説明

施設情報表示装置、施設情報表示方法及びそのプログラム

【課題】最新の施設情報を表示することが可能な施設情報表示装置を提供することを課題とする。
【解決手段】施設情報表示装置は、例えばナビゲーション装置などに適用され、施設に関する情報を示す施設情報を記憶する記憶手段と、サーバと送受信を行う送信手段および受信手段と、比較検出手段と、更新手段とを備える。送信手段は、ユーザにより指示された指示位置を示す位置情報をサーバに送信する。受信手段は、指示位置を含む一定範囲内における駐車場に関する施設情報をサーバより受信する。比較検出手段は、サーバより受信した駐車場に関する施設情報と記憶手段に記憶された施設情報とを比較することにより、駐車場に関する更新情報を検出する。更新手段は、比較検出手段により検出された更新情報で記憶手段に記憶された施設情報を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部の表示画面上に施設情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ナビゲーション装置において、ドライバに目的地近辺の駐車場までの案内を行う技術が各種提案されている。例えば、以下の特許文献1には、ナビゲーション装置において、目的地などの近辺の駐車場を検索して、料金順や駐車可能台数などの各種条件に応じて、駐車場の情報をリスト表示し、その中でドライバにより選択された駐車場に案内する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−214866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、駐車場などの施設に関する情報である施設情報は、時間の経過とともに、随時変化する可能性がある。しかしながら、ナビゲーション装置では、自身が有する施設情報が新たに新設された駐車場の情報を含んでいるとは限らない。この場合、ナビゲーション装置では、新設された駐車場の情報をユーザに示すことができないといった問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、最新の施設情報を表示することが可能な施設情報表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、サーバと通信を行う施設情報表示装置であって、施設に関する情報を示す施設情報を記憶する記憶手段と、ユーザにより指示された指示位置を示す位置情報を前記サーバに送信する送信手段と、前記指示位置を含む一定範囲内における駐車場に関する施設情報を前記サーバより受信する受信手段と、前記サーバより受信した前記駐車場に関する施設情報と前記記憶手段に記憶された施設情報とを比較することにより、前記駐車場に関する更新情報を検出する比較検出手段と、前記比較検出手段により検出された前記更新情報で前記記憶手段に記憶された施設情報を更新する更新手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項6に記載の発明は、施設に関する情報を示す施設情報を記憶する記憶手段を有するとともにサーバと通信を行う施設情報表示装置により実行される施設情報表示方法であって、ユーザにより指示された指示位置を示す位置情報を前記サーバに送信する送信工程と、前記指示位置を含む一定範囲内における駐車場に関する施設情報を前記サーバより受信する受信工程と、前記サーバより受信した前記駐車場に関する施設情報と前記記憶手段に記憶された施設情報とを比較することにより、前記駐車場に関する更新情報を検出する比較検出工程と、前記比較検出工程により検出された前記更新情報で前記記憶手段に記憶された施設情報を更新する更新手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項7に記載の発明は、施設に関する情報を示す施設情報を記憶する記憶手段を有するとともにサーバと通信を行う施設情報表示装置により実行される施設情報表示プログラムであって、ユーザにより指示された指示位置を示す位置情報を前記サーバに送信する送信手段、前記指示位置を含む一定範囲内における駐車場に関する施設情報を前記サーバより受信する受信手段、前記サーバより受信した前記駐車場に関する施設情報と前記記憶手段に記憶された施設情報とを比較することにより、前記駐車場に関する更新情報を検出する比較検出手段、前記比較検出手段により検出された前記更新情報で前記記憶手段に記憶された施設情報を更新する更新手段、として前記施設情報表示装置を機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ナビゲーションシステムの概略構成を示す図である。
【図2】ナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図3】更新前のナビDBにおける施設情報の一例である。
【図4】駐車場情報の表示の一例である。
【図5】サーバDBにおける施設情報の一例である。
【図6】更新後のナビDBにおける施設情報の一例である。
【図7】駐車場情報の表示の一例である。
【図8】ナビゲーション装置の更新制御処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つの観点では、サーバと通信を行う施設情報表示装置であって、施設に関する情報を示す施設情報を記憶する記憶手段と、ユーザにより指示された指示位置を示す位置情報を前記サーバに送信する送信手段と、前記指示位置を含む一定範囲内における駐車場に関する施設情報を前記サーバより受信する受信手段と、前記サーバより受信した前記駐車場に関する施設情報と前記記憶手段に記憶された施設情報とを比較することにより、前記駐車場に関する更新情報を検出する比較検出手段と、前記比較検出手段により検出された前記更新情報で前記記憶手段に記憶された施設情報を更新する更新手段と、を備える。
【0011】
上記の施設情報表示装置は、例えばナビゲーション装置などに適用され、施設に関する情報を示す施設情報を記憶する記憶手段と、サーバと送受信を行う送信手段および受信手段と、比較検出手段と、更新手段とを備える。記憶手段は、例えばナビゲーション装置のデータ記憶ユニットにより実現され、送信手段、受信手段、比較検出手段、更新手段は、例えばナビゲーション装置のシステムコントローラによって実現される。送信手段は、ユーザにより指示された指示位置を示す位置情報をサーバに送信する。受信手段は、指示位置を含む一定範囲内における駐車場に関する施設情報をサーバより受信する。比較検出手段は、サーバより受信した駐車場に関する施設情報と記憶手段に記憶された施設情報とを比較することにより、駐車場に関する更新情報を検出する。更新手段は、比較検出手段により検出された更新情報で記憶手段に記憶された施設情報を更新する。このようにすることで、記憶手段に記憶された施設情報は、駐車場について、最新の情報に対応していることになる。これにより、施設表示装置は、記憶手段に記憶された施設情報に加え、新設された駐車場の情報をユーザに表示することができる。
【0012】
上記の施設情報表示装置の好適な実施例は、前記駐車場に関する施設情報は、前記駐車場の利用有効期間を示す情報を含む。
【0013】
上記の施設情報表示装置の好適な実施例は、更新手段は、前記駐車場の利用有効期間が所定期間以下の場合、当該駐車場に関する施設情報で前記記憶手段に記憶された施設情報を更新しない。
【0014】
上記の施設情報表示装置の他の一態様では、前記駐車場に関する施設情報は、前記駐車場の駐車料金を示す駐車料金情報を含む。これにより、新設された駐車場の駐車料金をユーザに表示することが可能となる。
【0015】
本発明の他の観点では、施設に関する情報を示す施設情報を記憶する記憶手段を有するとともにサーバと通信を行う施設情報表示装置により実行される施設情報表示方法であって、ユーザにより指示された指示位置を示す位置情報を前記サーバに送信する送信工程と、前記指示位置を含む一定範囲内における駐車場に関する施設情報を前記サーバより受信する受信工程と、前記サーバより受信した前記駐車場に関する施設情報と前記記憶手段に記憶された施設情報とを比較することにより、前記駐車場に関する更新情報を検出する比較検出工程と、前記比較検出工程により検出された前記更新情報で前記記憶手段に記憶された施設情報を更新する更新工程と、を備える。この方法を用いても、記憶手段に記憶された施設情報に加え、新設された駐車場の情報をユーザに表示することができる。
【0016】
本発明の更なる他の観点では、施設に関する情報を示す施設情報を記憶する記憶手段を有するとともにサーバと通信を行う施設情報表示装置により実行される施設情報表示プログラムであって、ユーザにより指示された指示位置を示す位置情報を前記サーバに送信する送信手段、前記指示位置を含む一定範囲内における駐車場に関する施設情報を前記サーバより受信する受信手段、前記サーバより受信した前記駐車場に関する施設情報と前記記憶手段に記憶された施設情報とを比較することにより、前記駐車場に関する更新情報を検出する比較検出手段、前記比較検出手段により検出された前記更新情報で前記記憶手段に記憶された施設情報を更新する更新手段、として前記施設情報表示装置を機能させる。このプログラムによっても、記憶手段に記憶された施設情報に加え、新設された駐車場の情報をユーザに表示することができる。
【実施例】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0018】
[装置構成]
まず、実施例に係るナビゲーションシステムの構成について図1を用いて説明する。図1は、ナビゲーションシステムの構成を示す概略図である。
【0019】
図1には、ユーザが運転する車両CAが示されている。車両CAにはナビゲーション装置100が搭載されている。ナビゲーション装置100は、通信装置38を介して、センターCTのサーバ200と通信を行うことにより、サーバ200が有する情報を取得する。
【0020】
次に、ナビゲーション装置100の構成について図2を用いて説明する。図2は、車両CAに搭載されるナビゲーション装置100の装置構成を示す。
【0021】
図2に示すように、ナビゲーション装置100は、自立測位装置10、GPS受信器18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50、および、入力装置60を備えて構成されている。
【0022】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を含んで構成されている。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両CAの加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両CAの方向変換時における車両CAの角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。
【0023】
距離センサ13は、車両CAの車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【0024】
GPS受信器18は、緯度及び経度情報等から車両CAの絶対的な位置を検出するために用いられるべき複数のGPS衛星からの測位用のデータ(GPSデータ)を含む下り回線データを搬送する電波19を受信する部分である。
【0025】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置100全体の制御を行うように構成されている。
【0026】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信器18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルスの他、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
【0027】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50、および、入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0028】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。
【0029】
通信装置38は、サーバ200に対して情報の要求を送信するとともに、サーバ200より情報を受信する。通信装置38は、通信用インタフェース37を介して、サーバ200と送受信可能に構成されている。
【0030】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイ44の表示画面上に表示する。例えば、表示データとして地図データを表示画面上に表示する場合には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36より地図データを読み出し、表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36より読み出された地図データを表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備えて構成されている。ディスプレイ44は、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0031】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、ディスクドライブ31、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0032】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
【0033】
ここで、ナビゲーション装置100は、地図データを表示画面上に表示する際に、ユーザからの指示に応じて、駐車場などの施設に関する情報を示す施設情報も合わせて表示する。具体的には、施設情報は、データベース(以下、「ナビDB」と称する)の形でデータ記憶ユニット36に記憶されており、システムコントローラ20は、ユーザからの指示に応じて、データ記憶ユニット36より施設情報を取得してディスプレイ44の表示画面上に表示する。
【0034】
一方、図1に示したサーバ200も、施設情報をデータベース(以下、「サーバDB」と称する)の形でハードディスクなどに記憶している。従って、ナビゲーション装置100は、サーバ200と通信を行うことにより、サーバDBより施設情報を取得してディスプレイ44の表示画面上に表示することもできる。
【0035】
[施設情報表示方法]
次に、ナビゲーション装置100における施設情報表示方法について説明する。一例として、ナビゲーション装置100がユーザ指示位置近辺の駐車場に関する施設情報(以下、「駐車場情報」と称する)を取得して表示する方法について述べる。ここで、ユーザ指示位置とは、ユーザにより入力される指示位置であり、例えば、自車位置や目的地などが挙げられる。
【0036】
最初に、ナビDBを用いて駐車場情報を取得する方法について述べる。
【0037】
まず、ユーザは、ユーザ指示位置、ユーザ指示位置近辺において検索したい施設の種類の指定をナビゲーション装置100に入力する。ここでは、施設の種類の指定として、駐車場が指定される。
【0038】
システムコントローラ20は、ユーザ指示位置が入力されたことを検出すると、ユーザ指示位置近辺の、具体的には、当該ユーザ指示位置を含む一定範囲内にある駐車場の駐車場情報をナビDBより取得する。以下、図3、図4を用いて具体的に説明する。
【0039】
図3はナビDBの施設情報の一例を示している。なお、図3では、目的地などのユーザ指示位置近辺の施設情報のみを抜粋して示している。図3に示す例では、施設情報は、例えば施設名や施設の種類を示す施設名情報と、当該施設の位置を示す位置情報と、当該施設についてのその他の情報を示すその他情報とを含んでいる。位置情報は、例えば緯度、経度で示され、図3に示す例では、(緯度、経度)=(Xi、Yi)(i:数字)で示されている。また、図3に示す例では、施設情報が駐車場情報の場合には、その他情報として、単位時間当たりの駐車料金が示されている。
【0040】
システムコントローラ20は、ユーザ指示位置を基に、当該ユーザ指示位置を含む一定範囲内にある駐車場情報をナビDBより取得する。例えば、システムコントローラ20は、ユーザ指示位置を中心として半径が一定距離以内にある駐車場情報をナビDBより取得する。ここで、一定距離は、ユーザ指示位置から例えば3分以内で走行可能な距離、具体的には1km程度に設定される。図3に示す例では、システムコントローラ20は、ナビDBの施設情報のうち、駐車場PA1、PA2、PB1についての情報、具体的には、施設名情報、位置情報、および、その他情報を駐車場情報として取得する。
【0041】
システムコントローラ20は、ナビDBより駐車場情報を取得すると、ディスプレイ44にリストなどで表示する。図4は駐車場情報の表示例を示している。図4に示す表示例では、システムコントローラ20は、駐車場情報におけるその他情報に基づいて、ユーザ指示位置近辺の駐車場を安い料金順でリストしてディスプレイ44に表示する。このときのリストがリストDLsとして表示されている。ユーザがリストDLsのいずれかの駐車場を選択すると、システムコントローラ20は、選択された駐車場の位置情報に基づいて、当該駐車場まで経路案内を行う。例えば、ユーザが最も安い駐車料金となっている駐車場PA1を指定した場合には、システムコントローラ20は、駐車場PA1の位置情報に基づいて、駐車場PA1までの経路案内を行う。図4では、自車位置を矢印ppとして示し、このときの経路案内のルートをNavとして示している。
【0042】
ところで、駐車場情報などの施設情報は、時間の経過とともに、随時変化する可能性がある。例えば、新しい駐車場ができたり、今まであった駐車場がなくなったりすることがある。そのため、ナビゲーション装置100は、自身が有するナビDBに記憶されている施設情報のみを基に、駐車場情報をユーザに表示した場合には、新たに設けられた駐車場について表示することができない。
【0043】
ここで、新たに設けられた新設駐車場を表示する方法として、ナビDBを用いる代わりに、サーバ200のサーバDBを用いて駐車場情報を取得する方法がある。
【0044】
図5はサーバDBの施設情報を示している。なお、図5では、目的地などのユーザ指示位置近辺の施設情報のみを抜粋して示している。サーバ200を管理しているセンターCTは、特定の駐車場管理会社と提携していることが多く、新しい駐車場ができたり、今まであった駐車場がなくなったりした場合であっても、サーバDBの駐車場情報は自動的に更新される。例えば、センターCTと提携している駐車場管理会社が、駐車場名称として英字PAを含む駐車場を管理しているとすると、図5に示すように、ナビDBには記憶されていない新設駐車場PA3、PA4の駐車場情報がサーバDBには記憶されている。
【0045】
サーバDBを用いて駐車場情報を取得する方法について述べる。
【0046】
まず、ユーザは、ユーザ指示位置、ユーザ指示位置近辺において検索したい施設の種類の指定をナビゲーション装置100に入力する。ここでは、施設の種類の指定として、駐車場が指定される。システムコントローラ20は、ユーザ指示位置、施設の種類の情報を施設情報要求として通信装置38を介してサーバ200に送信する。
【0047】
サーバ200は、施設情報要求をナビゲーション装置100より受信すると、ユーザ指示位置を含む一定範囲内にある駐車場PA1、PA2、PA3、PA4の駐車場情報をサーバDBより取得してナビゲーション装置100に送信する。ナビゲーション装置100は、受信した駐車場情報をリストなどでディスプレイ44に表示する。従って、この場合には、駐車場PA1、PA2、PA3、PA4がディスプレイ44の表示画面上に表示されることになり、ナビゲーション装置100は、新設駐車場PA4、PA5をユーザに表示することが可能となる。
【0048】
しかしながら、この方法を用いた場合、ナビゲーション装置100は、RAM24などのメモリにサーバ200より取得した駐車場情報を記憶させるため、ナビゲーション装置100の電源がオフにされると、メモリに記憶された駐車場情報が消去される。そのため、ナビゲーション装置100は、その次に電源がオンされたときに、同じユーザ指示位置近辺の駐車場情報を再度検索した場合には、サーバ200より駐車場情報を再度取得する必要がある。そのため、この方法を用いた場合には、ナビゲーション装置100とサーバ200との間における通信データが増大し、サーバ200にかかる負荷が増大する。また、この方法を用いた場合には、ナビゲーション装置100は、サーバDBに記憶されておらず、ナビDBのみに記憶されている駐車場情報については検索することができない。例えば、センターCTと提携している駐車場管理会社が管理していない駐車場PB1の駐車場情報(図3参照)は、図5のサーバDBには記憶されていない。そのため、ナビゲーション装置100は、サーバDBを用いた場合には、駐車場PB1を表示することができない。
【0049】
そこで、本実施例に係るナビゲーション装置100は、ユーザ指示位置を含む一定範囲内における駐車場情報をサーバ200より取得すると、取得した駐車場情報とナビDBに記憶されている施設情報との比較を行うこととする。そして、ナビゲーション装置100は、駐車場に関する更新情報を検出して、ナビDBに記憶されている施設情報を当該更新情報で更新することとする。
【0050】
具体的には、ナビゲーション装置100におけるシステムコントローラ20は、ユーザ指示位置を含む一定範囲内における駐車場情報、図5のサーバDBの例で言うと、駐車場PA1、PA2、PA3、PA4の駐車場情報をサーバ200より取得すると、取得した駐車場情報とナビDBの施設情報との比較を行う。
【0051】
サーバ200より取得した駐車場情報と図3のナビDBの施設情報とを比較すると、サーバ200より取得した駐車場情報のうち、駐車場PA3、PA4の駐車場情報がナビDBに含まれていない。そこで、システムコントローラ20は、駐車場PA4、PA5の駐車場情報を更新情報として検出し、ナビDBの施設情報を当該更新情報で更新する。
【0052】
図6は、更新後のナビDBの施設情報を示している。図3の更新前のナビDBと比較すると分かるように、更新後のナビDBの施設情報では、駐車場PA3、PA4の駐車場情報が加えられている。例えば、更新前のナビDBにおけるコンビニエンスストアC2の情報は、更新後のナビDBでは、駐車場PA3の駐車場情報で入れ替えられている。これは、位置X3、Y3において、コンビニエンスストアC2はなくなり、駐車場PA3が新設されたことを示している。また、図3の更新前のナビDBにはなかった駐車場PA4の駐車場情報が、更新後のナビDBでは、新たに追加されている。
【0053】
システムコントローラ20は、更新後のナビDBを用いて、ユーザ指示位置近辺の駐車場情報を取得してユーザにリストなどで表示する。図7は、このときの駐車場情報の表示の一例を示している。図7に示す例においても、図4に示したのと同様に、システムコントローラ20は、駐車場情報におけるその他情報に基づいて、ユーザ指示位置近辺の駐車場を安い料金順でリストしてディスプレイ44に表示する。図7に示す例では、このときのリストがリストDLs2として表示されている。
【0054】
このときリストされる駐車場は、駐車場PA1、PA2、PA3、PA4、PB1となる。つまり、ナビゲーション装置100は、更新後のナビDBを用いることで、新設された駐車場PA3、PA4、および、ナビDBのみに記憶されている駐車場PB1を合わせてユーザに表示することができる。
【0055】
また、図7を見ると分かるように、最も安い駐車料金となっているのは、駐車場PA4である。これに対し、先の図4に示した表示例では、最も安い駐車料金となっているのは、駐車場PA1となっている。つまり、更新前のナビDBを用いた場合には、駐車場PA1よりも安い駐車料金となっている駐車場PA4をユーザに対し示すことができなかった。つまり、サーバ200より取得する駐車場情報として、駐車料金の情報を含めることにより、ナビゲーション装置100は、更新後のナビDBを用いて、新設駐車場の駐車料金をユーザに示すことができ、ユーザの選択肢を広げることができる。
【0056】
ユーザがリストDLs2のいずれかの駐車場を選択すると、システムコントローラ20は、選択された駐車場の位置情報に基づいて、選択された駐車場まで経路案内を行う。例えば、ユーザが最も安い駐車料金となっている駐車場PA4を指定した場合には、システムコントローラ20は、駐車場PA4の位置情報に基づいて、駐車場PA4までの経路案内を行う。図7では、自車位置を矢印ppとして示し、このときの経路案内のルートをNav2として示している。
【0057】
以上をまとめると、ナビゲーション装置100は、ユーザ指示位置を含む一定範囲内における駐車場情報をサーバ200より取得すると、取得した駐車場情報とナビDBに記憶されている施設情報との比較を行うことで更新情報を検出する。そして、ナビゲーション装置100は、ナビDBに記憶されている施設情報を当該更新情報で更新する。このようにすることで、ナビゲーション装置100は、ナビDBに記憶されている駐車場情報に加え、新設駐車場の駐車場情報をユーザに表示することができる。つまり、ナビDBのみに記憶されている駐車場情報(上述の例でいうと、駐車場PB1の駐車場情報)も、サーバDBに記憶されている新設駐車場の駐車場情報もユーザに表示することができる。
【0058】
また、このようにすることで、例えばイベント会場に隣接するようにして設置された駐車場のような利用有効期間が限定された臨時駐車場(例えば、1週間限定の駐車場、1日限定の駐車場や午前中だけの駐車場など)についても、当該臨時駐車場についての駐車場情報がサーバ200にアップロードされていれば、ナビゲーション装置100は、更新により、当該臨時駐車場についての駐車場情報もユーザに表示することができる。
【0059】
また、このようにすることで、ナビゲーション装置100は、電源のオフ前に入力されたのと同じユーザ指示位置が入力された場合であっても、サーバ200と通信を行うことなく、新設された駐車場の駐車場情報を更新後のナビDBより取得してユーザに対して表示することができる。これにより、ナビゲーション装置100とサーバ200との間で送受信されるデータ量を減らすことができ、サーバ200のサーバ負荷を軽減することができる。
【0060】
次に、ナビゲーション装置100の更新制御処理について図8のフローチャートを用いて説明する。図8において、実線矢印は処理の流れを示し、破線矢印は通信の流れを表す。なお、ナビゲーション装置100で行われる処理は、例えばシステムコントローラ20がプログラムを実行することにより行われ、サーバ200で行われる処理は、例えばサーバ200のCPUがプログラムを実行することにより行われる。
【0061】
まず、検索したい施設の種類(ここでは、「駐車場」)およびユーザ指示位置がナビゲーション装置100にユーザにより入力される(ステップS101)。ナビゲーション装置100は、入力された施設の種類およびユーザ指示位置の情報を基に、これらの情報が初めて入力されたか、または、以前に同じ情報が入力されてから所定時間経過したか否かを判定する(ステップS102)。ここで、所定時間は、ユーザなどにより予め決められた時間であり、例えば、サーバDBの更新が行われる期間に定められる。
【0062】
ナビゲーション装置100は、入力された施設の種類およびユーザ指示位置の情報が初めて入力された、または、以前に同じ情報が入力されてから所定時間経過したと判定した場合には(ステップS102:Yes)、入力された施設の種類およびユーザ指示位置の情報をサーバ200に送信する(ステップS103)。一方、ナビゲーション装置100は、入力された施設の種類およびユーザ指示位置の情報が初めて入力されたものでなく、かつ、以前に同じ情報が入力されてから所定時間経過していないと判定した場合には(ステップS102:No)、ナビDBの更新の必要がないとして、本制御処理を終了する。
【0063】
サーバ200は、施設の種類およびユーザ指示位置の情報を受信すると(ステップS104)、検索対象となる施設の種類が「駐車場」となっているので、ユーザ指示位置を含む一定範囲内における駐車場情報をサーバDBより取得する(ステップS105)。そして、サーバ200は、サーバDBより取得した駐車場情報をナビゲーション装置100に送信する(ステップS106)。図5のサーバDBの例でいうと、サーバ200は、駐車場PA1、PA2、PA3、PA4の駐車場情報をサーバDBより取得してナビゲーション装置100に送信する。この後、サーバ200は、本制御処理を終了する。
【0064】
ナビゲーション装置100は、サーバ200より駐車場情報を受信すると(ステップS107)、受信した駐車場情報とナビDBの施設情報との比較を行う(ステップS108)。ナビゲーション装置100は、比較の結果、更新情報を検出したか否かを判定する(ステップS109)。ナビゲーション装置100は、更新情報を検出しなかった場合には(ステップS109:No)、本制御処理を終了する。一方、ナビゲーション装置100は、更新情報を検出した場合には(ステップS109:Yes)、ステップS110の処理へ進み、ナビゲーション装置100は、当該更新情報でナビDBの施設情報を更新した後、本制御処理を終了する。この後、ナビゲーション装置100は、更新後のナビDBを用いて、駐車場情報の検索を行い、ユーザに表示する。
【0065】
以上に述べたことから分かるように、本実施例に係るナビゲーション装置100では、ユーザ指示位置を含む一定範囲内における駐車場情報をサーバ200より取得すると、取得した駐車場情報とナビDBに記憶されている施設情報との比較を行い、更新情報を検出する。そして、ナビゲーション装置100は、ナビDBに記憶されている施設情報を当該更新情報で更新する。このようにすることで、ナビゲーション装置100は、ナビDBの施設情報に加え、新設駐車場の駐車場情報をユーザに表示することができる。
【0066】
なお、本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う燃費表示装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0067】
例えば、上述の実施例では、駐車場情報におけるその他情報は、単位時間当たりの駐車料金の情報であるとしているが、これに限られるものではない。その他情報として、駐車料金の情報に加えて、駐車場が満車か否かを示す情報(または、駐車場の空き台数の情報)を含むとしても良い。これにより、ナビゲーション装置100は、新設駐車場について、満車か否か(または、駐車場の空き台数が何台あるか)をユーザに示すことができる。
【0068】
また、ナビゲーション装置100は、ナビDBには存在するものの、サーバ200より取得した駐車場情報には存在しない英字PAを含む駐車場の駐車場情報を検出した場合には、当該駐車場が閉鎖されてものとして、ナビDBに記憶されている当該駐車場情報を消去するとしても良い。
【0069】
また、上述の実施例では、ナビゲーション装置100は、更新により、当該臨時駐車場についての駐車場情報もユーザに表示することができるとしているが、これに限られない。このようにする代わりに、サーバ200より取得される駐車場情報は、臨時駐車場の利用有効期間の情報も含み、ナビゲーション装置100は、当該臨時駐車場の駐車場情報について、当該臨時駐車場の利用有効期間に応じて、当該臨時駐車場の駐車場情報でナビDBを更新するか否かを決めるとしても良い。例えば、ナビゲーション装置100は、利用有効期間が一週間以下の臨時駐車場の駐車場情報については、ナビDBに対する更新を禁止するとしても良い。これは、ユーザは、ナビゲーション装置100を次に使用する際において、利用有効期間の比較的短い当該臨時駐車場を利用することができない可能性が高いからである。
【0070】
また、上述の実施例では、駐車場情報を用いた例に挙げたが、これに限られるものでななく、例えばホテルなどの他の施設情報を用いた場合であっても本発明を適用可能であるのはいうまでもない。例えば、ホテルに関する施設情報を用いる場合において、上述の駐車場情報における駐車料金の情報に対応する情報としては、一泊当たりの宿泊料金の情報が対応する。
【符号の説明】
【0071】
100 ナビゲーション装置
200 サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと通信を行う施設情報表示装置であって、
施設に関する情報を示す施設情報を記憶する記憶手段と、
ユーザにより指示された指示位置を示す位置情報を前記サーバに送信する送信手段と、
前記指示位置を含む一定範囲内における駐車場に関する施設情報を前記サーバより受信する受信手段と、
前記サーバより受信した前記駐車場に関する施設情報と前記記憶手段に記憶された施設情報とを比較することにより、前記駐車場に関する更新情報を検出する比較検出手段と、
前記比較検出手段により検出された前記更新情報で前記記憶手段に記憶された施設情報を更新する更新手段と、を備えることを特徴とする施設情報表示装置。
【請求項2】
前記駐車場に関する施設情報は、前記駐車場の駐車料金を示す料金情報を含むことを特徴とする請求項2に記載の施設情報表示装置。
【請求項3】
前記駐車場に関する施設情報は、前記駐車場の利用有効期間を示す情報を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の施設情報表示装置。
【請求項4】
前記更新手段は、前記駐車場の利用有効期間が所定期間以下の場合には、当該駐車場に関する施設情報で前記記憶手段に記憶された施設情報を更新しないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の施設情報表示装置。
【請求項5】
施設に関する情報を示す施設情報を記憶する記憶手段を有するとともにサーバと通信を行う施設情報表示装置により実行される施設情報表示方法であって、
ユーザにより指示された指示位置を示す位置情報を前記サーバに送信する送信工程と、
前記指示位置を含む一定範囲内における駐車場に関する施設情報を前記サーバより受信する受信工程と、
前記サーバより受信した前記駐車場に関する施設情報と前記記憶手段に記憶された施設情報とを比較することにより、前記駐車場に関する更新情報を検出する比較検出工程と、
前記比較検出工程により検出された前記更新情報で前記記憶手段に記憶された施設情報を更新する更新工程と、を備えることを特徴とする施設情報表示方法。
【請求項6】
施設に関する情報を示す施設情報を記憶する記憶手段を有するとともにサーバと通信を行う施設情報表示装置により実行される施設情報表示プログラムであって、
ユーザにより指示された指示位置を示す位置情報を前記サーバに送信する送信手段、
前記指示位置を含む一定範囲内における駐車場に関する施設情報を前記サーバより受信する受信手段、
前記サーバより受信した前記駐車場に関する施設情報と前記記憶手段に記憶された施設情報とを比較することにより、前記駐車場に関する更新情報を検出する比較検出手段、
前記比較検出手段により検出された前記更新情報で前記記憶手段に記憶された施設情報を更新する更新手段、として前記施設情報表示装置を機能させることを特徴とする施設情報表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−209215(P2011−209215A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79063(P2010−79063)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】