説明

機能性胃腸障害、IBS及び機能性消化不良の処置において有用な新規アゼチジン化合物

本発明は、新規なアゼチジン化合物、それらを含有する医薬組成物、並びに機能性胃腸障害、IBS及び機能性消化不良の処置における上記化合物の使用に関する。これらの化合物は、ニューロキニン(NK)アンタゴニストである。本発明はさらに、これらの化合物を製造するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式Iの新規化合物、上記化合物を含有する医薬組成物、及び治療における上記化合物の使用に関する。本発明はさらに、式Iの化合物の製造のための方法及びその新規中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
ニューロキニン(タキキニンとしても知られる)は、末梢及び中枢神経系において見いだされるペプチド神経伝達物質群を含む。3つの主要なタキキニンはサブスタンスP(SP)、ニューロキニンA(NKA)及びニューロキニンB(NKB)である。少なくとも3つの受容体型が3つの主要なタキキニンについて知られている。アゴニストSP、NKA及びNKBと優先的に作用するそれらの相対的選択性に基づいて、これらの受容体はニューロキニン1(NK1)受容体、ニューロキニン2(NK2)受容体及びニューロキニン3(NK3)受容体にそれぞれ分類される。
【0003】
例えば呼吸器、心臓血管、神経、疼痛、腫瘍学、炎症性及び/又は胃腸の障害の処置のための、経口で有効なNK受容体アンタゴニストに対する必要性が存在する。このような治療の治療指数(therapeutic index)を増加させるために、毒性を全く有さないか又は最小限の毒性を有し、さらに上記NK受容体に対して選択的な化合物を得ることが望ましい。さらに、上記医薬が都合の良い薬物動態及び代謝特性を有し、従ってより低い肝臓酵素阻害特性のような改善された治療プロフィール及び安全プロフィールをもたらすことが必要と考えられる。
【0004】
1つの薬剤の血漿レベルが別の薬物の同時投与(co−administration)により変化する場合、毒性のような重大な問題が生じ得ることはよく知られている。この現象(これは薬物)薬物相互作用と名付けられている−は、肝臓酵素阻害特性を有する別の物質の同時投与により引き起こされる一方の薬物の代謝の変化が存在する場合に起こり得る。CYP(シトクロムP450)3A4は、酸化された薬物の大部分がこの酵素により生体変換される(biotransformed)ので、ヒト肝臓における最も重要な酵素である。従って、顕著な程度の上記肝臓酵素阻害特性を有する薬剤を使用することは望ましくない。当該分野で公知の多くのNK受容体アンタゴニストがCYP3A4酵素をある程度のレベルまで阻害することが見いだされており、その結果として高用量のそのような化合物が治療において使用される場合、危険性が存在する可能性がある。従って、改善された薬物動態特性を有する新規なNK受容体アンタゴニストの必要性が存在する。本発明は、比較的高いIC50値がCYP3A4阻害アッセイで得られながら、低いレベルのCYP3A4酵素阻害特性を有する化合物を提供する。CYP3A4阻害を決定するための上記方法はBapiro et al;Drug Metab. Dispos. 29, 30−35(2001)に記載される。
【0005】
特定の化合物が、心電図(ECG)におけるQT間隔の延長として観察される心臓再分極に対する望ましくない作用をヒトにおいて引き起こし得ることはよく知られている。極端な状況において、この薬物誘発性のQT間隔延長は、トルサード・ド・ポアント(Torsades de Pointes)(TdP;Vandenberg et al. hERG K+ channels:friend and foe. Trends Pharmacol Sci 2001;22:240−246)と呼ばれる一種の心不整脈をもたらし得、最終的には心室細動及び突然死をもたらし得る。この症候群における初期事象は、これらの化合物による遅延整流カリウム電流(IKr)の急速成分の阻害である。これらの化合物は、この電流を伝えるチャネルタンパク質の孔形成アルファサブユニットに結合する。孔形成アルファサブユニットは、ヒトether−a−go−go関連遺伝子(hERG)にコードされる。IKrは心筋活動電位の再分極において重要な役割を果たすので、その阻害は再分極を遅くし、そしてこれはQT間隔の延長として現れる。QT間隔延長はそれ自体で安全上の懸念はないが、心臓血管の悪影響の危険性を有しており、そしてわずかな割合の人々ではTdP及び心室細動への変性をもたらし得る。
【0006】
特に、NK受容体アンタゴニストが、それを治療的に有用にする適切なバランスの薬力学特性及び薬物動態特性を有することが望ましい。充分かつ選択的な効力を有することに加えて、NK受容体アンタゴニストは、関連する薬物動態特性に関してバランスが取れていることが必要である。従って、NKアンタゴニストは:a) 異なるNK受容体における充分に高い親和性、 b) その薬物が末梢さらにはCNSにおいて標的とされたNK受容体に対して作用することを可能にする薬物動態特性(吸収、分布及び排出の特性)を有することが必要である。例えば、NK受容体アンタゴニストは、充分に高い代謝安定性、c) 許容される安全性プロファイルを得るための、異なるイオンチャネル(例えばhERGがコードするカリウムチャネル)に対する充分に低い親和性、及びd) 薬物−薬物相互作用を防止するための低レベルの肝臓酵素(例えばCYP3A4)阻害特性を有することが必要である。さらに、NK受容体アンタゴニストの有効性を増強するために、受容体における作用が長続きする競合様式を有するNKアンタゴニストを有することが有益である。
【0007】
EP 0625509、EP 0630887、WO 95/05377、WO 95/12577、WO 95/15961、WO 96/24582、WO 00/02859、WO 00/20003、WO 00/20389、WO 00/025766、WO 00/34243、WO 02/51807及びWO 03/037889は、タキキニンアンタゴニストであるピペリジニルブチルアミド誘導体を開示する。
【0008】
「4−Amino−2−(aryl)−butylbenzamides and Their Conformationally Constrained Analogues. Potent Antagonists of the Human Neurokinin−2(NK2)receptor」, Roderick MacKenzie, A., et al, Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters(2003), 13, 2211−2215は、機能性NK2受容体アンタゴニスト特性を有することが見いだされた化合物N−[2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−モルホリン−4−イルアゼチジン−1−イル)ブチル]−N−メチルベンズアミドを開示する。
【0009】
WO 96/05193、WO 97/27185及びEP 0962457は、タキキニンアンタゴニスト活性を有するアゼチジニルアルキルラクタム誘導体を開示する。
【0010】
EP 0790248は、タキキニンアンタゴニストであると記載されるアゼチジニルアルキルアザピペリドン及びアゼチジニルアルキルオキサピペリドンを開示する。
【0011】
WO 99/01451及びWO 97/25322は、タキキニンアンタゴニストであると主張されるアゼチジニルアルキルピペリジン誘導体を開示する。
【0012】
EP 0791592は、タキキニンアンタゴニスト特性を有するアゼチジニルアルキルグルタルイミド類を開示する。
【0013】
WO2004/110344 A2は、二重NKl,2アンタゴニスト及びそれらの使用を開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、治療において有用な新規なニューロキニンアンタゴニストを提供することであった。さらなる目的は、充分にバランスの取れた薬物動態特性及び薬物動力学特性を有する新規な化合物を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、一般式(I)
【化1】

[式中、
Hetは
【化2】

(ここで
RはC1−C4アルキル;シクロプロピル;C1−C4メトキシアルキル;C1−C4エトキシアルキル;C1−C4ヒドロキシアルキル;テトラヒドロフラン−2−イル;テトラヒドロフラン−3−イル;テトラヒドロピラン−2−イル;テトラヒドロピラン−3−イル;又はテトラヒドロピラン−4−イルである)
であるか、又はHetは、
【化3】

(ここで
YはC1−C3アルキル;−CH2−O−CH2−;又は−CH2−CH2−O−である)
である]
の化合物、さらにその薬学的かつ薬理学的に許容しうる塩、並びに式Iの化合物の鏡像異性体及びその塩を提供する。
【0016】
本発明の一実施態様において、RはC1−C4アルキル;C1−C4メトキシアルキル;C1−C4エトキシアルキル;C1−C4ヒドロキシアルキル;テトラヒドロフラン−2−イル;テトラヒドロフラン−3−イル;テトラヒドロピラン−2−イル;テトラヒドロピラン−3−イル;又はテトラヒドロピラン−4−イルである。本発明のさらなる実施態様において、RはC1−C3アルキルである。さらに別の実施態様において、RはC1−C3アルキルである。別の実施態様において、Rはシクロプロピルである。本発明の別の実施態様において、RはC1−C2メトキシアルキルである。本発明の別の実施態様において、RはC1−C2エトキシアルキルである。
【0017】
本発明の一実施態様において、YはC2−C3アルキルである。別の実施態様において、Yは−CH2−O−CH2−である。
【0018】
本発明のさらなる実施態様において、式Iの化合物はS−鏡像異性体である。
【0019】
本発明は、上で定義される式Iの化合物、さらにその塩に関する。医薬組成物における使用のための塩は薬学的に許容しうる塩であるが、他の塩も式Iの化合物の製造において有用であり得る。
【0020】
本発明の化合物は、種々の無機酸及び有機酸と塩を形成することができ、そしてこのような塩もまた本発明の範囲内である。このような酸付加塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、カンホラート、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモエート(palmoate)、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、キナ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、 スルファニル酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシレート(p−トルエンスルホン酸塩)、及びウンデカン酸塩が挙げられる。
【0021】
薬学的に許容しうる塩は、従来の方法で対応する酸から製造され得る。薬学的に許容されない塩は、中間体として有用であり得、それ自体本発明の別の局面である。
【0022】
酸付加塩は、ポリマースルホン酸塩のようなポリマー塩の形態であってもよい。
【0023】
塩は従来の手段、例えば生成物の遊離塩形態を1当量若しくはそれ以上の適切な酸と、真空若しくは凍結乾燥で除去される、塩が充分溶解しない溶媒若しくは媒体中、若しくは水のような溶媒中で反応させることにより、又は適切なイオン交換樹脂で既存の塩のアニオンを別のアニオンに交換することにより形成され得る。
【0024】
式Iの化合物は1つ又はそれ以上の不斉中心を有し、そして本発明は全ての光学異性体、鏡像異性体及びジアステレオマーを包含すると理解されるべきである。式(I)の化合物は、単一の立体異性体の形態、すなわち単一の鏡像異性体(R−鏡像異性体又はS−鏡像異性体)及び/又はジアステレオマーの形態であり得る。式(I)の化合物はまた、ラセミ混合物、すなわち鏡像異性体の等モル混合物の形態であり得る。
【0025】
化合物は、配座異性体の混合物として存在し得る。本発明の化合物は、配座異性体の混合物及び個々の配座異性体の両方を含む。
【0026】
本明細書で使用される場合、用語「C1−C4アルキル」は、直鎖及び分枝鎖のC14アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル又はt−ブチルを含む。
【0027】
本明細書で使用される場合、「C1−C4ヒドロキシアルキル」は、1〜4個の炭素原子及びヒドロキシル基を含むヒドロキシアルキル基である。
【0028】
本明細書で使用される場合、「C1−C4メトキシアルキル」は、アルキル鎖中の1〜4個の炭素原子及びメトキシ基を含むメトキシアルキル基である。
【0029】
本明細書で使用される場合、「C1−C4エトキシアルキル」は、アルキル鎖中の1〜4個の炭素原子及びエトキシ基を含むエトキシアルキル基である。
【0030】
医薬製剤
本発明の一局面によれば、呼吸器、心臓血管、神経、疼痛、腫瘍学、炎症性及び/又は胃腸の障害の予防及び/又は処置における使用のための、単一の鏡像異性体、ラセミ化合物又はそれらの混合物として、遊離塩基又はその薬学的に許容しうる塩としての式Iの化合物を含む医薬製剤が提供される。
【0031】
本発明の医薬組成物は、処置が所望される疾患状態について標準的な方法で、例えば経口、局所、非経口、口腔、鼻腔、膣若しくは直腸投与により、又は吸入若しくは通気により投与され得る。これらの目的のために、本発明の化合物は当該分野で公知の手段により、例えば錠剤、小丸剤、カプセル剤、水性又は油性の液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム、軟膏、ゲル、鼻腔用スプレー、坐剤、細粒又は吸入用のエアゾール剤若しくは噴霧器、及び非経口用途(静脈内、筋内又は注入を含む)のための滅菌の水性若しくは油性の液剤若しくは懸濁剤若しくは滅菌乳剤の形態に製剤化され得る。
【0032】
本発明の化合物に加えて、本発明の医薬組成物は、本明細書中で言及される1つ又はそれ以上の疾患状態を処置する際に価値のある1つ又はそれ以上の薬物を含有してもよく、これら薬物と同時投与(同時又は連続的に)してもよい。
【0033】
本発明の医薬組成物は、通常、0.01〜25mg/体重1kgの式Iの化合物の日用量でヒトに投与される。あるいは、0.1〜5mg/体重1kgの日用量の式Iの化合物が投与される。この日用量は、必要な場合、分割用量で投与されてもよく、投与される化合物の正確な量及び投与経路は、処置される患者の体重、年齢及び性別、並びに当該分野で公知の原理に従って処置される特定の疾患状態に依存する。
【0034】
典型的には、単位投薬形態は、約1mg〜500mgの本発明の化合物を含有する。例えば、経口投与用の錠剤又はカプセル剤は、250mg(そして典型的には5〜100mg)までの式(I)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を都合よく含有し得る。別の例において、吸入による投与については、式(I)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩は、5〜100mgの範囲の日投薬量で、単一用量で、又は2〜4回の日用量に分割されて投与され得る。さらなる例において、静脈内又は筋内の注射又は注入による投与については、10% w/w(そして典型的には5% w/w)までの式(I)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を含有する滅菌液剤又は懸濁剤が使用され得る。
【0035】
医学及び薬学的用途
本発明は、NK受容体において作用するタキキニンのアンタゴニズムが有益である疾患状態を処置又は予防する方法を提供し、この方法は、被験体に有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を投与することからなる。本発明はまた、NK受容体において作用するタキキニンのアンタゴニズムが有益である疾患状態における使用のための医薬の製造における式(I)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0036】
式(I)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物は、呼吸器、心臓血管、神経、疼痛、腫瘍学、炎症性及び/又は胃腸の障害の予防又は処置における使用のための医薬の製造において使用され得る。
【0037】
このような障害の例は、ぜん息、アレルギー性鼻炎、肺疾患、咳、感冒、炎症、慢性閉塞性肺疾患、気道反応性、じんま疹、高血圧、関節リウマチ、水腫、新脈管形成、疼痛、片頭痛、緊張性頭痛、精神病、抑うつ、不安、アルツハイマー病、統合失調症、ハンティングトン病、膀胱運動過剰、尿失禁、摂食障害、躁うつ病、物質依存、運動障害、認知症、肥満、ストレス障害、排尿障害、躁病、軽躁病及び攻撃性、双極性障害、癌、癌腫、線維筋痛症、非心臓性胸痛、胃腸運動過剰、胃ぜんそく、クローン病、胃内容物排出障害、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、嘔吐、胃ぜんそく、胃運動過剰障害、逆流性食道炎(GERD)又は機能性消化不良である。
【0038】
薬理学
FLIPR及び結合アッセイにおいて使用される細胞のトランスフェクション及び培養
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)K1細胞(ATCCより入手)を、ヒトNK2受容体(pRc/CMVにおけるhNK2R cDNA、Invitrogen)又はヒトNK3受容体(pcDNA 3.1/Hygro(+)/IRES/CD8におけるhNK3R、Invitrogen AstraZeneca EST−Bio UK, Alderley Parkで改変されたベクター)で安定にトランスフェクトした。これらの細胞にカチオン性脂質試薬LIPOFECTAMINETM(Invitrogen)でトランスフェクトし、そしてhNK2Rでトランスフェクトした細胞については1mg/mlのジェネティシン(G418, Invitrogen)で、そしてhNK3Rでトランスフェクトした細胞については500μg/mlのハイグロマイシン(Invitrogen)を用いて選択を行った。単一細胞クローンを、蛍光活性化細胞選別装置(FACS)の補助により集め、機能性についてFLIPRアッセイ(以下を参照のこと)で試験し、培養で増殖させ、そして後の使用のために低温保存した。ヒトNK1受容体で安定にトランスフェクトされたCHO細胞はAstraZeneca R&D, Wilmington USAに起源を有する。ヒトNK1受容体 cDNA(肺組織からRNA−PCRにより得た)をpRcCMV(Invitrogen)にサブクローニングした。トランスフェクションをリン酸カルシウムで行い、そして選択を1mg/mlのG418を用いて行った。
【0039】
hNK1R、hNK2R及びhNK3Rで安定にトランスフェクトされたCHO細胞を、5% CO2下の加湿インキュベーターで、hNK1R及びhNK2R発現細胞については200μg/ml ジェネティシンを追加しそしてhNK3R発現細胞については500μg/mlハイグロマイシンを追加して、Glutamax I、10% ウシ胎仔血清(FBS)、1% ペニシリン/ストレプトマイシン(PEST)を含むNut Mix F12(HAM)中で培養した。細胞をT175フラスコ中で培養し、そして20〜25継代になるまでの間70−80%のコンフルエントになった場合に定期的に継代した。
【0040】
ヒトNK1/NK2/NK3受容体活性化を阻害する選択された試験化合物の活性の評価(FLIPRアッセイ)
NK1/NK2/NK3受容体が媒介する細胞内Ca2+増加として測定されるNK1/NK2/NK3受容体活性化を阻害する本発明の化合物の活性を、以下の手順により評価した:
ヒトNK1、NK2又はNK3受容体で安定にトランスフェクトされたCHO細胞を、黒い壁で囲んだ/透明底の96−ウェルプレート(Costar 3904)で1ウェルあたり3.5×lO4細胞でプレーティングし、そして約24時間、標準成長培地中37℃のCO2−インキュベーターで培養した。FLIPRアッセイの前に、各96−ウェルプレートの細胞にCa2+感受性色素Fluo−3(TEFLABS 0116)を、Glutamax I、22mM HEPES、2.5mM Probenicid(Sigma P−8761)及び0.04% Pluronic F−127(Sigma P−2443)を含むNut Mix F12(HAM)から構成されるローディング培地中に4μMで取り込ませ、1時間、37℃のCO2−インキュベーターで暗所に維持した。次いで細胞を、マルチチャネルピペットを使用してアッセイ緩衝液(2OmM HEPES、2.5mM Probenicid及び0.1% BSAを含有するハンクス平衡塩溶液(HBSS))で3回洗浄し、最後の洗浄の終わりに150μl中に放置した。アッセイ緩衝液(最終DMSO濃度を1%未満に維持した)中の試験化合物の段階希釈をFLIPR(蛍光イメージングプレートリーダー(Fluorometric Imaging Plate Reader))により各試験ウェルに自動的にピペットで行い、そして蛍光強度を2分間のプレインキュベーション期間の間FLIPR CCDカメラにより記録した(励起488nm及び発光530nm)。次いで50μlのサブスタンスP(NK1特異的)、NKA(NK2特異的)、又はPro−7−NKB(NK3特異的)のアゴニスト溶液(ほぼEC60濃度に等しい最終濃度)をFLIPRにより、既に200μlのアッセイ緩衝液(試験化合物又は賦形剤を含有する)を入れている各ウェルに加え、そして蛍光をさらに2分間継続してモニタリングした。応答をアゴニスト添加後のピーク相対蛍光として測定し、そしてIC50を各化合物について10点濃度応答曲線から計算した。次いでIC50を以下の式を用いてpKB値に変換した:
KB=IC50/1+(アッセイで使用したアゴニストのEC6O濃度/EC50アゴニスト)
pKB=−log KB
【0041】
ヒトNK1/NK2/NK3受容体に対する化合物の解離定数(Ki)の決定(結合アッセイ)
以下の方法に従って、ヒトNK1、NK2又はNK3受容体で安定にトランスフェクトされたCHO細胞から膜を調製した。
細胞をAccutase(登録商標)溶液を用いて分離し、遠心分離により5% FBSを含有するPBS中に採取し、PBSで2回洗浄し、そして1×108 細胞/mlの濃度でTris−HCl 50mM、KCl 300mM、EDTA−N210mM pH7.4(4℃)中に再懸濁した。細胞懸濁液をUltraTurrax 30 s 12,000rpmでホモジナイズした。ホモジネートを38.000xg(4℃)で遠心分離し、そしてペレットをTris−HCl 50mM pH7.4中に再懸濁した。ホモジナイゼーションを1回繰り返し、そしてホモジネートを氷上で45分間インキュベートした。このホモジネートを再び上記のように遠心分離し、そしてTris−HCl 5OmM pH 7.4中に再懸濁した。この遠心分離工程を合計3回繰り返した。最後の遠心分離工程の後、ペレットをTris−HCl 5OmMに再懸濁し、そしてDual Potter、10ストロークでホモジナイズして均質な溶液とし、アリコートをタンパク質決定のために取り出した。膜を等分して使用するまで−80℃で凍結した。放射性リガンド結合アッセイを室温にて96−ウェルマイクロタイタープレート(非結合表面プレート、Corning 3600)で最終アッセイ体積200μl/ウェルでインキュベーション緩衝液(0.1% BSA、40mg/L バシトラシン、完全EDTA非含有プロテアーゼ阻害剤カクテル錠剤20粒/L(Roche)及び3mM MnCl2を含有する5OmM Tris緩衝液(pH 7.4 RT))中にて行った。競合結合曲線を、増加する量の試験化合物を加えることにより行った。試験化合物をDMSO中に溶解及び段階希釈し、アッセイにおける最終DMSO濃度を1.5%とした。50μlの非標識ZD 6021(非選択的NK−アンタゴニスト、lOμM最終濃度)を非特異的結合の測定のために加えた。総結合については、50μlのインキュベーション緩衝液中1.5% DMSO(最終濃度)を使用した。[3H−Sar,Met(O2)−サブスタンスP](4nM最終濃度)をhNK1rに対する結合実験において使用した。hNK2rについては[3H−SR48968](3nM最終濃度)、そしてhNK3rに対する結合実験については[3H−SR142801](3nM最終濃度)を使用した。50μlの放射性リガンド、3μlのDMSO中希釈された試験化合物、及び47μlのインキュベーション緩衝液を5〜10μgの細胞膜とlOOμlのインキュベーション緩衝液中で混合し、そして30分間室温でマイクロプレート振盪機でインキュベートした。
【0042】
次いで膜を、0.1% BSA及び0.3% ポリエチレンイミン(Sigma P−3143)中に予め浸したFiltermat B(Wallac)での急速ろ過によりMicro 96 Harvester(Skatron Instruments, Norway)を使用して収集した。フィルターをハーベスターで氷冷洗浄緩衝液(5OmM Tris−HCl、pH7.4、4℃、3mM MnCl2含有)を用いて洗浄し、そして5O℃で30〜60分間乾燥させた。Meltilexシンチレーターシートをフィルター上でMicrosealer(Wallac, Finland)を使用して溶融し、そしてフィルターをβ−液体シンチレーションカウンタ(1450 Microbeta, Wallac, Finland)を使用して係数した。
【0043】
非標識リガンドについてのKi値を、Cheng−Prusoff等式(Biochem. Pharmacol. 22:3099−3108, 1973)を使用して計算した:ここでLは使用された放射性リガンドの濃度であり、そしてKdは、飽和結合により決定された受容体についての放射性リガンドの親和性である。データをExcel Fitを使用して4パラメータ等式にフィッティングした。
Ki=IC50/(1+(L/Kd))
【0044】
結果
概して、試験した本発明の化合物は、NK1受容体においてpKBが8〜9の範囲内で統計学的に有意なアンタゴニスト活性を示した。NK2受容体については、pKBの範囲は7−9であった。概して、NK3受容体でのアンタゴニスト活性はpKBについて7−9であった。
概して、試験された本発明の化合物は、低レベルの統計的に有意なCYP3A4阻害を示した。Bapiro et al;Drug Metab. Dispos. 29, 30−35(2001)に従って試験したIC50値は一様に15μMより大きかった。
【0045】
hERGに対する活性
hERGがコードするカリウムチャネルに対する 式Iの化合物の活性は、Kiss L, et al.Assay Drug Dev Technol. 1(2003), 127−35:「High throughput ion−channel pharmacology:planar−array−based voltage clamp」に従って測定することができる。
概して、試験された本発明の化合物は、低レベルの統計的に有意なhERG活性を示した。上記のように試験したIC50値は、一様に10μMより大きかった。
【0046】
代謝安定性
式Iの化合物の代謝安定性を以下に記載されるように測定することができる:
生体内変化の速度を、代謝産物形成又は親化合物の消失の速度のいずれかとして測定することができる。実験デザインは、肝臓ミクロソーム(通常0.5mg/ml)と共に低濃度の基質(通常1.0μM)のインキュベーション及び種々の時点(通常0、5、10、15、20、30、40分)でのアリコートの採取を含む。試験化合物は、通常DMSOに溶解される。より多くの溶媒はいくつかのCYP450の活性を大幅に減少させ得るので、インキュベーション混合物中のDMSO濃度は通常0.1%又はそれ以下である。インキュベーションは、100mMリン酸カリウム緩衝液、pH7.4、及び37℃にて行われる。アセトニトリル又はメタノールを使用して反応を停止させる。親化合物をHPLC−MSにより分析する。算出された半減期t1/2から、固有のクリアランス(Clint)を、ミクロソームタンパク質濃度及び肝臓重量を考慮に入れることにより見積もる。
概して、本発明の化合物は、高レベルでインビトロ代謝安定性を有していた。上記のように試験した固有クリアランス値は、一様に40μl/分/タンパク質1mgより低かった。
【0047】
以下の表は本発明の化合物の特性を説明する:
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[(8aR)−6−オキソヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−2(1H)−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド 二塩酸塩(実施例1)
【表1】

【0048】
生物学的評価
スナネズミ足タップ(Gerbil Foot Tap)(NK1特異的試験モデル)
雄性スナネズミ(60−80g)をCharles River, Germanyから購入した。それらを到着時に、餌及び水を適宜備え温度及び湿度を制御した待機室で10のグループで飼育した。これら動物を実験前に少なくとも7日間、飼育条件に慣れさせた。各動物を1回のみ使用し、そして心臓穿刺(punctuation)又はペントバルビタール(penthobarbital)ナトリウムの致死過剰摂取により実験直後に安楽死させた。
【0049】
スナネズミはイソフルレンで麻酔する。可能性のあるCNS−浸透性NKl受容体アンタゴニストを腹腔内、静脈内又は皮下に投与する。化合物をアゴニストを用いた刺激の前の種々
の時点(典型的には30−120分)に投与する。
【0050】
スナネズミをイソフルレンを使用して軽く麻酔し、そして小さい切開をブレグマ上の皮膚に作製する。10pmolのASMSP(選択的NK1受容体アゴニスト)を長さ4mmの針を備えたHamiltonシリンジを使用して5μlの体積で脳室内投与する。創傷をクランプで閉じ、そして動物を小さいプラスチックケージに入れて覚醒させた。ケージを水を満たしたプラスチックチューブの一部に置き、圧力変換器を介してコンピュータに接続した。後足のタップの回数を記録した。
【0051】
糞石排出量(output)(NK2特異的試験モデル)
式Iの化合物のインビボでの効果(NK2)は、スナネズミを使用するNK2受容体アゴニスト誘発糞石排出量を、例えばThe Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics(2001), pp. 559−564に記載されるように測定することにより決定することができる。
【0052】
結腸直腸膨張(distension)モデル
スナネズミにおける結腸直腸膨張(CRD)を、ラット及びマウスで以前に記載されたもの(Tammpere A, Brusberg M, Axenborg J, Hirsch I, Larsson H, Lindstroem E. Evaluation of pseudo−affective responses to noxious colorectal distension in rats by manometric recordings. Pain 2005;116:220−226;Arvidsson S, Larsson M, Larsson H, Lindstroem E, Martinez V. Assessment of visceral pain−related pseudo−affective responses to colorectal distension in mice by intracolonic manometric recordings. J Pain 2006;7:108−118)を少し改良して行う。簡潔に言えば、スナネズミを実験前に連続した3日間1日あたり30−60分Bollmannケージに慣れさせて、拘束ストレスに起因する運動の人為的影響を減らす。連結カテーテルを備えた2cmのポリエチレンバルーン(社内製)を、軽度のイソフルレン麻酔(Forene(登録商標)、Abbott Scandinavia AB, Solna, Sweden)の間にバルーンの底部から肛門まで2cmの遠位の結腸に挿入する。カテーテルをテープで尾部に固定する。バルーンを圧力変換器(P−602, CFM−k33, 100mmHg, Bronkhorst HI−TEC, Veenendal, The Netherlands)に接続する。実験の開始前に少なくとも15分間スナネズミをBollmannケージ中で鎮静から回復させる。
【0053】
カスタマイズした圧調節器(AstraZeneca, Moelndal, Sweden)を使用して、空気膨張及びバルーン圧制御を管理した。標準的なコンピュータで作動するカスタマイズしたコンピュータソフトウエア(PharmLab on−line 4.0)を使用して、圧調節器を制御し、そしてデータ収集を行う。使用した膨張パラダイムは、5分間隔で30秒のパルス幅で12回繰り返す80mmHgでの位相性膨張で構成される。化合物又はそれらのそれぞれの賦形剤は、CRDパラダイムの前に腹腔内(i.p.)注射として投与される。各スナネズミに、実験の間を少なくとも2日空けて賦形剤及び化合物を異なる時点で与える。それ故、各スナネズミは、それ自身が賦形剤コントロールとしての役目を果たす。
【0054】
アナログ入力チャネルを個々のサンプリングレートでサンプリングし、そしてデジタルフィルタリングをシグナルに対して行う。バルーン圧シグナルは50サンプル/秒でサンプリングする。1Hzでの高域フィルターを使用して、圧調節器より生じる低速変化圧と、収縮誘導圧力変化を区別する。圧力発生器と圧力変換器との間の気流における抵抗は、動物の腹部収縮により誘発される圧力変動をさらに増大する。カスタマイズしたコンピュータソフトウエア(PharmLab off−line 4.0)を使用して、高域フィルタリングしたバルーン圧シグナルの大きさを定量する。高域フィルタリングしたバルーン圧シグナルの平均修正値(ARV)を、パルス前30秒間(すなわち、ベースライン応答)そしてパルスの持続時間の間計算する。高域フィルタリングしたバルーン圧シグナルの大きさを計算する場合、各パルスの最初の秒及び最後の秒は、これらが膨張及び収縮の間に圧調節器により生じる人為的影響シグナルを反映し、かつ動物に由来するものではないので除外される。
【0055】
製造方法
本発明の別の局面において、式(I)の化合物又はその塩を製造するための方法が提供され、この方法は:
a) 式(III)の化合物を式(IV)の化合物と反応させる工程であって:
【化4】

ここでHetは本明細書で以前に定義されるとおりであり;かつ条件は式(III)の化合物の還元的アルキル化が、式(III)の化合物のアゼチジン基の窒素原子と式(IV)の化合物のアルデヒド基の炭素原子との間でN−C結合を形成するような条件である、工程;又は
【0056】
b) 式(III)の化合物を式(V)の化合物と反応させる工程であって:
【化5】

ここでHetは本明細書で以前に定義されるとおりであり;かつLは、式(III)の化合物のアルキル化が式(III)の化合物のアゼチジン基の窒素原子と式(V)の化合物のL基に隣接している炭素原子との間にN−C結合を形成するような基である、工程;又は
【0057】
c) 式(VI)の化合物を式(VII)の化合物と反応させる工程であって:
【化6】

【0058】
ここでHetは本明細書で以前に定義されるとおりであり;かつL’が脱離基である、工程;
ここで必要な場合は、他の官能基が保護されており、そして:
i)あらゆる保護基を除去すること;
ii)場合により薬学的に許容しうる塩を形成すること、
を含む。
【0059】
保護基は一般的に、文献に記載されるか問題の基の保護に適切と化学の当業者に公知であるいずれかの基から選択され得、そして従来の方法により導入及び除去され得る;例えば、Protecting Groups in Organic Chemistry;Theodora W. Greeneを参照のこと。除去の方法は、分子中の他の場所の基への障害を最少にしながら保護基の除去を達成するように選択される。
【0060】
式(III)及び(IV)の化合物を、還元的アルキル化の条件下で反応させる。この反応は典型的には過激でない温度(例えば0〜40℃)にて、実質的に不活性な溶媒(例えばジクロロメタン)中で行われる。典型的な還元剤としては、水素化ホウ素類、例えばシアノ水素化ほう素ナトリウムが挙げられる。
【0061】
式(III)及び(V)の化合物は、アルキル化の条件下で反応させる。典型的には式(V)の化合物では、Lは脱離基、例えばハロゲン又はアルキルスルホニルオキシである。この反応は、典型的には高温(例えば30〜130℃)にて、実質的に不活性な溶媒(例えばDMF)中で行われる。
【0062】
式(III)の化合物は公知であるか又は従来の方法で製造され得る。式(IV)の化合物は、例えば式(VII)の化合物を、式(VIII):
【化7】

の化合物と従来のアシル化条件下で反応させることにより製造され得る。
【0063】
式(V)の化合物は、例えば式(VII)の化合物を式(IX):
【化8】

(式中Lは本明細書で以前に定義したとおりである)
の化合物と従来のアシル化条件下で反応させることにより製造され得る。
【0064】
式(VI)及び(VII)の化合物は、従来のアシル化条件下で反応し得、ここで
【化9】

は、酸又は活性化酸誘導体である。このような活性化酸誘導体は文献で周知である。これらはインサイチュで酸から形成されても、それらを製造し、単離し、そして続けて反応させてもよい。典型的にはL’はクロロであり、それにより酸塩化物を形成する。典型的にはアシル化反応は非求核性塩基、例えばN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下で、実質的に不活性の溶媒(例えばジクロロメタン)中にて過激でない温度で行われる。
【0065】
式(VIII)及び(IX)の化合物は公知であるか、又は従来の方法で製造され得る。
【実施例】
【0066】
本発明の化合物が、ほとんどの場合、配座異性体の存在に起因して非常に複雑なNMRスペクトルを示すことは強調されるべきである。これはアミド及び/又はアリール結合の周りの遅い回転に起因すると考えられる。以下の略号は、化合物のNMRデータを示す際に使用される:s−一重線;d−二重線;t−三重線;qt−四重線;qn−五重線;m−多重線;b−幅広;cm−複雑な多重線(幅広のピークも含まれるかもしれない)。
【0067】
以下の実施例は本発明を説明するが本発明を限定しない。
以下の略号を実験において使用する:Boc(tert−ブトキシカルボニル)、DIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、TBTU(N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウム テトラフルオロボレート)、THF(テトラヒドロフラン)、IPA(2−プロパノール)及びRT(室温)。
【0068】
実施例1
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[(8aR)−6−オキソヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−2(1H)−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド二塩酸塩
【化10】

3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(方法3を参照のこと;106mg,0.24mmol)及び(8aR)−2−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン(方法1を参照のこと;35mg、0.18mmol)のメタノール(7mL)溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(73mg、1.2mmol)、塩化亜鉛(77mg、0.56mmol)の少量のメタノール中の混合物を加えた。反応混合物をRTで15分間撹拌し、次いで溶媒をエバポレーションにより除去した。残留物を酢酸エチルとNaHCO3水溶液との間で分配し、次いで水溶液を分離し、そしてもう一度酢酸エチルで抽出した。溶媒をエバポレーションにより除去した。生成物を、アセトニトリル及び0.1M酢酸アンモニウム水溶液の混合物を使用する逆相クロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを合わせてロータリーエバポレーターで濃縮した。水性残留物を酢酸エチルで抽出し、そして有機溶液をMgSO4で乾燥した。溶媒をエバポレーションにより除去し、次いで残留物を少量の水に溶解した。数滴の希塩酸を加え、そして溶媒を凍結乾燥により除去した。68mg(54%)の表題化合物が白色粉末として得られた。1H NMR(500MHz, CDCl3):1.7−4.8(cm, 26H), 7.0−8.0(cm, 7H);LCMS:m/z 626(M+1)+
【0069】
実施例2
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[(8aS)−6−オキソヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−2(1H)−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド二塩酸塩
【化11】

表題化合物を、(8aR)−2−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン(方法2を参照のこと)をアミンとして使用したこと以外は、実施例1に記載されるものと同じ還元的アルキル化プロトコルを利用することにより製造した(収率、37%)。1H NMR(500MHz,CDCl3):1.7−4.9(cm, 26H),7.0−8.0(cm, 7H);LCMS:m/z 626(M+1)+
【0070】
実施例3
3−ブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(6−オキソオクタヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド二塩酸塩
【化12】

3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(方法3を参照のこと;100mg、0.22mmol)及び2−アゼチジン−3−イルオクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン(方法4を参照のこと;58mg、0.28mmol)の塩化メチレン(3mL)溶液に、DIPEA(116mg、0.90mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(66mg、0.31mmol)を加えた。反応混合物を窒素下でRTにて2時間撹拌した。溶液をNaHCO3水溶液で2回洗浄し、そして有機溶媒を相分離カラムにより乾燥した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(アンモニア飽和メタノール−塩化メチレン1%〜10%)により精製した。適切なフラクションを合わせてロータリーエバポレーターで濃縮し、次いで残留物を少量のアセトニトリル/水に溶解した。数滴の希塩酸を加え、そして水を凍結乾燥により除いた。114mg(70%)の表題化合物が白色固体として得られた。1H NMR(500MHz, CDCl3) : 1.4−3.8(cm,27H), 4.6(d,1H), 6.8−7.4(cm,6H), 7.7(s, 1H);LCMS:m/z 640(M+1)+
【0071】
実施例4
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−[(9aR又は9aS)−6−オキソオクタヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−2−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化13】

3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(方法3を参照のこと;267mg、0.30mmol)及び方法5に記載される2−アゼチジン−3−イルオクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オンの鏡像異性体の一方(74mg、0.35mmol)の塩化メチレン(3mL)溶液に、DIPEA(150mg、1.15mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(86mg、0.41mmol)を加えた。反応混合物を窒素下でRTにて2.5時間撹拌した。この溶液をNaHCO3水溶液で2回洗浄し、そして有機溶媒を相分離カラムで乾燥した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(アンモニア飽和メタノール−塩化メチレン1%〜10%)により精製した。適切なフラクションを合わせ、そして溶媒をエバポレーションにより除去した。133mg(68%)の表題化合物を白色泡状物として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3):1.2−3.8(cm,27H),4.6(d,1H),6.7−7.4(cm,6H),7.7(s, 1H);LCMS:m/z 640(M+1)+
【0072】
実施例5
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−(9aR又は9aS)−6−オキソオクタヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−2−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化14】

表題化合物を、方法6に記載される2−アゼチジン−3−イルオクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オンの反対の鏡像異性体をアミンとして使用したこと以外は、実施例4に記載されるものと同じ還元的アルキル化プロトコルを利用することにより製造した(収率、67%)。1H NMR(400MHz,CDCl3):1.2−3.8(cm,27H), 4.5−4.6(d,1H), 6.7−7.4(cm,6H), 7.7(s, 1H);LCMS:m/z 640(M+1)+
【0073】
実施例6
3−ブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−アセチルピペラジン−1−イル]アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化15】

3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(方法3を参照のこと;11.2g,25mmol)をトリエチルアミン(3.5mL,25mmol)と共にメタノール(50mL)に溶解した。追加分のトリエチルアミン(3.5mL,25mmol)と共にこの溶液を、1−アセチル−4−アゼチジン−3−イルピペラジン二塩酸塩(WO 96/05193を参照のこと;8.4g,32.6mmol)を含有するフラスコに移した。この混合物をRTで45分間撹拌し、次いでトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(8.0g,37.6mmol)を1時間の間に分割して加えた。反応混合物をRTで45分間撹拌した。水(0.45mL)を加え、次いで溶媒の大部分をエバポレーションにより除去した。残留物をトルエン(56mL)に溶解し、次いで10% NaOH水溶液(55mL)を40℃に加熱しながら加えた。この混合物を激しく45℃で5分間撹拌した。水層を分離し、そして有機溶液をフードを付けて終夜放置した。種々の溶媒から生成物を結晶化させようと何回か試みた後、化合物をシリカゲルクロマトグラフィー(アンモニア飽和メタノール−塩化メチレン1%〜10%)により精製した。8.3g(54%)の表題化合物が白色泡状物として得られた。1H NMR(500MHz, CDCl3):1.4−1.8(cm,2H),2.0(s, 3H),2.1−3.8(cm,21H), 6.8−7.4(cm,6H),7.7(s,1H);LCMS:m/z 614(M+1)+
【0074】
実施例7
3−ブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−プロピオニルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド二塩酸塩
【化16】

3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(方法3を参照のこと;165mg、0.4mmol)及び1−アゼチジン−3−イル−4−プロピオニルピペラジン(方法7を参照のこと;80mg、0.41mmol)を、少量の乾燥メタノール(0.2mL)と共に塩化メチレン(10mL)に溶解した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(157mg、0.74mmol)をDIPEA(143mg、1.11mmol)と共に加えた。反応混合物をRTで2.5時間撹拌し、次いで塩化メチレンで希釈した。この溶液をNaHCO3水溶液で2回洗浄し、次いでブラインで洗浄した。有機相を相分離カラムにより分離し、次いで溶媒をエバポレーションにより除去した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メタノール−塩化メチレン5:95)により精製した。油状生成物を2M塩酸に溶解し、次いで溶媒を凍結乾燥により除去した。120mg(48%)の表題化合物が白色固体として得られた。1H NMR(500MHz, CDCl3):1.2−3.8(cm,28H),6.8−7.8(cm,7H);LCMS:m/z 628(M+1) +
【0075】
実施例8
3−ブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化17】

8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン塩酸塩(方法8を参照のこと;43mg、0.17mmol)を数滴の水及び酢酸(0.2mL)と共にメタノール(3mL)に溶解した。メタノール(1mL)に溶解した3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(方法3を参照のこと;80mg、0.18mmol)を、シアノ水素化ホウ素(ポリスチリルメチル)−トリメチルアンモニウム(4.2mmol/g, 47mg、0.25mmol)と共に前者の溶液に加えた。反応混合物を120℃に5分間、マイクロ波単一ノード(single node)加熱を使用して加熱した。樹脂をろ別し、そしてメタノールで洗浄した。濾液をエバポレーションにより濃縮した。生成物を逆相クロマトグラフィー(アセトニトリル−ギ酸アンモニウム0.1M及びギ酸0.1Mの水溶液、10%〜50%)により精製した。集めたフラクションの溶媒をエバポレーション、続いて凍結乾燥により除去した。残留物を塩化メチレンとNaHCO3水溶液との間で分配した。二相を相分離カラムにより分離し、次いで有機溶液の溶媒をエバポレーションにより除去した。50mg(44%)の表題化合物が得られた。1H NMR(500MHz, CD3OD):1.5−1.7(b,1H), 1.7−2.0(cm,3H), 2.2−4.2(cm,21H), 4.5(d,1H),7.0−7.6(cm,6H),7.9(d,1H);LCMS:m/z 642(M+1)+
【0076】
実施例9
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル}アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化18】

表題化合物を、1−アゼチジン−3−イル−4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン(方法9を参照のこと)をアミンとして使用したこと以外は実施例8に記載されるものと同じ還元的アルキル化プロトコルを利用することにより製造した(収率60%)。1H NMR(500MHz, CD3OD):1.5−4.9(cm,30H), 7.0−8.0 (cm,7H) ;LCMS:m/z 670(M+1)+
【0077】
実施例10
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[4−(メトキシアセチル)ピペラジン−1−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化19】

表題化合物を、1−アゼチジン−3−イル−4−(メトキシアセチル)ピペラジン(方法10を参照のこと)をアミンとして使用したこと以外は実施例8に記載されるものと同じ還元的アルキル化プロトコルを利用することにより製造した(収率68%)。1H NMR(500MHz, CD3OD):1.5−1.9(cm,2H),2.2−3.6(cm,22H),3.7(m, 1H),3.9(t, 1H),4.2(s, 2H),7.0(d,2H),7.1(t, 1H),7.2−7.3(d,1H),7.3−7.6(m, 2H),7.9(d,1H);LCMS:m/z 644(M+1)+
【0078】
実施例11
3−ブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−グリコロイルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化20】

表題化合物を、2−(4−アゼチジン−3−イルピペラジン−1−イル)−2−オキソエタノール(方法11を参照のこと)をアミンとして使用したこと以外は、実施例8に記載されるものと同じ還元的アルキル化プロトコルを利用することにより製造した(収率50%)。1HNMR(500MHz, CD3OD):1.6−1.9(cm,2H),2.2−3.6(cm,19H), 3.7(m, 1H),3.9(m, 1H),4.2(s, 2H),7.0 −7.6(m, 6H),7.9(d,1H);LCMS:m/z 630(M+1)+
【0079】
実施例12
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[(9aS)−4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]アゼチジン−1−イル}ブチルN−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化21】

3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(方法3を参照のこと;100mg、0.22mmol)及び(9aS)−8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン(方法12を参照のこと;約0.20mmol)のエタノール(20mL)溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(125mg、2.0mmol)及び塩化亜鉛(135mg、0.99mmol)のメタノール(10mL)溶液を加えた。反応混合物をRTで10分間撹拌し、次いで溶媒をエバポレーションにより除去した。残留物を酢酸エチル(50mL)と水(20mL)との間で分配した。有機溶液をブラインで洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして残留物をアセトニトリル(10mL)、酢酸(100mg)及び水(20mL)の混合物に溶解した。生成物を、アセトニトリル及び0.1M 酢酸アンモニウム水溶液の混合物を使用する逆相クロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを合わせ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮した。水性残留物を酢酸エチルで抽出し、そして有機溶液をNa2SO4で乾燥した。溶媒をエバポレーションにより除去した。80mg(55%)の表題化合物が得られた。1H NMR(400MHz, CDCl3):0.9−3.8 (cm,21.5H), 3.9(d,1H), 4.1−4.2(qt, 2H),4.4(b, 0.5H), 4.5−4.6(d,1H), 6.6−7.5(cm,6H), 7.8(s, 1H);LCMS:m/z 642(M+1)+
【0080】
実施例13
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[(9aR)−4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化22】

表題化合物を、(9aR)−8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン(方法13を参照のこと)をアミンとして使用したこと以外は実施例12に記載されるものと同じ還元的アルキル化反応プロトコルを利用することにより製造した(収率40%)。1H NMR(400MHz, CDCl3):0.9−3.8(cm,21.7H),3.9(dd, 1H),4.0−4.2(qt, 2H),4.3−4.4(b, 0.3H), 4.5−4.6(d,1H), 6.8−7.4(cm,6H),7.7(s, 1H);LCMS:m/z 642(M+1)+
【0081】
実施例14
3−ブロモ−N−[(2S)−4−{3−[4−(シクロプロピルカルボニル)ピペラジン−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド二塩酸塩
【化23】

3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(方法3を参照のこと;450mg、1.0mmol)及び1−アゼチジン−3−イル−4−(シクロプロピルカルボニル)ピペラジン(方法14を参照のこと;約0.9mmol)のメタノール(50mL)溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(250mg、4.0mmol)及び塩化亜鉛(270mg、2.0mmol)のメタノール(30mL)溶液を加えた。反応混合物をRTで15分間撹拌し、次いで溶媒をエバポレーションにより除去した。残留物を酢酸エチル(50mL)と水(20mL)との間で分配した。有機溶液をブラインで洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして残留物を酢酸エチルに溶解した。生成物を、最初に酢酸エチルで溶出し、次いで酢酸エチル、メタノール及びトリエチルアミン(9:1:1)の混合物で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを合わせて、ロータリーエバポレーターで濃縮し、次いで残留物を塩化メチレンと2回共沸させた。残留物を塩化メチレンに溶解し、この溶液にHCl飽和ジエチルエーテル(1mL)を加えた。溶媒をエバポレーションにより除去し、次いで残留物を塩化メチレンと2回共沸させた。220mg(30%)の表題化合物が得られた。1H NMR(400MHz, CDCl3):0.8−1.0(cm,4H),1.2−4.7(cm,24H),6.9−8.0(cm,7H):m/z 640(M+1)+
【0082】
実施例15
3−ブロモ−N−[(2S)−4−[3−(4−ブチリルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド二塩酸塩
【化24】

3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(方法3を参照のこと;450mg、1.0mmol)及び1−アゼチジン−3−イル−4−(シクロプロピルカルボニル)ピペラジン(方法15を参照のこと;約0.9mmol)のメタノール(50mL)溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(250mg、4.0mmol)及び塩化亜鉛(270mg、2.0mmol)のメタノール(30mL)溶液を加えた。反応混合物をRTで15分間撹拌し、次いで溶媒をエバポレーションにより除去した。残留物を酢酸エチル(50mL)と水(20mL)との間で分配した。有機溶液をブラインで洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして残留物を酢酸エチルに溶解した。生成物を、最初に酢酸エチルで溶出し、次いで酢酸エチル、メタノール及びトリエチルアミン(9:1:1)の混合物で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを合わせてロータリーエバポレーターで濃縮し、次いで残留物を塩化メチレンを使用して2回共沸させた。残留物を塩化メチレンに溶解し、この溶液にHCl−飽和ジエチルエーテル(1mL)を加えた。溶媒をエバポレーションにより除去し、次いで残留物を塩化メチレンと2回共沸させた。220mg(30%)の表題化合物が得られた。1H NMR(400MHz, CD3OD):0.8−1.0(t, 3H),1.5−1.6(qt, 2H),1.8−2.2(cm,3H),2.4(t, 2H), 2.6−4.6(cm,20H), 7.0−7.6(cm,6H), 7.9(d,1H);LCMS:m/z 642(M+1)+
【0083】
実施例16
3−ブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−イソブチリルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド二塩酸塩
【化25】

表題化合物を、1−アゼチジン−3−イル−4−イソブチリルピペラジン(方法16を参照のこと)をアミンとして使用したこと以外は実施例15に記載されるものと同じ還元的アルキル化反応プロトコルを利用することにより製造した(収率29%)。1H NMR(400MHz, CD3OD):1.1(d,6H),1.8−2.2(cm,3H),2.6−4.6(cm,21H),6.8−7.6(cm,6H),7.9(d,1H);LCMS:m/z 642(M+1)+
【0084】
出発物質の製造
上記の実施例のための出発物質は市販されているか又は公知の物質から標準的な方法により容易に製造される。例えば以下の反応は、出発物質のいくつかの例示であるが、限定ではない。
【0085】
方法1
(8aR)−2−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン
【化26】

(a) (8aR)−2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン
(8aR)−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン(WO 03/066635を参照のこと;0.17g,1.2mmol)、1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル メタンスルホネート(J. Org. Chem.;56;1991;6729を参照のこと;0.40g,1.3mmol)及びトリエチルアミン(0.20mL,1.4mmol)をアセトニトリルに溶解した。この混合物をマイクロ波単一ノード加熱を使用して15分間150℃で加熱し、次いで溶媒をエバポレーションにより除去した。残留物を酢酸エチルとNaHCO3水溶液との間で分配し、そして水相をさらに酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥し、次いで溶媒をエバポレーションにより除去した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メタノール−塩化メチレン5:95)により精製した。0.23g(54%)の(8aR)−2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オンを淡黄色油状物として得た。1HNMR(500MHz, CDCl3):1.5−1.6(m, 2H),1.7−1.8(m, 1H),2.1−2.2(m, 1H),2.3−2.4(m, 2H),2.6−2.7(d,1H),2.8(m, 1H),2.8−2.9(m, 3H),3.0(qn, 1H),3.4(t, 2H),3.6(m, 1H),4.0(d,1H),4.4(s, 1H),7.2(m, 2H),7.2−7.3(m, 4H),7.4(m, 4H);LCMS:m/z 362(M+1)+
(b) (8aR)−2−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン
(8aR)−2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン(0.23g,0.64mmol)を酢酸(20mL)に溶解し、生じた溶液に炭素担持水酸化パラジウム(0.33g)を加えた。この混合物を水素下(5bar)でRTにて48時間撹拌し、次いで触媒をCelite(登録商標)によりろ別した。溶媒をエバポレーションにより除去し、残留物をエタノールに溶解した。この溶液をカチオン交換カラム(Isolute SCX−2、10g)を通してろ過した。このカラムをエタノールで洗浄し、次いで生成物をアンモニア飽和メタノールで溶出した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして0.10g(84%)の表題化合物を得た。1H NMR(500MHz, CDCl3):1.5−1.6(m, 2H),1.8(m, 1H),2.1−2.2(m, 1H),2.3−2.4(m, 2H),2.7(d,1H),2.8−2.9(m, 2H),3.2(qn, 1H),3.5−3.7(m, 4H),4.0(dd, 1H)。
【0086】
方法2
(8aS)−2−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン
【化27】

(a) (8aS)−2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン
表題化合物を、(8aS)−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン(WO 03/066635を参照のこと)をアミンとして使用したこと以外は方法1aに記載されるN−アルキル化反応プロトコルを利用することにより製造した(収率56%)。1H NMR(500MHz, CDCl3):1.5−1.6(qn, 2H),1.7−1.8(m, 2H),2.1−2.2(m, 1H),2.3−2.4(m, 2H),2.6−2.7(d,1H),2.8(d,1H),2.8−2.9(m, 2H),3.0(qn, 1H),3.4(t, 2H),3.6(m, 1H),4.0(d,1H),4.4(s, 1H),7.1−7.2(t, 2H),7.2−7.3(t, s 4H),7.4(t, 4H);LCMS:m/z 362(M+1) +
(b) (8aS)−2−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン
表題化合物を、(8aS)−2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オンを基質として使用したこと以外は方法1bに記載される水素添加反応プロトコルを利用することにより製造した(収率73%)。1H NMR(500MHz,
CDCl3):1.5−1.6(m, 2H),1.8(m, 1H),2.1−2.2(m, 1H),2.3−2.4(m, 2H),2.6−2.8(d,1H),2.8−3.0(m, 2H),3.2−3.4(m, 2H),3.5−3.7(m, 4H),4.0(dd, 1H)。
【0087】
方法3
3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化28】

(a) 3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]メチルアミン(Bioorg. Med. Chem. Lett;2001;265−270を参照のこと;0.54g,2.8mmol)及び3−ブロモ−5−トリフルオロメチル安息香酸(0.81g,3.0mmol)のDMF(7mL)溶液に、TBTU(0.96g,3.0mmol)及びDIPEA(1.41g,10.9mmol)を加えた。反応混合物を窒素下で終夜RTにて撹拌し、次いで酢酸エチルとNaHCO3水溶液との間で分配した。水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機溶液を水で2回洗浄し、次いで相分離カラムにより乾燥した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘプタン10%〜17%)により精製した。0.86g(68%)の3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミドを得た。1H NMR(500MHz, CDCl3):2.1−3.8(cm,8H),4.9−5.1(m, 2H), 5.5−5.8(m, 1H),6.8−7.4(cm,6H),7.8(s, 1H)。
(b) 3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(0.86g,1.9mmol)のアセトン(45mL)溶液に、OsO4(t−ブチルアルコール中2.5%、0.49mL,0.039mmol)及び4−メチルモルホリン−4−オキシド(0.41g,3.5mmol)を加えた。この溶液を窒素下でRTにて終夜撹拌し、次いでNaHSO3の水溶液(39%, 45mL)を加えた。混合物を2時間撹拌し、水で希釈し、次いで塩化メチレンで2回抽出した。合わせた有機溶液を相分離カラムにより分離し、そして溶媒をエバポレーションにより除去した。残留物(1.08g)をTHF(18mL)及び水(4.5mL)に溶解し、そして生じた溶液にNaIO4(0.73g,3.4mmol)を加えた。この混合物を窒素下で終夜RTにて撹拌した。混合物を塩化メチレンと水との間で分配した。水相を塩化メチレン抽出し、次いで合わせた有機溶液をブラインで洗浄し、そして相分離カラムにより分離した。溶媒をエバポレーションにより除去して、0.78g(90%)の表題化合物を得た。1HNMR(500MHz, CDCl3):2.4−4.4(cm,8H),6.8−7.8(cm,7H),9.8(s, 1H);LCMS:m/z 447(M−1)+
【0088】
方法4
2−アゼチジン−3−イルオクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン
【化29】

(a) 2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]オクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン
1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−オン(Bioorg. Med. Chem. Lett.;13;2003;2191−2194を参照のこと、1.32g,5.6mmol)及びオクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン塩酸塩(Bioorg. Med. Chem.;2004;71−86を参照のこと;1.30g,6.8mmol)のメタノール(10mL)溶液に、酢酸(1mL)を加えた。この溶液をシアノ水素化ホウ素(ポリスチリルメチル)トリメチルアンモニウム(4.2 mmol/g,1.67g,8.8mmol)と混合し、そしてこの混合物を5分間120℃でマイクロ波単一ノード加熱を使用して加熱した。樹脂をろ別し、次いで溶媒をエバポレーションにより除去した。生成物を、アンモニア飽和メタノール(2%)及び塩化メチレンの混合物を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。0.58g(28%)の2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]オクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オンを油状物として得た。1H NMR(500MHz, CDCl3):1.4(q, 1H),1.7(t, 2H),1.8−2.0(m, 3H),2.3−2.4(m, 1H),2.4−2.5(d,1H),2.7−2.8(t, 3H), 3.0(m, 3H),3.4−3.6(m, 3H),4.5(s, 1H),4.6(d,1H),7.2(m, 2H),7.3(m, 4H),7.4(m, 4H);LCMS:m/z 376(M+1)+
(b) 2−アゼチジン−3−イルオクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン
表題化合物を、(2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]オクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オンを基質として使用したこと以外は方法1bに記載される水素添加反応プロトコルを利用することにより製造した(収率、99%)。LCMS:m/z 210(M+1)+
【0089】
方法5
2−アゼチジン−3−イルオクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オンの鏡像異性体の一方
【化30】

(a) (+)−2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]オクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン
2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]オクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン(方法4aを参照のこと)の2つの鏡像異性体を、Chiralcel(登録商標) ODカラム(250×20mm)を使用するキラルクロマトグラフィーにより分離した。移動相はヘプタン/IPA/トリエチルアミン(70/30/0.1)であり、そして注入量は160mgであった。サンプル濃度はIPA中20mg/mLであった。448mgのラセミ化合物から、134mgの(+)−2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]オクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オンが99.9%e.e.を超える光学純度で得られた。旋光度の符号(+)はオンラインで測定することにより決定したLCMS:m/z 376(M+1)+
(b) (+)−2−アゼチジン−3−イルオクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン
(+)−(2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]オクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン(138mg、0.37mmol)及びギ酸アンモニウム(70mg、1.1mmol)をエタノール(3mL)に溶解した。炭素担持水酸化パラジウム(52mg)を加え、そして反応混合物を12O℃に2分間、マイクロ波単一ノード加熱を使用して加熱した。触媒をろ別し、溶媒をエバポレーションにより除去した。77mg(100%)の表題化合物が得られた。LCMS:m/z 210(M+1)+
【0090】
方法6
2−アゼチジン−3−イルオクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オンの反対の鏡像異性体
【化31】

(a) (−)−2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]オクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン
2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]オクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン(方法4aを参照のこと)の(−)−鏡像異性体を、方法5に記載される条件を使用するキラルクロマトグラフィーにより単離した。448mgのラセミ化合物から、138mgの(−)−2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]オクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オンを99.9% e.e.を超える光学純度で得た。旋光度の符号(−)オンラインで測定することにより決定した。LCMS:m/z 376(M+1)+
(b) 2−アゼチジン−3−イルオクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オンの反対の鏡像異性体
表題化合物を、(−)−(2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]オクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オンを基質として使用したこと以外は、方法5bに記載される水素添加反応プロトコルを利用することにより製造した(収率、100%)。LCMS:m/z 210(M+1)+
【0091】
方法7
1−アゼチジン−3−イル−4−プロピオニルピペラジン
【化32】

(a) 1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペラジン
1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イルメタンスルホネート(J. Org. Chem.;56;1991;6729を参照のこと;25g,78.6mmol)、ピペラジン(67.7g,0.79mol)及び乾燥アセトニトリルの混合物を60℃で終夜窒素下にて撹拌した。この混合物を冷却し、そして水と塩化メチレンとの間で分配した。有機層を水及びブラインで洗浄した。溶液をNa2SO4で乾燥し、次いで溶媒をエバポレーションにより除去した。残留物をカラムシリカゲルクロマトグラフィー(メタノール−塩化メチレン5:95)により精製した。17.5g(72%)の1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペラジンを黄色油状物として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3):2.1−2.4(m, 4H),2.8−2.9(m, 2H),3.0(m, 4H),3.4−3.5(m, 2H),3.7−3.9(m, 1H),4.4(s, 1H),7.2−7.4(m, 10H);LCMS:m/z 308(M+1)+
(b) 1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−4−プロピオニルピペラジン
1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペラジン(250mg、0.81mmol)、K2CO3(146mg、1.1mmol)、塩化プロピオニル(98mg、1.1mmol)及びアセトニトリル(6mL)をRTにて16時間撹拌した。混合物を相分離カラムを通してろ過し、そして溶媒をエバポレーションにより除去した。残留物を塩化メチレンに溶解し、そして溶液をNaHCO3水溶液で洗浄した。有機相を相分離カラムを使用することにより分離し、次いで溶媒をエバポレーションにより除去した。216mg(73%)の1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−4−プロピオニルピペラジンを油状物として得た。1HNMR(500MHz, CDCl3):1.1−1.2(t, 3H),2.2−2.4(m, 6H), 2.9(t, 2H), 3.0(m, 1H),3.4−3.5(m, 4H),3.6(b, 2H),4.4(s, 1H),7.2(m, 2H),7.3(m, 4H), 7.4(m, 4H);LCMS:m/z 364(M+1)+
(c) 1−アゼチジン−3−イル−4−プロピオニルピペラジン
1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−4−プロピオニルピペラジン(0.22g,0.59mmol)を、エタノール(9mL)及び酢酸(0.2mL)の混合物に溶解し、そして生じた溶液に炭素担持水酸化パラジウム(83mg)を加えた。この混合物を水素下(5bar)でRTにて23時間撹拌し、次いで触媒を相分離カラムによりろ別し、次いでエタノールで洗浄した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして残留物をメタノール(1mL)に溶解した。溶液をカチオン交換カラム(Isolute SCX−2, 10g)に通してろ過した。カラムをTHFで洗浄し、次いで生成物をアンモニア飽和メタノールで溶出した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして0.13g(100%)の表題化合物を油状物として得た。1H NMR(500MHz, CD3OD):1.1(t, 3H), 2.3−2.5(m, 6H),3.4(m, 1H), 3.6(m, 4H), 3.9−4.0(m, 4H)。
【0092】
方法8
8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン塩酸塩
【化33】

(a) 4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−カルボン酸tert−ブチル
3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(360mg、1.7mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に、トリエチルアミン(505mg、5.0mmol)を0℃にて加えた。塩化クロロアセチル(282mg、2.5mmol)を塩化メチレン(5mL)に溶解し、そしてこの溶液を前者の溶液に0℃で滴下した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いでRTで3時間撹拌した。KHSO4の水溶液(1M,5mL)を加え、次いで有機相を相分離カラムにより分離した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そしてアミド中間体(シリカゲルクロマトグラフィーにより精製した)をDMF(2mL)に溶解した。冷却しながら窒素下で溶液をNaH(60mg、2.5mmol)のDMF中懸濁液に滴下した。この混合物をRTで48時間撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈し、次いで水性HCl(0.5M)上に注いだ。NaOHを用いてpHを12に調節し、次いで有機相を分離した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。90mg(21%)の4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−カルボン酸tert−ブチルを得た。1H NMR(500MHz, CDCl3):1.4(s, 9H),2.5−2.7(m, 2H),2.8(m, 1H),3.4−3.5(m, 2H),3.9−4.2(m, 5H),4.5(d,1H);LCMS:m/z 257(M+1)+
(b) ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン塩酸塩
4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−カルボン酸tert−ブチル(90mg、0.35mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、濃HCl水溶液(3滴)を加えた。この混合物をRTで30分間撹拌し、次いで溶媒をエバポレーションにより除去した。74mg(100%)のヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン塩酸塩を得た。1H NMR(500MHz, CD3OD):3.0−3.2(m, 3H),3.4−3.5(m, 2H),3.7−3.8(m, 1H),4.0(m, 1H),4.1(m, 1H),4.2(s, 2H),4.7−4.8(m, 1H);LCMS:m/z 157(M+1)+
(c) 8−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン
表題化合物を、ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン塩酸塩をアミンとして使用したこと以外は実施例4aに記載される還元的アルキル化プロトコルを利用することにより製造した(収率54%)。1H NMR(500MHz, CDCl3):1.7(t, 1H),1.8−1.9(m, 1H),2.6(d,1H),2.7−2.8(m, 2H), 2.9(m, 2H),3.0(m, 1H),3.4(m, 2H),3.5(m, 1H),3.6(m, 1H),3.9(dd, 1H),4.1−4.2(m, 2H),4.4(s, 1H),4.5−4.6(d,1H);LCMS:m/z 378(M+1)+
(d) 8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン塩酸塩
8−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン(84mg、0.22mmol)をエタノール(4mL)及び酢酸(0.4mL)の混合物に溶解し、そして生じた溶液に少量の炭素担持水酸化パラジウムを加えた。この混合物を水素下(5bar)でRTにて24時間撹拌し、次いで触媒をcelite(登録商標)によりろ別した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして残留物をトルエンとHCl水溶液(0.1M)との間で分配した。水溶液を分離し、そして溶媒を凍結乾燥により除去した。53mg(96%)の表題化合物を得た。1H NMR(500MHz, D2O):3.0−3.3(m, 3H),3.6(t, 2H),3.8(m, 1H),4.1(m, 1H),4.2(dd, 1H),4.3(s, 2H),4.5−4.7(m, 4H),4.7−4.8(m, 2H);LCMS:m/z 212(M+1)+
【0093】
方法9
1−アゼチジン−3−イル−4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン
【化34】

(a) 1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン
表題化合物を、1−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジンをアミンとして使用したこと以外は方法4aに記載される還元的アルキル化プロトコルを利用することにより製造した(収率82%)。1H NMR(500MHz, CD3OD):1.9−2.0(m, 3H),2.0−2.1(m, 1H),2.2(m, 1H),2.3−2.4(m, 3H),3.0(m, 3H),3.4(t, 2H),3.5−3.6(m, 1H),3.6−3.7(m, 1H),3.8(qt, 1H),3.9(qt, 1H),4.5(s, 1H),4.7(t, 1H),7.2(t, 2H),7.3(t, 4H),7.4(t, 4H);LCMS:m/z 406(MH)+
(b) 1−アゼチジン−3−イル−4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン
炭素担持水酸化パラジウム(0.15g)を5mLチューブに入れ、次いで1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン(0.66g,1.6mmol)、メタノール(4mL)及び酢酸(0.3mL)の溶液を加えた。この混合物を水素下(1.6bar)でRTにて60時間撹拌し、次いで触媒をCelite(登録商標)によりろ別した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして粗生成物を定量することなく次の工程で使用した。LCMS:m/z 240(M+1)+
【0094】
方法10
1−アゼチジン−3−イル−4−(メトキシアセチル)ピペラジン
【化35】

(a) 1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イルJ−4−(メトキシアセチル)ピペラジン
1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペラジン(方法7aを参照のこと;615mg、2.0mmol)のDMF(8mL)溶液に、メトキシ酢酸(272mg、3.0mmol)、DIPEA(310mg、2.4mmol)及びTBTU(770mg、2.4mmol)を加えた。反応混合物をRTで12時間撹拌し、次いで塩化メチレンとNaHCO3水溶液との間で分配した。水相を塩化メチレンで2回抽出し、次いで合わせた有機溶液をブラインで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして生成物を、アセトニトリル及び0.1M 酢酸アンモニウム水溶液の混合物を溶離液として使用する逆相クロマトグラフィーにより精製した。610mg(80%)の1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−4−(メトキシアセチル)−ピペラジンを得た。1H NMR(500MHz, CD3OD):2.3−2.4(m, 4H),3.0(m, 3H), 3.4(s, 3H),3.4 m, 2H),3.5(m, 2H),3.6(m, 2H),4.1(s, 2H),4.5(s, 1H),7.2(t, 2H),7.3(t, 4H),7.4(d,4H);LCMS:m/z 380(M+1)+
(b) 1−アゼチジン−3−イル−4−(メトキシアセチル)ピペラジン
表題化合物を、1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−4−(メトキシアセチル)−ピペラジンを基質として使用したこと以外は方法9bに記載される水素添加反応プロトコルを利用することにより製造した。粗生成物を定量せずに次の工程で使用した。LCMS :m/z 214(M+1)+
【0095】
方法11
2−(4−アゼチジン−3−イルピペラジン−1−イル)−2−オキソエタノール
【化36】

(b) 2−{4−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−2−オキソエタノール
表題化合物を、2−ヒドロキシ酢酸をカルボン酸として使用したこと以外は方法10aに記載されるアミド形成反応プロトコルを利用することにより製造した(収率54%)。1H NMR(500MHz, CD3OD):2.3−2.4(m, 4H),3.0(m, 3H),3.4(m, 4H),3.6 m, 2H),4.1(s, 2H),4.5(s, 1H),7.2(t, 2H),7.3(t, 4H),7.4(d,4H);LCMS:m/z 366(M+1)+
(b) 2−(4−アゼチジン−3−イルピペラジン−1−イル)−2−オキソエタノール
表題化合物を、2−{4−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−2−オキソエタノールを基質として使用したこと以外は方法9bに記載される水素添加反応プロトコルを利用することにより製造した。粗生成物を定量することなく次の工程で使用した。LCMS:m/z 200(M+1)+
【0096】
方法12
(9aS)−8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2.1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン
【化37】

(a) (3S)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル塩酸塩
1−tert−ブチル (2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1,4−ジカルボン酸4−ベンジル(WO 02/000631を参照のこと;1.6g,4.6mmolをアセトニトリル(25mL)に溶解し、そして生じた溶液に濃HCl(1mL)を加えた。この混合物をRTで終夜撹拌し、次いで溶媒をエバポレーションにより除去した。1.3g(100%)の(3S)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル塩酸塩を無色油状物として得た。1H NMR(500MHz, CD3OD):
3.1−3.4(m, 5H),3.7(m, 1H),3.8(m, 1H), 4.2(m, 2H),5.2(m, 2H),7.2−7.4(m, 5H);LCMS:m/z 251(M+1)+
(b) (3S)−4−(ブロモアセチル)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル
(3S)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル塩酸塩(0.83g,2.9mmol)をDIPEA(1.5mL,8.6mmol)と共に塩化メチレン(10mL)に溶解した。塩化ブロモアセチル(0.48g,3.0mmol)を0℃で滴下した。この混合物をRTで1時間撹拌し、次いで水(10mL)を加えた。相を相分離カラムにより分離した。有機溶液を集め、そして溶媒をエバポレーションにより除去した。1.1g(100%)の(3S)−4−(ブロモアセチル)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルを褐色油状物として得た。LCMS:m/z 370(M−1)-
(c) (9aS)−4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−カルボン酸ベンジル
(3S)−4−(ブロモアセチル)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル(1.1g,2.9 mmolをトルエン(25mL)に溶解し、生じた溶液に炭酸カリウム(4.0g,28.8mmol)を加えた。この混合物を終夜加熱還流させ、RTまで冷却し、次いで固体をろ別した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(メタノール−塩化メチレン1%〜10%)により精製した。0.19g(23%)の(9aS)−4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−カルボン酸ベンジルを無色油状物として得た。1H NMR(500MHz, CDCl3):2.6−3.0(m, 3H), 3.4−3.6(m, 2H),4.0(d,1H),4.1−4.3(m, 4H),4.5(d,1H),5.1(s, 2H),7.2−7.4(m, 5H)。
(d) (9aS)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン
(9aS)−4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−カルボン酸ベンジル(0.19g,0.65 mmolをエタノール(20mL)に溶解した。溶液を、10%炭素担持パラジウム(0.1g)、ギ酸(0.1g,2.2mmol)及びギ酸アンモニウム(0.2g,3.17mmol)を入れた25mLのバイアルに移した。この混合物を、マイクロ波単一ノード加熱を使用して120℃で5分間加熱した。触媒をろ別し、そして粗製(9aS)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オンの溶液を精製及び定量することなく次の工程で使用した。
(e) (9aS)−8−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン
1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−オン(Bioorg. Med. Chem. Lett.;13;
5 2003;2191−2194を参照のこと、約0.65mmol)及び(9aS)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン(0.65mmol)のメタノール(10mL)溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(125mg、2.0mmol)及び塩化亜鉛(135mg、1.0mmol)のメタノール(20mL)溶液を加えた。反応混合物をRTで15分間撹拌し、次いで溶媒をエバポレーションにより除去した。残留物を酢酸エチル(50mL)と水(20mL)との間で分配した。有機溶液をブラインで洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥した。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして残留物をアセトニトリル(10mL)、酢酸(100mg)及び水(10mL)の混合物に溶解した。生成物を、アセトニトリル及び0.1M 酢酸アンモニウム水溶液の混合物を使用する逆相クロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを合わせてロータリエバポレーターで濃縮した。水性残留物を酢酸エチルで抽出し、そして有機溶液をNa2SO4で乾燥した。溶媒をエバポレーションにより除去し、170mg(69%)の(9aS)−8−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピラジノ−[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オンを得た。1H NMR(400MHz, CDCl3):1.6−1.7(m, 1H),1.8−1.9(m, 1H),2.6(d,1H),2.7−2.8(m, 2H),2.8−2.9(m, 2H),3.0(qn, 1H),3.3−3.7(m, 4H),3.9(dd, 1H),4.0−4.2(qt, 0 2H),4.4(s, 1H),4.5(dd, 1H),7.2(t, 2H),7.3(m, 4H),7.4(m, 4H);LCMS:m/z 378(M+1)+
(f) (9aS)−8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン
(9aS)−8−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピラジノ−[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−5−オン(85mg、0.22mmol)をエタノール(18mL)に溶解した
。この溶液を、エタノール(2mL)、10%炭素担持パラジウム(0.1g)、ギ酸(0.1g,2.2mmol)及びギ酸アンモニウム(0.2g,3.17mmol)を入れた25mLのバイアルに移した。この混合物を5分間120℃でマイクロ波単一ノード加熱を使用して加熱した。触媒をろ別し、そして粗製(9aS)−8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オンの溶液を精製及び定量することなく次の工程において使用した。
【0097】
方法13
(9aR)−8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン
【化38】

(a) 1−tert−ブチル (2R)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1,4−ジカルボン酸4−ベンジル
(2R)−4−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−2−カルボン酸(1.4g,3.9mmol)をジメトキシエタン(10mL)に溶解し、そして冷却した生じた溶液にN−メチルモルホリン(0.4g,3.9mmol)、続いてクロロギ酸イソブチル(0.54g,3.9mmol)を滴下した。この混合物を0℃で20分間撹拌し、次いで混合物をろ過した。ろ液を500mLのフラスコに移し、次いで再び冷却した。水(5mL)に溶解した水素化ホウ素ナトリウム(0.22g,5.9mmol)を加え、そして外部冷却浴を外した。反応混合物をその温度がRTに達するまで撹拌して水(120mL)を加えた。この混合物を酢酸エチルで2回抽出し、そして合わせた有機溶液を乾燥し、次いでエバポレートした。生成物をカラムシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル −ヘプタン10%〜70%)により精製した。1.2g(84%)の1−tert−ブチル (2R)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1,4−ジカルボン酸4−ベンジルを無色油状物として得た。1HNMR(500MHz, CDCl3):1.4(s, 9H),2.7−3.2(b, 4H),3.5(b, 2H),3.8−4.2(m, 4H),5.1(m, 2H), 7.2−7.4(m, 5H);LCMS:m/z 349(M−1)-
(b) (3R)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル塩酸塩
表題化合物を、1−tert−ブチル (2R)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1,4−ジカルボン酸4−ベンジルを基質として使用したこと以外は実施例12aに記載される加水分解反応プロトコルを利用することにより製造した。(収率収率100%). 1HNMR(500MHz, CD3OD):3.1−3.4(m, 5H),3.7(m, 1H),3.8(m, 1H),4.2(m, 2H),5.2(m, 2H),7.2−7.4(m, 5H);LCMS:m/z 251(M+1)+
(c) (3R)−4−(ブロモアセチル)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル
表題化合物を、(3R)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル塩酸塩をアミンとして使用したこと以外は実施例12bに記載されるアシル化反応プロトコルを利用することにより製造した(収率100%)。LCMS:m/z 370(M−1)-
(d) (9aR)−4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−カルボン酸ベンジル
表題化合物を、(3R)−4−(ブロモアセチル)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルを基質として使用したこと以外は実施例12cに記載される環化反応プロトコルを利用することにより製造した(収率17%)。1H NMR(500MHz, CDCl3):2.6−3.0(m, 3H),3.4−3.6(m, 2H),4.0−4.3(m, 5H),4.6(d,1H),5.1−5.2(s, 2H),7.2−7.4(m, 5H);LCMS:m/z 291(M+1)+
(e) (9aR)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン
表題化合物を、(9aR)−4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−カルボン酸ベンジルを基質として使用したこと以外は実施例12dに記載される還元的脱保護反応プロトコルを利用することにより製造した。粗製(9aR)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オンの溶液を精製及び定量することなく次の工程において使用した。
(f) (9aR)−8−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン
表題化合物を、(9aR)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オンをアミンとして使用したこと以外は実施例12eに記載される還元的アルキル化反応プロトコルを利用することにより製造した(収率71%)。1HNMR(400MHz, CDCl3):1.6−1.7(t, 1H), 1.8(dt, 1H),2.5−2.6(d,1H), 2.7−2.8(m, 2H),2.8−2.9(m, 2H),2.9−3.0(qn, 1H),3.3−3.4(m, 2H), 3.5(m, 1H),3.8−3.9(dd, 1H), 4.0−4.2(qt, 2H),4.2−4.3(s, 1H), 4.4−4.5(m, 1H), 7.1(m, 2H), 7.2(m, 4H), 7.4(m, 4H);LCMS:m/z 378(M+1)+
(g) (9aR)−8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン
表題化合物を、(9aR)−8−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピラジノ−[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オンを基質として使用したこと以外は実施例12fに記載される還元的脱保護反応プロトコルを利用することにより製造した。粗製(9aR)−8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オンの溶液を精製及び定量することなく次の工程において使用した。LCMS:m/z 212(M+1)+
【0098】
方法14
1−アゼチジン−3−イル−4−(シクロプロピルカルボニル)ピペラジン
【化39】

(a) 1−(シクロプロピルカルボニル)−4−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペラジン
表題化合物を、シクロプロパンカルボニルクロリドをアシル化剤として使用したこと以外は実施例7bに記載されるアシル化反応プロトコルを利用することにより製造した(収率60%)。1H NMR(400MHz, CDCl3):0.7(m, 2H),0.9(m, 2H),1.6−1.7(m, 1H) 2.2−2.4(b, 4H),2.8−3.0(m, 3H), 3.4(t, 2H),3.6(b, 4H),4.4(s, 1H),7.2(t, 2H),7.2−7.3(m, 4H),7.4(d,4H);LCMS:m/z 376(M+1)+
(b) 1−アゼチジン−3−イル−4−(シクロプロピルカルボニル)ピペラジン
表題化合物を、1−(シクロプロピルカルボニル)−4−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペラジンを基質として使用したこと以外は方法12fに記載される還元的脱保護反応プロトコルを利用することにより製造した。粗製1−アゼチジン−3−イル−4−(シクロプロピルカルボニル)ピペラジンの溶液を精製及び定量することなく次の工程において使用した。LCMS:m/z 210(M+1)+
【0099】
方法15
1−アゼチジン−3−イル−4−ブチリルピペラジン
【化40】

(a) 1−ブチリル−4−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペラジン
表題化合物を、ブチリルクロリドをアシル化剤として使用したこと以外は実施例7bに記載されるアシル化反応プロトコルを利用することにより製造した(収率50%)。1H NMR(400MHz, CDCl3):0.9(t, 3H),1.5−1.7(m, 4H), 2.2−2.3(m, 4H), 2.8−3.0(m, 3H),3.3(b, 2H),3.5(b, 2H),3.6(b, 2H),4.4(s, 1H),7.1−7.2(t, 2H),7.3(m, 4H),7.4(d,4H);LCMS:m/z 5 378(M+1)+
(b) 1−アゼチジン−3−イル−4−ブチリルピペラジン
表題化合物を、1−ブチリル−4−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペラジンを基質として使用したこと以外は方法12fに記載される還元的脱保護反応プロトコルを利用することにより製造した。粗製1−アゼチジン−3−イル−4−ブチリルピペラジンの溶液を精製及び定量することなく次の工程において使用した。LCMS:m/z 212(M+1)+
【0100】
方法16
1−アゼチジン−3−イル−4−イソブチリルピペラジン
【化41】

(a) 1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−4−イソブチリルピペラジン
表題化合物を、イソブチリルクロリドをアシル化剤として使用したこと以外は実施例7bに記載されるアシル化反応プロトコルを利用することにより製造した(収率59%)。1H NMR(400MHz, CDCl3):1.1(d,6H),2.3(m, 4H), 2.8(qn, 1H),2.9(t, 2H),3.0(qn, 1H),3.4(t, 20 2H),3.5(b, 2H),3.6(b, 2H),4.4(s, 1H), 7.2(t, 2H), 7.3(m, 4H),7.4(d,4H);LCMS:m/z 378(M+1)+
(b) 1−アゼチジン−3−イル−4−イソブチリルピペラジン
表題化合物を、1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−4−イソブチリルピペラジンを基質として使用したこと以外は方法12fに記載される還元的脱保護反応プロトコルを利用することにより製造した。粗製1−アゼチジン−3−イル−4−イソブチリルピペラジンの溶液を精製及び定量することなく次の工程において使用した。LCMS:m/z 212(M+1)+

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
Hetは
【化2】

(ここで
RはC1−C4アルキル;シクロプロピル;C1−C4メトキシアルキル;C1−C4エトキシアルキル;C1−C4ヒドロキシアルキル;テトラヒドロフラン−2−イル;テトラヒドロフラン−3−イル;テトラヒドロピラン−2−イル;テトラヒドロピラン−3−イル;又はテトラヒドロピラン−4−イルである)
であるか、又はHetは、
【化3】

(ここで
YはC1−C3アルキル;−CH2−O−CH2−;又は−CH2−CH2−O−である)
である]
の化合物、及びその薬学的かつ薬理学的に許容しうる塩、並びに式Iの化合物の鏡像異性体及びその塩。
【請求項2】
Hetが
【化4】

(ここで
RはC1−C4アルキル;C1−C4メトキシアルキル;C1−C4エトキシアルキル;C1−C4ヒドロキシアルキル;テトラヒドロフラン−2−イル;テトラヒドロフラン−3−イル;テトラヒドロピラン−2−イル;テトラヒドロピラン−3−イル;又はテトラヒドロピラン−4−イルである)である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Hetが
【化5】

(ここで
YはC1−C3アルキル;−CH2−O−CH2−;又は−CH2−CH2−O−である)である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
RがC1−C3アルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
RがC1−C2アルキルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
RがC1−C2メトキシアルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項7】
RがC1−C2エトキシアルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項8】
YがC2−C3アルキルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項9】
Yが−CH2−O−CH2−である、請求項3に記載の化合物。
【請求項10】
化合物がS−鏡像異性体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[(8aR)−6−オキソヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−2(1H)−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[(8aS)−6−オキソヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−2(1H)−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(6−オキソオクタヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−2−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[(9aR)−6−オキソオクタヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−2−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[(9aS)−6−オキソオクタヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−2−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−アセチルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−プロピオニルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[4−(メトキシアセチル)ピペラジン−1−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−グリコロイルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[(9aS)−4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N−((2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−{3−[(9aR)−4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H}−イル]アゼチジン−1−イル}ブチル)−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N−[(2S)−4−{3−[4−(シクロプロピルカルボニル)ピペラジン−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N−[(2S)−4−[3−(4−ブチリルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2−(4−フルオロフェニル)ブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;及び
3−ブロモ−N−{(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−[3−(4−イソブチリルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル]ブチル}−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
治療における使用のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
機能性胃腸障害の処置のための医薬の製造のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
IBSの処置のための医薬の製造のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項15】
機能性消化不良の処置のための医薬の製造のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項16】
活性成分として請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物、及び薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む医薬製剤。
【請求項17】
式(I)の化合物を製造するための方法であって、
a) 式(III)の化合物を式(IV)の化合物と反応させる工程:
【化6】

(ここでHetは請求項1において定義されるとおりであり;かつ条件は式(III)の化合物の還元的アルキル化が、式(III)の化合物のアゼチジン基の窒素原子と式(IV)の化合物のアルデヒド基の炭素原子との間でN−C結合を形成するような条件である)、又は
b) 式(III)の化合物を式(V)の化合物と反応させる工程:
【化7】

(ここでHetは請求項1で定義されるとおりであり;かつLは、式(III)の化合物のアルキル化が式(III)の化合物のアゼチジン基の窒素原子と式(V)の化合物のL基に隣接している炭素原子との間にN−C結合を形成するような基である)、又は
c) 式(VI)の化合物を式(VII)の化合物と反応させる工程:
【化8】

(ここでHetは請求項1において定義されるとおりであり;かつL'が脱離基である)
を含み、ここで必要な場合は、他の官能基が保護されており、そして、
i)あらゆる保護基を除去すること;
ii)場合により薬学的に許容しうる塩を形成すること、
を含む、上記方法。
【請求項18】
(8aR)−2−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン;
(8aR)−2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン;
(8aS)−2−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン;
(8aS)−2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6(2H)−オン;
3−ブロモ−N−[(2S)−2−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−ブロモ−N− [(2S)−2−(4−フルオロフェニル)ペンタ−4−エン−1−イル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
2−アゼチジン−3−イルオクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン;
2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]オクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン;
(+)−2−アゼチジン−3−イルオクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン;
(+)−2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]オクタヒドロ−6H−ピリド [1,2−a]ピラジン−6−オン
(−)−2−アゼチジン−3−イルオクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン;
(−)−2−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]オクタヒドロ−6H−ピリド[1,2−a]ピラジン−6−オン;
1−アゼチジン−3−イル−4−プロピオニルピペラジン;
1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペラジン;
1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−4−プロピオニルピペラジン;
8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン塩酸塩;
4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−カルボン酸tert−ブチル;
ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4] オキサジン−4(3H)−オン塩酸塩;
8−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン;
1−アゼチジン−3−イル−4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン;
1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン;
1−アゼチジン−3−イル−4−(メトキシアセチル)ピペラジン;
1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−4−(メトキシアセチル)ピペラジン;
2−(4−アゼチジン−3−イルピペラジン−1−イル)−2−オキソエタノール
2−{4−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−2−オキソエタノール;
(9aS)−8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン;
(3S)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル塩酸塩;
(3S)−4−(ブロモアセチル)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル;
(9aS)−4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−カルボン酸ベンジル;
(9aS)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン;
(9aS)−8−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン;
(9aS)−8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン;
(9aR)−8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン;
1−tert−ブチル (2R)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1,4−ジカルボン酸4−ベンジル;
(3R)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル塩酸塩;
(3R)−4−(ブロモアセチル)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボン酸ベンジル;
(9aR)−4−オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−8(1H)−カルボン酸ベンジル;
(9aR)−ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン;
(9aR)−8−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン;
(9aR)−8−アゼチジン−3−イルヘキサヒドロピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン−4(3H)−オン;
1−アゼチジン−3−イル−4−(シクロプロピルカルボニル)ピペラジン;
1−(シクロプロピルカルボニル)−4−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペラジン;
1−アゼチジン−3−イル−4−(シクロプロピルカルボニル)ピペラジン;
1−アゼチジン−3−イル−4−ブチリルピペラジン;
1−ブチリル−4−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]ピペラジン;
1−アゼチジン−3−イル−4−ブチリルピペラジン;
1−アゼチジン−3−イル−4−イソブチリルピペラジン;
1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−4−イソブチリルピペラジン;及び
1−アゼチジン−3−イル−4−イソブチリルピペラジン
より選択される化合物。

【公表番号】特表2009−510055(P2009−510055A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533288(P2008−533288)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【国際出願番号】PCT/SE2006/001092
【国際公開番号】WO2007/037743
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(508295270)アルビレオ・アクチエボラーグ (1)
【Fターム(参考)】