説明

物品移送装置

【解決手段】 ケーサ3を構成するロボット6の作業ヘッド32は、X方向に移動する12本のステー42と、Y方向に移動する3本のシャフト43とが交差する位置に連結されるとともにグリッパ33を保持する36個の保持部材35とを備えている。
上記ステーはX方向パンタグラフ機構48によって移動し、該X方向パンタグラフ機構を構成する第4〜第8支軸56d〜56hには、リンク部材55の端部同士を同一軸上で回転するように保持する同軸状態(a)と、これを離隔させた位置で回転するように保持する異軸状態(b)とに切換える第1〜第5連結手段57a〜57eが設けられている。
この連結手段により、同軸状態とした際における隣接するグリッパの間隔と、異軸状態とした際における隣接するグリッパの間隔とを異ならせることができる。
【効果】 グリッパの間隔を任意に変更することができ、多彩な収納パターンに対応することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品移送装置に関し、詳しくは物品を把持する複数のグリッパと、各グリッパの間隔を調整する間隔調整手段とを備えた物品移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を把持する複数のグリッパと、各グリッパの間隔を調整する間隔調整手段とを備え、上記グリッパによって所用の位置に集積させた物品を把持したら、把持した物品の間隔を間隔調整手段によって調整し、その後当該物品をケース内に収容する物品移送装置が知られている。(特許文献1)
この特許文献1では、隙間なく搬送された容器を中仕切りの収納された箱内に収納するため、グリッパによって容器を把持したら、上記間隔調整手段によって各グリッパの間隔を広げるとともに、案内装置11を用いて容器を箱内に収納するようになっている。
そしてこの間隔調整手段は、容器の搬送方向に向けて設けられた頭つき軸24と、該頭つき軸に沿って移動するとともに上記グリッパの連結されたホルダ20、21a、21bと、各ホルダに連結されてこれらを上記頭つき軸に沿って移動させるレバー27およびリンク29とを備えている。
このような構成により、コンベヤ上を隙間なく搬送される容器を上記グリッパによって把持すると、上記頭つき軸にそってホルダ21a、21bを移動させ、各グリッパの間隔を変更し、各容器の間隔を変更するようになっている。
【特許文献1】特公平5−47445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1によれば、上記頭つき軸に左右移動量調整用スペーサ33a、33bを装着することで、3つのグリッパの左右への移動量を調整することができるものの、1番目と2番目のグリッパの間隔と、2番目と3番目のグリッパの間隔とを相互に異ならせることはできないようになっている。
また、収納本数の異なる箱に容器を収納するなど、収納パターンを変更する場合には、グリッパの設けられたブロックを交換するなどの作業が必要となり、多大な労力や作業時間が必要となっていた。
以上のような問題に鑑み、本発明はグリッパの間隔を任意に変更して、多様な収納パターンに対応することの可能な物品移送装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち、請求項1における物品移送装置は、物品を把持する複数のグリッパと、各グリッパの間隔を調整する間隔調整手段とを備えた物品移送装置において、
上記間隔調整手段は、所定方向に設けられたメインレールと、該メインレールに沿って移動するとともに上記グリッパの連結された複数の保持部材と、各保持部材に連結されてこれらを上記レールに沿って移動させるパンタグラフ機構とを備え、
上記パンタグラフ機構は、各保持部材に連結されると共にその中心が回転可能に軸支されたリンク部材と、隣接するリンク部材の端部同士を回転可能に軸支する支軸とを備え、
所要の支軸を、上記リンク部材の端部同士が同一軸上で回転する同軸状態と、上記リンク部材の端部同士が離隔した位置で回転する異軸状態とに切換え可能に保持する連結手段を設け、
上記連結手段によって支軸を同軸状態とした際における隣接するグリッパの間隔と、異軸状態とした際における隣接するグリッパの間隔とが、上記メインレールの方向に異なるようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
上記発明によれば、上記連結手段によって所要の支軸を同軸状態から異軸状態とすることで、所要の位置のグリッパの間隔を変更することができ、多様な収納パターンに対応することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図示実施例について説明すると、図1は物品としての容器1をケース2内に収納するケーサ3を示しており、このケーサ3は、容器1を搬送するボトルコンベヤ4と、上記ケース2を搬送するケースコンベヤ5と、上記ボトルコンベヤ4からケースコンベヤ5へと容器1を搬送する物品移送装置としてのロボット6とから構成され、これらは図示しない制御手段によって制御されるようになっている。
なお、以下の説明において、上記ボトルコンベヤ4およびケースコンベヤ5の搬送方向と平行な方向をX方向、該X方向に対して水平に直交する方向をY方向、X方向およびY方向に対して直交する鉛直方向をZ方向と呼ぶ。
上記ボトルコンベヤ4は容器1を図示左から右のX方向に搬送するとともに、ケースコンベヤ5は上記ケース2を図示左から右のX方向に搬送し、上記ロボット6は後述する作業ヘッド32を上記ボトルコンベヤ4とケースコンベヤ5の搬送方向に対して直交する方向に移動させるようになっている。
上記容器1は上部が胴部よりも縮径しており、その縮径した上部にはキャップが装着されている。また上記ケース2はダンボールなどの所定の厚みを有する部材で製造され、X方向に4本、Y方向に3本の計12本の容器1を密着させて収納するようになっている。
【0007】
上記ボトルコンベヤ4には、容器1を整列した状態で搬送するための3組のガイド部材11と、容器1を所定の物品集積位置Aで停止させる集積ストッパ12と、通過する容器1を検出するセンサ13と、所定本数ずつの容器1を物品集積位置Aに供給する回転式ストッパ14とが備えられている。
上記ガイド部材11は、上記容器1をX方向に3列に整列した状態で搬送するように設けられており、容器1はこのガイド部材11に沿って搬送されるようになっている。
上記物品集積位置Aとは、上記ロボット6が一度に把持可能な数の容器1を集積させた領域のことをいい、各ガイド部材11の下流側にそれぞれ12本ずつの容器1を蓄積することで、この物品集積位置Aには合計で36本の容器1が集積されるようになっている。
上記集積ストッパ12は上記ガイド部材11の下流端に設けられており、先頭の容器1をせき止めることで容器1を上記物品集積位置Aに集積するようになっている。
この集積ストッパ12は、容器1の径や、ケース2内に収納する容器1の本数が変更された場合などの収納パターンの変更に応じて、その設置位置をX方向に沿って変更できるようになっている。
【0008】
次に、上記センサ13は各ガイド部材11に設けられるとともに上記物品集積位置Aの上流側に位置し、このセンサ13は通過する容器1を検出して検出信号を上記制御手段に送信するようになっている。
具体的には、上記センサ13は容器1の胴部よりも小径となっているキャップ部分が通過するのを検出するようになっており、容器1が隙間なく搬送されても各容器1を検出することができるようになっている。
上記回転式ストッパ14は、各ガイド部材11ごとに設けられるとともに上記センサ13の上流側に位置し、制御手段の制御によって搬送コンベヤ4上を搬送する容器1に係合して容器1をせき止める位置と、容器1の通過を許容する位置とに移動可能になっている。
そして回転式ストッパ14によって容器1をせき止めることにより、上記物品集積位置Aに集積された最後尾の容器1と、回転式ストッパ14によってせき止めた先頭の容器1との間には所要の間隔が形成されるようになっている。
【0009】
上記ケースコンベヤ5には、ケース2を所定のケース集積位置Bで停止させる第1ストッパ21と、通過するケース2を検出するセンサ22と、上記ケース2をケース集積位置Bに供給する一対の第2ストッパ23および一対の第3ストッパ24とが備えられている。
上記ケース集積位置Bとは、上記ロボット6によって容器1を一度に収納可能なケース2を集積させた領域のことをいい、第1ストッパ21の上流側に3個のケース2を集積するようになっている。
上記第1ストッパ21は、制御手段によってケースコンベヤ5の上方に突出してケース2をせき止めるとともに、上記ケースコンベヤ5から退避してケース2の通過を許容するようになっている。
第1ストッパ21をケースコンベヤ5から退避させた場合、容器1の収納されたケース2は第1ストッパ21を通過し、図示しない後工程に搬送されるようになっている。
また上記第1ストッパ21は移動手段21aによってX方向に移動するようになっており、第1ストッパ21の位置を各種の収納パターンに応じて変更できるようになっている。
【0010】
次に、上記センサ22は上記ケース集積位置Bの上流側に設けられ、このセンサ22は当該センサ22を通過するケース2を検出して検出信号を上記制御手段に送信するようになっている。
第2ストッパ23は上記センサ22の上流側に設けられるとともに、ケースコンベヤ5を挟むようにして両側に設けられており、ケースコンベヤ5上のケース2を両側から狭持することでケース2を停止させるようになっている。
また第3ストッパ24は上記第2ストッパ23の上流側にケースコンベヤ5を挟むようにして設けられており、上記第2ストッパ23と同様、ケースコンベヤ5上のケース2を両側から狭持することでケース2を停止させるようになっている。
【0011】
上記ロボット6は、上記ボトルコンベヤ4に隣接して設けられたベース30に連結されたアーム31と、アーム31の先端に設けられてボトルコンベヤ4上の容器1を把持してケースコンベヤ5上のケース2に収納する作業ヘッド32とから構成されている。
上記アーム31は上記作業ヘッド32をボトルコンベヤ4の物品集積位置Aとケースコンベヤ5のケース集積位置Bとの間で往復動させるとともに、該作業ヘッド32を物品集積位置Aおよびケース集積位置BでZ方向に移動させることで、物品集積位置Aから上記容器1をガイド部材11に干渉しないように持ち上げ、ケース集積位置Bでは把持した容器1をケース2の上方より収納するようになっている。
【0012】
以下、図2、図3を用いて上記作業ヘッド32について説明すると、作業ヘッド32は容器1を一本ずつ把持するグリッパ33と、当該グリッパ33同士の間隔を調整する間隔調整手段34とから構成されている。
なお図2において、作業ヘッド32の構成は略左右対称となっており、図示右方は上記間隔調整手段34によって各グリッパ33の間隔が最小に設定された状態を、図示左方は上記間隔調整手段34によって各グリッパ33の間隔が最大に設定された状態をそれぞれ示している。
図3に示すように、上記グリッパ33は上記間隔調整手段34を構成する保持部材35によって保持されており、保持部材35を上下に貫通する管部33aと、該管部33aの下端部に設けられたゴム製のチャック33bと、当該チャック33bと保持部材35との間に弾装されたばね部材33cとから構成されている。
上記管部33aの上端には図示しないエア供給源が接続され、上記エア供給源よりエアの供給を行うと上記チャック33bの内部が膨張して容器1の上部を把持することができ、エアを排出することで容器1を解放することができるようになっている。
また、上記ばね部材33cは上記チャック33bを下方に向けて付勢しており、仮に作業ヘッド32を下降させた際にチャック33bと容器1とが干渉しても、チャック33bを上方に退避させることができるため、グリッパ33の損傷を防止することができる。
【0013】
上記間隔調整手段34は、上記アーム31に連結されたフレーム41と、上記保持部材35をY方向に摺動可能に保持するとともに、X方向に移動可能に設けられた12本のステー42と、同じく保持部材35をX方向に摺動可能に保持するとともに、Y方向に移動可能に設けられた3本のシャフト43と、上記ステー42をX方向に移動させるX方向パンタグラフ機構44と、上記12本のステー42のうちX方向両端に配置されたステー42にそれぞれ連結され、該X方向パンタグラフ機構44を駆動する一対のX方向駆動手段45と、上記X方向シャフト45をY方向に移動させるY方向パンタグラフ機構46と、上記シャフト43のうち図2の最も下方に配置されたシャフト43に連結され、該Y方向パンタグラフ機構46を駆動するY方向駆動手段47とから構成されている。
上記フレーム41は図2に示すように略長方形を有しており、上記物品集積位置Aおよびケース集積位置Bよりも広い範囲を囲うように設けられるとともに、該フレーム41を構成する4つの部材はそれぞれX方向およびY方向に向けられている。
そして、該フレーム41のX方向に向けて設けられた部材の内側にはX方向に向けてX方向メインレール41aが設けられ、Y方向に向けて設けられた部材の内側にはY方向に向けてY方向メインレール41bが設けられている。
【0014】
上記ステー42は上記物品集積位置Aに集積された容器1がX方向に整列した本数と同数(12本)設けられており、各ステー42の両端には上記X方向メインレール41aに沿って移動可能なスライドブロック51(51A〜51L)が連結されている。
以下の説明において、容器1の搬送方向下流側となるX方向図示右側に位置するスライドブロック51から順に、第1〜第12スライドブロック51A〜51Lと呼ぶ。
上記フレーム41の中央にはY方向に向けて固定ステー52が固定されており、上記ステー42はこの固定ステー52を挟んでそれぞれ6本ずつ設けられている。
一方、上記シャフト43は上記物品集積位置Aに集積された容器1のY方向における列数と同数(3本)設けられており、上記ステー42の上方で交差するように設けられている。
このうち、中央に位置するシャフト43は上記フレーム41に固定されており、その両側に位置するシャフト43の両端には、上記Y方向メインレール41bに沿って移動可能なスライドブロック53が連結されている。
【0015】
そして上記各保持部材35は上記ステー42とシャフト43とがそれぞれ交差する位置に設けられるとともに、これらに対して摺動可能に設けられている。
具体的には、各ステー42にはそれぞれ3個の保持部材35が摺動可能に設けられ、上記各シャフト43にはそれぞれ12個の保持部材35が摺動可能に設けられることとなる。
このため、ステー42がX方向に移動すると保持部材35は上記シャフト43に沿ってX方向に移動し、シャフト43がY方向に移動すると保持部材35はステー42に沿ってY方向に移動することとなる。
また、上記保持部材35によって保持されているグリッパ35の間隔は、以下に説明する連結手段57を作動させた場合を除き、常時X方向およびY方向のそれぞれについて等間隔を維持するようになっている。
【0016】
図4は上記X方向パンタグラフ機構44を示し、このX方向パンタグラフ機構44は図2に示すように上記ステー42の両端に設けられており、同一の構成を有している。
X方向パンタグラフ機構44は、上記第1〜第12スライドブロック51A〜51Lのそれぞれに設けられた中心軸54と、該中心軸54を中心に回転可能に軸支されたリンク部材55と、隣接するリンク部材55の端部同士を回転可能に軸支する支軸56(56a〜56k)と、所要の支軸56を分離可能に保持する連結手段57(57a〜57e)とを備えている。
上記中心軸54は各スライドブロック51A〜51Lに固定され、その中心は上記X方向メインレール41aに沿って移動するとともに、各ステー42に保持された保持部材35に連結されている各グリッパ33の中心と同じ位置に位置している。
リンク部材55は上記中心軸54によって各スライドブロック51A〜51Lに2枚ずつ交差するように軸支されており、各リンク部材55における中心軸54から各支軸56a〜56kまでの距離は等間隔になっている。
【0017】
上記支軸56はリンク部材55の端部同士を回転可能に軸支するようになっており、図4に示すように各スライドブロック51の間には上下に2ヶ所ずつ支軸56が設けられている。
そして以下の説明において、第1スライドブロック51Aと第2スライドブロック51Bとの間に位置する上下2つの支軸56を第1支軸56aとよび、以降第2スライドブロック51Bから第12スライドブロック51Lの間に位置する支軸56を、それぞれ第2〜第11支軸56b〜56kと呼ぶ。
上記連結手段57は、上記第4〜第8支軸56d〜56hのそれぞれに設けられており、上下に位置する2つの第4支軸56dは各第4支軸56dごとに設けられた2つの第1連結手段57aによって保持され、以降第5〜第8支軸56e〜56hはそれぞれ第2〜第5連結手段57b〜57eによって保持されるようになっている。
一方、上記第1〜第5連結手段57a〜57eによって保持されていない、第1〜第3支軸56a〜56cおよび第9〜第11支軸56i〜56kは、隣接するリンク部材55の端部を貫通して、これらを相互に回転可能に軸支するようになっている(図2参照)。
換言すると、これら第1〜第3支軸56a〜56cおよび第9〜第11支軸56i〜56kに軸支されたリンク部材55の端部同士は、常に同一軸上で回転するようになっている。
【0018】
上記第1〜第5連結手段57a〜57eについて説明すると、上記第1〜第5連結手段57a〜57eは、それぞれ上記フレーム41に対してZ方向に移動可能に設けられた可動フレーム58によって保持されている。
上記可動フレーム58は、図3に示すようにX方向パンタグラフ機構44の上下に設けられ、該可動フレーム58のフレーム41側の側面にはZ方向にスライドレール60が設けられるとともに、上記フレーム41にはこのスライドレール60と相互に摺動するスライド部材61が固定されいる。
これにより、可動フレーム58はスライドレール60およびスライド部材61によって上記フレーム41に対してZ方向に相対移動するようになっている。
そして、上記可動フレーム58の内側にはX方向に向けてプレート用レール59が設けられており、上記第1〜第5連結手段57a〜57eは当該プレート用レール59によってX方向に移動するようになっている。
【0019】
以下、図5〜図7を用いて、上記第4支軸56dを保持する第1連結手段57aのうち、上部の第4支軸56dを保持する第1連結手段57aについて説明する。
ここで、下部の第4支軸56dを保持する第1連結手段57aは同一の構成となっており、2つの第1連結手段57aは同一の動作を同時に行うように制御されるようになっている。
なお、図4に示すように、上部に設けられている第1連結手段57aと下部に設けられている第1連結手段57aとでは、下記ロッド63bの伸縮する方向が逆方向となるように取り付けられている。
また、第2〜第5連結手段57b〜57eの構成は第1連結手段57aと同一の構成となっているので、詳細な説明は省略する。
図5(a)、図6(a)は第1連結手段57aによって第4支軸56dが同軸状態とされている図を、図5(b)、図6(b)は第1連結手段57aによって第4支軸56dが異軸状態とされている図をそれぞれ示している。
第1連結手段57aは、上記プレート用レール59に沿って移動可能に設けられた2枚のプレート62と、両プレート62の間に設けられてこれらを接離させるエアシリンダ63とから構成されている。
一方のプレート62は上記可動フレーム58に設けられた一方のプレート用レール59に沿って移動するように設けられ、他方のプレート62は他方のプレート用レール59に沿って移動するように設けられている。
図7に示すように、上記第4支軸56dは一方のリンク部材55の端部と他方のリンク部材55との間で分離しており、分離した一方の第4支軸56dは一方のプレート62に固定され、他方の第4支軸56dは他方のプレート62に固定されている。
そして、一方のプレート62には、上記第4スライドブロック51Dに軸支されたリンク部材55の端部が一方(図示手前側)の第4支軸56dによって回転可能に軸支され、他方のプレート62には、上記第5スライドブロック51Eに軸支されたリンク部材55の端部が他方(図示奥側)の第4支軸56dによって回転可能に軸支されている。
【0020】
上記エアシリンダ63は、一方のプレート62に固定されるとともに図示しないエア供給手段の接続された本体部63aと、先端が他方のプレート62に固定されたロッド63bとから構成されている。
具体的には、上記本体部63aは第4スライドブロック51Dに軸支されたリンク部材55を軸支する図示手前側の第4支軸56dを連結する図示手前側のプレート62に固定され、ロッド63bは第5スライドブロック51Eに軸支されたリンク部材55を軸支する図示奥側の第4支軸56dを連結する図示奥側のプレート62に固定されている。
なお図4の図示下方に位置する第1連結手段57aの場合、本体部63aは第4スライドブロック51Dに軸支されたリンク部材55を軸支する図示奥側の第4支軸56dを連結する図示奥側のプレート62に固定され、ロッド63bは第5スライドブロック51Eに軸支されたリンク部材55を軸支する図示手前側の第4支軸56dを連結する図示手前側のプレート62に固定されている。
エアシリンダ63は上記本体部63aへのエアの供給によってロッド63bをX方向に伸縮させるようになっており、ロッド63bを収縮させた状態と伸展させた状態とに切換可能となっている。
そして、図5(a)、図6(a)に示すロッド63bが収縮した状態では、上記分離した第4支軸56dが同一軸上で回転する同軸状態となり、図5(b)、図6(b)に示すロッド63bが伸展した状態では、上記分離した第4支軸56dが異なる軸上で回転する異軸状態となるようになっている。
このようにして第1連結手段57aが第4支軸56dを同軸状態から異軸状態に切り換えることにより第4支軸56dの間隔が変化すると、これと同じ間隔だけ第4スライドブロック51Dと上記第5スライドブロック51Eとの間隔が広がり、これらに連結されるグリッパ33の間隔が、他のスライドブロックに連結されるグリッパ33の間隔よりも広がることとなる。
【0021】
上記X方向駆動手段45はフレーム41のX方向両端部の2ヶ所に設けられており、上記ステー42のうち、最も外側に位置するステー42に連結されている。
当該X方向駆動手段45は従来公知のサーボシリンダとなっており、上記制御手段の制御によって両端のステー42を相互に反対方向に移動させるようになっている。
両端のステー42を相互に反対方向に移動させることで、X方向駆動手段45の連結されていない他のステー42は、上記X方向パンタグラフ機構44によって連動してX方向に移動することとなる。
また、各X方向駆動手段45によるステー42の移動量は、上記物品集積位置Aで把持する容器1の間隔と、ケース集積位置Bでケース2に収納する容器1の間隔とに合わせて、予め制御手段に登録されている。
【0022】
以下、上記構成を有するX方向パンタグラフ機構44およびX方向駆動手段45によって、例えば上記第4〜第8支軸56d〜56hを同軸状態に維持した状態から、第1、第5連結手段57a、57eによって異軸状態にする場合の動作について説明する。
最初に、制御手段は上記第1、第5連結手段57a、57eのエアシリンダ63に供給するエアを停止させて、本体部63aとロッド63bとを摺動自在の状態にする。
次に、図示右方に位置するX方向駆動手段45により、ステー42を異軸状態とされる第4支軸56dの間隔の分だけ移動させ、図示左方に位置するX方向駆動手段45により、ステー42を異軸状態とされる第8支軸56hの間隔の分だけ移動させる。
このとき、第2〜第4連結手段57b〜57dのエアシリンダ63にはエアの供給がされているため、第5〜第7支軸56e〜56gは同軸状態に保たれ、第4支軸56dおよび第8支軸56hだけが相互に離隔して、異軸状態となる。
またこのとき、図4の図示上方に位置する第1連結手段57aにおいては、上記ロッド63bの連結されたプレート62は移動せず、上記本体部63aの連結されたプレート62が図示右方に移動し、図4の図示下方に位置する第1連結手段57aにおいては、上記ロッド63bの連結されたプレート62が図示右方に移動することとなる。
一方、図4の図示上方に位置する第5連結手段57eにおいては、上記本体部63aの連結されたプレート62は移動せず、上記ロッド63bの連結されたプレート62が図示左方に移動し、図4の図示下方に位置する第5連結手段57eにおいては、上記本体部63aの連結されたプレート62が図示左方に移動することとなる。
そして最後に、上記第1、第5連結手段57a、57eのエアシリンダ63にロッド63bを伸展させる方向にエアを供給するすることで、第4、第8支軸56d、56hが異軸状態に維持されることとなる。
なお、中央に位置する第3連結手段57cによって第6支軸56fを異軸状態にする場合には、図示右方に位置するX方向駆動手段45と図示左方に位置するX方向駆動手段45とは、それぞれ該第6支軸56fの間隔の半分の移動量だけステー42を移動させるようになっている。
【0023】
図2に示すように、上記Y方向パンタグラフ機構46はフレーム41のX方向両端に設けられており、共に同じ構成を有している。
各Y方向パンタグラフ機構46は、3ヶ所に設けられた中心軸71と、該中心軸71に回転可能に軸支されたリンク部材72と、隣接するリンク部材72の端部同士を回転可能に軸支する支軸73とから構成されている。
上記中心軸71のうち、中央に位置する中心軸71aは上記フレーム41に固定され、その中心は上記固定されたシャフト43に保持されている保持部材35に連結されたグリッパ33の中心と同じ位置に設けられている。
また上記中央に位置する中心軸71aの両側に位置する中心軸71bは上記スライドブロック53に固定されており、スライドブロック53と共にY方向に移動可能となっている。
上記リンク部材72はそれぞれ各中心軸71に2枚ずつ交差するように軸支され、各中心軸71から支軸73までの距離はどれも同一に設定されるとともに、上記リンク部材72の端部同士は上記支軸73によって常に同一軸上で回転するようになっている。
そして、Y方向パンタグラフ機構46を作動させると、中央の固定されたシャフト43に連結されたグリッパ33と、その両側の移動するシャフト43に連結されたグリッパ33とのY方向における間隔を、等間隔を保ったままY方向に移動させることができる。
そして上記Y方向駆動手段47は従来公知のサーボシリンダであって、移動可能に設けられたいずれか一方のシャフト43に連結され、これをY方向に進退動させるようになっている。
【0024】
以下、上記構成を有するケーサ3の動作について説明する。
最初に上記ボトルコンベヤ4は図示しない前工程より供給された容器1を搬送し、これらの容器1は3組のガイド部材11にガイドされて、隙間なく連続した状態で搬送される。
上記各ガイド部材11に設けられたセンサ13が当該容器1の通過を検出し、センサ13を12本の容器1が通過すると、上記制御手段は上記回転式ストッパ14を作動させて、13本目の容器1をせき止める。
上記センサ13を通過した12本の容器1はそのまま下流側に搬送され先頭の容器1が集積ストッパ12に当接して停止すると、物品集積位置Aには合計で36本の容器1が密着された状態で集積されることとなる。
この物品集積位置Aにおいて、容器1はX方向に隙間なく整列しており、各容器1の中心同士の間隔はP1となっている。またY方向では上記ガイド部材11によって各容器1の中心同士の間隔がP2となっている。
【0025】
次に、上記ケースコンベヤ5は上流側より所定の間隔があけられた状態でケース2を搬送するようになっており、このとき上記第1ストッパ21はケースコンベヤ5の上方に突出している。
上記センサ22がケース2の通過を検出し、センサ22を3個のケース2が通過した後、4個目のケース2をセンサ22が検出すると、上記制御手段は上記第2ストッパ23を作動させて4個目のケース2を停止させる。
これにより、5個目以降のケース2は当該4個目以降のケース2によってせき止められ、第2ストッパ23の上流には隙間なくケース2が集積されることとなる。
上記センサ22を通過した3個のケース2はそのまま下流側に搬送され、先頭のケース2が第1ストッパ21に当接して停止すると、2個目と3個目のケース2はそれぞれ1個目および2個目のケース2によってせき止められ、3個のケース2がケース集積位置Bに隙間なく整列することとなる。
このケース集積位置Bにおいて、各ケース2にはX方向に4本、Y方向に3本の合計12本の容器1が隙間なく収納されるようになっており、このケース2内における各容器1の中心同士の間隔は、X方向およびY方向ともに上記ボトルコンベヤ4でのX方向の間隔P1と同じP3となっている。
ここで、上記ケース2はダンボールなどの厚みのある部材で製造されているため、隣接する一方のケース2に収納される容器1と他方のケース2に収納される容器1との間隔は、上記P3に上記ケース2の厚みを加算したP4となる。
つまり、搬送方向下流側から数えて4本目と5本目の容器1との間隔および8本目と9本目の容器1との間隔が上記P4となる。
【0026】
このようにしてボトルコンベヤ4の物品集積位置Aに容器1が集積され、ケースコンベヤ5のケース集積位置Bにケース2が集積されると、制御手段はロボット6を作動させて、物品集積位置Aの容器1を把持させるとともに、当該容器1をケース集積位置Bのケース2内に収納させる。
予め、制御手段はロボット6の作業ヘッド32の間隔調整手段34を作動させて、各グリッパ33の間隔を物品集積位置Aにおける容器1の間隔に調整しておく。
具体的には、上記グリッパ33のX方向の間隔が上記P1となるようにX方向パンタグラフ機構44を作動させ、またグリッパ33のY方向の間隔が上記P2となるようにY方向パンタグラフ機構46を作動させる。
このとき、制御手段は上記X方向パンタグラフ機構44の第1〜第5連結手段57a〜57eのエアシリンダ63を収縮した状態に維持し、第4〜第5支軸56d〜56hは同軸状態とされている。
その後、アーム31が作業ヘッド32を物品集積位置Aの上方に移動させ、続いて作業ヘッド32を下降させて容器1の上部が上記グリッパ33のチャック33b内に収容されると、エア供給手段によって上記チャック33bの内部が変形し、各容器1はグリッパ33によって把持されることとなる。
【0027】
このようにして物品集積位置Aの全ての容器1がグリッパ33によって把持されると、上記アーム31は作業ヘッド32を上昇させるとともに、該作業ヘッド32を上記ケースコンベヤ5のケース集積位置Bの上方に移動させる。
移動する間、制御手段は上記間隔調整手段34を作動させて、各容器1の間隔を物品集積位置Aでの間隔から、ケース集積位置Bでの間隔へと変更する。
具体的に説明すると、X方向における容器1の間隔は、P1とP3とが同一間隔であるものの、搬送方向下流側から数えて4本目と5本目の容器1と、8本目と9本目の容器1との間隔については、上記P4に広げる必要がある。
他方、Y方向における容器1の間隔は、P2がP3よりも広いため、Y方向における容器1の間隔をP3に狭める必要がある。
【0028】
そこで、制御手段は最初に第1連結手段57aおよび第5連結手段57eのエアシリンダ63へのエアの供給を停止させ、ロッド63bと本体部63aとが収縮自在となるようにする。
次に、制御手段は2つのX方向駆動手段45を制御して、各X方向駆動手段45に連結されたステー42を、それぞれP3とP4との差分だけX方向に移動させる。
このとき、第2〜第4連結手段57b〜57dのエアシリンダ63は収縮状態に維持されているため、第5〜第7支軸56e〜56gは同軸状態を維持し、これにより第4支軸56dおよび第8支軸56hだけが相互に離隔して同軸状態から異軸状態となる。
この状態になったら、制御手段は第1連結手段57aおよび第5連結手段57eのエアシリンダ63にエアを供給してロッド63bを伸展状態に維持し、第4支軸56dおよび第8支軸56hの異軸状態を保持する。
その結果、搬送方向下流側から数えて4本目と5本目の容器1と、8本目と9本目の容器1を把持するグリッパ33の間隔が、P3からP4に切り換えられることとなる。
他方、制御手段はY方向駆動手段47を制御してシャフト43をY方向に移動させ、グリッパ33の間隔をP2からP3に切り換えるようになっている。
このようにして各グリッパ33の間隔を調整したら、制御手段は作業ヘッド32を下降させて、各ケース2内に容器1を収納し、その後上記グリッパ33へのエアの供給が停止されることで、グリッパ33は容器1を解放する。
【0029】
上記ボトルコンベヤ4では、上記作業ヘッド32が物品集積位置Aから容器1を持ち去ると、上記制御手段の制御によって上記回転式ストッパ14がせき止めていた容器1を解放する。
これにより容器1は再びセンサ13を通過しながら下流側の物品集積位置Aに搬送され、再び12本の容器1がセンサ13を通過すると、回転式ストッパ14により13本目の容器1がせき止められることとなる。
一方ケースコンベヤ5では、上記作業ヘッド32が各ケース2内に容器1を収納すると、制御手段は上記第1ストッパ21を制御してケースコンベヤ5上より退避させ、容器1を収納したケース2は図示しない後工程に搬送される。
ここで、ケースコンベヤ5では上記第2ストッパ23によって4個目以降のケース2がせき止められているが、このとき隣接するケース2は隙間なく整列しているため、このままでは上記センサ22によってケース2の個数を検出することができない。
そこで、この上記第2ストッパ23が4個目のケース2を停止させている状態から、制御手段は最初に上記第3ストッパ24を制御して5個目のケース2を把持させる。
次に、第3ストッパ24によって5個目のケース2が把持されたら、第2ストッパ23が4個目のケース2を解放して、4個目のケース2だけを下流側に搬送させる。
そしてその所定時間経過後、上記第3ストッパ24が5個目のケース2を解放することで、4個目のケース2と5個目のケース2との間に隙間が形成されることとなる。
4個目のケースがセンサ22を通過し、その後5個目のケース2がセンサ22によって検出されると、制御手段は直ちに上記第2ストッパ23により当該5個目のケース2を停止させ、続いて第3ストッパ24により6個目のケース2を停止させる。
そして第3ストッパ24が6個目のケース2を停止させたら、第2ストッパ23は5個目のケース2を解放して、5個目のケース2と6個目のケース2との間に隙間を形成する。
これ以降は上述したのと同じ動作を繰り返すことで、センサ22を通過するケース2とケース2との間に隙間が形成され、3つのケース2を上記ケース集積位置Bに集積させることができる。
【0030】
上述したような本実施例のケーサ3によれば、容器1の径やケース2の収納本数を変更して、収納パターンを変更する場合であっても、これに容易に対応することが可能となっている。
図8は一例として(a)〜(d)の4つの収納パターンについて示した図となっており、各図の上段が上記物品集積位置Aにおける容器1の集積状態を、下段がケース集積位置Bにおける容器1の収納状態をそれぞれ示している。
まず、図8(a)は上記実施例における収納パターンを示しており、各容器の径はdとなっている。また上記実施例で説明した通り、容器1は物品集積位置Aに12本ずつ隙間のない状態で3列集積され、X方向における間隔はP1、Y方向における間隔はP2となっている。
またケース集積位置Bにおいて、各ケース2内には容器1がX方向に4本、Y方向に3本の計12本収納されるようになっており、各容器1の間隔はP3となっている。また、隣接するケース2間における容器1と容器1との間隔はP4となっている。
この場合、上記間隔調整手段34によって、物品集積位置Aにおけるグリッパ33のX方向の間隔はP1に、Y方向の間隔はP2に調整される。
そして、ケース集積位置Bにおけるグリッパ33のX方向およびY方向の間隔は、一部を除いてP3に調整され、搬送方向下流側(図8の図示右側)から数えて4本目と5本目の容器1と、8本目と9本目の容器1との間隔は、上記第1、第5連結手段57a、57eを作動させることで、P4に広げられる。
【0031】
図8(b)は上記(a)の収納パターンに対し、ケース2内への容器の収納数は同じであるが、容器1の径が上記dよりも大径なd’となっている。
このため、物品集積位置AのX方向における間隔は上記P1よりも広いP1’となり、またY方向における間隔はP2(P2と異なるP2’でもよい)となっている。
一方、ケース集積位置Bの各ケース2内には、容器1が上記P3よりも広いP3’で収納され、隣接するケース2間における容器1と容器1との間隔は上記P4よりも広いP4’となっている。
この場合、予め上記ボトルコンベヤ4の集積ストッパ12の位置と、ケースコンベヤの第1ストッパ21の位置とを、それぞれ搬送方向下流側に移動させておく。
これは、上記X方向パンタグラフ機構44が固定ステー52を中心に作動するからであり、整列した容器1の先頭は、容器が大径となった分だけ下流側に移動するからである。
そして、上記間隔調整手段34は、物品集積位置Aにおけるグリッパ33のX方向の間隔をP1’に、Y方向の間隔をP2に調整する。
またケース集積位置Bにおいても、グリッパ33のX方向およびY方向の間隔を一部を除いてP3’に調整し、搬送方向下流側から数えて4本目と5本目の容器1と、8本目と9本目の容器1との間隔を、上記第1、第5連結手段57a、57eを作動させてP4’に調整する。
【0032】
図8(c)は容器の径がd’であって、物品集積位置Aに集積される容器1の本数と、各ケース2に収納される容器1の本数とが異なる収納パターンとなっている。
物品集積位置Aには、各ガイド部材11によって3列で容器1が搬送されるものの、各列には10本ずつ容器1が集積されるようになっている。
このため、物品集積位置AのX方向における間隔は上記P1’となり、Y方向における間隔はP2となる。
一方、ケース集積位置Bの各ケース2内には、容器1がX方向に5本、Y方向に3本の計15本収納されるようになっており、隣接する容器の間隔はP3’であるとともに、隣接するケース2間における容器1と容器1との間隔は上記P4’となる。
この場合、予め作業ヘッド32からX方向における上流端および下流端に位置するグリッパ33を1本ずつ取り外しておき、上記ボトルコンベヤ4の集積ストッパ12の位置と、ケースコンベヤの第1ストッパ21の位置とを、それぞれ搬送方向上流側に移動させておく。
そして、上記間隔調整手段34は、物品集積位置Aにおけるグリッパ33のX方向の間隔をP1’に、Y方向の間隔をP2に調整する。
またケース集積位置Bにおいても、グリッパ33のX方向およびY方向の間隔を一部を除いてP3’に調整し、搬送方向下流側から数えて5本目と6本目の容器1の間隔を、第3連結手段57cを作動させて、P4’に調整する。
【0033】
図8(d)は容器の径がd’よりも大径なd’’であって、物品集積位置Aに集積される容器1の本数と、各ケース2に収納される容器1の本数とが異なる収納パターンとなっている。
物品集積位置Aには、各ガイド部材11によって2列で容器1が搬送され、各列には9本ずつ容器1が集積されるようになっている。
このため、物品集積位置AのX方向における間隔は上記P1’よりも広いP1’’となり、Y方向における間隔はP2となっている。
一方、ケース集積位置Bの各ケース2内には、容器1がX方向に3本、Y方向に2本の計6本収納されるようになっており、隣接する容器の間隔はP3’よりも広いP3’’であるとともに、隣接するケース2間における容器1と容器1との間隔は上記P4’よりも広いP4’’となっている。
この場合、予めX方向に整列する12個のグリッパ33の各列から3個ずつグリッパ33を取り外すとともに、Y方向における両端の列のうちいずれか一方の列のグリッパ33を取り外せばよく、これにより作業ヘッド32には9個のグリッパ33が2列に整列した状態で保持されることとなる。
このとき、X方向に整列するグリッパ33からは、例えば上流側に位置する3個のグリッパ3を取り外してもよいし、上流側から2個、下流側から1個を取り外すようにしてもよい。
一方、上記ボトルコンベヤ4の集積ストッパ12の位置と、ケースコンベヤの第1ストッパ21の位置とを、それぞれ搬送方向上流側に移動させておく。
そして、上記間隔調整手段34は、物品集積位置Aにおけるグリッパ33のX方向の間隔をP1’’に、Y方向の間隔をP2に調整する。
またケース集積位置Bにおいても、グリッパ33のX方向およびY方向の間隔を一部を除いてP3’’に調整し、搬送方向下流側から数えて3本目と4本目の容器1と、6本目と7本目の容器1との間隔を、上記第1、第4連結手段57a、57dを作動させて、P4’’に調整する。
【0034】
このように、本実施例のケーサ3によれば、作業ヘッド32を交換しなくてもさまざまな収納パターンに基づいて容器1をケース2内に収納することができる。
なお、上記実施例では物品集積位置Aに搬送方向に12本、これに直交する方向で3列の計36本の容器1を把持することができるが、上記シャフト43やステー42を増やして、これらにグリッパ33の連結された保持部材35を設ければ、これ以上の本数の容器1であっても対応可能である。
また、上記実施例ではX方向パンタグラフ機構44における第1〜第3支軸56a〜56cおよび第9〜第11支軸56i〜56kには連結手段が設けられておらず、Y方向パンタグラフ機構46の支軸73にも連結手段は設けられていないが、これらに連結手段を設けることで、より多彩な収納パターンに対応することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施例にかかるケーサについての配置図。
【図2】作業ヘッドについての平面図。
【図3】作業ヘッドについての側面図。
【図4】X方向パンタグラフ機構についての側面図。
【図5】連結手段についてのY方向から見た拡大側面図。
【図6】連結手段についての拡大平面図。
【図7】連結手段についてのX方向から見た拡大側面図。
【図8】各種の収納パターンについて説明した図。
【符号の説明】
【0036】
1 容器 2 ケース
4 ボトルコンベヤ 5 ケースコンベヤ
6 ロボット 11 ガイド部材
32 作業ヘッド 33 グリッパ
34 間隔調整手段 35 保持部材
41a X方向メインレール 41b Y方向メインレール
42 ステー 43 シャフト
44 X方向パンタグラフ機構 45 X方向駆動手段
46 Y方向パンタグラフ機構 47 Y方向駆動手段
51A〜51L 第1〜第12スライドブロック
54 中心軸 55 リンク部材
56a〜56k 第1〜第11支軸
57a〜57e 第1〜第5連結手段
59 プレート用レール 62 プレート
63 エアシリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を把持する複数のグリッパと、各グリッパの間隔を調整する間隔調整手段とを備えた物品移送装置において、
上記間隔調整手段は、所定方向に設けられたメインレールと、該メインレールに沿って移動するとともに上記グリッパの連結された複数の保持部材と、各保持部材に連結されてこれらを上記レールに沿って移動させるパンタグラフ機構とを備え、
上記パンタグラフ機構は、各保持部材に連結されると共にその中心が回転可能に軸支されたリンク部材と、隣接するリンク部材の端部同士を回転可能に軸支する支軸とを備え、
所要の支軸を、上記リンク部材の端部同士が同一軸上で回転する同軸状態と、上記リンク部材の端部同士が離隔した位置で回転する異軸状態とに切換え可能に保持する連結手段を設け、
上記連結手段によって支軸を同軸状態とした際における隣接するグリッパの間隔と、異軸状態とした際における隣接するグリッパの間隔とが、上記メインレールの方向に異なるようにしたことを特徴とする物品移送装置。
【請求項2】
上記物品は物品集積位置に所定間隔で整列した状態で集積され、上記物品移送装置によって把持された物品は、整列した複数のケース内に複数個ずつ所定間隔で整列した状態で収納するようになっており、
上記物品集積位置で物品を把持する際、上記連結手段は上記支軸を同軸状態とし、
上記ケースに物品を収納する際、上記連結手段は一方のケースに収納される容器を把持するグリッパの連結された保持部材と、他方のケースに収納される容器を把持するグリッパの連結された保持部材との間に位置する支軸を異軸状態として、当該位置のグリッパの間隔を隣接するケースの厚みに合わせて広げることを特徴とする請求項1に記載の物品移送装置。
【請求項3】
上記連結手段は、隣接するリンク部材の端部に上記支軸を介して回転可能に連結される一対のプレートと、両プレートの間に設けられてこれらを上記メインレールの方向に接離させるシリンダユニットとから構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の物品移送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−280172(P2008−280172A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128372(P2007−128372)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】