説明

津波避難場所決定装置及び津波避難場所決定プログラム及び記録媒体

【課題】津波警報を基に、津波高さと避難場所の標高とから適正な避難場所を決定する。
【解決手段】津波被害地域特定装置は、津波の発生が予想される複数の津波予報区と、津波予報区に発生する津波の予想高さとを含む津波警報を受信する津波警報受信部110と、三次元の位置情報である標高地図情報を記憶する標高地図情報記憶部120と、津波警報が受信されると津波警報に含まれる津波予報区に対応する対応領域を所定の規則に従って標高地図情報において特定し、対応領域の特定の元となる津波予報区の津波予報高さを津波警報から取得する津波高さ抽出部140と、波高さ抽出部140の取得すた津波予報高さと、対応領域における標高とに基づいて、対応領域の中から津波の被害を被ると予想される津波被害予想地域を決定する津波被害地域決定部150と、津波被害予想地域として決定された地域に対して避難場所を決定する避難場所決定部182とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は津波が発生した際に、避難場所を決定する津波避難場所決定装置及び津波避難場所決定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
津波については気象庁から、津波注意報、津波警報として「津波予報区」(ほぼ、県単位の沿岸)に対する1次元情報として発表されているに過ぎず、内陸方向にどの程度被害が及ぶかといった2次元的な範囲な情報は読み取れない。また、津波の際の避難場所として所定の場所(高台等)が指定されていることが一般的であるが、例えば、津波の高さが3mの時に、隣のビルの屋上に行けば済むところを、距離の離れた所定の避難場所まで逃げる間に、津波に巻き込まれないとも限らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−128838号公報
【特許文献2】特開2005−301547号公報
【特許文献3】特開2006−58192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、津波警報と標高情報を含む地図情報である標高地図とに基づき、津波による被害地域を特定すると共に、津波の被害地域に対する避難場所を決定する津波避難場所決定装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の津波避難場所決定装置は、
津波の発生が予想される沿岸区域を示す複数の津波予報区と、前記津波予報区に発生する津波の予想高さとを含む津波警報を発信する発信装置から前記津波警報を受信する津波警報受信部と、
標高を含む三次元の位置情報からなる地図情報を示す標高地図情報を記憶する標高地図情報記憶部と、
津波に対する避難場所の情報であって、前記避難場所の位置と、対応可能な津波の高さとを含む避難場所情報を記憶する避難場所情報記憶部と、
前記津波警報受信部によって前記津波警報が受信されると前記津波警報に含まれる前記津波予報区に対応する対応領域を所定の規則に従って前記標高地図情報において特定し、前記対応領域の特定の元となる前記津波予報区の津波予報高さを前記津波警報から取得する津波高さ取得部と、
前記津波高さ取得部によって取得された前記津波予報高さと、前記対応領域における標高とに基づいて、前記対応領域の中から津波の被害を被ると予想される津波被害予想地域を決定する津波被害予想地域決定部と、
前記津波被害予想地域決定部によって前記津波被害予想地域として決定された地域に対して前記津波被害予想地域の位置情報と前記津波被害予想地域に対応する津波高さとに基づいて前記避難場所情報記憶部の記憶する前記避難場所情報を検索し、前記避難場所情報の中から前記避難場所を決定する避難場所決定部と
を備えたことを特徴とする。
【0006】
前記避難場所情報記憶部の記憶する避難場所情報は、
前記避難場所として建築物を記憶すると共に、前記建築物の高さを記憶し、
前記避難場所決定部は、
前記避難場所情報記憶部の記憶する前記避難場所情報を検索する際には、前記津波被害予想地域の位置情報と前記津波被害予想地域に対応する津波高さと、さらに、前記建築物の高さとに基づいて前記避難場所情報を検索し、前記避難場所情報の中から前記避難場所を決定することを特徴とする。
【0007】
前記津波避難場所決定装置は、さらに、
端末装置から位置情報を受信する端末位置受信部と、
前記避難場所決定部によって決定された前記避難場所と、前記端末位置受信部の受信した前記位置情報とを比較することにより、前記位置情報が前記避難場所の近隣かどうかを判定し、近隣と判定した場合には、前記標高情報記憶部の記憶する前記標高情報を参照することにより前記位置情報の示す前記端末装置の位置から前記避難場所までの避難ルートを作成する誘導情報作成部と、
前記誘導情報作成部によって作成された前記避難ルートを、前記誘導情報作成部によって近隣と判定された前記端末装置に送信する避難ルート送信部と
を備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明の津波避難場所決定プログラムは、
コンピュータを、
津波の発生が予想される沿岸区域を示す複数の津波予報区と、前記津波予報区に発生する津波の予想高さとを含む津波警報を発信する発信装置から前記津波警報を受信する津波警報受信部、
標高を含む三次元の位置情報からなる地図情報を示す標高地図情報を記憶する標高地図情報記憶部、
津波に対する避難場所の情報であって、前記避難場所の位置と、対応可能な津波の高さとを含む避難場所情報を記憶する避難場所情報記憶部、
前記津波警報受信部によって前記津波警報が受信されると前記津波警報に含まれる前記津波予報区に対応する対応領域を所定の規則に従って前記標高地図情報において特定し、前記対応領域の特定の元となる前記津波予報区の津波予報高さを前記津波警報から取得する津波高さ取得部、
前記津波高さ取得部によって取得された前記津波予報高さと、前記対応領域における標高とに基づいて、前記対応領域の中から津波の被害を被ると予想される津波被害予想地域を決定する津波被害予想地域決定部、
前記津波被害予想地域決定部によって前記津波被害予想地域として決定された地域に対して前記津波被害予想地域の位置情報と前記津波被害予想地域に対応する津波高さとに基づいて前記避難場所情報記憶部の記憶する前記避難場所情報を検索し、前記避難場所情報の中から前記避難場所を決定する避難場所決定部、
として機能させることを特徴とする。
【0009】
この発明の津波避難場所決定装置は、
津波の発生が予想される沿岸区域を示す複数の津波予報区と、前記津波予報区に発生する津波の予想高さとを含む津波警報を発信する発信装置から前記津波警報を受信する津波警報受信部と、
標高を含む三次元位置情報であって、電子地図を所定のメッシュに区切った場合の各メッシュを代表する位置を示す三次元位置情報が少なくとも関連づけられた地点を示す評価地点を複数含む標高地図情報を記憶する標高地図情報記憶部と、
複数の避難施設の避難施設ごとに、平面的な二次元位置情報と、前記避難施設に関する所定の高さを示す施設高さデータとが少なくとも関連づけられた避難場所情報を記憶する避難場所情報記憶部と、
現在位置を測位する位置測位部と、
前記津波警報受信部によって前記津波警報が受信されると、前記位置測位部によって測位された前記現在位置に最も近い前記評価地点を、前記三次元情報に基づいて前記標高地図情報記憶部から選択する評価地点選択部と、
前記評価地点選択部によって選択された前記評価地点を対象として、前記津波警報受信部が受信した前記津波警報に含まれる前記津波予報区を、順次選択する津波高さ取得部と、
前記評価地点選択部によって選択された前記評価地点を対象として、前記津波高さ取得部によって前記津波予報区が順次選択されるごとに、選択された前記津波予報区の前記津波の予想高さと、選択された前記評価地点に対応付けられた前記三次元位置情報に含まれる前記標高とに基づいて、選択された前記評価地点が津波の被害地点に該当するどうかを、所定の被害地域決定規則に基づき決定する被害地域決定部と、
前記被害地域決定部が前記評価地点を津波の前記被害地点と決定した場合に、前記避難場所情報記憶部を検索対象として、予め設定された高さである必要高さよりも高い高さに該当する前記施設高さデータを有し、かつ、選択された前記評価地点に最も近い前記避難施設を、前記二次元位置情報と前記施設高さデータとに基づき検索し、検索の結果、ヒットした前記避難施設を、前記津波警報受信部が受信した前記津波警報に対する避難場所として決定する避難場所決定部と
を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記津波避難場所決定装置は、さらに、
前記避難場所決定部が前記津波警報に対する前記避難場所を決定した場合に、前記位置測位部によって測位された前記現在位置から前記避難場所決定部によって決定された前記避難場所である前記避難施設までの避難経路を作成する誘導情報作成部と、
前記誘導情報作成部によって作成された前記避難経路を表示する表示部と
を備えたことを特徴とする。
【0011】
前記津波避難場所決定装置は、
人が携帯可能な、携帯端末装置であることを特徴とする。
【0012】
この発明の津波避難場所決定プログラムは、
コンピュータを、
津波の発生が予想される沿岸区域を示す複数の津波予報区と、前記津波予報区に発生する津波の予想高さとを含む津波警報を発信する発信装置から前記津波警報を受信する津波警報受信部、
標高を含む三次元位置情報であって、電子地図を所定のメッシュに区切った場合の各メッシュを代表する位置を示す三次元位置情報が少なくとも関連づけられた地点を示す評価地点を複数含む標高地図情報を記憶する標高地図情報記憶部、
複数の避難施設の避難施設ごとに、平面的な二次元位置情報と、前記避難施設に関する所定の高さを示す施設高さデータとが少なくとも関連づけられた避難場所情報を記憶する避難場所情報記憶部、
現在位置を測位する位置測位部、
前記津波警報受信部によって前記津波警報が受信されると、前記位置測位部によって測位された前記現在位置に最も近い前記評価地点を、前記三次元情報に基づいて前記標高地図情報記憶部から選択する評価地点選択部、
前記評価地点選択部によって選択された前記評価地点を対象として、前記津波警報受信部が受信した前記津波警報に含まれる前記津波予報区を、順次選択する津波高さ取得部、
前記評価地点選択部によって選択された前記評価地点を対象として、前記津波高さ取得部によって前記津波予報区が順次選択されるごとに、選択された前記津波予報区の前記津波の予想高さと、選択された前記評価地点に対応付けられた前記三次元位置情報に含まれる前記標高とに基づいて、選択された前記評価地点が津波の被害地点に該当するどうかを、所定の被害地域決定規則に基づき決定する被害地域決定部、
前記被害地域決定部が前記評価地点を津波の前記被害地点と決定した場合に、前記避難場所情報記憶部を検索対象として、予め設定された高さである必要高さよりも高い高さに該当する前記施設高さデータを有し、かつ、選択された前記評価地点に最も近い前記避難施設を、前記二次元位置情報と前記施設高さデータとに基づき検索し、検索の結果、ヒットした前記避難施設を、前記津波警報受信部が受信した前記津波警報に対する避難場所として決定する避難場所決定部、
として機能させることを特徴とする。
【0013】
津波避難場所決定プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0014】
この発明により、津波警報と標高地図とに基づき、津波による被害地域を特定すると共に、津波の被害地域に対する避難場所を決定する津波避難場所決定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1における津波避難場所誘導装置100のブロック図。
【図2】実施の形態1における津波避難場所誘導装置100の動作のフローチャート。
【図3】実施の形態1における津波予報区を説明する図。
【図4】実施の形態1における避難場所情報30を示す図。
【図5】実施の形態2における津波避難場所誘導装置100の外観の一例を示す図。
【図6】実施の形態2における津波避難場所誘導装置100のハードウェア構成を示す図。
【図7】津波避難場所誘導装置100のハードウェア資源の一例を示す図である。
【図8】実施の形態3における津波避難場所誘導装置100の外観を示す図。
【図9】実施の形態3における津波避難場所誘導装置100よる津波被害地域特定の動作概要を示すフローチャート。
【図10】実施の形態3における標高地図情報121−2を示す図。
【図11】実施の形態3における避難場所情報30−2を示す図。
【図12】実施の形態3における津波避難場所誘導装置100による避難判定処理を示すフローチャート。
【図13】実施の形態3における津波避難場所誘導装置100による避難場所決定処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
気象庁から配信される津波警報は、津波予報区(後述する)と津波予報区ごとの津波高さの予報値とを含む。津波の高さ情報(警報)は、1m,2m,3m,4m,6m,8m,10m以上といった数値として発表されている。実施の形態1の津波避難場所誘導装置100は、この情報に対して、標高情報を含む国土数値情報やDEM(Digital Elevation Map)等の地図(以下「標高地図」という)と、地域・自治体等で津波高さ毎に選定した避難場所情報(○○丘公園、○○ビルの屋上、□□陸橋、△△マンション等)とを組み合わせることにより、津波に対する避難場所を決定する。
【0017】
図1は、津波避難場所誘導装置100(津波避難場所決定装置)の構成を示す図である。以下に本実施の形態1における津波避難場所誘導装置100(津波避難場所決定装置)を説明する。津波避難場所誘導装置100はインターネット400と接続している。またインターネット400には気象庁の津波警報装置200、個人の端末装置300が接続している。
【0018】
図1において、津波避難場所誘導装置100は、津波警報受信部110、標高地図情報記憶部120、評価地点選択部130、津波高さ抽出部140、被害地域決定部150、避難場所情報記憶部181、避難場所決定部182、誘導情報作成部183、端末位置受信部184、誘導情報発信部185を備える。
【0019】
(1)津波警報受信部110は、気象庁の津波警報装置200からの津波警報11をインターネット400経由で受信する。
(2)標高地図情報記憶部120は、(緯度、経度、標高)からなる3次元の位置情報から構成される標高地図情報121を記憶する。標高地図情報121はメッシュ単位(1km四方等)で区画に分割されている。
(3)評価地点選択部130は、津波警報に含まれる津波予報区に基づき後述の「評価地点」を選択する。
(4)津波高さ抽出部140(津波高さ取得部)は、津波警報11から津波高さを抽出する。
(5)被害地域決定部150(津波被害予想地域決定部)は、津波高さ抽出部140の抽出結果に基づき、津波の被害地域を決定する。
(6)避難場所情報記憶部181は、避難場所の位置、高さ等の情報(避難場所情報30)を記憶する。
(7)避難場所決定部182(避難場所決定部)は、被害地域決定部150の決定結果から、最適な避難場所を決定する。
(8)誘導情報作成部183は、最適な避難場所までの誘導経路を作成する。
(9)端末位置受信部184は、端末装置300からその位置情報をインターネット400を介して受信する。
(10)誘導情報発信部185(避難ルート送信部)は、誘導情報作成部183の作成した誘導経路を端末装置300に配信する。
【0020】
図2は、津波避難場所誘導装置100での処理の流れを示すフローチャートである。図2を参照して津波避難場所誘導装置100の動作を説明する。
【0021】
<S01>
ステップS01において、津波警報受信部110は、気象庁からの「津波警報」を受信する。「津波警報」は、津波予報区ごとに予想される津波の高さを含む。
【0022】
<S02>
ステップS02において、評価地点選択部130は、「津波警報」に含まれる津波予報区に基づき標高地図情報121から最初の「評価地点k1」を選択する。評価地点の処理に関しては、k1〜kNまで、同様の処理がループする。
図3は津波予報区の例を示す図である。図3では福島県沿岸の津波予報区21、宮城県沿岸の津波予報区22、岩手県沿岸の津波予報区23を例として示した。なお、「津波予報区21」等における符号はこの明細書で便宜的に付けたものであり、実際の予報区に付与された符号ではない。「津波予報区」とは、津波警報、注意報等の発表区域であり、日本全国の沿岸を66に分けて、区域として表したものである。ここで「評価地点」とは、「津波警報」に含まれる津波予報区に対応する地域であり、かつ、標高地図情報記憶部120が格納している標高地図情報121における一つのメッシュ単位の地域を意味する。例えば「津波警報」の中に津波予報区として「宮城県」が含まれている場合、評価地点選択部130は、標高地図情報121において、宮城県を含む地域から「評価地点」として一つのメッシュを選択する。「宮城県を含む地域」は予めデフォルトとして設定すればよい。すなわち、津波予報区ごとに、「評価地点」の選択対象範囲を決めておけばよい。あるいは受信した津波警報に含まれる津波予報区から、その津波予報区に対応する海岸線の緯度・経度情報を標高地図情報121から取得し、海岸線から津波の進行する方向の内陸部の緯度・経度情報を標高地図情報121から取得することで「評価地点」の選択対象範囲を決定してもよい。この場合も内陸部のどの範囲までを選択対象範囲とするかは予め決めておく。評価地点選択部130は、選択対象範囲から「評価地点k1」を選択する。
【0023】
<S03>
ステップS03において、評価地点選択部130は、選択された「評価地点k1」に、本当に「津波警報」が出されているのかを確認する。選択対象範囲のすべての範囲が「津波警報」の対象となるとは限らないからである。「評価地点k1」に「津波警報」が出されている場合はS04に進み、出されていない場合にはS02に戻り、別の「評価地点k2」が選択される。
【0024】
<S04>
S04において、津波高さ抽出部140は、「評価地点k1」に津波警報が出されている場合、「評価地点k1」に対応する津波予報区の津波高さHを津波警報から取得する。
【0025】
<S05>
S05において、津波高さ抽出部140は、標高地図情報121から、「評価地点k1」の標高hを取得する。
【0026】
<S06、S07>
ステップS06において、被害地域決定部150は、津波高さ抽出部140によって取得された津波予報区の津波高さHと、「評価地点k1」の標高h1とを比較する。
比較の結果、
津波高さH>標高h1
の場合、「評価地点k1」として選択したメッシュ(1km四方等)を被害地域と決定する(S07)。
津波高さH<標高h1
の場合はS02に戻り、別の「評価地点k2」が選択される。
なお被害地域決定部150は、標高h1と津波高さHとを比較する場合に、津波高さHに応じて標高h1を補正し、補正後の標高h1’と津波高さHとを比較し、比較の結果、津波高さHの方が高い場合に、メッシュが津波被害予想地域に該当すると決定してもよい。
津波高さH<標高h1
の場合はS02に戻り、別の「評価地点k2」が選択される。
【0027】
<S11>
S11において、避難場所決定部182は、被害地域と決定された「評価地点k1」に対して、避難場所情報記憶部181の避難場所情報から避難場所の位置、対応できる津波の高さ等の情報を取得する。
図4は、避難場所情報30の例を示す。図4に示すように、避難場所情報30には、避難場所ごとに、その位置(緯度、経度)、対応できる津波の高さ、及び避難場所が建物の場合には建物の高さが登録されている。避難場所決定部182部は、「評価地点k1」の有する位置情報、及び津波警報に含まれる「評価地点k1」に対応する津波高さに基づき、避難場所情報30を検索することにより、被害地域と決定された「評価地点k1」に対して、例えば「〜丘公園」というように具体的な避難場所を検索する。具体的には、避難場所決定部182は、避難場所情報30から、評価地点k1の津波高さに応じた、最適(最寄り)な避難場所を決定する。避難場所が建物の場合、建物の高さも考慮する。
【0028】
<S12>
端末位置受信部184がインターネット400経由で端末装置300から端末装置300の現在位置情報を受信している場合、S12において、誘導情報作成部183が、端末装置300の現在位置情報に最も近い最適避難場所を避難場所情報30から特定する。誘導情報作成部183は、標高地図情報121から、端末装置300の現在位置と最適避難場所との間の道路・経路情報を特定する。そして誘導情報作成部183は、標高地図情報121に、端末装置300の現在位置、最適避難場所、道路・経路情報を重畳し、避難場所誘導情報を作成する。
図5は、誘導情報作成部183の作成した避難場所誘導情報の地図表示例を示す。図5では、海岸線11、津波侵入区域12、津波侵入方向13、被害地域14、端末位置15、避難誘導経路16、最適避難場所17、別の避難場所18が記載されている。
【0029】
<S13>
ステップS13において、誘導情報発信部185は、誘導情報作成部183の作成した避難場所誘導情報を端末装置300に送信する。この場合、当然に誘導情報発信部185は端末装置300のアドレスを知っている。
【0030】
<S14>
ステップ14において、評価地点選択部130はkがNに達しているかどうかを判定し、達していない場合には処理はS02に戻り、達している場合は処理が終了する。
【0031】
実施の形態1の津波避難場所誘導装置100によれば、日本から遠方で発生した地震等によって津波が発生して日本に進んでくる場合に、津波警報11を基に避難場所を決定し、携帯メールにて利用者に送信することにより、携帯電話のGPSサービスと連動し、避難場所へのナビゲーションが可能である。
【0032】
実施の形態2.
実施の形態2は、コンピュータである津波避難場所誘導装置100のハードウェア構成を説明する。図6は、津波避難場所誘導装置100の外観の一例を示す図である。
図7は、津波避難場所誘導装置100のハードウェア資源の一例を示す図である。
【0033】
外観を示す図6において、津波避難場所誘導装置100は、システムユニット830、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶)の表示画面を有する表示装置813、キーボード814(Key・Board:K/B)、マウス815、FDD817(Flexible・Disk・ Drive)、コンパクトディスク装置818(CDD:Compact Disk Drive)、プリンタ装置819などのハードウェア資源を備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。システムユニット830はネットワークを介して、気象庁の津波警報装置200、端末装置300と接続している。
【0034】
またハードウェア資源を示す図7において、津波避難場所誘導装置100は、プログラムを実行するCPU810(Central Processing Unit)を備えている。CPU810は、バス825を介してROM(Read Only Memory)811、RAM(Random Access Memory)812、表示装置813、キーボード814、マウス815、通信ボード816、FDD817、CDD818、プリンタ装置819、磁気ディスク装置820と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置820の代わりに、光ディスク装置、フラッシュメモリなどの記憶装置でもよい。
【0035】
RAM812は、揮発性メモリの一例である。ROM811、FDD817、CDD818、磁気ディスク装置820等の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、「記憶装置」あるいは記憶部、格納部、バッファの一例である。通信ボード816、キーボード814、FDD817などは、入力部、入力装置の一例である。また、通信ボード816、表示装置813、プリンタ装置819などは、出力部、出力装置の一例である。
【0036】
通信ボード816は、ネットワーク(LAN等)に接続されている。通信ボード816は、LANに限らず、インターネット、ISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。
【0037】
磁気ディスク装置820には、オペレーティングシステム821(OS)、ウィンドウシステム822、プログラム群823、ファイル群824が記憶されている。プログラム群823のプログラムは、CPU810、オペレーティングシステム821、ウィンドウシステム822により実行される。
【0038】
上記プログラム群823には、以上の実施の形態1の説明において「〜部」として説明した機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU810により読み出され実行される。
【0039】
ファイル群824には、以上の実施の形態1の説明において、「〜の判定結果」、「〜の算出結果」、「〜の抽出結果」、「〜の生成結果」、「〜の処理結果」として説明した情報や、データや信号値や変数値やパラメータなどが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU810によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0040】
また、以上に述べた実施の形態1の説明において、データや信号値は、RAM812のメモリ、FDD817のフレキシブルディスク、CDD818のコンパクトディスク、磁気ディスク装置820の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD(Digital・Versatile・Disk)等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス825や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0041】
また、以上の実施の形態の説明において、「〜部」として説明したものは、「〜手段」、「〜回路」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明したものは、ROM811に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU810により読み出され、CPU810により実行される。すなわち、プログラムは、以上に述べた「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、以上に述べた「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0042】
以上の実施の形態では、津波避難場所誘導装置100を説明したが、津波避難場所誘導装置100の動作をコンピュータに実行させる津波被害地域特定プログラムとして把握することも可能である。あるいは、津波被害地域特定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として把握することも可能である。
【0043】
実施の形態3.
次に、図8〜図13を参照して、実施の形態3を説明する。実施の形態3は、実施の形態1の図2で説明した津波避難場所誘導装置100による「誘導処理」の動作をさらに詳しく説明する実施の形態である。
図8は、実施の形態3における、津波避難場所誘導装置100の外観を示す図である。実施の形態3の津波避難場所誘導装置100は、図8に示すような携帯端末装置を想定する。また、実施の形態3の津波避難場所誘導装置100の構成は、図1に示す構成である。実施の形態3の津波避難場所誘導装置100は、津波警報装置200から津波警報を受信すると、図1に示すGPS機能部188(位置測位部)を用いて自己の位置を測位して自己の位置が津波被害地域に該当するかどうかを判定する。津波避難場所誘導装置100は、津波被害地域に該当すると判定すると近隣の避難場所を検索し、避難場所までの避難ルートを表示部189に表示する。
【0044】
図9は、実施の形態3の津波避難場所誘導装置100による誘導動作の概要を示すフローチャートである。図9を参照して動作概要を説明する。なお実施の形態3は実施の形態1の津波避難場所誘導装置100による誘導動作を詳しく説明する実施形態であるので、例えば津波警報の内容等は実施の形態1と同じである。
【0045】
(1)S31において、津波避難場所誘導装置100は、津波警報装置200から津波警報を受信する。
(2)S32において、津波避難場所誘導装置100(津波高さ抽出部140)は、津波警報を受信すると、津波警報から津波予報区iと、その津波予報区の津波高さhとを抽出する。
(3)S33において、津波避難場所誘導装置100は、GPS機能部188を用いて、自己位置の緯度、経度の情報を取得する。
(4)図10は、実施の形態3における標高地図情報121−2を示す図である。図10に示すように、標高地図情報121−2は、レコードであるN個の評価地点kからなる。評価地点k(k=1〜N)は、緯度、経度及び標高からなる3次元の位置情報と、その評価地点kが、どの津波予報区に含まれるかの「津波予報区」(予報区所属情報)の情報を持つ。また、緯度、経度及び標高からなる3次元位置情報は、電子地図をメッシュに区切った場合の各メッシュを代表する位置を示す三次元位置情報である。
S34において、津波避難場所誘導装置100(評価地点選択部130)は、標高地図情報121−2から、GPS機能部188の取得した自己位置に最も近い評価地点kを、評価地点kの有する三次元情報に基づき抽出(選択)する。
(5)S35において、津波避難場所誘導装置100(被害地域決定部150)は、自己位置に基づき選択した評価地点kが、以下の条件(a)と条件(b)とのAND条件(以下、単にAND条件(被害地域決定規則)という場合がある)を満足するかどうかを判定し、満足すると判定すると、S36の避難場所決定処理(ナビゲーション処理)に処理を移行する。
条件(a):予報区がkの予報区と合致している。
条件(b):評価地点kの標高が津波高さhと遡上高H(安全値の一例)との和より小さい。
ここで、「遡上高」について簡単に説明する。通常、「遡上高」とは、津波が海岸に到達後に陸地をはい上がり、最も高くなった地点の基準面からの高さをいう。被害地域決定部150は、予め遡上高を格納している。被害地域決定部150が予め格納する「遡上高」は、研究機関等により計算されたものでもよいし、研究機関等により過去の実績から割り出されたものでもよい。被害地域決定部150は、遡上高を常に新しいものに更新する。被害地域決定部150は、遡上高の値を可変パラメータとしておくことで、常に研究機関等の最新の研究成果に基づく値に変更することができる。もし、研究機関が発表する遡上高が地域毎に異なるのであれば、標高地図情報121−2に新たなる列を設け、評価地点毎あるいは津波予報区毎に、異なる値(遡上高)を定義することができる。なお、「遡上高」を用いる趣旨は、津波被害の範囲をより、安全側に決定する(実際に被害を受ける範囲よりも広めに決定する)ためである。したがって、遡上高は安全値の一例であり、遡上高に代替する安全値を用いても構わない。
(6)図11は、避難場所情報30−2を示す図である。避難場所情報30−2は、複数の避難施設の避難施設jごとに、平面的な二次元位置情報(緯度、経度)と、避難施設jに関する所定の高さを示す「施設高さデータ」とが少なくとも関連付けられている。図11の場合、「施設高さデータ」は避難施設地点の標高と、避難施設の高さの和である。
つまり、
施設高さデータ=その避難施設地点の標高+その避難施設の高さ、
である。また図11では、さらに避難施設jの施設名が関連付けられている。
S36において、津波避難場所誘導装置100(避難場所決定部182)は、図11に示す避難場所情報30−2から、避難場所の「高さ」が、下記の式(1)から得られる「必要高さΔh」よりも高い避難施設jのうち、自己位置から最も距離(ナビゲーション機能を有する装置であれば、道のり)が近い避難施設jを選定する。
必要高さΔh=(津波高さh+遡上高)−評価地点kの標高 式(1)
(7)S37において、誘導情報作成部183は、表示部189に、避難場所決定部182の決定した避難施設jの名称を表示する。さらに、誘導情報作成部183は、自己位置から、その避難施設jまでの避難経路を表示部189に表示する。
【0046】
図12は、実施の形態3における津波避難場所誘導装置100の被害地域決定部150よる避難判定処理の動作を示すフローチャートである。図12を参照して、避難判定処理の動作を説明する。図12は、自己位置に最も近い評価地点kが選択されている状態である。図12に示すように被害地域決定部150は、S42、S43、S44,S42のループにおいて津波予報区iを切り替えながら、S44(S36に対応)において、選択されている評価地点kが、AND条件を満たす予報区があるかどうかを判定する。被害地域決定部150は、選択されている評価地点kがAND条件をみたすと判定すると(S44のYES)、S45の避難場所決定処理に処理を移す。
【0047】
図13は避難場所決定部182が実行する避難場所決定処理の動作を示すフローである。図13は図9のS36の内容を示すフローである。
【0048】
S51において、避難場所決定部182は、初期値としてRmin(避難施設と自己位置との距離)に「9999」を設定し、初期値として避難施設j(最も自己位置に近い避難施設)に「0」を設定する(S51)。
次に避難場所決定部182は、必要高さΔhを計算する(S52)。
そして、避難場所決定部182は、S54、S55、S56、S54のループにおいて、必要高さΔhに満たない避難施設を除外する。必要高さΔhを満たす避難施設jがあると、S56からS57に進む。S57において、避難場所決定部182は、自己位置とその避難施設jとの距離Rjを計算する。S58(あるいはS59)、S54、S55,S56、S57,S58(あるいはS59)のループは、必要高さΔhを満たす避難施設jのうち、自己位置に最も近い避難施設jを抽出する処理である。避難場所決定部182は、避難施設jを切り替えながら以上の処理を繰り返し、S55において、N個のすべての避難施設についての判定が終わると、避難場所決定部182の処理はS60進む。避難場所決定部182は「j=1」でない場合(S60でNO)は、避難場所決定部182は、避難施設jminを最も自己位置に近く、必要高さΔhよりも標高の高い避難場所として決定する(S62)。一方、「j=1」の場合(S60でNO))、すなわち、S55で一度もNOとならなかった場合には、S61に進み、避難場所決定部182は、予め指定された避難所へ避難すべきと判定する。
【0049】
以上のように、実施の形態3の津波避難場所誘導装置100によれば、標高も含めた3次元で、津波に対する避難施設を決定することができる。よって、津波の災害から確実に逃れることができる。
【符号の説明】
【0050】
100 津波避難場所誘導装置、110 津波警報受信部、120 標高地図情報記憶部、121 標高地図情報、130 評価地点選択部、140 津波高さ抽出部、150 被害地域決定部、181 避難場所情報記憶部、182 避難場所決定部、183 誘導情報作成部、184 端末位置受信部、185 誘導情報発信部、188 GPS機能部、189 表示部、200 津波警報装置、300 端末装置、400 インターネット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
津波の発生が予想される沿岸区域を示す複数の津波予報区と、前記津波予報区に発生する津波の予想高さとを含む津波警報を発信する発信装置から前記津波警報を受信する津波警報受信部と、
標高を含む三次元の位置情報からなる地図情報を示す標高地図情報を記憶する標高地図情報記憶部と、
津波に対する避難場所の情報であって、前記避難場所の位置と、対応可能な津波の高さとを含む避難場所情報を記憶する避難場所情報記憶部と、
前記津波警報受信部によって前記津波警報が受信されると前記津波警報に含まれる前記津波予報区に対応する対応領域を所定の規則に従って前記標高地図情報において特定し、前記対応領域の特定の元となる前記津波予報区の津波予報高さを前記津波警報から取得する津波高さ取得部と、
前記津波高さ取得部によって取得された前記津波予報高さと、前記対応領域における標高とに基づいて、前記対応領域の中から津波の被害を被ると予想される津波被害予想地域を決定する津波被害予想地域決定部と、
前記津波被害予想地域決定部によって前記津波被害予想地域として決定された地域に対して前記津波被害予想地域の位置情報と前記津波被害予想地域に対応する津波高さとに基づいて前記避難場所情報記憶部の記憶する前記避難場所情報を検索し、前記避難場所情報の中から前記避難場所を決定する避難場所決定部と
を備えたことを特徴とする津波避難場所決定装置。
【請求項2】
前記避難場所情報記憶部の記憶する避難場所情報は、
前記避難場所として建築物を記憶すると共に、前記建築物の高さを記憶し、
前記避難場所決定部は、
前記避難場所情報記憶部の記憶する前記避難場所情報を検索する際には、前記津波被害予想地域の位置情報と前記津波被害予想地域に対応する津波高さと、さらに、前記建築物の高さとに基づいて前記避難場所情報を検索し、前記避難場所情報の中から前記避難場所を決定することを特徴とする請求項1記載の津波避難場所決定装置。
【請求項3】
前記津波避難場所決定装置は、さらに、
端末装置から位置情報を受信する端末位置受信部と、
前記避難場所決定部によって決定された前記避難場所と、前記端末位置受信部の受信した前記位置情報とを比較することにより、前記位置情報が前記避難場所の近隣かどうかを判定し、近隣と判定した場合には、前記標高情報記憶部の記憶する前記標高情報を参照することにより前記位置情報の示す前記端末装置の位置から前記避難場所までの避難ルートを作成する誘導情報作成部と、
前記誘導情報作成部によって作成された前記避難ルートを、前記誘導情報作成部によって近隣と判定された前記端末装置に送信する避難ルート送信部と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の津波避難場所決定装置。
【請求項4】
コンピュータを、
津波の発生が予想される沿岸区域を示す複数の津波予報区と、前記津波予報区に発生する津波の予想高さとを含む津波警報を発信する発信装置から前記津波警報を受信する津波警報受信部、
標高を含む三次元の位置情報からなる地図情報を示す標高地図情報を記憶する標高地図情報記憶部、
津波に対する避難場所の情報であって、前記避難場所の位置と、対応可能な津波の高さとを含む避難場所情報を記憶する避難場所情報記憶部、
前記津波警報受信部によって前記津波警報が受信されると前記津波警報に含まれる前記津波予報区に対応する対応領域を所定の規則に従って前記標高地図情報において特定し、前記対応領域の特定の元となる前記津波予報区の津波予報高さを前記津波警報から取得する津波高さ取得部、
前記津波高さ取得部によって取得された前記津波予報高さと、前記対応領域における標高とに基づいて、前記対応領域の中から津波の被害を被ると予想される津波被害予想地域を決定する津波被害予想地域決定部、
前記津波被害予想地域決定部によって前記津波被害予想地域として決定された地域に対して前記津波被害予想地域の位置情報と前記津波被害予想地域に対応する津波高さとに基づいて前記避難場所情報記憶部の記憶する前記避難場所情報を検索し、前記避難場所情報の中から前記避難場所を決定する避難場所決定部、
として機能させることを特徴とする津波避難場所決定プログラム。
【請求項5】
請求項4記載の津波避難場所決定プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項6】
津波の発生が予想される沿岸区域を示す複数の津波予報区と、前記津波予報区に発生する津波の予想高さとを含む津波警報を発信する発信装置から前記津波警報を受信する津波警報受信部と、
標高を含む三次元位置情報であって、電子地図を所定のメッシュに区切った場合の各メッシュを代表する位置を示す三次元位置情報が少なくとも関連づけられた地点を示す評価地点を複数含む標高地図情報を記憶する標高地図情報記憶部と、
複数の避難施設の避難施設ごとに、平面的な二次元位置情報と、前記避難施設に関する所定の高さを示す施設高さデータとが少なくとも関連づけられた避難場所情報を記憶する避難場所情報記憶部と、
現在位置を測位する位置測位部と、
前記津波警報受信部によって前記津波警報が受信されると、前記位置測位部によって測位された前記現在位置に最も近い前記評価地点を、前記三次元情報に基づいて前記標高地図情報記憶部から選択する評価地点選択部と、
前記評価地点選択部によって選択された前記評価地点を対象として、前記津波警報受信部が受信した前記津波警報に含まれる前記津波予報区を、順次選択する津波高さ取得部と、
前記評価地点選択部によって選択された前記評価地点を対象として、前記津波高さ取得部によって前記津波予報区が順次選択されるごとに、選択された前記津波予報区の前記津波の予想高さと、選択された前記評価地点に対応付けられた前記三次元位置情報に含まれる前記標高とに基づいて、選択された前記評価地点が津波の被害地点に該当するどうかを、所定の被害地域決定規則に基づき決定する被害地域決定部と、
前記被害地域決定部が前記評価地点を津波の前記被害地点と決定した場合に、前記避難場所情報記憶部を検索対象として、予め設定された高さである必要高さよりも高い高さに該当する前記施設高さデータを有し、かつ、選択された前記評価地点に最も近い前記避難施設を、前記二次元位置情報と前記施設高さデータとに基づき検索し、検索の結果、ヒットした前記避難施設を、前記津波警報受信部が受信した前記津波警報に対する避難場所として決定する避難場所決定部と
を備えたことを特徴とする津波避難場所決定装置。
【請求項7】
前記津波避難場所決定装置は、さらに、
前記避難場所決定部が前記津波警報に対する前記避難場所を決定した場合に、前記位置測位部によって測位された前記現在位置から前記避難場所決定部によって決定された前記避難場所である前記避難施設までの避難経路を作成する誘導情報作成部と、
前記誘導情報作成部によって作成された前記避難経路を表示する表示部と
を備えたことを特徴とする請求項6記載の津波避難場所決定装置。
【請求項8】
前記津波避難場所決定装置は、
人が携帯可能な、携帯端末装置であることを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の津波避難場所決定装置。
【請求項9】
コンピュータを、
津波の発生が予想される沿岸区域を示す複数の津波予報区と、前記津波予報区に発生する津波の予想高さとを含む津波警報を発信する発信装置から前記津波警報を受信する津波警報受信部、
標高を含む三次元位置情報であって、電子地図を所定のメッシュに区切った場合の各メッシュを代表する位置を示す三次元位置情報が少なくとも関連づけられた地点を示す評価地点を複数含む標高地図情報を記憶する標高地図情報記憶部、
複数の避難施設の避難施設ごとに、平面的な二次元位置情報と、前記避難施設に関する所定の高さを示す施設高さデータとが少なくとも関連づけられた避難場所情報を記憶する避難場所情報記憶部、
現在位置を測位する位置測位部、
前記津波警報受信部によって前記津波警報が受信されると、前記位置測位部によって測位された前記現在位置に最も近い前記評価地点を、前記三次元情報に基づいて前記標高地図情報記憶部から選択する評価地点選択部、
前記評価地点選択部によって選択された前記評価地点を対象として、前記津波警報受信部が受信した前記津波警報に含まれる前記津波予報区を、順次選択する津波高さ取得部、
前記評価地点選択部によって選択された前記評価地点を対象として、前記津波高さ取得部によって前記津波予報区が順次選択されるごとに、選択された前記津波予報区の前記津波の予想高さと、選択された前記評価地点に対応付けられた前記三次元位置情報に含まれる前記標高とに基づいて、選択された前記評価地点が津波の被害地点に該当するどうかを、所定の被害地域決定規則に基づき決定する被害地域決定部、
前記被害地域決定部が前記評価地点を津波の前記被害地点と決定した場合に、前記避難場所情報記憶部を検索対象として、予め設定された高さである必要高さよりも高い高さに該当する前記施設高さデータを有し、かつ、選択された前記評価地点に最も近い前記避難施設を、前記二次元位置情報と前記施設高さデータとに基づき検索し、検索の結果、ヒットした前記避難施設を、前記津波警報受信部が受信した前記津波警報に対する避難場所として決定する避難場所決定部、
として機能させるための津波避難場所決定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−227878(P2011−227878A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63994(P2011−63994)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】