現像装置の再生方法、現像装置および画像形成装置
【課題】現像カートリッジの再生において、再生後に、レーザプリンタなどの画像形成装置より入力された駆動力を入力し、現像ローラなどに伝達する、互いに噛合するギヤの組が、ギヤに付与されるトルクの増大によって歯とびをおこさず、さらに、現像カートリッジの製造に当たって、環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストが高いギヤを用いないことを目的とするものである。
【解決手段】現像ローラ駆動ギヤ59aをモジュールがより大きなギヤである現像ローラ駆動ギヤ81に交換する。そして、入力ギヤ59cを、入力ギヤ59cよりモジュールが大きく、現像ローラ駆動ギヤ81に噛合する第1入力ギヤ82nと、モジュールが入力ギヤ59cから変更されず、供給ローラ駆動ギヤ59bと中間ギヤ59dに噛合する第2入力ギヤ82mから構成される2段ギヤである入力ギヤ82に交換する。
【解決手段】現像ローラ駆動ギヤ59aをモジュールがより大きなギヤである現像ローラ駆動ギヤ81に交換する。そして、入力ギヤ59cを、入力ギヤ59cよりモジュールが大きく、現像ローラ駆動ギヤ81に噛合する第1入力ギヤ82nと、モジュールが入力ギヤ59cから変更されず、供給ローラ駆動ギヤ59bと中間ギヤ59dに噛合する第2入力ギヤ82mから構成される2段ギヤである入力ギヤ82に交換する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどに用いられる現像装置の再生方法、その現像装置およびレーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタなどの電子写真方式の画像形成装置には、トナーが充填される現像カートリッジが、着脱自在に装着されている。
【0003】
このような現像カートリッジは、充填室と現像室とに画成されており、充填室には、トナーが充填され、回転駆動されるアジテータが設けられている。現像室には、互いに接触状に対向配置される供給ローラ及び現像ローラと、現像ローラの表面に圧接される層厚規制ブレードとが設けられている。
【0004】
そして、現像カートリッジは、レーザプリンタに装着され、レーザプリンタからの動力が、ギヤの連結などによって入力されると、アジテータの回転駆動により、充填室内に充填されているトナーが現像室内に搬送される。現像室内において、そのトナーは、供給ローラの回転によって現像ローラに供給される。この時、トナーは、供給ローラと現像ローラとの間で摩擦帯電される。さらに、現像ローラの表面上に供給されたトナーは、現像ローラの回転に従って、層厚規制ブレードと現像ローラとの間に進入し、一定の厚さの薄層として現像ローラの表面上に担持される。
【0005】
そして、このような現像カートリッジは、レーザプリンタにおいて、現像ローラと感光ドラムとが対向するように配置されている。現像ローラの表面上に薄層として担持されたトナーは、感光ドラムと対向した時に、その感光ドラムの表面上に形成されている静電潜像を現像して、可視像を形成する。そして、その可視像が転写ローラによって用紙に転写されることで、用紙に所定の画像が形成される
また、このような現像カートリッジは、上述したように、レーザプリンタに装着されて使用されることにより充填室内のトナーが消費される。そして、トナー残量が少なくなると、レーザプリンタはトナーエンプティを表示し、ユーザに対して現像カートリッジの交換を促すので、ユーザは、その使用された現像カートリッジを取り外して、新たな現像カートリッジを装着するようにしている。
【0006】
しかるに、近年、環境保全の観点より、使用済みの現像カートリッジをそのまま廃棄せずに、その使用済みの現像カートリッジを再生(リサイクル)する技術が普及しつつある。
【0007】
例えば、特開2003−263029号公報に記載されているように、使用済みの現像カートリッジを、一旦回収して、この使用済みの現像カートリッジに、現像カートリッジの前の使用時に使用された懸濁重合トナーよりも、流動性が低く、かつ、球形化処理されていない粉砕トナーよりも流動性の高いトナー、つまり乳化重合トナーや、前の使用時に使用された懸濁重合トナーよりも少ない量の外添剤を含有する懸濁重合トナーを再充填して再使用するという技術が知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、現像ローラや供給ローラなどの回転軸や、それらの回転軸を回転可能に支持する軸受けは、現像カートリッジが使用されることによって、次第に磨耗してゆき削れカスが生じる、そして回転軸と軸受けの間に削れカスが溜まることによって、回転軸に固定されたギヤに付与されるトルクは増大する。磨耗がより進むと回転軸がブレが生じて、さらにトルクは増大する。
【0009】
また、現像カートリッジに一体的に設けられた回転軸や、その回転軸に回転可能に取り付けられたギヤも、現像カートリッジの使用にともなって、磨耗してゆき、結果として、ギヤに付与されるトルクは増大する。
【0010】
従って、現像カートリッジの再生後も、それらの回転軸や軸受けをそのまま使い続けると、前の使用時に比べて、回転軸に連結されるギヤに付与されるトルクは増加してゆき、ギアの歯とびが起きる可能性がある。
【0011】
特に、現像カートリッジの再生において、前述の特開2003−263029号公報に記載の技術を用いると、前の使用時に使用されていたトナーよりも、流動性の低いトナーを再充填することで、現像ローラと供給ローラの間や現像ローラと層厚規制ブレードの間をトナーが通過するときの抵抗が大きくなる。また、アジテータなどに付与されるトナーからの抵抗も大きくなる。この結果、トナーが再充填されて再使用される現像カートリッジを駆動するギヤにかかるトルクが増大して、再生後にギヤの歯とびや破損が起こる危険性がより高まる。
【0012】
特開平11−327286号公報に記載されているように、供給ローラと現像ローラを摩擦させてトナーに帯電させる駆動装置において、高トルクが付与されるギヤをガラス繊維入りの樹脂材料を用いて構成するという技術が知られている。この技術によると、ギヤに高負荷が付与された場合でも、ギヤの歯とびやギヤの歯が破損したりすることを防止できる。
【0013】
ところが、新品の現像カートリッジが、使用された後に、必ず再生されるとは、限らない。その原因としては、以下の事などが挙げられる。(1)一度も再生されていない現像カートリッジが事故により破損した場合、再生されずに廃棄される。(2)ユーザが誤って一度も再生されていない現像カートリッジを廃棄してしまう。(3)ユーザの中には、一度も再生されていない新品の現像カートリッジを使用することを好む人もいる。
【0014】
従って、新品で未再生の現像カートリッジの製造において、ガラス繊維入りの樹脂材料のように、リサイクルが困難であり、製造工程が複雑で、さらに製造コストが高い材料を用いることは、環境保全の観点から好ましくない。さらに製造工程も不要に複雑になり、製造コストも上がるという問題がある。
【0015】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、現像カートリッジの再生において、再生後の使用でのギヤの歯とびを防止し、さらに、一度も再生されていない新品の現像カートリッジの製造に当たって、環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストが高いギヤを不要とすることを目的とするものである。
【特許文献1】特開2003−263029号公報
【特許文献2】特開平11−327286号公報
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1記載の現像装置の再生方法は、現像剤を担持する現像剤担持体と、画像形成装置本体から入力された駆動力を、前記現像剤担持体へ伝達する複数のギヤを有するギヤ機構部と、前記ギヤに対して摺動可能であり、前記ギヤを回転可能に支持する回転軸とを備え、前記画像形成装置本体に着脱可能である現像装置の再生方法であって、前記回転軸と、前記ギヤの前記回転軸の周面に対向する面との間に、摺動部材を挟む工程を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の現像装置は、現像剤を担持する現像剤担持体と、画像形成装置本体から入力された駆動力を、前記現像剤担持体へ伝達する複数のギヤを有するギヤ機構部と、前記ギヤに対して摺動可能であり、前記ギヤを回転可能に支持する回転軸とを備え、前記画像形成装置本体に着脱可能である現像装置において、前記回転軸と、前記ギヤの前記回転軸の周面に対向する面との間に、摺動部材が挟まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
また、請求項1記載の発明によれば、回転軸とギヤの間に、摺動部材を挟むので、回転軸や、ギヤの磨耗の回転軸周面に対向する面の磨耗を補うことができる、その結果そのギヤに付与されるトルクの増大を防止できる。
【0019】
また、未再生で新品の現像カートリッジの製造において、環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストの高いギヤを用いる必要も無い。
【0020】
また、請求項2記載の発明によれば、回転軸とギヤの間に、摺動部材を挟まれているので、回転軸や、ギヤの磨耗の回転軸周面に対向する面の磨耗を補うことができる、その結果そのギヤに付与されるトルクの増大を防止できる。
【0021】
また、未再生で新品の現像カートリッジの製造において、環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストの高いギヤを用いる必要も無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[実施例1]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の現像装置としての現像カートリッジが装着される、画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。図1において、このレーザプリンタ1は、電子写真方式により画像を形成するレーザプリンタとして構成されており、本体ケーシング2内に、記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に所定の画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
【0023】
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6の一端側端部に設けられる給紙機構部7と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板8と、給紙機構部7に対し用紙3の搬送方向の下流側(以下、用紙3の搬送方向上流側または下流側を、単に、上流側または下流側という場合がある。)に設けられる第1搬送ローラ9および第2搬送ローラ10と、これら第1搬送ローラ9および第2搬送ローラ10に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ11とを備えている。
【0024】
給紙トレイ6は、用紙3を積層状に収容し得る上面が開放されたボックス形状をなし、本体ケーシング2の底部に対して水平方向に着脱可能とされている。
【0025】
給紙機構部7は、給紙ローラ12と、その給紙ローラ12に対向する分離パッド13とを備えており、分離パット13の裏側には、ばね13aが配置され、そのばね13aの付勢力によって、分離パット13が給紙ローラ12に押圧されている。
【0026】
用紙押圧板8は、用紙3を積層状にスタック可能とされ、給紙ローラ12に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部を上下方向に移動可能とし、また、その裏側から図示しないばねによって上方向に付勢されている。そのため、用紙押圧板8は、用紙3の積層量が増えるに従って、給紙機構部7に対して遠い方の端部を支点として、ばねの付勢力に抗して下向きに揺動される。そして、用紙押圧板8上の最上位にある用紙3は、用紙押圧板8の裏側から図示しないばねによって給紙ローラ12に向かって押圧され、その給紙ローラ12の回転によって給紙ローラ12と分離パット13とで挟まれた後、それらの協動により、1枚毎に分離されて給紙される。給紙された用紙3は、第1搬送ローラ9および第2搬送ローラ10によってレジストローラ11に送られる。
【0027】
レジストローラ11は、1対のローラから構成されており、用紙3を所定のレジスト後に、画像形成位置に送るようにしている。なお、画像形成位置は、用紙3に感光ドラム23上のトナー像を転写する転写位置、すなわち、本実施形態では感光ドラム23と転写ローラ25との接触位置である。
【0028】
また、このレーザプリンタ1のフィーダ部4は、さらに、任意のサイズの用紙3が積層されるマルチパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス給紙機構部15と、マルチパーパス搬送ローラ16とを備えている。
【0029】
マルチパーパス給紙機構部15は、マルチパーパス給紙ローラ15aと、そのマルチパーパス給紙ローラ15aに対向するマルチパーパス分離パット15bとを備えており、マルチパーパス分離パット15bの裏側には、ばね15cが配置され、そのばね15cの付勢力によって、マルチパーパス分離パット15bがマルチパーパス給紙ローラ15aに押圧されている。
【0030】
そして、マルチパーパストレイ14上に積層される最上位の用紙3は、マルチパーパス給紙ローラ15aの回転によってマルチパーパス給紙ローラ15aとマルチパーパス分離パット15bとで挟まれた後、それらの協動により、1枚毎に分離されて、レジストローラ11に向けて給紙される。
【0031】
画像形成部5は、スキャナ部17、プロセス部18、定着部19などを備えている。
【0032】
スキャナ部17は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、回転駆動されるポリゴンミラー20、レンズ21aおよび21b、反射鏡22などを備えており、レーザ発光部からの発光される所定の画像データに基づくレーザビームを、鎖線で示すように、ポリゴンミラー20、レンズ21a、反射鏡22、レンズ21bの順に通過あるいは反射させて、後述するプロセス部18の感光ドラム23の表面上に高速走査にて照射させている。
【0033】
プロセス部18は、スキャナ部17の下方に配設され、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されるように構成されている。このプロセス部18は、ドラムカートリッジ38内に、像担持体としての感光ドラム23と、現像装置としての現像カートリッジ24と、転写手段としての転写ローラ25と、スコロトロン型帯電器37とを備えている。
【0034】
現像カートリッジ24は、ドラムカートリッジ38に対して着脱自在に装着される。なお、ドラムカートリッジ38が、レーザプリンタ1の本体ケーシング2から離脱している時においても、装着されている時においても、現像カートリッジ24はドラムカートリッジ38に対して装着可能である。そして、図2に示すように、現像カートリッジ24の筐体24a内は、現像剤としてのトナーが充填される充填室26aと、現像室26bとが区画形成されており、その間の隔壁にトナー供給口39が開口形成されている。
【0035】
充填室26a内には、アジテータ40が回転可能に設けられるとともに、正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填されている。アジテータ40は、充填室26a内の中心に回転可能に支持される回転軸40aと、その回転軸40aの周りに設けられる攪拌羽根40bと、その攪拌羽根40bの遊端部に貼着されるフィルム部材40cとを備えている。そして、後述するギヤ機構部59からの動力によって、回転軸40aが回転駆動され、攪拌羽根40bの回転により、フィルム部材40cが充填室26a内のトナーを掻き上げて現像室26bに搬送するように構成されている。なお、このアジテータ40の回転軸40aには、攪拌羽根40bと反対側に、後述する窓62を清掃するためのクリーナ63が設けられている。
【0036】
現像室26b内には、現像剤担持体としての現像ローラ27、層厚規制部材としての層厚規制ブレード28および供給手段としての供給ローラ29が設けられている。
【0037】
供給ローラ29は、トナー供給口39の下方において、矢印方向(時計方向)に回転可能に配設されている。この供給ローラ29は、金属製のローラ軸に、導電性のスポンジ材料からなるローラが被覆されている。
【0038】
現像ローラ27は、供給ローラ29の側方において、矢印方向(時計方向)に回転可能に配設されている。この現像ローラ27は、金属製のローラ軸に、導電性の弾性材料からなるローラが被覆されており、より具体的には、現像ローラ27のローラは、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなるローラの表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。また、現像ローラ27には、感光ドラム23に対して、所定の現像バイアスが印加されている。なお、これら供給ローラ29と現像ローラ27とは、そのそれぞれがある程度圧縮するような状態で互いに当接されている。
【0039】
また、現像ローラ27の近傍には、層厚規制ブレード28が配設されている。この層厚規制ブレード28は、現像ローラ27の上方において、その現像ローラ27の軸方向に沿って対向状に配置されている。
【0040】
この層厚規制ブレード28は、板ばね部材28aと、その板ばね部材28aの先端部に設けられ、現像ローラ27と接触される接触部分としての絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部28bと、板ばね部材28aの裏面に設けられるバックアップ部材28cと、板ばね部材28aの後端部を現像カートリッジ24の筐体24aに支持させるためのサポート部材28dとを備えている。そして、この層厚規制ブレード28は、板ばね部材28aがサポート部材28dによって筐体24aに支持された状態で、押圧部28bが、バックアップ部材28cによって押圧される板ばね部材28aの弾性力によって現像ローラ27上に圧接されている。
【0041】
なお、このように、層厚規制ブレード28の押圧部28bをシリコーンゴムによって形成することにより、現像ローラ27上に、トナーを良好に帯電させた状態で担持させることができる。
【0042】
また、この現像カートリッジ24は、図3にも示すように、その筐体24aにおける現像ローラ27が配設される側が開放されており、筐体24aの両側壁56には、筐体24aの開放側から現像ローラ27のローラ軸を装着支持するための支持孔57が形成されている。この支持孔57は、両側壁56の開放側端部から連続する凹溝状に形成されている。
【0043】
また、これら両側壁56の内側には、両側壁56に隣接して、現像ローラ27の軸方向両端部におけるトナーの漏れを防止するためのシール部材としてのサイドシール58が貼着されている。このサイドシール58は、スポンジ部材の上にフェルト部材が貼着されており、このサイドシール58の上に、現像ローラ27の軸方向両端部が摺動可能に載置される。また、このサイドシール58に隣接する内側には、サイドシール58と同様に、トナーの漏れを防止するためのロアサイドシール64が貼着されている。
【0044】
なお、図3においては、現像ローラ27の軸方向一端部のみが示されているが、軸方向他端部も同様の構成とされている。
【0045】
また、この現像カートリッジ24は、図4にも示すように、筐体24aにおける現像ローラ27の軸方向両端部が支持される両側壁56において、その一方の側壁56a側には、現像ローラ27やアジテータ40を駆動するための駆動機構としてのギヤ機構部59が設けられ、他方の側壁56b側には、充填室26aを開放および閉鎖するための蓋としてのトナーキャップ60が設けられている。
【0046】
ギヤ機構部59は、側壁56aに支持されるホルダープレート61に、現像ローラ駆動ギヤ59a、供給ローラ駆動ギヤ59b、入力ギヤ59c、中間ギヤ59d、アジテータ駆動ギヤ59eが回転可能に支持されている。ここで、現像ローラ駆動ギヤ59aは現像ローラ27に固定され、供給ローラ駆動ギヤ59bは供給ローラ29に固定されており、入力ギヤ59cは現像ローラ駆動ギヤ59aと供給ローラ駆動ギヤ59bに噛合している。中間ギヤ59dは、入力ギヤ59cに噛合する大中間ギヤ59dnとアジテータ駆動ギヤ59eに噛合する小中間ギヤ59dmから構成される2段ギヤである。アジテータ駆動ギヤ59eはアジテータ40の回転軸40aに連結されている。そして、現像カートリッジ24がレーザプリンタ1に装着されて、レーザプリンタ1の図示しないモータから、入力ギヤ59cに入力ギヤ59cの有するカップリング80を介して動力が入力されると、入力ギヤ59cと噛合する現像ローラ駆動ギヤ59aおよび供給ローラ駆動ギヤ59bを介して、現像ローラ27および供給ローラ29がそれぞれ回転駆動される。また、入力ギヤ59cと噛合する中間ギヤ59dおよび中間ギヤ59dと噛合するアジテータ駆動ギヤ59eを介して、アジテータ40が回転駆動される。
【0047】
また、トナーキャップ60は、他方の側壁56bに形成される開口部を開閉して、後述するトナーの再充填時において、現像カートリッジ24の前の使用時に使用されたトナーを充填室26aから排出して、再充填するトナーを充填室26aに供給するために用いられる。
【0048】
そして、図2に示すように、充填室26a内のトナーは、アジテータ40の矢印方向(反時計方向)への回転により、攪拌されて、トナー供給口39から現像室26bに搬送される。なお、充填室26aの側壁56には、図示しない光センサの光を透過させるための窓62が形成されており、この窓62がアジテータ40に支持されているクリーナ63によって清掃される。この窓62は、トナーの残量を検知するために用いられ、充填室26aにトナーが充填されている状態では、光センサの光が透過せず、充填室26aのトナーの残量が少なくなると、レーザプリンタ1は光センサの光が透過して、本体ケーシング2に設けられる図示しない操作パネル上に、トナーエンプティを表示する。
【0049】
次いで、トナー供給口39から現像室26bに搬送されるトナーは、供給ローラ29の回転により、現像ローラ27に供給され、この時、供給ローラ29と現像ローラ27との間で正に摩擦帯電され、次に、現像ローラ27上に供給されたトナーは、現像ローラ27の回転に伴って、層厚規制ブレード28の押圧部28bと現像ローラ27との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ27上に確実に担持される。
【0050】
感光ドラム23は、図1に示すように、現像ローラ27の側方位置において、その現像ローラ27と対向するような状態で矢印方向(反時計方向)に回転可能に配設されている。この感光ドラム23は、ドラム本体が接地されるとともに、その表面部分がポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層により形成されている。
【0051】
スコロトロン型帯電器37は、感光ドラム23の上方に、感光ドラム23に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。このスコロトロン型帯電器37は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光ドラム23の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0052】
そして、感光ドラム23の表面は、その感光ドラム23の回転に伴なって、まず、スコロトロン型帯電器37により一様に正帯電された後、スキャナ部17からのレーザビームの高速走査により露光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0053】
次いで、現像ローラ27の回転により、現像ローラ27上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム23に対向して接触する時に、感光ドラム23の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム23の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像が達成される。
【0054】
転写ローラ25は、感光ドラム23の下方において、この感光ドラム23に対向するように配置され、ドラムカートリッジ38に回転可能に支持されている。この転写ローラ25は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、感光ドラム23に対して所定の転写バイアスが印加されるように構成されている。そのため、感光ドラム23の表面上に担持された可視像は、用紙3が感光ドラム23と転写ローラ25との間を通る間に用紙3に転写される。可視像が転写された用紙3は、搬送ベルト30を介して、定着部19に搬送される。
【0055】
定着部19は、プロセス部18の側方下流側に配設され、加熱ローラ31、加熱ローラ31を押圧する押圧ローラ32、および、これら加熱ローラ31および押圧ローラ32の下流側に設けられる搬送ローラ33を備えている。
【0056】
加熱ローラ31は、金属製で加熱のためのハロゲンランプを備えており、プロセス部18において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ31と押圧ローラ32との間を通過する間に熱定着させ、その後、その用紙3を定着部19の搬送ローラ33によって、本体ケーシング2に設けられた搬送ローラ34および排紙ローラ35に搬送するようにしている。搬送ローラ34に送られた用紙3は、その後、排紙ローラ35によって排紙トレイ36上に排紙される。
【0057】
また、このレーザプリンタ1では、転写ローラ25によって用紙3に転写された後に感光ドラム23の表面上に残存する残存トナーを現像ローラ27によって回収する、いわゆるクリーナレス現像方式によって残存トナーを回収している。このようなクリーナレス現像方式によって残存トナーを回収すれば、ブレードなどの残存トナーを除去するための格別の部材および廃トナーの貯留部が不要となり、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0058】
また、このレーザプリンタ1には、用紙3の両面に画像を形成するための再搬送ユニット41を備えている。この再搬送ユニット41は、反転機構部42と、再搬送トレイ43とが、一体的に構成され、本体ケーシング2における後部側から、反転機構部42が外付けされるとともに、再搬送トレイ43がフィーダ部4の上方に挿入されるような状態で、着脱自在に装着されている。
【0059】
反転機構部42は、本体ケーシング2の後壁に外付けされ、略断面矩形状のケーシング44に、反転ローラ46および再搬送ローラ47を備えるとともに、上端部から、反転ガイドプレート48を上方に向かって突出させている。
【0060】
なお、搬送ローラ33の下流側には、一方の面に画像が形成され搬送ローラ33によって搬送されてきた用紙3を、搬送ローラ34に向かう方向(実線の状態)と、後述する反転ローラ46に向かう方向(仮想線の状態)とに選択的に切り換えるためのフラッパ45が設けられている。このフラッパ45は、本体ケーシング2の後部において回動可能に支持されており、搬送ローラ33の下流側近傍に配置され、図示しないソレノイドの励磁または非励磁により、一方の面に画像が形成され搬送ローラ33によって搬送されてきた用紙3を、搬送ローラ34に向かう方向(実線の状態)と、後述する反転ローラ46に向かう方向(仮想線の状態)とに選択的に切り換えることができるように揺動可能に設けられている。
【0061】
反転ローラ46は、フラッパ45の下流側であって、ケーシング44の上部に配置され、1対のローラからなり、正方向および逆方向に回転の切り換えができるように構成されている。この反転ローラ46は、まず正方向に回転して、用紙3を反転ガイドプレート48に向けて搬送し、その後、逆方向に回転して、用紙3を反転方向に搬送できるように構成されている。
【0062】
再搬送ローラ47は、反転ローラ46の下流側であって、ケーシング44における反転ローラ46のほぼ真下に配置され、1対のローラからなり、反転ローラ46によって反転された用紙3を、再搬送トレイ43に搬送できるように構成されている。
【0063】
また、反転ガイドプレート48は、ケーシング44の上端部から、さらに上方に向かって延びる板状部材からなり、反転ローラ46により送られる用紙3をガイドするように構成されている。
【0064】
そして、用紙3の両面に画像を形成する場合には、この反転機構部42において、まず、フラッパ45が、用紙3を反転ローラ46に向かわせる方向に切り換えられ、この反転機構部42に、一方の面に画像が形成された用紙3が受け入れられる。その後、その受け入れられた用紙3が反転ローラ46に送られてくると、反転ローラ46は、用紙3を挟んだ状態で正回転して、この用紙3を一旦反転ガイドプレート48に沿って、外側上方に向けて搬送し、用紙3の大部分が外側上方に送られ、用紙3の後端が反転ローラ46に挟まれた時に、正回転を停止する。次いで、反転ローラ46は、逆回転して、用紙3を、前後逆向きの状態で、ほぼ真下に向かうようにして、再搬送ローラ47に搬送する。なお、反転ローラ46を正回転から逆回転させるタイミングは、定着部19の下流側に設けられる用紙通過センサ56が、用紙3の後端を検知した時から所定時間を経過した時となるように制御されている。また、フラッパ45は、用紙3の反転ローラ46への搬送が終了すると、元の状態、すなわち、搬送ローラ33から送られる用紙3を搬送ローラ34に送る状態に切り換えられる。
【0065】
次いで、再搬送ローラ47に逆向きに搬送されてきた用紙3は、その再搬送ローラ47によって、次に述べる再搬送トレイ43に搬送される。
【0066】
再搬送トレイ43は、用紙3が供給される用紙供給部49、トレイ本体50および斜行ローラ51を備えている。
【0067】
用紙供給部49は、反転機構部42の下側において本体ケーシング2の後部に外付けされ、湾曲形状の用紙案内部材52を備えている。この用紙供給部49では、反転機構部42の再搬送ローラ47からほぼ鉛直方向で送られてくる用紙3を、用紙案内部材52によって、略水平方向に向けて案内し、トレイ本体50に向けて略水平方向で送り出すようにしている。
【0068】
トレイ本体50は、略矩形板状をなし、給紙トレイ6の上方において、略水平方向に設けられており、その上流側端部が、用紙案内部材52に連結されるとともに、その下流側端部が、トレイ本体50から第2搬送ローラ10に用紙3を案内するためにその下流側端部が給紙搬送経路65の途中に接続されている再搬送経路53の上流側端部に連結されている。
【0069】
また、トレイ本体50の用紙3の搬送方向途中には、用紙3を、図示しない基準板に当接させながら搬送するための斜行ローラ51が、用紙3の搬送方向において所定の間隔を隔てて2つ配置されている。
【0070】
各斜行ローラ51は、トレイ本体50の幅方向一端部に設けられる図示しない基準板の近傍に配置され、その軸線が用紙3の搬送方向と略直交する方向に配置される斜行駆動ローラ54と、その斜行駆動ローラ54と用紙3を挟んで対向し、その軸線が、用紙3の搬送方向と略直交する方向から、用紙3の送り方向が基準面に向かう方向に傾斜する方向に配置される斜行従動ローラ55とを備えている。
【0071】
そして、用紙供給部49からトレイ本体50に送り出された用紙3は、斜行ローラ51によって、その用紙3の幅方向一端縁が基準板に当接されながら、再搬送経路53を介して、再び、表裏が反転された状態で、画像形成位置に向けて搬送される。そして、画像形成位置に搬送された用紙3は、その裏面が、感光ドラム23と対向接触され、可視像が転写された後、定着部19において定着され、両面に画像が形成された状態で、排紙トレイ36上に排紙される。{現像カートリッジの再生方法}
そして、このようなレーザプリンタ1に装着される現像カートリッジ24は、画像形成によって充填室26a内のトナーが使用された後に、その使用済みの現像カートリッジ24がそのまま廃棄されることなく、その現像カートリッジ24へトナーの再充填と、ギヤの交換を行うことにより再生する。
【0072】
次に、そのような現像カートリッジ24の再生方法について説明する。
【0073】
この現像カートリッジ24の前の使用時には、現像カートリッジ24の充填室26a内に、懸濁重合トナーが充填されている。
【0074】
そして、現像カートリッジ24の使用により、このような懸濁重合トナーが使用されて、トナーエンプティが表示されると、ユーザによって現像カートリッジ24の交換がなされる。
【0075】
そして、レーザプリンタ1から取り外された使用済みの現像カートリッジ24を、一旦回収して、先ず、この使用済みの現像カートリッジ24に、現像カートリッジ24の前の使用時に使用された懸濁重合トナーよりも流動性が低く、かつ、球形化処理されていない粉砕トナーよりも流動性の高いトナーを再充填する。
【0076】
より具体的には、この方法では、現像カートリッジ24の前の使用時に使用された懸濁重合トナーに代えて、再充填時には、現像カートリッジ24の前の使用時に使用された懸濁重合トナーに含有されている外添剤の含有量よりも、少ない含有量で外添剤が含有されている懸濁重合トナーを再充填するか、乳化重合トナーを再充填するか、あるいは、球形処理された粉砕トナーを再充填する。
【0077】
こうすることによって、サイドシール58が磨耗していても、トナーの流動性が低いので、サイドシール58と現像ローラ27の軸方向両端部の間からトナーが洩れることを防止できる。{ギヤの交換方法}
次に、現像カートリッジ24の再生におけるギヤの交換について図4(b)、図5、図6、図7、図8(a)(b)を用いて詳述する。図4(b)は、図2に示す現像カートリッジの右側面図である。図5は、前の使用時のギヤ機構部の図4(b)におけるA方向平面図である。図6は、前の使用時におけるギヤ機構部のB方向平面図である。図7は、実施例1におけるギヤ交換後のギヤ機構部のB方向平面図である。図8(a)は、前の使用時における現像ローラ駆動ギヤのB方向平面図であり、(b)は実施例1におけるギヤ交換後の現像ローラ駆動ギヤのB方向平面図である。
【0078】
ここで、図4に示すように、現像カートリッジ24を下方から見る方向をA方向とし、図5などに示すように現像ローラの回転軸方向をB方向とする。
【0079】
前述したように、前の使用時におけるギヤ機構部59は、側壁56aに支持されるホルダープレート61に、現像ローラ駆動ギヤ59a、供給ローラ駆動ギヤ59b、入力ギヤ59c、中間ギヤ59d、アジテータ駆動ギヤ59eが回転可能に支持されている。ここで、現像ローラ駆動ギヤ59aは現像ローラ27に固定され、供給ローラ駆動ギヤ59bは供給ローラ29に固定されており、入力ギヤ59cは現像ローラ駆動ギヤ59aと供給ローラ駆動ギヤ59bに噛合している。中間ギヤ59dは、入力ギヤ59cに噛合する大中間ギヤ59dnとアジテータ駆動ギヤ59eに噛合する小中間ギヤ59dmから構成される2段ギヤである。アジテータ駆動ギヤ59eはアジテータ40の回転軸40aに連結されている。そして、現像カートリッジ24がレーザプリンタ1に装着されて、レーザプリンタ1の図示しないモータから、入力ギヤ59cに入力ギヤ59cの有するカップリング80を介して動力が入力されると、入力ギヤ59cと噛合する現像ローラ駆動ギヤ59aおよび供給ローラ駆動ギヤ59bを介して、現像ローラ27および供給ローラ29がそれぞれ回転駆動される。また、入力ギヤ59cと噛合する中間ギヤ59dおよび中間ギヤ59dと噛合するアジテータ駆動ギヤ59eを介して、アジテータ40が回転駆動される。また、ギヤ機構部59に支持されるギヤは、ガラス繊維入りの強化樹脂などに比べて、再生が容易で、製造工程がシンプルで、製造コストも低いポリアセタールなどの樹脂で作られている。
【0080】
ところで、前述したように、流動性のより低いトナーの再充填によって現像カートリッジ24を再生すると、その後の使用において、ギヤ機構部59の備えるギヤに付与されるトルクが前の使用時に比べて大きくなっており、ギヤの歯とびがおこる危険がある。
【0081】
そしてその原因としては、再充填されたトナーの流動性の低さによって、アジテータ40や現像ローラ27、供給ローラ29等に対するトナーからの抵抗が増大することが挙げられる。
【0082】
特に、現像ローラ駆動ギヤ59aに付与されるトルクの、現像カートリッジ24の再生による増大は、ギヤ機構部59の備える他のギヤに比べて、特に大きい。
【0083】
その原因としては、再生後に、現像ローラ27と供給ローラ29の間を通過するトナーが、現像ローラ27と供給ローラ29の回転に抗する力が大きくなることや、現像ローラ27と層厚規制ブレード28の間を通過するトナーが、現像ローラ27の回転に抗する力が特に大きくなることが挙げられる。
【0084】
また、ギヤ機構部59の備えるギヤを支持する回転軸や、その回転軸を回転可能に保持する軸受けは、使用するに従って、磨耗する。そして、磨耗により、回転軸や軸受けから生じた削れカスが、軸受けと回転軸の間に挟まり、ギヤの回転に対する抵抗を増大させる。さらに磨耗が進むと、回転軸と軸受けの間にガタが生じて、ギヤの回転に対する抵抗をさらに増大させる。
【0085】
従って、再生後も回転軸や軸受けをそのまま使用すると、その後の使用において、ギヤに付与されるトルクが増大してゆくので、ギアの歯とびの危険性がより高まる。
【0086】
そこで、実施例1においては、図6、図7、図8に図示するように、トナー再充填の後に、現像ローラ駆動ギヤ59aをモジュールがより大きなギヤである現像ローラ駆動ギヤ81に交換する。そして、入力ギヤ59cを、入力ギヤ59cよりモジュールが大きく、現像ローラ駆動ギヤ81に噛合する第1入力ギヤ82nと、モジュールが入力ギヤ59cから変更されず、供給ローラ駆動ギヤ59bと中間ギヤ59dに噛合する第2入力ギヤ82mから構成される2段ギヤである入力ギヤ82に交換する。
【0087】
ここで、現像ローラ駆動ギヤ81と入力ギヤ82は、ともに前の使用時に用いられていたギヤと同様に、ガラス繊維入りの強化樹脂などに比べて、再生が容易で、製造工程がシンプルで、製造コストも低いポリアセタールなどの樹脂で作られている。
【0088】
図8(a)と図8(b)はそれぞれ、現像ローラ駆動ギヤ59aと現像ローラ駆動ギヤ81の対比図であり、現像ローラ駆動ギヤ81の有するギヤ歯81xの大きさが、現像ローラ駆動ギヤ59aの有するギヤ歯59axよりも大きいことが見て取れる。
【0089】
以上のように、モジュールがより大きなギヤに交換されることにより、交換されたギヤのギヤ歯同士の、噛み合いがより大きくなり、歯とびを防止できる。また、ギヤ歯の、ギヤの回転方向の厚みが増すので、ギア歯の回転方向の強度が増し、歯とびを防止できる。
【0090】
また、前述したように、再生後に付与されるトルクの増大が最も大きくなることが予想される現像ローラ駆動ギヤ59aと、それに噛み合う入力ギヤ59cのみを交換することで、より少ないギヤの交換で効果的にギヤの歯とびを防止できる。
【0091】
また、未再生品である新品の現像カートリッジ24の製造において、ガラス繊維入りの強化樹脂などに比べて環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストの高いギヤを用いる必要も無い。
【0092】
さらに、ギヤの交換によって取り付けられた現像ローラ駆動ギヤ81と入力ギヤ82は、交換前に用いられていたギヤと同じく再生が容易な材料により構成されているので、現像カートリッジ24の再生においても、ガラス繊維入り強化樹脂を用いた場合に比べて、環境負荷を抑えることができる。[実施例2]
実施例2における、ギヤの交換方法について図5、図6、図9を用いて説明する。
【0093】
図9(a)は、前の使用時における現像ローラ駆動ギヤ59aのA方向平面図であり、図9(b)は、現像ローラ駆動ギヤ83のA方向平面図である。
【0094】
以下に記述したこと以外は、実施例1と同様とする。
【0095】
図9に示すように、現像ローラ駆動ギヤ59aを回転軸方向(B方向)の幅、つまり歯幅がより大きな現像ローラ駆動ギヤ83に交換する。
【0096】
そして、同様に入力ギヤ59cを、より回転軸方向(B方向)の幅、つまり歯幅がより大きな入力ギヤに交換する。
【0097】
図9(a)と図9(b)はそれぞれ、現像ローラ駆動ギヤ59aと現像ローラ駆動ギヤ83の回転軸方向(B方向)の厚みの対比図であり、現像ローラ駆動ギヤ83のB方向の厚みが、現像ローラ駆動ギヤ59aのB方向の厚みより厚いことが見て取れる。
【0098】
以上のように、ギヤの回転軸方向(B方向)の厚みが増すので、ギヤの回転方向の強度が増し、歯とびを防止できる。
【0099】
また、前述したように、再生後に付与されるトルクの増大が最も大きくなることが想定される現像ローラ駆動ギヤ59aと、それに噛み合う入力ギヤ59cのみを交換することで、より少ないギヤの交換で効果的にギヤの歯とびを防止できる。
【0100】
さらに、交換によって取り付けられる入力ギヤは交換前の入力ギヤ59cに対して、回転軸方向(B方向)の厚みが増しているだけであり、2段ギヤにする必要がない。従って、交換によって取り付けられる入力ギヤの製造は、交換前に取り付けられていた入力ギヤ59cの製造に比べて特別難しくならない。
【0101】
また、未再生品である新品の現像カートリッジ24の製造において、ガラス繊維入りの強化樹脂などに比べて環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストの高いギヤを用いる必要も無い。
【0102】
さらに、ギヤの交換によって取り付けられた現像ローラ駆動ギヤ83と入力ギヤは、交換前に用いられていたギヤと同じくポリアセタールなどの樹脂で作られているので、ガラス繊維入りの強化樹脂などに比べて、再生が容易で、製造工程がシンプルで、製造コストも低く抑えられる。[実施例3]
実施例3における、ギヤの交換方法について図10を用いて説明する。
【0103】
以下に記述したこと以外は、実施例1と同様とする。
【0104】
実施例3では、図10(a)に図示される現像ローラ駆動ギヤ59aと入力ギヤ59cを、それぞれ図10(b)に図示されるように、現像ローラ駆動ギヤ84と入力ギヤ85に交換する。
【0105】
ここで、入力ギヤ85は、現像ローラ駆動ギヤ84と噛合する第1入力ギヤ85mと、供給ローラ駆動ギヤ59bおよび中間ギヤ59dに噛合する第2入力ギヤ85nから構成される2段ギヤである。
【0106】
そして、ギヤ交換前における、第1入力ギヤ85mに対する現像ローラ駆動ギヤ84のギヤ比は、前の使用時における、入力ギヤ59cに対する現像ローラ駆動ギヤ59aのギヤ比より大きい。
【0107】
ギヤの交換を行うと、現像ローラ駆動ギヤ84の周速が交換前の現像ローラ駆動ギヤ59aの周速より小さくなる、つまり、現像ローラ駆動ギヤ84に付与されるトルクは、交換前の交換前の現像ローラ駆動ギヤ59aに付与されるトルクより小さくなるので、結果として、再生後のギヤの歯とびを防止できる。
【0108】
また、前述したように、再生後に付与されるトルクの増大が最も大きくなることが想定される現像ローラ駆動ギヤ59aと、それに噛み合う入力ギヤ59cのみを交換することで、より少ないギヤの交換で効果的にギヤの歯とびを防止できる。
【0109】
また、未再生品である新品の現像カートリッジ24の製造において、ガラス繊維入りの強化樹脂のように、環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストの高いギヤを用いる必要も無い。
【0110】
さらに、ギヤの交換によって取り付けられた現像ローラ駆動ギヤ84と入力ギヤ85は、交換前に用いられていたギヤと同じく再生が容易な材料により構成されているので、現像カートリッジ24の再生においても、環境負荷が大きくなるということはない。[実施例4]
実施例4について、図11を用いて説明する。図11は、現像ローラの軸受け付近における分解図である。
【0111】
以下に記述したこと以外は、実施例1と同様とする。
【0112】
現像ローラ駆動ギヤ59aは現像ローラ27の一部である現像ローラ回転軸91に、その回転軸91に対して回転不能に固定されている。また、その回転軸91は軸受け90に回転可能に保持されている。そして、軸受け90は現像カートリッジ24に固定されている。
【0113】
軸受け90は現像ローラ回転軸91と摺動することによって、磨耗して、削れカスが生じる。そして、使用するにしたがって、軸受け90と現像ローラ回転軸91の間に削れカスが溜まり、結果として現像ローラ24の回転に抵抗する力が増大する。さらに、磨耗が進むと、現像ローラ回転軸91の回転にガタが生じ、現像ローラ24の回転に抵抗する力がさらに増大する。この結果として、現像ローラ駆動ギヤ59aに付与されるトルクが次第に増加する。
【0114】
実施例4においては、トナーの再充填の完了後、ギヤの交換にともなって、軸受け90を、新たな軸受けに交換する。
【0115】
実施例1の効果に加えて、トナーの再充填にともない、軸受け90を交換することによって、現像カートリッジ24の再生後に、軸受けがさらに磨耗することによって、現像ローラ駆動ギヤ81に付与されるトルクが増大することを防止できる。[実施例5]
実施例5において、図12を用いて説明する。
【0116】
図12は、入力ギヤの回転軸付近における分解図である。
【0117】
以下に記述したこと以外は、実施例1と同様とする。前の使用時において、入力ギヤ59cと、現像カートリッジ24に設けられた入力回転軸93に対して、回転可能に支持されている。
【0118】
入力回転軸93と、入力ギヤ59cの入力回転軸93の周面と対向する面が、互いに摺動することによって磨耗する。そして、さらに磨耗が進むと、入力ギヤ59cの回転にガタが生じてきて、結果として、入力ギヤ59cに付与されるトルクが増大する。
【0119】
実施例5においては、図12に図示するようにトナーの再充填の完了後、ギヤの交換にともなって、入力ギヤ82の入力回転軸93周面と対向する面と、入力回転軸93の間に薄い筒状の摺動部材92を挟む。
【0120】
摺動部材92の材質には、ポリアセタールなどの摺動性の良好な樹脂が適している。
【0121】
実施例1の効果に加えて、トナーの再充填にともない、上記のように、入力ギヤ59cと入力軸と間に薄い筒状の摺動部材92を挟むことにより、現像カートリッジ再生後に、入力回転軸93の更なる磨耗によって、入力ギヤ59cに付与されるトルクの増大を防止できる。
【0122】
以下にその他の実施例について、説明する。
【0123】
実施例1では、ギヤをモジュールのより大きなものと交換していたが、その代わりに、ガラス繊維強化樹脂などで構成された、ギヤを用いてもよい。
【0124】
これによって、ギヤの回転方向の強度が増すので、歯とびを防止できる。
【0125】
また、未再生品である新品の現像カートリッジ24の製造において、ガラス繊維入りの強化樹脂などに比べて環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストの高いギヤを用いる必要も無い。
【0126】
また、ギヤを単独で交換することも可能である。
【0127】
また、図5に示すように、アジテータ駆動ギヤ59eと小中間ギヤ59dmは平歯ギヤであるが、これらを、はす歯ギヤに変更したものに交換してもよい。
【0128】
これによって、ギヤのギヤ歯の回転方向の厚みと、歯すじの長さが増すので、結果として、ギヤの回転方向の強度が増すので歯とびを防止できる。さらに、同時に噛合するギヤ歯の数であるかみあい率も増加するので、ギヤ歯に付与される力が分散され、歯とびを防止できる。
【0129】
また、はす歯ギヤを、歯すじのねじれ角をより大きなものに交換してもよい。
【0130】
これによって、ギヤのギヤ歯の回転方向の厚みと、歯すじの長さが増すので、結果として、ギヤの回転方向の強度が増すので歯とびを防止できる。さらに、同時に噛合するギヤ歯の数である噛み合い率も増加するので、ギヤ歯に付与される力が分散され、歯とびを防止できる。
【0131】
また、前述の各実施例において、ギヤの交換の対象は、現像ローラ駆動ギヤ59aと入力ギヤ59c入力ギヤであってが、他の、ギヤを対象としてもよい。
【0132】
例えば、図5、図6を用いて説明すると、アジテータ駆動ギヤ59eと中間ギヤ59dの組を交換してもよい。
【0133】
具体的には、アジテータ駆動ギヤ59eをモジュールのより大きなアジテータ駆動ギヤに交換する。そして、中間ギヤ59dを、モジュールが交換後のアジテータ駆動ギヤと同じで交換後にアジテータ駆動ギヤと噛み合う小中間ギヤと、モジュールが交換前の大中間ギヤ59dnから変更されていない大中間ギヤとから構成される中間ギヤに交換する。
【0134】
これによって、流動性のより低いトナーを再充填したことなどによって、付与されるトルクが増大するアジテータ駆動ギヤと、それに噛み合う中間ギヤの歯とびを防止できる。
【0135】
また、すべてのギヤをよりモジュールの大きなものに交換してもよい。
【0136】
また、交換後のギヤに、交換前のギヤと区別できる、識別手段を付けても良い。
【0137】
識別手段として、具体的には、目印、色などがあげられる。
【0138】
こうすることによって、製造者が、再生品か未再生品かを容易に分別できる。
【0139】
さらに、現像カートリッジの再生にともなって、取り外された使用済みのギヤは、廃棄せずに、そのギヤが使用可能な、別の現像カートリッジに取り付けても良い。
【0140】
これによって、使用済みのギヤを再使用できるので、環境負荷が低減でき、製造コストも節約できる。
【0141】
本発明における現像装置の再生とは、トナーを再充填する工程を必ずしも必要としない。
【0142】
つまり、ギヤを交換するだけでも、現像装置の再生に含まれる。
【0143】
さらには、回転軸と、ギヤの回転軸周面と対向する面との間に摺動部材を挟むだけでも現像装置の再生に含まれる。
【0144】
また、上記各実施例においては、現像装置としての現像カートリッジには、感光体ドラムが備えられていないが、現像ローラと感光体ドラムが備えられたカートリッジも本発明の現像装置に含まれる。
【0145】
さらには、画像形成装置に着脱可能であり、少なくとも現像ローラと、画像形成装置から入力された駆動力を現像ローラなどに伝達するギヤを備えるカートリッジのことを現像装置とする。また、上記各実施例においては、画像形成装置としてレーザプリンタが挙げられたが、電子写真プロセスが用いられた、ファクシミリや複合機なども画像形成装置に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の画像形成装置としての、レーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。
【図2】図1に示すレーザプリンタの現像カートリッジを示す要部側断面図である。
【図3】図2に示す現像カートリッジにおいて、現像ローラの軸方向端部のサイドシールの近傍を示す要部斜視図である(但し、現像ローラは装着されていない)。
【図4】図2に示す現像カートリッジを示す、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は左側面図である。
【図5】前の使用時におけるギヤ機構部のA方向平面図である。
【図6】前の使用時におけるギヤ機構部のB方向平面図である。
【図7】実施例1におけるギヤ交換後のギヤ機構部のB方向平面図である。
【図8】(a)前の使用時における現像ローラ駆動ギヤのB方向平面図である。 (b)実施例1におけるギヤ交換後の現像ローラ駆動ギヤのB方向平面図である。
【図9】前の使用時と、実施例2におけるギヤ交換後の、現像ローラ駆動ギヤの軸方向の厚みを比較した比較図である。
【図10】(a)前の使用時における現像ローラ駆動ギヤのB方向平面図である。 (b)実施例3におけるギヤ交換後の現像ローラ駆動ギヤのB方向平面図である。
【図11】現像ローラの軸受け付近における分解図である。
【図12】入力ギヤの回転軸付近における分解図である。
【符号の説明】
【0147】
59 ギヤ機構部
59a 現像ローラ駆動ギヤ
59b 供給ローラ駆動ギヤ
59c 入力ギヤ
59d 中間ギヤ
59e アジテータ駆動ギヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどに用いられる現像装置の再生方法、その現像装置およびレーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタなどの電子写真方式の画像形成装置には、トナーが充填される現像カートリッジが、着脱自在に装着されている。
【0003】
このような現像カートリッジは、充填室と現像室とに画成されており、充填室には、トナーが充填され、回転駆動されるアジテータが設けられている。現像室には、互いに接触状に対向配置される供給ローラ及び現像ローラと、現像ローラの表面に圧接される層厚規制ブレードとが設けられている。
【0004】
そして、現像カートリッジは、レーザプリンタに装着され、レーザプリンタからの動力が、ギヤの連結などによって入力されると、アジテータの回転駆動により、充填室内に充填されているトナーが現像室内に搬送される。現像室内において、そのトナーは、供給ローラの回転によって現像ローラに供給される。この時、トナーは、供給ローラと現像ローラとの間で摩擦帯電される。さらに、現像ローラの表面上に供給されたトナーは、現像ローラの回転に従って、層厚規制ブレードと現像ローラとの間に進入し、一定の厚さの薄層として現像ローラの表面上に担持される。
【0005】
そして、このような現像カートリッジは、レーザプリンタにおいて、現像ローラと感光ドラムとが対向するように配置されている。現像ローラの表面上に薄層として担持されたトナーは、感光ドラムと対向した時に、その感光ドラムの表面上に形成されている静電潜像を現像して、可視像を形成する。そして、その可視像が転写ローラによって用紙に転写されることで、用紙に所定の画像が形成される
また、このような現像カートリッジは、上述したように、レーザプリンタに装着されて使用されることにより充填室内のトナーが消費される。そして、トナー残量が少なくなると、レーザプリンタはトナーエンプティを表示し、ユーザに対して現像カートリッジの交換を促すので、ユーザは、その使用された現像カートリッジを取り外して、新たな現像カートリッジを装着するようにしている。
【0006】
しかるに、近年、環境保全の観点より、使用済みの現像カートリッジをそのまま廃棄せずに、その使用済みの現像カートリッジを再生(リサイクル)する技術が普及しつつある。
【0007】
例えば、特開2003−263029号公報に記載されているように、使用済みの現像カートリッジを、一旦回収して、この使用済みの現像カートリッジに、現像カートリッジの前の使用時に使用された懸濁重合トナーよりも、流動性が低く、かつ、球形化処理されていない粉砕トナーよりも流動性の高いトナー、つまり乳化重合トナーや、前の使用時に使用された懸濁重合トナーよりも少ない量の外添剤を含有する懸濁重合トナーを再充填して再使用するという技術が知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、現像ローラや供給ローラなどの回転軸や、それらの回転軸を回転可能に支持する軸受けは、現像カートリッジが使用されることによって、次第に磨耗してゆき削れカスが生じる、そして回転軸と軸受けの間に削れカスが溜まることによって、回転軸に固定されたギヤに付与されるトルクは増大する。磨耗がより進むと回転軸がブレが生じて、さらにトルクは増大する。
【0009】
また、現像カートリッジに一体的に設けられた回転軸や、その回転軸に回転可能に取り付けられたギヤも、現像カートリッジの使用にともなって、磨耗してゆき、結果として、ギヤに付与されるトルクは増大する。
【0010】
従って、現像カートリッジの再生後も、それらの回転軸や軸受けをそのまま使い続けると、前の使用時に比べて、回転軸に連結されるギヤに付与されるトルクは増加してゆき、ギアの歯とびが起きる可能性がある。
【0011】
特に、現像カートリッジの再生において、前述の特開2003−263029号公報に記載の技術を用いると、前の使用時に使用されていたトナーよりも、流動性の低いトナーを再充填することで、現像ローラと供給ローラの間や現像ローラと層厚規制ブレードの間をトナーが通過するときの抵抗が大きくなる。また、アジテータなどに付与されるトナーからの抵抗も大きくなる。この結果、トナーが再充填されて再使用される現像カートリッジを駆動するギヤにかかるトルクが増大して、再生後にギヤの歯とびや破損が起こる危険性がより高まる。
【0012】
特開平11−327286号公報に記載されているように、供給ローラと現像ローラを摩擦させてトナーに帯電させる駆動装置において、高トルクが付与されるギヤをガラス繊維入りの樹脂材料を用いて構成するという技術が知られている。この技術によると、ギヤに高負荷が付与された場合でも、ギヤの歯とびやギヤの歯が破損したりすることを防止できる。
【0013】
ところが、新品の現像カートリッジが、使用された後に、必ず再生されるとは、限らない。その原因としては、以下の事などが挙げられる。(1)一度も再生されていない現像カートリッジが事故により破損した場合、再生されずに廃棄される。(2)ユーザが誤って一度も再生されていない現像カートリッジを廃棄してしまう。(3)ユーザの中には、一度も再生されていない新品の現像カートリッジを使用することを好む人もいる。
【0014】
従って、新品で未再生の現像カートリッジの製造において、ガラス繊維入りの樹脂材料のように、リサイクルが困難であり、製造工程が複雑で、さらに製造コストが高い材料を用いることは、環境保全の観点から好ましくない。さらに製造工程も不要に複雑になり、製造コストも上がるという問題がある。
【0015】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、現像カートリッジの再生において、再生後の使用でのギヤの歯とびを防止し、さらに、一度も再生されていない新品の現像カートリッジの製造に当たって、環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストが高いギヤを不要とすることを目的とするものである。
【特許文献1】特開2003−263029号公報
【特許文献2】特開平11−327286号公報
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1記載の現像装置の再生方法は、現像剤を担持する現像剤担持体と、画像形成装置本体から入力された駆動力を、前記現像剤担持体へ伝達する複数のギヤを有するギヤ機構部と、前記ギヤに対して摺動可能であり、前記ギヤを回転可能に支持する回転軸とを備え、前記画像形成装置本体に着脱可能である現像装置の再生方法であって、前記回転軸と、前記ギヤの前記回転軸の周面に対向する面との間に、摺動部材を挟む工程を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の現像装置は、現像剤を担持する現像剤担持体と、画像形成装置本体から入力された駆動力を、前記現像剤担持体へ伝達する複数のギヤを有するギヤ機構部と、前記ギヤに対して摺動可能であり、前記ギヤを回転可能に支持する回転軸とを備え、前記画像形成装置本体に着脱可能である現像装置において、前記回転軸と、前記ギヤの前記回転軸の周面に対向する面との間に、摺動部材が挟まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
また、請求項1記載の発明によれば、回転軸とギヤの間に、摺動部材を挟むので、回転軸や、ギヤの磨耗の回転軸周面に対向する面の磨耗を補うことができる、その結果そのギヤに付与されるトルクの増大を防止できる。
【0019】
また、未再生で新品の現像カートリッジの製造において、環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストの高いギヤを用いる必要も無い。
【0020】
また、請求項2記載の発明によれば、回転軸とギヤの間に、摺動部材を挟まれているので、回転軸や、ギヤの磨耗の回転軸周面に対向する面の磨耗を補うことができる、その結果そのギヤに付与されるトルクの増大を防止できる。
【0021】
また、未再生で新品の現像カートリッジの製造において、環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストの高いギヤを用いる必要も無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[実施例1]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の現像装置としての現像カートリッジが装着される、画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。図1において、このレーザプリンタ1は、電子写真方式により画像を形成するレーザプリンタとして構成されており、本体ケーシング2内に、記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に所定の画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
【0023】
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6の一端側端部に設けられる給紙機構部7と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板8と、給紙機構部7に対し用紙3の搬送方向の下流側(以下、用紙3の搬送方向上流側または下流側を、単に、上流側または下流側という場合がある。)に設けられる第1搬送ローラ9および第2搬送ローラ10と、これら第1搬送ローラ9および第2搬送ローラ10に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ11とを備えている。
【0024】
給紙トレイ6は、用紙3を積層状に収容し得る上面が開放されたボックス形状をなし、本体ケーシング2の底部に対して水平方向に着脱可能とされている。
【0025】
給紙機構部7は、給紙ローラ12と、その給紙ローラ12に対向する分離パッド13とを備えており、分離パット13の裏側には、ばね13aが配置され、そのばね13aの付勢力によって、分離パット13が給紙ローラ12に押圧されている。
【0026】
用紙押圧板8は、用紙3を積層状にスタック可能とされ、給紙ローラ12に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部を上下方向に移動可能とし、また、その裏側から図示しないばねによって上方向に付勢されている。そのため、用紙押圧板8は、用紙3の積層量が増えるに従って、給紙機構部7に対して遠い方の端部を支点として、ばねの付勢力に抗して下向きに揺動される。そして、用紙押圧板8上の最上位にある用紙3は、用紙押圧板8の裏側から図示しないばねによって給紙ローラ12に向かって押圧され、その給紙ローラ12の回転によって給紙ローラ12と分離パット13とで挟まれた後、それらの協動により、1枚毎に分離されて給紙される。給紙された用紙3は、第1搬送ローラ9および第2搬送ローラ10によってレジストローラ11に送られる。
【0027】
レジストローラ11は、1対のローラから構成されており、用紙3を所定のレジスト後に、画像形成位置に送るようにしている。なお、画像形成位置は、用紙3に感光ドラム23上のトナー像を転写する転写位置、すなわち、本実施形態では感光ドラム23と転写ローラ25との接触位置である。
【0028】
また、このレーザプリンタ1のフィーダ部4は、さらに、任意のサイズの用紙3が積層されるマルチパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス給紙機構部15と、マルチパーパス搬送ローラ16とを備えている。
【0029】
マルチパーパス給紙機構部15は、マルチパーパス給紙ローラ15aと、そのマルチパーパス給紙ローラ15aに対向するマルチパーパス分離パット15bとを備えており、マルチパーパス分離パット15bの裏側には、ばね15cが配置され、そのばね15cの付勢力によって、マルチパーパス分離パット15bがマルチパーパス給紙ローラ15aに押圧されている。
【0030】
そして、マルチパーパストレイ14上に積層される最上位の用紙3は、マルチパーパス給紙ローラ15aの回転によってマルチパーパス給紙ローラ15aとマルチパーパス分離パット15bとで挟まれた後、それらの協動により、1枚毎に分離されて、レジストローラ11に向けて給紙される。
【0031】
画像形成部5は、スキャナ部17、プロセス部18、定着部19などを備えている。
【0032】
スキャナ部17は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、回転駆動されるポリゴンミラー20、レンズ21aおよび21b、反射鏡22などを備えており、レーザ発光部からの発光される所定の画像データに基づくレーザビームを、鎖線で示すように、ポリゴンミラー20、レンズ21a、反射鏡22、レンズ21bの順に通過あるいは反射させて、後述するプロセス部18の感光ドラム23の表面上に高速走査にて照射させている。
【0033】
プロセス部18は、スキャナ部17の下方に配設され、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されるように構成されている。このプロセス部18は、ドラムカートリッジ38内に、像担持体としての感光ドラム23と、現像装置としての現像カートリッジ24と、転写手段としての転写ローラ25と、スコロトロン型帯電器37とを備えている。
【0034】
現像カートリッジ24は、ドラムカートリッジ38に対して着脱自在に装着される。なお、ドラムカートリッジ38が、レーザプリンタ1の本体ケーシング2から離脱している時においても、装着されている時においても、現像カートリッジ24はドラムカートリッジ38に対して装着可能である。そして、図2に示すように、現像カートリッジ24の筐体24a内は、現像剤としてのトナーが充填される充填室26aと、現像室26bとが区画形成されており、その間の隔壁にトナー供給口39が開口形成されている。
【0035】
充填室26a内には、アジテータ40が回転可能に設けられるとともに、正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填されている。アジテータ40は、充填室26a内の中心に回転可能に支持される回転軸40aと、その回転軸40aの周りに設けられる攪拌羽根40bと、その攪拌羽根40bの遊端部に貼着されるフィルム部材40cとを備えている。そして、後述するギヤ機構部59からの動力によって、回転軸40aが回転駆動され、攪拌羽根40bの回転により、フィルム部材40cが充填室26a内のトナーを掻き上げて現像室26bに搬送するように構成されている。なお、このアジテータ40の回転軸40aには、攪拌羽根40bと反対側に、後述する窓62を清掃するためのクリーナ63が設けられている。
【0036】
現像室26b内には、現像剤担持体としての現像ローラ27、層厚規制部材としての層厚規制ブレード28および供給手段としての供給ローラ29が設けられている。
【0037】
供給ローラ29は、トナー供給口39の下方において、矢印方向(時計方向)に回転可能に配設されている。この供給ローラ29は、金属製のローラ軸に、導電性のスポンジ材料からなるローラが被覆されている。
【0038】
現像ローラ27は、供給ローラ29の側方において、矢印方向(時計方向)に回転可能に配設されている。この現像ローラ27は、金属製のローラ軸に、導電性の弾性材料からなるローラが被覆されており、より具体的には、現像ローラ27のローラは、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなるローラの表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。また、現像ローラ27には、感光ドラム23に対して、所定の現像バイアスが印加されている。なお、これら供給ローラ29と現像ローラ27とは、そのそれぞれがある程度圧縮するような状態で互いに当接されている。
【0039】
また、現像ローラ27の近傍には、層厚規制ブレード28が配設されている。この層厚規制ブレード28は、現像ローラ27の上方において、その現像ローラ27の軸方向に沿って対向状に配置されている。
【0040】
この層厚規制ブレード28は、板ばね部材28aと、その板ばね部材28aの先端部に設けられ、現像ローラ27と接触される接触部分としての絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部28bと、板ばね部材28aの裏面に設けられるバックアップ部材28cと、板ばね部材28aの後端部を現像カートリッジ24の筐体24aに支持させるためのサポート部材28dとを備えている。そして、この層厚規制ブレード28は、板ばね部材28aがサポート部材28dによって筐体24aに支持された状態で、押圧部28bが、バックアップ部材28cによって押圧される板ばね部材28aの弾性力によって現像ローラ27上に圧接されている。
【0041】
なお、このように、層厚規制ブレード28の押圧部28bをシリコーンゴムによって形成することにより、現像ローラ27上に、トナーを良好に帯電させた状態で担持させることができる。
【0042】
また、この現像カートリッジ24は、図3にも示すように、その筐体24aにおける現像ローラ27が配設される側が開放されており、筐体24aの両側壁56には、筐体24aの開放側から現像ローラ27のローラ軸を装着支持するための支持孔57が形成されている。この支持孔57は、両側壁56の開放側端部から連続する凹溝状に形成されている。
【0043】
また、これら両側壁56の内側には、両側壁56に隣接して、現像ローラ27の軸方向両端部におけるトナーの漏れを防止するためのシール部材としてのサイドシール58が貼着されている。このサイドシール58は、スポンジ部材の上にフェルト部材が貼着されており、このサイドシール58の上に、現像ローラ27の軸方向両端部が摺動可能に載置される。また、このサイドシール58に隣接する内側には、サイドシール58と同様に、トナーの漏れを防止するためのロアサイドシール64が貼着されている。
【0044】
なお、図3においては、現像ローラ27の軸方向一端部のみが示されているが、軸方向他端部も同様の構成とされている。
【0045】
また、この現像カートリッジ24は、図4にも示すように、筐体24aにおける現像ローラ27の軸方向両端部が支持される両側壁56において、その一方の側壁56a側には、現像ローラ27やアジテータ40を駆動するための駆動機構としてのギヤ機構部59が設けられ、他方の側壁56b側には、充填室26aを開放および閉鎖するための蓋としてのトナーキャップ60が設けられている。
【0046】
ギヤ機構部59は、側壁56aに支持されるホルダープレート61に、現像ローラ駆動ギヤ59a、供給ローラ駆動ギヤ59b、入力ギヤ59c、中間ギヤ59d、アジテータ駆動ギヤ59eが回転可能に支持されている。ここで、現像ローラ駆動ギヤ59aは現像ローラ27に固定され、供給ローラ駆動ギヤ59bは供給ローラ29に固定されており、入力ギヤ59cは現像ローラ駆動ギヤ59aと供給ローラ駆動ギヤ59bに噛合している。中間ギヤ59dは、入力ギヤ59cに噛合する大中間ギヤ59dnとアジテータ駆動ギヤ59eに噛合する小中間ギヤ59dmから構成される2段ギヤである。アジテータ駆動ギヤ59eはアジテータ40の回転軸40aに連結されている。そして、現像カートリッジ24がレーザプリンタ1に装着されて、レーザプリンタ1の図示しないモータから、入力ギヤ59cに入力ギヤ59cの有するカップリング80を介して動力が入力されると、入力ギヤ59cと噛合する現像ローラ駆動ギヤ59aおよび供給ローラ駆動ギヤ59bを介して、現像ローラ27および供給ローラ29がそれぞれ回転駆動される。また、入力ギヤ59cと噛合する中間ギヤ59dおよび中間ギヤ59dと噛合するアジテータ駆動ギヤ59eを介して、アジテータ40が回転駆動される。
【0047】
また、トナーキャップ60は、他方の側壁56bに形成される開口部を開閉して、後述するトナーの再充填時において、現像カートリッジ24の前の使用時に使用されたトナーを充填室26aから排出して、再充填するトナーを充填室26aに供給するために用いられる。
【0048】
そして、図2に示すように、充填室26a内のトナーは、アジテータ40の矢印方向(反時計方向)への回転により、攪拌されて、トナー供給口39から現像室26bに搬送される。なお、充填室26aの側壁56には、図示しない光センサの光を透過させるための窓62が形成されており、この窓62がアジテータ40に支持されているクリーナ63によって清掃される。この窓62は、トナーの残量を検知するために用いられ、充填室26aにトナーが充填されている状態では、光センサの光が透過せず、充填室26aのトナーの残量が少なくなると、レーザプリンタ1は光センサの光が透過して、本体ケーシング2に設けられる図示しない操作パネル上に、トナーエンプティを表示する。
【0049】
次いで、トナー供給口39から現像室26bに搬送されるトナーは、供給ローラ29の回転により、現像ローラ27に供給され、この時、供給ローラ29と現像ローラ27との間で正に摩擦帯電され、次に、現像ローラ27上に供給されたトナーは、現像ローラ27の回転に伴って、層厚規制ブレード28の押圧部28bと現像ローラ27との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ27上に確実に担持される。
【0050】
感光ドラム23は、図1に示すように、現像ローラ27の側方位置において、その現像ローラ27と対向するような状態で矢印方向(反時計方向)に回転可能に配設されている。この感光ドラム23は、ドラム本体が接地されるとともに、その表面部分がポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層により形成されている。
【0051】
スコロトロン型帯電器37は、感光ドラム23の上方に、感光ドラム23に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。このスコロトロン型帯電器37は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光ドラム23の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0052】
そして、感光ドラム23の表面は、その感光ドラム23の回転に伴なって、まず、スコロトロン型帯電器37により一様に正帯電された後、スキャナ部17からのレーザビームの高速走査により露光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0053】
次いで、現像ローラ27の回転により、現像ローラ27上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム23に対向して接触する時に、感光ドラム23の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム23の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像が達成される。
【0054】
転写ローラ25は、感光ドラム23の下方において、この感光ドラム23に対向するように配置され、ドラムカートリッジ38に回転可能に支持されている。この転写ローラ25は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、感光ドラム23に対して所定の転写バイアスが印加されるように構成されている。そのため、感光ドラム23の表面上に担持された可視像は、用紙3が感光ドラム23と転写ローラ25との間を通る間に用紙3に転写される。可視像が転写された用紙3は、搬送ベルト30を介して、定着部19に搬送される。
【0055】
定着部19は、プロセス部18の側方下流側に配設され、加熱ローラ31、加熱ローラ31を押圧する押圧ローラ32、および、これら加熱ローラ31および押圧ローラ32の下流側に設けられる搬送ローラ33を備えている。
【0056】
加熱ローラ31は、金属製で加熱のためのハロゲンランプを備えており、プロセス部18において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ31と押圧ローラ32との間を通過する間に熱定着させ、その後、その用紙3を定着部19の搬送ローラ33によって、本体ケーシング2に設けられた搬送ローラ34および排紙ローラ35に搬送するようにしている。搬送ローラ34に送られた用紙3は、その後、排紙ローラ35によって排紙トレイ36上に排紙される。
【0057】
また、このレーザプリンタ1では、転写ローラ25によって用紙3に転写された後に感光ドラム23の表面上に残存する残存トナーを現像ローラ27によって回収する、いわゆるクリーナレス現像方式によって残存トナーを回収している。このようなクリーナレス現像方式によって残存トナーを回収すれば、ブレードなどの残存トナーを除去するための格別の部材および廃トナーの貯留部が不要となり、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0058】
また、このレーザプリンタ1には、用紙3の両面に画像を形成するための再搬送ユニット41を備えている。この再搬送ユニット41は、反転機構部42と、再搬送トレイ43とが、一体的に構成され、本体ケーシング2における後部側から、反転機構部42が外付けされるとともに、再搬送トレイ43がフィーダ部4の上方に挿入されるような状態で、着脱自在に装着されている。
【0059】
反転機構部42は、本体ケーシング2の後壁に外付けされ、略断面矩形状のケーシング44に、反転ローラ46および再搬送ローラ47を備えるとともに、上端部から、反転ガイドプレート48を上方に向かって突出させている。
【0060】
なお、搬送ローラ33の下流側には、一方の面に画像が形成され搬送ローラ33によって搬送されてきた用紙3を、搬送ローラ34に向かう方向(実線の状態)と、後述する反転ローラ46に向かう方向(仮想線の状態)とに選択的に切り換えるためのフラッパ45が設けられている。このフラッパ45は、本体ケーシング2の後部において回動可能に支持されており、搬送ローラ33の下流側近傍に配置され、図示しないソレノイドの励磁または非励磁により、一方の面に画像が形成され搬送ローラ33によって搬送されてきた用紙3を、搬送ローラ34に向かう方向(実線の状態)と、後述する反転ローラ46に向かう方向(仮想線の状態)とに選択的に切り換えることができるように揺動可能に設けられている。
【0061】
反転ローラ46は、フラッパ45の下流側であって、ケーシング44の上部に配置され、1対のローラからなり、正方向および逆方向に回転の切り換えができるように構成されている。この反転ローラ46は、まず正方向に回転して、用紙3を反転ガイドプレート48に向けて搬送し、その後、逆方向に回転して、用紙3を反転方向に搬送できるように構成されている。
【0062】
再搬送ローラ47は、反転ローラ46の下流側であって、ケーシング44における反転ローラ46のほぼ真下に配置され、1対のローラからなり、反転ローラ46によって反転された用紙3を、再搬送トレイ43に搬送できるように構成されている。
【0063】
また、反転ガイドプレート48は、ケーシング44の上端部から、さらに上方に向かって延びる板状部材からなり、反転ローラ46により送られる用紙3をガイドするように構成されている。
【0064】
そして、用紙3の両面に画像を形成する場合には、この反転機構部42において、まず、フラッパ45が、用紙3を反転ローラ46に向かわせる方向に切り換えられ、この反転機構部42に、一方の面に画像が形成された用紙3が受け入れられる。その後、その受け入れられた用紙3が反転ローラ46に送られてくると、反転ローラ46は、用紙3を挟んだ状態で正回転して、この用紙3を一旦反転ガイドプレート48に沿って、外側上方に向けて搬送し、用紙3の大部分が外側上方に送られ、用紙3の後端が反転ローラ46に挟まれた時に、正回転を停止する。次いで、反転ローラ46は、逆回転して、用紙3を、前後逆向きの状態で、ほぼ真下に向かうようにして、再搬送ローラ47に搬送する。なお、反転ローラ46を正回転から逆回転させるタイミングは、定着部19の下流側に設けられる用紙通過センサ56が、用紙3の後端を検知した時から所定時間を経過した時となるように制御されている。また、フラッパ45は、用紙3の反転ローラ46への搬送が終了すると、元の状態、すなわち、搬送ローラ33から送られる用紙3を搬送ローラ34に送る状態に切り換えられる。
【0065】
次いで、再搬送ローラ47に逆向きに搬送されてきた用紙3は、その再搬送ローラ47によって、次に述べる再搬送トレイ43に搬送される。
【0066】
再搬送トレイ43は、用紙3が供給される用紙供給部49、トレイ本体50および斜行ローラ51を備えている。
【0067】
用紙供給部49は、反転機構部42の下側において本体ケーシング2の後部に外付けされ、湾曲形状の用紙案内部材52を備えている。この用紙供給部49では、反転機構部42の再搬送ローラ47からほぼ鉛直方向で送られてくる用紙3を、用紙案内部材52によって、略水平方向に向けて案内し、トレイ本体50に向けて略水平方向で送り出すようにしている。
【0068】
トレイ本体50は、略矩形板状をなし、給紙トレイ6の上方において、略水平方向に設けられており、その上流側端部が、用紙案内部材52に連結されるとともに、その下流側端部が、トレイ本体50から第2搬送ローラ10に用紙3を案内するためにその下流側端部が給紙搬送経路65の途中に接続されている再搬送経路53の上流側端部に連結されている。
【0069】
また、トレイ本体50の用紙3の搬送方向途中には、用紙3を、図示しない基準板に当接させながら搬送するための斜行ローラ51が、用紙3の搬送方向において所定の間隔を隔てて2つ配置されている。
【0070】
各斜行ローラ51は、トレイ本体50の幅方向一端部に設けられる図示しない基準板の近傍に配置され、その軸線が用紙3の搬送方向と略直交する方向に配置される斜行駆動ローラ54と、その斜行駆動ローラ54と用紙3を挟んで対向し、その軸線が、用紙3の搬送方向と略直交する方向から、用紙3の送り方向が基準面に向かう方向に傾斜する方向に配置される斜行従動ローラ55とを備えている。
【0071】
そして、用紙供給部49からトレイ本体50に送り出された用紙3は、斜行ローラ51によって、その用紙3の幅方向一端縁が基準板に当接されながら、再搬送経路53を介して、再び、表裏が反転された状態で、画像形成位置に向けて搬送される。そして、画像形成位置に搬送された用紙3は、その裏面が、感光ドラム23と対向接触され、可視像が転写された後、定着部19において定着され、両面に画像が形成された状態で、排紙トレイ36上に排紙される。{現像カートリッジの再生方法}
そして、このようなレーザプリンタ1に装着される現像カートリッジ24は、画像形成によって充填室26a内のトナーが使用された後に、その使用済みの現像カートリッジ24がそのまま廃棄されることなく、その現像カートリッジ24へトナーの再充填と、ギヤの交換を行うことにより再生する。
【0072】
次に、そのような現像カートリッジ24の再生方法について説明する。
【0073】
この現像カートリッジ24の前の使用時には、現像カートリッジ24の充填室26a内に、懸濁重合トナーが充填されている。
【0074】
そして、現像カートリッジ24の使用により、このような懸濁重合トナーが使用されて、トナーエンプティが表示されると、ユーザによって現像カートリッジ24の交換がなされる。
【0075】
そして、レーザプリンタ1から取り外された使用済みの現像カートリッジ24を、一旦回収して、先ず、この使用済みの現像カートリッジ24に、現像カートリッジ24の前の使用時に使用された懸濁重合トナーよりも流動性が低く、かつ、球形化処理されていない粉砕トナーよりも流動性の高いトナーを再充填する。
【0076】
より具体的には、この方法では、現像カートリッジ24の前の使用時に使用された懸濁重合トナーに代えて、再充填時には、現像カートリッジ24の前の使用時に使用された懸濁重合トナーに含有されている外添剤の含有量よりも、少ない含有量で外添剤が含有されている懸濁重合トナーを再充填するか、乳化重合トナーを再充填するか、あるいは、球形処理された粉砕トナーを再充填する。
【0077】
こうすることによって、サイドシール58が磨耗していても、トナーの流動性が低いので、サイドシール58と現像ローラ27の軸方向両端部の間からトナーが洩れることを防止できる。{ギヤの交換方法}
次に、現像カートリッジ24の再生におけるギヤの交換について図4(b)、図5、図6、図7、図8(a)(b)を用いて詳述する。図4(b)は、図2に示す現像カートリッジの右側面図である。図5は、前の使用時のギヤ機構部の図4(b)におけるA方向平面図である。図6は、前の使用時におけるギヤ機構部のB方向平面図である。図7は、実施例1におけるギヤ交換後のギヤ機構部のB方向平面図である。図8(a)は、前の使用時における現像ローラ駆動ギヤのB方向平面図であり、(b)は実施例1におけるギヤ交換後の現像ローラ駆動ギヤのB方向平面図である。
【0078】
ここで、図4に示すように、現像カートリッジ24を下方から見る方向をA方向とし、図5などに示すように現像ローラの回転軸方向をB方向とする。
【0079】
前述したように、前の使用時におけるギヤ機構部59は、側壁56aに支持されるホルダープレート61に、現像ローラ駆動ギヤ59a、供給ローラ駆動ギヤ59b、入力ギヤ59c、中間ギヤ59d、アジテータ駆動ギヤ59eが回転可能に支持されている。ここで、現像ローラ駆動ギヤ59aは現像ローラ27に固定され、供給ローラ駆動ギヤ59bは供給ローラ29に固定されており、入力ギヤ59cは現像ローラ駆動ギヤ59aと供給ローラ駆動ギヤ59bに噛合している。中間ギヤ59dは、入力ギヤ59cに噛合する大中間ギヤ59dnとアジテータ駆動ギヤ59eに噛合する小中間ギヤ59dmから構成される2段ギヤである。アジテータ駆動ギヤ59eはアジテータ40の回転軸40aに連結されている。そして、現像カートリッジ24がレーザプリンタ1に装着されて、レーザプリンタ1の図示しないモータから、入力ギヤ59cに入力ギヤ59cの有するカップリング80を介して動力が入力されると、入力ギヤ59cと噛合する現像ローラ駆動ギヤ59aおよび供給ローラ駆動ギヤ59bを介して、現像ローラ27および供給ローラ29がそれぞれ回転駆動される。また、入力ギヤ59cと噛合する中間ギヤ59dおよび中間ギヤ59dと噛合するアジテータ駆動ギヤ59eを介して、アジテータ40が回転駆動される。また、ギヤ機構部59に支持されるギヤは、ガラス繊維入りの強化樹脂などに比べて、再生が容易で、製造工程がシンプルで、製造コストも低いポリアセタールなどの樹脂で作られている。
【0080】
ところで、前述したように、流動性のより低いトナーの再充填によって現像カートリッジ24を再生すると、その後の使用において、ギヤ機構部59の備えるギヤに付与されるトルクが前の使用時に比べて大きくなっており、ギヤの歯とびがおこる危険がある。
【0081】
そしてその原因としては、再充填されたトナーの流動性の低さによって、アジテータ40や現像ローラ27、供給ローラ29等に対するトナーからの抵抗が増大することが挙げられる。
【0082】
特に、現像ローラ駆動ギヤ59aに付与されるトルクの、現像カートリッジ24の再生による増大は、ギヤ機構部59の備える他のギヤに比べて、特に大きい。
【0083】
その原因としては、再生後に、現像ローラ27と供給ローラ29の間を通過するトナーが、現像ローラ27と供給ローラ29の回転に抗する力が大きくなることや、現像ローラ27と層厚規制ブレード28の間を通過するトナーが、現像ローラ27の回転に抗する力が特に大きくなることが挙げられる。
【0084】
また、ギヤ機構部59の備えるギヤを支持する回転軸や、その回転軸を回転可能に保持する軸受けは、使用するに従って、磨耗する。そして、磨耗により、回転軸や軸受けから生じた削れカスが、軸受けと回転軸の間に挟まり、ギヤの回転に対する抵抗を増大させる。さらに磨耗が進むと、回転軸と軸受けの間にガタが生じて、ギヤの回転に対する抵抗をさらに増大させる。
【0085】
従って、再生後も回転軸や軸受けをそのまま使用すると、その後の使用において、ギヤに付与されるトルクが増大してゆくので、ギアの歯とびの危険性がより高まる。
【0086】
そこで、実施例1においては、図6、図7、図8に図示するように、トナー再充填の後に、現像ローラ駆動ギヤ59aをモジュールがより大きなギヤである現像ローラ駆動ギヤ81に交換する。そして、入力ギヤ59cを、入力ギヤ59cよりモジュールが大きく、現像ローラ駆動ギヤ81に噛合する第1入力ギヤ82nと、モジュールが入力ギヤ59cから変更されず、供給ローラ駆動ギヤ59bと中間ギヤ59dに噛合する第2入力ギヤ82mから構成される2段ギヤである入力ギヤ82に交換する。
【0087】
ここで、現像ローラ駆動ギヤ81と入力ギヤ82は、ともに前の使用時に用いられていたギヤと同様に、ガラス繊維入りの強化樹脂などに比べて、再生が容易で、製造工程がシンプルで、製造コストも低いポリアセタールなどの樹脂で作られている。
【0088】
図8(a)と図8(b)はそれぞれ、現像ローラ駆動ギヤ59aと現像ローラ駆動ギヤ81の対比図であり、現像ローラ駆動ギヤ81の有するギヤ歯81xの大きさが、現像ローラ駆動ギヤ59aの有するギヤ歯59axよりも大きいことが見て取れる。
【0089】
以上のように、モジュールがより大きなギヤに交換されることにより、交換されたギヤのギヤ歯同士の、噛み合いがより大きくなり、歯とびを防止できる。また、ギヤ歯の、ギヤの回転方向の厚みが増すので、ギア歯の回転方向の強度が増し、歯とびを防止できる。
【0090】
また、前述したように、再生後に付与されるトルクの増大が最も大きくなることが予想される現像ローラ駆動ギヤ59aと、それに噛み合う入力ギヤ59cのみを交換することで、より少ないギヤの交換で効果的にギヤの歯とびを防止できる。
【0091】
また、未再生品である新品の現像カートリッジ24の製造において、ガラス繊維入りの強化樹脂などに比べて環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストの高いギヤを用いる必要も無い。
【0092】
さらに、ギヤの交換によって取り付けられた現像ローラ駆動ギヤ81と入力ギヤ82は、交換前に用いられていたギヤと同じく再生が容易な材料により構成されているので、現像カートリッジ24の再生においても、ガラス繊維入り強化樹脂を用いた場合に比べて、環境負荷を抑えることができる。[実施例2]
実施例2における、ギヤの交換方法について図5、図6、図9を用いて説明する。
【0093】
図9(a)は、前の使用時における現像ローラ駆動ギヤ59aのA方向平面図であり、図9(b)は、現像ローラ駆動ギヤ83のA方向平面図である。
【0094】
以下に記述したこと以外は、実施例1と同様とする。
【0095】
図9に示すように、現像ローラ駆動ギヤ59aを回転軸方向(B方向)の幅、つまり歯幅がより大きな現像ローラ駆動ギヤ83に交換する。
【0096】
そして、同様に入力ギヤ59cを、より回転軸方向(B方向)の幅、つまり歯幅がより大きな入力ギヤに交換する。
【0097】
図9(a)と図9(b)はそれぞれ、現像ローラ駆動ギヤ59aと現像ローラ駆動ギヤ83の回転軸方向(B方向)の厚みの対比図であり、現像ローラ駆動ギヤ83のB方向の厚みが、現像ローラ駆動ギヤ59aのB方向の厚みより厚いことが見て取れる。
【0098】
以上のように、ギヤの回転軸方向(B方向)の厚みが増すので、ギヤの回転方向の強度が増し、歯とびを防止できる。
【0099】
また、前述したように、再生後に付与されるトルクの増大が最も大きくなることが想定される現像ローラ駆動ギヤ59aと、それに噛み合う入力ギヤ59cのみを交換することで、より少ないギヤの交換で効果的にギヤの歯とびを防止できる。
【0100】
さらに、交換によって取り付けられる入力ギヤは交換前の入力ギヤ59cに対して、回転軸方向(B方向)の厚みが増しているだけであり、2段ギヤにする必要がない。従って、交換によって取り付けられる入力ギヤの製造は、交換前に取り付けられていた入力ギヤ59cの製造に比べて特別難しくならない。
【0101】
また、未再生品である新品の現像カートリッジ24の製造において、ガラス繊維入りの強化樹脂などに比べて環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストの高いギヤを用いる必要も無い。
【0102】
さらに、ギヤの交換によって取り付けられた現像ローラ駆動ギヤ83と入力ギヤは、交換前に用いられていたギヤと同じくポリアセタールなどの樹脂で作られているので、ガラス繊維入りの強化樹脂などに比べて、再生が容易で、製造工程がシンプルで、製造コストも低く抑えられる。[実施例3]
実施例3における、ギヤの交換方法について図10を用いて説明する。
【0103】
以下に記述したこと以外は、実施例1と同様とする。
【0104】
実施例3では、図10(a)に図示される現像ローラ駆動ギヤ59aと入力ギヤ59cを、それぞれ図10(b)に図示されるように、現像ローラ駆動ギヤ84と入力ギヤ85に交換する。
【0105】
ここで、入力ギヤ85は、現像ローラ駆動ギヤ84と噛合する第1入力ギヤ85mと、供給ローラ駆動ギヤ59bおよび中間ギヤ59dに噛合する第2入力ギヤ85nから構成される2段ギヤである。
【0106】
そして、ギヤ交換前における、第1入力ギヤ85mに対する現像ローラ駆動ギヤ84のギヤ比は、前の使用時における、入力ギヤ59cに対する現像ローラ駆動ギヤ59aのギヤ比より大きい。
【0107】
ギヤの交換を行うと、現像ローラ駆動ギヤ84の周速が交換前の現像ローラ駆動ギヤ59aの周速より小さくなる、つまり、現像ローラ駆動ギヤ84に付与されるトルクは、交換前の交換前の現像ローラ駆動ギヤ59aに付与されるトルクより小さくなるので、結果として、再生後のギヤの歯とびを防止できる。
【0108】
また、前述したように、再生後に付与されるトルクの増大が最も大きくなることが想定される現像ローラ駆動ギヤ59aと、それに噛み合う入力ギヤ59cのみを交換することで、より少ないギヤの交換で効果的にギヤの歯とびを防止できる。
【0109】
また、未再生品である新品の現像カートリッジ24の製造において、ガラス繊維入りの強化樹脂のように、環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストの高いギヤを用いる必要も無い。
【0110】
さらに、ギヤの交換によって取り付けられた現像ローラ駆動ギヤ84と入力ギヤ85は、交換前に用いられていたギヤと同じく再生が容易な材料により構成されているので、現像カートリッジ24の再生においても、環境負荷が大きくなるということはない。[実施例4]
実施例4について、図11を用いて説明する。図11は、現像ローラの軸受け付近における分解図である。
【0111】
以下に記述したこと以外は、実施例1と同様とする。
【0112】
現像ローラ駆動ギヤ59aは現像ローラ27の一部である現像ローラ回転軸91に、その回転軸91に対して回転不能に固定されている。また、その回転軸91は軸受け90に回転可能に保持されている。そして、軸受け90は現像カートリッジ24に固定されている。
【0113】
軸受け90は現像ローラ回転軸91と摺動することによって、磨耗して、削れカスが生じる。そして、使用するにしたがって、軸受け90と現像ローラ回転軸91の間に削れカスが溜まり、結果として現像ローラ24の回転に抵抗する力が増大する。さらに、磨耗が進むと、現像ローラ回転軸91の回転にガタが生じ、現像ローラ24の回転に抵抗する力がさらに増大する。この結果として、現像ローラ駆動ギヤ59aに付与されるトルクが次第に増加する。
【0114】
実施例4においては、トナーの再充填の完了後、ギヤの交換にともなって、軸受け90を、新たな軸受けに交換する。
【0115】
実施例1の効果に加えて、トナーの再充填にともない、軸受け90を交換することによって、現像カートリッジ24の再生後に、軸受けがさらに磨耗することによって、現像ローラ駆動ギヤ81に付与されるトルクが増大することを防止できる。[実施例5]
実施例5において、図12を用いて説明する。
【0116】
図12は、入力ギヤの回転軸付近における分解図である。
【0117】
以下に記述したこと以外は、実施例1と同様とする。前の使用時において、入力ギヤ59cと、現像カートリッジ24に設けられた入力回転軸93に対して、回転可能に支持されている。
【0118】
入力回転軸93と、入力ギヤ59cの入力回転軸93の周面と対向する面が、互いに摺動することによって磨耗する。そして、さらに磨耗が進むと、入力ギヤ59cの回転にガタが生じてきて、結果として、入力ギヤ59cに付与されるトルクが増大する。
【0119】
実施例5においては、図12に図示するようにトナーの再充填の完了後、ギヤの交換にともなって、入力ギヤ82の入力回転軸93周面と対向する面と、入力回転軸93の間に薄い筒状の摺動部材92を挟む。
【0120】
摺動部材92の材質には、ポリアセタールなどの摺動性の良好な樹脂が適している。
【0121】
実施例1の効果に加えて、トナーの再充填にともない、上記のように、入力ギヤ59cと入力軸と間に薄い筒状の摺動部材92を挟むことにより、現像カートリッジ再生後に、入力回転軸93の更なる磨耗によって、入力ギヤ59cに付与されるトルクの増大を防止できる。
【0122】
以下にその他の実施例について、説明する。
【0123】
実施例1では、ギヤをモジュールのより大きなものと交換していたが、その代わりに、ガラス繊維強化樹脂などで構成された、ギヤを用いてもよい。
【0124】
これによって、ギヤの回転方向の強度が増すので、歯とびを防止できる。
【0125】
また、未再生品である新品の現像カートリッジ24の製造において、ガラス繊維入りの強化樹脂などに比べて環境負荷の大きく、製造工程が複雑であり、製造コストの高いギヤを用いる必要も無い。
【0126】
また、ギヤを単独で交換することも可能である。
【0127】
また、図5に示すように、アジテータ駆動ギヤ59eと小中間ギヤ59dmは平歯ギヤであるが、これらを、はす歯ギヤに変更したものに交換してもよい。
【0128】
これによって、ギヤのギヤ歯の回転方向の厚みと、歯すじの長さが増すので、結果として、ギヤの回転方向の強度が増すので歯とびを防止できる。さらに、同時に噛合するギヤ歯の数であるかみあい率も増加するので、ギヤ歯に付与される力が分散され、歯とびを防止できる。
【0129】
また、はす歯ギヤを、歯すじのねじれ角をより大きなものに交換してもよい。
【0130】
これによって、ギヤのギヤ歯の回転方向の厚みと、歯すじの長さが増すので、結果として、ギヤの回転方向の強度が増すので歯とびを防止できる。さらに、同時に噛合するギヤ歯の数である噛み合い率も増加するので、ギヤ歯に付与される力が分散され、歯とびを防止できる。
【0131】
また、前述の各実施例において、ギヤの交換の対象は、現像ローラ駆動ギヤ59aと入力ギヤ59c入力ギヤであってが、他の、ギヤを対象としてもよい。
【0132】
例えば、図5、図6を用いて説明すると、アジテータ駆動ギヤ59eと中間ギヤ59dの組を交換してもよい。
【0133】
具体的には、アジテータ駆動ギヤ59eをモジュールのより大きなアジテータ駆動ギヤに交換する。そして、中間ギヤ59dを、モジュールが交換後のアジテータ駆動ギヤと同じで交換後にアジテータ駆動ギヤと噛み合う小中間ギヤと、モジュールが交換前の大中間ギヤ59dnから変更されていない大中間ギヤとから構成される中間ギヤに交換する。
【0134】
これによって、流動性のより低いトナーを再充填したことなどによって、付与されるトルクが増大するアジテータ駆動ギヤと、それに噛み合う中間ギヤの歯とびを防止できる。
【0135】
また、すべてのギヤをよりモジュールの大きなものに交換してもよい。
【0136】
また、交換後のギヤに、交換前のギヤと区別できる、識別手段を付けても良い。
【0137】
識別手段として、具体的には、目印、色などがあげられる。
【0138】
こうすることによって、製造者が、再生品か未再生品かを容易に分別できる。
【0139】
さらに、現像カートリッジの再生にともなって、取り外された使用済みのギヤは、廃棄せずに、そのギヤが使用可能な、別の現像カートリッジに取り付けても良い。
【0140】
これによって、使用済みのギヤを再使用できるので、環境負荷が低減でき、製造コストも節約できる。
【0141】
本発明における現像装置の再生とは、トナーを再充填する工程を必ずしも必要としない。
【0142】
つまり、ギヤを交換するだけでも、現像装置の再生に含まれる。
【0143】
さらには、回転軸と、ギヤの回転軸周面と対向する面との間に摺動部材を挟むだけでも現像装置の再生に含まれる。
【0144】
また、上記各実施例においては、現像装置としての現像カートリッジには、感光体ドラムが備えられていないが、現像ローラと感光体ドラムが備えられたカートリッジも本発明の現像装置に含まれる。
【0145】
さらには、画像形成装置に着脱可能であり、少なくとも現像ローラと、画像形成装置から入力された駆動力を現像ローラなどに伝達するギヤを備えるカートリッジのことを現像装置とする。また、上記各実施例においては、画像形成装置としてレーザプリンタが挙げられたが、電子写真プロセスが用いられた、ファクシミリや複合機なども画像形成装置に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の画像形成装置としての、レーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。
【図2】図1に示すレーザプリンタの現像カートリッジを示す要部側断面図である。
【図3】図2に示す現像カートリッジにおいて、現像ローラの軸方向端部のサイドシールの近傍を示す要部斜視図である(但し、現像ローラは装着されていない)。
【図4】図2に示す現像カートリッジを示す、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は左側面図である。
【図5】前の使用時におけるギヤ機構部のA方向平面図である。
【図6】前の使用時におけるギヤ機構部のB方向平面図である。
【図7】実施例1におけるギヤ交換後のギヤ機構部のB方向平面図である。
【図8】(a)前の使用時における現像ローラ駆動ギヤのB方向平面図である。 (b)実施例1におけるギヤ交換後の現像ローラ駆動ギヤのB方向平面図である。
【図9】前の使用時と、実施例2におけるギヤ交換後の、現像ローラ駆動ギヤの軸方向の厚みを比較した比較図である。
【図10】(a)前の使用時における現像ローラ駆動ギヤのB方向平面図である。 (b)実施例3におけるギヤ交換後の現像ローラ駆動ギヤのB方向平面図である。
【図11】現像ローラの軸受け付近における分解図である。
【図12】入力ギヤの回転軸付近における分解図である。
【符号の説明】
【0147】
59 ギヤ機構部
59a 現像ローラ駆動ギヤ
59b 供給ローラ駆動ギヤ
59c 入力ギヤ
59d 中間ギヤ
59e アジテータ駆動ギヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を担持する現像剤担持体と、画像形成装置本体から入力された駆動力を、前記現像剤担持体へ伝達する複数のギヤを有するギヤ機構部と、前記ギヤに対して摺動可能であり、前記ギヤを回転可能に支持する回転軸とを備え、前記画像形成装置本体に着脱可能である現像装置の再生方法であって、
前記回転軸と、前記ギヤの前記回転軸の周面に対向する面との間に、摺動部材を挟む工程を備える
ことを特徴とする現像装置の再生方法。
【請求項2】
現像剤を担持する現像剤担持体と、画像形成装置本体から入力された駆動力を、前記現像剤担持体へ伝達する複数のギヤを有するギヤ機構部と、前記ギヤに対して摺動可能であり、前記ギヤを回転可能に支持する回転軸とを備え、前記画像形成装置本体に着脱可能である現像装置において、
前記回転軸と、前記ギヤの前記回転軸の周面に対向する面との間に、摺動部材が挟まれている
ことを特徴とする現像装置。
【請求項1】
現像剤を担持する現像剤担持体と、画像形成装置本体から入力された駆動力を、前記現像剤担持体へ伝達する複数のギヤを有するギヤ機構部と、前記ギヤに対して摺動可能であり、前記ギヤを回転可能に支持する回転軸とを備え、前記画像形成装置本体に着脱可能である現像装置の再生方法であって、
前記回転軸と、前記ギヤの前記回転軸の周面に対向する面との間に、摺動部材を挟む工程を備える
ことを特徴とする現像装置の再生方法。
【請求項2】
現像剤を担持する現像剤担持体と、画像形成装置本体から入力された駆動力を、前記現像剤担持体へ伝達する複数のギヤを有するギヤ機構部と、前記ギヤに対して摺動可能であり、前記ギヤを回転可能に支持する回転軸とを備え、前記画像形成装置本体に着脱可能である現像装置において、
前記回転軸と、前記ギヤの前記回転軸の周面に対向する面との間に、摺動部材が挟まれている
ことを特徴とする現像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−48219(P2009−48219A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310786(P2008−310786)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【分割の表示】特願2005−11787(P2005−11787)の分割
【原出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【分割の表示】特願2005−11787(P2005−11787)の分割
【原出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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