横磁束機械
【課題】本発明の目的は、単純で経済的なコア構造をもつ横磁束機械装置(TFMA)を提供することである。本発明の他の対象は、インホイールモータやエンジンのクランクシャフトに結合された発電電動機やリニアモーター・ドライブのクランクシャフトの上でリニアコンプレッサのようない可変速用途において、優れたトルク特性をもつTFMAに提供することである。
【解決手段】このTFMAは、積層鉄板をもつコアを採用する。コアは、3D磁束通路を作るために、左斜め部及び右斜め部を有する。斜め部をもつ積層鉄コアを用いる複数の3D構造が、開示される。斜め部を使用することにより、コアはムカデのように見えます。CTFMと呼ばれるムカデのようなTFMは、複数のタイプをもつ。このCTFMのために、複数のモータ構造及び複数の駆動装置も開示される。
【解決手段】このTFMAは、積層鉄板をもつコアを採用する。コアは、3D磁束通路を作るために、左斜め部及び右斜め部を有する。斜め部をもつ積層鉄コアを用いる複数の3D構造が、開示される。斜め部を使用することにより、コアはムカデのように見えます。CTFMと呼ばれるムカデのようなTFMは、複数のタイプをもつ。このCTFMのために、複数のモータ構造及び複数の駆動装置も開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横磁束機械装置(TFMA)に関する。
【0002】
より詳しくは、本発明は、積層鉄板で形成されたTFMAに関する。
【背景技術】
【0003】
多数の極と短い電流経路とをもつ横磁束機械(TFM)は、高トルク/重量比、高出力/重量比及び低銅損をもつモータとして知られている。TFMとして、横磁束永久磁石同期機(TFPM)、横磁束スイッチドリラクタンス機械(TFSRM)及び横磁束誘導機械(TFIM)が提案されている。
【0004】
しかし、TFMの複雑なコア構造の故に、従来のTFMは広く製造されるに至っていない。従来のTFMは、立体コア構造を製作するために、ソフトマグネティックコンポジット(SMC)のコアまたは分割積層コア(SLC)を用いている。SMCコアとSLCの磁気特性及び頑丈さは十分ではない。他の理由は、TFMが単相の巻線をもつTFMの単相駆動原理にある。たとえば、単相誘導機械(TFIM)の始動トルクはゼロである。
【0005】
最近、減速ギヤ損失及び小慣性質量のダイレクトドライブ(DD)モーターが、車両産業及び風力タービン産業で強く要望されている。しかし、永久磁石同期機(PMSM)を使用するDDモーターは、レアアース永久磁石を使うため高価になる。シンクロナスリラクタンスモーター(SynRM)、スイッチドリラクタンスモーター(SRM)及び誘導電動機(IM)は、低いコストを有している。TFM構造を使用する場合に、DDモーターはPMSMの代わりにSynRM、SRMとIMを使用することができる。しかし、それらのトルク/重量比率は、PMSMより小さい。
【0006】
図1に示されるように、米国特許第7,830,057号は3つの単相TFMsをもつタンデムTFMを提案している。このTFMは、分割型コア構造をもつ。しかし、分割型コア構造は、高い磁気抵抗と低いロバストネス(頑丈さ)と複雑な構造とをもつ。
【0007】
図2は、従来の三相ラジアル磁束誘導機械を駆動するための三相インバーターを示す。6つのレグと1つの接続切換スイッチとを備えるインバーターは、三相巻線の直列接続を並列接続に切り換えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,830,057号
【発明の概要】
【0009】
本発明の一目的は、簡素で経済的なコア構造をもつ横磁束機械装置(TFMA)を提供することである。本発明のもう一つの目的は、低減された動力損失をもつTFMAを提供するである。発明の更にもう一つの目的は、優れたトルク特性をもつTFMAを可変速用途に提供することである。
【0010】
本発明の第1の様相において、TFMは積層鉄板をもつコアを採用する。コアは、3D磁路を作るために、左斜め部と右斜め部を有する。斜め部をもつ積層鉄板を用いる3D構造が開示される。斜め部の使用により、コアはムカデのように見える。
CTFMと呼ばれるムカデのようなTFMは、多くのタイプを有する。
【0011】
単相誘導電動機のトルクを発生する横磁束誘導機械(TFIM)が提案される。ロータのティース及び斜め部を支持しているロータハウジングは周知の篭形二次導体としてふるまう。TFMがロータティースの周囲に多くのスペースを有するので、TFIMは、二次巻線の低い電気抵抗をもつ。それは、TFIMの効率の改善を生じさせる。TFIMは、本質的に起動トルクをもたない。しかし、二重突極コア構造のため、TFIMは、単相のシンクロナスリラクタンスモーターとして始動することができる。
【0012】
横磁束シンクロナスリラクタンス機械(TFSynRM)は、単相シンクロナスリラクタンスモーターのトルクを発生する。さらに、ロータティースの間のスペースに配置された永久磁石層をもつTFSynRMは、増加されたトルクをもつ。永久磁石層の追加により、TFSynRMのサイズは増加されない。
【0013】
横磁束スイッチドリラクタンス機械(TFSRM)は、単相スイッチドリラクタンスモーターのトルクを発生させる。さらに、ロータティースの間のスペースに配置される永久磁石層をもつTFSRMは、増加されたトルクをもつ。永久磁石層の追加により、TFSRMのサイズは、増加されない。
【0014】
界磁巻線をもつ横磁束巻ロータ機械(TFWRRM)は、同期モーターのトルクを発生させる。TFMのロータは左ロータティースと右ロータティースの間に環状スロットをもつため、界磁巻線は低い電気抵抗をもつ。それは、TFWRMの効率の改善を生じさせる。
【0015】
このTFWRMの環状界磁巻線は、ロータリートランスをもつ誘導送電装置(IPT)により給電される。しかし、IPT及び界磁巻線は、電力損失及び熱発生を有する。この問題は、フリーホィーリングダイオードとパルス状の一次電流を用いることにより改善される。このIPTは、従来のラジアル磁束機械(RFM)で用いられることもできる。
【0016】
3つの単相TFMsを運転するためのデユアル3相インバーターが提案される。接続切換スイッチ付きのデユアル3相インバーターは、RFMのためにすでに提案されていた。しかし、タンデム配列TFMが接続切換スイッチ付きのデユアル3相インバータを採用できるかどうかは知られていなかった。
【0017】
6個のTFMを駆動する9スイッチ・インバータが提案される。この9スイッチ・インバータは、発明者によってRFMのためにすでに提案されていた。しかし、タンデム配列TFMが9スイッチ・インバータを採用できるかどうかは知られていなかった。9スイッチ・インバータは、並列接続を直列接続に切り換えることにより相電流方向が変化するという問題を有する。しかし、タンデム配列TFIMとタンデム配列TFSynRMのトルクは、この接続切換により変化されないことがわかった。タンデム配列された4つの単相TFSRMを駆動するための4相パワーコンバータが提案される。各単相TFSRMは、ラジアル磁束構造をもつ従来の4相SRMよりも長いインダクタンス増加期間をもつ。その結果、2つの上スイッチと2つの下スイッチをもつ4相パワーコンバータは、電流リップル及びトルクリップルを減らすことができることがわかった。そのうえ、4相パワーコンバータは、直列接続を並列接続に切り換えることができる。それは、可変速用途において好適である。
【0018】
回転軸に固定される一乃至複数の金属ディスクが提案される。ディスクは、小さな音響ノイズと低い電力消費とで軸を冷却する。銅板またはアルミニウム金属板で製造されたディスクは、本質的に径方向へ延在する線状凹部をもつことができる。CTFMのコアは、リング部と突出部をもつ複数のティースホルダで支えられるティースをもつことができる。非磁性金属材で作られたティースホルダは、コア表面に接触する。渦電流を減らすためにコア表面に樹脂層を設けることが望ましい。ティースホルダは、コアのティースに結合するための結合部を有している。したがって、コア振動が低減され、コア及び巻線はティースホルダによって冷却される。本発明の他の特徴が実施例により説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、分割コアをもつ従来の単相TFMsを示す軸方向横断面図である。
【図2】図2は、3相ラジアル磁束機械を駆動するための接続切換スイッチ付き従来インバータを示す回路図である。
【図3】図3は、第1実施例の3個の軸方向タンデムTFIMを示す軸方向横断面図である。
【図4】図4は、図3に示される軸方向積層ステータコアの軸横断面図である。
【図5】図5は、図4に示されるステータコアを示す部分側面図である。
【図6】図6は、図4に示されるステータコアの部分平面図である。
【図7】図7は、図3に示されるロータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図8】図8は、図3に示されるステータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図9】図9は、図3に示されるTFIMを駆動するためのTFMAを示すブロック回路図である。
【図10】図10は、図9に示されるTFMAの接続切換動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図3に示されるTFIMを用いる2台の発電電動機をもつシリーズ-ハイブリッド車の電力システムを示す概略構成である。
【図12】図12は、2台の発電電動機の一般の周波数と図11に示される2台の発電電動機の2つのロータに等しい2つのロータ頻度の頻度を表する。
【図13】図13は、図11に示される電力システムの接続切換動作を示すフローチャートである。
【図14】図14は、軸方向タンデム配列をもつ3つのTFSynRMを示す軸方向横断面図である。
【図15】図15は、図14に示されるロータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図16】図16は、図14に示される3つのTFSynRMsのインダクタンス及び電流を示すタイミング・チャートである。
【図17】図17は、軸方向タンデム配列をもつ3つのTFSM(横磁束同期機)を示す軸方向横断面図である。
【図18】図18は、図17に示されるロータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図19】図19は、図17に示されるステータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図20】図20は、軸方向タンデム配列をもつ3つのTFWRM(横磁束巻ロータ機械)を示す軸方向横断面図である。
【図21】図21は、図20に示されるTFWRMに界磁電流を供給するための誘導送電装置(IPT)を示す回路図である。
【図22】図22は、図21に示されるIPTの電流及びゲート電圧の波形を示すタイミング・チャートである。
【図23】図23は、図3と14に示されるTFSynRM又はTFIMを駆動するためのデユアル3相インバータを示す回路図である。
【図24】図24は、軸方向タンデム配列をもつデユアル3相TFIMを示す軸方向横断面図である。
【図25】図25は、図24に示されるタンデム配列TFIM又はタンデムTFSynRMを駆動するための9スイッチ・インバータの回路図である。
【図26】図26は、図25に示される9スイッチ・インバータの直列接続モードを示す回路図である。
【図27】図27は、図25に示される9スイッチ・インバータの並列接続モードを示す回路図である。
【図28】図28は、図25に示される9スイッチ・インバータの接続切換動作を示すフローチャートである。
【図29】図29は、第2実施例の軸方向タンデム式の4つのFSRMを示す軸方向横断面図である。
【図30】図30は、図29に示されるステータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図31】図31は、図29に示されるロータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図32】図32は、永久磁石層をもつ4つのTFHMを示す軸方向横断面図である。
【図33】図33は、図32に示される極領域及びロータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図34】図34は、図32に示されるステータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図35】図35は、図41に示されるロータの動作を示す模式図である。
【図36】図36は、図29及び図32に示されるTFSRMを駆動するための非対称4相パワーコンバータを示す回路図である。
【図37】図37は、TFSRMのインダクタンス及びモータ電流の波形を示すタイミング・チャートである。
【図38】図38は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる直列接続モードの第1タイミングを示す回路図である。
【図39】図39は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる直列接続モードの第2タイミングを示す回路図である。
【図40】図40は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる直列接続モードの第3タイミングを示す回路図である。
【図41】図41は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる直列接続モードの第4タイミングを示す回路図である。
【図42】図42は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる並列接続モードの第1タイミングを示す回路図である。
【図43】図43は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる並列接続モードの第2タイミングを示す回路図である。
【図44】図44は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる並列接続モードの第3タイミングを示す回路図である。
【図45】図45は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる並列接続モードの第4タイミングを示す回路図である。
【図46】図46は、図29に示されるTFSRM又はTFHMの発電電流の波形及びインダクタンスを示すタイミング・チャートである。
【図47】図47は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第1タイミングを示す回路図である。
【図48】図48は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第2タイミングを示す回路図である。
【図49】図49は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第3タイミングを示す回路図である。
【図50】図50は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第4タイミングを示す回路図である。
【図51】図51は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第5タイミングを示す回路図である。
【図52】図52は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第6タイミングを示す回路図である。
【図53】図53は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第7タイミングを示す回路図である。
【図54】図54は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第8タイミングを示す回路図である。
【図55】図55は、図29及び図32に示される4相TFHM又は4相TFSRMを運転するための変形パワーコンバータを示す回路図である。
【図56】図56は、第3実施例の周方向タンデム配列をもつ二重3相TFIMを示す軸方向横断面図である。
【図57】図57は、図56に示されるTFIMの配列を示す模式側面図である。
【図58】図58は、図56に示される分割ステータコア及びティースホルダを例示するための軸方向横断面図である。
【図59】図59は、図56に示されるステータコアを示す部分側面図である。
【図60】図60は、図56に示されるTFIMを示す側面展開図である。
【図61】図61は、図56に示されるステータコアを示す軸方向横断面図である。
【図62】図62は、図56に示されるステータティースの1つの配列の周方向展開図である。
【図63】図63は、図56に示されるステータティースのもう一つの配列の周方向展開図である。
【図64】図64は、図56に示されるTFIMのもう一つの配列を示す模式側面図である。
【図65】図65は、図64に示されるロータティースの周方向展開図である。
【図66】図66は、第4実施例のステータコアを示す軸方向横断面図である。
【図67】図67は、図66に示されるTFPMのステータコアを示す側面図である。
【図68】図68は、図66に示されるTFPMのステータコアを示す軸方向横断面図である。
【図69】図69は、図66に示されるステータコアの分離左コア及び分離右コアを示す軸方向横断面図である。
【図70】図70は、図69に示される左コアを示す側面図である。
【図71】図71は、第5実施例の他の3つのTFPMを示す軸方向横断面図である。
【図72】図72は、図71に示されるロータ極の配置を示す周方向展開図である。
【図73】図73は、図71に示されるロータコアの分離左コア、分離共通コア及び分離右コアを示す軸方向模式断面図である。
【図74】図74は、図71に示されるステータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図75】図75は、図71に示されるステータコアのヨーク部の配列を示す周方向展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図3-図75は、積層コアのバックヨークにティースを接続する斜め部を有するムカデTFMA(CTFMAと呼ばれる)を示すための5つの実施例を示す。図3-図28は、軸方向タンデム構造をもつ3相CTFMAに関する第1の実施例を示す。タンデムCTFMAは、TFIM(横磁束誘導機械)、TFSynRM(横磁束シンクロナスリラクタンス機械)、TFSRM(横磁束スイッチドリラクタンス機械)及びTFWRM(横磁束巻ロータ機械)を含む。図29-図55は、軸方向タンデム構造の4相CTFSRMに関する第2実施例を示す。図56-図65は、周方向タンデム構造の他のCTFMAに関する第3実施例を示す。図66-図70は、斜め部とティースとの間にリング部をもつ他のCTFMAに関する第4実施例を示す。図71-図75は、上斜め部と下斜め部との間にリング部をもつ他のCTFMAに関する第5の実施例を示す。このCTFMAに用いられる開示技術の一部は、従来のコア構造をもつ従来のTFMや従来のRFM(ラジアル磁束機械)によって用いられることができる。
【0021】
第1実施例
図3に示される3相TFMAは、軸方向にタンデム配列された3つの単相TFIMを有する。U相TFIMは、U相ステータ1UとU相ロータコア4Uとを有する。V相TFIMは、V相ステータ1VとV相ロータコア4Vとを有する。W相TFIMは、W相ステータ1WとW相ロータコア4Wを有する。ステータ1U、1V及び1Wは、ステータハウジング100に取り付けられている。U相ステータ1Uは、U相巻線3Uを収容するU相ステータコア2Uを有している。V相ステータ1Vは、V相巻線3V相を収容するV相ステータコアを有している。W相ステータ1Wは、W相巻線3Wを収容するW相ステータコアを有している。ステータコア2U、2V及び2Wと相巻線3U、3V及び3Wは、各々環形に形成されてる。
【0022】
ステータハウジング100は、ディスク形の前ハウジング101とボウル形の後ハウジング102とを有してる。前ハウジング101、ティースホルダ1a、U相ステータコア2U、ティースホルダ1b、V相ステータコア2V、ティースホルダ1c、W相ステータコア2W、1dティースホルダ及び後ハウジング102のディスク部分は、軸201の軸方向AXへ順番に配置されている。ティースホルダ1a-1dと、ステータコア2U、2V及び2Wと、ロータコア4U、4V及び4Wとの詳細な構造は後で説明される。冷却導管400は、ティースホルダ1a-1dの各環状凹部に巻かれている。これらの凹部は、アルミニウムでできたティースホルダ1a-1dの外周表面に沿って周方向PHへ延在している。後ハウジング102は、ステータ1U-1W、ティースホルダ1a-1d及び冷却導管400を収容している。冷却流体(C.F.)が冷却導管400の中を流れている。後ハウジング102のシリンダ部の内周面は、ステータコア2U-2W、ティースホルダ1a-1d及び冷却導管400の外周面と接触している。好適には、ティースホルダ1a-1dは、渦電流を減らすための絶縁層(図示せず)を介してステータコア2U-2Wに接触する。この絶縁層は、2枚の軟鉄板7(図4に示される)の間の隙間71gと74gとの間に挿入される樹脂層と同プロセスで作られている。
【0023】
軸方向タンデム配置されたロータコア4U、4V及び4Wは、ダイカスト方法で製造されるロータハウジング200に固定されている。アルミニウムまたは銅でできたロータ・ハウジング200は、軸201に固定されている。軸201は、ベアリングを介してステータハウジング100に保持されている。ロータハウジング200は、3個の単相TFIMのいわゆる籠形二次巻線を構成する。ロータハウジング200は、3つのロータコア4U-4Wの3つのスロットに配置された3つの環形部40を有している。ロータコア4U-4Wは、ステータコア2U-2Wに個別に面している。軸201は、軸方向へ延在するヒートパイプ202を有している。銅板でできた冷却ディスク203は、後ハウジング102の外端面に隣接する位置にて軸201に固定されている。冷却ディスク203は、入口204と出口205とをもつケース206で覆われている。
【0024】
冷却ディスク203が回転している時、冷却ディスク203の上の空気境界層は自身の遠心力で冷却ディスク203の両ディスク面を離れる。ロータコア4U-4W及びロータハウジング200の発生熱は、ヒートパイプ202で軸201を通じて冷却ディスク203に伝達される。円筒状の液体表面の全部分が軸中心から等距離にあるため、ヒートパイプ202は、液体回帰のための構造を要しない。言い換えれば、凝縮液体が自身の遠心力で回帰するため、ヒートパイプの熱輸送能力は優れている。熱パイプ202の蒸気は、後方へ流れる。U相ステータコア2UとU相巻線3UをもつU相ステータ1Uが、図4-図6を参照して説明される。他のステータ1V及び1Wは、U相ステータ1Uと本質的に同じである。ロータコア4U-4Wの各々は、U相ステータコア2Uと本質的に同じ構造をもつ。
【0025】
ステータコア2Uは、左ステータティース21L、右ステータティース21R、環状のヨーク部24、左斜め部25L及び右斜め部25Rからなる。ステータティース21L、21Rは、径方向RA内側へ突出している。環状のヨーク部24は、周方向PHへ延在している。左ステータティース21L、右ステータティース21R、左斜め部25L及び右斜め部25Rは各々、周方向PHへ配列されている。各左斜め部25Lは、各左ステータティース21Lとヨーク部24とを接続している。各右斜め部25Rは、各右ステータティース21Rとヨーク部24とを接続している。
【0026】
左斜め部25Lは、ヨーク部24から前方へ斜めに延在している。右斜め部25Rは、ヨーク部24から後方へ斜めに延在している。左ステータティース21Lと右ステータティース21Rとは、U相コア2Uの環状スロットに収容されたU相巻線3Uを介して軸方向AXへ互いに隣接している。三角形の横断面をもつ環状の樹脂スペーサ800は、左ステータティース21Lと右ステータティース21Rとの間のスロットの上部に挿入されている。スペーサー800は、軟鉄粉を含む。
【0027】
図4に示されるように、ステータコア2Uは、軸方向へ積層された6枚の軟鉄板7で構成されている。各プレート7は、左ティース71L、右ティース71R、環状のヨーク部74、左斜め部75L及び右斜め部75Rからなる。左ティース71L及び右ティース71Rは、径方向内側へ突出している。ヨーク部74は、周方向PHへ延在している。斜めに延在する各左斜め部75Lは、各左ティース71L及びヨーク部74を接続する。斜めに延在する各右斜め部75Rは、各右ティース71Rとヨーク部74とを接続する。したがって、ステータコア2Uは、軸方向に積層された複数の軟鉄板7で構成されている。同様に、もう一つのステータコア4V、4W及びロータコア4U、4V、4Wも、ステータコア4Uと同様に、軸方向に積層された複数の軟鉄板からなる。斜め方向へ真っ直ぐに延在する左斜め部75Lは、平鉄板のプレスにより形成される。平鉄板のプレスにより形成された右斜め部75Rは、斜め方向へ真っ直ぐに延在している。
【0028】
螺旋状に積層された軟鉄板は、軸方向に積層された複数の軟鉄板7の代わりに採用されることができる。互いに隣接するヨーク部74の各ペア間に、各環状隙間74gが形成されることがわかる。同様に、軸方向AXにて互いに隣接する左ティースの各ペアの間に、ティース形の各隙間71gが形成される。同様に、ティース形の各隙間71gが、軸方向AXにおいて互いに隣接する右ティース71Rの各ペア間に形成される。各隙間74g、71gは、軟鉄粉を含む各樹脂層で埋められる。樹脂層は、鉄損の高調波成分を低減する。樹脂層を使う代わりに、ヨーク部74及びティース71L、71Rは磁気振動低減のため軸方向AXへ湾曲乃至屈曲又は突出されることができる。結局、ステータコア2Uは、複数の軟鉄板7の軸方向積層工程で作られる。
【0029】
図5は、ステータコア2Uを模式的に示す部分側面図である。図6は、ステータコア2Uの部分平面図である。左ステータティース21Lと右ステータティース21Rは、周方向PHへ交互に配列される。2つの左ステータティース21Lは、1つのステータティースとほぼ等しい周方向幅をもつスペースを越えて互いに隣接している。同様に、2つの右ステータティース21Rは、1つのステータティース21Rとほぼ等しい周方向幅をもつスペースを越えて互いに隣接している。左斜め部25Lと右斜め部25Rは、周方向PHに交互に配列される。2つの左斜め部25Lは、斜め部25Lとほぼ等しい周方向幅をもつスペースを越えて互いに隣接している。同様に、2つの右斜め部25Rは、斜め部25Rとほぼ等しい周方向幅をもつスペースを越えて互いに隣接している。
【0030】
各ロータコア4U-4Wは、左ロータティース41L、右ロータティース41R、環状のヨーク部44、左斜め部45L及び右斜め部45Rからなる。左ロータティース41Lと右ロータティース41Rは、径方向外側へ突出している。ヨーク部44は、周方向PHへ延在している。左ロータティース41L、右ロータティース41R、左斜め部45L及び右斜め部45Rは、各々周方向PHへ配列されている。各左斜め部45Lは、各左ロータティース41Lとヨーク部44とを接続している。各右斜め部45Rは、各右ロータティース41Rとヨーク部44とを接続している。左斜め部45Lは、ヨーク部44から前方へ斜めに延在している。右斜め部45Rは、ヨーク部44から後方へ斜めに延在している。左ロータティース41Lと右ロータティース41Rは、ロータハウジング200のリング部分40で埋められた環状スロットを越えて軸方向AXにて互いに隣接している。リング部40は、籠形二次巻線の一部である。左ロータティース41Lは、径方向RAにおいてステータティース21Lに面している。右ロータティース41Rは、径向RAにおいて右ステータティース21Rに面している。
【0031】
ステータコア2Uのステータティース21Lとロータコア4Uのロータティース41Lとは、互いにU相電気角をもつ。ステータコア2Vのステータティース21Lとロータコア4Vのロータティース41Lとは、互いにV相電気角をもつ。ステータコア2Wのステータティース21Lとロータコア4Wのロータティース41Lとは、互いにW相電気角をもつ。2相間の電気角は120度である。結局、図3に示されるTFMAは3つの単相TFIM(横磁束単相誘導機械)を有している。図7は、ロータティース41L、41Rの1つの配列を示す部分展開図である。図8は、ステータティース21L、21Rの1つの配列を示す部分展開図である。
【0032】
図9は、図3に示されるつのTFIMをもつTFMAを示すブロック回路図である。3相インバータ9は、3つのTFIMの単相巻線3U-3WにU相電圧、V相電圧及びW相電圧を個別に印加する。ロータ角度が検出されて、誘導電動機モードとリラクタンスモーターモードとをもつコントローラ300に伝送される。各TFIMが二重突極構造をもつので、これら3つのTFIMは、各々リラクタンストルクを発生する。言い換えれば、ステータコア2U-2Wは突極タイプであり、ロータコア4U-4Wも突極タイプである。故に、3つのTFIMの各磁気抵抗は、図11に示すようにロータ角度に従って変化する。他方、3つのTFIMはそれぞれ単相誘導モータであるため、3つのTFIMは始動トルクを発生させることができない。結局、回転始動のために、3つのTFIMは、単相シンクロナスリラクタンスモーターまたは単相スイッチドリラクタンスモーターとして駆動される。
【0033】
図10は、2つのモードのどちらかの一つの選択を示すフローチャートである。第1に、ロータ位置、ロータ角速度及びトルク指令値を含む情報がステップS200にて検出される。次のステップ121にて、誘導モータトルクTiとシンクロナスリラクタンストルクTrが、情報と記憶マップに従って計算される。TFIMの速度がゼロである時に誘導モータトルクTiがゼロであることは重大である。巻線3U-3Wがd軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqとの差をもつので、各TFIMはシンクロナスリラクタンストルクTr(=(Ld-Lq)IdIq)を発生することができる。トルクTrは、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq、d軸電流Idとq軸電流Iqに応じて計算される。
【0034】
シンクロナスリラクタンスとしてTFIMを始動した後、効率とトルク値に基づいて誘導モータモードがベターか否かがステップS202にて判断される。誘導モータモードは、誘導モータ動作の効率が同期電動機動作の効率より高い場合に選択される。誘導モータモードはステップS204で選択され、同期電動機モードはステップS206で選択される。もう一つの事例では、ステップS202にて、ロータ温度が所定閾値より高いかどうかがさらに判断される。シンクロナスリラクタンスモーター・モードの採用によりロータ銅損が低減されるので、ロータ温度がより高いときにシンクロナスリラクタンスモーターモードが選択される。
【0035】
図11は、シリーズ・ハイブリッド車の電力システムを示す模式ブロック回路図である。この電力システムは、エンジン側の発電電動機(MG1)、車輪側の発電電動機(MG2)、エンジン側の3相インバータ9E、車輪側の3相インバータ9F、DC電源9G及び接続切換リレー9Hからなる。発電電動機MG1、MG2の各々は、図3に示される3つのTFIMで構成されている。MG1の3つの相巻線3U1、3V1及び3W1はそれぞれ、3相インバータ9Eの3つのレグに接続されている。MG2の3つの相巻線3U2、3V2及び3W2はそれぞれ、3相インバータ9Fの3つのレグに接続されている。DC電源9Gの高電位ターミナルは、インバータ9E、9Fの高電位ターミナルに接続されている。接続切換リレー9Hは3つの相巻線3U1、3V1、3W1と2つの相巻線3U2、3V2、3W2とを個別に接続する。
【0036】
3つの相巻線3U1、3V1、3W1は3つの相電圧Vu1、Vv1、Vw1を個別に有する。3つの相巻線3U2、3V2、3W2は、それぞれ3つの相電圧Vu2、Vv2、Vw2を有している。コントローラ300は、6つの電圧VU1、Vv1、Vw1、Vu2、Vv2、Vw2の周波数を制御する。共通周波数は、MG1が発電機として運低電位DCリンク7され、MG2がモーターとして運転される状況下で選択される。電圧Vu1、Vv1、Vw1は同期周波数f1をもち、それはMG1のロータ速度に相当する。電圧Vu2、Vv2、Vw2は同期周波数f2をもち、それらはMG2のロータ速度に相当する。2つの同期周波数f1、f2の差が小さいとき、接続切換リレー9Hがオンされる。したがって、U相巻線3U1、3U2が直結される。V相巻線3V1、3V2が直結される。W相巻線3W1、3W2が直結される。結局、6つの相電圧Vu1、Vv1、Vw1、Vu2、Vv2及びVw2は各々、共通の周波数をもつ。
【0037】
図12は、共通周波数fo、MG1の相当周波数fg、MG2の相当周波数fmを示す。相当周波数fgは、MG1のロータ速度に相当する。相当周波数fmは、MG2のロータ速度に相当する。共通周波数は、相当周波数fgとfmの間の中間値をもつ。したがって、リレー9Hがオンにされる時、MG1はスリップ率Smをもち、MG2はスリップ率Sgをもつ。共通周波数foは、MG1とMG2の間で電流バランスを実現するために制御される。リレー9Hがオンにされるとき、インバータ9E、9Fは停止されることができる。
【0038】
図13は、リレー9Hの制御を示すフローチャートを示す。第1に、MG1及びMG2のロータ速度を含む情報がステップS300にて検出される。次のステップS302にて、リレー9Hの接続状態がオン状態からオフ状態へ、もしくは、オフ状態からオン状態へ切り換えられるべきか否かが判断される。ステップS304にて、インバータ9Eと9FがMG1とMG2に共通周波数を供給する時に、リレー9Hの状態は切り換えられるべきである。共通周波数の値と6相電圧VU1-Vw2の振幅とを制御することにより、MG1とMG2のトルクリップルを低減することが望ましい。次のステップS306にて、リレー9Hの電流IreLayが所定値より低いかどうかが判断される。ステップS308にて、リレー電流IreLayが所定値より小さくなった後、リレー9Hの状態が切り換えられる。これにより、リレーのスパークが低減される。
【0039】
第1実施例の第1変形態様が、図14を参照して説明される。図14は、ロータコア4U-4wのの3つのリング部40の省略を除いて、図3と本質的に等しい。したがって、図14に示されるTFMは、軸方向タンデム単相シンクロナスリラクタンス横磁束機(TFSynRMs)又は軸方向タンデム単相横磁束スイッチドリラクタンス機械(TFSRMs)になる。図15は、このTFSynRMのロータティース41L、41Rを示す周方向展開図である。TFSynRMは、3相インバータにより駆動される。図16は、TFSynRMの3つのインダクタンスLu、Lv、Lwと3つの相電流Iu、Iv、Iwとを示すタイミングチャートである。U相電流IUは、インダクタンスLUをもつU相巻線3Uに供給される。V相電流Ivは、インダクタンスLvをもつV相巻線3Vに供給される。W相電流Iwは、インダクタンスLwをもつW相巻線3Wに供給される。
【0040】
第1実施例の第2の変形態様が、図17を参照して説明される。図17は、軸方向タンデム構造をもつ3相横磁束永久磁石機械(TFPM)を示す軸方向横断面図である。3つの単相TFPMは、永久磁石層6を共有する。永久磁石層6は、ロータティース41L、41Rの間と、41L、41Lの間の全スペースを覆うフェライト磁石から作られている。ステータ1とロータ4は、永久磁石層6以外は図14に示されるTFSynRMsと基本的に同じである。図18は、17に示されるロータ4のロータティース、S極領域及びN極領域の配列を示す周方向展開図である。図19は、図17に示されるステータティースの配列を示す周方向展開図である。図17に示される3相TFPMは、マグネットトルクとシンクロナスリラクタンストルクの両方を発生する。
【0041】
第1実施例の第3変形態様が、図20-図22を参照して説明される。図20は軸方向タンデム構造をもつ3相横磁束巻ロータ機械(TFWRM)を示す軸方向横断面図である。図20に示されるステータ1及びロータ4は、ロータコア4U、4V、4Wに巻かれた環状の3つの界磁巻線30U、30V及び30Wを除いて、図17に示されるステータ1及びロータ4と同じである。図21は、直列に接続された界磁巻線30U、30V、30Wに界磁電流を送るための誘導送電装置(IPT)を示す回路図である。このIPTは、単相Hブリッジインバータ11A、ロータリートランス11B、全波ダイオード整流器11C、フリーホィーリングダイオード11Dを有している。Hブリッジ11Aは、ステータハウジング100に固定された一次フェライトコアに巻かれた一次巻線に高周波の発振電力を供給する。回転軸に固定され二次コアに巻かれた二次巻線11Fは、整流器11Cを通して界磁巻線30U、30V、30Wにパルス波形の二次電流Ieを供給する。
【0042】
図22は、ゲート電圧V1-V4、二次電流Ie、フリーホィーリング電流Iff及び界磁電流Ifを示すタイミングチャートである。ゲート電圧V1、V3が高い時、に、二次電流Ieの正電流成分が流れる。同様に、ゲート電圧V2、V4が高い時、二次電流の負電流成分が流れる。デユーティ比(= Tx/(TxとTyとの合計))は、界磁電流Ifの指令値に応じて制御される。フリーホィーリング電流Iffは、電流中止期間Iy内にて、フリーホィーリングダイオード11Dを通じて循環する。したがって、インバータ11A、ロータリートランス11B及び整流器11Cは、期間Tyにて休止している。さらに、フリーホィーリング電流Iffからなる界磁電流Ifが、フリーホィーリングダイオード11Dだけを巡回する。従って、IPTの電力損失が低減され、ロータリートランスが小さくなる。
【0043】
第1実施例の第4の変形態様が、図23を参照して説明される。図23は、第1実施例の3つのTFMを運転するためのデユアル3相インバータ9を示す回路図である。図23に示されるインバータ9は、 3つのレグ31-33をもつ第1の3相インバータ9Aと、 3つのレグ34-36をもつ第2の3相インバータ9Bと、接続切換スイッチ9Cとを有している。6つのレグ31-36の各々は、MOSトランジスタとフリーホィーリングダイオードとをもつ公知のハーフブリッジからなる。レグ31の出力端は、相巻線3Uを通じてレグ36の出力端に接続されている。レグ32の出力端は、V相巻線3Vを通じてレグ35の出力端に接続されている。レグ33の出力端は、W相巻線3Wを通じてレグ34の出力端に接続されている。
【0044】
2つのインバータ9A、9Bの低電位DCターミナルを接続する接続切換スイッチ9Cがオンするとき、DC電源(図示せず)は高電位DC線1000と低電位DC線2000とを通じて、3相インバータ9A、9Bに直流電圧を印加する。接続切換スイッチ9Cは、高速域でオンされる。他方、接続切換スイッチ9Cは、低速域でオフされる。さらに、第2インバータ9Bを3相巻線3U-3w.の中性点に変更するために、第2インバータ9Bの3つのローサイドスイッチは、低速域でオンされる。コントローラ300は、インバータ9Aと9Bと、接続切換スイッチ9Cとを制御する。したがって、オープンデルタ接続と星型接続とのどちらかを選択することができる。よく知られているように、3つのTFSynRMsの3つの相電流の電気角は、ロータ角とトルク指令値に基づいて決定される。
【0045】
第1実施例の第5変形態様が、図24-図28を参照して説明される。図24は、軸方向タンデム配列された二重3相TFIMを示す軸方向横断面図である。ステータ1は、U相巻線3U1、3U2、V相巻線3V1、3V2及びW相巻線3W1、3W2をもつステータコア2U1、2V1、2W1、2U2、2V2、2W2を有している。ロータ4は、ロータコア4U1、4V1、4W1、4U2、4V2、4W2をもつ。ロータハウジング200の外周面は、ロータティース41Lと41Rが挿入される貫通孔をもつ銅円筒200Aで覆われている。したがって、いわゆる籠形第二の巻線の電気抵抗低減により、TFIMの銅損は低減される。図20に示される6相TFIMsは、相数を除いて、図3に示されるTFIMと基本的に等しい。図24に示されるTFIMは、銅シリンダー200Aの省略によりSynRMsになる。
【0046】
図25は、TFIMからなる二重(デユアル)3相TFM又は図24に示されるTFSynRMsを運転するための9スイッチ・インバータ9の回路図である。図25に示されるインバータ9は、3つの上スイッチUH、VH、WHと、3つの中間スイッチUM、VMとWMと、3つの下スイッチUL、VL、WLを有する。インバータ9は、U相レグ901、V相レグ902、W相レグ903からなる。U相レグ901は、直列接続された3つのスイッチUH、UM、ULからなる。V相レグ902は、直列接続された3つのスイッチVH、VM、VLからなる。W相レグ903は、直列接続された3つのスイッチWH、WM、WLからなる。
【0047】
上スイッチUH、VH、WHと中間スイッチUM、VM、WMとの間の3つの上接続点C1-C3は、上の3相巻線3Kの3つの相巻線3U1、3V1、3W1に個別に接続されている。下スイッチUL、VL、WLと中間スイッチUM、VM、WMとを接続する3つの下接続点C4-C6は、下の3相巻線3Lの3つの相巻線3U2、3V2、3W2に個別に接続されている。上スイッチUH、VH、WHの各上端は、高電位DC線1000に接続されている。下スイッチUL、VL、WLの各下端は、低電位DC線2000に接続されている。3相巻線3Kと3相巻線3Lは、各々星形接続を有している。
【0048】
コントローラ300は、ゲート電圧SHを上スイッチに、ゲート電圧SMを中間スイッチに、ゲート電圧SLを下スイッチに印加する。さらに、コントローラ300は、検出情報に従って直列接続モードか並列回路モードを選択する。図26は、直列接続モードの1つの状態を例示する。直列接続モードにおいて、同レグの上スイッチと下スイッチは、同じ状態を有している。直列接続モードにおいて、中間スイッチは、同レグの上スイッチ及び下スイッチと逆の状態を有している。図27は、並列接続モードの1つの状態を例示する。並列接続モードでは、同相の上スイッチと下スイッチは、互いに逆の状態を有している。並列接続モードでは、すべての中間スイッチUM、VM、WMはオンされる。
【0049】
図28は、好適な接続の選択を示すフローチャートである。第1に、ステップS400にて、ロータ速度を含む所定情報が検出される。次のステップS402にて、TFMAが所定の高速域で駆動されるか否かが判断される。デユアル3相TFIM(図24に示される)またはTFSynRMが高速域で駆動されるとき、ステップS404にて並列接続モードがで選択される。デユアル3相TFIMまたはデユアル3相TFSynRMが低速域で駆動されるとき、ステップS406にて、直列接続モードがせんたくされる。したがって、6相ステータ巻線の等価ターン数は、高速域で低減されることができる。
【0050】
3つの相巻線3U2、3V2、3W2の各相電流は、直列接続モードと並列接続モードとで反対の流れ方向をもつことがわかる。しかし、誘導モータトルクは、電流方向の変更に関係しない。同様に、シンクロナスリラクタンスモータートルクは、電流方向の変更に関係しない。したがって、9スイッチ・インバータ9は、3つの相巻線の等価ターン数を切り換えることができる。
【0051】
第2実施例
図29-図55に図示される第2実施例は、軸方向タンデム構造をもつ4相横磁束スイッチドリラクタンス機械(TFSRM)を開示する。図29は、TFSRMを示す軸方向横断面図である。図30は、X相ステータ1X、Y相ステータ1Y、Z相ステータ1Z、T相ステータ1Tのステータティース21L、21Rを示す周方向展開図である。図31は、ロータティース41L、41Rの配列を示す周方向展開図である。ステータは、軸方向タンデム配列されたX相ステータコア2X、Y相ステータコア2Y、Z相ステータコア2Z、T相ステータ2Tを有している。4つのステータコア2X、2Y、2Z、2Tのそれぞれが、図14に示されるステータコア2Uと同じコア構造を有している。それぞれリング形状をもつX相巻線3X、Y相巻線3Y、Z相相巻線3Z、T相巻線3Tは、4つの環状スロットに個別に収容されている。ステータコア2X-2Tとティースホルダ1a-1eは、ステータハウジング100に収容されている。
【0052】
ロータ4はX相ロータコア4X、Y相ロータコア4Y、Z相ロータコア4Z、T相ロータ4Tを有している。4つのロータコア4X、4Y、4Z、4Tは、図9に示されるU相ロータコア4Uと同じ構造をもつ。隣接した2つのステータコアの間の各電気角は90度である。隣接した2つのロータコアの間の各電気角度は90度である。
【0053】
第2実施例の第1の変形態様が、図32-図34を参照して説明される。図32は、軸方向タンデム構造をもつ4相横磁束ハイブリッド機械(TFHMと呼ばれる)を示す軸方向横断面図である。図32-図34に示されるTFHMは、永久磁石層6を除いて図29-図31に示される4相TFSRMと同じである。永久磁石層6は、図17に示される永久磁石層6と、基本的に同じである。4つの単相TFHMは、永久磁石層6を共有する。永久磁石層6は、ティース41L、41Rの上面以外はロータコア4X-4Tの外周面を覆うフェライト磁石で作られている。図33は、図32に示されるロータ4のロータティース、S極領域、N極領域の配列を示す周方向展開図である。図34は、図32に示されるステータティースの配列を示す周方向展開図である。4相TFHMは、永久磁石層6でアシストされたスイッチドリラクタンストルクを発生する。
【0054】
図35は、1つの方向に移動するロータコア4Xのロータの4つの位置を示す。時点t1にて、左ロータティース41Lは、各2つの左ステータティース21Lの間に位置する。各N極領域6Nは、左ステータティース21Lに対面している。それから、X相電流がX相巻線3Xに供給される。ティース21LがN極になるため、ティース21Lはティース41Lを引っ張る。左ロータティース41Lは、右方向へ移動して、次のステータティース21Lに対面する。それから、X相電流が止められる。従って、ティースの吸引トルク(スイッチドリラクタンスモーター・トルク)と、押出しトルク(永久磁石トルク)とを、TFHMが用いることができるので、TFHMのトルクは増加される。
【0055】
図36は、図29、図32に示されるTFSRMとTFHMとを駆動する非対称4相パワーコンバータ8を示す回路図である。パワーコンバータ8は、レグ801-804を備えている。直列接続された上トランジスタT1及び下ダイオードD1からなるX相レグ801は、インダクタンスLxをもつX相ステータ巻線3Xに、X相電流IXを供給する。直列接続された上トランジスタT2及び下ダイオードD2からなるY相レグ802は、インダクタンスLyをもつY相ステータ巻線3Yに、Y相電流IYを供給する。直列接続された下トランジスタT3及び上ダイオードD3からなるZ相レグ803は、インダクタンスLzをもつZ相ステータ巻線3Zに、Z相電流IZを供給する。直列接続された下トランジスタT4及び上ダイオードD4からなるT相レグ804は、インダクタンスLtをもつT相ステータ巻線3Tに、T相電流ITを供給する。パワーコンバータ8はさらに、接続切換スイッチT6、上スイッチT7、下スイッチT8をもつ。したがって、パワーコンバータ8は、7つのトランジスタと4つのフリーホィーリングダイオードだけを有している。
【0056】
上スイッチT1、T2と、上ダイオードD3、D4とは、高電位DC線1000に接続されている。下ダイオードD1、D2と下スイッチT3、T4は、低電位DC線2000に接続されている。X相巻線3Xの下端及びY相巻線3Yの下端は、Z相巻線3Z及びT相巻線3Tの上端に、接続切換スイッチT6を通じて接続されている。Z相巻線3Z及びT相巻線3Tの上端は、上スイッチT7を通じて上のDCリンク線1000に接続されている。X相巻線3XとY相巻線3Yとの下端は、下スイッチT8を通じて下のDCリンク線2000に接続されている。
【0057】
4つの相電流IX、IY、IZ、ITは、トランジスタT1-T6のスイッチングにより制御される。パワーコンバータ8を制御するコントローラ300は、直列接続モードと並列接続モードとを有している。図37は、モータ動作における相電流IX、IY、IZ、ITと、相巻線3X、3Y、3Z、3TのインダクタンスLx、Ly、Lz、Ltの波形を示すタイミングチャートである。低速時のモータ動作と発電機動作において、コントローラ300は、スイッチT6がオンされ、スイッチT7とT8がオフされる直列接続モードに指令する。高速時のモータ運転において、コントローラ300は、スイッチT6がオフされ、スイッチT7、T8がオンされる並列接続モードを指令する。図37に示されるように、相電流IX、IY、IZ、ITは、モータ動作においてほぼ台形の波形をもつ。1つの相の電流増加期間と、もう一つの相の電流減少期間が、電気角約60度だけオーバーラップされる。
【0058】
モータ動作の直列接続モードが、パワーコンバータ8の回路図を示す図38-図41を参照して説明される。直列接続モードにおいて、接続切換スイッチT6がオンされ。スイッチT7、T8がオフされる。図38は、電気角360度(=0度)の電流を示す。好適には、スイッチT4は、定電流供給のためにPWMスイッチングされる。図39は、電気角90度の電流を示す。好適には、スイッチT1は、定電流供給のためにPWMスイッチングされる。図40は、電気角180度の電流を示す。好適には、スイッチT3は、定電流供給のためにPWMスイッチングされる。図41は、電気角270度の電流を示す。好適には、スイッチT2は、定電流供給のためにPWMスイッチングされる。結局、直列接続モータモードにおいて、X相電流IXとY相電流IYは、Z相電流IZとT相電流ITのどちらかとなる。直列接続モードにおいて、ダイオードを通じてのDC電源へリカバリ電流を回帰させるために、上スイッチと下スイッチのオンしているペアは、同時にオフされることができる。
【0059】
モータ動作の並列接続モードが、パワーコンバータ8の回路図を示す図42-図45を参照して説明される。並列接続モードでは、接続切換スイッチT6はオフされ、スイッチT7とT8はオンされる。したがって、X相電流IX及びY相電流IYは、Z相電流IZ及びT相電流ITから独立している。図42は、電気角360度の電流を示す。図43は、電気角90度の電流を示す。図44は、電気角180度の電流を示す。図45は、電気角270度の電流を示す。スイッチT1-T4は各々、定電流期間においてPWMスイッチングされる。フリーホィーリング電流が、パワーコンバータ8と相巻線を循環する。結局、パワーコンバータ8は直列接続と並列接続とを切り換えることができる。
【0060】
4相TFSRMの発電機動作が、図46-図54を参照して説明される。図46は、発電機動作における電流及びインダクタンスを示すタイミングチャートである。発電機動作において、接続切換スイッチT6は、発電電流をDC電源(図示せず)に供給するために、オンされる。スイッチT7とT8はオフされる。したがって、ダイオードD1-D4は、リカバリダイオードとして動作する。図47-54は、電流を示す回路図である。図47は、時点t1の電流を示す。図48は、時点t2の電流を示す。図49は、時点t3の電流を示す。図50は、時点t4の電流を示す。図51は、時点t5の電流を示す。図52は、時点t6で電流を示す。図53は、時点t7の電流を示す。図54は、時点t8の電流を示す。
【0061】
図55は、4相TFSRMを駆動するためのパワーコンバータ8Aを示す回路図である。パワーコンバータ8Aは、トランジスタT6-T8をもたない。したがって、パワーコンバータ8Aは並列接続モードで運転されない。しかし、パワーコンバータ8Aは直列接続モードを運転することができる。
【0062】
第3実施例
周方向タンデム構造をもつCTFMを示す第3実施例が図56-図65を参照して説明される。図56は、周方向タンデム構造をもつ3相TFIMの軸方向横断面図である。図57は、周方向に配列された3つのステータコア2U、2V、2Wの2つのセットの1つの配列を示す。
【0063】
図56において、ステータ1は、軸方向に配列されたステータコア2A、2Bをもつ。U相巻線3Uの2つの円弧部は個別に、ステータコア2A、2Bの円弧状スロットに収容されている。ボウル形の前ハウジング101とボウル形の後ハウジング102とを備えるステータハウジング100は、軸方向に順番に配列されたティースホルダ1a、ステータコア2A、ティースホルダ1b、ステータコア2B、ティースホルダ1dを収容している。ロータ4は、軸方向にタンデム配列された環状のロータコア4A、4Bをもつ。籠形二次巻線を構成する銅シリンダ200Aは、軸201に固定されたロータハウジング200に固定されている。
【0064】
図57に示されるように、2セットの円弧状ステータコア2U、2V、2Wは、周方向に配列備されている。しかし、2セットのステータコア2U、2V、2Wは、環形の共通ヨーク部24を有している。言い換えれば、ステータコア2Aのステータティース21L、21R及び斜め部25L、25Rは、2セットのステータコア2U、2V、2Wに属している。同様に、ステータコア2Bのステータティース21L、21R及び斜め部25L、25Rは、2セットのステータコア2U、2V、2Wに属している。円弧形の6つの相巻線3U、3V、3Wのそれぞれは、ほぼ60度をもつ。U相巻線3Uは、隣接した2つのステータコア部2Uに巻かれている。V相巻線3Vは、隣接した2つのステータコア部2Vに巻かれている。W相巻線3Wは、隣接した2つのステータコア部2Uに巻かれている。
【0065】
図58-図59はティースホルダ1a、1b、1c、dとステータコア2A、2Bを含む分割ステータ構造を示す。図58は、ステータ2A、2Bとアルミニウムで作られたティースホルダ1a-1dを例示する軸方向横断面図である。図59は、ステータコア2Aを示す部分側面図である。ティースホルダ1a-1dは、互いに同じ形をもつ。ティースホルダ1a-1dは、径方向内側に突出する突出部10Tと、リング部10aとを有する。1人のティースホルダの突出部10Tの数は、1つのステータコアの左ティース21Lと右ティース21Rのどちらかに等しい。リング部10aの内側斜面10dは、斜め部25L、25Rの外側斜面25aと接触する。
【0066】
ステータティース21L、21Rの周方向側の各側面は、軸方向AXに延在する凹部29を有している。突出部10Tの周方向側の各側面は、軸方向AXに延在する凸部19を有している。各凸部29は、周方向へ突出して、各凹部29と接触している。ステータティース21L、21Rがティースホルダ1a-1dの突出部10Tにより支えられているので、ステータティース21L、21Rの振動が制止される。
【0067】
図60は、周方向PHにおいて互いに隣接するU相巻線3U及びV相巻線3Vの端部近傍でのステータコア2A及びロータコア4Aの側面を示す部分展開図である。ステータコア2A、2Bの各々は、ステータティース21L、21Rの省略により、エンドスロット2000Aをもつ。3U相巻線3Uのコイルエンド部300Uと、V相巻線3Vのコイルエンド部300Vとは、図60に示されるようにエンドスロット2000Aに収容されている。
【0068】
各円弧状巻線3U、3Vは、絶縁層で被覆された銅テープで作られている。巻かれた銅テープは、ステータコア2Aの環状スロットに収容されている。図61は、U相巻線3Uをもつステータコア2Aを示す軸方向横断面図である。ステータ巻線3Uは、螺旋状に巻かれた15ターンの銅テープ310をもつ。銅テープ310の端部311、312は各々、二回曲がった後で径方向外側へ引き出されている。径方向に積層されたステータ巻線3Uは、高い占積率、優れた放熱能力、低い表皮効果を実現する。結局、ステータ巻線3Uは、従来の丸形導体線との比較において、高い電流密度と低い銅損とをもつ。それは、コンパクトな機械の実現を意味する。
【0069】
図62は、2つの相巻線3U、3Vをもつステータコア2A、2Bの周方向展開図である。図63は、2つの相巻線3U、3Vの変形周方向展開図である。U相巻線3Uのコイルエンド300は、内側部3Ua、中央部3Ub、外側部3Ucを有する。V相巻線3Vのコイルエンド300は、内側部3Va、中央部3Vb、外側部3Vcを有する。図63で示すように、コイルエンド300の3つの部分は、隣接の2つのティース21L、21Rの間の異なるスペースに巻かれている。したがって、エンドスロット2000Aは、短縮される。
【0070】
ステータコアのもう一つの配列が図64に示される。図64は、周方向タンデム構造をもつデユアル3相TFIM又はデユアル3相TFSynRMの模式側面図である。周方向タンデム構造をもつステータ2A、2Bはそれぞれ、順番に周方向に配列された6つのステータコア2U1、2W2、V1、2U2、2W1、2V2をもつ。図に示される6つの相巻線3U1-3W2は、6つのステータコア2U1、2W2、2V1、2U2、2W1、2V2に巻かれている。したがって、二重3相TFIMまたはTFSynRMは、図25に示される9スイッチ3相インバータ9で運転される。図65は、図64で使用したロータティース41L、41Rを示す周方向展開図である。
【0071】
第4実施例
リング部付きのコアをもつCTFMを開示するための第4実施例が図66-70を参照して説明される。図66は、軸方向にタンデム配列された3つのステータコア2U、2V、2Wを示す軸方向横断面図である。ステータコア2U、2V、2Wは、左コア2L及び右コア21Rをそれぞれ有している。図67は、ステータコア2Uの部分側面図である。相巻線3Uは、図66に図示されていない。図68は、U相ステータコア2Uの軸方向横断面図である。図69は、互いに分離された左コア2L及び右コア2Rの模式側面図である。図70は、左コア2Lの部分側面図である。
【0072】
左コア2Lは、左ティース21L、リング部21C、左斜め部25L及び左ヨーク部26Lを有している。各左斜め部25Lは、リング部21Cと各左ヨーク部26Lとを結合している。左ティース21Lは、リング部21Cから径方向内側へ突出している。同様に、右コア2Rは、右ティース21R、リング部21C、右斜め部25R及び右ヨーク部26Rを有している。各右斜め部25Rは、リング部21Cと各右ヨーク部26Rを結合している。右ティース21Rは、リング部21Cから径方向内側に突出している。
【0073】
図67に示されるように、左ヨーク部26L及び右ヨーク部26Rは、周方向へ交互に配列され、かつ、互いに接触している。ヨーク部26L、26Rは、環状のヨーク部26を構成している。ステータティース21L、21Rはリング部21Cから突出しているので、ステータティース21L、21Rの振動が減少する。ステータコア2V、2Wは、ステータコア2Uと同じ構造をもつ。
【0074】
第5実施例
2つの斜め部の間の配置されたリング部をもつコアを有するCTFMを開示するための第5実施例が、図71-75を参照して説明される。図71は、軸方向タンデム構造をもつ3つの単相TFPMを示す軸方向横断面図である。ステータコア2U、2V、2Wは、左コア2L、2つの中央コア2C及び右コア2Rで作られている。環状のコア2L、2C、2C及び2Rは、軸方向AXへ順番に配列されている。コア2L、2C及び2Rは、軸方向に積層された鉄板で作られている。環状のロータコア4U、4V及び4Wは、軸方向に積層された鉄板で作られている。ロータコア4U、4V及び4Wは、在来の円筒形状を有している。3つの永久磁石リング10はそれぞれ、ロータコア4U、4V及び4Wの各外周面に固定されている。ロータコア4U、4V及び4Wのスロットに所定数の永久磁石を挿入することも可能である。図72は、3つの永久磁石リング10を示す周方向展開図である。各永久磁石リング10は、周方向交互に配列されたN極領域とS極領域を有している。
【0075】
図73は、図71に示されるステータ2U、2V及び2Wの組み立て工程を示す。1つの左コア2L、2つの共通コア2C及び1つの右コア2Rが用いられる。けれども、2つの共通コアの1つは、紙シートの制約のため、図示されていない。左コア21Lは、左ヨーク部24L、上左斜め部25L、環状の左リング部210L、下左斜め部250L及び左ティース部21Lからなる。上左斜め部25Lは、リング部210Lから径方向外側へ突出している。各ヨーク部24Lは、各上左斜め部25Lから径方向外側へ突出している。下左斜め部250Lは、リング部210Lから、斜めかつ径方向内側へ突出している。各左ティース部21Lは、各下左斜め部250Lからから突出している。各部21L、250L、25L及び24Lはそれぞれ、周方向PHへ配列されている。
【0076】
右コア2Rは、右ヨーク部24R、上右斜め部25R、環状の右リング部210R、下右斜め部250R及び右ティース部21Rからなる。各上右斜め部25Rは、リング部210Rから斜めにかつ径方向外側へ突出している。各右ヨーク部24Rは、各上右斜め部25Rから径方向外側へ突出している。下右斜め部250Rは、リング部210Rから斜めに突出している。各右ティース部21Rは、各下右斜め部250Rから径方向内側へ突出している。各部21R、250R、25R及び24Rはそれぞれ、周方向PHに配列されている。
【0077】
2つの中央コア2C(1つだけ図示されている)はそれぞれ、左ヨーク部24L、右ヨーク部24R、上左斜め部25L、上右斜め部25R、環状のリング部210C、下左斜め部250L、下右斜め部250R、左ティース部21L及び右ティース部21Rからなる。周方向PHに交互に配列された各部25R、25Lは、リング部210Cから斜めに突出している。各部24Rは、各部25Rから径方向外側へ突出している。各部24Lは、各部25Lから径方向外側へ突出している。周方向PHへ交互に配列された部分250R、250Lは、リング部210Cから斜めに突出している。各部21Rは、各部250Rから径方向内側へ突出している。各部21Lは、各部250Lから径方向内側へ突出している。部分21L、21R、24L、24R、25L、25R、250L及び250Rは各々、周方向PHに配列されている。4つの非磁性ティースホルダは、ステータコア2U、2V及び2Wに個別に隣接している。
【0078】
図74は、左ティース部21L及び右ティース部21Rの周方向展開図である。図75は、左ヨーク部24L及び右ヨーク部24Rの周方向展開図である。各相の左ヨーク部24L及び右ヨーク部24Rは、周方向へ交互にに配置されている。各相の隣接したヨーク部24L、24Rは、周方向PHに交互に接触している。
【0079】
追加説明
本発明の他の様相が、上記実施例を参照して説明される。従来のTFMは、コアに巻かれた単相巻線をもつ。コアは、左ティース、右ティース及びヨーク部をもつ。ヨーク部は、左ティースと右ティースとを磁気的に接続する。単相巻線は、左ティースと右ティースとの間のスペースを移動コアの移動方向の方へ延在する。本発明のCTFMと従来のTFMとの違いは、斜め部(25L、25R)にある。
【0080】
図58-図59は、非磁性金属材から作られたティースホルダ(1a-1d)を示す。ティースホルダは、長手部(10a-10d)と複数の突出部(10L、10R)とをもつ。突出部(10L、10R)は、ティース(21L、21R)の凹部(29)に結合する凸部(19)をもつ。このティースホルダ(1a-1d)は、従来のTFMにより採用されることができる。
【0081】
図3はロータの軸に固定された回転金属ディスク(203)を示す。この金属ディスク(203)は従来のTFMにり採用されることができる。
【0082】
図20-図22は、移動コア(4U-4W)に巻かれた界磁巻線(30U、30V、30W)をもつTFWRMを示す。界磁巻線(30U、30V、30W)は、インバータ(11A)、ロータリートランス(11B)、整流器(11C)及びフリーホイーリングダイオード(11d)を含むIPT(11)により駆動される。インバータ(11A)は、界磁巻線(30U、30V、30W)に界磁電流(If)を供給するために、ロータリートランス(11B)を通じて整流器(11C)に発振電流を給電する。界磁巻線(30U、30V、30W)に並列接続されたフリーホイーリングダイオード(11d)は、フリーホィーリング電流(Iff)を循環させる。インバータ(11A)は、パルス波形をもつ発振電流を供給する。TFWRMに界磁電流を供給するための上記のIPTは、従来のTFM又は従来のRFMによって採用されることができる。
【0083】
図32-図35は、永久磁石層(6)を移動コアのティース(21L、21R)の周囲のスペースに埋設したTFSRMを示す。スイッチドリラクタンスモータートルクと永久磁石トルクを発生させるための上記のTFSRMは、従来のTFMにり採用されることができる。
【0084】
図36-図55はタンデム配列された4つのTFSRMsを駆動する4相パワーコンバータ(8)を示す。パワーコンバータ(8)は上側の2つのスイッチ(T1、T2)と、下側の2つのスイッチ(T3、T4)と、4つのダイオード(D1-D4)とからなる4つのレグ(801-804)をもつ。上側の2つのスイッチと下側の2つのスイッチとは、互いに直列接続されている。このパワーコンバータは、従来のTFMによって採用されることができる。さらに、3つの追加スイッチ(T6-T8)をもつパワーコンバータ(8)は、直列接続を並列接続に変更する。このパワーコンバータは、従来のTFMによって採用されることができる。
【0085】
図23は、3相TFMの星形(Y)接続を開放デルタ接続に切り換える二重3相インバーター(9)を示す。この3相インバータは、従来のTFMによって採用されることができる。
【0086】
図24-図28は、タンデム配列された6つのTFIMまたは6つのTFSynRMを駆動する9スイッチ・インバーター(9)を示す。6つのTFIMまたは6つのTFSynRMは、直列接続を並列回路に切り換えることができる。この9スイッチ・インバーターは、従来のTFIMまたは従来のTFSynRMにより採用されることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、横磁束機械装置(TFMA)に関する。
【0002】
より詳しくは、本発明は、積層鉄板で形成されたTFMAに関する。
【背景技術】
【0003】
多数の極と短い電流経路とをもつ横磁束機械(TFM)は、高トルク/重量比、高出力/重量比及び低銅損をもつモータとして知られている。TFMとして、横磁束永久磁石同期機(TFPM)、横磁束スイッチドリラクタンス機械(TFSRM)及び横磁束誘導機械(TFIM)が提案されている。
【0004】
しかし、TFMの複雑なコア構造の故に、従来のTFMは広く製造されるに至っていない。従来のTFMは、立体コア構造を製作するために、ソフトマグネティックコンポジット(SMC)のコアまたは分割積層コア(SLC)を用いている。SMCコアとSLCの磁気特性及び頑丈さは十分ではない。他の理由は、TFMが単相の巻線をもつTFMの単相駆動原理にある。たとえば、単相誘導機械(TFIM)の始動トルクはゼロである。
【0005】
最近、減速ギヤ損失及び小慣性質量のダイレクトドライブ(DD)モーターが、車両産業及び風力タービン産業で強く要望されている。しかし、永久磁石同期機(PMSM)を使用するDDモーターは、レアアース永久磁石を使うため高価になる。シンクロナスリラクタンスモーター(SynRM)、スイッチドリラクタンスモーター(SRM)及び誘導電動機(IM)は、低いコストを有している。TFM構造を使用する場合に、DDモーターはPMSMの代わりにSynRM、SRMとIMを使用することができる。しかし、それらのトルク/重量比率は、PMSMより小さい。
【0006】
図1に示されるように、米国特許第7,830,057号は3つの単相TFMsをもつタンデムTFMを提案している。このTFMは、分割型コア構造をもつ。しかし、分割型コア構造は、高い磁気抵抗と低いロバストネス(頑丈さ)と複雑な構造とをもつ。
【0007】
図2は、従来の三相ラジアル磁束誘導機械を駆動するための三相インバーターを示す。6つのレグと1つの接続切換スイッチとを備えるインバーターは、三相巻線の直列接続を並列接続に切り換えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,830,057号
【発明の概要】
【0009】
本発明の一目的は、簡素で経済的なコア構造をもつ横磁束機械装置(TFMA)を提供することである。本発明のもう一つの目的は、低減された動力損失をもつTFMAを提供するである。発明の更にもう一つの目的は、優れたトルク特性をもつTFMAを可変速用途に提供することである。
【0010】
本発明の第1の様相において、TFMは積層鉄板をもつコアを採用する。コアは、3D磁路を作るために、左斜め部と右斜め部を有する。斜め部をもつ積層鉄板を用いる3D構造が開示される。斜め部の使用により、コアはムカデのように見える。
CTFMと呼ばれるムカデのようなTFMは、多くのタイプを有する。
【0011】
単相誘導電動機のトルクを発生する横磁束誘導機械(TFIM)が提案される。ロータのティース及び斜め部を支持しているロータハウジングは周知の篭形二次導体としてふるまう。TFMがロータティースの周囲に多くのスペースを有するので、TFIMは、二次巻線の低い電気抵抗をもつ。それは、TFIMの効率の改善を生じさせる。TFIMは、本質的に起動トルクをもたない。しかし、二重突極コア構造のため、TFIMは、単相のシンクロナスリラクタンスモーターとして始動することができる。
【0012】
横磁束シンクロナスリラクタンス機械(TFSynRM)は、単相シンクロナスリラクタンスモーターのトルクを発生する。さらに、ロータティースの間のスペースに配置された永久磁石層をもつTFSynRMは、増加されたトルクをもつ。永久磁石層の追加により、TFSynRMのサイズは増加されない。
【0013】
横磁束スイッチドリラクタンス機械(TFSRM)は、単相スイッチドリラクタンスモーターのトルクを発生させる。さらに、ロータティースの間のスペースに配置される永久磁石層をもつTFSRMは、増加されたトルクをもつ。永久磁石層の追加により、TFSRMのサイズは、増加されない。
【0014】
界磁巻線をもつ横磁束巻ロータ機械(TFWRRM)は、同期モーターのトルクを発生させる。TFMのロータは左ロータティースと右ロータティースの間に環状スロットをもつため、界磁巻線は低い電気抵抗をもつ。それは、TFWRMの効率の改善を生じさせる。
【0015】
このTFWRMの環状界磁巻線は、ロータリートランスをもつ誘導送電装置(IPT)により給電される。しかし、IPT及び界磁巻線は、電力損失及び熱発生を有する。この問題は、フリーホィーリングダイオードとパルス状の一次電流を用いることにより改善される。このIPTは、従来のラジアル磁束機械(RFM)で用いられることもできる。
【0016】
3つの単相TFMsを運転するためのデユアル3相インバーターが提案される。接続切換スイッチ付きのデユアル3相インバーターは、RFMのためにすでに提案されていた。しかし、タンデム配列TFMが接続切換スイッチ付きのデユアル3相インバータを採用できるかどうかは知られていなかった。
【0017】
6個のTFMを駆動する9スイッチ・インバータが提案される。この9スイッチ・インバータは、発明者によってRFMのためにすでに提案されていた。しかし、タンデム配列TFMが9スイッチ・インバータを採用できるかどうかは知られていなかった。9スイッチ・インバータは、並列接続を直列接続に切り換えることにより相電流方向が変化するという問題を有する。しかし、タンデム配列TFIMとタンデム配列TFSynRMのトルクは、この接続切換により変化されないことがわかった。タンデム配列された4つの単相TFSRMを駆動するための4相パワーコンバータが提案される。各単相TFSRMは、ラジアル磁束構造をもつ従来の4相SRMよりも長いインダクタンス増加期間をもつ。その結果、2つの上スイッチと2つの下スイッチをもつ4相パワーコンバータは、電流リップル及びトルクリップルを減らすことができることがわかった。そのうえ、4相パワーコンバータは、直列接続を並列接続に切り換えることができる。それは、可変速用途において好適である。
【0018】
回転軸に固定される一乃至複数の金属ディスクが提案される。ディスクは、小さな音響ノイズと低い電力消費とで軸を冷却する。銅板またはアルミニウム金属板で製造されたディスクは、本質的に径方向へ延在する線状凹部をもつことができる。CTFMのコアは、リング部と突出部をもつ複数のティースホルダで支えられるティースをもつことができる。非磁性金属材で作られたティースホルダは、コア表面に接触する。渦電流を減らすためにコア表面に樹脂層を設けることが望ましい。ティースホルダは、コアのティースに結合するための結合部を有している。したがって、コア振動が低減され、コア及び巻線はティースホルダによって冷却される。本発明の他の特徴が実施例により説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、分割コアをもつ従来の単相TFMsを示す軸方向横断面図である。
【図2】図2は、3相ラジアル磁束機械を駆動するための接続切換スイッチ付き従来インバータを示す回路図である。
【図3】図3は、第1実施例の3個の軸方向タンデムTFIMを示す軸方向横断面図である。
【図4】図4は、図3に示される軸方向積層ステータコアの軸横断面図である。
【図5】図5は、図4に示されるステータコアを示す部分側面図である。
【図6】図6は、図4に示されるステータコアの部分平面図である。
【図7】図7は、図3に示されるロータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図8】図8は、図3に示されるステータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図9】図9は、図3に示されるTFIMを駆動するためのTFMAを示すブロック回路図である。
【図10】図10は、図9に示されるTFMAの接続切換動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図3に示されるTFIMを用いる2台の発電電動機をもつシリーズ-ハイブリッド車の電力システムを示す概略構成である。
【図12】図12は、2台の発電電動機の一般の周波数と図11に示される2台の発電電動機の2つのロータに等しい2つのロータ頻度の頻度を表する。
【図13】図13は、図11に示される電力システムの接続切換動作を示すフローチャートである。
【図14】図14は、軸方向タンデム配列をもつ3つのTFSynRMを示す軸方向横断面図である。
【図15】図15は、図14に示されるロータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図16】図16は、図14に示される3つのTFSynRMsのインダクタンス及び電流を示すタイミング・チャートである。
【図17】図17は、軸方向タンデム配列をもつ3つのTFSM(横磁束同期機)を示す軸方向横断面図である。
【図18】図18は、図17に示されるロータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図19】図19は、図17に示されるステータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図20】図20は、軸方向タンデム配列をもつ3つのTFWRM(横磁束巻ロータ機械)を示す軸方向横断面図である。
【図21】図21は、図20に示されるTFWRMに界磁電流を供給するための誘導送電装置(IPT)を示す回路図である。
【図22】図22は、図21に示されるIPTの電流及びゲート電圧の波形を示すタイミング・チャートである。
【図23】図23は、図3と14に示されるTFSynRM又はTFIMを駆動するためのデユアル3相インバータを示す回路図である。
【図24】図24は、軸方向タンデム配列をもつデユアル3相TFIMを示す軸方向横断面図である。
【図25】図25は、図24に示されるタンデム配列TFIM又はタンデムTFSynRMを駆動するための9スイッチ・インバータの回路図である。
【図26】図26は、図25に示される9スイッチ・インバータの直列接続モードを示す回路図である。
【図27】図27は、図25に示される9スイッチ・インバータの並列接続モードを示す回路図である。
【図28】図28は、図25に示される9スイッチ・インバータの接続切換動作を示すフローチャートである。
【図29】図29は、第2実施例の軸方向タンデム式の4つのFSRMを示す軸方向横断面図である。
【図30】図30は、図29に示されるステータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図31】図31は、図29に示されるロータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図32】図32は、永久磁石層をもつ4つのTFHMを示す軸方向横断面図である。
【図33】図33は、図32に示される極領域及びロータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図34】図34は、図32に示されるステータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図35】図35は、図41に示されるロータの動作を示す模式図である。
【図36】図36は、図29及び図32に示されるTFSRMを駆動するための非対称4相パワーコンバータを示す回路図である。
【図37】図37は、TFSRMのインダクタンス及びモータ電流の波形を示すタイミング・チャートである。
【図38】図38は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる直列接続モードの第1タイミングを示す回路図である。
【図39】図39は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる直列接続モードの第2タイミングを示す回路図である。
【図40】図40は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる直列接続モードの第3タイミングを示す回路図である。
【図41】図41は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる直列接続モードの第4タイミングを示す回路図である。
【図42】図42は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる並列接続モードの第1タイミングを示す回路図である。
【図43】図43は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる並列接続モードの第2タイミングを示す回路図である。
【図44】図44は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる並列接続モードの第3タイミングを示す回路図である。
【図45】図45は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる並列接続モードの第4タイミングを示す回路図である。
【図46】図46は、図29に示されるTFSRM又はTFHMの発電電流の波形及びインダクタンスを示すタイミング・チャートである。
【図47】図47は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第1タイミングを示す回路図である。
【図48】図48は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第2タイミングを示す回路図である。
【図49】図49は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第3タイミングを示す回路図である。
【図50】図50は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第4タイミングを示す回路図である。
【図51】図51は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第5タイミングを示す回路図である。
【図52】図52は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第6タイミングを示す回路図である。
【図53】図53は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第7タイミングを示す回路図である。
【図54】図54は、図36に示されるパワーコンバータで用いられる発電機モードの第8タイミングを示す回路図である。
【図55】図55は、図29及び図32に示される4相TFHM又は4相TFSRMを運転するための変形パワーコンバータを示す回路図である。
【図56】図56は、第3実施例の周方向タンデム配列をもつ二重3相TFIMを示す軸方向横断面図である。
【図57】図57は、図56に示されるTFIMの配列を示す模式側面図である。
【図58】図58は、図56に示される分割ステータコア及びティースホルダを例示するための軸方向横断面図である。
【図59】図59は、図56に示されるステータコアを示す部分側面図である。
【図60】図60は、図56に示されるTFIMを示す側面展開図である。
【図61】図61は、図56に示されるステータコアを示す軸方向横断面図である。
【図62】図62は、図56に示されるステータティースの1つの配列の周方向展開図である。
【図63】図63は、図56に示されるステータティースのもう一つの配列の周方向展開図である。
【図64】図64は、図56に示されるTFIMのもう一つの配列を示す模式側面図である。
【図65】図65は、図64に示されるロータティースの周方向展開図である。
【図66】図66は、第4実施例のステータコアを示す軸方向横断面図である。
【図67】図67は、図66に示されるTFPMのステータコアを示す側面図である。
【図68】図68は、図66に示されるTFPMのステータコアを示す軸方向横断面図である。
【図69】図69は、図66に示されるステータコアの分離左コア及び分離右コアを示す軸方向横断面図である。
【図70】図70は、図69に示される左コアを示す側面図である。
【図71】図71は、第5実施例の他の3つのTFPMを示す軸方向横断面図である。
【図72】図72は、図71に示されるロータ極の配置を示す周方向展開図である。
【図73】図73は、図71に示されるロータコアの分離左コア、分離共通コア及び分離右コアを示す軸方向模式断面図である。
【図74】図74は、図71に示されるステータティースの配列を示す周方向展開図である。
【図75】図75は、図71に示されるステータコアのヨーク部の配列を示す周方向展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図3-図75は、積層コアのバックヨークにティースを接続する斜め部を有するムカデTFMA(CTFMAと呼ばれる)を示すための5つの実施例を示す。図3-図28は、軸方向タンデム構造をもつ3相CTFMAに関する第1の実施例を示す。タンデムCTFMAは、TFIM(横磁束誘導機械)、TFSynRM(横磁束シンクロナスリラクタンス機械)、TFSRM(横磁束スイッチドリラクタンス機械)及びTFWRM(横磁束巻ロータ機械)を含む。図29-図55は、軸方向タンデム構造の4相CTFSRMに関する第2実施例を示す。図56-図65は、周方向タンデム構造の他のCTFMAに関する第3実施例を示す。図66-図70は、斜め部とティースとの間にリング部をもつ他のCTFMAに関する第4実施例を示す。図71-図75は、上斜め部と下斜め部との間にリング部をもつ他のCTFMAに関する第5の実施例を示す。このCTFMAに用いられる開示技術の一部は、従来のコア構造をもつ従来のTFMや従来のRFM(ラジアル磁束機械)によって用いられることができる。
【0021】
第1実施例
図3に示される3相TFMAは、軸方向にタンデム配列された3つの単相TFIMを有する。U相TFIMは、U相ステータ1UとU相ロータコア4Uとを有する。V相TFIMは、V相ステータ1VとV相ロータコア4Vとを有する。W相TFIMは、W相ステータ1WとW相ロータコア4Wを有する。ステータ1U、1V及び1Wは、ステータハウジング100に取り付けられている。U相ステータ1Uは、U相巻線3Uを収容するU相ステータコア2Uを有している。V相ステータ1Vは、V相巻線3V相を収容するV相ステータコアを有している。W相ステータ1Wは、W相巻線3Wを収容するW相ステータコアを有している。ステータコア2U、2V及び2Wと相巻線3U、3V及び3Wは、各々環形に形成されてる。
【0022】
ステータハウジング100は、ディスク形の前ハウジング101とボウル形の後ハウジング102とを有してる。前ハウジング101、ティースホルダ1a、U相ステータコア2U、ティースホルダ1b、V相ステータコア2V、ティースホルダ1c、W相ステータコア2W、1dティースホルダ及び後ハウジング102のディスク部分は、軸201の軸方向AXへ順番に配置されている。ティースホルダ1a-1dと、ステータコア2U、2V及び2Wと、ロータコア4U、4V及び4Wとの詳細な構造は後で説明される。冷却導管400は、ティースホルダ1a-1dの各環状凹部に巻かれている。これらの凹部は、アルミニウムでできたティースホルダ1a-1dの外周表面に沿って周方向PHへ延在している。後ハウジング102は、ステータ1U-1W、ティースホルダ1a-1d及び冷却導管400を収容している。冷却流体(C.F.)が冷却導管400の中を流れている。後ハウジング102のシリンダ部の内周面は、ステータコア2U-2W、ティースホルダ1a-1d及び冷却導管400の外周面と接触している。好適には、ティースホルダ1a-1dは、渦電流を減らすための絶縁層(図示せず)を介してステータコア2U-2Wに接触する。この絶縁層は、2枚の軟鉄板7(図4に示される)の間の隙間71gと74gとの間に挿入される樹脂層と同プロセスで作られている。
【0023】
軸方向タンデム配置されたロータコア4U、4V及び4Wは、ダイカスト方法で製造されるロータハウジング200に固定されている。アルミニウムまたは銅でできたロータ・ハウジング200は、軸201に固定されている。軸201は、ベアリングを介してステータハウジング100に保持されている。ロータハウジング200は、3個の単相TFIMのいわゆる籠形二次巻線を構成する。ロータハウジング200は、3つのロータコア4U-4Wの3つのスロットに配置された3つの環形部40を有している。ロータコア4U-4Wは、ステータコア2U-2Wに個別に面している。軸201は、軸方向へ延在するヒートパイプ202を有している。銅板でできた冷却ディスク203は、後ハウジング102の外端面に隣接する位置にて軸201に固定されている。冷却ディスク203は、入口204と出口205とをもつケース206で覆われている。
【0024】
冷却ディスク203が回転している時、冷却ディスク203の上の空気境界層は自身の遠心力で冷却ディスク203の両ディスク面を離れる。ロータコア4U-4W及びロータハウジング200の発生熱は、ヒートパイプ202で軸201を通じて冷却ディスク203に伝達される。円筒状の液体表面の全部分が軸中心から等距離にあるため、ヒートパイプ202は、液体回帰のための構造を要しない。言い換えれば、凝縮液体が自身の遠心力で回帰するため、ヒートパイプの熱輸送能力は優れている。熱パイプ202の蒸気は、後方へ流れる。U相ステータコア2UとU相巻線3UをもつU相ステータ1Uが、図4-図6を参照して説明される。他のステータ1V及び1Wは、U相ステータ1Uと本質的に同じである。ロータコア4U-4Wの各々は、U相ステータコア2Uと本質的に同じ構造をもつ。
【0025】
ステータコア2Uは、左ステータティース21L、右ステータティース21R、環状のヨーク部24、左斜め部25L及び右斜め部25Rからなる。ステータティース21L、21Rは、径方向RA内側へ突出している。環状のヨーク部24は、周方向PHへ延在している。左ステータティース21L、右ステータティース21R、左斜め部25L及び右斜め部25Rは各々、周方向PHへ配列されている。各左斜め部25Lは、各左ステータティース21Lとヨーク部24とを接続している。各右斜め部25Rは、各右ステータティース21Rとヨーク部24とを接続している。
【0026】
左斜め部25Lは、ヨーク部24から前方へ斜めに延在している。右斜め部25Rは、ヨーク部24から後方へ斜めに延在している。左ステータティース21Lと右ステータティース21Rとは、U相コア2Uの環状スロットに収容されたU相巻線3Uを介して軸方向AXへ互いに隣接している。三角形の横断面をもつ環状の樹脂スペーサ800は、左ステータティース21Lと右ステータティース21Rとの間のスロットの上部に挿入されている。スペーサー800は、軟鉄粉を含む。
【0027】
図4に示されるように、ステータコア2Uは、軸方向へ積層された6枚の軟鉄板7で構成されている。各プレート7は、左ティース71L、右ティース71R、環状のヨーク部74、左斜め部75L及び右斜め部75Rからなる。左ティース71L及び右ティース71Rは、径方向内側へ突出している。ヨーク部74は、周方向PHへ延在している。斜めに延在する各左斜め部75Lは、各左ティース71L及びヨーク部74を接続する。斜めに延在する各右斜め部75Rは、各右ティース71Rとヨーク部74とを接続する。したがって、ステータコア2Uは、軸方向に積層された複数の軟鉄板7で構成されている。同様に、もう一つのステータコア4V、4W及びロータコア4U、4V、4Wも、ステータコア4Uと同様に、軸方向に積層された複数の軟鉄板からなる。斜め方向へ真っ直ぐに延在する左斜め部75Lは、平鉄板のプレスにより形成される。平鉄板のプレスにより形成された右斜め部75Rは、斜め方向へ真っ直ぐに延在している。
【0028】
螺旋状に積層された軟鉄板は、軸方向に積層された複数の軟鉄板7の代わりに採用されることができる。互いに隣接するヨーク部74の各ペア間に、各環状隙間74gが形成されることがわかる。同様に、軸方向AXにて互いに隣接する左ティースの各ペアの間に、ティース形の各隙間71gが形成される。同様に、ティース形の各隙間71gが、軸方向AXにおいて互いに隣接する右ティース71Rの各ペア間に形成される。各隙間74g、71gは、軟鉄粉を含む各樹脂層で埋められる。樹脂層は、鉄損の高調波成分を低減する。樹脂層を使う代わりに、ヨーク部74及びティース71L、71Rは磁気振動低減のため軸方向AXへ湾曲乃至屈曲又は突出されることができる。結局、ステータコア2Uは、複数の軟鉄板7の軸方向積層工程で作られる。
【0029】
図5は、ステータコア2Uを模式的に示す部分側面図である。図6は、ステータコア2Uの部分平面図である。左ステータティース21Lと右ステータティース21Rは、周方向PHへ交互に配列される。2つの左ステータティース21Lは、1つのステータティースとほぼ等しい周方向幅をもつスペースを越えて互いに隣接している。同様に、2つの右ステータティース21Rは、1つのステータティース21Rとほぼ等しい周方向幅をもつスペースを越えて互いに隣接している。左斜め部25Lと右斜め部25Rは、周方向PHに交互に配列される。2つの左斜め部25Lは、斜め部25Lとほぼ等しい周方向幅をもつスペースを越えて互いに隣接している。同様に、2つの右斜め部25Rは、斜め部25Rとほぼ等しい周方向幅をもつスペースを越えて互いに隣接している。
【0030】
各ロータコア4U-4Wは、左ロータティース41L、右ロータティース41R、環状のヨーク部44、左斜め部45L及び右斜め部45Rからなる。左ロータティース41Lと右ロータティース41Rは、径方向外側へ突出している。ヨーク部44は、周方向PHへ延在している。左ロータティース41L、右ロータティース41R、左斜め部45L及び右斜め部45Rは、各々周方向PHへ配列されている。各左斜め部45Lは、各左ロータティース41Lとヨーク部44とを接続している。各右斜め部45Rは、各右ロータティース41Rとヨーク部44とを接続している。左斜め部45Lは、ヨーク部44から前方へ斜めに延在している。右斜め部45Rは、ヨーク部44から後方へ斜めに延在している。左ロータティース41Lと右ロータティース41Rは、ロータハウジング200のリング部分40で埋められた環状スロットを越えて軸方向AXにて互いに隣接している。リング部40は、籠形二次巻線の一部である。左ロータティース41Lは、径方向RAにおいてステータティース21Lに面している。右ロータティース41Rは、径向RAにおいて右ステータティース21Rに面している。
【0031】
ステータコア2Uのステータティース21Lとロータコア4Uのロータティース41Lとは、互いにU相電気角をもつ。ステータコア2Vのステータティース21Lとロータコア4Vのロータティース41Lとは、互いにV相電気角をもつ。ステータコア2Wのステータティース21Lとロータコア4Wのロータティース41Lとは、互いにW相電気角をもつ。2相間の電気角は120度である。結局、図3に示されるTFMAは3つの単相TFIM(横磁束単相誘導機械)を有している。図7は、ロータティース41L、41Rの1つの配列を示す部分展開図である。図8は、ステータティース21L、21Rの1つの配列を示す部分展開図である。
【0032】
図9は、図3に示されるつのTFIMをもつTFMAを示すブロック回路図である。3相インバータ9は、3つのTFIMの単相巻線3U-3WにU相電圧、V相電圧及びW相電圧を個別に印加する。ロータ角度が検出されて、誘導電動機モードとリラクタンスモーターモードとをもつコントローラ300に伝送される。各TFIMが二重突極構造をもつので、これら3つのTFIMは、各々リラクタンストルクを発生する。言い換えれば、ステータコア2U-2Wは突極タイプであり、ロータコア4U-4Wも突極タイプである。故に、3つのTFIMの各磁気抵抗は、図11に示すようにロータ角度に従って変化する。他方、3つのTFIMはそれぞれ単相誘導モータであるため、3つのTFIMは始動トルクを発生させることができない。結局、回転始動のために、3つのTFIMは、単相シンクロナスリラクタンスモーターまたは単相スイッチドリラクタンスモーターとして駆動される。
【0033】
図10は、2つのモードのどちらかの一つの選択を示すフローチャートである。第1に、ロータ位置、ロータ角速度及びトルク指令値を含む情報がステップS200にて検出される。次のステップ121にて、誘導モータトルクTiとシンクロナスリラクタンストルクTrが、情報と記憶マップに従って計算される。TFIMの速度がゼロである時に誘導モータトルクTiがゼロであることは重大である。巻線3U-3Wがd軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqとの差をもつので、各TFIMはシンクロナスリラクタンストルクTr(=(Ld-Lq)IdIq)を発生することができる。トルクTrは、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq、d軸電流Idとq軸電流Iqに応じて計算される。
【0034】
シンクロナスリラクタンスとしてTFIMを始動した後、効率とトルク値に基づいて誘導モータモードがベターか否かがステップS202にて判断される。誘導モータモードは、誘導モータ動作の効率が同期電動機動作の効率より高い場合に選択される。誘導モータモードはステップS204で選択され、同期電動機モードはステップS206で選択される。もう一つの事例では、ステップS202にて、ロータ温度が所定閾値より高いかどうかがさらに判断される。シンクロナスリラクタンスモーター・モードの採用によりロータ銅損が低減されるので、ロータ温度がより高いときにシンクロナスリラクタンスモーターモードが選択される。
【0035】
図11は、シリーズ・ハイブリッド車の電力システムを示す模式ブロック回路図である。この電力システムは、エンジン側の発電電動機(MG1)、車輪側の発電電動機(MG2)、エンジン側の3相インバータ9E、車輪側の3相インバータ9F、DC電源9G及び接続切換リレー9Hからなる。発電電動機MG1、MG2の各々は、図3に示される3つのTFIMで構成されている。MG1の3つの相巻線3U1、3V1及び3W1はそれぞれ、3相インバータ9Eの3つのレグに接続されている。MG2の3つの相巻線3U2、3V2及び3W2はそれぞれ、3相インバータ9Fの3つのレグに接続されている。DC電源9Gの高電位ターミナルは、インバータ9E、9Fの高電位ターミナルに接続されている。接続切換リレー9Hは3つの相巻線3U1、3V1、3W1と2つの相巻線3U2、3V2、3W2とを個別に接続する。
【0036】
3つの相巻線3U1、3V1、3W1は3つの相電圧Vu1、Vv1、Vw1を個別に有する。3つの相巻線3U2、3V2、3W2は、それぞれ3つの相電圧Vu2、Vv2、Vw2を有している。コントローラ300は、6つの電圧VU1、Vv1、Vw1、Vu2、Vv2、Vw2の周波数を制御する。共通周波数は、MG1が発電機として運低電位DCリンク7され、MG2がモーターとして運転される状況下で選択される。電圧Vu1、Vv1、Vw1は同期周波数f1をもち、それはMG1のロータ速度に相当する。電圧Vu2、Vv2、Vw2は同期周波数f2をもち、それらはMG2のロータ速度に相当する。2つの同期周波数f1、f2の差が小さいとき、接続切換リレー9Hがオンされる。したがって、U相巻線3U1、3U2が直結される。V相巻線3V1、3V2が直結される。W相巻線3W1、3W2が直結される。結局、6つの相電圧Vu1、Vv1、Vw1、Vu2、Vv2及びVw2は各々、共通の周波数をもつ。
【0037】
図12は、共通周波数fo、MG1の相当周波数fg、MG2の相当周波数fmを示す。相当周波数fgは、MG1のロータ速度に相当する。相当周波数fmは、MG2のロータ速度に相当する。共通周波数は、相当周波数fgとfmの間の中間値をもつ。したがって、リレー9Hがオンにされる時、MG1はスリップ率Smをもち、MG2はスリップ率Sgをもつ。共通周波数foは、MG1とMG2の間で電流バランスを実現するために制御される。リレー9Hがオンにされるとき、インバータ9E、9Fは停止されることができる。
【0038】
図13は、リレー9Hの制御を示すフローチャートを示す。第1に、MG1及びMG2のロータ速度を含む情報がステップS300にて検出される。次のステップS302にて、リレー9Hの接続状態がオン状態からオフ状態へ、もしくは、オフ状態からオン状態へ切り換えられるべきか否かが判断される。ステップS304にて、インバータ9Eと9FがMG1とMG2に共通周波数を供給する時に、リレー9Hの状態は切り換えられるべきである。共通周波数の値と6相電圧VU1-Vw2の振幅とを制御することにより、MG1とMG2のトルクリップルを低減することが望ましい。次のステップS306にて、リレー9Hの電流IreLayが所定値より低いかどうかが判断される。ステップS308にて、リレー電流IreLayが所定値より小さくなった後、リレー9Hの状態が切り換えられる。これにより、リレーのスパークが低減される。
【0039】
第1実施例の第1変形態様が、図14を参照して説明される。図14は、ロータコア4U-4wのの3つのリング部40の省略を除いて、図3と本質的に等しい。したがって、図14に示されるTFMは、軸方向タンデム単相シンクロナスリラクタンス横磁束機(TFSynRMs)又は軸方向タンデム単相横磁束スイッチドリラクタンス機械(TFSRMs)になる。図15は、このTFSynRMのロータティース41L、41Rを示す周方向展開図である。TFSynRMは、3相インバータにより駆動される。図16は、TFSynRMの3つのインダクタンスLu、Lv、Lwと3つの相電流Iu、Iv、Iwとを示すタイミングチャートである。U相電流IUは、インダクタンスLUをもつU相巻線3Uに供給される。V相電流Ivは、インダクタンスLvをもつV相巻線3Vに供給される。W相電流Iwは、インダクタンスLwをもつW相巻線3Wに供給される。
【0040】
第1実施例の第2の変形態様が、図17を参照して説明される。図17は、軸方向タンデム構造をもつ3相横磁束永久磁石機械(TFPM)を示す軸方向横断面図である。3つの単相TFPMは、永久磁石層6を共有する。永久磁石層6は、ロータティース41L、41Rの間と、41L、41Lの間の全スペースを覆うフェライト磁石から作られている。ステータ1とロータ4は、永久磁石層6以外は図14に示されるTFSynRMsと基本的に同じである。図18は、17に示されるロータ4のロータティース、S極領域及びN極領域の配列を示す周方向展開図である。図19は、図17に示されるステータティースの配列を示す周方向展開図である。図17に示される3相TFPMは、マグネットトルクとシンクロナスリラクタンストルクの両方を発生する。
【0041】
第1実施例の第3変形態様が、図20-図22を参照して説明される。図20は軸方向タンデム構造をもつ3相横磁束巻ロータ機械(TFWRM)を示す軸方向横断面図である。図20に示されるステータ1及びロータ4は、ロータコア4U、4V、4Wに巻かれた環状の3つの界磁巻線30U、30V及び30Wを除いて、図17に示されるステータ1及びロータ4と同じである。図21は、直列に接続された界磁巻線30U、30V、30Wに界磁電流を送るための誘導送電装置(IPT)を示す回路図である。このIPTは、単相Hブリッジインバータ11A、ロータリートランス11B、全波ダイオード整流器11C、フリーホィーリングダイオード11Dを有している。Hブリッジ11Aは、ステータハウジング100に固定された一次フェライトコアに巻かれた一次巻線に高周波の発振電力を供給する。回転軸に固定され二次コアに巻かれた二次巻線11Fは、整流器11Cを通して界磁巻線30U、30V、30Wにパルス波形の二次電流Ieを供給する。
【0042】
図22は、ゲート電圧V1-V4、二次電流Ie、フリーホィーリング電流Iff及び界磁電流Ifを示すタイミングチャートである。ゲート電圧V1、V3が高い時、に、二次電流Ieの正電流成分が流れる。同様に、ゲート電圧V2、V4が高い時、二次電流の負電流成分が流れる。デユーティ比(= Tx/(TxとTyとの合計))は、界磁電流Ifの指令値に応じて制御される。フリーホィーリング電流Iffは、電流中止期間Iy内にて、フリーホィーリングダイオード11Dを通じて循環する。したがって、インバータ11A、ロータリートランス11B及び整流器11Cは、期間Tyにて休止している。さらに、フリーホィーリング電流Iffからなる界磁電流Ifが、フリーホィーリングダイオード11Dだけを巡回する。従って、IPTの電力損失が低減され、ロータリートランスが小さくなる。
【0043】
第1実施例の第4の変形態様が、図23を参照して説明される。図23は、第1実施例の3つのTFMを運転するためのデユアル3相インバータ9を示す回路図である。図23に示されるインバータ9は、 3つのレグ31-33をもつ第1の3相インバータ9Aと、 3つのレグ34-36をもつ第2の3相インバータ9Bと、接続切換スイッチ9Cとを有している。6つのレグ31-36の各々は、MOSトランジスタとフリーホィーリングダイオードとをもつ公知のハーフブリッジからなる。レグ31の出力端は、相巻線3Uを通じてレグ36の出力端に接続されている。レグ32の出力端は、V相巻線3Vを通じてレグ35の出力端に接続されている。レグ33の出力端は、W相巻線3Wを通じてレグ34の出力端に接続されている。
【0044】
2つのインバータ9A、9Bの低電位DCターミナルを接続する接続切換スイッチ9Cがオンするとき、DC電源(図示せず)は高電位DC線1000と低電位DC線2000とを通じて、3相インバータ9A、9Bに直流電圧を印加する。接続切換スイッチ9Cは、高速域でオンされる。他方、接続切換スイッチ9Cは、低速域でオフされる。さらに、第2インバータ9Bを3相巻線3U-3w.の中性点に変更するために、第2インバータ9Bの3つのローサイドスイッチは、低速域でオンされる。コントローラ300は、インバータ9Aと9Bと、接続切換スイッチ9Cとを制御する。したがって、オープンデルタ接続と星型接続とのどちらかを選択することができる。よく知られているように、3つのTFSynRMsの3つの相電流の電気角は、ロータ角とトルク指令値に基づいて決定される。
【0045】
第1実施例の第5変形態様が、図24-図28を参照して説明される。図24は、軸方向タンデム配列された二重3相TFIMを示す軸方向横断面図である。ステータ1は、U相巻線3U1、3U2、V相巻線3V1、3V2及びW相巻線3W1、3W2をもつステータコア2U1、2V1、2W1、2U2、2V2、2W2を有している。ロータ4は、ロータコア4U1、4V1、4W1、4U2、4V2、4W2をもつ。ロータハウジング200の外周面は、ロータティース41Lと41Rが挿入される貫通孔をもつ銅円筒200Aで覆われている。したがって、いわゆる籠形第二の巻線の電気抵抗低減により、TFIMの銅損は低減される。図20に示される6相TFIMsは、相数を除いて、図3に示されるTFIMと基本的に等しい。図24に示されるTFIMは、銅シリンダー200Aの省略によりSynRMsになる。
【0046】
図25は、TFIMからなる二重(デユアル)3相TFM又は図24に示されるTFSynRMsを運転するための9スイッチ・インバータ9の回路図である。図25に示されるインバータ9は、3つの上スイッチUH、VH、WHと、3つの中間スイッチUM、VMとWMと、3つの下スイッチUL、VL、WLを有する。インバータ9は、U相レグ901、V相レグ902、W相レグ903からなる。U相レグ901は、直列接続された3つのスイッチUH、UM、ULからなる。V相レグ902は、直列接続された3つのスイッチVH、VM、VLからなる。W相レグ903は、直列接続された3つのスイッチWH、WM、WLからなる。
【0047】
上スイッチUH、VH、WHと中間スイッチUM、VM、WMとの間の3つの上接続点C1-C3は、上の3相巻線3Kの3つの相巻線3U1、3V1、3W1に個別に接続されている。下スイッチUL、VL、WLと中間スイッチUM、VM、WMとを接続する3つの下接続点C4-C6は、下の3相巻線3Lの3つの相巻線3U2、3V2、3W2に個別に接続されている。上スイッチUH、VH、WHの各上端は、高電位DC線1000に接続されている。下スイッチUL、VL、WLの各下端は、低電位DC線2000に接続されている。3相巻線3Kと3相巻線3Lは、各々星形接続を有している。
【0048】
コントローラ300は、ゲート電圧SHを上スイッチに、ゲート電圧SMを中間スイッチに、ゲート電圧SLを下スイッチに印加する。さらに、コントローラ300は、検出情報に従って直列接続モードか並列回路モードを選択する。図26は、直列接続モードの1つの状態を例示する。直列接続モードにおいて、同レグの上スイッチと下スイッチは、同じ状態を有している。直列接続モードにおいて、中間スイッチは、同レグの上スイッチ及び下スイッチと逆の状態を有している。図27は、並列接続モードの1つの状態を例示する。並列接続モードでは、同相の上スイッチと下スイッチは、互いに逆の状態を有している。並列接続モードでは、すべての中間スイッチUM、VM、WMはオンされる。
【0049】
図28は、好適な接続の選択を示すフローチャートである。第1に、ステップS400にて、ロータ速度を含む所定情報が検出される。次のステップS402にて、TFMAが所定の高速域で駆動されるか否かが判断される。デユアル3相TFIM(図24に示される)またはTFSynRMが高速域で駆動されるとき、ステップS404にて並列接続モードがで選択される。デユアル3相TFIMまたはデユアル3相TFSynRMが低速域で駆動されるとき、ステップS406にて、直列接続モードがせんたくされる。したがって、6相ステータ巻線の等価ターン数は、高速域で低減されることができる。
【0050】
3つの相巻線3U2、3V2、3W2の各相電流は、直列接続モードと並列接続モードとで反対の流れ方向をもつことがわかる。しかし、誘導モータトルクは、電流方向の変更に関係しない。同様に、シンクロナスリラクタンスモータートルクは、電流方向の変更に関係しない。したがって、9スイッチ・インバータ9は、3つの相巻線の等価ターン数を切り換えることができる。
【0051】
第2実施例
図29-図55に図示される第2実施例は、軸方向タンデム構造をもつ4相横磁束スイッチドリラクタンス機械(TFSRM)を開示する。図29は、TFSRMを示す軸方向横断面図である。図30は、X相ステータ1X、Y相ステータ1Y、Z相ステータ1Z、T相ステータ1Tのステータティース21L、21Rを示す周方向展開図である。図31は、ロータティース41L、41Rの配列を示す周方向展開図である。ステータは、軸方向タンデム配列されたX相ステータコア2X、Y相ステータコア2Y、Z相ステータコア2Z、T相ステータ2Tを有している。4つのステータコア2X、2Y、2Z、2Tのそれぞれが、図14に示されるステータコア2Uと同じコア構造を有している。それぞれリング形状をもつX相巻線3X、Y相巻線3Y、Z相相巻線3Z、T相巻線3Tは、4つの環状スロットに個別に収容されている。ステータコア2X-2Tとティースホルダ1a-1eは、ステータハウジング100に収容されている。
【0052】
ロータ4はX相ロータコア4X、Y相ロータコア4Y、Z相ロータコア4Z、T相ロータ4Tを有している。4つのロータコア4X、4Y、4Z、4Tは、図9に示されるU相ロータコア4Uと同じ構造をもつ。隣接した2つのステータコアの間の各電気角は90度である。隣接した2つのロータコアの間の各電気角度は90度である。
【0053】
第2実施例の第1の変形態様が、図32-図34を参照して説明される。図32は、軸方向タンデム構造をもつ4相横磁束ハイブリッド機械(TFHMと呼ばれる)を示す軸方向横断面図である。図32-図34に示されるTFHMは、永久磁石層6を除いて図29-図31に示される4相TFSRMと同じである。永久磁石層6は、図17に示される永久磁石層6と、基本的に同じである。4つの単相TFHMは、永久磁石層6を共有する。永久磁石層6は、ティース41L、41Rの上面以外はロータコア4X-4Tの外周面を覆うフェライト磁石で作られている。図33は、図32に示されるロータ4のロータティース、S極領域、N極領域の配列を示す周方向展開図である。図34は、図32に示されるステータティースの配列を示す周方向展開図である。4相TFHMは、永久磁石層6でアシストされたスイッチドリラクタンストルクを発生する。
【0054】
図35は、1つの方向に移動するロータコア4Xのロータの4つの位置を示す。時点t1にて、左ロータティース41Lは、各2つの左ステータティース21Lの間に位置する。各N極領域6Nは、左ステータティース21Lに対面している。それから、X相電流がX相巻線3Xに供給される。ティース21LがN極になるため、ティース21Lはティース41Lを引っ張る。左ロータティース41Lは、右方向へ移動して、次のステータティース21Lに対面する。それから、X相電流が止められる。従って、ティースの吸引トルク(スイッチドリラクタンスモーター・トルク)と、押出しトルク(永久磁石トルク)とを、TFHMが用いることができるので、TFHMのトルクは増加される。
【0055】
図36は、図29、図32に示されるTFSRMとTFHMとを駆動する非対称4相パワーコンバータ8を示す回路図である。パワーコンバータ8は、レグ801-804を備えている。直列接続された上トランジスタT1及び下ダイオードD1からなるX相レグ801は、インダクタンスLxをもつX相ステータ巻線3Xに、X相電流IXを供給する。直列接続された上トランジスタT2及び下ダイオードD2からなるY相レグ802は、インダクタンスLyをもつY相ステータ巻線3Yに、Y相電流IYを供給する。直列接続された下トランジスタT3及び上ダイオードD3からなるZ相レグ803は、インダクタンスLzをもつZ相ステータ巻線3Zに、Z相電流IZを供給する。直列接続された下トランジスタT4及び上ダイオードD4からなるT相レグ804は、インダクタンスLtをもつT相ステータ巻線3Tに、T相電流ITを供給する。パワーコンバータ8はさらに、接続切換スイッチT6、上スイッチT7、下スイッチT8をもつ。したがって、パワーコンバータ8は、7つのトランジスタと4つのフリーホィーリングダイオードだけを有している。
【0056】
上スイッチT1、T2と、上ダイオードD3、D4とは、高電位DC線1000に接続されている。下ダイオードD1、D2と下スイッチT3、T4は、低電位DC線2000に接続されている。X相巻線3Xの下端及びY相巻線3Yの下端は、Z相巻線3Z及びT相巻線3Tの上端に、接続切換スイッチT6を通じて接続されている。Z相巻線3Z及びT相巻線3Tの上端は、上スイッチT7を通じて上のDCリンク線1000に接続されている。X相巻線3XとY相巻線3Yとの下端は、下スイッチT8を通じて下のDCリンク線2000に接続されている。
【0057】
4つの相電流IX、IY、IZ、ITは、トランジスタT1-T6のスイッチングにより制御される。パワーコンバータ8を制御するコントローラ300は、直列接続モードと並列接続モードとを有している。図37は、モータ動作における相電流IX、IY、IZ、ITと、相巻線3X、3Y、3Z、3TのインダクタンスLx、Ly、Lz、Ltの波形を示すタイミングチャートである。低速時のモータ動作と発電機動作において、コントローラ300は、スイッチT6がオンされ、スイッチT7とT8がオフされる直列接続モードに指令する。高速時のモータ運転において、コントローラ300は、スイッチT6がオフされ、スイッチT7、T8がオンされる並列接続モードを指令する。図37に示されるように、相電流IX、IY、IZ、ITは、モータ動作においてほぼ台形の波形をもつ。1つの相の電流増加期間と、もう一つの相の電流減少期間が、電気角約60度だけオーバーラップされる。
【0058】
モータ動作の直列接続モードが、パワーコンバータ8の回路図を示す図38-図41を参照して説明される。直列接続モードにおいて、接続切換スイッチT6がオンされ。スイッチT7、T8がオフされる。図38は、電気角360度(=0度)の電流を示す。好適には、スイッチT4は、定電流供給のためにPWMスイッチングされる。図39は、電気角90度の電流を示す。好適には、スイッチT1は、定電流供給のためにPWMスイッチングされる。図40は、電気角180度の電流を示す。好適には、スイッチT3は、定電流供給のためにPWMスイッチングされる。図41は、電気角270度の電流を示す。好適には、スイッチT2は、定電流供給のためにPWMスイッチングされる。結局、直列接続モータモードにおいて、X相電流IXとY相電流IYは、Z相電流IZとT相電流ITのどちらかとなる。直列接続モードにおいて、ダイオードを通じてのDC電源へリカバリ電流を回帰させるために、上スイッチと下スイッチのオンしているペアは、同時にオフされることができる。
【0059】
モータ動作の並列接続モードが、パワーコンバータ8の回路図を示す図42-図45を参照して説明される。並列接続モードでは、接続切換スイッチT6はオフされ、スイッチT7とT8はオンされる。したがって、X相電流IX及びY相電流IYは、Z相電流IZ及びT相電流ITから独立している。図42は、電気角360度の電流を示す。図43は、電気角90度の電流を示す。図44は、電気角180度の電流を示す。図45は、電気角270度の電流を示す。スイッチT1-T4は各々、定電流期間においてPWMスイッチングされる。フリーホィーリング電流が、パワーコンバータ8と相巻線を循環する。結局、パワーコンバータ8は直列接続と並列接続とを切り換えることができる。
【0060】
4相TFSRMの発電機動作が、図46-図54を参照して説明される。図46は、発電機動作における電流及びインダクタンスを示すタイミングチャートである。発電機動作において、接続切換スイッチT6は、発電電流をDC電源(図示せず)に供給するために、オンされる。スイッチT7とT8はオフされる。したがって、ダイオードD1-D4は、リカバリダイオードとして動作する。図47-54は、電流を示す回路図である。図47は、時点t1の電流を示す。図48は、時点t2の電流を示す。図49は、時点t3の電流を示す。図50は、時点t4の電流を示す。図51は、時点t5の電流を示す。図52は、時点t6で電流を示す。図53は、時点t7の電流を示す。図54は、時点t8の電流を示す。
【0061】
図55は、4相TFSRMを駆動するためのパワーコンバータ8Aを示す回路図である。パワーコンバータ8Aは、トランジスタT6-T8をもたない。したがって、パワーコンバータ8Aは並列接続モードで運転されない。しかし、パワーコンバータ8Aは直列接続モードを運転することができる。
【0062】
第3実施例
周方向タンデム構造をもつCTFMを示す第3実施例が図56-図65を参照して説明される。図56は、周方向タンデム構造をもつ3相TFIMの軸方向横断面図である。図57は、周方向に配列された3つのステータコア2U、2V、2Wの2つのセットの1つの配列を示す。
【0063】
図56において、ステータ1は、軸方向に配列されたステータコア2A、2Bをもつ。U相巻線3Uの2つの円弧部は個別に、ステータコア2A、2Bの円弧状スロットに収容されている。ボウル形の前ハウジング101とボウル形の後ハウジング102とを備えるステータハウジング100は、軸方向に順番に配列されたティースホルダ1a、ステータコア2A、ティースホルダ1b、ステータコア2B、ティースホルダ1dを収容している。ロータ4は、軸方向にタンデム配列された環状のロータコア4A、4Bをもつ。籠形二次巻線を構成する銅シリンダ200Aは、軸201に固定されたロータハウジング200に固定されている。
【0064】
図57に示されるように、2セットの円弧状ステータコア2U、2V、2Wは、周方向に配列備されている。しかし、2セットのステータコア2U、2V、2Wは、環形の共通ヨーク部24を有している。言い換えれば、ステータコア2Aのステータティース21L、21R及び斜め部25L、25Rは、2セットのステータコア2U、2V、2Wに属している。同様に、ステータコア2Bのステータティース21L、21R及び斜め部25L、25Rは、2セットのステータコア2U、2V、2Wに属している。円弧形の6つの相巻線3U、3V、3Wのそれぞれは、ほぼ60度をもつ。U相巻線3Uは、隣接した2つのステータコア部2Uに巻かれている。V相巻線3Vは、隣接した2つのステータコア部2Vに巻かれている。W相巻線3Wは、隣接した2つのステータコア部2Uに巻かれている。
【0065】
図58-図59はティースホルダ1a、1b、1c、dとステータコア2A、2Bを含む分割ステータ構造を示す。図58は、ステータ2A、2Bとアルミニウムで作られたティースホルダ1a-1dを例示する軸方向横断面図である。図59は、ステータコア2Aを示す部分側面図である。ティースホルダ1a-1dは、互いに同じ形をもつ。ティースホルダ1a-1dは、径方向内側に突出する突出部10Tと、リング部10aとを有する。1人のティースホルダの突出部10Tの数は、1つのステータコアの左ティース21Lと右ティース21Rのどちらかに等しい。リング部10aの内側斜面10dは、斜め部25L、25Rの外側斜面25aと接触する。
【0066】
ステータティース21L、21Rの周方向側の各側面は、軸方向AXに延在する凹部29を有している。突出部10Tの周方向側の各側面は、軸方向AXに延在する凸部19を有している。各凸部29は、周方向へ突出して、各凹部29と接触している。ステータティース21L、21Rがティースホルダ1a-1dの突出部10Tにより支えられているので、ステータティース21L、21Rの振動が制止される。
【0067】
図60は、周方向PHにおいて互いに隣接するU相巻線3U及びV相巻線3Vの端部近傍でのステータコア2A及びロータコア4Aの側面を示す部分展開図である。ステータコア2A、2Bの各々は、ステータティース21L、21Rの省略により、エンドスロット2000Aをもつ。3U相巻線3Uのコイルエンド部300Uと、V相巻線3Vのコイルエンド部300Vとは、図60に示されるようにエンドスロット2000Aに収容されている。
【0068】
各円弧状巻線3U、3Vは、絶縁層で被覆された銅テープで作られている。巻かれた銅テープは、ステータコア2Aの環状スロットに収容されている。図61は、U相巻線3Uをもつステータコア2Aを示す軸方向横断面図である。ステータ巻線3Uは、螺旋状に巻かれた15ターンの銅テープ310をもつ。銅テープ310の端部311、312は各々、二回曲がった後で径方向外側へ引き出されている。径方向に積層されたステータ巻線3Uは、高い占積率、優れた放熱能力、低い表皮効果を実現する。結局、ステータ巻線3Uは、従来の丸形導体線との比較において、高い電流密度と低い銅損とをもつ。それは、コンパクトな機械の実現を意味する。
【0069】
図62は、2つの相巻線3U、3Vをもつステータコア2A、2Bの周方向展開図である。図63は、2つの相巻線3U、3Vの変形周方向展開図である。U相巻線3Uのコイルエンド300は、内側部3Ua、中央部3Ub、外側部3Ucを有する。V相巻線3Vのコイルエンド300は、内側部3Va、中央部3Vb、外側部3Vcを有する。図63で示すように、コイルエンド300の3つの部分は、隣接の2つのティース21L、21Rの間の異なるスペースに巻かれている。したがって、エンドスロット2000Aは、短縮される。
【0070】
ステータコアのもう一つの配列が図64に示される。図64は、周方向タンデム構造をもつデユアル3相TFIM又はデユアル3相TFSynRMの模式側面図である。周方向タンデム構造をもつステータ2A、2Bはそれぞれ、順番に周方向に配列された6つのステータコア2U1、2W2、V1、2U2、2W1、2V2をもつ。図に示される6つの相巻線3U1-3W2は、6つのステータコア2U1、2W2、2V1、2U2、2W1、2V2に巻かれている。したがって、二重3相TFIMまたはTFSynRMは、図25に示される9スイッチ3相インバータ9で運転される。図65は、図64で使用したロータティース41L、41Rを示す周方向展開図である。
【0071】
第4実施例
リング部付きのコアをもつCTFMを開示するための第4実施例が図66-70を参照して説明される。図66は、軸方向にタンデム配列された3つのステータコア2U、2V、2Wを示す軸方向横断面図である。ステータコア2U、2V、2Wは、左コア2L及び右コア21Rをそれぞれ有している。図67は、ステータコア2Uの部分側面図である。相巻線3Uは、図66に図示されていない。図68は、U相ステータコア2Uの軸方向横断面図である。図69は、互いに分離された左コア2L及び右コア2Rの模式側面図である。図70は、左コア2Lの部分側面図である。
【0072】
左コア2Lは、左ティース21L、リング部21C、左斜め部25L及び左ヨーク部26Lを有している。各左斜め部25Lは、リング部21Cと各左ヨーク部26Lとを結合している。左ティース21Lは、リング部21Cから径方向内側へ突出している。同様に、右コア2Rは、右ティース21R、リング部21C、右斜め部25R及び右ヨーク部26Rを有している。各右斜め部25Rは、リング部21Cと各右ヨーク部26Rを結合している。右ティース21Rは、リング部21Cから径方向内側に突出している。
【0073】
図67に示されるように、左ヨーク部26L及び右ヨーク部26Rは、周方向へ交互に配列され、かつ、互いに接触している。ヨーク部26L、26Rは、環状のヨーク部26を構成している。ステータティース21L、21Rはリング部21Cから突出しているので、ステータティース21L、21Rの振動が減少する。ステータコア2V、2Wは、ステータコア2Uと同じ構造をもつ。
【0074】
第5実施例
2つの斜め部の間の配置されたリング部をもつコアを有するCTFMを開示するための第5実施例が、図71-75を参照して説明される。図71は、軸方向タンデム構造をもつ3つの単相TFPMを示す軸方向横断面図である。ステータコア2U、2V、2Wは、左コア2L、2つの中央コア2C及び右コア2Rで作られている。環状のコア2L、2C、2C及び2Rは、軸方向AXへ順番に配列されている。コア2L、2C及び2Rは、軸方向に積層された鉄板で作られている。環状のロータコア4U、4V及び4Wは、軸方向に積層された鉄板で作られている。ロータコア4U、4V及び4Wは、在来の円筒形状を有している。3つの永久磁石リング10はそれぞれ、ロータコア4U、4V及び4Wの各外周面に固定されている。ロータコア4U、4V及び4Wのスロットに所定数の永久磁石を挿入することも可能である。図72は、3つの永久磁石リング10を示す周方向展開図である。各永久磁石リング10は、周方向交互に配列されたN極領域とS極領域を有している。
【0075】
図73は、図71に示されるステータ2U、2V及び2Wの組み立て工程を示す。1つの左コア2L、2つの共通コア2C及び1つの右コア2Rが用いられる。けれども、2つの共通コアの1つは、紙シートの制約のため、図示されていない。左コア21Lは、左ヨーク部24L、上左斜め部25L、環状の左リング部210L、下左斜め部250L及び左ティース部21Lからなる。上左斜め部25Lは、リング部210Lから径方向外側へ突出している。各ヨーク部24Lは、各上左斜め部25Lから径方向外側へ突出している。下左斜め部250Lは、リング部210Lから、斜めかつ径方向内側へ突出している。各左ティース部21Lは、各下左斜め部250Lからから突出している。各部21L、250L、25L及び24Lはそれぞれ、周方向PHへ配列されている。
【0076】
右コア2Rは、右ヨーク部24R、上右斜め部25R、環状の右リング部210R、下右斜め部250R及び右ティース部21Rからなる。各上右斜め部25Rは、リング部210Rから斜めにかつ径方向外側へ突出している。各右ヨーク部24Rは、各上右斜め部25Rから径方向外側へ突出している。下右斜め部250Rは、リング部210Rから斜めに突出している。各右ティース部21Rは、各下右斜め部250Rから径方向内側へ突出している。各部21R、250R、25R及び24Rはそれぞれ、周方向PHに配列されている。
【0077】
2つの中央コア2C(1つだけ図示されている)はそれぞれ、左ヨーク部24L、右ヨーク部24R、上左斜め部25L、上右斜め部25R、環状のリング部210C、下左斜め部250L、下右斜め部250R、左ティース部21L及び右ティース部21Rからなる。周方向PHに交互に配列された各部25R、25Lは、リング部210Cから斜めに突出している。各部24Rは、各部25Rから径方向外側へ突出している。各部24Lは、各部25Lから径方向外側へ突出している。周方向PHへ交互に配列された部分250R、250Lは、リング部210Cから斜めに突出している。各部21Rは、各部250Rから径方向内側へ突出している。各部21Lは、各部250Lから径方向内側へ突出している。部分21L、21R、24L、24R、25L、25R、250L及び250Rは各々、周方向PHに配列されている。4つの非磁性ティースホルダは、ステータコア2U、2V及び2Wに個別に隣接している。
【0078】
図74は、左ティース部21L及び右ティース部21Rの周方向展開図である。図75は、左ヨーク部24L及び右ヨーク部24Rの周方向展開図である。各相の左ヨーク部24L及び右ヨーク部24Rは、周方向へ交互にに配置されている。各相の隣接したヨーク部24L、24Rは、周方向PHに交互に接触している。
【0079】
追加説明
本発明の他の様相が、上記実施例を参照して説明される。従来のTFMは、コアに巻かれた単相巻線をもつ。コアは、左ティース、右ティース及びヨーク部をもつ。ヨーク部は、左ティースと右ティースとを磁気的に接続する。単相巻線は、左ティースと右ティースとの間のスペースを移動コアの移動方向の方へ延在する。本発明のCTFMと従来のTFMとの違いは、斜め部(25L、25R)にある。
【0080】
図58-図59は、非磁性金属材から作られたティースホルダ(1a-1d)を示す。ティースホルダは、長手部(10a-10d)と複数の突出部(10L、10R)とをもつ。突出部(10L、10R)は、ティース(21L、21R)の凹部(29)に結合する凸部(19)をもつ。このティースホルダ(1a-1d)は、従来のTFMにより採用されることができる。
【0081】
図3はロータの軸に固定された回転金属ディスク(203)を示す。この金属ディスク(203)は従来のTFMにり採用されることができる。
【0082】
図20-図22は、移動コア(4U-4W)に巻かれた界磁巻線(30U、30V、30W)をもつTFWRMを示す。界磁巻線(30U、30V、30W)は、インバータ(11A)、ロータリートランス(11B)、整流器(11C)及びフリーホイーリングダイオード(11d)を含むIPT(11)により駆動される。インバータ(11A)は、界磁巻線(30U、30V、30W)に界磁電流(If)を供給するために、ロータリートランス(11B)を通じて整流器(11C)に発振電流を給電する。界磁巻線(30U、30V、30W)に並列接続されたフリーホイーリングダイオード(11d)は、フリーホィーリング電流(Iff)を循環させる。インバータ(11A)は、パルス波形をもつ発振電流を供給する。TFWRMに界磁電流を供給するための上記のIPTは、従来のTFM又は従来のRFMによって採用されることができる。
【0083】
図32-図35は、永久磁石層(6)を移動コアのティース(21L、21R)の周囲のスペースに埋設したTFSRMを示す。スイッチドリラクタンスモータートルクと永久磁石トルクを発生させるための上記のTFSRMは、従来のTFMにり採用されることができる。
【0084】
図36-図55はタンデム配列された4つのTFSRMsを駆動する4相パワーコンバータ(8)を示す。パワーコンバータ(8)は上側の2つのスイッチ(T1、T2)と、下側の2つのスイッチ(T3、T4)と、4つのダイオード(D1-D4)とからなる4つのレグ(801-804)をもつ。上側の2つのスイッチと下側の2つのスイッチとは、互いに直列接続されている。このパワーコンバータは、従来のTFMによって採用されることができる。さらに、3つの追加スイッチ(T6-T8)をもつパワーコンバータ(8)は、直列接続を並列接続に変更する。このパワーコンバータは、従来のTFMによって採用されることができる。
【0085】
図23は、3相TFMの星形(Y)接続を開放デルタ接続に切り換える二重3相インバーター(9)を示す。この3相インバータは、従来のTFMによって採用されることができる。
【0086】
図24-図28は、タンデム配列された6つのTFIMまたは6つのTFSynRMを駆動する9スイッチ・インバーター(9)を示す。6つのTFIMまたは6つのTFSynRMは、直列接続を並列回路に切り換えることができる。この9スイッチ・インバーターは、従来のTFIMまたは従来のTFSynRMにより採用されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単相横磁束機械(TFM)を備え、TFMは、コア(2X-2T、2U1-2W2、2U-2W、4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)と単相巻線(3X-3T、3U1-3W2、3U-3W)とを有し、コアは、左ティース(21L、41L)、右ティース(21R、41R)及びヨーク部(24、44、26)を有し、ヨーク部(24、44、26)は、左ティース(21L、41L)を右ティース(21R、41R)に磁気的に接続し、単相巻線(3X-3T、3U1-3W2、3U-3W)は、移動コア(4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)の移動方向(PH)へ左ティース(21L)と右ティース(21R)の間のスペースを延在している横磁束機械装置(TFMA)において、
コア(2X-2T、2U1-2W2、2U-2W、4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)は更に、左斜め部(25L、45L)及び右斜め部(25R、45R)を有し、
1つの方向へ斜めに延在する各左斜め部(25L、45L)は、各左ティース(21L、41L)をヨーク部(24、44、26)に接続し、
もう一つの方向に斜めに延在するする各右斜め部(25L、45R)は、各右ティース(21R、41R)をヨーク部(24)に接続し、
各左ティース(21L、41L)及び各右ティース(21R、41R)は、移動方向へ交互に配列され、
コア(2X-2T、2U1-2W2、2U-2W、4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)は、曲げ部をもつ積層鉄板(7)を有し、そして、
ヨーク部(24、44、26)の積層鉄板(7)は、移動方向(PH)へ延在することを特徴とする横磁束機械装置。
【請求項2】
斜め部(25L、25R、45L、45R)は、真っ直ぐに延在している請求項1記載のTFMA。
【請求項3】
、斜め部(25L、25R、45L、45R)とティース(21L、41L、21R、41R)との角度は、25度と65度との間の角度範囲内にある請求項2記載のTFMA。
【請求項4】
コア(2U、2V、2W)は、左コア(2L)と右コア(2R)を有し、
左コア(2L)は、左ティース(21L)、左斜め部(25L)、1つの長手部(21C、210C)及び左ヨーク部(26L、24L)を有し、
右コア(2R)は、右ティース(21R)、右斜め部(25R)、もう一つの長手部(21C、210C)及び右ヨーク部(26R、24R)を有し、
移動方向(PH)へ延在する前記1つの長手部(21C、210C)は、左ティース(21L)を左ヨーク部(26L、24L)に接続し、
移動方向(PH)へ延在する前記もう一つの長手部(21C、210C)は、右ティース(21R)を右ヨーク部(26R、24R)に接続し、そして、
互いに交替に接触する左ヨーク部(26L、24L)及び右ヨーク部(26R、24R)は、ヨーク部(24、26)を構成する請求項1記載のTFMA。
【請求項5】
コア(2U、2V、2W)は更に、他の左斜め部(250L)及び他の右斜め部(250R)を有し、そして、
斜めに延在する各他の斜め部(250L、250R)は、各ティース(21L、21R)を長手部(210C)に接続する請求項4記載のTFMA。
【請求項6】
TFMAは、ティース(21L、21R)を保持するための複数のティースホルダ(1a-1d)を有し、
非磁性金属材でできたティースホルダ(1a-1d)は、長手部(10a-10d)及び複数の突出部(10L、10R)を有し、
移動方向(PH)に延在する長手部(10a-10d)は、ヨーク部(24)及び斜め部(25L、25R)と接触し、そして、
各突出部(10L、10R)は、移動方向(PH)にて互いに隣接する各2つのティース(21L又は21R)の間の各スペースへ長手部(10a-10d)から突出している請求項1記載のTFMA。
【請求項7】
ティースホルダ(1a-1d)は、絶縁層を介してコア(2X-2T、2U1-2W2、2U-2W、4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)と接触する請求項6記載のTFMA。
【請求項8】
各突出部(10L、10R)は、ティース(21L,21R)の凹部(29)に結合するための凸部(19)を有する請求項6記載のTFMA。
【請求項9】
ティースホルダ(1a-1d)はそれぞれ、移動方向(PH)へ延在する冷却管(400)を有する請求項6記載のTFMA。
【請求項10】
移動コア(4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)としてのロータコアは、軸(201)に固定され、そして、
軸(201)は、空気中で回転するための金属ディスク(203)を有する請求項1記載のTFMA。
【請求項11】
単相巻線(3X-3T、3U1-3W2、3U-3W)は、螺旋状に積層された絶縁導体テープからなる請求項1記載のTFMA。
【請求項12】
TFMは、移動コア(4U1-4W2、4U-4W)のティース(41L、41R)の側面を覆う永久磁石層(6)をもつ横磁束シンクロナスリラクタンス機械(TFSynRM)からなる請求項1記載のTFMA。
【請求項13】
TFMは、移動コア(4U1-4W2、4U-4W、4X-4T)のティース(41L、41R)の側面を覆う永久磁石層(6)をもつ横磁束スイッチドリラクタンス機械(TFSRM)からなる請求項1記載のTFMA。
【請求項14】
TFMは、移動コア(4U-4W)に巻かれた界磁巻線(30U、30V、30W)をもつ横磁束巻ローター機械(TFWRM)からなり、
界磁巻線(30U、30V、30W) は、インバータ(11A)、ロータリートランス(11B)、整流器(11C)及びフリーホイーリングダイオード(11d)を含む誘導送電装置(IPT)(11)から給電され、
インバータ(11A)は、界磁巻線(30U、30V、30W)に界磁電流(Ie)を給電するためのロータリートランス(11B)を通じて整流器(11C)に発振電流を供給し、
界磁巻線(30U、30V、30W)と並列接続されたフリーホイーリングダイオード(11d)は、フリーホィーリング電流(Iff)を循環し、そして、
インバータ(11A)はパルス波形をもつ発振電流を供給する請求項1記載のTFMA。
【請求項15】
TFMは、移動コア(4U1-4W2、4U-4W)のティース(41L、41R)を個別に囲む二次巻線(200、200A)を有する横磁束誘導機械(TFIM)からなる請求項1記載のTFMA。
【請求項16】
TFIMは、コントローラ(300)により制御されるたインバータ(9)により駆動され、
コントローラ(300)は、誘導モータモードとシンクロナスリラクタンスモーターモードを有し、
コントローラ(300)は、誘導モータモードにおいて誘導電動機としてTFIMを運転し、
コントローラ(300)は、シンクロナスリラクタンスモーターモードにおいてのシンクロナスリラクタンスモーターとしてTFIMを運転し、そして、
コントローラ(300)はTFIMの始動時にシンクロナスリラクタンスモーターモードを選択する請求項15記載のTFMA。
【請求項17】
TFMAは、1つの方向へタンデム配列された複数のTFMを有する請求項1記載のTFMA。
【請求項18】
コア(2X-2T、2U1-2W2、2U-2W、4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)は、移動コア(4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)としてのローターの周方向へ配列され、そして、
コア(2X-2T、2U1-2W2、2U-2W、4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)は、環状のヨーク部(24、44)を共有する請求項17記載のTFMA。
【請求項19】
3つのTFMは、コントローラ(300)により制御されるデユアル3相インバーター(9)により駆動され、
デユアル3相インバーター(9)は、第1の3相インバーター(9A)、第2の3相インバーター(9B)及び接続切換スイッチ(9C)を有し、
2つのインバーター(9A、9B)の各レグはそれぞれ、3つのTFMの3つの単相巻線(3U、3V、3W)の各端部に個別に接続され、
コントローラ(300)は、接続切換スイッチ(9C)を、TFMの低速域でオフし、かつ、TFMの高速地域でオンし、そして、
コントローラ(300)は、第2の3相インバーター(9B)の3つの上スイッチと第2の3相インバーター(9B)の3つの下スイッチのいずれかを低速域でオンする請求項17記載のTFMA。
【請求項20】
TFMAは、エンジン側発電電動機(MG1)及び車輪側発電電動機(MG2)を有し、
2つの発電電動機(MG1とMG2)は、互いに等しい数の相をもつTFIMからなり、
エンジン側発電電動機(MG1)は、コントローラ(300)により制御されるエンジン側インバーター(9E)により駆動され、
車輪側発電電動機(MG2)は、コントローラ(300)により駆動される車輪側インバーター(9F)により駆動され、そして、
コントローラ(300)は、エンジン側発電電動機(MG1)と車輪側発電電動機(MG2)とを直結するために接続切換スイッチ(9H)をオンする請求項17記載のTFMA。
【請求項21】
コントローラ(300)は、発電電動機(MG1)の発電電流と発電電動機(MG2)のモータ電流との差が所定値未満になった後、接続切換スイッチ(9H)をオフする請求項20記載のTFMA。
【請求項22】
6つの単相巻線(3U1-3W2)をもつ6つのTFMは、コントローラ(300)により制御される9スイッチ・インバーター(9)により駆動され、
9スイッチ・インバーター(9)は、上スイッチ(UH、VH、WH)、中間スイッチ(UM、VM、WM)及び下スイッチ(UL、VL、WL)をそれぞれ有する3つのレグ(901-903)を有し、
6つの単相巻線(3U1-3W2)の1つのグループ(3U1、3V1、3W1)は、3つの上スイッチ(UH、VH、WH)と3つの中間スイッチ(UM、VM、WM)との間の3つの接続点(C1、C2、C3)に接続され、そして、
6つの単相巻線(3U1-3W2)の他のグループ(3U2、3V2、3W2)は、3つの中間スイッチ(UH、VM、WM)と3つの下スイッチ(UL、VL、WL)との間の3つの接続点(C4、C5、C6)に接続されている請求項17記載のTFMA。
【請求項23】
コントローラ(300)は、低速域で前記2つのグループを直列に接続し、そして、
コントローラ(300)は高速域で前記2つのグループを並列に接続する請求項22記載のTFMA。
【請求項24】
4つのTFMは、コントローラ(300)により制御される4相パワーコンバータのX相レグ(801)、Y相レグ(802)、Z相レグ(803)及びT相レグ(804)により駆動される4つの単相巻線(3X、3Y、3Zと3T)をもつ4つの単相横磁束スイッチドリラクタンス機械からなり、
X相レグ(801)は、直列接続された上スイッチ(T1)及び下ダイオード(D1)を有し、
Y相レグ(802)は、直列接続された上スイッチ(T2)及び下ダイオード(D2)を有し、
Z相レグ(803)は、直列接続された下スイッチ(T3)及び上ダイオード(D3)を有し、
T相レグ(804)は、直列接続された下スイッチ(T4)及び上ダイオード(D4)を有し、
上スイッチ(T1、T2)及び上ダイオード(D3、D4)は、高電位DC線(1000)に接続され、そして、
下ダイオード(D1、D2)及び下スイッチ(T3、T4)は、低電位DC線(2000)に接続される請求項17記載のTFMA。
【請求項25】
パワーコンバータ(8)は更に、3つの追加スイッチ(T6、T7、T8)を有し、
X相巻線(3X)及びY相巻線(3Y)の下端は、追加スイッチ(T6)を介してZ相巻線(3Z)及びT相巻線(3T)の上端に接続され、
Z相巻線(3Z)及びT相巻線(3T)の上端は、追加スイッチ(T7)を介して上のDCリンク線(1000)に接続され、
X相巻線(3X)及びY相巻線(3Y)の下端は、追加スイッチ(T8)を介して下のDCリンク線(2000)に接続され、そして、
直列接続モードと並列接続モードをもつコントローラ(300)は、直列接続モードにてスイッチ(T6)をオンし、並列接続モードにてスイッチ(T6)をオフする請求項24記載のTFMA。
【請求項1】
単相横磁束機械(TFM)を備え、TFMは、コア(2X-2T、2U1-2W2、2U-2W、4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)と単相巻線(3X-3T、3U1-3W2、3U-3W)とを有し、コアは、左ティース(21L、41L)、右ティース(21R、41R)及びヨーク部(24、44、26)を有し、ヨーク部(24、44、26)は、左ティース(21L、41L)を右ティース(21R、41R)に磁気的に接続し、単相巻線(3X-3T、3U1-3W2、3U-3W)は、移動コア(4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)の移動方向(PH)へ左ティース(21L)と右ティース(21R)の間のスペースを延在している横磁束機械装置(TFMA)において、
コア(2X-2T、2U1-2W2、2U-2W、4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)は更に、左斜め部(25L、45L)及び右斜め部(25R、45R)を有し、
1つの方向へ斜めに延在する各左斜め部(25L、45L)は、各左ティース(21L、41L)をヨーク部(24、44、26)に接続し、
もう一つの方向に斜めに延在するする各右斜め部(25L、45R)は、各右ティース(21R、41R)をヨーク部(24)に接続し、
各左ティース(21L、41L)及び各右ティース(21R、41R)は、移動方向へ交互に配列され、
コア(2X-2T、2U1-2W2、2U-2W、4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)は、曲げ部をもつ積層鉄板(7)を有し、そして、
ヨーク部(24、44、26)の積層鉄板(7)は、移動方向(PH)へ延在することを特徴とする横磁束機械装置。
【請求項2】
斜め部(25L、25R、45L、45R)は、真っ直ぐに延在している請求項1記載のTFMA。
【請求項3】
、斜め部(25L、25R、45L、45R)とティース(21L、41L、21R、41R)との角度は、25度と65度との間の角度範囲内にある請求項2記載のTFMA。
【請求項4】
コア(2U、2V、2W)は、左コア(2L)と右コア(2R)を有し、
左コア(2L)は、左ティース(21L)、左斜め部(25L)、1つの長手部(21C、210C)及び左ヨーク部(26L、24L)を有し、
右コア(2R)は、右ティース(21R)、右斜め部(25R)、もう一つの長手部(21C、210C)及び右ヨーク部(26R、24R)を有し、
移動方向(PH)へ延在する前記1つの長手部(21C、210C)は、左ティース(21L)を左ヨーク部(26L、24L)に接続し、
移動方向(PH)へ延在する前記もう一つの長手部(21C、210C)は、右ティース(21R)を右ヨーク部(26R、24R)に接続し、そして、
互いに交替に接触する左ヨーク部(26L、24L)及び右ヨーク部(26R、24R)は、ヨーク部(24、26)を構成する請求項1記載のTFMA。
【請求項5】
コア(2U、2V、2W)は更に、他の左斜め部(250L)及び他の右斜め部(250R)を有し、そして、
斜めに延在する各他の斜め部(250L、250R)は、各ティース(21L、21R)を長手部(210C)に接続する請求項4記載のTFMA。
【請求項6】
TFMAは、ティース(21L、21R)を保持するための複数のティースホルダ(1a-1d)を有し、
非磁性金属材でできたティースホルダ(1a-1d)は、長手部(10a-10d)及び複数の突出部(10L、10R)を有し、
移動方向(PH)に延在する長手部(10a-10d)は、ヨーク部(24)及び斜め部(25L、25R)と接触し、そして、
各突出部(10L、10R)は、移動方向(PH)にて互いに隣接する各2つのティース(21L又は21R)の間の各スペースへ長手部(10a-10d)から突出している請求項1記載のTFMA。
【請求項7】
ティースホルダ(1a-1d)は、絶縁層を介してコア(2X-2T、2U1-2W2、2U-2W、4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)と接触する請求項6記載のTFMA。
【請求項8】
各突出部(10L、10R)は、ティース(21L,21R)の凹部(29)に結合するための凸部(19)を有する請求項6記載のTFMA。
【請求項9】
ティースホルダ(1a-1d)はそれぞれ、移動方向(PH)へ延在する冷却管(400)を有する請求項6記載のTFMA。
【請求項10】
移動コア(4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)としてのロータコアは、軸(201)に固定され、そして、
軸(201)は、空気中で回転するための金属ディスク(203)を有する請求項1記載のTFMA。
【請求項11】
単相巻線(3X-3T、3U1-3W2、3U-3W)は、螺旋状に積層された絶縁導体テープからなる請求項1記載のTFMA。
【請求項12】
TFMは、移動コア(4U1-4W2、4U-4W)のティース(41L、41R)の側面を覆う永久磁石層(6)をもつ横磁束シンクロナスリラクタンス機械(TFSynRM)からなる請求項1記載のTFMA。
【請求項13】
TFMは、移動コア(4U1-4W2、4U-4W、4X-4T)のティース(41L、41R)の側面を覆う永久磁石層(6)をもつ横磁束スイッチドリラクタンス機械(TFSRM)からなる請求項1記載のTFMA。
【請求項14】
TFMは、移動コア(4U-4W)に巻かれた界磁巻線(30U、30V、30W)をもつ横磁束巻ローター機械(TFWRM)からなり、
界磁巻線(30U、30V、30W) は、インバータ(11A)、ロータリートランス(11B)、整流器(11C)及びフリーホイーリングダイオード(11d)を含む誘導送電装置(IPT)(11)から給電され、
インバータ(11A)は、界磁巻線(30U、30V、30W)に界磁電流(Ie)を給電するためのロータリートランス(11B)を通じて整流器(11C)に発振電流を供給し、
界磁巻線(30U、30V、30W)と並列接続されたフリーホイーリングダイオード(11d)は、フリーホィーリング電流(Iff)を循環し、そして、
インバータ(11A)はパルス波形をもつ発振電流を供給する請求項1記載のTFMA。
【請求項15】
TFMは、移動コア(4U1-4W2、4U-4W)のティース(41L、41R)を個別に囲む二次巻線(200、200A)を有する横磁束誘導機械(TFIM)からなる請求項1記載のTFMA。
【請求項16】
TFIMは、コントローラ(300)により制御されるたインバータ(9)により駆動され、
コントローラ(300)は、誘導モータモードとシンクロナスリラクタンスモーターモードを有し、
コントローラ(300)は、誘導モータモードにおいて誘導電動機としてTFIMを運転し、
コントローラ(300)は、シンクロナスリラクタンスモーターモードにおいてのシンクロナスリラクタンスモーターとしてTFIMを運転し、そして、
コントローラ(300)はTFIMの始動時にシンクロナスリラクタンスモーターモードを選択する請求項15記載のTFMA。
【請求項17】
TFMAは、1つの方向へタンデム配列された複数のTFMを有する請求項1記載のTFMA。
【請求項18】
コア(2X-2T、2U1-2W2、2U-2W、4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)は、移動コア(4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)としてのローターの周方向へ配列され、そして、
コア(2X-2T、2U1-2W2、2U-2W、4X-4T、4U1-4W2、4U-4W)は、環状のヨーク部(24、44)を共有する請求項17記載のTFMA。
【請求項19】
3つのTFMは、コントローラ(300)により制御されるデユアル3相インバーター(9)により駆動され、
デユアル3相インバーター(9)は、第1の3相インバーター(9A)、第2の3相インバーター(9B)及び接続切換スイッチ(9C)を有し、
2つのインバーター(9A、9B)の各レグはそれぞれ、3つのTFMの3つの単相巻線(3U、3V、3W)の各端部に個別に接続され、
コントローラ(300)は、接続切換スイッチ(9C)を、TFMの低速域でオフし、かつ、TFMの高速地域でオンし、そして、
コントローラ(300)は、第2の3相インバーター(9B)の3つの上スイッチと第2の3相インバーター(9B)の3つの下スイッチのいずれかを低速域でオンする請求項17記載のTFMA。
【請求項20】
TFMAは、エンジン側発電電動機(MG1)及び車輪側発電電動機(MG2)を有し、
2つの発電電動機(MG1とMG2)は、互いに等しい数の相をもつTFIMからなり、
エンジン側発電電動機(MG1)は、コントローラ(300)により制御されるエンジン側インバーター(9E)により駆動され、
車輪側発電電動機(MG2)は、コントローラ(300)により駆動される車輪側インバーター(9F)により駆動され、そして、
コントローラ(300)は、エンジン側発電電動機(MG1)と車輪側発電電動機(MG2)とを直結するために接続切換スイッチ(9H)をオンする請求項17記載のTFMA。
【請求項21】
コントローラ(300)は、発電電動機(MG1)の発電電流と発電電動機(MG2)のモータ電流との差が所定値未満になった後、接続切換スイッチ(9H)をオフする請求項20記載のTFMA。
【請求項22】
6つの単相巻線(3U1-3W2)をもつ6つのTFMは、コントローラ(300)により制御される9スイッチ・インバーター(9)により駆動され、
9スイッチ・インバーター(9)は、上スイッチ(UH、VH、WH)、中間スイッチ(UM、VM、WM)及び下スイッチ(UL、VL、WL)をそれぞれ有する3つのレグ(901-903)を有し、
6つの単相巻線(3U1-3W2)の1つのグループ(3U1、3V1、3W1)は、3つの上スイッチ(UH、VH、WH)と3つの中間スイッチ(UM、VM、WM)との間の3つの接続点(C1、C2、C3)に接続され、そして、
6つの単相巻線(3U1-3W2)の他のグループ(3U2、3V2、3W2)は、3つの中間スイッチ(UH、VM、WM)と3つの下スイッチ(UL、VL、WL)との間の3つの接続点(C4、C5、C6)に接続されている請求項17記載のTFMA。
【請求項23】
コントローラ(300)は、低速域で前記2つのグループを直列に接続し、そして、
コントローラ(300)は高速域で前記2つのグループを並列に接続する請求項22記載のTFMA。
【請求項24】
4つのTFMは、コントローラ(300)により制御される4相パワーコンバータのX相レグ(801)、Y相レグ(802)、Z相レグ(803)及びT相レグ(804)により駆動される4つの単相巻線(3X、3Y、3Zと3T)をもつ4つの単相横磁束スイッチドリラクタンス機械からなり、
X相レグ(801)は、直列接続された上スイッチ(T1)及び下ダイオード(D1)を有し、
Y相レグ(802)は、直列接続された上スイッチ(T2)及び下ダイオード(D2)を有し、
Z相レグ(803)は、直列接続された下スイッチ(T3)及び上ダイオード(D3)を有し、
T相レグ(804)は、直列接続された下スイッチ(T4)及び上ダイオード(D4)を有し、
上スイッチ(T1、T2)及び上ダイオード(D3、D4)は、高電位DC線(1000)に接続され、そして、
下ダイオード(D1、D2)及び下スイッチ(T3、T4)は、低電位DC線(2000)に接続される請求項17記載のTFMA。
【請求項25】
パワーコンバータ(8)は更に、3つの追加スイッチ(T6、T7、T8)を有し、
X相巻線(3X)及びY相巻線(3Y)の下端は、追加スイッチ(T6)を介してZ相巻線(3Z)及びT相巻線(3T)の上端に接続され、
Z相巻線(3Z)及びT相巻線(3T)の上端は、追加スイッチ(T7)を介して上のDCリンク線(1000)に接続され、
X相巻線(3X)及びY相巻線(3Y)の下端は、追加スイッチ(T8)を介して下のDCリンク線(2000)に接続され、そして、
直列接続モードと並列接続モードをもつコントローラ(300)は、直列接続モードにてスイッチ(T6)をオンし、並列接続モードにてスイッチ(T6)をオフする請求項24記載のTFMA。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
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【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
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【図39】
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【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
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【図48】
【図49】
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【図52】
【図53】
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【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
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【図68】
【図69】
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【図75】
【公開番号】特開2013−13304(P2013−13304A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−23656(P2012−23656)
【出願日】平成24年2月7日(2012.2.7)
【出願人】(507348676)有限会社 スリ−アイ (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月7日(2012.2.7)
【出願人】(507348676)有限会社 スリ−アイ (35)
【Fターム(参考)】
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