説明

新規有機底面反射防止膜用ポリマー組成物

本発明は、底面反射防止膜用組成物、このような組成物の調製に有用なポリマー、及び反射性基材とフォトレジスト塗膜との間に薄い層を形成することによるイメージプロセッシングにこれらを使用することに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底面反射防止膜用組成物、このような組成物の製造に有用なポリマー、及び反射性基材とフォトレジスト塗膜との間に薄い層を形成することによってこれらをイメージプロセッシングに使用することに関する。この組成物は、フォトリソグラフィ技術による半導体デバイスの製造に特に有用であり、そして向上したエッチング速度を底面反射防止膜に与える。
【背景技術】
【0002】
フォトレジスト組成物は、コンピュータチップ及び集積回路の製造など、微細化された電子部品の製造のためのマイクロリソグラフィプロセスに使用されている。これらのプロセスでは、一般的に、先ずフォトレジスト組成物のフィルムの薄い塗膜を、集積回路の製造に使用されるシリコンウェハなどの基材上に塗布する。次いで、被覆された基材をベーク処理してフォトレジスト組成物中の溶剤を蒸発させて塗膜を基材上に定着させる。この基材の被覆されそしてベーク処理された表面は次いで放射線による像様露光に付される。
【0003】
この放射線露光は、被覆された表面の露光された領域において化学的な変化を引き起こす。可視光線、紫外線(UV)、電子ビーム及びX線放射エネルギーが、現在マイクロリソグラフィプロセスに常用されている放射線種である。この像様露光の後、この被覆された基材を現像剤溶液で処理して、フォトレジストの放射線露光された領域または未露光の領域のいずれかを溶解除去する。
【0004】
半導体デバイスは微細化される傾向があり、このような微細化に伴う問題を解決するために精巧なマルチレベルシステムが使用されている。フォトリソグラフィにおいて高吸光性の反射防止膜を使用することが、高反射性基材からの光の後方反射(back reflection)を原因とする問題の軽減のためのより簡単な方策である。後方反射の二つの有害な効果は、薄膜干渉及び反射ノッチングである。薄膜干渉は、レジストの厚さが変わるとレジスト膜中の全光強度を変動させるために、それを原因としてライン幅の微小幅寸法(CD)が変化する結果となる。線幅の変動はスウィング比(S)に比例し、それ故、より良好な線幅制御のためには最小化しなければならない。スウィング比は次の通り定義される。
【0005】
S=4(R1/2−αD
式中、
aは、レジスト/空気界面またはレジスト/上面コート界面における反射率であり、
bは、レジスト/基材界面における反射率であり、
αは、レジストの光学吸収係数であり、そして
Dは、膜厚である。
【0006】
底面反射防止膜は、フォトレジストの露光に使用された放射線を吸収することによって機能して、Rbを低下させ、それによってスウィング比を減少させる。反射ノッチングは、起伏のある構造的特徴(トポグラフィ)を含む基材上でフォトレジストをパターン化する際に深刻になる。このような構造的特徴は、フォトレジストフィルム中に光を散乱させて、線幅の変動を招きそして極端な場合にはレジストが完全に失われた領域をも生じさせる。また同様に、着色された上面反射防止膜は、その塗膜が屈折率及び吸光特性、例えば吸収波長及び強度について最適の値を有する場合にRaを低下させることによってスウィング比を減少させる。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、それぞれ次式
(a)O = C = N − R1 − N = C = O
及び
(b)R2(OH)j
で表される繰り返し単位、場合によっては及び
(c) (c1) H(OR4nOH及び(c2)R3(OH)2から選択される化合物、
を含むポリマーに関する。
【0008】
上記式中、R1、R2及びR3の各々は、独立して、置換されていないかまたは置換されている脂肪族、芳香族、脂環式または複素環式の多価基であり、R4は、−CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−及び−CH2CH2CH2CH2−から選択され、jは3〜6の整数であり(上限、下限含む)、nは、1〜30の整数であり(上限、下限含む)、そして(a):(b)+(c)の当量比は1:1であり、そして(c)が存在する場合は(c):(b)の当量比は約1:4〜約4:1の範囲である。
【0009】
本明細書で使用する“繰り返し単位を含むポリマー”という用語は、ポリマー中の繰り返し単位が各々のモノマー化合物に基づくことを意味する。
【0010】
本発明は、本発明のポリマー及び少なくとも一種の架橋剤を含む反射防止膜用組成物にも関する。
【0011】
本発明は、基材上に像を形成する方法であって、a)本発明の組成物で基材をコーティングし; b)段階a)の塗膜を加熱し; c)段階b)の塗膜の上にフォトレジスト溶液から塗膜を形成し; d)フォトレジスト塗膜を加熱して、塗膜から溶剤を実質的に除去し; e)フォトレジスト塗膜を像様露光し; f)水性アルカリ性現像剤を用いて像を現像し; g)場合によっては、現像の前及び後に基材を加熱し; そしてh)段階b)の組成物をドライエッチングすることを含む前記方法にも関する。
【0012】
本発明は更に、反射防止膜用組成物中に本発明のポリマーを使用することにも関する。
【発明の詳細な説明】
【0013】
本発明は、
(a)O = C = N − R1 − N = C = O
及び
(b)R2(OH)j
の繰り返しモノマー、場合によっては及び
(c) (c1) H(OR4)nOH及び (c2)R3(OH)2から選択される化合物、
を含むポリマーに関する。
【0014】
前記式中、R1、R2及びR3は、独立して、置換されていないかまたは置換されている脂肪族、芳香族、脂環式または複素環式の多価基であり、R4は、−CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−及び−CH2CH2CH2CH2−から選択され、jは、3〜6の整数であり(上限、下限含む); nは、1〜30の整数であり(上限、下限含む)、(a):(b)+(c)の当量比は1:1であり、そして(c)が存在する場合は、(c):(b)の当量比は約1:4〜約4:1の範囲である。
【0015】
また本発明は、本発明の上記ポリマー及び少なくとも一種の架橋剤を含む反射防止膜用組成物にも関する。
【0016】
また本発明は、基材上に像を形成する方法であって、a)本発明の組成物で基材をコーティングし; b)段階a)の塗膜を加熱し; c)段階b)の塗膜上にフォトレジスト溶液から塗膜を形成し; d)フォトレジスト塗膜を加熱して塗膜から溶剤を実質的に除去し; e)フォトレジスト塗膜を像様露光し; f)水性アルカリ性現像剤を用いて像を現像し; g)場合によっては、現像の前及び後に基材を加熱し; そしてh)段階b)の組成物をドライエッチングすることを含む前記方法にも関する。
【0017】
更に本発明は、反射防止膜用組成物中に本発明のポリマーを使用することにも関する。
【0018】
本発明の実施に有用な化合物(a)は、次の式で表すことができる。
【0019】
O=C=N−R1−N=C=O
前記式中、R1は、置換されていないかまたは置換されている脂肪族、芳香族、脂環式または複素環式の多価基である。脂肪族基は線状または分枝状であることができる。芳香族基、脂環式基及び複素環式基はそれぞれ二つまたはそれ以上の芳香族、脂環式及び/または複素環式環を有することができ、これらの環は、互いに縮合しているか、あるいは直接結合を介してまたは結合橋もしくは連結基を介して互いに結合している。置換基の例には、次のものには限定されないが、エーテル基、エステル基、アリール基、脂肪族基、環状脂肪族基またはハロゲン基などが挙げられる。
【0020】
化合物(a)の例には、脂肪族ジイソシアネート化合物、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-及び2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リシンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレン-ジイソシアネート及びこれらの類似物など; 脂環式ジイソシアネート化合物、例えばイソホロンジイソシアネート、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-シクロブタンジイソシアネート、1,3-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,2-、 2,4-及び2,6-ジイソシアナト-1-メチルシクロヘキサン、2,4'-及び4,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート、メチルシクロヘキサン-2,4-(または-2,6-) ジイソシアネート、1,3-(または1,4-)-ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3-及び1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1-イソシアネート-3,3,5-トリメチル-5-イソシアネートメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン-1,3-ビス(メチルイソシアネート)、シクロヘキサン-1,4-ビス(メチルイソシアネート)、1,2-シクロヘキサンジイソシアネート及びこれらの類似物など; 芳香族ジイソシアネート化合物、例えば1-メトキシフェニレン-2,4-ジイソシアネート、1-メチルフェニレン-2,4-ジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4'-トルイジンジイソシアネート、(m-またはp-)フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、(m-またはp-)テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニル-メタンジイソシアネート、1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート、4,4'-ジイソシアナト-3,3'-ジメトキシビフェニル、 4,4'-ジイソシアナト-3,3'-ジメチルビフェニル、4,4'-ジイソシアナト-3,3'-ジフェニルビフェニル、 2,4'-及び4,4'-ジイソシアナトジフェニルメタン、4,4'-ジイソシアナトビフェニル、 1,5-ナフタレンジイソシアネート、2,7-ナフタレンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、アントラキノン-2,6-ジイソシアネート、4,4'-ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m-またはp-)フェニレンジイソシアネート、4,4'-ビフェニレンジイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4-イソシアナトフェニル) スルホン、イソプロピリデンビス(4-フェニルイソシアネート)及びこれらの類似物など; 複素環式ジイソシアネート、例えば3,9-ビス(3-イソシアナトプロピル)-2,4,8,10-テトラスピロ [5,5]ウンデカン、フルフリリデンジイソシアネート及びこれらの類似物など; エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール及びこれらの類似物などのポリオールを、ポリオール中のヒドロキシ基に対して過剰量のイソシアネート基の存在下にポリイソシアネート化合物と反応させることによって製造された付加物; ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)及びこれらの類似物などのビウレットタイプの付加物; イソシアヌル環タイプの付加物及びこれらの類似物など、4,4'-ジシクロヘキシルメタン、トリフェニレンメタン、テトラメチルキシレン及びこれらの類似物など、及び上記の有機ジイソシアネートのうちの一つの化学量論的過剰量と二官能性活性水素含有化合物との間の反応から得られる両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーなどが挙げられる。
【0021】
本発明の実施に有用な化合物(b)は次の式によって表すことができる。
【0022】
2(OH)j
上記式中、R2は、置換されていないかまたは置換されている脂肪族、芳香族、脂環式または複素環式の多価基であり、そしてjは3〜6の整数である(上限、下限含む)。脂肪族基は線状または分枝状であることができる。芳香族基、脂環式基及び複素環式基はそれぞれ二つまたはそれ以上の芳香族、脂環式及び/または複素環式の環を有することができ、これらの環は、互いに縮合しているか、あるいは直接結合を介してまたは結合橋もしくは連結基を介して互いに結合している。置換基の例には、次のものには限定されないが、エーテル基、エステル基、アリール基、脂肪族基、環状脂肪族基、またはハロゲン原子などが挙げられる。
【0023】
化合物(b)の例には、次のものには限定されないが、トリオール類及びテトラオール類、並びに他のポリオール類などが挙げられる。
【0024】
線状もしくは分枝状であることができる脂肪族トリオール、及び脂環式トリオールの例としては、例えば、グリセロール、1,1,1-トリス (ヒドロキシメチル)エタン、トリメチロールプロパン、2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、2-ヒドロキシメチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-ヒドロキシメチル-1,4-ブタンジオール、2-ヒドロキシエチル-2-メチル-1,4-ブタンジオール、2-ヒドロキシメチル-2-プロピル-1,4-ブタンジオール、2-エチル-2-ヒドロキシエチル-1,4-ブタンジオール、1,2,3-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオール、3-(ヒドロキシメチル)-3-メチル-1,4-ペンタンジオール、1,2,5-ペンタントリオール、1,3,5-ペンタントリオール、1,2,3-トリヒドロキシヘキサン、1,2,6-トリヒドロキシヘキサン、2,5-ジメチル-1,2,6-ヘキサントリオール、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン、2-メチル-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、1,2,4-シクロペンタントリオール、1,2,3-シクロペンタントリオール、1,3,5-シクロヘキサントリオール、1,3,5-シクロヘキサントリメタノール、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)シアヌル酸及びこれらの類似物などが挙げられる。
【0025】
テトラオール類の例としては、例えば、1,2,3,4-ブタンテトロール、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、1,2,4,5-ペンタンテトロール、テトラヒドロキシ-1,4-ベンゾキノン、α-メチルマンノピラノシド、2-デオキシガラクトース、3-O-メチルグルコース、リボース、エリトリトール、ペンタエリトリトール、キシロース及びこれらの類似物などが挙げられる。
【0026】
本発明の実施において場合によって存在し得る化合物(c)は、(c1)H(OR4nOH及び(c2)R3(OH)2から選択することができる。
【0027】
前記式中、nは1〜30の整数(上限、下限含む)であり、R3は、置換されていないかまたは置換されている脂肪族、芳香族、脂環式または複素環式の多価基であり、そしてR4は、−CH2CH2−、 −CH2CH(CH3)−及び −CH2CH2CH2CH2−から選択される。脂肪族基は、線状または分枝状であることができる。芳香族基、脂環式基及び複素環式基はそれぞれ二つまたはそれ以上の芳香族、脂環式及び/または複素環式環を有することができ、これらの環は、互いに縮合しているか、あるいは直接結合を介してまたは結合橋もしくは連結基を介して互いに結合している。置換基の例としては、次のものには限定されないが、エーテル基、エステル基、アリール基、脂肪族基、環状脂肪族基またはハロゲン原子が挙げられる。
【0028】
(c1)及び(c2)から選択される化合物(c)の例には、次のものには限定されないが、例えばエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-3-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,2-テトラデカンジオール、1,2-ヘキサデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、200〜1500の分子量を有するポリエチレングリコール、1,2-シクロブタンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、5-ノルボルネン-2,2-ジメタノール、3-シクロヘキセン-1,1-ジメタノール、ジシクロヘキシル-4,4'-ジオール、1,2-シクロペンタンジオール、1,3-シクロペンタンジオール、1,2-シクロオクタンジオール、1,4-シクロオクタンジオール、1,5-シクロオクタンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘプタンジオール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、1,2-シクロドデカンジオール、デカヒドロナフタレン1,4-ジオール、デカヒドロナフタレン-1,5-ジオール、3-クロロ-1,2-プロパンジオール、1,4-ジブロモブタン-2,3-ジオール、2,2,3,3-テトラフルオロール、4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソソルビド、イソマンニド、1,3-ジオキサン-5,5-ジメタノール、1,4-ジオキサン-2,3-ジオール、1,4-ジチアン-2,5-ジオール、1,2-ジチアン-4,5-ジオール、2-ヒドロキシエチルジスルフィド、3,6-ジチア-1,8-オクタンジオール、3,3'-チオジプロパノール、2,2'-チオジエタノール、1,3-ヒドロキシアセトン、1,5-ジヒドロキシ-2,2,4,4-テトラクロロ-3-ペンタノン、グリセルアルデヒド類、ベンゾピナコール、1,1,4,4-テトラフェニル-1,4-ブタンジオール、3,4-ビス(p-ヒドロキシフェノール)-3,4-ヘキサンジオール、1,2-ベンゼンジメタノール、1,4-ベンゼンジメタノール、2,3,5,6-テトラメチル-p-キシレン-α,α'-ジオール、2,4,5,6-テトラクロロベンゼン-1,3-ジメタノール、2,3,5,6-テトラクロロベンゼン-1,4-ジメタノール、2,2-ジフェニル-1,3-プロパンジオール、3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール、2,2'-(p-フェニレンジオキシ)-ジエタノール、1,8-ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-p-クレゾール、1,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)ベンゼン、5,6-イソプロピリデンアスコルビン酸、及びこれらの類似物などが挙げられる。
【0029】
(a):(b)+(c)の当量比は好ましくは1:1である。(c)が存在する場合には(c):(b)の当量比は、約1:4〜約4:1、好ましくは約1:3〜約3:1、より好ましくは約1:2〜約2:1、更により好ましくは約1:1〜約2:1の範囲である。該ポリマーは(a)を少なくとも25重量%の割合で含む。
【0030】
本発明のポリマーは、当業者には周知の方法によって製造することができる。実施例の方法を参照されたい。これらの例は、本発明の更に別のポリマーを製造するための指針としても使用することができる。
【0031】
架橋剤は、酸の作用下に架橋構造を形成することができる剤である。架橋剤の一部の例としては、アミノプラスト、例えばグリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、及び尿素−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。触媒作用を受けた形で長い貯蔵寿命(3〜12ヶ月)を得るためには、これらの樹脂のメチル化及び/またはブチル化された形を使用することが非常に好ましい。2未満の重合度を有する高度にメチル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が有用である。酸官能性フォトレジストと併用することができる熱硬化性ポリエステル系反射防止膜の製造にはモノマー性メチル化グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂が有用である。一つの例は、N,N,N,N-テトラ(アルコキシメチル)グリコールウリルである。N,N,N,N-テトラ(アルコキシメチル)グリコールウリルの例には、例えば、N,N,N,N-テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N-テトラ(エトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N-テトラ(n-プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N-テトラ(i-プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N-テトラ(n-ブトキシメチル)グリコールウリル及びN,N,N,N-テトラ(t-ブトキシメチル)グリコールウリルなどを挙げることができる。N,N,N,N-テトラ(メトキシメチル)グリコールウリルは、Cytec Industries社からPOWDERLINKの商標で入手することができる(例えば、POWDERLINK 1174)。他の例としては、メチルプロピルテトラメトキシメチルグリコールウリル、及びメチルフェニルテトラメトキシメチルグリコールウリルなどが挙げられる。類似の材料は、サンワケミカル社(日本在)からNIKALACの商標でも入手可能である。
【0032】
他のアミノプラスト架橋剤は、Cytec Industries社からはCYMELの商標で、Monsanto Chemical Co.からはRESIMENEの商標で商業的に入手が可能である。他のアミン及びアミドの縮合生成物も使用することができ、これには、例えば、トリアジン類、ジアジン類、ジアゾール類、グアニジン類、グアニミン類、及びこれらの化合物のアルキル−もしくはアリール置換誘導体、例えばアルキル−もしくはアリール置換メラミン類のアルデヒド縮合物が挙げられる。このような化合物の一部の例は、N,N'-ジメチル尿素、ベンゾユリア、ジシアンジアミド、ホルムアグアナミン、アセトグアナミン、アンメリン、2-クロロ-4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン、6-メチル-2,4-ジアミノ、1,3,5-トリアジン、3,5-ジアミノトリアゾール、トリアミノピリミジン、2-メルカプト-4,6-ジアミノ-ピリミジン、3,4,6-トリス(エチルアミノ)-1,3,5-トリアジン、トリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジン、N,N,N',N'-テトラメトキシメチル尿素、メチロールベンゾグアナミンまたはこれらのアルキルエーテル化合物、例えばテトラメチロールベンゾグアナミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン及びトリメトキシメチルベンゾグアナミン; 2,6-ビス(ヒドロキシメチル)4-メチルフェノールまたはこれらのアルキルエーテル化合物; 4-tert-ブチル-2,6-ビス(ヒドロキシメチル)フェノールまたはこれらのアルキルエーテル化合物; 5-エチル-1,3-ビス(ヒドロキシメチル)パーヒドロ-1,3,5-トリアジン-2-オン(一般名: N-エチルジメチロールトリアジン)またはこれらのアルキルエーテル化合物; N,N-ジメチロールトリメチレン尿素またはこれらのジアルキルエーテル化合物; 3,5-ビス(ヒドロキシメチル)パーヒドロ-1,3,5-オキサジアジン-4-オン(一般名: ジメチロールウロン(dimethylolurone))またはこれらのアルキルエーテル化合物; 及びテトラメチロールグリオキサザルジウレイン(tetramethylolglyoxazaldiurein)またはこれらのジアルキルエーテル化合物、並びにこれらの類似物などである。
【0033】
他の可能な架橋剤には、2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-p-クレゾール及び以下の構造を有する化合物、
【0034】
【化1】

【0035】
及びこれらの類似物及び誘導体、例えば特開平1-293339号公報(東ソー)に記載のもの、並びにメチロールメラミン類、例えばヘキサメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、及びテトラメチロールメラミン、並びにエーテル化されたアミノ樹脂、例えばアルコキシル化されたメラミン樹脂(例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、ペンタメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン及びテトラメトキシメチルメラミン)またはメチル化/ブチル化グリコールウリル類、例えばカナダ特許第1 204 547号明細書(Ciba Specialty Chemicals)に記載のものなどが挙げられる。他の例としては、例えばN,N,N,N-テトラヒドロキシメチルグリコールウリル、2,6-ジヒドロキシメチルフェノール、2,2',6,6'-テトラヒドロキシメチル−ビスフェノールA、1,4-ビス[2-(2-ヒドロキシプロピル)]ベンゼン及びこれらの類似物などが挙げられる。架橋剤の他の例には、米国特許第4581321号明細書、米国特許第4889789号明細書及びドイツ特許出願公開第36 34 371号明細書に記載のものなどが挙げられる。なおこれらの特許文献の内容は本明細書中に掲載されたものとする。様々なメラミン及び尿素樹脂が、Nikalacs(サンワケミカル社)、Plastopal(BASF AG)またはMaprenal(Clariant GmbH)の商標で商業的に入手することができる。
【0036】
架橋剤はそれぞれ単独でまたは複数種のものの混合物として使用することができる。架橋剤は、ポリマー上の反応性基あたりで架橋性官能基が約0.10〜約2.00当量供されるような割合で該組成物に加えられる。
【0037】
該反射防止膜用組成物は、架橋触媒、溶剤、モノマー性染料、表面レベリング剤、粘着促進剤及び消泡剤から選択される一種またはそれ以上の成分を更に含むことができる。
【0038】
架橋触媒としては、例えば、酸発生剤、酸、及びこれらの混合物が挙げられる。酸発生剤の一つの例は熱酸発生剤である。熱酸発生剤は、それ自体は酸ではないが、フォトレジストフィルムを加熱すると酸に転化される化合物である。本発明に有用な適当な熱酸発生剤としては、対応するアミンが揮発性である酸のアンモニウム塩などが挙げられる。酸のアンモニウム塩は、酸をアンモニアまたはアミンで中和することによって製造される。このアミンは、第一級、第二級または第三級アミンであることができる。このアミンは、フィルムを架橋させるのに必要な温度に加熱した際に反射防止膜から蒸発しなければならないので揮発性である必要がある。このアミンまたはアンモニアが加熱時に反射防止膜から蒸発すると、これはフィルム中に酸を残す。この酸は反射防止膜中に存在し、そして対応する量の塩基で中和されない限り、加熱時の酸硬化架橋反応を触媒するのに使用される。光酸発生剤も該組成物中に存在することができる。それの使用法及び種類は当業界において周知である。
【0039】
酸発生剤の例には、オニウム塩、ベンゾイントシレート、ニトロベンジルトシレート類、例えば2-ニトロベンジルトシレート、2,4-ジニトロベンジルトシレート、2,6-ジニトロベンジルトシレート、4-ニトロベンジルトシレート; ニトロベンジルベンゼンスルホネート類、例えば2-トリフルオロメチル-6-ニトロベンジル4-クロロベンゼンスルホネート、例えば2-トリフルオロメチル-6-ニトロベンジル4-ニトロベンゼンスルホネート; フェノール性スルホネートエステル、例えばフェニル-4-メトキシベンゼンスルホネート、トリス(2,3-ジブロモプロピル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン、2,4,4,6-テトラブロモシクロヘキサジエノン、有機スルホン酸のアルキルエステル、例えばp-トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、リン酸、カンフルスルホン酸のアルキルエステル、アルキルもしくはアリールスルホン酸エステル、芳香族スルホンアミド類、アルキルもしくはアリールリン酸エステル、これらの塩及びこれらの混合物などが挙げられる。ベンゾイントシレートを加熱すると、置換反応によりトルエンスルホン酸が生成される。加熱時に脱離によってスルホン酸を生成するアルキルスルホネート類は、他の熱酸発生剤の例である。
【0040】
使用し得る酸の例としては、上記の酸発生剤の非塩(non-salt)が挙げられ、例えば有機酸、例えばスルホン酸(例えば、アルキルもしくはアリールスルホン酸、例えばフェニルスルホン酸及びパラ−トルエンスルホン酸)、及びアルキルもしくはアリールリン酸などが挙げられる。一種またはそれ以上の架橋触媒を該組成物に使用することができる。
【0041】
該コーティング組成物のための溶剤の例としては、アルコール、エステル、グライム、エーテル、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、ケトン、環状ケトン、及びこれらの混合物などが挙げられる。このような溶剤の例には、次のものには限定されないが、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、エチル3-エトキシプロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、及びメチル3-メトキシプロピオネートなどが挙げられる。溶剤は、典型的には、約40〜約95重量%の量で存在する。
【0042】
該組成物は基材表面に塗布され、そしてドライエッチングに付されるために、該組成物が、半導体デバイスの性質が悪影響を受けないほどに十分に金属イオン含有量が低くそして純度が高いことが想定される。ポリマーの溶液や、このようなポリマーを含む組成物をイオン交換カラムに通したり、濾過及び抽出プロセスなどの処理を使用して、金属イオンの濃度の減少及び異物の除去を行うことができる。
【0043】
該コーティング組成物は、当業者には周知の技術を用いて基材に塗布することができる。このような技術としては、例えばディップコート法、スピンコート法またはスプレーコート法などが挙げられる。該反射防止膜の膜厚は約0.01μm〜約1μmの範囲である。その塗膜は、ホットプレートもしくは熱対流炉または他の周知の加熱方法で加熱することができ、それによって、残留溶剤を除去し及び必要ならば架橋を誘発させて反射防止膜を不溶化し、そうして反射防止膜とフォトレジストとの間の相互混合を防止することができる。
【0044】
フォトレジスト組成物には、ネガ型とポジ型の二つのタイプのものがある。ネガ型フォトレジスト組成物を放射線で像様露光すると、放射線に曝された領域のレジスト組成物が現像剤溶液に溶けにくくなり(例えば架橋反応が起こる)、他方、フォトレジスト塗膜の未露光の領域はこのような溶液に対して比較的可溶性のまま残る。それ故、露光されたネガ型レジストを現像剤で処理すると、フォトレジスト塗膜の未露光の領域が除去されて、塗膜にネガ型の像が形成される。それによって、フォトレジスト組成物が付着していた下にある基材表面の所望の部分が裸出される。
【0045】
これに対して、ポジ型フォトレジスト組成物を放射線で像様露光すると、放射線に曝された領域のフォトレジスト組成物が現像剤溶液により溶けやすくなり(例えば転位反応が起こる)、他方で未露光の領域は現像剤溶液に対し比較的不溶性のまま残る。それ故、露光されたポジ型フォトレジストを現像剤で処理すると塗膜の露光された領域が除去されて、フォトレジスト塗膜にポジ型の像が形成される。この場合もまた、下にある表面の所望の部分が裸出される。
【0046】
ネガ型フォトレジスト組成物及びポジ型フォトレジスト組成物並びにそれらの使用法は当業者には周知である。
【0047】
本発明の方法は、本発明のポリマーを含むコーティング組成物で基材を被覆し、そしてこの基材を、ホットプレートもしくは熱対流炉または他の周知の加熱方法を用いて、フォトレジストのコーティング溶液または水性アルカリ性現像剤中に塗膜が不溶性となるのに十分な程度までコーティング用溶剤を除去し及び必要ならばポリマーを架橋させるのに十分な温度及び十分な時間で加熱することを含む。当業界において周知の方法を用いてエッジビード除去剤を適用して基材の縁を清掃することができる。加熱は、約70℃〜約250℃の温度の範囲である。温度が70℃よりも低いと、溶剤の除去が不十分になったり、または架橋の程度が不十分になる恐れがある。他方、250℃を超える温度では、ポリマーが化学的に不安定になる恐れがある。次いで、フォトレジスト組成物のフィルムを、反射防止膜の表面に塗布し、次いでベーク処理してフォトレジスト溶剤を実質的に除去する。フォトレジストを像様露光し、そして水性現像剤中で現像することにより、処理されたレジストを除去する。現像の前かつ露光の後に任意の加熱段階をプロセスに組み入れることができる。フォトレジストの塗布及び像形成法は当業者には周知であり、そして使用した特定の種類のレジストに最適化される。パターン化された基材は、次いで、適当なエッチング室でドライエッチして反射防止膜の露光された部分を除去することができ、この際、残存するフォトレジストはエッチングマスクとして機能する。
【実施例】
【0048】
例1−ポリウレタンMDI/PEG/グリセロールコポリマーの合成
ポリエチレングリコール(Mn約1000)25g及びグリセロール5gを、使用する前に、それぞれ別々に100℃で真空下に1時間乾燥した。メチレンビス(4−フェニルイソシアネート)(MDI)9.0g(36mmol)を、250ml容積の丸底フラスコに加え、そしてこのフラスコを、80℃に加熱してMDIを溶融しながら乾燥窒素でパージした。上記の乾燥したポリエチレングリコール(Mn約1000)20gを60℃に冷却し、そしてフラスコ中の上記の溶融MDIに加えた。減圧下に100℃で2時間、反応を進行させ、その後60℃に冷却した。乾燥したグリセロール1.84g(20mmol)を80℃で上記フラスコに加え、次いで100℃で1時間、反応を続けた。次いで、加温したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50gを窒素雰囲気下に上記のフラスコに加え、そしてフラスコ内の溶液を100℃で1時間攪拌した。次いでこの溶液を放冷した。次いでこの溶液をエーテル中で析出させてポリマーを析出させた。この析出物を集め、次いで水中で再析出させた。次いで生じたポリマーを集めそして乾燥した。ポリマーを乳酸エチル中に溶解して9.2%の溶液とした。
【0049】
例2−ポリウレタンMDI/PEG/THCAコポリマーの合成
ポリエチレングリコール(Mn約1000)15gを、使用前に、真空下100℃で1時間乾燥した。メチレンビス(4−フェニルイソシアネート(MDI)10gを、250ml容積の丸底フラスコ中に加え、そしてこのフラスコを、80℃に加熱してMDIを溶融しながら乾燥窒素でパージした。上記の乾燥したポリエチレングリコール(Mn約1000)10gを60℃に冷却し、そしてフラスコ中の上記の溶融したMDIに加えた。反応を減圧下に100℃で2時間進行させ、その後60℃に冷却した。三首丸底フラスコを、攪拌機、窒素及び滴下漏斗入口を用いて準備した。1,3,5−トリスヒドロキシエチルシアヌル酸(THCA)8.62g(33mmol)を、窒素雰囲気下にシクロヘキサノン50mlに加え、そしてこの混合物を80℃に加熱した。上記MDI/ポリエチレングリコール材料20gを上記フラスコから滴下漏斗に移し、そしてこのMDI/ポリエチレングリコール材料を、80℃で30分かけて上記THCA混合物に加えた。反応を更に30分間続け、次いで生じた混合物を放冷した。冷却後、生成物混合物をTHFで希釈し、次いで水中で析出させてポリマーを析出させた。析出物を集め次いで水中で再析出させ、そして析出したポリマーを取り出し次いで放置乾燥した。十分なポリマーを乳酸エチル中に溶解して9.0%の溶液とした。
【0050】
例3−MDI/THCAポリマーの合成
シクロヘキサノン60gを含むフラスコ中で、1,3,5−トリスヒドロキシエチルシアヌル酸11.5g(44mmol)を窒素雰囲気下に100℃で1時間溶解し、次いで80℃に冷却した。メチレンビス(4−フェニルイソシアネート)(MDI)10.2g(41mmol)を、30分かけて等量ずつ三回に分けて上記フラスコに加えた。MDIを全てフラスコに加えたら、フラスコ内の溶液を80℃で更に30分間攪拌した。フラスコの内容物を次いで放冷し、そしてTHFを加えてこの混合物を希釈した。このTHF混合物を次いで水中で析出させた。ポリマーが析出した。この析出物を集め、次いでエーテル/ヘキサン類の混合物中で再析出させた。白色の粉末を集め、そして真空下に乾燥すると、ポリマーが17.6g(82%の収率)得られた。
【0051】
例4−ポリウレタンMDI/THCA/エチレングリコールポリマーの合成
シクロヘキサノン50gを含むフラスコ中で、1,3,5−トリスヒドロキシエチルシアヌル酸5.75g(22mmol)を窒素雰囲気下100℃で1時間溶解し、次いで80℃に冷却した。次いで、乾燥したエチレングリコール1.37g(22mmol)をこのフラスコに加えた。次いで、メチレンビス(4−フェニルイソシアネート)(MDI)10.0g(40mmol)を、60分間かけて等量ずつ三回にわけてこのフラスコに加えた。全てのMDIをフラスコに添加したら、このフラスコ内の溶液を更に60分間80℃で攪拌した。このフラスコの内容物を次いで放冷し、そしてTHFをこのフラスコに加えてその混合物を希釈した。次いで。このTHF混合物を水中で析出させた。ポリマーが析出した。この析出物を集め、次いでエーテル中で再析出させた。白色の粉末を集めそして真空下に乾燥すると、14.0g(82%の収率)の収穫があった。
【0052】
例5−反射防止膜の形成及び結果
適当な容器中で、例1のポリマー1.5gを、乳酸エチル48.5g中に溶解して3.0重量%の溶液を調製した。Mx−270(N,N,N,N-テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル; Nikalac)0.3g、乳酸エチル中のパラ−トルエンスルホン酸トリエチルアミン塩の10%溶液0.3g、及びトリフェニルスルホニウムノナフレート0.015gを、上記の適当な容器中に入れ、そして全ての成分が溶解するまで攪拌した。次いで、この混合物を0.2μmマクロフィルターに通して濾過した。次いでこの溶液をシリコンウェハ上に40秒間スピンコートした。この被覆されたウェハを次いでホットプレートで1分間200℃で加熱した。膜厚は0.11μmと測定された。この反射防止膜を分光エリプソメーターで分析した。193nmにおける最適化された屈折率"n"は1.61、吸光パラメータ"k"は0.21であった。
【0053】
例6−反射防止膜の形成及び結果
適当な容器中で、例2のポリマー1.5gを乳酸エチル48.5g中に溶解して3.0重量%の溶液を調製した。Mx−270(N,N,N,N-テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル; Nikalac)0.3g、乳酸エチル中のパラ−トルエンスルホン酸トリエチルアミン塩の10%溶液0.3g、及びトリフェニルスルホニウムノナフレート0.015gを上記の適当な容器中に入れ、そして全ての成分が溶解するまで攪拌した。次いでこの混合物を0.2μmマイクロフィルターに通して濾過した。次いでこの溶液をシリコンウェハ上に40秒間スピンコートした。次いでこの被覆されたウェハをホットプレートで200℃で1分間加熱した。膜厚は0.1μmと測定された。この反射防止膜を分光エリプソメーターで分析した。193nmにおける最適化された屈折率"n"は1.67、吸光パラメータ"k"は0.35であった。
【0054】
例7−反射防止膜の形成及び結果
適当な容器中で、例3のポリマー1.0gをシクロヘキサノン48.5g中に溶解して2.0重量%の溶液を調製した。Mx−270(N,N,N,N-テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル; Nikalac)0.1g、乳酸エチル中のパラ−トルエンスルホン酸トリエチルアミン塩の10%溶液0.2g、及びトリフェニルスルホニウムノナフレート0.010gを上記の適当な容器中に入れ、そして全ての成分が溶解するまで攪拌した。この混合物を次いで0.2μmマイクロフィルターに通して濾過した。次いでこの溶液をシリコンウェハ上に40秒間スピンコートした。この被覆されたウェハをホットプレートで200℃で1分間加熱した。膜厚は0.053μmと測定された。この反射防止膜を分光エリプソメーターで分析した。193nmにおける最適化された屈折率"n"は1.66、吸光パラメータ"k"は0.51であった。
【0055】
例8−反射防止膜の形成及び結果
適当な容器中で、例4のポリマー1.0gを、シクロヘキサノン10.0g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート38.5g中に溶解して2.0重量%の溶液を調製した。Mx−270(N,N,N,N-テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル; Nikalac)0.2g、乳酸エチル中のパラ−トルエンスルホン酸トリエチルアミン塩の10%溶液0.2g、及びトリフェニルスルホニウムノナフレート0.010gを上記の適当な容器中に入れ、そして全ての成分が溶解するまで攪拌した。次いでこの混合物を0.2μmマイクロフィルターに通して濾過した。次いでこの溶液をシリコンウェハ上に40秒間スピンコートした。この被覆されたウェハを次いでホットプレートで200℃で1分間加熱した。膜厚は0.056μmと測定された。この反射防止膜を分光エリプソメーターで分析した。193nmにおける最適化された屈折率"n"は1.62、吸光パラメータ"k"は0.53であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) O=C=N−R1−N=C=O
及び
(b) R2(OH)i
の繰り返しモノマー、
場合によっては及び
(c) (c1)H(OR4nOH及び(c2)R3(OH)2
から選択される化合物、
を含むポリマー。
[但し、上記式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、置換されていないかまたは置換されている脂肪族、芳香族、脂環式または複素環式の多価基であり; R4は−CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−及び−CH2CH2CH2CH2−から選択され; jは3〜6の整数(上限、下限含む)であり; nは1〜30の整数(上限、下限含む)であり; そして(a):(b)+(c)の当量比は1:1であり、そして(c)が存在する場合には(c):(b)の当量比は約1:4〜約4:1の範囲である]
【請求項2】
ポリマー中の(a)の重量%が少なくとも25重量%である、請求項1のポリマー。
【請求項3】
(a)において、R1が置換されていないかまたは置換されている芳香族多価基である、請求項1または2のポリマー。
【請求項4】
芳香族多価基が、フェニレン、ジフェニレン、ジフェニルメタン、トルエン、キシレン、アントラセン及びナフタレンからなる群から選択される、請求項3のポリマー。
【請求項5】
化合物(a)が、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-もしくは2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リシンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレン-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-シクロブタンジイソシアネート、1,3-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,2- 2,4-もしくは2,6-ジイソシアナト-1-メチルシクロヘキサン、2,4'-もしくは4,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート、メチルシクロヘキサン-2,4-(または-2,6-)ジイソシアネート、1,3-(または1,4-)-ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3-もしくは1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1-イソシアネート-3,3,5-トリメチル-5-イソシアネートメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン-1,3-ビス(メチルイソシアネート)、シクロヘキサン-1,4-ビス(メチルイソシアネート)、1,2-シクロヘキサンジイソシアネート、1-メトキシフェニレン-2,4-ジイソシアネート、1-メチルフェニレン-2,4-ジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4'-トルイジンジイソシアネート、(m-またはp-)フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、(m-またはp-)テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニル-メタンジイソシアネート、1,3-もしくは1,4-フェニレンジイソシアネート、4,4'-ジイソシアナト-3,3'-ジメトキシビフェニル、4,4'-ジイソシアナト-3,3'-ジメチルビフェニル、4,4'-ジイソシアナト-3,3'-ジフェニルビフェニル、2,4'-もしくは4,4'-ジイソシアナトジフェニルメタン、4,4'-ジイソシアナトビフェニル、1,5-ナフタレンジイソシアネート、2,7-ナフタレンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、アントラキノン-2,6-ジイソシアネート、4,4'-ジフェニルエーテルジイソシアネート、 (m-またはp-)フェニレンジイソシアネート、4,4'-ビフェニレンジイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4-イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス (4-フェニルイソシアネート)、3,9-ビス(3-イソシアナトプロピル)-2,4,8,10-テトラスピロ [5,5]ウンデカン、フルフリリデンジイソシアネート、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一つのポリマー。
【請求項6】
jが3である、請求項1〜5のいずれか一つのポリマー。
【請求項7】
(b)が、グリセロール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタン、2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、2-ヒドロキシメチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-ヒドロキシメチル-1,4-ブタンジオール、2-ヒドロキシエチル-2-メチル-1,4-ブタンジオール、2-ヒドロキシメチル-2-プロピル-1,4-ブタンジオール、2-エチル-2-ヒドロキシエチル-1,4-ブタンジオール、1,2,3-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオール、3-(ヒドロキシメチル)-3-メチル-1,4-ペンタンジオール、1,2,5-ペンタントリオール、1,3,5-ペンタントリオール、1,2,3-トリヒドロキシヘキサン、1,2,6-トリヒドロキシヘキサン、2,5-ジメチル-1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-シクロペンタントリオール、1,2,3-シクロペンタントリオール、1,3,5-シクロヘキサントリオール、1,3,5-シクロヘキサントリメタノール、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)シアヌル酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一つのポリマー。
【請求項8】
(c)が存在しない、請求項1〜7のいずれか一つのポリマー。
【請求項9】
(c)が存在する、請求項1〜7のいずれか一つのポリマー。
【請求項10】
(c)が、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-3-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,2-テトラデカンジオール、1,2-ヘキサデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,2-シクロブタンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、5-ノルボルネン-2,2-ジメタノール、3-シクロヘキセン-1,1-ジメタノール、ジシクロヘキシル-4,4'-ジオール、1,2-シクロペンタンジオール、1,3-シクロペンタンジオール、1,2-シクロオクタンジオール、1,4-シクロオクタンジオール、1,5-シクロオクタンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘプタンジオール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、1,2-シクロドデカンジオール、デカヒドロナフタレン1,4-ジオール、デカヒドロナフタレン-1,5-ジオール、3-クロロ-1,2-プロパンジオール、1,4-ジブロモブタン-2,3-ジオール、2,2,3,3-テトラフルオロール,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、200〜1500の分子量を有するポリエチレングリコール、イソソルビド、イソマンニド、1,3-ジオキサン-5,5-ジメタノール、1,4-ジオキサン-2,3-ジオール、1,4-ジチアン-2,5-ジオール、1,2-ジチアン-4,5-ジオール、2-ヒドロキシエチルジスルフィド、3,6-ジチア-1,8-オクタンジオール、3,3'-チオジプロパノール、2,2'-チオジエタノール、1,3-ヒドロキシアセトン、1,5-ジヒドロキシ-2,2,4,4-テトラクロロ-3-ペンタノン、グリセルアルデヒド類、ベンゾピナコール、1,1,4,4-テトラフェニル-1,4-ブタンジオール、3,4-ビス(p-ヒドロキシフェノール)-3,4-ヘキサンジオール、1,2-ベンゼンジメタノール、1,4-ベンゼンジメタノール、2,3,5,6-テトラメチル-p-キシレン-α,α'-ジオール、2,4,5,6-テトラクロロベンゼン-1,3-ジメタノール、2,3,5,6-テトラクロロベンゼン-1,4-ジメタノール、2,2-ジフェニル-1,3-プロパンジオール、3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール、2,2'-(p-フェニレンジオキシ)-ジエタノール、1,8-ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-p-クレゾール、1,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)ベンゼン、5,6-イソプロピリデンアスコルビン酸、2,3-O-イソプロピリデントレイトール、及びこれらの混合物から選択される、請求項9のポリマー。
【請求項11】
(c):(b)の当量比が約1:3〜約3:1である、請求項9または10のポリマー。
【請求項12】
(c):(b)の当量比が約1:2〜約2:1である、請求項11のポリマー。
【請求項13】
(c):(b)の当量比が約1:1〜約2:1である、請求項12のポリマー。
【請求項14】
a) 請求項1〜13のいずれか一つのポリマー; 及び
b) 少なくとも一種の架橋剤、
を含む、反射防止膜用組成物。
【請求項15】
架橋触媒、溶剤、モノマー性染料、表面レベリング剤、粘着促進剤、及び消泡剤から選択される一種またはそれ以上の成分を更に含む、請求項14の組成物。
【請求項16】
a) 請求項14または15の組成物で基材をコーティングし;
b) 段階a)の塗膜を加熱し;
c) 段階b)の塗膜上に、フォトレジスト溶液から塗膜を形成し;
d) フォトレジスト塗膜を加熱して、塗膜から溶剤を実質的に除去し;
e) フォトレジスト塗膜を像様露光し;
f) 水性アルカリ性現像剤を用いて像を現像し;
g) 場合によっては、現像の前及び後に基材を加熱し; そして
h) 段階b)の組成物をドライエッチングする、
ことを含む、基材上に像を形成する方法。
【請求項17】
反射防止膜用組成物中での、請求項1〜13のいずれか一つのポリマーの使用。

【公表番号】特表2009−501825(P2009−501825A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522087(P2008−522087)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002041
【国際公開番号】WO2007/010385
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(305010827)エイゼット・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・コーポレイション (81)
【Fターム(参考)】