説明

現像装置及びこれを搭載した画像形成装置

【課題】像担持体を押圧し難い現像装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナーを像担持体(16)に供給してトナー画像を現像させる現像装置であって、像担持体に対峙した開口(42)を有するハウジング(40)と、ハウジング内に配設されており、トナーを像担持体に供給する現像ローラ(70)と、ハウジング外に配設されており、画像形成装置本体(2)から引き出し可能な筐体(90)に設置した連結ギア(98,99,100)に噛合し、連結ギアを介して画像形成装置(1)からの駆動力を現像ローラに伝達する現像側入力ギア(76)とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリア及びトナーを有する2成分現像剤を用いた現像装置及びこれを搭載した画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の現像装置では、静電潜像が形成された像担持体、例えば感光体ドラムの表面にトナー画像を現像し、このトナー画像を用紙に転写及び定着させる。
また、この現像装置には、2成分現像方式と1成分現像方式とを組み合わせた方式がある。詳しくは、当該方式は、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させ、このトナーのみを現像ローラからドラムに供給し、その表面にトナー画像を現像している。
【0003】
ここで、現像装置の駆動方法には、画像形成装置の駆動モータを現像ローラに対峙した磁気ブラシローラに連結する方法や、画像形成装置の駆動モータを現像ローラ或いはブラシローラに連結する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、前者の方法では、オルダム継手を用いて画像形成装置からの駆動力を現像装置に直接に伝達する。一方、後者の方法では、駆動モータ側及び現像装置側にそれぞれ設けられたギアを噛合させ、画像形成装置からの駆動力を現像装置に直接に伝達している。
【0004】
【特許文献1】特開平8−314215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術の如く、画像形成装置からの駆動力を現像装置に直接に伝達する場合には、感光体ドラムの回転軸に作用する負荷が増加するとの問題がある。
なぜならば、前者の方法によれば、駆動モータ側と現像装置側との回転軸心のズレや現像装置に作用するトルクの変動によって生じた現像装置の振動を抑えるために、現像装置がドラムを強く押圧(約2−3kgf程度)しているからである。
【0006】
また、後者の方法では、現像装置側のギアを駆動モータ側のギアに挿し込んでおり、その際には、現像装置をドラムから一旦退避させておき、これらの噛合後に現像装置をドラムに向けて移動させる必要があるし、さらに、上述の回転軸心のズレによって生じた現像装置の振動を抑えるべく、現像装置がドラムを押圧しているからである。
【0007】
そして、これではドラムの回転軸が撓み易くなり、仮に、当該撓みが生じた場合にはその回転ムラを生じさせ、特に高画質が要求されるカラー機では、色ズレが顕著になる。
また、後者の方法の如く現像装置をドラムから一旦退避させる構成では、特にカラー機では、そのスペースが少ない点にも留意しなければならない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、ドラムを押圧し難い現像装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための第1の発明は、トナーを像担持体に供給してトナー画像を現像させる現像装置であって、像担持体に対峙した開口を有するハウジングと、ハウジング内に配設されており、トナーを像担持体に供給する現像ローラと、ハウジング外に配設されており、画像形成装置本体から引き出し可能な筐体に設置した連結ギアに噛合し、この連結ギアを介して画像形成装置からの駆動力を現像ローラに伝達する現像側入力ギアとを具備する。
【0010】
第1の発明によれば、トナーが現像ローラから像担持体に供給されるが、画像形成装置からの駆動力が現像装置に直接入力されていた場合には、駆動モータ側と現像装置側との回転軸心のズレを現像装置側のみで調整する故、現像ローラが像担持体を押圧することになり、像担持体の回転軸に負荷が作用して撓み易くなる。
【0011】
しかしながら、本発明によれば、現像側入力ギアが筐体に設置した連結ギアに噛合されており、画像形成装置からの駆動力が現像側入力ギアに間接入力されている。つまり、駆動モータ側と現像装置側との回転軸心のズレは現像装置側及び筐体側の双方で調整できる。この結果、現像装置側の調整負担が従来に比して減るので、現像ローラが像担持体を押圧し難くなり、この像担持体の回転軸に作用する負荷を軽減できる。
しかも、現像装置側の調整負担が減ることから、従来の如く現像装置を一旦退避させるためのスペースも不要になる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明の構成において、筐体は、現像側入力ギアを回転自在に支持する保持部を備え、保持部は、筐体の上方に向けて略U字状に形成されており、現像装置の重心位置或いは重心位置の直下の位置に設けられていることを特徴とする。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、筐体の保持部が、この筐体の上方に向けて略U字状に形成されているので、現像装置は筐体の上方から容易に設置できる。
また、この保持部が現像装置の重心位置或いはこの重心位置の直下の位置に設けられていれば、筐体側の軸心と現像装置側の軸心とのズレが極力抑えられ、筐体は現像装置を安定して保持可能になる。これにより、現像装置の振動を確実に抑制できる。
【0013】
第3の発明は、第1や第2の発明の構成において、筐体は、複数のハウジングを載置していることを特徴とする。
第3の発明によれば、第1や第2の発明の作用に加えてさらに、筐体が複数のハウジングを載置する場合には、従来の如く現像装置を退避させておくためのスペースに特に余裕がないので、上述の間接入力を果たす構成が顕著な効果を奏する。
【0014】
第4の発明は、第1から第3の現像装置を搭載した画像形成装置であることを特徴とする。
第4の発明によれば、第1から第3の発明の作用に加えてさらに、像担持体に現像ローラからの押圧力が作用し難くなり、良好な画像形成が行われる結果、画像形成装置の信頼性向上に寄与する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、像担持体を押圧し難くなるし、駆動モータ側と現像装置側とを連結する際のスペースも不要になる現像装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、画像形成装置の一例である複合機1の構造が概略的に示されている。この複合機1の装置本体2の下部には給紙部4が配置されている。この給紙部4には、本体2の高さ方向に沿って2段のカセット6が備えられており、本実施例の各カセット6はいずれも本体2に対して前面側(図1でみて手前側)に向けて引き出し可能に構成されている。また、各カセット6には画像形成前の用紙が積層状態で収容され、この用紙は給紙部4から1枚ずつ分離され、右方向に向けて送出される。
【0017】
給紙部4の右方には用紙搬送部8が配置され、給紙部4から送出された用紙は本体2の右側面に沿って上方に向けて搬送される。次いで、この用紙は、本体2の内部で左側面へ向けて反転され、そのまま左側面に向けて搬送される。
一方、カセット6の上方には手差し給紙部5が備えられている。この給紙部5には、カセット6に入っていないサイズの用紙や、厚紙、或いはOHPシートの如く1枚ずつ送り込まれる種々の記録材が載置されている。そして、給紙部5からの記録材は用紙搬送部8に合流し、左側面に向けて搬送される。
【0018】
装置本体2の内部には、搬送部8からの用紙搬送方向でみて下流側にレジストローラ10、画像形成部14、及び転写部26が順番に配置されている。この画像形成部14の上方には光学部、例えばLSU(レーザスキャニングユニット)12が備えられており、この光学部12からは画像形成部14の感光体ドラム(像担持体)16に向けてレーザ光が照射される。
【0019】
また、用紙搬送方向でみて転写部26の下流側には定着部28及び排出・分岐部30が順番に配置され、片面印刷の場合には、定着部28から排出された用紙は排出・分岐部30を経て用紙受けトレイ32に排出される。
一方、この排出・分岐部30と給紙部4との間には両面印刷用ユニット34が配置されており、このユニット34では定着部28から排出された用紙を用紙搬送部8に向けて搬送し、この用紙は画像形成部14に再び送られる。
【0020】
ここで、本実施例の画像形成部14は、4つの画像形成ユニットで構成されている。これら各ユニットは、図1でみて右側から左側に向けて順に配列され、異なる4色(ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程を通じてブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの画像を順次形成している。
【0021】
具体的には、画像形成部14の各ユニットには、各対応色の可視像(トナー画像)を担持するドラム16がそれぞれ設けられている。各ドラム16は本体2に対して回転自在に設置され、図示しない駆動モータによって同図の反時計回りに駆動する。
また、各ドラム16の周囲の適宜位置には、それぞれ対応する帯電器17、現像装置18、クリーニング部21や、中間転写ローラ22が設けられている。
【0022】
この帯電器17では、対応するドラム16の表面を一様に帯電させる。また、現像装置18では、それぞれブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色のトナーが各色のトナーコンテナ20からホッパー19を経由して供給され、このトナーを用いてドラム16の表面に静電的に付着させる。これにより、ドラム16の表面には、光学部12による静電潜像に応じたトナー画像が現像される。そして、これらドラム16上に形成されたトナー画像は、中間転写ベルト24上に順次転写され、1ページ分のトナー画像として合成される。
【0023】
詳しくは、上記ベルト24は、誘電体樹脂製のシート材の両端部分を重ね合わせて接合したエンドレス形状のベルトや、継ぎ目を有しないシームレスのベルトが用いられており、図示しない駆動モータによって同図の時計回りに走行する。このベルト24は、各ドラム16と各中間転写ローラ22との間を走行しており、これにより、ドラム16上にそれぞれ形成されたトナー画像はベルト24上に1次転写される。なお、各クリーニング部21では、ドラム16上に残留したトナーが除去される。
【0024】
上述した転写部26のローラとベルト24との間を用紙が通過すると、ベルト24上に転写されたトナー画像は用紙に2次転写され、この用紙は定着部28に向けて搬送される。
ところで、図2に示される如く、上述のトナーコンテナ20はホッパー19の蓋部19bの上側に位置し、現像装置18はホッパー19の容器19aの背面側(図1でみて奥側)に位置しており、ホッパー19はコンテナ20と現像装置18とを接続している。
【0025】
ここで、本実施例の各現像装置18には、2成分現像方式と1成分現像方式とを組み合わせた方式が採用されている。
すなわち、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させ、この帯電されたトナーのみをドラム16に向けて飛翔させており、非接触の現像方式によってトナー画像をドラム16に現像している。より具体的には、現像装置18は図2〜5に示されるように、ハウジング40を有しており、本実施例のハウジング40は、ドラム16に対峙する開口42と、この開口42から上方に向けて延びる周壁44と、この周壁44の下方に形成される底壁46とを有している。
【0026】
この底壁46には上述のキャリア及びトナーが収納され、上述のホッパー19が挿入されると、図3に示される如くシャッター53が開き、このホッパー19に連結され、シャッター53の上方からトナー等が補給可能になる。また、底壁46には、撹拌ミキサー50及びパドルミキサー54がそれぞれ配置されている。ミキサー50の軸52はハウジング40の端壁45下方の軸受や端壁47に、また、ミキサー54の軸56は端壁45や端壁47にそれぞれ回転自在に支持されており、これらミキサー50,54が上記駆動モータからの駆動力で回転すると、キャリア及びトナーが撹拌されてトナーを帯電させる。そして、これら帯電したキャリア及びトナーは磁気ブラシローラ60に搬送される。
【0027】
磁気ブラシローラ60は、図5でみてミキサー54の左上方に配設されており、ブラシローラ60も端壁45,47に回転自在に支持されている。
詳しくは、ブラシローラ60は中心に軸62を有し、この軸62の両端部分には軸受を介してフランジが配設され、このフランジの外周には管状のブラシ側スリーブ64が一体的に嵌合されている。そして、このフランジが後述する現像側入力ギア76を介して上記駆動モータからの駆動力で回転すると、このスリーブ64は同図の反時計回りに回転する。
【0028】
このブラシ側スリーブ64内において、軸62の外周側には磁極が所定の磁力や角度を有して配置されており、帯電したキャリア及びトナーを吸引して磁気ブラシを形成させる。これにより、当該磁気ブラシは、スリーブ64の外周面において、上記磁石を有する領域に形成されることになる。
この磁気ブラシの厚さは穂切りブレードで規制されており、所定の直流(DC)バイアスや交流(AC)バイアスが印加されると、磁気ブラシはトナーを現像ローラ70に向けて搬送させる。一方、この磁気ブラシは現像後のトナー層を現像ローラ70から掻き取っている。
【0029】
このように、当該磁気ブラシでは、強固に付着したトナー層を現像ローラ70から機械的な力で引き剥がす一方、現像に必要な新たなトナーを現像ローラ70に供給している。
そして、上述した磁気ブラシによれば、現像後のトナーは掻き取りブレードなどの特別な装置を設けなくて済み、この磁気ブラシは、現像ローラ70のトナー層に接触し、各ローラ60,70の回転速度差によるブラシ効果と、ミキサー50,54での攪拌による磁気ブラシの現像剤の入れ替えとによってトナーの回収と搬送とが容易にされている。
【0030】
本実施例の現像ローラ70は、同図でみてブラシローラ60の左下方にて開口42の近傍に配設されている。
このローラ70の軸72は、ブラシローラ60の回転軸線に対して略平行に並設されており、この現像ローラ70もの端壁45,47に回転自在に支持されている。現像ローラ70の軸72の両端部分にも軸受を介してフランジが配設され、このフランジの外周には管状の現像側スリーブ74が一体的に嵌合されている。そして、このフランジがブラシローラ60に噛合したアイドルギアを介して上記駆動モータからの駆動力で回転すると、スリーブ74は同図の反時計回りに回転する。
【0031】
そして、これらブラシローラ60と現像ローラ70との電位差によって、この現像ローラ70には、ブラシローラ60から移送されたトナーのみの層が形成される。この現像ローラ70へのトナー層の形成と同時に、現像バイアス、すなわち、所定のDCバイアスを重畳したACバイアスが印加されると、現像ローラ70のトナーがドラム16に向けて飛翔する。これにより、各ドラム16の表面にはトナー画像が現像されることになる。
【0032】
ここで、本実施例の端壁45は、複合機1の前面側(図1でみて手前側)に形成され、この端壁45は上述したホッパー19の容器19aに対峙する一方、本実施例の端壁47は上記駆動モータに対峙している。
詳しくは、図4に示されるように、この端壁47の外側には、上述の現像側入力ギア76が設けられている。
【0033】
当該現像側入力ギア76はギア部78及びプーリ部79を有し、このプーリ部79は、後述する支持板97に当接してピッチを決定する機能を有し、ギア部78と端壁47との間に配置されており、この入力ギア76の軸80は、本実施例では現像装置18の重心Gの直下位置にて、端壁47から駆動モータ側に向けて突出している。なお、この軸80は現像装置18の重心Gに設けられていても良い。また、同図の符号81は、現像側入力ギア76に噛合するアイドルギアの軸を覆うカバー部分であり、同図の符号82は、このアイドルギアに噛合するブラシローラ60の軸62を覆うカバー部分である。そして、上記駆動モータからの駆動力は、現像側入力ギア76、当該アイドルギアを経てブラシローラ60に伝達される。
【0034】
ところで、各現像装置18等は作像フレーム(筐体)90にそれぞれ載置されている。
この作像フレーム90は、図6〜8に示される如く、給紙部4や画像形成部14の配設位置4S,14Sと光学部12やトナーコンテナ20の配設位置20Sとの間に形成されており(図7)、装置本体2に対して前面側(図1でみて手前側)に向けて引き出し可能に構成される。
【0035】
具体的には、このフレーム90は、端壁45とホッパー19との間に設けられる前枠91を有し(図6)、この前枠91の両端部分は複合機1の背面側に向けて延びた側枠92,93の一端に接合され、この側枠92,93の他端は後枠94に接合されている。また、これら前枠91と後枠94とは、各ハウジング40の底壁46を支持する4つの底枠95で掛け渡されており、この底枠95は側枠92,93に沿って等間隔で並設されている(図8)。
【0036】
そして、本実施例の後枠94には、現像側入力ギア76を保持する保持部96や、このギア76に噛合するジョイントギア(連結ギア)98,99,100が設置されている。
詳しくは、図9に示されるように、まず、本実施例の保持部96は、後枠94の内面、つまり、前枠91に対峙する面にて現像側入力ギア76の軸80を保持可能に構成されており、後枠94の上方から同図の右下方に向けて傾斜した斜面部96uと、この斜面部96uの下端に連なり、後枠94の上方に向けて開口をなす略U字状の凹面部96dとを有している。
【0037】
次に、本実施例のジョイントギア98は、同図で見て保持部96の右側に配置されており、後枠94に接合された支持板97に回転自在に支持されている。この支持板97は、略コ字状に形成されており、その開口を保持部96に向けた状態で後枠94の内面と外面を貫通して配置されている。
そして、ジョイントギア98は、後枠94の内面に位置する内側ギア部98iと、後枠94の外面に位置する外側ギア部98eとを有し、この内側ギア部98iが現像側入力ギア76に噛合される。
【0038】
これら各ギア部98i,98eは軸98sに一体的に形成され、この軸98sの両端部分が支持板97に支持される。なお、内側ギア部98iと支持板97との間にも図示しないプーリ部が設けられている。
一方、本実施例のジョイントギア99,100は、後枠94の外面に配置される。具体的には、図10に示される如く、まず、ジョイントギア99は、外側ギア部98eの左上方に位置して当該ギア部98eに噛合されており、支持板97に回転自在に支持されている。
【0039】
また、ジョイントギア100は、ジョイントギア99の右上方に位置して当該ギア99に噛合され、後枠94に回転自在に支持されており、その先端部分には凸状の係合部102が固設されている。この係合部102が装置本体2に配設された駆動モータに連結される。
そして、上述の現像装置18を作像フレーム90に取り付ける場合には、現像装置18はフレーム90の上方から降ろせば良い。
【0040】
具体的には、端壁45では、この端壁45から延びた軸52を前枠91の穴に通し、ホッパー19の容器19aに挿入させる。一方、端壁47では、現像側入力ギア76の軸80を後枠94の斜面部96uに当接させ、この斜面部96uに沿って軸80を図9の左下方に向けて降ろすと、この現像側入力ギア76のプーリ部79とジョイントギア98の上記プーリ部とがまず接触し、その後、凹面部96dに沿って軸80を同図の下方に向けて降ろすと、この軸80が凹面部96dに係合し、ギア部78と内側ギア部98iとが噛合する。同時に、底壁46が底枠95に載置され、現像装置18が作像フレーム90に取り付けられる。
【0041】
駆動モータからの駆動力は、図11に示されるように、フレーム90の外側にて、ジョイントギア100、ジョイントギア99、外側ギア部98e及び内側ギア部98iの順に伝達され、フレーム90の内側に達する。次いで、現像装置18の重心Gの直下位置にて、現像側入力ギア76に伝達され、この駆動力は、アイドルギアを経てブラシローラ60に、さらに、アイドルギアを経て現像ローラ70に伝達されることになる。
【0042】
この現像装置18を搭載した複合機1では、カセット6からの用紙や手差し給紙部5からの記録材はレジストローラ10に到達する。このローラ10は、用紙の斜め送りを矯正しつつ、画像形成部14で形成されるトナー画像とのタイミングを計りながら、用紙を転写部26へと送出する。
また、図示しないコントローラからの画像データに基づき、複合機1では光学部12によるレーザ光の照射が制御される。これにより、画像形成部14において各ドラム16上に原稿画像の静電潜像が作られ、続いてこの潜像からドラム16上にトナー画像が形成され、中間転写ベルト24を介して転写部26で用紙に転写される。
【0043】
その後、用紙は未定着トナー画像を担持した状態で定着部28に向けて送られ、この定着部28にて熱ローラによりトナー画像が定着される。次いで、定着部28から排出された用紙は排出・分岐部30を通ってトレイ32に排出される。
この片面印刷に対し、両面印刷を行う場合には、定着部28から排出された用紙はトレイ32に排出される直前にてユニット34側に引き戻され、この用紙は用紙搬送部8に合流し、再び転写部26に向けて送られる。そして、この場合には、用紙の未だ印刷がされていない方の面にトナー画像が転写される。
【0044】
以上のように、本実施例によれば、キャリア及びトナーからなる2成分現像剤が用いられており、各現像装置18のブラシローラ60では、この現像剤による磁気ブラシが形成され、このブラシは現像ローラ70にトナーの層を形成させる。そして、このトナーがドラム16に供給されることにより、トナー画像が現像される。一方、このブラシは、現像後には現像ローラ70のトナー層を掻き取って回収する。
【0045】
ここで、従来のように、駆動モータの駆動力が現像装置に直接入力されていた場合には、駆動モータ側と現像装置側との回転軸心のズレを現像装置側のみで調整する故、この現像装置に振動が生じており、これを抑えるために、現像ローラがドラムを押圧することになり、ドラムの回転軸に負荷が作用して撓み易くなってしまう。
【0046】
しかしながら、本実施例によれば、現像側入力ギア76がフレーム90に設置したジョイントギア98,99,100に噛合されており、駆動モータの駆動力が現像側入力ギア76に間接入力されている。つまり、駆動モータ側と現像装置側との回転軸心のズレは現像装置側及び作像フレーム側の双方で調整できる。換言すれば、駆動モータ側の軸心とフレーム側の軸心とのズレはフレーム側が調整し、現像装置側では、このフレーム側の軸心とのズレを調整すれば済む。
【0047】
この結果、現像装置側の調整負担が従来に比して減るので、現像ローラ70がドラム16を押圧し難くなり、このドラム16の回転軸に作用する負荷を軽減できる。
しかも、現像装置側の調整負担が減ることから、従来の如く現像装置を一旦退避させるためのスペースも不要になる。
【0048】
また、フレーム90の保持部96が、このフレーム90の上方に向けて略U字状に形成された凹面部96dを有しているので、現像装置18はフレーム90の上方から容易に設置できる。
さらに、この凹面部96dが現像装置18の重心G或いはこの重心Gの直下の位置に設けられていれば、フレーム側の軸心と現像装置側の軸心とのズレが極力抑えられ、フレーム90は現像装置18を安定して保持できる。これにより、現像装置18の振動を確実に抑制できる。
【0049】
さらにまた、フレーム90が各色のハウジング40を載置する場合には、従来の如く現像装置を退避させておくためのスペースに特に余裕がないので、上記構成は顕著な効果を奏する。
また、ドラム16に現像ローラ70からの押圧力が作用し難くなり、良好な画像形成が行われる結果、複合機1の信頼性向上にも寄与する。
【0050】
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、本発明の現像装置は磁性キャリアを用いなくても良い。さらに、本発明の画像担持体は4つの感光体ドラムに限定されるものではなく、また、上記実施例では画像形成装置として複合機に具現化した例を示しているが、本発明の画像形成装置は複写機、プリンタ、ファクシミリやスキャナ等自体にも当然に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本実施例の複合機の概略構成図である。
【図2】図1の現像装置及びホッパーの外観斜視図である。
【図3】図2の現像装置の外観斜視図である。
【図4】図3の現像装置の要部拡大図である。
【図5】図3の現像装置におけるV−V線の矢視断面図である。
【図6】図1の複合機の作像フレームに図2の現像装置等を設置した図である。
【図7】図6の作像フレーム等の説明図である。
【図8】図7の作像フレームの外観斜視図である。
【図9】図8の作像フレームの要部拡大図であり、図1の複合機の前面側から見た図である。
【図10】図8の作像フレームの要部拡大図であり、図1の複合機の背面側から見た図である。
【図11】図3の現像装置による駆動構成の概略図である。
【符号の説明】
【0052】
1 複合機(画像形成装置)
2 装置本体(画像形成装置本体)
16 感光体ドラム(像担持体)
18 現像装置
40 ハウジング
42 開口
70 現像ローラ
76 現像側入力ギア
90 作像フレーム(筐体)
96 保持部
98,99,100 ジョイントギア(連結ギア)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを像担持体に供給してトナー画像を現像させる現像装置であって、
前記像担持体に対峙した開口を有するハウジングと、
該ハウジング内に配設されており、前記トナーを前記像担持体に供給する現像ローラと、
前記ハウジング外に配設されており、画像形成装置本体から引き出し可能な筐体に設置した連結ギアに噛合し、該連結ギアを介して画像形成装置からの駆動力を前記現像ローラに伝達する現像側入力ギアと
を具備することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現像装置であって、
前記筐体は、前記現像側入力ギアを回転自在に支持する保持部を備え、
該保持部は、該筐体の上方に向けて略U字状に形成されており、前記現像装置の重心位置或いは該重心位置の直下の位置に設けられていることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の現像装置であって、
前記筐体は、複数の前記ハウジングを載置していることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の現像装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−288661(P2009−288661A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142925(P2008−142925)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】