説明

毛および睫毛の成長促進のための、ならびに/またはこれらの損失および/もしくは脱色素の制限のための3−スルファニルプロパンアミド類の使用

本発明は、式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物、[式中、a) R1およびR2は独立に、水素原子、場合により置換されているC1〜C20アルキル基、場合により置換されている飽和または不飽和の炭化水素に基づく環、を表し、b) R3は、水素原子、場合により置換されているC1〜C20アルキル基、場合により置換されている飽和炭化水素に基づく環、を表す]、の少なくとも1つの有効量の、ケラチン線維、特にヒトのケラチン線維を、これらの成長を誘発および/または促進させるために、これらの損失を停止させおよび/またはこれらの密度を増大させるために、手入れおよび/または修復するための組成物中における使用に関する。本発明はまた、新規な3-スルファニルプロパンアミド化合物ならびにこれらを含有する、ケラチン線維の密度を増大させること、および/またはこれらの外観を向上させること、および/またはこれらの白髪を減少させることを目的とする組成物にも関する。本発明はまた、ケラチン線維の成長を促進させること、ならびに/またはこれらの損失を停止させること、ならびに/またはこれらの色素沈着を促進させること、ならびに/またはこれらの脱色素および/もしくは退色を制限することを目的とする美容上の処置方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン線維の色素沈着を促進および/または誘発および/または活性化するための、ならびにそれらの脱色素および/または退色を制限するための組成物における、3-スルファニルプロパンアミド化合物の使用に関する。
【0002】
本発明は、前記ケラチン線維の密度を増大させるおよび/もしくは外観を向上させるために、ならびに/またはそれらの白髪を減少させる目的で使用する、新規な3-スルファニルプロパンアミド化合物類およびこれらを含有する新規な組成物にも関する。
【0003】
本発明は、ケラチン線維の成長を活性化するため、ならびに/またはそれらの損失を止めるため、ならびに/またはそれらの色素沈着を活性化するため、ならびに/もしくはそれらの脱色素および/もしくは退色を制限するための美容上の処置方法にも関する。
【0004】
本発明が適用されるヒトのケラチン線維は、特に頭髪、眉毛、睫毛、あごひげおよび陰毛である。より特別には、本発明はヒトの頭髪および/または睫毛に適用される。本発明はヒトの爪にも適用される。
【背景技術】
【0005】
毛の成長および毛の更新は主に、毛包およびそのマトリックス環境の活動によって決定される。それらの活動は周期的であり、基本的には3つの段階、つまりアナジェニック期(anagenic phase)、カタジェニック期(catagenic phase)およびテロジェニック期(telogenic phase)を含む。
【0006】
数年間続きその間毛が伸長するアナジェニック期(活動期または成長期)の後に、非常に短く数週間続く過渡的なカタジェニック期がくる。この期の間、毛は変化を遂げ、毛包は萎縮し、皮膚への埋め込みがだんだん高い位置になるように見える。
【0007】
数カ月続く終末期またはテロジェニック期は、毛包の休止期に相当し、脱毛によって終わる。この休止期の終わりには、新しい毛包が本来の位置で再生され、次の周期が始まる。
【0008】
こうして毛のある頭では常に更新が行われており、頭髪を構成する約15万本のうち、約10%は休止中であり、数カ月以内に置き換わる。
【0009】
毛の自然な損失すなわち脱毛は、正常な生理学的状態については、平均で、1日当たり数百本と推定される。この恒久的な身体の更新過程は、加齢の間に自然に変化して毛はより細くなりその周期は短くなる。
【0010】
加えて、さまざまな原因によって実質的に、一時的または恒久的な、毛の損失に至ることがある。これには、妊娠の最終段階(分娩後)、食事の栄養不良もしくはアンバランスの間、生理上のストレスの間、または無力症状態もしくは閉経の途中や最終段階にあるような、ホルモン障害状態の間における毛の損失または障害があり得る。また、季節的な現象に関連する毛の損失または障害の場合もある。
【0011】
また、基本的に毛の更新障害に起因する脱毛症という問題の可能性もあり、第一段階では毛の質の低下に至る周期の頻度の加速を生じ、次いで毛の量についてそうなる。その後の成長サイクルはだんだん細くだんだん短くなる毛を生じ、徐々に無着色の産毛に変わって行き、こうして頭の進行性貧毛症となる。特定の部分が優先的に影響され、特に男性では側頭部または前頭部であり、女性では頭頂部の広汎性脱毛症である。
【0012】
脱毛症という用語は、最終結末が恒久的な部分的または全体的な毛の損失である、毛包の障害群をすべて範囲内に含む。これは、より具体的にはアンドロゲン性脱毛症の問題である。多くの事例においては、毛の早期の損失は遺伝的にその傾向がある個人に起こり、したがってアンドロクロノ遺伝性脱毛症(androchronogenetic alopecia)の問題である。この形態の脱毛症は、特に男性に起こる。
【0013】
炎症性の要素を有する頭皮の皮膚疾患、例えば乾癬または脂漏性皮膚炎においては、毛の損失が大いに際立つことがあり、あるいは大いに乱れた毛包サイクルに至ることがある。
【0014】
化粧品および医薬品業界は、多年にわたって、脱毛症を排除または軽減するための、特に毛の成長を誘発または促進するための、あるいは毛の損失を軽減するための組成物を研究してきている。
【0015】
この観点で、大いに多様な活性剤を含む多数の組成物がすでに提案されており、活性剤は例えば米国特許第4139619号および米国特許第4596812号に記載されている2,4-ジアミノ-6-ピペリジノピリミジン3-オキシド、すなわち「ミノキシジル」、またはこれの多数の誘導体、例えば欧州特許出願第0353123号、欧州特許出願第0356271号、欧州特許出願第0408442号、欧州特許出願第0522964号、欧州特許出願第0420707号、欧州特許出願第0459890号および欧州特許出願第0519819号に記載されているものである。
【0016】
臨床研究によって、PGF2αの類似体がヒトおよび動物の体毛および睫毛の成長を誘発する性質を有することが示された(Murray A.、およびJohnstone M. D.、1997、Am, J. Opht.、124 (4)、544〜547頁)。ヒトでは、頭皮について行われた試験によって、プロスタグランジンE2類似体(ビプロストール)が毛の密度を増大させる性質を有することが示された(Roenigk H.H.、1988、Clinic Dermatol.、6(4)、119〜121頁)。
【0017】
さらに、国際特許第98/33497号には、ヒトの毛損失に有効なプロスタグランジンまたはプロスタグランジン誘導体を含有する薬剤組成物が記載されている。A2、F2αおよびE2型のプロスタグランジンが、好ましいものとして挙げられている。
【0018】
しかし、プロスタグランジンは、オートクリン様式またはパラクリン様式で活性する、非常に短い生物学的半減期を有する分子であり、これはプロスタグランジンの代謝の局所的で不安定な性質を反映している(Narumiya S. et al.、1999、Physiol. Rev.、79(4)、1193〜1226頁)。
【0019】
したがって、ヒトにおける毛の密度を維持および/または増加するためには、PGF2αおよび同様にPGE2の内在性の蓄えを、毛包のさまざまな区画中にまたは毛包直近の皮膚環境中に保持することが重要であるとみなされている。
【0020】
良好な結果をもたらす1つの解決策は、毛の成長を促進するための、リポキシゲナーゼ阻害化合物および/またはシクロオキシゲナーゼ誘発化合物の使用である。1つの理論的説明は、かかる化合物の使用は、脂肪酸の代謝を、他の経路に優先して、プロスタグランジンの内因性合成の方へ向かわせることである。
【0021】
しかし、これらの結果をさらに向上させるためには、毛を成長させることおよびそれを活動的に保つことに関与するプロスタグランジンの活性を長引かせることができることが望ましいと考えられる。
【0022】
さらに、表皮の角化細胞と毛包の角化細胞の分化のプログラムは明らかに異なることは周知である。したがって、毛幹のケラチンは表皮において発現されるケラチンとは異なるファミリー(Langbein et al.、2001、J. Biol. Chem. 276: 35123~35132頁)のものであること、ケラチンK1およびK10などの分化マーカーは毛包で、特に外側の鞘では発現されないこと(Lenoir et al.、1988、Dev. Biol. 13o: 610~620頁)、トリコヒアリン((O'Guin et al.、1992、J. Invest. Dermatol. 98: 24〜32頁)およびケラチンK6irs (Porter et al.、2001、Br. J. Dermatol. 145: 558〜568頁)は毛包中、特に内側の鞘中で発現されるが、表皮では発現されないこと、およびタイプ-1 シクロオキシゲナーゼは、表皮では発現されるものの、毛包の角細胞中では発現されず、真皮乳頭で発現されることが知られている(Michelet. et al.、1997、J. Invest. Dermatol. 108: 205〜209頁)。
【0023】
本出願人はこれまでに、これらのプロスタグランジンの分解に特異的に関与する酵素が、毛の寿命において決定的な因子である区画すなわち真皮乳頭中に存在していることを実証した。具体的には、本出願人はこれまでに、タイプ-1 15-ヒドロキシプラスタグランジンデヒドロゲナーゼ(15-PGDHと省略)のこのレベルでの存在を立証した。本出願人は、タイプ-1 15-PGDHの阻害が毛の成長に関して有益な効果を有することも示した(国際公開第03/090699号を参照されたい)。
【0024】
タイプ-1 15-PGDHは、プロスタグランジン、特に毛の成長および生存の重要なメディエーターであるPGF2αとPGE2の失活における主要な酵素である。これは分類番号EC1.1.1.141に相当し、NAD+依存性である。この酵素は、炭素15上でヒドロキシのケトンへの酸化反応を触媒する酵素である。これはブタの腎臓から単離されており、特にサイロイドホルモン、トリヨードサイロニンを生理学的な投与量よりもはるかに多い投与量で用いるこれの阻害が観察されている。タイプ-2の15-PGDHは、それ自体NADP依存性である。
【0025】
しかし、ヒトのケラチン線維の密度、特に毛の密度を維持および/または増加させるためにならびに/あるいはケラチン線維、特にヒトの毛の直径の不均一性を減少させるために、タイプ-1 15-PGDH阻害剤を使用することが提案されたことはまったくなかった。「ヒトのケラチン線維の密度、特に毛の密度を増大させる」という表現は、ケラチン線維の数、特に皮膚または頭皮のcm2当たりの数を増加させることを意味する。
【0026】
したがって、本発明の1つの主題は、少なくとも1つの特定の15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ阻害剤の、頭髪および/または他の体毛などのヒトのケラチン線維の成長を促進させるための組成物中での、あるいは組成物の調製のための使用である。
【0027】
さらに、ヒトのケラチン線維、またヒトの皮膚についても、手入れおよび/または処置するための、これらの色素沈着を促進し、および/またはこれらの脱色素を制限する、ならびに特に頭髪、睫毛および/または特定の他の体毛などのヒトのケラチン線維の白髪を防止および/または軽減することを可能にする新規な製品に対する必要性もある。
【0028】
ヒトの毛および皮膚の色はさまざまな因子、特に季節、人種、性および年齢に依存する。これは主にメラノサイトによって生成されるメラニンの濃度によって決まる。これらのメラノサイトは、特定の細胞内小器官、メラノソームによってメラニンを合成する専門化された細胞である。
【0029】
メラニン合成(すなわちメラニン形成)は複雑であり、図式化すると次の主要な段階が関与する。
チロシン → ドーパ → ドーパキノン → ドーパクロム → メラニン
【0030】
チロシナーゼ(モノフェノールジヒドロキシフェニルアラニン:酸素オキシドレダクターゼEC 1.14.18.1)は、この一連の反応に、特にチロシンをドーパ(ジヒドロキシフェニルアラニン)へ転化させる反応およびドーパをドーパキノンへ転化させる反応を触媒することによって参加する。
【0031】
毛包の上部は表皮の管状陥入のように見え、真皮の深い層まで埋まっている。毛球の下部はそれ自体が陥入を含み、その中には真皮乳頭が見られる。真皮乳頭の周りの毛球下部には高度に増殖した細胞群(マトリックス細胞)がある。これらの細胞は毛を構成することになる角質化細胞の前駆体である。これら前駆体の増殖から生じる細胞は、毛球中を垂直に移動して毛球上部で徐々に角質化され;この角質化された細胞の集合体が毛幹を形成する。毛および他の体毛の色素沈着は、毛包の毛球中にメラノサイトの存在を必要とする。これらのメラノサイトは活性状態にあり、すなわちこれらはメラニン(すなわちメラニン色素)を合成する。これらの色素は毛幹を形成することになるケラチノサイト(角化細胞)に移され、これで色素が沈着した頭髪または他の体毛が成長することになる。この仕組みは「毛包色素沈着ユニット」として知られている。
【0032】
大部分の人々の間では、褐色の肌色および一定した毛の色彩の維持が重要な願望であることは知られている。
【0033】
グレーまたは白い体毛および/または頭髪、すなわち白髪、の出現は毛幹中のメラニンの減少に付随することは一般に認められている。この現象は、各人の一生の間に自然に起こる。しかし、人々は審美的な目的でより若々しい風貌を持つことを求め、しばしばこの現象と戦いたくなる、特に比較的若い年齢でこの現象が現れたときはそうである。
【0034】
したがって、多くの解決策が、毛が自然に持っているものにできるだけ近い着色を毛に与えるための外来の色素を与えることによる人工着色の分野で提案されている。別の方法は、自然の色素沈着経路を促進させることにある。
【0035】
提案されている解決策の中では、ホスホジエステラーゼ阻害剤(国際公開第95/17161号)、DNA断片(国際公開第95/01773号)、ジアシルグリセリン(国際公開第94/04122号)プロスタグランジン(国際公開第95/11003号)またはピリミジン3-オキシド誘導体(欧州特許第829260号)を含有する組成物に言及することができる。
【0036】
本出願人は今では、意外にも、メラノサイトによるメラニンの合成を、メラノサイトによって合成されたプロスタグランジンまたはメラノサイトの環境中に存在するプロスタグランジンの分解を特異的に抑制することによって、促進させることができることを見出している。
【0037】
したがって、本発明の1つの主題は、少なくとも1つの特定の15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼの阻害剤の、組成物中における使用、あるいは皮膚または外皮、特にヒトのケラチン線維例えば頭髪および/または他の体毛の色素沈着を促進させるための組成物の調製のための使用でもある。
【0038】
ある種のプロスタグランジンの、ヒトまたは動物の体毛または皮膚の色素沈着における関与は、Wand M.、1997、Arch. Ophtalmol.、115; Abdel Malek et al.、1987、cancer Res.、47、文書に記載されている。しかし、プロスタグランジンは、非常に短い生物学的半減期を有する分子であり、その代謝の局所的および不安定な性質(Narumiya Sら)の結果として、ヒトの皮膚、体毛および/または頭髪の色素沈着に関与するプロスタグランジンの活性を長引かせることができることが重要であると思われる。
【0039】
さらに、本出願人は、15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼが、頭髪のメラノサイト中でも発現されることを示したが、これはそれまで実証されたことがなかった(国際公開第04/073594号を参照されたい)。加えて、本出願人は、15-PGDHの真皮乳頭および頭髪メラノサイト中における存在を実証し、15-PGDH阻害剤を、ヒトの皮膚、体毛および/または頭髪の色素沈着を促進するために使用することを提案している。今ではプロスタグランジン、特に頭髪のメラノサイト中に存在するプロスタグランジンのレベルを、メラノサイト中および真皮乳頭の線維芽細胞の15-PGDHによって触媒されるメラノサイトの分解に対処することによって、局所的に調節することが可能である。
【0040】
本出願人は、頭髪のメラノサイトがプロスタグランジンHシンターゼ1(PGHS-1またはCOX-1、E.C.:1.14.99.1)を発現することも示した。これは頭髪のメラノサイトがプロスタグランジンの自律的な代謝を有することを最初に実証するものである。
【0041】
国際公開第04/073594号文書では、さらに真皮乳頭中および/または頭皮のメラノサイト中に存在する15-PGDHを特異的に阻害することが可能であることが示された。したがって、かかる阻害は、頭皮のメラノサイトの環境中のプロスタグランジンの失活を止めることを可能にする。こうして、プロスタグランジンは自己分泌または傍分泌によってメラノサイトを活性化し続けることができる。はっきり言えば、こうした阻害剤の適用はメラノサイトによるメラニンの生成を促進する。
【特許文献1】米国特許第4139619号
【特許文献2】米国特許第4596812号
【特許文献3】欧州特許出願第0353123号
【特許文献4】欧州特許出願第0356271号
【特許文献5】欧州特許出願第0408442号
【特許文献6】欧州特許出願第0522964号
【特許文献7】欧州特許出願第0420707号
【特許文献8】欧州特許出願第0459890号
【特許文献9】欧州特許出願第0519819号
【特許文献10】国際公開第95/17161号
【特許文献11】国際公開第95/01773号
【特許文献12】国際公開第94/04122号
【特許文献13】国際公開第95/11003号
【特許文献14】欧州特許第829260号
【特許文献15】国際公開第04/073594号
【特許文献16】欧州特許第0845700号
【特許文献17】国際公開第98/33497号
【特許文献18】国際公開第95/11003号
【特許文献19】特許第97-100091号
【特許文献20】特許第96-134242号
【特許文献21】欧州特許第1175891号
【特許文献22】欧州特許第1175890号
【特許文献23】国際公開第01/74307号
【特許文献24】国際公開第01/74313号
【特許文献25】国際公開第01/74314号
【特許文献26】国際公開第01/74315号
【特許文献27】国際公開第01/72268号
【特許文献28】米国特許第3382247号
【特許文献29】米国特許第5756092号
【特許文献30】米国特許第5772990号
【特許文献31】米国特許第5760043号
【特許文献32】米国特許第5466694号
【特許文献33】米国特許第5438058号
【特許文献34】米国特許第4973474号
【特許文献35】米国特許第5516779号
【特許文献36】米国特許第5480913号
【特許文献37】米国特許第5411981号
【特許文献38】米国特許第5565467号
【特許文献39】米国特許第4910226号
【特許文献40】欧州特許第0680745号
【特許文献41】欧州特許第0770399号
【特許文献42】国際公開第94/06434号
【特許文献43】仏国特許第2268523号
【特許文献44】米国特許第5529769号
【特許文献45】米国特許第5468888号
【特許文献46】米国特許第5631282号
【特許文献47】欧州特許第1175892号
【特許文献48】欧州特許出願第652210号
【特許文献49】仏国特許出願第02/05067号
【非特許文献1】Muurray A.、およびJohnstone M. D.、1997、Am, J. Opht.、124 (4)、544〜547頁
【非特許文献2】Roenigk H.H.、1988、Clinic Dermatol.、6(4)、119〜121頁
【非特許文献3】Narumiya S. et al.、1999、Physiol. Rev.、79(4)、1193〜1226頁
【非特許文献4】Langbein et al.、2001、J. Biol. Chem. 276: 35123~35132頁
【非特許文献5】Lenoir et al.、1988、Dev. Biol. 13o: 610~620頁
【非特許文献6】O'Guin et al.、1992、J. Invest. Dermatol. 98: 24〜32頁)
【非特許文献7】K6irs (Porter et al.、2001、Br. J. Dermatol. 145: 558〜568頁
【非特許文献8】Michelet. et al.、1997、J. Invest. Dermatol. 108: 205〜209頁
【非特許文献9】Wand M.、1997、Arch. Ophtalmol.、115
【非特許文献10】Abdel Malek et al.、1987、cancer Res.、47
【非特許文献11】Synthesis of Some Novel α,β-Ethylenic Sulfones、Reddy M. V. R.、Vijayalakshmi S.、Reddy D. B.、Reddy P. V. R、Phosphorus, Sulfur Silicon Relat. Elem. 60 (1991) 3-4、209〜214頁
【非特許文献12】Selective Preparation of β-Monoesters of Mercaptosuccinic Acid with Acid or Base Labile Sulfur Protecting Groups and Esters、Gustavson L. M.、Jones D. S.、Nelson J. S.、Strinivasan, A.、Synth. Commun. 21 (1991) 2、249〜263頁
【非特許文献13】A Novel and Convenient Synthesis of E,E-Bis (styryl) sulfones and E,E-1,4-Diaryl-1,3-butadienes、Reddy M. V. R.、Manjubhashini A. B.、Reddy S.、Reddy P. V. R.、Reddy D. B.、Synth. Commun. 21 (1991) 15〜16、1589〜1596頁
【非特許文献14】Simple and Convenient Procedure for the Preparation of Acid Chlorides of Penicillins,Mata E. G.、Boschetti C. E.、Mascaretti O. A.、Org. Prep. Proced. Int. 27 (1995) 2、229〜232頁
【非特許文献15】Selective Preparation of β-Monoesters of Mercaptosuccinic Acid with Acid or Base Labile Sulfur Protecting Groups and Esters、Gustavson L. M.、Jones D. S.、Nelson J. S.、Strinivasan, A.、Synth. Commun. 21 (1991) 2、249〜263頁
【非特許文献16】A Novel and Convenient Synthesis of E,E-Bis (styryl) sulfones and E,E-1,4-Diaryl-1,3-butadienes、Reddy M. V. R.、Manjubhashini A. B.、Reddy S.、Reddy P. V. R.、Reddy D. B.、Synth. Commun. 21 (1991) 15〜16、1589〜1596頁
【非特許文献17】Simple and Convenient Procedure for the Preparation of Acid Chlorides of Penicillins,Mata E. G.、Boschetti C. E.、Mascaretti O. A.、Org. Prep. Proced. Int. 27 (1995) 2、229〜232頁
【非特許文献18】英国局方701, 38297、Saint Quentin Fallavier
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0042】
このように本発明は、皮膚および/またはケラチン線維、特にヒトの皮膚および/またはケラチン線維例えば毛を手入れおよび/または処置するための、少なくとも1つの特定の15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ、特にタイプ-1の阻害剤、および生理学的に許容される媒体を含有する組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0043】
本発明によれば、「15-PGDH阻害剤」という用語は、簡単な化合物であれ複雑な化合物であれ、天然起源であれ合成起源であれ、酵素15-PGDHの活性を阻害もしくは低下させる能力がある、および/またはこの酵素によって触媒される反応を阻害、低減もしくは遅くする能力があるいかなる物質をも意味する。本発明による15-PGDH阻害剤は、好ましくはタイプ-1 15-PGDHの阻害剤である。
【0044】
好都合には、この阻害剤は特異的なNAD依存性のタイプ-1 15-PGDH阻害剤である。
【0045】
また、意外にも、本出願人は、ある種の塩化されたまたは塩化されていない、溶媒和されたまたは溶媒和されていない3-スルファニルプロパンアミド誘導体が、15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼの阻害剤、特にタイプ-1の阻害剤であることも見出した。さらに、これらの化合物が、ヒトのケラチン線維の密度を増大させること、および/またはその白髪を制限することに関して良好な活性を有することも見出された。
【0046】
本発明は、少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の使用、特に美容上の使用に関する。
【0047】
【化1】

【0048】
[式中、
a)R1およびR2は、独立に
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C1
4)少なくとも1個の置換基A2で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C2
を表し、
b)R3は、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A3で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
c)A1は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3)次式を有する基
【0049】
【化2】

【0050】
[-W=O、NH、S、
-X=O、NH、C1〜C6 N-アルキル、
-Y=C1〜C4アルキル、C1〜C6アルコキシ、NH2、C1〜C6NH-アルキル、C1〜C6N-ジアルキル]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)ピロール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジン、オキサジアゾール、ピリジン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピリミジン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、モルホリン、キノリン、イソキノリン、2-チオヒダントイン、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-チアゾールおよびピリドンから選択され、少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy1
6)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されており、かつ炭化水素に基づく環または複素環C6に場合により縮合している不飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
d)A2は、
1)フッ素原子、
2)式CF3、CN、OR、SR、NRR'、COR、COOR、CONRR'、NRCOR'、NRCONR'R"、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されたC1〜C20アルキル基
を表し、
e)A3は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)式(II)の基
【0051】
【化3】

【0052】
[W、XおよびYは上記と同じ意味を有する]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5または少なくとも1個の置換基A4で場合により置換され、かつN、OおよびSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子ならびにこれらの組合せを含む複素環Hy2
を表し、
f) A4は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)C1〜C20アルキル基、または
4)環C6が別の環C7に場合により縮合しており、これらの環は少なくとも1つのヘテロ原子を場合により含んでへテロ環Hy2を形成している環C6
を表し、
g)R、R'およびR"は、同一または異なって、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和C1〜C6アルキル基、または
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5
4)N、SおよびOから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含み、かつ少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy2
を表す]
【0053】
本発明の1つの主題はまた、少なくとも1つの、上記で規定した、式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、皮膚および/またはケラチン線維、特にヒトの皮膚および/またはケラチン線維の色素沈着を、促進および/または誘発および/または活性化するための作用物質として、ならびに/あるいは皮膚および/またはケラチン線維、特にヒトの皮膚および/またはケラチン線維の脱色素および/または退色を予防および/または制限するための作用物質として、および特にヒトのケラチン線維の白髪を予防および/または制限するための作用物質としての使用、特に美容上の使用でもある。
【0054】
本発明の1つの主題はまた、少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、ケラチン線維、特にヒトのケラチン線維用の、これらの密度を増大させるためにこれらの成長を誘発および/または活性化し、これらの損失を止めるための、手入れおよび/またはメーキャップ用組成物中における美容上の使用でもある。
【0055】
本発明の1つの主題はまた、少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、皮膚および/またはケラチン線維、特にヒトの皮膚および/またはケラチン線維のための、前記皮膚および/または前記線維の色素沈着を、誘発および/もしくは活性化するための、ならびに/またはこれらの脱色素および/もしくは退色を制限するための、手入れおよび/またはメーキャップ用組成物中における使用でもある。
【0056】
本発明の1つの主題はまた、少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、ケラチン線維、特にヒトのケラチン線維のための、前記線維の成長を誘発および/または活性化すること、および/またはこれらの損失を停止させること、および/またはこれらの密度を増大させることを意図する、手入れおよび/または処置用組成物の製造のための使用でもある。
【0057】
本発明の1つの主題はまた、少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、皮膚および/またはケラチン線維、特にヒトの皮膚および/またはケラチン線維のための、皮膚および/または前記ケラチン線維の色素沈着を、誘発および/または活性化すること、および/または皮膚および/またはケラチン線維の脱色素および/または退色を制限することを目的とし、特にヒトのケラチン線維の退色または白髪を予防および/または制限することを意図する、手入れおよび/または処置用組成物の製造のための使用でもある。
【0058】
本発明の1つの主題はまた、少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、ケラチン線維、特にヒトのケラチン線維のための、これらの損失を軽減するためおよび/またはこれらの密度を増大させるためおよび/またはこれらの退色を制限するための作用物質としての、手入れおよび/またはメーキャップ用組成物における使用でもある。この組成物はまた、ケラチン線維を良好な状態に保つこと、および/またはこれらの外見を改善することを可能にする。
【0059】
本発明はまた、哺乳動物種(例えば犬、馬または猫)のケラチン線維にも適用される。
【0060】
本発明が適用されるケラチン線維は、特に頭髪、眉、睫毛、あごひげ、口ひげおよび陰毛であり、爪でもある。より特定的には、本発明は頭髪および/または睫毛に適用される。
【0061】
したがって、本発明はまた、少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、毛の損失を軽減するためおよび/または毛の密度を増大させるためおよび/またはアンドロクロノ遺伝性脱毛症を処置するためおよび/または毛の脱色素および/または退色を軽減するための、ヒトのヘアケア用化粧品組成物における美容上の使用にも関する。
【0062】
本発明の1つの主題はまた、少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、毛の成長を誘発および/または活性化すること、および/または毛の損失を停止させること、および/または毛の密度を増大させること、および/または男性ホルモン性脱毛症を処置すること、および/または毛の色素沈着を誘発および/または活性化させること、および/または毛の脱色素および/または退色を制限することを意図する、ヒトの毛用組成物の調製のための使用でもある。
【0063】
本発明はまた、少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、自然発症脱毛症、特に自然発症男性ホルモン性脱毛症の処置のための、ヒトのヘアケア用化粧品組成物における美容上の使用にも関し、また少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、自然発症脱毛症、特に自然発症男性ホルモン性脱毛症の処置のための、ヒトのヘアケア用組成物の調製のための使用にも関する。
【0064】
本発明の1つの主題はまた、少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、睫毛の成長を誘発するためおよび/または活性化するためにおよび/またはこれらの密度を増大させるためおよび/または睫毛の退色を制限するためにヒトの睫毛を手入れ/またはメーキャップするための、化粧品組成物における美容上の使用でもあり、また少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、睫毛の成長を誘発すること、および/または活性化させること、および/または睫毛の密度を増大させること、および/または睫毛の色素沈着を誘発すること、および/または活性化させること、および/または睫毛の脱色素および/または退色を制限することを意図する、ヒトの睫毛の手入れおよび/または処置のための組成物の調製のための使用でもある。この組成物は、こうして睫毛を良好な状態に保つこと、および/または睫毛の状態および/または外見を向上させることを可能にする。
【0065】
本発明の1つの主題はまた、少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼの阻害剤、特にタイプ-1 阻害剤としての使用でもある。本発明の1つの主題はまた、少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、タイプ-1 15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼの活性に付随する特ににヒトにおける障害を処置するための、組成物の製造のための使用でもある。
【0066】
本発明の1つの主題はまた、ヒトのケラチン線維(特に毛または睫毛)および/または皮膚、特にそこから前記線維が現れる皮膚、例えば頭皮およびまぶたを処置するための、前記ケラチン線維および/または前記皮膚に、式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物の少なくとも1つまたはその塩および/または溶媒和物を含む化粧品組成物を塗布するステップと、この組成物を前記ケラチン線維および/または前記皮膚と接触させておくステップと、前記線維および/または前記皮膚を場合によりすすぐステップにあることを特徴とする美容方法でもある。
【0067】
この処置方法は、これがヒトのケラチン線維、特に毛および睫毛の審美的外観および皮膚により強い活気および/または向上した外観を与えることによって皮膚の審美的外観を向上させることを可能にするという限りでは、美容方法の特徴を確かに有する。加えて、これは医師の処方箋がなくても数カ月間毎日使用することができる。
【0068】
さらにとりわけ、本発明の1つの主題は、ヒトの毛および/または頭皮を、これらの状態および/またはこれらの外観を向上させるために手入れするための、式(I)の化合物の少なくとも1つまたはその塩および/または溶媒和物の有効量を含む組成物を毛および/または頭皮に塗布するステップと、この組成物を毛および/または頭皮と接触させておくステップと、毛および/または頭皮を場合によりすすぐステップにあることを特徴とする美容方法である。
【0069】
本発明の1つの主題はまた、ヒトの皮膚を、これの状態および/またはこれの外観を向上させるために手入れするための、式(I)の化合物の少なくとも1つまたはその塩および/または溶媒和物の有効量を含む組成物を前記皮膚に塗布するステップと、この組成物を皮膚と接触させておくステップと、皮膚を場合によりすすぐステップにあることを特徴とする美容方法でもある。
【0070】
本発明の1つの主題はまた、ヒトの睫毛を、これの状態および/またはこれの外観を向上させるために手入れおよび/またはメーキャップするための、式(I)の化合物の少なくとも1つまたはその塩および/または溶媒和物を含むマスカラ組成物を睫毛および/またはまぶたに塗布するステップと、次いでこの組成物を睫毛および/またはまぶたと接触させておくステップにあることを特徴とする美容方法でもある。このマスカラ組成物は単独で塗布してもよくまたは標準的な着色マスカラのための下地として塗布してもよく、また標準的な着色マスカラと同様に除去することができる。
【0071】
本発明の1つの主題はまた、式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、特に毛包中にあるプロスタグランジンの量および/または活性を保存するための作用物質としての美容上の使用でもある。
【0072】
本発明の1つの主題はまた、式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の、特に毛包中にあるプロスタグランジンの量および/または活性を保存するための組成物を製造するための使用でもある。
【0073】
式(I)の化合物の中で、いくつかの化合物は新規であり、本発明の別の主題を構成する。
【0074】
これらは以下の式(III)、(IV)、(V)、(VII)および(VIII)の少なくとも1つを満たす3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその対応する塩および/もしくは溶媒和物の1つである:
【0075】
【化4】

【0076】
[式中、Qは、
a)少なくとも1個のZ基で置換されたフェニル基;または
b)少なくとも1個のZ基で場合により置換されたピリミジン、キノリン、イソキノリン、ピロール、フランまたはチオフェンから選択された芳香族複素環
を表し、
Zは、
フッ素、
CF3、CN、OR、SR、NRR'、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2R、SiRR'R"の基(RおよびR'は前記と同じ意味を有する)、
式(II)の基
【0077】
【化5】

【0078】
(W、XおよびYは前記と同じ意味を有する)、
少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されたC1〜C10アルキル基、(A4は前記と同じ意味を有する)
を表し、
Tは、
a)メチル、エチル、n-ブチル、イソブチルおよびtert-ブチルから選択された飽和アルキル基;または
b)飽和C4〜C6炭化水素に基づく環
を表す]:
【0079】
【化6】

【0080】
本発明の1つの主題はまた、局所的な塗布のための化粧品として許容される媒体および後記の式(III)、(IV)、(V)、(VII)および(VIII)の少なくとも1つを満たす3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその前記で規定された塩および/または溶媒和物を含有する毛または睫毛のための手入れ用組成物および/またはマスカラ組成物でもある。
【0081】
本発明の1つの主題はまた、生理学的に許容される媒体、特に化粧品媒体中に、後記の式(III)、(IV)、(V)、(VII)および(VIII)の少なくとも1つを満たす3-スルファニルプロパンアミド化合物の少なくとも1つまたはその塩および/または溶媒和物、および少なくとも1つのヒトのケラチン線維の再成長を促進させるおよび/またはケラチン線維の損失を制限する追加の活性物質を含む、ケラチン線維のための手入れ用および/またはメーキャップ用組成物でもあり、追加の活性物質は、アミネキシル、FP受容体アゴニスト、プロスタグランジンおよびその誘導体、ならびに血管拡張剤から選択され、さらにとりわけアミネキシル、ミノキシジル、ラタノプロスト、(5E)-7-{(1R,2R,3R,5S)-3,5-ジ-ヒドロキシ-2-[(3R)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペンチル]シクロペンチル}-ヘプト-5-エノイック酸、ブタプロスト、トラボプロスト、2,4-ピリジンジカルボン酸ジエチルおよび6-0-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイル]ヘキサピラノース、およびこれらの混合物から選択される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0082】
「15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ阻害剤」という用語は、酵素15-PGDH、特にタイプ-1 15-PGDH、特にヒトの15-PGDHの活性を阻害または低減させる能力があり、および/またはこの酵素によって触媒される反応を阻害、低減または遅くする能力がある式(I)の化合物を意味する。
【0083】
本発明の好都合な一実施形態によれば、式(I)の化合物は15-PGDH、特にタイプ-1の特異的な阻害剤である。「特異的な阻害剤」という用語は、プロスタグランジン合成、特にPGF2-αまたはPGE2の合成に対する阻害効果をわずかしか持たないかまたはまったく持たない活性物質を意味する。本発明の特定の一実施形態によれば、15-PGDH特にタイプ-1 阻害剤は、プロスタグランジンシンターゼ(PGFシンターゼまたはPGFSと短縮する)に対する阻害効果をわずかしか持たないかまたはまったく持たない。
【0084】
具体的には、本出願人は、PGFシンターゼが真皮乳頭中でも発現されることを見出した。このように活性部位におけるプロスタグランジンの有効量の維持は、これらの分子の合成と分解の間の複雑な生物学的平衡の結果である。したがって、異化活性を阻害する化合物の外部からの供給は、この活性がこれらのプロスタグランジンの合成の阻害を伴う場合には効果が小さくなる。
【0085】
好都合なことに、式(I)の化合物は、塩化されたまたは塩化されていない、溶媒和されたまたは溶媒和されていない形態で、PGFシンターゼに対する阻害活性よりも強い15-PGDHに対する阻害活性を有する。特に、PGFシンターゼの酵素活性の50%を阻害する濃度(IC50fc)に対する15-PGDHの酵素活性の50%を阻害する濃度(IC50dh)によって決定した、ある所与の濃度についての15-PGDHに対する阻害活性とPGFシンターゼに対する阻害活性との間の比は、少なくとも1より大きく、特に少なくとも3:1である。
【0086】
本明細書の以後の本文においては、別途に言及しない限り、「式(I)の化合物」という用語は、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物特に水和物、または溶媒和された塩(特に水和された塩)を意味するものと理解されたい。
【0087】
本発明によれば、式(I)の化合物は孤立した形態であり、すなわちポリマー形態ではない。
【0088】
本発明によれば、「式(I)の化合物の塩」という用語は、式(I)の化合物の有機塩または無機塩を意味する。
【0089】
本発明によって使用することができる無機塩としては、ナトリウム塩またはカリウム塩およびアンモニウム、亜鉛(Zn2+)、カルシウム(Ca2+)、銅(Cu2+)、鉄(Fe2+およびFe3+)、ストロンチウム(Sr2+)、マグネシウム(Mg2+)およびマンガン(Mn2+)の塩;水酸化物、ハロゲン化水素塩(例えば塩酸塩)、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、リン酸水素塩、リン酸塩を挙げることができる。
【0090】
本発明によって使用することができる有機塩としては、例えば、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ヘキサデシルアミン、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、トリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、水酸化物、ハロゲン化水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、硫酸塩、リン酸塩およびリン酸水素塩である。
【0091】
式(I)の化合物の可能な溶媒和物としては、水和物、アルコラートおよびヒドロアルコラートを挙げることができる。
【0092】
本発明によれば、「少なくとも1つ」という用語は、1つまたは複数(2、3またはより多い)を意味する。特に、本組成物は1つまたは複数の式(I)の化合物を含有することができる。このまたはこれらの化合物は、シスまたはトランスまたはZまたはE異性体あるいはシス/トランス異性体またはZ/E異性体の混合物であってもよい。これらはまた、互変異性型でもよい。このまたはこれらの化合物は、光学異性体および/またはジアステレオ異性体あるいはこれらの異性体の混合物でもよい。
【0093】
本発明の目的のためには、「炭化水素に基づく」という用語は、水素および炭素の基を意味する。
【0094】
本発明の目的のためには、「アルキル基」という用語は、直鎖でも分岐でもよく、飽和でもまたは不飽和でもよい炭化水素に基づく基を意味する。特に、アルキル基は、1〜20個、好ましくは1〜10個の炭素原子を含む。本発明において使用することができるアルキル基の例としては、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、n-ヘキシル、2-エチルヘキシル、エチレンおよびプロピレンの基を挙げることができる。
【0095】
本発明によれば、式(I)の環C1〜C7およびHy2は、3〜7個の原子、例えば4、5または6個の原子を含み、別途に言及しない限りは、飽和でも不飽和でもよい。加えて、複素環は、N、SおよびOならびにこれらの組合せから選択された同一でも異なってもよい1〜4個のヘテロ原子を含むことができる。これらの環は、さらに同一または異なった別の環と縮合して縮合環を形成してもよい。加えてこれらの環は、1個または複数の同一または異なった置換基、特にA2またはA4で置換されていてもよい。これらの環は、それらの炭素原子と共有結合を形成する能力があるどの原子を介して連結されていてもよい。
【0096】
本発明において使用することができる飽和炭化水素に基づく環としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルの基を挙げることができる。挙げることができる不飽和炭化水素に基づく環には、シクロヘキセニル環およびフェニル環が含まれる。使用することができる縮合した炭化水素に基づく環としては、アリール基、例えばナフチル環を挙げることができる。好ましい不飽和炭化水素に基づく環は、アリール環、例えばフェニルまたはナフチル環である。
【0097】
本発明において使用することができる複素環、特に複素環Hy2のためには、以下のモノ複素環を挙げることができる:アゼチジン、ピロール、ジヒドロピロール、ピロリジン、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、イミダゾール、ジヒドロイミダゾール、イミダゾリジン、ジヒドロチアゾール、チアゾール、ジヒドロチアゾール、チアゾリジン、ピラゾール、ジヒドロピラゾール、ピラゾリジン、オキサゾール、ジヒドロオキサゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾール、ジヒドロイソオキザゾール、イソオキサゾリジン、イソチアゾール、ジヒドロイソチアゾール、イソチアゾリジン、トリアゾール、ジヒドロトリアゾール、トリアゾリジン、オキサジアゾール、ジヒドロオキサジアゾール、オキサジアゾリジン、チアジアゾール、ジヒドロチアジアゾール、チアジアゾリジン、テトラゾール、ピリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピリミジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、モルホリン、アゼピン、ジアゼピン。好ましくは、Hy2は、ピロール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジン、オキサジアゾール、ピリジン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピリミジン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、モルホリン、キノリン、イソキノリン、2-チオヒダントイン、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-チアゾールまたはピリドン環を表す。
【0098】
このモノへテロ環Hy2はまた、Hy2と同一でも異なってもよい4〜7個の、さらによくは5〜6個の原子の飽和または不飽和の炭化水素に基づく環または複素環C7に縮合していてもよい。この縮合環C7がへテロ環である場合は、これはO、NおよびSならびにこれらの組合せから選択された1〜4個の同一または異なるヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0099】
本発明において使用することができる縮合複素環としては、プリンおよびプテリジン環を挙げることができる。本発明において使用することができる炭化水素に基づく環に縮合した複素環としては、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、インドール、ベンツイミダゾール、キノリン、イソキノリンおよびキナゾリンの基を挙げることができる。
【0100】
好都合には、R1およびR2のうちの1つは水素を表す。
【0101】
特に、3-スルファニルプロパンアミド誘導体は、下記の式(Ia)を有するか、またはその対応する塩および/または溶媒和物である:
【0102】
【化7】

【0103】
式中、R1およびR3は、前記と同じ定義を有する。
【0104】
好ましくは、R1は、直鎖もしくは分岐、飽和もしくは不飽和C1〜C10アルキル基または飽和もしくは不飽和炭化水素に基づく環を表し、この基またはこの環は1個の不飽和炭化水素に基づくまたは複素環C5で置換されており、この環C5自体は1個または複数の置換基A1で置換されており、A1は同一でも異なってもよく特に
直鎖または分岐、飽和または不飽和C1〜C10アルキル基、好ましくはC1〜C6アルキル基、より優先的にはメチル基およびエチル基;
C1〜C6アルコキシ基、優先的にはメトキシ基;
アリール環、例えばフェニルおよびナフチル
から選択される。
【0105】
好ましくは、(ヘテロ)環C5は、フランまたはフェニルを表す。好都合には、この環C5は、トリフルオロメチル基で場合により置換されたフェニル基を表す。
【0106】
本発明の一実施形態によれば、R3は、直鎖もしくは分岐、飽和もしくは不飽和C1〜C10アルキル基または飽和もしくは不法は炭化水素に基づく環を表す。より好ましくは、R3は、メチル、tert-ブチル、シクロペンチルおよびシクロアルキルから選択される。
【0107】
本発明において使用することができる式(I)およびより特には式(Ia)の3-スルファニルプロパンアミド化合物の例としては以下の化合物を挙げることができる:3-(tert-ブチルスルファニル)-N-[(5-メチル-2-フリル)メチル]-プロパンアミド、N-シクロブチル-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド、3-(メチルスルファニル)-N-(1-フェニルエチル)プロパンアミド、N-ベンジル-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド、3-(メチルスルファニル)-N-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-プロパンアミド、N-(4-メトキシベンジル)-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド、N-(2-フリルメチル)-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド、および特にN-[(5-メチル-2-フリル)メチル]-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド。
【0108】
本発明の他の一態様によれば、本発明は式(I)に相当し、かつ以下の式(III)、(IV)、(V)、(VII)および(VIII)の1つを満たす新規な化合物またはその対応する塩および/または溶媒和物に関する:
【0109】
【化8】

【0110】
[式中、Qは、
a)少なくとも1個のZ基で置換されたフェニル基;または
b)少なくとも1個のZ基で場合により置換されたピリミジン、キノリン、イソキノリン、ピロール、フラン、およびチオフェンから選択された芳香族へテロ環
を表し、
Zは、
フッ素、
CF3、CN、OR、SR、NRR'、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2R、SiRR'R"の基、
(RおよびR'は前記と同じ意味を有する)、
式(II)の基:
【0111】
【化9】

【0112】
[式中、
-W=O、NH、S、
-X=O、NH、C1〜C6、N-アルキル、
-Y=C1〜C4アルキル、C1〜C6アルコキシ、NH2、C1〜C6NH-アルキル、C1〜C6N-ジアルキル、
-少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されたC1〜C10アルキル基]
を表し、
Tは、
a)メチル、エチル、n-ブチル、イソブチル、およびtert-ブチルから選択された飽和アルキル基、または
b)飽和C4〜C6炭化水素に基づく環
を表す]:
【0113】
【化10】

【0114】
本発明において使用することができる化合物の例としては、以下の化合物を挙げることができる:
化合物1: N-[(5-メチル-2-フリル]メチル]-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【0115】
【化11】

【0116】
化合物2: N=(2-フリルメチル)-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【0117】
【化12】

【0118】
化合物3: N-(4-メトキシベンジル)-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【0119】
【化13】

【0120】
化合物4: N-ヘキシル-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【0121】
【化14】

【0122】
化合物5: 3-(メチルスルファニル)-N-[2-(トリフルオロメチル)-フェニル]プロパンアミド
【0123】
【化15】

【0124】
化合物6: N-ベンジル-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【0125】
【化16】

【0126】
化合物7: 3-(メチルスルファニル)-N-(1-フェニルエチル)プロパンアミド
【0127】
【化17】

【0128】
化合物8: N-シクロブチル-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【0129】
【化18】

【0130】
化合物9: 3-(tert-ブチルスルファニル)-N-[(5-メチル-2-フリル)メチル]プロパンアミド
【0131】
【化19】

【0132】
化合物10: 3-(tert-ブチルスルファニル)-N-(2-フリルメチル)プロパンアミド
【0133】
【化20】

【0134】
化合物11: 3-(シクロペンチルスルファニル)-N-[(5-メチル-2-フリル)メチル]プロパンアミド
【0135】
【化21】

【0136】
化合物12: 3-(シクロペンチルスルファニル)-N-(2-フリルメチル)プロパンアミド
【0137】
【化22】

【0138】
化合物13: 3-(tert-ブチルスルファニル)-N-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンアミド
【0139】
【化23】

【0140】
化合物14: 3-[(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロデシル)スルファニル]-N-{4-[(Z)-(4,7,7-トリメチル-3-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イリデン)メチル]ベンジル}プロパンアミド
【0141】
【化24】

【0142】
化合物15: N-[3-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-2-ヒドロキシ-5-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)ベンジル]-3-[(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロデシル)スルファニル]プロパンアミド
【0143】
【化25】

【0144】
化合物16: 13-「(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクチル)スルファニル」-N-{4-[(Z)-(4,7,7-トリメチル-3-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イリデン)メチル]ベンジル}プロパンアミド
【0145】
【化26】

【0146】
式(III)、(IV)、(V)、(VII)および(VIII)の1つを満たす本発明による新規な化合物の例としては、化合物1、2、3、4、5、7および8を挙げることができる。
【0147】
塩化されたまたは塩化されていないおよび/または溶媒和されたまたは溶媒和されていない式(I)の化合物は、以下に示す反応スキームによって製造することができる。
【0148】
【化27】

【0149】
製品(a)の1当量をアミン(b)の1.1当量と共に、ジクロロメタン/水酸化ナトリウム水溶液2相混合物中の溶液として混合する。反応を、室温で4時間行う。次いで反応媒体を放置して沈澱させる。ジクロロメタン相を分取し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥する。次いで、溶媒を蒸発除去して所望の化合物を結晶形態で得る。
【0150】
酸塩化物(a)は、市販品であるか、または以下の刊行物に基づいて2段階で調製する。
ステップ1
【0151】
【化28】

【0152】
例えば:
【0153】
【化29】

【0154】
Synthesis of Some Novel α,β-Ethylenic Sulfones、Reddy M. V. R.、Vijayalakshmi S.、Reddy D. B.、Reddy P. V. R、Phosphorus, Sulfur Silicon Relat. Elem. 60 (1991) 3-4、209〜214頁;
または別法として:
【0155】
【化30】

【0156】
Selective Preparation of β-Monoesters of Mercaptosuccinic Acid with Acid or Base Labile Sulfur Protecting Groups and Esters、Gustavson L. M.、Jones D. S.、Nelson J. S., Strinivasan, A.、Synth. Commun. 21 (1991) 2、249〜263頁;
または別法として:
【0157】
【化31】

【0158】
A Novel and Convenient Synthesis of E,E-Bis (styryl) sulfones and E,E-1,4-Diaryl-1,3-butadienes、Reddy M. V. R.、Manjubhashini A. B.、Reddy S.、Reddy P. V. R.、Reddy D. B.、Synth. Commun. 21 (1991) 15〜16、1589〜1596頁。
ステップ2:
【0159】
【化32】

【0160】
Simple and Convenient Procedure for the Preparation of Acid Chlorides of Penicillins,Mata E. G.、Boschetti C. E.、Mascaretti O. A.、Org. Prep. Proced. Int. 27 (1995) 2、229〜232頁。
【0161】
本出願人が知るところでは、式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物が、ヒトのケラチン線維、特にヒトの毛および睫毛の成長を誘発および/もしくは促進させる性質、ならびに/またはそれらの損失を止める性質、ならびに/または皮膚および/もしくはケラチン線維の色素沈着を促進する性質、ならびに/またはこれらの脱色素および/もしくは退色を制限する性質を有すること、ならびにこれらの化合物を、ヒトのケラチン線維の密度を増大させるためにおよび/もしくはこれらの退色を制限するために、より特別には毛および睫毛の密度を増大させるおよび/もしくは退色を制限するために使用することができることを、記載または示唆している先行技術文献はない。
【0162】
式(I)の(塩化されたまたは塩化されていない、および溶媒和されたまたは溶媒和されていない)化合物の有効量は、所望の結果を得るために(すなわちケラチン線維特に毛および睫毛の密度を増大させるために、またはこれらの成長を促進させるもしくは退色を軽減するために)必要な化合物の量に相当する。したがって、当業者には、使用する化合物の性質、これが塗布される個人、およびこれを塗布する時期に依存するこの有効量の値を決める能力がある。
【0163】
本明細書の以後の本文において、別途に言及しない限り、組成物中のさまざまな成分量は、組成物の全重量に対する重量パーセントで提示する。
【0164】
大きさの程度で言えば、本発明による、式(I)の(塩化されたまたは塩化されていない、および溶媒和されたまたは溶媒和されていない)化合物、または式(I)の(塩化されたまたは塩化されていない、および溶媒和されたまたは溶媒和されていない)化合物の混合物は、組成物の全重量の10-3〜10%の範囲の量で、好ましくは組成物の全重量の10-3〜5%、さらによくは10-2〜2%を代表する量で、例えば0.5%〜2%の量で使用することができる。
【0165】
本発明の組成物は、化粧品または薬剤としての使用のためのものであり得る。本発明の組成物は、好ましくは美容上の使用のためのものである。加えて、本組成物は、ヒトの頭皮およびまぶたを含む皮膚およびケラチン線維に塗布することができる、無毒性で、生理学的に許容される媒体を含有していなければならない。本発明の目的のための「化粧品」という用語は、心地よい外観、臭いおよび感触の組成物を意味する。
【0166】
式(I)の(塩化されたまたは塩化されていない、および溶媒和されたまたは溶媒和されていない)化合物は、摂取され、注射されまたは皮膚もしくはケラチン線維に(処置されるいかなる皮膚または線維の部分に対してでも)塗布されなければならない組成物中で使用することができる。
【0167】
本発明によれば、式(I)の化合物または式(I)の化合物の混合物は、1日当たり0.1~300mg、例えば5~10mg/日の量で、経口で使用することができる。
【0168】
本発明の好ましい組成物は、特に皮膚およびケラチン線維に対して、さらにとりわけ頭皮、毛および睫毛に対する局所的塗布のための化粧品組成物である。
【0169】
この組成物は、使用方式に対して適当な知られているどの提供形態であってもよい。
【0170】
皮膚またはケラチン線維への局所的な塗布のために、この組成物は水性、アルコール性または水-アルコール性溶液または懸濁物、または油性の懸濁物または溶液、エマルジョンまたは多少とも流動性の状態の分散体およびとりわけ水相中の脂肪分散体(O/W)または逆に(W/O)によって得られる液体または半液体の状態、固形の(O/W)または(W/O)エマルジョンまたは分散体、多少とも流動性または固形の水性、水性-アルコール性または油性のゲル、修飾されていない形態で使用されるかまたは生理学的に許容される媒体中に組み込まれるそのままの紛体または圧密紛体、またはその代わりにミクロカプセル、ミクロ粒子またはイオン性および/または非イオン性の小胞状分散体であってよい。
【0171】
フォームの形態またはその代わりに、加圧された噴射剤を含む、スプレーまたはエアロゾルの形態の組成物も構想することができる。
【0172】
これはまた、ローション、セラム、乳液、O/WまたはW/Oクリーム、ゲル、軟膏(unguent)、軟膏、パウダー、バーム、パッチ、含浸パッド、ケーキまたはフォームの形態でもよい。
【0173】
特に、頭皮または毛への塗布のための組成物は、例えば毎日または週に2回塗布用のヘアケアローションの形態、特に週2回または週1回使用のためのシャンプーまたはヘアコンディショナー、毎日使用のための頭皮洗浄用石鹸、ヘアスタイル整形用製品(ラッカー、ヘアセット製品またはスタイリングジェル)、トリートメントマスク、フォームジェル、または毛洗浄用クリームの形態でよい。これはまた、刷毛や櫛で塗布する毛染料(ヘアダイ)またはマスカラの形態でもよい。
【0174】
さらに、睫毛または体毛への塗布のためには、本発明を適用される組成物は、刷毛で睫毛あるいはあごひげまたは口ひげに塗布する、着色または無着色のマスカラの形態でよい。
【0175】
注射による使用のための組成物については、本組成物は水性ローションまたは油性懸濁液の形態であればよい。経口使用のためには、本組成物はカプセル、顆粒、飲用シロップまたは錠剤の形態であればよい。
【0176】
特定の一実施形態においては、本発明による組成物は、毛用のヘアクリームもしくはヘアローション、シャンプー、コンディショナーまたは毛もしくは睫毛用のマスカラの形態である。
【0177】
本発明による組成物の生理学的媒体のさまざまな成分の量は、検討中の分野において一般的に使用されているものである。加えて、これらの組成物は、通常の方法によって調製される。
【0178】
本組成物がエマルジョンである場合は、脂肪相は組成物の全重量に対して5重量%〜50重量%の範囲内であればよい。水相は、脂肪相、化合物(I)の含有量および任意選択の追加の成分の量にも応じて100%になるように調節する。実際には、水相は5重量%〜99.9重量%に相当する。
【0179】
脂肪相は、一般に油として知られている、室温(25℃)および大気圧(760mmHg)において液体である脂肪すなわち油を含有していればよい。これらの油は、相互に可溶性であってもよく、不溶であっても巨視的には均質な液体脂肪相または2相系または3相系を形成すればよい。
【0180】
油に加えて、脂肪相は、ワックス、ガム、親油性ポリマーまたは「ペースト状」もしくは固体部分および液体部分を含む粘ちょうな物質を含有していてもよい。
【0181】
水相は、水および水とあらゆる割合で混ざり合う成分、例えばエタノールもしくはイソプロパノールなどのC1〜C8 低級アルコール、ポリオール、例えばプロピレングリコール、グリセリンもしくはソルビトール、またはアセトンもしくはエーテルを場合により含有する。
【0182】
エマルジョン形態の組成物については、本組成物はこれをエマルジョン形態で得るための1つまたは複数の乳化剤を、1つまたは複数の共乳化剤と場合により合わせて含有すればよく、これらの乳化剤および共乳化剤は、美用品および医薬品において一般に使用されるものである。これらの性質は、エマルジョンの意味にも依存する。実際には、乳化剤および該当する場合は、共乳化剤は、組成物中に0.1重量%〜30重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%、さらによくは1重量%〜8重量%の割合で存在する。エマルジョンはまた、マイクロカプセルまたはマイクロ粒子、および小胞分散体および脂質小胞、特にリポソームを含んでいてもよい。
【0183】
本組成物が油性の溶液またはゲルである場合は、脂肪相は、組成物の全重量の90%超に相当する。
【0184】
毛用途に好都合には、本発明の組成物は、水性、アルコール性または水性-アルコール性溶液または懸濁物、よりよくは水/エタノール溶液または懸濁物である。アルコールの分率は5%〜99.9%、さらによくは8%〜80%に相当すればよい。
【0185】
マスカラ用途については、本発明の組成物は、特に水中ワックスまたは油中ワックス分散体、ゲル化油または水性ゲルであり、着色はしてもしなくてもよい。
【0186】
本発明の組成物はまた、検討中の分野において通常使用される他の追加成分を含んでいてもよく、これらは溶媒、水相溶媒または油相溶媒、増粘剤またはゲル化剤、組成物の媒体中に可溶な色素、充填剤または顔料などの固体粒子、酸化防止剤、金属封鎖剤、保存料、香料、電解質、中和剤、膜形成剤、UV遮断剤、例えば日焼け止め、式(I)の化合物およびそれらの混合物以外の、皮膚またはケラチン線維に対して有益な効果を有する化粧品および薬剤活性物質から選択される。これらの添加物は、組成物中に、美用品および皮膚科学において一般的に使用される量、特に組成物の全重量に対して0.01%~50%、さらによくは0.1%〜20%、例えば0.1%〜10%の割合で存在すればよい。これらの添加物は、その性質に応じて水相中、ならびに/または脂質小胞およびリポソーム中に導入すればよい。
【0187】
言うまでもないことであるが、当業者なら任意選択の追加成分および/またはこれらの量を、本発明の組成物の好都合な性質、すなわち15-PGDHの阻害および特にケラチン線維の密度の増大および/またはそれらの退色の低減が、想定されている添加によって著しい悪影響を受けないように、選択する配慮をするはずである。
【0188】
本発明において使用することができる溶媒としては、C2〜C8低級アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールおよびある種の軽質美容油例えばC6〜C16アルカンを挙げることができる。
【0189】
本発明において使用することができる油としては、鉱物起源の油(液体石油ゼリーまたは水素化イソパラフィン)、植物起源の油(シアバターの液体画分、ヒマワリ油、アプリコット油、脂肪アルコールまたは脂肪酸)、動物起源の油(パーヒドロスクワレン)、合成油(脂肪酸エステル、パーセリン油)、シリコーン油、(直鎖または環状ポリジメチルシロキサン、フェニルトリメチコン)およびフッ素油(パーフルオロポリエーテル)を挙げることができる。挙げることができるワックスには、シリコーンワックス、ミツロウ、ライスワックス、カンデリラワックス、カルナバワックス、パラフィンワックスおよびポリエチレンワックスが含まれる。
【0190】
本発明において使用することができる乳化剤として挙げることができる例には、W/Oエマルジョン用として、ステアリン酸グリセリン、ラウリン酸グリセリン、ステアリン酸ソルビトール、オレイン酸ソルビトール、アルキルジメチコンコポリオール(C8≦アルキル)およびこれらの混合物が含まれる。O/Wエマルジョン用には、ポリエチレン化したスソルビトールのステアリン酸またはオレイン酸エステル、およびジメチコンコポリオール、ならびにこれらの混合物も使用することができる。
【0191】
本発明において使用することができる親水性ゲル化剤としては、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)、アクリル系コポリマー例えばアクリレート/アルキルアクリレートコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリサッカリド例えばヒドロキシプロピルセルロース、天然ガムおよび粘土を挙げることができ、使用することができる親油性ゲル化剤としては改質粘土、例えばベントン、脂肪酸金属塩、例えばステアリン酸アルミニウム、疎水性処理したシリカおよびエチルセルロース、ならびにこれらの混合物を挙げることができる。
【0192】
本発明において使用することができる、式(I)の化合物以外の化粧品または薬剤活性物質としては、タンパク質、またはタンパク質加水分解物、アミノ酸、ポリオール、尿素、アラントイン、糖および糖誘導体、水溶性ビタミン、植物抽出物(アヤメ科植物からのまたは大豆からの)およびヒドロキシ酸例えば果実酸またはサリチル酸から選択された親水性活性物質、さらにレチノール(ビタミンA)およびこれの誘導体、特にエステル(パルミチン酸レチニル)、トコフェロール(ビタミンE)およびこれの誘導体、特にエステル(酢酸トコフェリル)、必須脂肪酸、セラミド、精油、サリチル酸誘導体、例えば5-n-オクタノイルサリチル酸、ヒドロキシ酸エステル、ならびにリン脂質、例えばレシチン、ならびにこれらの混合物などの親油性活性物質を挙げることができる。
【0193】
本発明の特定の一実施形態によれば、式(I)の化合物は、ケラチン線維(毛または睫毛)の成長を促進および/またはケラチン線維の損失を制限する、少なくとも1つの追加の活性化合物と併用することができる。これらの追加の化合物は、特に、欧州特許第0648488号に記載されているリポキシゲナーゼ阻害剤、特に欧州特許第0845700号に記載されているプロスタグランジンおよびその誘導体、特に国際公開第98/33497号、国際公開第95/11003号、特許第97-100091号および特許第96-134242号に記載されているもの、プロスタグランジン受容体のアゴニストまたはアンタゴニスト、欧州特許第1175891号、欧州特許第1175890号、国際公開第01/74307号、国際公開第01/74313号、国際公開第01/74314号、国際公開第01/74315号または国際公開第01/72268号に記載されている非プロスタンプロスタグランジン類似体およびそれらの混合物から選択される。
【0194】
本発明による組成物中に存在してもよい、ケラチン線維の成長を促進および/またはケラチン線維の損失を制限する、他の追加の活性化合物としては、抗アンドロゲン剤、シクロスポリンおよびその類似体、抗菌剤および抗真菌剤、抗炎症剤、および単独または混合物のレチノイドを挙げることができる。
【0195】
使用することができる血管拡張剤は、特にミノキシジルを含むカリウム管アゴニストであり、さらに米国特許第3382247号、米国特許第5756092号、米国特許第5772990号、米国特許第5760043号、米国特許第5466694号、米国特許第5438058号および米国特許第4973474号に記載されている化合物、クロマカリム、ニコランジルおよびジアキソジドの単独または混合物もある。
【0196】
使用することができる抗アンドロゲン剤には、ステロイド系および非ステロイド系5α-レダクターゼ阻害剤、例えばフィナステリドおよび米国特許第5516779号に記載されている化合物、酢酸シプロステロン(cyprosterone)、アゼライン酸およびその塩および誘導体、ならびに米国特許第5480913号に記載されている化合物、フルタミド、オキセンドロン、スピロノラクトン、ジエチルスチルベストロールおよび米国特許第5411981号、米国特許第5565467号および米国特許第4910226号に記載されている化合物が含まれる。
【0197】
抗菌性または抗真菌性化合物は、セレン誘導体、オクトピロックス、トリクロカルバン、トリクロサン、亜鉛ピリチオン、イトラコナゾール、アシアチン酸、ヒノキチオール、ミピロシン、テトラサイクリン、特にエリスロマイシンおよび欧州特許第0680745号に記載されている化合物、クリナイシン塩酸、クリニシン塩酸、過酸化ベンゾイルまたは過酸化ベンジル、ミノサイクリンおよびイミダゾール類に属する化合物、例えばエコナゾール、ケトコナゾールもしくはミコナゾールまたはこれらの塩、特にニコチン酸トコフェリルを含むニコチン酸エステル、ニコチン酸ベンジルおよびニコチン酸C1〜C6アルキル、例えばニコチン酸メチルまたはニコチン酸ヘキシルから選択することができる。
【0198】
抗炎症剤は、ステロイド系抗炎症剤、例えばグルココルチコイド、コルチコステロイド(例えばヒドロコルチゾン)および非ステロイド系抗炎症剤、例えばグリシルレチン酸およびα-ビサボロール、ベンジダミン、サリチル酸および欧州特許第0770399号、国際公開第94/06434号および仏国特許第2268523号に記載されている化合物から選択することができる。
【0199】
レチノイドは、イソトレチノイン、アシトレチン、タザロテン、レチナールおよびアダパレンから選択することができる。
【0200】
塩化されていてもいなくてもよく、また溶媒和されていてもいなくてもよい式(I)の化合物と併用することができる、毛の成長を促進および/または損失を制限するための活性化合物としては、アミネキシル、2,4-ピリジンジカルボン酸ジエチル、6-0-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイル]ヘキサピラノース、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、エストラジオール、マレイン酸クロルフェニラミン、クロロフィリン誘導体、コレステロール、システイン、メチオニン、メントール、ペパーミント油、パントテン酸カルシウム、パンテノール、レゾルシノール、タンパク質キナーゼC活性化剤、グリコシダーゼ阻害剤、グリコサミノグリカナーゼ阻害剤、ピログルタミン酸エステル、ヘキソサッカリドまたはアシルヘキソサッカリド、置換アリールエチレン、N-アシルアミノ酸、フラボノイド、アスコマイシン誘導体および類似体、ヒスタミンアンタゴニスト、サポニン、プロテオグリカナーゼ阻害剤、エストロゲンアゴニストおよびアンタゴニスト、シュードテリン、サイトカイン、成長因子促進剤、IL-1またはIL-6阻害剤、IL-10促進剤、TNF阻害剤、ベンゾフェノン、ヒダントイン、レチノン酸、ビタミン、例えばビタミンD、ビタミンB12類似体およびパントテノール;トリテルペン、例えばウルソル酸および米国特許第5529769号、米国特許第5468888号および米国特許第5631282号に記載されている化合物、抗痒疹剤、例えばテナルジン、トリメプラジンまたはシプロヘプタジン;駆虫剤、特にメトロニダゾール、クロタミトンまたはピレスロイド;カルシウムアンタゴニスト、例えばシンナリジン、ジルチアゼム、ニモジピン、ベラパミル、アルベリンおよびニフェジピン;ホルモン例えばエストリオールまたはその類似体、サイロキシンおよびその塩、およびプロゲステロン;FP受容体(F型プロスタグランジン受容体)アゴニスト例えばラタノプロスト、(5E)-7-{(1R,2R,3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-2-[(3R)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペンチル]シクロペンチル}ヘプト-5-エノイック酸、ビマトプロスト、トラボプロストまたはウノプロストン、その塩またはエステル;これらの混合物を挙げることができる。
【0201】
好都合には、本発明による組成物は、少なくとも1つの上記で規定された15-PGDH阻害剤および少なくとも1つのプロスタグランジンまたはプロスタグランジン誘導体、例えば塩またはエステル形態の2シリーズのプロスタグランジン特にPGF2-αおよびPGE2、これらの誘導体、例えば16,16-ジメチルPGE2-α、17-フェニルPGE2、16,16-ジメチルPGE2-α、17-フェニルPGF2-α、1シリーズのプロスタグランジン、例えば11-デオキシプロスタグランジンE1、塩またはエステル形態の1-デオキシプロスタグランジンE1、これの類似体、特にラタノプロスト、フルプロステノール、ビマトプロスト、クロプロステノール、ビプロストール、ブタプロスト、ミソプロストール、ウノプロストン、およびこれらの塩またはエステルを含む。
【0202】
本組成物は、好都合には少なくとも1つの、特に欧州特許第1175892号に記載されているような、非プロスタンEP2および/またはEP4受容体アゴニストを含有する。
【0203】
少なくとも、塩化されいるかまたは塩化されておらず、溶媒和されているかまたは溶媒和されていない、式(I)の化合物を含む組成物に関しては、カプセル化特に国際公開第94/22468号文書に記載されているようなリポソームの形態でカプセル化されることを想定してもよい。そうすることによって、カプセル化された化合物を選択的に毛包に送達することができる。
【0204】
本発明による組成物は、皮膚の処置する部分、特に頭皮の脱毛のある部分および個人の毛に、または白髪だけに塗布し、場合により数時間接触させておき、また場合によりすすぎ落とせばよい。
【0205】
塩化されているかまたは塩化されておらず、溶媒和されているかまたは溶媒和されていない、式(I)の化合物を含有する組成物は、例えば夕方塗布し、夜の間ずっと接触させて置き、朝に場合によりシャンプーで落とせばよい。これらの塗布は、個人によって1カ月または複数カ月かの間毎日繰り返せばよい。
【0206】
好都合には、本発明による方法では、15-PGDH阻害剤を0.001%〜5%含む前記で規定された溶液または組成物5μL〜500μLを、手入れまたは処置をする頭皮の部分および/または毛に塗布する。
【0207】
決して本発明の範囲を限定するものではない、本発明の模範的な実施形態を、例示のために以下に提示する。
【0208】
(実施例)
(実施例1)
N-[(5-メチル-2-フリル)メチル]-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド(化合物1)の合成:
合成スキーム:
【0209】
【化33】

【0210】
手順:
氷浴上で冷却した3-メチルチオプロピオニルクロリド(27.1mL、235mM)のメチレンクロリド500mL溶液に、窒素下で5-メチルフルフリルアミン(28mL、250mM)の無水ピリジン(21mL、260mM)溶液を15分間かけて滴下する。反応媒体を24時間撹拌する。次いで反応媒体を1N塩酸水溶液(100mLで3回)、次いで1N水酸化ナトリウム水溶液、および次いで水(100mLで3回)で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで溶媒を真空下で蒸発除去する。生成物を熱水で洗浄する。冷却すると生成物は固化する。得られた個体を細かく分割し、次いで水200mL中で2時間撹拌する。次いで固体をろ別し、乾燥して白色粉末41.94g(収率=84%)を得る。
構造解析:
核磁気共鳴:得られたスペクトルは目論んだ構造と合致している:
1H NMR (DMSO-d6): 2.04 (s, 3H); 2.22 (d, 3H); 2.39 (t, 2H); 2.65 (t, 2H); 4.19 (d, 2H); 5.97 (dd, 1H); 6.09 (d, 1H); 8.27 (t, 1H)。
質量分光分析:ESI+およびESI-による分析は、予想される生成物C10H15NO2S、M=213の分子量を確認することを可能にする([M+H]+、[M+Na]+、[M+H+CH2OH]+、[2M+Na]+、[M-H]-およびフラグメント[M+H-C4H9NOS]+の検出)。
【0211】
(実施例2、9、10、11、および12)
化合物2、9、10、11および12は、化合物1の合成法と類似の合成方法によって合成することができる。
【0212】
(実施例2)
構造解析:
核磁気共鳴:得られたスペクトルは目論んだ構造と合致している:
1H NMR (DMSO-d6): 2.04 (s, 3H); 2.40 (t, 2H); 2.66 (t, 2H); 4.25 (d, 2H); 6.24 (m, 1H); 6.38 (dd, 1H); 7.56 (dd, 1H); 8.27 (t, 1H)。
質量分光分析:ESI+およびESI-による分析は、予想される生成物C9H13NO2S、M=199の分子量を確認することを可能にする([M+H]+、[M+Na]+、[M+NaCH3OH]+、[2M+H]+、[2M+Na]+、[M-H]'および[M+CH3COO]-の検出)。
【0213】
(実施例3)
N-(4-メトキシベンジル)-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド(化合物3)の合成:
反応スキーム:
【0214】
【化34】

【0215】
手順:
3-メチルチオプロピオニルクロリド(1g、7.25mM)を、ジクロロメタン(20mL)/水酸化ナトリウム(10mL 、0.8M)混合物中に溶解させた4-メトキシベンジルアミン(1.1g、8mM)に、室温で撹拌しながら加える。反応を1時間監視し、次いで沈澱させ、有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粗製オイル(1.91g)を得る。このオイルを、ジクロロメタン/メタノール99/1混合物で溶出させるシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーによって精製して白色粉末形態の化合物3を得る(収率=80%)。
分析:
元素分析:
計算値:C 60.2; H 7.2; N 5.9; O 13.4; S 13.4
分析値:C 60.15; H 7.17; N 5.81; O 13.30; S 13.22
核磁気共鳴:得られたスペクトルは目論んだ構造と合致している:
1H NMR (DMSO-d6): 2.05 (s, 3H); 2.41 (t, 2H); 2.67 (t, 2H); 3.72 (s, 3H); 4.2 (d, 2H); 6.87 (d, 2H); 7.18 (d, 2H); 8.28 (t, 1H)。
【0216】
(実施例4)
N-ヘキシル-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド(化合物4)の合成:
反応スキーム:
【0217】
【化35】

【0218】
手順:
3-メチルチオプロピオニルクロリド(21mL、182mM)を、ヘキシルアミン(26.5mL、200mM)およびトリエチルアミン(28.1mL、200mM)のジクロロメタン溶液に、室温で撹拌しながら加える。反応媒体を2時間撹拌する。次いで反応混合物を塩酸(1N)で洗浄し、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して無色のオイルを得る。このオイルを蒸留して冷たい条件下では結晶化する液体を得る(30.00g、収率=81%)。
構造解析:
核磁気共鳴:得られたスペクトルは目論んだ構造と合致している:
1H NMR (DMSO-d6): 0.86 (t, 3H); 1.25 (m, 6H); 1.38 (m, 2H); 2.04 (s, 3H); 2.33 (t, 2H); 2.63 (t, 2H); 3.02 (m, 2H); 7.8 (t, 1H)。
質量分光分析:擬分子イオン[M+H]+ 、[M+Na]+、[M+Na+CH3OH]+、[2M+H]+、[2M+Na]+、[M-H]-、および予想される分子C10H21NOSのフラグメントイオン[C5H11NO+H]+(m/z、ESP+=102で検出される)も主に検出される。
【0219】
(実施例5)
3-(メチルスルファニル)-N-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンアミド(化合物5)の合成:
反応スキーム:
【0220】
【化36】

【0221】
手順:
氷浴上で冷却した3-メチルチオプロピオニルクロリド(26mL、225mM)のメチレンクロリド500mL溶液に、窒素下で2-(トリフルオロメチル)アニリン(31mL、248mM)の無水トリエチエルアミン(35mL、284mM)溶液を15分間かけて滴下する。反応媒体を16時間撹拌する。次いで反応媒体を1N塩酸水溶液(100mLで3回)、次いで1N水酸化ナトリウム水溶液、および次いで水(100mLで3回)で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで溶媒を真空下で蒸発除去する。得られた生成物を減圧下で蒸留してオイルを得る。このオイルは冷たい条件下では固化してベージュ色の固体39.20gが得られる(収率=66%)。
構造解析:
核磁気共鳴:得られたスペクトルは目論んだ構造と合致している:
1H NMR (DMSO-d6): 2.1 (s, 3H); 2.64 (m, 2H); 2.73 (d, 1H); 2.75 (dd, 1H); 7.44 (d, 1H); 7.48 (m, 1H); 7.67 (m, 1H); 7.72 (d, 1H); 9.58 (s, 1H)。
質量分光分析:予想される分子C11H12F3NOSの擬分子イオン[M+H]+ 、[M+Na]+、[M+Na+CH3OH]+、[2M+Na]+、[M-H]-が主に検出される。
【0222】
(実施例6、7、8および13)
化合物6、7、8および13は、化合物5の合成法と類似の合成方法によって合成することができる。
【0223】
(実施例7)
構造解析:
核磁気共鳴:得られたスペクトルは目論んだ構造と合致している:
1H NMR (CDCl3): 2.08 (s, 3H); 2.45 (t, 2H); 2.76 (t, 2H); 4.42 (d, 1H); 5.91 (se, 1H); 7.28 (m, 5H)。
質量分光分析:ESI+およびESI-による分析は、予想される生成物C12H17NOS、M=223の分子量を確認することを可能にする([M+H]+、[M+Na]+、[2M+H]+、[2M+Na]+、[M-H]-の検出)。
【0224】
(実施例8)
構造解析:
核磁気共鳴:得られたスペクトルは目論んだ構造と合致している:
1H NMR (DMSO-d6): 1.6 (m, 2H); 1.83 (m, 2H); 2.03 (s, 3H); 2.12 (m, 2H); 2.3 (t, 2H); 2.61 (t, 2H); 4.16 (m, 1H); 8.11 (d, 1H)。
質量分光分析:ESI+およびESI-による分析は、予想される生成物C8H15NOS、M=173の分子量を確認することを可能にする([M+H]+、[M+Na]+ の検出)。
【0225】
(実施例14および15)
化合物14および15の合成は、欧州特許出願第652210号に記載されているものである。
【0226】
(実施例16)
化合物16は、化合物14に対するものと類似の合成方法によって合成することができる。
【0227】
(実施例17)
式(I)の化合物の15-PGDHに特異的な阻害性の実証:
1) 15-PGDHに関する試験
酵素15-PGDHは、L'Orealの仏国特許出願第02/05067号に記載されているとおり、0.3mg/mLの濃度に調節され、次いで-80℃でブロックされた媒体中の懸濁物として入手する。試験の目的のためには、この懸濁物を解凍し、氷の中で貯蔵する。
【0228】
並行して、ジチオスレイトール(D5545、Sigma-Aldrich、L'isle D'Abeau Chesne、英国局方701, 38297、Saint Quentin Fallavier)0.1mM、β-NAD(N6522、Sigma-Aldrich、L'isle D'Abeau Chesne、英国局方701, 38297、Saint Quentin Fallavier)1.5mMおよびプロスタグランジンE2(P4172、Sigma-Aldrich、L'isle D'Abeau Chesne、英国局方701, 38297、Saint Quentin Fallavier)50μMを含有する100mM、pH7.4のトリス緩衝液を調製する。
【0229】
この緩衝液0.965mL(あらかじめ37℃にしておく)を、37℃の恒温に維持されている分光光度計(Perkin-Elmer、Lambda 2)のキュベットに導入し、計器の測定波長を340nmに設定する。酵素の懸濁液0.035mLをキュベットに導入し、同時に記録する(340nmにおける光学密度の増加に対応する)。最大の反応速度が記録される。
【0230】
(化合物(I)を含有する)試験値が(化合物(I)を含まない)対照値と比較され、表示される結果は、式(I)の化合物が15-PGDHの酵素活性を50%低下させる濃度、つまりIC50dhを表す。
【0231】
2) PGFシンターゼに関する試験
酵素PGFSは、仏国特許第A-02/05067号文書に記載されているように、濃度が0.5mg/mLで、-80℃でブロックされた適当な媒体中の懸濁液として入手する。試験の目的のためには、この懸濁物を解凍し、氷の中で貯蔵する。
【0232】
並行して、9,10-フェナンスレンキノン(P2896、Sigma-Aldrich、L'isle D'Abeau Chesne、英国局方701, 38297、Saint Quentin Fallavier)0.1mM、β-NAD(N1630、Sigma-Aldrich、L'isle D'Abeau Chesne、英国局方701, 38297、Saint Quentin Fallavier)20μMおよびβ-NADPH(N1630、Sigma-Aldrich、L'isle D'Abeau Chesne、英国局方701, 38297、Saint Quentin Fallavier)100μMを含有する100mM、pH7.4のトリス緩衝液を褐色フラスコ中(光からの保護)で調製する。*力価1mMの原液を無水アルコール中で調製し、40℃にする;フラスコは成分の溶解を促進するために超音波キュベット中に置く。
【0233】
この緩衝液0.950mL(あらかじめ37℃にしておく)を、37℃の恒温に維持されている分光光度計(Perkin-Elmer、Lambda 2)のキュベットに導入し、計器の測定波長を340nmに設定する。37℃の酵素の懸濁液0.05mLをキュベットに導入し、同時に記録する(340nmにおける光学密度の増加に対応する)。最大の反応速度が記録される。
【0234】
(化合物(I)を含有する)試験値が(化合物(I)を含まない)対照値と比較され、表示される結果は、式(I)の化合物がPGFSの酵素活性を50%低下させる濃度、つまりIC50fsを表す。
【0235】
結果を下表に示す。
【0236】
【表1】

【0237】
さらに、化合物5は100μMにおいて15-PGDHを21%の割合まで阻害する。
【0238】
この表から、化合物1〜8は確かに15-PGDH阻害剤である。さらにこれらは15-PGDHをPGFSよりも効率的にかつ選択的に阻害する:IC50dhはIC50fsよりも低い。
【0239】
以下の組成物は、化粧品または医薬品の分野において一般的に使用されている通常の技法によって得られるものである。
【0240】
配合例のそれぞれにおいて、毛の損失を軽減するためおよび/または毛の成長を促進するために、頭皮に対して一日に1回または2回の塗布として使用することができる流体が得られる。
【0241】
(実施例18)
ヘアローション
実施例1の化合物 1.00g
プロピレングリコール 30.00g
エチルアルコール 40.00g
水 100.00gとなる量
【0242】
このローションは、頭皮に対して一日に1回または2回塗布し、1回当たり1mLずつ塗布する。このローションは、毛の損失を低減することおよび毛の再成長を促進することを可能にする;これはまた毛を再着色させることならびに白および/またはグレーの毛を隠すことをも可能にする。
【0243】
(実施例19)
ヘアローション
化合物1 1.00g
プロピレングリコール 30.00g
エチルアルコール 40.00g
水 100.00gとなる量
【0244】
このローションは、頭皮に対して一日に1回または2回塗布し、1回当たり1mLずつ、活性物質を中に浸透させるように頭皮をやさしくマッサージすることによって塗布する。次いで毛のある頭をオープンエアで乾燥させる。このローションは、毛の損失を低減することおよび毛の再成長を促進すること、ならびにグレーおよび/または白い毛を再着色させることを可能にする。
【0245】
(実施例20)
ワックス/水 マスカラ
蜜蝋 6.00%
パラフィンワックス 13.00%
水素化ホホバオイル 2 %
水溶性膜形成ポリマー 3 %
ステアリン酸トリエタノールアミン 8 %
化合物1 1 %
黒色顔料 5 %
保存料 必要量
水 100 %となる量
【0246】
このマスカラは、標準的なマスカラと同様に、刷毛で睫毛に塗布する。これは、睫毛の再成長および再着色を促進する。
【0247】
(実施例21)
ヘアローション
実施例1の化合物 1.00g
ラタノプロスト 0.10g
プロピレングリコール 30.00g
エチルアルコール 40.00g
水 100.00gとなる量
【0248】
このローションは、頭皮に対して一日に1回または2回塗布し、1回当たり1mLずつ、活性物質を中に浸透させるように頭皮をやさしくマッサージすることによって塗布する。次いで毛のある頭をオープンエアで乾燥させる。このローションは、毛の損失を低減することおよび毛の再成長を促進すると同時に毛を再着色させることを可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の少なくとも1つの式(I):
【化1】

[式中、
a)R1およびR2は、独立に
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C1
4)少なくとも1個の置換基A2で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C2
を表し、
b)R3は、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A3で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
c)A1は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3)次式を有する基
【化2】

[-W=O、NH、S、
-X=O、NH、C1〜C6 N-アルキル、
-Y=C1〜C4アルキル、C1〜C6アルコキシ、NH2、C1〜C6NH-アルキル、C1〜C6N-ジアルキル]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)ピロール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジン、オキサジアゾール、ピリジン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピリミジン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、モルホリン、キノリン、イソキノリン、2-チオヒダントイン、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-チアゾールおよびピリドンから選択され、少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy1
6)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されており、かつ炭化水素に基づく環または複素環C6に場合により縮合している不飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
d)A2は、
1)フッ素原子、
2)式CF3、CN、OR、SR、NRR'、COR、COOR、CONRR'、NRCOR'、NRCONR'R"、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3) 少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されたC1〜C20アルキル基
を表し、
e)A3は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)式(II)の基
【化3】

[W、XおよびYは上記と同じ意味を有する]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5または少なくとも1個の置換基A4で場合により置換され、かつN、OおよびSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子ならびにこれらの組合せを含む複素環Hy2
を表し、
f)A4は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)C1〜C20アルキル基、または
4)環C6が別の環C7に場合により縮合しており、これらの環が少なくとも1つのヘテロ原子を場合により含んでへテロ環Hy2を形成している環C6
を表し、
g)R、R'およびR"は、同一または異なって、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和C1〜C6アルキル基、または
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5
4)N、SおよびOから選択された少なくとも1つのヘテロ原子またはその組合せを含み、かつ少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy2
を表す]
の3-スルファニルプロパンアミド化合物、またはその塩、および/もしくは溶媒和物の、ケラチン線維、特にヒトのケラチン線維の成長を誘発および/もしくは促進するための、ならびに/またはそれらの損失を停止させ、および/もしくはそれらの密度を増大させるための薬剤としての使用。
【請求項2】
少なくとも1つの式(I):
【化4】

[式中、
a)R1およびR2は、独立に
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C1
4)少なくとも1個の置換基A2で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C2
を表し、
b)R3は、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A3で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
c)A1は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3)次式を有する基
【化5】

[-W=O、NH、S、
-X=O、NH、C1〜C6 N-アルキル、
-Y=C1〜C4アルキル、C1〜C6アルコキシ、NH2、C1〜C6NH-アルキル、C1〜C6N-ジアルキル]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)ピロール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジン、オキサジアゾール、ピリジン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピリミジン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、モルホリン、キノリン、イソキノリン、2-チオヒダントイン、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-チアゾールおよびピリドンから選択され、少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy1
6)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されており、かつ炭化水素に基づく環または複素環C6に場合により縮合している不飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
d)A2は、
1)フッ素原子、
2)式CF3、CN、OR、SR、NRR'、COR、COOR、CONRR'、NRCOR'、NRCONR'R"、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されたC1〜C20アルキル基
を表し、
e)A3は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)式(II)の基
【化6】

[W、XおよびYは上記と同じ意味を有する]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5または少なくとも1個の置換基A4で場合により置換され、かつN、OおよびSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子ならびにこれらの組合せを含む複素環Hy2
を表し、
f)A4は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)C1〜C20アルキル基、または
4)環C6が別の環C7に場合により縮合しており、これらの環が少なくとも1つのヘテロ原子を場合により含んでへテロ環Hy2を形成している環C6
を表し、
g)R、R'およびR"は、同一または異なって、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和C1〜C6アルキル基、または
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5
4)N、SおよびOから選択された少なくとも1つのヘテロ原子またはその組合せを含み、かつ少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy2
を表す]
の3-スルファニルプロパンアミド化合物、またはその塩、および/もしくは溶媒和物の、ケラチン線維、特にヒトのケラチン線維用組成物であって、それらの成長を誘発および/または促進するための、それらの損失を停止させ、および/またはそれらの密度を増大させるための、美容上の手入れおよび/またはメーキャップ用組成物における使用。
【請求項3】
少なくとも1つの式(I):
【化7】

[式中、
a)R1およびR2は、独立に
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C1
4)少なくとも1個の置換基A2で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C2
を表し、
b)R3は、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A3で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
c)A1は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3)次式を有する基
【化8】

[-W=O、NH、S、
-X=O、NH、C1〜C6 N-アルキル、
-Y=C1〜C4アルキル、C1〜C6アルコキシ、NH2、C1〜C6NH-アルキル、C1〜C6N-ジアルキル]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)ピロール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジン、オキサジアゾール、ピリジン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピリミジン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、モルホリン、キノリン、イソキノリン、2-チオヒダントイン、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-チアゾールおよびピリドンから選択され、少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy1
6)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されており、かつ炭化水素に基づく環または複素環C6に場合により縮合している不飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
d)A2は、
1)フッ素原子、
2)式CF3、CN、OR、SR、NRR'、COR、COOR、CONRR'、NRCOR'、NRCONR'R"、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3) 少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されたC1〜C20アルキル基
を表し、
e)A3は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)式(II)の基
【化9】

[W、XおよびYは上記と同じ意味を有する]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5または少なくとも1個の置換基A4で場合により置換され、かつN、OおよびSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子ならびにこれらの組合せを含む複素環Hy2
を表し、
f)A4は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)C1〜C20アルキル基、または
4)環C6が別の環C7に場合により縮合しており、これらの環が少なくとも1つのヘテロ原子を場合により含んでへテロ環Hy2を形成している環C6
を表し、
g)R、R'およびR"は、同一または異なって、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和C1〜C6アルキル基、または
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5
4)N、SおよびOから選択された少なくとも1つのヘテロ原子またはその組合せを含み、かつ少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy2
を表す]
の3-スルファニルプロパンアミド化合物、またはその塩、および/もしくは溶媒和物の、ケラチン線維、特にヒトのケラチン線維用組成物であって、それらの成長を誘発および/もしくは促進すること、ならびに/またはそれらの損失を停止させ、および/もしくはそれらの密度を増大させることを意図する、手入れおよび/または処置用組成物の製造のための使用。
【請求項4】
有効量の少なくとも1つの式(I):
【化10】

[式中、
a)R1およびR2は、独立に
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C1
4)少なくとも1個の置換基A2で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C2
を表し、
b)R3は、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A3で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
c)A1は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3)次式を有する基
【化11】

[-W=O、NH、S、
-X=O、NH、C1〜C6 N-アルキル、
-Y=C1〜C4アルキル、C1〜C6アルコキシ、NH2、C1〜C6NH-アルキル、C1〜C6N-ジアルキル]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)ピロール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジン、オキサジアゾール、ピリジン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピリミジン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、モルホリン、キノリン、イソキノリン、2-チオヒダントイン、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-チアゾールおよびピリドンから選択され、少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy1
6)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されており、かつ炭化水素に基づく環または複素環C6に場合により縮合している不飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
d)A2は、
1)フッ素原子、
2)式CF3、CN、OR、SR、NRR'、COR、COOR、CONRR'、NRCOR'、NRCONR'R"、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3) 少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されたC1〜C20アルキル基
を表し、
e)A3は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)式(II)の基
【化12】

[W、XおよびYは上記と同じ意味を有する]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5または少なくとも1個の置換基A4で場合により置換され、かつN、OおよびSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子ならびにこれらの組合せを含む複素環Hy2
を表し、
f)A4は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)C1〜C20アルキル基、または
4)環C6が別の環C7に場合により縮合しており、これらの環が少なくとも1つのヘテロ原子を場合により含んでへテロ環Hy2を形成している環C6
を表し、
g)R、R'およびR"は、同一または異なって、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和C1〜C6アルキル基、または
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5
4)N、SおよびOから選択された少なくとも1つのヘテロ原子またはその組合せを含み、かつ少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy2
を表す]
の3-スルファニルプロパンアミド化合物、またはその塩、および/もしくは溶媒和物の、皮膚および/またはケラチン線維、特にヒトの皮膚および/またはケラチン線維の色素沈着を誘発および/もしくは促進するための、ならびに/またはそれらの脱色素および/もしくは退色を制限するための薬剤としての使用。
【請求項5】
少なくとも1つの式(I):
【化13】

[式中、
a)R1およびR2は、独立に
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C1
4)少なくとも1個の置換基A2で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C2
を表し、
b)R3は、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A3で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
c)A1は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3)次式を有する基
【化14】

[-W=O、NH、S、
-X=O、NH、C1〜C6 N-アルキル、
-Y=C1〜C4アルキル、C1〜C6アルコキシ、NH2、C1〜C6NH-アルキル、C1〜C6N-ジアルキル]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)ピロール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジン、オキサジアゾール、ピリジン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピリミジン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、モルホリン、キノリン、イソキノリン、2-チオヒダントイン、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-チアゾールおよびピリドンから選択され、少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy1
6)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されており、かつ炭化水素に基づく環または複素環C6に場合により縮合している不飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
d)A2は、
1)フッ素原子、
2)式CF3、CN、OR、SR、NRR'、COR、COOR、CONRR'、NRCOR'、NRCONR'R"、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3) 少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されたC1〜C20アルキル基
を表し、
e)A3は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)式(II)の基
【化15】

[W、XおよびYは上記と同じ意味を有する]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5または少なくとも1個の置換基A4で場合により置換され、かつN、OおよびSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子ならびにこれらの組合せを含む複素環Hy2
を表し、
f)A4は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)C1〜C20アルキル基、または
4)環C6が別の環C7に場合により縮合しており、これらの環が少なくとも1つのヘテロ原子を場合により含んでへテロ環Hy2を形成している環C6
を表し、
g)R、R'およびR"は、同一または異なって、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和C1〜C6アルキル基、または
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5
4)N、SおよびOから選択された少なくとも1つのヘテロ原子またはその組合せを含み、かつ少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy2
を表す]
の3-スルファニルプロパンアミド化合物、またはその塩、および/もしくは溶媒和物の、皮膚および/またはケラチン線維、特にヒトの皮膚および/またはケラチン線維用組成物であって、前記皮膚および/または前記ケラチン線維の色素沈着を誘発および/もしくは促進するための、ならびに/またはそれらの脱色素および/もしくは退色を制限するための、美容上の手入れおよび/またはメーキャップ用組成物における使用。
【請求項6】
少なくとも1つの式(I):
【化16】

[式中、
a)R1およびR2は、独立に
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C1
4)少なくとも1個の置換基A2で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C2
を表し、
b)R3は、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A3で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
c)A1は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3)次式を有する基
【化17】

[-W=O、NH、S、
-X=O、NH、C1〜C6 N-アルキル、
-Y=C1〜C4アルキル、C1〜C6アルコキシ、NH2、C1〜C6NH-アルキル、C1〜C6N-ジアルキル]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)ピロール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジン、オキサジアゾール、ピリジン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピリミジン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、モルホリン、キノリン、イソキノリン、2-チオヒダントイン、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-チアゾールおよびピリドンから選択され、少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy1
6)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されており、かつ炭化水素に基づく環または複素環C6に場合により縮合している不飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
d)A2は、
1)フッ素原子、
2)式CF3、CN、OR、SR、NRR'、COR、COOR、CONRR'、NRCOR'、NRCONR'R"、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されたC1〜C20アルキル基
を表し、
e)A3は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)式(II)の基
【化18】

[W、XおよびYは上記と同じ意味を有する]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5または少なくとも1個の置換基A4で場合により置換され、かつN、OおよびSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子ならびにこれらの組合せを含む複素環Hy2
を表し、
f)A4は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)C1〜C20アルキル基、または
4)環C6が別の環C7に場合により縮合しており、これらの環が少なくとも1つのヘテロ原子を場合により含んでへテロ環Hy2を形成している環C6
を表し、
g)R、R'およびR"は、同一または異なって、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和C1〜C6アルキル基、または
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5
4)N、SおよびOから選択された少なくとも1つのヘテロ原子またはその組合せを含み、かつ少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy2
を表す]
の3-スルファニルプロパンアミド化合物、またはその塩、および/もしくは溶媒和物の、ケラチン線維、特にヒトの皮膚および/またはケラチン線維用組成物であって、前記皮膚および/または前記線維の色素沈着を誘発および/もしくは促進すること、ならびに/またはそれらの脱色素および/もしくは退色を制限することを意図する、手入れおよび/または処置用組成物の製造のための使用。
【請求項7】
少なくとも1つの式(I):
【化19】

[式中、
a)R1およびR2は、独立に
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C1
4)少なくとも1個の置換基A2で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C2
を表し、
b)R3は、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A3で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
c)A1は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3)次式を有する基
【化20】

[-W=O、NH、S、
-X=O、NH、C1〜C6 N-アルキル、
-Y=C1〜C4アルキル、C1〜C6アルコキシ、NH2、C1〜C6NH-アルキル、C1〜C6N-ジアルキル]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)ピロール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジン、オキサジアゾール、ピリジン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピリミジン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、モルホリン、キノリン、イソキノリン、2-チオヒダントイン、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-チアゾールおよびピリドンから選択され、少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy1
6)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されており、かつ炭化水素に基づく環または複素環C6に場合により縮合している不飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
d)A2は、
1)フッ素原子、
2)式CF3、CN、OR、SR、NRR'、COR、COOR、CONRR'、NRCOR'、NRCONR'R"、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3) 少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されたC1〜C20アルキル基
を表し、
e)A3は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)式(II)の基
【化21】

[W、XおよびYは上記と同じ意味を有する]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5または少なくとも1個の置換基A4で場合により置換され、かつN、OおよびSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子ならびにこれらの組合せを含む複素環Hy2
を表し、
f)A4は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)C1〜C20アルキル基、または
4)環C6が別の環C7に場合により縮合しており、これらの環が少なくとも1つのヘテロ原子を場合により含んでへテロ環Hy2を形成している環C6
を表し、
g)R、R'およびR"は、同一または異なって、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和C1〜C6アルキル基、または
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5
4)N、SおよびOから選択された少なくとも1つのヘテロ原子またはその組合せを含み、かつ少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy2
を表す]
の3-スルファニルプロパンアミド化合物、またはその塩、および/もしくは溶媒和物の、15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ、特にそのタイプ-1を阻害する薬剤としての使用。
【請求項8】
少なくとも1つの式(I):
【化22】

[式中、
a)R1およびR2は、独立に
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A1で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C1
4)少なくとも1個の置換基A2で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C2
を表し、
b)R3は、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A3で場合により置換されたC1〜C20アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
c)A1は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3)次式を有する基
【化23】

[-W=O、NH、S、
-X=O、NH、C1〜C6 N-アルキル、
-Y=C1〜C4アルキル、C1〜C6アルコキシ、NH2、C1〜C6NH-アルキル、C1〜C6N-ジアルキル]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)ピロール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジン、オキサジアゾール、ピリジン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピリミジン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、モルホリン、キノリン、イソキノリン、2-チオヒダントイン、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-チアゾールおよびピリドンから選択され、少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy1
6)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されており、かつ炭化水素に基づく環または複素環C6に場合により縮合している不飽和炭化水素に基づく環C3
を表し、
d)A2は、
1)フッ素原子、
2)式CF3、CN、OR、SR、NRR'、COR、COOR、CONRR'、NRCOR'、NRCONR'R"、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2Rの基、
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されたC1〜C20アルキル基
を表し、
e)A3は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)式(II)の基
【化24】

[W、XおよびYは上記と同じ意味を有する]、
4)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和炭化水素に基づく環C4
5)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5または少なくとも1個の置換基A4で場合により置換され、かつN、OおよびSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子ならびにこれらの組合せを含む複素環Hy2
を表し、
f)A4は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)C1〜C20アルキル基、または
4)環C6が別の環C7に場合により縮合しており、これらの環場合により少なくとも1つのヘテロ原子を含んでへテロ環HY2を形成している環C6
を表し、
g)R、R'およびR"は、同一または異なって、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和C1〜C6アルキル基、または
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5
4)N、SおよびOから選択された少なくとも1つのヘテロ原子またはその組合せを含み、かつ少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy2
を表す]
の3-スルファニルプロパンアミド化合物、またはその塩、および/もしくは溶媒和物の、タイプ-1 15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼと関連する障害を処置することを意図する、ヒトの皮膚および/またはケラチン線維の手入れおよび/または処置のための組成物の製造のための使用。
【請求項9】
ヒトのケラチン線維が、頭髪、眉、睫毛、あごひげ、口ひげ、陰毛、および爪であることを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の使用。
【請求項10】
毛髪の損失を減少させるための、ならびに/またはその密度を増大させるための、ならびに/またはアンドロクロノ遺伝性脱毛症を処置するための、ならびに/または自然脱毛症を処置するための、ならびに/または毛髪の脱色素および/もしくは退色を軽減するためのヒトの毛髪を手入れするための化粧品組成物における、請求項1に記載の少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物、またはその塩、および/もしくは溶媒和物の美容上の使用。
【請求項11】
毛髪の成長を誘発および/もしくは促進すること、ならびに/またはその損失を停止させること、および/もしくはその密度を増大させること、ならびに/またはアンドロゲン性脱毛症を処置すること、ならびに/または自然脱毛症を処置すること、ならびに/または毛髪の色素沈着を誘発および/もしくは促進すること、ならびに/またはその脱色素および/もしくは退色を制限することを意図する、ヒトのヘアケア組成物の調製のための、請求項1に記載の少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物、またはその塩、および/もしくは溶媒和物の使用。
【請求項12】
睫毛の成長を誘発および/または促進するために、および/またはそれらの密度を増大させるために、および/またはそれらの退色を軽減させるために、ヒトの睫毛を手入れまたはメーキャップするための化粧品組成物における、請求項1に記載の少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物、またはその塩、および/もしくは溶媒和物の美容上の使用。
【請求項13】
睫毛の成長を誘発および/もしくは促進すること、ならびに/またはそれらの密度を増大させること、ならびに/またはそれらの色素沈着を誘発および/もしくは促進すること、ならびに/またはそれらの脱色素および/もしくは退色を制限することを意図する、ヒトの睫毛を手入れおよび/または処置するための組成物の調製のための、請求項1に記載の少なくとも1つの式(I)の3-スルファニルプロパンアミド化合物、またはその塩、および/もしくは溶媒和物の使用。
【請求項14】
前記複素環Hy2が、以下の複素環:アゼチジン、ピロール、ジヒドロピロール、ピロリジン、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、イミダゾール、ジヒドロイミダゾール、イミダゾリジン、ジヒドロチアゾール、チアゾール、チアゾリジン、ピラゾール、ジヒドロピラゾール、ピラゾリジン、オキサゾール、ジヒドロオキサゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾール、ジヒドロイソオキザゾール、イソオキサゾール、ジヒドロイソオキザゾール、イソオキサゾリジン、イソチアゾール、ジヒドロイソチアゾール、イソチアゾリジン、トリアゾール、ジヒドロトリアゾール、トリアゾリジン、オキサジアゾール、ジヒドロオキサジアゾール、オキサジアゾリジン、チアジアゾール、ジヒドロチアジアゾール、チアジアゾリジン、テトラゾール、ピリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピリミジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、モルホリン、アゼピン、ジアゼピンの1つを表すことを特徴とする、請求項1から13の一項に記載の使用。
【請求項15】
Hy2が、以下の化合物:ピロール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジン、オキサジアゾール、ピリジン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピリミジン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、モルホリン、キノリン、イソキノリン、2-チオヒダントイン、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-チアゾールまたはピリドンの1つを表すことを特徴とする、請求項1から14の一項に記載の使用。
【請求項16】
R1およびR2のうちの1つが、水素を表すことを特徴とする、請求項1から15の一項に記載の使用。
【請求項17】
R1が、直鎖もしくは分岐、飽和もしくは不飽和のC1〜C10アルキル基、または飽和もしくは不飽和の炭化水素に基づく環を表し、この基またはこの環は不飽和炭化水素に基づく環または複素環C5で置換されており、この環C5自体は1つまたは複数の置換基A1で場合により置換されていることを特徴とする、請求項1から16の一項に記載の使用。
【請求項18】
A1が、
直鎖または分岐、飽和または不飽和のC1~C10アルキル基、
C1〜C6アルコキシ基、
アリール環
から選択されることを特徴とする、請求項1から17の一項に記載の使用。
【請求項19】
A1が、メチル基、エチル基、およびメトキシ基、ならびにフェニル環、およびナフチル環から選択されることを特徴とする、請求項1から18の一項に記載の使用。
【請求項20】
R3が、直鎖または分岐、飽和または不飽和のC1〜C10アルキル基、または飽和もしくは不飽和の炭化水素に基づく環を表すことを特徴とする、請求項1から19の一項に記載の使用。
【請求項21】
R3が、メチル基、tert-ブチル基、シクロペンチル基、およびシクロヘキシル基から選択されることを特徴とする、請求項1から20の一項に記載の使用。
【請求項22】
前記化合物が、水和物形態であることを特徴とする、請求項1から21の一項に記載の使用。
【請求項23】
前記化合物が、下記の式(Ia)
【化25】

[式中、R1およびR3は上記と同じ定義を有する]
を有するか、またはその対応する塩および/もしくは溶媒和物であることを特徴とする、請求項1から22の一項に記載の使用。
【請求項24】
前記化合物が、以下の式(III)、(IV)、(V)、(VII)および(VIII)
【化26】

[式中、Qは、
a)少なくとも1個のZ基で置換されたフェニル基;または
b)少なくとも1個のZ基で場合により置換されたピリミジン、キノリン、イソキノリン、ピロール、フランまたはチオフェンから選択された芳香族複素環
を表し、
Zは、
フッ素、
CF3、CN、OR、SR、NRR'、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2R、SiRR'R"の基、RおよびR'は前記と同じ意味を有する、
式(II)の基
【化27】

(W、XおよびYは前記と同じ意味を有する)、
少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されたC1〜C10アルキル基
を表し、
Tは、
a)メチル、エチル、n-ブチル、イソブチルおよびtert-ブチルから選択された飽和アルキル基;または
b)飽和C4〜C6炭化水素に基づく環
を表す]、
【化28】

の1つを有することを特徴とする、請求項1から23の一項に記載の使用。
【請求項25】
前記式(I)の化合物の前記塩が、ナトリウム塩およびカリウム塩、アンモニウム塩、亜鉛(Zn2+)塩、カルシウム(Ca2+)塩、銅(Cu2+)塩、鉄(Fe2+およびFe3+)塩、ストロンチウム(Sr2+)塩、マグネシウム(Mg2+)塩およびマンガン(Mn2+)塩、ならびにトリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、ヘキサデシルアミン塩、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン塩、トリス-ヒドロキシメチルアミノメタン塩、水酸化物、ハロゲン化水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、硫酸塩、リン酸塩およびリン酸水素塩から選択されることを特徴とする、請求項1から24の一項に記載の使用。
【請求項26】
前記式(I)の化合物が、以下の式
化合物1: N-[(5-メチル-2-フリル)メチル]-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化29】

化合物2: N-(2-フリルメチル)-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化30】

化合物3: N-(4-メトキシベンジル)-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化31】

化合物4: N-ヘキシル-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化32】

化合物5: 3-(メチルスルファニル)-N-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンアミド
【化33】

化合物6: N-ベンジル-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化34】

化合物7: 3-(メチルスルファニル)-N-(1-フェニルエチル)プロパンアミド
【化35】

化合物8: N-シクロブチル-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化36】

の1つを満たすことを特徴とする、請求項1から25の一項に記載の使用。
【請求項27】
前記式(I)の化合物または式(I)の化合物の混合物が、組成物の全重量に対して10-3%〜5%の範囲の濃度で使用されることを特徴とする、請求項1から26の一項に記載の使用。
【請求項28】
前記組成物が、局所的な塗布のための組成物であることを特徴とする、請求項1から27の一項に記載の使用。
【請求項29】
生理学的に許容される媒体および以下の式(III)、(IV)、(V)、(VII)および(VIII)
【化37】

[式中、Qは、
a)少なくとも1個のZ基で置換されたフェニル基;または
b)少なくとも1個のZ基で場合により置換されたピリミジン、キノリン、イソキノリン、ピロール、フランまたはチオフェンから選択された芳香族複素環
を表し、
Zは、
フッ素、
CF3、CN、OR、SR、NRR'、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2R、SiRR'R"の基、
式(II)の基
【化38】

[-W=O、NH、S、
-X=O、NH、C1〜C6 N-アルキル、
-Y=C1〜C4アルキル、C1〜C6アルコキシ、NH2、C1〜C6 NH-アルキル、C1〜C6 N-ジアルキルである]
少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されたC1〜C10アルキル基
を表し、
R、R'およびR''は、同一または異なってよく、
1)水素原子、
2)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和C1〜C6アルキル基、
3)少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5
4)N、SおよびOから選択された少なくとも1つのヘテロ原子、ならびにこれらの組合せを含み、かつ少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy2
を表し、
A4は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)C1〜C20アルキル基、または
4)別の環C7に場合により縮合している環C6、これらの環は少なくとも1つのヘテロ原子を場合により含んでへテロ環Hy2を形成している
を表し、
Tは、
a)メチル、エチル、n-ブチル、イソブチルおよびtert-ブチルから選択された飽和アルキル基;または
b)飽和C4〜C6炭化水素に基づく環
を表す]
【化39】

の1つに対応する少なくとも1つの3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の有効量を含有する、皮膚および/またはケラチン線維を手入れおよび/またはメーキャップするための局所的塗布用組成物。
【請求項30】
前記式(I)の化合物の前記塩が、ナトリウム塩およびカリウム塩、アンモニウム塩、亜鉛(Zn2+)塩、カルシウム(Ca2+)塩、銅(Cu2+)塩、鉄(Fe2+およびFe3+)塩、ストロンチウム(Sr2+)塩、マグネシウム(Mg2+)塩およびマンガン(Mn2+)塩、ならびにトリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩、ヘキサデシルアミン塩、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン塩、トリス-ヒドロキシメチルアミノメタン塩、水酸化物、ハロゲン化水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、硫酸塩、リン酸塩およびリン酸水素塩から選択されることを特徴とする、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記式(I)の化合物が以下の式
化合物1: N-[(5-メチル-2-フリル)メチル]-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化40】

化合物2: N-(2-フリルメチル)-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化41】

化合物3: N-(4-メトキシベンジル)-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化42】

化合物4: N-ヘキシル-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化43】

化合物5: 3-(メチルスルファニル)-N-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンアミド
【化44】

化合物6: N-ベンジル-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化45】

化合物7: 3-(メチルスルファニル)-N-(1-フェニルエチル)プロパンアミド
【化46】

化合物8: N-シクロブチル-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化47】

の1つを満たすことを特徴とする、請求項29および30のいずれかに記載の組成物。
【請求項32】
前記式(I)の化合物または式(I)の化合物の混合物が、前記組成物の全重量に対して10-3%〜5%の範囲の濃度で使用されることを特徴とする、請求項29から31の一項に記載の組成物。
【請求項33】
ヘアクリームもしくはヘアローション、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアマスカラまたは睫毛マスカラの形態であることを特徴とする、請求項29から32の一項に記載の組成物。
【請求項34】
溶媒、水相溶媒または油相増粘剤またはゲル化剤、組成物の媒体中に可溶な色素、充填剤、顔料、酸化防止剤、金属封鎖剤、保存料、香料、電解質、中和剤、膜形成ポリマー、UV遮断剤、式(I)の化合物およびそれらの混合物以外の美容または薬剤活性物質から選択される他の成分を含有することを特徴とする、請求項29から33の一項に記載の組成物。
【請求項35】
タンパク質、タンパク質加水分解物、アミノ酸、ポリオール、尿素、アラントイン、糖および糖誘導体、水溶性ビタミン、植物抽出物、ヒドロキシ酸、レチノール、トコフェロール、レチノールまたはトコフェロール誘導体、必須脂肪酸、セラミド、精油、サリチル酸誘導体、例えば5-n-オクタノイルサリチル酸、ヒドロキシ酸エステル、ならびにリン脂質、ならびにこれらの混合物から選択された少なくとも1つの活性物質も含有することを特徴とする、請求項29から34の一項に記載の組成物。
【請求項36】
ケラチン線維の再成長を促進させるおよび/または損失を制限する、少なくとも1つのさらなる活性物質を含むことを特徴とする、請求項29から35の一項に記載の組成物。
【請求項37】
前記さらなる活性物質が、アミネキシル、2,4-ピリジンジカルボン酸ジエチル、6-0-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイル]ヘキサピラノース、リポキシゲナーゼ阻害剤、ブラジキニン阻害薬、プロスタグランジンおよびその誘導体、プロスタグランジン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、非プロスタンプロスタグランジン類似体、血管拡張剤、抗アンドロゲン剤、シクロスポリンおよびその類似体、抗微生物剤、抗炎症剤、レチノイド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、エストラジオール、マレイン酸クロルフェニラミン、クロロフィリン誘導体、コレステロール、システイン、メチオニン、メントール、ペパーミントオイル、パントテン酸カルシウム、パンテノール、レゾルシノール、プロテインキナーゼC活性化剤、グリコシダーゼ阻害薬、グリコサミノグリカナーゼ阻害薬、ピログルタミン酸エステル、ヘキソサッカリジック酸またはアシルヘキソサッカリック酸、置換アリールエチレン、N-アシルアミノ酸、フラボノイド、アスコマイシン誘導体および類似体、ヒスタミンアンタゴニスト、サポニオン、プロテオグリカナーゼ阻害薬、エストロゲンアゴニストおよびアンタゴニスト、シュードテリン、サイトカインおよび成長因子促進剤、IL-1またはIL-6阻害薬、IL-10促進剤、TNF阻害薬、ビタミン類、ベンゾフェノン、ヒダントイン、レチノン酸、抗痒疹剤、駆虫薬、抗カビ剤、カルシウムアンタゴニスト、ホルモン、トリテルペン、抗アンドロゲン薬、ステロイド系または非ステロイド系5-α-レダクターゼ阻害薬、カリウム管アゴニストおよびFP受容体アゴニスト、およびこれらの混合物
から選択されることを特徴とする、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
アミネキシル、FP受容体アゴニスト、プロスタグランジンおよびその誘導体、ならびに血管拡張剤から選択される、ヒトのケラチン線維の再成長を促進させ、および/またはケラチン線維の損失を制限する少なくとも1つの追加の活性化合物を含有することを特徴とする、請求項29から37の一項に記載の組成物。
【請求項39】
前記追加の活性化合物が、アミネキシル、ミノキシジル、ラタノプロスト、(5E)-7-{(1R,2R,3R,5S)-3,5-ジ-ヒドロキシ-2-[(3R)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペンチル]シクロペンチル}-ヘプト-5-エン酸、ブタプロスト、トラボプロスト、2,4-ピリジンジカルボン酸ジエチルおよび6-0-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイル]ヘキサピラノースから選択されることを特徴とする、請求項29から38の一項に記載の組成物。
【請求項40】
ヒトのケラチン線維および/または皮膚、特にそこから前記ケラチン線維が生える皮膚を処置するための美容方法であって、請求項1から28に記載の少なくとも1つの式(1)の化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物を含む化粧品組成物を、前記線維および/または前記皮膚に塗布する段階と、前記組成物を前記ケラチン線維および/または前記皮膚と接触させておく段階とであることを特徴とする方法。
【請求項41】
その状態および/またはその外観を改善するために、ヒトの睫毛を手入れおよび/またはメーキャップする美容方法であって、請求項1から28に記載の少なくとも1つの式(1)の化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物を含むマスカラ組成物を、睫毛および/またはまぶたに塗布する段階と、前記組成物を前記睫毛および/または前記まぶたと接触させておく段階とであることを特徴とする方法。
【請求項42】
その状態および/またはその外観を改善するために、ヒトの毛および/または頭皮を手入れする美容方法であって、請求項1から28に記載の少なくとも1つの式(1)の化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の有効量を含む化粧品組成物を、毛および/または頭皮に塗布する段階と、前記組成物を前記毛および/または前記頭皮と接触させておく段階と、毛および/または頭皮を場合によりすすぐ段階とであることを特徴とする方法。
【請求項43】
その状態および/またはその外観を改善するために、ヒトの皮膚を処置する方法であって、請求項1から28に記載の少なくとも1つの式(1)の化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の有効量を含む化粧品組成物を、皮膚に塗布する段階と、前記組成物を前記皮膚と接触させておく段階と、それを場合によりすすぐ段階とであることを特徴とする方法。
【請求項44】
以下の式(III)、(IV)、(V)、(VII)および(VIII)
【化48】

[式中、Qは、
a)少なくとも1個のZ基で置換されたフェニル基;または
b)少なくとも1個のZ基で場合により置換されたピリミジン、キノリン、イソキノリン、ピロール、フランまたはチオフェンから選択された芳香族複素環
を表し、
Zは、
フッ素、
CF3、CN、OR、SR、NRR'、SO2NRR'、NRSO2R'、SO2R、SiRR'R"の基、
式(II)の基
【化49】

[-W=O、NH、S、
-X=O、NH、C1〜C6 N-アルキル、
-Y=C1〜C4アルキル、C1〜C6アルコキシ、NH2、C1〜C6NH-アルキル、C1〜C6N-ジアルキル、
-少なくとも1個の置換基A4で場合により置換されたC1〜C10アルキル基]
を表し、
R、R'およびR''は、同一または異なってよく、
1) 水素原子、
2) 少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された飽和C1〜C6アルキル基、
3) 少なくとも1個の置換基A4で場合により置換された不飽和炭化水素に基づく環C5
4) N、SおよびOから選択された少なくとも1つのヘテロ原子ならびにこれらの組合せを含み、かつ少なくとも1個の置換基A4で置換されている可能性がある複素環Hy2
を表し、
A4は、
1)フッ素原子、
2)CF3、CN、OR、SR、NRR'の基、
3)C1〜C20アルキル基、または
4)別の環C7に場合により縮合している環C6、これらの環は少なくとも1つのヘテロ原子を場合により含んでへテロ環Hy2を形成している
を表し、
Tは、
a)メチル、エチル、n-ブチル、イソブチルおよびtert-ブチルから選択された飽和アルキル基;または
b)飽和C4〜C6炭化水素に基づく環
を表す]
【化50】

の1つを満たすことを特徴とする、3-スルファニルプロパンアミド化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物。
【請求項45】
以下の式
化合物1: N-[(5-メチル-2-フリル)メチル]-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化51】

化合物2: N-(2-フリルメチル)-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化52】

化合物3: N-(4-メトキシベンジル)-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化53】

化合物4: N-ヘキシル-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化54】

化合物5: 3-(メチルスルファニル)-N-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンアミド
【化55】

化合物7: 3-(メチルスルファニル)-N-(1-フェニルエチル)プロパンアミド
【化56】

化合物8: N-シクロブチル-3-(メチルスルファニル)プロパンアミド
【化57】

の1つを満たすことを特徴とする、請求項44に記載の化合物。

【公表番号】特表2008−528539(P2008−528539A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552609(P2007−552609)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001545
【国際公開番号】WO2006/079568
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】