棒状材把持具とその使用方法並びにその製造方法
【課題】構造的に強度が得られ易く、取付作業性に優れた棒状材把持具を提供する。
【解決手段】交差する複数の棒状材2,3を把持する筒状体11を備えた棒状材把持具1であって、筒状体11の側面に該筒状体11の貫通孔14と交差方向で一方向の棒状材2を貫通させる差込孔15を設け、この差込孔15に一方向の棒状材2を貫通した状態で、貫通孔14は他方向の棒状材3を長さ方向から挿入可能な挿入空間16を有する。筒状体11の側面12,12Aに差込孔15,15を設けることで、交差する棒状材2,3をその差込孔15,15と筒状体11の貫通孔14とにより別々に把持できる。また、交差する棒状材2,3を別々に把持することで、一方を把持後に他方の把持を容易に行うことができる。さらに、筒状体11は閉合しているため、安定した強固な構造の棒状材把持具1となる。
【解決手段】交差する複数の棒状材2,3を把持する筒状体11を備えた棒状材把持具1であって、筒状体11の側面に該筒状体11の貫通孔14と交差方向で一方向の棒状材2を貫通させる差込孔15を設け、この差込孔15に一方向の棒状材2を貫通した状態で、貫通孔14は他方向の棒状材3を長さ方向から挿入可能な挿入空間16を有する。筒状体11の側面12,12Aに差込孔15,15を設けることで、交差する棒状材2,3をその差込孔15,15と筒状体11の貫通孔14とにより別々に把持できる。また、交差する棒状材2,3を別々に把持することで、一方を把持後に他方の把持を容易に行うことができる。さらに、筒状体11は閉合しているため、安定した強固な構造の棒状材把持具1となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差する棒状材を把持する棒状材把持具とその使用方法並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、基板の左右から水平な鉄筋に嵌合する垂直な鉄筋保持片を突出形成すると共に、基板の上下から垂直なアンカーボルトに嵌合する水平なアンカー保持片を突出形成し、前記鉄筋保持片とアンカー保持片に嵌合して交差状に配置した鉄筋とアンカーボルトに対し、両者を圧接状態で鉄筋保持片及びアンカー保持片に連結保持する押しねじを、前記基板のねじ孔に螺合させた保持具(例えば特許文献1)が提案され、また、棒状筋と帯状板との交差部を固定する鉄筋固定用金具であって、平面視U形の棒状筋把持部と、前記U形の直線部のそれぞれの端部から該U形を含む面に対してほぼ垂直に折り曲げられて形成された、ねじ孔板を支持するJ形またはU形のねじ孔板支持部とを備えた棒状材と、前記棒状筋と前記帯状板との交差部を締め付けるためのボルト用のねじ孔を備えたねじ孔板とを備えた鉄筋固定用金具が提案(例えば特許文献2)されている。
【特許文献1】特開2005−83049号公報
【特許文献2】特開2004−84226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記保持具は、縦方向のアンカーボルトに水平な鉄筋をセットしてから、両者の交差箇所に取り付けるものであるから、アンカーボルトと水平な鉄筋の一方に予め保持具をセットしてから、他方を交差させて把持させることができず、例えば、作業者が水平な鉄筋を保持した状態で保持具を交差箇所に取り付けるか、アンカーボルトに保持具を作業者が位置決めした状態で、鉄筋を持ち上げてアンカーボルトに沿わせてセットするなどしなければならず、取り付け作業が煩雑となることが予想され、また、上記鉄筋固定用金具も同様に取り付け作業は煩雑となることが予想される。
【0004】
さらに、上記保持具は、基板の両側を屈曲して鉄筋保持片を形成したコ字型をなし、コ字型の先端が開口しているから、強度的に劣る面があり、また、上記鉄筋固定用金具は、線材からなるU字型の棒状把持部の両端を屈曲して両端側に縦方向の保持部を形成したものであり、線材からなると共に、保持部間が開口しているから、構造的に強度が得られ難い面がある。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、構造的に強度が得られ易く、取付作業性に優れた棒状材把持具とその使用方法並びにその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、建設物の仮設・本設で用いる棒状材を結合するに際して、交差する複数の棒状材を把持する筒状体を備えた棒状材把持具であって、前記筒状体の側面に該筒状体の貫通孔と交差方向で一方向の前記棒状材を貫通させる差込孔を設け、この差込孔に前記一方向の棒状材を貫通した状態で、前記貫通孔は他方向の前記棒状材を長さ方向から挿入可能な挿入空間を有するものである。
【0007】
また、請求項2の発明は、前記差込孔を2個備えるものである。
【0008】
また、請求項3の発明は、前記差込孔は前記一方の棒状材が位置調整可能な大きさを有するものである。
【0009】
また、請求項4の発明は、前記筒状体は、前記側面が分割可能な構造で、分割箇所に接合手段を備えるものである。
【0010】
また、請求項5の発明は、前記筒状体は、少なくとも一方の前記棒状材に当接して該棒状材を固定するネジを備えるものである。
【0011】
また、請求項6の発明は、前記一方向の棒状材を固定する前記ネジは、前記挿入空間と反対側の筒状体側面に設けられるものである。
【0012】
また、請求項7の発明は、前記一方向の棒状材を前記差込孔に支持して固定するものである。
【0013】
また、請求項8の発明は、前記棒状材は、鉄筋、鋼管、H鋼、木材のいずれかであるものである。
【0014】
また、請求項9の発明は、前記一方向と他方向の棒状材は、柱材と梁材であって、これら柱材と梁材とを把持するものである。
【0015】
また、請求項10の発明は、前記一方と他方の棒状材は、支柱材と手摺材であって、これら支柱と手摺とを把持するものある。
【0016】
また、請求項11の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の棒状材把持具の使用方法において、前記貫通孔が横向きの前記筒状体の側面に設けられた差込孔に上下方向から前記一方向の棒状材を貫通し、この一方向の棒状材と前記筒状体に囲まれた挿入空間に他方向の棒状材を横方向から貫通させる使用方法である。
【0017】
また、請求項12の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の棒状材把持具の製造方法において、帯状の板材を筒状に折り曲げて前記筒状体を形成した後、前記側面に前記差込孔を穿設する製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の構成によれば、筒状体の側面に差込孔を設けることで、交差する棒状材をその差込孔と筒状体の貫通孔とにより別々に把持できる。また、交差する棒状材を別々に把持することで、一方を把持後に他方の把持を容易に行うことができる。
【0019】
また、筒状体は閉合しているため、安定した強固な構造の棒状材把持具となる。
【0020】
また、請求項2の構成によれば、一方向の棒状材を2個の差込孔に貫通させて把持するため、他方向の棒状材の挿通空間が確定し、対応がし易くなる。
【0021】
また、請求項3の構成によれば、差込孔に調整代があることで、種々の形状と大きさの棒状材に使用することができる。
【0022】
また、請求項4の構成によれば、筒状体が側面で分割し、分割箇所で接合できるため、他方向の棒状材が筒状体側面の開口部を通して容易に挿入できる。また、差込孔を通って側面を分割した場合は、一方向の棒状材の挿入も容易にできる。
【0023】
また、請求項5の構成によれば、ネジ止めで棒状材を確実に固定することができる。
【0024】
また、請求項6の構成によれば、差込孔に当った状態で、一方向の棒状材がネジで押されて筒状体で支持される。特に、差込孔が2個の場合は、一方向の棒状材がネジで押されて筒状体の2点で支持され、強固に固定される。
【0025】
また、請求項7の構成によれば、一方向の棒状材を他方向の棒状材に無関係に把持することで、一方向の棒状材を差込孔に貫通して固定した後に、他方向の棒状材の把持を容易に行うことができる。
【0026】
また、請求項8〜10の構成によれば、棒状材として鉄筋、鋼管、H鋼、木材(例えば桟木、端角など)を用いることで、建設での仮設、本設を問わずに、開口部等で用いる手摺と支柱の結合、鉄筋同士の強固な結合、仮設単管足場の結合、支保工部材同士の結合、土留工等での柱/梁と梁の結合など、広い用途に棒状材把持具を簡便で容易に使用できる。
【0027】
また、請求項11の構成によれば、他方向の棒状材を貫通孔に貫通させると共に、一方向の棒状材を上下から差込孔に貫通させることで、交差する棒状材を確実、容易に取り付けることができる。
【0028】
また、請求項12の構成によれば、帯状の板材を筒状に折り曲げ、極めて容易に棒状材把持具を形成することができ、また、折り曲げ形成後に差込孔を設けることで、その位置の精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な棒状材把持具とその使用方法並びにその製造方法を採用することにより、従来にない棒状材把持具とその使用方法並びにその製造方法が得られ、棒状材把持具とその使用方法並びにその製造方法を夫々記述する。
【実施例1】
【0030】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。図1〜図3は本発明の実施例1を示し、同図に示すように、棒状材把持具1は、一方向である縦方向の棒状材2と、他方向である横方向の棒状材3とをそれらの交差部で固定するものである。
【0031】
前記棒状把持具1は、筒状体11を備え、この筒状体11は、上下の側面12,12Aと、前後の側面13,13Aとを一体に有し、それら側面12,12A,13,13Aは板状部材からなる。前記筒状体11は、この例では断面長方形形状をなす角筒であって、内部に左右方向の貫通孔14を有する。
【0032】
前記上下の側面12,12Aには、それぞれ差込孔15,15が穿設され、この差込孔15は閉塞し、上下の側面12,12Aの差込孔15,15に前記縦方向の棒状材2が挿通され、この棒状材2は前記貫通孔14を交差方向から挿通する。前記差込孔15,15に前記棒状材2を貫通した状態で、前記貫通孔14は、前記横方向の棒状材3を挿入可能な挿入空間16を有し、この挿入空間16に前記棒状材3が挿入される。
【0033】
この例では、前記棒状材2,3は断面四角形で、前記差込孔15は長方形で、この差込孔15内において前記棒状材2が位置調整可能なように、該差込孔15は棒状材2より大きく形成されている。そして、断面四角形の棒状材2,3としては、角形鋼管,桟木,端角(ばたかく)などが例示され、また、略四角形のものとしてH鋼などがある。
【0034】
前記筒状体11は、その形状が四角、丸、三角など把持する棒状材に合わせて適宜なものを使用する。また、前記側面12,12A,13,13Aは、左右方向の幅が一定で、その寸法は同一でも変化するものでもよい。この場合、使用条件において、構造上必要な強度が得られればよく、このように同一幅の方が製造上のメリットがある。また、筒状体11は、切欠きなどがなく、基本的に閉じた状態とする。このため、構造が強固なものとなる。
【0035】
また、筒状体11の材質は、例えば、鋼材、プラスチックなどが例示されるが、その材質は問わない。また、筒状体11の貫通孔14を貫通した横方向の棒状材3が、把持具1により、縦方向の棒状材2に支持されても良いし、逆に横方向の棒状材3が縦方向の棒状材2を支持しても良い。また、筒状体11の貫通孔14に凹凸を付けて摩擦抵抗を増すなどすると、横方向の棒状材3の把持を確実に行うことができる。
【0036】
前記棒状材2,3としては次の材質・形状のものがあり、例えば、鉄筋,鋼管(丸型、角型など、単管を含む。),木材(桟木、端角など),鋼材(H鋼、山型鋼など)やコンクリート材等が例示される。
【0037】
尚、棒状材2,3は単体である必要はなく、複数のものを用いてもよい。すなわち、1つの貫通孔14に2本以上の棒状材3を挿通してもよく、1つの差込孔15に2本以上の棒状材2を挿通してもよい。
【0038】
この例では、2つの差込孔15,15を筒状体11に設けたが、筒状体11に設ける差込孔15の数は、1〜複数とすることができる。2つの差込孔15,15を備える場合、縦方向の棒状材2が2ヶ所で支持され強固に固定される。また、横方向の棒状材3の挿入空間16が確定して対応がし易くなる。また、2つの差込孔15,15の位置は棒状材3の貫通状態に対して直角方向に限るものではなく、斜め方向にあってもよい。
【0039】
また、差込孔15の形状は、角形、円形、楕円形などのいずれでも構わない。さらに、上述したように棒状材2の種類、大きさに対応するため、差込孔15には、棒状材2の位置を調整できるように調整代を設けている。
【0040】
前記棒状材2,3はそれぞれネジ17,18により筒状体11に固定される。それらネジ17,18には、工具係合部たる六角形の頭部17A,18Aなどが設けられている。尚、工具係合部としては、マイナスやプラスドライバが係合するマイナス溝やプラス溝などでもよい。
【0041】
図2に示すように、縦方向の棒状材2を固定するネジ17は、前記挿入空間16と反対側の側面たる後の側面13Aにその外側から螺合されている。そして、頭部17Aを用いてネジ17を捻じ込み、該ネジ17の先端により棒状材2の幅方向略中央位置を押して棒状材2を差込孔15,15の前側縁に圧接する。このようにして棒状材2は、後側が2つの差込孔15,15に圧接し、差込孔15,15の中央位置に対応した前側からネジ17により押されるため、筒状体11に確実に固定される。
【0042】
上記のように縦方向の棒状材2を筒状体11に固定すると、その棒状材2と前の側面13との間が前記挿入空間16となる。そして、挿入空間16に横方向の棒状材3が、前記ネジ18により固定され、このネジ18は、上の側面12にその外側から螺合されている。そして、頭部18Aを用いてネジ18を捻じ込み、該ネジ18の先端により棒状材3の幅方向略中央位置を押して下の側面13Aとの間に挟んで固定する。尚、この例では、筒状体11の側面12,13Aにネジ18,17を螺合したが、筒状体11に別途支持板を設け、この支持板にネジ18,17を螺合してもよい。
【0043】
尚、前記ネジ18,17を螺合する雌螺子孔を側面12,13Aに形成したり、側面12,13Aにネジ18,17を挿通する透孔を穿設し、この透孔の外側又は内側にナット(図示せず)を固定し、このナットにネジ18,17を螺合するようにしてもよい。
【0044】
また、1本の棒状材2,3を1つのネジ17,18により固定する以外でも、1本の棒状材2,3を複数本のネジにより固定してもよく、さらに、ネジ17,18の位置は特に拘らない。但し、本実施例のように、棒状材2を止めるネジ17を、棒状材3を貫通させる側と反対の側面13Aに取り付ける場合は、棒状材2が筒状体11の2点で支持されて固定でき、効果的な固定構造が得られる。
【0045】
尚、横方向の棒状材3の場合、重力で棒状材把持具1の筒状体11に支持されるから、ネジ等の固定手段は必ずしも必要条件ではない。
【0046】
この例のように、縦方向の棒状材2と横方向の棒状材3とは、それぞれ別々で無関係に差込孔15と挿入空間16とに挿入して固定できるから、棒状材2と棒状材3とを交差状に配置した後、把持具1をセットする必要がない。
【0047】
次に、把持具1の筒状体11の製造方法の一例を説明する。図3に示すように、帯状の板材を折り曲げ加工する方法では、側面12,12A,13,13Aに対応した長さの鋼製の帯板101を、側面12,12A,13,13Aの角部位置102,102,102で、ほぼ90度に折り曲げて筒状に形成し、帯板101の端部同士を溶接などで一体化して前記筒状体11を形成する。また、他の例としては、各側面12,12A,13,13Aに対応した鋼製の板状部材を組み合せ、溶接などで接合して前記筒状体11を形成する。
【0048】
尚、差込孔15は筒状体11の形成前、または後に穿設する。形成前では差込孔15の穿設が容易となり、形成後では差込孔15の位置精度がよくなる。
【0049】
次に、把持具1の使用について説明する。筒状体11に挿通する棒状材2,3の順番は、支持する側、支持される側のいずれが先でも問わない。また、棒状材2,3は、水平、鉛直、斜めのどの方向にあっても構わない。
【0050】
また、用途としては、建設物の棒状材同士を結合するもので、本設、仮設は問わない。例えば、棒状材2,3が交差方向の鉄筋であれば、それら鉄筋同士の結合が強固になり、構造上、施工上で有用になり、コンクリート打設時にその鉄筋に人が乗って作業しても問題がなくなる。他にも、棒状材は、支柱と手摺などでもよく、鉄筋、鋼管などの支柱である棒状材に、桟木・鉄筋、鋼管等の棒状材を結合して手摺とする。この手摺は、取付けが容易であるほか、取付方向と手摺に作用する荷重の方向が異なるため、有用な取付となる。
【0051】
このように本実施例では、建設物の仮設・本設で用いる棒状材2,3を結合するに際して、交差する複数の棒状材2,3を把持する筒状体11を備えた棒状材把持具1であって、筒状体11の側面に該筒状体11の貫通孔14と交差方向で一方向の棒状材2を貫通させる差込孔15を設け、この差込孔15に一方向の棒状材2を貫通した状態で、貫通孔14は他方向の棒状材3を長さ方向から挿入可能な挿入空間16を有するから、筒状体11の側面12,12Aに差込孔15,15を設けることで、交差する棒状材2,3をその差込孔15,15と筒状体11の貫通孔14とにより別々に把持できる。また、交差する棒状材2,3を別々に把持することで、一方を把持後に他方の把持を容易に行うことができる。
【0052】
特に、筒状体11は閉合しているため、安定した強固な構造の棒状材把持具1となる。
【0053】
また、このように本実施例では、前記差込孔15を2個備えるから、一方向の棒状材2を2個の差込孔15,15に貫通させて把持するため、他方向の棒状材3の挿通空間が確定し、対応がし易くなる。
【0054】
また、このように本実施例では、差込孔15は一方の棒状材2が位置調整可能な大きさを有するから、差込孔15に調整代があることで、種々の形状と大きさの棒状材2に使用することができる。
【0055】
また、このように本実施例では、筒状体11は、少なくとも一方の棒状材2に、あるいは少なくとも1つの棒状材に当接して該棒状材2を固定するネジ17を備えるから、ネジ止めで棒状材2を確実に固定することができる。
【0056】
また、このように本実施例では、一方向の棒状材2を固定するネジ17は、挿入空間16と反対側の筒状体側面13Aに設けられるから、差込孔15に当った状態で、一方向の棒状材2がネジ17で押されて筒状体11で支持される。特に、差込孔15,15が2個の場合は、一方向の棒状材2がネジ17で押されて筒状体11の2点で支持され、強固に固定される。
【0057】
また、このように本実施例では、一方向の棒状材2を差込孔15に支持して固定するから、一方向の棒状材2を差込孔15に当設して固定することにより、他方向の棒状材3に無関係に把持でき、一方向の棒状材2を差込孔15に貫通して固定した後に、他方向の棒状材3の把持を容易に行うことができる。
【0058】
また、このように本実施例では、棒状材2,3は、鉄筋、鋼管、H鋼、木材のいずれかであり、また、一方向と他方向の棒状材2,3は、柱材と梁材であって、これら柱材と梁材とを把持するものであり、また、一方と他方の棒状材2,3は、支柱材と手摺材であって、これら支柱と手摺とを把持するから、棒状材2,3として鉄筋、鋼管、H鋼、木材(例えば桟木、端角など)を用いることで、建設での仮設、本設を問わずに、開口部等で用いる手摺と支柱の結合、鉄筋同士の強固な結合、仮設単管足場の結合、支保工部材同士の結合、土留工等での柱/梁と梁の結合など、広い用途に棒状材把持具を簡便で容易に使用できる。
【0059】
また、このように本実施例では、棒状材把持具1の使用方法において、貫通孔14横向きの筒状体11の側面12,12Aに設けられた差込孔15,15に上下方向から一方向の棒状材2を貫通し、この一方向の棒状材2と筒状体11に囲まれた挿入空間16に他方向の棒状材3を横方向から貫通させるから、他方向の棒状材3を貫通孔14に貫通させると共に、一方向の棒状材3を上下から差込孔15,15に貫通させることで、交差する棒状材2,3を確実、容易に取り付けることができる。
【0060】
また、このように本実施例では、棒状材把持具1の製造方法において、帯状の板材たる帯板101を筒状に折り曲げて筒状体11を形成した後、側面12,12Aに差込孔15,15を穿設するから、帯板101を筒状に折り曲げ、極めて容易に棒状材把持具1を形成することができ、また、折り曲げ形成後に差込孔15,15を設けることで、その位置の精度を高めることができる。
【実施例2】
【0061】
図4は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、筒状体11は、側面13が半円状に形成され、棒状材2,3の断面が円形をなす。そして、断面が円形の棒状材2,3としては、単管などの丸形鋼管が例示され、略円形のものとしては、鉄筋などがある。
【0062】
また、前記ネジ18は、前記半円形の側面13の中央に螺合され、そのネジ18の先端は後側を向いている。
【0063】
そして、実施例1と同様に、ネジ17と差込孔15,15との間に、縦方向の棒状材2を挟着固定し、一方、ネジ18を捩じ込んで横方向の棒状材3を後側に押し、該棒状材3をネジ18と棒状材2との間に固定する。
【0064】
このように本実施例では、上記実施例1と同様な作用・効果を奏し、また、このように本実施例では、棒状材2,3を圧接して両者を筒状体11に固定することができる。
【実施例3】
【0065】
図5〜図6は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、土留支保工に、前記棒状材把持具1と、柱材である棒状材2と、梁材である棒状材3とを用いた例であり、鋼矢板などからなる土留め壁111,111を構築し、これら土留め壁111,111間を掘削し、その掘削に伴いて、両土留め壁111,111に、切梁として横方向の棒状材3を設けて立坑112を構築する。尚、土留め壁111,111に沿って、鋼材などからなる横方向の腹起し113を配置し、両側の腹起し113,113間に、切梁として前記棒状材3が配置される。また、立坑112の底部に、中間支柱として前記棒状材2を立て込み、この縦方向の棒状材2と横方向の棒状材3との交差箇所を前記支柱把持具1により結合している。
【0066】
このように本実施例では、切梁としてH鋼からなる棒状材3と、土留め壁111,111間に設ける中間支柱として鋼管からなる棒状材2とを棒状材把持具1により結合するから、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例4】
【0067】
図7は本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、単管柵に、前記棒状材把持具1と、支柱材である棒状材2と、手摺材である棒状材3とを用いた例であり、これら棒状材2,3は鋼製の単管からなり、支柱として縦方向の棒状材2を所定間隔をおいて設置箇所の地面などに立設し、これら棒状材2,2…間に横方向の棒状材3,3を上下多段に設け、それら縦方向の棒状材2と横方向の棒状材3との交差箇所を前記把持具1により結合してなる。
【0068】
このように本実施例では、横桟として単管からなる棒状材3と、支柱として単管からなる棒状材2とを棒状材把持具1により結合するから、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例5】
【0069】
図8〜図9は本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、コンクリートスラブ21の段差部22に、前記棒状材把持具1と、柱材である棒状材2と、梁材である棒状材3を用いた例であり、コンクリートスラブ21の上面23,23Aの間に前記段差部22が設けられ、この段差部22に沿って前記上面23Aには、鉄筋からなる棒状材2が突設され、この棒状材2の下部は、コンクリートスラブ21に埋設され、該コンクリートスラブ21内の鉄筋24と結束などにより連結されている。
【0070】
また、横方向の棒状材3は、断面四角形の桟木であり、前記挿入空間16は、桟木である棒状材3と略同一形状をなし、その棒状材3が前の側面13と上下の側面12,12Aの間に略嵌る。また、円形の差込孔15,15は、鉄筋である棒状材2より径大に形成され、後の側面13Aにネジ17が設けられている。そして、この例では、前記ネジ17を捻じ込み、棒状材2を棒状材3に押し当てることにより、両棒状材2,3を同時に筒状体11に固定し、桟木である棒状材3を段差部22の位置に配置する。このように差込孔15,15は、挿入空間16に配置した棒状材3に、棒状材2が当接可能なように形成されている。
【0071】
そして、コンクリートを上面23Aの高さまで打設して上面23Aを形成した後、前記棒状材3を段差部22の止め型枠として上面23の高さまでコンクリートを打設し、該上面23を形成する。この後、ネジ17を緩め、棒状材2に沿って、棒状材3と共に筒状体11を上方に持ち上げ、棒状材2の上端から抜き取ることができる。
【0072】
このように本実施例では、桟木である棒状材3と、鉄筋からなる棒状材2とを棒状材把持具1により結合するから、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、この例では、止め型枠である棒状材3を、鉄筋からなる棒状材2に把持具1を用いて固定したから、止め型枠を簡便に設置することができ、また、このように1つのネジ17で棒状材2,3を筒状体11に固定することができる。
【実施例6】
【0073】
図10〜図11は本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、挿入空間を複数備え、複数の棒状材3,3を棒状材2と結合する例であり、筒状体11の上下の側面12,12Aの前後方向略中央に前記差込孔15,15を設け、これら差込孔15,15に棒状材2を貫通した状態で、前記貫通孔14には、棒状材2の両側にそれぞれ挿入空間16,16が設けられている。また、前後の側面13,13Aの一方に前記ネジ17を螺合し、このネジ17の先端を前記棒状材2に圧接することにより、棒状材2に筒状体11が固定される。また、それぞれ挿入空間16,16に挿通した棒状材3,3は、下の側面12A上に載置されて支持される。
【0074】
尚、棒状材3は、挿入空間16内において、移動可能であるから、挿入空間16にキャンバー(楔部材)などを挿入して棒状材3を固定したり、挿入空間16にゴムなどの弾性体を挿入して棒状材3を固定したりしてもよい。
【0075】
このように本実施例では、複数の挿入空間16,16と、両側にそれら挿入空間16,16を有する貫通孔14と、それら挿入空間16,16の間に配置した差込孔15,15と、これら差込孔15,15に貫通する棒状材2と、それら挿入空間16,16に挿入する複数の棒状材3,3と、中央の棒状材2を筒状体11に固定するネジ17とを備えるから、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例7】
【0076】
図12は本発明の実施例7を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、差込孔15,15を複数箇所設け、複数の棒状材2,2,2を棒状材3に結合する例であり、実施例1に比べて筒状体11を長く形成し、上下の側面12,12Aには差込孔15,15を筒状体11の長さ方向に3箇所設けており、それら差込孔15,15に対応して、後の側面13Aにはネジ17が3箇所螺合され、このネジ17により、棒状材2を差込孔15,15に押し当て、或いは挿入空間16の棒状材3に押し当てて固定している。また、貫通孔14には、前の側面13側に挿入空間16が設けられている。
【0077】
このように本実施例では、複数の棒状材2,2,2と棒状材3とを結合することができ、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例8】
【0078】
図13は本発明の実施例8を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、1本の棒状材2に対応して、差込孔15を1つ設ける例を示し、差込孔15は下の側面12Aに穿設されている。
【0079】
そして、差込孔15に棒状材2の上端を挿入し、この上端を上の側面12の下面に当接し、ネジ17により棒状材2を固定する。この場合、後の側面13Aに設けるネジ17は、差込孔15に近い下側に設けることが好ましい。
【0080】
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、このように本実施例では、対向する側面12,12Aの一方に差込孔15を設けたから、縦方向の棒状材2の先端たる上端が、筒状体11内に隠れて外部に露出することがない。したがって、棒状材2の端部をキャップなどで覆う必要がなくなる。
【実施例9】
【0081】
図14〜図15は本発明の実施例9を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、貫通孔14と交差方向に筒状体11を分割し、この分割箇所に前記差込孔15が位置し、このように筒状体11を側面12,12A,13,13Aで分割した分割筒状体31,31Aを備え、これら分割筒状体31,31Aの分割箇所に対応して、前記前後の側面13,13Aには、接合手段たる鍔部32,32が設けられ、これら鍔部32,32には透孔33,33が穿設され、透孔33,33を挿通したボルト34にナット35を螺合して鍔部32,32が接合される。尚、筒状体11は、ネジ17を避けた位置で分割されている。
【0082】
そした、このように本実施例においても、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、本実施例では、筒状体11は、側面12,12A,13,13Aが分割可能な構造で、分割箇所に接合手段たる鍔部32,32を備えるから、差込孔15を通って側面12,12A,13,13Aを分割したから、一方向の棒状材2の挿入を容易に行うことができる。
【0083】
このように筒状体11を分割し、分割箇所に差込孔15が位置することにより、縦方向の棒状材2を差込孔15,15に挿通しなくても、棒状体2の途中に筒状体11を取り付けることができ、取付作業及び取外作業を簡便に行うことができる。
【実施例10】
【0084】
図16〜図17は本発明の実施例10を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、貫通孔14と軸方向に筒状体11を分割し、この分割箇所に前記差込孔15が位置し、このように筒状体11を側面12,12Aで分割した分割筒状体31B,31Cを備え、これら分割筒状体31B,31Cの分割箇所に対応して、前記上下の側面12,12Aには、鍔部32,32が設けられ、これら鍔部32,32には透孔33,33が穿設され、透孔33,33を挿通したボルト34にナット35を螺合して鍔部32,32が接合される。
【0085】
このように本実施例においても、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、本実施例では、筒状体11は、側面12,12Aが分割可能な構造で、分割箇所に接合手段たる鍔部32を備えるから、他方向の棒状材3を筒状体側面の開口部を通して容易に挿入できる。また、差込孔15を通って側面12,12Aを分割したから、一方向の棒状材2の挿入も容易にできる。
【0086】
このように筒状体11を分割し、分割箇所に差込孔15が位置することにより、縦方向の棒状材2を差込孔15,15に挿通しなくても、棒状体2の途中に筒状体11を取り付けることができ、取付作業及び取外作業を簡便に行うことができる。
【実施例11】
【0087】
図18は本発明の実施例11を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、上記実施例10において、分割箇所の一方において、鍔部32,32に替えて、ヒンジ部39を設けている。この例では、下の側面12Aの分割箇所をヒンジ部39により回動可能に連結している。また、同図に示すように、差込孔15は四角形をなし、この差込孔15の前側縁15Fに沿って分割箇所が形成されている。
【0088】
したがって、ヒンジ部39を中心にして分割筒状体31B,31Cを回動しても、側面12Aの差込孔15が狭まることがなく、棒状材2をスムーズに挿通することができ、また、上の側面12を開いて挿入空間16に、横方向の棒状材3をその側方からセットすることができる。
【0089】
このように本実施例においても、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、分割筒状体31B,31Cがヒンジ部39により連結されているから、分割筒状体31B,31Cがばらばらになることがなく、部品管理が容易となる。
【実施例12】
【0090】
図19は本発明の実施例12を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、筒状体11には、上の側面12位置に、棒状材2を挟持可能な挟持部35を設け、この固定手段たる挟持部35は、枢着部36を中心に両腕部37,37が開閉し、両腕部37,37により棒状材2を挟持した状態で両腕部37,37が固定可能である。尚、その枢着部36側が側面12に固定されている。
【0091】
したがって、差込孔15,15に棒状材2を挿通し、挟持部35により棒状材2を挟持することにより、棒状材2に筒状体11を固定することができる。
【実施例13】
【0092】
図20は本発明の実施例13を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、固定手段の変形を示し、固定手段として、楔部材であるキャンバー41を差込孔15と棒状材2との間に圧入することにより、棒状材2を筒状体11に固定したり、ゴム材(図示せず)などを差込孔15と棒状材2との間に圧入することにより、棒状材2を筒状体11に固定したり、キャンバー41を貫通孔14と棒状材3との間に圧入することにより、棒状材3を筒状体11に固定したり、ゴム材(図示せず)などを貫通孔14と棒状材2との間に圧入することにより、棒状材2を筒状体11に固定したり、このように棒状材2,3を筒状体11に固定する固定手段は各種のものを用いることができる。
【0093】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、貫通孔を横向きにして使用する例を示したが、貫通孔を縦向きにして、その縦向きの挿入空間に一方向の棒状材を貫通し、差込孔に他方向の棒状材を貫通してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施例1を示す把持具と棒状材の斜視図である。
【図2】同上、図2(A)は側面図、図2(B)は平面図である。
【図3】同上、製造方法の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例2を示し、(A)は側面図、図4(B)は平面図である。
【図5】本発明の実施例3を示す使用状態の縦断面図である。
【図6】同上、平面図である。
【図7】本発明の実施例4を示す使用状態の縦断面図である。
【図8】本発明の実施例5を示し、図8(A)は側面図、図8(B)は平面図である。
【図9】同上、使用状態の断面図である。
【図10】本発明の実施例6を示す把持具と棒状材の斜視図である。
【図11】同上、平面図である。
【図12】本発明の実施例7を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施例8を示し、図13(A)は側面図、図13(B)は平面図である。
【図14】本発明の実施例9を示す把持具の分解斜視図である。
【図15】同上、平面図である。
【図16】本発明の実施例10を示す把持具の分解斜視図である。
【図17】同上、平面図である。
【図18】本発明の実施例11を示す把持具の側面図である。
【図19】本発明の実施例12を示す把持具の要部の平面図である。
【図20】本発明の実施例13を示す把持具と棒状材の要部の断面図である。
【符号の説明】
【0095】
1 棒状体把持具
2 棒状体(柱材・支柱材)
3 棒状体(梁材・手摺材)
11 筒状体
12 側面(上下)
13 側面(前後)
14 貫通孔
15 差込孔
16 挿入空間
17 ネジ
18 ネジ
32 鍔部(接合手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差する棒状材を把持する棒状材把持具とその使用方法並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、基板の左右から水平な鉄筋に嵌合する垂直な鉄筋保持片を突出形成すると共に、基板の上下から垂直なアンカーボルトに嵌合する水平なアンカー保持片を突出形成し、前記鉄筋保持片とアンカー保持片に嵌合して交差状に配置した鉄筋とアンカーボルトに対し、両者を圧接状態で鉄筋保持片及びアンカー保持片に連結保持する押しねじを、前記基板のねじ孔に螺合させた保持具(例えば特許文献1)が提案され、また、棒状筋と帯状板との交差部を固定する鉄筋固定用金具であって、平面視U形の棒状筋把持部と、前記U形の直線部のそれぞれの端部から該U形を含む面に対してほぼ垂直に折り曲げられて形成された、ねじ孔板を支持するJ形またはU形のねじ孔板支持部とを備えた棒状材と、前記棒状筋と前記帯状板との交差部を締め付けるためのボルト用のねじ孔を備えたねじ孔板とを備えた鉄筋固定用金具が提案(例えば特許文献2)されている。
【特許文献1】特開2005−83049号公報
【特許文献2】特開2004−84226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記保持具は、縦方向のアンカーボルトに水平な鉄筋をセットしてから、両者の交差箇所に取り付けるものであるから、アンカーボルトと水平な鉄筋の一方に予め保持具をセットしてから、他方を交差させて把持させることができず、例えば、作業者が水平な鉄筋を保持した状態で保持具を交差箇所に取り付けるか、アンカーボルトに保持具を作業者が位置決めした状態で、鉄筋を持ち上げてアンカーボルトに沿わせてセットするなどしなければならず、取り付け作業が煩雑となることが予想され、また、上記鉄筋固定用金具も同様に取り付け作業は煩雑となることが予想される。
【0004】
さらに、上記保持具は、基板の両側を屈曲して鉄筋保持片を形成したコ字型をなし、コ字型の先端が開口しているから、強度的に劣る面があり、また、上記鉄筋固定用金具は、線材からなるU字型の棒状把持部の両端を屈曲して両端側に縦方向の保持部を形成したものであり、線材からなると共に、保持部間が開口しているから、構造的に強度が得られ難い面がある。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、構造的に強度が得られ易く、取付作業性に優れた棒状材把持具とその使用方法並びにその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、建設物の仮設・本設で用いる棒状材を結合するに際して、交差する複数の棒状材を把持する筒状体を備えた棒状材把持具であって、前記筒状体の側面に該筒状体の貫通孔と交差方向で一方向の前記棒状材を貫通させる差込孔を設け、この差込孔に前記一方向の棒状材を貫通した状態で、前記貫通孔は他方向の前記棒状材を長さ方向から挿入可能な挿入空間を有するものである。
【0007】
また、請求項2の発明は、前記差込孔を2個備えるものである。
【0008】
また、請求項3の発明は、前記差込孔は前記一方の棒状材が位置調整可能な大きさを有するものである。
【0009】
また、請求項4の発明は、前記筒状体は、前記側面が分割可能な構造で、分割箇所に接合手段を備えるものである。
【0010】
また、請求項5の発明は、前記筒状体は、少なくとも一方の前記棒状材に当接して該棒状材を固定するネジを備えるものである。
【0011】
また、請求項6の発明は、前記一方向の棒状材を固定する前記ネジは、前記挿入空間と反対側の筒状体側面に設けられるものである。
【0012】
また、請求項7の発明は、前記一方向の棒状材を前記差込孔に支持して固定するものである。
【0013】
また、請求項8の発明は、前記棒状材は、鉄筋、鋼管、H鋼、木材のいずれかであるものである。
【0014】
また、請求項9の発明は、前記一方向と他方向の棒状材は、柱材と梁材であって、これら柱材と梁材とを把持するものである。
【0015】
また、請求項10の発明は、前記一方と他方の棒状材は、支柱材と手摺材であって、これら支柱と手摺とを把持するものある。
【0016】
また、請求項11の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の棒状材把持具の使用方法において、前記貫通孔が横向きの前記筒状体の側面に設けられた差込孔に上下方向から前記一方向の棒状材を貫通し、この一方向の棒状材と前記筒状体に囲まれた挿入空間に他方向の棒状材を横方向から貫通させる使用方法である。
【0017】
また、請求項12の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の棒状材把持具の製造方法において、帯状の板材を筒状に折り曲げて前記筒状体を形成した後、前記側面に前記差込孔を穿設する製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の構成によれば、筒状体の側面に差込孔を設けることで、交差する棒状材をその差込孔と筒状体の貫通孔とにより別々に把持できる。また、交差する棒状材を別々に把持することで、一方を把持後に他方の把持を容易に行うことができる。
【0019】
また、筒状体は閉合しているため、安定した強固な構造の棒状材把持具となる。
【0020】
また、請求項2の構成によれば、一方向の棒状材を2個の差込孔に貫通させて把持するため、他方向の棒状材の挿通空間が確定し、対応がし易くなる。
【0021】
また、請求項3の構成によれば、差込孔に調整代があることで、種々の形状と大きさの棒状材に使用することができる。
【0022】
また、請求項4の構成によれば、筒状体が側面で分割し、分割箇所で接合できるため、他方向の棒状材が筒状体側面の開口部を通して容易に挿入できる。また、差込孔を通って側面を分割した場合は、一方向の棒状材の挿入も容易にできる。
【0023】
また、請求項5の構成によれば、ネジ止めで棒状材を確実に固定することができる。
【0024】
また、請求項6の構成によれば、差込孔に当った状態で、一方向の棒状材がネジで押されて筒状体で支持される。特に、差込孔が2個の場合は、一方向の棒状材がネジで押されて筒状体の2点で支持され、強固に固定される。
【0025】
また、請求項7の構成によれば、一方向の棒状材を他方向の棒状材に無関係に把持することで、一方向の棒状材を差込孔に貫通して固定した後に、他方向の棒状材の把持を容易に行うことができる。
【0026】
また、請求項8〜10の構成によれば、棒状材として鉄筋、鋼管、H鋼、木材(例えば桟木、端角など)を用いることで、建設での仮設、本設を問わずに、開口部等で用いる手摺と支柱の結合、鉄筋同士の強固な結合、仮設単管足場の結合、支保工部材同士の結合、土留工等での柱/梁と梁の結合など、広い用途に棒状材把持具を簡便で容易に使用できる。
【0027】
また、請求項11の構成によれば、他方向の棒状材を貫通孔に貫通させると共に、一方向の棒状材を上下から差込孔に貫通させることで、交差する棒状材を確実、容易に取り付けることができる。
【0028】
また、請求項12の構成によれば、帯状の板材を筒状に折り曲げ、極めて容易に棒状材把持具を形成することができ、また、折り曲げ形成後に差込孔を設けることで、その位置の精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な棒状材把持具とその使用方法並びにその製造方法を採用することにより、従来にない棒状材把持具とその使用方法並びにその製造方法が得られ、棒状材把持具とその使用方法並びにその製造方法を夫々記述する。
【実施例1】
【0030】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。図1〜図3は本発明の実施例1を示し、同図に示すように、棒状材把持具1は、一方向である縦方向の棒状材2と、他方向である横方向の棒状材3とをそれらの交差部で固定するものである。
【0031】
前記棒状把持具1は、筒状体11を備え、この筒状体11は、上下の側面12,12Aと、前後の側面13,13Aとを一体に有し、それら側面12,12A,13,13Aは板状部材からなる。前記筒状体11は、この例では断面長方形形状をなす角筒であって、内部に左右方向の貫通孔14を有する。
【0032】
前記上下の側面12,12Aには、それぞれ差込孔15,15が穿設され、この差込孔15は閉塞し、上下の側面12,12Aの差込孔15,15に前記縦方向の棒状材2が挿通され、この棒状材2は前記貫通孔14を交差方向から挿通する。前記差込孔15,15に前記棒状材2を貫通した状態で、前記貫通孔14は、前記横方向の棒状材3を挿入可能な挿入空間16を有し、この挿入空間16に前記棒状材3が挿入される。
【0033】
この例では、前記棒状材2,3は断面四角形で、前記差込孔15は長方形で、この差込孔15内において前記棒状材2が位置調整可能なように、該差込孔15は棒状材2より大きく形成されている。そして、断面四角形の棒状材2,3としては、角形鋼管,桟木,端角(ばたかく)などが例示され、また、略四角形のものとしてH鋼などがある。
【0034】
前記筒状体11は、その形状が四角、丸、三角など把持する棒状材に合わせて適宜なものを使用する。また、前記側面12,12A,13,13Aは、左右方向の幅が一定で、その寸法は同一でも変化するものでもよい。この場合、使用条件において、構造上必要な強度が得られればよく、このように同一幅の方が製造上のメリットがある。また、筒状体11は、切欠きなどがなく、基本的に閉じた状態とする。このため、構造が強固なものとなる。
【0035】
また、筒状体11の材質は、例えば、鋼材、プラスチックなどが例示されるが、その材質は問わない。また、筒状体11の貫通孔14を貫通した横方向の棒状材3が、把持具1により、縦方向の棒状材2に支持されても良いし、逆に横方向の棒状材3が縦方向の棒状材2を支持しても良い。また、筒状体11の貫通孔14に凹凸を付けて摩擦抵抗を増すなどすると、横方向の棒状材3の把持を確実に行うことができる。
【0036】
前記棒状材2,3としては次の材質・形状のものがあり、例えば、鉄筋,鋼管(丸型、角型など、単管を含む。),木材(桟木、端角など),鋼材(H鋼、山型鋼など)やコンクリート材等が例示される。
【0037】
尚、棒状材2,3は単体である必要はなく、複数のものを用いてもよい。すなわち、1つの貫通孔14に2本以上の棒状材3を挿通してもよく、1つの差込孔15に2本以上の棒状材2を挿通してもよい。
【0038】
この例では、2つの差込孔15,15を筒状体11に設けたが、筒状体11に設ける差込孔15の数は、1〜複数とすることができる。2つの差込孔15,15を備える場合、縦方向の棒状材2が2ヶ所で支持され強固に固定される。また、横方向の棒状材3の挿入空間16が確定して対応がし易くなる。また、2つの差込孔15,15の位置は棒状材3の貫通状態に対して直角方向に限るものではなく、斜め方向にあってもよい。
【0039】
また、差込孔15の形状は、角形、円形、楕円形などのいずれでも構わない。さらに、上述したように棒状材2の種類、大きさに対応するため、差込孔15には、棒状材2の位置を調整できるように調整代を設けている。
【0040】
前記棒状材2,3はそれぞれネジ17,18により筒状体11に固定される。それらネジ17,18には、工具係合部たる六角形の頭部17A,18Aなどが設けられている。尚、工具係合部としては、マイナスやプラスドライバが係合するマイナス溝やプラス溝などでもよい。
【0041】
図2に示すように、縦方向の棒状材2を固定するネジ17は、前記挿入空間16と反対側の側面たる後の側面13Aにその外側から螺合されている。そして、頭部17Aを用いてネジ17を捻じ込み、該ネジ17の先端により棒状材2の幅方向略中央位置を押して棒状材2を差込孔15,15の前側縁に圧接する。このようにして棒状材2は、後側が2つの差込孔15,15に圧接し、差込孔15,15の中央位置に対応した前側からネジ17により押されるため、筒状体11に確実に固定される。
【0042】
上記のように縦方向の棒状材2を筒状体11に固定すると、その棒状材2と前の側面13との間が前記挿入空間16となる。そして、挿入空間16に横方向の棒状材3が、前記ネジ18により固定され、このネジ18は、上の側面12にその外側から螺合されている。そして、頭部18Aを用いてネジ18を捻じ込み、該ネジ18の先端により棒状材3の幅方向略中央位置を押して下の側面13Aとの間に挟んで固定する。尚、この例では、筒状体11の側面12,13Aにネジ18,17を螺合したが、筒状体11に別途支持板を設け、この支持板にネジ18,17を螺合してもよい。
【0043】
尚、前記ネジ18,17を螺合する雌螺子孔を側面12,13Aに形成したり、側面12,13Aにネジ18,17を挿通する透孔を穿設し、この透孔の外側又は内側にナット(図示せず)を固定し、このナットにネジ18,17を螺合するようにしてもよい。
【0044】
また、1本の棒状材2,3を1つのネジ17,18により固定する以外でも、1本の棒状材2,3を複数本のネジにより固定してもよく、さらに、ネジ17,18の位置は特に拘らない。但し、本実施例のように、棒状材2を止めるネジ17を、棒状材3を貫通させる側と反対の側面13Aに取り付ける場合は、棒状材2が筒状体11の2点で支持されて固定でき、効果的な固定構造が得られる。
【0045】
尚、横方向の棒状材3の場合、重力で棒状材把持具1の筒状体11に支持されるから、ネジ等の固定手段は必ずしも必要条件ではない。
【0046】
この例のように、縦方向の棒状材2と横方向の棒状材3とは、それぞれ別々で無関係に差込孔15と挿入空間16とに挿入して固定できるから、棒状材2と棒状材3とを交差状に配置した後、把持具1をセットする必要がない。
【0047】
次に、把持具1の筒状体11の製造方法の一例を説明する。図3に示すように、帯状の板材を折り曲げ加工する方法では、側面12,12A,13,13Aに対応した長さの鋼製の帯板101を、側面12,12A,13,13Aの角部位置102,102,102で、ほぼ90度に折り曲げて筒状に形成し、帯板101の端部同士を溶接などで一体化して前記筒状体11を形成する。また、他の例としては、各側面12,12A,13,13Aに対応した鋼製の板状部材を組み合せ、溶接などで接合して前記筒状体11を形成する。
【0048】
尚、差込孔15は筒状体11の形成前、または後に穿設する。形成前では差込孔15の穿設が容易となり、形成後では差込孔15の位置精度がよくなる。
【0049】
次に、把持具1の使用について説明する。筒状体11に挿通する棒状材2,3の順番は、支持する側、支持される側のいずれが先でも問わない。また、棒状材2,3は、水平、鉛直、斜めのどの方向にあっても構わない。
【0050】
また、用途としては、建設物の棒状材同士を結合するもので、本設、仮設は問わない。例えば、棒状材2,3が交差方向の鉄筋であれば、それら鉄筋同士の結合が強固になり、構造上、施工上で有用になり、コンクリート打設時にその鉄筋に人が乗って作業しても問題がなくなる。他にも、棒状材は、支柱と手摺などでもよく、鉄筋、鋼管などの支柱である棒状材に、桟木・鉄筋、鋼管等の棒状材を結合して手摺とする。この手摺は、取付けが容易であるほか、取付方向と手摺に作用する荷重の方向が異なるため、有用な取付となる。
【0051】
このように本実施例では、建設物の仮設・本設で用いる棒状材2,3を結合するに際して、交差する複数の棒状材2,3を把持する筒状体11を備えた棒状材把持具1であって、筒状体11の側面に該筒状体11の貫通孔14と交差方向で一方向の棒状材2を貫通させる差込孔15を設け、この差込孔15に一方向の棒状材2を貫通した状態で、貫通孔14は他方向の棒状材3を長さ方向から挿入可能な挿入空間16を有するから、筒状体11の側面12,12Aに差込孔15,15を設けることで、交差する棒状材2,3をその差込孔15,15と筒状体11の貫通孔14とにより別々に把持できる。また、交差する棒状材2,3を別々に把持することで、一方を把持後に他方の把持を容易に行うことができる。
【0052】
特に、筒状体11は閉合しているため、安定した強固な構造の棒状材把持具1となる。
【0053】
また、このように本実施例では、前記差込孔15を2個備えるから、一方向の棒状材2を2個の差込孔15,15に貫通させて把持するため、他方向の棒状材3の挿通空間が確定し、対応がし易くなる。
【0054】
また、このように本実施例では、差込孔15は一方の棒状材2が位置調整可能な大きさを有するから、差込孔15に調整代があることで、種々の形状と大きさの棒状材2に使用することができる。
【0055】
また、このように本実施例では、筒状体11は、少なくとも一方の棒状材2に、あるいは少なくとも1つの棒状材に当接して該棒状材2を固定するネジ17を備えるから、ネジ止めで棒状材2を確実に固定することができる。
【0056】
また、このように本実施例では、一方向の棒状材2を固定するネジ17は、挿入空間16と反対側の筒状体側面13Aに設けられるから、差込孔15に当った状態で、一方向の棒状材2がネジ17で押されて筒状体11で支持される。特に、差込孔15,15が2個の場合は、一方向の棒状材2がネジ17で押されて筒状体11の2点で支持され、強固に固定される。
【0057】
また、このように本実施例では、一方向の棒状材2を差込孔15に支持して固定するから、一方向の棒状材2を差込孔15に当設して固定することにより、他方向の棒状材3に無関係に把持でき、一方向の棒状材2を差込孔15に貫通して固定した後に、他方向の棒状材3の把持を容易に行うことができる。
【0058】
また、このように本実施例では、棒状材2,3は、鉄筋、鋼管、H鋼、木材のいずれかであり、また、一方向と他方向の棒状材2,3は、柱材と梁材であって、これら柱材と梁材とを把持するものであり、また、一方と他方の棒状材2,3は、支柱材と手摺材であって、これら支柱と手摺とを把持するから、棒状材2,3として鉄筋、鋼管、H鋼、木材(例えば桟木、端角など)を用いることで、建設での仮設、本設を問わずに、開口部等で用いる手摺と支柱の結合、鉄筋同士の強固な結合、仮設単管足場の結合、支保工部材同士の結合、土留工等での柱/梁と梁の結合など、広い用途に棒状材把持具を簡便で容易に使用できる。
【0059】
また、このように本実施例では、棒状材把持具1の使用方法において、貫通孔14横向きの筒状体11の側面12,12Aに設けられた差込孔15,15に上下方向から一方向の棒状材2を貫通し、この一方向の棒状材2と筒状体11に囲まれた挿入空間16に他方向の棒状材3を横方向から貫通させるから、他方向の棒状材3を貫通孔14に貫通させると共に、一方向の棒状材3を上下から差込孔15,15に貫通させることで、交差する棒状材2,3を確実、容易に取り付けることができる。
【0060】
また、このように本実施例では、棒状材把持具1の製造方法において、帯状の板材たる帯板101を筒状に折り曲げて筒状体11を形成した後、側面12,12Aに差込孔15,15を穿設するから、帯板101を筒状に折り曲げ、極めて容易に棒状材把持具1を形成することができ、また、折り曲げ形成後に差込孔15,15を設けることで、その位置の精度を高めることができる。
【実施例2】
【0061】
図4は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、筒状体11は、側面13が半円状に形成され、棒状材2,3の断面が円形をなす。そして、断面が円形の棒状材2,3としては、単管などの丸形鋼管が例示され、略円形のものとしては、鉄筋などがある。
【0062】
また、前記ネジ18は、前記半円形の側面13の中央に螺合され、そのネジ18の先端は後側を向いている。
【0063】
そして、実施例1と同様に、ネジ17と差込孔15,15との間に、縦方向の棒状材2を挟着固定し、一方、ネジ18を捩じ込んで横方向の棒状材3を後側に押し、該棒状材3をネジ18と棒状材2との間に固定する。
【0064】
このように本実施例では、上記実施例1と同様な作用・効果を奏し、また、このように本実施例では、棒状材2,3を圧接して両者を筒状体11に固定することができる。
【実施例3】
【0065】
図5〜図6は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、土留支保工に、前記棒状材把持具1と、柱材である棒状材2と、梁材である棒状材3とを用いた例であり、鋼矢板などからなる土留め壁111,111を構築し、これら土留め壁111,111間を掘削し、その掘削に伴いて、両土留め壁111,111に、切梁として横方向の棒状材3を設けて立坑112を構築する。尚、土留め壁111,111に沿って、鋼材などからなる横方向の腹起し113を配置し、両側の腹起し113,113間に、切梁として前記棒状材3が配置される。また、立坑112の底部に、中間支柱として前記棒状材2を立て込み、この縦方向の棒状材2と横方向の棒状材3との交差箇所を前記支柱把持具1により結合している。
【0066】
このように本実施例では、切梁としてH鋼からなる棒状材3と、土留め壁111,111間に設ける中間支柱として鋼管からなる棒状材2とを棒状材把持具1により結合するから、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例4】
【0067】
図7は本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、単管柵に、前記棒状材把持具1と、支柱材である棒状材2と、手摺材である棒状材3とを用いた例であり、これら棒状材2,3は鋼製の単管からなり、支柱として縦方向の棒状材2を所定間隔をおいて設置箇所の地面などに立設し、これら棒状材2,2…間に横方向の棒状材3,3を上下多段に設け、それら縦方向の棒状材2と横方向の棒状材3との交差箇所を前記把持具1により結合してなる。
【0068】
このように本実施例では、横桟として単管からなる棒状材3と、支柱として単管からなる棒状材2とを棒状材把持具1により結合するから、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例5】
【0069】
図8〜図9は本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、コンクリートスラブ21の段差部22に、前記棒状材把持具1と、柱材である棒状材2と、梁材である棒状材3を用いた例であり、コンクリートスラブ21の上面23,23Aの間に前記段差部22が設けられ、この段差部22に沿って前記上面23Aには、鉄筋からなる棒状材2が突設され、この棒状材2の下部は、コンクリートスラブ21に埋設され、該コンクリートスラブ21内の鉄筋24と結束などにより連結されている。
【0070】
また、横方向の棒状材3は、断面四角形の桟木であり、前記挿入空間16は、桟木である棒状材3と略同一形状をなし、その棒状材3が前の側面13と上下の側面12,12Aの間に略嵌る。また、円形の差込孔15,15は、鉄筋である棒状材2より径大に形成され、後の側面13Aにネジ17が設けられている。そして、この例では、前記ネジ17を捻じ込み、棒状材2を棒状材3に押し当てることにより、両棒状材2,3を同時に筒状体11に固定し、桟木である棒状材3を段差部22の位置に配置する。このように差込孔15,15は、挿入空間16に配置した棒状材3に、棒状材2が当接可能なように形成されている。
【0071】
そして、コンクリートを上面23Aの高さまで打設して上面23Aを形成した後、前記棒状材3を段差部22の止め型枠として上面23の高さまでコンクリートを打設し、該上面23を形成する。この後、ネジ17を緩め、棒状材2に沿って、棒状材3と共に筒状体11を上方に持ち上げ、棒状材2の上端から抜き取ることができる。
【0072】
このように本実施例では、桟木である棒状材3と、鉄筋からなる棒状材2とを棒状材把持具1により結合するから、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、この例では、止め型枠である棒状材3を、鉄筋からなる棒状材2に把持具1を用いて固定したから、止め型枠を簡便に設置することができ、また、このように1つのネジ17で棒状材2,3を筒状体11に固定することができる。
【実施例6】
【0073】
図10〜図11は本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、挿入空間を複数備え、複数の棒状材3,3を棒状材2と結合する例であり、筒状体11の上下の側面12,12Aの前後方向略中央に前記差込孔15,15を設け、これら差込孔15,15に棒状材2を貫通した状態で、前記貫通孔14には、棒状材2の両側にそれぞれ挿入空間16,16が設けられている。また、前後の側面13,13Aの一方に前記ネジ17を螺合し、このネジ17の先端を前記棒状材2に圧接することにより、棒状材2に筒状体11が固定される。また、それぞれ挿入空間16,16に挿通した棒状材3,3は、下の側面12A上に載置されて支持される。
【0074】
尚、棒状材3は、挿入空間16内において、移動可能であるから、挿入空間16にキャンバー(楔部材)などを挿入して棒状材3を固定したり、挿入空間16にゴムなどの弾性体を挿入して棒状材3を固定したりしてもよい。
【0075】
このように本実施例では、複数の挿入空間16,16と、両側にそれら挿入空間16,16を有する貫通孔14と、それら挿入空間16,16の間に配置した差込孔15,15と、これら差込孔15,15に貫通する棒状材2と、それら挿入空間16,16に挿入する複数の棒状材3,3と、中央の棒状材2を筒状体11に固定するネジ17とを備えるから、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例7】
【0076】
図12は本発明の実施例7を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、差込孔15,15を複数箇所設け、複数の棒状材2,2,2を棒状材3に結合する例であり、実施例1に比べて筒状体11を長く形成し、上下の側面12,12Aには差込孔15,15を筒状体11の長さ方向に3箇所設けており、それら差込孔15,15に対応して、後の側面13Aにはネジ17が3箇所螺合され、このネジ17により、棒状材2を差込孔15,15に押し当て、或いは挿入空間16の棒状材3に押し当てて固定している。また、貫通孔14には、前の側面13側に挿入空間16が設けられている。
【0077】
このように本実施例では、複数の棒状材2,2,2と棒状材3とを結合することができ、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例8】
【0078】
図13は本発明の実施例8を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、1本の棒状材2に対応して、差込孔15を1つ設ける例を示し、差込孔15は下の側面12Aに穿設されている。
【0079】
そして、差込孔15に棒状材2の上端を挿入し、この上端を上の側面12の下面に当接し、ネジ17により棒状材2を固定する。この場合、後の側面13Aに設けるネジ17は、差込孔15に近い下側に設けることが好ましい。
【0080】
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、このように本実施例では、対向する側面12,12Aの一方に差込孔15を設けたから、縦方向の棒状材2の先端たる上端が、筒状体11内に隠れて外部に露出することがない。したがって、棒状材2の端部をキャップなどで覆う必要がなくなる。
【実施例9】
【0081】
図14〜図15は本発明の実施例9を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、貫通孔14と交差方向に筒状体11を分割し、この分割箇所に前記差込孔15が位置し、このように筒状体11を側面12,12A,13,13Aで分割した分割筒状体31,31Aを備え、これら分割筒状体31,31Aの分割箇所に対応して、前記前後の側面13,13Aには、接合手段たる鍔部32,32が設けられ、これら鍔部32,32には透孔33,33が穿設され、透孔33,33を挿通したボルト34にナット35を螺合して鍔部32,32が接合される。尚、筒状体11は、ネジ17を避けた位置で分割されている。
【0082】
そした、このように本実施例においても、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、本実施例では、筒状体11は、側面12,12A,13,13Aが分割可能な構造で、分割箇所に接合手段たる鍔部32,32を備えるから、差込孔15を通って側面12,12A,13,13Aを分割したから、一方向の棒状材2の挿入を容易に行うことができる。
【0083】
このように筒状体11を分割し、分割箇所に差込孔15が位置することにより、縦方向の棒状材2を差込孔15,15に挿通しなくても、棒状体2の途中に筒状体11を取り付けることができ、取付作業及び取外作業を簡便に行うことができる。
【実施例10】
【0084】
図16〜図17は本発明の実施例10を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、貫通孔14と軸方向に筒状体11を分割し、この分割箇所に前記差込孔15が位置し、このように筒状体11を側面12,12Aで分割した分割筒状体31B,31Cを備え、これら分割筒状体31B,31Cの分割箇所に対応して、前記上下の側面12,12Aには、鍔部32,32が設けられ、これら鍔部32,32には透孔33,33が穿設され、透孔33,33を挿通したボルト34にナット35を螺合して鍔部32,32が接合される。
【0085】
このように本実施例においても、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、本実施例では、筒状体11は、側面12,12Aが分割可能な構造で、分割箇所に接合手段たる鍔部32を備えるから、他方向の棒状材3を筒状体側面の開口部を通して容易に挿入できる。また、差込孔15を通って側面12,12Aを分割したから、一方向の棒状材2の挿入も容易にできる。
【0086】
このように筒状体11を分割し、分割箇所に差込孔15が位置することにより、縦方向の棒状材2を差込孔15,15に挿通しなくても、棒状体2の途中に筒状体11を取り付けることができ、取付作業及び取外作業を簡便に行うことができる。
【実施例11】
【0087】
図18は本発明の実施例11を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、上記実施例10において、分割箇所の一方において、鍔部32,32に替えて、ヒンジ部39を設けている。この例では、下の側面12Aの分割箇所をヒンジ部39により回動可能に連結している。また、同図に示すように、差込孔15は四角形をなし、この差込孔15の前側縁15Fに沿って分割箇所が形成されている。
【0088】
したがって、ヒンジ部39を中心にして分割筒状体31B,31Cを回動しても、側面12Aの差込孔15が狭まることがなく、棒状材2をスムーズに挿通することができ、また、上の側面12を開いて挿入空間16に、横方向の棒状材3をその側方からセットすることができる。
【0089】
このように本実施例においても、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、分割筒状体31B,31Cがヒンジ部39により連結されているから、分割筒状体31B,31Cがばらばらになることがなく、部品管理が容易となる。
【実施例12】
【0090】
図19は本発明の実施例12を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、筒状体11には、上の側面12位置に、棒状材2を挟持可能な挟持部35を設け、この固定手段たる挟持部35は、枢着部36を中心に両腕部37,37が開閉し、両腕部37,37により棒状材2を挟持した状態で両腕部37,37が固定可能である。尚、その枢着部36側が側面12に固定されている。
【0091】
したがって、差込孔15,15に棒状材2を挿通し、挟持部35により棒状材2を挟持することにより、棒状材2に筒状体11を固定することができる。
【実施例13】
【0092】
図20は本発明の実施例13を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図は、固定手段の変形を示し、固定手段として、楔部材であるキャンバー41を差込孔15と棒状材2との間に圧入することにより、棒状材2を筒状体11に固定したり、ゴム材(図示せず)などを差込孔15と棒状材2との間に圧入することにより、棒状材2を筒状体11に固定したり、キャンバー41を貫通孔14と棒状材3との間に圧入することにより、棒状材3を筒状体11に固定したり、ゴム材(図示せず)などを貫通孔14と棒状材2との間に圧入することにより、棒状材2を筒状体11に固定したり、このように棒状材2,3を筒状体11に固定する固定手段は各種のものを用いることができる。
【0093】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、貫通孔を横向きにして使用する例を示したが、貫通孔を縦向きにして、その縦向きの挿入空間に一方向の棒状材を貫通し、差込孔に他方向の棒状材を貫通してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施例1を示す把持具と棒状材の斜視図である。
【図2】同上、図2(A)は側面図、図2(B)は平面図である。
【図3】同上、製造方法の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例2を示し、(A)は側面図、図4(B)は平面図である。
【図5】本発明の実施例3を示す使用状態の縦断面図である。
【図6】同上、平面図である。
【図7】本発明の実施例4を示す使用状態の縦断面図である。
【図8】本発明の実施例5を示し、図8(A)は側面図、図8(B)は平面図である。
【図9】同上、使用状態の断面図である。
【図10】本発明の実施例6を示す把持具と棒状材の斜視図である。
【図11】同上、平面図である。
【図12】本発明の実施例7を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施例8を示し、図13(A)は側面図、図13(B)は平面図である。
【図14】本発明の実施例9を示す把持具の分解斜視図である。
【図15】同上、平面図である。
【図16】本発明の実施例10を示す把持具の分解斜視図である。
【図17】同上、平面図である。
【図18】本発明の実施例11を示す把持具の側面図である。
【図19】本発明の実施例12を示す把持具の要部の平面図である。
【図20】本発明の実施例13を示す把持具と棒状材の要部の断面図である。
【符号の説明】
【0095】
1 棒状体把持具
2 棒状体(柱材・支柱材)
3 棒状体(梁材・手摺材)
11 筒状体
12 側面(上下)
13 側面(前後)
14 貫通孔
15 差込孔
16 挿入空間
17 ネジ
18 ネジ
32 鍔部(接合手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設物の仮設・本設で用いる棒状材を結合するに際して、交差する複数の棒状材を把持する筒状体を備えた棒状材把持具であって、前記筒状体の側面に該筒状体の貫通孔と交差方向で一方向の前記棒状材を貫通させる差込孔を設け、この差込孔に前記一方向の棒状材を貫通した状態で、前記貫通孔は他方向の前記棒状材を長さ方向から挿入可能な挿入空間を有することを特徴とする棒状材把持具。
【請求項2】
前記差込孔を2個備えることを特徴とする請求項1記載の棒状材把持具。
【請求項3】
前記差込孔は前記一方の棒状材が位置調整可能な大きさを有することを特徴とする請求項1記載棒状材把持具。
【請求項4】
前記筒状体は、前記側面が分割可能な構造で、分割箇所に接合手段を備えることを特徴とする請求項1記載の棒状材把持具。
【請求項5】
前記筒状体は、少なくとも一方の前記棒状材に当接して該棒状材を固定するネジを備えることを特徴とする請求項1記載の棒状材把持具。
【請求項6】
前記一方向の棒状材を固定する前記ネジは、前記挿入空間と反対側の筒状体側面に設けられることを特徴とする請求項5記載の棒状材把持具。
【請求項7】
前記一方向の棒状材を前記差込孔に支持して固定することを特徴とする請求項1記載の棒状材把持具。
【請求項8】
前記棒状材は、鉄筋、鋼管、H鋼、木材のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の棒状材把持具。
【請求項9】
前記一方向と他方向の棒状材は、柱材と梁材であって、これら柱材と梁材とを把持することを特徴とする請求項1記載の棒状材把持具。
【請求項10】
前記一方と他方の棒状材は、支柱材と手摺材であって、これら支柱と手摺とを把持することを特徴とする請求項1記載の棒状材把持具。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の棒状材把持具の使用方法において、前記貫通孔が横向きの前記筒状体の側面に設けられた差込孔に上下方向から前記一方向の棒状材を貫通し、この一方向の棒状材と前記筒状体に囲まれた挿入空間に他方向の棒状材を横方向から貫通させることを特徴とする棒状材把持具の使用方法。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の棒状材把持具の製造方法において、帯状の板材を筒状に折り曲げて前記筒状体を形成した後、前記側面に前記差込孔を穿設することを特徴とする棒状材把持具の製造方法。
【請求項1】
建設物の仮設・本設で用いる棒状材を結合するに際して、交差する複数の棒状材を把持する筒状体を備えた棒状材把持具であって、前記筒状体の側面に該筒状体の貫通孔と交差方向で一方向の前記棒状材を貫通させる差込孔を設け、この差込孔に前記一方向の棒状材を貫通した状態で、前記貫通孔は他方向の前記棒状材を長さ方向から挿入可能な挿入空間を有することを特徴とする棒状材把持具。
【請求項2】
前記差込孔を2個備えることを特徴とする請求項1記載の棒状材把持具。
【請求項3】
前記差込孔は前記一方の棒状材が位置調整可能な大きさを有することを特徴とする請求項1記載棒状材把持具。
【請求項4】
前記筒状体は、前記側面が分割可能な構造で、分割箇所に接合手段を備えることを特徴とする請求項1記載の棒状材把持具。
【請求項5】
前記筒状体は、少なくとも一方の前記棒状材に当接して該棒状材を固定するネジを備えることを特徴とする請求項1記載の棒状材把持具。
【請求項6】
前記一方向の棒状材を固定する前記ネジは、前記挿入空間と反対側の筒状体側面に設けられることを特徴とする請求項5記載の棒状材把持具。
【請求項7】
前記一方向の棒状材を前記差込孔に支持して固定することを特徴とする請求項1記載の棒状材把持具。
【請求項8】
前記棒状材は、鉄筋、鋼管、H鋼、木材のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の棒状材把持具。
【請求項9】
前記一方向と他方向の棒状材は、柱材と梁材であって、これら柱材と梁材とを把持することを特徴とする請求項1記載の棒状材把持具。
【請求項10】
前記一方と他方の棒状材は、支柱材と手摺材であって、これら支柱と手摺とを把持することを特徴とする請求項1記載の棒状材把持具。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の棒状材把持具の使用方法において、前記貫通孔が横向きの前記筒状体の側面に設けられた差込孔に上下方向から前記一方向の棒状材を貫通し、この一方向の棒状材と前記筒状体に囲まれた挿入空間に他方向の棒状材を横方向から貫通させることを特徴とする棒状材把持具の使用方法。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の棒状材把持具の製造方法において、帯状の板材を筒状に折り曲げて前記筒状体を形成した後、前記側面に前記差込孔を穿設することを特徴とする棒状材把持具の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2008−138359(P2008−138359A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322598(P2006−322598)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000154565)株式会社福田組 (34)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000154565)株式会社福田組 (34)
【Fターム(参考)】
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