説明

測定オブジェクトの形状を触覚光学式に決定するための方法および装置

本発明は、座標測定装置内のワークピースの構造および/または形状を、触覚光学式の測定法によって決定するための方法であって、少なくとも1つの方向における接触型プローブ要素の位置を、光学的に横方向に測定する方法で、第1のセンサによって決定し、かつ、少なくとも1つの第2の方向における接触型プローブ要素の位置を、少なくとも1つの距離センサによって決定する方法に関する。複数のセンサによる接触型プローブ要素の誤りのない検出を可能にするために、接触型プローブ要素を保持手段に取り付けるために、第1のセンサの光路によってビーム方向に貫通される少なくとも1つの柔軟な接続要素を使用し、該接続要素は透明であり、および/または第1のセンサに対し大幅に焦点を外して設けられることが提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、測定オブジェクトの形状を、触覚光学式の測定法によって決定するための方法に関する。更に、本発明は、触覚光学式の測定法を用いてワークピースのようなオブジェクトの構造および/または形状を決定するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に、本発明は、座標測定装置内のオブジェクト、例えばワークピースの構造および/または形状を、触覚光学式の測定法によって決定するための方法であって、座標測定装置の少なくとも1つの方向、例えばX方向および/またはY方向における、接触型プローブ要素の、または該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を、第1のセンサを用いて、光学式に横方向に測定する方法によって決定し、かつ、座標測定装置の少なくとも1つの第2の方向、例えばZ方向における、接触型プローブ要素の、または、該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を、少なくとも1つの距離センサによって決定する方法に関し、および、触覚光学式の測定法を用いて座標測定装置においてワークピースのようなオブジェクトの構造および/または形状を決定するための装置であって、座標測定装置の少なくとも1つの方向、例えばX方向および/またはY方向における、接触型プローブ要素のまたは該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を、第1のセンサによって検出する光学式に横方向に測定する方法と、座標測定装置の少なくとも1つの第2の方向、例えばZ方向における、接触型プローブ要素のまたは該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を検出する距離センサと、が結び合わされている装置に関する。
【0003】
特許文献1によれば、オブジェクトの構造は、座標測定装置に関連した接触型プローブ要素によって測定され、該接触型プローブ要素の位置は光学センサによって検出される。従って、特許文献1は、触覚光学式の測定法である。ここでは、センサおよびフィラーは、共同で調整可能なユニットとして形成されている。該ユニットは、特許文献2によれば、ロータリ・スイベル・ジョイントを前提とすることができる。これらの公報に記載の開示内容を特に援用する。
【0004】
特許文献3からは、フィラーの空間位置が、2つの光学センサによって決定される。これらの光学センサのうちの一方が、Z座標を測定し、他方が、X,Y座標を測定する。同様なことが、非特許文献1から明らかである。
【0005】
従来の技術ではファイバフィラーとして従来知られている触覚光学測定システムでは、接触型プローブ要素または該接触型プローブ要素に関連したマークは、1つの、または複数の互いにほぼ垂直に設けられた1次元または2次元の光学測定システム、例えばCCDまたはCMOS画像検出装置によって、あるいは、2次元の画像検出装置および1次元の比較測定型の距離センサ、例えば、スペックルパターン評価方法(特許文献5)に基づくホモダイン干渉計(特許文献4)の組み合わせから、3次元で検出される。
【0006】
「イギリス国立物理学研究所」(NPL)で開発された3Dプローブは、接触力の、ほぼ等方的な挙動を示す。但し、硬いトレーサピンに関してのみであり、該トレーサピンの傾動および変位を決定するための圧電式の評価システムを用いるものである。薄くて矩形のセンサ要素の6回測定された撓みまたは膨張から、3つの空間方向における変位および該空間方向を中心とした傾動が計算される(非特許文献2)。
【0007】
エクスプレス・プレシャス・エンジニアリング社によって販売される3Dマイクロプローブは、類似の機能を有する。3Dマイクロプローブでは、硬いトレーサピンは、シリコンチップ上に取り付けられ、変位は、シリコンチップに統合されている圧電抵抗センサ素子によって測定される(非特許文献3)。
【0008】
特許文献6からは、触覚式の接触プローブのための部分的に透過性の保持手段が公知である。該保持手段は、接触プローブの上方に設けられた観察カメラによって、トレーサピンの取付およびトレーサピンの変位の評価のために必要な支持構成要素を通過して、トレーサピンの先端を観察することを可能にする。その目的は、触覚測定、特に、そのほかでは観察し難い、ワークピースの表面への接近を、追跡するためである。観察カメラは、接触プローブの先端の位置の測定のために使用されることができず、従って、画像処理のための手段を有しない。
【0009】
知られた方法の欠点は、検出される要素の、例えば、接触型プローブ要素の、または該接触型プローブ要素に関連したマークの相対位置または絶対位置が正確にまたは迅速に検出されないか、あるいは、不十分に正確にまたは不十分に迅速にしか検出されないことである。
【0010】
この場合に、検出される要素の横方向の変位を決定するために使用される光学式の画像検出システムの結像方向における、検出される要素の相対位置または絶対位置の迅速な評価がなされ、あるいは、回転自由度を中心とした動きが検出されること、特にこのことは、解決されない。
【0011】
更に、干渉計、または距離センサ、またはフォーカス方式、例えばオートフォーカスに基づくセンサの、または画像処理センサの測定ビームを、検出される要素の、例えば、接触型プローブ要素の、または該接触型プローブ要素に関連したマークの表面へ反射させるための解決策は存在しない。
【0012】
特許文献7からは、硬いプローブを有する座標測定装置が公知である。該プローブは、2つの目標マークを有する。その目的は、該目標マークによって、接触型プローブ要素の空間的位置を逆推論するためである。
【0013】
特許文献8は、物体を測定する方法に関し、レーザ距離センサによって、触覚光学式のプローブの接触型プローブ要素のZ位置が測定される。更に、画像処理センサが設けられていてもよい。
【0014】
特許文献2からは、座標測定装置によってオブジェクトの構造を触覚光学式に測定するための装置および方法が読み取れる。第1の光センサと、接触型プローブ要素を有する機械式のプローブとは、統合されて、ユニットを形成する。接触型プローブ要素を3次元で測定するために、同一の構造を有する第2の光学センサが使用される。光学センサの光軸は、第1の光学センサの光軸に垂直に延びている。
【0015】
前提部分に記載の装置は、特許文献9から公知である。距離センサによって、選択的に、接触型プローブ要素の位置、またはオブジェクトの表面特性が測定される。その代わりに、接触型プローブ要素の位置を、画像処理センサによって測定することができる。次に、距離センサは、接触型プローブ要素を照明するために用いられる。
【0016】
特許文献10によれば、座標測定装置は、機械式のプローブおよび光学センサを有する。その目的は、オブジェクトを、光学触覚式に測定することができるためである。機械式のプローブおよび光学センサは、ユニットとして調整可能である。
【0017】
オブジェクトを座標測定装置によって測定するために、特許文献11によれば、プローブの位置は、プローブとは別個に調整可能な光学検出装置によって測定される。
【0018】
特許文献12によれば、オブジェクトの幾何学構造は、光学検出装置およびプローブによって測定される。両者は、別個に可動である。
【0019】
従って、以前に知られた方法および座標測定装置は、基本的には、接触型プローブ要素の正確な空間位置決定を保証するためには、全問題の部分的解決のみに関する。
【0020】
特許文献13によれば、プローブ要素の位置を3次元で決定するためには、三角測量に基づいた写真測量法が利用される。
【0021】
機械的にスキャンするセンサを有する座標測定装置は、特許文献14から読み取れる。ここでは、モニタによる機械的な接触工程の視覚的な制御を行なうことができる。その目的は、プローブの破壊を回避するためである。
【0022】
特許文献15には、プローブを有する座標測定装置が記載される。プローブのプローブ延長部は、ばねによって、自らの位置で予備緊張されている。
【0023】
特許文献16によれば、オブジェクトの構造が、座標測定装置に関連した接触型プローブ要素が測定される。接触型プローブ要素の位置は、光学センサによって検出される。ここでは、センサおよびプローブは、共同で調整可能なユニットとして形成されている。該ユニットは、特許文献2によれば、ロータリ・スイベル・ジョイントを前提とすることができる。
【0024】
特許文献17からは、プローブの空間位置が、2つの光学センサによって決定される。これらの光学センサのうちの一方が、Z座標を測定し、他方が、X,Y座標を測定する。同様なことが、非特許文献1から明らかである。
【0025】
特許文献18からは、オブジェクトを座標測定装置によって測定するための方法および装置が公知である。測定誤差を最小限に抑えつつ、接触型プローブ要素の3次元の位置決定を可能にするために、光学センサ装置が使用される。該光学センサ装置は、距離センサと、共通の光路を有する画像処理センサとを具備する。2つのセンサは、常に、同一のマークまたは接触型プローブ要素自体を有する。マークまたは接触型プローブを画像処理センサによって検出することが、特に不可能であるのは、距離センサによって測定されるマークが、画像処理センサの手前で検出されることが意図されるマークの上方に位置している場合である。何故ならば、測定誤差を最小限に抑えるために、使用されるファイバの取付箇所が、距離センサのマークの近くに設けられているからである。その目的は、接触型プローブ要素の変位の際に横方向移動を最小限に抑えるためである。このことによって、取付箇所が、画像処理センサによって検出されたマーク、または接触型プローブ要素を覆うのである。更に、画像処理センサによって検出されるマークまたは接触型プローブ要素を自己照明にすることは未解決のままである。何故ならば、レーザ反射装置のマークは、ファイバへの、およびレーザ反射装置の下方に位置しているマークまたは接触型プローブ要素への、しかるべく必要な,光の導入を可能にしないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】EP-B-1 082 581
【特許文献2】WO-A-02/025206
【特許文献3】DE-U-298 08 683
【特許文献4】WO-A-2007/033811
【特許文献5】DE-A-10 2005 021 645
【特許文献6】DE-A-101 08 774
【特許文献7】US-A-5,825,666
【特許文献8】WO-A-02/106765
【特許文献9】WO-A-03/008905
【特許文献10】US-B-6,441,910
【特許文献11】DE-A-198 05 892
【特許文献12】EP-A-0 965 816
【特許文献13】WO-A-98/57121
【特許文献14】DE-A-43 27 250
【特許文献15】US-A-4,972,597
【特許文献16】WO-A-99/63301
【特許文献17】DE-U-298 08 683
【特許文献18】EP-B-1 58 354
【非特許文献】
【0027】
【非特許文献1】DE.Z.;tm-Technisches Messen 66(1999) 12, S. 1-5, Schwenke et al.:”Opto-taktiler Sensor zur 2D-und 3D-Messung kleiner Strukturen mit Koordinatenmessgeraeten“
【非特許文献2】Prof. Richard Leech, NPL, United Kingdom-“Development of a 3D vibrating micro-CMM probe using an active triskelion flexture” on “Microparts” Interest Group Workshop, 28-29. Oktober 2009, National Physical Laboratory, Teddington, UK
【非特許文献3】Ernst Treffers, Director Business Development, Xpress Precision Engineering, The Nutherlands-"Gannen series: 3D tactile probes for microparts" on "Microparts" Interest Group Workshop, 28-29, October 2009, National Physical Laboratory, Teddington, UK and Intenetsite www.xpresspe.com and www.xpresspe.com/probe2.htm on the 16th of December 2009
【発明の概要】
【0028】
従来の技術の欠点を回避し、かつ、原則的には、検出される要素の、例えば、接触型プローブ要素の、または該接触型プローブ要素に関連したマークの、相対位置または絶対位置を迅速にかつ正確に検出することができるようにするという課題が、本発明の基礎になっている。
【0029】
上記課題は、方法に関しては、少なくとも1つの方向における、接触型プローブ要素および/または該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークを、2D画像処理のような光学式に横方向に測定する方法によって決定し、かつ、少なくとも1つの第2の方向における、接触型プローブ要素および/または該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を、少なくとも1つの距離センサ、例えば、干渉計、好ましくは絶対測定型のヘテロダイン干渉計および/または、レーザ距離センサ、または焦点原理に基づくセンサ、例えばオートフォーカスセンサおよび/または画像処理センサによって、および/または接触型プローブ要素の保持手段に設けられた機械電気式のセンサの使用によって決定し、上記方法を、好ましくは座標測定装置に使用し、好ましくは、各々のセンサを、X方向、Y方向および/またはZ方向において、測定オブジェクトに対して位置決めすることができることによって、実質的にこのことによって、解決される。
【0030】
本発明は、上記課題を、絶対測定型のまたは相対測定型の距離センサ、例えば、干渉計、レーザ距離センサ、または、オートフォーカスセンサのようなフォーカスセンサの使用によって、解決する。干渉計の使用によって達成可能な正確度が、数ナノメートルまたはそれより少ない範囲にあることは好ましい。同様に、干渉計によって、1秒当たり数千の測定値のデータ転送速度が達成可能である。使用された距離センサは、接触型プローブ要素の、または関連したマークの位置を、適切な反射層による、接触型プローブ要素または関連したマークにおける測定ビームの反射によって、決定する。
【0031】
本発明によれば、座標測定装置内のオブジェクト、例えばワークピースの構造および/または形状を、触覚光学式の測定法によって決定するための方法であって、座標測定装置の少なくとも1つの方向、例えばX方向および/またはY方向における、接触型プローブ要素の、または該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を、光学式に横方向に測定する方法を用いて、第1のセンサによって決定し、かつ、座標測定装置の少なくとも1つの第2の方向、例えばZ方向における、接触型プローブ要素の、または、該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を、少なくとも1つの距離センサによって決定する方法において、接触型プローブ要素および、必要な場合には、該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークを保持手段に取り付けるために、第1のセンサの光路によってビーム方向に貫通される少なくとも1つの柔軟な接続要素を使用し、少なくとも1つの柔軟な接続要素は透明であり、および/または第1のセンサに関して大幅に焦点を外して設けられていることを特徴とする方法、特に該方法が提案される。
【0032】
このためには、距離センサまたは干渉計またはフォーカスセンサ、特にヘテロダイン干渉計を使用することは好ましい。該ヘテロダイン干渉計は、従来の技術から読み取ることができるように、複数の波長をもって、かつ、このことによって、絶対測定法で作動する。
【0033】
干渉計からの測定ビームの供給が、ファイバ製プローブの従来の技術から知られた、例えば光ファイバ管のような光ファイバの形態のプローブ延長部によって、なされることは好ましい。光学的に作用する接続が、ファイバの一端で、またはYカップラによって、または、ファイバの上端の上方に設けられたプリズムまたは薄層の、光学的な、好ましくは際立った特徴のない分割または偏向層によって、なされることは好ましい。反射は、検出される要素にまたは該要素の付近で、例えば、ファイバの上端に挿入されておりかつ偏向プリズムの下方にある反射層に、または、接触型プローブ要素の、反射された下面でなされる。その後、測定ビームは、新たに、反対方向に供給される測定ビームを通過する。その目的は、干渉計の基準光路に干渉するためである。
【0034】
従来の技術に記載された検出される要素の横方向の変位の評価と類似して、横方向の変位に対し垂直に、検出される要素の絶対位置の決定が、距離センサの測定データによって、なされる。該距離センサは、本発明によれば、横方向の変位の決定のために、横方向の変位を決定するための測定システムと、ほぼ同時にまたは同期的に作動され、かつ、好ましくは、測定データまたは測定信号を、上位の評価システムに伝達する。
【0035】
上位の評価システムは、距離センサからの測定データまたは測定信号と、検出される要素の横方向の変位を決定するための測定システムの測定データとから、検出される要素の3次元の位置を計算する。
【0036】
フィラー延長部および必要な場合には干渉計型の測定システムを切換インタフェースに設けることによって、接触型プローブ要素を、他の光学センサの光路から手動でまたは自動的に離れさせることができる。このことによって、画像処理センサおよび他の光学センサを、ワークピースのようなオブジェクトの構造および/または形状を直接測定するためにも使用することが可能である。
【0037】
本発明に係わる方法を実施するための対応の装置は、少なくとも1つの接触型プローブ要素と、好ましくは追加して、該接触型プローブ要素に関連したマークと、接触型プローブ要素および/またはマークを光学的に2次元で検出する検出手段と、位置を3次元で検出する距離センサとを有する。
【0038】
干渉計型の距離センサからの測定ビームは、好ましくは、測定される要素を光学的に2次元で検出する検出手段に接続させるプローブシャフト、例えば光ファイバ管によって、測定される要素、例えば接触型プローブ要素または該接触型プローブ要素に関連したマークに、供給される。
【0039】
明細書の最初の部分に記載された従来の技術、特に、接触型プローブ要素または該接触型プローブ要素に関連したマークの変位の2次元の光学評価、柔軟なフィラー延長部への接触型プローブ要素の取付、ロータリ・スイベル・ジョイントへの設置ならびに切換インタフェースへの取り外し可能な取付は、本発明に係わる方法または本発明に係わる装置との関連で、同様に、本発明の構成要素を表わす。
【0040】
本発明は、光学的に検出可能な接触型プローブ要素の等方性の取付装置を備える。この種の取付装置は、接触型プローブ要素の変位の際に、全方向においてほぼ同一の剛性によって、方向非依存性の接触力を可能にする。
【0041】
更に、変位のほかに、3つの空間方向の各々を中心とした接触型プローブ要素の回転も検出することができる。従って、水平アームまたは星型プローブの構造体の使用が可能である。
【0042】
本発明によれば、接触型プローブ要素の、または該接触型プローブ要素に関連したマークの照明が、暗視野照明および明視野照明のような反射光照明によってなされ、それ故に、透過光の使用またはファイバへの光の導入が回避されることができる可能性がある。
【0043】
従って、本発明は、特に、オブジェクト、例えばワークピースの構造および/または形状を、触覚光学式の測定法によって決定するための方法を特徴とする。少なくとも1つの方向における、接触型プローブ要素の、または該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を、光学的に横方向に測定する方法で、例えば2D画像処理で決定し、かつ、少なくとも1つの第2の方向における、接触型プローブ要素の、または、該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を、少なくとも1つの距離センサによって、例えば、干渉計、好ましくは、絶対測定型のヘテロダイン干渉計によって、および/またはレーザ距離センサまたは焦点原理に基づくセンサ、例えば、オートフォーカスセンサおよび/または画像処理センサ、特に、横方向に測定する画像処理センサによって、および/または接触型プローブ要素の保持手段に設けられた機械電気式のセンサの使用によって決定する。
【0044】
独立の実施の形態では、距離センサによって接触型プローブ要素の位置を横方向に決定するために、および接触型プローブ要素の位置を垂直方向に決定するために、種々のマークを、好ましくは種々の垂直間隔で使用する。特に意図されるのは、光学的に横方向に測定する方法で接触型プローブ要素の、または該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を横方向に決定するために、および垂直方向のような第2の方向における、接触型プローブ要素の、または該接触型プローブ要素に関連したマークの位置を、距離センサによって決定するために、種々のマークを、好ましくは種々の垂直方向間隔で使用することである。
【0045】
本発明によると、以下のことが提供される。すなわち、接続要素、好ましくは、複数の柔軟な接続要素は、変位の際に少なくとも2つの方向に独立した力および/またはほぼ同一の機械的剛性を発生させるために、適切な寸法でありかつ相応に設けられており、柔軟な接続要素は、好ましくは、環状の保持構造体から出ており、かつ、接触型プローブ要素の、および/または関連したマークの測定のための光学センサの光路が、放射方向に柔軟な接続要素を配列したものを貫通することである。
【0046】
更に、本発明は、接続要素が、大幅に焦点からずれておりまたは透明であり、このことによって、実際には、光学測定の機能にとって作用しないように、光学センサおよび柔軟な接続要素の設置がなされることを特徴とする。
【0047】
柔軟な接続要素が、環状の保持構造体に接続されていてもよいことは好ましい。
【0048】
特に意図されていることは、各々のセンサ装置が、測定オブジェクトに対しX方向、Y方向および/またはZ方向に位置決め可能であることである。
【0049】
実際また、方法は、座標測定装置において使用されるほうがよい。
【0050】
本発明によると、以下のことが提供される。すなわち、2つの方向における、接触型プローブ要素の、または、該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を、光学的に横方向測定する方法で、好ましくは、CCDカメラまたはCMOSカメラのようなマトリックスカメラを有する像処理センサを用いて決定し、かつ、第3の方向における位置を、距離センサ、例えば絶対測定型のまたは相対測定型の距離センサによって、レーザ距離センサおよび/またはオートフォーカスセンサのようなフォーカスセンサおよび/または画像処理センサによって、好ましくは横方向に測定のビーム偏向法によって決定することである。
【0051】
独自に保護する思想は、少なくとも1つの方向における、接触型プローブ要素の、または、該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を、接触型プローブ要素の、または関連したマークの、または接触型プローブ要素および好ましくは関連した少なくとも1つのマークを有するシャフトの、センサ装置に向いた側を検出することによって、決定することを特徴とする。
【0052】
センサ装置に向いた側に、反射層のような層が取り付けられており、該層は、好ましくは色選択性を有し、該色選択層は、少なくとも1つの方向の決定のために用いられるセンサからの測定ビームの波長が反射され、かつ、好ましくは追加的に、異なった波長の光源からの光線が伝達されるように、設計されていることが、意図されていることは好ましい。
【0053】
特に強調されるべきことは、接触型プローブ要素のおよび/または少なくとも1つの関連したマークおよび/またはセンサ装置に向いた反射層への照明が、以下のことによって、すなわち、
-センサと反対方向からの接触型プローブ要素へのおよび/またはマークへの透過光の照明によって、であり、好ましくは、接触型プローブ要素のまたはマークの縁部を覆わない反射層は、2次元の横方向の位置の評価のために使用される画像処理センサに、影付けを引き起こし、および/または
-光を前記接触型プローブ要素のまたは前記マークまたは前記シャフトに導入させることにより、好ましくは、横方向に、前記反射層の下方に取り付けられている接続されている光ファイバを採用することによる、接触型プローブ要素またはマークの自己照明によって、であり、接触型プローブ要素のまたはマークの縁部を覆わない反射層は、2次元の横方向の位置の評価のために使用される画像処理センサに、影付けを引き起こし、および/または
-光を前記接触型プローブ要素のまたは前記マークまたは前記シャフトに導入させることにより、好ましくは、横方向に、前記反射層の下方に取り付けられている接続されている光ファイバを採用することによる、接触型プローブ要素またはマークの自己照明によって、であり、発光型の接触型プローブ要素と第1のマークとの間の距離は、第2のマークの、上方にある反射層が、接触型プローブ要素のまたは第1のマークの少なくとも縁部を覆わないほどに、十分に大きく、および/または
-光を接触型プローブ要素またはマークおよび/またはシャフトに導入させることによる、接触型プローブ要素またはマークの自己照明によって、であり、導入の、センサ装置に向いた側は、好ましくは、色選択層で、好ましくは、シャフトの上端の上方に設けられた光学的な、好ましくは際立った特徴のない分割または偏向層によって、被覆されており、および/または
-画像処理センサに関連した明視野照明および/または暗視野照明によって、および/または
-距離センサまたは干渉計からの測定ビームによって、
なされることである。
【0054】
本発明が以下のことを意図することは好ましい。すなわち、異なった波長を用い、および/または照明を変調し、および/または照明を時間的に交互に行なうことによって、光学的に横方向に測定する方法および第2の方向における測定のために別の照明を行ない、好ましくは評価用光路において、機械的なフィルタ、例えば色選択性の層および/または干渉フィルタによる波長の分離を行なうことである。
【0055】
第3の方向における測定は、光学的に横方向に測定する方法によって、同一平面に位置している2つの方向を測定することを表現する。従って、第2のおよび第3の方向は、測定方向に関して同じである。
【0056】
本発明の、強調される思想は、干渉計型の測定システムからの測定ビームを、光ファイバまたは光ファイバ管に導入し、次に、接触型プローブ要素にまたは該接触型プローブ要素の近くに、または該接触型プローブ要素に関連したマークにまたはマークの近くで反射し、続いて、測定ビームは、光ファイバまたは光ファイバ管を、反対方向で、少なくとも部分的に貫通し、その後、干渉計型の測定システムからの基準光路に干渉することである。
【0057】
特に、本発明は、画像処理システムのような光学的に横方向に測定する方法の、および少なくとも1つの距離センサの測定値を、ほぼ同時にまたは同期的に記録し、好ましくは、測定値および/または測定信号を、上位の評価システムに伝達し、該評価システムは、測定値および/または測定信号から、接触型プローブ要素の、または該接触型プローブ要素に関連したマークの3次元位置を計算することを特徴とする。
【0058】
更に、本発明は、1つ、2つまたは3つの空間的方向を中心とした接触型プローブ要素の回転および/または傾動を、複数の関連したマークの位置の測定によって、決定し、マークを、光学的に横方向に測定する方法および/または少なくとも1つの距離センサによって検出することを意図する。
【0059】
特に、本発明は、シャフトの軸線を中心とした接触型プローブ要素の回転を、少なくとも1つの光学的に横方向に測定する方法による測定によって、決定し、少なくとも1つのマーク上に取り付けられた方向性構造の位置、または、接触型プローブ要素に関連した少なくとも2つの横方向にずれたマークの位置を決定することを特徴とする。
【0060】
強調すべきことは、シャフトの撓みおよび/または傾動を、光学的に横方向に測定する方法を用いて、関連したズーム光学系の2つの異なった作動距離および/またはズームレベルで、または異なった作動距離を有し、かつ共通の結像光学系を用いる2つのカメラによって、該シャフトに好ましくは重ねて設けられた少なくとも2つのマークを測定することによって、検出し、好ましくは、下方のまたは第1のマークまたは接触型プローブ要素を、自己照明によって照明することである。上方のまたは第2のマークは、好ましくは、シャフトの上端によって、または該上端に取り付けられた反射層によって形成され、かつ、明視野照明または暗視野照明によって照明される。
【0061】
以下のことが意図されることは独自発明的である。すなわち、横方向に測定する方法および距離センサは、少なくとも部分的に同一の光路を使用し、2つのセンサに関連した測定ビームの分割を、2つの測定ビームが異なった波長を使用し、波長選択性の分配器が使用されることによって、あるいは、周期的に順々に偏向要素、例えば偏向ミラーが、交互に、2つのセンサからの測定ビームを導入することによって、あるいは、柔軟なレンズ、例えば液体レンズのような、作動距離を周期的に変更する光学素子が、例えば50ないし100Hertzの振動で、使用されることによって、行なうことである。光学素子の使用の目的は、2つのセンサからの測定ビームを、周期的に交互に、異なった作動距離に調整するためである。
【0062】
本発明によれば、横方向に測定するセンサおよび距離センサは、少なくとも部分的に共通の光路を使用し、2つのセンサのビームパスの分割を、波長選択的要素によって、または周期的に導入された切換要素、例えば、偏向ミラーによって、または、作動距離に周期的に影響を及ぼす柔軟なレンズ、例えば液体レンズによって、好ましくは50ないし100Hertzの振動で、行なうことが意図されている。
【0063】
ビームパスの分割は必要である。何故ならば、必要な場合には複数の異なるマークが、2つのセンサによって、(通常は、異なった作動距離で)検出され、かつ、戻るビームの別の評価がなされねばならないからである。このことを、少なくとも部分的に同一の光路(光学系の構造)において可能にするために、ビームパスの分割を、以下のことによって、行なうことができる。
【0064】
1.波長選択性素子(例えば、分割層またはキューブ型ビームスプリッタ)によって。波長に依存して、光が反射または透過される。あるいは、
2.時間的に2つの光路の間で切り換わる交互に開閉可能な偏向ミラーによって。センサの評価は、切換のために、適切に同期化されねばならない。あるいは、
3.柔軟なレンズによる作動距離の周期的な切換によって。ここでも、センサの評価は、適切に同期化されねばならない。
【0065】
2つの異なったマークまたは接触型プローブ要素の測定結果を、2つの横方向に測定するセンサ、例えば、画像処理センサおよび距離センサに組み合わせることによって、および/または、5自由度においてシャフトの軸線を中心とした回転自由度を無視しつつ、与えられた6自由度における接触型プローブ要素の移動または変位を、決定することが意図されていることは好ましい。
【0066】
3回転自由度の決定を、以下のことによって、行なうことができる。
【0067】
1.水平方向を中心とした傾動によってであり、2つの作動距離を有する横方向のセンサまたは作動距離の異なる2つの横方向のセンサは、重ねて位置している2つのマーク(図11c)を検出し、または、2つの距離センサは、並んで位置している2つのマーク(図11a)を検出し、
2.シャフトの軸線を中心とした回転によって、であり、横方向のセンサは、2つの並んで取り付けられたマーク(図11a)を検出し、あるいは、マーク上の構造位置が測定される。
【0068】
2回転自由度のみの決定、すなわち、合計5自由度への制限は、横方向に並設されたマークまたは構造を上方のマークに有することなく、2つの重ねて設けられたマークの測定によって、なされる。かような措置によって、従来の技術より簡単な構造が生じる。
【0069】
実施の形態では、本発明は、接触型プローブ要素と、必要な場合には関連したマークと、好ましくは干渉計型測定システムとを、光学的に横方向に測定する方法の光路から手動でまたは自動的に離すことによって、ワークピースのようなオブジェクトの構造および/または形状を、光学的に横方向に測定する方法および/または距離センサによって直接に測定することを意図する。
【0070】
実際また、本発明は、光学的に横方向に測定するセンサおよび距離センサの形態をとる複数のセンサの少なくとも1つのセンサによる検出に加えてまたは検出の代わりに、接触型プローブ要素のおよび/または該接触型プローブ要素に関連したマークの位置の少なくとも1つの方向を、接触型プローブ要素の保持手段の少なくとも1つの接続要素に統合された少なくとも1つの機械電気式のセンサによって定め、該センサからの電気信号を評価し、該電気信号は、少なくとも1つの柔軟な接続要素の変形、例えば、曲げおよび/または延伸および/または圧縮および/またはねじれに従って、振幅、位相または周波数のような値で変化することを特徴とする。
【0071】
機械電気式のセンサ、例えば、延伸の際に変化する抵抗を有するひずみゲージは、従来の技術から十分に知られている。信号の評価は、通常、2つのまたは4つのまたはそれより多い抵抗の格子形回路網によってなされる。増幅のようなブリッジ信号が測定される。他の評価方法では、測定信号の偏向が補償され、補償信号が測定され、あるいは、対応の位相跳躍または周波数ジャンプが検出される。
【0072】
械電気式のセンサが、ひずみゲージおよび/または圧電抵抗センサおよび/または誘導センサおよび/または容量センサのような少なくとも2つの測定素子を有し、これらのセンサからの複数の信号が計算により組み合わされることが意図されていることは、好ましい。
【0073】
更に、本発明は、光学的に横方向に測定するセンサを、2つの方向における、接触型プローブ要素の、および/または該接触型プローブ要素に関連したマークの位置を決定するために使用し、かつ、機械電気式のセンサを、第3の方向における位置を決定するために、および/または、1つ、2つまたは3つの方向を中心とした、接触型プローブ要素の、および/または該接触型プローブ要素に関連したマークの傾動を決定するために、使用することを意図する。
【0074】
強調される教示は、接触型プローブ要素の、および/または該接触型プローブ要素に関連したマークの位置を決定するための、使用された複数のセンサからなるセンサ装置を、測定中に、測定されるオブジェクトの方に移動させ、同期が、好ましくは制御ユニットによって、すなわち、トリガラインを介して、センサ装置に、オブジェクトの方に該センサ装置を移動させるための、座標測定装置の走行軸に、および少なくとも1つの照明装置に、またはセンサ装置の複数のセンサのうちの1である画像処理装置に関連したシャッタに接続されている該制御ユニットによって、
-横方向の測定のためのセンサ装置の第1のセンサの測定値の記録、好ましくは、画像処理センサの画像の記録と、
-距離測定のためのセンサ装置の少なくとも1つの第2のセンサの測定値の記録、好ましくは、第1のおよび第2の画像処理センサの第2のカメラの画像記録、またはレーザ距離センサのまたはフォーカスセンサのまたは干渉計型センサの測定値の記録と、
-センサ装置をオブジェクトの方に移動させるための走行軸の位置の決定、
-照明装置による瞬時の照明の、または画像処理センサに関連したシャッタの起動と、の間に、行なわれることである。
【0075】
特に、本発明は、接触型プローブ要素の、および/または該接触型プローブ要素に関連したマークの位置を決定するための、使用されたセンサ装置を、測定中に、測定されるオブジェクトの方に移動させ、そして、測定される位置がほぼ到達されるときに、好ましくは画像処理センサによって、測定を行なうことを特徴とする。
【0076】
実際また、接触型プローブ要素の、および/または該接触型プローブ要素に関連したマークの位置を決定するための、使用されたセンサ装置を、測定中に、測定されるオブジェクトの方に移動させ、オブジェクトを、接触型プローブ要素によってスキャン測定し、従って、ワークピースに、実質的にほぼ連続的に接触させることが意図されている。
【0077】
少なくとも接触型プローブ要素が振動していることは好ましい。
【0078】
特に、センサの測量、および接触型プローブ要素の、または関連したマークの3次元の位置を決定するためのセンサによる測定は、接触力=0ニュートンによる外挿によって行ない、詳しくは、少なくとも2つの互いに異なる変位値のための接触型プローブ要素の少なくとも1つの変位方向に関して、センサによって定められた変位を測定し、このことから、変位と、接触力または該接触力に比例する値との間の関連を描く特性曲線を決定することが意図されている。
【0079】
本発明の実施の形態では、本発明に係わる方法を、オブジェクトの表面粗さを決定するために使用し、接触型プローブ要素は、ニードルのような、好ましくはテーパ形状を有し、該接触型プローブ要素によって決定された表面粗さを、横方向に測定する方法の測定値に基づいて訂正し、あるいは、測定値を、接触型プローブ要素の形状の横方向位置に関連させることが意図されている。従来の技術とは異なり、本発明では光学的には作用しない取付要素によって接触型プローブ要素を取り付けることによって、接触型プローブ要素を、直接にまたはほぼ直接に、光学的に横方向に測定するセンサによって検出することができる。
【0080】
触覚光学式の測定法を用いて座標測定装置においてワークピースのようなオブジェクトの構造および/または形状を決定するための装置であって、座標測定装置の少なくとも1つの方向、例えばX方向および/またはY方向における、接触型プローブ要素のまたは該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を第1のセンサによって検出する光学式に横方向に測定する方法と、座標測定装置の少なくとも第2の方向、例えばZ方向における、接触型プローブ要素のまたは該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を検出する少なくとも1つの距離センサと、が結び合わされている装置において、接触型プローブ要素および必要な場合には該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークは、少なくとも1つの柔軟な接続要素を介して取り付けられていること、接続要素は、光学的に横方向に測定する方法の実施のために用いられる第1のセンサの光路によってビーム方向に貫通可能であること、および、少なくとも1つの柔軟な接続要素は透明であり、および/または第1のセンサに関して大幅に焦点を外して設けられていることを特徴とし、および、少なくとも1つの方向における、接触型プローブ要素の、および/または該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を検出する光学的に横方向に測定する方法、例えば2D画像処理と、少なくとも1つの第2の方向における、接触型プローブ要素の、および/または該接触型プローブ要素に関連したマークの位置を検出する距離センサ、例えば干渉計、好ましくは、絶対測定型のヘテロダイン干渉計、および/またはレーザ距離センサおよび/またはオートフォーカスセンサのような焦点原理に基づくセンサおよび/または画像処理センサ、特に、ビーム偏向方法によって横方向に測定する画像処理センサおよび/または接触型プローブ要素の保持手段に統合された機械電気式のセンサと、が互いに結び合わされていることを特徴とする。
【0081】
変位の際に少なくとも2つの方向に独立した力および/またはほぼ同一の機械的剛性を発生させるために、少なくとも2つの、適切な寸法をした柔軟な接続要素が設けられており、該柔軟な接続要素は、好ましくは、環状の保持構造体から出ており、かつ、接触型プローブ要素の、または関連したマークの測定のための光学センサの光路が、放射方向に柔軟な接続要素を配列したものを貫通することであることが意図されている。
【0082】
この場合、光学センサおよび柔軟な接続要素は、該柔軟な接続要素が大幅に焦点を外されており、あるいは、透明であり、このことによって、実際に、光学測定の機能に対し作動しないように、設けられている。
【0083】
特には、各々のセンサ装置は、X方向、Y方向および/またはZ方向で測定オブジェクトに相対して位置決め可能であることが意図されている。
【0084】
更に、接触型プローブ要素および/または、該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークは、シャフトから出ており、該シャフトは、好ましくは、少なくとも1自由度で柔軟なプローブ延長部、例えば光ファイバまたは光ファイバ管であるほうがよい。
【0085】
更に、光学式の2Dセンサのためのマークおよび第3の方向のためのセンサのためのマークが互いに異なっているかまたは同一であるか、が意図されていてもよい。特に提案されることは、光学的な2D画像処理センサによって、および、距離センサのまたは機械電気式のセンサの形態をとる第3の方向を測定するセンサによって、同一のマークまたは異なったマークが検出可能であることである。
【0086】
実施の形態では、シャフトは、好ましくはシャフトの端部に、および/またはYカップラによって、または、シャフトの端部には、光学的な、好ましくは際立った特徴のない分割または偏向層、例えばプリズムをシャフトの端部の上方に設けることによって、干渉計型の測定システムまたは光源への、好ましくは調整可能である光学的に作用可能な接続部を、有することが意図されている。
【0087】
更に、接触型プローブ要素に、または該接触型プローブ要素の近くに、または該接触型プローブ要素に関連したマークにまたはマークの近くに、あるいは、センサ装置に向いた、シャフトの端部に、反射層が設けられており、該反射層は、好ましくは、反射層による被覆によって、および/またはプローブ延長部の材料の振動により材料境界を入れ込むことによって、形成されている可能性がある。
【0088】
これとは別に、接触型プローブ要素または関連したマークまたはシャフトは、反射層を有することができる。該反射層は、好ましくは、センサ装置に向いた側で取り付けられており、好ましくは丸形および/または環状であり、かつ、好ましくは、接触型プローブ要素および/またはマークの複数の縁部を覆わず、好ましくは、色選択性を有する。
【0089】
更に、接触型プローブ要素または関連したマークが、ほぼ球状または水滴状であり、好ましくは、センサ装置に向いた側で、少なくとも部分的に平坦にされているという可能性がある。
【0090】
更に、本発明は、接触型プローブ要素、必要な場合には関連したマークおよびシャフトが、少なくとも1つの方向に変位可能に、好ましくは貼着および/または結合によって、少なくとも1自由度で柔軟な少なくとも1つの接続要素に、取り付けられており、好ましくは、接続要素は、複数の統合されたまたは取り付けられた機械電気式のセンサを有することを意図する。
【0091】
更に強調されるべきことは、接続要素が、好ましくは小径の、矩形の、好ましくは狭いおよび平らなまたは円形の断面を有し、かつ、好ましくは、画像処理センサおよび/または距離センサおよび/またはフォーカスセンサからの複数の光路のための接触型プローブ要素のおよび/または関連した少なくとも1つのマークの少なくとも縁部を完全には覆わないことである。
【0092】
また、本発明は、柔軟な接続要素が、変位の際に少なくとも2つの方向に独立した力および/またはほぼ同一の機械的剛性を発生させるために、相応の寸法でありかつ設けられており、該柔軟な接続要素は、好ましくは、環状の保持構造体から出ていることを特徴とする。
【0093】
3つのまたはそれより多い柔軟な接続要素は、円形に、シャフトの軸線を中心として、好ましくは等しい角度増分に設けられており、あるいは、少なくとも1つの接続要素は、センサ装置の方向を示すシャフトの軸線に対し、横方向に、好ましくは90°または45°の角度で、シャフトの軸線または接触型プローブ要素からまたは関連したマークから出ていることも、発明的である。
【0094】
他の実施の形態は、複数の柔軟な接続要素が、接触型プローブ要素のまたは第1のマークの上方の面に設けられており、少なくとも1つの他のマークが、反射層を有する柔軟な接続要素の上方に設けられていること、および/または、複数の柔軟な接続要素は、マークと接触型プローブ要素との間の面に設けられており、かつ、該マークは、反射層を有することを意図する。
【0095】
接触型プローブ要素に関連した複数のマークは、接触型プローブ要素の側方向傍らに、または該接触型プローブ要素の、シャフト方向上方に設けられており、該マークは、画像処理センサによって、および/または距離センサによって、および/またはフォーカスセンサによって、順次にまたは同時に検出可能であり、画像処理センサは、可変の作動距離および/または可変の倍率を有する光学系に、および/または異なった作動距離を有しかつ共通の結像光学系を使用する2つのカメラに接続されている
本発明は、また、接触型プローブ要素および好ましくは該接触型プローブ要素に関連したマークが、好ましくは干渉計型の測定システムと共に、切換インタフェースおよび/またはロータリジョイントまたはロータリ・スイベル・ジョイントに着脱自在に取り付けられており、従ってまた、光学的に横方向に測定するセンサの光路から、手動でまたは自動で離されることができることを特徴とする。
【0096】
シャフトに接続された接触型プローブ要素および該接触型プローブ要素に関連した好ましくは少なくとも1つのマークと、シャフトまたは接触型プローブ要素またはマークから出ておりかつ少なくとも1自由度で柔軟な少なくとも1つの接続要素とは、センサ装置の手前に設けられており、該センサ装置は、
-好ましくは際立った特徴のない分割層と、
-該分割層に接続された第1の分岐および、
-該分岐に接続された第2の分岐と、により構成されており、第1の分岐は、第1の波長の照明および好ましくは結像パターンを有し、またはこれらからなり、第2の分岐は、色選択層によって分離された、
-第1の波長の結像光路、例えば、第1の作動距離および第1のカメラを有する画像処理光路と、
-第2の波長の結像光路および/または照明光路と、を有し、またはこれらの光路からなり、後者の結像光路および/または照明光路は、第2の作動距離および好ましくは第2のカメラを有する第1のまたは第2の画像処理センサとして設計されており、あるいは、レーザ距離センサまたは干渉計型センサまたはフォーカスセンサとして設計されていることが提案されることは独自発明的である。
【0097】
本発明の他の態様は、以下の複数の構成要素
すなわち、
-シャフトに接続された接触型プローブ要素および該接触型プローブ要素に関連した好ましくは少なくとも1つのマークと、
-シャフトまたは接触型プローブ要素またはマークから出ておりかつ少なくとも1自由度で柔軟な少なくとも1つの接続要素と、好ましくは、
-接触型プローブ要素または関連したマークまたはシャフトの上方に設けられた光学的な、好ましくは際立った特徴のない分割または偏向層と、好ましくは、
-接触型プローブ要素または関連したマークまたは、センサ装置に向いた、シャフトの端部の上に設けられた、好ましくは色選択性の層と、好ましくは、
-補助レンズのような少なくとも1つのレンズと、
が互いに接続されており、かつ、使用されたセンサ装置の手前で、好ましくは手動のまたは自動の切換インタフェースによって交換可能であることである。
【0098】
接触型プローブ要素が、直接または関節に圧電発振機のような機械的な振動要素に接続されていることが、意図されている。
【0099】
センサ装置は、光学的に横方向に測定する方法のためのセンサおよび距離センサを有する。
【0100】
特に、本発明の装置は、座標測定装置に統合されている。
【0101】
本発明の複数の他の詳細、利点および特徴は、複数の請求項と、これらの請求項から読み取れる、単独および/または組合せで生じる複数の特徴とからのみならず、図面から見て取れる複数の好ましい実施の形態の以下の記述からも明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】触覚光学測定システムの装置の第1の実施の形態を示す。
【図2】触覚光学測定システムの装置の第21の実施の形態を示す。
【図3】柔軟な接続要素を有する触覚光学測定システムの装置の他の実施の形態を示す。
【図3a】柔軟な接続要素および球状のマークを有する触覚光学測定システムの装置の他の実施の形態を示す。
【図4】切換インタフェースおよび圧電発振機を有する触覚光学測定システムの装置の他の実施の形態を示す。
【図5】画像処理センサの2つの作動距離および暗視野照明を有する触覚光学測定システムの装置の他の実施の形態を示す。
【図6】接触型プローブ要素と、マークと、柔軟な接続要素とを配列したものの異なった実施の形態を示す。
【図7】接触型プローブ要素に関連したマークに光を導入するための、取付手段の他の実施の形態を示す。
【図8】柔軟な接続要素および保持構造体の第1の実施の形態を示す。
【図9】柔軟な接続要素および保持構造体の第2の実施の形態を示す。
【図10】柔軟な接続要素および保持構造体の第3の実施の形態を示す。
【図11】複数の検出されるマークを配列したものの種々の実施の形態を示す。
【図12】座標測定装置の原理図を示す。
【0103】
本発明に係わる複数の実施の形態を以下に記述する際に、同一の要素に対しては基本的には同じ参照符号を使用する。それ故に、該要素と参照符号との関連を以下のように行なう。
【符号の説明】
【0104】
1 触覚光学測定システム
2 フィラー延長部
3 接触型プローブ要素
4 画像処理センサ
5 干渉計型の測定システム
6 フィラー延長部の保持手段
7 導入手段
8 切換インタフェース
9 干渉計型の測定システム5からの測定ビーム
10 光ファイバ管
11 反射層
12 干渉計型の測定システム5からの反射光線
13 マーク
13a マーク
13b マーク
14 反射層
15 距離センサ
15a 距離センサ
16 照明
17 際立った特徴のない分割および偏向層
18 シャフト
18a シャフト18の軸線の方向を表わす矢印
19 柔軟な接続要素
19a 柔軟な接続要素
20 保持構造体
21 色選択層
21a プリズム33と、シャフト18またはマーク13または接触型プローブ要素3との接続箇所
22 距離センサ15からの測定ビーム
23 圧電発振機
24 切換インタフェース
25 センサ装置・照明ユニット
26 スキャンユニット
27 第2の光線または第2の光路の作業距離
28 第1の光線または第1の光路の作業距離
29 暗視野照明
30 シャフト18の上面
31 暗視野照明のための光源
32 マーク13または接触型プローブ要素3の平坦上面
33 プリズム
34 機械電気式のセンサ要素。
【発明を実施するための形態】
【0105】
図1は、光ファイバまたは光ファイバ管のようなフィラー延長部2と、該フィラー延長部に取り付けられた接触型プローブ要素3と、画像処理センサ4と、干渉計型測定システム5とを有する、本発明に係わる触覚光学測定システム1を示す。フィラー延長部2の保持手段6は、導入手段7を介して、干渉計型測定システム5に接続されており、切換インタフェース8を介して、間接的に画像処理センサ4に着脱可能に接続されている。画像処理センサ4は、2つの方向で光学的に、しかも、この実施の形態では、図の平面と直角に交差しかつ水平に延びている面で、接触型プローブ要素3の位置を検出する。干渉計型測定システムからの測定ビーム9は、フィラー延長部2を形成する光ファイバ管10の一端で、導入され、かつ、接触型プローブ要素3において反射される。この目的のために、接触型プローブ要素3は、下面11に、反射層を備えている。反射後に、測定ビームは、逆方向に、光ファイバ管10を通って、干渉計型測定システム5に戻り、かつ、干渉計5の基準ビーム12に干渉する。干渉計型測定システム5をヘテロダイン干渉計として設計することによって、干渉計の測定方向における絶対位置、すなわち図面では垂直線が決定される。従って、ワークピースのような測定オブジェクトの接触の際に、接触型プローブ要素3の変位が決定される。
【0106】
図2には、接触型プローブ要素3に関連したマーク13を追加的に有する、本発明に係わる触覚光学測定システム1が原理的に示されている。接触型プローブ要素3の位置の代わりに、今や、2つの測定システム4および5のうちの少なくとも1によって、マーク13の位置が決定される。干渉計型測定システム5によるマークの位置の決定は、反射層14における測定ビーム9の反射によってなされる。該反射層は、光ファイバ管10の中で、マークの近くに導入されている。反射層14は、別個に導入された反射層または他の材料への移行部によって生じる。
【0107】
図3は、触覚光学測定システム1の他の実施の形態を示す。触覚光学測定システムは、少なくとも、統合された距離センサ15を有する結像光学系およびCCDカメラまたはCMOSカメラのようなカメラから、または干渉計型測定システム5からなる画像処理センサ4と、照明装置16と、シャフト18と、際立った特徴のない偏向・分割層17と、色選択層21と、接触型プローブ要素3と、マーク13と、柔軟な接続要素19と、保持構造体20とを具備する。シャフト18の軸線は、図の平面では、矢印18aに沿って延びており、かつ、ほぼ、光学センサ装置の、すなわち画像処理センサ4の、干渉計型測定システム5のおよび距離センサ15の主軸に対応する。距離センサ15は、画像処理センサ4との、部分的に共通の光路を有する。接触型プローブ要素3およびマーク13は、ここでは、シャフト18に接続されている。該シャフトは、貼着または結合によって、柔軟な接続要素19に接続されている。該接続要素は、保持構造体20から出ている。更に、シャフト18の上端には、色選択層21が位置している。該色選択層は、光源16から来ておりかつ際立った特徴のない偏向・分割層17で反射された光部分を、伝達させ、色選択層は、距離センサ15からの測定ビーム22の放射線の、分割器17によって伝達される一部分を反射する。
【0108】
色選択層21は、波長選択性の反射・透過挙動を有することを特徴とする。例えば、約550nmないし600nmより上の波長を有する光線が反射され、約550nmないし600nmより下の波長を有する光線が通過される。光源16からの、シャフト18に導入された光は、マーク13の下面における反射層11で反射され、画像処理センサ4によって検出される。この目的のために、柔軟な接続要素19は、図8および9にも示すように、十分な光が画像処理センサ4に達するほどに、細く、または凹部をもって設計されている。次に、画像処理センサ4は、測定されるオブジェクトとの接触型プローブ要素3の接触の際に、シャフト18の軸線18aにほぼ直角に位置している2つの方向における、マーク13の変位を検出し、距離センサ15は、シャフト18の軸線18aの方向における、色選択層21の変位を検出する。該変位は、ほぼ、シャフト18の方向における接触型プローブ要素3の変位に対応する。画像処理センサ4のおよび距離センサ15の光路を、層11および21での反射後におよび評価のために分離するべく、他の色選択層が用いられる。該色選択層は、画像処理センサ4のおよび距離センサ15の共通の光路内に位置しており、かつ、図面には示されていない。
【0109】
図3aは、距離センサ15が、画像処理センサ4からの測定ビームの一部によって、または他の画像処理センサによって形成されてなる、触覚光学測定システム1の実施の形態を示す。画像処理による測定のために球状に設計されているマーク13の、その位置は、シャフト18の方向で、かつ、必要な場合には該方向に垂直に、ミラー17におけるビームの偏向によって測定される。更に、他の光路も、他の画像処理センサによって、または、他の偏向ミラーによる画像処理センサ4からの更なる分離によって使用される。画像処理センサによって、マーク13の、欠けている位置情報も決定される。測定ビームは、図3aでは、図平面の水平方向に沿って延びている。この目的のために、偏向は、シャフト18の方向に垂直に、および偏向ミラー17の方に延びている光線の方向に垂直になされる。従って、光線は、図3aの図平面に対し垂直に延びるマーク13に当たる。
【0110】
図4は、シャフト18に接触型プローブ要素3および色選択層21が位置してなる触覚光学測定システム1の、その装置の他の実施の形態を示す。少なくとも接触型プローブ要素3を機械的に振動させるために、例えば、保持構造体20には、圧電発振機23が位置している。該圧電発振機を、しかしまた、他の箇所に、例えば、切換インタフェース24の近くに取り付けることができる。
【0111】
切換インタフェース24は、例えば、色選択層21および接触型プローブ要素3を有し、かつ柔軟な接続要素19に取り付けられたシャフト18と、保持構造体20と、圧電発振機23と、場合によっては用いられ、しかし図示されておらず、かつ例えば色選択層21の上方に直接設けられることができる補助レンズとから構成されるスキャンユニット26を、例えば、照明装置16と、際立った特徴のない偏向・分割層17と、統合された距離センサ15を有する画像処理装置4とから構成されるセンサ装置・照明ユニット25から取外し可能に構成することを可能にする。
【0112】
図5には、画像処理が光線の2つの異なった作動距離27,28で実行されてなる、触覚光学測定システムの装置の他の実施の形態を示す。第1の光路は、作動距離28で、シャフト18の軸線18aに対し垂直における、マーク13の位置変化を検出する。第2の光路は、作動距離27で、シャフト18の軸線18aに対し垂直における、第2のマークの位置変化を検出する。該第2のマークは、色選択層21またはシャフト18の上面30あるいは上面の縁部によって形成される。層21のようなこの第2のマークへの照明は、複数の光源31から発する暗視野照明29によってなされ、または、画像処理センサ4の光路の中で統合された明視野照明、例えば照明16および際立った特徴のない偏向・分割層17によって、または暗視野照明および明視野照明によって発生される。
【0113】
画像処理センサ4は、作動距離27および28のための2つの光路を評価するために、可変の作動距離の光学系または2つのカメラを有する。該カメラは、2つの作動距離27,28へ合焦される。少なくとも部分的に共通の結像レンズを用いることは好ましい。マーク13および30または21の2つの位置変化の測定から、シャフト18の軸線18aに対し垂直に延びている軸線を中心としたシャフト18の傾動が決定される。
【0114】
この代わりに、画像処理センサ装置の異なった作動距離を用いることができる。その目的は、一方では、マーク13の位置変化を検出するためであり、他方では、例えば、距離センサをシャフト18の上面30に整列させるためだけに、シャフト18の上面30を観察するためである。
【0115】
図6は、接触型プローブ要素3と、マーク13と、柔軟な接続要素19の装置の種々の実施の形態を示す。該接続要素を介して、シャフト18は、保持手段または保持構造体20に接続されている。従って、接続要素19は、例えば図6a)に示すように、常に接触型プローブ要素3の上方に位置しており、図6b)および6c)に示すように、選択的にマーク13の上方にまたは下方に位置している。
【0116】
柔軟な接続要素19と、シャフト18の上面30との距離を、好ましくは、非常に小さく、例えば5mmまたは2mmまたは1mmまたは特に好ましくは0mmに選択する。その目的は、接触型プローブ要素3の変位の際に、距離センサのための反射層として用いられる層21の横方向の変位を、出来る限り小さく保つためである。
【0117】
図6d)は、マーク13の平坦上面32上に色選択層21が配置された代替の配置を示す。接触型プローブ要素3の平坦上面上における色選択層21の装置は、代替的に可能である。
【0118】
図6e)および図6f)からは、プリズム33における際立った特徴のない偏向・分割層の代替の配置が見て取れる。該プリズムは、シャフト18またはマーク13に接続されている。対応の接続箇所21aには、色選択層21が位置している。該色選択層は、シャフト18の上端に、またはプリズム33の下面に取り付けられている。
【0119】
図7には、シャフト18の代替の取付装置が示されている。この目的のために、柔軟な接続要素19aは、マーク13の横方向に取付、例えば貼着または接合されており、あるいは、マーク13と共にユニットを形成する。その代わりに、柔軟な接続要素19aは、シャフト18または接触型プローブ要素3にも、同じ方法で取り付けられていることができる。接触型プローブ要素3または、図示のように、マーク13は、色選択層21を有する平坦上面32を具備する。その代わりに、柔軟な接続要素19aには、光源16が取り付けられる。該光源は、光を、マーク13または接触型プローブ要素3またはシャフト18に導入させる。このことによって、マーク13のまたは接触型プローブ要素3の位置は、画像処理センサによって評価することができる。層21は、この場合、色選択的に設計されていなくてもよく、従って、すべての光を反射することができる。
【0120】
図8からは、柔軟な接続要素19aおよび保持構造体20の好ましい実施の形態が、平面図で、すなわち、シャフト18の軸線の方向に見て取れる。柔軟な接続要素19を細く設計することによって、および柔軟な接続要素を画像処理センサ4の焦点面の外側に設けることによって、画像処理センサ4による測定は、柔軟な接続要素19の面を光学的に透過し、かつ、柔軟な接続要素19によってほぼ影響を受けずになされることができる。柔軟な接続要素19の配置および寸法は、更に、接触型プローブ要素3が、少なくとも2つまたは3つの軸で変位する際に、ほぼ同一の機械的剛性を可能にする。更に、選択的に追加して、好ましくは6つの機械電気式のセンサ要素34、例えば、ひずみゲージまたは圧電抵抗センサ素子が、柔軟な接続要素19上に取り付けられ、あるいは、該接続要素に統合される。その目的は、画像処理センサ4による測定に追加して、1または複数の自由度における接触型プローブ要素の動きの決定を可能にするためである。
【0121】
図9には、柔軟な要素19および保持構造体20の第2の実施の形態が示されている。機械電気式のセンサ要素34を、柔軟な接続要素19上に取り付け、あるいは、該接続要素に統合することができる。
【0122】
図10からは、柔軟な接続要素19および保持構造体20の他の実施の形態が認められる。該実施の形態では、複数の柔軟な接続要素19は、2つの平面で上下に設けられており、かつシャフト18に接続されている。平行ばねとしての対応の実施の形態によって、接触型プローブ要素3がシャフト18の軸線18aの方向に変位するとき、接触型プローブ要素3およびシャフト18の軸線18aが、シャフト18の軸線18aに対し横方向の複数の方向にほとんど全く移動しないことが保証される。柔軟な接続要素19の適切な寸法によって、すべての回転自由度をロックすることもできる。柔軟な接続要素19の配列は、図10a)に示すように、必要な場合にはあるマーク13の全く上方でなされ、あるいは、図10b)に示すように、部分的にマーク13と接触型プローブ要素3との間でなされる。この代わりに、柔軟な接続要素19の、完全にマーク13の下方における配置も可能である。
【0123】
図11は、複数の検出されるマーク13aの配列したものの実施の形態を示す。該マークは、図11a),b)およびc)で認識されるように、広い視野を有する画像処理センサ4の第1の光路28によって同時に検出される。このことによって、シャフト18の軸線に対し横方向の移動のほかに、シャフト18の軸線18aを中心として、接触型プローブ要素3の回転を測定することができる。更に、図11a)に示すように、シャフト18の軸線18aの方向におけるマーク13の変位を測定する距離センサ15を使用することができる。
【0124】
実際また、シャフトの軸線18aに対し横方向の変位が、マーク13bの異なる作動距離の第2の光路27へ合焦させることによって、画像処理センサ4を用いて、測定される(図11cを参照せよ)。
【0125】
複数のマーク13aの移動の決定は、画像処理センサ4に統合された1つのまたは複数の他の距離センサ15a、例えば、オートフォーカスセンサによってもなされることができる(図11a)を参照せよ)。該オートフォーカスセンサは、画像処理センサ4と同じ光路、および画像処理センサ4のカメラのセンサ面の少なくとも1つの部分または複数の部分の測定値を用いる。このことによって、シャフト18の軸線18aに対し垂直に位置している軸線を中心とした、シャフト18および接触型プローブ要素3の傾動が決定される。図11a)に示すように、接触型プローブ要素3は、横方向に設けられる。その目的は、アンダーカットまたは水平に位置しているジオメトリの測定を可能にするためである。その代わりに、対応の、横方向の延長部を、すべてのマーク13aに取り付けることもできる。
【0126】
図12には、マルチセンサ座標測定装置130が全く原理的に示されている。複数のセンサを、選択的に取り付けるか、または取り外すことができ、あるいは、対応のセンサ交換システムを介して、作動中にも、自動的に交換して組み入れるか交換して取り除くことができる。当然ながら、適切な数の選択されたセンサが、この構成ではオブジェクトを測定するために、装置にしっかり取り付けられたままであることも、本発明から逸脱されない。
【0127】
このこととは別に、センサ装置は、光学的に横方向の測定法を実施するために、第1のセンサとも呼ばれる少なくとも1つのセンサ、従って、特に、2D画像処理センサを有する。このことによって、前述のように、接触型プローブ要素の、または該接触型プローブ要素に関連したマークの横方向の変位が、ワークピース116の測定の際に、検出されることが意図される。センサ装置は、更に、特に、絶対測定型のヘテロダイン干渉計の形態をとる距離センサを有する。その目的は、座標測定装置のZ方向で、接触型ローブ要素、または該接触型プローブ要素に関連したマークを測定するためであり、すなわち、接触型プローブ要素のまたはマークの位置を測定するためである。
【0128】
座標測定装置130の、十分に知られておりかつ図12に再度示された原理は、例えば花崗岩からなり、かつ測定テーブル114を有するベースフレーム112を具備する。測定テーブル上には、測定されるオブジェクト(ワークピース116)が位置決めされる。その目的は、オブジェクトの表面特性を測定するためである。
【0129】
ベースフレーム112に沿って、ポータル119がY方向に調整可能である。この目的のために、カラムまたはスタンド120,122は、ベースフレーム112に摺動可能に支持されている。カラム120,122からは、トラバース124が出ている。トラバースに沿って、キャリッジが調整可能であり、該キャリッジ自体は、Z方向に調整可能なスピンドルスリーブまたはカラム126を支持する。中空軸126、または必要な場合にはスピンドルスリーブ126に接続された切換インタフェース128からは、触覚センサ130が出ている。その目的は、画像処理センサを含めて、触覚光学式に測定するためである。しかしながら、この点では、十分に知られた技術を参照せよ。更に、スピンドルスリーブ126に、距離センサがある。
【0130】
図12の原理図には、接続要素を有する、触覚センサ130のための保持手段は図示されていない。該センサは、保持手段を介して、切換インタフェース128に接続されていてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座標測定装置内のオブジェクト、例えばワークピースの構造および/または形状を、触覚光学式の測定法によって決定するための方法であって、前記座標測定装置の少なくとも1つの方向、例えばX方向および/またはY方向における、接触型プローブ要素の、または該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークの位置を、光学的に横方向に測定する方法を用いて、第1のセンサによって決定し、かつ、前記座標測定装置の少なくとも1つの第2の方向、例えばZ方向における、前記接触型プローブ要素の、または、該接触型プローブ要素に関連した前記少なくとも1つのマークの位置を、少なくとも1つの距離センサによって決定する方法において、
前記接触型プローブ要素および、必要な場合には、該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマークを保持手段に取り付けるために、前記第1のセンサの光路によってビーム方向に貫通される少なくとも1つの柔軟な接続要素を使用すること、および、前記少なくとも1つの柔軟な接続要素は透明であり、および/または前記第1のセンサに関して大幅に焦点を外して設けられることを特徴とする方法。
【請求項2】
光学的に横方向に測定する方法として、2D画像処理を用いることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
距離センサとしては、干渉計、レーザ距離センサ、焦点原理に基づくセンサ、オートフォーカスセンサ、画像処理センサのグループからなるセンサを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
干渉計としては、絶対測定型のヘテロダイン干渉計を使用することを特徴とする少なくとも請求項3に記載の方法。
【請求項5】
距離センサとしては、ビーム偏向手段によって横方向に測定する画像処理センサを使用することを特徴とする少なくとも請求項1または3に記載の方法。
【請求項6】
前記接触型プローブ要素、または該接触型プローブ要素に関連したマークは、少なくとも2つの柔軟な接続要素によって取り付けられ、該柔軟な接続要素は、変位の際に少なくとも2つの方向に独立した力および/またはほぼ同一の機械的剛性を発生させるために、適切な寸法をとりかつ設けられることを特徴とする請求項1ないし5の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項7】
前記柔軟な接続要素を、環状の保持構造体に接続することを特徴とする請求項1ないし6の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項8】
前記接触型プローブ要素の、または、該接触型プローブ要素に関連した前記少なくとも1つのマークの位置を、光学的に横方向測定する方法で横方向に決定するために、および、垂直方向のような第2の方向における、前記接触型プローブ要素の、または、該接触型プローブ要素に関連した前記少なくとも1つのマークの位置を、前記距離センサによって決定するために、異なるマークを、好ましくは、異なった垂直の間隔で使用することを特徴とする請求項1ないし7の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項9】
前記座標測定装置の2つの方向、例えば、X方向およびY方向における、前記接触型プローブ要素の、または、該接触型プローブ要素に関連した前記少なくとも1つのマークの位置を、光学的に横方向測定する方法で、好ましくは、CCDカメラまたはCMOSカメラのようなマトリックスカメラを有する画像処理センサを用いて決定し、および前記座標測定装置の第3の方向、例えば、Z方向における前記位置を、距離センサを用いて決定することを特徴とする請求項1ないし8の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの方向における、前記接触型プローブ要素の、または、該接触型プローブ要素に関連した前記少なくとも1つのマークの位置を、前記接触型プローブ要素の、または前記関連したマークの、測定のために使用されるセンサ装置に向いた側を検出することによって、決定することを特徴とする請求項1ないし9の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの方向における、前記接触型プローブ要素の、または、該接触型プローブ要素に関連した前記少なくとも1つのマークの位置を、前記接触型プローブ要素および必要な場合には存在するマークを有するシャフトを検出することによって、決定することを特徴とする請求項1ないし10の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項12】
前記接触型プローブ要素の、または前記関連したマークの、前記少なくとも1つの光学的に横方向に測定する方法を可能にする前記1つのセンサ装置に向いた側で、反射層のような層を設けることを特徴とする少なくとも請求項10に記載の方法。
【請求項13】
反射層として、色選択性を有する層が使用され、色選択性は、前記少なくとも1つの方向の決定のために用いられる前記センサの波長を有する測定ビームが反射され、かつ、好ましくは追加的に、異なった波長の光源からの光線が伝達されるように、設計されることを特徴とする少なくとも請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記接触型プローブ要素および/または前記少なくとも1つの関連したマークおよび/または、前記センサ装置に向いた前記反射層を、透過照明によって、または自己照明によって、または前記画像処理センサに関連した明視野照明および/または暗視野照明によって、または前記距離センサのまたは干渉計からの測定ビームによって照明することを特徴とする少なくとも請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記接触型プローブ要素のまたは前記マークの透過照明を、前記センサ装置と反対方向から行なうことを特徴とする少なくとも請求項14に記載の方法。
【請求項16】
光を前記接触型プローブ要素のまたは前記マークまたは前記シャフトに導入させることにより、好ましくは、横方向に、前記反射層の下方に取り付けられている接続されている光ファイバを採用して、前記接触型プローブ要素のまたは該接触型プローブ要素に関連したマークの自己照明によって、照明を行なうことを特徴とする少なくとも請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記反射層を、前記接触型プローブ要素のまたは該接触型プローブ要素に関連したマークの縁部から間隔をあけて設けること、および、前記反射層によって覆われずに影付きとして画像処理センサの中で検出される縁部を、2次元の横方向位置の評価のために使用することを特徴とする少なくとも請求項12に記載の方法。
【請求項18】
発光型の接触型プローブ要素と、該接触型プローブ要素に関連した前記(第1の)マークとの間の距離を、前記第1のマークの上方にある、他の(第2の)マークの反射層が、前記接触型プローブ要素のまたは前記第1のマークの、少なくとも前記縁部を、前記センサによる測定のためにアクセス可能にさせるように、選択することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記接触型プローブ要素または前記マークまたは前記シャフトへの光の導入による、前記接触型プローブ要素のまたは該接触型プローブ要素に関連したマークの自己照明によって、照明を行なう際に、導入手段の、前記センサに向いた側を、色選択層で被覆することを特徴とする請求項1ないし18の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項20】
前記接触型プローブ要素または前記マークまたは前記シャフトへの光の導入による、前記接触型プローブ要素のまたは該接触型プローブ要素に関連したマークの自己照明によって、照明を行なう際に、前記シャフトの端部の上方に、または上端に、光学的に好ましくは際立った特徴のない分割または偏向層を設けることを特徴とする請求項1ないし19の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項21】
異なった波長を用い、または照明を変調し、または照明を時間的に交互に行なうことによって、前記光学的に横方向に測定する方法および第2の方向における測定のために別の照明を行なうことを特徴とする請求項1ないし20の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項22】
測定のために使用される評価用光路において異なった波長を使用する際に、色選択層および/または干渉計フィルタのような機械的フィルタによって、波長分割を行なうことを特徴とする少なくとも請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記干渉計型の測定システムからの測定ビームを、光ファイバまたは光ファイバ管のようなシャフトに導入すること、および、前記接触型プローブ要素にまたは該接触型プローブ要素の近くにまたは該接触型プローブ要素に関連したマークにまたは該マークの近くに反射されかつ前記シャフトによって導かれた光線が、前記干渉計型の測定システムからの基準光路に干渉することを特徴とする少なくとも請求項3に記載の方法。
【請求項24】
画像処理システムのような前記光学的に横方向に測定する方法の、および前記少なくとも1つの距離センサの測定値または測定信号を、ほぼ同時にまたは同期的に記録することを特徴とする1ないし23の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項25】
前記測定値および/または測定信号を、上位の評価システムに伝達し、該評価システムは、前記測定値および/または測定信号から、前記接触型プローブ要素の、または該接触型プローブ要素に関連したマークの3次元位置を計算することを特徴とする少なくとも請求項24に記載の方法。
【請求項26】
1つ、2つまたは3つの空間的方向を中心とした前記接触型プローブ要素の回転および/または傾動を、前記接触型プローブ要素に関連した複数のマークの位置の測定によって、決定し、前記マークを、前記光学的に横方向に測定する方法および/または前記少なくとも1つの距離センサによって検出することを特徴とする1ないし25の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項27】
前記シャフトの軸線を中心とした前記接触型プローブ要素の回転を、少なくとも1つの光学的に横方向に測定する方法による測定によって、決定し、前記接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマーク上に取り付けられた方向性構造の位置、または、前記接触型プローブ要素に関連した少なくとも2つの横方向にずれたマークの位置を決定することを特徴とする請求項1ないし26の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項28】
前記シャフトの撓みおよび/または傾動を、前記光学的に横方向に測定する方法を用いて、関連したズーム光学系の2つの異なった作動距離で、または異なった作動距離を有する2つのカメラによって、前記シャフトに重ねて設けられた少なくとも2つのマークを測定することによって、検出し、前記下方のまたは第1のマークまたは前記接触型プローブ要素を、自己照明によって照明することを特徴とする請求項1ないし27の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項29】
前記上方のまたは第2のマークを、好ましくは、前記シャフトの上端によって、または該上端に取り付けられた前記反射層によって形成し、かつ、明視野照明または暗視野照明によって照明することを特徴とする少なくとも請求項28に記載の方法。
【請求項30】
共通の結像光学系を用いる2つのカメラを使用することを特徴とする請求項1ないし29の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項31】
2つの異なったマークまたは接触型プローブ要素の測定結果を、2つの横方向に測定するセンサ、例えば、画像処理センサおよび距離センサによって組み合わせることによって、あるいは、5自由度において前記シャフトの軸線を中心とした回転自由度を無視しつつ、与えられた6自由度における前記接触型プローブ要素の移動または変位を、決定することを特徴とする請求項1ないし30の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項32】
前記横方向に測定するセンサおよび前記距離センサは、少なくとも部分的に共通の光路を利用し、2つのセンサのビームパスの分割を、波長選択的要素によって、または周期的に導入された切換要素、例えば、偏向ミラーによって、または、作動距離に周期的に影響を及ぼす柔軟なレンズ、例えば液体レンズによって、好ましくは50ないし100Hertzの振動で行なうことを特徴とする請求項1ないし31の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項33】
前記横方向に測定する方法および前記距離センサは、異なった作動距離を有することを特徴とする請求項1ないし32の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項34】
前記接触型プローブ要素と、必要な場合には前記関連したマークと、必要な場合には前記干渉計型測定システムとを、前記光学的に横方向に測定する方法の光路から手動でまたは自動的に離すことによって、ワークピースのようなオブジェクトの構造および/または形状を、光学的に横方向に測定する方法または距離センサによって直接に測定することを特徴とする請求項1ないし33の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項35】
前記光学的に横方向に測定するセンサおよび距離センサの形態をとる複数のセンサの少なくとも1つのセンサによる検出に加えてまたは検出の代わりに、前記接触型プローブ要素のおよび/または該接触型プローブ要素に関連した前記マークの位置の少なくとも1つの方向を、前記接触型プローブ要素の保持手段の前記少なくとも1つの接続要素に統合された少なくとも1つの機械電気式のセンサによって定め、該センサからの電気信号を評価し、該電気信号は、前記少なくとも1つの柔軟な接続要素の変形、例えば、曲げおよび/または延伸および/または圧縮および/またはねじれに従って、振幅、位相または周波数のような値で変化することを特徴とする請求項1ないし34の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項36】
前記機械電気式のセンサは、ひずみゲージまたは圧電抵抗センサまたは誘導センサまたは容量センサのような少なくとも2つの測定素子を有し、これらのセンサからの信号が計算により組み合わされることを特徴とする少なくとも請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記光学的に横方向に測定するセンサを、前記座標測定装置の2つの方向、例えばX方向およびY方向における、前記接触型プローブ要素の、および/または該接触型プローブ要素に関連したマークの位置を決定するために使用し、かつ、前記機械電気式のセンサを、前記座標測定装置の前記第3の方向、例えば、Z方向における位置を決定するために、および/または、1つ、2つまたは3つの方向を中心とした、前記接触型プローブ要素の、および/または該接触型プローブ要素に関連したマークの傾動を決定するために、使用することを特徴とする請求項1ないし36の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項38】
前記接触型プローブ要素の、および/または該接触型プローブ要素に関連した前記マークの位置を決定するための、前記使用された複数のセンサからなるセンサ装置を、測定中に、前記測定されるオブジェクトの方に移動させ、同期が、好ましくは制御ユニットによって、すなわち、トリガラインを介して、前記センサ装置に、前記オブジェクトの方に該センサ装置を移動させるための、前記座標測定装置の走行軸に、および少なくとも1つの照明装置に、または前記センサ装置の複数のセンサのうちの1である画像処理センサに関連したシャッタに接続されている制御ユニットによって、
-横方向の測定のための第1のセンサの測定値の記録、好ましくは、画像処理センサの画像の記録と、
-距離測定のための少なくとも1つの第2のセンサの測定値の記録、好ましくは、第1のおよび第2の画像処理センサの第2のカメラの画像記録、またはレーザ距離センサのまたはフォーカスセンサのまたは干渉計型センサの測定値の記録と、
-前記センサ装置を前記オブジェクトの方に移動させるための前記走行軸の位置の決定と、
-前記照明装置による瞬時の照明の、または前記画像処理センサに関連したシャッタの起動と、の間に、行なわれることを特徴とする請求項1ないし37の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項39】
前記測定される位置がほぼ到達されるときに、測定を行なうことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記使用されたセンサ装置は、前記接触型プローブ要素の、および/または該接触型プローブ要素に関連したマークの位置を決定し、他方、前記オブジェクトは、前記接触型プローブ要素によってスキャン測定され、ワークピースは、実質的にほぼ連続的に接触されることを特徴とする請求項1ないし39の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも1つの接触型プローブ要素または前記測定されるオブジェクトは振動していることを特徴とする請求項1ないし40の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項42】
前記使用されたセンサによる測量の際におよび測定の際に、前記測定されるオブジェクトと接触する前記接触型プローブ要素の外挿を、接触力=0ニュートンで行なうことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項43】
少なくとも2つの互いに異なる変位値のための前記接触型プローブ要素の少なくとも1つの変位方向に関して、前記センサによって定められた変位を測定し、このことから、変位と、接触力または該接触力に比例する値との間の関連を描く特性曲線を決定することを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記方法を、前記オブジェクトの表面粗さを決定するために使用し、前記接触型プローブ要素は、テーパ形状を有し、該接触型プローブ要素によって決定された表面粗さを、前記横方向で測定する方法の測定値に基づいて訂正し、あるいは、測定値を、前記接触型プローブ要素の形状の横方向位置に関連させることを特徴とする請求項1ないし43の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項45】
触覚光学式の測定法を用いて座標測定装置においてワークピースのようなオブジェクトの構造および/または形状を決定するための装置であって、前記座標測定装置の少なくとも1つの方向、例えばX方向および/またはY方向における、接触型プローブ要素(3)のまたは該接触型プローブ要素に関連した少なくとも1つのマーク(13)の位置を、第1のセンサによって検出する光学的に横方向に測定する方法によって決定するセンサと、前記座標測定装置の少なくとも1つの第2の方向、例えばZ方向における、接触型プローブ要素のまたは該接触型プローブ要素に関連した前記少なくとも1つのマークの位置を検出する距離センサ(15)と、が結び合わされている装置において、
前記接触型プローブ要素(3)および必要な場合には該接触型プローブ要素に関連した前記少なくとも1つのマーク(13)は、少なくとも1つの柔軟な接続要素(19)を介して取り付けられていること、前記接続要素は、前記光学的に横方向に測定する方法の実施のために用いられる第1のセンサ(4)の光路によってビーム方向に貫通可能であること、および、前記少なくとも1つの柔軟な接続要素は透明であり、および/または前記第1のセンサに関して大幅に焦点を外して設けられていることを特徴とする装置。
【請求項46】
前記光学的に横方向に測定する方法のために用いられる前記第1のセンサは、2D画像処理センサ(4)であることを特徴とする請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記距離センサ(15)は、干渉計(5)、レーザ距離センサ、焦点原理に基づくセンサ、オートフォーカスセンサ、画像処理センサのグループからなるセンサであることを特徴とする請求項45に記載の装置。
【請求項48】
前記干渉計(5)は、絶対測定型のヘテロダイン干渉計であることを特徴とする請求項45または47の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項49】
前記距離センサ(15)は、ビーム偏向方法によって横方向に測定する画像処理センサであることを特徴とする少なくとも請求項45に記載の装置。
【請求項50】
前記少なくとも2つの柔軟な接続要素(19)は、変位の際に少なくとも2つの方向に独立した力および/またはほぼ同一の機械的剛性を発生させるために、適切な寸法でありかつ設けられていることを特徴とする少なくとも請求項45に記載の装置。
【請求項51】
少なくとも2つの柔軟な接続要素(19)は、環状の保持構造体(20)から出ていることを特徴とする少なくとも請求項45に記載の装置。
【請求項52】
前記接触型プローブ要素(3)の、または、該接触型プローブ要素に関連した前記少なくとも1つのマーク(13)の位置を、前記光学的に横方向に測定する方法を実施するセンサ(4)で横方向に決定するために、および、前記接触型プローブ要素の、または、該接触型プローブ要素に関連した前記少なくとも1つのマークの位置を、前記距離センサ(15)によって垂直方向に決定するために、異なるマーク(13a,13b)が、好ましくは、異なった垂直の間隔で使用可能であることを特徴とする少なくとも請求項45に記載の装置。
【請求項53】
前記接触型プローブ要素(3)および/または、該接触型プローブ要素に関連した前記少なくとも1つのマーク(13)は、シャフト(18)から出ており、該シャフトは、好ましくは、少なくとも1自由度で柔軟なフィラー延長部、例えば光ファイバまたは光ファイバ管であることを特徴とする少なくとも請求項45に記載の装置。
【請求項54】
前記光学式の2D画像処理センサ(4)によって、および、前記距離センサ(15)のまたは機械電気式のセンサ(34)の形態をとる前記第3の方向を測定するセンサによって、同一のマークまたは異なったマーク(13a,13b)が検出可能であることを特徴とする請求項45ないし53の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項55】
前記シャフト(18)は、干渉計型の測定システム(5)または光源(16)への光学的に作用する接続部を有することを特徴とする少なくとも請求項53に記載の装置。
【請求項56】
前記光学的に作用する接続部は、前記シャフトの一端では、またはYカップラによって、あるいは、前記シャフトの一端では、光学的な、好ましくは際立った特徴のない分割または偏向層(17)、例えばプリズムを前記シャフトの端部の上方に設けることによってなされることを特徴とする請求項55に記載の装置。
【請求項57】
前記光学的に作用する接続部は調整可能であることを特徴とする請求項55または56に記載の装置。
【請求項58】
前記接触型プローブ要素(3)に、または該接触型プローブ要素の近くに、または該接触型プローブ要素に関連したマーク(13)にまたは該マークの近くに、あるいは、前記複数のセンサ(4,15)のうちの1に向いた、前記シャフトの端部に、反射層(21)が設けられていることを特徴とする請求項45ないし57の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項59】
前記反射層(21)は、反射層による被覆によって、または前記フィラー延長部の材料の振動によって材料境界を入れ込むことによって形成されていることを特徴とする少なくとも請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記反射層(21)は、円形または環形であることを特徴とする少なくとも請求項58に記載の装置。
【請求項61】
前記反射層(21)は、前記接触型プローブ要素および/または前記マークの複数の縁部を覆わないことを特徴とする少なくとも請求項58に記載の装置。
【請求項62】
前記反射層(21)は、色選択性を有することを特徴とする少なくとも請求項58に記載の装置。
【請求項63】
前記接触型プローブ要素(3)および/または該接触型プローブ要素に関連したマーク(13,13a)は、球状または水滴状であり、あるいは、前記接触型プローブ要素は、テーパ形状を有し、関連したマークは、球状または水滴状であることを特徴とする請求項45ないし62の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項64】
前記接触型プローブ要素(3)または該接触型プローブ要素に関連したマーク(13,13a)は、少なくとも1つのセンサ(4,15)に向いた側で、少なくとも部分的に平坦であることを特徴とする請求項45ないし63の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項65】
前記接触型プローブ要素、必要な場合には存する関連したマーク(13,13a)および前記シャフト(18)は、少なくとも1つの方向に変位可能に、好ましくは貼着または結合によって、少なくとも1自由度で柔軟な前記少なくとも1つの接続要素(19)に、接続されていることを特徴とする少なくとも請求項45に記載の装置。
【請求項66】
前記少なくとも1つの接続要素(19)は、複数の統合されたまたは取り付けられた機械電気式のセンサ(34)を有することを有することを特徴とする少なくとも請求項45に記載の装置。
【請求項67】
前記1つのまたは複数の柔軟な接続要素(19)は、好ましくは小径の、矩形の、好ましくは狭い、および平らなまたは円形の断面を有することを特徴とする少なくとも請求項45に記載の装置。
【請求項68】
前記画像処理センサ(4)または前記距離センサ(15)からの複数の光路(22)は、前記1つのまたは複数の接続要素(19)による遮蔽を回避しつつ、少なくとも部分的に、前記接触型プローブ要素(3)および/または該接触型プローブ要素に関連した前記少なくとも1つのマーク(13,13a)の複数の縁部に当たることを特徴とする請求項67に記載の装置。
【請求項69】
少なくとも3つの柔軟な接続要素(19)は、円形に、前記シャフト(18)の軸線を中心として、好ましくは等しい角度増分に設けられており、あるいは、少なくとも1つの接続要素は、前記複数のセンサ(4,15)の1つのセンサの方向に示す前記シャフトの軸線に対し、横方向に、好ましくは90°または45°の角度で、前記シャフトの軸線または前記接触型プローブ要素または関連したマークから出ていることを特徴とする請求項45ないし68の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項70】
複数の柔軟な接続要素(19)は、前記接触型プローブ要素(3)のまたは第1のマーク(13)の上方の面に設けられており、少なくとも1つの他のマークは、反射層(21)を有する前記柔軟な接続要素の上方に設けられていることを特徴とする請求項45ないし69の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項71】
複数の柔軟な接続要素(19)は、マーク(13)と前記接触型プローブ要素(3)との間の面に設けられており、かつ、該マークは、反射層(21)を有することを特徴とする請求項45ないし70の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項72】
前記接触型プローブ要素(3)に関連した複数のマーク(13,13a,13b)は、前記接触型プローブ要素の側方向傍らに、または該接触型プローブ要素の、シャフト方向上方に設けられていることを特徴とする請求項45ないし71の少なくとも項に記載の装置。
【請求項73】
個々のまたは複数のマーク(13,13a,13b)は、共同で、前記画像処理センサ(4)によって検出可能であり、かつ、個々のマークは、前記距離センサ(15)によって、順次にまたは同時に検出可能であることを特徴とする請求項45ないし72の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項74】
前記画像処理センサ(4)は、可変の作動距離を有する光学系に、または異なった作動距離を有する2つのカメラに接続されていることを特徴とする請求項45ないし73の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項75】
2つのカメラは、共通の結像光学系を使用することを特徴とする少なくとも74に記載の装置。
【請求項76】
前記接触型プローブ要素(3)および必要な場合には該接触型プローブ要素に関連したマーク(13,13a,13b)は、必要な場合には前記干渉計型の測定システム(5)と共に、切換インタフェース(24)またはロータリジョイントまたはロータリ・スイベル・ジョイントに着脱自在に取り付けられており、かつ、前記光学的に横方向に測定するセンサ(4)の光路から、手動でまたは自動で離されることができることを特徴とする請求項45ないし75の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項77】
以下の構成要素、すなわち、
-シャフト(18)に接続された接触型プローブ要素(3)および該接触型プローブ要素に関連した好ましくは少なくとも1つのマーク(13,13a,13b)と、
-前記シャフトまたは前記接触型プローブ要素または前記マークから出ている少なくとも1自由度で柔軟な少なくとも1つの接続要素(19)と、
が互いに接続されていることを特徴とする請求項45ないし76の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項78】
前記接触型プローブ要素(3)または前記必要な場合には関連したマーク(13,13a,13b)または前記シャフト(18)の上方に設けられた、光学的な、好ましくは際立った特徴のない分割または偏向層(17)が、前記複数の構成要素に接続されていることを特徴とする請求項77に記載の装置。
【請求項79】
前記接触型プローブ要素(3)または該接触型プローブ要素に関連したマーク(13,13a,13b)または前記複数のセンサ(4,15)のうちの前記1つのセンサに向いた、前記シャフトの端部(30)上に設けられた、好ましくは色選択性の層(21)が、前記構成要素に接続されていることを特徴とする請求項77および78の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項80】
補助レンズのような少なくとも1つのレンズが前記構成要素に接続されていることを特徴とする請求項77ないし79の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項81】
前記構成要素は、手動のまたは自動の切換インタフェース(24)を介して、前記複数の使用されるセンサ(4,15)のうちの1つのセンサの手前で、交換可能であることを特徴とする請求項77ないし80の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項82】
シャフト(18)に接続された接触型プローブ要素(3)および該接触型プローブ要素に関連した好ましくは少なくとも1つのマーク(13)および、前記シャフトまたは前記接触型プローブ要素または前記マークから出ている少なくとも1自由度で柔軟な少なくとも1つの接続要素(19a)が、前記センサ装置の手前に設けられていることを特徴とする請求項45ないし81の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項83】
前記センサ装置は、際立った特徴のない分割層(17)と、
-該分割層に接続された第1の分岐および、
-該分岐に接続された第2の分岐と、により構成されており、
前記第1の分岐は、第1の波長の照明および好ましくは結像パターンからなり、
前記第2の分岐は、色選択層(21)によって分離された、
-第1の波長の結像光路、例えば、第1の作動距離および第1のカメラを有する画像処理光路と、
-第2の波長の結像光路とからなり、後者の結像光路は、第2の作動距離および第2のカメラを有する第1のまたは第2の画像処理センサとして設計されており、あるいは、レーザ距離センサ(15)として設計されており、あるいは第2の波長の照明光路として設計されていることを特徴とする請求項82に記載の装置。
【請求項84】
前記接触型プローブ要素(3)または測定されるオブジェクトは、直接または間接に、機械的な振動要素、例えば圧電発振機に接続されていることを特徴とする請求項45ないし83の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項85】
前記センサ装置は、前記光学的に横方向に測定する方法のためのセンサおよび距離センサを有することを特徴とする請求項45ないし84の少なくとも1項に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2013−512424(P2013−512424A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540443(P2012−540443)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068327
【国際公開番号】WO2011/064339
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(500473760)ベルス・メステヒニーク・ゲーエムベーハー (7)
【Fターム(参考)】