無線端末間貸借制御方法
【課題】無線端末間でデータ処理を依頼する無線端末間貸借制御方法に関し、総ての処理機能を搭載していない無線端末であっても、他の無線端末の処理機能を借用してデータ処理を依頼可能とする。
【解決手段】相互に無線回線を介して通信が可能の状態として、データ処理機能を借用する借用側無線端末MS1は、データ処理機能を貸与する貸与側無線端末MS2に無線回線を介して、自無線端末MS1に於いては処理できないサービスB〜D等を実行する為のデータ処理を依頼し、この貸与側無線端末MS2は、借用側無線端末MS1から依頼されたデータ処理を実行し、その結果を、無線回線を介して借用側無線端末MS1に送信する処理過程を含むものである。
【解決手段】相互に無線回線を介して通信が可能の状態として、データ処理機能を借用する借用側無線端末MS1は、データ処理機能を貸与する貸与側無線端末MS2に無線回線を介して、自無線端末MS1に於いては処理できないサービスB〜D等を実行する為のデータ処理を依頼し、この貸与側無線端末MS2は、借用側無線端末MS1から依頼されたデータ処理を実行し、その結果を、無線回線を介して借用側無線端末MS1に送信する処理過程を含むものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の無線端末間でデータ処理の為のソフトウェアを貸借可能とする無線端末間貸借制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話機等の無線端末は、PDC(Personal Digital Cellular),PHS(Personal Handyphone System),GSM(Global Systme for Mobile Communication)等の第二世代の構成が使用されていたが、3G,3.5G,更に4Gと言われる世代に構成並びに機能を進化させて、高速且つ大容量の無線通信を可能とするように、開発が進められ、順次実用化されている。又無線通信のシステムとしては、前述の携帯電話機による無線通信システムのみではなく、移動可能の無線端末を用いるLAN(IEEE802.11),WiMAX(IEEE802.16),Wi−Fi,Bluetooth等のシステムが知られている。又通信サービスとしては、音声通信のみでなく、静止画像や動画等の送受信や、地上ディジタル・テレビ放送受信等の各種のサービスに対応した構成が知られている。又用途面に於いては、相互通信用のみでなく、ゲーム用、音楽用、電子マネー用、GPS(Global Positioning System)を用いた現在位置情報取得用、カメラによる静止画や動画の撮影用、指紋認証等によるセキュリティ認証用等を含むものが知られている。
【0003】
又無線通信が適用される分野自体も、FMC(Fixed Mobile Convergence)、IMS(IP Multimedia Subsystem)、コグニティブ(Cognitive)通信等の固定電話も含めた無線通信分野間の機器及びサービスの融合や、ETC(Electronic Toll Collection)、ITS(Inteligence Transport System)等の交通分野への適用、ホームオートメーション等の家電分野への組み込み、無線タグなど流通分野への適用、人間対人間から人間対機械又は機械対機械の通信分野への適用等の社会全体(ユビキタス;Ubiquitous)へ広がって来ている。
【0004】
又無線通信システムとして、分散配置した無線基地局のサービスエリア内で、携帯電話機等の無線端末により、固定電話機等の固定端末や他の無線端末との間で通信するシステムが一般的であり、このような無線通信サービスを提供する通信事業者も多数存在する。これらの通信事業者が所有するサービスエリアが総て重複して、それぞれの通信事業者に加入登録した無線端末に対して無線通信サービスを提供可能とすることが望ましいが、事業規模に応じては、一部重複しないサービスエリアが存在する場合があり、その場合に、或る通信事業者に加入登録した無線端末が、その通信事業者のサービスエリアではない他の通信事業者のサービスエリアに移動した時、そのサービスエリアを提供する通信事業者に加入登録していない無線端末に対して、未登録認証手段により、別の通信事業者には加入登録されていることを確認した時に、その無線端末に対して通信リソースの貸出しのサービスを行う。即ち、通信事業者間で、無線基地局の貸借を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。又或る事業者が所有するネットワークを介して利用するリソースを、他の事業者の要求により貸し出し、リソースを貸与された事業者は、ネットワークを介して借り受けたリソースを利用可能とするシステムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−286943号公報
【特許文献2】特開2006−127279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のユビキタス社会では、家庭内、会社内、屋外等に於いて、無線通信を利用して、状況に対応した多種多様な機能及びサービスを利用することが要望される。このようなユビキタス社会に於ける端末の利用シーンについての課題として以下の二つが考えられる。
1).無線端末の高性能、多機能化による大型化、高重量化、高消費電力化、高額化
場所や状況に応じて多種多様なサービス及び機能を利用する為に、それらをカバーできるより高性能、多機能な無線端末を実現する必要がある。しかしながら、携帯用の無線端末に登載される機能や性能が増大することになり、ハードウェア(デバイス数、回路規模、消費電力、メモリ量等)/ソフトウェア(サービスアプリケーション数等)規模が膨れ上がることになり、無線端末の大型化、消費電力の増加及び端末価格の上昇となる問題がある。これはより小型化、軽量化、低消費電力化(長時間使用)、低額化(社会への普及)といった携帯用の無線端末への要求に反することになる。
2).無線通信端末の多種多様化による利便性の低下
場面に応じて多種多様なサービス及び機能を利用する為に、逆に各サービス、各機能に応じて無線端末を使い分ける方法が考えられる。しかしながら無線端末を使い分けることは、場面に応じて別々の無線端末を持つと共に、それぞれの操作を覚える必要があることになり、従って、無線端末の利便性の低下となる問題がある。これはより、身近で普遍的といった携帯用の無線端末への要求に反することになる。
【0006】
本発明は、前述の従来の問題点を解決するものであり、或る無線端末がデータ処理に利用するソフトウェアを搭載していない場合に、そのソフトウェアを搭載した他の無線端末から、そのソフトウェアを借用してデータ処理の実行を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の無線端末間貸借制御方法は、相互に無線回線を介して通信が可能の状態として、データ処理機能を借用する借用側無線端末は、データ処理機能を貸与する貸与側無線端末に無線回線を介してデータ処理を依頼し、この貸与側無線端末は、借用側無線端末から依頼されたデータ処理の結果を、無線回線を介して借用側無線端末に送信する処理過程を含むものである。
【0008】
又借用側無線端末は、無線回線を介して複数の貸与側無線端末に対してそれぞれ異なるデータ又は分割したデータの処理を依頼し、複数の貸与側無線端末に於けるそれぞれのデータ処理結果を、無線回線を介して受領する過程を含むことができる。
【0009】
又借用側無線端末に於いて所望のサービスを利用する時に、そのサービスを利用する為のソフトウェアを備えている貸与側無線端末に対して、そのソフトウェアによるデータ処理を、無線回線を介して依頼し、貸与側無線端末に於いて処理した結果を、無線回線を介して借用側無線端末に於いて受領する過程を含むことができる。
【0010】
又借用側無線端末は、自無線端末のプロファイルと、貸与側無線端末から提示されたプロファイルとを基に、貸与側無線端末に依頼する借用内容を決定し、この借用内容を貸与側無線端末に無線回線を介して送信して借用依頼を行い、貸与側無線端末は、自無線端末の処理状況と借用内容とを基に借用依頼を受付けるか否かを判定し、借用依頼を受付ける時は、貸与条件を含む借用回答を、無線回線を介して借用側無線端末に送信し、借用側無線端末は、処理内容を含む借用確認を無線回線を介して貸与側無線端末に送信してデータ処理を依頼する過程を含むことができ、又その場合に、貸与側無線端末は、借用側無線端末に対する借用回答に認証コードを付加して無線回線を介して送信し、借用側無線端末は、借用確認に認証コードを付加して無線回線を介して送信し、貸与側無線端末は、借用回答に付加した認証コードと、借用確認に付加した認証コードとを照合し、照合一致の時は正当な借用確認と認定して依頼されたデータ処理を行い、照合不一致の時は不当な借用確認と判定して処理を中止する過程を含むことができる。
【0011】
又借用側無線端末は、複数の前記貸与側無線端末のプロファイルを、無線回線を介して収集し、借用希望条件に最も適したプロファイルを有する貸与側無線端末を選択し、選択した貸与側無線端末に対して無線回線を介してデータ処理依頼を行う過程を含むことができ、又貸与側無線端末は、自無線端末の無線受信状態と処理負荷状態と電池残量とに応じて、借用側無線端末から依頼されたデータ処理の条件を変更し、データ処理の状況を借用側無線端末に無線回線を介して通知する過程を含むことができる。
【発明の効果】
【0012】
無線端末は、携帯することから小型軽量であることが要望される。従って、多機能化することは容易ではない。そこで、データ処理に必要なソフトウェアを搭載していない無線端末であっても、そのソフトウェアを搭載した無線端末に対してデータ処理を依頼し、処理結果を受信することができる。更に、複数の無線端末を貸与側無線端末として、データの並列的な処理を依頼することも可能であり、小型の無線端末であってもデータ処理機能を増大した場合と等価となる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の無線端末間貸借制御方法は、図1を参照すると、相互に無線回線を介して通信が可能の状態として、データ処理機能を借用する借用側無線端末MS1は、データ処理機能を貸与する貸与側無線端末MS2に無線回線を介して、自無線端末MS1で処理できないデータ処理を依頼し、この貸与側無線端末MS2は、借用側無線端末MS1から依頼されたデータ処理の結果を、無線回線を介して借用側無線端末MS1に送信する処理過程を含むものである。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1の概要説明図であり、MS1,MS2は携帯電話機等の無線端末を示し、図示を省略しているが、それぞれ無線送受信部と、変復調部と、テンキー等の操作入力部と、液晶パネル等の表示部と、各部を制御すると共にデータ処理を行うプロセッサと、データやプログラム等を格納するメモリとを含む構成を有するものであり、図示を省略した無線基地局等を介した無線回線により、無線端末MS1,MS2相互で通信可能とする機能を備えている。又図示の状態に於いては、サービスAを提供可能とするデータ処理の必要機能#1(ソフトウェア)を搭載した無線端末MS1に対して、利用サービスの多様化により、サービスA,B,C,Dを提供可能とするデータ処理の必要機能#1,#2,#3,#4(ソフトウェア)を搭載した無線端末MS2が存在する場合に、無線端末MS1に於いて、サービスA,B,C,Dのデータ処理を必要とした場合、無線端末MS1は、サービスAについてのデータ処理は可能であるが、サービスB,C,Dについてのデータ処理ができないので、少なくとも必要機能#2〜#4を搭載している無線端末MS2に無線回線を介してアクセスし、その無線端末MS2が搭載されている必要機能#2〜#4を借用してデータ処理を依頼する。そして、無線端末MS2に於けるデータ処理結果を無線回線を介して無線端末MS1は受信する。このような貸借処理により、無線端末MS1は、恰も必要機能#1〜#4を搭載した場合と同様にサービスA〜Dの提供を受けることができる。
【実施例2】
【0015】
図2は、本発明の実施例2のデータ処理の概要を示すフローチャートであり、(A)は分散処理依頼による処理の効率化の場合、(B)は分散処理依頼による処理時間の短縮の場合についてそれぞれの概要を示す。例えば、(A)の左側に示す画像編集と、動画編集と、メール作成と、送信との処理を自無線端末に於いて順次実行する場合に対して、右側に示すように、メール作成ソフトウェアを搭載している無線端末にメール作成を依頼し、画像編集ソフトウェアを搭載している無線端末に画像編集を依頼し、動画編集ソフトウェアを搭載している無線端末に動画編集を依頼し、それぞれの無線端末に於ける処理結果を受信してメール送信を行うことにより、処理の効率化を図ることができる。
【0016】
又図2の(B)の左側に示すデータ検索に於いて、データベースを部分A、部分B、部分Cについて順次検索する必要がある場合に、右側に示すように、それぞれ少なくとも部分A、部分B、部分Cを含むデータベースを有する無線端末に対して、それぞれ検索依頼を行い、それぞれの検索結果を受信する。従って、部分A、部分B、部分Cを、自無線端末に於いて直列的に処理する場合に比較して、複数の他の無線端末にそれぞれ検索処理を依頼して、並列的に処理し、検索結果を受信することにより、「短縮」として示すように、処理時間の短縮を図ることができる。前述のように、借用側の無線端末は、他の無線端末の処理機能を借用してデータ処理を依頼し、処理結果を受信することができるから、恰も所望の総てのデータ処理を実行する為のソフトウェアを実装している場合と同様に、各種のデータ処理を行うことができる。
【実施例3】
【0017】
図3は、本発明の実施例3の無線端末間のソフトウェアの貸借を行う場合の手順の概略を示し、借用側の無線端末MS1と、貸与側の無線端末MS2とを無線基地局BSを介して無線回線により接続し、相互に通信可能の状態とし、借用側の無線端末MS1は、貸与側の無線端末MS2の動作環境を示すプロファイル(Profile)を求めて、自無線端末MS1の動作環境を示すプロファイル(Profile)と比較し、借用条件を調停して、貸与側の無線端末MS2に借用依頼を行う。貸与側の無線端末MS2は、借用条件と自プロファイルとの関係から、無線端末MS1に対する借用の可否を判断し、その判断結果を借用側の無線端末MS1へ回答する。借用可の場合は、後述のように、借用側の無線端末MS1は、貸与側の無線端末MS2に対して借用確認を行うことになり、借用不可の場合は、他の無線端末を探すか、又はそのデータ処理を中止することになる。
【実施例4】
【0018】
図4は、本発明の実施例4の貸借処理のシーケンス説明図であり、MSを借用側の無線端末、MS#1〜MS#nを貸与側の無線端末、NWを無線基地局や基地局制御局等を含むネットワークとして示す。借用側の無線端末MSは、貸与側の無線端末MS#1〜MS#n及びネットワークNWに対して無線回線を介してプロファイル提示の要求を行う。この要求に対してそれぞれプロファイルの提示可否応答と、提示可の場合は、プロファイルと共に提示可を応答する。借用側の無線端末MSは、自プロファイルとの関係を基に、借用先、内容、条件を決定し、例えば、無線端末MS#1を選択した場合は、その無線端末MS#1に、借用内容や借用条件等を含む借用依頼を送信する。
【0019】
それにより、貸与側となった無線端末MS#1は、借用内容・条件と、自無線端末のプロファイルを基に、貸与可否、貸与内容、条件等を決定し、借用側の無線端末MSに対して応答する。貸与可の応答を受信した場合は、借用確認として、処理内容を識別する為の識別子(Transaction ID)、処理内容、インプットデータ、認証コード等を含めることができる。貸与側の無線端末MS#1は、この借用確認内容について処理する。なお、前述の認証コードは、クッキー(Cookie)を利用し、複製応答することができる。例えば、借用確認として受信した認証コード(例えば、前述のクッキー)が、借用回答に添付して送信した認証コード(例えば、複製した前述のクッキー)と一致しない場合は、不正な借用確認として処理し、一致する場合は、正当な借用確認と判定することができる。
【0020】
図5は、借用不可の場合の貸借処理のシーケンス説明図であり、借用側の無線端末MSから貸与側の無線端末MS#1〜MS#nとネットワークNWとに対して無線回線を介してプロファイル提示要求、それに対するプロファイル提示応答、無線端末MS#1を指定して借用依頼を行うまでのシーケンスは、図4に示す場合と同様である。この場合の貸与側の無線端末MS#1は、借用依頼に対する借用応答として貸与否(NG)を決定した場合であり、借用側の無線端末MSは、借用先・内容・条件を再選択し、次の借用先候補に対して借用依頼を順次繰り返して行うか、或いは、借用の為の処理を終了する。
【0021】
図6は、受信した借用確認が、正当なものでなかった場合の貸借処理のシーケンス説明図であり、借用確認の認証コードが正しくない場合であり、借用側の無線端末MSから貸与側の無線端末MS#1〜MS#nとネットワークNWとに対してプロファイル提示要求、それに対するプロファイル提示応答、無線端末MS#1を指定して借用依頼、借用回答、借用確認までのシーケンスは、図4に示す場合と同様である。しかし、借用側の無線端末MSからの借用確認に付加されている認証コード(例えば、前述のクッキー)が、借用回答の認証コード(例えば、前述の複製したクッキー)と異なる場合、正当な借用確認でないから、借用側の無線端末MSからのデータ類は破棄して、処理を中止する。
【0022】
図7は、貸借処理結果の応答のシーケンス説明図であり、前述のように、借用側の無線端末MSからの借用依頼に対して、貸与側の無線端末又はネットワークMS/NWから借用結果通知(Transaction ID、処理Status、処理結果)を無線回線を介して送信する。或いは、借用側の無線端末MSから借用側の無線端末又はネットワークに対して、識別子(Transaction ID)、処理制御コマンドを含む借用結果要求を無線回線を介して送信し、貸与側の無線端末又はネットワークは、借用結果応答として、識別子(Transaction ID)、処理Status、処理結果を無線回線を介して借用側無線端末へ送信する。
【0023】
例えば、貸与側の無線端末から処理された結果を借用側の無線端末に回答する場合は、貸与側の無線端末は、処理完了時等の報告契機により、借用側の無線端末に対して処理結果を報告する。その際に、何の処理内容に対する結果報告かを明示する為、借用時の確認応答により、借用側の無線端末から通知された該当処理に対応する識別子(Transaction ID)を付加して報告する。又処理完了を待たずに終話等が実施された場合を考慮して、途中経過でもよいので、処理結果を報告できるように処理の進み具合を示す処理Status(例えば、処理完了&最終結果報告、処理継続&途中結果報告、処理中止&途中結果報告、処理中断&途中結果報告、処理再開&途中結果報告、処理失敗)も追加して回答することが好適である。
【0024】
又借用側無線端末から貸与側無線端末に於いて処理された結果を、無線回線を介して収集する場合には、借用側無線端末は、処理中断や接続/終話時等の処理結果の収集契機が発生した時に、貸与側の無線端末に対して処理結果の報告を要求する。その際に、何の処理内容に対する報告要求かを明示する為に、借用時の確認で取り決めた該当処理に対応する識別子(Transaction ID)を併せて通知する。又収集以後も処理を継続させるか或いは中止させるかといった制御が可能なように、処理制御コマンドも追加して通知できるように制御することが、状態把握上好適である。
【0025】
又処理結果の報告要求を受信した貸与側無線端末は、要求元の借用側無線端末に対して処理結果を報告する。その際に、何の処理内容に対する結果報告かを明示する為、借用時の確認で借用側無線端末より通知された該当処理に対応する識別子(Transaction ID)を合わせて報告する。又処理完了を待たずに、報告要求が実施された場合を考慮して、途中経過でもよいので処理結果を報告できるように処理の進み具合を示す処理Statusも追加して回答できるのが好適である。
【実施例5】
【0026】
図8は、本発明の実施例5の無線端末のプロファイルの一例の説明図であり、内容区分として、HW(ハードウェア)動作環境と、SW(ソフトウェア)動作環境と、使用環境とを含む場合を示し、それぞれ複数の項目を含むものである。例えば、内容区分のハードウェアに関係する動作環境として、搭載されているプロセッサの速度を示すクロック周波数を例えば2GHz、現在のプロセッサの使用率を例えば70%、メモリ量を空き容量として例えば800MB、対応無線技術として、技術仕様や周波数帯域を例えばWCDMA,800MHz帯、通信レートを、例えば、下り(DL)384kbps、上り(UL)64kbps、残り電力として電池残量例えば20W、搭載機器として通信用途以外のハードウェア機器、例えば、指紋認証、カメラ、GPS等がある。又製造メーカや機種名等も含めることができる。
【0027】
又内容区分のソフトウェアに関係する動作環境の仕様OSとしては、例えば、Symbian,Linux,iTRON等がある。又インストールされているアプリケーション・ソフトウェアとして、例えば、Java,Word,Web Browser,音楽Player,メーラ,画像編集ソフト,ワンセグメント受信等を含めることができる。又対応データとして、例えば、電話帳、在庫データ、地図データ、画像データ等を含めることができる。又データ形式として、例えば、doc,html,mp3,jpg等を含めることができる。又内容区分の使用環境として、契約キャリア、又現在位置情報として、緯度、経度や、無線基地局から通知されるセルID等とすることができる。又接続状況情報、接続時間情報、貸与可否情報等を含めることができる。
【0028】
図9は、借用時の動作フローチャートを示し、借用希望のサービスを基に、使用したいソフトウェア及びデータ形式とデータサイズ、使用したい搭載機器等の使用したい内容と条件とから、借用したい分のプロファイルを作成する(a1)。そして、貸与側の無線端末のプロファイルを収集し、借用先の候補リストを生成する(a2)。収集したこれらのプロファイルの中で、使用環境として貸与可であるか否かを判定する(a3)。許可されていれば候補リストに残し(a4)、許可されていない場合は候補リストから外す(a5)。次に、貸与側のソフトウェア動作環境は、借用したいデータ及びソフトウェアをサポートするか否かを判定する(a6)。サポートする場合は候補リストに残し(a7)、サポートしない場合は、候補リストから外す(a8)。
【0029】
次に、貸与側のハードウェア動作環境は、借用したい性能・機能を満足するか否かを判定する(a9)。満足する場合は候補リストに残し(a10)、満足しない場合は、候補リストから外す(a11)。そして、候補リスト数が0か否かを判定する(a12)。0でない場合は、動作環境が良い順にソートし(a13)、候補リストの1番目を借用先として選択する(a14)。そして、前述のように、借用依頼を送信する。この借用依頼に対して、貸与側のメモリ使用可能領域の不足等の状況変化により拒否された場合は、候補リストの2番目を借用先として選択する。又候補リスト数が0の場合は、借用せずに、自無線端末で処理するか(a15)又は処理不可による処理NGとし、借用を希望したサービスに通知する(a16)。
【0030】
図10は、借用プロファイルの一例を示すもので、図8に示すプロファイルの内容区分及び項目を含み、借用希望条件として、不要な項目は、無効表示として示している。例えば、Word文書のファイル変換処理の機能を借用したい場合、その処理に必要なプロセッサの能力として、プロセッサ速度、利用する為のプロセッサ使用率、変換元/変換先/テンポラリ用ファイルサイズから処理に必要となるメモリサイズ、処理に必要とする電池の残り電力量、対応ソフトとしてWord、対応データの形式としてdoc、貸与可否は可である借用条件を満足することが必要である。その他の項目の対応無線技術、通信レート、製造メーカ、機種名等は、借用条件として必要がないので無効とする。
【0031】
図11は、貸与可否判断のフローチャートであり、借用依頼を受信した無線端末は、自身の動作環境(Profile)から、本来処理すべきユーザ処理分のマージン及び貸与できない動作環境(例えば、メーラ、電話帳データ等の個人情報に関連するソフトウェア動作環境)を差し引いて、借用側の無線端末に貸与できる分の動作環境(貸与Profile)を作成する(b1)。次に、使用環境の貸与可否の項目について貸与可か否かを判定する(b2)。貸与否であれば、借用NGを返す(b7)。
【0032】
又貸与可であれば、貸与プロファイルのソフトウェア動作環境と借用プロファイルのソフトウェア動作環境とを比較し(b3)、サポートされていない場合は、借用NGを返す(b7)。又サポートされている場合は、ハードウェア動作環境は、借用条件を満足しているか否かを判定する(b4)。例えば、空きメモリ容量が借用要求データサイズ以下となった場合は、借用条件を満足しなくなる。このように、借用条件を満足しない場合は、借用NGを返す(b7)。又借用条件を満足する場合は、貸与プロファイルを貸与内容、条件とし(b5)、借用OKを返す(b6)。
【0033】
図12は、貸与判定時と借用回答時とのプロファイルの一例の説明図であり、借用依頼時に貸与可否の判定の為の左側に示すプロファイルに対して、借用依頼の内容及び条件と無関係な項目に対して、例えば、対応無線技術、通信レート、製造メーカ、機種名、使用OS、キャリア、現在位置、接続状況、接続時間等の項目は、右側の借用回答時として示すように、それぞれ無効扱いとしても、何ら問題がないことを示している。
【0034】
図13は、処理最適化の概要の説明図であり、縦軸を貸与側の無線端末の処理、横軸を時間とし、貸与側の無線端末に於ける処理内容が、時間の経過と共に、通信中(高レート/高負荷)の状態、通信中(低レート/低負荷)の状態、メール読み中(低負荷)の状態、一定時間操作なしの状態、ゲーム/TV中(高負荷)の状態、アイドル中の状態となった場合に、貸与上限を点線で示すように定めたとすると、貸与側の無線端末の動作状態に応じて、貸与分は、貸与上限を超えない範囲内で増減する。例えば、ファイル転送等の高レートのデータ通信中に於いては、貸与側の無線端末は高負荷処理状態となるから、処理能力が100%とならないように、貸与分を少なくする。反対に、低レートのデータ通信中に於いては、低負荷処理状態となるから、貸与分を増加する。又貸与側の無線端末が操作を行わない期間、例えば、Webページを見ている期間等では、貸与分は貸与上限まで増加させることができる。又アイドル中は、貸与側の無線端末が低消費電力化モードに入った状態であり、電力消費を低減する為に貸与分は零とする。又貸与側の無線端末が借用側の無線端末からの依頼による処理中に、処理内容が変化して高負荷状態となった場合、又は電池残量が少なくなった場合等に於いては、貸与分を低減するか、又は依頼処理をサスペンド状態或いは依頼処理を中止することができる。このような状態変化の場合、借用側の無線端末に状態変化による依頼処理の変更通知を行うことができる。
【0035】
図14は、貸与側の無線端末から借用側の無線端末に対して処理結果や状態等を、無線回線を介して通知する場合の概要説明図であり、上側に借用側無線端末MS、下側に貸与側無線端末MS又はネットワークNWを示し、貸与側無線端末は、時間の経過と共に、セル移動やチャネル遷移等を行うものである。例えば、貸与側無線端末は、一定周期経過により、借用側無線端末に途中結果等を通知し、処理結果が得られた時は、その最終結果を通知し、貸与処理終了及び貸与内容解放の処理を行う。又相互間では、貸与依頼や調停再実施等がある。又中断した場合や再開した場合も通知し、又貸与負荷増加や電池残量減少の場合、処理途中であっても、処理中止を通知することができる。
【0036】
このような貸与側無線端末から借用側無線端末に対するフィードバックは、次no(i)〜(ix)に示すような契機に於いて行うことできる。
(i).借用依頼された処理が完了した場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、フィードバックする結果が処理完了した結果であることを合わせて通知する(例えば、借用結果通知の処理Statusを“処理完了&最終結果報告”に設定)。
(ii).借用依頼された処理の開始時、又は前回の結果報告から一定周期が経過した場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、発生時点の処理状況よりフィードバックする結果のステータスを合わせて通知する(例えば、処理途中であれば、借用結果通知の処理Statusを“処理継続&途中結果報告”に設定、又その時に処理が完了していれば、借用結果通知の処理Statusを“処理完了&最終結果報告”に設定)。
【0037】
(iii).本来のユーザ処理を優先する等の理由で借用依頼された処理をサスペンドした場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、フィードバックする結果が処理中断時の途中結果であることを合わせて通知する(例えば、借用結果通知の処理Statusを“処理中断&途中結果報告”に設定)。
(iv).借用依頼された処理がサスペンドしている状態から処理が再開した場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、フィードバックする結果が処理再開時の途中結果であることを合わせて通知する(例えば、借用結果通知の処理Statusを“処理再開&途中結果報告”に設定)。
(v).セル移動、ハンドオーバ、再接続、CH状態遷移(例えば、レート変更、共通CH〜個別CH間の遷移)、終話等の呼処理が発生した場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、発生時点の処理状況に応じて、フィードバックする結果のステータスを合わせて通知する(例えば、処理途中であれば、借用結果通知の処理Statusを“処理継続&途中結果報告”に設定、その時、処理が完了していれば、借用結果通知の処理Statusを“処理完了&最終結果報告”に設定)。
【0038】
(vi).電池の消耗が激しい場合又は待ち受け状態に入った場合又は貸与側無線端末の処理オーバ(例えば、輻輳、オーバロード)等により、これ以上借用依頼された処理を継続できない場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、フィードバックする結果が、処理が中止された途中結果であることを合わせて通知する(例えば、借用結果通知の処理Statusを“処理中止&途中結果報告”に設定)。
(vii).通話、データ送信等のユーザアクセスによる通信が発生した場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、発生時点の処理状況よりフィードバックする結果のステータスを合わせて通知する(例えば、処理途中であれば、借用結果通知の処理Statusを“処理継続&途中結果報告”に設定、その時、処理が完了していれば、借用結果通知の処理Statusを“処理完了&最終結果報告”に設定)。
【0039】
(viii).借用依頼された処理が、処理時間が長時間に及ぶ等の貸与側無線端末に於ける処理を継続させる必要性がないと判断して処理を中止させた場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、フィードバックする結果が、処理が中止された途中結果であることを合わせて通知する(例えば、借用結果通知の処理Statusを“処理中止&途中結果報告”に設定)。
(ix).借用依頼された処理が失敗した場合。
貸与側無線端末は、借用側無線端末に処理が失敗したことを通知する(例えば、借用結果通知の処理Statusを“処理失敗”に設定、処理結果は含めない或いは ダミー値を返す)。
【0040】
図15は、借用側無線端末から貸与側無線端末に対して処理状況等を要求する場合の概要説明図であり、上側は借用側無線端末MS、下側は貸与側ネットワーク又は無線端末NWorMSを示し、例えば、一定期間の経過により借用側無線端末から無線回線を介して貸与側無線端末に処理状況等を要求することができる。このような借用側無線端末から貸与側無線端末に対する依頼及び要求の契機は、次に示す場合がある。
(a).借用依頼元のサービスアプリケーションより処理結果が要求された場合。
(b).借用依頼した処理の開始時、又は前回の収集から一定周期が経過した場合。
(c).セル移動、ハンドオーバ、再接続、CH状態遷移(例えば、レート変更、共通CH−個別CH間の遷移)、終話等の呼処理が発生した場合。
(d).電池の消耗が激しい場合、待ち受け状態に入った場合、借用側無線端末の処理オーバ(例えば、輻輳、オーバロード)等のこれ以上サービスが継続できない場合。借用側無線端末は、貸与側無線端末に対して処理結果の収集を指示する際に、処理を中止したいことを合わせて通知する(例えば、借用結果要求の処理制御コマンドを“処理中止”に設定)。
(e).通話、データ送信等のユーザアクセスによる通信が発生した場合。
(f).借用依頼した処理が長時間完了しない等の処理を継続させる必要がないと借用側無線端末で判断した場合。借用側無線端末は、貸与側無線端末に対して処理結果の収集を指示する際に、処理を中止したいことを合わせて通知する(例えば、借用結果要求の処理制御コマンドを“処理中止”に設定)。
【0041】
又貸与側無線端末は、借用側無線端末から無線回線を介して処理結果の収集要求を受信した場合には、要求元の借用側無線端末に対して、該当時点での処理状況(処理Status)と処理結果を回答する。又処理継続中であれば、借用結果通知の処理Statusを、“処理継続&途中結果報告”に設定して、途中結果を回答する。処理が完了していれば、借用結果通知の処理Statusを、“処理完了&最終結果報告”に設定して最終結果を回答する。処理中断中であれば、借用結果通知の処理Statusを、“処理中断&途中結果報告”に設定し、中断前の最新の途中結果を回答する。処理が失敗していれば、借用結果通知の処理Statusを、“処理失敗”に設定して回答する。この場合、処理結果は含めないか、又はダミー値を設定することができる。又収集要求に於いて処理の中止を通知された場合には、処理を中止し、借用結果通知の処理Statusを、“処理中止&途中結果報告”に設定し、中止直前の途中結果を回答する。
【0042】
前述のように、無線端末は、他の無線端末のデータ処理機能を借用してデータ処理を実行して、その処理結果を無線回線を介して受信することにより、自無線端末が備えていないデータ処理機能について、そのデータ処理機能を備えた無線端末を、プロファイル提示要求によって容易に識別可能であり、各種の応用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施例1の概要説明図である。
【図2】本発明の実施例2のデータ処理の概要を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例3の無線端末間の貸借の手順の概略説明図である。
【図4】本発明の実施例4の貸借処理のシーケンス説明図である。
【図5】本発明の実施例4の貸借処理のシーケンス説明図である。
【図6】本発明の実施例4の貸借処理のシーケンス説明図である。
【図7】本発明の実施例4の貸借結果についてのシーケンス説明図である。
【図8】本発明の実施例5の無線端末のプロファイルの一例の説明図である。
【図9】本発明の実施例5の借用時の動作フローチャートである。
【図10】本発明の実施例5の借用プロファイルの一例の説明図である。
【図11】本発明の実施例5の貸与可否判断のフローチャートである。
【図12】本発明の実施例5の貸与判定時と借用回答時とのプロファイルの説明図である。
【図13】本発明の実施例6の貸与側無線端末の貸与分の説明図である。
【図14】本発明の実施例7の貸与側と借用側との連絡の説明図である。
【図15】本発明の実施例7の貸与側と借用側との連絡の説明図である。
【符号の説明】
【0044】
MS1 借用側無線端末
MS2 貸与側無線端末
BS 無線基地局
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の無線端末間でデータ処理の為のソフトウェアを貸借可能とする無線端末間貸借制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話機等の無線端末は、PDC(Personal Digital Cellular),PHS(Personal Handyphone System),GSM(Global Systme for Mobile Communication)等の第二世代の構成が使用されていたが、3G,3.5G,更に4Gと言われる世代に構成並びに機能を進化させて、高速且つ大容量の無線通信を可能とするように、開発が進められ、順次実用化されている。又無線通信のシステムとしては、前述の携帯電話機による無線通信システムのみではなく、移動可能の無線端末を用いるLAN(IEEE802.11),WiMAX(IEEE802.16),Wi−Fi,Bluetooth等のシステムが知られている。又通信サービスとしては、音声通信のみでなく、静止画像や動画等の送受信や、地上ディジタル・テレビ放送受信等の各種のサービスに対応した構成が知られている。又用途面に於いては、相互通信用のみでなく、ゲーム用、音楽用、電子マネー用、GPS(Global Positioning System)を用いた現在位置情報取得用、カメラによる静止画や動画の撮影用、指紋認証等によるセキュリティ認証用等を含むものが知られている。
【0003】
又無線通信が適用される分野自体も、FMC(Fixed Mobile Convergence)、IMS(IP Multimedia Subsystem)、コグニティブ(Cognitive)通信等の固定電話も含めた無線通信分野間の機器及びサービスの融合や、ETC(Electronic Toll Collection)、ITS(Inteligence Transport System)等の交通分野への適用、ホームオートメーション等の家電分野への組み込み、無線タグなど流通分野への適用、人間対人間から人間対機械又は機械対機械の通信分野への適用等の社会全体(ユビキタス;Ubiquitous)へ広がって来ている。
【0004】
又無線通信システムとして、分散配置した無線基地局のサービスエリア内で、携帯電話機等の無線端末により、固定電話機等の固定端末や他の無線端末との間で通信するシステムが一般的であり、このような無線通信サービスを提供する通信事業者も多数存在する。これらの通信事業者が所有するサービスエリアが総て重複して、それぞれの通信事業者に加入登録した無線端末に対して無線通信サービスを提供可能とすることが望ましいが、事業規模に応じては、一部重複しないサービスエリアが存在する場合があり、その場合に、或る通信事業者に加入登録した無線端末が、その通信事業者のサービスエリアではない他の通信事業者のサービスエリアに移動した時、そのサービスエリアを提供する通信事業者に加入登録していない無線端末に対して、未登録認証手段により、別の通信事業者には加入登録されていることを確認した時に、その無線端末に対して通信リソースの貸出しのサービスを行う。即ち、通信事業者間で、無線基地局の貸借を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。又或る事業者が所有するネットワークを介して利用するリソースを、他の事業者の要求により貸し出し、リソースを貸与された事業者は、ネットワークを介して借り受けたリソースを利用可能とするシステムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−286943号公報
【特許文献2】特開2006−127279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のユビキタス社会では、家庭内、会社内、屋外等に於いて、無線通信を利用して、状況に対応した多種多様な機能及びサービスを利用することが要望される。このようなユビキタス社会に於ける端末の利用シーンについての課題として以下の二つが考えられる。
1).無線端末の高性能、多機能化による大型化、高重量化、高消費電力化、高額化
場所や状況に応じて多種多様なサービス及び機能を利用する為に、それらをカバーできるより高性能、多機能な無線端末を実現する必要がある。しかしながら、携帯用の無線端末に登載される機能や性能が増大することになり、ハードウェア(デバイス数、回路規模、消費電力、メモリ量等)/ソフトウェア(サービスアプリケーション数等)規模が膨れ上がることになり、無線端末の大型化、消費電力の増加及び端末価格の上昇となる問題がある。これはより小型化、軽量化、低消費電力化(長時間使用)、低額化(社会への普及)といった携帯用の無線端末への要求に反することになる。
2).無線通信端末の多種多様化による利便性の低下
場面に応じて多種多様なサービス及び機能を利用する為に、逆に各サービス、各機能に応じて無線端末を使い分ける方法が考えられる。しかしながら無線端末を使い分けることは、場面に応じて別々の無線端末を持つと共に、それぞれの操作を覚える必要があることになり、従って、無線端末の利便性の低下となる問題がある。これはより、身近で普遍的といった携帯用の無線端末への要求に反することになる。
【0006】
本発明は、前述の従来の問題点を解決するものであり、或る無線端末がデータ処理に利用するソフトウェアを搭載していない場合に、そのソフトウェアを搭載した他の無線端末から、そのソフトウェアを借用してデータ処理の実行を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の無線端末間貸借制御方法は、相互に無線回線を介して通信が可能の状態として、データ処理機能を借用する借用側無線端末は、データ処理機能を貸与する貸与側無線端末に無線回線を介してデータ処理を依頼し、この貸与側無線端末は、借用側無線端末から依頼されたデータ処理の結果を、無線回線を介して借用側無線端末に送信する処理過程を含むものである。
【0008】
又借用側無線端末は、無線回線を介して複数の貸与側無線端末に対してそれぞれ異なるデータ又は分割したデータの処理を依頼し、複数の貸与側無線端末に於けるそれぞれのデータ処理結果を、無線回線を介して受領する過程を含むことができる。
【0009】
又借用側無線端末に於いて所望のサービスを利用する時に、そのサービスを利用する為のソフトウェアを備えている貸与側無線端末に対して、そのソフトウェアによるデータ処理を、無線回線を介して依頼し、貸与側無線端末に於いて処理した結果を、無線回線を介して借用側無線端末に於いて受領する過程を含むことができる。
【0010】
又借用側無線端末は、自無線端末のプロファイルと、貸与側無線端末から提示されたプロファイルとを基に、貸与側無線端末に依頼する借用内容を決定し、この借用内容を貸与側無線端末に無線回線を介して送信して借用依頼を行い、貸与側無線端末は、自無線端末の処理状況と借用内容とを基に借用依頼を受付けるか否かを判定し、借用依頼を受付ける時は、貸与条件を含む借用回答を、無線回線を介して借用側無線端末に送信し、借用側無線端末は、処理内容を含む借用確認を無線回線を介して貸与側無線端末に送信してデータ処理を依頼する過程を含むことができ、又その場合に、貸与側無線端末は、借用側無線端末に対する借用回答に認証コードを付加して無線回線を介して送信し、借用側無線端末は、借用確認に認証コードを付加して無線回線を介して送信し、貸与側無線端末は、借用回答に付加した認証コードと、借用確認に付加した認証コードとを照合し、照合一致の時は正当な借用確認と認定して依頼されたデータ処理を行い、照合不一致の時は不当な借用確認と判定して処理を中止する過程を含むことができる。
【0011】
又借用側無線端末は、複数の前記貸与側無線端末のプロファイルを、無線回線を介して収集し、借用希望条件に最も適したプロファイルを有する貸与側無線端末を選択し、選択した貸与側無線端末に対して無線回線を介してデータ処理依頼を行う過程を含むことができ、又貸与側無線端末は、自無線端末の無線受信状態と処理負荷状態と電池残量とに応じて、借用側無線端末から依頼されたデータ処理の条件を変更し、データ処理の状況を借用側無線端末に無線回線を介して通知する過程を含むことができる。
【発明の効果】
【0012】
無線端末は、携帯することから小型軽量であることが要望される。従って、多機能化することは容易ではない。そこで、データ処理に必要なソフトウェアを搭載していない無線端末であっても、そのソフトウェアを搭載した無線端末に対してデータ処理を依頼し、処理結果を受信することができる。更に、複数の無線端末を貸与側無線端末として、データの並列的な処理を依頼することも可能であり、小型の無線端末であってもデータ処理機能を増大した場合と等価となる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の無線端末間貸借制御方法は、図1を参照すると、相互に無線回線を介して通信が可能の状態として、データ処理機能を借用する借用側無線端末MS1は、データ処理機能を貸与する貸与側無線端末MS2に無線回線を介して、自無線端末MS1で処理できないデータ処理を依頼し、この貸与側無線端末MS2は、借用側無線端末MS1から依頼されたデータ処理の結果を、無線回線を介して借用側無線端末MS1に送信する処理過程を含むものである。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1の概要説明図であり、MS1,MS2は携帯電話機等の無線端末を示し、図示を省略しているが、それぞれ無線送受信部と、変復調部と、テンキー等の操作入力部と、液晶パネル等の表示部と、各部を制御すると共にデータ処理を行うプロセッサと、データやプログラム等を格納するメモリとを含む構成を有するものであり、図示を省略した無線基地局等を介した無線回線により、無線端末MS1,MS2相互で通信可能とする機能を備えている。又図示の状態に於いては、サービスAを提供可能とするデータ処理の必要機能#1(ソフトウェア)を搭載した無線端末MS1に対して、利用サービスの多様化により、サービスA,B,C,Dを提供可能とするデータ処理の必要機能#1,#2,#3,#4(ソフトウェア)を搭載した無線端末MS2が存在する場合に、無線端末MS1に於いて、サービスA,B,C,Dのデータ処理を必要とした場合、無線端末MS1は、サービスAについてのデータ処理は可能であるが、サービスB,C,Dについてのデータ処理ができないので、少なくとも必要機能#2〜#4を搭載している無線端末MS2に無線回線を介してアクセスし、その無線端末MS2が搭載されている必要機能#2〜#4を借用してデータ処理を依頼する。そして、無線端末MS2に於けるデータ処理結果を無線回線を介して無線端末MS1は受信する。このような貸借処理により、無線端末MS1は、恰も必要機能#1〜#4を搭載した場合と同様にサービスA〜Dの提供を受けることができる。
【実施例2】
【0015】
図2は、本発明の実施例2のデータ処理の概要を示すフローチャートであり、(A)は分散処理依頼による処理の効率化の場合、(B)は分散処理依頼による処理時間の短縮の場合についてそれぞれの概要を示す。例えば、(A)の左側に示す画像編集と、動画編集と、メール作成と、送信との処理を自無線端末に於いて順次実行する場合に対して、右側に示すように、メール作成ソフトウェアを搭載している無線端末にメール作成を依頼し、画像編集ソフトウェアを搭載している無線端末に画像編集を依頼し、動画編集ソフトウェアを搭載している無線端末に動画編集を依頼し、それぞれの無線端末に於ける処理結果を受信してメール送信を行うことにより、処理の効率化を図ることができる。
【0016】
又図2の(B)の左側に示すデータ検索に於いて、データベースを部分A、部分B、部分Cについて順次検索する必要がある場合に、右側に示すように、それぞれ少なくとも部分A、部分B、部分Cを含むデータベースを有する無線端末に対して、それぞれ検索依頼を行い、それぞれの検索結果を受信する。従って、部分A、部分B、部分Cを、自無線端末に於いて直列的に処理する場合に比較して、複数の他の無線端末にそれぞれ検索処理を依頼して、並列的に処理し、検索結果を受信することにより、「短縮」として示すように、処理時間の短縮を図ることができる。前述のように、借用側の無線端末は、他の無線端末の処理機能を借用してデータ処理を依頼し、処理結果を受信することができるから、恰も所望の総てのデータ処理を実行する為のソフトウェアを実装している場合と同様に、各種のデータ処理を行うことができる。
【実施例3】
【0017】
図3は、本発明の実施例3の無線端末間のソフトウェアの貸借を行う場合の手順の概略を示し、借用側の無線端末MS1と、貸与側の無線端末MS2とを無線基地局BSを介して無線回線により接続し、相互に通信可能の状態とし、借用側の無線端末MS1は、貸与側の無線端末MS2の動作環境を示すプロファイル(Profile)を求めて、自無線端末MS1の動作環境を示すプロファイル(Profile)と比較し、借用条件を調停して、貸与側の無線端末MS2に借用依頼を行う。貸与側の無線端末MS2は、借用条件と自プロファイルとの関係から、無線端末MS1に対する借用の可否を判断し、その判断結果を借用側の無線端末MS1へ回答する。借用可の場合は、後述のように、借用側の無線端末MS1は、貸与側の無線端末MS2に対して借用確認を行うことになり、借用不可の場合は、他の無線端末を探すか、又はそのデータ処理を中止することになる。
【実施例4】
【0018】
図4は、本発明の実施例4の貸借処理のシーケンス説明図であり、MSを借用側の無線端末、MS#1〜MS#nを貸与側の無線端末、NWを無線基地局や基地局制御局等を含むネットワークとして示す。借用側の無線端末MSは、貸与側の無線端末MS#1〜MS#n及びネットワークNWに対して無線回線を介してプロファイル提示の要求を行う。この要求に対してそれぞれプロファイルの提示可否応答と、提示可の場合は、プロファイルと共に提示可を応答する。借用側の無線端末MSは、自プロファイルとの関係を基に、借用先、内容、条件を決定し、例えば、無線端末MS#1を選択した場合は、その無線端末MS#1に、借用内容や借用条件等を含む借用依頼を送信する。
【0019】
それにより、貸与側となった無線端末MS#1は、借用内容・条件と、自無線端末のプロファイルを基に、貸与可否、貸与内容、条件等を決定し、借用側の無線端末MSに対して応答する。貸与可の応答を受信した場合は、借用確認として、処理内容を識別する為の識別子(Transaction ID)、処理内容、インプットデータ、認証コード等を含めることができる。貸与側の無線端末MS#1は、この借用確認内容について処理する。なお、前述の認証コードは、クッキー(Cookie)を利用し、複製応答することができる。例えば、借用確認として受信した認証コード(例えば、前述のクッキー)が、借用回答に添付して送信した認証コード(例えば、複製した前述のクッキー)と一致しない場合は、不正な借用確認として処理し、一致する場合は、正当な借用確認と判定することができる。
【0020】
図5は、借用不可の場合の貸借処理のシーケンス説明図であり、借用側の無線端末MSから貸与側の無線端末MS#1〜MS#nとネットワークNWとに対して無線回線を介してプロファイル提示要求、それに対するプロファイル提示応答、無線端末MS#1を指定して借用依頼を行うまでのシーケンスは、図4に示す場合と同様である。この場合の貸与側の無線端末MS#1は、借用依頼に対する借用応答として貸与否(NG)を決定した場合であり、借用側の無線端末MSは、借用先・内容・条件を再選択し、次の借用先候補に対して借用依頼を順次繰り返して行うか、或いは、借用の為の処理を終了する。
【0021】
図6は、受信した借用確認が、正当なものでなかった場合の貸借処理のシーケンス説明図であり、借用確認の認証コードが正しくない場合であり、借用側の無線端末MSから貸与側の無線端末MS#1〜MS#nとネットワークNWとに対してプロファイル提示要求、それに対するプロファイル提示応答、無線端末MS#1を指定して借用依頼、借用回答、借用確認までのシーケンスは、図4に示す場合と同様である。しかし、借用側の無線端末MSからの借用確認に付加されている認証コード(例えば、前述のクッキー)が、借用回答の認証コード(例えば、前述の複製したクッキー)と異なる場合、正当な借用確認でないから、借用側の無線端末MSからのデータ類は破棄して、処理を中止する。
【0022】
図7は、貸借処理結果の応答のシーケンス説明図であり、前述のように、借用側の無線端末MSからの借用依頼に対して、貸与側の無線端末又はネットワークMS/NWから借用結果通知(Transaction ID、処理Status、処理結果)を無線回線を介して送信する。或いは、借用側の無線端末MSから借用側の無線端末又はネットワークに対して、識別子(Transaction ID)、処理制御コマンドを含む借用結果要求を無線回線を介して送信し、貸与側の無線端末又はネットワークは、借用結果応答として、識別子(Transaction ID)、処理Status、処理結果を無線回線を介して借用側無線端末へ送信する。
【0023】
例えば、貸与側の無線端末から処理された結果を借用側の無線端末に回答する場合は、貸与側の無線端末は、処理完了時等の報告契機により、借用側の無線端末に対して処理結果を報告する。その際に、何の処理内容に対する結果報告かを明示する為、借用時の確認応答により、借用側の無線端末から通知された該当処理に対応する識別子(Transaction ID)を付加して報告する。又処理完了を待たずに終話等が実施された場合を考慮して、途中経過でもよいので、処理結果を報告できるように処理の進み具合を示す処理Status(例えば、処理完了&最終結果報告、処理継続&途中結果報告、処理中止&途中結果報告、処理中断&途中結果報告、処理再開&途中結果報告、処理失敗)も追加して回答することが好適である。
【0024】
又借用側無線端末から貸与側無線端末に於いて処理された結果を、無線回線を介して収集する場合には、借用側無線端末は、処理中断や接続/終話時等の処理結果の収集契機が発生した時に、貸与側の無線端末に対して処理結果の報告を要求する。その際に、何の処理内容に対する報告要求かを明示する為に、借用時の確認で取り決めた該当処理に対応する識別子(Transaction ID)を併せて通知する。又収集以後も処理を継続させるか或いは中止させるかといった制御が可能なように、処理制御コマンドも追加して通知できるように制御することが、状態把握上好適である。
【0025】
又処理結果の報告要求を受信した貸与側無線端末は、要求元の借用側無線端末に対して処理結果を報告する。その際に、何の処理内容に対する結果報告かを明示する為、借用時の確認で借用側無線端末より通知された該当処理に対応する識別子(Transaction ID)を合わせて報告する。又処理完了を待たずに、報告要求が実施された場合を考慮して、途中経過でもよいので処理結果を報告できるように処理の進み具合を示す処理Statusも追加して回答できるのが好適である。
【実施例5】
【0026】
図8は、本発明の実施例5の無線端末のプロファイルの一例の説明図であり、内容区分として、HW(ハードウェア)動作環境と、SW(ソフトウェア)動作環境と、使用環境とを含む場合を示し、それぞれ複数の項目を含むものである。例えば、内容区分のハードウェアに関係する動作環境として、搭載されているプロセッサの速度を示すクロック周波数を例えば2GHz、現在のプロセッサの使用率を例えば70%、メモリ量を空き容量として例えば800MB、対応無線技術として、技術仕様や周波数帯域を例えばWCDMA,800MHz帯、通信レートを、例えば、下り(DL)384kbps、上り(UL)64kbps、残り電力として電池残量例えば20W、搭載機器として通信用途以外のハードウェア機器、例えば、指紋認証、カメラ、GPS等がある。又製造メーカや機種名等も含めることができる。
【0027】
又内容区分のソフトウェアに関係する動作環境の仕様OSとしては、例えば、Symbian,Linux,iTRON等がある。又インストールされているアプリケーション・ソフトウェアとして、例えば、Java,Word,Web Browser,音楽Player,メーラ,画像編集ソフト,ワンセグメント受信等を含めることができる。又対応データとして、例えば、電話帳、在庫データ、地図データ、画像データ等を含めることができる。又データ形式として、例えば、doc,html,mp3,jpg等を含めることができる。又内容区分の使用環境として、契約キャリア、又現在位置情報として、緯度、経度や、無線基地局から通知されるセルID等とすることができる。又接続状況情報、接続時間情報、貸与可否情報等を含めることができる。
【0028】
図9は、借用時の動作フローチャートを示し、借用希望のサービスを基に、使用したいソフトウェア及びデータ形式とデータサイズ、使用したい搭載機器等の使用したい内容と条件とから、借用したい分のプロファイルを作成する(a1)。そして、貸与側の無線端末のプロファイルを収集し、借用先の候補リストを生成する(a2)。収集したこれらのプロファイルの中で、使用環境として貸与可であるか否かを判定する(a3)。許可されていれば候補リストに残し(a4)、許可されていない場合は候補リストから外す(a5)。次に、貸与側のソフトウェア動作環境は、借用したいデータ及びソフトウェアをサポートするか否かを判定する(a6)。サポートする場合は候補リストに残し(a7)、サポートしない場合は、候補リストから外す(a8)。
【0029】
次に、貸与側のハードウェア動作環境は、借用したい性能・機能を満足するか否かを判定する(a9)。満足する場合は候補リストに残し(a10)、満足しない場合は、候補リストから外す(a11)。そして、候補リスト数が0か否かを判定する(a12)。0でない場合は、動作環境が良い順にソートし(a13)、候補リストの1番目を借用先として選択する(a14)。そして、前述のように、借用依頼を送信する。この借用依頼に対して、貸与側のメモリ使用可能領域の不足等の状況変化により拒否された場合は、候補リストの2番目を借用先として選択する。又候補リスト数が0の場合は、借用せずに、自無線端末で処理するか(a15)又は処理不可による処理NGとし、借用を希望したサービスに通知する(a16)。
【0030】
図10は、借用プロファイルの一例を示すもので、図8に示すプロファイルの内容区分及び項目を含み、借用希望条件として、不要な項目は、無効表示として示している。例えば、Word文書のファイル変換処理の機能を借用したい場合、その処理に必要なプロセッサの能力として、プロセッサ速度、利用する為のプロセッサ使用率、変換元/変換先/テンポラリ用ファイルサイズから処理に必要となるメモリサイズ、処理に必要とする電池の残り電力量、対応ソフトとしてWord、対応データの形式としてdoc、貸与可否は可である借用条件を満足することが必要である。その他の項目の対応無線技術、通信レート、製造メーカ、機種名等は、借用条件として必要がないので無効とする。
【0031】
図11は、貸与可否判断のフローチャートであり、借用依頼を受信した無線端末は、自身の動作環境(Profile)から、本来処理すべきユーザ処理分のマージン及び貸与できない動作環境(例えば、メーラ、電話帳データ等の個人情報に関連するソフトウェア動作環境)を差し引いて、借用側の無線端末に貸与できる分の動作環境(貸与Profile)を作成する(b1)。次に、使用環境の貸与可否の項目について貸与可か否かを判定する(b2)。貸与否であれば、借用NGを返す(b7)。
【0032】
又貸与可であれば、貸与プロファイルのソフトウェア動作環境と借用プロファイルのソフトウェア動作環境とを比較し(b3)、サポートされていない場合は、借用NGを返す(b7)。又サポートされている場合は、ハードウェア動作環境は、借用条件を満足しているか否かを判定する(b4)。例えば、空きメモリ容量が借用要求データサイズ以下となった場合は、借用条件を満足しなくなる。このように、借用条件を満足しない場合は、借用NGを返す(b7)。又借用条件を満足する場合は、貸与プロファイルを貸与内容、条件とし(b5)、借用OKを返す(b6)。
【0033】
図12は、貸与判定時と借用回答時とのプロファイルの一例の説明図であり、借用依頼時に貸与可否の判定の為の左側に示すプロファイルに対して、借用依頼の内容及び条件と無関係な項目に対して、例えば、対応無線技術、通信レート、製造メーカ、機種名、使用OS、キャリア、現在位置、接続状況、接続時間等の項目は、右側の借用回答時として示すように、それぞれ無効扱いとしても、何ら問題がないことを示している。
【0034】
図13は、処理最適化の概要の説明図であり、縦軸を貸与側の無線端末の処理、横軸を時間とし、貸与側の無線端末に於ける処理内容が、時間の経過と共に、通信中(高レート/高負荷)の状態、通信中(低レート/低負荷)の状態、メール読み中(低負荷)の状態、一定時間操作なしの状態、ゲーム/TV中(高負荷)の状態、アイドル中の状態となった場合に、貸与上限を点線で示すように定めたとすると、貸与側の無線端末の動作状態に応じて、貸与分は、貸与上限を超えない範囲内で増減する。例えば、ファイル転送等の高レートのデータ通信中に於いては、貸与側の無線端末は高負荷処理状態となるから、処理能力が100%とならないように、貸与分を少なくする。反対に、低レートのデータ通信中に於いては、低負荷処理状態となるから、貸与分を増加する。又貸与側の無線端末が操作を行わない期間、例えば、Webページを見ている期間等では、貸与分は貸与上限まで増加させることができる。又アイドル中は、貸与側の無線端末が低消費電力化モードに入った状態であり、電力消費を低減する為に貸与分は零とする。又貸与側の無線端末が借用側の無線端末からの依頼による処理中に、処理内容が変化して高負荷状態となった場合、又は電池残量が少なくなった場合等に於いては、貸与分を低減するか、又は依頼処理をサスペンド状態或いは依頼処理を中止することができる。このような状態変化の場合、借用側の無線端末に状態変化による依頼処理の変更通知を行うことができる。
【0035】
図14は、貸与側の無線端末から借用側の無線端末に対して処理結果や状態等を、無線回線を介して通知する場合の概要説明図であり、上側に借用側無線端末MS、下側に貸与側無線端末MS又はネットワークNWを示し、貸与側無線端末は、時間の経過と共に、セル移動やチャネル遷移等を行うものである。例えば、貸与側無線端末は、一定周期経過により、借用側無線端末に途中結果等を通知し、処理結果が得られた時は、その最終結果を通知し、貸与処理終了及び貸与内容解放の処理を行う。又相互間では、貸与依頼や調停再実施等がある。又中断した場合や再開した場合も通知し、又貸与負荷増加や電池残量減少の場合、処理途中であっても、処理中止を通知することができる。
【0036】
このような貸与側無線端末から借用側無線端末に対するフィードバックは、次no(i)〜(ix)に示すような契機に於いて行うことできる。
(i).借用依頼された処理が完了した場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、フィードバックする結果が処理完了した結果であることを合わせて通知する(例えば、借用結果通知の処理Statusを“処理完了&最終結果報告”に設定)。
(ii).借用依頼された処理の開始時、又は前回の結果報告から一定周期が経過した場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、発生時点の処理状況よりフィードバックする結果のステータスを合わせて通知する(例えば、処理途中であれば、借用結果通知の処理Statusを“処理継続&途中結果報告”に設定、又その時に処理が完了していれば、借用結果通知の処理Statusを“処理完了&最終結果報告”に設定)。
【0037】
(iii).本来のユーザ処理を優先する等の理由で借用依頼された処理をサスペンドした場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、フィードバックする結果が処理中断時の途中結果であることを合わせて通知する(例えば、借用結果通知の処理Statusを“処理中断&途中結果報告”に設定)。
(iv).借用依頼された処理がサスペンドしている状態から処理が再開した場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、フィードバックする結果が処理再開時の途中結果であることを合わせて通知する(例えば、借用結果通知の処理Statusを“処理再開&途中結果報告”に設定)。
(v).セル移動、ハンドオーバ、再接続、CH状態遷移(例えば、レート変更、共通CH〜個別CH間の遷移)、終話等の呼処理が発生した場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、発生時点の処理状況に応じて、フィードバックする結果のステータスを合わせて通知する(例えば、処理途中であれば、借用結果通知の処理Statusを“処理継続&途中結果報告”に設定、その時、処理が完了していれば、借用結果通知の処理Statusを“処理完了&最終結果報告”に設定)。
【0038】
(vi).電池の消耗が激しい場合又は待ち受け状態に入った場合又は貸与側無線端末の処理オーバ(例えば、輻輳、オーバロード)等により、これ以上借用依頼された処理を継続できない場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、フィードバックする結果が、処理が中止された途中結果であることを合わせて通知する(例えば、借用結果通知の処理Statusを“処理中止&途中結果報告”に設定)。
(vii).通話、データ送信等のユーザアクセスによる通信が発生した場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、発生時点の処理状況よりフィードバックする結果のステータスを合わせて通知する(例えば、処理途中であれば、借用結果通知の処理Statusを“処理継続&途中結果報告”に設定、その時、処理が完了していれば、借用結果通知の処理Statusを“処理完了&最終結果報告”に設定)。
【0039】
(viii).借用依頼された処理が、処理時間が長時間に及ぶ等の貸与側無線端末に於ける処理を継続させる必要性がないと判断して処理を中止させた場合。
貸与側無線端末は、処理結果を借用側無線端末にフィードバックする際に、フィードバックする結果が、処理が中止された途中結果であることを合わせて通知する(例えば、借用結果通知の処理Statusを“処理中止&途中結果報告”に設定)。
(ix).借用依頼された処理が失敗した場合。
貸与側無線端末は、借用側無線端末に処理が失敗したことを通知する(例えば、借用結果通知の処理Statusを“処理失敗”に設定、処理結果は含めない或いは ダミー値を返す)。
【0040】
図15は、借用側無線端末から貸与側無線端末に対して処理状況等を要求する場合の概要説明図であり、上側は借用側無線端末MS、下側は貸与側ネットワーク又は無線端末NWorMSを示し、例えば、一定期間の経過により借用側無線端末から無線回線を介して貸与側無線端末に処理状況等を要求することができる。このような借用側無線端末から貸与側無線端末に対する依頼及び要求の契機は、次に示す場合がある。
(a).借用依頼元のサービスアプリケーションより処理結果が要求された場合。
(b).借用依頼した処理の開始時、又は前回の収集から一定周期が経過した場合。
(c).セル移動、ハンドオーバ、再接続、CH状態遷移(例えば、レート変更、共通CH−個別CH間の遷移)、終話等の呼処理が発生した場合。
(d).電池の消耗が激しい場合、待ち受け状態に入った場合、借用側無線端末の処理オーバ(例えば、輻輳、オーバロード)等のこれ以上サービスが継続できない場合。借用側無線端末は、貸与側無線端末に対して処理結果の収集を指示する際に、処理を中止したいことを合わせて通知する(例えば、借用結果要求の処理制御コマンドを“処理中止”に設定)。
(e).通話、データ送信等のユーザアクセスによる通信が発生した場合。
(f).借用依頼した処理が長時間完了しない等の処理を継続させる必要がないと借用側無線端末で判断した場合。借用側無線端末は、貸与側無線端末に対して処理結果の収集を指示する際に、処理を中止したいことを合わせて通知する(例えば、借用結果要求の処理制御コマンドを“処理中止”に設定)。
【0041】
又貸与側無線端末は、借用側無線端末から無線回線を介して処理結果の収集要求を受信した場合には、要求元の借用側無線端末に対して、該当時点での処理状況(処理Status)と処理結果を回答する。又処理継続中であれば、借用結果通知の処理Statusを、“処理継続&途中結果報告”に設定して、途中結果を回答する。処理が完了していれば、借用結果通知の処理Statusを、“処理完了&最終結果報告”に設定して最終結果を回答する。処理中断中であれば、借用結果通知の処理Statusを、“処理中断&途中結果報告”に設定し、中断前の最新の途中結果を回答する。処理が失敗していれば、借用結果通知の処理Statusを、“処理失敗”に設定して回答する。この場合、処理結果は含めないか、又はダミー値を設定することができる。又収集要求に於いて処理の中止を通知された場合には、処理を中止し、借用結果通知の処理Statusを、“処理中止&途中結果報告”に設定し、中止直前の途中結果を回答する。
【0042】
前述のように、無線端末は、他の無線端末のデータ処理機能を借用してデータ処理を実行して、その処理結果を無線回線を介して受信することにより、自無線端末が備えていないデータ処理機能について、そのデータ処理機能を備えた無線端末を、プロファイル提示要求によって容易に識別可能であり、各種の応用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施例1の概要説明図である。
【図2】本発明の実施例2のデータ処理の概要を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例3の無線端末間の貸借の手順の概略説明図である。
【図4】本発明の実施例4の貸借処理のシーケンス説明図である。
【図5】本発明の実施例4の貸借処理のシーケンス説明図である。
【図6】本発明の実施例4の貸借処理のシーケンス説明図である。
【図7】本発明の実施例4の貸借結果についてのシーケンス説明図である。
【図8】本発明の実施例5の無線端末のプロファイルの一例の説明図である。
【図9】本発明の実施例5の借用時の動作フローチャートである。
【図10】本発明の実施例5の借用プロファイルの一例の説明図である。
【図11】本発明の実施例5の貸与可否判断のフローチャートである。
【図12】本発明の実施例5の貸与判定時と借用回答時とのプロファイルの説明図である。
【図13】本発明の実施例6の貸与側無線端末の貸与分の説明図である。
【図14】本発明の実施例7の貸与側と借用側との連絡の説明図である。
【図15】本発明の実施例7の貸与側と借用側との連絡の説明図である。
【符号の説明】
【0044】
MS1 借用側無線端末
MS2 貸与側無線端末
BS 無線基地局
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に無線回線を介して通信が可能の状態として、データ処理機能を借用する借用側無線端末は、前記データ処理機能を貸与する貸与側無線端末に前記無線回線を介してデータ処理を依頼し、該貸与側無線端末は、前記借用側無線端末から依頼されたデータ処理の結果を前記無線回線を介して前記借用側無線端末に送信する処理過程を含む
ことを特徴とする無線端末間貸借制御方法。
【請求項2】
前記借用側無線端末は、前記無線回線を介して複数の前記貸与側無線端末に対してそれぞれ異なるデータ又は分割したデータの処理を依頼し、前記複数の貸与側無線端末に於けるそれぞれのデータ処理結果を、前記無線回線を介して受領する過程を含むことを特徴とする請求項1記載の無線端末間貸借制御方法。
【請求項3】
前記借用側無線端末に於いて所望のサービスを利用する時に、該サービスを利用する為のソフトウェアを備えている前記貸与側無線端末に対して該ソフトウェアによるデータ処理を、前記無線回線を介して依頼し、該貸与側無線端末に於いて処理した結果を、前記無線回線を介して前記借用側無線端末に於いて受領する過程を含むことを特徴とする請求項1記載の無線端末間貸借制御方法。
【請求項4】
前記借用側無線端末は、自無線端末のプロファイルと前記貸与側無線端末から提示されたプロファイルとを基に前記貸与側無線端末に依頼する借用内容を決定し、該借用内容を前記貸与側無線端末に前記無線回線を介して送信して借用依頼を行い、該貸与側無線端末は、自無線端末の処理状況と前記借用内容とを基に借用依頼を受付けるか否かを判定し、借用依頼を受付ける時は、貸与条件を含む借用回答を、前記無線回線を介して前記借用側無線端末に送信し、該借用側無線端末は、処理内容を含む借用確認を前記無線回線を介して前記貸与側無線端末に送信してデータ処理を依頼する過程を含むことを特徴とする請求項1記載の無線端末間貸借制御方法。
【請求項5】
前記貸与側無線端末は、前記借用側無線端末に対する前記借用回答に認証コードを付加して前記無線回線を介して送信し、前記借用側無線端末は、前記借用確認に前記認証コードを付加して前記無線回線を介して送信し、前記貸与側無線端末は、前記借用回答に付加した前記認証コードと、前記借用確認に付加した前記認証コードとを照合し、照合一致の時は正当な借用確認と認定して依頼されたデータ処理を行い、照合不一致の時は不当な借用確認と判定して処理を中止する過程を含むことを特徴とする前記請求項4記載の無線端末間貸借制御方法。
【請求項6】
前記借用側無線端末は、複数の前記貸与側無線端末のプロファイルを前記無線回線を介して収集し、借用希望条件に最も適したプロファイルを有する貸与側無線端末を選択して、該貸与側無線端末に対して前記無線回線を介してデータ処理依頼を行う過程を含むことを特徴する前記請求項1乃至5の何れか1項記載の無線端末間貸借制御方法。
【請求項7】
前記貸与側無線端末は、自無線端末の無線受信状態と処理負荷状態と電池残量とに応じて、前記借用側無線端末から依頼されたデータ処理の条件を変更し、データ処理の状況を前記借用側無線端末に前記無線回線を介して通知する過程を含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の無線端末間貸借制御方法。
【請求項1】
相互に無線回線を介して通信が可能の状態として、データ処理機能を借用する借用側無線端末は、前記データ処理機能を貸与する貸与側無線端末に前記無線回線を介してデータ処理を依頼し、該貸与側無線端末は、前記借用側無線端末から依頼されたデータ処理の結果を前記無線回線を介して前記借用側無線端末に送信する処理過程を含む
ことを特徴とする無線端末間貸借制御方法。
【請求項2】
前記借用側無線端末は、前記無線回線を介して複数の前記貸与側無線端末に対してそれぞれ異なるデータ又は分割したデータの処理を依頼し、前記複数の貸与側無線端末に於けるそれぞれのデータ処理結果を、前記無線回線を介して受領する過程を含むことを特徴とする請求項1記載の無線端末間貸借制御方法。
【請求項3】
前記借用側無線端末に於いて所望のサービスを利用する時に、該サービスを利用する為のソフトウェアを備えている前記貸与側無線端末に対して該ソフトウェアによるデータ処理を、前記無線回線を介して依頼し、該貸与側無線端末に於いて処理した結果を、前記無線回線を介して前記借用側無線端末に於いて受領する過程を含むことを特徴とする請求項1記載の無線端末間貸借制御方法。
【請求項4】
前記借用側無線端末は、自無線端末のプロファイルと前記貸与側無線端末から提示されたプロファイルとを基に前記貸与側無線端末に依頼する借用内容を決定し、該借用内容を前記貸与側無線端末に前記無線回線を介して送信して借用依頼を行い、該貸与側無線端末は、自無線端末の処理状況と前記借用内容とを基に借用依頼を受付けるか否かを判定し、借用依頼を受付ける時は、貸与条件を含む借用回答を、前記無線回線を介して前記借用側無線端末に送信し、該借用側無線端末は、処理内容を含む借用確認を前記無線回線を介して前記貸与側無線端末に送信してデータ処理を依頼する過程を含むことを特徴とする請求項1記載の無線端末間貸借制御方法。
【請求項5】
前記貸与側無線端末は、前記借用側無線端末に対する前記借用回答に認証コードを付加して前記無線回線を介して送信し、前記借用側無線端末は、前記借用確認に前記認証コードを付加して前記無線回線を介して送信し、前記貸与側無線端末は、前記借用回答に付加した前記認証コードと、前記借用確認に付加した前記認証コードとを照合し、照合一致の時は正当な借用確認と認定して依頼されたデータ処理を行い、照合不一致の時は不当な借用確認と判定して処理を中止する過程を含むことを特徴とする前記請求項4記載の無線端末間貸借制御方法。
【請求項6】
前記借用側無線端末は、複数の前記貸与側無線端末のプロファイルを前記無線回線を介して収集し、借用希望条件に最も適したプロファイルを有する貸与側無線端末を選択して、該貸与側無線端末に対して前記無線回線を介してデータ処理依頼を行う過程を含むことを特徴する前記請求項1乃至5の何れか1項記載の無線端末間貸借制御方法。
【請求項7】
前記貸与側無線端末は、自無線端末の無線受信状態と処理負荷状態と電池残量とに応じて、前記借用側無線端末から依頼されたデータ処理の条件を変更し、データ処理の状況を前記借用側無線端末に前記無線回線を介して通知する過程を含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の無線端末間貸借制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−233991(P2008−233991A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68713(P2007−68713)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.Linux
3.JAVA
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.Linux
3.JAVA
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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