要部の概略を示す斜視図である。
【0027】
本実施形態の箱詰め装置100は、整列コンベア6の複数の仕切板10間に物品Wを順次供給する供給装置(本発明の整列コンベア用供給装置)と、無端軌道16及び仕切板10を有する整列コンベア6と、整列コンベア6の整列位置Pに整列した一連の仕切板10同士の間から複数の物品Wを仕切板10の延在方向に平行な押出方向Xに押し出す押出部材(本発明の押出装置)7と、押出部材7によって押し出された複数の物品Wが載置される可動式の床部材(本発明の開閉装置)13と、押出方向Xにおける押出位置を規制する止め部材17と、止め部材17と共に床部材13に載っている複数の物品Wを包囲して物品列を形成する挟圧部材(本発明の挟圧装置)8及び押さえ部材18と、挟圧部材8によって整列方向に挟圧された物品列を下方(Z方向)に押し込む押し込み部材(本発明の押し込み装置)14と、押し込み部材14によって押し込まれる物品列を収容する外装箱Cを載置する台部材15と、箱詰め装置の動作を制御する制御装置30と、これら機材6,7,13,17,18,14,15,201,202,203,204、30が、直接あるいは間接に装着されている枠体1と、を備える。
【0028】
本発明の特徴である供給装置200は、物品通過検知装置201、二次元コード読み取り装置(以下、読み取り装置と略称する)202、物品排除装置203及び無端軌道204を有している。
【0029】
無端軌道204は、送出側折返し部204Aが整列コンベア6の収容位置Rに接近して配設されている。具体的には、送出側折返し部204Aが収容位置Rに対向するように配設されている。これによって、無端軌道204に載置されて搬送されてきた物品Wが送出側折返し部204Aから収容位置Rに暫時待機する仕切板10に向けて落下し、落下した物品Wは、仕切板10に案内されて収容部11に着地して収容される。
【0030】
具体的には、無端軌道204は、一対のスプロケット(sprocket)に接続されている軸体204Eによって枠体1に支持されている。一方の軸体204Eは駆動装置204Fによって回転駆動されるように構成されている。駆動装置204Eには公知の回転駆動型のアクチュエータ(actuator)を用いることができる。
【0031】
読み取り装置202は、無端軌道204の上方に配設されている。無端軌道204に載置されて搬送される物品Wの上面に表示されている二次元コードQを読み取ることができる。読み取り装置202には、CCDセンサを有する光学的検出装置を利用している(特許文献3及び4参照)。また、読み取り装置202は、二次元コードの解読の際に利用する二次元コードの傾き、つまり、後述する読み取り角度γを制御装置30に送信可能に構成されている。具体的には市販の読み取り装置に所要の改造を加えることで読み取り装置202を構成することができる。
【0032】
物品排除装置203は、無端軌道204の搬送方向において読み取り装置202の下流側に配設されている。そして、無端軌道204に載置されて搬送される物品Wを選択的に排除することができるように構成されている。具体的には、一端を支持されて、その一端を回転中心として無端軌道203の上方を水平方向に揺動する腕部材203Aが駆動装置203Bによって無端軌道204上に進出及び退出する。進出位置においては、腕部材203Aは無端軌道204の搬送方向に対して斜め下流方向に物品Wを案内する。これによって、無端軌道204に載っている物品Wを選択的に無端軌道204脇に排除できる。なお、物品排除装置203は、ダンパー、エアージェット、プッシャー等種々の装置を利用して構成することもできる。
【0033】
物品通過検知装置201は、無端軌道204の搬送方向において読み取り装置202の上流側に配設されている。そして、無端軌道204に載置されて搬送される物品Wの通過を検知することができるように構成されている。具体的には、無端軌道204の両脇に配設された一対の遮光型検出器の間に検出用光路Lが形成され、物品Wによって検出用光路Lが遮断されることによって、検知信号が発信されるように構成されている。遮光型検出器としては、一対の投光器及び受光器によって構成される光透過型検出器、あるいは一対の投受光器及び反射体によって構成される光反射型検出器を用いることができる。
【0034】
また、供給装置200は、後述する制御装置30によって動作が制御される。
【0035】
整列コンベア6は、無端軌道16の進行方向と交差して無端軌道16から垂直方向に延びて並立する一連の仕切板10によって仕切板10間の無端軌道16上に物品を収容できる収容部11が複数連なって形成されている。本実施形態では、仕切板10は5枚が一連となっている。したがって、4つの収容部11が一連となって形成されている。
【0036】
整列位置Pは、無端軌道16における位置であって、一連の収容部11が整列する位置をいう。すなわち、無端軌道16が直線状となり、一連の仕切板10が垂直に並立する位置を言う。
【0037】
無端軌道16は、4本の環状ベルトが一対のスプロケット(sprocket)16Eによって支持されている。4本の環状ベルトは2本ずつに分かれて第1ベルト群16A及び第2ベルト群16Bを構成している。第1ベルト群16A及び第2ベルト群16Bにはそれぞれ、仕切板10が1連又は2連以上装着されている。仕切板10第1ベルト群16A及び第2ベルト群16Bに装着されている。第1ベルト群16Aは、一方のスプロケット16Eに軸体16Fによって連結された一方の駆動装置16Cによって回転駆動されるように構成されている。第2ベルト群16Bは、他方のスプロケット16Eに軸体16Fによって連結された他方の駆動装置16Dによって回転駆動されるように構成されている。これによって、第1ベルト群16A及び第2ベルト群16Bの駆動装置は互いに異なるので、第1ベルト群16A及び第2ベルト群16Bを互いに独立して循環駆動することができる。つまり、一方のベルト群が暫時停止を繰り返しながら収容部11に物品Wを受け入れる動作と、他方のベルト群が整列位置Pにおいて停止して収容部11から物品Wを押し出す動作とを同時に行うことができる。
【0038】
駆動装置16C,16Dには公知の回転駆動型のアクチュエータ(actuator)を用いることができる。
【0039】
軸体16Fは枠体1に支持されて配設されている。より正確には、軸体16Fの一端は駆動装置16C,16Dに接続され、駆動装置16C,16Dが枠体1に配設されている。
【0040】
図1及び図2に示すように、押出部材7は、駆動装置7Bによって押出方向Xに進退駆動される。押出部材7は、整列位置Pにおける一連の仕切板10と抵触しないように細隙12が形成されている。駆動装置7Bには公知の往復駆動型のアクチュエータを用いることができる。駆動装置7Bは枠体1に配設されている。
【0041】
また、図2に示すように床部材13と整列位置Pとの間の床面の両脇には、押出部材7によって押し出された物品Wが押出方向Xに進むよう、案内部材19が配設されている。
【0042】
床部材13は、一対の板部材が水平方向に突き合わされて構成されている。床部材13は駆動装置13Bによって、進退駆動される。これによって、床部材13が後退駆動されると、開口部が形成され、押し込み部材14が床部材13の下方にまで、物品Wを押し込むことができる。駆動装置13Bには公知の往復駆動型のアクチュエータを用いることができる。床部材13及び駆動装置13Bは枠体1に配設されている。
【0043】
止め部材17は、床部材13上において押出部材7と対向するようにして、支持体17Aによって支持されている。支持体17Aは枠体1に配設されている。
【0044】
押さえ部材18は、押出部材7の押し出し端近傍の上方に、駆動装置18Bによって上下方向に揺動あるいは進退自在に配設されている。ここでは、図3に示すように押さえ部材18は揺動自在に配設されている。この揺動あるいは進退によって、押出部材7の進退動作時における押出部材7との抵触を回避することができ、かつ、床部材13に載っている物品列の側面を押さえることができる。駆動装置18Bには公知の回転駆動型あるいは往復駆動型のアクチュエータを用いることができる。駆動装置18Bは枠体1に配設されている。
【0045】
挟圧部材8は、物品Wが形成する物品列を列方向から挟圧する一対の板状部材によって構成されている。挟圧部材8は、軸体8Aによって連結された駆動装置8Bによって、進退駆動されて、物品列を列方向から挟圧できるように構成されている。駆動装置8Bには公知の往復駆動型のアクチュエータを用いることができる。駆動装置8Bは枠体1に配設されている。
【0046】
ここで、物品Wは整列時から挟圧されるまで側面が支持されるので自立可能でなくともよい。なぜならば、物品Wは整列位置Pにおいては側面が仕切板10によって支持され、押出部材7で押し出される際には物品列が案内部材19によって支持され、床部材13上に押し出された後は、止め部材17挟圧部材8及び押さえ部材18によって包囲されるからである。
【0047】
押し込み部材14は、物品Wの頂面が接触する接触面を下方に向ける板状部材によって構成されている。押し込み部材14は、軸体14Aによって連結された駆動装置14Bによって、昇降駆動されて、挟圧部材8によって挟圧された物品列を下方に押し込むことができるように構成されている。駆動装置14Bには公知の往復駆動型のアクチュエータを用いることができる。駆動装置14Aは枠体1に配設されている。
【0048】
台部材15は、床部材13の下方に配設されていて、昇降装置15Bによって、昇降自在に構成されている。これによって、台部材15に載っている外装箱Cを床部材13の下方に接近させることができる。昇降装置15Bには公知の往復駆動型のアクチュエータを用いることができる。昇降装置15Bは枠体1に配設されている。
【0049】
制御装置30は、読み取り装置202と通信可能に構成されている。さらに本実施形態では箱詰め装置100の動作を制御するように構成されている。
【0050】
また、制御装置30は、ディスプレイ、プリンタ等一般的な表示器具で構成されている表示部30A、タッチパネル、キーボード等一般的な入力器具で構成されている入力部30B、及びCPU等一般的な演算処理回路で構成されている制御部30Cを有している。また、制御部30Cには時間計測ができるタイマー機能及びメモリー等の記憶素子で構成されている記憶機能が構成されている。
【0051】
また、図示しないが読み取り装置202は制御装置30との通信器具を有しており、通信器具は、双方を接続する電気ケーブルによって構成されている。あるいは無線通信装置によって構成することもできる。
【0052】
なお、制御装置とは、単独の制御装置だけでなく、複数の制御装置が協働して制御を実行する制御装置群をも含んで意味する。よって、制御装置30は、単独の制御装置から構成される必要はなく、複数の制御装置が分散配置されていて、それらが協働して箱詰め装置100の動作を制御するように構成されていてもよい。例えば、表示部30Aは、情報端末によって送信されてモバイル機器に表示されるように構成することもできる。あるいは入力部30B及び表示部30Aは、パーソナルコンピュータを接続して構成することもできる。
【0053】
枠体1は、配設されたこれら機材6,7,13,17,18,14,15,201,202,203,204、30が、相互に所要の位置関係となるように構成されている。ここで、所要の位置関係とは、本発明の箱詰め装置の箱詰め動作の実施に要する位置関係をいう。
【0054】
本実施形態では、箱詰め装置100の周囲には、多数の駆動ローラによって段ボール箱のような外装箱Cを搬送する外装箱搬送コンベア300と、外装箱搬送コンベア300に載っている外装箱Cを所定の位置で止めて上方に持ち上げる台部材15と、が所定の位置に配設されている。これらの具体的構造は公知の構造を用いることができる。
【0055】
本実施形態では、図1及び図2に示すように、外装箱搬送コンベア300は、台部材15の両側に延びるように配設されている。これによって、外装箱Cを円滑に台部材15に搬入して、台部材15から搬出することができる。
【0056】
なお、外装箱搬送コンベア300を省略して、作業員の人力によって物品Wの供給、外装箱Cの出し入れを行ってもよい。
【0057】
さらに、図示しないが、台部材15は、外装箱Cを載置して上下動する台座と、外装箱Cを水平方向から押さえて外装箱搬送コンベア300の所定の位置にて外装箱Cを暫時停止させるストッパーとを有して構成されている。台座は、駆動ローラ同士の隙間に侵入して外装箱Cの搬送を妨げないようにして待機可能な格子状の板面によって構成されていて、外装箱Cがストッパーにて停止されると外装箱Cの下方から進出して外装箱Cを持ち上げることができ、かつ駆動ローラ同士の隙間に潜ることによって物品を収容した外装箱Cを上方から外装箱搬送コンベア300に載置できるように構成されている。ストッパーは外装箱Cの搬送方向前方に進退するゲート棒や外装箱Cの側方を挟圧する挟圧板によって構成することができる。
【0058】
次に、箱詰め装置100の動作を説明する。
【0059】
まず、物品Wは供給装置200より整列コンベア6に供給される。
【0060】
図4は、物品の回転角度と整列コンベアに収容される際の物品の着地姿勢の関係を示す(a)及び(b)の2つのパターンの模式図である。
【0061】
図4(a)及び(b)に示すように、物品Wはその底面WAを進行方向204B前方にして順次送出側折返し部204Aに向けて搬送される。この過程において、種々の要因により底面WAは無端軌道204の進行方向204Bに対して多少の傾き(回転角度α)を有する姿勢となる。
【0062】
回転角度αは、底面WAの法線WBと無端軌道204の進行方向204Bとがなす角度を言う。
【0063】
そして、物品Wは、送出側折返し部204Aから仕切板10上に滑落して無端軌道16に載って整列することとなる。ここで、本来軌道面に接地すべき物品Wの底面WAと、収容位置Rにおける無端軌道16の軌道面、すなわち仕切板10の底辺10Aと、が接地角度ωを形成する。この接地角度ωの大小が物品Wの整列の可否の要因となる。
【0064】
ここで、供給装置200の無端軌道204は整列コンベア6と同方向に延伸して直列に配設される。つまり、整列コンベア6の仕切板10の底辺10Aと無端軌道204の進行方向204Bとは直交するので、回転角度αが接地角度ωに相当することとなる。
【0065】
以上より、物品Wの回転角度αが小さいと、図4(a)に示すように、物品Wの底面WAが無端軌道16の軌道面に接地して、正常に仕切板10の間に整列することとなる。しかし、物品Wの回転角度αが大きいと、図4(b)に示すように、物品Wは、底面WAの隣の面が無端軌道16の軌道面に接地して、90度横回転した状態で仕切板10の間に収容されてしまう。図示しないが、さらに物品Wの回転角度αが大きいと、物品Wは、底面WAに対向する面が無端軌道16の軌道面に接地して、180度横回転した状態、すなわち逆様の状態で仕切板10の間に収容されてしまう。
【0066】
ここで、本発明の特徴である供給装置200の運転方法を詳述する。
【0067】
まず、物品Wに表示された二次元コードについて詳しく説明する。
【0068】
二次元コードは、AIMI規格等において規格化されていて周知であるので、以下では本発明を理解するために最小限必要な事項のみついて説明する。それ以上の詳しい内容については、例えば、特許文献3を参照されたい。
【0069】
二次元コードQは縦と横との2方向に情報を持つコードである。一般的に、二次元コードQではコード解読の際には、縦横方向を特定する必要があることから、読み取り装置202の読み取り方向に対する二次元コードQの傾きを示す読み取り角度γが特定される。以下の説明では、特許文献3のQRコード(登録商標)を例として説明する。
【0070】
図5は、二次元コードの一例としてのQRコード(登録商標)と読み取り角度との関係を示す図である。
【0071】
図5において、二次元コードQは、例えば、矩形の二次元コードシンボル41で構成されている。二次元コードシンボル41は、その3隅に配置された切り出しシンボル42と各種の情報を表すパターン43とを有している。この切り出しシンボル42が読み取り角度特定情報を構成している。すなわち、切り出しシンボル42はあら方向から読み取ることが可能なように構成されているため、3つの切り出しシンボル42の位置を検出してそれらの位置関係から二次元コードシンボル41の読み取り角度γを特定することができる。具体的には、例えば、二次元コードシンボル41の一辺41Aの延在方向を二次元コードQの表示方向QCであると仮定すると、この表示方向QCと読み取り方向(読み取り装置202(正確には撮像部を構成するCCDカメラ)と二次元コードQとの相対的移動方向)45との成す角度が読み取り角度γとして特定される。特許文献3の段落[0031]のθ1、段落[0034]のθ2あるいは段落[0035]のθ3が読み取り角度γに相当する。
【0072】
そして、この二次元コードQが物品Wに表示されている。物品Wにおける二次元コードQの表示の態様は任意である。例えば、物品Wの表面に二次元コードQを印刷したり、二次元コードQが印刷されたラベルを物品Wの表面に貼り付けたりすることが挙げられる。但し、二次元コードQは、その表示方向QCと物品Wの底面WAの法線とが全ての物品Wについて統一された表示角度λ(図6(b)参照)を成していることが必要である。
【0073】
そして、読み取り装置202は、CCDカメラで構成された撮像部(図示せず)とCPU等のプロセッサで構成された処理部(図示せず)とを有している。そして、撮像部が二次元コードQを撮像して画像信号を出力し、処理部が、この画像信号から3つの切り出しシンボル42を読み取ってそれらの位置を検出する。そして、処理部は、この検出した3つの切り出しシンボル42の位置から表示方向QCを算出し、この表示方向QCと予め設定されている読み取り方向45とから読み取り角度γを検出する。そして、この読み取り角度γを制御装置30の制御部30Cに送信する。
【0074】
また、制御部30Cは、読み取り角度γに基づいて物品の回転角度αを算出する。
【0075】
ここで、二次元コードQの表示方向QCと回転角度αとの関係について説明する。
【0076】
図6は、二次元コードの表示方向と回転角度との関係の2つのパターンを上面から示す模式図である。
【0077】
図6(a)及び(b)に示すように、本実施形態では、読み取り装置202は無端軌道204の進行方向204Bが基準角度(図5の読み取り方向45)、つまり0°となるように配設されている。
【0078】
ここで、図6(a)に示すように、物品Wの上面の二次元コードQの表示において、二次元コードQの表示方向QCが、底面WAの法線WBと一致している場合には、表示方向QCと進行方向204Bとがなす角度が回転角度αとなる。つまり、表示方向QCが進行方向204Bに一致している場合には、回転角度α=0°となる。そして、読み取り装置202から得られる読み取り角度γがそのまま回転角度αとなる。
【0079】
また、図6(b)に示すように、物品Wの上面の二次元コードQの表示において、二次元コードQの表示方向QCが、底面WAの法線WBに対して表示角度λを有している場合には、回転角度α=読み取り角度γ−表示角度λとなる。この場合、予め入力部30Bから表示角度λを入力して、制御部30Bに記憶しておけばよい。
【0080】
図7は、図1の本発明の箱詰め装置の供給装置の運転方法を示すフロー図である。
【0081】
まず、制御装置30には、予め、入力部30Bから許容間隔T0及び許容角度βが入力され、制御部30Bに記憶されている。
【0082】
そして、ステップS1において、制御部30において、時間ΔT=T0に設定される。なお、この検知間隔ΔTの設定は、最初の物品Wにおいては検知間隔の計測が不可能であるので、ダミー値を設定するものである。したがって、T0以上の値であれば良い。また、入力部30Bから作業者が入力してもよいし、制御部30Bにおいて自動的に設定されるように構成してもよい。
【0083】
次にステップS2において、物品検知装置201が物品の通過を検知する。制御部30Cは、物品検知装置201の検知信号を受信して、検知間隔T=ΔTに設定し、時間ΔT=0にリセットして、カウントを開始する。
【0084】
次にステップS3において、制御部30Cは、検知間隔Tと許容間隔T0とを比較する。
【0085】
検知間隔T<許容間隔T0の場合には、ステップS7に進み、物品Wを無端軌道204から排除する。これにより、先行する物品Wとの間隔が短過ぎて整列コンベア6への収容に支障が生じる場合には、物品Wを排除して、整列コンベア6への物品W供給の不具合を防止することができる。
【0086】
他方、検知間隔T≧許容間隔T0の場合には、ステップ(本発明の角度取得ステップ)S4に進み、読み取り装置202に二次元コード読み取り指令を発信する。読み取り装置202は、二次元コード読み取り指令に基づいて、物品Wが読み取り装置202の読み取り領域202Aを通過するに要する間、読み取り動作をする。これによって、読み取り装置202は、物品Wの上面に表示されている二次元コードQの読み取り角度γを取得する。
【0087】
次に、ステップS5において、制御部30Cは、二次元コードの読み取り信号から読み取り角度γの取得の成否を判断する。
【0088】
読み取り角度γの取得が確認された場合には、ステップ(回転角度算出ステップ)S6に進み、制御装置30が読み取り角度γを読み取り装置202から取得して、読み取り角度γに基づいて物品Wの回転角度αを算出する。
【0089】
他方、読み取り角度γの取得が確認されなかった場合には、ステップS7に進み、物品Wを無端軌道204から排除する。これにより、物品Wが整列コンベア6において90度横向きに収容されたり、180度回転して逆様に収容されたりする不具合を防止することができる。また、二次元コードQが読み取り装置202の読み取り領域202Aを通過しない場合にも、物品Wを排除することができる。つまり、このような場合は、物品Wの一部が無端軌道204の軌道面からはみ出ていたり、物品Wが無端軌道の進行方向から極めて大きく回転していたりする場合であって、整列コンベア6への物品W供給の不具合を招く可能性が高い。したがって、整列コンベア6への物品W供給の不具合をより確実に防止することができる。
【0090】
次にステップS6においては、物品の回転角度αを算出した上で、さらに回転角度αと許容角度範囲−β〜βとを対比する。
【0091】
許容角度βは、物品Wの形状や重心位置に応じて決定される。具体的には、予め物品W及び整列コンベア6を用いた実験によって回転角度αをパラメータ(parameter)として、収容位置Rにおいて底面WAが接地する最大限界の回転角度αを許容角度βとする。あるいは、最大限界の回転角度αよりも小さい角度を許容角度βとしてもよい。これによって、整列コンベア6への物品W供給の不具合をより確実に防止することができる。
【0092】
ステップS6において回転角度αが許容角度範囲−β〜β以内の場合ステップS8に進む。
【0093】
ステップS6において、物品Wの回転角度αが許容角度範囲−β〜β以内でない場合には、ステップ(排除ステップ)S7に進み、物品Wを無端軌道204から排除する。
【0094】
次に、ステップS8において、供給終了を判断する。具体的には、入力部30Bからの箱詰め作業停止信号の入力の有無によって判断する。あるいは予め入力部30Bから物品Wの供給個数を入力しておき、制御部30Cにおける物品供給個数のカウントと供給個数との一致によって判断する。供給終了が確認できない場合には、ステップS2に戻る。
【0095】
一方、供給装置200の動作に応じて、整列コンベア6は制御装置30によって以下のように制御される。図3を参照しながら説明する。
【0096】
まず、収容位置Rに第1ベルト群16Aに装着して形成された一連の収容部11のうち先頭の収容部11を停止させる。
【0097】
図示しない検知装置によって収容部11への物品Wの供給が確認されると、後続の収容部11が収容位置Rに位置するように無端軌道16を暫時進行させて停止する。所定個数の物品Wが一連の収容部11に順次収容されるまで停止と暫時進行とを順次繰り返す。所定個数の物品Wが一連の収容部11に順次収容されると、所定個数の物品Wが収容された一連の収容部11は整列位置Pまで進行させられる。そして、第2ベルト群16Bに装着して形成された一連の収容部11に対して同様の供給動作が開始される。
【0098】
次に、整列位置Pにおいて停止した全ての物品Wが整列コンベア6から仕切板10の板面に平行な方向Xに押出部材7によって押し出される。
【0099】
押出部材7によって物品Wの整列方向側方から全ての物品Wを押し出して物品列を形成する。床部材13上まで物品Wが押し出された後、押出部材7は後退する。そして、第2ベルト群16Bに装着して形成された一連の収容部11が整列位置Pまで進行する。こうして、第1ベルト群16A及び第2ベルト群16Bがそれぞれ独立して循環駆動されるので、一連の収容部11への物品Wの収容動作を連続して行うことができ、箱詰め装置100の箱詰め速度を向上させることができる。
【0100】
一方、床部材13上まで押し出された物品Wは、押出部材7後退後、押さえ部材18,止め部材17、一対の挟圧部材8及び押さえ部材18によって物品列を維持する。押出部材7後退後、押さえ部材18が物品列の側面に進出する。
【0101】
一方で、台部材15は、外装箱搬送コンベア300における所定の位置にて外装箱Cを止める。そして、台部材15が上昇して、外装箱Cを床部材13の直下まで持ち上げて待機する。
【0102】
そして、一対の挟圧部材8が物品列を列方向から挟圧する。
【0103】
床部材13が撤去される。
【0104】
床部材13が撤去された状態において、押し込み部材14が、挟圧された物品列の上面を下方に押して物品列を一対の挟圧部材8から下方に脱出させて、さらに、下方に待機する外装箱Cに物品列を押し込む。
【0105】
その後、押し込み部材14は上昇して元の上方位置に戻り、床部材13は閉じ、挟圧部材8及び押さえ部材18も元の位置に撤退する。また、台部材15を元の位置まで下降する。
【0106】
そして、物品Wが収容された外装箱Cが外装箱搬送コンベア300によって台部材15の位置から搬出されるとともに新たな空の外装箱Cが搬送され、台部材15によって所定の位置において外装箱Cが待機する。
【0107】
そして、以上の動作が繰り返され、外装箱Cへの物品Wの収容動作が反復継続される。
【0108】
ここで、本実施形態の供給装置200は、読み取り装置202を複数配設して構成することもできる。以下、読み取り装置202の配設の変形例を示す。
【0109】
[変形例1]
図8は、読み取り装置を複数配設した箱詰め装置の要部の概略を示す斜視図である。
【0110】
図8に示すように、本実施形態の変形例1では、3個の読み取り装置202が、無端軌道204上方において無端軌道204を横断するように並列して配設されている。そして、制御装置30は、それぞれの読み取り角度γを取得することができるように構成されている。これによって、読み取り装置202が読みとれる無端軌道204における読み取り領域202Aを拡大することができるので、二次元コードQの読み取り失敗を防止することができる。すなわち、供給装置200の運転方法のステップS5においては、複数の読み取り装置202のいずれかによって二次元コードの読み取り角度γを取得した場合に、ステップ6に進み、物品の回転角度αを判断する。
【0111】
なお、読み取り装置202の読み取り領域202Aは、一部が相互に重複して、無端軌道204上を横断する帯状となるとよい。これによって、無端軌道204における読み取り領域202Aの間隙をなくすことができるので、二次元コードQの読み取り失敗をより確実に防止することができる。
【0112】
また、排除ステップを他のステップに変更しても、本発明の整列コンベア用供給装置の運転方法を実施することができる。以下、排除ステップS7の変形例を示す。
【0113】
[変形例2]
図9は、変形例2の運転方法を示すフロー図である。
【0114】
変形例2の供給装置の運転方法では、ステップS6において、表示部30Aに回転角度αを表示して、作業員が回転角度αが許容角度範囲−β〜β以内かどうかを判断する。
【0115】
物品Wの回転角度αが許容角度範囲−β〜β以内でない場合には、ステップ(修正ステップ)S701において、作業員が物品Wの回転角度αを修正、つまり、物品Wの回転角度αが0°に近づくよう物品Wの向きを修正する。
【0116】
このように構成すると、物品Wを排除せずに、整列コンベア6への物品Wの供給の際の不具合を防止することができるので、供給装置200及び箱詰め装置100の箱詰め効率の低下を防止することができる。
【0117】
[変形例3]
図10は、変形例3の運転方法を示すフロー図である。
【0118】
変形例3の供給装置の運転方法では、ステップS6において、表示部30Aに回転角度αを表示して、作業員が回転角度αが許容角度範囲−β〜β以内かどうかを判断する。
【0119】
物品Wの回転角度αが許容角度範囲−β〜β以内でない場合には、ステップ(一時停止ステップ)S702において、供給装置200の動作を止めるようにすることもできる。この場合、作業員が物品Wを排除あるいは修正した後に、供給装置200を再起動させることによって、整列コンベア6への物品Wの供給の際の不具合を防止することができる。
【0120】
以上の実施形態により、本発明の整列コンベア用供給装置の運転方法は、既存の二次元コードQ及び読み取り装置202を利用して、無端軌道204に載っている物品Wの回転角度αを正確に判断することができるので、無端軌道204に載っている物品Wの回転角度αを正確に判断することができ、かつ比較的低コストで実現できる。
【0121】
さらには、ステップS6及びステップS7、S701、S702において、物品Wの回転角度αに応じて、物品Wを無端軌道204から排除あるいは修正するので、整列コンベア6への物品Wの供給の際の不具合を防止することができる。
【0122】
また、本発明の供給装置200及び箱詰め装置100は、整列コンベア6への物品Wの供給の際の不具合を防止することができるので、より安定した運転を達成することができる。
【0123】
なお、上述した実施形態は一例であり、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明の整列コンベア用供給装置及びその運転方法は、無端軌道に載っている物品の回転角度を正確に判断することができ、かつ正確な回転角度の判断を比較的低コストで実現できる整列コンベア用供給装置及びその運転方法として有用である。また、本発明の箱詰め装置は、物品の箱詰め作業時の不具合を防止することができ、かつ物品の姿勢が揃っていない不良な箱詰め品の発生を防止することができる箱詰め装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の実施形態の整列コンベア用供給装置を備えた箱詰め装置の概略を示す側面図。
【図2】図1の箱詰め装置の概略を示す上面図。
【図3】図1の箱詰め装置の要部の概略を示す斜視図。
【図4】物品の回転角度と整列コンベアに収容される際の物品の着地姿勢の関係を示す(a)及び(b)の2つのパターンの模式図。
【図5】二次元コードの一例としてのQRコード(登録商標)と読み取り角度との関係を示す図。
【図6】図1の本発明の箱詰め装置の供給装置の運転方法を示すフロー図。
【図7】二次元コードの表示方向と回転角度との関係の2つのパターンを上面から示す模式図。
【図8】読み取り装置を複数配設した箱詰め装置の要部の概略を示す斜視図。
【図9】変形例2の運転方法を示すフロー図である。
【図10】変形例3の運転方法を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0126】
1 枠体
6 整列コンベア
7 押出部材
7B 駆動装置
8 挟圧部材
8A 軸体
8B 駆動装置
10 仕切板
10A 底辺
11 収容部
12 細隙
13 床部材
13B 駆動装置
14 押し込み部材
14A 軸体
14B 駆動装置
15 台部材
15B 昇降装置
16 無端軌道
16A 第1ベルト群
16B 第2ベルト群
16C 第1駆動装置
16D 第2駆動装置
16E スプロケット
16F 軸体
17 止め部材
17A 支持体
18 押さえ部材
18B 駆動装置
19 案内部材
30 制御装置
30A 表示部
30B 入力部
30C 制御部
41 二次元コードシンボル
41A 一辺
42 切り出しシンボル
45 読み取り方向
100 箱詰め装置
200 供給装置
201 物品通過検知装置
202 二次元コード読み取り装置
202A 読み取り領域
203 物品排除装置
203A 腕部材
203B 駆動装置
204 無端軌道
204A 送出側折返し部
204B 進行方向
204E 軸体
204F 駆動装置
300 外装箱搬送コンベア
C 外装箱
L 検出用光路
P 整列位置
Q 二次元コード
QC 表示方向
R 収容位置
S ステップ
T 検知間隔
0 許容間隔
ΔT 時間
W 物品
WA 底面
WB 法線
X 押出方向
Z 押し込み方向
α 回転角度
β 許容角度
γ 読み取り角度
ω 接地角度
λ 表示角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送出側折返し部が整列コンベアの収容位置に接近して配設されている無端軌道と、
前記無端軌道の上方に配設された二次元コード読み取り装置と、前記二次元コード読み取り装置と通信可能に構成された制御装置と、を有し、前記整列コンベアの複数の仕切板間に物品を順次供給する整列コンベア用供給装置の運転方法であって、
前記二次元コード読み取り装置が前記無端軌道によって搬送される物品の上面に表示されている二次元コードの読み取り角度を取得する角度取得ステップと、
前記制御装置が前記読み取り角度を前記二次元コード読み取り装置から取得して、前記読み取り角度に基づいて物品の回転角度を算出する回転角度算出ステップと、を有する、整列コンベア用供給装置の運転方法。
【請求項2】
前記回転角度に応じて前記物品を前記無端軌道から排除する排除ステップを有する、請求項1に記載の整列コンベア用供給装置の運転方法。
【請求項3】
前記回転角度に応じて前記物品の向きを修正する修正ステップを有する、請求項1に記載の整列コンベア用供給装置の運転方法。
【請求項4】
送出側折返し部が整列コンベアの収容位置に接近して配設される無端軌道と、
前記無端軌道の上方に配設された二次元コード読み取り装置と、前記二次元コード読み取り装置と通信可能に構成された制御装置と、を有し、前記整列コンベアの複数の仕切板間に物品を順次供給する整列コンベア用供給装置であって、
前記二次元コード読み取り装置が前記無端軌道によって搬送されている物品の上面に表示されている二次元コードの読み取り角度を取得し、前記制御装置が前記読み取り角度を前記二次元コード読み取り装置から取得して、前記読み取り角度に基づいて物品の回転角度を算出する、整列コンベア用供給装置。
【請求項5】
前記無端軌道の搬送方向において前記二次元コード読み取り装置の下流側に配設された物品排除装置をさらに有し、
前記制御装置が、前記回転角度に応じて前記物品排除装置を制御して前記物品を前記無端軌道から排除する、請求項4に記載の整列コンベア用供給装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記回転角度の取得に失敗した場合に、前記物品排除装置を制御して前記物品を前記無端軌道から排除する、請求項5に記載の整列コンベア用供給装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記回転角度と、予め記憶している許容角度範囲と、を比較して、前記回転角度が前記許容角度範囲外である場合に、前記物品排除装置を制御して前記物品を前記無端軌道から排除する、請求項5に記載の整列コンベア用供給装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記検知信号に基づいて前回の前記検知信号との間の検知間隔を計測し、前記検知間隔と予め記憶している許容間隔とを比較して、前記検知間隔が前記許容間隔未満である場合に、前記物品排除装置を制御して、前記物品を前記無端軌道から排除する、請求項5に記載の整列コンベア用供給装置。
【請求項9】
複数の前記二次元コード読み取り装置が、前記無端軌道上方において前記無端軌道を横断するように並列して配設されている、請求項5に記載の整列コンベア用供給装置。
【請求項10】
請求項4に記載の整列コンベア用供給装置と
収容位置において前記整列コンベア用供給装置から物品を順次一連の仕切板間に収容して物品を整列させる整列コンベアと、
前記物品の整列方向側方から全ての前記物品を押し出して物品列を形成する押出装置と、
前記物品列を列方向から挟圧する挟圧装置と、
前記物品列の床を開閉する開閉装置と、
前記床が撤去された状態において前記挟圧された前記物品列の上面を下方に押して前記物品列を前記挟圧装置から下方に脱出させて、前記床の下方に待機する外装箱に前記物品列を押し込む押し込み装置と、を有する箱詰め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−105759(P2008−105759A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−287516(P2006−287516)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】