説明

有機物/無機物複合薄膜の蒸着方法及び蒸着装置

【課題】高品質の有機物/無機物薄膜を製造して商用化することができる有機物/無機物複合薄膜の蒸着方法及び蒸着装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着方法および蒸着装置は、有機物/無機物材料が含有されているソースタンクと、これを活性化させる熱開始剤が含有されている触媒ソースタンクとを各々装着することによって、大面積の基板上に有機物/無機物複合薄膜を蒸着する時、厚さを正確に調節することができ、蒸着を均一に行うことができる。また、1つ以上の有機物/無機物複合薄膜を蒸着する場合にも、厚さ及び組成を精密に調節することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機物/無機物複合薄膜または有機物/無機物複合素子の時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着方法及び蒸着装置に関し、より詳細には、低圧で有機物/無機物複合薄膜を時間分割蒸着方法を用いて大面積で均一に低圧で形成する時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着方法及び蒸着装置に関する。
本発明は情報通信部及び情報通信研究振興院のIT戰略技術開發事業として行った研究から導出された。[課題固有番号:2005-S-070-02、課題名:フレキシブルディスプレイ]
【背景技術】
【0002】
一般的に、ポリマー薄膜及びポリマー素子などを形成するための代表的な方法には、真空蒸着装置を利用しないスピンコーティング方式とインクジェット方式及びポリマー化学気相蒸着装置を利用した真空蒸着方法などが挙げられる。これらの方法のうち、ポリマー化学気相蒸着装置を利用したポリマー化学気相蒸着法は、既存の化学気相蒸着法の工程と類似しているが、蒸着原料となるソースタンクと蒸着がなされる蒸着チャンバーとの間に、蒸着原料を熱分解し得るように熱分解チャンバーが設けられることが大きい差異である。
【0003】
関連従来技術が特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【0004】
以下では、ポリマー化学気相蒸着法を利用したポリマー薄膜形成のためのポリマー化学気相蒸着装置を概略的に示す図1を参照してポリマー薄膜形成方法を具体的に説明する。
【0005】
図1は、従来技術に係るポリマー化学気相蒸着法による蒸着装置を説明する概略ブロック図である。図1を参照すれば、ポリマー化学気相装置は、蒸着されるべき基板2が載置される蒸着チャンバー1と、ポリマー材料が収容されるソースタンク4と、蒸着チャンバー1とソースタンク4との間に設けられ、且つポリマー材料気相を熱分解させる熱分解チャンバー3と、蒸着チャンバー1の真空を維持させる真空ポンプ5と、を含む。ここで、蒸着させるポリマー材料を内部に収容するソースタンク4の容器は、主として円筒形または方形からなり、ソースタンク4は、SUSのようなステンレススチールなどで構成され、ソースタンク4をなす容器の周辺には、一定の形状をもって加熱ヒーター(不図示)が巻き取られている。
【0006】
前述した構成を有するポリマー化学気相装置を利用した蒸着工程は、次の通りである。まず、蒸着チャンバー1に連結された真空ポンプ(不図示)を用いて蒸着チャンバー1内部の圧力を所望の真空度に維持させる。次に、ポリマー材料が収容されているソースタンク4の温度を上げて、ポリマー材料を気化させる。具体的には、ソースタンク4に一定量の電力を加える場合、容器の周辺に巻き取られている加熱ヒーターが加熱され、ソースタンク4の周辺の温度が上昇すると同時に、ソースタンク4が加熱され、一定の温度になり、一定量の蒸気圧分だけポリマー材料が蒸発され始まる。ソースタンク4の温度は、ソースタンク4に設けられた熱電対(不図示)によって測定され、この温度を一定に調節することによって、所望のポリマー材料の蒸発速度を得ることができる。
【0007】
次に、気化したポリマー材料気相は、高温で熱分解させる熱分解チャンバー3に移送され、所望の気相物質に分解、すなわち所望のモノマー物質に分解される。このように形成されたモノマー物質は、蒸着チャンバー1に移動され、冷却されている基板2で凝縮され、ポリマー化が始まりながら、基板2上で固相化され、ポリマー薄膜が形成される。
【0008】
しかしながら、前述したような従来のポリマー気相蒸着装置は、チャンバーで熱分解されるポリマー材料気相の量を調節することが難しいため、蒸着速度及び薄膜厚さを正確に調節することが難しくて、蒸着効率が低下するという問題点を有する。そして、蒸着工程が終了した後に、蒸着チャンバー1の内壁に蒸着されたポリマー薄膜を除去するために、蒸着チャンバーを大気中に露出させなければならないという面倒さがあり、これにより、量産性が低下するだけでなく、高品質の薄膜を得ることが容易でないという問題点を有する。
【0009】
【特許文献1】韓国特許公開第2001-0031400号明細書
【特許文献2】米国特許登録第US6,358,863号明細書
【非特許文献1】J.Mater.Res. 11, 1, p.242
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前述したような問題点を解消するためになされたもので、その目的は、有機物/無機物材料が含有されているソースタンクと、これを活性化させる熱開始剤が含有されている触媒ソースタンクとを各々装着することによって、有機物/無機物複合薄膜の厚さを精密に調節することができるので、高品質の有機物/無機物薄膜を製造して商用化することができる有機物/無機物複合薄膜の蒸着方法及び蒸着装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、蒸着チャンバーの内壁にソースが蒸着されることを防止することによって、量産性を向上させることができる有機物/無機物複合薄膜の蒸着方法及び蒸着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明の一態様に係る時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着方法は、(i)有機物及び無機物材料が含まれているソースタンクを加熱して、有機物及び無機物のうち少なくとも一方の蒸着気相を発生させる段階と、(ii)前記有機物及び無機物蒸着気相の凝縮が生じないように一定の温度を維持する移送路を介して前記有機物及び無機物蒸着気相の一方を反応チャンバーに移送する段階と、(iii)前記反応チャンバーに移送された前記有機物及び無機物蒸着気相の一方を、前記反応チャンバーの内部に配置される基板上に分配し、前記有機物及び無機物材料の一方を前記基板上に吸着する段階と、(iv)前記基板に前記有機物及び無機物材料の一方が吸着された後、希釈ガス及び移送ガスを用いて前記反応チャンバーをパージする段階と、(v)前記蒸着された有機物及び無機物蒸着気相の一方のモノマーを活性化することができる活性化熱開始剤を含んでいる活性化剤ソースタンクを加熱して、熱開始剤気相を発生させる段階と、(vi)前記熱開始剤気相の凝縮が生じないように一定の温度を維持する移送路を介して前記熱開始剤気相を前記反応チャンバーに移送する段階と、(vii)前記反応チャンバーに移送された前記熱開始剤気相を、 前記熱開始剤気相がシャワーヘッドで凝縮されないように一定の温度に維持された前記反応チャンバーを介して前記基板に蒸着されている有機物または無機物モノマー上に分配し、有機物/無機物複合薄膜を形成する段階と、(viii)前記基板に前記有機物/無機物複合薄膜が蒸着された後、残留する前記熱開始剤気相を前記反応チャンバーの外部に排出し、前記希釈ガス及び移送ガスを用いて前記反応チャンバーをパージする段階と、を備える。
【0013】
好ましくは、前記有機物/無機物複合薄膜が形成された前記基板上に有機物/無機物複合薄膜をさらに形成したり、多成分系の薄膜を形成する場合には、前記(iii)段階、(iv)段階、(vii)段階及び(viii)段階を繰り返す。前記反応チャンバーの蒸着圧力は、0.001乃至100トールである。前記反応チャンバーに設けられたシャワーヘッドは、低圧で前記移送ガスにより移送される前記有機物/無機物材料、前記熱開始剤、及び前記希釈ガスを均一に供給する。前記有機物/無機物を蒸着するために利用される前記希釈ガス及び前記移送ガスは、不活性ガスである。
【0014】
また、本発明の他の態様に係る時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着装置は、反応チャンバーと、前記反応チャンバー内に設けられ、且つ基板を支持する基板支持部と、前記基板支持部に設けられ、且つ前記基板の温度を調節する温度調節部と、有機物/無機物複合薄膜の蒸着に参加する蒸着ソース気相と活性化剤ソース気相とを交互に前記基板上に供給するシャワーヘッドと、を含む蒸着部と;前記シャワーヘッドに前記蒸着ソース気相を提供するための蒸着ソースが収容される1つ以上の蒸着ソースタンクと、前記シャワーヘッドに前記活性化剤ソース気相を提供するための活性化剤ソースが収容される1つ以上の活性化剤ソースタンクと、前記蒸着ソース気相を前記反応チャンバーに移送するための移送ガスを提供する移送ガス供給源と、前記反応チャンバーに希釈ガスを提供するための希釈ガス供給源と、前記蒸着ソースタンクで前記蒸着ソース気相が発生し、前記活性化剤ソースタンクで前記活性化剤気相が発生するように、前記蒸着ソースタンク及び前記活性化剤ソースタンクを加熱する加熱部と、前記発生した蒸着ソース気相及び前記発生した活性化剤ソース気相が時間分割によって選択的に相互独立的に前記シャワーヘッドに移送されるように許容し、前記加熱部の拡張により加熱される複数の移送路と、を含むソース部と;前記有機物/無機物蒸着ソース気相、前記活性化剤ソース気相、前記移送ガス及び希釈ガスを前記反応チャンバーに流入し、前記有機物または無機物材料気相、前記活性化剤ソース気相、前記移送ガス及び希釈ガスの量と速度を調節する流量調節部と;前記反応チャンバーに流入される前記有機物または無機物蒸着気相、前記活性化剤ソース気相、前記移送ガス及び希釈ガスを時間分割できるように、前記各々の移送路に形成される複数のバルブと;前記反応チャンバーの真空を一定に維持する真空ポンプと;を備える。
【0015】
好ましくは、前記シャワーヘッドは、複数の板で構成され、0.01乃至50mmの直径で形成された少なくとも1つの孔を含む。前記シャワーヘッドは、高温で変形しないステンレスまたは石英で形成される。前記シャワーヘッドには、前記シャワーヘッドの半径方向に沿って着脱自在なシャワーカーテンが設けられる。多成分系の有機物/無機物複合薄膜を形成するために複数の前記蒸着ソースタンクと前記活性化剤ソースタンクを利用する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る時間分割型有機物/無機物複合蒸着方法と複合蒸着装置によれば、大面積の基板上に有機物/無機物複合薄膜を蒸着する時、厚さを正確に調節することができ、蒸着を均一に行うことができる。また、1つ以上の有機物/無機物複合薄膜を蒸着する場合にも、厚さ及び組成を精密に調節することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
図2は、本発明の一実施例に係る有機物/無機物複合薄膜の蒸着装置を概略的に示す図である。図2を参照すれば、本発明の実施例に係る有機物/無機物複合薄膜の蒸着装置は、反応チャンバー110と、真空ポンプ120と、蒸着ソースタンク130と、活性化剤ソースタンク140と、加熱部161、162、163と、移送ガス供給源150及び希釈ガス供給源170と、流量調節計25a、25bとを含む。以下では、前記構成要素をさらに詳細に説明する。
【0018】
まず、反応チャンバー110は、有機物/無機物複合薄膜の蒸着過程が行われる構成要素である。反応チャンバー110内には、反応チャンバー110内部の上側に形成されるシャワーヘッド111と、シャワーヘッド111の端部に形成されるシャワーカーテン112と、シャワーヘッド111に対向するように反応チャンバー110内部の下側において基板支持軸113上に形成される基板支持部114と、基板支持部114の下部に形成され、且つ基板支持部114の温度を調節する基板温度調節部115とが設けられている。シャワーヘッド111は、低圧で移送ガスにより移送される有機物/無機物複合材料と、活性化熱開始剤及び希釈ガスを均一に供給できる円形または正方形からなる。シャワーカーテン112は、シャワーヘッド111の半径に沿って着脱自在に設けられることができ、これにより、シャワーヘッド111の直径と前記基板支持部114の直径との比を調節することができる。シャワーヘッド111は、高温で変形しないステンレススチールや石英などで形成することができる。また、シャワーヘッド111は、1〜5個の板で構成され、複数の孔(不図示)を有していて、材料を噴射することができる。この際、孔は、0.01から50mmまでの直径で形成されることができる。
【0019】
反応チャンバー110の一側には、反応チャンバー110を一定の水準の真空に維持するための真空ポンプ120が連結されている。この真空ポンプ120は、一般的なロータリーポンプであって、0.001乃至100トール程度の圧力を提供することができる。また、真空ポンプ120は、反応チャンバー110の真空度を向上させるために、ターボポンプをさらに含むことができる。真空ポンプ120と反応チャンバー110との間には、排出路11が連結される。また、真空排出路11の一方の領域には、トラップ12と、スロットルバルブ13と、反応チャンバー用クイックスイッチングバルブ14とが設けられている。具体的に、トラップ12は、薄膜を形成してから残った或る成分の副産物、例えば、真空ポンプ120としてターボポンプを利用する場合、ターボポンプの性能に否定的な影響を及ぼす反応副産物(例えば、水蒸気など)を選択的に除去するために、コールドトラップ形態で導入される。すなわち、薄膜を形成せずに、残った副産物は、トラップ12で凝縮され、真空ポンプ120の劣化を防止する。基本的に、トラップ12内には、このような凝縮のために、液体窒素、天然オイルまたはフッ化カーボンオイルなどで満たされる。
【0020】
トラップ12の後段に設けられるスロットルバルブ13は、反応チャンバー110と排出路11との間の締結部位近傍の排出路11部位に位置している。クイックスイッチングバルブ14は、バイパスを行う場合に、反応チャンバー110とバイパスのための経路との間をスイッチングするためのバルブであって、反応ガスまたは気相が反応チャンバー110を経由せずにバイパスして、直接に排出路11に排出される時、反応チャンバー110へのバイパスガスまたは気相の流入を防止するために選択的に閉弁され、反応チャンバー110から真空排出が発生する時、選択的に開弁されるように作動される。このような反応チャンバー用クイックスイッチングバルブ14の作動は、薄膜の蒸着過程が時間分割方式で行われることによって、時間によって制御される。
【0021】
蒸着ソースタンク130は、真空ポンプ120の作動による真空系が形成される反応チャンバー110に反応物質の気相(例えば、薄膜形成のための蒸着ソース物質の気相)を提供するための構成要素であって、薄膜が多数の有機物/無機物蒸着材料を要求する場合、すなわち、有機物/無機物蒸着材料の個数によって多数個が設けられることができる。蒸着ソースタンク130は、蒸着ソース気相移送路21aを介して反応チャンバー110に連結される。多数の蒸着ソースタンク130を設ける場合、多数の蒸着ソースタンク130が交互に反応チャンバー110に異種の有機物/無機物蒸着材料またはソースの気相を提供できるように、蒸着ソース気相移送路21aもブランチタイプで反応チャンバー110に集まるように、並列で多数個設けられることができる。
【0022】
このようなブランチタイプの蒸着ソース気相移送路21aが集まる部分の前段には、反応チャンバー110に選択的に前記蒸着ソースの気相が供給されるように、または時間分割によって前記選択された蒸着ソースの気相が予め定められた一定の時間だけ選択的に反応チャンバー110に提供されるように、クイックスイッチングバルブ22aが個々の蒸着ソース気相移送路21aの中間に設けられる。
【0023】
また、蒸着ソースタンク130には、蒸着ソースタンク130に移送ガスを提供するための移送ガス供給源150が移送ガス移送路23を介して連結される。蒸着ソースタンク130が多数個設けられる時には、移送ガス移送路23から分岐された形態で並列に連結されるように設けることができ、各々の移送ガス移送路23には、移送ガスの選択的供給のための分配用バルブである移送ガス分配用クイックスイッチングバルブ24aと、移送ガス供給用レギュラーバルブ26とが設けられる。移送ガス移送路23には、流量調節計25aが設けられていて、移送ガスの流量を精密に制御することができる。また、蒸着ソースタンク130の個数によって流量調節計25aが複数個設けられることができる。
【0024】
移送ガス供給源150から提供される移送ガスには、不活性気体である窒素、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、キセノン、ネオンなどが使われることができる。移送ガスは、蒸着ソースタンク130を経由し、蒸着ソースタンク130で気化した有機物/無機物蒸着ソースの気相を浮揚して、反応チャンバー110に移送するようになる。蒸着ソースタンク130は、蒸着される有機物/無機物蒸着材料またはソースを気化して、有機物/無機物蒸着ソース気相を発生させ、移送ガスにより有機物/無機物蒸着ソース気相が反応チャンバー110に移送されるように許容する。
【0025】
薄膜を蒸着するためには、蒸着ソースだけでなく、モノマーまたは単分子を活性化させることができる活性化剤ソース、例えば、熱開始剤などが反応チャンバー110に順次に供給されなければならない。したがって、本発明の実施例に係る有機物/無機物複合薄膜の蒸着装備には、蒸着ソースタンク130に並列となるように、モノマーまたは単分子を活性化させることができる熱開始剤、例えば、熱開始剤を貯蔵するソースタンク、すなわち活性化剤ソースタンク140が設けられる。
【0026】
活性化剤を反応チャンバー110に気相で供給するために、活性化剤ソースタンク140と反応チャンバー110との間に活性化剤気相移送路21bが設けられる。このような活性化剤気相移送路21bは、反応チャンバー110に隣接する部分で蒸着ソース気相移送路21aにまとまって連結される。したがって、活性化剤気相を、蒸着ソース気相移送路21aを介して供給される有機物/無機物蒸着ソース気相と区分して反応チャンバー110に供給するために、活性化剤気相移送路21bの中間にスイッチングバルブ、例えば、活性化剤の供給のためのクイックスイッチングバルブ22bが設けられる。
【0027】
このようなクイックスイッチングバルブ22a、22bの順次または時間分割による作動によって、蒸着ソースの気相と活性化剤の気相が時間分割によってまたは順次に反応チャンバー110に提供されることができる。このような活性化剤の気相を反応チャンバー110に移送するために、移送ガス移送路23が移送ガス供給源150と活性化剤ソースタンク140との間に設けられる。このような移送ガスは、有機物/無機物蒸着ソースの気相を移送するために、前述した移送ガスを同様に利用することができる。
【0028】
そして、活性化剤ソースタンク140には、移送ガスの供給を精密に且つ均一に行うために、移送ガス供給用レギュラーバルブ26及びクイックスイッチングバルブ24bが連結されている。また、レギュラーバルブ26の後段には、流量調節計25bがガス移送路の中間に設けられていて、移送ガスの流量を精密に制御する。一方、蒸着ソースタンク130及び活性化剤ソースタンク140は、SUSのようなステンレススチールまたは石英からなる。
【0029】
このような蒸着ソースタンク130及び活性化剤ソースタンク140の周囲には、蒸着ソースタンクに投入された有機物/無機物蒸着ソースを気化させるために蒸着ソースタンク130及び活性化剤ソースタンク140を加熱するソースタンク加熱部161、162が各々形成されている。また、移送路の周囲には、第3加熱部163が形成されている。第1、第2、及び第3加熱部161、162、163は、互いに独立的に制御されたり、または連動的に制御されることができる。特に、移送路を加熱する第3加熱部163は、蒸着ソースタンク130から移送される蒸着ソース気相が移送路の途中に凝縮されたり、または移送される活性化剤ソースが移送路の途中に凝縮されることを防止するために、移送路及びバルブを取り囲むように設けられることができる。
【0030】
また、蒸着ソース気相が反応チャンバー110に提供される時、希釈ガスを共に提供するための希釈ガス供給源170が、希釈ガス移送路31及びこれに連結された移送路などを介して反応チャンバー110に連結される。反応チャンバー110への希釈ガスの供給を精密に且つ均一に行うために、希釈ガス移送路31の中間に希釈ガス供給用レギュラーバルブ32が設けられ、レギュラーバルブ32の前段には、希釈ガス用流量調節計34が設けられ、希釈ガスの流量を精密に制御する。流量調節計34の後段には、希釈ガスラインのソースチャンバーインクイックスイッチングバルブ33が設けられ、その開閉によって希釈ガスの供給遮断を制御し、流量調節計34の前段には、開閉のためのクイックスイッチングバルブ35が設けられる。
【0031】
希釈ガスは、反応チャンバー110の全体圧力を調節するために導入され、移送路を介して反応チャンバーに蒸着ソース気相または活性化剤気相が流入されて、有機物/無機物薄膜を形成する時、このような有機物/無機物薄膜の蒸着または形成が低圧で行われるように許容するために供給される。このような希釈ガスとして、不活性気体である窒素、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、キセノン、ネオンなどが挙げられ、反応性気体であるアンモニアまたはメタノール、そしてポリマー物質または有機物とほとんど反応しないガスである水素などを使用することができる。結論的に、有機物/無機物の蒸着過程が行われる時、希釈ガスラインのクイックスイッチングバルブ33、35を開弁して、反応チャンバー110内の全体的な圧力を調節する。
【0032】
反応チャンバー110内に延長された気相移送路は、反応チャンバーの前段でまとまり、反応チャンバー内部の上側に設けられるシャワーヘッド111に連結される。これにより、シャワーヘッド111に反応ガス、例えば、有機物ソース気相を提供する。シャワーヘッド111は、シャワーヘッド111に対向するように反応チャンバー110内部の下側に設けられる基板支持部114上に載置される基板(不図示)上に時間分割によって順次に流入される有機物/無機物蒸着ソース気相及び活性化剤気相を分配して、基板上に有機物/無機物薄膜を成長及び蒸着させる。基板は、金属、半導体、絶縁体、プラスチックなどの材質で形成されたものであってもよく、その形状は、円形、正方形、矩形などのいずれの形状でも可能である。特に、プラスチック基板の場合、ロール・ツー・ロール(Roll-to-roll)形態で変形されたものであってもよい。このような基板の形態の自由度が上昇することは、主として、シャワーヘッドなどを導入することによって、均一に反応ガス、例えば、蒸着ソース気相を大面積の基板上に分配提供できることから起因する。
【0033】
基板支持軸113は、シャワーヘッドと基板との間の距離を調節する役目を行うこともできる。基板支持軸113は、基板支持部114を回転させたり、上昇または下降させる駆動力を提供するように、チャンバーの外部にモーターなどに連結されるように構成されることができる。シャワーヘッド111は、詳細には図示していないが、その内部に前記反応ガスなどが供給される内部空間を有する多数の板で形成され、基板支持部114に対向する最下層の板には、多数の噴射口(不図示)が備えられ、反応ガスを面積当たり均一に分配することができる。この際、シャワーヘッド111は、ステンレススチールや石英などで製作されることができ、その形状は、円形または方形などからなることができる。
【0034】
基板支持部114の下部には、基板支持部114の温度を調節する温度調節部115が設けられる。温度調節部115は、詳細には図示していないが、冷却ラインと基板加熱部などを具備し、基板支持部114を加熱または/及び冷却することによって、基板の温度を調節して、基板上に有機物/無機物蒸着ソース気相の吸着などが均一に行われるように許容して、有機物/無機物薄膜が蒸着されるように許容する。また、基板支持部114とシャワーヘッド111との間の基板支持部114の周りの上側部位に形成されたシャワーカーテン112は、脱着自在であり、シャワーヘッド111と基板支持部114の直径の比に変化を与えることができるように許容する。基板は、金属、半導体、絶縁体、プラスチック基板などが使われることができる。また、基板の形状もやはり円形、正方形、矩形のいずれの形状でも可能である。特に、プラスチック基板である場合には、ロール・ツー・ロール形態で基板を変形することができる。本実施例に開示された移送路は、常温で500℃まで加熱が可能なものを利用し、本実施例に開示された全ての多様なバルブは、0.05秒までの精密度を有するバルブであって、オン/オフ可能なものを利用する。
【0035】
前述した構成により、有機物/無機物薄膜を蒸着するためには、蒸着ソースタンク130に移送ガスを流して、有機物/無機物蒸着ソース気相を反応チャンバー110に移送する前に、または活性化剤気相を移送する前に、バイパス段階を先に行わなければならない。このようなバイパス段階は、活性化剤気相や有機物/無機物蒸着ソース気相のバイパスであることもでき、移送ガスのバイパスであることもできる。
【0036】
まず、蒸着ソース気相のバイパスを説明すれば、蒸着ソース気相のバイパスは、まず、蒸着ソースタンク130の前段に設けられた蒸着ソースアウトクイックスイッチングバルブ41と蒸着ソースインクイックスイッチングバルブ44及びソースバイパスクイックスイッチングバルブ45を開弁し、これにより、蒸着ソース気相をバイパスする。このために、蒸着ソース気相移送路21aと排出路11との間を直接連結する第1バイパス路42が設けられる。蒸着ソースバイパスクイックスイッチングバルブ45は、第1バイパス路42の開閉を制御するために、第1バイパス路42の中間に設けられる。バイパスした後に、蒸着ソースバイパスクイックスイッチングバルブ45を閉弁し、蒸着ソースインクイックスイッチングバルブ44を開弁して、蒸着ソース気相移送路を介して反応チャンバー110に移送ガスに混合された有機物/無機物蒸着ソース気相を提供する。この際、第1流量調節計25a以後の全てのガス移送路ラインと蒸着ソースタンク130は、ヒーティングブロック型の加熱部161、163により独立的に加熱されることができ、移送中の凝縮の発生が防止されることができる。この際、加熱部161、163は、移送路及びバルブを略常温から500℃程度まで昇温されるように加熱する。
【0037】
次に、活性化剤気相のバイパスを説明する。まず、活性化剤ソースタンク140の前段に設けられた活性化剤ソースアウトクイックスイッチングバルブ51と活性化剤ソースインクイックスイッチングバルブ54及び活性化剤ソースバイパスクイックスイッチングバルブ55を開弁し、これにより、活性化剤ソース気相をバイパスする。このために、活性化剤ソース気相移送路21bと真空排出路11との間を直接連結する第2バイパス路52が配管として設けられる。活性化剤ソースバイパスクイックスイッチングバルブ55は、第2バイパス路52の開閉を制御するために第2バイパス路52の中間に設けられる。バイパスした後に、活性化剤ソースバイパスクイックスイッチングバルブ55を閉弁し、活性化剤ソースインクイックスイッチングバルブ54を開弁して、活性化剤ソース気相移送路21bを介して反応チャンバー110に移送ガスに混合された活性化剤、すなわち熱開始剤気相を提供する。この際、第2流量調節計25b以後の全てのガス移送路ラインと活性化剤ソースタンク140は、ヒーティングブロック形態の加熱部162により独立的または連動的に加熱されることができるので、移送中の凝縮の発生が防止されることができる。この際、加熱部162、163は、移送路及びバルブを略常温から500℃程度まで昇温されるように加熱する。
【0038】
以下では、有機物/無機物薄膜の蒸着装置を利用した有機物/無機物薄膜の蒸着をさらに説明する。有機物/無機物薄膜を蒸着する場合には、蒸着ソースタンク130内の有機物/無機物材料気相と活性化剤ソースタンク140内の活性化剤を反応チャンバー110に移送する前に、ソースアウトクイックスイッチングバルブ41、51と、ソースインクイックスイッチングバルブ44、54とソースバイパスクイックスイッチングバルブ45、55を介して有機物/無機物材料気相とモノマーまたは単分子を活性化することができる熱開始剤をバイパスする。次に、ソースバイパスクイックスイッチングバルブ45を閉弁し、ソースチャンバーインクイックスイッチングバルブ22aを開弁して、移送路21aを介して反応チャンバー110のシャワーヘッド111を通過する有価物/無機物材料気相を基板支持台114に載置された基板(不図示)上に蒸着させて、有機物/無機物複合薄膜を形成する。流量調節計25a以後に設けられている全ての移送路と蒸着ソースタンク130は、加熱部161、163により独立的に温度を調節することができる。また、有機物/無機物複合薄膜を形成するためには、希釈ガス移送路31のソースチャンバーガスインクイックスイッチングバルブ35を開弁して、反応チャンバー110の全体的な圧力を調節する。
【0039】
蒸着ソースタンク130及び活性化剤ソースタンク140のうち少なくとも一方と反応チャンバーとの間の配管、例えば、蒸着ソース気相移送路21aまたは活性化剤気相移送路21bなどを洗浄するために、蒸着ソースアウトクイックスイッチングバルブ41または活性化剤ソースアウトクイックスイッチングバルブ51を閉弁し、蒸着ソースまたは活性化剤パージクイックスイッチングバルブ43、53と反応チャンバーインクイックスイッチングバルブ22a、22bを開弁して、適切な量の不活性気体、すなわち移送ガスを反応チャンバー110側に移送させて、移送ラインと反応チャンバー110に残留する全ての副産物を反応チャンバー110の外部に送る。このために、蒸着ソースタンク130及び活性化剤ソースタンク140を各々迂回するパージガス移送路を移送ガス移送路及び気相移送路に直接連結する別のバイパス経路として設ける。この際、正確な薄膜の厚さ及び前処理の量またはドーピング程度を調節するために、時間分割方法を用いて有機物/無機物薄膜を蒸着する。このために、移送路の中間に設けられ且つこのような時分割によって開閉を行うバルブは、0.01乃至0.05秒程度の動作精密度をもってオン/オフされるクイックスイッチングバルブを利用する。
【0040】
図3は、本発明に係る有機物/無機物複合薄膜の蒸着装置を利用した時間分割型有機物/無機物薄膜の蒸着方法を説明するフローチャートである。図3を参照して有機物/無機物の各々の1層を基本にして時間分割方法で有機物/無機物複合薄膜を蒸着する過程は、次の通りである。
【0041】
第1の段階であるS310では、蒸着ソースタンク130に連結されているソースアウトクイックスイッチングバルブ41と、ソースインクイックスイッチングバルブ44及びソースチャンバーインクイックスイッチングバルブ22aを開弁して、反応チャンバー110に導入された基板上に、気相の有機物蒸着ソース、すなわち有機物モノマーを供給して吸着する過程を行う。
【0042】
第2の段階であるS320では、ソースパージクイックスイッチングバルブ43とソースチャンバーインクイックスイッチングバルブ22aを開弁して、移送ガスだけを反応チャンバー110に供給して、反応チャンバー110内をパージして残留する有機物ソース気相を反応チャンバー110の外部に送る第1パージ過程を行う。このような第1パージ過程を行う間に、ソースアウトクイックスイッチングバルブ41と、ソースインクイックスイッチングバルブ44及びソースバイパスクイックスイッチングバルブ45を用いて有機物材料を真空ポンプ120に移送して、ステディーステート(steady state)のフローを維持する。
【0043】
第3の段階であるS330では、ソースアウトクイックスイッチングバルブ51と、ソースインクイックスイッチングバルブ54及びソースチャンバーインスイッチングバルブ22bを開弁して、吸着された有機物をポリマー化できる熱開始剤を添加し、単一層の有機物薄膜を蒸着する。
【0044】
第4の段階であるS340では、ソースパージクイックスイッチングバルブ53とソースチャンバーインスイッチングバルブ22bを開弁して、残留する熱開始剤を反応チャンバー110の外部に送る第2パージ過程を行う。このような第2パージ過程を行う間に、ソースアウトクイックスイッチングバルブ51と、ソースインクイックスイッチングバルブ54及びソースバイパスクイックスイッチングバルブ55を開弁して、熱開始剤を直ちに真空ポンプ120に移送して、ステディーステートのフローを維持する。上記4つの段階S310〜S340を繰り返すことによって、単一成分の有機物薄膜を蒸着することができる。
【0045】
第5段階であるS350では、蒸着ソースアウトクイックスイッチングバルブ41と、ソースインクイックスイッチングバルブ44及びソースチャンバーインクイックスイッチングバルブ22aを開弁して、無機物モノマーを吸着する過程を行う。
【0046】
第6段階であるS360では、ソースパージクイックスイッチングバルブ43とソースチャンバーインクイックスイッチングバルブ22aを開弁して、移送ガスだけを反応チャンバー110に供給して、反応チャンバー110内をパージして残留する無機物ソース気相を反応チャンバー110の外部に送る第3パージ過程を行う。このような第3パージ過程を行う間に、ソースアウトクイックスイッチングバルブ41と、ソースインクイックスイッチングバルブ44及びソースバイパスクイックスイッチングバルブ45を用いて無機物材料を真空ポンプ120に移送して、ステディーステートのフローを維持する。
【0047】
第7段階であるS370では、ソースアウトクイックスイッチングバルブ51と、ソースインクイックスイッチングバルブ54及びソースチャンバーインスイッチングバルブ22bを開弁して、吸着されたモノマーをポリマー化できる熱開始剤を添加し、単一層の無機物薄膜を蒸着する。
【0048】
第8段階であるS380では、ソースパージクイックスイッチングバルブ53とソースチャンバーインスイッチングバルブ22bを開弁して、残留する熱開始剤を反応チャンバー110の外部に送る第4パージ過程を行う。このような第4パージ過程を行う間に、ソースアウトクイックスイッチングバルブ51と、ソースインクイックスイッチングバルブ54及びソースバイパスクイックスイッチングバルブ55を開弁して、熱開始剤を直ちに真空ポンプ120に移送して、ステディーステートのフローを維持する。上記4つの段階S350〜S380を繰り返すことによって、単一成分の無機物薄膜を蒸着することができる。
【0049】
前記過程を繰り返すことによって、有機物/無機物複合薄膜を得ることができる。前記時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着方法は、有機物/無機物複合薄膜の厚さを正確で且つ非常に精密に調節することができる。
【0050】
以上において説明した本発明は、本発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形及び変更が可能であるので、上述した実施例及び添付された図面に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】従来技術に係るポリマー化学気相蒸着法による蒸着装置を概略的に示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る有機物/無機物複合薄膜の蒸着装置を概略的に示す図である。
【図3】本発明に係る有機物/無機物複合薄膜の蒸着装置を利用した時間分割型有機物/無機物薄膜の蒸着方法を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
110 蒸着チャンバー
120 真空ポンプ
130 蒸着ソースタンク
140 活性化剤ソースタンク
150 移送ガス供給源
170 希釈ガス供給源
161、162、163 加熱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)有機物及び無機物材料が含まれているソースタンクを加熱して、有機物及び無機物のうち少なくとも一方の蒸着気相を発生させる段階と、
(ii)前記発生した有機物及び無機物蒸着気相の凝縮が生じないように一定の温度を維持する移送路を介して前記有機物及び無機物蒸着気相の一方を反応チャンバーに移送する段階と、
(iii)前記反応チャンバーに移送された前記有機物及び無機物蒸着気相の一方を、前記反応チャンバーの内部に配置される基板上に分配し、前記有機物及び無機物材料の一方を前記基板上に吸着する段階と、
(iv)前記有機物及び無機物材料の一方が前記基板上に吸着された後、希釈ガス及び移送ガスを用いて前記反応チャンバーをパージする段階と、
(v)前記蒸着された有機物及び無機物蒸着気相の一方のモノマーを活性化することができる活性化熱開始剤を含んでいる活性化剤ソースタンクを加熱して、熱開始剤気相を発生させる段階と、
(vi)前記熱開始剤気相の凝縮が生じないように一定の温度を維持する移送路を介して前記熱開始剤気相を前記反応チャンバーに移送する段階と、
(vii)前記反応チャンバーに移送された前記熱開始剤気相を、前記熱開始剤気相がシャワーヘッドで凝縮されないように一定の温度に維持された前記反応チャンバーを介して前記基板に蒸着されている有機物または無機物モノマー上に分配し、有機物/無機物複合薄膜を形成する段階と、
(viii)前記基板に前記有機物/無機物複合薄膜が蒸着された後、残留する前記熱開始剤気相を前記反応チャンバーの外部に排出し、前記希釈ガス及び移送ガスを用いて前記反応チャンバーをパージする段階と、を備えることを特徴とする時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着方法。
【請求項2】
前記有機物/無機物複合薄膜が形成された前記基板上に有機物/無機物複合薄膜をさらに形成したり、多成分系の薄膜を形成する場合には、前記(iii)段階、(iv)段階、(vii)段階及び(viii)段階を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着方法。
【請求項3】
前記反応チャンバーの蒸着圧力は、0.001乃至100トールであることを特徴とする請求項1に記載の時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着方法。
【請求項4】
前記反応チャンバーに設けられたシャワーヘッドは、低圧で前記移送ガスにより移送される前記有機物/無機物材料、前記熱開始剤、及び前記希釈ガスを均一に供給することを特徴とする請求項1に記載の時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着方法。
【請求項5】
前記有機物/無機物を蒸着するために利用される前記希釈ガス及び前記移送ガスは、不活性ガスであることを特徴とする請求項1に記載の時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着方法。
【請求項6】
反応チャンバーと、
前記反応チャンバー内に設けられ、且つ基板を支持する基板支持部と、
前記基板支持部に設けられ、且つ前記基板の温度を調節する温度調節部と、
有機物/無機物複合薄膜の蒸着に参加する蒸着ソース気相と活性化剤ソース気相とを交互に前記基板上に供給するシャワーヘッドと、を含む蒸着部と;
前記シャワーヘッドに前記蒸着ソース気相を提供するための蒸着ソースが収容される1つ以上の蒸着ソースタンクと、
前記シャワーヘッドに前記活性化剤ソース気相を提供するための活性化剤ソースが収容される1つ以上の活性化剤ソースタンクと、
前記蒸着ソース気相を前記反応チャンバーに移送するための移送ガスを提供する移送ガス供給源と、
前記反応チャンバーに希釈ガスを提供するための希釈ガス供給源と、
前記蒸着ソースタンクで前記蒸着ソース気相が発生し、前記活性化剤ソースタンクで前記活性化剤気相が発生するように、前記蒸着ソースタンク及び前記活性化剤ソースタンクを加熱する加熱部と、
前記蒸着ソース気相及び前記活性化剤ソース気相が時間分割によって選択的に前記シャワーヘッドに移送されるように許容し、前記加熱部により加熱される複数の移送路と、を含むソース部と;
前記有機物/無機物蒸着ソース気相、前記活性化剤ソース気相、前記移送ガス及び希釈ガスを前記反応チャンバーに流入し、前記有機物または無機物材料気相、前記活性化剤ソース気相、前記移送ガス及び希釈ガスの量と速度を調節する流量調節部と;
前記反応チャンバーに流入される前記有機物または無機物蒸着気相、前記活性化剤ソース気相、前記移送ガス及び希釈ガスを時間分割できるように、前記各々の移送路に形成される複数のバルブと;
前記反応チャンバーの真空を一定に維持する真空ポンプと;を備えることを特徴とする時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着装置。
【請求項7】
前記シャワーヘッドは、複数の板で構成され、0.01乃至50mmの直径で形成された少なくとも1つの孔を含むことを特徴とする請求項6に記載の時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着装置。
【請求項8】
前記シャワーヘッドは、高温で変形しないステンレスまたは石英で形成されることを特徴とする請求項7に記載の時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着装置。
【請求項9】
前記シャワーヘッドには、前記シャワーヘッドの半径方向に沿って着脱自在なシャワーカーテンが設けられることを特徴とする請求項7に記載の時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着装置。
【請求項10】
多成分系の有機物/無機物複合薄膜を形成するために複数の前記蒸着ソースタンクと前記活性化剤ソースタンクを利用することを特徴とする請求項6に記載の時間分割型有機物/無機物複合薄膜の蒸着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−144276(P2008−144276A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316176(P2007−316176)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】