説明

板状物の製造装置及び製造方法並びに板状物の端面研削装置及び端面研削方法

【課題】本発明は、板状物の製造装置及び製造方法並びに板状物の端面研削装置及び端面研削方法を提供する。
【解決手段】本発明の端面研削装置22は、搬送手段16によってガラス板Gを搬送しながら、ガラス板Gの端部近傍を支持ローラ68、68…によって支持した状態で端面面取り砥石36によってガラス板Gの端面を面取りする。支持ローラ68、68…は、搬送中のガラス板Gの下面に当接するとともに、ガラス板Gの研削される端面位置に応じて、ガラス板Gの搬送方向に対し端面Ga、Gbに接近する方向または離れる方向に進退し、ガラス板Gの端部近傍を支持する。支持ローラ68、68…によるガラス板Gの支持位置は、ガラス板Gの端部が自重により大きく垂れ下がらない位置に設定される。位置制御部70は、記憶手段に記憶されているガラス板Gの形状情報に基づいて、支持ローラ68、68…の進退距離を制御し、支持ローラ68、68…によるガラス板Gの支持位置を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状物の製造装置及び製造方法並びに板状物の端面研削装置及び端面研削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、FPD(Flat Panel Display)用ガラス基板、建築用ガラス板等に用いられるガラス板の製造方法は以下の流れで行われる。溶融ガラスをフロート法及びフュージョン法等の成形手段によってガラスリボンに成形する。成形されたガラスリボンを冷却し、切断装置によって所定サイズのガラス板に切断する。切断されたガラス板の端面を研削(面取り)し、梱包容器に梱包する。
【0003】
ガラスリボンを所定サイズのガラス板に切断する方法として、以下の方法が挙げられる。ガラスリボンの表面に切線を加工し、切線に応力が掛かるようにガラスリボンを撓ませてガラスリボンを折り、所定サイズのガラス板に切断する。特許文献1において、ガラスリボンの表面に切線を加工する装置が開示されている。特許文献1で開示されたガラスリボンの切線加工装置は、レアー(lehr)で徐冷されたガラスリボンを搬送しながら、サイズの異なる複数のガラス板を一度に無駄なく採板する装置である。
【0004】
ここで、図14を参照してガラス板Gの各部の名称を以下に定義する。すなわち、符号1がガラス板Gの端面であり、符号2が隅部、斜線で示した部分3が端部である。
【0005】
所定のサイズに切断されたガラス板は、その端面が研削部材によって研削されて面取りされるとともに、その隅部が隅部研削部材によって研削されて面取りされる。
【0006】
特許文献2に開示されたガラス板の端面の研削装置は、ガラス板の両端部を、上下一対の無端状ベルトによって挟持することによりガラス板の両端部の撓みを防止するとともに、このベルトを移動させてガラス板を搬送しながらガラス板の端面を研削部材によって研削する。また、特許文献2の研削装置は、ガラス板の下面を吸着保持して上下一対の無端状ベルトとともにガラス板を搬送させる吸着パッドを備えている。更に、特許文献2に開示された研削装置は、サイズの異なるガラス板であっても研削できるように、ガラス板の両側に配置された研削部材同士の間隔が、ガラス板のサイズに応じて位置調整されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2008/136239A1号公報
【特許文献2】特開2008−213090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2に開示された研削装置は、図15に示すようにガラス板Gのサイズがベルト搬送手段6の間隔より非常に大きい場合、ガラス板Gの端部3が自重により撓んでしまい、ガラス板Gの端面1の高さと研削部材4の研削面(溝)5の高さとの差が大きくなり、ガラス板Gの端面1を所望の形状に研削できなかったり、ガラス板の端部が折れたりする恐れがあった。すなわち、図15に示すように、ガラス板Gの端面1の下側エッジ1aは、研削面5によって研削されるが、上側エッジ1bは研削面5に当接せず、研削されない場合があった。
【0009】
よって、特許文献1と特許文献2とを組み合わせた場合、切断されたガラス板の搬送を停止した後、ガラス板のサイズ変更に応じて、ベルト搬送手段の位置を調整する必要があるため、ガラス板の生産性が低下するという問題があった。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、切断装置から連続的に搬送されてくるサイズの異なる複数の板状物の端面を、生産性を低下せずに、所望の形状に研削できる板状物の製造装置及び製造方法並びに板状物の端面研削装置及び端面研削方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するために、帯状に成形された帯状板状物を所定の矩形状板状物に切断する切断手段と、前記切断手段によって切断された前記矩形状板状物を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって前記矩形状板状物を搬送しながら該矩形状板状物の端面を研削する研削手段と、前記研削手段によって端面が研削された前記矩形状板状物を梱包する梱包手段と、を備えたことを特徴とする板状物の製造装置を提供する。
【0012】
本発明は、前記目的を達成するために、帯状に成形された帯状板状物を所定の矩形状板状物に切断する切断工程と、前記切断工程によって切断された矩形状板状物を搬送しながら該矩形状板状物の端面を研削する研削工程と、前記研削工程によって端面が研削された前記矩形状板状物を梱包する梱包工程と、を備えたことを特徴とする板状物の製造方法を提供する。
【0013】
本発明によれば、帯状に成形された帯状板状物を、切断手段を備えた切断工程で、所定の矩形状板状物に少なくとも一度切断し、切断された矩形状板状物を搬送手段に連続的に移載させ、搬送手段に移載された矩形状板状物を該搬送手段で搬送しながら、矩形状板状物の端面を研削手段で研削し、端面が研削された矩形状板状物を梱包工程で梱包する。
【0014】
また、研削工程では、板状物のサイズに応じて研削部材が最適な位置に位置制御されて端面の研削を円滑に実行する。これにより、切断工程から連続的に搬送されてくるサイズの異なる板状物であっても、その端面を所望の形状に研削できる。よって、本発明では、連続的に流れてくるサイズの異なる板状物であっても、その板状物の端部の研削加工効率が向上し、工程作業時間を短縮できる。
【0015】
本発明は、前記目的を達成するために、板状物を所定方向に搬送しながら該板状物の端面を研削する板状物の端面研削装置であって、板状物を保持して該板状物を研削される端面に沿った所定方向に搬送する搬送手段と、前記板状物の研削される端面位置に応じて前記搬送方向に対し前記端面に接近する方向または離れる方向に進退し、前記板状物を支持する進退支持手段と、前記搬送手段及び前記進退支持手段によって搬送される前記板状物の研削される端面に押し付けられて該端面を研削する研削手段と、前記研削手段の前記板状物搬送方向上流側に設けられ、前記板状物の形状情報を取得する形状情報取得手段と、前記形状情報取得手段により得られた前記形状情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記形状情報に基づいて、前記進退支持手段の進退距離及び前記研削手段の位置を制御する位置制御部と、を備えたことを特徴とする板状物の端面研削装置を提供する。
【0016】
本発明は、前記目的を達成するために、板状物を搬送手段によって保持して該板状物を研削される端面に沿った所定方向に搬送する搬送工程と、前記搬送工程によって搬送される前記板状物に対し、進退支持手段を該板状物の研削される端面位置に応じて前記搬送方向に対し前記端面に接近する方向または離れる方向に進退させて、前記板状物を支持する工程と、前記搬送手段及び前記進退支持手段によって搬送される前記板状物の研削される端面に研削手段を押し付けて該端面を研削する工程と、を有し、前記研削手段の前記板状物搬送方向上流側には、前記板状物の形状情報を取得する形状情報取得手段を備え、該形状情報取得手段により得られた前記形状情報を記憶手段によって記憶し、該記憶手段に記憶された前記形状情報に基づいて、前記進退支持手段の進退距離及び前記研削手段の位置を位置制御部によって制御することを特徴とする板状物の端面研削方法を提供する。
【0017】
本発明によれば、まず、研削工程等の上流側の工程から連続的に流れてくる板状物を搬送手段によって保持し、この搬送手段によって、板状物を研削される端面に沿った所定方向に搬送する。
【0018】
前記搬送手段は、板状物の下面の全面を保持するものでもよいが、板状物の下面の中央部を一点、又は数点、或いは線状、又は面状に保持する手段を採用することが、搬送手段の構成を簡素化する点で好ましい。搬送手段による保持の手段は真空吸着でもよく、静電吸着、粘着物による粘着等の他の手段であってもよい。
【0019】
次に、搬送手段によって搬送されている板状物に対し、進退支持手段を板状物の研削される端面位置に応じて、前記搬送方向に対し前記端面に接近する方向または離れる方向に進退させて、前記板状物の下面の端部近傍を支持する。進退支持手段による板状物の支持位置は、板状物の端部が自重により大きく垂れ下がらない位置、且つ板状物の端面よりも内側の位置に設定される。これは、次工程の研削工程において板状物の端面と研削手段との上下位置の誤差を極力小さく抑えるためである。
【0020】
次いで、前記搬送手段及び前記進退支持手段によって搬送される前記板状物の研削される端面に研削手段を押し付けて端面を研削する。
【0021】
この場合、進退支持手段に板状物の搬送力を持たせてもよいが、搬送手段に搬送力が備えられているので、進退支持手段自体に搬送力を持たせなくてもよい。搬送されている板状物の端面は、研削位置に位置決めされた研削手段によって研削され、面取りされる。
【0022】
ここで、本発明では、板状物の形状情報を取得する形状情報取得手段が、研削手段の板状物搬送方向上流側に備えられており、この形状情報取得手段により得られた前記形状情報を記憶手段に記憶させ、記憶手段に記憶された板状物の形状情報に基づいて、前記進退支持手段の進退距離及び前記研削手段による研削位置を位置制御部によってフィードフォワード制御する。
【0023】
これにより、本発明では、連続的に搬送されてくるサイズの異なる板状物であっても、そのまま板状物を連続搬送しながら、板状物の端面を所望の形状に研削できる。よって、本発明は、板状物の端面の研削加工効率が向上し、工程作業時間を短縮できる。
【0024】
本発明の前記進退支持手段は、前記板状物を支持する複数の回動自在なローラ部材と、前記複数のローラ部材を支持するとともに、前記複数のローラ部材を前記搬送方向に対し前記端面に接近する方向または離れる方向に進退移動させるローラ部材支持手段と、を備え、前記位置制御部は、前記ローラ部材支持手段を制御して、前記複数のローラ部材の前記進退距離を制御する。
【0025】
本発明によれば、連続的に搬送されてくる板状物のサイズに応じて、ローラ部材が板状物の搬送方向に対し端面に接近する方向または離れる方向に進退する。
【0026】
前記ローラ部材は、板状物の下面に当接されて板状物を支持するが、この際に板状物の端部が垂れ下がらない程度に板状物を支持する必要がある。そのために、ローラ部材による板状物の支持位置が、位置制御部によって制御されている。すなわち、位置制御部は、記憶手段に記憶されている板状物の形状情報に基づいて、ローラ部材支持手段の進退移動をフィードフォワード制御し、複数のローラ部材の進退距離を制御することにより、ローラ部材による板状物の支持位置を設定している。これにより、研削手段による研削加工時に、板状物の端部が垂れ下がらず、板状物の端面を所望の形状に研削できる。
【0027】
従来では、板状物の端面の研削時に、板状物の端部が振動しないよう該端部を固定していた。しかしながら、本発明の如く、板状物の端部近傍の下面をローラ支持部材で支持し、研削時に端部を自由に動けるようにすると、以下に説明する特徴がある。板状物の端面を研削手段の研削部材の研削面である溝に当接させるとき、端面と溝との双方の高さ調整を厳密に実施していない場合でも、端面が溝に押し付けられたときに端面が溝の形状に案内されて板状物の端部が溝の高さに応じて変形する。よって、端面と溝との双方の高さが所望の位置になる。したがって、板状物の端面と研削部材の研削面との双方の高さ調整を厳密に実施しなくても、板状物の端面を所望の形状に研削できる。
【0028】
換言すれば、板状物の端部を上下一対のベルトによって挟み込む従来の方式では、板状物の端部が固定され、端部が微小量でも移動する自由度がないため、研削部材の溝と板状物の端面との双方の高さが一致せず、所望の形状に研削できない場合があった。また、板状物の端面と研削部材の溝との双方の高さ調整を厳密に行うことは、機械誤差の関係で限度があった。
【0029】
よって、本発明の如く、ローラ部材のみで板状物の下面を支持するようにすれば、板状物の端面を研削部材の研削面である溝に当接させるとき、端面と溝との双方の高さ調整を厳密に実施していない場合でも、板状物の端部が溝の高さに応じて変形し、端面と溝との双方の高さが所望の位置になる。したがって、板状物の端面と研削部材の研削面との双方の高さ調整を厳密に実施しなくても、板状物の端面を所望の形状に研削できる。
【0030】
本発明の前記研削手段は、研削部材と、前記研削部材を支持し、前記研削部材を前記板状物の端面に対して進退移動させる研削部材駆動手段と、を備え、前記位置制御部は、前記研削部材駆動手段による前記研削部材の前記進退移動動作を制御して、前記研削手段の位置を制御することが好ましい。
【0031】
研削部材は、板状物の端面に当接されて端面を研削して面取りするが、そのために、研削手段の端面当接位置が、位置制御部によってフィードフォワード制御されている。すなわち、位置制御部は、記憶手段に記憶されている板状物の形状情報に基づいて、研削部材駆動手段による研削部材の進退移動動作をフィードフォワード制御することにより、研削手段の端面当接位置を設定している。これにより、研削手段による研削加工を円滑に行うことができる。
【0032】
本発明は、前記研削部材を前記研削部材駆動手段から取り外し、別の研削部材を前記研削部材駆動手段に取り付けて前記研削部材を交換する研削部材交換手段を備えることが好ましい。
【0033】
研削部材の交換を手作業で行うと、板状物の連続搬送を停止しなければならず、また、研削部材の交換に要する時間も長くなるため、工程作業時間の短縮を図ることができない。
【0034】
そこで本発明では、研削部材交換手段を備えたので、研削部材の交換時間を短縮することができ、工程作業時間の短縮を図ることができる。
【0035】
研削部材交換手段を備えるためには、研削部材の下方に広い空間を確保する必要があるため、研削部材のスピンドルベースを板状物の搬送路の上方に設置した。これにより、研削部材の下方に研削部材交換手段を設置するための広い空間を確保でき、この空間に研削部材交換手段を設置したので、研削部材の自動交換が可能となった。
【0036】
本発明の前記搬送手段は、前記板状物を保持する保持部と、前記保持部を前記板状物に対して進退移動させるとともに、前記保持部を前記所定方向に沿って移動させて搬送開始位置と搬送終了位置との間で往復移動させる保持部駆動手段と、前記保持部による前記板状物の保持/解除の切替動作、前記保持部駆動手段による前記保持部の前記進退移動動作、及び前記往復移動動作を制御する搬送制御部と、を備えることが好ましい。
【0037】
搬送手段の保持部は、連続搬送されてくる板状物を保持する搬送開始位置から、研削部材による研削終了位置に相当する搬送終了位置まで板状物を搬送する必要がある。このため、保持部は、保持部駆動手段によって、板状物に対して進退移動させられるとともに、搬送開始位置と搬送終了位置との間で往復移動させられる。また、搬送制御部は、保持部による板状物の保持/解除の切替動作、保持部駆動手段による保持部の進退移動動作、及び往復移動動作を、搬送開始位置に搬送されてくる板状物のタイミングに合わせて制御する。
【0038】
本発明は、前記板状物の隅部を研削する隅部研削手段を備えることが好ましい。
【0039】
隅部研削手段を備えることにより、研削部材による端面の研削の他、板状物の隅部の研削を同一の製造ラインで行うことができる。
【0040】
本発明の前記隅部研削手段は、前記板状物の隅部を研削する隅部研削部材と、前記隅部研削部材を支持し、前記隅部研削部材を前記板状物の隅部に対して進退移動させる隅部研削部材駆動手段と、前記記憶手段に記憶された前記形状情報に基づいて、前記隅部研削部材駆動手段による前記隅部研削部材の前記進退移動動作を制御する隅部研削制御部と、を備えることが好ましい。
【0041】
隅部研削部材は、板状物の隅部に当接されて隅部を研削するが、そのために、隅部研削部材の隅部当接位置が、隅部研削制御部によって制御されている。すなわち、隅部研削制御部は、記憶手段に記憶されている板状物の形状情報に基づいて、隅部研削部材駆動手段による隅部研削部材の進退移動動作をフィードフォワード制御することにより、隅部研削手段の隅部当接位置を設定する。これにより、隅部研削部材による隅部の研削を円滑に行うことができる。
【0042】
本発明は、前記隅部研削部材を前記隅部研削部材駆動手段から取り外し、別の隅部研削部材を前記隅部研削部材駆動手段に取り付けて前記隅部研削部材を交換する隅部研削部材交換手段を備えることが好ましい。
【0043】
隅部研削部材の交換を手作業で行うと、板状物の連続搬送を停止しなければならず、また、隅部研削部材の交換に要する時間も長くなるため、工程作業時間の短縮を図ることができない。
【0044】
本発明では、隅部研削部材交換手段を備えたので、隅部研削部材の交換時間を短縮することができ、工程作業時間の短縮を図ることができる。
【0045】
隅部研削部材交換手段を備えるためには、隅部研削部材の下方に広い空間を確保する必要があるため、隅部研削部材のスピンドルベースを板状物の搬送路の上方に設置した。これにより、隅部研削部材の下方に隅部研削部材交換手段を設置するための広い空間を確保でき、この空間を利用して隅部研削部材交換手段を設置したので、隅部研削部材の自動交換が可能となった。
【0046】
本発明は、前記板状物の隅部より内側の下面を支持する隅部支持手段を備えることが好ましい。
【0047】
隅部支持手段を設けることにより、板状物の隅部は撓むことなく水平に支持されるので、隅部研削部材による板状物の隅部の研削を安定して行うことができる。
【0048】
本発明の前記隅部支持手段は、前記板状物の下面を支持する隅部支持部材と、前記隅部支持部材を前記下面の下方に移動させるとともに、前記隅部支持部材を前記下面に当接させるように移動させる隅部支持部材駆動手段と、前記記憶手段に記憶された前記形状情報に基づいて、前記隅部支持部材駆動手段による前記隅部支持部材の移動を制御する隅部支持部材制御部と、を備えることが好ましい。
【0049】
前記隅部支持部材は、板状物の下面に当接され、この際に板状物の隅部が垂れ下がらない程度に板状物の隅部を支持する必要がある。そのために、隅部支持部材による板状物の支持位置が、隅部支持部材制御部によって制御されている。すなわち、隅部支持部材制御部は、記憶手段に記憶されている板状物の形状情報に基づいて、隅部支持部材駆動手段による隅部支持部材の移動位置をフィードフォワード制御することにより、隅部支持部材による板状物の支持位置を設定する。
【0050】
これにより、本発明は、板状物の隅部は撓むことなく水平に支持されるので、板状物の隅部と隅部研削部材の研削面との高さの位置ずれを抑えることができる。また、板状物の隅部は研削量が多く、板状物が振動しやすくなるが、隅部支持部材で板状物の隅部を支持することによって、板状物の振動を抑えることができる。したがって、隅部研削部材及び隅部支持手段を用いれば、板状物の隅部を安定して研削できる。
【発明の効果】
【0051】
本発明に係る板状物の製造装置及び製造方法並びに板状物の端面研削装置及び端面研削方法によれば、連続的に流れてくるサイズの異なる板状物であっても、その板状物の端部の研削加工効率が向上し、工程作業時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施の形態に係るガラス板の製造装置の構成を示したブロック図
【図2】実施の形態の端面研削装置の平面図
【図3】実施の形態の第1の端面研削部の平面図
【図4】図3に示した第1の端面研削部の要部斜視図
【図5】実施の形態の搬送手段の全体構成を示した斜視図
【図6】搬送制御部による制御系を示したブロック図
【図7】実施の形態の端面研削装置の制御系を示したブロック図
【図8】砥石の移動制御系を示したブロック図
【図9】実施の形態の隅部研削部の構成を示した斜視図
【図10】隅部研削装置の制御系を示したブロック図
【図11】隅部支持駆動部の制御系を示したブロック図
【図12】隅部支持駆動部の構造を示した要部拡大斜視図
【図13】砥石交換機の側面図
【図14】ガラス板の各部の名称を定義するための説明図
【図15】ガラス板の端部が撓んで端面が研削される説明図
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、図面に従って本発明に係る板状物の製造装置及び製造方法並びに板状物の端面研削装置及び端面研削方法の実施の形態を詳説する。
【0054】
図1は、本発明の実施の形態に係るガラス板の製造装置10の構成を示したブロック図である。
【0055】
この製造装置10は、製造工程の前段から後段にかけて成形手段12、切断手段14、搬送手段16、研削手段18、及び梱包手段20から構成される。
【0056】
成形手段12は、溶融ガラスをガラスリボン(帯状板状物)に成形する手段であり、成形法としてフロート法又はフュージョン法等の成形手段が一例として挙げられる。
【0057】
切断手段14は、成形手段12によって成形されて連続搬送されてくる前記ガラスリボンを、サイズの異なる複数のガラス板(板状物)に切断する手段である。例えば、ガラスリボンの表面に切線加工を施した後に、ガラスリボンを撓ませて切断する装置やレーザによって切断する装置などが挙げられる。切断手段14によるガラスリボンの切断方向は、ガラスリボンの幅方向のみでもよく、特許文献1に記載されているように、ガラスリボンの幅方向及び長さ方向でもよい。
【0058】
切断手段14は、切断したガラス板の形状等に対応するトラッキング情報(ガラス板の形状情報)を取得し、このトラッキング情報は、研削手段18の各部材を動作せる際の位置情報及び時間情報として使用される。なお、トラッキング情報を取得する手段は、切断手段14に限定されるものではなく、研削手段18のガラス板搬送方向上流側に設けられた手段、例えば赤外線センサ等の形状取得手段であってもよい。切断手段14によって切断されたガラス板は、搬送手段16に連続的に移載される。したがって、切断手段と搬送手段との間でのガラス板の搬送時間を短縮できる。
【0059】
搬送手段16は、切断手段14によって切断されたサイズの異なるガラス板を、研削手段18に向けて連続搬送するものであり、実施の形態では吸着保持するパッドを備えた手段が挙げられる。よって、ガラス板は、ガラスリボンの状態から搬送が停止されることなく、成形手段12から切断手段14を経て研削手段18に連続搬送される。搬送手段16については後述する。
【0060】
研削手段18についても詳細は後述するが、実施の形態の研削手段は、ガラス板の端面を研削して面取りする端面面取り砥石(研削手段)、端面面取り砥石による端面研削中にガラス板の下面に当接されてガラス板の端部を支持する支持ローラ(進退支持手段)、ガラス板の4つの隅部を研削する隅部面取り砥石(隅部研削手段)、及び隅部面取り砥石による研削中にガラス板の隅部近傍を支持するパッド(隅部支持手段)等から構成される。なお、前記隅部面取り砥石、及びパッドは必須ではない。
【0061】
研削手段18の各部材は、前述したトラッキング情報に基づいて動作が制御されており、すなわち、サイズの異なるガラス板に対応できるようにその動作がフィードフォワード制御されている。よって、サイズの異なるガラス板が研削手段18に搬送されてきた場合でも、その端面の面取り、隅部の研削が円滑に行われるようになっている。
【0062】
梱包手段20は、研削手段18によって加工されて、連続搬送されてきたガラス板をパレット等の梱包容器に積載する装置であり、ガラス板を吸着する多数の吸着パッドを備えたロボットが挙げられる。
【0063】
このように構成されたガラス板の製造装置10によれば、まず、成形手段12によって成形されたガラスリボンを搬送しながら、切断手段14によって、所定の矩形状のガラス板に切断する。次に、切断されたガラス板を搬送手段16によって搬送しながら、ガラス板の端面及び隅部を研削手段18によって研削し、このガラス板を梱包手段20によってパレットに梱包する。
【0064】
実施の形態のガラス板の製造装置10では、切断手段14によって切断された異なるサイズのガラス板を搬送手段16によって搬送しながら、ガラス板の端面を研削手段18で研削する。また、研削手段18では、ガラス板のサイズに応じた最適な位置に端面面取り砥石、及び支持ローラが予め位置制御されているので、端面及び隅部の研削を円滑に実行できる。よって、切断手段14から連続的に搬送されてくるサイズの異なるガラス板であっても、その端面及び隅部を所望の形状に研削できる。
【0065】
これにより、実施の形態のガラス板の製造装置10によれば、連続的に流れてくるサイズの異なるガラス板であっても端面を所望の形状に面取りできるので、面取り加工効率が向上し、工程作業時間を短縮できる。
【0066】
次に、図2に基づいて、搬送手段16と研削手段18とを備えた実施の形態の端面研削装置22の具体的な構成について説明する。図2は、端面研削装置22の平面図である。
【0067】
同図に示す端面研削装置22は、ガラス板Gの搬送方向上流側から下流側に向けて、第1の端面研削部24、第2の端面研削部26、及び隅部研削部28が配置されて構成される。第1の端面研削部24と第2の端面研削部26とは、面取りする端面が異なるだけで構成は同一である。
【0068】
第1の端面研削部24の上流側には、ガラス板Gの下面を支持しながら搬送する搬送手段16、及び搬送手段16によって保持されているガラス板Gの両端部を支持するとともに搬送する搬送ローラ32を備えている。搬送ローラ32の上流側には、図1の切断手段14から不図示の移載機を介して連続搬送されてくるサイズの異なるガラス板Gを位置決めするための周知の位置決め装置(不図示)が設置される。該位置決め装置によって位置決めされたガラス板Gの下面の中央部が搬送手段16によって吸着保持されて、図2の図面上において矢印Aに向けて搬送される。この搬送中にガラス板Gの両端面Ga、Gb側の両端部が、後述する進退支持手段34、34の支持ローラ(隅部支持部材)に支持されながら、両端面Ga、Gbが、研削手段18の端面面取り砥石(研削部材)36、36によって面取りされる。すなわち、搬送手段16は、ガラス板Gを吸着保持して、ガラス板Gを研削される両端面Ga、Gbに沿った方向、つまり矢印Aの方向にガラス板Gを搬送する。なお、搬送ローラ32は、搬送手段16で保持されているガラス板Gのサイズが大きく、ガラス板Gの端部が自重で撓んで破損する恐れがあるときに使用すればよい。搬送ローラ32は、ガラス板Gの端部を支持するとともに搬送できる部材であれば、その形状及び搬送方式は限定されず、ベルトでガラス板Gの端部を支持しながら搬送する方式、あるいは気体を噴出させてガラス板Gの端部を浮き上らせて支持するとともに搬送する方式であってもよい。
【0069】
次に、図3〜図5に基づいて、研削手段18を備えた端面研削部24及び搬送手段16の実施の形態の具体的な構成について説明する。
【0070】
図3は第1の端面研削部24の平面図、図4は第1の端面研削部24の要部斜視図、図5は、搬送手段16の全体構成を示した斜視図である。
【0071】
搬送手段16は、ガラス板Gの下面の中央部を吸着保持するパッド(保持部)38を備えている。また、パッド38をガラス板Gの下面に対して上下方向に進退移動させるとともに、ガラス板Gの搬送方向に沿って移動させて搬送開始位置と搬送終了位置との間で往復移動させる、図6に示すパッド駆動部(保持部駆動手段)40を有している。更に、パッド38によるガラス板Gの吸着保持/解除の切替動作、パッド駆動部40によるパッド38の前記進退移動動作、及び前記往復移動動作を制御する、図6に示す搬送制御部42を備えている。
【0072】
図5に示すパッド38は、搬送方向に長辺を有する矩形状に構成され、両短辺部には、直動ガイドを構成するブロック44、44が固定されている。また、ブロック44、44は、レール46、46に上下動自在に嵌合され、レール46、46はベース48に立設されている。ベース48にはサーボモータ50が固定され、サーボモータ50の出力軸には、上下用送りねじ52が連結されている。上下用送りねじ52には、テーパブロック54が螺合されており、このテーパブロック54は、ベース48に固定されたレール56にブロック58を介してスライド移動自在に取り付けられている。また、テーパブロック54の上部テーパ面には、テーパブロック60の下部テーパ面が摺動自在に摺接され、このテーパブロック60はパッド38の下部に固定されている。したがって、サーボモータ50が正転/逆転されることにより、テーパブロック54が往復移動することから、テーパブロック60を介してパッド38がガラス板Gの下面に対し上下方向に進退移動される。このサーボモータ50は、図6に示すようにパッド駆動部40を介して搬送制御部42により、開始/停止の切替動作、及び正転/逆転動作が制御されている。
【0073】
図5の如くベース48は、その下部が一対のレール62、62に直動自在に嵌合されており、レール62、62の間にレール62、62と平行に配設された送りねじ64に螺合されている。この送りねじ64は、サーボモータ66の出力軸に連結されている。したがって、サーボモータ66が正転/逆転されることにより、ベース48を介してパッド38がガラス板Gの搬送方向に沿って水平に移動され、搬送開始位置と搬送終了位置との間で往復移動させる。このサーボモータ66は、図6に示すようにパッド駆動部40を介して搬送制御部42により、開始/停止の切替動作、及び正転/逆転動作が制御されている。
【0074】
図3〜図5に示したパッド38は、前述した移載機によって連続搬送されてくるガラス板Gを保持する搬送開始位置(図3の実線で示した位置)から、端面面取り砥石36、36による研削終了位置に相当する搬送終了位置(図3の破線で示した位置)までガラス板Gを矢印A方向に搬送する。このため、パッド38は、図6のパッド駆動部40によって、ガラス板Gの下面に対し進退移動させられるとともに、搬送開始位置と搬送終了位置との間で往復移動させられる。
【0075】
また、搬送制御部42は、パッド38によるガラス板Gの吸着の保持/解除の切替動作、パッド駆動部40によるパッド38の前記進退移動動作、及び往復移動動作を、搬送開始位置に搬送されてくるガラス板Gのタイミングに合わせて制御する。
【0076】
すなわち、搬送制御部42は、搬送開始位置にあるパッド38上に移載機によって移載されたガラス板Gが、位置決め装置によってパッド38上で位置決めされると、パッド38の吸着保持動作を開始させ、サーボモータ66を制御してパッド38を進出移動させる。これにより、搬送開始位置に位置決めされたガラス板Gがパッド38に吸着保持される。この後、搬送制御部42は、サーボモータ66を制御してパッド38を搬送終了位置に向けて移動させる。この移動中に、パッド38に吸着保持されたガラス板Gの両端面Ga、Gb、が端面面取り砥石36、36によって研削されて面取りされる。そして、パッド38が搬送終了位置に位置したところで搬送制御部42は、パッド38の吸着保持動作を解除させるとともに、サーボモータ50を制御してパッド38をガラス板Gの下面から下方に退避移動させる。この後、サーボモータ66を制御してパッド38を搬送終了位置から搬送開始位置に復帰移動させる。この動作を繰り返し行うことにより、連続搬送されてくるガラス板Gの両端面Ga、Gb、の面取り加工が実行される。
【0077】
なお、パッド38は、ガラス板Gの下面の全面を保持するものでもよいが、ガラス板Gの下面の中央部を一点、又は複数点、或いは線状、又は面状的に吸着する構成を採用することが、パッド38の構成を簡素化する点で好ましい。また、小型のパッドを複数個備えておき、ガラス板Gのサイズに応じて吸着動作するパッドの数を選択させるようにしてもよい。更に、搬送開始位置におけるガラス板Gの位置決め位置は、そのガラス板Gの下面の中央部にパッド38が位置する位置であることが好ましい。これにより、サイズの異なるガラス板Gであっても、そのガラス板Gの下面の中央部がパッド38によって常に吸着保持されるので、ガラス板Gを安定して搬送できる。パッド38としては真空吸着でもよく、静電吸着、粘着物による粘着等の他の手段であってもよい。
【0078】
図3の如く第1の端面研削部24の中央部には、進退支持手段34、34と端面面取り砥石36、36が配置されている。
【0079】
進退支持手段34、34は、パッド38によるガラス板Gの搬送路の両側に設置されており、複数本の回動自在な支持ローラ(ローラ部材)68、68…と、支持ローラ68、68…を支持するとともに、支持ローラ68、68…を、ガラス板Gの搬送方向に対し端面に接近する方向または離れる方向する方向に進退移動させるローラ移動部(ローラ部材支持手段)とを備えている。ローラ移動部は図示していないが、サーボモータによって動作する送りねじ等が一例として挙げられる。
【0080】
支持ローラ68、68…は、搬送中のガラス板Gの下面に当接するとともに、ガラス板Gの研削される端面位置に応じて、ガラス板Gの搬送方向に対し端面Ga、Gbに接近する方向または離れる方向に進退し、ガラス板Gの両端面Ga、Gb側の端部を支持する。実施の形態ではガラス板Gの搬送方向である矢印Aに対して直交する方向に支持ローラ68、68…が進退移動されている。なお、ガラス板Gの搬送方向に対して支持ローラ68、68…を斜行させて進退移動させてもよい。
【0081】
支持ローラ68、68…によるガラス板Gの支持位置は、ガラス板Gの端部が自重により大きく垂れ下がらない位置に設定される。これは、次工程の端面面取り砥石36による研削工程において、ガラス板Gの端部と端面面取り砥石36との上下位置の誤差を極力小さく抑えるためである。
【0082】
また、図7に示すように進退支持手段34は、搬送手段16及び研削手段18とともに位置制御部70によってその動作が制御されている。この位置制御部70は、記憶手段を有している。この記憶手段には、切断手段14に付与された形状情報取得手段15から得られた、ガラス板Gのトラッキング情報に含まれているガラス板Gの形状情報が記憶されている。位置制御部70は、この記憶手段に記憶されたガラス板Gの形状情報に基づいて、進退支持手段34の支持ローラ68、68…の進退距離、及び研削手段18の端面面取り砥石36の位置をフィードフォワード制御する。すなわち、位置制御部70は、前記ローラ移動部を制御して、支持ローラ68、68…の前記進退距離を制御する。
【0083】
支持ローラ68、68…は、ガラス板Gの下面に当接されてガラス板Gを支持するが、この際にガラス板Gの端部が自重で垂れ下がらない程度にガラス板Gを支持する。そのために、支持ローラ68、68…のガラス基板Gの支持位置が、位置制御部70によって制御されている。すなわち、位置制御部70は、前記記憶手段に記憶されているガラス板Gの形状情報に基づいて、前記ローラ移動部の進退移動をフィードフォワード制御し、支持ローラ68、68…の進退距離を制御することにより、支持ローラ68、68…のガラス基板Gの支持位置を設定している。これにより、研削手段18による研削加工時に、ガラス板Gの端部の垂れ下がりを防止でき、端面を所望の形状に研削できる。例えば、板厚が0.7mmのガラス板Gの場合、支持ローラ68の外側端面からガラス板Gの端面までの距離を10mmに設定することにより、ガラス板Gの端部の自重による垂れ下がりを防止できる。
【0084】
従来では、研削時において、ガラス板の端部の動きをある程度拘束しなければ、研削時の振動などで品質低下が起こることを懸念し、テーブルにガラス板を吸着、又はベルトによってガラス板を上下に挟み込むことにより、ガラス板Gの端部の動き拘束していた。しかしながら、実施の形態の如く、ガラス板Gの端部の動きを拘束しないようにしたことによって、砥石36の溝にガラス板Gの端部が案内されるようになったため、研削中の振動などで品質低下することなく、均一な研削面が得られることがわかった。
【0085】
一方、実施の形態の如く、支持ローラ68、68…のみでガラス板Gの下面を支持するようにすれば、ガラス板Gの端面Ga、Gbを端面面取り砥石36の溝に当接させるとき、端面Ga、Gbと溝との双方の高さ調整を厳密に実施していない場合でも、ガラス板Gの端部が溝の高さに応じて変形し、端面Ga、Gbと溝との双方の高さが所望の位置になる。したがって、ガラス板Gの端面Ga、Gbと端面面取り砥石36の研削面との双方の高さ調整を厳密に実施しなくても、ガラス板Gの端面Ga、Gbを所望の形状に研削できる。
【0086】
図3、図4に示すように、研削手段18の端面面取り砥石36は、支持ローラ68、68…の設置領域において、ガラス板Gの搬送方向上流側から下流側に向けて粗研削砥石72、中研削砥石74、及び仕上げ研削用砥石76が順に配置されて構成される。また、図8に示すように、研削手段18は、これらの砥石72、74、76を支持してガラス板Gの端面に対し、鉛直方向及び水平方向に進退移動させる砥石駆動部(研削部材駆動手段)78を備えている。なお、ガラス板Gの端面に対する鉛直方向及び水平方向とは、それぞれ図4に示す矢印Z及び矢印Xの方向である。
【0087】
図8に示した砥石駆動部78は、位置制御部70によって制御されている。すなわち、位置制御部70は、記憶手段に記憶されたガラス板Gの形状情報に基づいて砥石駆動部78による砥石72、74、76の進退移動動作をフィードフォワード制御し、砥石72、74、76の位置を、そのガラス板Gのサイズに合った位置に予め制御する。
【0088】
つまり、砥石72、74、76でガラス板Gの端面に当接されて端面を面取りするため、砥石72、74、76の端面当接位置が、位置制御部70によってフィードフォワード制御されている。すなわち、位置制御部70は、記憶手段に記憶されているガラス板Gの形状情報に基づいて、砥石駆動部78による砥石72、74、76の進退移動動作をフィードフォワード制御することにより、砥石72、74、76の端面当接位置を設定している。これにより、砥石72、74、76による研削加工を円滑に行うことができる。なお、砥石駆動部78としては、サーボモータを備えた送りねじ等が一例として挙げられる。
【0089】
次に、前記の如く構成された第1の端面研削部24の動作について説明する。
【0090】
まず、切断手段14から連続的に移載されたガラス板Gを、搬送手段16のパッド38によって保持し、パッド38に保持された状態で、ガラス板Gを研削される両端面Ga、Gbに沿った方向、つまり矢印Aに沿った方向に搬送する。
【0091】
次いで、搬送手段16及び支持ローラ68、68…によって搬送されるガラス板Gの研削される両端面Ga、Gb、に砥石72、74、76を押し付けて端面を研削する。
【0092】
この場合、支持ローラ68、68…にガラス板Gの搬送力を持たせてもよいが、搬送手段16に搬送力が備えられているので、支持ローラ68、68…自体に搬送力を持たせなくてもよい。搬送されているガラス板Gの端面は、研削位置に位置決めされた砥石72、74、76によって研削され、面取りされる。
【0093】
ここで、第1の端面研削部24は、ガラス板Gの形状情報を取得する形状情報取得手段15が、砥石72、74、76のガラス板G搬送方向上流側に備えられており、この形状情報取得手段15により得られた形状情報が位置制御部70の記憶手段に記憶されている。そして、位置制御部70は、記憶手段に記憶されたガラス板Gの形状情報に基づいて、支持ローラ68、68…の進退距離及び砥石72、74、76による研削位置をフィードフォワード制御する。
【0094】
これにより、第1の端面研削部24では、連続的に搬送されてくるサイズの異なるガラス板Gであっても、そのままガラス板Gを連続搬送しながら、ガラス板Gの両端面Ga、Gb、を所望の形状に研削できる。よって、第1の端面研削部24を用いてガラス板Gの端面を面取りすれば、ガラス板Gの両端面Ga、Gb、の研削加工効率が向上し、工程作業時間を短縮できる。
【0095】
また、第1の端面研削部24によれば、連続的に搬送されてくるガラス板Gのサイズに応じて、支持ローラ68、68…がガラス板Gの搬送方向に対し端面Ga、Gbに接近する方向または離れる方向に進退するので、サイズが大きいガラス板Gであっても、ガラス板Gの端部の垂れ下がりを防止できる。したがって、ガラス板Gの破損を防止でき、ガラス板Gの端面を精度良く面取りできる。
【0096】
第1の端面研削部24によって、その両端面Ga、Gb、が面取りされたガラス板Gは、不図示の移載機によって第2の端面研削部26の上流側に移載される。
【0097】
第2の端面研削部26は、ガラス板Gの搬送方向が第1の端面研削部24の搬送方向に対して直角になるように設置されており、第1の端面研削部24の搬送手段16、研削手段18、進退支持手段34、及び搬送ローラ32と同一構成、及び同一の動作を行う搬送手段16A、研削手段18A、進退支持手段34A、及び搬送ローラ32Aによって矢印Bの方向に搬送され、両端面Gc、Gdが面取りされる。この搬送手段16A、研削手段18A、進退支持手段34A、及び搬送ローラ32Aの動作については省略する。
【0098】
第2の端面研削部26を通過したガラス板Gは、搬送手段16Aによって隅部研削部28に搬送される。ここでガラス板Gは、搬送手段16Aによる搬送中に、搬送路の両側に配置された図9に示すパッド80、80によって下面の隅部近傍が支持されながら、隅部砥石82、82によってその4つの隅部が研削されることが好ましい。
【0099】
隅部砥石82、82を端面研削装置22に備えることにより、研削手段18、18Aによる端面の面取り加工の他、ガラス板Gの隅部の研削を同一の製造ラインで行うことができる。
【0100】
隅部砥石82、82を有する実施の形態の隅部研削装置(隅部研削手段)84は、図10に示すように隅部砥石82を支持し、隅部砥石82をガラス板Gの隅部に対して進退移動させる隅部研削駆動部(隅部研削部材駆動手段)86と、位置制御部70の記憶手段に記憶されたガラス板Gの形状情報に基づいて、隅部研削駆動部86による隅部砥石82の前記進退移動動作を制御する隅部研削制御部88とを備えている。
【0101】
隅部砥石82は、ガラス板Gの隅部に当接されて隅部を研削するが、そのために、隅部砥石82の隅部当接位置及び移動軌跡(図9のA、B)が、隅部研削制御部88によって制御されている。すなわち、隅部研削制御部88は、位置制御部70の記憶手段に記憶されているガラス板Gの形状情報に基づいて、隅部研削駆動部86による隅部砥石82の進退移動動作をフィードフォワード制御することにより、隅部砥石82の隅部当接位置及び移動軌跡(図9のA、B)を設定する。これにより、隅部砥石82による研削を円滑に行うことができる。なお、図9の移動軌跡Aは、ガラス板Gの搬送方向前端側の隅部を研削する軌跡であり、図9の移動軌跡Bは、ガラス板Gの搬送方向後端側の隅部を研削する軌跡である。
【0102】
また、実施の形態の隅部研削装置84には、ガラス板Gの隅部より内側の下面を支持するパッド80が備えられている。
【0103】
パッド80を設けることにより、ガラス板Gの隅部は撓むことなく水平に支持されるので、隅部面取り砥石82によるガラス板Gの隅部の研削を安定して行うことができる。
【0104】
ガラス板Gの隅部より内側の下面とは、ガラス板Gの隅部からガラス板Gの中心部に向けた下面だけではなく、研削対象の隅部から隣の隅部に向けた下面も含まれる。
【0105】
図11に示すように、パッド80を有する実施の形態の隅部支持部(隅部支持手段)89は、パッド80を前記下面の下方に移動させるとともに下面に当接させるように移動させる隅部支持駆動部(隅部支持部材駆動手段)90と、位置制御部70の記憶手段に記憶されたガラス板Gの形状情報に基づいて、隅部支持駆動部90によるパッド80の移動を制御する隅部支持制御部(隅部支持部材制御部)92とを備えている。
【0106】
隅部支持駆動部90は、図12に示すようにパッド80を上下方向(矢印Z方向)に移動させるサーボモータ94を備えた送りねじ96、及びガラス板Gの搬送方向(矢印B方向)に水平移動させるサーボモータ98を備えた送りねじ100を備えている。これによりパッド80は、図9の移動軌跡Cに沿って移動する。また、及びガラス板Gの搬送方向に対し直交する方向(矢印D方向)に水平移動させるサーボモータ102を備えた送りねじ104を有している。
【0107】
パッド80は、ガラス板Gの下面に当接され、この際にガラス板Gの隅部が自重によって垂れ下がらない程度にガラス板Gの隅部を支持する。そのために、図11に示すように、パッド80によるガラス板Gの支持位置が、隅部支持制御部92によって制御されている。すなわち、隅部支持制御部92は、位置制御部70の記憶手段に記憶されているガラス板Gの形状情報に基づいて、隅部支持駆動部90によるパッド80の移動位置をフィードフォワード制御することにより、パッド80によるガラス板Gの支持位置を設定する。
【0108】
これにより、実施の形態の隅部支持部89によれば、ガラス板Gの隅部は撓むことなく水平に支持されるので、ガラス板Gの隅部の高さと隅部砥石82の研削面の高さとの差を抑えることができる。また、ガラス板Gの隅部は研削量が多く、ガラス板Gが振動しやすくなるが、隅部支持部89でガラス板Gの隅部を支持することによって、ガラス板Gの振動を抑えることができる。したがって、実施の形態の隅部研削装置84を用いれば、ガラス板Gの隅部を安定して研削できる。
【0109】
一方、図12には、隅部支持部89の近傍に配置された多数本の支持ローラ106、106…が示されている。これらの支持ローラ106、106…は、同一のフレーム110に回転自在に支持され、フレーム110の下部が、ガラス板Gの搬送方向に直交したレール112にスライド自在に支持されている。また、フレーム110にはナット114が固定され、このナット114に送りねじ116が、ガラス板Gの搬送方向に直交した方向に螺合されている。送りねじ116には、サーボモータ118の出力軸が連結されている。したがって、サーボモータ118が正転/逆転することにより、送りねじ116の送り作用によって支持ローラ106、106…がフレーム110を介してガラス板Gの搬送方向に直交した方向(矢印E方向)に進退移動される。この移動量を、進退支持手段34、34Aの如く制御することにより、ガラス板Gの端部は自重で垂れ下がらない。よって、ガラス板Gの端部が自重で垂れ下がらない状態で、ガラス板Gの隅部を所望の形状に研削できる。なお、このサーボモータ118を備えた支持ローラ106、106…の進退駆動部は、支持ローラ68、68…についても適用できる。
【0110】
ところで、図2に示すように、実施の形態の端面研削装置22には、砥石72、74、76を自動交換する砥石交換機(研削部材交換手段)120と、隅部砥石82を自動交換する砥石交換機(隅部研削部材交換手段)122が設置されている。
【0111】
砥石交換機120は、使用済みの砥石72、74、76をスピンドルから取り外し、新品の砥石72、74、76をスピンドルに取り付けて砥石72、74、76を交換する装置である。同様に、砥石交換機122は、使用済みの隅部砥石82をスピンドルから取り外し、新品の隅部砥石82をスピンドルに取り付けて隅部砥石82を交換する装置である。
【0112】
砥石72、74、76及び隅部砥石82の交換を手作業で行うと、ガラス板Gの連続搬送を停止しなければならず、また、砥石72、74、76及び隅部砥石82の交換に要する時間も長くなる。
【0113】
実施の形態の端面研削装置22は、砥石交換機120、122を備えているため、砥石72、74、76及び隅部砥石82の交換に要する時間を短縮することができ、工程作業時間の短縮を図ることができる。
【0114】
砥石交換機120、122を設置するためには、砥石72、74、76及び隅部砥石82の下方に広い空間を確保する必要がある。したがって、砥石72、74、76及び隅部砥石82の各スピンドルベースをガラス基板Gの搬送路の上方に設置した。これにより、砥石72、74、76及び隅部砥石82の下方に砥石交換機120、122を設置するための広い空間を確保でき、この空間に砥石交換機120、122を設置したので、砥石72、74、76及び隅部砥石82の自動交換が可能となった。
【0115】
従来の手作業による砥石72、74、76及び隅部砥石82の交換作業は、製造ラインを停止し、砥石72、74、76及び隅部砥石82の1台に対して約30秒の交換時間を要し、この後、再可動時間が必要であったが、実施の形態の端面研削装置22では、砥石72、74、76及び隅部砥石82の交換を約6秒で行うことができるので、製造ライン停止が不要となった。
【0116】
なお、砥石交換機120、122は既知の装置であり、例えば、砥石72の砥石交換機120は、図13の如く砥石を保持するホルダ124、124が両端部に設けられたアーム126を備えている。このアーム126は、交換機本体128に水平方向(矢印θ方向)に回転自在、及び上下方向(矢印Z方向)に移動自在に設けられるとともに、交換機本体128に内蔵されたモータの駆動力によって回転、昇降動作が行われる。
【0117】
砥石交換時の砥石交換機120の動作を説明する。スピンドル73の下方に取り付けられている砥石72を、ホルダ124に装着されている新しい砥石72Aに交換する場合には、上下方向(矢印Z方向)に移動自在な砥石72のスピンドル73を上昇させるとともに、交換機本体128をスピンドル73の下方に向けて矢印F方向にスライド移動させる。そして、空のホルダ124を砥石72に係合させて、アーム126がZ方向に下降して、この砥石72をスピンドル73から取り外す。次に、アーム126を180度回転させて、アーム126がZ方向に上昇して新しい砥石72Aをホルダ124からスピンドル73に受け渡し、スピンドル73に装着する。この後、交換機本体128をスピンドル73の下方から側方に退避移動させるとともに、スピンドル73を下降移動させて、砥石72Aを面取り可能位置に位置決めする。以上により、砥石の交換が短時間で行われる。
【0118】
なお、スピンドル73は、搬送手段16の上方に跨設されたスピンドルベース130のレール132に直動ガイド134を介して水平方向に移動自在に支持されている。これにより、搬送手段16に保持されたガラス板Gの端面に対して砥石72が進退移動される。また、スピンドル73は、ボールねじ装置等の不図示の送り装置によって前記水平方向に移動され、進出移動されることにより、搬送手段16に保持されたガラス板Gの端面が砥石72によって研削される。また、退避移動されることにより、砥石交換位置に移動される。
【0119】
実施の形態では、板状物としてガラス板Gを例示したが、これに限定されるものではなく、端面の研削が必要な板状物であれば、本発明を適用できる。
【0120】
実施の形態では、図2に示す端面研削装置22において、搬送手段16、16Aはそれぞれ1台しか設置されていないが、台数は1台に限定されるものではない。搬送手段16、16Aを複数台設置することによって、複数のガラス板Gを端面研削装置22に投入でき、生産性を向上できる。
【0121】
実施の形態では、初めにガラス板Gの両端面Ga、Gbを面取りし、続いてガラス板Gの両端面Gc、Gdを面取りしたが、面取りの順番はこれに限定されるものではなく、初めに両端面Gc、Gdを面取りし、続いて両端面Ga、Gbを面取りしてもよい。
【0122】
実施の形態では、第1の端面研削部24と第2の端面研削部26との位置関係が直角になっているが、位置関係は直角に限定されるものではなく、両方の端面研削部24、26の位置関係を直線にしてもよい。この場合、第1の端面研削部24と第2の端面研削部26との間に、ガラス板Gを90度旋回させる移載機が必要である。
【0123】
実施の形態では、ガラス板Gの端面を面取りする際、両端部を支持ローラ68で支持していたが、支持部材はローラに限定されるものではない。駆動力が付与されたベルトによって、ガラス板Gの両端部を支持するとともに搬送しながら、ガラス板Gの端面を面取りしてもよい。
【符号の説明】
【0124】
10…ガラス板の製造装置、12…成形手段、14…切断手段、15…形状情報取得手段、16、16A…搬送手段、18、18A…研削手段、20…梱包手段、22…端面研削装置、24…第1の端面研削部、26…第2の端面研削部、28…隅部研削部、32、32A…搬送ローラ、34、34A…進退支持手段、36…端面面取り砥石、38…パッド、40…パッド駆動部、42…搬送制御部、44…ブロック、46…レール、48…ベース、50…サーボモータ、52…上下用送りねじ、54…テーパブロック、56…レール、58…ブロック、60…テーパブロック、62…レール、64…送りねじ、66…サーボモータ、68…支持ローラ、70…位置制御部、72…粗研削砥石、73…スピンドル、74…中研削砥石、76…仕上げ研削用砥石、78…砥石駆動部、80…パッド、82…隅部砥石、84…隅部研削装置、86…隅部研削駆動部、88…隅部研削制御部、89…隅部支持部、90…隅部支持駆動部、92…隅部支持制御部、94…サーボモータ、96…送りねじ、98…サーボモータ、100…送りねじ、102…サーボモータ、104…送りねじ、106…支持ローラ、110…フレーム、112…レール、114…ナット、116…送りねじ、118…サーボモータ、120…砥石交換機、122…砥石交換機、124…ホルダ、126…アーム、128…交換機本体、130…スピンドルベース、132…レール、134…直動ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状に成形された帯状板状物を所定の矩形状板状物に切断する切断手段と、
前記切断手段によって切断された前記矩形状板状物を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって前記矩形状板状物を搬送しながら該矩形状板状物の端面を研削する研削手段と、
前記研削手段によって端面が研削された前記矩形状板状物を梱包する梱包手段と、
を備えたことを特徴とする板状物の製造装置。
【請求項2】
帯状に成形された帯状板状物を所定の矩形状板状物に切断する切断工程と、
前記切断工程によって切断された矩形状板状物を搬送しながら該矩形状板状物の端面を研削する研削工程と、
前記研削工程によって端面が研削された前記矩形状板状物を梱包する梱包工程と、
を備えたことを特徴とする板状物の製造方法。
【請求項3】
板状物を所定方向に搬送しながら該板状物の端面を研削する板状物の端面研削装置であって、
板状物を保持して該板状物を研削される端面に沿った所定方向に搬送する搬送手段と、
前記板状物の研削される端面位置に応じて前記搬送方向に対し前記端面に接近する方向または離れる方向に進退し、前記板状物を支持する進退支持手段と、
前記搬送手段及び前記進退支持手段によって搬送される前記板状物の研削される端面に押し付けられて該端面を研削する研削手段と、
前記研削手段の前記板状物搬送方向上流側に設けられ、前記板状物の形状情報を取得する形状情報取得手段と、
前記形状情報取得手段により得られた前記形状情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記形状情報に基づいて、前記進退支持手段の進退距離及び前記研削手段の位置を制御する位置制御部と、
を備えたことを特徴とする板状物の端面研削装置。
【請求項4】
前記進退支持手段は、
前記板状物を支持する複数の回動自在なローラ部材と、
前記複数のローラ部材を支持するとともに、前記複数のローラ部材を前記搬送方向に対し前記端面に接近する方向または離れる方向に進退移動させるローラ部材支持手段と、を備え、
前記位置制御部は、前記ローラ部材支持手段の前記進退移動を制御して、前記複数のローラ部材の前記進退距離を制御する請求項3に記載の板状物の端面研削装置。
【請求項5】
前記研削手段は、
研削部材と、
前記研削部材を支持し、前記研削部材を前記板状物の端面に対して進退移動させる研削部材駆動手段と、を備え、
前記位置制御部は、前記研削部材駆動手段による前記研削部材の前記進退移動動作を制御して、前記研削手段の位置を制御する請求項3又は4に記載の板状物の端面研削装置。
【請求項6】
前記研削部材を前記研削部材駆動手段から取り外し、別の研削部材を前記研削部材駆動手段に取り付けて前記研削部材を交換する研削部材交換手段を備えた請求項5に記載の板状物の端面研削装置。
【請求項7】
前記搬送手段は、
前記板状物を保持する保持部と、
前記保持部を前記板状物に対して進退移動させるとともに、前記保持部を前記所定方向に沿って移動させて搬送開始位置と搬送終了位置との間で往復移動させる保持部駆動手段と、
前記保持部による前記板状物の保持/解除の切替動作、前記保持部駆動手段による前記保持部の前記進退移動動作、及び前記往復移動動作を制御する搬送制御部と、
を備えた請求項3〜6のいずれかに記載の板状物の端面研削装置。
【請求項8】
前記板状物の隅部を研削する隅部研削手段を備えた請求項3〜7のいずれかに記載の板状物の端面研削装置。
【請求項9】
前記隅部研削手段は、
前記板状物の隅部を研削する隅部研削部材と、
前記隅部研削部材を支持し、前記隅部研削部材を前記板状物の隅部に対して進退移動させる隅部研削部材駆動手段と、
前記記憶手段に記憶された前記形状情報に基づいて、前記隅部研削部材駆動手段による前記隅部研削部材の前記進退移動動作を制御する隅部研削制御部と、
を備えた請求項8に記載の板状物の端面研削装置。
【請求項10】
前記隅部研削部材を前記隅部研削部材駆動手段から取り外し、別の隅部研削部材を前記隅部研削部材駆動手段に取り付けて前記隅部研削部材を交換する隅部研削部材交換手段を備えた請求項9に記載の板状物の端面研削装置。
【請求項11】
前記板状物の隅部より内側の下面を支持する隅部支持手段を備えた請求項8〜10のいずれかに記載の板状物の端面研削装置。
【請求項12】
前記隅部支持手段は、
前記板状物の下面を支持する隅部支持部材と、
前記隅部支持部材を前記下面の下方に移動させるとともに、前記隅部支持部材を前記下面に当接させるように移動させる隅部支持部材駆動手段と、
前記記憶手段に記憶された前記形状情報に基づいて、前記隅部支持部材駆動手段による前記隅部支持部材の移動を制御する隅部支持部材制御部と、
を備えた請求項11に記載の板状物の端面研削装置。
【請求項13】
板状物を搬送手段によって保持して該板状物を研削される端面に沿った所定方向に搬送する搬送工程と、
前記搬送工程によって搬送される前記板状物に対し、進退支持手段を該板状物の研削される端面位置に応じて前記搬送方向に対し前記端面に接近する方向または離れる方向に進退させて、前記板状物を支持する工程と、
前記搬送手段及び前記進退支持手段によって搬送される前記板状物の研削される端面に研削手段を押し付けて該端面を研削する工程と、を有し、
前記研削手段の前記板状物搬送方向上流側には、前記板状物の形状情報を取得する形状情報取得手段を備え、該形状情報取得手段により得られた前記形状情報を記憶手段によって記憶し、該記憶手段に記憶された前記形状情報に基づいて、前記進退支持手段の進退距離及び前記研削手段の位置を位置制御部によって制御することを特徴とする板状物の端面研削方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−51076(P2012−51076A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196054(P2010−196054)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】