説明

流体バルブ、具体的には塗装システム用の戻りバルブ

本発明は流体バルブ(8)、具体的には、塗装システム(1)において色変換する際に、塗料ライン(5)から、残余塗料、リンス剤、および圧縮空気を戻す戻りバルブ(8)に関連し、具体的には、色変換のために、塗料ライン(5)をリンス剤で洗浄し、塗料ライン(5)に新しい塗料を押し込む、流体バルブ(8)が少なくとも部分的に開放される開放ポジションと、具体的には、色変換の後に新しい塗料を塗布するための、流体バルブ(8)が閉鎖される閉鎖ポジションと、を有し、流体バルブ(8)が、開放ポジションと閉鎖ポジションとの間で調節され得ることを特徴とする。本発明は、流体バルブ(8)が、入口側に存在する流体に従い、その媒体によって作動されて、閉鎖ポジションに切り替えられることを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体バルブ、具体的には、戻りバルブに関する。戻りバルブは塗装システムに役立ち、たとえば、色変換中に、残余塗料、フラッシング剤、カラーフォーム、空気および/または圧縮空気を、塗料ライン、充填エリア等から、戻り系に導く、および/または、塗料の自立的な下流方向へのフローが戻り系に流れるのを食い止める。
【背景技術】
【0002】
図13Aは、車両部品を塗装する従来の塗装システム1の極めて簡素化された形態を示し、塗装システム1はベルカップ3を伴う回転アトマイザー2を塗布機器として備え、それは運転中に塗料の噴霧ジェット4をもたらす。ここで、回転アトマイザー2には塗料ライン5を通って塗布される塗料が供給され、メインニードルバルブ6が塗料ライン5に配置され、それは塗料のフローを回転アトマイザー2に導き、塗装プロセスの間、開放される。さらに、既知の塗装システム1に戻りバルブ8が配置された戻りライン7が装備され、色変換の間に残る残余物(たとえば、フラッシング剤、残余塗料、カラーフォーム)を捕捉し、およびそれらを経済的に処理するために、戻りライン7は戻り系に向けて開口している。
【0003】
塗装システム1において色が変換される時、最初にメインニードルバルブ6が閉鎖されることによって、回転アトマイザー2への塗料のフローが遮断される。次に、戻りバルブ8が開放され、フラッシング剤と圧縮空気(一陣の圧縮空気)を用いて塗料ライン5が清掃され、塗料ライン5に残存する塗料の残余が開放された戻りバルブ8を越えて、戻りライン7を通って、戻り系に導かれる。次に、塗料ライン5に所望の色の新しい塗料が充填(圧入)され、戻りバルブ8が開放されている間、メインニードルバルブ6はまだ閉じられている。新しい色以外に戻りバルブ8の向こう側の下流にある戻りライン7に、カラーフォームも圧縮空気もそれ以上流れない時には、充填は停止され得る。これは塗装システム1、本例においては光源9および光学センサー10からなる光バリアによって認識され、光源9およびセンサー10はこの領域における透明な戻りライン7の反対側に配置され、戻りバルブ8の向こう側から出てくる流体の光に対する透過度を光バリアが検知する。塗料ライン5をフラッシングしている間、フラッシング剤、残余塗料および圧縮空気の混合物が戻りライン7を通過し、この混合物における空気の割合が高いために、この混合物の光に対する透過度は比較的大きくなる。塗料ライン5の充填の後、新しい塗料が戻りバルブ8の出口に現れ、それは圧縮空気をほとんど含まず、それゆえに比較的光を通さない。センサー10はその出力側で制御ユニット11に接続され、新しい塗料が戻りバルブ8の出口に現れたことを光バリアが検知すると、制御ユニット11は戻りバルブ8を閉じる。
【0004】
図13Bもまた、図13Aに係る塗装システム1の既知の変形例であり、それは、戻りライン7が、ここで、メインニードルバルブ6の向こう側の下流にある塗料ライン5から分岐するという点で異なる。
【0005】
上述の塗装システム1の不利な点は、第一に、戻りライン7が運転中に汚れる可能性があり、光バリアが流体を通してフローの光に対する透過度をそれ以上検知できなくなるということである。
【0006】
上述の従来の塗装システム1のさらなる不利な点は、光学センサー10の反応と戻りバルブ8の閉鎖との間の反応時間であり、反応時間の間、新しい塗料は戻りライン7を越えて流れ、個々の塗料のロスに繋がる。
【0007】
上述の従来の塗装システム1はまた、戻りバルブ8を制御するために光源9および光学センサー10の形態における追加の構成要素をも必要とすることによって、製造コストおよび作動コスト、および過失賠償責任をも増加させる。
【0008】
さらに、所定のタイムプログラムに係る光バリアなしでの色変換の間に、戻りバルブ8が作動する可能性があることも従来技術から知られている。ここで、フラッシング操作の後、色変換の間に、新しい塗料が、特定の時間に、戻りバルブ8の向こう側の下流にある戻りライン7に現れるという仮定がなされる。
【0009】
タイムプログラムに基づいて、戻りバルブ8のこの既知の制御を用いることの不利な点は、色変換の間にフラッシングのために必要とされる時間と、新しい塗料の次の充填のために必要とされる時間は塗料の粘性次第であり、誤って調節された粘性または粘性におけるばらつきは戻りバルブ8の誤った制御に結びつくという事実である。もし戻りバルブの閉鎖が遅すぎれば、新しい塗料が戻りライン7から、対応する塗料のロスに関連する戻り系に流れる。他方、もし戻りバルブの閉鎖が早すぎれば、戻りライン8より前にある上流の塗料ライン5における、前に起こったフラッシング操作の残余物がまだあることによって、メインニードルバルブ6を開放した後の塗装品質が低下するだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それゆえ、本発明の目的は、具体的には、色が変換される時に、最小の努力で可能な限り精密に、戻りバルブ8を制御するようにオプションが提供されつつ、上述の従来の塗装システム1において適切な改良をすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
独立項に係る発明によれば、戻りバルブによって本目的が達成される。
【0012】
本発明は流体バルブを戻りバルブとして用いる全体的な技術的教示を含み、戻りバルブは自己媒体によって作動し、入口側に存在する流体に従って閉鎖ポジションに切り替えて、および/または、バルブを通る貫通流挙動(たとえば、流体の貫通流挙動(好ましくは、残余塗料、フラッシング剤、空気および/または圧縮空気))に影響を与え、たとえば、貫通流挙動が、好ましくは、流体の流れ、流体の流れ(Fluidfluss)、流体の押し出し量(Fluiddurchsatz)、開放ポジション、閉鎖ポジション、および/または、開放ポジションと閉鎖ポジションとの間にある1つまたはそれ以上のポジションを含み得ることを特徴とする。このことは、バルブポジションの調節はバルブドライブによる外部作動によっては得られず、入口側に存在する流体の性質(たとえば粘性)によって得られる、ことを意味する。たとえば、入口側に存在する流体に従い、自己媒体によって作動される閉鎖力増幅器を始動させるために、本技術的教示がさらに用いられ得ることによって、閉鎖力増幅が、それぞれ、獲得され、かつ、始動され得る。有利なことには、第1のライン(たとえば塗料ライン)および/または第1のエリア(たとえば充填エリア)から、第2のライン(たとえば、戻り系)に向けて、自己(selbst)または自己(bzw)媒体作動によって、第1の流体(たとえば、残余塗料、フラッシング剤、カラーフォームおよび空気(たとえば、圧縮空気))を導き、および/または、第2の流体(たとえば、塗装操作用の塗料)が、自己(selbst)または自己(bzw)媒体作動によって、第2のラインに向けて流出することを防ぎ得る、バルブが設けられ得る。
【0013】
本発明の流体バルブは、具体的にはフラッシング剤で塗料ラインをフラッシングし、および、色変換の間に、塗料ラインに新しい塗料を充填する(押圧する)ための、流体バルブが少なくとも部分的に開放される開放ポジションを有する。
【0014】
本発明の流体バルブは、さらに、具体的には色変換の後に新しい塗料を塗布するため、流体バルブが閉鎖される閉鎖ポジションを有する。
【0015】
流体バルブは開放ポジションと閉鎖ポジションとの間で調節可能であり、入口側に存在する流体による自己媒体作動によって調節が得られることを特徴とする。
【0016】
本発明の一部として、入口側に存在する流体による自己媒体作動によって、開放ポジションから閉鎖ポジションへの切り替え操作が少なくともある。しかしながら、切り替え操作はまた、自己媒体作動によって両方向に得られてもよい。そのため、本発明の一部として、流体バルブが、自己媒体作動によって、閉鎖ポジションから開放ポジションに切り替える可能性がある。
【0017】
本発明の好ましい実施態様においては、従来技術に関して既に上述されたように、流体バルブは塗装システムにおける戻りバルブであり、色変換の間に、塗料ラインから戻り系に向けて、残余塗料、フラッシング剤、カラーフォームおよび空気または圧縮空気を導く。本発明の好ましい実施態様においては、戻りバルブの入口側に特定の媒体、具体的には新しい塗料がある場合、戻りバルブは、その構造に基づいて、第1の媒体(好ましくは流体)、異なる第2の媒体(好ましくは他の流体)、具体的には、一方における塗料と、他方における空気、圧縮空気、空気を含むカラーフォーム、およびフラッシング剤とを区別し、戻りバルブが、たとえば、自立的に、かつ、その構造に基づいて、閉鎖ポジションに切り替えることを特徴とする。バルブが、その構造に基づいて、一方における流体(たとえば、フラッシング剤、(残余)塗料、など)と、他方における気体媒体(たとえば、空気および圧縮空気のそれぞれ)とを区別することも可能である。一方、戻りバルブの入口側に空気または圧縮空気またはカラーフォームがある場合には、本発明の戻りバルブは、好ましくは、自立的に、かつ、その構造に基づいて、開放ポジションに切り替えるか、少なくとも開放ポジションにとどまる。この自己媒体作動による戻りバルブの調節によって、必要とされる外部のバルブドライブおよび複雑な感覚システムの実行が、一方における新しい塗料と、他方におけるフラッシング剤、残余塗料および空気および圧縮空気のそれぞれ、およびカラーフォームとを区別することが可能となる。しかしながら、本発明は、流体バルブの調節が自己媒体作動のみによってなされる実施態様に限定されるものではない。本発明の一部として、自己媒体作動による流体バルブの調節が、以下に述べられる外部調節と組み合わされ得ることもむしろ可能である。
【0018】
さらに、自己媒体作動による調節が、閉鎖力増幅を得るおよび始動させるそれぞれのために有利に用いられ得る。たとえば、流体バルブまたは戻りバルブの入口側に塗料がある場合に、流体バルブまたは戻りバルブが、自立的に、かつ、その構造に基づいて、閉鎖力増幅器(以下に詳述される)を始動させるために設けられ得る。流体バルブまたは戻りバルブの入口側に塗料がある場合に、流体バルブまたは戻りバルブが、自立的に、かつ、その構造に基づいて、拘束機構(以下に詳述される)を始動させ、および/または、制御し得るように、流体バルブまたは戻りバルブをさらに設けることも可能であることによって、閉鎖力増幅が得られることと、始動されることのそれぞれが可能となり得る。
【0019】
本発明の好ましい実施態様においては、閉鎖ポジションにおいて入口側に存在する流体の粘性に従って制御される自己媒体作動によって、流体バルブが切り替わる。充填(押圧)の間に戻りバルブに到達する新しい塗料は、塗料ラインをフラッシングする間に起こる空気を含有するカラーフォームよりも大きな粘性を有する。本発明の一部として、入口側に存在する流体の他の特性に従って、開放ポジションと閉鎖ポジションとの間で流体バルブが切り替わる可能性もある。たとえば、流体バルブの切り替えプロセスは、質量密度、物理的条件、圧力膨張、導電率、光学特性(たとえば、光および塗料に対する透過性)、熱伝導率、振動挙動、透磁率によって、および/または、入口側に存在する流体の圧力によって、制御され得る。
【0020】
本発明の好ましい実施態様においては、塗料ラインが最大限可能なフラッシング剤の流れでフラッシングされ得るように、開放ポジションにおいて流体バルブが最大限に開放される。さらに、流体バルブは、開放ポジションおよび閉鎖ポジションに加えて、たとえば、新しい塗料を充填している間に新しい塗料を待つための待機ポジションを有し得て、そのポジションにおいては、流体バルブは少なくとも部分的に開放されている。開放ポジションからの切り替えのため、流体バルブの外部制御が必要である一方、それは自立的に、かつ、自己媒体作動によって開放ポジションから閉鎖ポジションに切り替わらずに、待機ポジションから切り替わるのみであるように、本発明の流体バルブが設計され得る。
【0021】
3つの切り替え条件(開放ポジション、待機ポジションおよび閉鎖ポジション)を有する流体バルブのそのような構造設計によって、塗料ラインが最大限可能なフラッシング剤の流れで、可能な限り素早くフラッシングされ得るように、色変換中、最初に、流体バルブは開放ポジションに切り替えられる。フラッシングプロセスの終点において、そしてそれゆえに新しい塗料を充填する工程の始点において、戻りバルブは開放ポジションから待機ポジションに切り替えられ、この切り替えプロセスが好ましくは外部のバルブ制御によって実行されることを特徴とする。充填プロセスの終点においては、新しい塗料が最終的に戻りバルブの入口に現れることによって、自己媒体作動により、戻りバルブは待機ポジションから閉鎖ポジションに切り替わる。
【0022】
本発明が、自己媒体作動による方法でのみ制御される流体バルブに限定されるものではないことが上述されている。むしろ、本発明は、外部のバルブドライブによって外部的に追加の制御が可能な、具体的には外部媒体作動(たとえば、圧縮空気によって)される流体バルブをも含む。
【0023】
本発明の流体バルブはそれゆえに、好ましくは第1の制御入力部を備え、これは好ましくは第1の制御空気接続部であり、外部作動によって流体バルブを閉鎖ポジションに切り替えるために制御空気がそこを越えて供給され得る。第1の制御空気接続部を越えて供給される空気および/または圧縮空気は、本明細書において、自己媒体作動による流体バルブの切り替え動作を支持するために機能し得る。しかしながら、入口側に存在する流体とは関係なく、第1の制御空気入力部を越えて、流体バルブが閉鎖ポジションに切り替えられ得る可能性もある。
【0024】
さらに、いくつかの実施態様においては、本発明の流体バルブは第2の制御入力部を備え、そこを越えて、外部作動によって流体バルブが開放ポジションに切り替えられ得る。また、第2の制御入力部は好ましくは、流体バルブを制御するために空気および/または圧縮空気が供給され得る第2の制御空気接続部である。
【0025】
本発明の好ましい実施態様においては、流体バルブは、シリンダーと、シリンダー内部で移動可能なピストンと、を有し、ピストンが、閉鎖ポジションと開放ポジションとの間にある閉鎖部材を動作させることができることを特徴とする。さらに、本実施態様における流体バルブは弁座を有し、閉鎖ポジションにおいて閉鎖部材が弁座を閉鎖する一方、開放ポジションにおいては、閉鎖部材は弁座を開放させる、および、解放させることのそれぞれを行うことを特徴とする。バルブの動作はここではピストンによって駆動され、ピストンの片側または両側に空気または圧縮空気が印加され得る。さらに、所望の中立ポジションをセットするために、ピストンの片側または両側にスプリングのスプリング力もピストンに印加され得る。
【0026】
さらに、流体バルブは、自己媒体作動の閉鎖力を増幅する閉鎖力増幅器を本発明の一部として備え得て、たとえば、新しい塗料を充填中、新しい塗料が入口側の戻りバルブに現れる場合に、流体バルブが、可能な限り早くおよび/または確実に閉鎖する。
【0027】
たとえば、閉鎖力増幅器は外部媒体作動によって、具体的には空気および/または圧縮空気によって、操作され得る。しかしながら、閉鎖力増幅器が、スプリングおよび/または最初から組み込まれた機構によって運転されることもまた可能であり、具体的には、スプリングおよび/または最初から組み込まれた機構による増幅された閉鎖力を生むことも可能である。
【0028】
閉鎖力増幅器が拘束機構を含むことも可能であり、それは、たとえば、流体バルブ内に位置する軸受部または支持部(たとえば、軸受プレートまたは停止プレート、アビューティングリング(Anlargering)等)との拘束を生じさせ得る。軸受部は好ましくは中央開口部を有し、たとえば、周縁部および/または中央開口部に隣接して、軸受部分、支持部分、および/または拘束部分を作るように設けられる。軸受部は、好ましくは、シリンダーの壁および/または流体バルブまたは戻りバルブの筐体の壁に固定され得る。
【0029】
一実施態様においては、拘束機構は切り替え可能または制御可能、具体的にはロック可能および/またはアンロック可能である。具体的な好ましい構造として、閉鎖力増幅を得る、または、始動させるために、および/または、閉鎖ポジションを得るか、または、流体バルブまたは戻りバルブが閉鎖ポジションに移動することを可能にするために、拘束機構(または拘束部)は、入口側に存在する流体に従い、自己媒体作動によって、制御され、または、切り替えられ、具体的にはアンロックされ得る。
【0030】
そのため、有利なことには、具体的には、アンロックすることによって、スプリングおよび/または最初から組み込まれた機構(たとえば、コイルまたは圧力スプリング)が解放され、または、解放される(entspannt)という点において、閉鎖力増幅を得る、またはそれを始動させるために、閉鎖力増幅器がバルブに(たとえば、バルブの閉鎖部材に)存在する流体(たとえば、新しい塗料、塗料、など)によって始動される、および/または、拘束機構がアンロックされることが可能である。
【0031】
一実施態様においては、拘束機構は、スナップ結合機構、ラッチ結合機構、および/またはクランプ結合機構として設計され得る。
【0032】
空圧的な閉鎖力増幅器に関して、閉鎖力増幅器は、好ましくは、シリンダーに向けて開口し、流体バルブを閉鎖する機能を有する第一の制御空気接続部を選択的に開放または閉鎖する増幅器バルブを備え、流体バルブの自己媒体作動による制御が流体バルブのわずかな閉鎖に至る場合に閉鎖力増幅器が増幅バルブを開放することと、支持力が第一の制御空気接続部によって起動され、閉鎖力を増幅することを特徴とする。
【0033】
閉鎖力増幅器の一実施態様においては、増幅バルブは、ピストンと連結されたバルブスライダを備える滑動バルブであるため、ピストンの動作がバルブスライダの対応する動作に至る。ここでは、流体バルブのピストンが開放ポジションにある場合にバルブスライダが第1の制御空気接続部を閉鎖するように、閉鎖力増幅器が設計される。このことは、流体バルブが開放ポジションにある時には力増幅は作用しないということを意味する。一方、力増幅が作用するように、ピストンが、開放ポジションから、閉鎖ポジションの方向にそのわずかなストロークを動作させた場合に、バルブスライダが第1の制御空気接続部を解放するように、閉鎖力増幅器が設計される。流体バルブの閉鎖動作の間、閉鎖力支持部は、まだ開放ポジションにおいて作用しておらず、ピストンが開放ポジションから閉鎖ポジションの方向にわずかに動いた場合にのみ作用する。
【0034】
流体バルブを閉鎖するために機能する第1の制御空気接続部は、シリンダーの外側面に向けて径方向または軸方向に開口するというオプションがある。
【0035】
シリンダー内部の第1の制御空気接続部の軸方向の開口部に関しては、第1の制御空気接続部は、好ましくは、直接的または間接的に、ピストンによって閉鎖または開放され、第1の制御空気接続部の開口部がピストンよりも小さな断面積を有することと、断面積の比が力増幅因子を決定することを特徴とする。ここで、第1の制御空気接続部の閉鎖された開口部に対して、第1の制御空気接続部に印加された空気圧が相対的に小さな面積にのみ作用し、それゆえに相対的に小さな力のみを生むという原理に、閉鎖力増幅は基づいている。一方、第1の制御空気接続部の開口部を開放した後、第1の制御空気接続部に印加された空気圧は、第1の制御空気接続部の開口部よりも極めて大きなピストンの表面全体に対して作用し、ピストンに作用する閉鎖力も、それぞれ、より高くなる。
【0036】
さらに、本発明の一部として、閉鎖力増幅器が、圧力が制御されたパイロットバルブを備え、パイロットバルブが開放された時に、第1の制御空気ラインにおける圧力が流体バルブの閉鎖動作を支持するように、パイロットバルブが、第1の制御空気ラインと、流体バルブの第1の制御空気接続部とを接続することを特徴とする可能性もある。ここで、流体バルブの供給ライン内に流れる流体に従って、パイロットバルブが制御される。このために、充填プロセスの終点において流体バルブの供給ライン内で圧力が増加する時にパイロットバルブが開放されるように、パイロットバルブは、好ましくは、流体バルブの供給ラインと接続された制御入力部を備える。
【0037】
本発明の一実施態様においては、流体バルブは膜バルブとして形成され、閉鎖部材を支える弾性膜を備える。膜に接続された流体バルブの閉鎖部材は、既に上述されているように、ピストンと機械的に接続され得る。ついで、閉鎖ポジションへの、および/または、開放ポジションへの、流体バルブの外部制御が、ピストンによって可能になる。
【0038】
本発明の一部として、流体バルブが、閉鎖部材、好ましくは穴あきディスクを伴う、を備え、スリット型の孔が穴あきディスクに位置し得ることを特徴とする可能性もある。所定の粘性限界を超える時に流体バルブの閉鎖に至る、入口側に存在する流体の粘性に従って所定の閉鎖力が生成されるように、穴あきディスクにおける孔のサイズが決められる。
【0039】
また、開放ポジションにおける(および待機ポジションのそれぞれ)閉鎖部材と周囲の弁座との間に小さなリングギャップのみがあるという点において、本発明の流体バルブの自己媒体作動が理解され得る。ここで、貫通する流体の粘性に従って、流体バルブの入口側と出口側との間に圧力差が起こるように、リングギャップのギャップ幅が設定され、圧力差が閉鎖部材に作用し、閉鎖力を生成することを特徴とする。
【0040】
たとえば、空気が流体バルブを通って流れる場合、流体バルブの入口側と出口側との間の圧力差が小さくなるように、小さなリングギャップにもかかわらず流体バルブが小さな流れ抵抗のみを生み、結果として相当する小さな閉鎖力に至る。この場合においては、入口側の空気または圧縮空気はほぼ障害なく通過できるように、流体バルブは開放ポジションを維持する。
【0041】
一方、流体バルブを通って流れる新しい塗料がある場合、流体バルブの入口側と出口側との間の、対応する、より大きな圧力差に至る、塗料のより高い粘性によって、流体バルブの小さなリングギャップは、より大きな流れ抵抗を生む。流体バルブの入口側と出口側との間のより大きな圧力差が同様に閉鎖力を生成することによって、流体バルブが自立的に閉鎖する、および/または、閉鎖力増幅が始動される。
【0042】
さらに、本発明の流体バルブは、フィードバックを可能にするために、流体バルブが位置するポジション(たとえば、開放ポジション、閉鎖ポジションおよび/または待機ポジションまたは充填ポジション)を認識する位置センサーを備え得て、位置センサーが、たとえば、空圧的、電気的または光学電子的に操作され得ることを特徴とする。センサーが特定のポジションのみ、具体的には閉鎖ポジションのみを検索または検知することも可能である。
【0043】
さらに、本発明の一部として、流体バルブの閉鎖部材が、ロッドまたは機械的な補整要素によってピストンと接続され、補整要素によって、閉鎖部材とピストンとの間の遊びが可能となることを特徴とする可能性がある。ここで、補整要素の遊びは、好ましくは、開放ポジションから閉鎖ポジションまでの閉鎖部材の動作よりも大きく、ピストンの動作なしで、自己媒体作動によって、開放ポジションおよび/または待機ポジションから、閉鎖ポジションに向けて、閉鎖部材が動作され得る。
【0044】
閉鎖部材とピストンとの連結に対する補整要素を伴う本変形例に関しては、遊びの領域にある閉鎖部材を開放ポジションまたは待機ポジションに向けて動かす、設けられた弾性膜があることが好ましい。ここで、膜の自身の弾性に基づいて、および/または、スプリング要素(たとえば、コイルバネ)によって、膜の位置決め動作が起こり得る。さらに、膜は封止機能も実現する可能性がある。たとえば、膜は、膜支持部によって、ロッドおよび補整要素のそれぞれと接続され得る。
【0045】
拘束機構が、力がそれに印加された時にその元々の形態を変えるために、好ましくは弾性的に設計された拘束要素を含み得ることによって、たとえばアンロックによって、閉鎖ポジションおよび/または閉鎖力増幅が得られてもよく、および、力がもはや印加されない時にその原型に戻るために、たとえば、ロッキングによって、待機ポジション、開放ポジションおよび/または閉鎖力増幅の停止が得られてもよい。
【0046】
拘束要素は、好ましくは、ピストンロッド、少なくとも1つ、好ましくは1つ以上の基部から突き出す拘束レバーに取り付けられた基部を有する。さらに、拘束要素は、好ましくは、拘束の形成のための少なくとも1つの拘束部分を有し得る。拘束部分と、軸受部または支持部(好ましくは、軸受部分、支持部分、または、軸受部分および中央開口部の周縁部のロッキング部分)との間に、好ましくは拘束が形成される。
【0047】
さらに、拘束要素は、拘束部分の拘束のアンロックおよび/またはロックを得るために、切り替え要素との相互作用に用いる少なくとも1つの切り替え部分(たとえば、傾斜した切り替え面)を含み得る。拘束部分および/または切り替え部分は、好ましくは、少なくとも1つの拘束レバーの自由端の領域に配置される。
【0048】
拘束機構は、拘束部分の拘束のアンロックおよび/またはロックのための切り替え要素(たとえば、傾斜した切り替え面)をさらに含み得る。切り替え要素は、好ましくは、ロッドまたは補整要素に接続され、および/または、ロッドまたは補整要素と一緒に動作可能である。切り替え要素は、好ましくは、ロッドまたは補整要素に位置する膜支持部に設けられるが、しかしながら、ロッドまたは補整要素に設けられてもよい。
【0049】
一実施態様においては、切り替え要素および/または閉鎖部材が設けられ、たとえば、待機ポジションおよび/または開放ポジションから拘束要素(またはピストン)の方向に向けて軸方向に動作し、具体的には、閉鎖ポジションおよび/または閉鎖力増幅を得るため、および/または、拘束部分の拘束をアンロックする、または、拘束要素をその元々の形態から、好ましくは、径方向内側に向けて変形するために、入口側に存在する流体によって、および/または、閉鎖力増幅器によって強いられる。
【0050】
さらに、切り替え要素および/または閉鎖部材が好ましくは設けられ、たとえば、待機ポジションおよび/または閉鎖ポジションから、拘束要素(またはピストン)から遠ざかる方向に向けて軸方向に動作し、具体的には、待機ポジションおよび/または開放ポジションを得るため、および/または、拘束部分の拘束をロックするために、または、拘束要素を、その元々の形態に、好ましくは、径方向外側に向けて戻すために、第2の制御入力部を経て、外部作動(たとえば、空気または圧縮空気)によって強いられる。
【0051】
一実施態様においては、閉鎖部材は、好ましくは、ロッドまたは補整要素の自由端に設けられ得る。
【0052】
流体バルブは、少なくとも1つの円錐部と、好ましくは少なくとも1つの円筒部と、を有する弁座を含み得る。
【0053】
さらに、流体バルブは、少なくとも1つの円錐部と、好ましくは少なくとも1つの円筒部と、を有する閉鎖部材を含み得る。
【0054】
さらに、封止手段(たとえば、封止リング、好ましくはOリング、および/または封止エッジ)を用いて閉鎖部材を封止すること、または、封止手段をそれに用いることも可能である。閉鎖部材の円錐部は、具体的には閉鎖ポジションにある弁座の円錐部を封止するように配置するために、好ましくは、円周状の封止エッジまたは封止リングを有する。
【0055】
閉鎖部材の円筒部が好ましくは設けられ、待機ポジションにおいて、好ましくは軸方向に延在するリングギャップを形成するが、弁座の円筒部を伴って開放ポジションおよび/または閉鎖ポジションにおいても形成される可能性があり、それはその軸方向の延長を越える略一定のギャップ寸法またはギャップ幅を有し、および/または、ピストンロッド、ロッドおよび/または補整要素と同軸および平行に延びる。リングギャップを形成するために、閉鎖部材の円筒部の直径は、ロッドまたは補整要素の直径よりも大きく、および/または、弁座の円筒部の直径よりも小さいことが、より好ましい。
【0056】
一実施態様においては、閉鎖部材の円筒部が閉鎖部材の自由端に位置する一方、閉鎖部材の円錐部は、たとえば、ロッドまたは補整要素と、円筒部との間に位置し得る。
【0057】
他の実施態様においては、閉鎖部材は、第1の円錐部と、第2の円錐部と、円筒部と、を含み、閉鎖部材の円筒部が、閉鎖部材の第1の円錐部と第2の円錐部との間に位置する一方、たとえば、第1の円錐部が、ロッドまたは補整要素と、閉鎖部材の自由端にある円筒部および第2の円錐部と、の間に位置し得ることを特徴とする。
【0058】
拘束要素、軸受部および/または膜支持部は、金属、好ましくはステンレス鋼、具体的には硬化鋼から作られ得る。
【0059】
本発明が、別個の構成要素として上述した流体バルブに限定されるものではないことにも言及すべきである。むしろ、塗装システムの色変換の間に、戻りラインをフラッシングしている間に生じる塗料の残渣を、戻りラインを経て、戻り系に導くために、本発明は、本発明に係る戻りバルブを伴う完全な塗装システムをも含み、そこから塗料の残渣が経済的に処理され得る。
【0060】
本発明の一部として、自己媒体作動による充填−停止−機能を、アトマイザーのメインニードルバルブに統合する可能性もある。本方法においては、戻り系なしに、メインニードルを経て、アトマイザーに充填することが可能となるであろう。
【0061】
本発明はまた、以下の方法ステップまたは操作段階のうち少なくとも1つを伴う色変換方法をも含む。
a)塗料ラインを経て、塗料を供給しつつ塗装する段階。
b)戻りバルブを経て、塗料ラインを、戻りラインに向けてフラッシングする段階。
c)塗装構成要素およびメインニードルダクト(メインニードル、ノズル、エアキャップまたはベルカップ)をフラッシングする段階。
d)充填−停止バルブが待機ポジションに至る段階。この操作段階は、操作段階c)と時間的に重なり得る。
e)戻りバルブ(充填−停止バルブ)までの塗料ラインの注入(充填)。入口に塗料がある場合に、戻りバルブが自動的に閉鎖することを特徴とする。
f)自己媒体作動によって、貫通流挙動(具体的には、たとえば、入口側に存在する流体に従って、バルブを通る流体の挙動)に影響を与える。
【0062】
さらに、本発明は、塗装システムにおけるそのような戻りバルブの新しい使用をも含む。
【0063】
本発明の他の有利なさらなる発展形が従属項において特定され、または、本発明の好ましい実施態様の説明とともに、以下の図面を参照して、以下に詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】充填(加圧)プロセスの終点において自己媒体作動で閉鎖ポジションに切り替わる本発明の戻りバルブの模式的な図である。
【図2】戻りバルブの外部作動による閉鎖のため、バルブニードルを通して制御空気が供給される、図1に係る戻りバルブの変形例の図である。
【図3】閉鎖力増幅器に滑動バルブが取り付けられた、空圧的閉鎖力増幅器を伴う、図1に係る戻りバルブの変形例の図である。
【図4】閉鎖力増幅器の異なる設計を伴う、図3に係る戻りバルブの変形例の図である。
【図5】外部作動による戻りバルブの開放に機能する制御空気接続部を一つだけ伴う、図1に係る戻りバルブの変形例の図である。
【図6】膜を伴う、本発明の戻りバルブの他の実施態様を示す図である。
【図7】外部作動による戻りバルブの開放のための追加ピストンを伴う、図6に係る、戻りバルブの変形例の図である。
【図8】外部作動による戻りバルブの空圧的な閉鎖を準備することをも可能にする、図7に係る戻りバルブのさらなる発展形の図である。
【図9】遊びを伴う補整要素を経て、ピストンが閉鎖部材と接続された、図8に係る戻りバルブの変形例の図である。
【図10】外部作動による戻りバルブの閉鎖のためのパイロットバルブを伴う、図9に係る戻りバルブのさらなる発展形の図である。
【図11】閉鎖部材が穴あきディスクを有する、図7に係る戻りバルブの変形例の図である。
【図12】(A)〜(D)は、本発明の戻りバルブのさまざまな操作条件の図である。
【図13A】戻りラインを伴う、従来の塗装システムの模式図である。
【図13B】戻りラインを伴う、従来の塗装システムの模式図である。
【図14A】充填(加圧)ポジションにおける戻りバルブを示し、図9に係る戻りバルブと同様の戻りバルブの拡大断面図である。
【図14B】戻りバルブが、入口側に存在する塗料圧力によって、セットされ得て、および/または、圧縮空気によって作動され得る、閉鎖ポジションにおける図14Aに係る戻りバルブの図である。
【図14C】塗料ラインをフラッシングするために開放されたフラッシングポジションにおける、図14Aおよび14Bに係る戻りバルブの図である。
【図15】充填/待機ポジション(塗料の作動なし)における閉鎖力増幅を伴う、本発明の戻りバルブの他の実施態様の図である。
【図16】図15に係る戻りバルブ用の拘束機構の拘束要素の斜視図である。
【図17A】閉鎖/塗装ポジション(塗料の作動および閉鎖力増幅を伴う)における図15に係る戻りバルブの図である。
【図17B】フラッシングポジション(圧縮空気支持を伴う)における図15に係る戻りバルブの図である。
【図18A】本発明の実施態様に係る、弁座、ロッドまたは補整要素および閉鎖部材のさまざまな態様の詳細図である。
【図18B】本発明の実施態様に係る、弁座、ロッドまたは補整要素および閉鎖部材のさまざまな態様の詳細図である。
【図18C】本発明の実施態様に係る、弁座、ロッドまたは補整要素および閉鎖部材のさまざまな態様の詳細図である。
【図19】本発明の流体バルブの取り付け位置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1に係る実施態様は、参照符号が上述された図13に示される上述の従来の塗装システムと部分的に一致し、反復を避けるため、同一の参照符号が対応する細部に対して用いられる。
【0066】
ここで、戻りバルブ8に、ピストン13がその内部で移動可能であるシリンダー12が取り付けられ、ピストン13は封止部14によってシリンダー12の内壁に対して封止され、それによって、圧縮空気がピストン13を制御できる。このために、戻りバルブ8は2つの圧縮空気接続部15、16を有し、圧縮空気接続部15がピストン13の下でシリンダー12に向けて開口し、外部作動によって戻りバルブ8を空圧的に閉鎖できる一方、圧縮空気接続部16がピストン13の上でシリンダー12に向けて開口し、外部作動によって戻りバルブ8を空圧的に開放できることを特徴とする。
【0067】
さらに、戻りバルブ8に2つのコイルバネ17、18が取り付けられ、上部のコイルバネ17は、下部のコイルバネ18よりも弱い。
【0068】
上部のコイルバネ18は、その上側で、シリンダー12の内側の端面上に載り、ピストン13に対して上から軸方向に圧縮する。
【0069】
下部のコイルバネ17は、その下側で、停止プレート26上に載り、ピストン13に対して下から軸方向上向きに圧縮する。停止プレート26は、ピストンロッド20を通すように、その中間に中間ボアを有する。
【0070】
ピストンロッド20にはその側面にカラー状のドライバー27が取り付けられ、それは、ピストンロッド20が、示された待機ポジションから閉鎖ポジションに向けて上昇する時に、停止プレート26に対して下方から衝突し、停止プレート26をそれとともに上方に持っていく。
【0071】
図に示す待機ポジションにおいて、停止プレート26は、その下側において、リング状の支持部28に載る。
【0072】
さらに、戻りバルブ8には閉鎖部材19が取り付けられ、それはバルブニードル20を越えてピストン13に接続され、ピストン13の動作が閉鎖部材19に伝達される。ここで、閉鎖部材19は弁座21に位置し、図面に示す戻りバルブ8の開放ポジションにおいて、閉鎖部材19と弁座21との間に小さなリングギャップがあることを特徴とする。
【0073】
ここで、閉鎖部材19と弁座21との間のリングギャップは、入口側に到達する空気またはカラーフォームが実質的に障害なく通過できるように形成され、閉鎖部材19の入口側と出口側との間には圧力差が生じないことを特徴とする。
【0074】
一方、戻りバルブ8において、入口側により高い粘性を有する塗料がある場合には、閉鎖部材19と弁座21との間のリングギャップを通る塗料のフローがリングギャップの小さな断面積のために妨げられることによって、閉鎖部材19の入口側と出口側との間に圧力差が生じる。同様に、閉鎖部材19の入口側と出口側との間のこの圧力差が閉鎖部材19に対する閉鎖力を生み、閉鎖部材19は、図面に示す待機ポジションまたは開放ポジションから、閉鎖ポジションに向けて上側に動かされ、戻りバルブ8が閉じる。
【0075】
さらに、圧縮空気を制御接続部15に当てることにより、外部制御によって、戻りバルブ8はまた、閉鎖ポジションに向けて動かされ得る。
【0076】
さらに、圧縮空気を上部の制御接続部16に当てることによって、戻りバルブ8は再度開放され得る。
【0077】
図2に示す実施態様は、図1に例証される上述の実施態様と広範囲にわたって一致し、参照符号が上述されており、反復を避けるため、同一の参照符号が対応する細部に対して用いられる。
【0078】
本実施態様の一つの特別な特徴は、戻りバルブ8を閉鎖する制御接続部15が、バルブニードル20と同軸に貫通することである。
【0079】
図3に係る実施態様は、図1に係る上述の実施態様と部分的に一致し、参照符号が上述されており、反復を避けるため、同一の参照符号が対応する細部に対して用いられる。
【0080】
本実施態様の一つの特別な特徴は、本実施態様における戻りバルブ8に、自己媒体作動によって閉鎖力を増幅する閉鎖力増幅器が取り付けられていることである。このため、閉鎖力増幅器は、圧縮空気接続部15を選択的に開放または閉鎖することが可能である増幅バルブを有する。増幅バルブは実質的にバルブスライダから構成され、バルブスライダ22はその外側でピストン13の下面に取り付けられ、圧縮空気接続部15の開口部を越えて下向きに突き出ている。
【0081】
図面に示すように、戻りバルブ8の開放ポジションにおいて、バルブスライダ22が圧縮空気接続部15の開口部を閉鎖し、圧縮空気接続部15に印加される空気圧はピストン13には作用しない。
【0082】
一方、閉鎖部材19が、自己媒体作動によって、図面に示す開放ポジションから、閉鎖ポジションの方向に向けてわずかに上向きに動く場合には、バルブスライダ22は圧縮空気接続部15の開口部を解放し、圧縮空気接続部15に印加される圧縮空気がピストン13の下面に作用し、さらに、閉鎖ポジションの方向に向けてそれを上向きに押す。
【0083】
図4に係る実施態様は、図3に係る上述の実施態様と部分的に一致し、参照符号が上述されており、反復を避けるため、同一の参照符号が対応する細部に対して用いられる。
【0084】
本実施態様の一つの特別な特徴は、閉鎖力増幅器の構造上の設計である。圧縮空気接続部15はシリンダー12に向けて下から軸方向に開口し、図4に示す開放ポジションにおける圧縮空気接続部15の開口部がピストン13によって間接的に閉鎖され、圧縮空気接続部15の開口部が相対的に小さな断面積を有しているにすぎないため、相対的に小さな力しかピストン13に作用しないことを特徴とする。
【0085】
一方、戻りバルブ18の初期の閉鎖動作の間に、ピストン13が圧縮空気接続部15の開口部を解放する場合、ピストン13の下面全体に圧縮空気接続部15を越えてもたらされる圧力が突然印加されることによって、きわめて大きな閉鎖力が生じる。ここで、力の伝達率は、一方における圧縮空気接続部15の開口部の断面積と、他方におけるピストン13の断面積との比によって決定される。
【0086】
図5に示す実施態様は、図1に例証される上述の実施態様と広範囲にわたって一致し、参照符号が上述されており、反復を避けるため、同一の参照符号が対応する細部に対して用いられる。
【0087】
本実施態様の一つの特別な特徴は、図1において設けられている圧縮空気接続部15が含まれていないことである。そのため、図5に係る実施態様によっては、外部作動による戻りバルブの閉鎖は可能ではなく、自己媒体作動制御による閉鎖動作だけとなる。
【0088】
図6は、基本的には、本発明の戻りバルブの異なる実施態様を示すが、上述の実施態様と部分的に一致もしていることを示し、参照符号が上述されており、反復を避けるため、同一の参照符号が対応する細部に対して用いられる。
【0089】
本実施態様の一つの特別な特徴は、シリンダー12内に配置された弾性膜23があることであり、閉鎖部材19が膜23の中間に接続され、膜23はその撓みに従う適切な復元力を生む。
【0090】
さらに、膜23の動作中の圧力補整を可能にするために、シリンダー12はその上面に補整孔24を有する。
【0091】
図7に係る本実施態様は、図6に係る実施態様とその前の実施態様との組み合わせであり、参照符号が上述されており、反復を避けるため、同一の参照符号が対応する細部に対して用いられる。
【0092】
本実施態様の一つの特別な特徴は、シリンダー12内に配置された膜23だけでなくピストン13もあり、バルブニードル20が、閉鎖部材19を、膜23およびピストン13と接続することである。それゆえに、圧縮空気接続部16に適切な圧力が印加されるという点で詳細が上述された、ある意味での圧力印加によって、このケースにおける閉鎖部材19は開放ポジションに向けて動き得る。
【0093】
図8に係る実施態様は、図7に係る実施態様と広範囲にわたって一致し、参照符号が上述されており、反復を避けるため、同一の参照符号が対応する細部に対して用いられる。
【0094】
本実施態様の一つの特別な特徴は、戻りバルブ8を開放する圧縮空気接続部16に加えて、戻りバルブ8を閉鎖する圧縮空気接続部15も設けられることである。
【0095】
図9に示す実施態様は、図8に例証される上述の実施態様と広範囲にわたって一致し、参照符号が上述されており、反復を避けるため、同一の参照符号が対応する細部に対して用いられる。
【0096】
本実施態様の一つの特別な特徴は、ピストン13が、膜23および閉鎖部材19と強固に接続されるのではなく、機械的な遊びを許容する機械的補整要素を通じて接続されることにある。これは、閉鎖部材19の閉鎖動作の間、ピストン13と膜23との間の補整要素の遊びによってピストン13が動くことを妨げる一方、膜23だけが動くことを意味する。補整要素の遊びは、それゆえに、開放ポジションと閉鎖ポジションとの間の閉鎖部材19の動作よりもいくぶん大きい。
【0097】
図10に示す実施態様は、図9に例証される上述の実施態様と広範囲にわたって一致し、参照符号が上述されており、反復を避けるため、同一の参照符号が対応する細部に対して用いられる。
【0098】
本実施態様の一つの特別な特徴は、戻りバルブ8の閉鎖動作を支持するために、パイロットバルブ25を経て、ピストン13の下面に圧縮空気が印加され得ることである。塗料ライン5における圧力に従うこのケースにおいて、パイロットバルブ25の作動が起こる。それゆえ、塗料ライン5に接続される制御入力部がパイロットバルブ25に取り付けられる。
【0099】
新しい塗料が塗料ライン5内に配置されるため、塗料ライン5内の圧力が充填プロセスの終点において増加する場合、塗料ライン5内の増加中の圧力が、パイロットバルブ25が開放されることを確実にすることによって、ピストン13の下面に圧力が印加される。この方法において、自己媒体作動による閉鎖力が増幅され、それが戻りバルブの急速な閉鎖に導く。
【0100】
図11は、上述の実施態様と広範囲にわたって一致する、本発明の戻りバルブ8の他の実施態様を示し、参照符号が上述されており、反復を避けるため、同一の参照符号が対応する細部に対して用いられる。
【0101】
本実施態様の一つの特別な特徴は、閉鎖部材19が穴あきディスクを有することであり、流体が穴あきディスクの穴を通過しなければならないことを特徴とする。
【0102】
図12(A)〜図12(D)は、色変換の間の、本発明の戻りバルブのさまざまな操作条件を示す。
【0103】
最初に、図12(A)は、塗料ライン5をフラッシングしている間の戻りバルブ8のポジションを示す。このために、閉鎖部材19は、戻りバルブ8を開放するために、外部作動によって空圧的に弁座から押し出される。フラッシングの間に生じるフラッシング剤、カラーフォーム、圧縮空気および残存空気から占められる残渣が、ついで、戻りライン7を越えて、戻り系に導かれ得る。
【0104】
他方、図12(B)は、新しい塗料の充填中の戻りバルブ8の条件を示す。次に、戻りバルブ8は空圧的に作動せず、ボール状の閉鎖部材19が弁座にゆるやかに載り、空気またはカラーフォームが通過することを可能にするだけである。
【0105】
他方、図12(C)は、塗料ライン5が既に新しい塗料で満たされている時の、充填プロセスの終点における戻りバルブ8の条件を示し、それは相対的に高い粘性を有する。新しい塗料におけるフローの相対的に高い粘性は、ボール状の閉鎖部材19がその弁座に押し込まれるため自己媒体作動によって閉鎖される戻りバルブ8に至る。
【0106】
最後に、図12(D)は、前の充填プロセスが終了した後、次の塗装の間の戻りバルブの条件を示す。この条件においては、戻りバルブをしっかりと閉鎖するために、ボール状の閉鎖部材19が外部作動によって空圧的に弁座に押し込まれる。
【0107】
図14A〜14Cに示す戻りバルブ8は、図9に例証される戻りバルブと広範囲にわたって一致し、参照符号が上述されており、反復を避けるため、同一の参照符号が対応する細部に対して用いられる。
【0108】
図14A〜14Cに係る拡大図において、ピストンロッド20が中空であり、中心孔を有することもまた確認され得る。ロッド29は、ピストンロッド20内のこの中心孔において軸方向に動くことが可能であり、ロッド29が閉鎖部材19に強固に接続され、膜23内の中心孔に固定されることを特徴とする。
【0109】
さらに、ピストンロッド20の中心孔に配置されたコイルバネ30があり、それはその上部でピストン13を支持し、その下部でロッド29の上部端面を支持する。そのため、コイルバネ30および膜がピストン13およびロッド29に圧力をかけ、それゆえに閉鎖部材19にもまた軸方向に別途圧力をかける。しかしながら、コイルバネ30なしに、膜だけが復元機能を持つこともまた可能である。
【0110】
さらに、ピストン13の動作を上向きに限定するために、ピストンロッド20の下端に形成された、リング状の円周を有し、カラー状の係止部材31があることにも言及すべきである(それは、限定されるピストンの動作ではなく、むしろピストン13と停止プレート32との間にある「パッケージ」の動作である)。こうするために、戻りバルブ8に停止プレート32が取り付けられ、停止プレート32が、ピストンロッド20が貫通される中心孔を有することを特徴とする。
【0111】
図14Aに係る充填ポジションおよび図14Bに係る閉鎖ポジションにおいて、係止部材31は、その上側で停止プレート32における中心孔の周縁部に接するので、ピストン13はそれ以上上側に動くことができない。
【0112】
他方、図14Cに係るフラッシングポジションにおいては、ピストンロッド20を伴うピストン13が下向きに動くので、係止部材31は停止プレート32には接しない。バルブの動作を下向きに限定するために、係止部材31はバルブの底に接する。このポジションにおいて、停止プレート32はバルブの底にあるはずである。
【0113】
さらに、ピストンロッド20に接続されるドライブピン33が係合する、ロッド29内の細長い孔があることが、図14A〜14Cに係る拡大図から理解されることは明らかである。ここで、ロッド29内の細長い孔がドライブピン33用の機械的な遊びをもたらすので、一方ではピストンロッド20およびピストン13が、他方ではロッド29および閉鎖部材19が、軸方向の遊びを有するように、ドライブピン33の形状および細長い孔の形状がお互いに一致する。
【0114】
以下において、図14Aに示す戻りバルブ8の充填ポジションがこれから述べられる。塗料ライン5がフラッシングされた場合、色変換の間に、戻りバルブ8の充填ポジションがセットされ、メインニードルバルブ6まで塗料ライン5に新しい塗料が充填されるはずである。
【0115】
この充填ポジションにおいては、ピストン13を作動させるために、圧縮空気接続部15および圧縮空気接続部16に印加される制御用空気はない。ついで、戻りバルブ8のポジションは、弾性膜23と、コイルバネ17、18および30との間の相互作用によってのみ決定される。そのため、膜23はロッド29を、それゆえに閉鎖部材19をも、図面に示すニュートラルポジションにセットする。そこには、閉鎖部材19と弁座21との間のリングギャップがあり、それによって、塗料ライン5を越えて最初に供給される空気が戻りラインを越えて抜け得ることが可能になる。
【0116】
他方、係止部材31が停止プレート32に接するまで、コイルバネ17はピストン13、およびそれゆえにピストンロッド20にも上向きの圧力をかける。
【0117】
最後に、コイルバネ30が、ロッド29をピストン13と反対側に軸方向下向きに押す。
【0118】
以下において、図14Bに示す戻りバルブ8の閉鎖ポジションがこれから述べられ、戻りバルブ8が、入口側に存在する塗料圧力によって選択的に閉鎖ポジションに至り得る、または、圧縮空気によって作動され得ることを特徴とする。
【0119】
以下において、充填中に、入口側に存在する塗料圧力によって、図14Aに示す充填ポジションから、図14Bに係る閉鎖ポジションに、戻りバルブ8がどのように至るかが、まず述べられる。
【0120】
新しい塗料を充填している間に、空気またはカラーフォームだけでなく、新しい塗料も塗料ライン5を越えて供給される場合、新しい塗料のより高い粘性が閉鎖部材19にかかるより高い圧力に至り、それは膜23の弾性復元力に対して上向きに圧力をかける。ここで、ピストンロッド20とロッド29との間の機械的遊びによって、ピストン13は、図14Aに示す充填ポジションにおけるのと同様の位置にとどまることが可能となる。
【0121】
最後に、図14Cは戻りバルブ8のフラッシングポジションを示し、そこにおいて、塗料ライン5が戻りライン7を越えてフラッシングされることを可能にするために、戻りバルブ8は、入口側に存在する流体圧力とは独立に開放される。
【0122】
このために、ピストン13に圧縮空気接続部16を越えて圧縮空気が印加されることによって、ピストン13は軸方向下向きに圧力をかけられる。このケースにおけるピストン13の動作は、ロッド29内の細長い孔とピストンロッド20内のドライブピン33との間の機械的遊びを超えている。これによって、ピストンロッド20を伴うピストン13がロッド29を押し、それゆえに、閉鎖部材19をも下向きに押す。それによって、閉鎖部材19は弁座21から押し出されることによって、戻りバルブ8が開放する。
【0123】
図15は、同様に本発明の戻りバルブの他の実施態様を示し、また、上述の実施態様と部分的に一致し、参照符号が上述されており、反復を避けるため、同一の参照符号が対応する細部に対して用いられる。
【0124】
本実施態様の一つの特別な特徴は、とりわけ、拘束機構による閉鎖力増幅を含むことである。具体的には、閉鎖力増幅を得るために、好ましくは、閉鎖力増幅を得るために、および/または、流体バルブが閉鎖ポジションを仮定できるようにするために、入口側に存在する流体に従う自己媒体作動によって拘束機構がアンロックされるという点において、閉鎖力増幅器は入口側に存在する流体に従う自己媒体作動によって始動され得る。
【0125】
具体的には、この点において、図15は、拘束要素34がピストンロッド20に配置されることを示す。拘束要素34は、ピストンロッド20に同軸に固定された円筒状の基部35aを含み、好ましくは基部35aから突き出る4つのロッキングレバー35bを含む(図16)。それぞれのロッキングレバー35bは切り替え部36(好ましくは傾斜した切り替え面)および拘束部37(好ましくはロッキング面)を有する。拘束部37は、軸受部、係止部および/または支持部40を伴う、ロック可能およびアンロック可能な拘束をもたらすことを意図している。
【0126】
切り替え部36が切り替え要素39と連携することを意図することによって、拘束のアンロックおよび/またはロックが、拘束部37と軸受部40との間で得られ得る。それゆえ、切り替え要素39は、拘束部37と軸受部40との間の拘束をアンロックおよび/またはロックするための、具体的には係合することおよび係合を外すため、切り替え部36と連携することを意図される。切り替え要素39は補整要素および/またはロッド29と接続される。具体的には、切り替え要素39は、補整要素またはロッド29に配置された膜ホルダー38に設けられる。切り替え要素39は好ましくは周縁部が傾斜した表面を備え、それは補整要素またはロッド29と同軸に配置され、切り替え部36のそれぞれの傾斜した切り替え面に相互作用するために設けられる。切り替え要素39は、ロッド29または補整要素および/または閉鎖部材19と共に動作するように設けられる。
【0127】
具体的には、軸受部40と連結する切り替え可能な(ロック可能/アンロック可能な)留め金、掛け金および/またはクランプを形成するために、突出するロッキングレバー35bによって、拘束要素34は好ましくは弾性的に形成される。
【0128】
図15においてさらに理解され得るように、軸受部40はその中央部分に中心開口部を有し、拘束要素34(具体的には、ロッキングレバー35bおよび/または拘束部37)、ピストンロッド20および/またはロッド29または補整要素を貫通する。軸受部40は、シリンダー12の壁の内側または流体バルブ8の収納壁にさらに固定される。コイルバネ17が、その下部で軸受部40に載り(具体的には、ピストン側における、図15における軸方向上側)、ピストン13に対して下側から軸方向上向きに押すことが可能であるように、および/または、周縁部の周りまたは中心開口部に隣接して、拘束部37用の軸受部、支持部または拘束部を設けるように(閉鎖部材側においては、図15における軸方向下側)、軸受部40が好ましくは設けられる。停止プレート32と同様またはまさに基本的な部分は同一であるように、軸受部40は好ましくは構造的および/または機能的に設計され得る。軸受部40は、好ましくは、膜23と、コイルバネ17および/またはピストン13との間に配置される。
【0129】
通常、図15に係る閉鎖力増幅器および/または拘束機構は以下のような機能を有する。塗料の充填中、バルブ8は充填ポジションまたは待機ポジションにおいては空圧的には圧力なしである。閉鎖部材19は弁座21に小さなリングギャップ50を作る。到着した塗料は、(塗料止め)バルブの充填ギャップ50を通して、塗料ダクト(色変換器からアトマイザーまで)から、戻りライン7に、空気および残存空気/フラッシング剤エアロゾルを移す。塗料の到着時に、閉鎖部材19は固くなった塗料によって閉鎖することを開始される(制御センサーシステムなしで、好ましくはすぐに)。塗装中の確実な操作のため、閉鎖部材19への塗料の到着時に拘束機構がアンロックされることによって、バネの作動による閉鎖力増幅が得られ、好ましくは、軸受部40とピストン13との間に配置されたコイルバネ17によって生成される。
【0130】
次の充填の間、補整要素またはロッド29が、図15における到着塗料によって上向きに動かされる。このプロセスにおいて、切り替え要素39(好ましくは膜ホルダー38に配置される)は、切り替え部36を越えて、拘束レバー35bを径方向内側に動かす。
【0131】
軸受部40から、拘束レバー35bまたは拘束部37の係合を外すまたはアンロックしている間、コイルバネ17がゆるめられることによって、閉鎖部材19はある封止方法で弁座21に押しつけられる。
【0132】
図16は、拡大された拘束要素35を示す。拘束要素35は、円筒状の基部35aと、それから突き出している4つの拘束レバー35bとを備える。それぞれの拘束レバー35bは、切り替え部36および拘束部37を有する。
【0133】
図15は、充填/待機ポジションにおける戻りバルブの断面図を示す(塗料による作動なし)。ピストン13はコイルバネ17によって上向きに圧力をかけられる。しかしながら、拘束部37によって軸受部40と係合される(ロックされる)拘束レバー35bによって、その動作が制限される。それゆえに、拘束部37は、軸受部40との、具体的には軸受部40における中心開口部の周縁部との拘束を作る。
【0134】
膜によって、または追加的にコイルバネ17によって、ドライブピン33は細長い孔の上端に配置される。充填またはリングギャップ50が弁座21と閉鎖部材19との間に作られるように、閉鎖部材19が配置される。
【0135】
図17Aは、閉鎖ポジション(塗料による作動を伴う)または閉鎖力増幅を伴う塗装ポジションにおける、図15の戻りバルブの断面図を示す。塗料ライン5を経て供給される塗料によって、膜ホルダー38上の切り替え要素39は最初に上向きに動く。このようにして、拘束レバー35bがPRを径方向内側に押すように、切り替え要素39が拘束レバー35bの切り替え部36と係合することによって、拘束レバー35b、具体的には拘束部37、と軸受部40との間の拘束がアンロックされる、または、解放される。このようにして、コイルバネ17によって、ピストン13は上向きに押され得る。閉鎖部材19は、塗料ライン5を経て供給される塗料によって、最初は上向きに作用し、次に閉鎖力増幅器によってより強く上向きに作用する。閉鎖力増幅器は、堅くて確実な封止を有利に達成するために、コイルバネ17によって、増加した閉鎖力を生成する。ドライブピン33は、塗料圧力によって細長い孔の下端に配置される。
【0136】
具体的には、閉鎖ポジション(図17A)および/または閉鎖力増幅を得るために、および/または、軸受部40を伴う拘束部37の拘束をアンロックするために、具体的には、拘束要素34がその元々の形状(図16)から径方向内側に向けて変形されるという点において、切り替え要素39が、待機/充填ポジション(図15)から、拘束要素34の方向に向けて、軸方向にPAを動作するように設けられることが、図15および17Aの比較をすることを通して理解され得る。
【0137】
図17Bは、圧縮空気支持部を伴うフラッシングポジションにおける図15の戻りバルブの断面図を示す。ドライブピン33は細長い孔の上端に配置される。ピストン13は、圧縮空気接続部16を経て供給される圧縮空気によって、下向きに圧力を加えられる。さらに、コイルバネ17が一緒に加圧される。さらに、閉鎖部材19が下向きに動くことによって、フラッシングギャップ51が、閉鎖部材19と弁座21との間に作られる。拘束部37はフラッシングポジションにおいては軸受部40との間にいかなる拘束も作らず、それゆえに、軸受部40と係合しない。具体的には、拘束部37は、軸受部40から間隔があいているか、または係合ポジションを越えて動かされる。
【0138】
具体的には、待機/充填ポジション(図15)および/または開始ポジション(図17B)を得るために、および/または、軸受部40を伴う拘束部37の拘束を生み出すまたはロックするために、具体的には、拘束要素34がその元々の形状(図16)に戻り得るという点において、切り替え要素39が、閉鎖ポジション(図17A)および/または待機/充填ポジション(図15)から、拘束要素34から遠ざかる方向に向けて軸方向に動くように設けられることが、図15、17Aおよび17Bの比較をすることによって理解され得る。
【0139】
図18A〜18Cは、本発明の実施態様に係る弁座、ロッドまたは補整要素および閉鎖部材のさまざまな態様の詳細図を示し、それらの実施態様は上述の実施態様と部分的に一致し、上述のバルブのために設けられ得て、参照符号が上述されており、反復を避けるため、同一の参照符号が対応する細部に対して用いられる。
【0140】
図18Aは、軸方向のギャップの原理に係る態様、具体的には、変形されたロッド29(または補整要素)および/または弁座21の領域における変形された閉鎖部材19、の模式的な拡大図を示す。閉鎖部材19は、円錐形状、好ましくは塗料ライン5に向かって拡大するように成形される。さらに、弁座21は円錐形状の部分、好ましくは塗料ライン5に向かって拡大する部分を含む。閉鎖部材19は少なくとも部分的には弁座21の円錐部分に位置する。閉鎖部材19は円周状の封止エッジ19xを含む。円周状の封止エッジ19xは、閉鎖ポジションにおいて、弁座21の円錐部を封止するように位置し、フラッシングおよび/または待機/充填ポジションにおいては、充填またはリングギャップ50が、封止エッジ19xと、弁座21の円錐部との間に作られることを特徴とする。図18Aに示す封止エッジ19xは、閉鎖部材19の自由端に位置する。
【0141】
図18Bは、径方向のギャップ原理、具体的には、他の変形されたロッド29(または補整要素)および/または弁座21の領域における他の変形された閉鎖部材19に係る一態様の模式的な拡大図を示す。閉鎖部材19は、第一の円錐部19aと、第二の円錐部19bと、円筒部19cとを備え、それは第一および第二の円錐部19aと19bとの間に位置する。第一の円錐部19aは、ロッド29または補整要素から、円筒部19cに向けて延び、第二の円錐部19bは閉鎖部材19の自由端に位置することを特徴とする。第一および第二の円錐部19a、19bは、それぞれ、好ましくは塗料ライン5に向けて広がる。弁座21は、円筒部と、好ましくは塗料ライン5に向けて広がる円錐部とを備える。弁座21の円錐部は弁座21の自由端に位置し、図18Bにおける弁座21の円筒部は、弁座21の円錐部の直上に同軸に位置することを特徴とする。閉鎖部材19の円筒部19cの直径は、ロッド29または補整要素の直径よりも大きい。閉鎖部材19の円筒部19cは、弁座21の円筒部を伴う軸方向に延びるリングギャップ60を形成するように設けられ、それはその軸方向の延長「a」を越える略一定のギャップサイズまたは一定のギャップ幅を有する。軸方向に延びるリングギャップ60は、好ましくは、ピストンロッド20、ロッド29または補整要素と同軸および平行に延びる。図18Bに示す封止エッジ19xは、閉鎖部材19の自由端に位置する。
【0142】
図18Cは、径方向のギャップ原理、具体的には、他の変形されたロッド29(または補整要素)および/または変形された弁座21の領域における他の変形された閉鎖部材19に係る一態様の模式的な拡大図を示す。閉鎖部材19は、円錐部19aと円筒部19cとを含む。円錐部19aは、ロッド29または補整要素と、円筒部19cとの間に位置し、閉鎖部材19の円筒部19cが閉鎖部材19の自由端に位置することを特徴とする。円錐部19aは好ましくは塗料ライン5に向かって広がる。閉鎖部材19の円筒部19cの直径は、ロッド29の直径よりも大きい。さらに、弁座21は、円筒部と、好ましくは塗料ライン5に向かって広がる円錐部とを備える。弁座21の円筒部は弁座21の自由端に位置し、図18Cにおける弁座21の円錐部が弁座21の円筒部の直上に同軸に位置することを特徴とする。閉鎖部材19は円周状の封止エッジ19xを含む。円周状の封止エッジ19xは、閉鎖ポジションにおいて、弁座21の円錐部を封止するように位置する。
【0143】
閉鎖部材19の円筒部19cは、弁座21の円筒部を伴う軸方向に延びるリングギャップ60を形成するように設けられ、それはその軸方向の延長「a」を越える略一定のギャップサイズまたは一定のギャップ幅を有する。軸方向に延びるリングギャップ60は、好ましくは、ピストンロッド20、および/または、ロッド29または補整要素と同軸および平行に延びる。図18Cに示す封止エッジ19xは、閉鎖部材19の自由端の軸方向向こう側に位置する。
【0144】
図18Aに示す態様と比較すると、図18Bおよび図18Cに示す態様は、より良い塗料圧力条件を提供するので、図18Bおよび図18Cに示す態様は、より有利である。図18Aに示す態様によって、一部の塗料圧力もまた、閉鎖部材の向こう側で高まり得ることによって、充填プロセス中の閉鎖のための力を低減させることが可能である。
【0145】
図18Bに係る態様、具体的には図18Cに係る態様のケースにおいて、バルブ構成要素の長さの公差は、この閉鎖ストローク中に一定なギャップサイズを伴う閉鎖プロセス中の、より長いロッドの経路によって、より良く補整され得る(長所:大きなロッドと閉鎖バルブのストロークのそれぞれ、製造公差を伴う、より容易な適合)。より長い閉鎖ストロークに基づいて、閉鎖力増幅器を伴う態様の確実かつ改良された閉鎖を実現することも可能である。
【0146】
塗料ロスの低減のための、具体的には色変換後の塗料充填ロスの低減のための本発明の流体バルブは、さまざまなポジションにおいて有利に用いられ得る。図19に示すように、たとえば色変換器FW(RF2ポジション参照)において、定量ポンプDPにおいて(例:バイパスバルブBVのポジションの代わり)、アトマイザーZにおいて(RF1ポジション参照)、特殊塗料の充填は、システムおよびさらなるアプリケーション等をもたらす。さらに、流体または塗料止めバルブはピッグステーション(Molchstation)においても用いられ得る。塗料の充填中、および、塗料ロスを低減する、または、良ければ塗料ロスを防止するという目標を伴う到着時における自動的な閉鎖中に、塗料または塗装剤を通路に流すため、流体または塗料止めバルブが好ましくは(具体的にはいつでも)用いられ得る。さらに、他の複数の可能性のある用途がある。
【0147】
本発明は上述の好ましい実施態様には限定されない。むしろ、本発明の概念を利用する多くの可能な変形および修正もあり、それゆえに保護の範囲内に入る。特に、本発明は、参照される内容と独立する従属項の内容および優先権に対する保護を主張する。
【符号の説明】
【0148】
1 塗装システム
2 回転アトマイザー
3 ベルカップ
4 噴霧ジェット
5 塗料ライン
6 メインニードルバルブ
7 戻りライン
8 戻りバルブ
9 光源
10 センサー
11 制御ユニット
12 シリンダー
13 ピストン
14 ガスケット
15 圧縮空気接続部
16 圧縮空気接続部
17 コイルバネ
18 コイルバネ
19 閉鎖部材
20 バルブニードルおよび/またはピストンロッド
21 弁座
22 バルブスライダ
23 膜
24 補整孔
25 パイロットバルブ
26 停止プレート
27 ドライバー
28 支持部
29 ロッド
30 コイルバネ
31 係止部材
32 停止プレート
33 ドライバーピン
34 拘束要素
35a 基部
35b 拘束レバー
36 切り替え部
37 拘束部
38 膜ホルダー
39 切り替え要素
40 軸受部、支持部および/または係止部
50 リング/充填ギャップ(待機/充填ポジション)
51 リングギャップ(開放/フラッシングポジション)
60 リング/充填ギャップ(待機/充填ポジション)
19a 閉鎖部材の円錐部
19b 閉鎖部材の円錐部
19c 閉鎖部材の円筒部
19x 閉鎖部材の円周状の封止エッジ
FW 色変換器
DP 定量ポンプ
BV バイパスバルブ
RF 戻り系
HV メインニードルバルブ
Z アトマイザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体バルブ(8)、具体的には、塗装システム(1)における色変換の間、具体的には、色変換の間の新しい塗料の充填の間、塗料ライン(5)から、残余塗料、フラッシング剤、空気および/または圧縮空気を戻す戻りバルブ(8)であって、
a)具体的には、色変換の間に、フラッシング剤で前記塗料ライン(5)をフラッシングするため、および、前記塗料ライン(5)に新しい塗料を充填するための、前記流体バルブ(8)が少なくとも部分的に開放される開放ポジションと、
b)具体的には、前記色変換の後に前記新しい塗料を塗布するための、前記流体バルブ(8)が閉鎖される閉鎖ポジションと、
を備え、
c)前記流体バルブ(8)が前記開放ポジションと前記閉鎖ポジションとの間で調節可能であることを特徴とし、
d)前記流体バルブ(8)が、前記入口側に存在する前記流体に従って、自己媒体作動によって、前記閉鎖ポジションに切り替える、および/または、前記入口側に存在する前記流体に従って、自己媒体作動によって、貫通流の挙動に影響を与える、
ことを特徴とする流体バルブ(8)。
【請求項2】
a)前記流体バルブ(8)が、塗装システムにおける色変換の間、残余塗料、フラッシング剤、空気および/または圧縮空気を、塗料ライン(5)から、戻り系に導く戻りバルブ(8)であり、
b)前記流体バルブ(8)が、その構造に基づいて、一方の塗料と、他方の圧縮空気および塗料含有空気とを区別し、
c)前記流体バルブ(8)が、自立的に、かつ、その構造に基づいて、前記戻りバルブ(8)の前記入口側に塗料が存在する場合に、前記閉鎖ポジションに切り替え、および/または、
d)前記流体バルブ(8)が、自立的に、かつ、その構造に基づいて、前記戻りバルブ(8)の前記入口側に空気および/または圧縮空気またはカラーフォームが存在する場合に、前記開放ポジションに切り替える、および/または、前記開放ポジションのままでいる、および/または、
e)前記流体バルブ(8)が、自立的に、かつ、その構造に基づいて、前記戻りバルブ(8)の前記入口側に塗料が存在する場合に、閉鎖力増幅器を始動させ、および/または、
f)前記流体バルブ(8)が、自立的に、かつ、その構造に基づいて、前記戻りバルブ(8)の前記入口側に塗料が存在する場合に、閉鎖力増幅を得るために、拘束機構を切り替える、具体的にはそれをアンロックする、および/または、
g)前記流体バルブが、その構造に基づいて、一方の液体と、他方の気体媒体とを区別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体バルブ(8)。
【請求項3】
前記流体バルブ(8)が、前記入口側に存在する前記流体の以下の特性:
a)粘性、
b)質量密度、
c)物理的条件、
d)圧力膨張、
e)導電率、
f)光学特性、具体的には、光および塗料に対する透過性、
g)熱伝導率、
h)振動挙動、
i)透磁率、および/または、
j)圧力
に従って、前記開放ポジションと前記閉鎖ポジションとを切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の流体バルブ(8)。
【請求項4】
a)前記開放ポジションにある前記流体バルブ(8)が、具体的には、最大限のフラッシング剤の流れによって前記塗料ライン(5)をフラッシングするために、最大限に開放され、
b)前記流体バルブ(8)が、前記開放ポジションおよび前記閉鎖ポジションに加えて、待機ポジションを有し、
c)前記待機ポジションにある前記流体バルブ(8)が、具体的には、前記新しい塗料を充填している間に前記新しい塗料を待つために、少なくとも部分的に開放され、および/または、
d)前記流体バルブ(8)が、前記開放ポジションから自発的に前記閉鎖ポジションに切り替えるのではなく、前記待機ポジションから切り替えるだけである、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の流体バルブ(8)。
【請求項5】
前記流体バルブ(8)が、バルブドライブによって外部的に制御可能でもある、具体的には、外部媒体作動によって制御可能でもある、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の流体バルブ(8)。
【請求項6】
a)前記流体バルブ(8)が前記閉鎖ポジションに向けて外部作動され得る、具体的には、第一の制御空気接続部の形態における、第一の制御入力部(15)、および/または、
b)前記流体バルブ(8)が前記開放ポジションに向けて外部作動され得る、具体的には、第二の制御空気接続部の形態における、第二の制御入力部(16)、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の流体バルブ(8)。
【請求項7】
a)シリンダー(12)と、
b)前記シリンダーの内部で移動可能であるピストン(13)と、
c)前記開放ポジションと前記閉鎖ポジションとの間で前記ピストン(13)によって動かされる閉鎖部材(19)と、
d)弁座(21)と、
を備え、
前記閉鎖部材(19)が前記開放ポジションにおいて前記弁座(21)を開放する一方、前記閉鎖部材(19)が前記閉鎖ポジションにおいて前記弁座(21)を閉鎖する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の流体バルブ(8)。
【請求項8】
a)前記流体バルブ(8)を空圧的に前記閉鎖ポジションに切り替えるために、前記第一の制御空気接続部(15)が、前記ピストン(13)の片側において、前記シリンダー(12)に向けて開口し、および/または、
b)前記流体バルブ(8)を空圧的に前記開放ポジションおよび/または前記待機ポジションに切り替えるために、前記第二の制御空気接続部(16)が、前記ピストン(13)の反対側において、前記シリンダー(12)に向けて開口し、および/または、
c)前記ピストン(13)に、片側または両側から、バネ(17、18)のスプリング力が印加される、
ことを特徴とする請求項6および7に記載の流体バルブ(8)。
【請求項9】
a)前記流体バルブ(8)が、前記閉鎖ポジションに切り替えるための自己媒体作動による閉鎖力を生成し、および/または、
b)前記自己媒体作動による閉鎖力が、統合された閉鎖力増幅器によって増幅可能である、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の流体バルブ(8)。
【請求項10】
a)前記閉鎖力増幅器が、外部媒体作動によって、具体的には空圧的に、運転され、または、
b)前記閉鎖力増幅器が、バネおよび/または最初から組み込まれた機構によって運転される、具体的には、バネおよび/または最初から組み込まれた機構によって閉鎖力増幅を生成する、
ことを特徴とする請求項9に記載の流体バルブ(8)。
【請求項11】
a)閉鎖力増幅を得るために、前記閉鎖力増幅器が、前記入口側に存在する前記流体に従って、自己媒体作動によって始動され得て、および/または、
b)前記閉鎖ポジション、および/または、閉鎖力増幅を得るために、前記閉鎖力増幅器が、前記入口側に存在する前記流体に従って自己媒体作動によって切り替え可能な、具体的には、アンロック可能および/または始動可能な、拘束機構を備える、
ことを特徴とする請求項9または10に記載の流体バルブ(8)。
【請求項12】
a)前記閉鎖力増幅器が増幅バルブを有し、
b)前記閉鎖力増幅器の前記増幅バルブが、前記シリンダー(12)に向けて開口し、前記流体バルブ(8)を閉鎖する機能を有する前記第一の制御空気接続部(15)を選択的に開放または閉鎖し、
c)前記増幅バルブが開放された場合に、前記第一の制御空気接続部(15)に印加される圧力が前記閉鎖力を増加させる、
ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の流体バルブ(8)。
【請求項13】
a)前記増幅バルブが滑動バルブであり、前記ピストン(13)と連結されたバルブスライダ(22)を備え、
b)前記流体バルブ(8)の前記ピストン(13)が前記開放ポジションにある場合に、前記バルブスライダ(22)が前記第一の制御空気接続部を閉鎖し、
c)前記力増幅が役割を果たすように、前記ピストン(13)が、前記開放ポジションから、前記閉鎖ポジションの方向に向けて、そのわずかなストロークを動かした場合に、前記バルブスライダ(22)が前記第一の制御空気接続部(15)を解放する、
ことを特徴とする請求項12に記載の流体バルブ(8)。
【請求項14】
前記第一の制御空気接続部(15)が、前記シリンダー(12)の外側面に向けて径方向に開口する、
ことを特徴とする請求項12または13に記載の流体バルブ(8)。
【請求項15】
a)前記第一の制御空気接続部(15)が、前記シリンダー(12)の端面に向けて軸方向に開口し、
b)前記第一の制御空気接続部(15)が、前記流体バルブ(8)の前記ピストン(13)によって、直接的または間接的に、閉鎖または開放され、
c)前記第一の制御空気接続部の開口部が前記ピストン(13)よりも小さな断面積を有し、前記断面積の比率が力増幅因子を決定する、
ことを特徴とする請求項12に記載の流体バルブ(8)。
【請求項16】
a)前記閉鎖力増幅器が、圧力が制御されたパイロットバルブ(25)を備え、
b)前記パイロットバルブ(25)が開放された時に、第一の制御空気ライン内の前記圧力が前記流体バルブ(8)の閉鎖動作を支持するように、前記パイロットバルブ(25)が、前記第一の制御空気ラインと、前記流体バルブ(8)の前記第一の制御空気接続部と、を接続し、
c)圧力が前記流体バルブ(8)の供給ライン(5)内で増加する場合に前記パイロットバルブ(25)が開放するように、前記パイロットバルブ(25)が、前記流体バルブ(8)の供給ライン(5)に接続された制御入力部を有する、
ことを特徴とする請求項9乃至15のいずれか1項に記載の流体バルブ(8)。
【請求項17】
閉鎖部材(19)を支える弾性膜(23)を伴う、膜バルブとしての部材を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の流体バルブ(8)。
【請求項18】
a)前記閉鎖部材(19)がピストン(13)と連結され、および/または、
b)前記ピストン(13)がシリンダー(12)内部で移動可能であり、および/または、
c)前記ピストン(13)の一方において、前記流体バルブ(8)を空圧的に閉鎖するために、第一の圧縮空気接続部(15)が前記シリンダーに向けて開口し、および/または、
d)前記ピストン(13)の他方において、前記流体バルブ(8)を空圧的に開放するために、第二の圧縮空気接続部が前記シリンダー(12)に向けて開口し、および/または、
e)前記ピストン(13)に、片側または両側から、バネ(17、18)のスプリング力が印加される、
ことを特徴とする請求項17に記載の流体バルブ(8)。
【請求項19】
前記流体バルブ(8)が、好ましくは穴あきディスクを伴う閉鎖部材(19)を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の流体バルブ(8)。
【請求項20】
a)前記流体バルブ(8)が前記開放ポジションにあるか、前記閉鎖ポジションにあるか、前記閉鎖ポジションにあるか、前記待機ポジションにあるかを認識する位置センサーを前記流体バルブ(8)が有し、および/または、
b)前記位置センサーが、空圧的、電気的、または光学電子的に運転され、および/または、
c)前記流体バルブ(8)が前記閉鎖ポジションにあるかを認識する位置センサーを前記流体バルブ(8)が有する、
ことを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の流体バルブ(8)。
【請求項21】
a)補整要素および/またはロッド(29)によって、前記閉鎖部材(19)が前記ピストン(13)に連結され、および/または、
b)前記補整要素によって、前記閉鎖部材(19)と前記ピストン(13)との間の遊びが可能となり、および/または、
c)前記ピストンの動作なしに前記閉鎖部材(19)が前記開放ポジションから前記閉鎖ポジションに向けて自己媒体作動によって動き得るように、前記補整要素の前記遊びが、前記開放ポジションから前記閉鎖ポジションに向けての前記閉鎖部材(19)の動作よりも大きい、
ことを特徴とする請求項7乃至20のいずれか1項に記載の流体バルブ(8)。
【請求項22】
前記拘束機構が、
a1)少なくとも部分的に弾性を有し、および/または、
a2)ピストンロッド(20)に固定された基部(35a)と、前記基部(35a)から突き出る少なくとも1つの拘束レバー(35b)と、を有し、および/または、
a3)拘束部(37)の拘束の形成のため、少なくとも1つの前記拘束部(37)を有し、および/または、前記拘束部(37)の拘束のアンロックおよび/またはロックを実現するために、切り替え要素(39)と協働する少なくとも1つの切り替え部(36)を有する
a)拘束要素(34)を含み、および/または、
b)前記拘束部(37)の前記拘束をアンロックおよび/またはロックする切り替え要素(39)を含む、
ことを特徴とする請求項11乃至21のいずれか1項に記載の流体バルブ(8)。
【請求項23】
a)具体的には、前記拘束要素(34)がその元々の形態から径方向に変形されるという点において、前記閉鎖ポジションおよび/または前記閉鎖力増幅を得るために、および/または、前記拘束部(37)の前記拘束をアンロックするために、前記切り替え要素(39)が、前記拘束要素(34)の方向に向けて、軸方向(PA)に動くように設けられ、および/または、
b)具体的には、前記拘束要素(34)がその元々の形態に戻るという点において、前記待機ポジションおよび/または前記開放ポジションを得るために、および/または、前記拘束部(37)の拘束をロックするために、前記切り替え要素(39)が、前記拘束要素(34)から遠ざかる方向に向けて、軸方向に動くように設けられた、
ことを特徴とする請求項22に記載の流体バルブ(8)。
【請求項24】
a)円錐部と少なくとも1つの円筒部とを含む弁座(21)が設けられ、および/または、
b)少なくとも1つの円錐部(19a、19b)および/または少なくとも1つの円筒部(19c)を含む閉鎖部材(19)が設けられ、前記閉鎖部材(19)の前記円筒部(19c)が前記弁座(21)の前記円筒部を伴うリングギャップ(60)を形成するように設けられ、前記リングギャップ(60)がその軸方向の延長(a)を越える略一定のギャップサイズを有することを特徴とし、および/または、
c)前記閉鎖部材(19)が、前記閉鎖部材(19)の自由端、または、前記閉鎖部材の自由端の軸方向向こう側に位置する円周状の封止エッジ(19x)を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載の流体バルブ(8)。
【請求項25】
a)前記閉鎖部材(19)の前記円筒部(19c)が、前記閉鎖部材(19)の自由端、または、前記閉鎖部材(19)の自由端の軸方向向こう側に位置し、または、
b)前記閉鎖部材(19)が第一の円錐部(19a)と第二の円錐部(19b)とを含み、前記閉鎖部材(19)の前記円筒部(19c)が、前記閉鎖部材(19)の前記第一の円錐部(19a)と前記第二の円錐部(19b)との間に位置する、
ことを特徴とする請求項24に記載の流体バルブ(8)。
【請求項26】
具体的には、自動車部品を塗装する塗装システム(1)であって、
a)塗装剤を塗布する塗布機器(2)と、
b)塗装剤を前記塗布機器(2)に供給する塗料ライン(5)と、
c)前記塗布機器(2)より前の上流の前記塗料ライン(5)に位置し、前記塗装剤を選択的に解放または遮断するメインニードルバルブ(6)と、
d)色変換の間に、残余塗装剤、フラッシング剤、空気および/または圧縮空気を戻す戻りライン(7)と、
e)前記戻りライン(7)に位置する戻りバルブ(8)と、
を備え、
f)前記戻りバルブ(8)が、請求項1乃至25のいずれか1項に記載の戻りバルブ(8)であり、および/または、
g)前記メインニードルバルブ(8)が、請求項1乃至25のいずれか1項に記載の流体バルブ(8)であり、
前記戻りラインが、前記メインニードルバルブ(6)より前の上流の、または、前記メインニードルバルブより後の下流の、前記塗料ライン(5)から分岐する、
ことを特徴とする塗装システム(1)。
【請求項27】
塗装システム、具体的には、請求項26に記載の塗装システム、に用いる色変換方法であって、
a)第一の塗料を塗装する工程と、
b)前記戻りバルブを経て前記塗料ラインを前記戻りラインに向けてフラッシングする工程と、および/または、
c)前記メインニードルバルブを経て前記塗装機器をフラッシングする工程と、
d)前記塗料ラインに第二の塗料を充填する工程と、および/または、
e)自己媒体作動による前記貫通流の挙動に影響を与える工程と、
を含み、
前記第一の塗料が前記塗料ラインを経て、前記塗布機器に供給され、
前記第二の塗料が前記戻りバルブに存在する場合に前記戻りバルブが自己媒体作動によって閉鎖する、
ことを特徴とする色変換方法。
【請求項28】
請求項1乃至25のいずれか1項に記載の流体バルブ(8)の使用であって、
a)色変換の間、塗料ライン(5)から、残余塗料、フラッシング剤、カラーフォーム、空気および/または圧縮空気を戻す塗装システムにおける戻りバルブ(8)としての、および/または、
b)アトマイザーにおけるメインニードルバルブとしての、
使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19】
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【公表番号】特表2012−525962(P2012−525962A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508948(P2012−508948)
【出願日】平成22年5月5日(2010.5.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002763
【国際公開番号】WO2010/127849
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(504389784)デュール システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (54)
【Fターム(参考)】