説明

測位装置及び測位時間間隔制御方法

【課題】消費電力を低減した測位を可能とする。
【解決手段】所定の測位時間間隔で携帯端末100の現在位置を測位する測位部111と、携帯端末100を所持する利用者の動作を検出する体動センサ102と、利用者の平常時における移動状況の経時的な変化を示す平常移動パターンを予め記憶する平常移動パターン記憶部160と、検出された動作から、利用者の移動状況を判定する移動状況判定部113と、判定された以上状況の経時的な変化と平常移動パターンとに基づいて、体動センサ102による動作の検出時点での移動状況と平常移動パターンとが一致しているか否かの度合いを示す平常移動確信度を算出する平常移動確信度算出部114と、算出された平常移動確信度に応じて、測位時間間隔を算出する測位時間間隔制御部115とを備え、測位部111は、算出された測位時間間隔で現在位置を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在位置を測位するGPS(Global Positioning System)などを用いた測位装置及び測位時間間隔制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS衛星からの電波を受けて位置を特定する機能(いわゆるGPS機能)を利用した種々の装置が開示されている。例えば、情報端末装置が予め記憶した移動経路を移動する場合に、位置特定機能(GPS機能)で位置を測定し、情報端末装置が移動経路から外れた場合、すなわち情報端末装置が移動経路から所定の距離以上離れた場合には、その旨を所定の連絡先に連絡したり、移動経路に戻るための方向を出力する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1の装置では、予め設定された計測時間ごとにGPS機能を利用して現在位置の緯度および経度を測定しているため、現在位置が移動経路から外れていない場合でも、定期的に位置を測定している。しかし、GPS機能による位置の検出において消費する電力は過大であるため、例えば携帯電話などの小型の携帯端末で利用者の一日の位置推移を検出・記録する際には、GPS機能の利用を制限するなど、消費電力を低減することが望ましい。
【0004】
そこで、装置の省電力化を図るために、歩行中またはランニング中のユーザの動作状態を体動検出センサ(加速度センサやジャイロ)により検出し、ユーザの動作状態が変化して測位が必要になった場合にGPS受信機の電源を一定時間ONにし、所定の時間が経過するとGPS受信機の電源をOFFにして、ユーザの移動速度および移動距離を演算する携帯型速度・距離計が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−46674号公報
【特許文献2】特開平11−132786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、利用者は平常時には歩行したり走行したり、さらには電車に乗ったりするなど様々な動作状態が考えられるため、一定速度を維持することが少ない。このため、歩行もしくはランニングを行っている利用者の動作状態が変化した場合にGPS受信機の電源をONにして測位を行う特許文献2の技術を利用者の日常生活に適用した場合には、常にGPS機能により利用者の位置を測位することとなり、装置の消費電力が過大になり省電力化を図ることはできない。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、消費電力を低減した測位を行うことができる測位装置及び測位時間間隔制御方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、測位装置であって、所定の測位時間間隔で、前記測位装置の現在位置を測位する測位手段と、前記測位装置を所持する利用者の動作を検出する検出手段と、利用者の平常時における移動状況の経時的な変化を示す平常移動パターンを予め記憶する記憶手段と、検出された動作から、前記測位装置を所持する利用者の移動状況を判定する状況判定手段と、判定された前記移動状況の経時的な変化と、前記記憶手段に記憶された前記平常移動パターンとに基づいて、前記検出手段による前記動作の検出時点での前記移動状況と前記平常移動パターンとが一致しているか否かの度合いを示す第1確信度を算出する第1確信度算出手段と、算出された前記第1確信度に応じて、前記測位時間間隔を決定する決定手段と、を備え、前記測位手段は、決定された測位時間間隔で前記現在位置を測位することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、測位装置で実行される測位時間間隔制御方法であって、前記測位装置は、利用者の平常時における移動状況の経時的な変化を示す平常移動パターンを予め記憶する記憶手段を備え、測位手段が、所定の測位時間間隔で、前記測位装置の現在位置を測位する測位ステップと、検出手段が、前記測位装置を所持する利用者の動作を検出する検出ステップと、状況判定手段が、検出された動作から、前記測位装置を所持する利用者の移動状況を判定する状況判定ステップと、第1確信度算出手段が、判定された前記移動状況の経時的な変化と、前記記憶手段に記憶された前記平常移動パターンとに基づいて、前記検出手段による前記動作の検出時点での前記移動状況と前記平常移動パターンとが一致しているか否かの度合いを示す第1確信度を算出する第1確信度算出ステップと、決定手段が、算出された前記第1確信度に応じて、前記測位時間間隔を決定する決定ステップと、を備え、前記測位手段が、決定された測位時間間隔で前記現在位置を測位する測位ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、消費電力を低減した測位を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、携帯端末100の一例を示す外観構成図である。
【図2】図2は、携帯端末100の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、閾値テーブルの一例を示す図である。
【図4】図4は、平常移動パターンの一例を示す図である。
【図5】図5は、携帯端末100による測位時間間隔制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、携帯端末200の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図7】図7は、携帯端末200による測位時間間隔制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる測位装置及び測位時間間隔制御方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。以下の実施の形態では、本発明の測位装置を、携帯電話や、PDA(Personal Digital Assistants)などの携帯端末に適用した例を示すが、これに限定されることはなく、測位機能を搭載できる装置であれば適用可能である。
【0013】
(実施の形態1)
本実施の形態の携帯端末では、利用者ごとに日常の移動履歴を記録し、時間・位置・移動状況を組にした平常移動パターンを予め作成し、作成された1つまたは複数の平常移動パターンを記憶している。そして、携帯端末により現在位置を測位する際には、GPS機能と比較して低消費電力で動作する体動センサを利用して利用者の移動状況を判定し、平常移動パターンに沿って行動しているか否かを判定する。そして、平常移動パターンに沿って行動している場合には、移動状況と時間から対応する位置にいるものと推定し、GPS機能による現在位置の測位は行わず、平常時移動パターンから外れて行動している場合には、GPS機能により現在位置を測位する。これは、利用者の一日の動きをマクロに捉えた場合に、特定の数か所間の移動を行っているなどの繰り返しのパターンが多いことから着想を得たものである。
【0014】
図1は、実施の形態1にかかる携帯端末100の一例を示す外観構成図である。一つの携帯端末100に少なくとも1つ以上の測位センサと、少なくとも1つ以上の体動センサが接続されている。
【0015】
測位センサ101は、携帯端末100の現在位置を測位するために、後述する測位時間間隔制御部115で決定された測位時間間隔でGPS衛星から電波を受信するセンサである。本実施の形態においては、測位センサ101は典型的な構成としてGPS機能を用いるものとする。ただし、GPS機能による測位に限定するものではなく、例えば、携帯端末100が携帯電話である場合には、測位センサ101を通信基地局からの電波を受信するアンテナとして構成し、受信した電波を発した通信基地局を特定することにより測位するように構成してもよい。また、測位センサ101を無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントからの電波を受信するアンテナとして構成し、受信した電波を発したアクセスポイントを特定することにより測位を行うように構成することもできる。
【0016】
体動センサ102は、一定時間ごとに、携帯端末100を所持する利用者の動作を検出するセンサであり、本実施の形態では、典型的な構成として3軸加速度を用いて利用者の動きを検出する加速度センサとして構成している。ただし、これに限定されるものではなく、体動センサ102を、例えば、ジャイロ、方位センサなどで構成してもよい。
【0017】
また、この他、体動センサ102を、3軸加速度により利用者の動作を検出するものではなく、マイクやカメラ等により構成して、マイクからの音声信号やカメラからの撮像信号に基づいて、その携帯端末100を所持する利用者の動作を一定の精度で推定することで、利用者の動作を検出するように構成してもよい。
【0018】
本実施の形態の携帯端末100では、図1に示すように、測位センサ101と体動センサ102が本体に接続された構成となっているが、これに限定されるものではない。例えば、携帯端末100の本体内部に測位センサ101と体動センサ102とを設ける構成とすることができる。また、測位センサ101と体動センサ102とを携帯端末100の本体部と非接触な位置に設け、測位センサ101および体動センサ102で検出した信号を無線通信により携帯端末100側で受信するように構成してもよい。また、本実施の形態では、携帯端末100を一人の利用者が利用する場合について説明するが、これに限定されることなく、一つの携帯端末を複数人の利用者により利用する利用形態としてもよい。
【0019】
図2は、実施の形態1にかかる携帯端末100の機能的構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、携帯端末100は、測位部111と、動作データ出力部112と、移動状況判定部113と、閾値テーブル記憶部150と、平常移動確信度算出部114と、平常移動パターン記憶部160と、測位時間間隔制御部115と、平常移動パターン更新部119を主に備えている。なお、実施の形態1にかかる携帯端末100には、さらに、不図示のCPU、HDDやメモリ等の記憶媒体などのハードウェア構成を有している。
【0020】
測位部111は、測位センサ101によりGPS衛星から受信した電波により、携帯端末100の現在位置を測位するものである。
【0021】
動作データ出力部112は、体動センサ102が携帯端末100を所持する利用者の動作(体の動き)を検出した場合、その検出した動作を示す動作データを出力するものである。本実施の形態では、加速度センサを体動センサ102として利用しているため、動作データ出力部112は、3軸の加速度ベクトルを動作データとして出力する。
【0022】
移動状況判定部113は、動作データ出力部112により出力された動作データから、携帯端末100を所持する利用者の移動状況を判定するものである。ここで、移動状況とは、携帯端末100を所持する利用者の移動の具体的な状態を示すものであり、例えば、「静止」、「電車」、「車」、「歩行」、「自転車」、「走行」等を示す。すなわち、移動状況「静止」は、利用者が移動しておらず静止していることを示す。移動状況「電車」、「車」、「自転車」は、利用者がそれぞれ電車に乗って移動中、自動車やバス等の車に乗って移動中、自転車に乗って移動中であることを示す。また、移動状況「歩行」は利用者が歩いて移動中であることを示し、移動状況「走行」は利用者が走って移動中であることを示す。なお、これらの移動状況は、一例であり、利用者の取り得る動作に対して任意に定めることができる
【0023】
以下、移動状況判定部113による移動状況の判定手法につき詳細に説明する。移動状況判定部113は、利用者の移動パターンに応じて利用者の所持する携帯端末100の振動の激しさが変化することに基づいて、一定時間内の平均変動幅による移動状況の判定を行う。具体的には、移動状況判定部113は、まず、次式(1)により、動作データ出力部112により出力される3軸加速度を加速度ベクトルa(t)とし、時間的に変化する加速度ベクトルa(t)の一定時間jにおける第1平均値ave_a(t)を算出する。ここで、tは、時刻を表わす。
【0024】
【数1】

【0025】
そして、一定時間jにおける加速度ベクトルa(t)の第1平均値ave_a(t)を、各時刻の加速度ベクトルa(t)から引いたベクトルの大きさを、一定時間kで平均した第2平均値|L(t)|を次式(2)により算出する。ここで、一定時間kは、一定時間jより長い時間となっている。
【0026】
【数2】

【0027】
そして、移動状況判定部113は、第2平均値|L(t)|と、閾値テーブルとを参照して、利用者の移動状況を判定する。
【0028】
ここで、閾値テーブルについて説明する。閾値テーブルとは、上述した第2平均値|L(t)|の値と利用者の移動状況とを対応させたものであり、算出した第2平均値|L(t)|に対応する移動状況を現在の移動状況と判定するためのテーブルである。閾値テーブル記憶部150は、閾値テーブルを記憶するHDD(Hard Disk Drive)やメモリ等の記憶媒体である。図3は、閾値テーブル記憶部150に予め記憶されている閾値テーブルの一例を示す図である。図3に示すように、閾値テーブルには、第2平均値|L(t)|の最小値から最大値までの範囲と、移動状況とを対応付けて登録している。
【0029】
そして、移動状況判定部113は、図3の閾値テーブルを参照して、算出した第2平均値|L(t)|の値が含まれる最小値から最大値までの範囲に対応する移動状況を、現在の移動状況と判定する。例えば、算出した|L(t)|の値が、0.4である場合は、閾値テーブルの2段目の最小値0.3以上で最大値0.7未満の範囲に含まれているため、この範囲に対応付けられた移動状況である「電車」を、利用者の現在の移動状況と判定する。なお、最大値及び最小値は、移動状況の動作に応じて予め任意に定めることができる。
【0030】
平常移動パターン記憶部160は、利用者の平常時における移動状況の経時的な変化を示す平常移動パターンを記憶するHDDやメモリ等の記憶媒体である。図4は、平常移動パターン記憶部160に予め記憶されている平常移動パターンの一例を示す図である。平常移動パターンは、図4に示すように、時刻と、位置(緯度、経度)と、移動状況とが対応付けられている。また、この平常移動パターンは、利用者ごとに異なるパターンが平常移動パターン記憶部160に記憶されている。この平常移動パターンは、ある時間帯において、測位されたことが多い位置の一覧を意味している。そのため、一つの時刻に対して一つの位置(場所)のみが対応付けられているわけではなく、複数の位置が対応付けられていてもよい。また、図4に示す平常移動パターンでは、時刻ごとに位置および移動状況を対応付けているが、さらに曜日ごとに分けて構成してもよい。これは人(利用者)の行動が曜日ごとに周期性を有していることが多いと考えられるからである。
【0031】
ところで、体動センサ102は一定時間ごとに利用者の動作を検出しているので、これに応じて移動状況判定部113も一定時間ごとに移動状況を判定していることになる。このため、移動状況は時間の経過に従って得られることになる。平常移動確信度算出部114は、移動状況判定部113により判定された利用者の移動状況の経時的な変化と、平常移動パターン記憶部160に記憶された平常移動パターンとから、体動センサ102による利用者の動作の検出時点での移動状況と平常移動パターンとが一致しているか否かの度合いを示す平常移動確信度pを算出する。簡易な方法としては、移動状況判定部113により判定された移動状況が、平常移動パターンにおける利用者の動作の検出時点の時刻に対応する移動状況に一致すれば平常移動確信度「1」、不一致であれば平常移動確信度「0」とする方式がある。しかし、実際にはよりきめ細かい判定が有用であるため、本実施の形態の平常移動確信度算出部114においては、以下の方式を用いる。
【0032】
まず、現在時刻をtとし、移動状況の経時的な離散系列b(t)を次式(3)のように表現する。
【数3】

【0033】
また、平常移動パターン中の移動状況系列m(t)を次式(4)のように表現する。
【数4】

【0034】
そして、平常移動確信度算出部114は、式(3)で示した離散系列b(t)、式(4)で示した移動状況系列m(t)、および所定の時間差tdを用いて、次式(5)を満たす最大のnを、平常移動パターンとの最長一致時間として算出する。ここで、平常移動確信度算出部114は、式(5)を満たす最大のnを算出する際に、平常移動パターン記憶部160に記憶された平常移動パターンを参照することになる。
【数5】

【0035】
ここで、次式(6)に示すように、tdの絶対値は、予め定められた許容される最大時間差tdmax未満とする。
【数6】

【0036】
そして、平常移動確信度算出部114は、判定された移動状況が平常移動パターンと一致しているか否かを判定するために、平常移動確信度pを、次式(7)に示すように予め定められた時間tsufを用いて算出する。
【数7】

【0037】
式(7)に示すように、n=0である場合、すなわち移動状況と平常移動パターンとの一致時間がない場合は、平常移動確信度p=0であり、平常移動確信度pは最低値をとる。また、n>tsufである場合、すなわち移動状況と平常移動パターンとの一致時間が定められた時間tsufより長い場合は、平常移動確信度p=1であり、平常移動確信度pは最高値をとる。また、移動状況と平常移動パターンとの一致時間nが0より大きく、時間tsuf以下の場合には、式(7)に示すように平常移動確信度pは移動状況と平常移動パターンとの一致時間nと時間tsufの値に応じて変動する。より具体的には、この場合、式(7)からわかるように、移動状況と平常移動パターンとの一致時間nが長い程、平常移動確信度pは高い値となる。
【0038】
測位時間間隔制御部115は、平常移動確信度算出部114により算出された平常移動確信度pに応じて、測位部111による測位時間間隔を算出するものである。より具体的には、測位時間間隔制御部115は、平常移動確信度pの値が高いほど、長い時間の測位時間間隔を算出する。つまり、動作データ出力部112により出力された動作データから判定された移動状況と平常移動パターンとの一致している度合いが高く、平常移動確信度pの値が高い程、利用者が平常移動パターンに沿って移動している可能性が高いため、比較的電力を消費する測位部111による測位の測位時間間隔を長くして稼働ペースを低減させる。
【0039】
一方、移動状況判定部113によって判定された移動状況と平常移動パターンとの一致している度合いが低く、平常移動確信度pの値が低い程、利用者が平常移動パターンに沿って移動していない可能性が高いため、測位部111による測位の測位時間間隔を短くして稼働ペースを上昇させることになる。
【0040】
具体的には、測位時間間隔制御部115は、平常移動確信度pと、用いて、次回の測位までの時間間隔(測位時間間隔)tnextを、次式(8)により算出する。
【数8】

ここで、tmaxは測位部111による最長の測位時間間隔である最長測位時間間隔を示し、tminは最短の測位時間間隔である最短測位時間間隔を示す。すなわち、式(8)に示すように、測位時間間隔制御部115は、最長測位時間間隔tmaxと最短測位時間間隔tminとの差分に平常移動確信度pを乗じた時間と、最短測位時間間隔tminとを加算した時間を、次回の測位までの時間間隔(測位時間間隔)tnextとして算出している。
【0041】
そして、測位時間間隔制御部115は、現在の時刻から、算出した測位時間間隔tnextの時間経過後を測位時刻としてメモリ等に設定する。そして、メモリ等に設定された測位時刻になった場合に、測位センサ101および測位部111が測位を開始してGPS衛星から電波を受信し、測位部111により携帯端末100の現在位置を測位することになる。
【0042】
平常移動パターン更新部119は、平常移動パターン記憶部160に記憶している平常移動パターンを更新するものである。平常移動パターン更新部119は、平常移動パターンの各時刻のデータに対応した位置の全履歴を位置リストとして記憶しており、その位置リストの平均位置を用いて平常移動パターンを更新する。すなわち、平常移動パターン更新部119は、移動状況判定部113により移動状況が判定された場合、その移動状況を利用者の動作の検出時点の時刻に対応する位置リストに追加し、同時刻に対応する位置リストの平均位置を算出して平常移動パターンを更新する。平常移動パターン更新部119は、平常移動パターンを定期的に更新させるものとする。
【0043】
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる携帯端末100による測位時間間隔制御処理について説明する。図5は、実施の形態1にかかる携帯端末100による測位時間間隔制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0044】
まず、体動センサ102は、携帯端末100を所持する利用者の動作を検出する(ステップS10)。そして、動作データ出力部112は、体動センサ102が検出した利用者の動作から、検出した動作を示す動作データを出力する(ステップS11)。
【0045】
次に、移動状況判定部113は、出力した動作データを用いて、上述した式(1)(2)により第2平均値|L(t)|を算出する(ステップS12)。次に、移動状況判定部113は、閾値テーブル記憶部150に記憶されている閾値テーブル(図3)を参照する(ステップS13)。そして、移動状況判定部113は、算出した第2平均値|L(t)|と閾値テーブルとにより、第2平均値|L(t)|の値が該当する最小値から最大値までの範囲に対応する移動状況を、携帯端末100を所持する利用者の移動状況を判定する(ステップS14)。
【0046】
次に、平常移動確信度算出部114は、平常移動パターン記憶部160に記憶された平常移動パターンを参照する(ステップS15)。そして、平常移動確信度算出部114は、移動状況判定部113により判定された利用者の経時的な移動状況と、参照した平常移動パターンとにより、上述した式(3)〜(7)を用いて平常移動確信度pを算出する(ステップS16)。
【0047】
そして、測位時間間隔制御部115は、算出した平常移動確信度pに応じて、すなわち平常移動確信度pと、測位部111による最長の測位時間間隔である最長測位時間間隔tmaxと、最短の測位時間間隔である最短測位時間間隔tminを用いて、上述した式(8)により次回の測位までの測位時間間隔tnextを算出する(ステップS17)。そして、測位時間間隔制御部115は、現在の時刻から、算出した測位時間間隔tnextの時間経過後を測位時刻と設定する。(ステップS18)。
【0048】
測位部111は、設定された測位時刻であるか否かを判断する(ステップS19)。測位時刻ではない場合(ステップS19:No)、測位部111は、測位を行わずに、ステップS10に戻って処理を繰り返す。一方、測位時刻である場合(ステップS19:Yes)、測位部111は、利用者の現在位置の測位を実行するとともに、測位時刻を記録し(ステップS20)、ステップS10に戻って処理を繰り返す。
【0049】
このように、本実施の形態にかかる携帯端末100は、GPS機能と比較して低消費電力である体動センサを利用して判定された利用者の移動状況と、平常移動パターンとが一致しているか否かの平常移動確信度を算出し、算出した平常移動確信度に応じて、GPS機能による測位部111による測位時間間隔を算出することができる。つまり、平常移動確信度の値が高い場合には、利用者が平常移動パターンに沿って移動している可能性が高いため、測位部111による測位時間間隔を長くして稼働ペースを低減させることができる。従って、消費電力を低減した測位を行うことができるとともに、利用者が平常移動パターンに沿って移動しているか否かを把握できる。
【0050】
(実施の形態2)
実施の形態1の携帯端末では、体動センサを利用して利用者の移動状況を判定し、該移動状況と平常移動パターンとにより平常移動確信度を算出して、測位時間間隔を算出するものであった。これに対し、本実施の形態の携帯端末では、過去に測位された位置および測位時点の時刻などにより、携帯端末を所持する利用者の現在位置を推定し、推定した現在位置と実際の現在位置との一致の度合いを算出して、測位時間間隔を算出するものである。本実施の形態にかかる携帯端末の外観構成は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図1参照)。
【0051】
図6は、実施の形態2にかかる携帯端末200の機能的構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、携帯端末200は、測位部111と、動作データ出力部112と、移動状況判定部113と、閾値テーブル記憶部150と、平常移動確信度算出部114と、平常移動パターン記憶部160と、測位時間間隔制御部215と、平常移動パターン更新部119と、位置推定部216と、位置出力部217と、位置推定確信度算出部218と、履歴データ記憶部170とを主に備えている。ここで、測位部111と、動作データ出力部112と、移動状況判定部113と、閾値テーブル記憶部150と、平常移動確信度算出部114と、平常移動パターン記憶部160と、平常移動パターン更新部119との構成及び機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図2参照)。
【0052】
履歴データ記憶部170は、後述する位置出力部217により出力された携帯端末200の現在位置の履歴データを記憶するHDDやメモリ等の記憶媒体である。
【0053】
位置推定部216は、測位部111により過去に測位された位置および測位時点の時刻と、平常移動パターン記憶部160に記憶された平常移動パターンと、平常移動確信度算出部114により算出された平常移動確信度と、移動状況判定部113により判定された移動状況とにより、携帯端末200の現在位置を推定する。これは、測位部111により最後に測位された位置からの変位量を、移動状況および平常移動パターンにより推定するものである。以下に、携帯端末200の現在位置の推定方法を説明する。
【0054】
最初に、後述する位置出力部217により出力された携帯端末200の現在位置の履歴データを、履歴データ記憶部170に記憶しておく。そして、測位部111により最後に測位されてからの経過時間によって、以下の推定方法を用いてそれぞれ携帯端末200の現在位置を推定する。
【0055】
(A)測位部111により最後に測位されてからの経過時間tが所定時間t1未満であった場合(t<t1)、最後に測位された位置を携帯端末200の現在位置と推定する。すなわち、最後に測位されてからの経過時間がt1未満のように短い場合には、最後に測位された位置からの利用者の移動は少ないものとみなし、位置推定部216は、最後に測位された位置を携帯端末200の現在位置と推定している。
【0056】
(B)測位部111により最後に測位されてからの経過時間tが所定時間t1以上、かつ所定時間t2未満であった場合(t1≦t<t2)、最後に測位部111により測位された測位時刻t1、および最後の測位から1回前に測位された測位時刻t0から、次式(9)を用いて携帯端末200の現在位置を推定する。
【数9】

ここで、Locは測位部111により最後に測位された携帯端末200の位置を示しており、Loc0は最後の測位の1回前に測位部111により測位された携帯端末200の位置を示している。
【0057】
すなわち、式(9)では、測位部111により最後に測位されてからの経過時間tが(A)方式の場合の基準となる所定時間t1以上と長いが、後述の(C)方式の場合の基準の所定時間t2よりも短い場合に、最後の測位の1回前の測位から最後の測位までの時間(t1−t0)に移動した距離(L―Loc0)と同一速度で移動しているものとみなし、現在位置を推定している。
【0058】
(C)測位部111により最後に測位されてからの経過時間tがt2以上、かつ平常移動確信度pが所定値であるT以上であれば(t2≦t,T≦p)、平常移動パターン記憶部160に記憶されている平常移動パターンの現在時刻に該当する位置(緯度、経度)を現在位置と推定する。すなわち、この場合には、平常移動確信度pが所定値であるT以上と高い値であり、利用者が平常移動パターンと大きくずれて移動していないと考えられるので、位置推定部216は、現在時刻に対応する平常移動パターンの位置を現在位置として推定している。
【0059】
(D)測位部111により最後に測位されてからの経過時間tがt2以上、かつ平常移動確信度pが所定値であるT未満であれば(t2≦t,T>p)、移動状況判定部113により判定された移動状況に基づく推定移動速度vactを用いて、次式(10)を用いてこれまでの移動履歴から携帯端末200の現在位置を推定する。
【数10】

ここで、vactは移動状況ごとに、移動状況の内容に応じて予め定義された推定速度を示しており、本実施の形態では、メモリ等に予め記憶されている。
【0060】
すなわち、最後の測位からの経過時間tがt2以上と長く、かつ平常移動確信度pが所定値T未満とそれほど高い値でない場合には、利用者は最後の測位の位置からの距離が遠い位置で、平常移動パターンからずれて移動していると考えられる。このため、最後の測位の1回前の測位から最後の測位までの時間(t1−t0)までの移動速度だけでなく推定移動速度vactを加味して、現在位置を推定している。
【0061】
位置推定確信度算出部218は、位置推定部216が現在位置を推定した方式に応じて、測位部111により最後に測位した時点の時刻からの経過時間と、移動状況確信度pとにより、位置推定確信度qを算出するものである。ここで、位置推定確信度qは、位置推定部216により推定された利用者の現在位置と、携帯端末200を所持する利用者の実際の現在位置とが一致しているか否かの度合いを示すものである。以下に、具体的な位置推定確信度qの算出方法について説明する。
【0062】
上述したいずれかの推定方法(A)(B)(C)(D)を用いて位置推定部216によって携帯端末200の現在位置を推定された場合に、次式(11)により、それぞれ位置推定確信度qを算出する。なお、pは、実施の形態1で算出した平常移動確信度である。
【数11】

【0063】
すなわち、推定方法(A)の場合には、測位部111により最後に測位されてからの経過時間tが所定時間t1未満であった場合には、位置推定確信度算出部218は、推定した現在位置と実際の現在位置とが大きく相違しないと判断し、位置推定確信度q=1として最大値としている。
【0064】
また、推定方法(B)の場合には、最後の測位の1回前の測位から最後の測位までの時間(t1−t0)に移動した距離(L―Loc0)と同一速度で移動しているとみなして現在位置を推定しているので、位置推定確信度算出部218は、位置推定確信度qを、比較的高い値とする。
【0065】
また、推定方法(C)の場合には、平常移動確信度pから利用者が平常移動パターンと大きくずれて移動していないとして平常移動パターンの位置を現在位置として推定しているので、位置推定確信度算出部218は、位置推定確信度qを、平常移動確信度pの値に応じて算出している。
【0066】
また、推定方法(D)の場合には、推定移動速度vactを加味して現在位置を推定しているが、推定した現在位置が実際の現在位置と離れている可能性も高いので、位置推定確信度算出部218は、位置推定確信度qを、比較的小さい値で、かつ経過時間t、所定時間t2を考慮して算出している。
【0067】
このように、本実施の形態では、位置推定部216が現在位置を推定した方式に応じた位置推定確信度qを算出することで、測位時間間隔制御部215によって、それぞれの位置推定確信度qに応じた測位時間間隔の制御が可能となる。
【0068】
位置出力部217は、位置推定部216により携帯端末200の現在位置が推定され、かつ測位部111による測位が実行されなかった場合、推定された携帯端末200の現在位置を表示部(不図示)に表示するものである。また、位置出力部217は、位置推定部216により携帯端末200の現在位置が推定されても、測位部111による測位が実行された場合は、実際に測位した携帯端末200の現在位置を表示部(不図示)に表示する。
【0069】
測位時間間隔制御部215は、位置推定確信度算出部218により算出された位置推定確信度qに応じて、測位部111による測位時間間隔を算出するものである。より具体的には、測位時間間隔制御部215は、位置推定確信度qの値が高いほど、長い時間の測位時間間隔を算出する。つまり、位置推定部216により推定された現在位置と、携帯端末200を所持する利用者の実際の現在位置とが一致している度合いが高く、位置推定確信度qの値が高いほど、利用者が平常移動パターンに沿って移動している可能性が高いため、比較的電力を消費する測位部111による測位の測位時間間隔を長くして稼動ペースを低減させる。
【0070】
一方、位置推定部216により推定された現在位置と、携帯端末200を所持する利用者の実際の現在位置とが一致している度合いが低く、位置推定確信度qの値が低い程、利用者が平常移動パターンに沿って移動していない可能性が高いため、測位部111による測位の測位時間間隔を短くして稼動ペースを上昇させることになる。
【0071】
具体的には、測位時間間隔制御部215は、位置推定確信度qを用いて、次回の測位までの時間間隔(測位時間間隔)tnextを次式(12)により算出する。
【数12】

ここで、tmaxは測位部111による最長の測位時間間隔である最長測位時間間隔を示し、tminは最短の測位時間間隔である最短測位時間間隔を示す。すなわち、式(12)に示すように、測位時間間隔制御部215は、最長測位時間間隔tmaxと最短測位時間間隔tminとの差分に位置推定確信度qを乗じた時間と、最短測位時間間隔tminとを加算した時間を、次回の測位までの時間間隔(測位時間間隔)tnextとして算出している。
【0072】
そして、測位時間間隔制御部215は、実施の形態1と同様に、現在の時刻から、算出した時間間隔tnextの時間経過後を測位時刻としてメモリ等に設定する。そして、メモリ等に設定された測位時刻になった場合に、測位センサ101および測位部111が測位を開始してGPS衛星から電波を受信し、測位部111により携帯端末100の現在位置を測位することになる。
【0073】
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる携帯端末200による測位時間間隔制御処理について説明する。図7は、実施の形態2にかかる携帯端末200による測位時間間隔制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0074】
まず、体動センサ102による利用者の動作を検出から、平常移動確信度算出部114による平常移動確信度の算出までの処理(ステップS30〜36)は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(ステップS10〜16)。
【0075】
そして、位置推定部216は、過去に測位された位置および測位時点の時刻と平常移動パターンと平常移動確信度と移動状況とにより、測位部111により最後に測位されてからの経過時間によって上述した推定方法(A)〜(D)を用いて携帯端末200の現在位置を推定する。なお、推定方法(B)により現在位置を推定する場合は、上述した式(9)を用い、推定方法(D)により現在位置を推定する場合は、上述した式(10)を用いる(ステップS37)。
【0076】
次に、位置推定確信度算出部218は、位置推定部216が現在位置を推定した方式(推定方法(A)(B)(C)(D))により、上述した式(11)を用いて位置推定確信度qを算出する(ステップS38)。
【0077】
そして、測位時間間隔制御部215は、算出した平常移動確信度pに応じて、すなわち測位部111による最長の測位時間間隔である最長測位時間間隔tmaxと、最短の測位時間間隔である最短測位時間間隔tminを用いて、上述した式(12)により次回の測位までの測位時間間隔tnextを算出する(ステップS39)。そして、測位時間間隔制御部215は、現在の時刻から、算出した測位時間間隔tnextの時間経過後を測位時刻と設定する(ステップS40)。
【0078】
測位部111は、設定された測位時刻であるか否かを判断する(ステップS41)。測位時刻ではない場合(ステップS41:No)、測位部111は、測位を行わず、位置出力部217は、推定された携帯端末200の現在位置を表示部(不図示)に表示する(ステップS42)。そして、ステップS20に戻って処理を繰り返す。
【0079】
一方、測位時刻である場合(ステップS41:Yes)、測位部111は、利用者の現在位置の測位を実行するとともに、測位時刻を記録する(ステップS43)。次に、位置出力部217は、実際に測位した携帯端末200の現在位置を表示部(不図示)に表示する(ステップS44)。そして、ステップS20に戻って処理を繰り返す。
【0080】
このように、本実施の形態にかかる携帯端末200は、過去に測位された位置および測位時点の時刻等により携帯端末200の現在位置を推定し、推定された現在位置と携帯端末200を所持する利用者の実際の現在位置とが一致しているか否かの位置推定確信度を算出し、算出した位置推定確信度に応じて、GPS機能による測位部111による測位時間間隔を設定することができる。つまり、位置推定確信度の値が高い場合には、利用者が平常移動パターンに沿って移動している可能性が高いため、測位部111による測位時間間隔を長くして稼働ペースを低減させることができる。従って、消費電力をより低減した測位を行うことができるとともに、利用者が平常移動パターンに沿って移動しているか否かを把握できる。
【0081】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0082】
100、200 携帯端末
101 測位センサ
102 体動センサ
111 測位部
112 動作データ出力部
113 移動状況判定部
114 平常移動確信度算出部
115、215 測位時間間隔制御部
150 閾値テーブル記憶部
160 平常移動パターン記憶部
216 位置推定部
217 位置出力部
218 位置推定確信度算出部
219 平常移動パターン更新部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位装置であって、
所定の測位時間間隔で、前記測位装置の現在位置を測位する測位手段と、
前記測位装置を所持する利用者の動作を検出する検出手段と、
利用者の平常時における移動状況の経時的な変化を示す平常移動パターンを予め記憶する記憶手段と、
検出された動作から、前記測位装置を所持する利用者の移動状況を判定する状況判定手段と、
判定された前記移動状況の経時的な変化と、前記記憶手段に記憶された前記平常移動パターンとに基づいて、前記検出手段による前記動作の検出時点での前記移動状況と前記平常移動パターンとが一致しているか否かの度合いを示す第1確信度を算出する第1確信度算出手段と、
算出された前記第1確信度に応じて、前記測位時間間隔を算出する間隔算出手段と、を備え、
前記測位手段は、算出された測位時間間隔で前記現在位置を測位することを特徴とする測位装置。
【請求項2】
前記間隔算出手段は、前記第1確信度が高いほど、長い時間の前記測位時間間隔を算出することを特徴とする請求項1に記載の測位装置。
【請求項3】
前記間隔算出手段は、前記第1確信度と、前記測位手段による最長の測位時間間隔である最長間隔と、最短の測位時間間隔である最短間隔とに基づいて、次回の測位までの測位時間間隔を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の測位装置。
【請求項4】
前記間隔算出手段は、前記最長間隔と前記最短間隔との差分に前記第1確信度を乗じた時間と、前記最短間隔とを加算した時間を、次回の測位までの測位時間間隔として算出することを特徴とする請求項3に記載の測位装置。
【請求項5】
前記測位装置の現在位置を推定する推定手段と、
前記測位手段により最後に測位した時点の時刻からの経過時間と、前記第1確信度とに基づいて、前記推定手段により推定された現在位置と、前記測位装置を所持する利用者の実際の現在位置とが一致しているか否かの度合いを示す第2確信度を算出する第2確信度算出手段と、をさらに備え、
前記間隔算出手段は、さらに、算出された前記第2確信度に応じて、前記測位時間間隔を算出することを特徴とする請求項1に記載の測位装置。
【請求項6】
前記推定手段は、前記測位手段により過去に測位された位置および測位時点の時刻と、前記平常移動パターンと、前記第1確信度とにより、前記測位装置の現在位置を推定することを特徴とする請求項5に記載の測位装置。
【請求項7】
前記間隔算出手段は、前記第2確信度が高いほど、長い時間の前記測位時間間隔を算出することを特徴とする請求項5または6に記載の測位装置。
【請求項8】
前記推定手段により推定された現在位置を出力する出力手段を、さらに備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の測位装置。
【請求項9】
前記間隔算出手段、前記第2確信度と、前記測位手段による最長の測位時間間隔である最長間隔と、最短の測位時間間隔である最短間隔とに基づいて、次回の測位までの測位時間間隔を算出することを特徴とする請求項5〜8のいずれか一つに記載の測位装置。
【請求項10】
前記間隔算出手段は、前記最長間隔と前記最短間隔との差分に前記第2確信度を乗じた時間と、前記最短間隔とを加算した時間を、次回の測位までの測位時間間隔として算出することを特徴とする請求項9に記載の測位装置。
【請求項11】
測位装置で実行される測位時間間隔制御方法であって、
前記測位装置は、
利用者の平常時における移動状況の経時的な変化を示す平常移動パターンを予め記憶する記憶手段を備え、
測位手段が、所定の測位時間間隔で、前記測位装置の現在位置を測位する測位ステップと、
検出手段が、前記測位装置を所持する利用者の動作を検出する検出ステップと、
状況判定手段が、検出された動作から、前記測位装置を所持する利用者の移動状況を判定する状況判定ステップと、
第1確信度算出手段が、判定された前記移動状況の経時的な変化と、前記記憶手段に記憶された前記平常移動パターンとに基づいて、前記検出手段による前記動作の検出時点での前記移動状況と前記平常移動パターンとが一致しているか否かの度合いを示す第1確信度を算出する第1確信度算出ステップと、
間隔算出手段が、算出された前記第1確信度に応じて、前記測位時間間隔を算出する間隔算出ステップと、を備え、
前記測位手段が、算出された測位時間間隔で前記現在位置を測位する測位ステップと、
を含むことを特徴とする測位時間間隔制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−164423(P2010−164423A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6833(P2009−6833)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】