熱均一性が強化された加熱装置及びその製造方法
【課題】 本発明は、全体的に半導体処理チャンバ内の基板に比較的均一な温度分布をもたらし、或いはプレス形成ガラスレンズ用の金属金型又はセラミック成形型を加熱するための加熱装置に関する。
【解決手段】 基板の表面温度を調整/制御するための加熱装置が提供される。少なくとも1つの熱分解グラファイト(TPG)層は、ヒータ内に埋め込まれ、加熱装置内の種々の構成要素の温度差を拡散し、基板上の最高温度点と最低温度点との間の差が10℃よりも小さい、比較的均一な基板温度に対して基板の表面温度の時間的及び空間的制御を可能にする。
【解決手段】 基板の表面温度を調整/制御するための加熱装置が提供される。少なくとも1つの熱分解グラファイト(TPG)層は、ヒータ内に埋め込まれ、加熱装置内の種々の構成要素の温度差を拡散し、基板上の最高温度点と最低温度点との間の差が10℃よりも小さい、比較的均一な基板温度に対して基板の表面温度の時間的及び空間的制御を可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に半導体処理チャンバ内の基板に比較的均一な温度分布をもたらし、或いはプレス形成ガラスレンズ用の金属金型又はセラミック成形型を加熱するための加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの半導体プロセスは通常、真空環境、すなわち内部に配置されるウェーハ基板を支持する組立体を含む密閉チャンバ内で実施される。半導体プロセスでは、加熱装置は通常、支持体を加熱するために加熱装置内に配置された電極を有することができ、更にセラミック支持体すなわち静電チャック又はESC(サセプタとも呼ばれる)に対してウェーハ又は基板を静電気的に保持する電極を有することができるセラミック支持体を含む。堆積、エッチング、注入、酸化、その他を含む半導体デバイス製造プロセスは、チャンバ内で行うことができる。堆積プロセスの実施例として、スパッタ堆積として知られる物理的蒸着(PVD)プロセスを想起することができ、ここでは、一般にウェーハ基板上に堆積されることになる材料からなるターゲットが基板上に支持され、通常はチャンバの上部に固定される。プラズマは、基板とターゲットとの間に供給されたアルゴンなどの気体から形成される。ターゲットは、プラズマ内部のイオンをターゲットに向かって加速させるようにバイアスされている。プラズマイオンはターゲット材料と相互作用して、材料の原子をスパッタリングで取り出し、チャンバを通ってウェーハに進み、集積回路(IC)に処理されている半導体ウェーハの表面上に再堆積する。他の堆積プロセスは、限定ではないが、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、高密度プラズマ化学蒸着(HDP−CVD)、低圧化学蒸着(LPCVD)、減圧化学蒸着(SACVD)、金属有機化学蒸着(MOCVD)、分子線蒸着(MBE)、その他を含むことができる。
【0003】
上述のプロセスの幾つかにおいて、支持体を加熱することによりウェーハを加熱するのが望ましい。堆積、エッチング、注入、その他が行われている材料の化学反応速度は、ウェーハの温度によってある程度制御される。ウェーハの表面全体にわたる堆積、エッチング、注入、その他における望ましくない不均一は、ウェーハ域全体にわたってウェーハの温度が過度に変化する場合に容易に生じる可能性がある。殆どの場合には、ウェーハ上の種々の位置で製造されている他のICが、望ましいものを上回る規準から逸脱した電子的特徴を有することになるので、堆積、エッチング、注入はほぼ完全な程度に均一であるのが非常に望ましい。
【0004】
成形非球面レンズは、このレンズが低コストで好性能であることにより、民生用カメラ、カメラ付き携帯電話、及びCDプレーヤーで通常用いられる。これらはまた、レーザダイオードコリメーション、並びに光ファイバーを出入する光の結合に通常用いられる。非球面レンズを作るためのガラス質量体の成形において、一組の金属又はセラミック成形型が用いられる。このプロセスでは、複数のヒータを用いてガラス質量体が軟化されるまで成形型が加熱され、ガラス質量体の温度は最高600℃まで達することができる。半導体処理チャンバと同様に、成形型は均一に加熱され、成形型の温度が綿密に制御されるのが望ましい。
【0005】
種々の試みでは、従来技術のウェーハ又は成形レンズ等の基板の温度を制御するようになされてきた。半導体プロセスの1つの実施例では、不活性冷却ガス(ヘリウム又はアルゴン等)は、ウェーハの底部とウェーハを保持するESCの上部との間の単一の薄い空間内部に単一圧力で入れられる。ゾーン冷却すなわち均一温度制御の必要性に対処する別の従来技術の方法は、表面粗さを変更するか又はレリーフパターンをカットして、局所接触域を効果的に変化させることである。ゾーン冷却の必要性に対処する更に別の方法は、冷却ガスを用いて、その圧力を変更し熱輸送を増大させ微調整することである。
【0006】
特許文献1では、接着材料を使用し、すなわち、接着材料の第1の層が金属プレート及びヒータを温度制御ベースの上面に結合し、接着材料の第2の層は金属プレートの上面に誘電体材料を結合することによって基板の温度を制御している。接着剤は、熱パターンを様々な外部プロセス条件下で維持することを可能にする物理的特性を有する。
【0007】
半導体デバイス製造におけるウェーハの処理中及び同様のプロセスでの他の基板において、比較的均一な温度分布を基板に提供する加熱装置、並びに該加熱装置上に載置された基板の温度を制御するための方法の必要性が依然としてある。
【特許文献1】米国特許公報第2006/0144516A1号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様では、本発明は、プロセスチャンバ内の基板を支持し、基板の表面温度を調整するための装置であって、基板を支持するように適合された上面を有するベース支持体と、基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するための加熱素子と、基板内に配置され、支持されている基板に平行な平面内で少なくとも1000W/m℃の熱伝導率を有する熱分解グラファイト(TPG)材料の1つの層とを含み、基板の表面温度が、該基板の表面上の最低温度点と最高温度点との間の最大温度変化が10℃に調整される装置に関する。
【0009】
別の態様の本発明は、基板を支持するように適合された上面を有するベース支持体と、基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するための加熱素子と、基板内に配置され、支持されている基板に平行な面内で少なくとも1000W/m℃の熱伝導率を有する熱分解グラファイト(TPG)材料の1つの層とを含み、基板の表面温度が該基板の表面上の最低温度点と最高温度点との間の最大温度変化が10℃に調整される装置上で該基板を処理することによって基板の表面温度を調整する方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書で用いられる類似の用語は、関連する基本機能の変化を生じることなく変えることができるあらゆる定量的表現を修飾するのに適用することができる。従って、「約」及び「実質的に」などの1つ又は複数の用語が修飾する数値は、場合によっては特定された正確な数値に限定されない場合がある。
【0011】
本明細書で用いられる「加熱装置」は、具体的に基板を加熱又は冷却することによって装置上で支持される基板の温度を調整する少なくとも1つの加熱及び/又は冷却素子を含む装置を意味する、「処理装置」、「ヒータ」、「静電チャック」、「チャック」、又は「プロセス装置」と同じ意味で用いることができる。
【0012】
本明細書で用いられる用語「基板」は、本発明のプロセス装置によって支持/加熱されている半導体ウェーハ又はガラス成形型を意味する。本明細書で用いられる用語「シート」は、「層」と同義的に用いることができる。
【0013】
本明細書で用いられる用語「回路」は、「電極」と同義的に用いることができ、用語「加熱素子」は、「加熱電極」、「電極」、「抵抗器」、「加熱抵抗器」、又は「ヒータ」と同義的に用いることができる。用語「回路」は、少なくとも1つのユニットが存在することを意味する単一又は複数形のいずれにも用いることができる。
【0014】
本明細書で用いられるように、熱均一性又は比較的均一な温度とは、基板上の最高温度点と最低温度点との差が10℃よりも小さいことを意味する。1つの実施形態では、熱均一性とは、基板温度が最高温度点と最低温度点との間の差が7℃よりも小さくなる状態で比較的均一であることを意味する。更に別の実施形態では、基板温度は、変動範囲が5℃よりも小さな範囲内に維持される。第4の実施形態では、基板温度は、2℃よりも小さな変動で均一に維持される。
【0015】
半導体ウェーハ又はガラスレンズ等の基板を処理するためのプラズマチャンバにおいて、基板温度はプロセスに大きな影響を与える。処理中の基板温度を均一に調整するプロセス装置では、装置が基板の表面温度の時間的制御及び空間的制御を行えるのが望ましい。グラファイトは、熱を好ましい方向に配向する固有の能力を備えた異方性材料である。熱分解グラファイト(TPG)は、かなりの大きさの微結晶からなる固有のグラファイト材料であり、この微結晶は互いに対して高度に位置合わせ又は配向され、秩序付けられた炭素層又は高度の好ましい微結晶配向性を有する。TPGは、「高配向性熱分解グラファイト」(「HOPG」)、又は圧縮アニール熱分解グラファイト(「CAPG」)と同義的に用いることができる。TPGは、極めて熱伝導性があり、1000W/m−Kよりも大きな面内(a−b方向)熱伝導率を有するが、面外(z−方向)の熱伝導率は20から30W/m−Kまでの範囲内にある。1つの実施形態では、TPGは、1,500W/m−Kよりも大きな面内熱伝導率を有する。
【0016】
加熱装置の種々の実施形態では、TPGの少なくとも1つの層は、基板の表面温度の空間制御を行い、加熱装置内の種々の構成要素の温度差を拡散させるためにヒータ内に埋め込まれ、例えば一様でない不完全な接触面を有する加熱素子に対してもターゲット基板の温度が比較的均一になるようにすることができる。動作中に、半導体ウェーハ基板又はガラス成形型は通常、少なくとも300℃の温度まで加熱され、次いで室温まで冷却される。TPGの少なくとも1つの埋め込み層を有する加熱装置は、加熱/冷却素子と基板との間の効果的な熱伝導/冷却を可能にし、優れた熱均一性を有する。
【0017】
1つの実施形態では、TPG層は、0.005mm以内の厚み変動(平行度)で約0.5mmから15mmまでの範囲の厚さを有する。別の実施形態では、TPG層は、1mmから10mmまでの範囲内の厚さを有する。第3の実施形態では、TPG層は、2mmから8mmまでの範囲内の厚さを有する。TPG層は、単独で単一層として本発明のヒータ内に埋め込むことができ、又は金属基板を有するヒータ(図2及び図3A−3C参照)の1つの実施形態では、TPG層は、例えば、構造的金属シェル内に封入されたTPGコア等の封入形態とすることができる。封入TPGは、米国オハイオ州のストロングズビルのGE Advanced CeramicsからTC1050(登録商標)封入TPGとして商業的に入手可能である。TPGは、隣接する単一シートとして、又は図5B及び図7Eに示す1つの実施形態では重なり/モザイク構成の複数のより小さなTPG片としてヒータ内に組み込むことができる。
【0018】
1つの実施形態では、TPGは、下にある基板及びオーバーコートが接触する場合、これらを単に接着することによってヒータ内部に所定位置に保持され埋め込まれる。別の実施形態では、TPG(純粋なTPGシート形態で、又は金属ケーシング内の封入TPGコアとして、矩形、四角片等の小片サイズ、任意サイズ、又は「ストリップ」の形態の純粋熱分解グラファイトとして)、例えば、熱輸送係数を有するシリコン結合であるArmcoからのCERAMBONDのような当該技術分野で公知の高温接着剤を用いて所定位置に接着される。
【0019】
加熱装置の実施形態は、利用されている材料、構成要素の組立体、組立体の製造プロセスの説明、更に図の参照によっても以下の通り示される。
【0020】
加熱装置の一般的な実施形態:
【0021】
1つの実施形態では、加熱装置33は、図1に示す通りであり、基板内に埋もれた電極16(図示せず)を有する円盤状金属又はセラミック基板12を含み、その上面13は、例えば標準的な直径300mmを有するウェーハ又はガラス成形型Wなどの基板用の支持表面として機能する。1つの実施形態では、上面13は、基板Wの温度制御を更に強化するために高度な平面度(表面変化0.05mm以内)で作られる。加熱抵抗器に電気を供給するための電気端子15は、基板12の底面の中央、或いは1つの実施形態では基板12の側面に取り付けることができる。
【0022】
1つの実施形態では、上面13は温度が比較的均一であり、すなわち上面の最高温度と最低温度との間の差が10℃よりも小さい。第2の実施形態では、温度差は5℃よりも小さい。上面13の温度均一性では、加熱されている基板Wの均一な温度に相当する。1つの実施形態では、基板Wは、5℃の最高温度変動、第2の実施形態では2℃の最高温度変動を有する。
【0023】
加熱装置では、1つ又はそれ以上の電極を用いることができる。用途に応じて、電極は抵抗加熱素子、プラズマ発生電極、静電チャック電極、又は電子線電極として機能することができる。電極は、上部(ウェーハ基板の近く)又は底部(ウェーハ基板から離れて)に向かってヒータの基板内部に埋め込むことができる。底部位置は、ウェーハ基板に対して電極のパターンを拡散させ、熱分布を助けることができる。
【0024】
1つの実施形態では、電極は、薄膜電極の形態であり、スクリーン印刷、スピンコーティング、プラズマ溶射、噴霧熱分解、反応性溶射堆積、ゾルゲル、燃焼トーチ、電気アーク、イオンメッキ、イオン注入、スパッタリング堆積、レーザアブレーション、蒸発、電気メッキ、及びレーザ表面合金化を含む当該技術分野で公知のプロセスによって形成される。1つの実施形態では、薄膜電極は、例えば、タングステン、モリブデン、レニウム及びプラチナ又はこれらの合金等の高融点を有する金属を含む。別の実施形態では、薄膜電極は、ハフニウム、ジルコニウム、セリウム、及びこれらの混合物の炭化物又は酸化物の少なくとも1つを含む。
【0025】
別の実施形態では、電極層は、熱分解グラファイトの細長い連続ストリップの形態である。熱分解グラファイト(「PG」)は、最初に、化学蒸着のような当該技術分野で公知のプロセスを介して、例えば熱分解窒化ホウ素コーティンググラファイトベース等のヒータベース上に堆積される。次いでPGは、例えば、螺旋、蛇行、その他の所定のパターンに機械加工される。加熱ゾーンの電気パターンすなわち電気的に絶縁された抵抗加熱経路の形成は、限定ではないが、マイクロ機械加工、マイクロブレーディング、レーザ切断、化学エッチング、又は電子ビームエッチングを含む当該技術分野で公知の技術によって行うことができる。
【0026】
金属ヒータ:
ヒータの実施形態は、図2に示すように従来技術のヒータの種々の実施形態を最初に参照することによって説明することができる。図2では、従来技術のヒータ33は、例えば、A6061のような銅又はアルミニウム合金等の高温材料で作られた金属基板1000を含む。電極4001は、金属基板1000内に埋め込まれている。1つの実施形態の電極は、Calrod(登録商標)加熱素子として商業的に入手可能な熱伝導性セラミック絶縁体で囲まれた電線を含む。1つの実施形態では、Calrod(登録商標)加熱素子は、ヒータの上面全体にわたって調整された熱分布を提供するために不均一な蛇行パターンを有する。
【0027】
図2に示す従来技術の典型的な実施形態では、埋め込み加熱素子4001によって発生した温度は、均一に分布されず、すなわちT1−T2は、実質的に50℃又はそれ以上の差がある可能性がある。結果として、例えば、T1’及びT2’等のヒータの上部側の温度は、一般に20℃以上となる可能性のある温度差を有し、いずれも均一には分布されないことになる。続いて、基板W上の温度分布は、10℃を超える可能性がある2つの温度端点間の温度差を有し、均一に分布されないことになる。不均一ウェーハ温度(例えば、T1”−T2”>10℃)は、これが半導体デバイス製造における収率損失を生じる可能性があるので、半導体プロセスの観点から望ましくない。
【0028】
図3A−3Cに示す金属ヒータの実施形態では、少なくとも1つのTPGヒートスプレッダ600は、金属基板1000内に埋め込まれ、基板W全体にわたって比較的均一な温度で空間的に分布し、基板Wに対し熱除去及び/又は分布を調整する。1つの実施形態では、ヒートスプレッダ600は、構造的金属シェル内部に封入されたTPGのコアを含む。
【0029】
図3Aは、熱伝導性セラミック絶縁体(図示せず)によって囲まれ、金属基板1000内に埋め込まれた電線の形態で、電極4001を有する金属ヒータの1つの実施形態を示す。図3Bは、金属基板と、金属ベース基板18上に電気的に絶縁されて形成された5μmから1000μmの範囲の厚さを有する薄膜電極4001とを備えたヒータの別の実施形態を示す。図3Cは、金属基板を備えたヒータ33の更に別の実施形態を示す。金属基板1は、銅又はアルミニウム合金を含み、複数の水冷却通路2及び電気加熱コイル3を収容する。金属基板1の上面は、ダイヤモンド状炭素(DLC)を含む2つの誘電体層5と7間に挟まれた導電性電極層6を含む。TPG層4が、ヒータ3、冷却器2、及び上面の間に重ね合わせられる。
【0030】
TPG層は、その異方性熱伝導性により、ヒータ33(図示せず)上に置かれたウェーハに対して熱伝導性を強化し、温度分布を調整する。ヒータ組立体の外側は、更に熱均一性を強化するためにアルミニウムなどの熱絶縁材料の環状リング8を備える。
セラミックコアヒータ:
セラミックコアを有するヒータの実施形態は、図4に示すように従来技術のセラミックコアヒータを最初に参照することによって説明することができる。セラミックコアヒータでは、ベース基板10は、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属、及びこれらの組合せからなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、及び酸窒化物のグループから選択された電気絶縁金属(例えば、焼結基板)を含む。ベース基板10は、高耐摩耗性及び高耐熱特性を有する特徴がある。1つの実施形態では、ベース基板10は、99.7%を超える純度のAIN、並びにY2O3、Er2O3、及びこれらの組合せから選択された焼結剤を含む。
【0031】
ベース基板10は、電気的に絶縁しているオーバーコート層30でコーティングされる。1つの実施形態では、層30とベース基板10との間の接着を強化するのに役立つ任意選択の結合層(図示せず)がある。導電性材料の実施例は、グラファイト;W及びMo等の耐熱性金属、遷移金属、希土類金属及び合金;ハフニウム、ジルコニウム、及びセリウムの酸化物及び炭化物、並びにこれらの混合物を含む。
【0032】
オーバーコート層30に関して、層30は、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸窒化物;アルミニウムの酸化物、酸窒化物;及びこれらの組合せ;NaZr2(PO4)3のNZP構造を有する高熱安定化リン酸ジルコニウム;2a族、3a族及び4a族の元素からなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むガラスセラミック組成物;BaO−Al2O3−B2O3−SiO2ガラス;並びにSiO2とY、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dy又は同様のものの酸化物を含むプラズマ抵抗材料との混合物、或いはこれらの金属のうちの1つのフッ化物、もしくはイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG);及びこれらの組合せの少なくとも1つを含む。
【0033】
任意選択の結合層に関して、該結合層は、Alと、Siと、Ta、W、Moを含む耐熱性金属と、チタニウム、クロミウム、鉄を含む遷移金属と、これらの混合物とから選択された元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物の少なくとも1つを含む。実施例は、TiC、TaC、SiC、MoC、及びこれらの混合物を含む。
【0034】
最適化回路設計を有する導電電極41は、セラミック基板10内上に形成される。電極41は、タングステン、モリブデン、レニウム及びプラチナ又はこれらの合金;周期律表のIVa、Va及びVIa族に属する金属の炭化物及び窒化物;ハフニウム、ジルコニウム、及びセリウムの炭化物又は酸化物、並びにこれらの組合せのグループから選択された材料を含む。1つの実施形態では、電極41は、基板10(又は基板10のコーティング層30)のCTEに密接に適合するCTEを有する材料を含む。CTEに密接に適合することによって、第2の材料のCTEは、0.75から1.25までの範囲のCTEを有する1つの材料であることを意味する。
【0035】
従来技術のヒータ内の基板W上の温度分布は、例えば、T1”−T2”>10℃のように通常は均一には分布されない。図5Aから図5Eに示すセラミックコアを有するヒータの種々の実施形態では、埋め込みTPGヒートスプレッダ600は、比較的均一な温度分布を備えた基板W全体にわたって比較的均一な温度で空間的に分布し、基板Wに対して熱除去及び/又は分布を調整し、1つの実施形態では10℃よりも小さく、別の実施形態では5℃よりも小さいT1”−T2”を有する。
【0036】
図5Aに示す1つの実施形態では、少なくとも1つのTPG層600は、最終の焼結プロセス前に素地の2層(又はスラブ)間に挿入される。別の実施形態では、TPG層は、ホットプレスの前に、例えばAIN等のセラミック材料に挿入される。更に別の実施形態では、TPG層(純粋TPG又は封入TPGの形態で)は、これに限定されないが、スリップキャストを含む当該技術分野で公知のプロセスを介してセラミック基板内に埋め込まれる。TPGが埋め込まれた後、電極41はセラミック基板10上にパターン形成され、続いて、ベース基板及び電極41が、電気絶縁層30でオーバーコートされる。
【0037】
図5Bに示すヒータの別の実施形態では、TPGの2つの層は、セラミック基板内で用いられる。図示のように、セラミック材料層間の接着を促進するためにTPG層を突き抜ける孔がある。またこの孔は、良好な温度分布及び調整のために互いにオフセットして位置付けることができる。
【0038】
図5Cでは、TPG層は、上記の実施形態のようにはセラミック基板10内に埋め込まれていない。この実施形態では、TPG層は、オーバーコート30を施工する前にセラミック基板10(電極41の反対側)の上部に配置される。別の実施形態では、TPG層600は、オーバーコート30が施工される前に最初にセラミック基板10に堅固に接着される。
【0039】
図5Dでは、ヒータ33が提供され、TPG層600は、セラミックコーティング層又は結合層(図示せず)で最初にコーティングされた後、焼結によってセラミック基板10内に埋め込まれる。1つの実施形態では、TPG層600用のコーティングは、Alと、Siと、Ta、W、Moを含む耐熱性金属と、チタニウム、クロミウム、鉄を含む遷移金属と、並びにこれらの混合物とから選択された元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物の少なくとも1つを含む。
【0040】
図5Eは、ヒータが更に静電チャックとしても機能する実施形態を示す。この実施形態では、層70及び層72は、例えば、アルミナ又はダイヤモンド状炭素(DLC)等の同じ又は異なる誘電体材料を含む。層71は、例えば、金属化膜のような導電層のチャック電極である。層は、当該技術分野で公知の高温接着を用いて互いに及び基板10に結合される。少なくとも1つのTPG層(TPGシート又は封入TPGコアとして)600は、当該技術分野で公知のセラミック製造法を用いてセラミックコア10内にパターン形成されて埋め込まれる。
【0041】
図5Fでは、熱分解グラファイト層600は、当該技術分野で公知のセラミック製造法を用いてセラミックコア10内にパターン形成され埋め込まれるが、この実施形態ではTPG層600は更に、連続電極及び熱スプレッダとして機能する。TPGはまた、抵抗率0.5×10−3ohm−cmを有する導電性であり、このTPGは、基板温度を調整することができるような場合には、加熱素子として機能する。更に、TPGの高温伝導性は、発生した熱をより均一に分布させるのに役立ち、従って、望ましい熱均一性を達成する助けとなる。
【0042】
図5Gでは、TPG層は、セラミック基板内に埋め込まれ、外部電源又はグランドに電気的に接続される。高温伝導平面としての機能の他に、この構成のTPG層はまた、ウェーハプロセス装置内のプラズマを強化するためのRF電極として使用され、或いはRF電磁界と加熱素子との間の電気的干渉を排除するためのRFシールドとして用いることができる。
【0043】
図5Hは、サセプタ20がヒータ33の上部に載置される実施形態を示す。TPG層600は、サセプタ20内に封入され、例えば、金属、セラミック、グラファイト、ポリマー材料又はこれらの組合せのサセプタを作るための当該技術分野で公知の材料を含む。TPGの高熱伝導性の方向は、TPG層600の平面内にある。1つの実施形態では、サセプタ20はアルミニウムを含む。別の実施形態では、サセプタ20は、TPG層600が封入される陽極酸化アルミニウムを含む。
【0044】
図5Iの実施形態では、複数のより小さなTPG片又はストリップが垂直方向に重なり合う構成で用いられ、「ストリップ」を形成する。1つの実施形態では、TPGストリップ600Aのアレイは、TPGストリップの縦方向が実質的に互いに平行である1つの平面内のヒータに埋め込まれている。別のTPGストリップ600Bのアレイは、第1の平面600Aよりも低い別の平面内に埋め込まれ、ストリップ600Bの縦方向は第1の平面内のTPGストリップ600Aの縦方向に実質的に垂直である。両平面において、TPGの高熱伝導性方向は、TPGストリップの同じ平面内にある。図5Jは、図5Iの重なり構成の平面図である。
【0045】
グラファイトコアヒータ:
グラファイトコア基板100を有する従来技術のグラファイトコアヒータ33の実施形態について図6を参照する。グラファイトは、用途に応じてコア100として示されるが、グラファイト;W及びMo等の耐熱性金属、遷移金属、希土類金属及び合金;ハフニウム、ジルコニウム、及びセリウムの酸化物及び炭化物、並びにこれらの混合物を非限定的に含む他の導電性材料を用いてもよい。コア100は、電気的に絶縁しているオーバーコート層200と、任意選択的にオーバーコート層200とベース基板コア100との間の接着を強化するのに役立つ結合層(図示せず)とでコーティングされる。オーバーコート層200に関して、オーバーコート層は、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸窒化物;アルミニウムの酸化物;及びこれらの組合せの少なくとも1つを含む。実施例は、熱分解窒化ホウ素(pBN)である。任意選択の結合層に関して、結合層は、Alと、Siと、Ta、W、Moを含む耐熱性金属と、チタニウム、クロミウム、鉄を含む遷移金属と、並びにこれらの混合物とから選択された元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物の少なくとも1つを含む。
【0046】
電極401は、5μmから1000μmの範囲の厚さを有する薄膜電極16を含み、当該技術分野で公知のプロセスによって電気絶縁層200上に形成される。1つの実施形態では、薄膜電極401は、例えば、タングステン、モリブデン、レニウム及びプラチナ又はこれらの合金等の高融点を有する金属を含む。別の実施形態では、薄膜電極401は、ハフニウム、ジルコニウム、セリウム、及びこれらの混合物の炭化物又は酸化物の少なくとも1つを含む。1つの実施例では、18μmの膜厚を有する電解銅箔が電極401として用いられる。ヒータ33は、エッチング抵抗保護コーティング膜300で更にコーティングされ、該コーティング膜は、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属、及びこれらの組合せからなるグループから選択された原子の少なくとも窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸窒化物を含み、25℃から1000℃の温度範囲で2.0×10−6/Kから10×10−6/Kの範囲のCTEを有する。別の実施形態では、層300は、高熱安定化リン酸ジルコニウムを含む。第3の実施形態では、層300は、元素の周期律表の2a族、3a族及び4a族の元素からなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むガラスセラミック組成物を含む。好適なガラスセラミック組成物の実施例は、ランサナムアルミノシリケート(LAS)、マグネシウムアルミノシリケート(MAS)、カルシウムアルミノシリケート(CAS)、及びイットリウムアルミノシリケート(YAS)を含む。保護コーティング層300の厚さは、1μmから数百μmまで変化する、例えば、CVD、イオンメッキ、ETP、その他を用いた用途及びプロセスに応じて変わる。
【0047】
図6に示す従来技術のヒータの変形形態として、グラファイトコアを有するヒータの種々の実施形態では、ヒータは、少なくとも1つの埋め込みTPGヒートスプレッダ600を用いて、比較的均一な温度分布の基板W全体にわたって温度を分布及び/又は調整し、1つの実施形態では10℃よりも小さく、別の実施形態では5℃よりも小さなT1”−T2”を有する。ヒータ33の種々の実施形態は、図7A−図7Aに示される。
【0048】
図7Aは、TPGヒートスプレッダ600がベースコーティング200とオーバーコート層300との間のヒータ内に埋め込まれたヒータ33を示す。1つの実施形態におけるTPG層600は、オーバーコート及びベースコートが接触する場合、これらを単に接着することによって所定位置に保持される。1つの実施形態では、TPG層600は、オーバーコート及びベースコート層が連結し接着することができる選択位置で、複数のスルーホールを組み込む。別の実施形態では、TPG層600は、例えばArmcoからのCeramabond(登録商標)接着剤のような高温適合接着剤で所定位置に接着される。
【0049】
図7Bでは、TPGヒートスプレッダ600は、グラファイト基板100とベースコーティング層200(基板Wに近い上部側)との間のヒータ内に埋め込まれている。TPG600は、単に、ベースコート及び基板が接触する場合にこれらを接着することによって、又はベースコートに幾つかのスルーホールを組み込み、基板100に連結させて更に接着することによって、或いは高温接着剤を使用することによって所定位置に保持することができる。更に別の実施形態では、熱分解グラファイトは、グラファイト基板100上に堆積され、続いて熱アニールプロセスに送られ、グラファイト基板100に直接接着されるTPG層を形成する。
【0050】
図7Cは、図7Bのヒータ33の変形形態であり、の位置が変更され、該TPGヒートスプレッダ600は、グラファイト基板100とベースコーティング200との間のグラファイト基板100の底部でヒータ内に埋め込まれている。
【0051】
図7Dでは、少なくとも2つのTPGヒートスプレッダ600が使用され、ヒートスプレッダ600はグラファイト基板100とベースコーティング層200との間のヒータの上部及び底部の両方に埋め込まれている。
【0052】
図7Eは、複数のTPGヒートスプレッダ600がヒータ33の上部で用いられ/埋め込まれているヒータ33の実施形態を示す。1つの実施形態では、複数のスルーホールがTPG層600に設けられ、グラファイト基板、ベースコーティング200、及びオーバーコート300の間の接着を向上させる。別の実施形態では、より小さなTPG片が使用され、重なり合う層状のモザイク構成を形成し、孔及び境界の殆どは互いにオフセットされている。
【0053】
図示の実施形態では、電極は、最適な熱設計のためにヒータ33の底部(又は底部近く)に位置付けられている。しかしながら、ヒータ33の上部(支持ウェーハの近く)にパターン形成された電極を有し、基板上に均一な温度分布を備えたヒータに関する他の実施形態が予期される(図示していないが)。別の実施形態(図示せず)では、TPG層は、ウェーハ基板Wとヒータ33の上部に位置するパターン電極との間に位置決めされる。更に別の実施形態(図示せず)では、TPG層は、効率を改善するためにヒータ型の下に配置されて依然としてほぼ同程度の効果があり、TPG層のc方向のヒータ分布が熱流量に対する障壁になっている。
【0054】
本発明のヒータは、ガラス成形型の加工用のプラズマエッチングチャンバを含む幾つかの異なるプロセス、或いは、限定ではないが、原子層エピタキシー(ALD)、低圧CVD(LPCVD)、及びプラズマ強化CVD(PECVD)を含む半導体加工チャンバで用いることができる。
本発明は、以下の非限定的な実施例によって更に例証される。
【実施例】
【0055】
実施例では、計算流体力学(CFD)計算は、ヒータ組立体をモデル化するのに実行される。図8A及び図8Bは、従来技術のヒータと少なくとも1つの埋め込みTPG層を有するヒータの実施形態との性能を比較するために構築されたモデルの概略図である。モデルは、軸対称2−Dモデルである。
【0056】
従来技術のヒータのモデルでは、焼結AINは、160W/m−Kの等方性熱伝導率を有するセラミックコアに用いられる。本発明のヒータの実施形態のモデルでは、TPG層は、焼結AINセラミックコア内に埋め込まれている。TPG層は、水平面で1500W/m−K及び垂直面で20W/m−Kの異方性熱伝導率を有する。TPGとAINとの間の完全な接触は、計算で推測される。TPGの厚さ(th)は変化し、同様にth TPGが載置される上面からの距離(d)も変化する。
【0057】
モデルでは、単一ウェーハは、様々な入力レベルで加熱される。電力は、基板/電極系の底部の電極に入力され、温度は位置の関数として構造体の上部側で求められる。このデータから、最高温度及び最低温度の差が計算される。図示のように、表面は(想定放射率0.4で)、0℃の背景温度で自由空間に放射する。ウェーハ表面上の温度均一性は、ウェーハ表面全体にわたって載置された熱電対によって測定される最高温度と最低温度との差として定義される。有機金属化学蒸着(MOCVD)プロセスの場合には、均一性は厳しい要件である。従って、温度均一性のあらゆる摂氏温度変動が堆積プロセスに影響する。コンピュータモデルの結果は、図9−12に示される。
【0058】
図9は、10、200、及び1000Wの電力を電極内に入力した従来技術のヒータのウェーハ温度のプロファイルである。ウェーハ構造体の上部側の温度分布がモデル化される。
【0059】
図10−12は、本発明のヒータの種々の実施形態のプロファイルである。図10は、AINコア基板内に埋め込まれた1mm厚さのTPG層が使用されるヒータの温度プロファイルを示す。TPG層は、上部から2.5mmの位置に配置されるが、温度分布がTPG層の位置に対して比較的敏感であることを示している。
【0060】
図11では、かなり厚い3mm厚さのTPGが1つの実施形態のAINコアヒータ内に埋め込まれ、10,200又は1000W電力が電極内に入力される。結果、特に低電力入力で温度均一性の著しい向上を示している。この場合も同様に、このモデルの結果は、温度分布がTPG層の位置に対して比較的敏感であることを示している。
【0061】
図12では、ヒータの上部から(ウェーハから離れた)2.5mmに埋め込まれた6mm厚さのTPG層を有する構造体の上部側に著しく均一な温度分布を示している。Tmax−Tminは、電力入力レベルに応じて0.03℃から7.7℃まで変化する。図示のように、各電力レベルに対して、TPG厚さは、ウェーハ基板全体にわたる最高温度均一性、すなわち1つの実施形態では5℃よりも小さなTmax−Tminから、幾つかの用途では2℃よりも小さなTmax−Tminまで可能にするように最適化することができる。
【0062】
本明細書は、実施例を用いて、最良の形態を含む本発明を開示し、同様にあらゆる当業者が本発明を実施し利用できるようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】加熱装置の1つの実施形態を示す斜視図。
【図2】従来技術の金属ヒータの実施形態の断面図。
【図3】金属ベース基板を含むヒータの実施形態の断面図。
【図4】セラミックコアを有するヒータのための従来技術のヒータの実施形態の断面図。
【図5A】A−Cは、基板用のセラミックコアを含むヒータの実施形態の断面図。
【図5D】D−Eは、基板用のセラミックコアを含むヒータの実施形態の断面図。F−Gは、電極として熱分解グラファイト層を含むヒータの実施形態の断面図。
【図5H】Hは、熱分解層がサセプタ内に封入されるヒータの実施形態の断面図。Iは、熱分解グラファイト層が垂直方向に重なり合う構成で用いられるヒータの実施形態の断面図。Jは、Iの実施形態の平面図。
【図6】グラファイトコアを有するヒータの従来技術のヒータの実施形態の断面図。
【図7A】グラファイトコアを含むヒータの実施形態の断面図。
【図7E】グラファイトコアを含むヒータの実施形態の断面図。
【図8】Aは、従来技術(AIN基板を有する図8A)のヒータを用いる熱モジュール概略図。モジュールは、半導体プロセス動作中のウェーハ基板の表面温度を調べるために計算流体力学(CFD)計算を利用する。Bは、本発明のヒータの実施形態(AIN基板内に埋め込まれたTPG層)の概略図。
【図9】AIN基板を有する従来技術のヒータ内の基板の上部側の温度分布を示すグラフ。
【図10】AIN基板内の厚さ1mm、3mm、及び6mmの埋め込みTPG層を有する、本発明のヒータ実施形態の基板の上部側の温度分布を示すグラフ。
【図11】AIN基板内の厚さ1mm、3mm、及び6mmの埋め込みTPG層を有する、本発明のヒータ実施形態の基板の上部側の温度分布を示すグラフ。
【図12】AIN基板内の厚さ1mm、3mm、及び6mmの埋め込みTPG層を有する、本発明のヒータ実施形態の基板の上部側の温度分布を示すグラフ。
【符号の説明】
【0064】
1、10、12、18、100、1000 … 基板
2 … 冷却器
3 … ヒータ
4 … TPG層
5、7 … 誘電体層
6、16、41、4001 電極
8 … 環状リング
13 … 上面
15 … 電気端子
20 … サセプタ
30 … 層
33 … 加熱装置、ヒータ
200 … コーティング
300 … コーティング膜
600 … ヒートスプレッダ
600A、600B … TPGストリップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に半導体処理チャンバ内の基板に比較的均一な温度分布をもたらし、或いはプレス形成ガラスレンズ用の金属金型又はセラミック成形型を加熱するための加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの半導体プロセスは通常、真空環境、すなわち内部に配置されるウェーハ基板を支持する組立体を含む密閉チャンバ内で実施される。半導体プロセスでは、加熱装置は通常、支持体を加熱するために加熱装置内に配置された電極を有することができ、更にセラミック支持体すなわち静電チャック又はESC(サセプタとも呼ばれる)に対してウェーハ又は基板を静電気的に保持する電極を有することができるセラミック支持体を含む。堆積、エッチング、注入、酸化、その他を含む半導体デバイス製造プロセスは、チャンバ内で行うことができる。堆積プロセスの実施例として、スパッタ堆積として知られる物理的蒸着(PVD)プロセスを想起することができ、ここでは、一般にウェーハ基板上に堆積されることになる材料からなるターゲットが基板上に支持され、通常はチャンバの上部に固定される。プラズマは、基板とターゲットとの間に供給されたアルゴンなどの気体から形成される。ターゲットは、プラズマ内部のイオンをターゲットに向かって加速させるようにバイアスされている。プラズマイオンはターゲット材料と相互作用して、材料の原子をスパッタリングで取り出し、チャンバを通ってウェーハに進み、集積回路(IC)に処理されている半導体ウェーハの表面上に再堆積する。他の堆積プロセスは、限定ではないが、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、高密度プラズマ化学蒸着(HDP−CVD)、低圧化学蒸着(LPCVD)、減圧化学蒸着(SACVD)、金属有機化学蒸着(MOCVD)、分子線蒸着(MBE)、その他を含むことができる。
【0003】
上述のプロセスの幾つかにおいて、支持体を加熱することによりウェーハを加熱するのが望ましい。堆積、エッチング、注入、その他が行われている材料の化学反応速度は、ウェーハの温度によってある程度制御される。ウェーハの表面全体にわたる堆積、エッチング、注入、その他における望ましくない不均一は、ウェーハ域全体にわたってウェーハの温度が過度に変化する場合に容易に生じる可能性がある。殆どの場合には、ウェーハ上の種々の位置で製造されている他のICが、望ましいものを上回る規準から逸脱した電子的特徴を有することになるので、堆積、エッチング、注入はほぼ完全な程度に均一であるのが非常に望ましい。
【0004】
成形非球面レンズは、このレンズが低コストで好性能であることにより、民生用カメラ、カメラ付き携帯電話、及びCDプレーヤーで通常用いられる。これらはまた、レーザダイオードコリメーション、並びに光ファイバーを出入する光の結合に通常用いられる。非球面レンズを作るためのガラス質量体の成形において、一組の金属又はセラミック成形型が用いられる。このプロセスでは、複数のヒータを用いてガラス質量体が軟化されるまで成形型が加熱され、ガラス質量体の温度は最高600℃まで達することができる。半導体処理チャンバと同様に、成形型は均一に加熱され、成形型の温度が綿密に制御されるのが望ましい。
【0005】
種々の試みでは、従来技術のウェーハ又は成形レンズ等の基板の温度を制御するようになされてきた。半導体プロセスの1つの実施例では、不活性冷却ガス(ヘリウム又はアルゴン等)は、ウェーハの底部とウェーハを保持するESCの上部との間の単一の薄い空間内部に単一圧力で入れられる。ゾーン冷却すなわち均一温度制御の必要性に対処する別の従来技術の方法は、表面粗さを変更するか又はレリーフパターンをカットして、局所接触域を効果的に変化させることである。ゾーン冷却の必要性に対処する更に別の方法は、冷却ガスを用いて、その圧力を変更し熱輸送を増大させ微調整することである。
【0006】
特許文献1では、接着材料を使用し、すなわち、接着材料の第1の層が金属プレート及びヒータを温度制御ベースの上面に結合し、接着材料の第2の層は金属プレートの上面に誘電体材料を結合することによって基板の温度を制御している。接着剤は、熱パターンを様々な外部プロセス条件下で維持することを可能にする物理的特性を有する。
【0007】
半導体デバイス製造におけるウェーハの処理中及び同様のプロセスでの他の基板において、比較的均一な温度分布を基板に提供する加熱装置、並びに該加熱装置上に載置された基板の温度を制御するための方法の必要性が依然としてある。
【特許文献1】米国特許公報第2006/0144516A1号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様では、本発明は、プロセスチャンバ内の基板を支持し、基板の表面温度を調整するための装置であって、基板を支持するように適合された上面を有するベース支持体と、基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するための加熱素子と、基板内に配置され、支持されている基板に平行な平面内で少なくとも1000W/m℃の熱伝導率を有する熱分解グラファイト(TPG)材料の1つの層とを含み、基板の表面温度が、該基板の表面上の最低温度点と最高温度点との間の最大温度変化が10℃に調整される装置に関する。
【0009】
別の態様の本発明は、基板を支持するように適合された上面を有するベース支持体と、基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するための加熱素子と、基板内に配置され、支持されている基板に平行な面内で少なくとも1000W/m℃の熱伝導率を有する熱分解グラファイト(TPG)材料の1つの層とを含み、基板の表面温度が該基板の表面上の最低温度点と最高温度点との間の最大温度変化が10℃に調整される装置上で該基板を処理することによって基板の表面温度を調整する方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書で用いられる類似の用語は、関連する基本機能の変化を生じることなく変えることができるあらゆる定量的表現を修飾するのに適用することができる。従って、「約」及び「実質的に」などの1つ又は複数の用語が修飾する数値は、場合によっては特定された正確な数値に限定されない場合がある。
【0011】
本明細書で用いられる「加熱装置」は、具体的に基板を加熱又は冷却することによって装置上で支持される基板の温度を調整する少なくとも1つの加熱及び/又は冷却素子を含む装置を意味する、「処理装置」、「ヒータ」、「静電チャック」、「チャック」、又は「プロセス装置」と同じ意味で用いることができる。
【0012】
本明細書で用いられる用語「基板」は、本発明のプロセス装置によって支持/加熱されている半導体ウェーハ又はガラス成形型を意味する。本明細書で用いられる用語「シート」は、「層」と同義的に用いることができる。
【0013】
本明細書で用いられる用語「回路」は、「電極」と同義的に用いることができ、用語「加熱素子」は、「加熱電極」、「電極」、「抵抗器」、「加熱抵抗器」、又は「ヒータ」と同義的に用いることができる。用語「回路」は、少なくとも1つのユニットが存在することを意味する単一又は複数形のいずれにも用いることができる。
【0014】
本明細書で用いられるように、熱均一性又は比較的均一な温度とは、基板上の最高温度点と最低温度点との差が10℃よりも小さいことを意味する。1つの実施形態では、熱均一性とは、基板温度が最高温度点と最低温度点との間の差が7℃よりも小さくなる状態で比較的均一であることを意味する。更に別の実施形態では、基板温度は、変動範囲が5℃よりも小さな範囲内に維持される。第4の実施形態では、基板温度は、2℃よりも小さな変動で均一に維持される。
【0015】
半導体ウェーハ又はガラスレンズ等の基板を処理するためのプラズマチャンバにおいて、基板温度はプロセスに大きな影響を与える。処理中の基板温度を均一に調整するプロセス装置では、装置が基板の表面温度の時間的制御及び空間的制御を行えるのが望ましい。グラファイトは、熱を好ましい方向に配向する固有の能力を備えた異方性材料である。熱分解グラファイト(TPG)は、かなりの大きさの微結晶からなる固有のグラファイト材料であり、この微結晶は互いに対して高度に位置合わせ又は配向され、秩序付けられた炭素層又は高度の好ましい微結晶配向性を有する。TPGは、「高配向性熱分解グラファイト」(「HOPG」)、又は圧縮アニール熱分解グラファイト(「CAPG」)と同義的に用いることができる。TPGは、極めて熱伝導性があり、1000W/m−Kよりも大きな面内(a−b方向)熱伝導率を有するが、面外(z−方向)の熱伝導率は20から30W/m−Kまでの範囲内にある。1つの実施形態では、TPGは、1,500W/m−Kよりも大きな面内熱伝導率を有する。
【0016】
加熱装置の種々の実施形態では、TPGの少なくとも1つの層は、基板の表面温度の空間制御を行い、加熱装置内の種々の構成要素の温度差を拡散させるためにヒータ内に埋め込まれ、例えば一様でない不完全な接触面を有する加熱素子に対してもターゲット基板の温度が比較的均一になるようにすることができる。動作中に、半導体ウェーハ基板又はガラス成形型は通常、少なくとも300℃の温度まで加熱され、次いで室温まで冷却される。TPGの少なくとも1つの埋め込み層を有する加熱装置は、加熱/冷却素子と基板との間の効果的な熱伝導/冷却を可能にし、優れた熱均一性を有する。
【0017】
1つの実施形態では、TPG層は、0.005mm以内の厚み変動(平行度)で約0.5mmから15mmまでの範囲の厚さを有する。別の実施形態では、TPG層は、1mmから10mmまでの範囲内の厚さを有する。第3の実施形態では、TPG層は、2mmから8mmまでの範囲内の厚さを有する。TPG層は、単独で単一層として本発明のヒータ内に埋め込むことができ、又は金属基板を有するヒータ(図2及び図3A−3C参照)の1つの実施形態では、TPG層は、例えば、構造的金属シェル内に封入されたTPGコア等の封入形態とすることができる。封入TPGは、米国オハイオ州のストロングズビルのGE Advanced CeramicsからTC1050(登録商標)封入TPGとして商業的に入手可能である。TPGは、隣接する単一シートとして、又は図5B及び図7Eに示す1つの実施形態では重なり/モザイク構成の複数のより小さなTPG片としてヒータ内に組み込むことができる。
【0018】
1つの実施形態では、TPGは、下にある基板及びオーバーコートが接触する場合、これらを単に接着することによってヒータ内部に所定位置に保持され埋め込まれる。別の実施形態では、TPG(純粋なTPGシート形態で、又は金属ケーシング内の封入TPGコアとして、矩形、四角片等の小片サイズ、任意サイズ、又は「ストリップ」の形態の純粋熱分解グラファイトとして)、例えば、熱輸送係数を有するシリコン結合であるArmcoからのCERAMBONDのような当該技術分野で公知の高温接着剤を用いて所定位置に接着される。
【0019】
加熱装置の実施形態は、利用されている材料、構成要素の組立体、組立体の製造プロセスの説明、更に図の参照によっても以下の通り示される。
【0020】
加熱装置の一般的な実施形態:
【0021】
1つの実施形態では、加熱装置33は、図1に示す通りであり、基板内に埋もれた電極16(図示せず)を有する円盤状金属又はセラミック基板12を含み、その上面13は、例えば標準的な直径300mmを有するウェーハ又はガラス成形型Wなどの基板用の支持表面として機能する。1つの実施形態では、上面13は、基板Wの温度制御を更に強化するために高度な平面度(表面変化0.05mm以内)で作られる。加熱抵抗器に電気を供給するための電気端子15は、基板12の底面の中央、或いは1つの実施形態では基板12の側面に取り付けることができる。
【0022】
1つの実施形態では、上面13は温度が比較的均一であり、すなわち上面の最高温度と最低温度との間の差が10℃よりも小さい。第2の実施形態では、温度差は5℃よりも小さい。上面13の温度均一性では、加熱されている基板Wの均一な温度に相当する。1つの実施形態では、基板Wは、5℃の最高温度変動、第2の実施形態では2℃の最高温度変動を有する。
【0023】
加熱装置では、1つ又はそれ以上の電極を用いることができる。用途に応じて、電極は抵抗加熱素子、プラズマ発生電極、静電チャック電極、又は電子線電極として機能することができる。電極は、上部(ウェーハ基板の近く)又は底部(ウェーハ基板から離れて)に向かってヒータの基板内部に埋め込むことができる。底部位置は、ウェーハ基板に対して電極のパターンを拡散させ、熱分布を助けることができる。
【0024】
1つの実施形態では、電極は、薄膜電極の形態であり、スクリーン印刷、スピンコーティング、プラズマ溶射、噴霧熱分解、反応性溶射堆積、ゾルゲル、燃焼トーチ、電気アーク、イオンメッキ、イオン注入、スパッタリング堆積、レーザアブレーション、蒸発、電気メッキ、及びレーザ表面合金化を含む当該技術分野で公知のプロセスによって形成される。1つの実施形態では、薄膜電極は、例えば、タングステン、モリブデン、レニウム及びプラチナ又はこれらの合金等の高融点を有する金属を含む。別の実施形態では、薄膜電極は、ハフニウム、ジルコニウム、セリウム、及びこれらの混合物の炭化物又は酸化物の少なくとも1つを含む。
【0025】
別の実施形態では、電極層は、熱分解グラファイトの細長い連続ストリップの形態である。熱分解グラファイト(「PG」)は、最初に、化学蒸着のような当該技術分野で公知のプロセスを介して、例えば熱分解窒化ホウ素コーティンググラファイトベース等のヒータベース上に堆積される。次いでPGは、例えば、螺旋、蛇行、その他の所定のパターンに機械加工される。加熱ゾーンの電気パターンすなわち電気的に絶縁された抵抗加熱経路の形成は、限定ではないが、マイクロ機械加工、マイクロブレーディング、レーザ切断、化学エッチング、又は電子ビームエッチングを含む当該技術分野で公知の技術によって行うことができる。
【0026】
金属ヒータ:
ヒータの実施形態は、図2に示すように従来技術のヒータの種々の実施形態を最初に参照することによって説明することができる。図2では、従来技術のヒータ33は、例えば、A6061のような銅又はアルミニウム合金等の高温材料で作られた金属基板1000を含む。電極4001は、金属基板1000内に埋め込まれている。1つの実施形態の電極は、Calrod(登録商標)加熱素子として商業的に入手可能な熱伝導性セラミック絶縁体で囲まれた電線を含む。1つの実施形態では、Calrod(登録商標)加熱素子は、ヒータの上面全体にわたって調整された熱分布を提供するために不均一な蛇行パターンを有する。
【0027】
図2に示す従来技術の典型的な実施形態では、埋め込み加熱素子4001によって発生した温度は、均一に分布されず、すなわちT1−T2は、実質的に50℃又はそれ以上の差がある可能性がある。結果として、例えば、T1’及びT2’等のヒータの上部側の温度は、一般に20℃以上となる可能性のある温度差を有し、いずれも均一には分布されないことになる。続いて、基板W上の温度分布は、10℃を超える可能性がある2つの温度端点間の温度差を有し、均一に分布されないことになる。不均一ウェーハ温度(例えば、T1”−T2”>10℃)は、これが半導体デバイス製造における収率損失を生じる可能性があるので、半導体プロセスの観点から望ましくない。
【0028】
図3A−3Cに示す金属ヒータの実施形態では、少なくとも1つのTPGヒートスプレッダ600は、金属基板1000内に埋め込まれ、基板W全体にわたって比較的均一な温度で空間的に分布し、基板Wに対し熱除去及び/又は分布を調整する。1つの実施形態では、ヒートスプレッダ600は、構造的金属シェル内部に封入されたTPGのコアを含む。
【0029】
図3Aは、熱伝導性セラミック絶縁体(図示せず)によって囲まれ、金属基板1000内に埋め込まれた電線の形態で、電極4001を有する金属ヒータの1つの実施形態を示す。図3Bは、金属基板と、金属ベース基板18上に電気的に絶縁されて形成された5μmから1000μmの範囲の厚さを有する薄膜電極4001とを備えたヒータの別の実施形態を示す。図3Cは、金属基板を備えたヒータ33の更に別の実施形態を示す。金属基板1は、銅又はアルミニウム合金を含み、複数の水冷却通路2及び電気加熱コイル3を収容する。金属基板1の上面は、ダイヤモンド状炭素(DLC)を含む2つの誘電体層5と7間に挟まれた導電性電極層6を含む。TPG層4が、ヒータ3、冷却器2、及び上面の間に重ね合わせられる。
【0030】
TPG層は、その異方性熱伝導性により、ヒータ33(図示せず)上に置かれたウェーハに対して熱伝導性を強化し、温度分布を調整する。ヒータ組立体の外側は、更に熱均一性を強化するためにアルミニウムなどの熱絶縁材料の環状リング8を備える。
セラミックコアヒータ:
セラミックコアを有するヒータの実施形態は、図4に示すように従来技術のセラミックコアヒータを最初に参照することによって説明することができる。セラミックコアヒータでは、ベース基板10は、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属、及びこれらの組合せからなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、及び酸窒化物のグループから選択された電気絶縁金属(例えば、焼結基板)を含む。ベース基板10は、高耐摩耗性及び高耐熱特性を有する特徴がある。1つの実施形態では、ベース基板10は、99.7%を超える純度のAIN、並びにY2O3、Er2O3、及びこれらの組合せから選択された焼結剤を含む。
【0031】
ベース基板10は、電気的に絶縁しているオーバーコート層30でコーティングされる。1つの実施形態では、層30とベース基板10との間の接着を強化するのに役立つ任意選択の結合層(図示せず)がある。導電性材料の実施例は、グラファイト;W及びMo等の耐熱性金属、遷移金属、希土類金属及び合金;ハフニウム、ジルコニウム、及びセリウムの酸化物及び炭化物、並びにこれらの混合物を含む。
【0032】
オーバーコート層30に関して、層30は、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸窒化物;アルミニウムの酸化物、酸窒化物;及びこれらの組合せ;NaZr2(PO4)3のNZP構造を有する高熱安定化リン酸ジルコニウム;2a族、3a族及び4a族の元素からなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むガラスセラミック組成物;BaO−Al2O3−B2O3−SiO2ガラス;並びにSiO2とY、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dy又は同様のものの酸化物を含むプラズマ抵抗材料との混合物、或いはこれらの金属のうちの1つのフッ化物、もしくはイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG);及びこれらの組合せの少なくとも1つを含む。
【0033】
任意選択の結合層に関して、該結合層は、Alと、Siと、Ta、W、Moを含む耐熱性金属と、チタニウム、クロミウム、鉄を含む遷移金属と、これらの混合物とから選択された元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物の少なくとも1つを含む。実施例は、TiC、TaC、SiC、MoC、及びこれらの混合物を含む。
【0034】
最適化回路設計を有する導電電極41は、セラミック基板10内上に形成される。電極41は、タングステン、モリブデン、レニウム及びプラチナ又はこれらの合金;周期律表のIVa、Va及びVIa族に属する金属の炭化物及び窒化物;ハフニウム、ジルコニウム、及びセリウムの炭化物又は酸化物、並びにこれらの組合せのグループから選択された材料を含む。1つの実施形態では、電極41は、基板10(又は基板10のコーティング層30)のCTEに密接に適合するCTEを有する材料を含む。CTEに密接に適合することによって、第2の材料のCTEは、0.75から1.25までの範囲のCTEを有する1つの材料であることを意味する。
【0035】
従来技術のヒータ内の基板W上の温度分布は、例えば、T1”−T2”>10℃のように通常は均一には分布されない。図5Aから図5Eに示すセラミックコアを有するヒータの種々の実施形態では、埋め込みTPGヒートスプレッダ600は、比較的均一な温度分布を備えた基板W全体にわたって比較的均一な温度で空間的に分布し、基板Wに対して熱除去及び/又は分布を調整し、1つの実施形態では10℃よりも小さく、別の実施形態では5℃よりも小さいT1”−T2”を有する。
【0036】
図5Aに示す1つの実施形態では、少なくとも1つのTPG層600は、最終の焼結プロセス前に素地の2層(又はスラブ)間に挿入される。別の実施形態では、TPG層は、ホットプレスの前に、例えばAIN等のセラミック材料に挿入される。更に別の実施形態では、TPG層(純粋TPG又は封入TPGの形態で)は、これに限定されないが、スリップキャストを含む当該技術分野で公知のプロセスを介してセラミック基板内に埋め込まれる。TPGが埋め込まれた後、電極41はセラミック基板10上にパターン形成され、続いて、ベース基板及び電極41が、電気絶縁層30でオーバーコートされる。
【0037】
図5Bに示すヒータの別の実施形態では、TPGの2つの層は、セラミック基板内で用いられる。図示のように、セラミック材料層間の接着を促進するためにTPG層を突き抜ける孔がある。またこの孔は、良好な温度分布及び調整のために互いにオフセットして位置付けることができる。
【0038】
図5Cでは、TPG層は、上記の実施形態のようにはセラミック基板10内に埋め込まれていない。この実施形態では、TPG層は、オーバーコート30を施工する前にセラミック基板10(電極41の反対側)の上部に配置される。別の実施形態では、TPG層600は、オーバーコート30が施工される前に最初にセラミック基板10に堅固に接着される。
【0039】
図5Dでは、ヒータ33が提供され、TPG層600は、セラミックコーティング層又は結合層(図示せず)で最初にコーティングされた後、焼結によってセラミック基板10内に埋め込まれる。1つの実施形態では、TPG層600用のコーティングは、Alと、Siと、Ta、W、Moを含む耐熱性金属と、チタニウム、クロミウム、鉄を含む遷移金属と、並びにこれらの混合物とから選択された元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物の少なくとも1つを含む。
【0040】
図5Eは、ヒータが更に静電チャックとしても機能する実施形態を示す。この実施形態では、層70及び層72は、例えば、アルミナ又はダイヤモンド状炭素(DLC)等の同じ又は異なる誘電体材料を含む。層71は、例えば、金属化膜のような導電層のチャック電極である。層は、当該技術分野で公知の高温接着を用いて互いに及び基板10に結合される。少なくとも1つのTPG層(TPGシート又は封入TPGコアとして)600は、当該技術分野で公知のセラミック製造法を用いてセラミックコア10内にパターン形成されて埋め込まれる。
【0041】
図5Fでは、熱分解グラファイト層600は、当該技術分野で公知のセラミック製造法を用いてセラミックコア10内にパターン形成され埋め込まれるが、この実施形態ではTPG層600は更に、連続電極及び熱スプレッダとして機能する。TPGはまた、抵抗率0.5×10−3ohm−cmを有する導電性であり、このTPGは、基板温度を調整することができるような場合には、加熱素子として機能する。更に、TPGの高温伝導性は、発生した熱をより均一に分布させるのに役立ち、従って、望ましい熱均一性を達成する助けとなる。
【0042】
図5Gでは、TPG層は、セラミック基板内に埋め込まれ、外部電源又はグランドに電気的に接続される。高温伝導平面としての機能の他に、この構成のTPG層はまた、ウェーハプロセス装置内のプラズマを強化するためのRF電極として使用され、或いはRF電磁界と加熱素子との間の電気的干渉を排除するためのRFシールドとして用いることができる。
【0043】
図5Hは、サセプタ20がヒータ33の上部に載置される実施形態を示す。TPG層600は、サセプタ20内に封入され、例えば、金属、セラミック、グラファイト、ポリマー材料又はこれらの組合せのサセプタを作るための当該技術分野で公知の材料を含む。TPGの高熱伝導性の方向は、TPG層600の平面内にある。1つの実施形態では、サセプタ20はアルミニウムを含む。別の実施形態では、サセプタ20は、TPG層600が封入される陽極酸化アルミニウムを含む。
【0044】
図5Iの実施形態では、複数のより小さなTPG片又はストリップが垂直方向に重なり合う構成で用いられ、「ストリップ」を形成する。1つの実施形態では、TPGストリップ600Aのアレイは、TPGストリップの縦方向が実質的に互いに平行である1つの平面内のヒータに埋め込まれている。別のTPGストリップ600Bのアレイは、第1の平面600Aよりも低い別の平面内に埋め込まれ、ストリップ600Bの縦方向は第1の平面内のTPGストリップ600Aの縦方向に実質的に垂直である。両平面において、TPGの高熱伝導性方向は、TPGストリップの同じ平面内にある。図5Jは、図5Iの重なり構成の平面図である。
【0045】
グラファイトコアヒータ:
グラファイトコア基板100を有する従来技術のグラファイトコアヒータ33の実施形態について図6を参照する。グラファイトは、用途に応じてコア100として示されるが、グラファイト;W及びMo等の耐熱性金属、遷移金属、希土類金属及び合金;ハフニウム、ジルコニウム、及びセリウムの酸化物及び炭化物、並びにこれらの混合物を非限定的に含む他の導電性材料を用いてもよい。コア100は、電気的に絶縁しているオーバーコート層200と、任意選択的にオーバーコート層200とベース基板コア100との間の接着を強化するのに役立つ結合層(図示せず)とでコーティングされる。オーバーコート層200に関して、オーバーコート層は、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸窒化物;アルミニウムの酸化物;及びこれらの組合せの少なくとも1つを含む。実施例は、熱分解窒化ホウ素(pBN)である。任意選択の結合層に関して、結合層は、Alと、Siと、Ta、W、Moを含む耐熱性金属と、チタニウム、クロミウム、鉄を含む遷移金属と、並びにこれらの混合物とから選択された元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物の少なくとも1つを含む。
【0046】
電極401は、5μmから1000μmの範囲の厚さを有する薄膜電極16を含み、当該技術分野で公知のプロセスによって電気絶縁層200上に形成される。1つの実施形態では、薄膜電極401は、例えば、タングステン、モリブデン、レニウム及びプラチナ又はこれらの合金等の高融点を有する金属を含む。別の実施形態では、薄膜電極401は、ハフニウム、ジルコニウム、セリウム、及びこれらの混合物の炭化物又は酸化物の少なくとも1つを含む。1つの実施例では、18μmの膜厚を有する電解銅箔が電極401として用いられる。ヒータ33は、エッチング抵抗保護コーティング膜300で更にコーティングされ、該コーティング膜は、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属、及びこれらの組合せからなるグループから選択された原子の少なくとも窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸窒化物を含み、25℃から1000℃の温度範囲で2.0×10−6/Kから10×10−6/Kの範囲のCTEを有する。別の実施形態では、層300は、高熱安定化リン酸ジルコニウムを含む。第3の実施形態では、層300は、元素の周期律表の2a族、3a族及び4a族の元素からなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むガラスセラミック組成物を含む。好適なガラスセラミック組成物の実施例は、ランサナムアルミノシリケート(LAS)、マグネシウムアルミノシリケート(MAS)、カルシウムアルミノシリケート(CAS)、及びイットリウムアルミノシリケート(YAS)を含む。保護コーティング層300の厚さは、1μmから数百μmまで変化する、例えば、CVD、イオンメッキ、ETP、その他を用いた用途及びプロセスに応じて変わる。
【0047】
図6に示す従来技術のヒータの変形形態として、グラファイトコアを有するヒータの種々の実施形態では、ヒータは、少なくとも1つの埋め込みTPGヒートスプレッダ600を用いて、比較的均一な温度分布の基板W全体にわたって温度を分布及び/又は調整し、1つの実施形態では10℃よりも小さく、別の実施形態では5℃よりも小さなT1”−T2”を有する。ヒータ33の種々の実施形態は、図7A−図7Aに示される。
【0048】
図7Aは、TPGヒートスプレッダ600がベースコーティング200とオーバーコート層300との間のヒータ内に埋め込まれたヒータ33を示す。1つの実施形態におけるTPG層600は、オーバーコート及びベースコートが接触する場合、これらを単に接着することによって所定位置に保持される。1つの実施形態では、TPG層600は、オーバーコート及びベースコート層が連結し接着することができる選択位置で、複数のスルーホールを組み込む。別の実施形態では、TPG層600は、例えばArmcoからのCeramabond(登録商標)接着剤のような高温適合接着剤で所定位置に接着される。
【0049】
図7Bでは、TPGヒートスプレッダ600は、グラファイト基板100とベースコーティング層200(基板Wに近い上部側)との間のヒータ内に埋め込まれている。TPG600は、単に、ベースコート及び基板が接触する場合にこれらを接着することによって、又はベースコートに幾つかのスルーホールを組み込み、基板100に連結させて更に接着することによって、或いは高温接着剤を使用することによって所定位置に保持することができる。更に別の実施形態では、熱分解グラファイトは、グラファイト基板100上に堆積され、続いて熱アニールプロセスに送られ、グラファイト基板100に直接接着されるTPG層を形成する。
【0050】
図7Cは、図7Bのヒータ33の変形形態であり、の位置が変更され、該TPGヒートスプレッダ600は、グラファイト基板100とベースコーティング200との間のグラファイト基板100の底部でヒータ内に埋め込まれている。
【0051】
図7Dでは、少なくとも2つのTPGヒートスプレッダ600が使用され、ヒートスプレッダ600はグラファイト基板100とベースコーティング層200との間のヒータの上部及び底部の両方に埋め込まれている。
【0052】
図7Eは、複数のTPGヒートスプレッダ600がヒータ33の上部で用いられ/埋め込まれているヒータ33の実施形態を示す。1つの実施形態では、複数のスルーホールがTPG層600に設けられ、グラファイト基板、ベースコーティング200、及びオーバーコート300の間の接着を向上させる。別の実施形態では、より小さなTPG片が使用され、重なり合う層状のモザイク構成を形成し、孔及び境界の殆どは互いにオフセットされている。
【0053】
図示の実施形態では、電極は、最適な熱設計のためにヒータ33の底部(又は底部近く)に位置付けられている。しかしながら、ヒータ33の上部(支持ウェーハの近く)にパターン形成された電極を有し、基板上に均一な温度分布を備えたヒータに関する他の実施形態が予期される(図示していないが)。別の実施形態(図示せず)では、TPG層は、ウェーハ基板Wとヒータ33の上部に位置するパターン電極との間に位置決めされる。更に別の実施形態(図示せず)では、TPG層は、効率を改善するためにヒータ型の下に配置されて依然としてほぼ同程度の効果があり、TPG層のc方向のヒータ分布が熱流量に対する障壁になっている。
【0054】
本発明のヒータは、ガラス成形型の加工用のプラズマエッチングチャンバを含む幾つかの異なるプロセス、或いは、限定ではないが、原子層エピタキシー(ALD)、低圧CVD(LPCVD)、及びプラズマ強化CVD(PECVD)を含む半導体加工チャンバで用いることができる。
本発明は、以下の非限定的な実施例によって更に例証される。
【実施例】
【0055】
実施例では、計算流体力学(CFD)計算は、ヒータ組立体をモデル化するのに実行される。図8A及び図8Bは、従来技術のヒータと少なくとも1つの埋め込みTPG層を有するヒータの実施形態との性能を比較するために構築されたモデルの概略図である。モデルは、軸対称2−Dモデルである。
【0056】
従来技術のヒータのモデルでは、焼結AINは、160W/m−Kの等方性熱伝導率を有するセラミックコアに用いられる。本発明のヒータの実施形態のモデルでは、TPG層は、焼結AINセラミックコア内に埋め込まれている。TPG層は、水平面で1500W/m−K及び垂直面で20W/m−Kの異方性熱伝導率を有する。TPGとAINとの間の完全な接触は、計算で推測される。TPGの厚さ(th)は変化し、同様にth TPGが載置される上面からの距離(d)も変化する。
【0057】
モデルでは、単一ウェーハは、様々な入力レベルで加熱される。電力は、基板/電極系の底部の電極に入力され、温度は位置の関数として構造体の上部側で求められる。このデータから、最高温度及び最低温度の差が計算される。図示のように、表面は(想定放射率0.4で)、0℃の背景温度で自由空間に放射する。ウェーハ表面上の温度均一性は、ウェーハ表面全体にわたって載置された熱電対によって測定される最高温度と最低温度との差として定義される。有機金属化学蒸着(MOCVD)プロセスの場合には、均一性は厳しい要件である。従って、温度均一性のあらゆる摂氏温度変動が堆積プロセスに影響する。コンピュータモデルの結果は、図9−12に示される。
【0058】
図9は、10、200、及び1000Wの電力を電極内に入力した従来技術のヒータのウェーハ温度のプロファイルである。ウェーハ構造体の上部側の温度分布がモデル化される。
【0059】
図10−12は、本発明のヒータの種々の実施形態のプロファイルである。図10は、AINコア基板内に埋め込まれた1mm厚さのTPG層が使用されるヒータの温度プロファイルを示す。TPG層は、上部から2.5mmの位置に配置されるが、温度分布がTPG層の位置に対して比較的敏感であることを示している。
【0060】
図11では、かなり厚い3mm厚さのTPGが1つの実施形態のAINコアヒータ内に埋め込まれ、10,200又は1000W電力が電極内に入力される。結果、特に低電力入力で温度均一性の著しい向上を示している。この場合も同様に、このモデルの結果は、温度分布がTPG層の位置に対して比較的敏感であることを示している。
【0061】
図12では、ヒータの上部から(ウェーハから離れた)2.5mmに埋め込まれた6mm厚さのTPG層を有する構造体の上部側に著しく均一な温度分布を示している。Tmax−Tminは、電力入力レベルに応じて0.03℃から7.7℃まで変化する。図示のように、各電力レベルに対して、TPG厚さは、ウェーハ基板全体にわたる最高温度均一性、すなわち1つの実施形態では5℃よりも小さなTmax−Tminから、幾つかの用途では2℃よりも小さなTmax−Tminまで可能にするように最適化することができる。
【0062】
本明細書は、実施例を用いて、最良の形態を含む本発明を開示し、同様にあらゆる当業者が本発明を実施し利用できるようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】加熱装置の1つの実施形態を示す斜視図。
【図2】従来技術の金属ヒータの実施形態の断面図。
【図3】金属ベース基板を含むヒータの実施形態の断面図。
【図4】セラミックコアを有するヒータのための従来技術のヒータの実施形態の断面図。
【図5A】A−Cは、基板用のセラミックコアを含むヒータの実施形態の断面図。
【図5D】D−Eは、基板用のセラミックコアを含むヒータの実施形態の断面図。F−Gは、電極として熱分解グラファイト層を含むヒータの実施形態の断面図。
【図5H】Hは、熱分解層がサセプタ内に封入されるヒータの実施形態の断面図。Iは、熱分解グラファイト層が垂直方向に重なり合う構成で用いられるヒータの実施形態の断面図。Jは、Iの実施形態の平面図。
【図6】グラファイトコアを有するヒータの従来技術のヒータの実施形態の断面図。
【図7A】グラファイトコアを含むヒータの実施形態の断面図。
【図7E】グラファイトコアを含むヒータの実施形態の断面図。
【図8】Aは、従来技術(AIN基板を有する図8A)のヒータを用いる熱モジュール概略図。モジュールは、半導体プロセス動作中のウェーハ基板の表面温度を調べるために計算流体力学(CFD)計算を利用する。Bは、本発明のヒータの実施形態(AIN基板内に埋め込まれたTPG層)の概略図。
【図9】AIN基板を有する従来技術のヒータ内の基板の上部側の温度分布を示すグラフ。
【図10】AIN基板内の厚さ1mm、3mm、及び6mmの埋め込みTPG層を有する、本発明のヒータ実施形態の基板の上部側の温度分布を示すグラフ。
【図11】AIN基板内の厚さ1mm、3mm、及び6mmの埋め込みTPG層を有する、本発明のヒータ実施形態の基板の上部側の温度分布を示すグラフ。
【図12】AIN基板内の厚さ1mm、3mm、及び6mmの埋め込みTPG層を有する、本発明のヒータ実施形態の基板の上部側の温度分布を示すグラフ。
【符号の説明】
【0064】
1、10、12、18、100、1000 … 基板
2 … 冷却器
3 … ヒータ
4 … TPG層
5、7 … 誘電体層
6、16、41、4001 電極
8 … 環状リング
13 … 上面
15 … 電気端子
20 … サセプタ
30 … 層
33 … 加熱装置、ヒータ
200 … コーティング
300 … コーティング膜
600 … ヒートスプレッダ
600A、600B … TPGストリップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバ内の基板を支持し、前記基板の表面温度を調整するための装置であって、
前記基板を支持するように適合された表面を有するベース支持体と、
前記基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するための加熱素子と、
前記ベース支持体内に配置され、支持されている前記基板に平行な平面内で少なくとも1000W/m℃の熱伝導率を有する熱分解グラファイト(TPG)材料の少なくとも1つの層と、
を含み
前記ベース支持体の表面が、前記ベース支持体の表面上の最低温度点と最高温度点との間に10℃の最大温度変化を有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ウェーハ基板が該ウェーハ基板の表面上に5℃の最大温度変化を有する、半導体処理チャンバ内のウェーハ基板を支持するための請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記TPG層が、0.5mmから15mmまでの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
前記TPG層が、0.005mmよりも小さな厚み変動を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記TPG層が、同じ又は異なるサイズ及び幾何形状の熱分解グラファイトの複数片を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記TPG層が、縦方向を有する熱分解グラファイトの複数のストリップを含み、
前記ストリップは、垂直方向に重なり合う構成で用いられて前記ストリップを形成し、
少なくとも2つのTPGストリップが、該TPGストリップの縦方向が実質的に互いに平行な状態で第1の平面内に配置され、
少なくとも2つのTPGストリップが前記第1の平面から離間した第2の平面内に置かれて、前記TPGストリップの縦方向が前記第1の平面内のTPGストリップの縦方向に対して垂直になり、
前記TPG層が、前記第1の平面及び第2の平面の両方で少なくとも1000W/m−Kの熱伝導率を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記ベース支持体上に配置されて、前記基板を直接支持するサセプタを更に含み、
前記サセプタがアルミニウム又はアルミニウム合金を含み、
ベース基板が、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、及び酸窒化物;及びこれらの組合せのグループから選択された焼結材料を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
処理されることになる基板を支持する前記ベース基板が、
高温金属及びその合金と、
バルクグラファイト;耐熱性金属、遷移金属、希土類金属及びこれらの合金;ハフニウム、ジルコニウム、及びセリウムの酸化物及び炭化物、並びにこれらの混合物と、
B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、及び酸窒化物;及びこれらの組合せと、
のうちの1つを含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
半導体プロセスチャンバ内のウェーハ基板を支持するのに用いるための請求項1から請求項8のいずれかに記載の装置であって、
ウェーハを支持するためのベース支持体が、銅、アルミニウム、及びこれらの合金の少なくとも1つを含むベース基板を含み、
熱分解グラファイトの少なくとも1つの層が、前記金属ベース基板内に埋め込まれ、
前記基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するための加熱素子が、前記熱分解グラファイト層の下で前記ウェーハ基板から離れて前記金属ベース基板内に埋め込まれることを特徴とする装置。
【請求項10】
前記半導体プロセスチャンバ内のウェーハ基板を支持するのに用いる請求項1から請求項9のいずれかに記載の装置であって、
前記ウェーハ基板を支持するための前記ベース支持体が、銅、アルミニウム、及びこれらの合金の少なくとも1つを含むベース基板を含み、
前記加熱素子が、前記基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するための2つの誘電体層の間に挟まれて前記金属ベース基板上に配置され、
前記熱分解グラファイトの少なくとも1つの層が、前記加熱素子及び誘電体層の下で前記ウェーハ基板から離れて前記金属ベース基板内に埋め込まれていることを特徴とする装置。
【請求項11】
前記半導体プロセスチャンバ内のウェーハ基板を支持するのに用いる請求項1から請求項10のいずれかに記載の装置であって、
前記ウェーハ基板を支持するための前記ベース基板が、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、及び酸窒化物;及びこれらの組合せのグループから選択されたセラミック材料を含むベース基板を含み、前記セラミックベース基板が、上面と、前記装置上に支持されているウェーハから外方に向いた底面とを有し、
前記少なくとも1つの熱分解グラファイト層が、前記セラミックベース基板内に埋め込まれ、
前記基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するための前記加熱素子が、前記セラミックベース基板の底面上に配置されることを特徴とする装置。
【請求項12】
前記TPG層が、RF電極として用いるために外部電源又はグランドに電気的に接続されることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
プロセスチャンバ内の基板を支持し、前記基板の表面温度を調整するための装置において、前記装置が、
前記基板を支持するように適合された表面を有するベース支持体であって、該ベース支持体が、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、及び酸窒化物及びこれらの組合せのグループから選択されたセラミック材料を含むベース基板を含み、前記セラミックベース基板が、上面と、前記装置上に支持されているウェーハから外方に向いた底面とを有し、前記ベース支持体が前記セラミックベース基板をコーティングする第1のコーティング層を更に含み、前記コーティング層が、Al、B、Si、Ga、耐熱性超硬合金、遷移金属及びこれらの組合せからなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、酸窒化物の1つを含むベース支持体と、
前記セラミックベース基板の底面上に配置された、前記基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するための加熱素子と、
前記ベース支持体内に配置された熱分解グラファイト材料の少なくとも1つの層であって、前記熱分解グラファイト(TPG)層が、
支持されている前記基板に平行な平面内で少なくとも1000W/m℃の熱伝導率を有し、前記セラミックベース基板内又は前記セラミックベース基板と第1のコーティング層との間に埋め込まれた熱分解グラファイト材料の少なくとも1つの層と、
を含み、
前記ベース支持体の表面が、前記ベース支持体の表面上の最低温度点と最高温度点との間に10℃の最大温度変化を有することを特徴とする装置。
【請求項14】
ベース支持体を有する、半導体プロセスチャンバ内のウェーハ基板を支持するための装置において、
上面と前記装置上に支持されているウェーハから外方に向いた底面とを有する、バルクグラファイトを含むベース基板と、
前記グラファイトベース基板をコーティングするための第1のコーティング層であって、Al、B、Si、Ga、耐熱性超硬合金、遷移金属、及びこれらの組合せからなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、酸窒化物の1つから選択された電気絶縁材料を含む第1のコーティング層と、
前記第1のコーティング層上に配置され、又は前記グラファイトベース基板と前記第1のコーティング層との間に配置された熱分解グラファイトの少なくとも1つの層と、
前記コーティングされたグラファイトベース基板の底面上に配置された、前記基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するため加熱素子と、
前記ベース支持体をコーティングするためのオーバーコート層であって、該オーバーコート層が、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属及びこれらの組合せからなるグループから選択された元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物;NaZr2(PO4)3のNZP構造を有するリン酸ジルコニウム;2a族、3a族及び4a族の元素からなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むガラスセラミック組成物;BaO−Al2O3−B2O3−SiO2ガラス;並びにSiO2と、Y、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dy及びイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)の酸化物又はフッ化物を含むプラズマ抵抗材料との混合物の1つを含むオーバーコート層と、
を含み、
前記装置によって支持された前記ウェーハが、前記ウェーハ上の最低温度点と最高温度点との間に10℃の最大温度変化を有することを特徴とする装置。
【請求項15】
前記ベース支持体が、熱分解グラファイトの2つの層である第1の層と第2の層とを含み、前記第1の層は前記グラファイト基板の上面に配置され、前記第2の層は前記グラファイト基板の底面に配置されることを特徴とする請求項14の装置。
【請求項16】
前記ベース支持体が、熱分解グラファイトの2つの層である第1の層と第2の層とを含み、前記第1の層は前記グラファイト基板の上面で前記グラファイト基板と第1のコーティング層との間に配置され、前記第2の層は前記グラファイト基板の上面で前記第1のコーティング層上に配置されることを特徴とする請求項14のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記ベース支持体が、熱分解グラファイトの2つの層である第1の層と第2の層とを含み、前記第1の層は前記グラファイト基板の上面で前記グラファイト基板と第1のコーティング層との間に配置され、前記第2の層は前記グラファイト基板の上面で前記第1のコーティング層上に配置されることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記熱分解グラファイトの少なくとも1つの層が、前記グラファイトベース基板の上面で前記グラファイトベース基板と前記第1のコーティング層との間に配置されることを特徴とする請求項14の装置。
【請求項19】
前記熱分解グラファイトの少なくとも1つの層が、前記グラファイトベース基板の底面で前記グラファイトベース基板と前記第1のコーティング層との間に配置されることを特徴とする請求項14の装置。
【請求項20】
ベース支持体を有する、半導体プロセスチャンバ内のウェーハ基板を支持するのに用いる装置において、
B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、及び酸窒化物及びこれらの組合せの1つから選択されたセラミック材料を含むベース基板であって、上面と、前記装置によって支持されているウェーハから外方に向いた底面とを有するベース基板と、
前記ベース基板の上面上に配置された少なくとも1つの熱分解グラファイト層と、
熱分解層及びセラミックベース基板をコーティングするための第1のコーティング層であって、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物;アルミニウムの酸化物、酸窒化物;及びこれらの組合せからなるグループから選択された電気絶縁材料を含む第1のコーティング層と、
熱分解グラファイト;耐熱性金属;遷移金属、希土類金属及び合金;ハフニウム、ジルコニウム、及びセリウムの酸化物及び炭化物並びにこれらの混合物を含む、第1のコーティング層上に配置された加熱素子と、
前記ベース支持体をコーティングするためのオーバーコート層であって、該オーバーコート層が、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属及びこれらの組合せからなるグループから選択された元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物;NaZr2(PO4)3のNZP構造を有するリン酸ジルコニウム;2a族、3a族及び4a族の元素からなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むガラスセラミック組成物;BaO−Al2O3−B2O3−SiO2ガラス;並びにSiO2と、Y、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dy及びイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)の酸化物又はフッ化物を含むプラズマ抵抗材料との混合物の1つを含むオーバーコート層と、
を含み、
前記装置によって支持された前記ウェーハが、前記ウェーハ上の最低温度点と最高温度点との間に10℃の最大温度変化を有することを特徴とする装置。
【請求項1】
プロセスチャンバ内の基板を支持し、前記基板の表面温度を調整するための装置であって、
前記基板を支持するように適合された表面を有するベース支持体と、
前記基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するための加熱素子と、
前記ベース支持体内に配置され、支持されている前記基板に平行な平面内で少なくとも1000W/m℃の熱伝導率を有する熱分解グラファイト(TPG)材料の少なくとも1つの層と、
を含み
前記ベース支持体の表面が、前記ベース支持体の表面上の最低温度点と最高温度点との間に10℃の最大温度変化を有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ウェーハ基板が該ウェーハ基板の表面上に5℃の最大温度変化を有する、半導体処理チャンバ内のウェーハ基板を支持するための請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記TPG層が、0.5mmから15mmまでの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
前記TPG層が、0.005mmよりも小さな厚み変動を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記TPG層が、同じ又は異なるサイズ及び幾何形状の熱分解グラファイトの複数片を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記TPG層が、縦方向を有する熱分解グラファイトの複数のストリップを含み、
前記ストリップは、垂直方向に重なり合う構成で用いられて前記ストリップを形成し、
少なくとも2つのTPGストリップが、該TPGストリップの縦方向が実質的に互いに平行な状態で第1の平面内に配置され、
少なくとも2つのTPGストリップが前記第1の平面から離間した第2の平面内に置かれて、前記TPGストリップの縦方向が前記第1の平面内のTPGストリップの縦方向に対して垂直になり、
前記TPG層が、前記第1の平面及び第2の平面の両方で少なくとも1000W/m−Kの熱伝導率を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記ベース支持体上に配置されて、前記基板を直接支持するサセプタを更に含み、
前記サセプタがアルミニウム又はアルミニウム合金を含み、
ベース基板が、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、及び酸窒化物;及びこれらの組合せのグループから選択された焼結材料を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
処理されることになる基板を支持する前記ベース基板が、
高温金属及びその合金と、
バルクグラファイト;耐熱性金属、遷移金属、希土類金属及びこれらの合金;ハフニウム、ジルコニウム、及びセリウムの酸化物及び炭化物、並びにこれらの混合物と、
B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、及び酸窒化物;及びこれらの組合せと、
のうちの1つを含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
半導体プロセスチャンバ内のウェーハ基板を支持するのに用いるための請求項1から請求項8のいずれかに記載の装置であって、
ウェーハを支持するためのベース支持体が、銅、アルミニウム、及びこれらの合金の少なくとも1つを含むベース基板を含み、
熱分解グラファイトの少なくとも1つの層が、前記金属ベース基板内に埋め込まれ、
前記基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するための加熱素子が、前記熱分解グラファイト層の下で前記ウェーハ基板から離れて前記金属ベース基板内に埋め込まれることを特徴とする装置。
【請求項10】
前記半導体プロセスチャンバ内のウェーハ基板を支持するのに用いる請求項1から請求項9のいずれかに記載の装置であって、
前記ウェーハ基板を支持するための前記ベース支持体が、銅、アルミニウム、及びこれらの合金の少なくとも1つを含むベース基板を含み、
前記加熱素子が、前記基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するための2つの誘電体層の間に挟まれて前記金属ベース基板上に配置され、
前記熱分解グラファイトの少なくとも1つの層が、前記加熱素子及び誘電体層の下で前記ウェーハ基板から離れて前記金属ベース基板内に埋め込まれていることを特徴とする装置。
【請求項11】
前記半導体プロセスチャンバ内のウェーハ基板を支持するのに用いる請求項1から請求項10のいずれかに記載の装置であって、
前記ウェーハ基板を支持するための前記ベース基板が、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、及び酸窒化物;及びこれらの組合せのグループから選択されたセラミック材料を含むベース基板を含み、前記セラミックベース基板が、上面と、前記装置上に支持されているウェーハから外方に向いた底面とを有し、
前記少なくとも1つの熱分解グラファイト層が、前記セラミックベース基板内に埋め込まれ、
前記基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するための前記加熱素子が、前記セラミックベース基板の底面上に配置されることを特徴とする装置。
【請求項12】
前記TPG層が、RF電極として用いるために外部電源又はグランドに電気的に接続されることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
プロセスチャンバ内の基板を支持し、前記基板の表面温度を調整するための装置において、前記装置が、
前記基板を支持するように適合された表面を有するベース支持体であって、該ベース支持体が、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、及び酸窒化物及びこれらの組合せのグループから選択されたセラミック材料を含むベース基板を含み、前記セラミックベース基板が、上面と、前記装置上に支持されているウェーハから外方に向いた底面とを有し、前記ベース支持体が前記セラミックベース基板をコーティングする第1のコーティング層を更に含み、前記コーティング層が、Al、B、Si、Ga、耐熱性超硬合金、遷移金属及びこれらの組合せからなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、酸窒化物の1つを含むベース支持体と、
前記セラミックベース基板の底面上に配置された、前記基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するための加熱素子と、
前記ベース支持体内に配置された熱分解グラファイト材料の少なくとも1つの層であって、前記熱分解グラファイト(TPG)層が、
支持されている前記基板に平行な平面内で少なくとも1000W/m℃の熱伝導率を有し、前記セラミックベース基板内又は前記セラミックベース基板と第1のコーティング層との間に埋め込まれた熱分解グラファイト材料の少なくとも1つの層と、
を含み、
前記ベース支持体の表面が、前記ベース支持体の表面上の最低温度点と最高温度点との間に10℃の最大温度変化を有することを特徴とする装置。
【請求項14】
ベース支持体を有する、半導体プロセスチャンバ内のウェーハ基板を支持するための装置において、
上面と前記装置上に支持されているウェーハから外方に向いた底面とを有する、バルクグラファイトを含むベース基板と、
前記グラファイトベース基板をコーティングするための第1のコーティング層であって、Al、B、Si、Ga、耐熱性超硬合金、遷移金属、及びこれらの組合せからなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、酸窒化物の1つから選択された電気絶縁材料を含む第1のコーティング層と、
前記第1のコーティング層上に配置され、又は前記グラファイトベース基板と前記第1のコーティング層との間に配置された熱分解グラファイトの少なくとも1つの層と、
前記コーティングされたグラファイトベース基板の底面上に配置された、前記基板を少なくとも300℃の温度まで加熱するため加熱素子と、
前記ベース支持体をコーティングするためのオーバーコート層であって、該オーバーコート層が、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属及びこれらの組合せからなるグループから選択された元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物;NaZr2(PO4)3のNZP構造を有するリン酸ジルコニウム;2a族、3a族及び4a族の元素からなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むガラスセラミック組成物;BaO−Al2O3−B2O3−SiO2ガラス;並びにSiO2と、Y、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dy及びイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)の酸化物又はフッ化物を含むプラズマ抵抗材料との混合物の1つを含むオーバーコート層と、
を含み、
前記装置によって支持された前記ウェーハが、前記ウェーハ上の最低温度点と最高温度点との間に10℃の最大温度変化を有することを特徴とする装置。
【請求項15】
前記ベース支持体が、熱分解グラファイトの2つの層である第1の層と第2の層とを含み、前記第1の層は前記グラファイト基板の上面に配置され、前記第2の層は前記グラファイト基板の底面に配置されることを特徴とする請求項14の装置。
【請求項16】
前記ベース支持体が、熱分解グラファイトの2つの層である第1の層と第2の層とを含み、前記第1の層は前記グラファイト基板の上面で前記グラファイト基板と第1のコーティング層との間に配置され、前記第2の層は前記グラファイト基板の上面で前記第1のコーティング層上に配置されることを特徴とする請求項14のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記ベース支持体が、熱分解グラファイトの2つの層である第1の層と第2の層とを含み、前記第1の層は前記グラファイト基板の上面で前記グラファイト基板と第1のコーティング層との間に配置され、前記第2の層は前記グラファイト基板の上面で前記第1のコーティング層上に配置されることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記熱分解グラファイトの少なくとも1つの層が、前記グラファイトベース基板の上面で前記グラファイトベース基板と前記第1のコーティング層との間に配置されることを特徴とする請求項14の装置。
【請求項19】
前記熱分解グラファイトの少なくとも1つの層が、前記グラファイトベース基板の底面で前記グラファイトベース基板と前記第1のコーティング層との間に配置されることを特徴とする請求項14の装置。
【請求項20】
ベース支持体を有する、半導体プロセスチャンバ内のウェーハ基板を支持するのに用いる装置において、
B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、及び酸窒化物及びこれらの組合せの1つから選択されたセラミック材料を含むベース基板であって、上面と、前記装置によって支持されているウェーハから外方に向いた底面とを有するベース基板と、
前記ベース基板の上面上に配置された少なくとも1つの熱分解グラファイト層と、
熱分解層及びセラミックベース基板をコーティングするための第1のコーティング層であって、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属からなるグループから選択された元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物;アルミニウムの酸化物、酸窒化物;及びこれらの組合せからなるグループから選択された電気絶縁材料を含む第1のコーティング層と、
熱分解グラファイト;耐熱性金属;遷移金属、希土類金属及び合金;ハフニウム、ジルコニウム、及びセリウムの酸化物及び炭化物並びにこれらの混合物を含む、第1のコーティング層上に配置された加熱素子と、
前記ベース支持体をコーティングするためのオーバーコート層であって、該オーバーコート層が、B、Al、Si、Ga、Y、耐熱性超硬合金、遷移金属及びこれらの組合せからなるグループから選択された元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物;NaZr2(PO4)3のNZP構造を有するリン酸ジルコニウム;2a族、3a族及び4a族の元素からなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むガラスセラミック組成物;BaO−Al2O3−B2O3−SiO2ガラス;並びにSiO2と、Y、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dy及びイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)の酸化物又はフッ化物を含むプラズマ抵抗材料との混合物の1つを含むオーバーコート層と、
を含み、
前記装置によって支持された前記ウェーハが、前記ウェーハ上の最低温度点と最高温度点との間に10℃の最大温度変化を有することを特徴とする装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5D】
【図5H】
【図6】
【図7A】
【図7E】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5D】
【図5H】
【図6】
【図7A】
【図7E】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−85283(P2008−85283A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−323723(P2006−323723)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−323723(P2006−323723)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]