説明

気相成長装置

【課題】反応管に対する内挿管および回転軸の中心軸の倒れとズレを調整可能とし、内挿管や回転軸等の部品交換前後での成長膜厚のバラツキを低減し得る気相成長装置を提供する。
【解決手段】この気相成長装置1は、反応管10の下流側でこれに内嵌する内挿管20のフランジを挟持するジョイント26、スペーサ27およびキャップ28が、それぞれ調整代をもつ締結構造を有する締結面で相互に締結されており、さらに、ジョイント26およびスペーサ27、並びに、スペーサ27およびキャップ28は、それぞれ互いに当接する締結面同士の、一方の面と他方の面とが、反応管10の中心軸上を中心とする凹球面を有する面と、同じく凸球面を有する面と、でそれぞれ形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体結晶を成長させる気相成長装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウムリン(InP)等のIII−V族化合物半導体を成長させる方法として、有機金属気相成長法(MOVPE法)やハイドライド気相成長法(HVPE法)等の気相成長法が知られている。近年、III−V族化合物半導体のうち、窒化ガリウム(GaN)をはじめとする窒化物系III−V族化合物半導体が、紫外から緑色の発光素子、レーザ素子用の材料、高耐圧・高周波用電子デバイス用材料に好適なものとして注目されている。特にHVPE法を用いると、高品質の窒化物系III−V族化合物半導体単結晶を高い反応速度で成長させることができ、GaN基板の製造方法として注目されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
そこで、本願出願人は、このHVPE法を用いる窒化ガリウムの気相成長装置を開発して、例えば特許文献2に記載の気相成長装置を先に提案した。
この特許文献2に記載の技術では、例えば図6に概略構成例を示すように、気相成長装置100は、管内に保持された基板18上で半導体結晶膜を成長させる反応管10を備えて構成されている。この反応管10の下流側(同図での右側)の端部にはフランジ11が形成されており、この反応管10のフランジ11に、ジョイント260を介してキャップ280が締結されることによって反応管10の端部側が閉塞されている。さらに、反応管10の下流側には、端部にフランジ210を有する内挿管200がその円筒部220を内装されて二重管構造をなしており、この内挿管200のフランジ210が、ジョイント260とキャップ280との間に挟まれて反応管10に対し支持されている。そして、キャップ280には、内挿管200内に向けて延びる回転軸46を保持する磁気シールロータ62が外方から締結されている。なお、回転軸46は、内挿管200に設けられた支持部材24によって支持されることで、その位置を保持可能になっている。そして、この回転軸46には、その先端側に軸受管64が外側から嵌合しており、軸受管64の先端側に基板18を保持するためのサセプタ66が装着されており、これらサセプタ66、軸受管64、回転軸46、および磁気シールロータ62によって基板保持構造が構成されている。
【0004】
さらに、反応管10内の上流側(同図での左側)にはガリウム化合物生成管14と水素化合物供給管(不図示)が設置されている。そして、ガリウム化合物生成管14は、その先端に、基板18と対向する先細形状の吹出し口16を有しており、この吹出し口16には不図示の可動ノズルが装着されている。
【0005】
ここで、この特許文献2に記載の技術を例に、その反応管10の端部側の閉塞部分を、図7を参照しつつより詳しく説明すると、反応管10には、そのフランジ11の端部側の平面に合わせてジョイント260が組付けられており、その端部側の平面に、内挿管200、キャップ280が順に組付けられている。さらに、これらジョイント260およびキャップ280の締結面は、内挿管200のフランジ210に対する自身の円筒部220の倒れによって、反応管10と内挿管200とが接触することがないように、反応管10の中心軸に垂直な取り付け平面上でのネジ穴部に設けた、いわゆるバカ穴等でその調整代の範囲内でずらしながら位置調整が可能な、調整代をもつ締結構造を有する面になっている。また、回転軸46および内挿管200の支持部材24の位置調整についても同様に、回転軸46を組み込んだ磁気シールロータ62をキャップ280の取り付け平面の調整代の範囲内でずらしながら、回転軸46が軸受管64を介して内挿管200の支持部材24に支えられるように組付け調整可能な調整代をもつ締結構造を有する締結面になっている。
【特許文献1】特開2001−181097号公報
【特許文献2】特願2004−073124号(未公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この種の気相成長装置では、装置の稼働によって、内挿管200や回転軸46の表面に、窒化ガリウムやガリウムおよびその塩化物等が析出物として付着する。そのため、これら析出物が付着した部品を定期的に取り外して洗浄を行なう必要がある。なお、通常、内挿管200や回転軸46は各々に交換部品を用意しておき、洗浄時にはその交換部品を組み込んで気相成長装置100を運転することで、装置の稼働率が低下しないようにしている。
【0007】
ここで、上述の、内挿管200や回転軸46は、熱透過性や自身の耐熱・耐腐食性等を考慮して、石英を加工、熱処理して製作するのが一般的であり、これら内挿管200や回転軸46は、通常1m程度の全長を有している。特に、内挿管200については、熱加工によって製作することから、そのフランジ210と円筒部220との直角度、同軸度および円筒度に高い製作精度を求めることは極めて難しい。また、これらの部品は、上述の洗浄の繰り返しによって消耗するため、その耐用期間に限りがある。したがって、その清掃や部品交換で部品を取り外した後に別部品を組付ける際には、部品間の製作誤差のバラツキを吸収するための調整作業が必要となる。
【0008】
この調整作業の手順を、図7を参照しつつ説明すれば、まず、反応管10のフランジ11の面に合わせてジョイント260を組付け、次に、内挿管200、キャップ280を順に組み込んでいく。この際、内挿管200のフランジ部に対する自身の円筒部の倒れにより、反応管10と内挿管200とが接触することがないように、ジョイント260およびキャップ280を、その調整代の範囲内でずらしながら位置調整を行なう。また、回転軸46および内挿管200の支持部材24の位置調整についても同様に、その取り付け平面の調整代の範囲内でずらしながら組付け調整を行なう。
【0009】
しかしながら、これらの調整作業は、全て各部品の取り付け平面上での平行移動によるものである。そのため、図8(a)に示すように、反応管10の中心軸CLに対し、実際の軸の位置SPを、中心軸CLと同軸となる本来の位置RPに調整し、軸直方向でのズレ量Wを補正しようとしても、実際の軸の位置SPは軸直方向での移動のみでは、図8(b)に示すように、例えばズレ量Wを振り分けにして、上下に各W/2とする調整はできるものの、その倒れ自体を修正することはできない。したがって、上記例示の構成では、反応管10と内挿管200とが接触することがないように、図8(c)に示すように、反応管10と内挿管200との隙間を大きく取らざるを得ず、その分だけ反応管10の径が大きくなる。これにより、原料効率が低くなり、また、反応管10と内挿管200との隙間に析出物が入り込んで溜まり易くなるので、これによる析出物を頻繁に清掃する必要があった。
【0010】
また、回転軸46の位置は、内挿管200に設けられた支持部材24の位置で決まるので、内挿管200の円筒部220の倒れが大きいと、回転軸46の先端部に取り付けたサセプタ66を、その必要な配置である、反応管10の中心軸CLと垂直かつ中心近傍に精度よく配置することが困難となる。そのため、サセプタ66の表面に到達するガスの流れが部品交換の前後で一定にならず、結果として成長膜厚にバラツキが生じ易いという問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、反応管に対する内挿管の中心軸の倒れとズレを調整可能とし、内挿管や回転軸等の部品交換前後での成長膜厚のバラツキを低減し得る気相成長装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、管内に保持された基板上で半導体結晶膜を成長させる反応管と、この反応管内に挿入される内挿管と、この内挿管内に挿入されて基板を保持するサセプタを先端側に装着可能な回転軸を保持する磁気シールロータと、を備え、これら反応管、内挿管および磁気シールロータが、直接または、他のジョイント部材およびスペーサ部材の少なくとも一つを介して、調整代をもつ締結構造を有する締結面で相互に締結されてなる気相成長装置において、前記内挿管は、一の互いに当接する締結面同士が、それぞれ平面で形成されて反応管の中心軸に垂直な面上で移動可能に構成されるとともに、他の互いに当接する締結面同士の、一方の面と他方の面とが、反応管の中心軸上を中心とする凹球面を有する面と凸球面を有する面とでそれぞれ形成されて反応管の中心軸上の回転中心まわりで回転可能に構成されていることを特徴としている。
【0012】
本発明によれば、少なくとも内挿管を、反応管の中心軸に垂直な面上で移動可能に構成されるとともに、上記球面をもつ相対部品との相互の締結面同士によって、反応管の中心軸上の回転中心まわりで回転可能なので、反応管に対する内挿管の中心軸の倒れとズレを調整することができる。これにより、反応管と内挿管との中心軸を合わせるように調整することができるので、両者間の隙間を極力小さくして原料効率の向上および析出物の入り込み量の低減が可能となる。したがって、内挿管や回転軸等の部品交換前後での成長膜厚のバラツキを低減させることができる。
【0013】
ここで、本発明に係る気相成長装置は、下流側の端部にフランジを有して管内に保持された基板上で半導体結晶膜を成長させる反応管と、この反応管のフランジに締結される円環状のジョイントと、このジョイントに締結されてその締結面とは反対側の面の内周側に係合凹部を有する円環状のスペーサと、このスペーサの係合凹部に係合するフランジを有して反応管内に挿入される内挿管と、この内挿管のフランジをスペーサとの間で挟持可能にスペーサに締結されるキャップと、このキャップに締結されて、キャップの中央の挿通孔から内挿管内に挿入されて基板を保持するサセプタを先端側に装着可能な回転軸を保持する磁気シールロータと、を備え、反応管のフランジおよびジョイント、並びに、キャップおよび磁気シールロータの締結面同士は、それぞれ調整代をもつ締結構造を有するとともに、反応管の中心軸に垂直な面上で移動可能に構成されており、さらに、ジョイントおよびスペーサ、並びに、スペーサおよびキャップの締結面同士は、それぞれ調整代をもつ締結構造を有するとともに、互いに当接する締結面同士の、一方の面と他方の面とが、反応管の中心軸上を中心とする凹球面を有する面と凸球面を有する面とでそれぞれ形成されて反応管の中心軸上の回転中心まわりで回転可能に構成されていることが好ましい。
【0014】
このような構成とすれば、ジョイントとスペーサとの締結面同士、およびスペーサとキャップとの締結面同士が、それぞれ上記球面で形成されており、それぞれ調整代をもつ締結構造で締結されているので、スペーサおよびキャップを個々に、反応管の中心軸上の回転中心まわりで回転可能であり、また、ジョイントと磁気シールロータとは、従来同様、中心軸に垂直な取り付け平面上での平行移動による位置調整が行えるので、個別に中心軸の倒れとズレを調整可能とする上で好適である。そして、回転軸の軸の傾斜と位置も同様に個別に調整できるので、回転軸の先端部に取り付けたサセプタを反応管の中心に精度良く配置する上で好適であり、これによって部品交換前後の成長膜圧のバラツキを低減させることができる。
【0015】
また、本発明に係る気相成長装置は、下流側の端部にフランジを有して管内に保持された基板上で半導体結晶膜を成長させる反応管と、この反応管のフランジにその中心軸に垂直な面上で位置調整可能に締結されるとともに、その締結される側とは反対側の面に前記中心軸上の任意の点を中心とする第一の半径をもつ第一の凸球面を有する円環状のジョイントと、このジョイント側にその第一の凸球面と当接してこれに同じ第一の半径をもつ第一の凹球面を有し且つその面上で位置調整可能に締結されるとともに、ジョイントとは反対側での内周側には係合凹部およびその外周側には前記第一の半径とは同心且つこれより大きい第二の半径をもつ第二の凸球面を有する円環状のスペーサと、このスペーサの係合凹部に係合し且つスペーサとは反対側の面が前記中心軸上を中心とする第二の半径をもつ第三の凸球面で形成されるフランジを有して前記反応管内に挿入される内挿管と、スペーサの第二の凸球面および内挿管のフランジの第三の凸球面にそれぞれ当接してこれらに同じ第二の半径をもつ第二の凹球面を有してその面上で位置調整可能にスペーサに締結されるキャップと、キャップ中央の挿通孔に挿通されて内挿管内に向けて延びる回転軸を保持するとともに、前記中心軸に垂直な面上で位置調整可能にキャップに締結される磁気シールロータと、回転軸に外側から嵌合する軸受管と、この軸受管の先端側に設けられて基板を保持するサセプタと、を備えた構成とすることが好ましい。
【0016】
このような構成とすれば、ジョイントとスペーサとの間の締結面同士、およびスペーサとキャップとの間の締結面同士が、それぞれ上記球面で形成されており、それぞれ調整代をもつ締結構造で締結されているので、スペーサおよびキャップを個々に、反応管の中心軸上の回転中心まわりで回転可能であり、また、ジョイントと磁気シールロータとは、従来同様、中心軸に垂直な取り付け平面上での平行移動による位置調整が行えるので、個別に中心軸の倒れとズレを調整可能とする上でより好適である。そして、回転軸の軸の傾斜と位置も同様に個別に調整できるので、回転軸の先端部に取り付けたサセプタを反応管の中心に精度良く配置する上で好適であり、これによって部品交換前後の成長膜圧のバラツキをより低減させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、反応管に対する、内挿管の中心軸の倒れとズレを調整可能とし、内挿管や回転軸等の部品交換前後での成長膜厚のバラツキを低減し得る気相成長装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る気相成長装置の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、上述した本願出願人による先の気相成長装置と同様の構成部分には、同一符号を附してある。また、基板保持構造については、上述の気相成長装置と同様であるのでその図示および説明は適宜省略する。
図1に示すように、この気相成長装置1は、管内に保持された基板18(同図では不図示)上で半導体結晶膜を成長させる反応管10を備えている。この反応管10は、冷却水を循環可能な冷却用の配管を周囲に有するとともに、断熱材(不図示)で外部を覆われており、その後端近傍には、冷却水の取水口12および排水口13が適宜の位置に付設されている。反応管10は、下流側(図1の右側)の端部にフランジ11を有している。そして、この反応管10のフランジ11に、円環状のジョイント26およびスペーサ27をこの順に介してキャップ28が装着されており、このキャップ28により反応管10の下流側端部が閉塞されている。
【0019】
さらに、この気相成長装置1には、反応管10の下流側に、後端にフランジ21を有する内挿管20がその円筒部22を端部側から内挿されて二重管構造をなしている。内挿管20は、同図に示すように、そのフランジ21がスペーサ27とキャップ28の間に挟まれて支持されている。
キャップ28には、その中央に挿通孔28aが貫通形成されており、その挿通孔28a後方から、石英を加工、熱処理して製作された回転軸46が挿入されている。そして、この回転軸46の後端には、キャップ28の外方から、磁気シールロータ62が取り付けられている。
【0020】
この磁気シールロータ62は、その内部に、金属製(例えば、SUS製)で中空円筒状の駆動軸40が挿入されている。そして、駆動軸40は、その円筒内面が回転軸46の挿通孔をなしており、これに挿通された回転軸46の後端部が駆動軸40の挿通孔から後方に延びている。そして、駆動軸40の後端部に設けられた螺子式の固定具48で駆動軸40と回転軸46とが相互に固定されている。これにより、磁気シールロータ62は、内装されている駆動軸40を介して回転軸46を回転可能に支承しつつ駆動軸40とキャップ28との間をシールしている。さらに、キャップ28は、その下部が下方へ延出しており、その延出部分がブラケット36に装着されている。そして、そのブラケット36上にモータ68が設置されており、モータ68の出力軸はベルト70、プーリ72、74等を介して後方に突出した上記の駆動軸40を介して回転軸46を回転可能に連結されて駆動部を構成している。また、ブラケット36は、リニアガイド等を備えるスライド移動装置80上に載置されており、これにより、ジョイント26を反応管10から切り離した状態で、ジョイント26、スペーサ27、キャップ28および内挿管20、並びに磁気シールロータ62を含みこれに連結される基板保持構造、さらに、基板18並びにモータ68等の駆動部が一体となって反応管10の軸方向へスライド移動可能に構成されている。
【0021】
ここで、反応管10内に位置する回転軸46の先端側は、上述の気相成長装置100と同様の構成である。すなわち、この気相成長装置1においても、反応管10内の上流側(図1での左側)には、図6に示すように、回転軸46の先端部には軸受管64が装着されている。そして、この軸受管64を、内挿管20の内周面上に設けられた支持部材24が所定位置に支承している。さらに、軸受管64の先端には、上記気相成長装置100同様にサセプタ66が装着されており、このサセプタ66が複数枚の基板18を反応管10内の下流側で保持している。そして、反応管10内の上流側には、図1では不図示のガリウム化合物生成管14と水素化合物供給管(不図示)が設置されており、ガリウム化合物生成管14の先端は基板18と対向する先細形状の吹出し口16を有している。また、反応管10の外周には、ガリウム化合物生成管14を加熱する第1の加熱手段(不図示)と基板18を加熱する第2の加熱手段(不図示)とがそれぞれ設けられている。さらに、キャップ28中央の挿通孔28aには、不活性ガス供給口32から窒素が供給されて、挿通孔28a後方の段部による閉空間30内に充満した窒素により、窒化ガリウム、ガリウム化合物及びアンモニアが、挿通孔28aと回転軸46との隙間や磁気シールロータ62内へ侵入して析出することを防止可能になっている。
【0022】
次に、上記反応管10の後端部分での反応管10、内挿管20および磁気シールロータ62相互の締結面、およびその締結構造についてより詳しく説明する。
図1に示すように、反応管10のフランジ11とジョイント26とは、複数のボルト6によって固定されている。
詳しくは、円環状のジョイント26は、その周方向に等間隔に設けられた複数のネジ穴部26dを有している。そして、反応管10のフランジ11には、そのジョイント26のネジ穴部26dに対向する位置に取り付け穴11dがそれぞれ設けられている。なお、フランジ11には、ボルト6の締結部分より内周側に、円環状にシール溝が加工されており、このシール溝にOリングがシール部材として装着されている。ここで、同図(a)に示すように、フランジ11の取り付け穴11dは、ボルト6の径より大きい径の、いわゆるバカ穴になっている。これにより、ジョイント26は、反応管10に対し、ボルト6で取り付け穴11dを通してネジ穴部26dで締結されるとともに、径大な取り付け穴11dの範囲で反応管10の中心軸CLに垂直な面上で位置調整可能になっている。
【0023】
さらに、ジョイント26は、図1(a)に示すように、その締結される側とは反対側の面に前記中心軸CL上を中心SCとする第一の半径SR1をもつ第一の凸球面26aを有している。そして、このジョイント26に、図1(b)に示すように、周方向に等間隔に設けられた複数(同図では六ヶ所)のボルト7によって円環状のスペーサ27が締結されている。
【0024】
詳しくは、スペーサ27は、図2に拡大して示すように、ジョイント26側に、そのジョイント26の第一の凸球面26aと当接してこれに同じ第一の半径SR1をもつ第一の凹球面27aを有している。さらに、このスペーサ27は、各ボルト7の締結構造が、上記各ボルト6による締結構造同様に、ジョイント26のネジ穴部26fに対向する各取り付け穴27fが径大のバカ穴になっており、その締結面上で位置調整可能に複数のボルト7で締結されている。これにより、スペーサ27は、この第一の凹球面27aで、反応管20の中心軸CL上の回転中心SCまわりで、凸球面26aに摺接しつつ回転可能になっている。なお、各取り付け穴27fは、下流側に座繰り部27hをそれぞれ有しており、下流側の外方から装着されるキャップ28との各ボルト7の干渉が防止されている。
【0025】
また、スペーサ27は、図2に示すように、ジョイント26とは反対側での内周側に、一段下がった段部からなる係合凹部27cが円環状に形成されている。さらに、その外周側には、第一の半径SR1とは同心且つこれより大きい第二の半径SR2をもつ第二の凸球面27bを有している。さらに、スペーサ27には、ボルト7の締結部分より内周側の両側面に、円環状のシール溝がそれぞれ加工されており、このシール溝にOリングがシール部材としてそれぞれ装着されている。
【0026】
内挿管20のフランジ21は、図2に示すように、スペーサ27側では、その側面21aおよびフランジ外周面21cが、スペーサ27の係合凹部27cに整合した面で形成されてこれに係合可能になっており、さらに、スペーサ27とは反対側では、前記中心軸CL上を中心SCとする第二の半径SR2をもつ第三の凸球面21bで形成されている。
【0027】
そして、この内挿管20のフランジ21を軸方向から挟持するように、スペーサ27の外方から、図1(b)に示すように、反応管10の端部側を閉塞するためのキャップ28が複数(同図では六ヶ所)のボルト8によって締結されている。ここで、各ボルト8の締結構造は、図3に拡大して示すように、上記ボルト6による締結構造同様に、ネジ穴部27gに対向する各取り付け穴28gが径大のバカ穴になっており、その締結面上で位置調整可能になっている。
【0028】
さらに、このキャップ28は、図3に示すように、スペーサ27の第二の凸球面27bおよび内挿管20のフランジ21の第三の凸球面21bにそれぞれ当接してこれらに同じ第二の半径SR2をもつ第二の凹球面28bを上流側に向けて有しており、その面上でスペーサ27に位置調整可能に締結されている。なお、キャップ28には、内挿管20のフランジ21の第三の凸球面21bと対向する位置に、円環状のシール溝が加工されており、このシール溝にOリングがシール部材として装着されている。そして、図1に示すように、キャップ28に磁気シールロータ62が、その周方向に等間隔に設けられた複数のボルト9によって固定される。これら各ボルト9の締結構造は、上記ボルト6による締結構造同様、図1(a)に示すように、キャップ28のネジ穴部28jに対向する磁気シールロータ62の各取り付け穴62jが径大のバカ穴になっており、その締結面上で(軸線が反応管10の中心軸CLと平行なときはこれに垂直な面上)で位置調整可能になっている。
【0029】
このように、反応管10の後端部分での反応管10、内挿管20および磁気シールロータ62相互の締結面、およびその締結構造は、反応管10のフランジ11およびジョイント26、ジョイント26およびスペーサ27、スペーサ27およびキャップ28、並びに、キャップ28および磁気シールロータ62が、それぞれ調整代をもつ締結構造を有する締結面で相互に締結されており、相互が移動可能な程度に複数のボルトを仮締めして、その調整代の範囲で移動可能になっている。さらに、ジョイント26およびスペーサ27、並びに、スペーサ27およびキャップ28の締結面同士は、それぞれ互いに当接する締結面同士の、一方の面と他方の面とが、反応管20の中心軸CL上を中心SCとする凹球面を有する面と凸球面を有する面とでそれぞれ形成されており、例えば図2(b)および図3(b)に示すように、反応管20の中心軸CL上の回転中心SCまわりでの回転移動による調整が可能になっている。
【0030】
なお、上記構成において、スペーサ27ないしキャップ28を調整代の範囲で回転移動させると、それぞれの複数のボルト7、8の各座面に介装されているねじ締結座面も回転に応じて傾斜することになる。そこで、各ボルト7、8のねじ締結部には、図2〜図4に示すように、凹面座金5aと凸面座金5bとを備え、これらのもつ凹面と凸面とを対向させて一対となる球面座金5をそれぞれ締結部に使用しており、各ねじ締結部での傾斜を吸収する構造としている。また、ブラケット36を固定するボルト部分の座金にも同様に、キャップ28の回転による傾斜を吸収可能なようにこの球面座金5をそれぞれ使用している(図1(a)参照)。
【0031】
次に、この気相成長装置の作用・効果について説明する。
上述した構成を備える、この気相成長装置1では、従来のものと同様に、ガリウム化合物がガリウム化合物生成管14から反応管10内に供給され、アンモニアが水素化合物供給管から反応管10内に供給され、ガリウム化合物とアンモニアとが反応して基板18上に単結晶の窒化ガリウム膜を成長させることができる。成長中はモータ68により回転軸46を回転させ、これにより基板18には反応管1内で公転動が与えられる。なお、反応管10内は高温となるが、回転軸46は石英製であるので充分な高温耐熱性を有している。
【0032】
そして、気相成長装置1の運転を続けると、窒化ガリウム及びガリウム化合物が反応管10内で、内挿管20、回転軸46及び軸受管64に析出物として付着する。内挿管20、回転軸46及び軸受管64からこれらの付着物を洗浄等する際は、まず、ジョイント26を反応管10から切り離し、ブラケット36をスライド移動装置80で後方へスライド移動させる。そして、反応管10から切り離されたジョイント26、キャップ28、内挿管20、基板保持構造、基板18及びモータ68等は一体となってブラケット36とともにスライド移動し、内挿管20及び基板保持構造が反応管10の外へ引き出される。次に、固定具48を取り外し、次に、回転軸46を駆動軸40の挿通孔から反応管10側へ引き抜いて取り出し、サセプタ66及び軸受管64を回転軸46から取り外す。次に、取り出した内挿管20、回転軸46及び軸受管64から析出物を除去してから、逆の手順を追って気相成長装置1を復元することができる。
【0033】
ここで、この気相成長装置1を復元するに際し、そのフランジ構造は、上述のように、ジョイント26とスペーサ27との間の締結面同士、および、内挿管20とキャップ28との間の締結面同士を、それぞれ球面に加工しているので、内挿管20の円筒部22がフランジ21に対して、中心軸CLと同軸となる本来の位置RPと実際の軸の位置SPとがズレ量Wだけ倒れている場合であっても、反応管10に対する内挿管20の中心軸の倒れとズレを調整可能とし、内挿管20や回転軸46等の部品交換前後での成長膜厚のバラツキを低減することができる。
【0034】
詳しくは、気相成長装置1を復元するに際し、その調整は、以下の(1)から(5)の手順により作業を行う。
(1)図5(a)に示すように、まず、反応管10のフランジ11の面にジョイント26をボルト6で仮組み付けしておく。
(2)次に、スペーサ27と内挿管20とをジョイント26の球面上で回転中心SCまわりで回転させて、図5(b)に示すように、内挿管20の中心部が反応管10の中心軸CLに対し平行になるように位置決めし、スペーサ27をジョイント26にボルト7でねじ締結する。
【0035】
(3)次に、ジョイント26を反応管10のフランジ11面との締結面上を中心軸CLに垂直に滑らせて、図5(c)に示すように、内挿管20の中心軸を反応管10の中心軸と一致させる。つまり、本来の位置RPと実際の軸の位置SPとを一致させてボルト6でねじ締結する。これにより、反応管10の中心軸CLと内挿管20の円筒部22との中心軸を合わせるように調整することができる。
(4)次に、図5(d)に示すように、回転軸46を組み込んだ磁気シールロータ62をキャップ28に仮組み付けし、そのキャップ28を、スペーサ27の球面上を回転させて、回転軸46が内挿管20の円筒部22の中心軸と平行になるように位置決めしてスペーサ27にボルト8でねじ締結する。
【0036】
(5)続いて、磁気シールロータ62をキャップ28との締結面上で(中心軸と垂直に)滑らせて、回転軸46が内挿管20の支持部材24に支えられるように位置決めし、ボルト9でねじ締結する。これにより、回転軸46と内挿管20の円筒部との中心軸合わせが完了し、以上の調整作業によって、図5(d)に示すように、反応管10〜内挿管20の円筒部〜回転軸46(サセプタ66中心)間の三者の中心軸を反応管10の中心軸CL上に合わせるように調整することができるのである。
【0037】
以上説明した気相成長装置1による調整作業の効果を確認した。
上述のように、内挿管20の円筒部22が自身のフランジ21に対して倒れている場合、従来は、加工精度面から、例えば1mの長さの内挿管20で、例えば0.3度の倒れがあると、その端部では、ラジアル方向で5mm以上の倒れになるが、上述した先の気相成長装置100の構成では、円筒度誤差を含めて反応管10と内挿管20との間のラジアル隙間が7mm以上にも及んでいた。
【0038】
しかし、この気相成長装置1によれば、反応管10に対する内挿管20の中心軸の倒れとズレを個別に調整可能なので、上記の(1)から(5)の手順によりその調整作業を実施したところ、円筒度の誤差分のみの2mm以下にラジアル隙間を低減することができた。これにより、原料効率を10%以上向上させることができた。また、析出物の隙間への入り込み量は、気相成長装置100での入り込み量に比べその1/3以下に抑えられた。さらに、サセプタ66を反応管10の中心位置に精度よく配置することができるようになり、従来は最大±5%程あった部品交換後の成長膜厚のバラツキを、±0.5%以下に低減することが確認できた。
【0039】
なお、本発明に係る気相成長装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、反応管10、内挿管20および磁気シールロータ62を、他のジョイント部材およびスペーサ部材であるジョイント26およびスペーサ27を介装して調整代をもつ締結構造で締結されている例で説明したが、これに限定されず、例えばジョイント26やスペーサ27の一方を省略して反応管10、内挿管20および磁気シールロータ62を、直接締結する構成とすることができる。
【0040】
このような構成であっても、相互の締結面同士のうち少なくとも内挿管20との少なくとも一箇所の締結面同士が、一方の面と他方の面とを、反応管10の中心軸上を中心とする凹球面を有する面と凸球面を有する面とでそれぞれ形成し、これにより反応管10の中心軸上の回転中心まわりで回転可能になっていれば、少なくとも内挿管20を反応管10に対する中心軸の倒れとズレを調整可能とすることができる。
【0041】
しかし、内挿管20や回転軸46は、熱透過性や自身の耐熱・耐腐食性等を考慮して、石英を加工、熱処理して製作されるの一般的であり、このような構成の内挿管20は、そのフランジを、ジョイント26とキャップ28との間に挟まれて反応管10に対し支持されていることが望ましく、また、回転軸46の倒れとズレを調整可能とするために、磁気シールロータ62を含めて各部を個別に調整可能とする上では、反応管10、内挿管20および磁気シールロータ62が、上記実施形態での締結面、および締結構造を備えて相互に締結されていることが好ましい。
【0042】
また、上記実施形態では、内挿管20および磁気シールロータ62それぞれは、互いに当接する締結面同士の、一方の面と他方の面とが、反応管10の中心軸CL上を中心とする凹球面を有する面と凸球面を有する面とでそれぞれ形成されて反応管10の中心軸CL上の回転中心まわりで回転可能に構成されている例で説明したが、内挿管20および磁気シールロータ62の少なくとも一方を、その締結面のうち少なくとも一箇所の互いに当接する締結面同士の、一方の面と他方の面とが、反応管10の中心軸CL上を中心とする凹球面を有する面と凸球面を有する面とでそれぞれ形成されて反応管10の中心軸CL上の回転中心まわりで回転可能に構成すれば、反応管10に対する、当該少なくとも一方の内挿管20ないし磁気シールロータ62の中心軸の倒れを調整可能とし、内挿管20や回転軸46等の部品交換前後での成長膜厚のバラツキを低減し得る構成とすることが可能である。しかし、反応管10に対する内挿管20の中心軸CLの倒れとズレを個別に調整可能とし、内挿管20や回転軸46等の部品交換前後での成長膜厚のバラツキを低減し得る構成とする上では、上記実施形態での締結面、および締結構造を備えて相互に締結されていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る気相成長装置の一実施形態を説明する図であり、同図(a)はその要部の正面図を示し、反応管部分についてはその軸線を含む断面にて示している。また、同図(b)は同図(a)でのA−A線断面図である。
【図2】図1でのA矢視部分を拡大して示す、締結面部分の説明図であり、同図(a)はその要部の正面図、また、同図(b)は調整代の範囲で移動させた状態を示す図である。
【図3】図1でのB矢視部分を拡大して示す、締結面部分の説明図であり、同図(a)はその要部の正面図、また、同図(b)は調整代の範囲で移動させた状態を示す図である。
【図4】本発明に係る気相成長装置の締結面部分を説明する要部拡大図である。
【図5】本発明に係る気相成長装置の作用を説明する図である。
【図6】本出願人による先の気相成長装置の一例を示す概略構成図である。
【図7】本出願人による先の気相成長装置の一例の要部を説明する図であり、同図(a)はその正面図、また、同図(b)は同図(a)でのA−A線断面図である。
【図8】本出願人による先の気相成長装置の作用を説明する図である。
【符号の説明】
【0044】
1 気相成長装置
5 球面座金
6、7 ボルト
10 反応管
11 (反応管の)フランジ
18 基板
20 内挿管
21 (内挿管の)フランジ
22 (内挿管の)円筒部
24 支持部材
26 ジョイント
27 スペーサ
28 キャップ
36 ブラケット
46 回転軸
62 磁気シールロータ
64 軸受管
66 サセプタ
68 モータ
80 スライド移動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管内に保持された基板上で半導体結晶膜を成長させる反応管と、この反応管内に挿入される内挿管と、この内挿管内に挿入されて基板を保持するサセプタを先端側に装着可能な回転軸を保持する磁気シールロータと、を備え、これら反応管、内挿管および磁気シールロータが、直接または、他のジョイント部材およびスペーサ部材の少なくとも一つを介して、調整代をもつ締結構造を有する締結面で相互に締結されてなる気相成長装置において、
前記内挿管は、一の互いに当接する締結面同士が、それぞれ平面で形成されて反応管の中心軸に垂直な面上で移動可能に構成されるとともに、他の互いに当接する締結面同士の、一方の面と他方の面とが、反応管の中心軸上を中心とする凹球面を有する面と凸球面を有する面とでそれぞれ形成されて反応管の中心軸上の回転中心まわりで回転可能に構成されていることを特徴とする気相成長装置。
【請求項2】
下流側の端部にフランジを有して管内に保持された基板上で半導体結晶膜を成長させる反応管と、この反応管のフランジに締結される円環状のジョイントと、このジョイントに締結されてその締結面とは反対側の面の内周側に係合凹部を有する円環状のスペーサと、このスペーサの係合凹部に係合するフランジを有して反応管内に挿入される内挿管と、この内挿管のフランジをスペーサとの間で挟持可能にスペーサに締結されるキャップと、このキャップに締結されて、キャップの中央の挿通孔から内挿管内に挿入されて基板を保持するサセプタを先端側に装着可能な回転軸を保持する磁気シールロータと、を備える気相成長装置において、
反応管のフランジおよびジョイント、並びに、キャップおよび磁気シールロータの締結面同士は、それぞれ調整代をもつ締結構造を有するとともに、反応管の中心軸に垂直な面上で移動可能に構成されており、
さらに、ジョイントおよびスペーサ、並びに、スペーサおよびキャップの締結面同士は、それぞれ調整代をもつ締結構造を有するとともに、互いに当接する締結面同士の、一方の面と他方の面とが、反応管の中心軸上を中心とする凹球面を有する面と凸球面を有する面とでそれぞれ形成されて反応管の中心軸上の回転中心まわりで回転可能に構成されていることを特徴とする気相成長装置。
【請求項3】
下流側の端部にフランジを有して管内に保持された基板上で半導体結晶膜を成長させる反応管と、この反応管のフランジにその中心軸に垂直な面上で位置調整可能に締結されるとともに、その締結される側とは反対側の面に前記中心軸上の任意の点を中心とする第一の半径をもつ第一の凸球面を有する円環状のジョイントと、このジョイント側にその第一の凸球面と当接してこれに同じ第一の半径をもつ第一の凹球面を有し且つその面上で位置調整可能に締結されるとともに、ジョイントとは反対側での内周側には係合凹部およびその外周側には前記第一の半径とは同心且つこれより大きい第二の半径をもつ第二の凸球面を有する円環状のスペーサと、このスペーサの係合凹部に係合し且つスペーサとは反対側の面が前記中心軸上を中心とする第二の半径をもつ第三の凸球面で形成されるフランジを有して前記反応管内に挿入される内挿管と、スペーサの第二の凸球面および内挿管のフランジの第三の凸球面にそれぞれ当接してこれらに同じ第二の半径をもつ第二の凹球面を有してその面上で位置調整可能にスペーサに締結されるキャップと、キャップ中央の挿通孔に挿通されて内挿管内に向けて延びる回転軸を保持するとともに、前記中心軸に垂直な面上で位置調整可能にキャップに締結される磁気シールロータと、回転軸に外側から嵌合する軸受管と、この軸受管の先端側に設けられて基板を保持するサセプタと、を備えて構成されていることを特徴とする気相成長装置。
【請求項4】
管内に保持された基板上で半導体結晶膜を成長させる反応管と、この反応管内に挿入される内挿管と、この内挿管内に挿入されて基板を保持するサセプタを先端側に装着可能な回転軸を保持する磁気シールロータと、を備え、これら反応管、内挿管および磁気シールロータが、直接または、他のジョイント部材およびスペーサ部材の少なくとも一つを介して、調整代をもつ締結構造を有する締結面で相互に締結されてなる気相成長装置において、
前記内挿管および磁気シールロータの少なくとも一方は、前記締結面のうち少なくとも一箇所の互いに当接する締結面同士の、一方の面と他方の面とが、反応管の中心軸上を中心とする凹球面を有する面と凸球面を有する面とでそれぞれ形成されて反応管の中心軸上の回転中心まわりで回転可能に構成されていることを特徴とする気相成長装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−42896(P2007−42896A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−225900(P2005−225900)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【出願人】(000165974)古河機械金属株式会社 (211)
【Fターム(参考)】