様々なパラメータの高感度測定を行なうための装置、およびそのような装置で特に有用なセンサ
媒体中のエネルギ波の通過時間に対し既知関係を有する所定のパラメータを感知するためのセンサであって、前記エネルギ波に対する高い透過率および低い減衰特性を有する軟質弾性材料体と、レシーバによって受け取られるエネルギ波が、トランスミッタによって発信され、前記軟質弾性材料体の少なくとも一部分を横断した後のエネルギ波であるように、前記材料体によって相互に相隔たる関係によって支持されたトランスミッタおよびレシーバとを備えたセンサ。弾性材料体を通るエネルギの通過時間は所定のパラメータの測定を行なうように測定される。好ましい例では、エネルギ波は音波であり、軟質弾性材料体がトランスミッタとレシーバの間の音響チャネルとして作用するようにされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2000年11月9日に国際公開第WO00/67013号として公開された国際出願PCT/IL00/00241、2003年5月1日に国際公開第WO03/036321号として公開された2002年10月24日に出願の国際出願PCT/IL02/00854、2003年6月12日に国際公開第WO03/048668号として公開された2002年12月5日に出願の国際出願PCT/IL02/00983、および2003年9月16日に発行された米国特許第6621278号に関連し、これらの出願および特許の内容を参照によって丸ごと本書に組み込む。
【0002】
上記の出願および特許は、媒体(固体、液体、または気体)中のエネルギ波(電磁または音)の通過時間に対し既知または決定可能な関係を有する様々なパラメータを、極めて高い感度で測定するための方法および装置に関する。簡潔には、これは、周期的に繰り返すエネルギ波を媒体中に透過させ、媒体中を透過したエネルギ波を受け取り、受け取ったエネルギ波中の所定の基点を検出し、受け取った各エネルギ波の検出された基点に従って、受け取る波数が整数となるように、エネルギ波の透過の周波数を連続的に変化させ、かつ周波数の変化を測定してトランスミッタからレシーバまでのエネルギ波の通過時間の変化を測定を実現し、それにより所定のパラメータの測定を実現することによって行なわれる。
【背景技術】
【0003】
上記の出願および特許は、医療および医療以外の双方にわたる多くの分野において、極めて高い感度を有する測定を達成するための方法および装置の実施について多数説明した。説明された実施は、測定される所定のパラメータの変化に応じて、通過距離および/またはエネルギ速度の変化を生じるものを含んでいた。変形可能な膜、ベローズ、ばね装着部材、および変位可能なプランジャをはじめ、透過距離の変化を測定するための様々な型のセンサについても記載された。
【発明の開示】
【0004】
本発明の目的は、装置を、極めて高い感度で変位を測定するよう特に高感度とし、それにより、事実上あらゆる状態を正確に検出すること、あるいは変位を誘発し、変位によって誘発され、もしくはそれ以外の変位に伴う事実上すべてのパラメータを測定することを可能にする、新型のセンサを持つ装置を提供することである。そのように検出される状態の例として、呼吸および心臓活動に伴う非常に素早い動きまたは小さい動きがあり、そのように測定されるパラメータの例として、下述する通り、圧力、ねじれ、線形加速度、重量、温度、角速度、線形速度、液体密度、液状体中の深さ、磁界強度、呼吸速度、脈拍数、および血圧が挙げられる。
【0005】
本発明の別の実施形態は、特にそのような装置に有用な新規のセンサを提供することである。
【0006】
本発明の一態様では、媒体中のエネルギ波の通過時間に対し既知または決定可能な関係を有する所定のパラメータを測定するための装置であって、エネルギ波を媒体中に発信させるためのトランスミッタおよびトランスミッタによって発信されたエネルギ波を受け取るためのレシーバを含み、所定のパラメータを測定するためのセンサと、トランスミッタからレシーバまでのエネルギ波の通過時間または通過時間の変化を測定し、それによって所定のパラメータの測定を実現するデータプロセッサとを備えた装置において、センサはエネルギ波に対する高い透過率および低い減衰特性を有する軟質弾性材料体を含み、トランスミッタおよびレシーバは、パラメータがセンサによって感知されたときにレシーバに対するトランスミッタの変位を生じるように、前記軟質弾性材料体によって相互に間隔をおいて配置され、それによってトランスミッタからレシーバまでのエネルギ波の通過時間または通過時間の変化の測定がレシーバに対するトランスミッタの変位の測定を実現し、その結果所定のパラメータの測定を実現することを特徴とする装置を提供する。
【0007】
本発明は、エネルギ波が音波であり、よってトランスミッタとレシーバとの間の透過路が音響チャネルである用途に関して、特に有用であり、したがってそれに関して下述する。しかし、本発明は、エネルギ波が電磁波、例えば光、赤外線、または高周波である用途においても、特に米国特許第6621278号の実施例に記載されている変調技術が使用される場合、実現することができることは理解されるであろう。
【0008】
本発明の別の実施形態では、媒体中のエネルギ波の通過時間に対し既知または決定可能な関係を有する所定のパラメータを感知するためのセンサであって、エネルギ波に対する高い透過率および低い減衰特性を有する軟質弾性材料体と、レシーバによって受け取られるエネルギ波が、トランスミッタによって発信され、軟質弾性材料体の少なくとも一部分を横断した後のエネルギ波であるように、該体によって相互に相隔たる関係に支持されたトランスミッタおよびレシーバとを備えた、センサを提供する。
【0009】
下でさらに詳しく記載するように、特によい結果は、音波を使用し、かつ弾性材料が5〜40、好ましくは7〜20のショアA硬度を有するシリコーンエラストマであるときに得られる。下述する適用例では、約10のショアA硬度が最も好適であることが明らかになった。
【0010】
本発明の他の態様、利点、および用途について以下で説明する。
【0011】
図面の簡単な記述
本発明をここで、単なる例として、添付の図面に関連して説明する。
図1は本発明に係る一形態のセンサを含む測定装置を概略的に示すブロック図である。
図2は図1の装置の制御および処理回路機構(CPC)をより詳細に示すブロック図である。
図3は本発明に係る別のセンサの構成を示す。
図4は本発明に係る加速度型センサの構成を示す。
図5〜8は本発明に係るセンサのさらなる構成、およびそのようなセンサのいくつかの適用例を示す。
図9a〜9cは呼吸の休止を検出するため(無呼吸検出器)、または個人の動き、呼吸、脈拍数、もしくは他の状態を検出するための、本発明のさらなる適用例を示す。
図10は褥瘡を防止するために使用される本発明の適用例を示す。;
図11は本発明のいびき防止の適用例を示す。
図12〜14は脈拍数を監視するための本発明に係るセンサの様々な構成を示す。
図15はオシロメトリックな方法に従って血圧を非侵襲的に測定するための本発明の適用例を示す。
図16は車両等のトランスミッションシステムでトルクを測定するための本発明の適用例を示す。
図17は例えばエアバッグを制御すべく、例えば乗員の有無、重量、呼吸活動、心臓活動等を検出するために、車両の座席を監視するための本発明の適用例を示す。
図18a〜18cはキーボードまたは圧力分布センサとして使用するためのマトリックス状のセンサに具現された本発明を示す。
図19および20はそれぞれ加圧容器およびパイプラインの圧力を示すための圧力計に具現された本発明を示す。
図21は物体を秤量するための秤に具現された本発明を示す。
図22はセンサが浸漬された液体の深さ、またはセンサが浸漬されている深さを測定するための浸漬可能なセンサに具現された本発明を示す。
図23は磁界の強度を測定するための磁界センサに具現された本発明を示す。
図24は回転体の角速度および/または接線加速度を測定するための計器に具現された本発明を示す。
図25は流体媒質中における物体の速度を測定するためのピトー管に具現された本発明を示す。
図26は加速度型センサに具現された本発明を示す。;
図27は本発明に係るセンサのさらなる構成を示す。
図28は加速度型センサとして実現された図27のセンサを示す。;
図29は圧力センサとして実現された図27のセンサを示す三次元図である。
図30は圧力センサとして実現された図27のセンサを示す組立分解図である。
図31は呼吸または心臓活動を検出するために個人に適用される非常に高感度の弾性ベルトまたはバンドセンサに具現された、図27のセンサを示す。
図32は圧力分布および/または変形を検出するためにエアフォイルのような大きい表面に適用されるセンサに具現された、本発明を示す。
図33は携帯電話機または他の手持ち式携帯電気装置に具現された本発明を示す。
図34は図33のセンサを示す図33の一部分の部分断面図である。
図35は図34のセンサの平面図である。
図36は呼吸および心臓活動の動きのみならず、ウォーキングまたはランニングのような様々な型の動きを感知する加速度型のセンサとして示す、図34と同等の図である。
図37は歩数計として使用される図33の手持ち式携帯電気装置を示す。
図38は本発明に従って構成された差動型圧力センサを示す断面図である。
図39は本発明に従って構成された温度補償型力センサを示す平面図である。
図40aは重量または特定の他の力を測定するのに特に有用な、本発明に従って構成された別のセンサを示す。
図40bは図40aのセンサにおける固定装置を示す三次元図である。
図41は呼吸活動または心臓活動から生じるような極めて小さい力を測定または検出するのに特に有用である、本発明に従って構成された別のセンサを示す三次元図である。
図42は本発明に従って構成されたさらに別のセンサを示す断面図である。
図43は呼吸および心臓活動の両方を感知し、かつそれに応答して振動器および/またはアラームを制御するための、図42のセンサを含む無呼吸モニタ装置を示す。
図44は本発明に従って構成された装置で特に有用な改善された周波数測定システムを示すブロック図である。
図45は図44の周波数測定システムをさらに詳しく示すブロック図である。
図46は温度補償に備える本発明の実現を示す図である。
図47は温度補償を達成するために図46に従って構成されたシステムを示すブロック図である。
図48は温度補償を達成するために図46に従って構成された改善されたシステムを示す。
図49は非常に安定した周波数発生器として本発明を実現する一つのやり方を説明するのに役立つ図である。
図50は図49に従って構成された周波数発生器回路を示すブロック図である。
【0012】
上記の図面および以下の説明は、主として本発明の概念的側面、および現在好適な実施形態と考えられるものを含め、考えられる様々な実施形態の理解を容易にする目的で、提示することを理解されたい。明確かつ簡潔にするために、当業熟練者が通常の技量および設計を使用して、記載する発明を理解しかつ実施することを可能にするのに必要である以上の詳細を提示しようとは試みない。さらに、記載する実施形態は単に例示を目的とするだけであって、本発明は本書に記載する以外の他の形態および用途に具現することができることを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
前に示した通り、本発明は、一部材の別の部材に対する変位に直接関連するパラメータを測定するための装置に関し、特にそのような装置用の新規のセンサに関する。測定されるパラメータは圧力、トルク、張力、線形加速度、角速度、温度、重量、液体密度、液体深さ、磁界強度、呼吸、脈拍、あるいは固体、液体、もしくは気体の媒体中のエネルギ波の通過時間の変位を誘発し、変位によって誘発され、もしくはそれ以外の変位に伴う、他の事実上すべてのパラメータとすることができる。
【0014】
本発明は特に、極めて高い感度で変位を検出することによって、それぞれのパラメータを測定することのできる、新規のセンサを提供する。新規のセンサは、トランスミッタからレシーバまでの透過路中のエネルギ波の通過時間の変化を正確に測定することで、それぞれのパラメータの正確な測定が実現されるように、相互に相隔たる関係にある、高いエネルギ透過率および低いエネルギ減衰特性を有する軟質弾性材料体、好ましくはシリコーンエラストマを含むエネルギ透過路、トランスミッタ、およびレシーバを備える。
【0015】
下述する本発明の好適な実施形態では、エネルギ波は音波であるので、透過路は音響チャネルとなる。しかし、エネルギ波は、特に上記の米国特許第6621278号に記載された変調技術を使用する場合、光、赤外線、高周波等のような電磁波とすることもできることは理解されるであろう。
【0016】
下述する一部の実施形態は、変位が感知かつ測定される変位型センサであり、他の記載の実施形態は、変位の変化の速度が検出かつ測定される加速度型センサである。
【0017】
図1は、本発明に従って構成された装置の一形態を概略的に示すブロック図である。図示した装置は、矢印Pによって示すように、測定すべきパラメータ、この場合は圧力にさらされる一つの面を有するセンサ10を含む。センサ10は、一般的に13で示された軟質の圧力圧縮可能な弾性材料体内に相隔たる関係に埋め込まれた、音響トランスミッタ11および音響レシーバ12を含む。センサ10の反対側の面、つまり圧力Pを受ける面の反対側は、圧力Pを加えると、加えられた圧力の大きさに応じてトランスミッタ11がレシーバ12に向かって変位するように、比較的剛性の支持部材または基台14によって係合されるか、またはその上に装着される。センサ10はしたがって、レシーバ12に対するトランスミッタ11の変位または相対位置を測定することで圧力Pの正確な測定が実現するので、変位型センサである。
【0018】
レシーバ12に対するトランスミッタ11の位置は、上記の国際出願および米国特許に記載された方法および装置に従って正確に測定される。したがって、装置は、トランスミッタ11およびレシーバ12を制御して、二つの間の相対位置の変化の正確な測定が実現するようにするための、一般的にCPCと指定された制御および処理回路機構を含む。図1に示し、かつ図2に関連して以下でさらに詳述する、制御および処理回路機構CPCは、トランスミッタ回路15、レシーバ回路16、およびトランスミッタ11とレシーバ12との間の間隔の変化を測定し、かつ例えばディスプレイ17a、アラーム17b、および/または制御装置17cに対して出力を生成する、変位測定回路17を含む。
【0019】
図2は、図1の制御および処理回路機構CPCをさらに詳しく示す。上記の国際特許出願および米国特許により詳細に記載されている通り、そのような回路機構は次のように構成されかつ動作する。
【0020】
最初に、スイッチ22が閉じられると、発振器21は付勢され、トランスミッタ11に一連の音響パルスを、そのようなパルスがレシーバ12によって受信されるまで発信させる。ひとたびパルスがレシーバ12によって受信されると、スイッチ22は開くので、レシーバ12によって受信されたパルスはその後、トランスミッタ11を制御するために使用される。
【0021】
図2に示す通り、レシーバ12によって受信された音響信号は、入力23aを介して比較器23に送られる。比較器23は、受信信号内の所定の基点または基準点を検出するように、所定のバイアスに接続された、第二入力23bを含む。図2に示した例では、この所定の基点は、受信信号の「零」クロスオーバ点であり、したがって比較器23の入力23bは零バイアスである。
【0022】
比較器23の出力は増幅器24、例えば、トリガされるとレシーバ12によって受信された信号内の各基点(零クロスオーバ点)で出力を生成する単安定発振器に、送られる。増幅器24からの出力はORゲート25を介して、次の音響パルスのためにトランスミッタ11をトリガするために送られる。スイッチ22は開いているので、トランスミッタ11はこうして、レシーバ12によって受信された各信号によってトリガされ、連続パルスにおける次の音響パルスを発信する。
【0023】
したがって、トランスミッタ12からの出力パルスまたは信号の周波数は、トランスミッタ11とレシーバ12との間の間隔の変化により変化することが分かるであろう。また、トランスミッタ11によって発信され、レシーバ12によって受信される信号の波長数またはパルス数が、整数となることも分かるであろう。トランスミッタとレシーバ11との間の波数を整数に維持しながらのトランスミッタ11による周波数のこの変化は、トランスミッタとレシーバとの間の距離の正確な決定を行なうことを可能にする。カウンタ26、カウンタ27、クロック28、およびマイクロプロセッサ29を含む加算回路機構は、検出された周波数差、およびそれによって測定精度を、「N」倍に増加することを可能にするので、適切な周波数、クロック28のクロックレート、およびカウンタ27の加算因数「N」を選択することによって、測定精度をほとんど無制限に事前設定することができる。
【0024】
図2にさらに示す通り、制御および処理回路CPCのマイクロプロセッサ29からの出力は、17a、17b、および17cに概略的に示すように、表示、警報、および/または制御目的に使用することができる。
【0025】
そのような装置の構成および動作のさらなる詳細は、参照によって本書に組み込む上記の国際出願および米国特許第6621278号から入手可能である。例えば、米国特許第6621278号は変調機能および遅延線機能をも含み、それらは、様々な型のパラメータを測定するためのそのような装置の可能な用途を著しく拡張する。
【0026】
上記の国際出願および米国特許に記載された方法および装置の特定の実現は、変形可能な膜、ベローズ、ばね装着部材、または変位可能なプランジャの形のセンサを利用した。しかし、今や、図1および2に示した上述した構成のセンサ、つまり軟質弾性材料体13を含み、好ましくはトランスミッタ11およびレシーバ12を相互に相隔たる関係に埋め込んだものを利用することにより、検出かつ測定される変位のかなり高い感度を達成することが可能になることが明らかになった。
【0027】
したがって、トランスミッタ11とレシーバ12との間の軟質弾性材料体13が、トランスミッタとレシーバとの間の音響チャネルを画定することが分かるであろう。また、センサに加えられる圧力Pが、この音響チャネルの有効長を変化させるので、トランスミッタからレシーバまでの音響パルスの通過時間を測定することによってチャネルの瞬間的な長さを測定することで、センサに加えられた圧力の測定が実現されることも分かるであろう。したがって、図1および2のセンサは、変位または音響チャネルの有効長の測定で、センサに加えられた圧力の測定が実現される、変位型圧力センサである。図2に示した回路は特に高い感度で変位を検出し、センサに加えられる力Pの特に高精度の測定を行なうことを可能にする。
【0028】
図1および2に示した変位型センサは、トランスミッタ11とレシーバ12との間に軟質弾性材料13によって画定される音響チャネルの有効長を変化させる、他のパラメータの高精度の測定をもたらすためにも使用することができることは理解されるであろう。他のパラメータの例として、以下でさらに詳述するように、トルク、遠心力、呼吸性脈動、血圧脈動、重量等が挙げられる。
【0029】
また、以下でさらに詳述するように、センサは慣性部材として働く錘を含み、変位の変化が検出されてそれぞれのパラメータの測定が実現されるために使用される、加速度型センサをもたらすことができる。そのような加速度型センサは、変位が頻繁にまたは急速に発生する場合に、特に有用である。
【0030】
図1および2における弾性体13の好適な材料はシリコーンゴムコンパウンドであり、例えばスムーズ・オン社によって商標「Dragon Skin」および「Dragon Skin Q」のもとに供給されるもの、ニュージャージ州クランベリのローディア社によって商標「Rhodorsil」RTV−585のもとに供給されるもの、およびジェネラル・エレクトリック社によって供給されるRTVシリコーンゴムコンパウンドである。弾性材料は好ましくは5〜60、より好ましくは7〜20のショアA硬度を持つ必要がある。以下に記載する多くの適用例では、10のショアA硬度で最良の結果が得られることが分かった。
【0031】
そのような材料は、高い音波透過率特性および低い音波減衰特性を持つ。それらはまた、鋼より105倍低いヤング弾性率、および約0.5のポアソン比によって特徴付けられる。これらの特性は、本発明に従って構成されたセンサによって達成される変位の検出に、並外れた予想外の感度をもたらすことが分かった。
【0032】
発振器21の周波数は、センサの特定の適用に大きく依存する。以下に記載する多くの適用例では、発振器21の周波数は、好ましくは500〜2000kHzの範囲であり、約700kHzが好ましい。
【0033】
図3〜39は、図1および2の装置に使用される変位型および加速度型センサの多数の構成および適用の例を示す。
【0034】
したがって、図3は、そこで一般的に30で示された変位型センサを示し、それは、測定される圧力Pを支えるように弾性体33の反対側の面を装着部材34に装着された弾性体33に埋め込まれた、音響トランスミッタ31および音響レシーバ32も含む。この場合、弾性体33には、トランスミッタ31が埋め込まれた第一脚33a、およびレシーバが埋め込まれた第二脚33bが形成され、二つの脚を橋絡するブリッジ33cを介して、レシーバがトランスミッタ31からの音響パルスを受信する。そのような構成はしたがって、トランスミッタとレシーバとの間に比較的長い音波伝達経路を有するコンパクトな構造の音響チャネルを提供する。
【0035】
図4は、弾性体43の一本の脚に埋め込まれたトランスミッタ41と、ブリッジを介してトランスミッタと連絡する別の脚に埋め込まれたレシーバ42と、弾性体43を装着するための装着部材44とを含む、図3の場合と同様の構成の、一般的に40で示された加速度型センサを示す。しかし、この場合、弾性体43のブリッジ端は、その変位により弾性体に加えられる力を生じる、慣性部材として働く錘45を担持する。したがってセンサ40は、弾性体の線形加速度を測定するための加速度計として使用することができる。以下に述べるように、そのようなセンサは、弾性体の回転中に錘によって発生する遠心力の変化を感知することによって、弾性体の角速度または回転速度の変化を測定するためにも使用することができる。
【0036】
図5は、個人の呼吸速度または心拍数を測定または検出するために、個人の胸部に適用する場合の、一般的に50で示されたセンサの適用の一例を示す。そのような適用の場合、相隔たる位置に埋め込まれたトランスミッタ51およびレシーバ52を含む、53で示された弾性体は、胸部の拍動性の動きによって生じるトランスミッタとレシーバとの間の位置の変化が、個人の呼吸速度および/または心拍数の測定をもたらすように、所定の圧力を加えながら、例えば弾性バンド55によって患者の胸部に固定される。
【0037】
図5に示されたセンサ50は、図4に示すような加速度計型、または図3の変位型のみならず、以下に述べる他の構成とすることもできる。
【0038】
図6は、個人の手首に適用され、したがってリストバンド65を含むことを除いては、図5と同じ構成とすることのできる、個人の脈拍を検出および測定するための、一般的に60で示されたセンサを示す。図6に示すセンサ60は、図5に関連して上述したように、加速度計型または変位型とすることもできる。
【0039】
図7は、弾性体73内に相隔たる関係に埋め込まれたトランスミッタ71およびレシーバ72を含む、図1および2と同様の構成のセンサ70を示す。この場合、弾性体73の片側に、図1および2の制御および処理回路CPCの少なくとも一部分を含むプリント配線基板74が担持される。弾性体73の反対側には、残りの回路機構を含む別のプリント配線基板75および/または図4のようにセンサが加速度計として働くことを可能にするための錘を担持することができる。
【0040】
図8は、個人の指の拍動性血流および指の温度を感知するための指プローブとして働くように、本発明に従って構成されたセンサ80を示す。この目的のために、センサ80は、84で示すように変位を測定するための出力を生じるべく、上述の通り、相隔たる関係に埋め込まれたトランスミッタ81およびレシーバ82を有する弾性体83を含む。
【0041】
しかし、この場合、弾性体83は、第二音響トランスミッタ85と、そこから間隔を置いて配置されるが、指の温度にさらされる感温材料(例えば金属)の経路87によって橋絡された、第二音響レシーバ86とを含む。トランスミッタ85とレシーバ86との間の音波の速度は、金属経路87の温度の変化によって変化するので、制御および処理回路機構CPC(図1、2)は、上記の国際出願により詳しく記載されているように、88で示すように、測定された温度の出力を生じる。この温度測定は、表示のためにディスプレイに出力することができ、かつ/または図8のブロック89によって概略的に示すように、変位測定84の温度補償のために使用することができる。
【0042】
したがって、図8に示した装置は実際、所定のパラメータを感知するためのそれ自身の音響チャネルを各々有する、二つのセンサを含むことが分かるであろう。したがって、トランスミッタ81とレシーバ82との間の軟質弾性材料83は、変位を感知する一つの音響チャネルを画定する一方、トランスミッタ85とレシーバ86との間の感温経路87は、温度を感知する第二音響チャネルを画定する。両チャネルは、感知されるパラメータに応じてそれぞれのチャネルのトランスミッタからレシーバまでの音波の通過時間の変化を生じる。したがって、トランスミッタ81とレシーバ82との間で軟質弾性材料83によって画定されるそれらの間の音響チャネルは、測定されるパラメータ(圧力)に対応してその有効長を変化させる一方、トランスミッタ85とレシーバ86との間の音響チャネルは、測定されるパラメータ(温度)に対応してその音波透過率を変化させる。
【0043】
図9a〜9cは、ベッドに寝ている個人の状態を監視するために使用される本発明の装置を示す。測定装置の極めて高い感度は、動き、呼吸または呼吸の停止(無呼吸)の検知のみならず、個人の心臓活動の検知をも可能にすることが分かった。
【0044】
したがって、図9aに示す通り、センサ(90a〜90c)はベッドBDの四本の脚の各々の下に挿入される。図9bに示すように、各センサは上述した構造であり、平坦な装着部材94上に装着された弾性材料の本体93中に相互に相隔たる関係に埋め込まれたトランスミッタ91およびレシーバ92を含む。ベッドの脚が95で示すようにホイールまたはローラ上に装着される場合、センサ90の上端には、ローラまたはホイール95を受け止めるように形作られたキャップ96が設けられる。図9cは、四個のセンサ90a〜90dを直列に接続して制御および処理回路98に出力を発生する電気回路接続を示す。
【0045】
したがって、図9a〜9cに示された構成は、ベッドの占有者の動きのみならず、バイタルサイン(呼吸、心臓活動)の検出も可能にすることが分かるであろう。図9cのようにセンサの出力を統合のために直列に接続する代わりに、出力は並列に接続することもでき、その場合、各出力信号は相互に独立している。好適な代替例は、結果的に得られる周波数が全てのセンサの総遅延に依存するように、幾つかのセンサのループ全体を流れるレシーバからトランスミッタへのフィードバックを持つことであろう。つまり、システムが一つの測定チャネルのみを必要とするように、一個のセンサのレシーバが、ループにおける次のセンサのトランスミッタをトリガすることであろう。また、一個だけまたは二個のセンサを使用することができる。センサを接続するために使用されるワイヤは、ベッドフレームに取り付けることができる。センサは耐水性にすることができ、かつ数グラムの力に関与する非常に小さい動きまたは振動を感知することができるような高感度に設計することができる。
【0046】
図10は、褥瘡を防止するために適用される本発明のセンサを示す。この目的のために、多数のセンサ100a、100b〜100nを、何らかの動き、血流の変化等についてマットレスと接触している個人の身体の特定の領域を感知するように、マットレス101の下に、希望する任意の個数およびパターンに配置することができる。全てのセンサは、動きが検出されない場合、または所定の領域内で所定の時間内に血流量が降下した場合、個人の姿勢を変えさせ、それによって褥瘡が発生する可能性を低下または除去するように、マットレスまたはベッドをシフトさせるために、ベッドシフタ103を作動させるのに有効な、制御および処理回路機構102に接続される。
【0047】
本発明に従って構成されたセンサは、非常に高い感度を達成することを可能にするので、それらはマットレス101の下、マットレス内、または個人の身体と直接接触するようにマットレスの上面に配置することができることが分かった。
【0048】
図10は、褥瘡を防止するためにマットレスに適用されたシステムを示すが、同じシステムを車椅子のシートパッド内に含めることができる。また、制御される装置はベッド用のシフト装置、マットレス、またはパッドシフタであるが、影響を受ける領域をマッサージまたは振動させるように、マッサージまたは振動装置を制御することもできる。加えて、それらは無呼吸モニタとして働くことができ、ベッドが二人の人間によって占有されるダブルベッドである場合、それぞれの側に一個づつ、二個のそのようなセンサを使用し、いずれかのベッド占有者に対して監視される緊急状態(すなわち呼吸または心臓の状態)が検出された場合に作動するように、共通アラームに接続することができる。
【0049】
図11は、いびき防止装置としての本発明の適用を示す。そのように使用される場合、好ましくは加速度型の110a〜110nに示す一個またはそれ以上のセンサを、個人の胸部、ベッド、スタンド、および/または枕に適用して、制御および処理回路機構112への出力を生成させることができる。後者の回路は、「いびき」の発生を示す出力を認識し、いびきを止めさせる目的で、まくらをシフトさせるか、または別の邪魔(例えば静かにつつく)を個人に対して生じさせるべく、まくらシフタ113を自動的に作動させるように、プログラムされる。したがって、図11に示した構成は、いびきの量をゆっくりとゼロまで減少させる目的で、いびきが検出されるたびに、ユーザが邪魔される生体フィードバックシステムを提供する。
【0050】
図12〜14は、個人の脈拍数、血圧、または他の心血管の状態を測定するための様々な型の指プローブに適用された本発明を示す。
【0051】
図12において、そこに120で示されたセンサは、個人の指に受容されるようにリング状である。それは、環状の弾性材料体123内に埋め込まれたトランスミッタ121およびレシーバ122を含む。弾性体123は片側にエアキャビティ124が形成され、それによって反対側に、トランスミッタ121からレシーバ122への音響パルスのための音響チャネルが画定される。図12に概略的に示すように、トランスミッタ121およびレシーバ122は、指の拍動性血流から結果的に生じる音響経路の長さの変化の測定をもたらす、制御および処理回路125に接続される。
【0052】
図13は、トランスミッタ131およびレシーバ132が弾性体133の片側で半径方向に整列して配置されて半径方向に延在する音響チャネルが生成され、かつ弾性体が楕円形であり、センサの開口内に受容された指に圧縮性であるが非閉塞性の力が加わることを除き、図12と同様のセンサ130を示す。上述の通り、個人の指の拍動性血流は、脈拍数の測定をもたらすトランスミッタ131とレシーバ132との間の相対位置の変化によって感知される。
【0053】
図14は、リング形の弾性体143内の相隔たる位置に埋め込まれたトランスミッタ141およびレシーバ142を含む、図12および13のそれと同様の指プローブ型センサ140を示す。しかし、この場合、リングはバンド144によって閉じられており、それはリング内に受容された指に所定の圧縮力を加える。バンド144の存在はまた、音響パルスを所望の音響経路を介してトランスミッタ141からレシーバ142に向かわせる。
【0054】
図15は、オシロメトリックな方法に従って血圧を測定するためのシステムに使用され、そこに15で示されたセンサを示す。図15に示したシステムは、手動ポンプ153および一方向弁154によってチューブ152を介して膨張可能なカフ151を含む。チューブ152は、カフが所望の圧力まで膨張すると自動的に閉じる、弁155をさらに含む。そのように膨張すると、カフ151内の圧力は、カフに形成された小穴156によって徐々に低下する。
【0055】
カフ内の圧力は、チューブ157によってカフに接続されたセンサ150によって、連続的に監視される。センサ150は、上述したようにセンサを制御し、かつセンサによって検知されたカフの圧力測定を出力するために、制御および処理回路158に電気的に接続される。
【0056】
カフ151は、被験者の指に受容され、したがって指の動脈血流を感知するような寸法にすることが好ましい。しかし、カフ151は、従来のオシロメトリックな血圧測定方法の場合のように、人間の腕を取り囲む寸法にすることもできる。
【0057】
この血圧測定の方法では、カフ151はポンプ153によって患者の収縮期圧を超える圧力まで膨張されるとすぐに、弁155は自動的に閉じる。カフ151(または接続チューブ157)の小穴156は、カフ内の圧力を徐々に低減させる。制御および処理回路機構158によって制御される圧力センサ150は、カフ内の圧力を連続的に測定し、そのような測定の出力を生成する。
【0058】
この血圧測定の技術によると、患者の脈拍の拍動から生じる患者の動脈内の血圧の変動は、膨張したカフ151に伝達され、カフが徐々に収縮するときにカフ内のわずかな圧力変動を引き起こす。したがって、制御および処理回路機構158に表われる圧力センサ150からの出力は一般的に低下するカフの圧力を表わすDC成分、および患者の脈拍の拍動に関連付けられる一連の小さい周期的変動である。これらの小さい変動は、しばしば「オシレーションコンプレックス(oscillation complex)」または単に「オシレーション」と呼ばれる。患者の血圧は、これらのオシレーションコンプレックスの解析に基づき、公知のオシロメトリックな血圧測定方法に従って推定することができる。
【0059】
本発明に従って構成されたセンサ150によって達成可能な変位に対する抜群の高感度のため、そのようなセンサは、この血圧測定方法に特に有用である。
【0060】
図16は、例えば自動車のトランスミッションシステムにおける駆動軸のトルクを測定するための本発明の適用例を示す。それはまた、本発明の別の特徴、つまり測定における温度ドリフトの影響(または他の過渡的効果)を除去または低減するための特徴をも示す。
【0061】
図16に示す装置は、音響チャネルを画定する弾性材料体163内に埋め込まれたトランスミッタ161およびレシーバ162を含む、各々上記と同一構成の二個のセンサ160a、160bを含む。二個のセンサ160a、160bはそれらの端の一方が車両のトランスミッションシステムのフライホイール165に固定され、反対側の端は相互に対面しかつ相互に整列する。
【0062】
車両の駆動システムの駆動軸166には、センサ160a、160bの対向端の間に配置され、かつそこに固定されたアーム167を備える。二個のセンサは、一方のセンサの出力周波数が他方のセンサの出力から減算されるように、制御および処理回路機構165に減法的に接続される。
【0063】
駆動軸166が矢印の方向(時計回り)に回転していると仮定すると、駆動軸に加わるトルクの増加がセンサ160aを圧縮させ、センサ160bを膨張させることが分かる。したがって、センサ160aの出力周波数は増加し(+Δf)、センサ160bの出力は減少する(−Δf)。他方、温度ドリフト(ΔfT)、速度、または他の過渡的影響は、両方のセンサに関して同一である。したがって、各周波数の温度ドリフト成分はもう一方から相殺されるので、センサ160bの出力をセンサ160aの出力から減算することにより、2Δfの関数である出力トルク(T)が得られる。したがって、
【0064】
したがって、図16に示した構成は、温度ドリフトの影響(および他の過渡的影響)を除去または低減するだけでなく、出力信号をかなり増大させる。加えて、図16に示す軸AS以外のいずれかの軸に沿って二個のセンサに加えられる力は、二個のセンサの出力周波数に対して、温度ドリフトの場合と同様の影響を持つので、一方のセンサの出力周波数がもう一方から減算されるときに、これらの力(速度の変化による遠心力など)も相殺される傾向があり、したがって図16の軸ASは実質的に感度の唯一の軸となる。
【0065】
測定の精度を向上する、図16に示した適用例における上述の特徴は、前述したような、あるいは下述するような、多くの他の用途でも使用することができることは理解されるであろう。
【0066】
図17は、座席の乗員の状態を監視するため、かつ/または乗員の有無または乗員の重量に従ってエアバッグを制御するために、(例えば子供と大人を区別するために)、車両の座席に適用された本発明のさらなる適用例を示す。したがって、図17は、特定の用途に応じて座席の様々な位置に担持された一個またはそれ以上のセンサ170a〜170nを含む、車両の座席VSを示す。図17はさらに、様々なセンサを制御し、かつ、例えば図1および2に関連して上述したように所望の出力を生成するための、制御および処理回路機構176を示すが、出力がエアバッグを制御するように意図されている場合、エアバッグアクチュエータ177をさらに含む。例えば、エアバッグは、座席が占有されていることを示す呼吸または脈拍がそれぞれの車両の座席から検出されていた場合にだけ、作動するように制御することができる。検出される呼吸および/または脈拍数はまた、例えば子供と小柄の大人とを区別するため、かつエアバッグの作動をそれに応じて制御するために、乗員の体重と一緒に検出することもできる。
【0067】
図18a〜18cは、行列状に配設された多数のセンサ180a〜180nを含み、各センサが弾性体183内に相隔たる関係に埋め込まれた音響トランスミッタ181および音響レシーバ182を含む、一般的に180で示されたセンサアセンブリを示す。弾性体183は全てのセンサ180a〜180nに対し共通とすることができ、あるいは各々のそのようなセンサ毎に別個とすることができる。全てのトランスミッタおよびレシーバは、センサを制御しかつそれらの出力を受け取るために、センサを順次走査するスキャナ186を介して、共通の制御および処理回路185に接続される。
【0068】
したがって、図18a〜18cに示すそのようなセンサアセンブリは、上記適用例の幾つかで、例えば図9a〜9cのベッドまたは車椅子の適用例でバイタルサインを検出するため、図10の適用例で褥瘡を防止するため、または図17のエアバッグ制御装置で体重、呼吸、および/または脈拍数を感知するために、使用することができる。アセンブリの動作要素は全てプラスチック(弾性材料)内に埋め込まれるので、そのようなセンサアセンブリは、耐水性キーボードまたは他の入力装置としても使用することができる。センサアセンブリの耐水特性はまた、水にさらされたときに危険を生じるおそれのある洗濯機、温水器、または類似物のような、様々な型の器具を制御するための電気スイッチまたは他の入力装置として、それをシングルセンサユニットまたはマルチセンサユニットで使用することをも可能にする。
【0069】
図19は、加圧容器195内の圧力を測定するために使用される、上記構成のいずれかによるセンサ190を示す。図20は、加圧管205内の圧力を測定するために使用される、そのようなセンサ200を示す。
【0070】
図21は、秤に置かれた物体の重量を測定するために、秤215を支持するように上述のとおり構成された、センサアセンブリ210を示す。図21に示した例では、秤215はその四隅の各々を、温度を補償するために図16に関連して上述したように差分または減法関係に配設された、二個のセンサ210a、210bのアセンブリによって、懸架状態に支持される。
【0071】
図22は、センサを浸漬した液体225の密度を測定するために使用される、220で示されたセンサを示す。例えば液体は水泳プール226内の水とすることができ、測定される密度は水中の塩素の濃度またはpHを示す。好ましくは、図22に示されたセンサ220は、図8に関連して上述したように、例えばセンサ220によって出力された測定の温度補償を達成するために、感温センサ素子227をも含む。センサ220はまた、それが水体または他の液状体中に浸漬された深さを測定するための水深計として使用することもできる。
【0072】
図23は、本発明に従って構成された、磁界の強度を測定するためのセンサを示す。一般的に230で示されたそのようなセンサは、上述した構成のいずれかとすることができ、センサの音響チャネルを画定する弾性材料体233に相互に相隔たる関係に埋め込まれた音響トランスミッタ231および音響レシーバ232を含む。しかし、この場合、センサによって感知される磁界に応じて音響チャネルを圧縮または拡張する力を生じるように、弾性材料体の一端または両端に、234で示すように磁石が担持される。
【0073】
図24は、回転軸242を中心に回転可能な本体241に装着された二個の加速度型センサ240a、240bを含むアセンブリを示す。両センサ240a、240bは、図4に関連して上述した通り、錘245a、245bをそれぞれ含む。しかし、この場合、センサ240aは、その錘245aが半径方向に外側に配置されるように、回転体241によって担持される。したがって、センサ240aは、錘によって生じる遠心力の測定、およびそれによって回転体241の回転速度の測定をもたらす。他方、センサ240bはその錘245bが該センサに対して接線方向に延びるように配向され、したがってその出力は、回転体241の線形速度の測定となる。
【0074】
図25は、ピトー管測定技術に基づいて流体媒体中の物体の線形速度を測定するために、例えば空気中の航空機の速度を測定するために、本発明に従って構成された、一般的に250で示されたセンサを示す。ピトー管は走行の方向に向けられる。それは、ピトー管の一端における一対のチャンバ251、252と、車両の走行方向に向けられかつチャンバ251と連通する主通路253と、車両の走行方向に対し直角に向けられかつ両チャンバ251、252と連通する複数の開口254とを含む。
【0075】
したがって、チャンバ251内の圧力は、通路253を介して感知される動圧(PP)と通路254を介して感知される静圧(PS)との合計である全圧(PT)である一方、チャンバ252内の圧力は、通路254を介して感知される静圧(PS)のみとなることが分かる。
【0076】
チャンバ251内の全圧はセンサ250aによって測定され、チャンバ252内の静圧は、センサ250bによって測定される。両センサは、弾性体内に相隔たる関係に埋め込まれた音響トランスミッタおよび音響レシーバによって画定される音響チャネルを含む、上述した構成のいずれかとすることができる。
【0077】
速度Vによって生じる動圧(PD)は、センサ250bによって感知された静圧(PS)をセンサ250aによって感知された全圧(PT)から減算することによって決定することができることが分かる。そのように決定された動圧(PD)は次いで、次の公知の方程式に従って弾性体の速度を決定するために使用することができる。
ここで、PTはセンサ250aによって測定された圧力であり、PSはセンサ250bによって測定された圧力であり、rは空気密度の局所的値である。
【0078】
図26は、ハウジング261を含み、一般的に260で示された加速度型センサに具現された本発明を示す。ハウジング261は、図5に示す要領で、呼吸および/または心臓活動を検出するために、例えば弾性ベルト262によって患者の身体PBにセンサを装着するための装着部材として働く。しかし、この場合、センサ260は、一端262aがハウジング261に枢着されたアーム262を含む。アーム262の反対側の端262bの一面は、接着剤などによって、相互に相隔たる関係に中に埋め込まれた音響トランスミッタ263aおよびレシーバ263bの間に音響チャネルを画定する軟質弾性材料体263の一端に固定される。軟質弾性体263の反対側の端は、接着剤などによって、ハウジング261の内面に固定される。枢着アーム262の端262bの下面には、例えば接着剤によってそこに固定された錘264が担持される。
【0079】
図26に示した構成は、患者の身体PBの呼吸および心臓の動きを検出し、そのような動きの非常に正確な測定をもたらす、極めて高感度の加速度型センサを提供する。
【0080】
図26に示した加速度型センサは、患者の心臓活動すなわち脈拍によって生じる変位を検出しかつ測定するために、患者の身体の別の体表に、例えば手首または腕に装着することができることは理解されるであろう。そのような加速度型センサは、高速の行動または高周波運動の高感度の検出または測定が要求される、地震検知器、セキュリティフェンス等のような、多くの非医療用途にも使用することができる。
【0081】
図27は、相隔たる音響トランスミッタ272とレシーバ273との間に狭幅音響チャネルを画定するように、軟質弾性材料271が狭幅ストリップの形態である、一般的に270で示されたセンサを示す。図27に示したセンサはさらに、狭幅音響チャネル内のもの以外の音を吸収するのに効率的なダンパまたは吸音材を含む。図27は、音響チャネルの両端のそれぞれにある、予備成形体274、275としてのダンパを示す。ダンパ274、275の適切な材料は、高い音波減衰特性を有する比較的軟質のゴムである。図27は音響チャネルの両端にだけ適用されたダンパを示すが、そのようなダンパ材は、下面など、音響チャネルの追加的表面に適用することができることは理解されるであろう。
【0082】
図28は、図27に示す構成のストリップ型センサ素子270を有する、加速度型センサ装置280を示す。したがって、センサ280は、センサ素子270を二本の柱282、283の間に懸架状態に装着するハウジング281を含む。ハウジング281は、センサ素子270の中間部分と係合可能な垂下突起285を一端に有する錘284をさらに含む。錘284の反対側の端(図示せず)は、センサ素子270の中間部分が錘284の変位によって(さらに詳しくは変位の変化率によって)撓むように、ハウジング281に枢着される。したがって、図28に示した加速度型センサ装置280は、動きを検出および/または測定するための高感度手段をも提供し、したがって図26に関連して上述した用途にも使用することができる。
【0083】
図29および30は、ハウジング内のチャンバの圧力を感知するために図27のストリップ型センサ素子270を利用する、圧力センサ装置290のそれぞれ組立図および組立分解図である。センサ290は、その圧力を測定しようとする流体用のポート293と連通するチャンバ292を画定する、ハウジング291を含む。この目的のために、チャンバ292は、図27に関連して上述した構成のセンサ素子270を担持する膜293によって、膜およびセンサ素子がチャンバ内の圧力に対応して変形できるように、閉鎖される。例えば膜293は、センサ素子270の狭幅音響チャネルにおける音波以外の音波を吸収するダンパとしても働くように、高い音響減衰特性を有する軟質ゴム製とすることができる。
【0084】
センサ装置290は、ブロック295と、圧力チャンバ292の上に膜294を固定するためのカバー296とをさらに含む。ブロック295には、センサ素子270のトランスミッタおよびレシーバへのアクセスを提供するキャビティ297が形成され、かつセンサとの適切な電気接続を行なうための電気コネクタ298が含まれる。
【0085】
図31は、図5に関連して上述したような、センサの伸張変位を検出および/または測定するのに特に有用なセンサ装置310を示す。したがってセンサ310は、音響トランスミッタ272と音響レシーバ273との間に軟質弾性材料の狭幅音響チャネル271を有する、図27に関連して上述した構成のストリップ型センサ素子270を含む。図31に示す構成では、センサ素子270は、呼吸および/または心臓活動を検出するための胸部バンドのような弾性部材311上に装着される。したがって、患者の呼吸および心臓活動は、弾性部材311およびセンサ素子270の狭幅音響チャネルの軟質弾性材料271の拡張および収縮を生じ、それによってセンサがそのような呼吸または心臓活動を高感度で検出および/または測定することが可能になる。
【0086】
センサ素子270の弾性部材311は、センサ素子270によって画定される狭幅音響チャネル内のもの以外の音波を吸収するように、高い音波減衰特性を有する軟質ゴムのような材料製であることが好ましい。
【0087】
図32は、エアフォイル321のような物体の表面に適用して、その変形および/またはそこの圧力分布を測定する、一般的に320で示されたセンサアセンブリを示す。したがって、センサアセンブリ320は、エアフォイル321の表面に適用されかつそれに順応する大きい表面積の、322で示す軟質弾性材料体を含む。軟質弾性材料体322は、弾性体内に配置された323および324で示すような複数の音響トランスミッタおよびレシーバの対を含み、各対がそれらの間の軟質弾性材料322の部分と共に別個の音響チャネルを画定して、それぞれの音響チャネルによって占有されるエアフォイル321の表面の変形および/または圧力分布を検出および/または測定するようにする。
【0088】
代替的構成として、エアフォイル320の表面の変形および/または圧力分布は、エアフォイルの表面に固定された、各々図27に関連して上述した構成の複数の個別ストリップ型センサ素子270によって検出および測定することができる。
【0089】
図33は、本発明に従って構成されたセンサ340を組み込んだ、一般的に330で示された、携帯電話機、PDA、または類似物のような手持ち式携帯電気装置を示す。携帯電気装置330はいずれかの従来の構成とすることができる。例として、それは、ディスプレイウィンドウ332が形成され、かつ電話番号をダイヤルするため、または他の情報を入力するための多数のキー333を担持する、ケーシング331を含むものとして示されている。電気装置330に含まれるセンサ340を、図34および35により詳細に示す。
【0090】
図34および35に示すセンサ340は変位型センサである。それは、ボタンとして構成され、ハウジング331に形成されたスロット334内に受容された、軟質弾性材料体341を含む。音響トランスミッタ342および音響レシーバ343は、トランスミッタとレシーバとの間の弾性体の部分が、トランスミッタによってレシーバへ発信される音波のための音響チャネルを画定するように、軟質弾性体341の両側に固定される。軟質弾性材料体341には、下述するようにユーザの身体によって係合可能となるように、ハウジング331の外方に突出する外側凸面344が形成される。弾性体341は、弾性体341の外面に一体的に形成された小球状突起のような変形可能なスペーシング要素345を含み、弾性体の内面をハウジング331の側面から間隔を置いて配置させて、センサの外面344がユーザの身体部分によって係合されたときに、トランスミッタ342とレシーバ343との間の弾性体341の膨張および収縮を可能にする。弾性体341の底面ならびにトランスミッタ342およびレシーバ343によって占有されない弾性体の二つの側面は、346、347、および348でそれぞれ示すように、音吸収材をライニングすることが好ましい。
【0091】
したがって、センサ340は、拍動がトランスミッタ342とレシーバ343との間の音響チャネルの有効長の変化(圧縮および拡張)を生じ、それによってユーザの脈拍の高感度の検出および/または測定がもたらされるように、ユーザが指を弾性体341の外面344に当てることによって、脈拍数を検出および/または測定することができる。手持ち式ユニットはまた、ユーザの呼吸がトランスミッタ342とレシーバ343との間の音響チャネルの圧縮および拡張を生じるように、弾性体341の外側表面344をユーザの胸部に押し付けることによって、呼吸を検出および/または測定するためにも使用することができる。
【0092】
図36は、慣性部材として働き、それによって加速型のセンサつまり検出された変位の変化率に応答するセンサを形成する、錘361を含むことを除き、図34および35に示されたセンサ340と同様の構成のセンサ360を示す。
【0093】
変位型センサ(図34、35)または加速度型センサ(図36)を携帯電話機に組み込む重要な利点は、表示、診察、さらなる処理、格納等のために、脈拍数、呼吸速度等の測定を電話で遠隔地に送信することができることである。
【0094】
そのような電話機の可能なさらなる用途は、特に図36に示すような加速度型センサを含む場合、歩数計としての使用である。したがって、ユーザがウォーキングまたはランニングを行なっている間に生じるトランスミッタとレシーバとの間の音響チャネルの圧縮および膨張は、ユーザが行なったステップを識別し、かつそれによって特定の期間中に移動したステップ数の測定をもたらす。例えば、電話機は、ウォーキングステップ中および/またはランニングステップ中にそれぞれのユーザが移動する距離について較正することができる。したがって、各ステップの長さを事前に格納した後、ユーザが移動したランニングステップまたはウォーキングステップの計数を蓄積することによって、電話機はユーザが移動した全距離の測定をもたらすために使用することができる。
【0095】
図37は、図33および34に示すような手持ち式携帯電気装置が、移動距離を測定するための歩数計として使用されることをも可能にする、一般的に370で示された別の構成を示す。そのような構成は、装置を人間の身体に支持するために使用されるベルトクリップまたは同様のホルダに錘を装着する。
【0096】
したがって図37は、センサボタン340がホルダの別の部分372に向かって外方に延出する状態で携帯電気装置330を支持するために、任意の従来の仕方でユーザのベルトに取付可能なホルダ371を示す。部分372は次に、374で示すようにその上端から錘373を枢着し、携帯電気装置330を携帯する個人の運動の各ステップが、錘371をセンサ340に対して枢動させ、それによってセンサが各ステップを識別することができるようにする。
【0097】
図38は、本発明に従って構成された異なる型の圧力センサ380を示す。それは、圧力源に接続されたポート383、384を各々有する二つの流体チャンバC1、C2にハウジングの内部を分割する変形可能な膜382を有し、膜が二つのチャンバの差圧に応じて変形するようにした、ハウジング381を含む。図27に示した構成の狭幅音響チャネルが、膜382の両側の各々に取り付けられ、膜の変形に応じてそのそれぞれのチャンバ内の圧力を検出する。したがって、トランスミッタ272a、レシーバ273a、および二つのアブソーバ素子274a、275aを含む一つの狭幅音響チャネル270aが、膜382の片側に取り付けられ、トランスミッタ272b、レシーバ273b、およびアブソーバ素子274b、275bを含む第二の狭幅音響チャネル270bが、膜の反対側に取り付けられる。ハウジング381は、狭幅音響チャネル270a、270bの各々のための電気コネクタ385、386をさらに含む。したがって、音響チャネル270aのためのコネクタ385は、そのトランスミッタ272aのための二つの端子385a、385b、そのレシーバ273aのための二つの端子385c、385d、およびそれぞれの音響チャネルに設けられた遮シールド極用の第五端子385eを含む。コネクタ386は、その音響チャネル270b内の素子用の対応する端子を含む。
【0098】
膜382の両側の二つのチャンバC1、C2の差圧は、膜に対応する変形を生じ、該変形は二つの音響チャネル270a、270bによって測定されることが分かる。
【0099】
図39は、力の温度補償測定をもたらすべく、これもまた図27に関連して上述した型の二つの狭幅音響チャネルを持つように構成された、力センサ390を示す平面図である。図39に示す力センサ390は、片面に一つの狭幅音響チャネル270cを、反対側の面に別の狭幅音響チャネル270dを担持し、したがって後者は破線で示された、円形膜(例えばゴム製)のような変形可能な膜392を装着するための装着部材391を含む。測定される力は、力感度軸を画定する軸線ASに沿って相互に整列した二つの力受容部材393、394の間に加えられる。したがって、軸線ASに沿って圧縮力が加えられると、図39に破線で示すように、装着部材391は、二つの音響チャネル270c、270dが取り付けられた円形膜392と同様に、力感度軸ASに沿って収縮し、かつ軸線ASに対して直角に拡張するように変形する。
【0100】
図39に示す通り、一つの音響チャネル270dは軸線ASと整列して取り付けられる一方、もう一つの音響チャネル270cは軸線ASに対して直角の軸線に沿って取り付けられる。したがって、音響チャネル270cは、加えられる力に応じて長さを増大する一方、音響チャネル270dは長さを減少する。温度の影響が相殺され、それによってセンサが温度変化に感応しないように、二つの音響チャネルの出力は、図16に関連して上述したように減法的に接続される。
【0101】
図40aは、重量または他の加えられる力の測定用のセンサアセンブリを示す一方、図40bは、図40aのセンサアセンブリに含まれる、一般的に400で示された固定装置の一つを示す。測定される重量または他の力は、矢印Fで示すように、略矩形で四隅の各々が固定装置400(そのうちの二つを図40aに示す)の一つによって固定されたパネル401に加えられる。固定装置400の各々は、一端がU字湾曲部405によって接合される一対の平行アーム403、404を含む。アームの一つ404にはその開端に段付き延長部404aが形成され、それによってその開端404aともう一つのアーム403の開端との間の間隔が増大する。アーム403のU字屈曲端は固定具406によって、加えられる力を受け止めるプレート401に固定され、もう一つのアーム404のU字屈曲端は別の固定具407によって、フレーム402に固定されるので、パネル401に加えられる力は、固定装置400の各々のU字屈曲部405を撓ませる。
【0102】
一般的に270で示された図27に示した狭幅ストリップ型センサは、これらの固定装置400の各々の開端でアーム403とアーム404の延長部404aとの間に固定される。各センサ270は図27に関連して上述した構成であり、音響トランスミッタと音響レシーバとの間の弾性材料の音響チャネルを含み、音響チャネルの収縮(または伸張)がそれぞれの固定装置400に加えられた力の測定をもたらす。
【0103】
図41は、本発明に従って構成され、一般的に410で示された別の狭幅ストリップ型センサを示す。この場合、狭幅ストリップセンサは、円筒形の圧力変形可能な材料体411の外面に、材料体の外周の少なくとも一部分の周りに延在するように固定される。したがって、図41に示すように、圧力変形可能な材料体411には、その対向面の間の中間に環状凹所412が形成され、その外周の少なくとも一部分にわたって延在する。凹所412内に固定されるのは、図27に示した構成の狭幅ストリップ型センサであり、弾性材料の狭幅ストリップ413、一端におけるトランスミッタ414、および反対側の端におけるレシーバ415を含む。センサは、反射した音波を抑制し、かつトランスミッタ414によって生成された音波を弾性材料の狭幅ストリップ413に閉じ込めるために、その両側に音吸収剤のダンパ素子416、417をさらに含むことが好ましい。
【0104】
したがって、円筒体411の両面に圧力が加えられると、円筒体は厚さが減少し、直径が増加し、それによってトランスミッタ414とレシーバ415との間の音響チャネル413の長さが増大する。したがって、音響チャネルの通過距離のこの増大は、加えられた力の測定を上述した方法で行なうことを可能にする。
【0105】
圧力変形可能な円筒体411はゴム製または他の音吸収材製とすることができる。加えて、狭幅センサストリップ413は、円筒体411の実質的に外周全体に延在することができるが、弾性ストリップ413によって画定される音響チャネルに音波を実質的に閉じ込めるために、センサチャネル413とは反対側で、トランスミッタは音吸収材によってレシーバから間隔をおいて配置しなければならない。
【0106】
図41に示したセンサ410は、上述した用途の多くで使用することができるが、図43に示すような無呼吸モニタで人間の心臓および呼吸活動の両方を監視するのに特に有用である。
【0107】
図42は、本発明にしたがって構成され、図43に示したような無呼吸モニタで特に有用な別のセンサを示す。したがって、図42および43に示すように、そこで一般的に420で示されたセンサは、心臓活動および呼吸活動を監視される人間(例えば、乳児、高齢患者等)によって占有されるマットレスの上、下、または内部に適用することのできる、一対のプレート421、422の間に装着される。センサ420は、一対の導電性パッド424がまたぐ開口423aが形成されたプリント配線基板423を含む。一端に音響トランスミッタ426を、反対側の端に音響レシーバ427を有する弾性材料425のストリップを含む音響チャネル型センサは、プリント配線基板423の開口423aの上に横たわるように、導電性パッド424の上に適用される。音響トランスミッタおよび音響レシーバの電気的接続は、はんだ428によって導電性パッド424に接続される。
【0108】
弾性音響チャネル425が固定されたプリント配線基板423は、弾性ストリップ425の下面を支持するように、プリント配線基板の開口423aを貫通して突出する突起429aを有する、ゴムまたは他の音吸収材の本体上に支持される。プリント配線基板423はさらに、弾性ストリップ425の音響トランスミッタおよび音響レシーバの上に置かれ、弾性ストリップ425の上面を露出させる中央開口430aが形成された、剛性キャップ430を含む。ゴムまたは他の音吸収材の別の本体431は、キャップ430と他のパネル421との間に介挿され、弾性ストリップ425の上面と係合するために、キャップ430の開口430aを貫通して突出する突起431aが形成される。
【0109】
したがって、プレート421に加わる力は、図42に破線で示すように、弾性ストリップ425を撓ませ、それによって弾性ストリップの有効長が増加し、かつそれによってトランスミッタ426からレシーバ427への音波の通過時間が増加するので、加えられた力の測定が上述した方法で達成されることが分かる。
【0110】
上述の通り、図42のセンサ420は(図41のセンサ410と同様に)、特に図43に示すような無呼吸モニタに含まれる場合、加えられる力に対して非常に敏感であるので、患者の呼吸活動および他の動きのみならず、人間の心臓活動をも検出することができる。したがって、図43に示すように、センサ420の出力は制御回路432に付与することができ、それによってそれは、ブロック433によって示すように呼吸活動の欠如、またはブロック434によって示すように心臓活動の欠如の両方を検出することができる。
【0111】
したがって、図示した無呼吸モニタは、人間を刺激する必要があるときに作動する振動器435、および警報状態を別の人間に知らせるために作動することのできるアラーム436を含む。したがって、図43に示す通り、心臓活動が所定の期間(t1、例えば5秒間)検出されない場合、直ちにアラーム436が作動する。他方、呼吸活動が所定の時間(t2、例えば20秒間)検出されない場合、その人間を刺激する目的で振動器435が作動し、呼吸活動の欠如がさらなる時間(t3、例えばさらなる10秒間)続く場合、アラーム436が作動する。
【0112】
そのような無呼吸モニタは一人の人間(例えば乳児、高齢患者)用に設けることができ、他方、二人の人間(例えば高齢者)がダブルベッドを占有する場合、アラーム状態が存在することが分かったときにいつでもアラームを作動させて、もう一人の人間に知らせるように、各人に一つずつ、二つのそのような無呼吸モニタを設けることができることは理解されるであろう。
【0113】
図42に示したセンサは、図43に示した無呼吸モニタと同様に、多くの他の用途に、例えば前述した褥瘡防止装置またはいびき防止装置に、使用することができることは理解されるであろう。
【0114】
極めて小さい変位または微小変位の検出および測定において、本発明のセンサによって達成可能な極めて高い感度のため、そのようなセンサは、患者の呼吸および/または心臓活動に従って画像システムの動作を同期化させるのに特に有用である。
【0115】
したがって、磁気共鳴画像(MRI)システムによって生成される詳細画像は、心臓周期および呼吸周期中の患者の動きによって不鮮明になることがしばしばある。患者のECG信号は、MRI装置の動作を同期化するためのゲート信号として頻繁に使用されるが、ECG信号は、ぶれを生じる機械的動きには緊密に相関しない。指プローブもまた、この目的で拍動性血流を検出するために使用されてきたが、そのようなセンサの使用もまた、心臓活動によって生じる動きと脈拍の感知との間の時間遅延を導く。
【0116】
本発明に従って構成されたセンサは、そのような検出された動きに従ってMRI装置の動作を同期させるゲート信号を生成するために、かつそれによってそのような動きによって生じるぶれを最小化または除去するために、心臓活動および/または呼吸活動から生じる極めて小さい変位を直接感知するのに特に有用である。例えば、上述した加速度型センサは、心臓活動を検出するために人間の胸部に適用することができ、かつ/または上述した変位型センサは、患者の呼吸活動を検出するために、弾性ベルトなどによって患者の胸部に、あるいは患者の身体支持部材の下に適用することができる。心臓および/または呼吸活動から生じる微小変位を検出するために、かつMRI装置の動作を同期化するためのゲート信号を生成するために、そのようなセンサを使用することによって、撮像動作中の身体の動きによって生じるぶれを最小化または除去して、これまでECGまたは拍動性血液信号によって達成可能であった画像よりずっと鮮明な画像を生成することができる。
【0117】
したがって、本発明に従って構成されたセンサは、MRI手順に特に有用であるが、それらは、CT、PET、核、超音波、およびX線撮影をはじめとする他の型の撮影にも有用である。
【0118】
さらに、そのようなセンサは心臓および呼吸活動の検出、およびそのような検出される活動に従って画像システムの動作を同期化するのに特に有用であるが、そのようなセンサは、胃の動き、腎臓における石の動き等のような患者の他の活動を検出するのに使用し、かつそれに従って画像システム野動作を同期化するために使用することもできることは理解されるであろう。
【0119】
図44〜50は、センサに関して有用な更なる特徴、および上述したそのようなセンサを利用するシステムを示す。したがって、図44および45は新規の周波数測定回路および方法に関連し、図46〜48は新規の温度補償回路および方法に関連し、図49および50は新規の周波数発生回路および方法に関連する。
【0120】
図44および45の周波数測定回路に関連して、高分解能で時間間隔を測定する従来の方法は、高周波クロック発振器を使用する。しかし、従来の発振器は高価であり、かつ大きい電流消費量を持ち、それは上述したセンサシステムの低電力および低コストの用途におけるその使用を損ねている。
【0121】
図2の方法において、フィードバックループの周波数fxが1MHz(つまり1μsecの周期)であり、測定時間が10msecであり、クロック周波数が100MHzである(つまりクロック周期または分解能が10nsecである)と仮定する。実際、10msec/1μsec(10000周期)の持続時間が測定され、1nsecの全持続時間または1nsecの周期(10000=10−4nsec)の変化を区別することが可能である。つまり、10μsecと0.9999999μsecとの間の差が区別可能である。これは1MHzに対し0.1Hzの周波数の差に対応する。そのようなシステムは非常に高い分解能を可能にするが、100MHzのクロックは結果的に上述した欠点を生じる。
【0122】
今、同じ測定条件、つまり1MHzの測定周波数、0.1Hzの偏差、および10msecの測定時間を考慮する。図44は、これを目的とする測定回路を示す。それは次のユニット、すなわち基準周波数合成器441、周波数ミクサ442、クロック発振器443、および測定ユニット444から構成される。
【0123】
合成器441は周波数fs=999.5kHzを生成する。したがって、ミクサの出力は偏差なしで1MHz−999.5kHz=500Hzとなり、測定周波数の0.1Hzの偏差があると1.0000001MHz−999.5kHz=500.1Hzとなる。
【0124】
500Hzの周波数は2msecの周期に対応し、500.1Hzの周波数は1.9996msecに対応する。5周期(10msec)の持続時間を測定し、5・(2msec−1.9996msec)(または0.002msec)の差を区別しようとする場合、この周期(0.002msec)を持つクロック383mが必要であり、それは500kHzの周波数に対応する。
【0125】
したがって、同じ分解能を達成するために、100MHzのクロックの代わりに、低周波クロック443(例えば500KHz)を使用することが可能である。他方、測定時間を(例えば1msecに)低減するために、クロックを(例えば5MHzの比較的低い値まで)増加することができる。
【0126】
図45は、周波数計およびクロック発振器を、キャプチャ機能を持つマイクロプロセッサ450で実現することができる方法を示す。つまり、内部クロック発振器によりクロックされる内部カウンタの状態を固定するために、測定周波数の各縁が内部ラッチレジスタを制御することができる。プロセッサは、ラッチレジスタの連続ステージ間の差を常時計算する。
【0127】
合成器(451、図45)は、クロック発振器出力パルスのカウンタ451として実現することができ、その周波数はマイクロプロセッサからの事前設定信号により制御することができる。ミクサ(452、図45)は、低域通過アナログフィルタ453および比較器454を伴うデジタルAND論理素子452として実現することができる。非線形ユニットと同様に、AND論理素子452はその出力に差および和周波数を生成する。低域通過フィルタ453は差正弦波周波数だけを抽出する。比較器454は方形波を生成し、それは、周波数計44で受け取られる(図44)。
【0128】
温度補償機能を示す図46〜48に関連して、温度はエネルギ伝搬の速度に影響し、かつ熱膨張を開始させ、それは上述した通り、トランスミッタとレシーバとの間の通過時間の変化を生じる。上述したセンサシステムの非常に高い感度のため、出力周波数にはかなりの温度ドリフトがあるかもしれない。ゆっくり変化する信号を測定する場合、信号変化と温度ドリフトとを区別することは非常に難しい。
【0129】
温度ドリフトは、図16および44に関連して上述した通り、二チャネル測定によって除去することができる。図46は、力を測定するために二つのセンサS1、S2を含む、そのような二チャネル測定システムを示す。図46に示すように、測定される力は、一つのセンサS1を膨張させ、かつセンサS2を収縮させるように働く。したがって、センサS2の出力周波数は増加し(+Δf)、センサS1のそれは減少する(−Δf)。最終出力信号は、一方の出力周波数を他方から減算することによって形成される。
温度ドリフトは結果的に両方のチャネルで同じ変化(ΔfT)をもたらすので、減算により温度ドリフトによって生じる変化は解消される。
【0130】
実際、図47に示す標準的方法では、各測定チャネル471、472が入力周波数とクロックの比を測定する。標準的方法は、両方の測定チャネルおよびプロセッサ474に対し特殊クロック発振器473を使用する。しかし、上述した方法の不利点は、二つの別個の測定チャネルを使用し、かつ減算アルゴリズムを実行するためにプロセッサの時間を割り当てる必要があることである。
【0131】
図48は、一つのセンサS1が単一の測定チャネルに使用され、第二センサS2が位相同期ループ(PLL)回路481の入力に接続される、改善された方法を示す。PLL回路481の高周波出力は、測定チャネル482およびプロセッサ483の両方のクロックとして使用される。温度が変化すると、測定チャネルおよびクロックの周波数がそれに比例して変化する。したがって、加えられる力は周波数の逆の変化を生じ、それによって上記比の逆の変化を生じるので、その比は変化しない。
比は処理ユニットで計算する必要が無く、むしろそれは自動的に測定チャネルの出力に反映されることに留意されたい。
【0132】
上記の通り、この技術はまた、新しい周波数発生器の構成をも可能にする。既存の周波数発生器で使用される水晶発振器は通常、電気フィードバック回路に接続された二本の電極を持つ水晶単結晶から構成されることに留意されたい。発振周波数はキャパシタンスおよびインダクタンスを持つ電気回路の共振周波数よりずっと安定している、水晶の機械的共振によって決定される。そのような発振器の不利点は、水晶が電気機械的トランスデューサおよび機械的共振器と同時に動作することである。一つの材料で異なる要件、例えばトランスデューサの高い電気機械的結合および共振器の温度安定性を結合させることは非常に難しい。水晶は発振器のための非常に優れた材料と考えられるという事実にも拘らず、多くの用途にとってその温度安定性は充分ではない。
【0133】
上述した新規のセンサは、振動の周波数が圧電トランスミッタおよびレシーバではなく、むしろチャネルの材料の特性および形状に依存するので、非常に高い温度安定性を持つ周波数発生器を提供することができる。したがって、機械的共振器および電気機械的トランスデューサに対し別個に最も適した材料を選択することが可能である。
【0134】
システムが上述の通り二つの音響チャネルを含み、各チャネルがトランスミッタと、整数個の音波をレシーバに発信するようにトランスミッタを制御するレシーバとを有し、かつ電気フィードバックを持つと仮定する。各チャネルは低い線膨張率を有する材料から作成され、該膨張率は二つのチャネルでわずかに異なる。したがって、温度が変化すると、各チャネルの整数個の音波およびよって各チャネルの周波数が変化する。図45に示す通り、チャネル周波数が等しくなり、温度の変化が逆の周波数変化を生じる特定の温度点がある。
【0135】
図50は、二つのチャネル501、502およびそれらのフィードバック503、504を含むが、低域通過フィルタ付き位相検出器505および制御装置506から構成される追加フィードバックを備えた、そのようなシステムを示す。位相検出器505の入力は、二つのチャネル501、502の出力である。制御装置506の出力は、両方のチャネルにそれらの長さを同じだけ、かつ同時に変化させる。
【0136】
特定の温度点で、周波数が等しいときに、位相検出器505の出力は零であり、制御装置506はチャネルに影響しない。温度が変化すると、両方の周波数が変化しようとする。チャネルのわずかに異なる感温性のため、これは直ちに二つのチャネルの出力に位相差を生じる。位相検出器505によって制御装置506に付与される出力信号は、チャネルに両方の周波数が等しくなるように長さを変化させる。したがって、両周波数は安定点に戻る。
【0137】
制御装置506は、以下を含め、様々な形で実現することができる。
1.それは加熱装置内に具現することができる。この場合、安定な温度点は、最大作業温度より高く選択される。したがって、環境温度が変化すると、両方のチャネルの温度は、周波数が等しい点に維持される。つまり、上記の追加フィードバックは事実上熱安定化装置である。
2.それは電気機械的アクチュエータ内に具現することができる。この場合、制御装置は、それらの温度係数に対応する比率で、チャネルの膨張または収縮をもたらす。したがって、環境温度が変化すると、両方のチャネルの長さは、周波数が等しい点に維持される。
【0138】
そのようなアクチュエータは、電圧がその電極に印加されたときに、逆圧電効果に従ってその長さを変化する圧電アクチュエータとして、電流がそのコイルに流れたときに磁歪効果に従ってその長さを変化する磁歪アクチュエータとして、またはその電気入力に応じて変位を生じる他のアクチュエータとして、様々な形に実現することができる。
【0139】
図44〜50に示す上述の特長は、図1〜43に示すように本発明に従って構成されたセンサおよびシステムに対して特に有用であるが、そのような特徴は、周波数測定、温度補償、および/または周波数発生も関与する他の用途にも有用であることは理解されるであろう。
【0140】
また、本発明を様々な好適な実施形態に関連して説明したが、これらは単に例示のために記載したものであって、本発明の多くの他の変形および適用が可能であることは理解されるであろう。例えば、センサアセンブリは、検出された状態に対応して音響チャネル通過距離の変化を検出するために、上述した軸方向に延在するセンサ(例えば図1〜9)、横方向に延在するセンサ(例えば図34〜36、および42)、または周方向に延在するセンサ(例えば図41)の一つを含むことができるだけではなく、検出される状態に対応して音響波の通過速度を変化させる、図8に示したような感温素子をも含むこともできる。加えて、上述した本発明の好適な実施形態は音響トランスミッタおよびレシーバを利用するが、センサは、可視光、赤外線、RF、または他の電磁エネルギのトランスミッタおよびレシーバでも実現することができることは理解されるであろう。
【0141】
本発明の多くの他の変形例、変化例、および適用例は明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明に係る一形態のセンサを含む測定装置を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1の装置の制御および処理回路機構(CPC)をより詳細に示すブロック図である。
【図3】本発明に係る別のセンサの構成を示す。
【図4】本発明に係る加速度型センサの構成を示す。
【図5】本発明に係るセンサのさらなる構成、およびそのようなセンサの適用例を示す。
【図6】本発明に係るセンサのさらなる構成、およびそのようなセンサの適用例を示す。
【図7】本発明に係るセンサのさらなる構成、およびそのようなセンサの適用例を示す。
【図8】本発明に係るセンサのさらなる構成、およびそのようなセンサの適用例を示す。
【図9】呼吸の休止を検出するため(無呼吸検出器)、または個人の動き、呼吸、脈拍数、もしくは他の状態を検出するための、本発明のさらなる適用例を示す。
【図10】褥瘡を防止するために使用される本発明の適用例を示す。
【図11】本発明のいびき防止の適用例を示す。
【図12】脈拍数を監視するための本発明に係るセンサを示す。
【図13】脈拍数を監視するための本発明に係るセンサを示す。
【図14】脈拍数を監視するための本発明に係るセンサを示す。
【図15】オシロメトリックな方法に従って血圧を非侵襲的に測定するための本発明の適用例を示す。
【図16】車両等のトランスミッションシステムでトルクを測定するための本発明の適用例を示す。
【図17】例えばエアバッグを制御すべく、例えば乗員の有無、重量、呼吸活動、心臓活動等を検出するために、車両の座席を監視するための本発明の適用例を示す。
【図18】キーボードまたは圧力分布センサとして使用するためのマトリックス状のセンサに具現された本発明を示す。
【図19】加圧容器の圧力を示すための圧力計に具現された本発明を示す。
【図20】パイプラインの圧力を示すための圧力計に具現された本発明を示す。
【図21】物体を秤量するための秤に具現された本発明を示す。
【図22】センサが浸漬された液体の深さ、またはセンサが浸漬されている深さを測定するための浸漬可能なセンサに具現された本発明を示す。
【図23】磁界の強度を測定するための磁界センサに具現された本発明を示す。
【図24】回転体の角速度および/または接線加速度を測定するための計器に具現された本発明を示す。
【図25】流体媒質中における物体の速度を測定するためのピトー管に具現された本発明を示す。
【図26】加速度型センサに具現された本発明を示す。
【図27】本発明に係るセンサのさらなる構成を示す。
【図28】加速度型センサとして実現された図27のセンサを示す。
【図29】圧力センサとして実現された図27のセンサを示す三次元図である。
【図30】圧力センサとして実現された図27のセンサを示す組立分解図である。
【図31】呼吸または心臓活動を検出するために個人に適用される非常に高感度の弾性ベルトまたはバンドセンサに具現された、図27のセンサを示す。
【図32】圧力分布および/または変形を検出するためにエアフォイルのような大きい表面に適用されるセンサに具現された、本発明を示す。
【図33】携帯電話機または他の手持ち式携帯電気装置に具現された本発明を示す。
【図34】図33のセンサを示す図33の一部分の部分断面図である。
【図35】図34のセンサの平面図である。
【図36】呼吸および心臓活動の動きのみならず、ウォーキングまたはランニングのような様々な型の動きを感知する加速度型のセンサとして示す、図34と同等の図である。
【図37】歩数計として使用される図33の手持ち式携帯電気装置を示す。
【図38】本発明に従って構成された差動型圧力センサを示す断面図である。
【図39】本発明に従って構成された温度補償型力センサを示す平面図である。
【図40】図40aは重量または特定の他の力を測定するのに特に有用な、本発明に従って構成された別のセンサを示す。図40bは図40aのセンサにおける固定装置を示す三次元図である。
【図41】呼吸活動または心臓活動から生じるような極めて小さい力を測定または検出するのに特に有用である、本発明に従って構成された別のセンサを示す三次元図である。
【図42】本発明に従って構成されたさらに別のセンサを示す断面図である。
【図43】呼吸および心臓活動の両方を感知し、かつそれに応答して振動器および/またはアラームを制御するための、図42のセンサを含む無呼吸モニタ装置を示す。
【図44】本発明に従って構成された装置で特に有用な改善された周波数測定システムを示すブロック図である。
【図45】図44の周波数測定システムをさらに詳しく示すブロック図である。
【図46】温度補償に備える本発明の実現を示す図である。
【図47】温度補償を達成するために図46に従って構成されたシステムを示すブロック図である。
【図48】温度補償を達成するために図46に従って構成された改善されたシステムを示す。
【図49】非常に安定した周波数発生器として本発明を実現する一つのやり方を説明するのに役立つ図である。
【図50】図49に従って構成された周波数発生器回路を示すブロック図である。
【技術分野】
【0001】
本願は、2000年11月9日に国際公開第WO00/67013号として公開された国際出願PCT/IL00/00241、2003年5月1日に国際公開第WO03/036321号として公開された2002年10月24日に出願の国際出願PCT/IL02/00854、2003年6月12日に国際公開第WO03/048668号として公開された2002年12月5日に出願の国際出願PCT/IL02/00983、および2003年9月16日に発行された米国特許第6621278号に関連し、これらの出願および特許の内容を参照によって丸ごと本書に組み込む。
【0002】
上記の出願および特許は、媒体(固体、液体、または気体)中のエネルギ波(電磁または音)の通過時間に対し既知または決定可能な関係を有する様々なパラメータを、極めて高い感度で測定するための方法および装置に関する。簡潔には、これは、周期的に繰り返すエネルギ波を媒体中に透過させ、媒体中を透過したエネルギ波を受け取り、受け取ったエネルギ波中の所定の基点を検出し、受け取った各エネルギ波の検出された基点に従って、受け取る波数が整数となるように、エネルギ波の透過の周波数を連続的に変化させ、かつ周波数の変化を測定してトランスミッタからレシーバまでのエネルギ波の通過時間の変化を測定を実現し、それにより所定のパラメータの測定を実現することによって行なわれる。
【背景技術】
【0003】
上記の出願および特許は、医療および医療以外の双方にわたる多くの分野において、極めて高い感度を有する測定を達成するための方法および装置の実施について多数説明した。説明された実施は、測定される所定のパラメータの変化に応じて、通過距離および/またはエネルギ速度の変化を生じるものを含んでいた。変形可能な膜、ベローズ、ばね装着部材、および変位可能なプランジャをはじめ、透過距離の変化を測定するための様々な型のセンサについても記載された。
【発明の開示】
【0004】
本発明の目的は、装置を、極めて高い感度で変位を測定するよう特に高感度とし、それにより、事実上あらゆる状態を正確に検出すること、あるいは変位を誘発し、変位によって誘発され、もしくはそれ以外の変位に伴う事実上すべてのパラメータを測定することを可能にする、新型のセンサを持つ装置を提供することである。そのように検出される状態の例として、呼吸および心臓活動に伴う非常に素早い動きまたは小さい動きがあり、そのように測定されるパラメータの例として、下述する通り、圧力、ねじれ、線形加速度、重量、温度、角速度、線形速度、液体密度、液状体中の深さ、磁界強度、呼吸速度、脈拍数、および血圧が挙げられる。
【0005】
本発明の別の実施形態は、特にそのような装置に有用な新規のセンサを提供することである。
【0006】
本発明の一態様では、媒体中のエネルギ波の通過時間に対し既知または決定可能な関係を有する所定のパラメータを測定するための装置であって、エネルギ波を媒体中に発信させるためのトランスミッタおよびトランスミッタによって発信されたエネルギ波を受け取るためのレシーバを含み、所定のパラメータを測定するためのセンサと、トランスミッタからレシーバまでのエネルギ波の通過時間または通過時間の変化を測定し、それによって所定のパラメータの測定を実現するデータプロセッサとを備えた装置において、センサはエネルギ波に対する高い透過率および低い減衰特性を有する軟質弾性材料体を含み、トランスミッタおよびレシーバは、パラメータがセンサによって感知されたときにレシーバに対するトランスミッタの変位を生じるように、前記軟質弾性材料体によって相互に間隔をおいて配置され、それによってトランスミッタからレシーバまでのエネルギ波の通過時間または通過時間の変化の測定がレシーバに対するトランスミッタの変位の測定を実現し、その結果所定のパラメータの測定を実現することを特徴とする装置を提供する。
【0007】
本発明は、エネルギ波が音波であり、よってトランスミッタとレシーバとの間の透過路が音響チャネルである用途に関して、特に有用であり、したがってそれに関して下述する。しかし、本発明は、エネルギ波が電磁波、例えば光、赤外線、または高周波である用途においても、特に米国特許第6621278号の実施例に記載されている変調技術が使用される場合、実現することができることは理解されるであろう。
【0008】
本発明の別の実施形態では、媒体中のエネルギ波の通過時間に対し既知または決定可能な関係を有する所定のパラメータを感知するためのセンサであって、エネルギ波に対する高い透過率および低い減衰特性を有する軟質弾性材料体と、レシーバによって受け取られるエネルギ波が、トランスミッタによって発信され、軟質弾性材料体の少なくとも一部分を横断した後のエネルギ波であるように、該体によって相互に相隔たる関係に支持されたトランスミッタおよびレシーバとを備えた、センサを提供する。
【0009】
下でさらに詳しく記載するように、特によい結果は、音波を使用し、かつ弾性材料が5〜40、好ましくは7〜20のショアA硬度を有するシリコーンエラストマであるときに得られる。下述する適用例では、約10のショアA硬度が最も好適であることが明らかになった。
【0010】
本発明の他の態様、利点、および用途について以下で説明する。
【0011】
図面の簡単な記述
本発明をここで、単なる例として、添付の図面に関連して説明する。
図1は本発明に係る一形態のセンサを含む測定装置を概略的に示すブロック図である。
図2は図1の装置の制御および処理回路機構(CPC)をより詳細に示すブロック図である。
図3は本発明に係る別のセンサの構成を示す。
図4は本発明に係る加速度型センサの構成を示す。
図5〜8は本発明に係るセンサのさらなる構成、およびそのようなセンサのいくつかの適用例を示す。
図9a〜9cは呼吸の休止を検出するため(無呼吸検出器)、または個人の動き、呼吸、脈拍数、もしくは他の状態を検出するための、本発明のさらなる適用例を示す。
図10は褥瘡を防止するために使用される本発明の適用例を示す。;
図11は本発明のいびき防止の適用例を示す。
図12〜14は脈拍数を監視するための本発明に係るセンサの様々な構成を示す。
図15はオシロメトリックな方法に従って血圧を非侵襲的に測定するための本発明の適用例を示す。
図16は車両等のトランスミッションシステムでトルクを測定するための本発明の適用例を示す。
図17は例えばエアバッグを制御すべく、例えば乗員の有無、重量、呼吸活動、心臓活動等を検出するために、車両の座席を監視するための本発明の適用例を示す。
図18a〜18cはキーボードまたは圧力分布センサとして使用するためのマトリックス状のセンサに具現された本発明を示す。
図19および20はそれぞれ加圧容器およびパイプラインの圧力を示すための圧力計に具現された本発明を示す。
図21は物体を秤量するための秤に具現された本発明を示す。
図22はセンサが浸漬された液体の深さ、またはセンサが浸漬されている深さを測定するための浸漬可能なセンサに具現された本発明を示す。
図23は磁界の強度を測定するための磁界センサに具現された本発明を示す。
図24は回転体の角速度および/または接線加速度を測定するための計器に具現された本発明を示す。
図25は流体媒質中における物体の速度を測定するためのピトー管に具現された本発明を示す。
図26は加速度型センサに具現された本発明を示す。;
図27は本発明に係るセンサのさらなる構成を示す。
図28は加速度型センサとして実現された図27のセンサを示す。;
図29は圧力センサとして実現された図27のセンサを示す三次元図である。
図30は圧力センサとして実現された図27のセンサを示す組立分解図である。
図31は呼吸または心臓活動を検出するために個人に適用される非常に高感度の弾性ベルトまたはバンドセンサに具現された、図27のセンサを示す。
図32は圧力分布および/または変形を検出するためにエアフォイルのような大きい表面に適用されるセンサに具現された、本発明を示す。
図33は携帯電話機または他の手持ち式携帯電気装置に具現された本発明を示す。
図34は図33のセンサを示す図33の一部分の部分断面図である。
図35は図34のセンサの平面図である。
図36は呼吸および心臓活動の動きのみならず、ウォーキングまたはランニングのような様々な型の動きを感知する加速度型のセンサとして示す、図34と同等の図である。
図37は歩数計として使用される図33の手持ち式携帯電気装置を示す。
図38は本発明に従って構成された差動型圧力センサを示す断面図である。
図39は本発明に従って構成された温度補償型力センサを示す平面図である。
図40aは重量または特定の他の力を測定するのに特に有用な、本発明に従って構成された別のセンサを示す。
図40bは図40aのセンサにおける固定装置を示す三次元図である。
図41は呼吸活動または心臓活動から生じるような極めて小さい力を測定または検出するのに特に有用である、本発明に従って構成された別のセンサを示す三次元図である。
図42は本発明に従って構成されたさらに別のセンサを示す断面図である。
図43は呼吸および心臓活動の両方を感知し、かつそれに応答して振動器および/またはアラームを制御するための、図42のセンサを含む無呼吸モニタ装置を示す。
図44は本発明に従って構成された装置で特に有用な改善された周波数測定システムを示すブロック図である。
図45は図44の周波数測定システムをさらに詳しく示すブロック図である。
図46は温度補償に備える本発明の実現を示す図である。
図47は温度補償を達成するために図46に従って構成されたシステムを示すブロック図である。
図48は温度補償を達成するために図46に従って構成された改善されたシステムを示す。
図49は非常に安定した周波数発生器として本発明を実現する一つのやり方を説明するのに役立つ図である。
図50は図49に従って構成された周波数発生器回路を示すブロック図である。
【0012】
上記の図面および以下の説明は、主として本発明の概念的側面、および現在好適な実施形態と考えられるものを含め、考えられる様々な実施形態の理解を容易にする目的で、提示することを理解されたい。明確かつ簡潔にするために、当業熟練者が通常の技量および設計を使用して、記載する発明を理解しかつ実施することを可能にするのに必要である以上の詳細を提示しようとは試みない。さらに、記載する実施形態は単に例示を目的とするだけであって、本発明は本書に記載する以外の他の形態および用途に具現することができることを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
前に示した通り、本発明は、一部材の別の部材に対する変位に直接関連するパラメータを測定するための装置に関し、特にそのような装置用の新規のセンサに関する。測定されるパラメータは圧力、トルク、張力、線形加速度、角速度、温度、重量、液体密度、液体深さ、磁界強度、呼吸、脈拍、あるいは固体、液体、もしくは気体の媒体中のエネルギ波の通過時間の変位を誘発し、変位によって誘発され、もしくはそれ以外の変位に伴う、他の事実上すべてのパラメータとすることができる。
【0014】
本発明は特に、極めて高い感度で変位を検出することによって、それぞれのパラメータを測定することのできる、新規のセンサを提供する。新規のセンサは、トランスミッタからレシーバまでの透過路中のエネルギ波の通過時間の変化を正確に測定することで、それぞれのパラメータの正確な測定が実現されるように、相互に相隔たる関係にある、高いエネルギ透過率および低いエネルギ減衰特性を有する軟質弾性材料体、好ましくはシリコーンエラストマを含むエネルギ透過路、トランスミッタ、およびレシーバを備える。
【0015】
下述する本発明の好適な実施形態では、エネルギ波は音波であるので、透過路は音響チャネルとなる。しかし、エネルギ波は、特に上記の米国特許第6621278号に記載された変調技術を使用する場合、光、赤外線、高周波等のような電磁波とすることもできることは理解されるであろう。
【0016】
下述する一部の実施形態は、変位が感知かつ測定される変位型センサであり、他の記載の実施形態は、変位の変化の速度が検出かつ測定される加速度型センサである。
【0017】
図1は、本発明に従って構成された装置の一形態を概略的に示すブロック図である。図示した装置は、矢印Pによって示すように、測定すべきパラメータ、この場合は圧力にさらされる一つの面を有するセンサ10を含む。センサ10は、一般的に13で示された軟質の圧力圧縮可能な弾性材料体内に相隔たる関係に埋め込まれた、音響トランスミッタ11および音響レシーバ12を含む。センサ10の反対側の面、つまり圧力Pを受ける面の反対側は、圧力Pを加えると、加えられた圧力の大きさに応じてトランスミッタ11がレシーバ12に向かって変位するように、比較的剛性の支持部材または基台14によって係合されるか、またはその上に装着される。センサ10はしたがって、レシーバ12に対するトランスミッタ11の変位または相対位置を測定することで圧力Pの正確な測定が実現するので、変位型センサである。
【0018】
レシーバ12に対するトランスミッタ11の位置は、上記の国際出願および米国特許に記載された方法および装置に従って正確に測定される。したがって、装置は、トランスミッタ11およびレシーバ12を制御して、二つの間の相対位置の変化の正確な測定が実現するようにするための、一般的にCPCと指定された制御および処理回路機構を含む。図1に示し、かつ図2に関連して以下でさらに詳述する、制御および処理回路機構CPCは、トランスミッタ回路15、レシーバ回路16、およびトランスミッタ11とレシーバ12との間の間隔の変化を測定し、かつ例えばディスプレイ17a、アラーム17b、および/または制御装置17cに対して出力を生成する、変位測定回路17を含む。
【0019】
図2は、図1の制御および処理回路機構CPCをさらに詳しく示す。上記の国際特許出願および米国特許により詳細に記載されている通り、そのような回路機構は次のように構成されかつ動作する。
【0020】
最初に、スイッチ22が閉じられると、発振器21は付勢され、トランスミッタ11に一連の音響パルスを、そのようなパルスがレシーバ12によって受信されるまで発信させる。ひとたびパルスがレシーバ12によって受信されると、スイッチ22は開くので、レシーバ12によって受信されたパルスはその後、トランスミッタ11を制御するために使用される。
【0021】
図2に示す通り、レシーバ12によって受信された音響信号は、入力23aを介して比較器23に送られる。比較器23は、受信信号内の所定の基点または基準点を検出するように、所定のバイアスに接続された、第二入力23bを含む。図2に示した例では、この所定の基点は、受信信号の「零」クロスオーバ点であり、したがって比較器23の入力23bは零バイアスである。
【0022】
比較器23の出力は増幅器24、例えば、トリガされるとレシーバ12によって受信された信号内の各基点(零クロスオーバ点)で出力を生成する単安定発振器に、送られる。増幅器24からの出力はORゲート25を介して、次の音響パルスのためにトランスミッタ11をトリガするために送られる。スイッチ22は開いているので、トランスミッタ11はこうして、レシーバ12によって受信された各信号によってトリガされ、連続パルスにおける次の音響パルスを発信する。
【0023】
したがって、トランスミッタ12からの出力パルスまたは信号の周波数は、トランスミッタ11とレシーバ12との間の間隔の変化により変化することが分かるであろう。また、トランスミッタ11によって発信され、レシーバ12によって受信される信号の波長数またはパルス数が、整数となることも分かるであろう。トランスミッタとレシーバ11との間の波数を整数に維持しながらのトランスミッタ11による周波数のこの変化は、トランスミッタとレシーバとの間の距離の正確な決定を行なうことを可能にする。カウンタ26、カウンタ27、クロック28、およびマイクロプロセッサ29を含む加算回路機構は、検出された周波数差、およびそれによって測定精度を、「N」倍に増加することを可能にするので、適切な周波数、クロック28のクロックレート、およびカウンタ27の加算因数「N」を選択することによって、測定精度をほとんど無制限に事前設定することができる。
【0024】
図2にさらに示す通り、制御および処理回路CPCのマイクロプロセッサ29からの出力は、17a、17b、および17cに概略的に示すように、表示、警報、および/または制御目的に使用することができる。
【0025】
そのような装置の構成および動作のさらなる詳細は、参照によって本書に組み込む上記の国際出願および米国特許第6621278号から入手可能である。例えば、米国特許第6621278号は変調機能および遅延線機能をも含み、それらは、様々な型のパラメータを測定するためのそのような装置の可能な用途を著しく拡張する。
【0026】
上記の国際出願および米国特許に記載された方法および装置の特定の実現は、変形可能な膜、ベローズ、ばね装着部材、または変位可能なプランジャの形のセンサを利用した。しかし、今や、図1および2に示した上述した構成のセンサ、つまり軟質弾性材料体13を含み、好ましくはトランスミッタ11およびレシーバ12を相互に相隔たる関係に埋め込んだものを利用することにより、検出かつ測定される変位のかなり高い感度を達成することが可能になることが明らかになった。
【0027】
したがって、トランスミッタ11とレシーバ12との間の軟質弾性材料体13が、トランスミッタとレシーバとの間の音響チャネルを画定することが分かるであろう。また、センサに加えられる圧力Pが、この音響チャネルの有効長を変化させるので、トランスミッタからレシーバまでの音響パルスの通過時間を測定することによってチャネルの瞬間的な長さを測定することで、センサに加えられた圧力の測定が実現されることも分かるであろう。したがって、図1および2のセンサは、変位または音響チャネルの有効長の測定で、センサに加えられた圧力の測定が実現される、変位型圧力センサである。図2に示した回路は特に高い感度で変位を検出し、センサに加えられる力Pの特に高精度の測定を行なうことを可能にする。
【0028】
図1および2に示した変位型センサは、トランスミッタ11とレシーバ12との間に軟質弾性材料13によって画定される音響チャネルの有効長を変化させる、他のパラメータの高精度の測定をもたらすためにも使用することができることは理解されるであろう。他のパラメータの例として、以下でさらに詳述するように、トルク、遠心力、呼吸性脈動、血圧脈動、重量等が挙げられる。
【0029】
また、以下でさらに詳述するように、センサは慣性部材として働く錘を含み、変位の変化が検出されてそれぞれのパラメータの測定が実現されるために使用される、加速度型センサをもたらすことができる。そのような加速度型センサは、変位が頻繁にまたは急速に発生する場合に、特に有用である。
【0030】
図1および2における弾性体13の好適な材料はシリコーンゴムコンパウンドであり、例えばスムーズ・オン社によって商標「Dragon Skin」および「Dragon Skin Q」のもとに供給されるもの、ニュージャージ州クランベリのローディア社によって商標「Rhodorsil」RTV−585のもとに供給されるもの、およびジェネラル・エレクトリック社によって供給されるRTVシリコーンゴムコンパウンドである。弾性材料は好ましくは5〜60、より好ましくは7〜20のショアA硬度を持つ必要がある。以下に記載する多くの適用例では、10のショアA硬度で最良の結果が得られることが分かった。
【0031】
そのような材料は、高い音波透過率特性および低い音波減衰特性を持つ。それらはまた、鋼より105倍低いヤング弾性率、および約0.5のポアソン比によって特徴付けられる。これらの特性は、本発明に従って構成されたセンサによって達成される変位の検出に、並外れた予想外の感度をもたらすことが分かった。
【0032】
発振器21の周波数は、センサの特定の適用に大きく依存する。以下に記載する多くの適用例では、発振器21の周波数は、好ましくは500〜2000kHzの範囲であり、約700kHzが好ましい。
【0033】
図3〜39は、図1および2の装置に使用される変位型および加速度型センサの多数の構成および適用の例を示す。
【0034】
したがって、図3は、そこで一般的に30で示された変位型センサを示し、それは、測定される圧力Pを支えるように弾性体33の反対側の面を装着部材34に装着された弾性体33に埋め込まれた、音響トランスミッタ31および音響レシーバ32も含む。この場合、弾性体33には、トランスミッタ31が埋め込まれた第一脚33a、およびレシーバが埋め込まれた第二脚33bが形成され、二つの脚を橋絡するブリッジ33cを介して、レシーバがトランスミッタ31からの音響パルスを受信する。そのような構成はしたがって、トランスミッタとレシーバとの間に比較的長い音波伝達経路を有するコンパクトな構造の音響チャネルを提供する。
【0035】
図4は、弾性体43の一本の脚に埋め込まれたトランスミッタ41と、ブリッジを介してトランスミッタと連絡する別の脚に埋め込まれたレシーバ42と、弾性体43を装着するための装着部材44とを含む、図3の場合と同様の構成の、一般的に40で示された加速度型センサを示す。しかし、この場合、弾性体43のブリッジ端は、その変位により弾性体に加えられる力を生じる、慣性部材として働く錘45を担持する。したがってセンサ40は、弾性体の線形加速度を測定するための加速度計として使用することができる。以下に述べるように、そのようなセンサは、弾性体の回転中に錘によって発生する遠心力の変化を感知することによって、弾性体の角速度または回転速度の変化を測定するためにも使用することができる。
【0036】
図5は、個人の呼吸速度または心拍数を測定または検出するために、個人の胸部に適用する場合の、一般的に50で示されたセンサの適用の一例を示す。そのような適用の場合、相隔たる位置に埋め込まれたトランスミッタ51およびレシーバ52を含む、53で示された弾性体は、胸部の拍動性の動きによって生じるトランスミッタとレシーバとの間の位置の変化が、個人の呼吸速度および/または心拍数の測定をもたらすように、所定の圧力を加えながら、例えば弾性バンド55によって患者の胸部に固定される。
【0037】
図5に示されたセンサ50は、図4に示すような加速度計型、または図3の変位型のみならず、以下に述べる他の構成とすることもできる。
【0038】
図6は、個人の手首に適用され、したがってリストバンド65を含むことを除いては、図5と同じ構成とすることのできる、個人の脈拍を検出および測定するための、一般的に60で示されたセンサを示す。図6に示すセンサ60は、図5に関連して上述したように、加速度計型または変位型とすることもできる。
【0039】
図7は、弾性体73内に相隔たる関係に埋め込まれたトランスミッタ71およびレシーバ72を含む、図1および2と同様の構成のセンサ70を示す。この場合、弾性体73の片側に、図1および2の制御および処理回路CPCの少なくとも一部分を含むプリント配線基板74が担持される。弾性体73の反対側には、残りの回路機構を含む別のプリント配線基板75および/または図4のようにセンサが加速度計として働くことを可能にするための錘を担持することができる。
【0040】
図8は、個人の指の拍動性血流および指の温度を感知するための指プローブとして働くように、本発明に従って構成されたセンサ80を示す。この目的のために、センサ80は、84で示すように変位を測定するための出力を生じるべく、上述の通り、相隔たる関係に埋め込まれたトランスミッタ81およびレシーバ82を有する弾性体83を含む。
【0041】
しかし、この場合、弾性体83は、第二音響トランスミッタ85と、そこから間隔を置いて配置されるが、指の温度にさらされる感温材料(例えば金属)の経路87によって橋絡された、第二音響レシーバ86とを含む。トランスミッタ85とレシーバ86との間の音波の速度は、金属経路87の温度の変化によって変化するので、制御および処理回路機構CPC(図1、2)は、上記の国際出願により詳しく記載されているように、88で示すように、測定された温度の出力を生じる。この温度測定は、表示のためにディスプレイに出力することができ、かつ/または図8のブロック89によって概略的に示すように、変位測定84の温度補償のために使用することができる。
【0042】
したがって、図8に示した装置は実際、所定のパラメータを感知するためのそれ自身の音響チャネルを各々有する、二つのセンサを含むことが分かるであろう。したがって、トランスミッタ81とレシーバ82との間の軟質弾性材料83は、変位を感知する一つの音響チャネルを画定する一方、トランスミッタ85とレシーバ86との間の感温経路87は、温度を感知する第二音響チャネルを画定する。両チャネルは、感知されるパラメータに応じてそれぞれのチャネルのトランスミッタからレシーバまでの音波の通過時間の変化を生じる。したがって、トランスミッタ81とレシーバ82との間で軟質弾性材料83によって画定されるそれらの間の音響チャネルは、測定されるパラメータ(圧力)に対応してその有効長を変化させる一方、トランスミッタ85とレシーバ86との間の音響チャネルは、測定されるパラメータ(温度)に対応してその音波透過率を変化させる。
【0043】
図9a〜9cは、ベッドに寝ている個人の状態を監視するために使用される本発明の装置を示す。測定装置の極めて高い感度は、動き、呼吸または呼吸の停止(無呼吸)の検知のみならず、個人の心臓活動の検知をも可能にすることが分かった。
【0044】
したがって、図9aに示す通り、センサ(90a〜90c)はベッドBDの四本の脚の各々の下に挿入される。図9bに示すように、各センサは上述した構造であり、平坦な装着部材94上に装着された弾性材料の本体93中に相互に相隔たる関係に埋め込まれたトランスミッタ91およびレシーバ92を含む。ベッドの脚が95で示すようにホイールまたはローラ上に装着される場合、センサ90の上端には、ローラまたはホイール95を受け止めるように形作られたキャップ96が設けられる。図9cは、四個のセンサ90a〜90dを直列に接続して制御および処理回路98に出力を発生する電気回路接続を示す。
【0045】
したがって、図9a〜9cに示された構成は、ベッドの占有者の動きのみならず、バイタルサイン(呼吸、心臓活動)の検出も可能にすることが分かるであろう。図9cのようにセンサの出力を統合のために直列に接続する代わりに、出力は並列に接続することもでき、その場合、各出力信号は相互に独立している。好適な代替例は、結果的に得られる周波数が全てのセンサの総遅延に依存するように、幾つかのセンサのループ全体を流れるレシーバからトランスミッタへのフィードバックを持つことであろう。つまり、システムが一つの測定チャネルのみを必要とするように、一個のセンサのレシーバが、ループにおける次のセンサのトランスミッタをトリガすることであろう。また、一個だけまたは二個のセンサを使用することができる。センサを接続するために使用されるワイヤは、ベッドフレームに取り付けることができる。センサは耐水性にすることができ、かつ数グラムの力に関与する非常に小さい動きまたは振動を感知することができるような高感度に設計することができる。
【0046】
図10は、褥瘡を防止するために適用される本発明のセンサを示す。この目的のために、多数のセンサ100a、100b〜100nを、何らかの動き、血流の変化等についてマットレスと接触している個人の身体の特定の領域を感知するように、マットレス101の下に、希望する任意の個数およびパターンに配置することができる。全てのセンサは、動きが検出されない場合、または所定の領域内で所定の時間内に血流量が降下した場合、個人の姿勢を変えさせ、それによって褥瘡が発生する可能性を低下または除去するように、マットレスまたはベッドをシフトさせるために、ベッドシフタ103を作動させるのに有効な、制御および処理回路機構102に接続される。
【0047】
本発明に従って構成されたセンサは、非常に高い感度を達成することを可能にするので、それらはマットレス101の下、マットレス内、または個人の身体と直接接触するようにマットレスの上面に配置することができることが分かった。
【0048】
図10は、褥瘡を防止するためにマットレスに適用されたシステムを示すが、同じシステムを車椅子のシートパッド内に含めることができる。また、制御される装置はベッド用のシフト装置、マットレス、またはパッドシフタであるが、影響を受ける領域をマッサージまたは振動させるように、マッサージまたは振動装置を制御することもできる。加えて、それらは無呼吸モニタとして働くことができ、ベッドが二人の人間によって占有されるダブルベッドである場合、それぞれの側に一個づつ、二個のそのようなセンサを使用し、いずれかのベッド占有者に対して監視される緊急状態(すなわち呼吸または心臓の状態)が検出された場合に作動するように、共通アラームに接続することができる。
【0049】
図11は、いびき防止装置としての本発明の適用を示す。そのように使用される場合、好ましくは加速度型の110a〜110nに示す一個またはそれ以上のセンサを、個人の胸部、ベッド、スタンド、および/または枕に適用して、制御および処理回路機構112への出力を生成させることができる。後者の回路は、「いびき」の発生を示す出力を認識し、いびきを止めさせる目的で、まくらをシフトさせるか、または別の邪魔(例えば静かにつつく)を個人に対して生じさせるべく、まくらシフタ113を自動的に作動させるように、プログラムされる。したがって、図11に示した構成は、いびきの量をゆっくりとゼロまで減少させる目的で、いびきが検出されるたびに、ユーザが邪魔される生体フィードバックシステムを提供する。
【0050】
図12〜14は、個人の脈拍数、血圧、または他の心血管の状態を測定するための様々な型の指プローブに適用された本発明を示す。
【0051】
図12において、そこに120で示されたセンサは、個人の指に受容されるようにリング状である。それは、環状の弾性材料体123内に埋め込まれたトランスミッタ121およびレシーバ122を含む。弾性体123は片側にエアキャビティ124が形成され、それによって反対側に、トランスミッタ121からレシーバ122への音響パルスのための音響チャネルが画定される。図12に概略的に示すように、トランスミッタ121およびレシーバ122は、指の拍動性血流から結果的に生じる音響経路の長さの変化の測定をもたらす、制御および処理回路125に接続される。
【0052】
図13は、トランスミッタ131およびレシーバ132が弾性体133の片側で半径方向に整列して配置されて半径方向に延在する音響チャネルが生成され、かつ弾性体が楕円形であり、センサの開口内に受容された指に圧縮性であるが非閉塞性の力が加わることを除き、図12と同様のセンサ130を示す。上述の通り、個人の指の拍動性血流は、脈拍数の測定をもたらすトランスミッタ131とレシーバ132との間の相対位置の変化によって感知される。
【0053】
図14は、リング形の弾性体143内の相隔たる位置に埋め込まれたトランスミッタ141およびレシーバ142を含む、図12および13のそれと同様の指プローブ型センサ140を示す。しかし、この場合、リングはバンド144によって閉じられており、それはリング内に受容された指に所定の圧縮力を加える。バンド144の存在はまた、音響パルスを所望の音響経路を介してトランスミッタ141からレシーバ142に向かわせる。
【0054】
図15は、オシロメトリックな方法に従って血圧を測定するためのシステムに使用され、そこに15で示されたセンサを示す。図15に示したシステムは、手動ポンプ153および一方向弁154によってチューブ152を介して膨張可能なカフ151を含む。チューブ152は、カフが所望の圧力まで膨張すると自動的に閉じる、弁155をさらに含む。そのように膨張すると、カフ151内の圧力は、カフに形成された小穴156によって徐々に低下する。
【0055】
カフ内の圧力は、チューブ157によってカフに接続されたセンサ150によって、連続的に監視される。センサ150は、上述したようにセンサを制御し、かつセンサによって検知されたカフの圧力測定を出力するために、制御および処理回路158に電気的に接続される。
【0056】
カフ151は、被験者の指に受容され、したがって指の動脈血流を感知するような寸法にすることが好ましい。しかし、カフ151は、従来のオシロメトリックな血圧測定方法の場合のように、人間の腕を取り囲む寸法にすることもできる。
【0057】
この血圧測定の方法では、カフ151はポンプ153によって患者の収縮期圧を超える圧力まで膨張されるとすぐに、弁155は自動的に閉じる。カフ151(または接続チューブ157)の小穴156は、カフ内の圧力を徐々に低減させる。制御および処理回路機構158によって制御される圧力センサ150は、カフ内の圧力を連続的に測定し、そのような測定の出力を生成する。
【0058】
この血圧測定の技術によると、患者の脈拍の拍動から生じる患者の動脈内の血圧の変動は、膨張したカフ151に伝達され、カフが徐々に収縮するときにカフ内のわずかな圧力変動を引き起こす。したがって、制御および処理回路機構158に表われる圧力センサ150からの出力は一般的に低下するカフの圧力を表わすDC成分、および患者の脈拍の拍動に関連付けられる一連の小さい周期的変動である。これらの小さい変動は、しばしば「オシレーションコンプレックス(oscillation complex)」または単に「オシレーション」と呼ばれる。患者の血圧は、これらのオシレーションコンプレックスの解析に基づき、公知のオシロメトリックな血圧測定方法に従って推定することができる。
【0059】
本発明に従って構成されたセンサ150によって達成可能な変位に対する抜群の高感度のため、そのようなセンサは、この血圧測定方法に特に有用である。
【0060】
図16は、例えば自動車のトランスミッションシステムにおける駆動軸のトルクを測定するための本発明の適用例を示す。それはまた、本発明の別の特徴、つまり測定における温度ドリフトの影響(または他の過渡的効果)を除去または低減するための特徴をも示す。
【0061】
図16に示す装置は、音響チャネルを画定する弾性材料体163内に埋め込まれたトランスミッタ161およびレシーバ162を含む、各々上記と同一構成の二個のセンサ160a、160bを含む。二個のセンサ160a、160bはそれらの端の一方が車両のトランスミッションシステムのフライホイール165に固定され、反対側の端は相互に対面しかつ相互に整列する。
【0062】
車両の駆動システムの駆動軸166には、センサ160a、160bの対向端の間に配置され、かつそこに固定されたアーム167を備える。二個のセンサは、一方のセンサの出力周波数が他方のセンサの出力から減算されるように、制御および処理回路機構165に減法的に接続される。
【0063】
駆動軸166が矢印の方向(時計回り)に回転していると仮定すると、駆動軸に加わるトルクの増加がセンサ160aを圧縮させ、センサ160bを膨張させることが分かる。したがって、センサ160aの出力周波数は増加し(+Δf)、センサ160bの出力は減少する(−Δf)。他方、温度ドリフト(ΔfT)、速度、または他の過渡的影響は、両方のセンサに関して同一である。したがって、各周波数の温度ドリフト成分はもう一方から相殺されるので、センサ160bの出力をセンサ160aの出力から減算することにより、2Δfの関数である出力トルク(T)が得られる。したがって、
【0064】
したがって、図16に示した構成は、温度ドリフトの影響(および他の過渡的影響)を除去または低減するだけでなく、出力信号をかなり増大させる。加えて、図16に示す軸AS以外のいずれかの軸に沿って二個のセンサに加えられる力は、二個のセンサの出力周波数に対して、温度ドリフトの場合と同様の影響を持つので、一方のセンサの出力周波数がもう一方から減算されるときに、これらの力(速度の変化による遠心力など)も相殺される傾向があり、したがって図16の軸ASは実質的に感度の唯一の軸となる。
【0065】
測定の精度を向上する、図16に示した適用例における上述の特徴は、前述したような、あるいは下述するような、多くの他の用途でも使用することができることは理解されるであろう。
【0066】
図17は、座席の乗員の状態を監視するため、かつ/または乗員の有無または乗員の重量に従ってエアバッグを制御するために、(例えば子供と大人を区別するために)、車両の座席に適用された本発明のさらなる適用例を示す。したがって、図17は、特定の用途に応じて座席の様々な位置に担持された一個またはそれ以上のセンサ170a〜170nを含む、車両の座席VSを示す。図17はさらに、様々なセンサを制御し、かつ、例えば図1および2に関連して上述したように所望の出力を生成するための、制御および処理回路機構176を示すが、出力がエアバッグを制御するように意図されている場合、エアバッグアクチュエータ177をさらに含む。例えば、エアバッグは、座席が占有されていることを示す呼吸または脈拍がそれぞれの車両の座席から検出されていた場合にだけ、作動するように制御することができる。検出される呼吸および/または脈拍数はまた、例えば子供と小柄の大人とを区別するため、かつエアバッグの作動をそれに応じて制御するために、乗員の体重と一緒に検出することもできる。
【0067】
図18a〜18cは、行列状に配設された多数のセンサ180a〜180nを含み、各センサが弾性体183内に相隔たる関係に埋め込まれた音響トランスミッタ181および音響レシーバ182を含む、一般的に180で示されたセンサアセンブリを示す。弾性体183は全てのセンサ180a〜180nに対し共通とすることができ、あるいは各々のそのようなセンサ毎に別個とすることができる。全てのトランスミッタおよびレシーバは、センサを制御しかつそれらの出力を受け取るために、センサを順次走査するスキャナ186を介して、共通の制御および処理回路185に接続される。
【0068】
したがって、図18a〜18cに示すそのようなセンサアセンブリは、上記適用例の幾つかで、例えば図9a〜9cのベッドまたは車椅子の適用例でバイタルサインを検出するため、図10の適用例で褥瘡を防止するため、または図17のエアバッグ制御装置で体重、呼吸、および/または脈拍数を感知するために、使用することができる。アセンブリの動作要素は全てプラスチック(弾性材料)内に埋め込まれるので、そのようなセンサアセンブリは、耐水性キーボードまたは他の入力装置としても使用することができる。センサアセンブリの耐水特性はまた、水にさらされたときに危険を生じるおそれのある洗濯機、温水器、または類似物のような、様々な型の器具を制御するための電気スイッチまたは他の入力装置として、それをシングルセンサユニットまたはマルチセンサユニットで使用することをも可能にする。
【0069】
図19は、加圧容器195内の圧力を測定するために使用される、上記構成のいずれかによるセンサ190を示す。図20は、加圧管205内の圧力を測定するために使用される、そのようなセンサ200を示す。
【0070】
図21は、秤に置かれた物体の重量を測定するために、秤215を支持するように上述のとおり構成された、センサアセンブリ210を示す。図21に示した例では、秤215はその四隅の各々を、温度を補償するために図16に関連して上述したように差分または減法関係に配設された、二個のセンサ210a、210bのアセンブリによって、懸架状態に支持される。
【0071】
図22は、センサを浸漬した液体225の密度を測定するために使用される、220で示されたセンサを示す。例えば液体は水泳プール226内の水とすることができ、測定される密度は水中の塩素の濃度またはpHを示す。好ましくは、図22に示されたセンサ220は、図8に関連して上述したように、例えばセンサ220によって出力された測定の温度補償を達成するために、感温センサ素子227をも含む。センサ220はまた、それが水体または他の液状体中に浸漬された深さを測定するための水深計として使用することもできる。
【0072】
図23は、本発明に従って構成された、磁界の強度を測定するためのセンサを示す。一般的に230で示されたそのようなセンサは、上述した構成のいずれかとすることができ、センサの音響チャネルを画定する弾性材料体233に相互に相隔たる関係に埋め込まれた音響トランスミッタ231および音響レシーバ232を含む。しかし、この場合、センサによって感知される磁界に応じて音響チャネルを圧縮または拡張する力を生じるように、弾性材料体の一端または両端に、234で示すように磁石が担持される。
【0073】
図24は、回転軸242を中心に回転可能な本体241に装着された二個の加速度型センサ240a、240bを含むアセンブリを示す。両センサ240a、240bは、図4に関連して上述した通り、錘245a、245bをそれぞれ含む。しかし、この場合、センサ240aは、その錘245aが半径方向に外側に配置されるように、回転体241によって担持される。したがって、センサ240aは、錘によって生じる遠心力の測定、およびそれによって回転体241の回転速度の測定をもたらす。他方、センサ240bはその錘245bが該センサに対して接線方向に延びるように配向され、したがってその出力は、回転体241の線形速度の測定となる。
【0074】
図25は、ピトー管測定技術に基づいて流体媒体中の物体の線形速度を測定するために、例えば空気中の航空機の速度を測定するために、本発明に従って構成された、一般的に250で示されたセンサを示す。ピトー管は走行の方向に向けられる。それは、ピトー管の一端における一対のチャンバ251、252と、車両の走行方向に向けられかつチャンバ251と連通する主通路253と、車両の走行方向に対し直角に向けられかつ両チャンバ251、252と連通する複数の開口254とを含む。
【0075】
したがって、チャンバ251内の圧力は、通路253を介して感知される動圧(PP)と通路254を介して感知される静圧(PS)との合計である全圧(PT)である一方、チャンバ252内の圧力は、通路254を介して感知される静圧(PS)のみとなることが分かる。
【0076】
チャンバ251内の全圧はセンサ250aによって測定され、チャンバ252内の静圧は、センサ250bによって測定される。両センサは、弾性体内に相隔たる関係に埋め込まれた音響トランスミッタおよび音響レシーバによって画定される音響チャネルを含む、上述した構成のいずれかとすることができる。
【0077】
速度Vによって生じる動圧(PD)は、センサ250bによって感知された静圧(PS)をセンサ250aによって感知された全圧(PT)から減算することによって決定することができることが分かる。そのように決定された動圧(PD)は次いで、次の公知の方程式に従って弾性体の速度を決定するために使用することができる。
ここで、PTはセンサ250aによって測定された圧力であり、PSはセンサ250bによって測定された圧力であり、rは空気密度の局所的値である。
【0078】
図26は、ハウジング261を含み、一般的に260で示された加速度型センサに具現された本発明を示す。ハウジング261は、図5に示す要領で、呼吸および/または心臓活動を検出するために、例えば弾性ベルト262によって患者の身体PBにセンサを装着するための装着部材として働く。しかし、この場合、センサ260は、一端262aがハウジング261に枢着されたアーム262を含む。アーム262の反対側の端262bの一面は、接着剤などによって、相互に相隔たる関係に中に埋め込まれた音響トランスミッタ263aおよびレシーバ263bの間に音響チャネルを画定する軟質弾性材料体263の一端に固定される。軟質弾性体263の反対側の端は、接着剤などによって、ハウジング261の内面に固定される。枢着アーム262の端262bの下面には、例えば接着剤によってそこに固定された錘264が担持される。
【0079】
図26に示した構成は、患者の身体PBの呼吸および心臓の動きを検出し、そのような動きの非常に正確な測定をもたらす、極めて高感度の加速度型センサを提供する。
【0080】
図26に示した加速度型センサは、患者の心臓活動すなわち脈拍によって生じる変位を検出しかつ測定するために、患者の身体の別の体表に、例えば手首または腕に装着することができることは理解されるであろう。そのような加速度型センサは、高速の行動または高周波運動の高感度の検出または測定が要求される、地震検知器、セキュリティフェンス等のような、多くの非医療用途にも使用することができる。
【0081】
図27は、相隔たる音響トランスミッタ272とレシーバ273との間に狭幅音響チャネルを画定するように、軟質弾性材料271が狭幅ストリップの形態である、一般的に270で示されたセンサを示す。図27に示したセンサはさらに、狭幅音響チャネル内のもの以外の音を吸収するのに効率的なダンパまたは吸音材を含む。図27は、音響チャネルの両端のそれぞれにある、予備成形体274、275としてのダンパを示す。ダンパ274、275の適切な材料は、高い音波減衰特性を有する比較的軟質のゴムである。図27は音響チャネルの両端にだけ適用されたダンパを示すが、そのようなダンパ材は、下面など、音響チャネルの追加的表面に適用することができることは理解されるであろう。
【0082】
図28は、図27に示す構成のストリップ型センサ素子270を有する、加速度型センサ装置280を示す。したがって、センサ280は、センサ素子270を二本の柱282、283の間に懸架状態に装着するハウジング281を含む。ハウジング281は、センサ素子270の中間部分と係合可能な垂下突起285を一端に有する錘284をさらに含む。錘284の反対側の端(図示せず)は、センサ素子270の中間部分が錘284の変位によって(さらに詳しくは変位の変化率によって)撓むように、ハウジング281に枢着される。したがって、図28に示した加速度型センサ装置280は、動きを検出および/または測定するための高感度手段をも提供し、したがって図26に関連して上述した用途にも使用することができる。
【0083】
図29および30は、ハウジング内のチャンバの圧力を感知するために図27のストリップ型センサ素子270を利用する、圧力センサ装置290のそれぞれ組立図および組立分解図である。センサ290は、その圧力を測定しようとする流体用のポート293と連通するチャンバ292を画定する、ハウジング291を含む。この目的のために、チャンバ292は、図27に関連して上述した構成のセンサ素子270を担持する膜293によって、膜およびセンサ素子がチャンバ内の圧力に対応して変形できるように、閉鎖される。例えば膜293は、センサ素子270の狭幅音響チャネルにおける音波以外の音波を吸収するダンパとしても働くように、高い音響減衰特性を有する軟質ゴム製とすることができる。
【0084】
センサ装置290は、ブロック295と、圧力チャンバ292の上に膜294を固定するためのカバー296とをさらに含む。ブロック295には、センサ素子270のトランスミッタおよびレシーバへのアクセスを提供するキャビティ297が形成され、かつセンサとの適切な電気接続を行なうための電気コネクタ298が含まれる。
【0085】
図31は、図5に関連して上述したような、センサの伸張変位を検出および/または測定するのに特に有用なセンサ装置310を示す。したがってセンサ310は、音響トランスミッタ272と音響レシーバ273との間に軟質弾性材料の狭幅音響チャネル271を有する、図27に関連して上述した構成のストリップ型センサ素子270を含む。図31に示す構成では、センサ素子270は、呼吸および/または心臓活動を検出するための胸部バンドのような弾性部材311上に装着される。したがって、患者の呼吸および心臓活動は、弾性部材311およびセンサ素子270の狭幅音響チャネルの軟質弾性材料271の拡張および収縮を生じ、それによってセンサがそのような呼吸または心臓活動を高感度で検出および/または測定することが可能になる。
【0086】
センサ素子270の弾性部材311は、センサ素子270によって画定される狭幅音響チャネル内のもの以外の音波を吸収するように、高い音波減衰特性を有する軟質ゴムのような材料製であることが好ましい。
【0087】
図32は、エアフォイル321のような物体の表面に適用して、その変形および/またはそこの圧力分布を測定する、一般的に320で示されたセンサアセンブリを示す。したがって、センサアセンブリ320は、エアフォイル321の表面に適用されかつそれに順応する大きい表面積の、322で示す軟質弾性材料体を含む。軟質弾性材料体322は、弾性体内に配置された323および324で示すような複数の音響トランスミッタおよびレシーバの対を含み、各対がそれらの間の軟質弾性材料322の部分と共に別個の音響チャネルを画定して、それぞれの音響チャネルによって占有されるエアフォイル321の表面の変形および/または圧力分布を検出および/または測定するようにする。
【0088】
代替的構成として、エアフォイル320の表面の変形および/または圧力分布は、エアフォイルの表面に固定された、各々図27に関連して上述した構成の複数の個別ストリップ型センサ素子270によって検出および測定することができる。
【0089】
図33は、本発明に従って構成されたセンサ340を組み込んだ、一般的に330で示された、携帯電話機、PDA、または類似物のような手持ち式携帯電気装置を示す。携帯電気装置330はいずれかの従来の構成とすることができる。例として、それは、ディスプレイウィンドウ332が形成され、かつ電話番号をダイヤルするため、または他の情報を入力するための多数のキー333を担持する、ケーシング331を含むものとして示されている。電気装置330に含まれるセンサ340を、図34および35により詳細に示す。
【0090】
図34および35に示すセンサ340は変位型センサである。それは、ボタンとして構成され、ハウジング331に形成されたスロット334内に受容された、軟質弾性材料体341を含む。音響トランスミッタ342および音響レシーバ343は、トランスミッタとレシーバとの間の弾性体の部分が、トランスミッタによってレシーバへ発信される音波のための音響チャネルを画定するように、軟質弾性体341の両側に固定される。軟質弾性材料体341には、下述するようにユーザの身体によって係合可能となるように、ハウジング331の外方に突出する外側凸面344が形成される。弾性体341は、弾性体341の外面に一体的に形成された小球状突起のような変形可能なスペーシング要素345を含み、弾性体の内面をハウジング331の側面から間隔を置いて配置させて、センサの外面344がユーザの身体部分によって係合されたときに、トランスミッタ342とレシーバ343との間の弾性体341の膨張および収縮を可能にする。弾性体341の底面ならびにトランスミッタ342およびレシーバ343によって占有されない弾性体の二つの側面は、346、347、および348でそれぞれ示すように、音吸収材をライニングすることが好ましい。
【0091】
したがって、センサ340は、拍動がトランスミッタ342とレシーバ343との間の音響チャネルの有効長の変化(圧縮および拡張)を生じ、それによってユーザの脈拍の高感度の検出および/または測定がもたらされるように、ユーザが指を弾性体341の外面344に当てることによって、脈拍数を検出および/または測定することができる。手持ち式ユニットはまた、ユーザの呼吸がトランスミッタ342とレシーバ343との間の音響チャネルの圧縮および拡張を生じるように、弾性体341の外側表面344をユーザの胸部に押し付けることによって、呼吸を検出および/または測定するためにも使用することができる。
【0092】
図36は、慣性部材として働き、それによって加速型のセンサつまり検出された変位の変化率に応答するセンサを形成する、錘361を含むことを除き、図34および35に示されたセンサ340と同様の構成のセンサ360を示す。
【0093】
変位型センサ(図34、35)または加速度型センサ(図36)を携帯電話機に組み込む重要な利点は、表示、診察、さらなる処理、格納等のために、脈拍数、呼吸速度等の測定を電話で遠隔地に送信することができることである。
【0094】
そのような電話機の可能なさらなる用途は、特に図36に示すような加速度型センサを含む場合、歩数計としての使用である。したがって、ユーザがウォーキングまたはランニングを行なっている間に生じるトランスミッタとレシーバとの間の音響チャネルの圧縮および膨張は、ユーザが行なったステップを識別し、かつそれによって特定の期間中に移動したステップ数の測定をもたらす。例えば、電話機は、ウォーキングステップ中および/またはランニングステップ中にそれぞれのユーザが移動する距離について較正することができる。したがって、各ステップの長さを事前に格納した後、ユーザが移動したランニングステップまたはウォーキングステップの計数を蓄積することによって、電話機はユーザが移動した全距離の測定をもたらすために使用することができる。
【0095】
図37は、図33および34に示すような手持ち式携帯電気装置が、移動距離を測定するための歩数計として使用されることをも可能にする、一般的に370で示された別の構成を示す。そのような構成は、装置を人間の身体に支持するために使用されるベルトクリップまたは同様のホルダに錘を装着する。
【0096】
したがって図37は、センサボタン340がホルダの別の部分372に向かって外方に延出する状態で携帯電気装置330を支持するために、任意の従来の仕方でユーザのベルトに取付可能なホルダ371を示す。部分372は次に、374で示すようにその上端から錘373を枢着し、携帯電気装置330を携帯する個人の運動の各ステップが、錘371をセンサ340に対して枢動させ、それによってセンサが各ステップを識別することができるようにする。
【0097】
図38は、本発明に従って構成された異なる型の圧力センサ380を示す。それは、圧力源に接続されたポート383、384を各々有する二つの流体チャンバC1、C2にハウジングの内部を分割する変形可能な膜382を有し、膜が二つのチャンバの差圧に応じて変形するようにした、ハウジング381を含む。図27に示した構成の狭幅音響チャネルが、膜382の両側の各々に取り付けられ、膜の変形に応じてそのそれぞれのチャンバ内の圧力を検出する。したがって、トランスミッタ272a、レシーバ273a、および二つのアブソーバ素子274a、275aを含む一つの狭幅音響チャネル270aが、膜382の片側に取り付けられ、トランスミッタ272b、レシーバ273b、およびアブソーバ素子274b、275bを含む第二の狭幅音響チャネル270bが、膜の反対側に取り付けられる。ハウジング381は、狭幅音響チャネル270a、270bの各々のための電気コネクタ385、386をさらに含む。したがって、音響チャネル270aのためのコネクタ385は、そのトランスミッタ272aのための二つの端子385a、385b、そのレシーバ273aのための二つの端子385c、385d、およびそれぞれの音響チャネルに設けられた遮シールド極用の第五端子385eを含む。コネクタ386は、その音響チャネル270b内の素子用の対応する端子を含む。
【0098】
膜382の両側の二つのチャンバC1、C2の差圧は、膜に対応する変形を生じ、該変形は二つの音響チャネル270a、270bによって測定されることが分かる。
【0099】
図39は、力の温度補償測定をもたらすべく、これもまた図27に関連して上述した型の二つの狭幅音響チャネルを持つように構成された、力センサ390を示す平面図である。図39に示す力センサ390は、片面に一つの狭幅音響チャネル270cを、反対側の面に別の狭幅音響チャネル270dを担持し、したがって後者は破線で示された、円形膜(例えばゴム製)のような変形可能な膜392を装着するための装着部材391を含む。測定される力は、力感度軸を画定する軸線ASに沿って相互に整列した二つの力受容部材393、394の間に加えられる。したがって、軸線ASに沿って圧縮力が加えられると、図39に破線で示すように、装着部材391は、二つの音響チャネル270c、270dが取り付けられた円形膜392と同様に、力感度軸ASに沿って収縮し、かつ軸線ASに対して直角に拡張するように変形する。
【0100】
図39に示す通り、一つの音響チャネル270dは軸線ASと整列して取り付けられる一方、もう一つの音響チャネル270cは軸線ASに対して直角の軸線に沿って取り付けられる。したがって、音響チャネル270cは、加えられる力に応じて長さを増大する一方、音響チャネル270dは長さを減少する。温度の影響が相殺され、それによってセンサが温度変化に感応しないように、二つの音響チャネルの出力は、図16に関連して上述したように減法的に接続される。
【0101】
図40aは、重量または他の加えられる力の測定用のセンサアセンブリを示す一方、図40bは、図40aのセンサアセンブリに含まれる、一般的に400で示された固定装置の一つを示す。測定される重量または他の力は、矢印Fで示すように、略矩形で四隅の各々が固定装置400(そのうちの二つを図40aに示す)の一つによって固定されたパネル401に加えられる。固定装置400の各々は、一端がU字湾曲部405によって接合される一対の平行アーム403、404を含む。アームの一つ404にはその開端に段付き延長部404aが形成され、それによってその開端404aともう一つのアーム403の開端との間の間隔が増大する。アーム403のU字屈曲端は固定具406によって、加えられる力を受け止めるプレート401に固定され、もう一つのアーム404のU字屈曲端は別の固定具407によって、フレーム402に固定されるので、パネル401に加えられる力は、固定装置400の各々のU字屈曲部405を撓ませる。
【0102】
一般的に270で示された図27に示した狭幅ストリップ型センサは、これらの固定装置400の各々の開端でアーム403とアーム404の延長部404aとの間に固定される。各センサ270は図27に関連して上述した構成であり、音響トランスミッタと音響レシーバとの間の弾性材料の音響チャネルを含み、音響チャネルの収縮(または伸張)がそれぞれの固定装置400に加えられた力の測定をもたらす。
【0103】
図41は、本発明に従って構成され、一般的に410で示された別の狭幅ストリップ型センサを示す。この場合、狭幅ストリップセンサは、円筒形の圧力変形可能な材料体411の外面に、材料体の外周の少なくとも一部分の周りに延在するように固定される。したがって、図41に示すように、圧力変形可能な材料体411には、その対向面の間の中間に環状凹所412が形成され、その外周の少なくとも一部分にわたって延在する。凹所412内に固定されるのは、図27に示した構成の狭幅ストリップ型センサであり、弾性材料の狭幅ストリップ413、一端におけるトランスミッタ414、および反対側の端におけるレシーバ415を含む。センサは、反射した音波を抑制し、かつトランスミッタ414によって生成された音波を弾性材料の狭幅ストリップ413に閉じ込めるために、その両側に音吸収剤のダンパ素子416、417をさらに含むことが好ましい。
【0104】
したがって、円筒体411の両面に圧力が加えられると、円筒体は厚さが減少し、直径が増加し、それによってトランスミッタ414とレシーバ415との間の音響チャネル413の長さが増大する。したがって、音響チャネルの通過距離のこの増大は、加えられた力の測定を上述した方法で行なうことを可能にする。
【0105】
圧力変形可能な円筒体411はゴム製または他の音吸収材製とすることができる。加えて、狭幅センサストリップ413は、円筒体411の実質的に外周全体に延在することができるが、弾性ストリップ413によって画定される音響チャネルに音波を実質的に閉じ込めるために、センサチャネル413とは反対側で、トランスミッタは音吸収材によってレシーバから間隔をおいて配置しなければならない。
【0106】
図41に示したセンサ410は、上述した用途の多くで使用することができるが、図43に示すような無呼吸モニタで人間の心臓および呼吸活動の両方を監視するのに特に有用である。
【0107】
図42は、本発明にしたがって構成され、図43に示したような無呼吸モニタで特に有用な別のセンサを示す。したがって、図42および43に示すように、そこで一般的に420で示されたセンサは、心臓活動および呼吸活動を監視される人間(例えば、乳児、高齢患者等)によって占有されるマットレスの上、下、または内部に適用することのできる、一対のプレート421、422の間に装着される。センサ420は、一対の導電性パッド424がまたぐ開口423aが形成されたプリント配線基板423を含む。一端に音響トランスミッタ426を、反対側の端に音響レシーバ427を有する弾性材料425のストリップを含む音響チャネル型センサは、プリント配線基板423の開口423aの上に横たわるように、導電性パッド424の上に適用される。音響トランスミッタおよび音響レシーバの電気的接続は、はんだ428によって導電性パッド424に接続される。
【0108】
弾性音響チャネル425が固定されたプリント配線基板423は、弾性ストリップ425の下面を支持するように、プリント配線基板の開口423aを貫通して突出する突起429aを有する、ゴムまたは他の音吸収材の本体上に支持される。プリント配線基板423はさらに、弾性ストリップ425の音響トランスミッタおよび音響レシーバの上に置かれ、弾性ストリップ425の上面を露出させる中央開口430aが形成された、剛性キャップ430を含む。ゴムまたは他の音吸収材の別の本体431は、キャップ430と他のパネル421との間に介挿され、弾性ストリップ425の上面と係合するために、キャップ430の開口430aを貫通して突出する突起431aが形成される。
【0109】
したがって、プレート421に加わる力は、図42に破線で示すように、弾性ストリップ425を撓ませ、それによって弾性ストリップの有効長が増加し、かつそれによってトランスミッタ426からレシーバ427への音波の通過時間が増加するので、加えられた力の測定が上述した方法で達成されることが分かる。
【0110】
上述の通り、図42のセンサ420は(図41のセンサ410と同様に)、特に図43に示すような無呼吸モニタに含まれる場合、加えられる力に対して非常に敏感であるので、患者の呼吸活動および他の動きのみならず、人間の心臓活動をも検出することができる。したがって、図43に示すように、センサ420の出力は制御回路432に付与することができ、それによってそれは、ブロック433によって示すように呼吸活動の欠如、またはブロック434によって示すように心臓活動の欠如の両方を検出することができる。
【0111】
したがって、図示した無呼吸モニタは、人間を刺激する必要があるときに作動する振動器435、および警報状態を別の人間に知らせるために作動することのできるアラーム436を含む。したがって、図43に示す通り、心臓活動が所定の期間(t1、例えば5秒間)検出されない場合、直ちにアラーム436が作動する。他方、呼吸活動が所定の時間(t2、例えば20秒間)検出されない場合、その人間を刺激する目的で振動器435が作動し、呼吸活動の欠如がさらなる時間(t3、例えばさらなる10秒間)続く場合、アラーム436が作動する。
【0112】
そのような無呼吸モニタは一人の人間(例えば乳児、高齢患者)用に設けることができ、他方、二人の人間(例えば高齢者)がダブルベッドを占有する場合、アラーム状態が存在することが分かったときにいつでもアラームを作動させて、もう一人の人間に知らせるように、各人に一つずつ、二つのそのような無呼吸モニタを設けることができることは理解されるであろう。
【0113】
図42に示したセンサは、図43に示した無呼吸モニタと同様に、多くの他の用途に、例えば前述した褥瘡防止装置またはいびき防止装置に、使用することができることは理解されるであろう。
【0114】
極めて小さい変位または微小変位の検出および測定において、本発明のセンサによって達成可能な極めて高い感度のため、そのようなセンサは、患者の呼吸および/または心臓活動に従って画像システムの動作を同期化させるのに特に有用である。
【0115】
したがって、磁気共鳴画像(MRI)システムによって生成される詳細画像は、心臓周期および呼吸周期中の患者の動きによって不鮮明になることがしばしばある。患者のECG信号は、MRI装置の動作を同期化するためのゲート信号として頻繁に使用されるが、ECG信号は、ぶれを生じる機械的動きには緊密に相関しない。指プローブもまた、この目的で拍動性血流を検出するために使用されてきたが、そのようなセンサの使用もまた、心臓活動によって生じる動きと脈拍の感知との間の時間遅延を導く。
【0116】
本発明に従って構成されたセンサは、そのような検出された動きに従ってMRI装置の動作を同期させるゲート信号を生成するために、かつそれによってそのような動きによって生じるぶれを最小化または除去するために、心臓活動および/または呼吸活動から生じる極めて小さい変位を直接感知するのに特に有用である。例えば、上述した加速度型センサは、心臓活動を検出するために人間の胸部に適用することができ、かつ/または上述した変位型センサは、患者の呼吸活動を検出するために、弾性ベルトなどによって患者の胸部に、あるいは患者の身体支持部材の下に適用することができる。心臓および/または呼吸活動から生じる微小変位を検出するために、かつMRI装置の動作を同期化するためのゲート信号を生成するために、そのようなセンサを使用することによって、撮像動作中の身体の動きによって生じるぶれを最小化または除去して、これまでECGまたは拍動性血液信号によって達成可能であった画像よりずっと鮮明な画像を生成することができる。
【0117】
したがって、本発明に従って構成されたセンサは、MRI手順に特に有用であるが、それらは、CT、PET、核、超音波、およびX線撮影をはじめとする他の型の撮影にも有用である。
【0118】
さらに、そのようなセンサは心臓および呼吸活動の検出、およびそのような検出される活動に従って画像システムの動作を同期化するのに特に有用であるが、そのようなセンサは、胃の動き、腎臓における石の動き等のような患者の他の活動を検出するのに使用し、かつそれに従って画像システム野動作を同期化するために使用することもできることは理解されるであろう。
【0119】
図44〜50は、センサに関して有用な更なる特徴、および上述したそのようなセンサを利用するシステムを示す。したがって、図44および45は新規の周波数測定回路および方法に関連し、図46〜48は新規の温度補償回路および方法に関連し、図49および50は新規の周波数発生回路および方法に関連する。
【0120】
図44および45の周波数測定回路に関連して、高分解能で時間間隔を測定する従来の方法は、高周波クロック発振器を使用する。しかし、従来の発振器は高価であり、かつ大きい電流消費量を持ち、それは上述したセンサシステムの低電力および低コストの用途におけるその使用を損ねている。
【0121】
図2の方法において、フィードバックループの周波数fxが1MHz(つまり1μsecの周期)であり、測定時間が10msecであり、クロック周波数が100MHzである(つまりクロック周期または分解能が10nsecである)と仮定する。実際、10msec/1μsec(10000周期)の持続時間が測定され、1nsecの全持続時間または1nsecの周期(10000=10−4nsec)の変化を区別することが可能である。つまり、10μsecと0.9999999μsecとの間の差が区別可能である。これは1MHzに対し0.1Hzの周波数の差に対応する。そのようなシステムは非常に高い分解能を可能にするが、100MHzのクロックは結果的に上述した欠点を生じる。
【0122】
今、同じ測定条件、つまり1MHzの測定周波数、0.1Hzの偏差、および10msecの測定時間を考慮する。図44は、これを目的とする測定回路を示す。それは次のユニット、すなわち基準周波数合成器441、周波数ミクサ442、クロック発振器443、および測定ユニット444から構成される。
【0123】
合成器441は周波数fs=999.5kHzを生成する。したがって、ミクサの出力は偏差なしで1MHz−999.5kHz=500Hzとなり、測定周波数の0.1Hzの偏差があると1.0000001MHz−999.5kHz=500.1Hzとなる。
【0124】
500Hzの周波数は2msecの周期に対応し、500.1Hzの周波数は1.9996msecに対応する。5周期(10msec)の持続時間を測定し、5・(2msec−1.9996msec)(または0.002msec)の差を区別しようとする場合、この周期(0.002msec)を持つクロック383mが必要であり、それは500kHzの周波数に対応する。
【0125】
したがって、同じ分解能を達成するために、100MHzのクロックの代わりに、低周波クロック443(例えば500KHz)を使用することが可能である。他方、測定時間を(例えば1msecに)低減するために、クロックを(例えば5MHzの比較的低い値まで)増加することができる。
【0126】
図45は、周波数計およびクロック発振器を、キャプチャ機能を持つマイクロプロセッサ450で実現することができる方法を示す。つまり、内部クロック発振器によりクロックされる内部カウンタの状態を固定するために、測定周波数の各縁が内部ラッチレジスタを制御することができる。プロセッサは、ラッチレジスタの連続ステージ間の差を常時計算する。
【0127】
合成器(451、図45)は、クロック発振器出力パルスのカウンタ451として実現することができ、その周波数はマイクロプロセッサからの事前設定信号により制御することができる。ミクサ(452、図45)は、低域通過アナログフィルタ453および比較器454を伴うデジタルAND論理素子452として実現することができる。非線形ユニットと同様に、AND論理素子452はその出力に差および和周波数を生成する。低域通過フィルタ453は差正弦波周波数だけを抽出する。比較器454は方形波を生成し、それは、周波数計44で受け取られる(図44)。
【0128】
温度補償機能を示す図46〜48に関連して、温度はエネルギ伝搬の速度に影響し、かつ熱膨張を開始させ、それは上述した通り、トランスミッタとレシーバとの間の通過時間の変化を生じる。上述したセンサシステムの非常に高い感度のため、出力周波数にはかなりの温度ドリフトがあるかもしれない。ゆっくり変化する信号を測定する場合、信号変化と温度ドリフトとを区別することは非常に難しい。
【0129】
温度ドリフトは、図16および44に関連して上述した通り、二チャネル測定によって除去することができる。図46は、力を測定するために二つのセンサS1、S2を含む、そのような二チャネル測定システムを示す。図46に示すように、測定される力は、一つのセンサS1を膨張させ、かつセンサS2を収縮させるように働く。したがって、センサS2の出力周波数は増加し(+Δf)、センサS1のそれは減少する(−Δf)。最終出力信号は、一方の出力周波数を他方から減算することによって形成される。
温度ドリフトは結果的に両方のチャネルで同じ変化(ΔfT)をもたらすので、減算により温度ドリフトによって生じる変化は解消される。
【0130】
実際、図47に示す標準的方法では、各測定チャネル471、472が入力周波数とクロックの比を測定する。標準的方法は、両方の測定チャネルおよびプロセッサ474に対し特殊クロック発振器473を使用する。しかし、上述した方法の不利点は、二つの別個の測定チャネルを使用し、かつ減算アルゴリズムを実行するためにプロセッサの時間を割り当てる必要があることである。
【0131】
図48は、一つのセンサS1が単一の測定チャネルに使用され、第二センサS2が位相同期ループ(PLL)回路481の入力に接続される、改善された方法を示す。PLL回路481の高周波出力は、測定チャネル482およびプロセッサ483の両方のクロックとして使用される。温度が変化すると、測定チャネルおよびクロックの周波数がそれに比例して変化する。したがって、加えられる力は周波数の逆の変化を生じ、それによって上記比の逆の変化を生じるので、その比は変化しない。
比は処理ユニットで計算する必要が無く、むしろそれは自動的に測定チャネルの出力に反映されることに留意されたい。
【0132】
上記の通り、この技術はまた、新しい周波数発生器の構成をも可能にする。既存の周波数発生器で使用される水晶発振器は通常、電気フィードバック回路に接続された二本の電極を持つ水晶単結晶から構成されることに留意されたい。発振周波数はキャパシタンスおよびインダクタンスを持つ電気回路の共振周波数よりずっと安定している、水晶の機械的共振によって決定される。そのような発振器の不利点は、水晶が電気機械的トランスデューサおよび機械的共振器と同時に動作することである。一つの材料で異なる要件、例えばトランスデューサの高い電気機械的結合および共振器の温度安定性を結合させることは非常に難しい。水晶は発振器のための非常に優れた材料と考えられるという事実にも拘らず、多くの用途にとってその温度安定性は充分ではない。
【0133】
上述した新規のセンサは、振動の周波数が圧電トランスミッタおよびレシーバではなく、むしろチャネルの材料の特性および形状に依存するので、非常に高い温度安定性を持つ周波数発生器を提供することができる。したがって、機械的共振器および電気機械的トランスデューサに対し別個に最も適した材料を選択することが可能である。
【0134】
システムが上述の通り二つの音響チャネルを含み、各チャネルがトランスミッタと、整数個の音波をレシーバに発信するようにトランスミッタを制御するレシーバとを有し、かつ電気フィードバックを持つと仮定する。各チャネルは低い線膨張率を有する材料から作成され、該膨張率は二つのチャネルでわずかに異なる。したがって、温度が変化すると、各チャネルの整数個の音波およびよって各チャネルの周波数が変化する。図45に示す通り、チャネル周波数が等しくなり、温度の変化が逆の周波数変化を生じる特定の温度点がある。
【0135】
図50は、二つのチャネル501、502およびそれらのフィードバック503、504を含むが、低域通過フィルタ付き位相検出器505および制御装置506から構成される追加フィードバックを備えた、そのようなシステムを示す。位相検出器505の入力は、二つのチャネル501、502の出力である。制御装置506の出力は、両方のチャネルにそれらの長さを同じだけ、かつ同時に変化させる。
【0136】
特定の温度点で、周波数が等しいときに、位相検出器505の出力は零であり、制御装置506はチャネルに影響しない。温度が変化すると、両方の周波数が変化しようとする。チャネルのわずかに異なる感温性のため、これは直ちに二つのチャネルの出力に位相差を生じる。位相検出器505によって制御装置506に付与される出力信号は、チャネルに両方の周波数が等しくなるように長さを変化させる。したがって、両周波数は安定点に戻る。
【0137】
制御装置506は、以下を含め、様々な形で実現することができる。
1.それは加熱装置内に具現することができる。この場合、安定な温度点は、最大作業温度より高く選択される。したがって、環境温度が変化すると、両方のチャネルの温度は、周波数が等しい点に維持される。つまり、上記の追加フィードバックは事実上熱安定化装置である。
2.それは電気機械的アクチュエータ内に具現することができる。この場合、制御装置は、それらの温度係数に対応する比率で、チャネルの膨張または収縮をもたらす。したがって、環境温度が変化すると、両方のチャネルの長さは、周波数が等しい点に維持される。
【0138】
そのようなアクチュエータは、電圧がその電極に印加されたときに、逆圧電効果に従ってその長さを変化する圧電アクチュエータとして、電流がそのコイルに流れたときに磁歪効果に従ってその長さを変化する磁歪アクチュエータとして、またはその電気入力に応じて変位を生じる他のアクチュエータとして、様々な形に実現することができる。
【0139】
図44〜50に示す上述の特長は、図1〜43に示すように本発明に従って構成されたセンサおよびシステムに対して特に有用であるが、そのような特徴は、周波数測定、温度補償、および/または周波数発生も関与する他の用途にも有用であることは理解されるであろう。
【0140】
また、本発明を様々な好適な実施形態に関連して説明したが、これらは単に例示のために記載したものであって、本発明の多くの他の変形および適用が可能であることは理解されるであろう。例えば、センサアセンブリは、検出された状態に対応して音響チャネル通過距離の変化を検出するために、上述した軸方向に延在するセンサ(例えば図1〜9)、横方向に延在するセンサ(例えば図34〜36、および42)、または周方向に延在するセンサ(例えば図41)の一つを含むことができるだけではなく、検出される状態に対応して音響波の通過速度を変化させる、図8に示したような感温素子をも含むこともできる。加えて、上述した本発明の好適な実施形態は音響トランスミッタおよびレシーバを利用するが、センサは、可視光、赤外線、RF、または他の電磁エネルギのトランスミッタおよびレシーバでも実現することができることは理解されるであろう。
【0141】
本発明の多くの他の変形例、変化例、および適用例は明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明に係る一形態のセンサを含む測定装置を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1の装置の制御および処理回路機構(CPC)をより詳細に示すブロック図である。
【図3】本発明に係る別のセンサの構成を示す。
【図4】本発明に係る加速度型センサの構成を示す。
【図5】本発明に係るセンサのさらなる構成、およびそのようなセンサの適用例を示す。
【図6】本発明に係るセンサのさらなる構成、およびそのようなセンサの適用例を示す。
【図7】本発明に係るセンサのさらなる構成、およびそのようなセンサの適用例を示す。
【図8】本発明に係るセンサのさらなる構成、およびそのようなセンサの適用例を示す。
【図9】呼吸の休止を検出するため(無呼吸検出器)、または個人の動き、呼吸、脈拍数、もしくは他の状態を検出するための、本発明のさらなる適用例を示す。
【図10】褥瘡を防止するために使用される本発明の適用例を示す。
【図11】本発明のいびき防止の適用例を示す。
【図12】脈拍数を監視するための本発明に係るセンサを示す。
【図13】脈拍数を監視するための本発明に係るセンサを示す。
【図14】脈拍数を監視するための本発明に係るセンサを示す。
【図15】オシロメトリックな方法に従って血圧を非侵襲的に測定するための本発明の適用例を示す。
【図16】車両等のトランスミッションシステムでトルクを測定するための本発明の適用例を示す。
【図17】例えばエアバッグを制御すべく、例えば乗員の有無、重量、呼吸活動、心臓活動等を検出するために、車両の座席を監視するための本発明の適用例を示す。
【図18】キーボードまたは圧力分布センサとして使用するためのマトリックス状のセンサに具現された本発明を示す。
【図19】加圧容器の圧力を示すための圧力計に具現された本発明を示す。
【図20】パイプラインの圧力を示すための圧力計に具現された本発明を示す。
【図21】物体を秤量するための秤に具現された本発明を示す。
【図22】センサが浸漬された液体の深さ、またはセンサが浸漬されている深さを測定するための浸漬可能なセンサに具現された本発明を示す。
【図23】磁界の強度を測定するための磁界センサに具現された本発明を示す。
【図24】回転体の角速度および/または接線加速度を測定するための計器に具現された本発明を示す。
【図25】流体媒質中における物体の速度を測定するためのピトー管に具現された本発明を示す。
【図26】加速度型センサに具現された本発明を示す。
【図27】本発明に係るセンサのさらなる構成を示す。
【図28】加速度型センサとして実現された図27のセンサを示す。
【図29】圧力センサとして実現された図27のセンサを示す三次元図である。
【図30】圧力センサとして実現された図27のセンサを示す組立分解図である。
【図31】呼吸または心臓活動を検出するために個人に適用される非常に高感度の弾性ベルトまたはバンドセンサに具現された、図27のセンサを示す。
【図32】圧力分布および/または変形を検出するためにエアフォイルのような大きい表面に適用されるセンサに具現された、本発明を示す。
【図33】携帯電話機または他の手持ち式携帯電気装置に具現された本発明を示す。
【図34】図33のセンサを示す図33の一部分の部分断面図である。
【図35】図34のセンサの平面図である。
【図36】呼吸および心臓活動の動きのみならず、ウォーキングまたはランニングのような様々な型の動きを感知する加速度型のセンサとして示す、図34と同等の図である。
【図37】歩数計として使用される図33の手持ち式携帯電気装置を示す。
【図38】本発明に従って構成された差動型圧力センサを示す断面図である。
【図39】本発明に従って構成された温度補償型力センサを示す平面図である。
【図40】図40aは重量または特定の他の力を測定するのに特に有用な、本発明に従って構成された別のセンサを示す。図40bは図40aのセンサにおける固定装置を示す三次元図である。
【図41】呼吸活動または心臓活動から生じるような極めて小さい力を測定または検出するのに特に有用である、本発明に従って構成された別のセンサを示す三次元図である。
【図42】本発明に従って構成されたさらに別のセンサを示す断面図である。
【図43】呼吸および心臓活動の両方を感知し、かつそれに応答して振動器および/またはアラームを制御するための、図42のセンサを含む無呼吸モニタ装置を示す。
【図44】本発明に従って構成された装置で特に有用な改善された周波数測定システムを示すブロック図である。
【図45】図44の周波数測定システムをさらに詳しく示すブロック図である。
【図46】温度補償に備える本発明の実現を示す図である。
【図47】温度補償を達成するために図46に従って構成されたシステムを示すブロック図である。
【図48】温度補償を達成するために図46に従って構成された改善されたシステムを示す。
【図49】非常に安定した周波数発生器として本発明を実現する一つのやり方を説明するのに役立つ図である。
【図50】図49に従って構成された周波数発生器回路を示すブロック図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体中のエネルギ波の通過時間に対し既知または決定可能な関係を有する所定のパラメータを測定するための装置であって、
エネルギ波を前記媒体中に発信させるためのトランスミッタおよび前記トランスミッタによって発信された前記エネルギ波を受け取るためのレシーバを含む、前記所定のパラメータを測定するためのセンサと、
前記トランスミッタから前記レシーバまでのエネルギ波の通過時間または通過時間の変化を測定し、それによって前記所定のパラメータの測定を実現するデータプロセッサと
を備えた装置において、
前記センサは前記エネルギ波に対する高い透過率および低い減衰特性を有する軟質弾性材料体を含み、前記トランスミッタおよびレシーバは、前記パラメータが前記センサによって感知されたときに前記レシーバに対する前記トランスミッタの変位を生じるように、前記軟質弾性材料体によって相互に間隔をおいて配置され、それによって前記トランスミッタから前記レシーバまでの前記エネルギ波の通過時間または通過時間の変化の測定がレシーバに対するトランスミッタの変位の測定を実現し、その結果前記所定のパラメータの測定を実現することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記弾性材料がシリコーンエラストマである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記弾性材料が5〜60のショアA硬度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記弾性材料が7〜20のショアA硬度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記エネルギ波が音波である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記トランスミッタおよびレシーバが前記弾性材料体に埋め込まれている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
ブリッジによって接続された一対の脚を前記弾性材料体に形成し、前記トランスミッタを一方の脚に埋め込み、前記ブリッジを介して前記トランスミッタと連通する状態で前記レシーバを他方の脚に埋め込んだ、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記弾性材料体はその少なくとも一つの面に、前記データプロセッサの回路機構の少なくとも一部分を組み込んだプリント配線基板を担持する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記弾性材料体は、センサが前記変位の変化率を感知するように、慣性部材として働く錘をも担持する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記弾性材料体は温度を測定するための温度センサをも担持し、
前記温度センサは、エネルギ波を発振するための第二トランスミッタと、前記第二トランスミッタによって発振されたエネルギ波を受信するための第二レシーバと、前記第二トランスミッタと第二レシーバとの間の感温経路とを含み、
前記データプロセッサは、前記感知された温度による前記感温経路の透過率の変化から結果的に生じる、前記第二トランスミッタから前記第二レシーバへの音エネルギの通過時間の変化を測定し、それによって前記感温経路の温度の測定をもたらすのにも有効である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記装置は共通支持体に装着された前記センサの二つを含み、それらの端部の一方は相互に向き合って整列し、それらの反対側の端部は前記支持体に固定され、前記センサの前記向き合った端部は、それらの間に配置されかつ前記所定のパラメータによって一方のセンサに近づきかつ他方のセンサから遠ざかるように変位可能である部材に固定され、前記変位可能な部材のいずれかの方向の変位は一方のセンサの弾性体を圧縮させ、かつ他方のセンサの弾性体を膨張させ、それによって温度および他の過渡的影響を実質的に除去する一方、前記所定のパラメータの測定を向上させる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記弾性材料体は磁石をも担持し、それによって外部磁界の測定を可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は血圧の非侵襲的測定用であり、前記センサがカフ内の圧力を測定することができるように、前記センサと連通する膨張可能なカフを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記装置は、前記センサによる圧力測定が患者の脈拍の拍動から結果的に生じる患者の動脈内の血圧の振れによって発生するオシレーションコンプレックスを含むように、前記カフを徐々に収縮させるための手段をさらに含み、それによって前記装置をオシロメトリックな方法に従って患者の血圧を非侵襲的に測定するために使用することを可能にする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記センサをピトー管に担持し、それによって流体媒体を介する対象物の速度の測定を可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記センサは液体中に浸漬可能であり、それによって液体の密度または液体中のセンサの浸漬の深さを測定する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、前記センサの一つまたはそれ以上によって支持された秤をさらに含み、それによって秤上の重量の測定を可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記装置はキーボードまたは圧力分布センサとして使用される前記センサの集積アレイを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記センサは加圧容器または管内の開口内に受容される寸法および形状に形成され、その中の圧力を測定する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記弾性材料体は人間の指、手首、腕、または脚を受容するための環状の形状である、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記弾性材料体はC字形であり、一端に前記トランスミッタ、他端に前記レシーバ、および両端を接合する弾性バンドを含み、弾性材料体を人間の身体部分に装着し、かつ前記弾性材料体の寸法および前記バンドの弾性に応じて所定の圧力を前記身体部分に付与することができるようにした、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記センサをトランスミッションシステムの二つの部分の間に装着して、前記トランスミッションシステムのトルクを測定するようにした、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
一対の前記センサをトランスミッションシステムの前記二つの部分の間に装着して、そのトルクがセンサの一方を圧縮し、かつ前記センサの他方を拡張するようにし、それによって温度または他の過渡的作用に実質的に影響されないトランスミッションシステムのトルクの測定を達成する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記装置は、ループ内の一つのセンサのレシーバがループ内の次のセンサのトランスミッタをトリガするように、ループ状に接続された複数のセンサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
人間の心臓および呼吸活動を検出するために、前記センサを人間の下に配置される一対のプレートの間に装着した、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記装置はアラームおよび振動器をさらに含み、前記データプロセッサは、心臓活動が第一の所定の期間中に検出されないときに前記アラームを作動させ、呼吸活動が前記第一期間より長い第二の所定の期間中に検出されないときに前記振動器を作動させ、呼吸活動が前記第二期間より長い第三の所定の期間中に検出されないときに前記アラームを作動させる、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記データプロセッサは、(a)各受信エネルギ波中の所定の基点を検出すること、(b)各受信エネルギ波の検出された基点に応じてエネルギ波の発信の周波数を連続的に変化させて、受信される波数が整数となるようにすること、および(c)周波数の変化を測定し、それによって前記所定のパラメータの測定をもたらすことに効果的である、請求項1に記載の装置。
【請求項28】
媒体中のエネルギ波の通過時間に対し既知または決定可能な関係を有する所定のパラメータを感知するためのセンサであって、
前記エネルギ波に対する高い透過率および低い減衰特性を有する軟質弾性材料体と、
レシーバによって受け取られるエネルギ波が、トランスミッタによって発信され、前記軟質弾性材料体の少なくとも一部分を横断した後のエネルギ波であるように、前記材料体によって相互に相隔たる関係によって支持されたトランスミッタおよびレシーバと
を備えたセンサ。
【請求項29】
前記弾性材料がシリコーンエラストマである、請求項28に記載のセンサ。
【請求項30】
前記弾性材料が5〜40のショアA硬度を有する、請求項28に記載のセンサ。
【請求項31】
前記弾性材料が7〜20のショアA硬度を有する、請求項28に記載のセンサ。
【請求項32】
前記エネルギ波が音波である、請求項28に記載のセンサ。
【請求項33】
前記トランスミッタおよびレシーバが前記弾性材料体に埋め込まれている、請求項28に記載のセンサ。
【請求項34】
ブリッジによって接続された一対の脚を前記弾性材料体に形成し、前記トランスミッタを一方の脚に埋め込み、前記ブリッジを介して前記トランスミッタと音連通する状態で前記レシーバを他方の脚に埋め込んだ、請求項28に記載のセンサ。
【請求項35】
前記弾性材料体は温度を測定するための温度センサをも担持する、請求項28に記載のセンサ。
【請求項36】
前記弾性材料体は磁石をも担持し、それによって外部磁界の測定を可能にする、請求項28に記載のセンサ。
【請求項37】
前記弾性材料体はキーボードまたは圧力分布センサとして使用される前記トランスミッタおよびレシーバのアレイを含む、請求項28に記載のセンサ。
【請求項38】
前記弾性材料体は人間の指、手首、または腕を受容するための環状の形状である、請求項28に記載のセンサ。
【請求項39】
前記センサは、前記センサを前記トランスミッタとレシーバとの間の間隔の変化率に対して敏感にさせるために効果的な慣性部材として作用する錘をも含む、請求項28に記載のセンサ。
【請求項40】
前記錘は、枢着されたアームによって担持される、請求項39に記載のセンサ。
【請求項41】
前記センサは第一部材を第二部材に固定するための固定装置によって担持され、前記固定装置は、一端がU字形湾曲部によって接合されかつ他端が間隔を置いて配置された二つのアームを有し、前記第一部材は前記アームの一方の前記第一端に固定可能であり、前記第二部材は前記アームの他方の前記第一端に固定可能であり、前記センサは前記アームの前記他端の間に固定される、請求項28に記載のセンサ。
【請求項42】
前記軟質弾性材料は、前記トランスミッタとレシーバとの間に狭幅発信チャネルを画定するように狭幅ストリップの形態である、請求項28に記載のセンサ。
【請求項43】
前記狭幅ストリップは円筒形の圧力変形可能材料体の外面に固定されて前記体の外周の少なくとも一部分の周りに延在する、請求項42に記載のセンサ。
【請求項44】
前記エネルギ波は音波であり、前記狭幅発信チャネルは狭幅音響チャネルである、請求項42に記載のセンサ。
【請求項45】
前記センサは、前記軟質弾性材料の前記ストリップの両端に高い音波減衰特性を有するダンパ材料をさらに含み、前記ダンパ材料は前記狭幅音響チャネルにおける音波以外の音波を吸収するのに効果的である、請求項44に記載のセンサ。
【請求項46】
軟質弾性材料の前記狭幅ストリップはその両端から懸架状態に装着され、センサは、センサが装着された対象物の動きに対し非常に高感度になるように、軟質弾性材料の前記狭幅ストリップの中央部分に作用する錘をさらに含む、請求項44に記載のセンサ。
【請求項47】
前記錘は一端を枢着され、その反対側の端は軟質弾性材料の前記狭幅ストリップの中央部分と係合する、請求項46に記載のセンサ。
【請求項48】
軟質弾性材料の前記狭幅ストリップは、チャンバを規定する変形可能な膜上に装着され、膜が前記チャンバ内の圧力に対応して変形可能であるようにした、請求項44に記載のセンサ。
【請求項49】
軟質弾性材料の前記狭幅ストリップは収縮可能かつ膨張可能な支持部材に装着され、前記支持部材の収縮が前記音響チャネルを収縮させ、かつ前記支持部材の膨張が前記音響チャネルを膨張させるようにした、請求項44に記載のセンサ。
【請求項50】
前記支持部材は、人体の一部を取り囲みかつそれによって呼吸および/または心臓活動によるその動きを検出する形状および構成に形成された、ベルトまたはバンドの弾性部分である、請求項49に記載のセンサ。
【請求項51】
前記狭幅音響チャネルは、二つの流体チャンバの差圧を測定するように、二つの流体チャンバの間の変形可能な膜の両面の各々に装着された、請求項44に記載のセンサ。
【請求項52】
前記狭幅音響チャネルは、測定された力の温度補償を達成するように、力測定装置内の変形可能な膜の両面の各々に、相互に直角に向くように装着された、請求項44に記載のセンサ。
【請求項53】
前記装置は、装置が前記所定のパラメータを測定するためにも使用できるようにするために前記センサを担持するハウジングを含む、手持ち式携帯電気装置の形態である、請求項1に記載の装置。
【請求項54】
前記センサは、前記センサを前記所定のパラメータの変化率に対して敏感にさせるために効果的な慣性部材として作用する錘を含む、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記手持ち式携帯電気装置は、携帯電話機またはPDAである、請求項53に記載の装置。
【請求項56】
前記データプロセッサは、
所定の周波数を発生する周波数合成器と、
前記合成器の前記所定の周波数を受け取る一つの入力およびセンサの前記トランスミッタによる発信の周波数の受け取る第二入力を有し、かつ一方の入力の周波数が他方の入力の周波数から減算された出力周波数を生成するためのミクサと、
クロック周波数を発生するためのクロック発振器と、
前記ミクサの出力を受け取る一つの入力および前記クロック発振器の出力を受け取る第二入力を有し、前記センサの前記トランスミッタによる発信の周波数の測定を提供するための出力回路と、
を備えた、周波数測定回路を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項57】
前記出力回路および前記クロック発振器はキャプチャ機能を有するマイクロプロセッサによって実現され、前記クロック発振器によってクロックされる内部カウンタの状態を固定するために、測定された周波数の各縁は内部ラッチレジスタを制御する、請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記ミクサはデジタル論理AND素子と共に低域通過アナログフィルタおよび比較器によって実現される、請求項56に記載の装置。
【請求項59】
前記データプロセッサは、
一方のセンサからの入力およびCPUへの出力を有する単一測定チャネルと、
他方のセンサからの入力および前記単一測定チャネルおよび前記CPUにクロックパルスを提供する出力を有する位相同期ループと、
を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項60】
第一有効長の第一音響チャネルを画定し、かつ温度に感応する第一線膨張率を有する第一の軟質弾性材料体を含む請求項1に記載の第一装置と、
第二有効長の第二音響チャネルを画定し、かつ温度に感応する前記第一線膨張率とは異なる第二線膨張率を有する第二の軟質弾性材料体を含む請求項1に記載の第二装置と、
前記第一装置からのその周波数を制御するための第一電気フィードバック回路と、
前記第二装置からのその周波数を制御するための第二電気フィードバック回路と、
前記第一および第二電気フィードバック回路の出力を受け取る低域通過フィルタ付き位相検出器と、
前記位相検出器の出力に感応して前記第一および第二の軟質弾性材料体を制御して、両方の音響チャネルの周波数を等化するように両方の軟質弾性材料体の有効長を変化させる制御装置と、
を備えた、所定の周波数を発生するためのシステム。
【請求項61】
トランスミッタと、整数個の音波をレシーバに発信するようにトランスミッタを制御するレシーバとを有し、かつ第一有効長および温度に感応する第一線膨張率を有する第一音響チャネルと、
トランスミッタと、整数個の音波をレシーバに発信するようにトランスミッタを制御するレシーバとを有し、かつ第二有効長および温度に感応する第二線膨張率を有する第二音響チャネルと、
前記第一音響チャネルからのその周波数を制御するための第一電気フィードバック回路と、
前記第二音響チャネルからのその周波数を制御するための第二電気フィードバック回路と、
前記第一および第二電気フィードバック回路の出力を受け取る位相検出器と、
前記位相検出器の出力に感応して前記第一および第二音響チャネルを制御して、二つの音響チャネルの周波数を等化する制御装置と、
を備えた、所定の周波数を発生するためのシステム。
【請求項62】
前記位相検出器は、低域通過フィルタを有する、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記音響チャネルの各々は、高い音波透過率及び低い音波減衰を有する軟質弾性材料体を含む、請求項61に記載のシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体中のエネルギ波の通過時間に対し既知または決定可能な関係を有する所定のパラメータを測定するための装置であって、
エネルギ波を前記媒体中に発信させるためのトランスミッタおよび前記トランスミッタによって発信された前記エネルギ波を受け取るためのレシーバを含む、前記所定のパラメータを測定するためのセンサと、
前記トランスミッタから前記レシーバまでのエネルギ波の通過時間または通過時間の変化を測定し、それによって前記所定のパラメータの測定を実現するデータプロセッサと
を備えた装置において、
前記センサは前記エネルギ波に対する高い透過率および低い減衰特性を有する軟質弾性材料体を含み、前記トランスミッタおよびレシーバは、前記パラメータが前記センサによって感知されたときに前記レシーバに対する前記トランスミッタの変位を生じるように、前記軟質弾性材料体によって相互に間隔をおいて配置され、それによって前記トランスミッタから前記レシーバまでの前記エネルギ波の通過時間または通過時間の変化の測定がレシーバに対するトランスミッタの変位の測定を実現し、その結果前記所定のパラメータの測定を実現することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記弾性材料がシリコーンエラストマである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記弾性材料が5〜60のショアA硬度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記弾性材料が7〜20のショアA硬度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記エネルギ波が音波である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記トランスミッタおよびレシーバが前記弾性材料体に埋め込まれている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は共通支持体に装着された前記センサの二つを含み、それらの端部の一方は相互に向き合って整列し、それらの反対側の端部は前記支持体に固定され、前記センサの前記向き合った端部は、それらの間に配置されかつ前記所定のパラメータによって一方のセンサに近づきかつ他方のセンサから遠ざかるように変位可能である部材に固定され、前記変位可能な部材のいずれかの方向の変位は一方のセンサの弾性体を圧縮させ、かつ他方のセンサの弾性体を膨張させ、それによって温度および他の過渡的影響を実質的に除去する一方、前記所定のパラメータの測定を向上させる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
媒体中のエネルギ波の通過時間に対し既知または決定可能な関係を有する所定のパラメータを感知するためのセンサであって、
前記エネルギ波に対する高い透過率および低い減衰特性を有する軟質弾性材料体と、
レシーバによって受け取られるエネルギ波が、トランスミッタによって発信され、前記軟質弾性材料体の少なくとも一部分を横断した後のエネルギ波であるように、前記材料体によって相互に相隔たる関係によって支持されたトランスミッタおよびレシーバと
を備えたセンサ。
【請求項9】
前記弾性材料がシリコーンエラストマである、請求項8に記載のセンサ。
【請求項10】
前記弾性材料が5〜40のショアA硬度を有する、請求項8に記載のセンサ。
【請求項11】
前記弾性材料が7〜20のショアA硬度を有する、請求項8に記載のセンサ。
【請求項12】
前記エネルギ波が音波である、請求項8に記載のセンサ。
【請求項13】
前記トランスミッタおよびレシーバが前記弾性材料体に埋め込まれている、請求項8に記載のセンサ。
【請求項14】
前記弾性材料体はキーボードまたは圧力分布センサとして使用される前記トランスミッタおよびレシーバのアレイを含む、請求項8に記載のセンサ。
【請求項15】
前記弾性材料体は人間の指、手首、または腕を受容するための環状の形状である、請求項8に記載のセンサ。
【請求項16】
前記センサは、前記センサを前記トランスミッタとレシーバとの間の間隔の変化率に対して敏感にさせるために効果的な慣性部材として作用する錘をも含む、請求項8に記載のセンサ。
【請求項17】
前記錘は、枢着されたアームによって担持される、請求項16に記載のセンサ。
【請求項18】
前記軟質弾性材料は、前記トランスミッタとレシーバとの間に狭幅発信チャネルを画定するように狭幅ストリップの形態である、請求項8に記載のセンサ。
【請求項19】
前記エネルギ波は音波であり、前記狭幅発信チャネルは狭幅音響チャネルである、請求項18に記載のセンサ。
【請求項20】
前記センサは、前記軟質弾性材料の前記ストリップの両端に高い音波減衰特性を有するダンパ材料をさらに含み、前記ダンパ材料は前記狭幅音響チャネルにおける音波以外の音波を吸収するのに効果的である、請求項19に記載のセンサ。
【請求項21】
前記装置は、装置が前記所定のパラメータを測定するためにも使用できるようにするために前記センサを担持するハウジングを含む、手持ち式携帯電気装置の形態である、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記手持ち式携帯電気装置は、携帯電話機またはPDAである、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記データプロセッサは、
所定の周波数を発生する周波数合成器と、
前記合成器の前記所定の周波数を受け取る一つの入力およびセンサの前記トランスミッタによる発信の周波数の受け取る第二入力を有し、かつ一方の入力の周波数が他方の入力の周波数から減算された出力周波数を生成するためのミクサと、
クロック周波数を発生するためのクロック発振器と、
前記ミクサの出力を受け取る一つの入力および前記クロック発振器の出力を受け取る第二入力を有し、前記センサの前記トランスミッタによる発信の周波数の測定を提供するための出力回路と、
を備えた、周波数測定回路を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記データプロセッサは、
一方のセンサからの入力およびCPUへの出力を有する単一測定チャネルと、
他方のセンサからの入力および前記単一測定チャネルおよび前記CPUにクロックパルスを提供する出力を有する位相同期ループと、
を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項25】
第一有効長の第一音響チャネルを画定し、かつ温度に感応する第一線膨張率を有する第一の軟質弾性材料体を含む請求項1に記載の第一装置と、
第二有効長の第二音響チャネルを画定し、かつ温度に感応する前記第一線膨張率とは異なる第二線膨張率を有する第二の軟質弾性材料体を含む請求項1に記載の第二装置と、
前記第一装置からのその周波数を制御するための第一電気フィードバック回路と、
前記第二装置からのその周波数を制御するための第二電気フィードバック回路と、
前記第一および第二電気フィードバック回路の出力を受け取る低域通過フィルタ付き位相検出器と、
前記位相検出器の出力に感応して前記第一および第二の軟質弾性材料体を制御して、両方の音響チャネルの周波数を等化するように両方の軟質弾性材料体の有効長を変化させる制御装置と、
を備えた、所定の周波数を発生するためのシステム。
【請求項26】
トランスミッタと、整数個の音波をレシーバに発信するようにトランスミッタを制御するレシーバとを有し、かつ第一有効長および温度に感応する第一線膨張率を有する第一音響チャネルと、
トランスミッタと、整数個の音波をレシーバに発信するようにトランスミッタを制御するレシーバとを有し、かつ第二有効長および温度に感応する第二線膨張率を有する第二音響チャネルと、
前記第一音響チャネルからのその周波数を制御するための第一電気フィードバック回路と、
前記第二音響チャネルからのその周波数を制御するための第二電気フィードバック回路と、
前記第一および第二電気フィードバック回路の出力を受け取る位相検出器と、
前記位相検出器の出力に感応して前記第一および第二音響チャネルを制御して、二つの音響チャネルの周波数を等化する制御装置と、
を備えた、所定の周波数を発生するためのシステム。
【請求項27】
前記位相検出器は、低域通過フィルタを有する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記音響チャネルの各々は、高い音波透過率及び低い音波減衰を有する軟質弾性材料体を含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項1】
媒体中のエネルギ波の通過時間に対し既知または決定可能な関係を有する所定のパラメータを測定するための装置であって、
エネルギ波を前記媒体中に発信させるためのトランスミッタおよび前記トランスミッタによって発信された前記エネルギ波を受け取るためのレシーバを含む、前記所定のパラメータを測定するためのセンサと、
前記トランスミッタから前記レシーバまでのエネルギ波の通過時間または通過時間の変化を測定し、それによって前記所定のパラメータの測定を実現するデータプロセッサと
を備えた装置において、
前記センサは前記エネルギ波に対する高い透過率および低い減衰特性を有する軟質弾性材料体を含み、前記トランスミッタおよびレシーバは、前記パラメータが前記センサによって感知されたときに前記レシーバに対する前記トランスミッタの変位を生じるように、前記軟質弾性材料体によって相互に間隔をおいて配置され、それによって前記トランスミッタから前記レシーバまでの前記エネルギ波の通過時間または通過時間の変化の測定がレシーバに対するトランスミッタの変位の測定を実現し、その結果前記所定のパラメータの測定を実現することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記弾性材料がシリコーンエラストマである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記弾性材料が5〜60のショアA硬度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記弾性材料が7〜20のショアA硬度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記エネルギ波が音波である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記トランスミッタおよびレシーバが前記弾性材料体に埋め込まれている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
ブリッジによって接続された一対の脚を前記弾性材料体に形成し、前記トランスミッタを一方の脚に埋め込み、前記ブリッジを介して前記トランスミッタと連通する状態で前記レシーバを他方の脚に埋め込んだ、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記弾性材料体はその少なくとも一つの面に、前記データプロセッサの回路機構の少なくとも一部分を組み込んだプリント配線基板を担持する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記弾性材料体は、センサが前記変位の変化率を感知するように、慣性部材として働く錘をも担持する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記弾性材料体は温度を測定するための温度センサをも担持し、
前記温度センサは、エネルギ波を発振するための第二トランスミッタと、前記第二トランスミッタによって発振されたエネルギ波を受信するための第二レシーバと、前記第二トランスミッタと第二レシーバとの間の感温経路とを含み、
前記データプロセッサは、前記感知された温度による前記感温経路の透過率の変化から結果的に生じる、前記第二トランスミッタから前記第二レシーバへの音エネルギの通過時間の変化を測定し、それによって前記感温経路の温度の測定をもたらすのにも有効である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記装置は共通支持体に装着された前記センサの二つを含み、それらの端部の一方は相互に向き合って整列し、それらの反対側の端部は前記支持体に固定され、前記センサの前記向き合った端部は、それらの間に配置されかつ前記所定のパラメータによって一方のセンサに近づきかつ他方のセンサから遠ざかるように変位可能である部材に固定され、前記変位可能な部材のいずれかの方向の変位は一方のセンサの弾性体を圧縮させ、かつ他方のセンサの弾性体を膨張させ、それによって温度および他の過渡的影響を実質的に除去する一方、前記所定のパラメータの測定を向上させる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記弾性材料体は磁石をも担持し、それによって外部磁界の測定を可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は血圧の非侵襲的測定用であり、前記センサがカフ内の圧力を測定することができるように、前記センサと連通する膨張可能なカフを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記装置は、前記センサによる圧力測定が患者の脈拍の拍動から結果的に生じる患者の動脈内の血圧の振れによって発生するオシレーションコンプレックスを含むように、前記カフを徐々に収縮させるための手段をさらに含み、それによって前記装置をオシロメトリックな方法に従って患者の血圧を非侵襲的に測定するために使用することを可能にする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記センサをピトー管に担持し、それによって流体媒体を介する対象物の速度の測定を可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記センサは液体中に浸漬可能であり、それによって液体の密度または液体中のセンサの浸漬の深さを測定する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、前記センサの一つまたはそれ以上によって支持された秤をさらに含み、それによって秤上の重量の測定を可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記装置はキーボードまたは圧力分布センサとして使用される前記センサの集積アレイを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記センサは加圧容器または管内の開口内に受容される寸法および形状に形成され、その中の圧力を測定する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記弾性材料体は人間の指、手首、腕、または脚を受容するための環状の形状である、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記弾性材料体はC字形であり、一端に前記トランスミッタ、他端に前記レシーバ、および両端を接合する弾性バンドを含み、弾性材料体を人間の身体部分に装着し、かつ前記弾性材料体の寸法および前記バンドの弾性に応じて所定の圧力を前記身体部分に付与することができるようにした、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記センサをトランスミッションシステムの二つの部分の間に装着して、前記トランスミッションシステムのトルクを測定するようにした、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
一対の前記センサをトランスミッションシステムの前記二つの部分の間に装着して、そのトルクがセンサの一方を圧縮し、かつ前記センサの他方を拡張するようにし、それによって温度または他の過渡的作用に実質的に影響されないトランスミッションシステムのトルクの測定を達成する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記装置は、ループ内の一つのセンサのレシーバがループ内の次のセンサのトランスミッタをトリガするように、ループ状に接続された複数のセンサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
人間の心臓および呼吸活動を検出するために、前記センサを人間の下に配置される一対のプレートの間に装着した、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記装置はアラームおよび振動器をさらに含み、前記データプロセッサは、心臓活動が第一の所定の期間中に検出されないときに前記アラームを作動させ、呼吸活動が前記第一期間より長い第二の所定の期間中に検出されないときに前記振動器を作動させ、呼吸活動が前記第二期間より長い第三の所定の期間中に検出されないときに前記アラームを作動させる、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記データプロセッサは、(a)各受信エネルギ波中の所定の基点を検出すること、(b)各受信エネルギ波の検出された基点に応じてエネルギ波の発信の周波数を連続的に変化させて、受信される波数が整数となるようにすること、および(c)周波数の変化を測定し、それによって前記所定のパラメータの測定をもたらすことに効果的である、請求項1に記載の装置。
【請求項28】
媒体中のエネルギ波の通過時間に対し既知または決定可能な関係を有する所定のパラメータを感知するためのセンサであって、
前記エネルギ波に対する高い透過率および低い減衰特性を有する軟質弾性材料体と、
レシーバによって受け取られるエネルギ波が、トランスミッタによって発信され、前記軟質弾性材料体の少なくとも一部分を横断した後のエネルギ波であるように、前記材料体によって相互に相隔たる関係によって支持されたトランスミッタおよびレシーバと
を備えたセンサ。
【請求項29】
前記弾性材料がシリコーンエラストマである、請求項28に記載のセンサ。
【請求項30】
前記弾性材料が5〜40のショアA硬度を有する、請求項28に記載のセンサ。
【請求項31】
前記弾性材料が7〜20のショアA硬度を有する、請求項28に記載のセンサ。
【請求項32】
前記エネルギ波が音波である、請求項28に記載のセンサ。
【請求項33】
前記トランスミッタおよびレシーバが前記弾性材料体に埋め込まれている、請求項28に記載のセンサ。
【請求項34】
ブリッジによって接続された一対の脚を前記弾性材料体に形成し、前記トランスミッタを一方の脚に埋め込み、前記ブリッジを介して前記トランスミッタと音連通する状態で前記レシーバを他方の脚に埋め込んだ、請求項28に記載のセンサ。
【請求項35】
前記弾性材料体は温度を測定するための温度センサをも担持する、請求項28に記載のセンサ。
【請求項36】
前記弾性材料体は磁石をも担持し、それによって外部磁界の測定を可能にする、請求項28に記載のセンサ。
【請求項37】
前記弾性材料体はキーボードまたは圧力分布センサとして使用される前記トランスミッタおよびレシーバのアレイを含む、請求項28に記載のセンサ。
【請求項38】
前記弾性材料体は人間の指、手首、または腕を受容するための環状の形状である、請求項28に記載のセンサ。
【請求項39】
前記センサは、前記センサを前記トランスミッタとレシーバとの間の間隔の変化率に対して敏感にさせるために効果的な慣性部材として作用する錘をも含む、請求項28に記載のセンサ。
【請求項40】
前記錘は、枢着されたアームによって担持される、請求項39に記載のセンサ。
【請求項41】
前記センサは第一部材を第二部材に固定するための固定装置によって担持され、前記固定装置は、一端がU字形湾曲部によって接合されかつ他端が間隔を置いて配置された二つのアームを有し、前記第一部材は前記アームの一方の前記第一端に固定可能であり、前記第二部材は前記アームの他方の前記第一端に固定可能であり、前記センサは前記アームの前記他端の間に固定される、請求項28に記載のセンサ。
【請求項42】
前記軟質弾性材料は、前記トランスミッタとレシーバとの間に狭幅発信チャネルを画定するように狭幅ストリップの形態である、請求項28に記載のセンサ。
【請求項43】
前記狭幅ストリップは円筒形の圧力変形可能材料体の外面に固定されて前記体の外周の少なくとも一部分の周りに延在する、請求項42に記載のセンサ。
【請求項44】
前記エネルギ波は音波であり、前記狭幅発信チャネルは狭幅音響チャネルである、請求項42に記載のセンサ。
【請求項45】
前記センサは、前記軟質弾性材料の前記ストリップの両端に高い音波減衰特性を有するダンパ材料をさらに含み、前記ダンパ材料は前記狭幅音響チャネルにおける音波以外の音波を吸収するのに効果的である、請求項44に記載のセンサ。
【請求項46】
軟質弾性材料の前記狭幅ストリップはその両端から懸架状態に装着され、センサは、センサが装着された対象物の動きに対し非常に高感度になるように、軟質弾性材料の前記狭幅ストリップの中央部分に作用する錘をさらに含む、請求項44に記載のセンサ。
【請求項47】
前記錘は一端を枢着され、その反対側の端は軟質弾性材料の前記狭幅ストリップの中央部分と係合する、請求項46に記載のセンサ。
【請求項48】
軟質弾性材料の前記狭幅ストリップは、チャンバを規定する変形可能な膜上に装着され、膜が前記チャンバ内の圧力に対応して変形可能であるようにした、請求項44に記載のセンサ。
【請求項49】
軟質弾性材料の前記狭幅ストリップは収縮可能かつ膨張可能な支持部材に装着され、前記支持部材の収縮が前記音響チャネルを収縮させ、かつ前記支持部材の膨張が前記音響チャネルを膨張させるようにした、請求項44に記載のセンサ。
【請求項50】
前記支持部材は、人体の一部を取り囲みかつそれによって呼吸および/または心臓活動によるその動きを検出する形状および構成に形成された、ベルトまたはバンドの弾性部分である、請求項49に記載のセンサ。
【請求項51】
前記狭幅音響チャネルは、二つの流体チャンバの差圧を測定するように、二つの流体チャンバの間の変形可能な膜の両面の各々に装着された、請求項44に記載のセンサ。
【請求項52】
前記狭幅音響チャネルは、測定された力の温度補償を達成するように、力測定装置内の変形可能な膜の両面の各々に、相互に直角に向くように装着された、請求項44に記載のセンサ。
【請求項53】
前記装置は、装置が前記所定のパラメータを測定するためにも使用できるようにするために前記センサを担持するハウジングを含む、手持ち式携帯電気装置の形態である、請求項1に記載の装置。
【請求項54】
前記センサは、前記センサを前記所定のパラメータの変化率に対して敏感にさせるために効果的な慣性部材として作用する錘を含む、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記手持ち式携帯電気装置は、携帯電話機またはPDAである、請求項53に記載の装置。
【請求項56】
前記データプロセッサは、
所定の周波数を発生する周波数合成器と、
前記合成器の前記所定の周波数を受け取る一つの入力およびセンサの前記トランスミッタによる発信の周波数の受け取る第二入力を有し、かつ一方の入力の周波数が他方の入力の周波数から減算された出力周波数を生成するためのミクサと、
クロック周波数を発生するためのクロック発振器と、
前記ミクサの出力を受け取る一つの入力および前記クロック発振器の出力を受け取る第二入力を有し、前記センサの前記トランスミッタによる発信の周波数の測定を提供するための出力回路と、
を備えた、周波数測定回路を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項57】
前記出力回路および前記クロック発振器はキャプチャ機能を有するマイクロプロセッサによって実現され、前記クロック発振器によってクロックされる内部カウンタの状態を固定するために、測定された周波数の各縁は内部ラッチレジスタを制御する、請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記ミクサはデジタル論理AND素子と共に低域通過アナログフィルタおよび比較器によって実現される、請求項56に記載の装置。
【請求項59】
前記データプロセッサは、
一方のセンサからの入力およびCPUへの出力を有する単一測定チャネルと、
他方のセンサからの入力および前記単一測定チャネルおよび前記CPUにクロックパルスを提供する出力を有する位相同期ループと、
を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項60】
第一有効長の第一音響チャネルを画定し、かつ温度に感応する第一線膨張率を有する第一の軟質弾性材料体を含む請求項1に記載の第一装置と、
第二有効長の第二音響チャネルを画定し、かつ温度に感応する前記第一線膨張率とは異なる第二線膨張率を有する第二の軟質弾性材料体を含む請求項1に記載の第二装置と、
前記第一装置からのその周波数を制御するための第一電気フィードバック回路と、
前記第二装置からのその周波数を制御するための第二電気フィードバック回路と、
前記第一および第二電気フィードバック回路の出力を受け取る低域通過フィルタ付き位相検出器と、
前記位相検出器の出力に感応して前記第一および第二の軟質弾性材料体を制御して、両方の音響チャネルの周波数を等化するように両方の軟質弾性材料体の有効長を変化させる制御装置と、
を備えた、所定の周波数を発生するためのシステム。
【請求項61】
トランスミッタと、整数個の音波をレシーバに発信するようにトランスミッタを制御するレシーバとを有し、かつ第一有効長および温度に感応する第一線膨張率を有する第一音響チャネルと、
トランスミッタと、整数個の音波をレシーバに発信するようにトランスミッタを制御するレシーバとを有し、かつ第二有効長および温度に感応する第二線膨張率を有する第二音響チャネルと、
前記第一音響チャネルからのその周波数を制御するための第一電気フィードバック回路と、
前記第二音響チャネルからのその周波数を制御するための第二電気フィードバック回路と、
前記第一および第二電気フィードバック回路の出力を受け取る位相検出器と、
前記位相検出器の出力に感応して前記第一および第二音響チャネルを制御して、二つの音響チャネルの周波数を等化する制御装置と、
を備えた、所定の周波数を発生するためのシステム。
【請求項62】
前記位相検出器は、低域通過フィルタを有する、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記音響チャネルの各々は、高い音波透過率及び低い音波減衰を有する軟質弾性材料体を含む、請求項61に記載のシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体中のエネルギ波の通過時間に対し既知または決定可能な関係を有する所定のパラメータを測定するための装置であって、
エネルギ波を前記媒体中に発信させるためのトランスミッタおよび前記トランスミッタによって発信された前記エネルギ波を受け取るためのレシーバを含む、前記所定のパラメータを測定するためのセンサと、
前記トランスミッタから前記レシーバまでのエネルギ波の通過時間または通過時間の変化を測定し、それによって前記所定のパラメータの測定を実現するデータプロセッサと
を備えた装置において、
前記センサは前記エネルギ波に対する高い透過率および低い減衰特性を有する軟質弾性材料体を含み、前記トランスミッタおよびレシーバは、前記パラメータが前記センサによって感知されたときに前記レシーバに対する前記トランスミッタの変位を生じるように、前記軟質弾性材料体によって相互に間隔をおいて配置され、それによって前記トランスミッタから前記レシーバまでの前記エネルギ波の通過時間または通過時間の変化の測定がレシーバに対するトランスミッタの変位の測定を実現し、その結果前記所定のパラメータの測定を実現することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記弾性材料がシリコーンエラストマである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記弾性材料が5〜60のショアA硬度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記弾性材料が7〜20のショアA硬度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記エネルギ波が音波である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記トランスミッタおよびレシーバが前記弾性材料体に埋め込まれている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は共通支持体に装着された前記センサの二つを含み、それらの端部の一方は相互に向き合って整列し、それらの反対側の端部は前記支持体に固定され、前記センサの前記向き合った端部は、それらの間に配置されかつ前記所定のパラメータによって一方のセンサに近づきかつ他方のセンサから遠ざかるように変位可能である部材に固定され、前記変位可能な部材のいずれかの方向の変位は一方のセンサの弾性体を圧縮させ、かつ他方のセンサの弾性体を膨張させ、それによって温度および他の過渡的影響を実質的に除去する一方、前記所定のパラメータの測定を向上させる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
媒体中のエネルギ波の通過時間に対し既知または決定可能な関係を有する所定のパラメータを感知するためのセンサであって、
前記エネルギ波に対する高い透過率および低い減衰特性を有する軟質弾性材料体と、
レシーバによって受け取られるエネルギ波が、トランスミッタによって発信され、前記軟質弾性材料体の少なくとも一部分を横断した後のエネルギ波であるように、前記材料体によって相互に相隔たる関係によって支持されたトランスミッタおよびレシーバと
を備えたセンサ。
【請求項9】
前記弾性材料がシリコーンエラストマである、請求項8に記載のセンサ。
【請求項10】
前記弾性材料が5〜40のショアA硬度を有する、請求項8に記載のセンサ。
【請求項11】
前記弾性材料が7〜20のショアA硬度を有する、請求項8に記載のセンサ。
【請求項12】
前記エネルギ波が音波である、請求項8に記載のセンサ。
【請求項13】
前記トランスミッタおよびレシーバが前記弾性材料体に埋め込まれている、請求項8に記載のセンサ。
【請求項14】
前記弾性材料体はキーボードまたは圧力分布センサとして使用される前記トランスミッタおよびレシーバのアレイを含む、請求項8に記載のセンサ。
【請求項15】
前記弾性材料体は人間の指、手首、または腕を受容するための環状の形状である、請求項8に記載のセンサ。
【請求項16】
前記センサは、前記センサを前記トランスミッタとレシーバとの間の間隔の変化率に対して敏感にさせるために効果的な慣性部材として作用する錘をも含む、請求項8に記載のセンサ。
【請求項17】
前記錘は、枢着されたアームによって担持される、請求項16に記載のセンサ。
【請求項18】
前記軟質弾性材料は、前記トランスミッタとレシーバとの間に狭幅発信チャネルを画定するように狭幅ストリップの形態である、請求項8に記載のセンサ。
【請求項19】
前記エネルギ波は音波であり、前記狭幅発信チャネルは狭幅音響チャネルである、請求項18に記載のセンサ。
【請求項20】
前記センサは、前記軟質弾性材料の前記ストリップの両端に高い音波減衰特性を有するダンパ材料をさらに含み、前記ダンパ材料は前記狭幅音響チャネルにおける音波以外の音波を吸収するのに効果的である、請求項19に記載のセンサ。
【請求項21】
前記装置は、装置が前記所定のパラメータを測定するためにも使用できるようにするために前記センサを担持するハウジングを含む、手持ち式携帯電気装置の形態である、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記手持ち式携帯電気装置は、携帯電話機またはPDAである、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記データプロセッサは、
所定の周波数を発生する周波数合成器と、
前記合成器の前記所定の周波数を受け取る一つの入力およびセンサの前記トランスミッタによる発信の周波数の受け取る第二入力を有し、かつ一方の入力の周波数が他方の入力の周波数から減算された出力周波数を生成するためのミクサと、
クロック周波数を発生するためのクロック発振器と、
前記ミクサの出力を受け取る一つの入力および前記クロック発振器の出力を受け取る第二入力を有し、前記センサの前記トランスミッタによる発信の周波数の測定を提供するための出力回路と、
を備えた、周波数測定回路を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記データプロセッサは、
一方のセンサからの入力およびCPUへの出力を有する単一測定チャネルと、
他方のセンサからの入力および前記単一測定チャネルおよび前記CPUにクロックパルスを提供する出力を有する位相同期ループと、
を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項25】
第一有効長の第一音響チャネルを画定し、かつ温度に感応する第一線膨張率を有する第一の軟質弾性材料体を含む請求項1に記載の第一装置と、
第二有効長の第二音響チャネルを画定し、かつ温度に感応する前記第一線膨張率とは異なる第二線膨張率を有する第二の軟質弾性材料体を含む請求項1に記載の第二装置と、
前記第一装置からのその周波数を制御するための第一電気フィードバック回路と、
前記第二装置からのその周波数を制御するための第二電気フィードバック回路と、
前記第一および第二電気フィードバック回路の出力を受け取る低域通過フィルタ付き位相検出器と、
前記位相検出器の出力に感応して前記第一および第二の軟質弾性材料体を制御して、両方の音響チャネルの周波数を等化するように両方の軟質弾性材料体の有効長を変化させる制御装置と、
を備えた、所定の周波数を発生するためのシステム。
【請求項26】
トランスミッタと、整数個の音波をレシーバに発信するようにトランスミッタを制御するレシーバとを有し、かつ第一有効長および温度に感応する第一線膨張率を有する第一音響チャネルと、
トランスミッタと、整数個の音波をレシーバに発信するようにトランスミッタを制御するレシーバとを有し、かつ第二有効長および温度に感応する第二線膨張率を有する第二音響チャネルと、
前記第一音響チャネルからのその周波数を制御するための第一電気フィードバック回路と、
前記第二音響チャネルからのその周波数を制御するための第二電気フィードバック回路と、
前記第一および第二電気フィードバック回路の出力を受け取る位相検出器と、
前記位相検出器の出力に感応して前記第一および第二音響チャネルを制御して、二つの音響チャネルの周波数を等化する制御装置と、
を備えた、所定の周波数を発生するためのシステム。
【請求項27】
前記位相検出器は、低域通過フィルタを有する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記音響チャネルの各々は、高い音波透過率及び低い音波減衰を有する軟質弾性材料体を含む、請求項26に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【公表番号】特表2006−524798(P2006−524798A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502639(P2006−502639)
【出願日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【国際出願番号】PCT/IL2004/000138
【国際公開番号】WO2004/072658
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(501415637)ネクセンス リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【国際出願番号】PCT/IL2004/000138
【国際公開番号】WO2004/072658
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(501415637)ネクセンス リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
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