説明

生物活性組成物の高圧処理

本発明は、少なくとも1つの生物活性成分の所望の活性を保持しながら、少なくとも1つの不要な微生物の成長を阻害するための少なくとも1つの生物活性成分を含む生物活性組成物を加圧処理する方法に関する。当該生物活性成分は、1若しくは複数のタンパク質、タンパク質加水分解物、1若しくは複数の脂質又は脂質分解物、1若しくは複数の炭水化物、1若しくは複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される。当該加圧処理は、約350〜1000MPaの所定の圧力で実施される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物活性組成物の高圧処理、及び特に、少なくとも1つの生物活性成分の所望の活性を保持しながら、少なくとも1つの不要な微生物の成長を阻害するための生物活性組成物を加圧処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品又は摂取可能な製品における生物活性成分(例えば、タンパク質、脂質又はその加水分解物、及びプロバイオティック微生物)の配達は、生物活性を保持しながら、安全な製品に実用的な保存期間を提供するための必要性に制約される。実用的な保存期間を有する製品は、良い品質維持を有するといわれ、腐敗性の少ない傾向にある。
【0003】
生物活性成分のデリバリーは、少なくとも、摂取されるときにかかる成分が生理的に活性状態であり、骨の健康、免疫利益、抗炎症活性、心臓の健康、及びがん治療における効果を非制限的に含む陽性健康効果を有し得るといった理由で望ましい。
【0004】
有用な品質維持を保証するための伝統的手段は、食品などの生物活性に悪影響を有する。特に、熱加工は、商業的に滅菌生物活性製品の製造に一般的に適さない。例えば、商業的な乳製品における免疫グロブリンタンパク質の分析により明らかにされることには、低温殺菌を通して当該免疫グロブリンの60%〜75%は保持されるけれども、UHT又は缶詰にした(蒸着した)ミルクにおけるレベルはごくわずかである(Li−Chanら,1995)。酸食品における商業的な滅菌は、缶詰において使用されるものよりも低温の加熱を使用することにより達成し得るが、加熱下での変性に対する免疫グロブリンの感受性は酸性化により悪化される(Dominguezら,2001)。
【0005】
プロバイオティック微生物は、十分量で投与されたとき宿主に健康効果を与えるものである。生きているプロバイオティック微生物は生物活性効果を示す一方、不活性化されたプロバイオティック微生物は、使用及び販売のための安定し、技術的な制限のより少ない形式において生物活性を提供し得る。不要な活性(例えば、酵素又は酸の分泌)を理由として生きている微生物を有することが望まれない適用において、不活性化された微生物は、それらの生存能力に由来する不要な活性なしに、生物活性をさらに提供することにおいて有利となり得る。
【0006】
国際特許公開第WO2004/032655号は、生存能力のある所望の培養物を保持しながら、食品における微生物腐敗を低減するため、及び/又は消費のための食品安全性を与えるための高加圧処理の使用を報告する。
【0007】
部分的または完全な生物活性の損失をもたらし得る生物活性製品、原料、食品の製造においては多くの過程がある。乳ベースの原料、及び食品の場合、生物活性に影響を与え得る加熱ステップを含む過程は、熱低温殺菌、均質化、熱化、蒸発、及び乾燥を含む。食品加工の場合、生物活性に影響を与える加熱ステップの例示は、発酵、HNT処理、乾留、熱充填及び熱パッキングに先立つ熱処理を含む。生物活性成分は、通常、食品製造の間、1又は複数の加熱ステップに供されるだろう。このことは、加工が常に最初の低温殺菌ステップを含み、パッケージング及び販売前に加熱ステップをさらに含む、とりわけ乳ベース製品にあてはまる。Korhonenら(1998)は、60℃〜90℃の範囲における温度への加熱は、タンパク質を変性し、その結果生物活性タンパク質の活性を低減することを報告する。
【0008】
低温殺菌されたミルクを使用して製造された製品の乾燥は、免疫グロブリンの40%までの損失で品質維持を向上するために使用され得るが(Li−Chan,1995)、商業的な適用は、次いで、当該生物活性原料がそれ以降連続的に加熱されない直接消費品(例えば、タブレット)又は生鮮食品(例えば、ヨーグルト)に限られる。乾燥及び加熱に起因する損失は、着目の生物活性を有する中間生産物又は最終生産物を補完することにより補われるが、このことは、最終消費者にとっての費用を増大させ得る。
【0009】
約350MPa超の圧力を有する加圧処理は、肉、野菜、及び果物ベースの製品(例えば、各々、加熱ハム、アボカド製品、及びジュース)の品質維持において商業的に有用な改良を達成すると報告されている。しかしながら、Huppertzら(2002)が報告することには、高圧はミルク中のホエイタンパク質を変性する。さらに、Korhonenら(1998)が報告することには、約500MPa、及びそれ超の加圧処理は、大抵の場合において、不可逆的にタンパク質を変性する。Felipeら(1997)が報告することには、免疫グロブリン変性のかなりのレベルは、ヤギのミルクにおいて500MPaの圧力で生ずる。
【0010】
Masudaら(2000)が報告することには、400MPaおよびそれ超の圧力は、かかる圧力が免疫グロブリンタンパク質を変性するので、ウシコロストロムの品質維持を向上するために使用されない。
【0011】
Tonelloら(1992)が報告することには、コロストロムの微生物負荷が2logサイクル未満に低減されるけれども、2時間適用される200MPaの圧力が、免疫グロブリン活性の少なくとも85%を保持するために使用され得る。63℃での同様の過程は、微生物負荷を検出限界未満(7logサイクル超)に低減し得るが、免疫グロブリン活性の少なくとも50%が損失する。
【0012】
少なくとも1つの生物活性成分の生物活性を保持しながら、食品又は他の摂取可能な製品の如き生物活性製品のために商業的に有用な品質維持を提供し得る加工に対する必要性がある。
【0013】
それ故、少なくとも1つの生物活性成分の少なくとも所望のレベルの活性を保持しながら、不要な微生物の成長を阻害する改良された又は別の方法を提供すること、あるいは有用な選択肢を有する公開を少なくとも提供することが本発明の目的である。
【発明の開示】
【0014】
発明の概要
本発明は、組成物中に存在する少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、当該生物活性組成物の品質を保持又は向上するための方法に関する。
【0015】
従って、ある態様において、本発明は、生物活性組成物の品質を保持又は向上するために当該生物活性組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)1若しくは複数のタンパク質、1若しくは複数の脂質、1若しくは複数のタンパク質加水分解物、1若しくは複数の脂質加水分解物、1若しくは複数の炭水化物、1若しくは複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される少なくとも1つの生物活性成分を含む生物活性組成物を選択し、ここで、当該少なくとも1つの生物活性成分は、約350〜1000MPaの所定の圧力、及び約3.0〜8.0のpHで加圧処理後、所望のレベルの活性を保持され得る;そして、
(b)前記少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記組成物中に存在し得る不要な生物の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力、及びpHで加圧処理に供する、
を含む、上記方法に関する。
【0016】
他の態様において、本発明は、生物活性組成物の品質を保持又は向上するために当該生物活性組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)1若しくは複数のタンパク質、1若しくは複数の脂質、1若しくは複数のタンパク質加水分解物、1若しくは複数の脂質加水分解物、1若しくは複数の炭水化物又は1若しくは複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される少なくとも1つの生物活性成分を含む組成物を選択し、ここで、当該少なくとも1つの生物活性成分は、約350〜1000MPaの所定の圧力、約3.0〜8.0のpH、及び約0〜5分間の保持時間で加圧処理後、所望のレベルの活性を保持され得る;そして、
(b)前記少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記組成物中に存在し得る不要な生物の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力、pH、及び保持時間で加圧処理に供する、
を含む、上記方法に関する。
【0017】
他の態様において、本発明は、プロバイオティック組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)1又は複数のプロバイオティック因子を有するプロバイオティック微生物の1又は複数の株を含む組成物を選択し、ここで、当該プロバイオティック因子は、約350〜1000MPaの所定の圧力で加圧処理後、少なくとも所望のレベルの活性を保持され得る;そして、
(b)前記1又は複数のプロバイオティック因子の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記プロバイオティック微生物の1又は複数の株の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力で加圧処理に供する、
を含む、上記方法に関する。
【0018】
他の態様において、本発明は、プロバイオティック組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)1若しくは複数のラクトバシラス・アシドフィルス株、1若しくは複数のラクトバシラス・ラムノサス株又は1若しくは複数のビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチス株、あるいはその混合物から選択されるプロバイオティック微生物の1又は複数の株を含む組成物を選択し、ここで、前記プロバイオティック微生物の1又は複数の株は1又は複数のプロバイオティック因子を有し、当該プロバイオティック因子は、約350〜1000MPaの所定の圧力で加圧処理後、少なくとも所望のレベルの活性を保持され得る;そして、
(b)前記1又は複数のプロバイオティック因子の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記プロバイオティック微生物の1又は複数の株の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力で加圧処理に供する、
を含む、上記方法に関する。
【0019】
以下の態様は、上記又は下記の態様のいずれかに関し得る。
【0020】
前記組成物は、液体中に固体の懸濁を含む液体となり得る。当該組成物は、製品又は原料となり得る。好ましくは、組成物の品質を保持又は向上するために当該組成物を処理することは、少なくとも1つの不要な微生物、好ましくは全ての不要な微生物の成長を低減、遅延、阻害又は排除するために処理することを含む。
【0021】
ある態様において、処理後の好気性生菌数(APC)は、約100,000、75,000、50,000、25,000、10,000、5,000、1,000、100又は10の1ミリリットルあたりのコロニー形成単位(cfu/ml)未満又は同等であり、好ましくは約50,000cfu/ml未満又は同等である。
【0022】
ある態様において、1又は複数のタンパク質は、組換え型、合成又は天然に生ずるタンパク質、あるいはその混合物である。
【0023】
他の態様において、少なくとも1つの生物活性成分は、ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、1若しくは複数の成長因子由来のミルク、TGFβ1、TGFβ2又は1若しくは複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される。
【0024】
他の態様において、少なくとも1つの生物活性成分は、1又は複数のプロバイオティック因子を含む。
【0025】
さらに他の態様において、生物活性組成物は、乳タンパク質組成物を含む。好ましくは、この態様において、少なくとも1つの生物活性成分は、ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、1若しくは複数の成長因子由来のミルク、TGFβ1又はTGFβ2、あるいはその混合物から選択される。
【0026】
さらに他の態様において、前記生物活性組成物は、コロストロムMPC、コロストロムMPI、コロストロムWPC、コロストロムWPI、MPC,MPI、WPC,WPI、高免疫MPC、高免疫MPI、高免疫WPC又は高免疫WPI、あるいはその混合物から選択される。好ましくは、この態様において、少なくとも1つの生物活性成分は、ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、TGFβ1又はTGFβ2、あるいはその混合物から選択される。
【0027】
他の態様において、前記生物活性成分は、ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数の免疫グロブリン(1又は複数のIgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgM、あるいはその混合物、あるいは、異なるエピトープに特異的な1又は複数のIgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgMの複数を含む)、グリコマクロペプチド、1若しくは複数の増殖因子(1若しくは複数のミルク由来増殖因子を含む)、TGFβ1、TGFβ2、1若しくは複数のプロバイオティック因子、1若しくは複数の非極性脂質又は1若しくは複数の非極性脂質(例えば、1若しくは複数のリン脂質、スフィンゴ脂質、ガングリオシド又はセラミド、あるいはその混合物)、あるいはその混合物から選択される。
【0028】
好ましい態様において、前記生物活性成分は、ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、1若しくは複数の増殖因子、TGFβ1、TGFβ2、1若しくは複数のプロバイオティック因子、1若しくは複数の非極性脂質、1若しくは複数のリン脂質、1若しくは複数のスフィンゴ脂質、1若しくは複数のガングリオシド又は1若しくは複数のセラミド、あるいはその混合物から選択される。ある好ましい態様において態様において、前記生物活性成分は、ラクトフェリン、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、TGFβ1、TGFβ2又は1若しくは複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される。
【0029】
ある態様において、前記組成物は、ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数の免疫グロブリン(1又は複数のIgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgM、あるいはその混合物、あるいは、異なるエピトープに特異的な1又は複数のIgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgMの複数を含む)、グリコマクロペプチド、1若しくは複数の増殖因子(ミルク由来増殖因子を含む、TGFβ1、TGFβ2を含む)又は1若しくは複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される生物活性成分を含み、から本質的になり、あるいはからなる。
【0030】
他の態様において、前記組成物は、1若しくは複数の非極性脂質、1若しくは複数の極性脂質であって、例えばリン脂質、スフィンゴ脂質、ガングリオシド又はセラミド、あるいはその混合物から選択される生物活性成分を含み、から本質的になり、あるいはからなる。
【0031】
ある態様において、前記組成物は、ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数の免疫グロブリン(1又は複数のIgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgM、あるいはその混合物、あるいは、異なるエピトープに特異的な1又は複数のIgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgMの複数を含む)、グリコマクロペプチド、増殖因子(ミルク由来増殖因子を含む、TGFβ1、TGFβ2を含む)又は1若しくは複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される生物活性成分について少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、99.5又は100重量%を含み、から本質的になり、あるいはからなる。
【0032】
ある態様において、前記組成物は、ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数の免疫グロブリン(1又は複数のIgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgM、あるいはその混合物、あるいは、異なるエピトープに特異的な1又は複数のIgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgMの複数を含む)、グリコマクロペプチド、増殖因子(ミルク由来増殖因子を含む、TGFβ1、TGFβ2を含む)、少なくとも約1%w/wの免疫グロブリンを含む組成物、抗体レベルを増大するために動物に接種することにより作製される製品、免疫ミルク又は1若しくは複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される生物活性成分から本質的になる又はからなる組成物で強化される。
【0033】
すなわち、ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数の免疫グロブリン(1又は複数のIgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgM、あるいはその混合物、あるいは、異なるエピトープに特異的な1又は複数のIgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgMの複数を含む)、グリコマクロペプチド、増殖因子(ミルク由来増殖因子を含む、TGFβ1、TGFβ2を含む)、少なくとも約1%w/wの免疫グロブリンを含む組成物、抗体レベルを増大するために動物に接種することにより作製される製品(高免疫ミルク又は高免疫コロストロム)、免疫ミルク又は1若しくは複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される生物活性成分から本質的になる又はからなる組成物は、当該組成物に添加され、当該生物活性成分の濃度を増大する。
【0034】
ある態様において、前記プロバイオティック因子は、1若しくは複数の細菌のDNAモチーフ、1若しくは複数の細菌の表面タンパク質、1若しくは複数の細菌小有機酸又は1若しくは複数の細菌細胞壁性分、あるいはその混合物から選択される。
【0035】
ある態様において、前記不要な生物は、1若しくは複数の細菌(プロバイオティック細菌を含む)、1若しくは複数の糸状菌、1若しくは複数のかび又は1若しくは複数の酵母菌、及び1若しくは複数の藻類、あるいはその混合物から選択される。ある態様において、前記不要な生物は、1若しくは複数の細菌、1若しくは複数の糸状菌、1若しくは複数のかび、1若しくは複数の酵母菌又は1若しくは複数の藻類、あるいはその混合物から選択される腐敗生物である。ある態様において、前記不要な生物は、1若しくは複数の細菌、1若しくは複数の糸状菌、1若しくは複数のかび、1若しくは複数の酵母菌又は1若しくは複数の藻類、あるいはその混合物から選択される病原菌である。他の態様において、前記不要な生物は、プロバイオティック生物、及び場合によりさらなる不要な生物を含む。
【0036】
ある態様において、前記不要な生物又はプロバイオティック微生物は、ラクトバシラス、ストレプトコッカス、ラクトコッカス、リューコノストック、ペディオコッカス、ビフィドバクテリウム、プロピオニバクテリウム、エンテロコッカス又はバシラス、あるいはその混合物からなる群より選択される。他の態様において、前記微生物は、ラクトバシラス・アシドフィルス、ラクトバシラス・デルブルエッキ亜種ブルガリカス、ラクトバチラス・カセイ、ラクトバシラス・クリスパタス、ラクトバシラス・ジョンソニー、ラクトバシラス・プランタラム、ラクトバシラス・ロウテリ、ラクトバシラス・ラムノサス、ラクトバシラス・サリバリウス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ブレベ、ビフィドバクテリウム・インファンチス、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチス、ビフィドバクテリウム・ロンガム又はストレプトコッカス・サーモフィラス、あるいはその混合物からなる群より選択される。
【0037】
他の態様において、前記不要な生物又はプロバイオティック微生物は、ラクトバシラス・ラムノサスHN001(AGAL NM97/09514)、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチスHN019(AGAL NM97/09513)、ラクトバシラス・アシドフィルスHN017(AGAL NM97/09515)、ラクトバシラス・ラムノサスHN067(AGAL NM97/01925)(その全ては米国特許第6,379,663号に記載されている。)、ラクトバシラス・ジョンソニーNCC533(La1)(CNCM I−1225)、ラクトバシラス・ラムノサスGG(ATCC53103)、ラクトバチラス・カセイ・シロタ(FERM−P4751)、ラクトバシラス・アシドフィルスNCFM(ATCC700396)、ラクトバシラス・プランタラム299v(DSMZ9843)、ラクトバチラス・カセイDN114001(CNCM I−1518)、ラクトバシラス・サリバリウスUCC4331(NCIMB40829)、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチスBB12(ATCC27536、及びDSMZ10140)又はビフィドバクテリウム・インファンチス35624(NCIMB41003)、あるいはその混合物からなる群より選択される。好ましい不要な生物又はプロバイオティック微生物は、ラクトバシラス・ラムノサスHN001、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチスHN019、ラクトバシラス・アシドフィルスHN017又はラクトバシラス・ラムノサスHN067、あるいはその混合物を含む。
【0038】
ある態様において、前記プロバイオティック微生物は、不活性化されたプロバイオティック微生物である。不活性化されたプロバイオティック微生物は、生育不能、生育不能であるがまだ代謝的に活性がある、又は死んでいるものとなり得る。
【0039】
ある態様において、前記組成物は、1若しくは複数の細菌(1若しくは複数のプロバイオティック細菌を含む)の如き1若しくは複数の不要な微生物、1若しくは複数の糸状菌、1若しくは複数のかび、1若しくは複数の酵母菌又は1若しくは複数の藻類、あるいはその混合物を含む。ある態様において、本明細書における有用な方法は、好ましくは、少なくとも1つの不要な微生物の成長を阻害することを目的とすることが理解されるべきである。しかしながら、しばしば、当該方法は予防的に実施され得、いずれの不要な生物も実際には存在しないかもしれない。かかる場合には、当該方法は、生物活性組成物の品質を保持又は向上するため、あるいは食品安全性の要求、医薬品適正製造基準又は規制基準に適合するために実施する。不要な微生物の有無にかかわらず、本明細書中における有用な加圧処理方法は、少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持し、生物活性組成物の品質を保持又は向上するために有用である。
【0040】
その結果、当該方法は、少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、少なくとも1つの不要な微生物の成長を好ましくは阻害する。
【0041】
ある態様において、前記組成物は、ミルクであって、ヒツジ、ヤギ、ブタ、マウス、水牛、ラクダ、ヤク、ウマ、ロバ、ラマ、ウシ又はヒトのミルク、あるいはその混合物を含むミルクである。好ましくは、ミルクはウシのミルクである。
【0042】
他の態様において、前記組成物は、乳タンパク質を含むか又は乳製品原料である。好ましくは、当該乳タンパク質組成物又は乳製品原料は、還元又は新鮮な全乳、還元又は新鮮な脱脂粉乳、再構成された全脂粉乳又は脱脂粉乳、脱脂粉乳濃縮物、脱脂粉乳分離物、全脂粉乳又は脱脂粉乳、脱脂粉乳リテンテート(retenate)、濃縮乳、バターミルク、限外ろ過乳リテンテート、ミルクタンパク質濃縮物(MPC)、ミルクタンパク質分離物(MPI)、カルシウム除去ミルクタンパク質濃縮物、カルシウム除去ミルクタンパク質分離物、低脂肪乳、低脂肪ミルクタンパク質濃縮物、低脂肪ミルクタンパク質分離物、コロストロム、コロストロム画分、コロストロム・タンパク質濃縮物(CPC)、コロストロム・ミルクタンパク質濃縮物、コロストロム・ミルクタンパク質分離物、コロストロム・ホエイ、コロストロム・ホエイタンパク質濃縮物、コロストロム・ホエイタンパク質分離物、コロストロム由来の免疫グロブリン画分、ホエイ、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)、ホエイタンパク質分離物(WPI)、スイートホエイ、乳酸ホエイ、鉱酸ホエイ、再構成ホエイ粉末、高免疫ミルク、高免疫ミルクタンパク質濃縮物、高免疫ミルクタンパク質分離物、高免疫ホエイ、高免疫ホエイタンパク質濃縮物、高免疫ホエイタンパク質分離物、高免疫コロストロム、高免疫コロストロム・ミルクタンパク質濃縮物、高免疫コロストロム・ミルクタンパク質分離物、高免疫コロストロム・ホエイ、高免疫コロストロム・ホエイタンパク質濃縮物、高免疫コロストロム・ホエイタンパク質分離物、いずれかのミルク又はコロストロムの処理過程由来の組成物、いずれかのミルクの限外ろ過若しくは精密ろ過又はコロストロム処理過程により得られたリテンテート又は浸透したもの由来の組成物、又はいずれかのミルク若しくはコロストロム処理過程のクロマトグラフ分離により得られたブレイクスルー若しくは吸着画分由来の組成物、あるいはこれらの組成物のいずれかの全体的又は部分的加水分解物、あるいはその混合物である。
【0043】
好ましくは、前記乳タンパク組成物又は乳製品原料は、畜牛、ヒツジ、ヤギ、ブタ、マウス、水牛、ラクダ、ヤク、ウマ、ロバ、ラマ又はヒト起源、あるいはその混合物由来ものである。
【0044】
他の態様において、プロバイオティック組成物は、上記のものの如き乳組成物である。
【0045】
他の態様において、前記組成物は、加圧処理に供する前に、低温殺菌され、乾燥され、蒸発され又はろ過(膜ろ過を含む)される。
【0046】
他の態様において、前記活性の所望のレベルは、未処理の対照の活性の少なくとも約35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99又は100%であり、そして有用な範囲として、これらの値のいずれかから選択し得る(例えば、約35〜100%、約50〜100%、約60〜100%、約70〜100%、約80〜100%、及び約90〜100%)。好ましくは、前記少なくとも1つの生物活性成分はタンパク質であり、そして保持される活性は、ELISA、フローサイトメトリー、HPLC又はBiaCoreにより評価される。好ましくは、前記少なくとも1つの生物活性成分は脂質であり、そして保持される活性は、フローサイトメトリー、ガスクロマトグラフィー(GC)又はHPLCにより評価される。好ましくは、前記プロバイオティック活性は、フローサイトメトリー又はPBMCサイトカイン分泌アッセイにより評価される。好ましくは、前記活性の所望のレベルは、未処理対照の活性の少なくとも約35%、未処理対照の活性の少なくとも約50%、未処理対照の活性の少なくとも約60%、未処理対照の活性の少なくとも約70%、未処理対照の活性の少なくとも約80%、あるいは未処理対照の活性の少なくとも約90、95、99又は100%である。
【0047】
ある態様において、前記処理圧力は、少なくとも約350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、750、800、850、900、950、及び1000MPa又はそれ超から選択され、そして有用な範囲は、これらの値のいずれかから選択され得る(例えば、約350〜約400MPa、約350〜約450MPa、約350〜約500MPa、約350〜約550MPa、約350〜約600MPa、約350〜約650MPa、約350〜約700MPa、約350〜約750MPa、約350〜約800MPa、約350〜約850MPa、約350〜約900MPa、約350〜約950MPa、約350〜約1000MPa、約400〜約1000MPa、約450〜約1000MPa、約500〜約1000MPa、約550〜約1000MPa、約600〜約1000MPa、約650〜約1000MPa、約700〜約1000MPa、約750〜約1000MPa、約800〜約1000MPa、約850〜約1000MPa、約900〜約1000MPa、約950〜約1000MPa、約500〜約550MPa、約500〜約600MPa、約500〜約650MPa、約500〜約700MPa、約500〜約750MPa、約500〜約800MPa、約550〜約800MPa、約600〜約800MPa、約650〜約800MPa、約700〜約800MPa、約750〜約800MPa、約400〜約800MPa、約400〜約750MPa、約400〜約700MPa、約400〜約650MPa、約400〜約600MPa、約450〜約800MPa、約450〜約750MPa、約450〜約700MPa、約450〜約650MPa、約450〜約600MPa、約500〜約800MPa、約500〜約750MPa、約500〜約700MPa、約500〜約650MPa、約500〜約600MPa、約525〜約675MPa、約550〜約650MPa、及び約575〜約625MPa)。好ましくは、当該処理圧力は、少なくとも、約350、400、450、500又は600MPaである。
【0048】
他の態様において、好ましくは、前記組成物がプロバイオティック生物を含む場合、前記処理圧力は、少なくとも約500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、及び700MPaから選択され、そしてその有用な範囲は、これらの値のいずれかから選択され得る(例えば、約500〜約550MPa、約500〜約600MPa、約500〜約650MPa、約500〜約700MPa、約550〜約700MPa、約600〜約700MPa、約650〜約700MPa、及び約550〜約650MPa)。好ましくは、当該処理圧力は、少なくとも約550、600又は650MPaである。
【0049】
ある態様において、加圧処理に供されるときの前記組成物のpHは、約5.0未満であり、好ましくは約4.6未満であり、より好ましくは約3.0〜約4.6であり、最も好ましくは約3.5〜約4.1である。
【0050】
ある態様において、加圧処理に供されるときの前記組成物のpHは、少なくとも、約3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9又は8.0、あるいはそれ超であり、そして有用な範囲はこれらの値のいずれかから選択され得る(例えば、約pH3.0〜約4.5、約pH3.0〜約5.0、約pH3.0〜約5.5、約pH3.0〜約6.0、約pH3.0〜約6.5、約pH3.0〜約7.0、約pH3.0〜約7.5、約pH3.0〜約8.0、約pH3.1〜約4.9、約pH3.2〜約4.8、約pH3.3〜約4.7、約pH3.4〜約4.6、約pH3.5〜約4.5、約pH3.6〜約4.4、約pH3.7〜約4.3、約pH3.8〜約4.2、及び約pH3.9〜約4.1)。あるいは、さらに他の態様において、前記組成物のpHは、加圧処理の前に、上記のpH範囲又は当該pH範囲内に調整される。
【0051】
ある態様において、前記方法は、周囲温度で実施される。好ましくは、前記加圧処理は、少なくとも約0、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55又は60摂氏温度であり、そしてこれらの値のいずれかから選択され得る(例えば、約5〜約40摂氏温度)。ある態様において、当該温度は、約0摂氏温度〜約40摂氏温度である。他の態様において、当該温度は、約4摂氏温度〜約25摂氏温度である。
【0052】
ある態様において、前記処理圧力は、約1秒〜約30分間の処理時間、適用され得る。好ましくは、当該処理時間は、約1、5、10、20、30、60、90、120、150、180、210、240、270又は300秒又は約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55又は60分間から選択され、そして有用な範囲はこれらの値のいずれかから選択され得る(例えば、約1〜約10分間、約1〜約5分間又は約2〜約4分間)。
【0053】
他の態様において、前記処理圧力は、処理時間の間、ほぼ一定に維持される。他の態様において、当該圧力は、周囲圧力(通常、大気圧)から処理圧力に増大され、次いで、処理時間内に周囲圧力に戻る。周囲温度は、通常、大気圧であるだろう。
【0054】
ある態様において、前記処理時間は前記圧力を大気圧から処理圧力に増大し、次いで当該圧力を大気圧に戻すことにかかる時間であることを理解するべきである。従って、ある態様において、1分間の処理時間は、1分間以内に圧力を大気圧から処理圧力に増大させ、次いで大気圧に戻すことを意味する。
【0055】
他の態様において前記期間の処理時間は、前記圧力が処理時間で保持される時間(「保持時間」)であることを理解すべきである。従って、ある態様において、1分間の処理時間は、当該圧力を処理圧力で1分間保持することを意味する。それ故、この態様において、処理時間0(又は保持なし)は、圧力を処理圧力まで上げるが保持せず、次いで当該圧力は大気圧に戻ることを意味する。この態様において、好ましい処理時間は、0(保持なし)、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、及び10分を含む。好ましくは、当該圧力は、約0、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5又は5分の間、あるいは約0、0.5、1、1.5、2、2.5又は3分の間、あるいは約0分の間、保持される。
【0056】
他の態様において、前記総処理時間は、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5又は10分未満である。つまり、圧力が周囲圧力(通常は大気圧)から上げられ、そして周囲圧力に戻るのにかかる時間は、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5又は10分未満である。好ましくは、約8分未満、好ましくは約7分未満、好ましくは約6分未満又は好ましくは約5分未満である。
【0057】
他の態様において、前記組成物をさらなる加圧処理に供し得る。当該処理圧力は、最初の大気圧に戻ることなしに、ある処理圧力から他の圧力に変化し得る。各加圧処理は、別個の処理時間の間、実施され得る。従って、ある態様において、当該圧力を、第1処理時間の間、周囲圧力から第1処理圧力に増大させ、次いで、当該圧力を、第2処理時間の間、第2処理圧力に変化させる。好ましくは、当該第1処理時間は、当該第2処理時間より長い。好ましくは、当該第1処理時間は、当該第2処理時間より短い。他の態様において、当該圧力を、処理時間内に、第1処理圧力まで増大し、次いで第2圧力に変化させた。
【0058】
ある態様において、前記組成物を製品中への組み入れ前に処理圧力に供する。他の態様において、前記組成物を製品中への組み入れ後に処理圧力に供する。従って、前記方法は、当該組成物を製品中に組み入れる前後に、当該組成物を処理圧力に供することをさらに含む。他の態様において、前記組成物をパッケージング前に処理圧力に供する。他の態様において、前記組成物をパッケージング後に処理圧力に供する。従って、前記方法は、当該組成物をパッケージング前後に、当該組成物を処理圧力に供することをさらに含む。
【0059】
ある態様において、前記組成物は、安定剤をさらに含む。好ましい安定剤は、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、カシアガム、コンニャクフラワー、ベータグルカン、タラガム、アラビアゴム、ジェランガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース、トラガカント・ゴム、カラヤゴム、アカシアゴム、キトサン、アラビノグラクチン(arabinoglactin)、アルギネート、ペクチン、カラギーナン又はサイリウム、あるいはその混合物から選択されるゴムである。好ましくは、当該安定剤は、ペクチン又はカルボキシメチルセルロース(CMC)、あるいはその混合物である。
【0060】
ある態様において、前記組成物は、疎水性リガンドをさらに含む。好ましくは、当該疎水性リガンドは、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、共役リノール酸(CLA)、1若しくは複数のリン脂質、1若しくは複数のホスファチジルコリン、1若しくは複数のスフィンゴミエリン、1若しくは複数のガングリオシド、酪酸、1若しくは複数のオメガ3脂肪酸{エイコサペンタエン酸(EPA)、及びドコサヘキサエン酸(DHA)を非制限的に含む}、1若しくは複数のフィトステロール、1若しくは複数のフィトステロール・エステル、1若しくは複数のフィトステロール・アセテート、1若しくは複数のオメガ6脂肪酸(魚油を非制限的に含む。)、脂溶性疎水性ビタミン(ビタミンA[レチノール]、及びビタミンDを含む)、リコピン又はドデシル硫酸ナトリウム、あるいはその混合物から選択される。好ましくは、この態様における組成物のpHは、約5.0〜8.0である。
【0061】
他の態様において、前記組成物は、上記乳タンパク組成物又は乳製品原料を非制限的に含む、生物活性タンパク質、脂質、タンパク質加水分解物、脂質加水分解物又は炭水化物、あるいはその混合物の少なくとも1つのさらなる源をさらに含む。
【0062】
他の態様において、前記組成物は、ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数の免疫グロブリン(1又は複数のIgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgM、あるいはその混合物、あるいは異なるエピトープに特異的な1又は複数のIgA、IgD、IgE、IgG、若しくはIgMの複数を含む)、グリコマクロペプチド、増殖因子(ミルク由来の増殖因子を含む、TGFβ1及びTGFβ2を含む)、少なくとも1%w/wの免疫グロブリンを含む組成物、抗体レベルを増大させるために動物に接種することにより作成される製品(高免疫ミルク又は高免疫コロストロム)、免疫ミルク、あるいは1又は複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される少なくとも1つのさらなる生物活性成分をさらに含む。
【0063】
他の態様において、前記組成物は、1若しくは複数のリン脂質、1若しくは複数のスフィンゴ脂質、1若しくは複数のガングリオシド又は1若しくは複数のセラミド、あるいはその混合物の如き、1若しくは複数の非極性脂質、1若しくは複数の極性脂質から選択される少なくとも1つのさらなる生物活性成分をさらに含む。
【0064】
他の態様において、前記組成物は、少なくとも約1%w/wの免疫グロブリンをさらに含み、ここで、当該免疫グロブリンは、1又は複数のIgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgM、あるいはその混合物、あるいは異なるエピトープに特異的な1又は複数のIgA、IgD、IgE、IgG若しくはIgMの複数を含む。
【0065】
ある態様において、前記組成物は食品である。好ましくは、当該食品は飲料であり、好ましくは、酸性飲料又は炭酸飲料である。好ましくは、当該食品は、規定の、撹拌された、フレーバーのついた、フルーツの、及びプロバイオティックなヨーグルト、フロマージュ・フレ、プティ・スイス、クワルク(quarg)、発酵食品又は飲物、酸性飲物、あるいは乳製品を含むヨーグルトである。好ましくは、当該食品はゼリーである。
【0066】
ある態様において、前記処理圧力は約400、500、600又は700MPaであり、処理時間は約保持なし、1、2又は3分間である。他の態様において、当該処理圧力は約350〜約500MPaであり、当該処理時間は約0分〜約5分間である。好ましくは、当該組成物又は製品は、ヨーグルトである。
【0067】
さらに他の態様において、当該処理圧力は約400〜約700MPaであり、当該処理時間は約0分〜約5分間である。好ましくは、当該組成物又は製品は、発酵飲料である。
【0068】
さらに他の態様において、当該処理圧力は約400〜約700MPaであり、当該処理時間は約0分〜約10分間である。好ましくは、当該組成物又は製品は、酸性飲料、濃縮液(ゲルを含む)又はヨーグルトである。
【0069】
他の態様において、当該処理圧力は約350〜約800MPaであり、処理時間は約0分〜約10分間であり、そして当該組成物又は製品のpHは約pH3.0〜約pH7.0である。
【0070】
他の態様において、当該生物活性成分は免疫グロブリン又はラクトフェリンであり、製品又は組成物のpHは約pH3.0〜約pH5.0、好ましくは約pH3.8〜約pH4.5、好ましくは約pH4.1であり、処理圧力は約550〜約650MPa、好ましくは600MPaであり、そして処理時間は保持なし又は1、2又は3分間から選択される。
【0071】
他の態様において、前記生物活性成分はラクトフェリンであり、そして製品又は組成物のpHは約pH3.5〜4.5、好ましくはpH4.1であり、処理圧力は約550〜650MPa、好ましくは600MPaであり、そして処理時間は保持なし又は1、2又は3分間から選択される。
【0072】
他の態様において、前記生物活性組成物は、コロストロムMPC又はコロストロムWPCであり;当該生物活性成分は免疫グロブリン、好ましくはIgGであり;製品又は組成物のpHは約pH3.5〜7.0、好ましくはpH3.5〜5.0、好ましくはpH4.1であり;処理圧力は約550〜650MPa、好ましくは600MPaであり;そして処理時間は保持なし又は1、2又は3分間から選択される。
【0073】
他の態様において、前記生物活性組成物はコロストロムMPC又はコロストロムWPCであり;当該生物活性成分はラクトフェリンであり;製品又は組成物のpHは約pH3.5〜7.0、好ましくはpH3.5〜5.0、好ましくはpH4.1であり;処理圧力は約550〜650MPa、好ましくは600MPaであり;そして処理時間は保持なし又は1、2又は3分間から選択される。
【0074】
他の態様において、前記生物活性成分は免疫ミルク又は免疫ミルクタンパク質濃縮物又は免疫ミルクホエイタンパク質濃縮物であり;製品又は組成物のpHは約pH3.5〜7.0、好ましくはpH3.5〜5.0、好ましくはpH4.1であり;処理圧力は約550〜650MPa、好ましくは600MPaであり;そして処理時間は保持なし又は1、2又は3分間から選択される。
【0075】
他の態様において、前記生物活性成分は免疫ミルク又は免疫ミルクタンパク質濃縮物又は免疫ミルクホエイタンパク質濃縮物であり;当該生物活性成分はイムノグロブリン、好ましくはIgGであり;製品又は組成物のpHは約pH3.5〜4.5、好ましくはpH4.1であり;処理圧力は約550〜650MPa、好ましくは600MPaであり;そして処理時間は保持なし又は1、2又は3分間から選択される。
【0076】
他の態様において、前記生物活性成分は免疫ミルク又は免疫ミルクタンパク質濃縮物又は免疫ミルクホエイタンパク質濃縮物であり;当該生物活性成分はラクトフェリンであり;製品又は組成物のpHは約pH3.5〜4.5、好ましくはpH4.1であり;処理圧力は約550〜650MPa、好ましくは600MPaであり;そして処理時間は保持なし又は1、2又は3分間から選択される。
【0077】
他の態様において、前記生物活性成分は1又は複数のIgGであり;処理圧力は約550〜650MPaであり;pHは約3.0〜5.0であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0078】
他の態様において、前記生物活性組成物は生物活性乳タンパク質組成物であり;当該生物活性成分はIgG又はラクトフェリンであり;処理圧力は約350〜650MPa、好ましくは350〜550MPaであり;pHは約3.2〜4.5であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0079】
他の態様において、前記生物活性組成物はコロストロムMPCであり;当該生物活性成分はIgGであり;処理圧力は約350〜650MPaであり;pHは約3.2〜4.5であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0080】
他の態様において、前記生物活性組成物はコロストロムMPCであり;当該生物活性成分はIgGであり;処理圧力は約550〜650MPaであり;pHは約3.8であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0081】
他の態様において、前記生物活性組成物はコロストロムMPCであり;当該生物活性成分はIgGであり;処理圧力は約550〜650MPaであり;pHは約3.2〜7.0であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0082】
他の態様において、前記生物活性組成物はコロストロム脱脂粉乳であり;当該生物活性成分はIgGであり;処理圧力は約350〜650MPaであり;pHは約3.2〜5.5であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0083】
他の態様において、前記生物活性組成物はコロストロム脱脂粉乳であり;当該生物活性成分はIgGであり;処理圧力は約550〜650MPaであり;pHは約3.2〜5.5であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0084】
他の態様において、前記生物活性組成物はコロストロム・ホエイであり;当該生物活性成分はIgGであり;処理圧力は約350〜650MPaであり;pHは約3.2〜5.5であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0085】
他の態様において、前記生物活性組成物はコロストロム・ホエイであり;当該生物活性成分はIgGであり;処理圧力は約550〜650MPaであり;pHは約3.2〜5.5であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0086】
他の態様において、前記生物活性組成物はコロストロム・ホエイUFリテンテートであり;当該生物活性成分はIgGであり;処理圧力は約550〜650MPaであり;pHは約3.2〜5.5であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0087】
他の態様において、前記生物活性組成物は高免疫ミルク、高免疫ミルクタンパク質濃縮物又は高免疫ホエイタンパク質濃縮物、高免疫コロストロム、高免疫コロストロム・ミルクタンパク質濃縮物又は高免疫コロストロム・ホエイタンパク質濃縮物であり;当該生物活性成分はIgA、IgG、IgM又はラクトフェリンであり;処理圧力は約550〜650MPaであり;pHは約3.2〜5.5であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0088】
他の態様において、前記生物活性成分はラクトフェリンであり;処理圧力は約550〜650MPaであり;pHは約3.0〜7.5であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0089】
他の態様において、前記生物活性成分はTGF−β1又はTGF−β2であり;処理圧力は約550〜650MPaであり;pHは約3.0〜8.0であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0090】
他の態様において、前記生物活性組成物はヨーグルトであり;当該生物活性成分はラクトフェリンであり;処理圧力は約450〜650MPaであり;pHは約3.0〜5.0であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0091】
他の態様において、前記生物活性組成物は飲料であり;当該生物活性成分はIgGであり;処理圧力は約550〜650MPaであり;pHは約3.0〜5.0であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0092】
他の態様において、前記生物活性組成物はゼリーであり;当該生物活性成分はラクトフェリンであり;処理圧力は約550〜650MPaであり;pHは約3.0〜5.0であり;そして処理時間は約0、1、2又は3分間である。
【0093】
他の態様において、本発明は、本発明の方法によって処理又は製造される組成物に関する。さらに他の態様において、本発明は、本発明の方法によって処理又は製造されるプロバイオティック組成物に関する。
【0094】
他の態様において、本発明は、食品、飲み物、食品添加物、飲料添加物、栄養補助食品、栄養製品、病人用特別食、栄養補給食品、薬剤又は調合薬の如き食用品の製造における、本発明の方法により処理又は製造される組成物の使用に関する。
【0095】
さらなる態様において、本発明は、1若しくは複数のラクトバシラス・アシドフィルス株、1若しくは複数のラクトバシラス・デルブルエッキ亜種ブルガリカス株、1若しくは複数のラクトバチラス・カセイ株、1若しくは複数のラクトバシラス・クリスパタス株、1若しくは複数のラクトバシラス・ジョンソニー株、1若しくは複数のラクトバシラス・プランタラム株、1若しくは複数のラクトバシラス・ロウテリ株、1若しくは複数のラクトバシラス・ラムノサス株、1若しくは複数のラクトバシラス・サリバリウス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ビフィダム株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ブレベ株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・インファンチス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ロンガム株又は1若しくは複数のストレプトコッカス・サーモフィラス株、あるいはその混合物から選択され、かつ本発明の方法によって処理された1若しくは複数のプロバイオティック微生物を含む又はから本質的になる組成物に関する。
【0096】
他の態様において、本発明は、ラクトバシラス・ラムノサスHN001、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチスHN019、ラクトバシラス・アシドフィルスHN017又はラクトバシラス・ラムノサスHN067、あるいはその混合物から選択され、かつ本発明の方法によって処理された1若しくは複数のプロバイオティック微生物を含む又はから本質的になる組成物に関する。
【0097】
他の態様において、本発明は、ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、1若しくは複数の増殖因子、TGFβ1又はTGFβ2、あるいは、あるいはその混合物であり、かつ本発明の方法によって処理されたものを含む又はから本質的になる組成物に関する。さらに他の態様において、本発明は、ラクトフェリン、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、TGFβ1又はTGFβ2、あるいはその混合物であり、かつ本発明の方法によって処理されたものを含む又はから本質的になる組成物に関する。
【0098】
他の態様において、本発明は、食品、飲み物、食品添加物、飲料添加物、栄養補助食品、栄養製品、病人用特別食、栄養補給食品、薬剤又は調合薬の製造における本発明の組成物の使用に関し、好ましくは、当該使用はそれを必要とする対象を処置するためであり、好ましくは、それを必要とする対象の免疫系を刺激するためである。従って、他の態様において、本発明は、本発明の組成物の投与を含む、それを必要とする対象の免疫系を刺激する方法に関する。
【0099】
本発明の他の態様は、約0.1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された組成物、約1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された組成物、約0.1mg/ml〜1000mg/mlのIgG及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された組成物、約1mg/ml〜1000mg/mlのIgG及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された組成物、約0.1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理されたゼリー、約0.1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理されたヨーグルト、約0.1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された飲料、約1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理されたゼリー、約1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理されたヨーグルト、約1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された飲料、約0.1mg/ml〜1000mg/mlのIgG及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された飲料、約0.1mg/ml〜1000mg/mlのIgG及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理されたヨーグルト、約0.1mg/ml〜1000mg/mlのIgG及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された飲料、約1mg/ml〜1000mg/mlのIgG及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理されたゼリー、約1mg/ml〜1000mg/mlのIgG及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理されたヨーグルト、約1mg/ml〜1000mg/mlのIgG及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された飲料に関する。かかる組成物のpH、及びそれらが処理される圧力は、上記の範囲から選択され得る。
【0100】
本発明の他の態様は、1若しくは複数の生育不能なプロバイオティック微生物培養物及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された組成物;1若しくは複数のラクトバシラス・アシドフィルス株、1若しくは複数のラクトバシラス・デルブルエッキ亜種ブルガリカス株、1若しくは複数のラクトバチラス・カセイ株、1若しくは複数のラクトバシラス・クリスパタス株、1若しくは複数のラクトバシラス・ジョンソニー株、1若しくは複数のラクトバシラス・プランタラム株、1若しくは複数のラクトバシラス・ロウテリ株、1若しくは複数のラクトバシラス・ラムノサス株、1若しくは複数のラクトバシラス・サリバリウス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ビフィダム株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ブレベ株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・インファンチス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ロンガム株又は1若しくは複数のストレプトコッカス・サーモフィラス株、あるいはその混合物からなる群より選択される1若しくは複数の生育不能なプロバイオティック微生物培養物、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された組成物;ラクトバシラス・ラムノサスHN001、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチスHN019、ラクトバシラス・アシドフィルスHN017又はラクトバシラス・ラムノサスHN067、あるいはその混合物からなる群より選択される1若しくは複数の生育不能なプロバイオティック微生物培養物、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された組成物;並びにラクトバシラス・ラムノサスHN001の生育不能なプロバイオティック微生物培養物、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された組成物に関する。かかる組成物のpH、及びそれらが処理される圧力は、上記の範囲から選択され得る。
【0101】
本明細書中に引用される全ての出願、特許、及び刊行物は、もしあれば、その全内容を引用することにより本明細書中に援用する。
【0102】
本明細書中に開示される数字の範囲(例えば、1〜10)への言及は、当該範囲内の全有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9、及び10)への言及をも含み、その範囲内の有理数のいずれかの範囲(例えば、2〜8、1.5〜5.5、及び3.1〜4.7)も含むことを意図する、それ故、本明細書中に明確に開示される全範囲の全ての部分的な範囲は本明細書中に明確に開示される。これらは、特に意図されていることの例示に過ぎず、最低値と最高値との間の数値の全ての可能性のある組合せは、同じように本明細書中に明確に述べられると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0103】
本発明の詳細な説明
1.定義
生物活性成分の「活性」との言及は、摂取されたときに当該生物活性成分が生理的に活性であること、及びいずれかの手段、好ましくは経口でヒトを含む動物に投与されたときに陽性健康効果を有し得ることを意味することを目的とする。様々な生物活性成分の活性の評価を以下に記載する。
【0104】
持続する活性との言及は、加圧処理された生物活性成分が未処理の対照の活性の少なくとも約35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99又は100%保持することを意味することを目的とし、有用な範囲はこれらの値のいずれかから選択され得る(例えば、約35〜約100%、約50〜約100%、約60〜約100%、約70〜約100%、約80〜約100%、及び約90%〜約100%)。
【0105】
多くの場合、タンパク質活性は、適切なタンパク質の折り畳みに関する。研究が示すことには、UHT(超加熱処理)ミルクにおける天然、及び鉄負荷LFの変性はその活性に影響を与え様々な細菌種を結合し、その相互作用能力を低減する(Paulssonら、1993)。それ故、活性の評価は、着目のタンパク質の構造的完全性の示唆を与える分析技術を使用して実施される。放射線免疫拡散法(RID)、表面プラズモン共鳴(SPR)、及びアフィニティHPLC−MCの如き免疫学的アッセイは、測定され得る前に完全な状態にあるIgGを必要とする。酵素免疫測定法(ELISA)において、適切に折り畳まれたIgG又はLFは、抗体により結合し、そして検出可能となり、そして酵素結合比色分析剤を使用して可視化されるだろう。加熱処理された超免疫化乳製品の生物活性の損失に関する情報は、Liら、2003においても与えられる。それ故、ある態様において、加圧処理の前後に適切に折り畳まれたタンパク質の量を評価することは、保持された活性の評価を提供するだろう。好ましくは、生物活性成分はタンパク質であり、保持された活性は、下記のようなELISA、フローサイトメトリー、HPLC又はBiaCoreにより評価される。
【0106】
脂質の生物活性は、無傷の脂質又は脂肪酸分子に関する。脂質組成物を乾留すること(120℃で15分間、加熱)は、リン脂質の分解に起因する組成物の過剰な褐色化(色の変化)を引き起こす。例えば、100gのNZMPリン脂質(PC500)、及び200gの無水乳脂肪のサンプルを、600MPaで0分間、600MPaで3分間、600MPaで15分間加圧処理し、又は120℃で20分間、乾留した。乾留後、当該リン脂質サンプルは、暗褐色に色が変化した(データは示されていない)。対照的に、加圧処理されたサンプルは影響を受けないままであった(データは示されていない)。好ましくは、生物活性成分は脂質であり、保持された活性はガスクロマトグラフィー(GC)又はHPLCにより評価される。
【0107】
加水分解物の保持された生物活性は、下記のようなELISA、フローサイトメトリー、HPLC又はBiaCoreを使用して、あるいは生体外又は生体内アッセイを使用して、所望のペプチドの存在を評価することにより評価され得る。
【0108】
ある態様において、活性はプロバイオティック活性である。プロバイオティック活性は、以下に記載される。好ましくは、前記生物活性成分はプロバイオティックであり、プロバイオティック活性はPBMCサイトカイン分泌アッセイにより評価される。
【0109】
本明細書、及び特許請求の範囲における用語「含む」は、「少なくともその一部からなる」ことを意味する。当該用語を含む本明細書、及び特許請求の範囲中の記述を解釈するとき、各記述において当該用語により前置きされる特性の全てが存在することが必要であるが、しかし他の特性も存在し得る。「含む」及び「含まれる」の如き関連用語は、同じように解釈される。
【0110】
本明細書中における用語「生物活性組成物」又は「生物活性製品」又は「生物活性原料」は、生物活性成分の存在により生物活性である組成物又は製品又は原料を意味することを目的とし、食品及び食品原料を含む。好ましい態様の焦点が食品及び食品原料、特に乳製品及び乳製品原料に関するが、本発明は、経口又は非経口投与のための医療品の如き食品ではない医療品を含む、生物活性成分を含む組成物又は製品又は原料のいずれかを加工するためにも有用であると理解するべきである。ある態様において、当該生物活性製品が他の製品に組み込まれるための原料となるかもしれないことも理解すべきである。有用な食品製品又は食品原料は、飲料(酸性飲料、炭酸飲料、消費可能な液体、及びゲルを含む)、栄養補給食品、及びかかる製品における使用のための原料を含むいずれかの食用品又は原料を含む。ある態様において、食品は他の製品に組み込まれるための原料となり得ることを理解すべきである。生物活性組成物は医薬組成物ともなり得る。
【0111】
当該組成物は、液体における固体の懸濁液を含む液体(ペースト又はスラリーを含む)となり得る。かかる組成物の例は、濃縮液(ゲルを含む)、飲料(酸性、及び炭酸飲料を含む)、ゼリー又はヨーグルトを含む。
【0112】
生物活性組成物の例は、上記のような乳タンパク質組成物、及び乳製品原料を含む。
【0113】
本明細書中に使用される用語「生物活性成分」は、摂取されたときに生理的に活性である、及びいずれかの方法、好ましくは経口により特に哺乳類でありヒトを含む動物に投与されたときに陽性な健康効果を有し得る、1若しくは複数のタンパク質(天然に生じたタンパク質又は組換え型、合成型、及び変性タンパク質の如きその変異体を含む)、1若しくは複数の脂質(変性脂質)、1若しくは複数のタンパク質加水分解物、1若しくは複数の脂質加水分解物又は1若しくは複数の炭水化物(変性炭水化物を含む)、あるいはその混合物を意味することを目的とする。組換え型タンパク質の製造はSambrookら(1989)に記載される。
【0114】
生物活性タンパク質の例は、非制限的に、ラクトフェリン、リゾチーム、免疫グロブリン(IgA、IgD、IgE、IgG又はIgMを含む)、グリコマクロペプチド、及び増殖因子(TGFβ1、及びTGFβ2を含むミルク由来の増殖因子を含む)を含む。
【0115】
生物活性タンパク質加水分解物の例は、カゼイン加水分解物、加水分解されたホエイを含むホエイタンパク質加水分解物、加水分解されたホエイタンパク質濃縮物(WPC)、加水分解されたホエイタンパク質分離物(WPI)又はアルファ−ラクトアルブミン、ベータ−ラクトグロブリン、プロテオースペプトン、免疫グロブリン(IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMを含む)、グリコマクロペプチド、増殖因子(例えば、TGFβ1、及びTGFβ2)、ウシ血清アルブミン、ラクトフェリン、及びラクトペルオキシダーゼの如き個別の加水分解されたホエイタンパク質を非制限的に含む。他の例は、国際特許公開第99/65326号、及び同第02/19837に記載されるもの、ホエイ加水分解物(例えば、国際特許公開第02/19837号に記載されているもの)から単離されたACEペプチドを含む。タンパク質加水分解物は、下記のように製造され得る。
【0116】
生物活性脂質の例は、リン脂質、スフィンゴ脂質、ガングリオシド、及びセラミドの如き、非極性脂質及び極性脂質を非制限的に含む。
【0117】
少なくとも1つの生物活性タンパク質、脂質、タンパク質加水分解物、脂質加水分解物又は炭水化物、あるいはその混合物を含む生物活性組成物の例は、乳タンパク質組成物、及び上記のものの如き乳製品原料を含む。
【0118】
生物活性組成物のさらなる例は、少なくとも約1%w/wの免疫グロブリンを含む組成物、ここで当該免疫グロブリンはIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMの1若しくは複数を含む;抗体レベルを増大するために動物に接種することにより製造される製品;及び免疫ミルクを非制限的に含む。
【0119】
用語「保持時間」は、処理時間について圧力が処理圧力で保持される時間である好ましい態様を言及する。例えば、1分間の保持時間は、圧力が処理圧力で1分間保持されることを意味する。0分間の保持時間(又は「保持なし」)は、圧力は処理圧力に上げられるが保持されず、次いで周囲圧(通常、大気圧)に戻ることを意味する。この態様において、好まれる処理時間は、0(保持なし)、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、及び10分間を含む。圧力を処理圧力で意図的に保持しないけれども、使用される装置の性質に起因し非常に短い保持期間(もしかすると、1000分の1秒)があり得ることを理解すべきである。この非常に短い保持期間は、当該方法の実施に実質的に影響を与えそうにない。
【0120】
本明細書中に使用される用語「品質保持」は、時間とともに不要な微生物が成長することに抵抗する組成物の能力を意味することを目的とする。熱又は本明細書中に提供されるような受容される代替法で処理されない組成物は、商業的に受け入れら得る品質維持を有しそうもない。品質を保持との言及は、本発明の方法が加圧処理された組成物の保存期間を拡張するにあたり加熱処理された対照と少なくとも同程度効果的であると意味することを目的とする。増大する又は増大された、あるいは向上する又は向上された品質保持への言及は、時間とともに不要な微生物が成長することに抵抗する組成物の能力が未処理の組成物と比較して増強されることを意味するように意図される。増強された品質維持は、好ましくは、例えば、延長された保存期間、及び温度差に抵抗する改良された能力の如き特性を導く。温度差(例えば、冷蔵庫からの移動)は、いずれかの残余細菌の成長を誘導し得る。
【0121】
好ましくは、品質維持は、好気性生菌数(APC)の基準で評価される。APCは、サンプル内の細菌密度を見積もるために使用される細菌計数法であり、さもなければ、総平板計数法、一般平板計数法又は総生菌数測定法として知られる。サンプルは、回収され、混合され、希釈され、そして試験された細菌{例えば、大腸菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、赤痢菌、大腸菌(coliforms)、酵母菌、及びかび、中等温度好性菌、サーモフィラス菌の如き食品又は乳製品混入物質}を検出するために好適なアガー培地に蒔かれる。APCの結果は、プレートに蒔き32℃で72時間インキュベートしたサンプルの1ミリリットルあたりのコロニー形成単位の数(cfu/ml)である。50,000cfu/ml又はそれ未満のAPCは、生存可能な培養物を含まない新鮮な乳製品として非常に好まれる。50,000cfu/ml又はそれ超のAPCを有する製品は、もしその生物の存在が特にその製品にとって好適であるのでなければ、許容される品質維持を有しているとはされそうもない、後者のクラスの製品の例は、ヨーグルト又は発酵製品であり、その場合、生存可能な培養物が好まれる。
【0122】
従って、ある態様において、好ましい方法は、処理後の好気性生菌数(APC)が約100,000、75,000、50,000、25,000、10,000、5,000、1,000、100又は10の1ミリリットルあたりのコロニー形成単位(cfu/ml)未満又はそれと同等である。好ましくは、APCは、約50,000cfu/ml未満である。
【0123】
用語「ラクトフェリン」は、いずれかの非グリコシル化又はグリコシル化された、野生型の哺乳類(好ましくはウシ又はヒト)ラクトフェリンアミノ酸配列、あるいはその変異型である。
【0124】
用語「ミルク由来の増殖因子」は、哺乳類のミルク又はコロストロム、好ましくはウシミルク又はコロストロムにおいて発見されたいずれかの増殖因子を含むことを目的とする、例えば、インスリン様増殖因子I(IGF−I)、インスリン様増殖因子II(IGF−II)、形質転換増殖因子β1(TGF−β1)、形質転換増殖因子β2(TGF−β2)、血小板由来増殖因子(PDGF)、及びヘパリン結合増殖因子である。上皮細胞増殖因子も含まれる。
【0125】
用語「加圧処理」は、超高圧(UHP)処理を言及する。かかる処理は、少なくとも100MPaの圧力を使用することとして一般的に受け入れられる。このことは、「高圧」処理、「高水圧(HHP)」又は「高圧処理」(HPP)としても知られる。「加圧処理」された製品は、UHP処理に供されるものである;すなわち、少なくとも100MPaの圧力での加圧処理、好ましくは、少なくとも約350、400、450、500、600、700又は800MPa(又はさもなければ上記のようにこの範囲内)の圧力での加圧処理である。
【0126】
用語「プロバイオティック活性」は、免疫系を刺激するためのある微生物の能力を言及する。プロバイオティック微生物の活性の型とレベルを測定することは、当業者に知られている。例えば、Mercenierら(2004)、Leyerら(2004)又はCummingsら(2004)を参照のこと。好ましくは、プロバイオティック活性は、PBMCサイトカイン分泌アッセイにより評価される。
【0127】
プロバイオティック活性を保持することへの言及は、弱毒化又は死んだプロバイオティック微生物がいまだ有用なプロバイオティック活性を有していることを意味するように意図される。プロバイオティック活性の調節に関与する細菌分子は、明確に特定されないけれども、可能な候補分子は、細菌DNAモチーフ、表面タンパク質、小有機酸、及び細胞壁成分、例えばリポタイコ酸、及びペプチドグリカンを含む。前提となることには、これらは、宿主の免疫系の成分と相互作用し、免疫調節効果をもたらす。好ましくは、保持された活性は、未処理対照の活性の少なくとも約35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99又は100%であり、そして有用な範囲は、これらの値のいずれかの間から選択され得る(例えば、約35〜約100%、約50〜約100%、約60〜約100%、約70〜約100%、約80〜約100%、及び約90〜約100%)。
【0128】
用語「プロバイオティック因子」は、プロバイオティック活性の調節に関与する細菌分子をいい、細菌DNAモチーフ、表面タンパク質、小有機酸、細胞壁成分、例えばリポタイコ酸、及びペプチドグリカン、あるいはその混合物を非制限的に含む。上述のように、これらの分子は明確に特定されないが、もしプロバイオティック生物が存在するならば、かかる分子が存在するだろう。
【0129】
用語「対象」は、動物、好ましくは哺乳類、より好ましくは哺乳類のペット又はヒトである。好まれるペットは、ネコ、イヌ、及びウマを含む。
【0130】
用語「不要な微生物」は、加圧処理の前に組成物中において成長し得る全ての微生物をいう。かかる成長は望まないものであるけれども、生育不能な、弱毒化された又は死んでいる微生物を含む成長しない状態における微生物の存在は、重要なことではなく又は所望のものとなり得る。
【0131】
不要な微生物の成長を阻害するとの言及は、細菌(プロバイオティック細菌を含む)、糸状菌、かび、酵母菌、及び藻類の如き微生物の成長を実質的に低減し、遅延し又は除去することを意味することを目的とする。当該微生物は、腐敗性に関与する必要はなく又は病原菌である必要はない。不要な微生物の成長は、目視検査により又は本分野において知られる標準的技術{例えば顕微鏡法、染色、PCR、細胞選別など(Lundら2000を参照のこと)を非制限的に含む}を使用することにより評価され得る。好ましくは、加圧処理後の組成物のAPCは、約100,000、75,000、50,000、25,000、10,000、5,000、1,000、100又は10cfu/ml未満又は同等であり、好ましくは約50,000cfu/ml未満である。
【0132】
上記のように、加熱処理されない又は加圧処理されない組成物は、商業的に許容される品質維持を有しそうにない。すなわち、未処理の組成物の品質維持は、不要な微生物の成長を阻害するために何らのステップもとられないので、通常、受け入れられない。かかるステップを設ける際、当該品質維持が向上され得る。約100,000、75,000、50,000、25,000、10,000、5,000、1,000、100又は10の1ミリリットルあたりのコロニー形成単位(cfu/ml)未満又は同等の、好ましくは約50,000cfu/ml未満又は同等の処理後好気性生菌数(APC)は、品質維持に影響を与えるために存在するいずれかの生物の能力を低減し、遅延させ又は除去するだろう。低pH又は冷蔵(約10℃未満、好ましくは約4℃未満の温度での保存)又はその両方の組合せにおいて、品質保持に影響を与えるそれらの能力は、さらに低減又は除去されるだろう。
【0133】
プロバイオティック微生物を使用する態様において、プロバイオティック微生物の成長は不要であるが、プロバイオティック微生物の存在は望まれる。従って、かかる態様における不要な微生物の成長を阻害することへの言及は、プロバイオティック微生物の成長が実質的に低減され、遅延され又は除去されることを意味することを目的とする。好ましくは、加圧処理はプロバイオティック微生物を弱力化させ、より好ましくは当該プロバイオティック微生物を殺す一方で、プロバイオティック活性の少なくとも所望のレベルを保持する。
【0134】
ある態様において、プロバイオティック微生物は、不活性化プロバイオティック微生物であるが、少なくとも所望のレベルのプロバイオティック活性を保持する。不活性化プロバイオティック微生物は、生育不能、生育不能であるがいまだ代謝的に活性、又は死んでいるとなり得るが、全ての場合において、少なくとも所望のレベルのプロバイオティック活性を保持し得る。
【0135】
他の態様において、プロバイオティック微生物は、加圧処理の前に不活性化されたプロバイオティック微生物である。この態様における加圧処理は、存在するプロバイオティック因子のプロバイオティック活性を保持しながら、他の不要な微生物の成長を阻害する。
【0136】
用語「変異型」は、1若しくは複数のアミノ酸の追加、欠失又は置換によりタンパク質の主な野生型アミノ酸配列と異なる天然に生ずるタンパク質(例えば、対立遺伝子多型)又は非天然に生ずるタンパク質(例えば、人工的に産生された変異型)をいう。
【0137】
一般的に、タンパク質変異体は、下記の実施例によりアッセイされるとき、共通の定性的生物学的活性を有する。さらに、これらの変異体は、少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を共有し得る。当該用語「変異型」の意味の中にはホモログも含まれる。ホモログは、通常、異なる種由来であるが、初期タンパク質として実質的に同じ生物学的機能又は活性を共有しているタンパク質である。
【0138】
好まれる変異型タンパク質は、野生型配列に対して、好ましくは、少なくとも約70、75、80、85、90、95又は99%の同一性、好ましくは約90、95又は99%の同一性を有する。同一性は、NCBIから公的に入手可能なBLASTの一連のプログラム(version2.2.12;28 August 2005){Tatusovaら(1999);McGinnisら(2004)}(ftp://ftp.ncbi.nih.gov/blast/)を使用して、候補アミノ酸配列を比較するにより測定される。
【0139】
生物学的活性を著しく変化させることなく、1若しくはいくつかのアミノ酸の同類置換も有用である。当業者は、表現型としてサイレントなアミノ酸置換を作成するための方法を知っているだろう{例えば、Bowieら(1990)を参照のこと}。
【0140】
2.生物活性組成物の加圧処理
本発明は、生物活性成分の生物活性を維持しながら、商業的に有用な品質維持を達成する条件下、当該生物活性成分を含む生物活性組成物を加圧処理することが可能であることを示す。下記の実施例1において、熱加工による活性の50%超の損失と比較して、生物活性製品(コロストロムベースの飲料)を加圧処理に供した後は、当該生物活性成分の生物活性のたった4%が失われるに過ぎない。
【0141】
例証として、本発明によって加工された生物活性組成物は、加圧処理された製品又原料内にデリバリーされ;その後加熱処理されない製品又原料に添加され;又はその後加圧処理される製品又は原料に添加され得る。
【0142】
本発明者等は、加圧処理に供されたプロバイオティック微生物が免疫系を刺激する能力を保持することも示している。それ故、加圧処理は、プロバイオティック微生物の成長が望まれないかもしれない適用において、かかる成長を阻害するために有用な道具である。
【0143】
本発明者等は、疎水性リガンドの使用が、生物活性成分を、リガンドなしで容易に入手されるだろう活性のレベルより高いレベルを保持したまま、pH約7.0、好ましくはpH5.0〜8.0でUHP処理することを可能にすることも示している。
【0144】
従って、本発明は、本明細書中に記載されるように、組成物中に存在する少なくとも1つの生物活性成分の少なくとも所望のレベルを保持しながら、生物活性組成物の品質を保持又は向上する方法に関する。本発明は、少なくとも所望のレベルのプロバイオティック活性を保持しながらプロバイオティック微生物の成長を阻害するためにプロバイオティック組成物を処理する方法にも関する。
【0145】
限定することを目的とせず、本発明の方法における有用な加圧処理は、好ましくは以下のステップを含む:
(i)加圧処理するために組成物を圧力容器のチャンバーの中に置き、そして当該チャンバーを密封する;
(ii)当該チャンバー内の圧力を所定のセットされた圧力(「処理圧力」)に上げる;
(iii)1分間未満を含む、所定の時間(「保持時間」)、この圧力で当該チャンバーを保持する;
(iv)当該チャンバーから圧力を放出する;そして
(v)加圧処理された組成物を取り出す。
【0146】
かかるプロトコールは、バッチ又は連続処理装置を使用して実施され得る。
【0147】
当該加圧処理は、処理の間、組成物又は製品又は原料における温度変動をもたらすことを理解すべきである。そのようなものとして、加圧処理の間の好まれる温度への言及は、圧力を上げる前の組成物の温度をいう。
【0148】
本発明に関する使用のための処理圧力を規定する方法は、生物活性組成物を選択し、そしてそれを1若しくは複数の不要な微生物を制御するために好適な処理圧力に供することである。もし必要であれば、当該組成物を評価のために不要な生物で植菌し得る。当該生物活性成分の保持された生物活性は、次いで、本明細書中に記載されるように評価され得る。
【0149】
本発明に関する使用のための処理圧力を規定する他の方法は、生物活性組成物を選択し、そしてそれを少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持する処理圧力に供することである。いずれかの不要な微生物の成長又は生物活性成分の活性、あるいはその両方を、次いで、例えば、処理後の好気性生菌数を評価することのような本明細書に記載の通り評価する。例えば、微生物の成長を評価する方法として、Lundら(2000)を参照のこと。これらの評価方法は、以下に例示されるような、不要な生物の成長を阻害し、少なくとも所望のレベルの生物活性を保持する、その組合せを決定するために様々なpH、及び保持時間によっても使用され得る。
【0150】
3.生物活性成分の生物活性
本発明の方法によって処理又は製造される生物活性組成物は、好ましくは、少なくとも1つの生物活性成分の少なくとも所望のレベルの活性を保持する。ある好ましい態様において、当該所望のレベルの活性は、もし生物活性組成物を加熱処理したならば保持され得る活性と同等又はそれ超である。例えば、実施例1に示されるように、生物活性組成物の加熱処理は、未処理の生物活性成分の活性と比較して、少なくとも1つの生物活性成分の活性の最高34%まで保持する結果となる。対照的に、本発明の方法は、実施例1に示されるように、少なくとも約34%又はそれ超の生物活性成分の活性を保持する生物活性組成物の供給を可能とする。いくつかの生物活性成分について、加熱処理は、なおさら有害とさえなり得る。
【0151】
それ故、本出願におけるある態様において、未処理の対照における生物活性成分の活性と比較して、少なくとも1つの生物活性成分の少なくとも約35%の活性を保持する。好ましくは、少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも約35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99又は100%が保持され、そして好ましい範囲は、これらの値のいずれかから選択され得る(例えば、約70〜約100%)。
【0152】
他の態様において、好ましくは、当該生物活性成分は、加熱処理された生物活性成分より少なくとも約10、25、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900又は1000%超増の活性を保持し、そして好ましい範囲はこれらの値のいずれかから選択され得る(例えば、約100〜約400%)。
【0153】
本発明による加圧処理の前及び後の生物活性成分の生物活性は、上記及び下記のように、選択された生物活性成分の選択された活性をアッセイするために、知られた方法により測定され得る。
【0154】
生物活性を測定するための許容された方法の例示は、HPLC、細胞ベースアッセイ、酵素ベースアッセイ、ELISAアッセイ、フローサイトメトリー・アッセイ(ELISAの代用として受け入れられる)、放射性免疫分析、及び動物モデルを使用する生体内アッセイを非制限的に含む。
【0155】
例えば、ラクトフェリンの生物活性を測定する許容される方法は、クロマトグラフ法(Palmanoら、2002)、ELISAを含む免疫学的方法(Desmazeaud,1993)、及びバイオセンサー免疫学的検定(Indykら、2005)を非制限的に含む。
【0156】
免疫グロブリン、及び増殖因子の生物活性を、下記の実施例に記載されるように測定し得る。
【0157】
プロバイオティック微生物の生物活性の型及びレベルを測定することは、当業者に知られている。例えば、Mercenierら(2004)、Leyerら(2004)、Cummingsら(2004)、及び下記のPBMCサイトカイン分泌アッセイを参照のこと。
【0158】
4.生物活性組成物
ミルクは、新生児の完全な栄養源であるだけでなく、生理的に生物活性な成分の豊富な源を提供し、そしてそのような「天然薬」として言及されている。完全な栄養を提供することに加えて、ミルクは若者の発育、保護、及び修復において重要な役割をも担う。成人健常者は、通常、ミルクの栄養面での恩恵しか必要としないが、慢性疾患の状態において、ミルク由来の生物活性は、疾患の予防及び治療の両方に関して提供するにとどまらない。好ましくは、ミルクは、ヒツジ、ヤギ、ブタ、マウス、水牛、ラクダ、ヤク、ウマ、ロバ、ラマ、ウシ又はヒトのミルクであり、最も好ましくはウシのミルクである。乳タンパク質は、免疫賦活性であることが知られる。
【0159】
コロストロムは、出生直後、標準的乳製品となる前に製造されるプレミルクである。最も重要な畜牛由来のコロストロムは分娩後最初の6時間内に得られるが、コロストロムは分娩後最初の2日間にも収集され得る。最も重要なコロストロムは、通常、約48時間後に得られる同じ畜牛由来のミルクにおいて見られるものの2倍超の乳固形分、及び4倍超のタンパク質を含む。消化酵素、免疫グロブリン(IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMを含む)、サイトカイン、インターフェロン、増殖因子、糖タンパク質、プロリンリッチ・ペプチド、及びビタミンA、D、E、及びKの濃度は、標準的ミルクと比較して、最重要コロストロムにおいて全て高い。コロストロム・ミルクタンパク質濃縮物(MPC)、及びコロストロム・ホエイタンパク質濃縮物(WPC)は、Elfstrandら、2002により記載されるように製造され得る。
【0160】
ミルク、及びコロストロム誘導体、並びにそれらの製造方法は、本分野において知られている。かかる誘導体は、(脂肪除去のための)組合せ遠心、(酸又は酵素での)カゼイン沈殿、(ラクトース、ミネラル、及び水を除去するための、あるいは場合によりタンパク質を除去するための)ろ過、(タンパク質成分を精製するための)クロマトグラフィーにより一般的に得られ、還元若しくは新鮮な全乳、還元若しくは新鮮な脱脂粉乳、再構成された全脂若しくは脱脂粉乳、脱脂粉乳濃縮物、脱脂粉乳分離物、全脂若しくは脱脂粉乳、脱脂粉乳リテンテート、濃縮乳、バターミルク、限外ろ過乳リテンテート、ミルクタンパク質濃縮物(MPC)、ミルクタンパク質分離物(MPI)、カルシウム除去ミルクタンパク質濃縮物、カルシウム除去ミルクタンパク質分離物、低脂肪ミルク、低脂肪ミルクタンパク質濃縮物、低脂肪ミルクタンパク質分離物、コロストロム、コロストロム画分、コロストロム・タンパク質濃縮物(CPC)、コロストロム・ミルクタンパク質濃縮物、コロストロム・ミルクタンパク質分離物、コロストロム・ホエイ、コロストロム・ホエイタンパク質濃縮物、コロストロム・ホエイタンパク質分離物、コロストロムからの免疫グロブリン画分、ホエイ、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)、ホエイタンパク質分離物(WPI)、スィートホエイ、乳酸ホエイ、鉱酸ホエイ、再構成されたホエイ粉末、ミルク又はコロストロム加工ストリーム由来の組成物、いずれかのミルク若しくはコロストロム加工ストリームの限外ろ過若しくは精密ろ過により得られたリテンテート若しくは浸透物由来の組成物、又はいずれかのミルク若しくはコロストロム加工ストリームのクロマトグラフ分離により得られたブレイクスルー若しくは吸収された画分由来の組成物、又はこれらの組成物のいずれかの全体的若しくは部分的加水分解物、及びその混合物を含む。例えば、the Dairy Processing Handbook(Tetra Pak Processing Systems,Lund,Sweden,1995)を参照のこと。他のかかる誘導体は、上記のような乳タンパク質組成物、及び乳製品原料を含む。
【0161】
ミルク中に見られるタンパク質は、免疫グロブリン(IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMを含む)、増殖因子、ウシ血清アルブミン(BSA)、アルファ−ラクトアルブミン、ベータ−ラクトグロブリン、及び多数のカゼインを含み、その全てはリンタンパク質である。カゼインを例外として、これらのタンパク質は、ホエイ中にも存在する。ミルクは、様々なマイトジェンタンパク質、及び骨再形成に直接的に関与し得るタンパク質を含むことが知られている。増殖因子(IGF−インスリン様増殖因子、TGF−形質転換増殖因子など)、免疫グロブリン(IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMを含む)、BSA、及びいくつかのベータ・ラクトグロブリンは、陽イオン交換クロマトグラフィーによりミルク又はホエイから回収される。いくつかの増殖因子は、中性タンパク質として回収される。カゼイノグリコマクロペプチド(CGMP)は、陰イオン交換により回収され得る酸性タンパク質画分である。オステオポンチン(Osteopontin)は、全ての体液(ミルクを含む)において見つかる著しくリン酸化、及び糖化されたタンパク質である。
【0162】
CGMPは、チーズ製造方法のレンネット媒介カゼイン凝固ステップ(キモシンの活性を通して)の間に、カッパ−カゼインから解放されるペプチドであり、スィートホエイ又はチーズホエイとして知られるホエイ画分中に見られる。CGMPは、時々、GMP(グリコマクロペプチド)として簡単に言及される。チーズホエイタンパク質は、15%〜20%のCGMPからなる。CGMPは、国際特許公開第00/49885号に報告されるように、ミルクの骨健康促進成分の内の1つとして示される。
【0163】
乳酸ホエイは、カゼイネート又はカッテージ及びリコッタチーズの製造の間、乳酸細菌との発酵、あるいは乳酸の直接添加により製造される。鉱酸ホエイは、カゼイネート製造間に鉱酸の添加により製造される。乳酸ホエイ、及び鉱酸ホエイはCGMPを含まない。これら2つの加工の基準は、沈殿を生じさせるためにキモシンの作用を使用することとは対照的に、カゼインを沈殿させるための約4.6までのより低いpHである。それ故、キモシンにさらされるいずれかの乳製品はCGMPを含まない。
【0164】
ホエイは、チーズ又はカゼイン製品の副産物であり、ホエイ由来のタンパク質は、タンパク質含量に基づき分類され得、少なくとも30%のタンパク質を含むホエイタンパク質濃縮物(WPC)、少なくとも90%のタンパク質を含むホエイタンパク質分離物(WPI)を含む(Huffman,1996;IDF,1998)。
【0165】
膜限外ろ過、及びダイアフィルトレーションは、通常、ホエイタンパク質を乾燥前に25〜35%固形に濃縮及び精製するために、かかる製品の製造に使用され、そして当該膜ろ過ステップ由来のタンパク質濃縮物は、リテンテートとして、本分野において知られる。ホエイタンパク質は、いくつかの個々のタンパク質{アルファ−ラクトアルブミン、ベータ−ラクトグロブリン、プロテオースペプトン、免疫グロブリン(IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMを含む)、グリコマクロペプチド、増殖因子(例えば、TGFβ1、及びTGFβ2)、ウシ血清アルブミン、ラクトフェリン、及びラクトペルオキシダーゼを非制限的に含む}を含む総称であり、本発明において、集合的にホエイタンパク質又はその画分を含み得る。
【0166】
ホエイの商業的製造に好適な方法は、Zadow(1992)、及びSienkiewiczら(1990)に記載される。WPC、及びWPIの製造方法は本分野において知られており、US Dairy Export Council Reference Manual for U.S.Whey and Lactose Products,7章: Whey Products−Definition,Composition,Functions;Page,J.,Meyer、D.,Haines、B.,Lagrange、V.,及びKenney,A.(Eds)、American Dairy Products Institute,Elmhurst,IL,USA,(2004年6月) (http://www.usdec.org/files/pdfs/US08D 04.pdfのオンラインでも入手可能).において議論される。Dairy Processing Handbook(Terra Pak Processing Systems,Lund,Sweden,1995)も参照のこと。ホエイタンパク質は、免疫賦活性として知られる。
【0167】
高免疫ミルク、及び高免疫コロストロムは、懐妊したミルク産生哺乳類を病原菌由来の抗原で免疫化し、コロストロム、及びミルクにおける特異的抗体を増大させることにより製造される(かかる方法の再検討のために、Korhonenら、2000を参照のこと)。高免疫製品のタンパク質濃縮物は、上記のように引用された知られた方法によって製造され得る。高免疫ミルク、及び高免疫コロストロムは、免疫賦活性であることが知られる(Korhonenら、2000)。高免疫ミルク、及び高免疫コロストロムは、普通のミルク、及びコロストロムのように加工され得、高免疫ミルクタンパク質濃縮物、高免疫ミルクタンパク質分離物、高免疫ホエイ、高免疫ホエイタンパク質濃縮物、高免疫ホエイタンパク質分離物、高免疫コロストロム、高免疫コロストロム・ミルクタンパク質濃縮物、高免疫コロストロム・ミルクタンパク質分離物、高免疫コロストロム・ホエイ、高免疫コロストロム・ホエイタンパク質濃縮物、又は高免疫コロストロム・ホエイタンパク質分離物、あるいはその混合物の如き誘導体を製造する。
【0168】
ラクトフェリンは、哺乳類のミルク及びコロストロムに存在する80kDaの鉄結合糖タンパク質である。ウシのミルク及びコロストロムにおけるラクトフェリン濃度は、各々、約0.2mg/ml、及び1.5mg/mlである。それは、鉄代謝の調節、免疫機能、及び胚発育を含む複合的な前提とされた生物学的役割を有する。ラクトフェリンは、グラム陽性及びグラム陰性細菌、酵母菌、及び糸状菌を含む病原菌の種類に対する抗菌活性を有する。ラクトフェリンの抗菌効果はその鉄結合能に基づき、そして当該鉄は病原菌の成長に必須である。ラクトフェリンはいくつかのウイルスの複製も阻害し、そして、細菌の膜上でリポポリサッカリドの脂質A成分に結合することにより、抗生物質及びリゾチームに対するいくつかの菌の感受性をも増大する。
【0169】
ラクトフェリンは、陽イオン交換クロマトグラフィー、その後限外ろ過、そしてダイアフィルトレーションによりミルクから分離され得る。野生型ラクトフェリン自体に加えて、有用な変異体は、ウシ・ラクトフェリン変異体、bLf−a、及びbLf−bも含む{Tsujiら(1989); Yoshidaら(1991)}。さらに有用な変異体は、ラクトフェリンのグリコシル化型、及びグリコシル型{Pierceら(1991);Metz−Boutigueら(1984);van Veenら(2004)}、並びにグリコシル化変異体(糖鎖形成又は種々のグリコシル側鎖の様々な位置を有する)を含む。有用なラクトフェリン断片は、Nローブ、及びCローブ断片(Bakerら、2002)、及びラクトフェリン結合ポケットを保持する他のラクトフェリンポリペプチド、例えば切断ラクトフェリンポリペプチドを含む。ラクトフェリンの変異体又は断片は、知られた合成方法によっても製造され得る(例えばKimmerlinら、2005を参照のこと)。あるいは、ラクトフェリンポリペプチド、あるいはその機能的変異体又は断片は、Viejo−Diazら,(2003)によるヒト・カリオシン(kaliocin−1)及びラクトフェリシン由来のペプチド;Nguyenら(2005)により記載されるウシ・ラクトフェリシンペプチド;及びvan der Kraanら(2004)により記載されるラクトフェランピン(lactoferrampin)及びより短い断片について記載される既に確立された合成Fmoc化学により製造され得る。
【0170】
以下の記載は、ウシのミルクからラクトフェリンを分離するための例示的手順である。新鮮な脱脂粉乳(7L、pH6.5)を、流速5ml/分、及び4℃で、ミリQ水において平衡とされたS Sepharose Fast Flowの300mlカラムに通す。非結合タンパク質を2.5bed量で洗浄し、そして結合タンパク質を、各々約2.5bed量の0.1M、0.35M、及び1.0Mの塩化ナトリウムで段階的に溶出する。1Mの塩化ナトリウムにおいて控えめなピンク色のバンドとして溶出されるラクトフェリンを単一の画分として回収し、そしてミリQ水に対して透析し、その後凍結乾燥する。当該凍結乾燥された粉を、pH6.5の25mMのリン酸ナトリウム緩衝液中に溶解し、そして、上記緩衝液における塩化ナトリウムの1Mまでの勾配及び流速3ml/分でS Sepharose Fast Flowのクロマトグラフィーに供する。ゲル電気泳動、及び逆相HPLCにより測定されるように十分な純度のラクトフェリンを含む画分を、混合し、透析し、そして凍結乾燥する。ラクトフェリンの最終精製は、0.15Mの塩化カリウムを含むpH8.6の80mMリン酸二カリウムにおけるSephacryl 300によるゲルろ過により達成される。選択された画分を混合し、ミリQ水に対して透析し、凍結乾燥する。この製造の純度は、HPLC分析、及びof ラクトフェリンの鉄飽和型の〜19又はそれ未満のスペクトル比値(280nm/465nm)により示される通り95%超である。
【0171】
加水分解物は、トリプシン又はキモトリプシンの如き既知の開裂特異性に好適な酵素を選択すること、並びにpH、温度、インキュベート時間、及び基質に対する酵素比率により制御すること/制限することにより製造され得る。かかる分離ペプチドの精製は、特異的エンドペプチダーゼを使用して実施される。一般的に、SDS−PAGEは、分子量標準に対する加水分解物の比較により加水分解の度合いを評価するように使用され得る。サイズ排除クロマトグラフィーは、加水分解物中の様々な種を分離するため、及び分子量分布形状を評価するために使用され得る。タンパク質加水分解物、特に乳タンパク質加水分解物は、免疫賦活性であることが知られている。
【0172】
実施例の目的で、本発明によって加工された組成物又は製品は、加圧処理された製品又は原料にデリバリーされ;その後加熱されない製品又は原料に添加され;その後加圧処理される製品又は原料に添加され得る。
【0173】
本発明により処理された組成物中に存在するタンパク質に関する不要な効果を低減するために、ある態様において、当該組成物が安定剤を添加するような液体であることが望まれ得る。例えば、安定させるために、いずれかのカゼインが当該組成物中に存在する。従って、ある態様において、当該組成物は、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、カシアガム、コンニャクフラワー、ベータグルカン、タラガム、アラビアゴム、ジェランガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース、トラガカント・ゴム、カラヤゴム、アカシアゴム、キトサン、アラビノガラクチン、アルギネート、ペクチン、カラギーナン又はサイリウム、あるいはその混合物から選択されるゴムの如き安定剤をさらに含む。好ましくは、当該安定剤は、ペクチン又はカルボキシメチルセルロース(CMC)である。好ましくは、本発明の方法によって処理される組成物は、必要に応じて、約0.01、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35%w/v又はそれ超の安定剤を含む。
【0174】
約中性pHで生物活性成分を安定化するために、ある態様において、当該組成物中に1又は複数の疎水性リガンドを含むことが望まれ得る。疎水性リガンドの存在は、生物活性成分が、リガンドなしで容易に得られるだろうよりもより高いレベルの活性を保持しながら、約7.0のpH、好ましくは約5.0〜8.0のpHで加圧処理され得ることを可能とする。理論に拘束されずに、加圧処理の間、これらのリガンドが、生物活性成分中の疎水ポケットと結合し、変性に対する感受性を低減することが信じられる。従って、ある態様において、当該組成物が、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、共役リノール酸(CLA)、1若しくは複数のリン脂質、1若しくは複数のホスファチジルコリン、1若しくは複数のスフィンゴミエリン、1若しくは複数のガングリオシド、酪酸、1若しくは複数のオメガ3脂肪酸{エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を非制限的に含む}、1若しくは複数のフィトステロール、1若しくは複数のフィトステロール・エステル、1若しくは複数のフィトステロール・アセテート、1若しくは複数のオメガ6脂肪酸(魚油を非制限的に含む)、脂溶性疎水性ビタミン(ビタミンA[レチノール]及びビタミンDを含む)、リコピン又はドデシル硫酸ナトリウム、あるいはその混合物から選択される1又は複数の疎水性リガンドをさらに含むことが望まれ得る。好ましくは、この態様における組成物のpHは約5.0〜8.0である。
【0175】
本明細書中において有用な製品剤形の例は、飲料(酸性飲料、及び炭酸飲料を含む)、ヨーグルト、及びゼリーを含む。かかる製品は下記のように説明され、上記及び実施例におけるように評価され得る。従って、本発明は、約0.1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された組成物、並びに約1.0mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された組成物にも関する。本発明は、約0.1mg/ml〜1000mg/mlのIgG、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された組成物、並びに約1mg/ml〜1000mg/mlのIgG、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された組成物にも関する。当該組成物は、加圧処理されたゼリー、加圧処理されたヨーグルト又は加圧処理された飲料となり得る。ラクトフェリン又はIgGの濃度、及び微生物計数は、本明細書中に記載される方法により測定され得る。
【0176】
本発明は、上記のように、1若しくは複数の生育不能なプロバイオティック微生物培養物、及び50,000cfu/ml未満の微生物を含む加圧処理された組成物にも関する。微生物計数は、本明細書中に記載される方法により測定され得る。ある態様において、当該組成物は、少なくとも約0.1mg/ml、好ましくは約0.1、0.5、1、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900又は1000mg/mlの生物活性成分を含み、有用な範囲はこれらの値のいずれかから選択され得る(例えば、約0.1〜約1000mg/ml、約1〜約1000mg/ml、約2〜約1000mg/ml、約3〜約1000mg/ml、約4〜約1000mg/ml、約5〜約1000mg/ml、及び約10〜約1000mg/ml)
【0177】
本発明の様々な態様は、以下の実施例の言及により非制限的に示されるだろう。
【実施例】
【0178】
全乳製品をFonterra Co−operative Group Limited,ニュージーランドから入手した。加熱処理について、4mlのサンプルを、8mlのWheatonガラス・スクリューキャップ・バイアルに移し、そして、30℃で約5〜10分間、平衡に供し、次いで、75℃又は85℃で維持されたオイルバス中に浸し、そして10分間、振動させ、その後10分間、氷中において急冷した。サンプルを分析まで4℃で保存した。
【0179】
サンプルの分析
加熱又は加圧処理の結果によるIgG、IgM、IgA、増殖因子又はLFにおける質的及び定量的変化を、目視観測、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)、HPLC、BiaCore又はELISAから選択される1若しくは複数の技術により評価した。サンプルを、加圧処理の前、及び後に、様々な微生物の存在についても試験した(好気性生菌数、大腸菌群数、酵母、及びかびの計数、中温性胞子計数、好熱性胞子計数などを含む)。
【0180】
1.ELISA:使用説明書に従って実施された。
【0181】
2.HPLC−MC:サンプルを希釈し、そしてCopestakeら,2006により記載されるHPLC−MC方法により分析した。カゼインは、HPLCにより分析されたIgGの精密度を妨げ得る。コロストロム製品のIgG分析のより精密なかつ再現可能な方法を確立するため、事前にカゼインを除去して高速液体クロマトグラフィー(HPLCマイナス・カゼイン又はHPLC−MC)を使用した。このことは、測定されたIgG濃度が、RID、SPR、及び他の免疫学的検定方法による測定をより厳密に反映することを確実にする。
【0182】
3.BiaCore:Indyk&Filonzi(2005)に記載されるように、サンプルをPBSバッファー中に希釈し、そしてBiaCore器具を使用して分析した。計量法を、高純度ウシのラクトフェリン又はIgGを使用して構築された標準曲線を参照することにより得た。
【0183】
4.PAGE:選択されたサンプル(還元されたもの、及び非還元のもの)のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)PAGEを、Mandersonら(1998)に記載される方法を使用して実施した。
【0184】
5.微生物学的分析:微生物分析を、NZTM2 43.1−APC(好気性生菌数);NZTM2 48.1−大腸菌群数;NZTM2 60.1−好熱性計数;NZTM2 59.1−中温性胞子計数;及びNZTM2 61.1−酵母及びかび計数に従って実施した、ここでこれら全ては、NTZM2:New Zealand Dairy Industry Microbiological Methods Manual(Publishing Solutions Limited,P.O.Box 983,Wellington,New Zealand)からものであり、国際酪農連盟、及びAOAC国際方法に基づく。
【0185】
実施例1:コロストロム原料を含む溶液
80%タンパク質(及び6.6%の免疫グロブリン)を含むコロストロム・ミルクタンパク質濃縮物(Fonterra CO−operative Group Limited)の粉末を、水で構成し、そしてpHを乳酸で3.5に調整し、3.6%のタンパク質溶液得た。次いで、当該溶液のサンプルを、83.5℃又は600MPaで各々、加熱処理又は加圧処理し、3分間保持し、そして、処理された飲料中の免疫グロブリンの量をHPLCにより測定し、そして未処理溶液における量と比較した。結果を図1に示す。Stansted Fluid Power Ltd,UK由来のHPPユニットを全ての実施例について使用した。
【0186】
実施例2:コロストロムMPC原料を含む溶液
コロストロムMPCを、0.3%w/vのペクチン溶液中に溶解させ、コロストロムMPCの6%w/v原液を製造した。コロストロム原液のサンプルを、様々なpH値に酸性化し、そして、85℃で加熱処理し10分間保持か又は下記のように加圧処理するかのいずれかとした。同じpHでの未処理対照と比較した加熱、及び加圧処理された各サンプルの残余免疫グロブリンG(IgG)を、HPLC−MCにより測定した。当該溶液を、大腸菌、酵母、及びかびでもチャレンジさせ、そして600MPaでの加圧処理後のこれらの生物について数え上げた。
【0187】
pH3.3で、400MPaで加圧処理され、そして3分間保持されたコロストロムサンプルは、加熱処理されたコロストロムの2%と比較して、67%のIgG残余を有した。
【0188】
pH4.1で、600MPaで加圧処理され、そして3分間保持されたコロストロムサンプルは、加熱処理されたコロストロムの2%と比較して、37%のIgG残余を有した。
【0189】
pH3.5で、600MPaで加圧処理され、そして3分間保持されたコロストロムサンプルは、加熱処理されたコロストロムの2%と比較して、34%のIgG残余を有した。
【0190】
pH4.1で、500MPaで加圧処理され、そして1分間保持されたコロストロムサンプルは、加熱処理されたコロストロムの2%と比較して、91%のIgG残余を有した。
【0191】
pH4.1で、保持なしの400MPa、500MPa、及び600MPaで加圧処理されたコロストロムサンプルは、表1Aに簡易的に示されるように、加熱処理されたコロストロムの2%と比較して、400MPaで100%、500MPaで91%、及び600MPaで48%保持した。
【0192】
これらのサンプルの微生物的品質を比較し、そして表1Aに示した。未処理対照製品は、9×10cfu/mLの大腸菌カウント、およそ100cfu/mLの中温性胞子、及び1×10cfu/mLの酵母菌/かびの両方、並びに好気性生菌数(APC)に関するコロニーを有した。比較として、保持なしで500MPa又は600MPaで加圧処理されたサンプルは、検出可能な大腸菌又は酵母菌/かびが無かった。600MPaで、中温性胞子又はAPCを検出しなかった。500MPaで、およそ20cfu/mLの中温性胞子、及び27cfu/mLのAPCだった。400MPaで、およそ40cfu/mLの中温性胞子、及び2100cfu/mLのAPCだった。
【0193】
さまざまなpHに渡る、600MPaでの残余免疫グロブリン活性、並びに大腸菌、及び酵母、及びかびの計数を、表1Bに示す。
【0194】
【表1】

【0195】
【表2】

【0196】
実施例3:さまざまなpHでのコロストロムMPC原料
実施例2の原液からのコロストロムサンプルをpH3.5〜4.1に酸性化し、400〜600MPa(保持なし)で加圧処理し、そして加熱処理した製品と比較した。全ての場合において、加熱処理後、およそ2%の残余IgGが保持され、比較された加圧処理後は、45〜100%のIgGが保持された、ここで、高いpHであればあるほど残余IgGも高くなった。この結果を表2に示す。
【0197】
【表3】

【0198】
実施例4:様々な原料の効果
様々なpH値でコロストロム原料の一部から製造され、加熱処理(85℃/10分間)、及び加圧処理(600MPa/3分間保持)に供されたコロストロム溶液を、HPLC−MCにより分析した。結果を図2(A)コロストロム・ホエイ(CW)、図2(B)コロストロム・ホエイUFリテンテート(CWUFR)(レンネット・ホエイは10kDA分子量切断を有するUF膜で限外ろ過に供した)、図2(C)コロストロム脱脂粉乳、及び図2(D)コロストロムMPCに示した。加熱処理された製品における残余IgGの量は常に10%未満だった。
【0199】
コロストロム・ホエイUFリテンテート原料(図2B)は、他の原料からの溶液と比較して加圧処理後のIgGの著しい損失を示した。しかしながら、pH5.2及びそれ未満で、加圧処理されたコロストロム脱脂粉乳製品の有用なIgGレベルがまだ保持した。
【0200】
pH5.2及びそれ未満で、全ての他の加圧処理された製品において、IgGの実質的な保持がある。特に、pH4.1及びそれ未満では、コロストロム脱脂粉乳(図2C)、及びコロストロムMPC(図2D)からの製品について、pH3.8及びそれ未満では、コロストロム・ホエイ(図2A)からの製品について、残余IgGは約90%超である。コロストロム・ホエイ(図2A)についてのpH6.7での残余IgGレベルも有用なレベル(約70%)である。
【0201】
実施例5:高免疫(HI)コロストロム由来の原料
2つの7%w/v高免疫(HI)コロストロム原液を、1つは高免疫コロストロム・ミルクタンパク質濃縮物(HI−MPC)から、もう1つは高免疫コロストロム・ホエイタンパク質濃縮物(HI−WPC)から配合した。これらの原液サンプルをpH4.6に調整し、10分間保持の85℃の加熱処理、あるいは保持なしの600MPa又は3分間保持の600MPaに供した。微生物の計数のために、処理及び計数の前に、サンプルを周囲温度で1週間保存した。様々な生物活性タンパク質の残余レベルを測定した、既に記載された免疫グロブリン、IgG、IgA、及びIgMはELISAにより、そしてラクトフェリンはBiaCoreによる。当該微生物を、好気性生菌数(APC)として計数し、表3に示した。保持なしで400MPaの処理後、APCを、HI−MPCについて4log及びHI−WPCについて3logにより低減した。3分間保持で600MPaの処理後、APCを、HI−MPCについて5.8logにより、HI−WPCについて>5.6logにより低減した。
【0202】
処理されたサンプルを、次いで、20℃で、6週間保持し、次いで、さらなる計数を実施し、汚染微生物の増殖を評価した。これらの結果を表4に示す。当該残余生物活性タンパク質のレベルを、図3に示す(pH4.1で全て示す)。
【0203】
非常にわずかな(2〜3%)の残余IgAが、85℃で10分間、加熱処理されたサンプル中に残った。対照的に、加圧処理されたサンプルは、非常に高い残余IgA活性を有した(80〜85%の残余IgA)。
【0204】
ほとんど類似の傾向が、IgMについても見られ、保持なしの600MPa又は3分間保持の600MPaの加圧処理されたサンプルにおける95%超の残余IgM活性に比べて、加熱処理されたサンプルにおいては、ごくわずかな量の残余IgM活性(〜1%の残余IgMが残った)しか示されなかった。
【0205】
【表4】

【0206】
【表5】

【0207】
実施例6:生物活性に関する低pHの効果
商業的ホエイタンパク質濃縮物(WPC)の7%w/v溶液を、ミリQ水にWPC粉末の適量を溶解することにより製造した。各溶液のpHを、それぞれ、3.8、5.2、6.0、6.7、及び7.5に調整し、次いで、当該溶液を、3分間保持の600MPaで加圧処理又は5分間保持の75℃で加熱処理し、そして上記BiaCore法を使用して残余IgG、及びラクトフェリン含量について分析した。結果を図4に示す。
【0208】
残余IgG活性は、加熱処理されたサンプルにおいて、5〜35%の範囲だった。対照的に、3分間保持の600MPaで加圧処理されたサンプル(図4A)は、50〜95%の残余IgGを示した。より低いpHで加圧処理されたサンプルは、より高いpH(例えば、pH6.7及びそれ超)で加圧処理されたサンプルと比較して、いくぶんより高い残余IgGを示した。同様に、加熱処理されたWPC溶液における残余ラクトフェリン活性は、3分間保持の600MPaで加圧処理されたサンプルにおける60〜90%と比較して、5〜70だった(図4B)。より低いpHで加圧処理されたサンプルは、より高いpH(例えば、pH6.0及びそれ超)で加圧処理されたサンプルと比較して、いくぶん高い残余LF(%)を示した。
【0209】
実施例7:ラクトフェリンはpH4.0で非常に圧力安定的である
5〜50分間400MPaで加圧処理された、希釈LF溶液(0.2%w/v、pH4.0)の非還元SDSPAGEを、図5に示す(レーン1;未処理対照;レーン2:400MPa/5分間;レーン3:400MPa/10分間;レーン4:400MPa/20分間;レーン5:400MPa/30分間;レーン6:400MPa/40分間;レーン7:400MPa/50分間)。ゲルは、400MPaでの長時間の加圧処理の前後の残余LFのバンド強度は大きく変化しないことを示した。これらの結果は、当該溶液を長時間に渡り加圧処理したとしても、LFがこの圧力において高い加圧耐性であることを示す。
【0210】
実施例8:様々なpHでのラクトフェリンを含む溶
ラクトフェリン溶液(6%w/v)を、ミリQ水に溶解したラクトフェリン粉末から製造し、2〜3時間、穏やかに撹拌した。当該溶液を、pH3.3、3.8、4.1又は7.0に調整し、それぞれ、加圧処理(最大45分間の保持での600MPa)又は加熱処理(5分間保持での85℃)した。残余ラクトフェリンをBiaCore法により測定し、図6に示す。ラクトフェリン溶液の色は、タンパク質鉄結合能を示し、加工により悪影響を受ける。天然ラクトフェリン溶液の6%溶液は、およそ15%の鉄飽和であり、濃いオレンジ色である。一方、0%の鉄飽和である分離ラクトフェリン溶液は無色である。当該加圧処理(5分又は30分間の保持で600MPa)、及び加熱処理(10分間の保持で85℃又は90℃)された溶液を、pH3.8、4.8、及び7.0で、還元、及び非還元SDS−PAGEにおいても比較した。
【0211】
pH7.0で、5分間の保持で75℃又はそれ超での加熱処理後、残余ラクトフェリンはほとんどない。3.3〜4.1のpH範囲にかけて加熱されたサンプルは、より高い残余ラクトフェリンを示したが、かなりの保持時間でさえ、600MPaでの加圧処理後、同じpH値での残余ラクトフェリンは常にさらに高くなった。
【0212】
5分間の保持時間の75℃での加熱処理は、未処理の対照と比較して、3.8〜7.0のpH値に渡り、著しい色の喪失を引き起こし、ラクトフェリンにおける鉄又は配向鉄結合の喪失を示唆した(表5)。留意すべきことは、pH3.3で、ラクトフェリンは、低減された鉄結合能を有することである。5分間の保持の85℃及びそれ超での加熱処理は、当該pH範囲にかかる著しい色の喪失を引き起こした。はっきりとした沈殿が、pH7.0で形成され、ラクトフェリンの著しい変性を示唆した。
【0213】
【表6】

【0214】
対照的に、最大45分間の保持の600MPaでの加圧処理は、pH3.8、及び4.0を除いて、未処理の対照と比較して、色の変化又は濁りを引き起こさず、色はより高いpHでの溶液と同程度だった(表6)。
【0215】
【表7】

【0216】
上述のSDS−PAGEゲル(示されていない)の再検討に関して、加熱処理された溶液は、スタッキングゲル内の分離ゲルの始まりで追いつかれるか、ゲルに全く入らない非常に大きなポリマーのようになることのいずれかで、重合、及び凝集の証拠を示した。pH3.8、及び4.8で、それらは、非還元ゲル内に入らず、還元ゲル内にない凝集された原料である。このことは、凝集が熱誘導重合に起因することを示した。pH7.0で測定される残余ラクトフェリンはほとんど無かった。対照的に、加圧処理された溶液は、未処理の対照からほとんど変化のないことを示した。
【0217】
pH3.3、3.8、4.0、5.0、6.0、7.0、及び8.0で調整されたラクトフェリン溶液(6%w/v)を、酵母、及びかびでチャレンジし、次いで、600MPaで0、5、及び15分間加圧処理した。未処理対照、及び加熱処理されたサンプルにおける酵母及びかびの計数は、未処理対照が190,000酵母及びかび計数(cfu/ml)を有し、一方、加圧処理されたサンプルは、試験された全加圧処理及びpH範囲において、酵母及びかびを全く検出しなかったことを示した。
【0218】
実施例9:増殖因子を含む溶液
HI−WPC溶液(7%w/v)を、pH6.9でミリQ水にHI−WPC粉末を溶解することにより製造した。次いで、当該溶液を保持なしの600MPaで又は3分間保持の600MPaで加圧処理し、あるいは10分間保持の85℃で加熱処理した。当該加圧処理された、及び加熱処理されたサンプルを、未処理対照と比較して、2つの主要なウシコロストロム増殖因子、TGFβ1、及びTGFベータ2について分析した。結果を、図7(A)TGFβ1、及び図7(B)TGFβ2に示す。加熱処理されたサンプルは、27%の残余TGFβ1増殖因子を有し、及びTGFβ2増殖因子は有さなかった。対照的に、3分間保持の加圧処理されたサンプルは、両増殖因子の93〜99%を有した。
【0219】
実施例10:ラクトフェリンを含むヨーグルト
ラクトフェリン・ヨーグルトを、図8に示されるような3つの異なる方法により製造した。第1には、ラクトフェリンをミルクに添加し、その後加熱処理した(標準的ヨーグルト)、第2には、発酵後、ラクトフェリンをヨーグルトに添加し(対照)、第3には、発酵後、ラクトフェリンをヨーグルトに添加し、そして当該強化ヨーグルトを、保持なし500MPaで加圧処理した(HPP法)。当該ヨーグルトの最終pHを、測定し、4.50にした。当該ヨーグルト内のラクトフェリンをBiaCore方法により測定し、そして結果を図9に示した。標準的加熱処理されたラクトフェリン・ヨーグルトは、(対照方法と比較して)1〜2%の残余ラクトフェリン活性を有した。対照的に、加圧処理により得られた残余ラクトフェリンは、80%だった。当該加圧処理されたヨーグルトを、4℃で130日間保存後、腐敗性微生物について分析した。検出可能な大腸菌はなく、中温性胞子の60のコロニーがあり、そして検出可能なブドウ球菌、酵母又はかびはなく、そして好気性抗菌数に関しておよそ10のコロニーがあった。対照的に、未処理の対照は、製造21日以内に広範にわたり腐敗し、ガス生産及び悪臭の痕跡を伴った。
【0220】
実施例11:免疫グロブリンを含む飲料
免疫グロブリン(3%IgG)を含む酸性飲料(pH4.0)を、図10に示すように、コロストロム・ホエイ濃縮物から製造した。当該飲料を、10分間保持の85℃で加熱処理、又は3分間保持の600MPaで加圧処理し、そして残余IgGを、未処理対照と比較して、HPLC−MC法により測定した。結果を図11に示す。加熱処理により製造された飲料は、検出限界未満の残余IgGを有し、対照的に、加圧処理により製造された飲料は、対照と比較して〜90%の残余IgG(%)を保持した。保持なしの500MPaで加圧処理された製品を、4℃で130日間保存した後、腐敗性微生物について分析した。大腸菌は検出されず、中温性胞子の2つのコロニーが検出され、そしてブドウ球菌、酵母又はかびは検出されず、あるいは好気性生菌数に関するコロニーも検出されなかった。対照的に、未処理対照製品は、製造後21日未以内に広範にわたり腐敗し、ガス生産及び悪臭の痕跡を伴った。
【0221】
実施例12:ラクトフェリン含むゼリー
pH3.8でフルーツ風味のゼリー製品を、図12に示すように、コロストロム・ホエイ濃縮物から製造した。当該ゼリーを、3分間、600MPaで加圧処理し、そして残余ラクトフェリンを、未処理対照と比較して、BiaCore法により測定した。結果を図13に示す。加熱処理により製造されたゼリーは、未処理の対照ゼリーと比較して90%超の残余ラクトフェリンを有した。当該製品を、冷蔵保存で130日間保存した後、腐敗性微生物について分析した。大腸菌、中温性胞子、ブドウ球菌、酵母又はかびは検出されず、あるいは好気性生菌数に関するコロニーも検出されなかった。対照的に、未処理対照製品は、製造後21日未以内に広範にわたり腐敗し、ガス生産及び悪臭の痕跡を伴った。
【0222】
実施例13:プロバイオティック微生物の加圧処理
不活性化プロバイオティック細菌の製造
ラクトバシラス・ラムノサスHN001(AGAL寄託番号NM97/09514、1997年8月18日;Crossら,2002)の培養物を、1:100接種から、37℃で、1リットルの静的MRSブロス中で18時間培養した。当該培養物の成長後、別段の記述の無い限り、全ステップを氷上で実施した。この培養物を、冷却した滅菌PBSでいったん洗浄し、そして最終総量150mlで再懸濁し、およそ2×1010cfu/mlの推定濃度を得た。次いで、これを、50mlのStansted遠心チューブにおいて、5つの30ml分割量に等分し、そしてそれらの内の3つを以下のように処理した。
【0223】
熱不活性化HN001
細胞の30ml量を、70℃で30分間、ウォーターバス中にインキュベートし、次いで、氷中に移した。次いで、これらの加熱処理された細胞の500μl量を、PBS中にさらに希釈し、1×10cfu/mlの推定濃度を得、そしてこの内の400μl量を、Nalgene低温バイアル中に分配し、液体窒素に放り込み凍結させ、そして−80℃で、PBMCサイトカイン分泌アッセイのために必要となるまで保存した。
【0224】
生存HN001
細胞の30ml量を、加熱処理を受けないものを除いて、加熱処理された細胞として正確に処理した。
【0225】
UHP不活性化HN001
細胞の30ml等量を、Beckman遠心チューブにさらに等分し、封をし、そして3分間の保持時間の600MPaで加圧処理した。処理後、当該加圧処理された細胞を、未使用のStansted50ml遠心チューブにため、混合した。これらの細胞の500μl量を、次いで、PBS中にさらに希釈し、1×10cfu/mlの推定濃度を得、そしてこの内の400μl量を、Nalgene低温バイアル中に分配し、液体窒素に放り込み凍結させ、そして−80℃で、PBMCサイトカイン分泌アッセイのために必要となるまで保存した。
【0226】
ヒト末梢血単核球(PBMC)の製造
全血サンプルを、インフォームドコンセントを得た後、ボランティアから収集した。血液を、抗凝血剤としてヘパリンを含むチューブ内に回収した。20ml量を、滅菌50mlチューブに移し、そして滅菌PBSの35mlに希釈した。希釈された血液を、約15mlのFicoll−Hypaque(d=1.077)と共におき、そして室温で、20分間、1500gで遠心した。PBMCを接触面から収穫し、一方、赤血球、及び好中球は、ペレットとして沈んだ。回収されたPBMCをPBS中に少なくとも2倍に希釈し、次いで、遠心(400gで5分間)によりペレットとした。上清の吸引後、PBMCを50mlのPBS中に再懸濁し、カウントのために等分量を除去した。
【0227】
細胞カウントに基づき、残りのPBMCをRPMI1640/10%FCSに希釈し、1×10cfu/mlの最終濃度を得、そして当該細胞懸濁液の2ml量を、滅菌されたFalcon2054チューブに入れた。
【0228】
細菌/PBMCの共培養
製造された細菌調合液を解かし、そしてしっかりとボルテックスした。細菌を、PBS中に希釈し、当該PBMC培養物に20μl量として添加し、1×10cfu/mlの最終濃度又は不活性化細菌調合液としての1×10不活性化cfu/mlの最終濃度を得た。サイトカイン調合液に対する陽性対照として、1μg/mlの細菌リポ多糖類(LPS)又は25ng/mlのホルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA)、及び1μg/mlのイオノマイシンを、PBMCに添加した。陰性対照として、添加物のないPBMCのチューブとした。全チューブを、37℃で、24時間インキュベートし、そして遠心によりその上清をとった。上清を、少しの間−20℃で保存し、その後、ELISAによりサイトカインレベルの分析を実施した。
【0229】
上清を、使用説明書に従って対応した捕捉及び検出抗体対(R&D Systems Inc.,Minneapolis、MN)を使用し、ELISAによりインターフェロンγ(Ifn−γ)、及びインターロイキン10(IL−10)のレベルについて評価した。必要に応じて、上清を試薬希釈剤中に希釈し、特定のサイトカインのレベルをELISAの標準曲線の検出範囲内にはいるようにした。
【0230】
HN001不活性化の評価
加熱処理又はUHP処理による不活性化の程度を測定するために、PBSに希釈する前に、未処理、及び処理されたHN001細胞に関してプレートカウントを実施した。表7に示すように、UHPは、加熱処理よりも殺菌についてわずかにより効率的であることを示した。それにもかかわらず、両方法は、出発培養物のものよりも少なくとも5log低くなるように評価された培養可能細胞数と共に大量の殺菌率をもたらした。
【0231】
【表8】

【0232】
不活性化HN001に対するPBMCのサイトカイン反応
プロバイオティック生物活性のマーカーとして、上記のような生体外PBMCによるIFN−γ、及びIL−10の産生を試験した。PBMCを健常者の一団(n=13)から得られた末梢血サンプルから分離した、そしてPBMCの一定量を、生存細菌又は等量の死亡細菌との1:1の比率で共に培養した。24時間後、培養物上清を除去し、そしてELISAによりIFN−γ、及びIL−10のレベルについて分析した。各個体に交わる各処理の結果を、統計的に有意とみなされるp<0.05で、ANOVA、及びBonferroni試験により多重比較について試験した。
【0233】
Crossら,2002、及びその他による研究は、IFN−γがプロバイオティック最近の生物活性の仲介において重要な役割を果たすことを示す。図14に示されるように、培地のみにおいて成長したPBMCは、24時間後、ほとんど検出できないほどのIFN−γしか産生しない。しかしながら、UHP不活性化HN001にさらされたPBMCは、培地のみのPBMC(p=0.006)又は熱不活性化HN001と共培養されたPBMC(p=0.013)よりも有意に多いIFN−γを産生した、しかし、生存HN001と一緒に処理されたPBMCとしてのIFN−ガンマとは似たような結果だった(p=0.91)。培地のみ、及び加熱不活性HN001処理と比較して、生存HN001の反応において増大IFN−γ産生の傾向があるけれども、当該結果は統計的に有意ではなかった(各々、p=0.23、及びp=0.45)。
【0234】
IL−10は、TH1 T細胞の発達、及びIFN−γを含む多くのサイトカインの産生を阻害する抗炎症サイトカインと一般的に考えられている。最近、IL−10が、過敏性腸症候群(IBS)を含む慢性炎症疾患を緩和することにおけるその潜在的な役割について多くの臨床研究の焦点となっている。図15に示されるように、培地のみにおいて「成長させたPBMCはほんの少量のIL−10しか産生しなかった。HN001と共培養されたPBMCは、培地のみにおけるPBMCと比較して著しい増大されたIL−10産生を導く(p=0.0001)。一方、熱不活性化HN001の使用は、生存HN001に関して統計的有意の境にある低減されたIL−10を導き(p=0.12)、UHP不活性化HN001の使用は、培地のみのPBMC(p<0.0000)と熱不活性化HN001で培養されたPBMC(p=0.003)との両方より著しく高いIL−10レベルを導く、しかし、生存HN001で培養されたPBMCとは似たようなレベルであった(p=0.97)。従って、プロバイオティック因子は、加圧処理後、活性のままである。
【0235】
モック処理のUHPHN001(すなわち、増大した圧力にさらされることを除いてUHP処理されたHN001と同じように処理されたHN001細胞)は、生体外PBMCによるサイトカイン産生を刺激する能力に関して、生存HN001と著しい相違を示さなかった。
【0236】
実施例14:HN001の不活性化に関するpHの効果
HN001の2つの培養物を、100接種材料の内1から18時間、37度で培養した。
一方の培養物を、pH5.0の酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液(Perriii&Dempsey,1974によって製造された)でいったん洗浄し、次いで、1.6×1011cfu/mlの濃度と同等に再懸濁した。他方を、pH5.0の酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液に代えpH7.4のPBSを用いたことを除いて、同じように処理した。各一連の細胞の1つの分量をBeckman遠心チューブに置き、封をし、そして3分間加圧処理し、4℃で一晩保存し、次いで不活性化の程度をプレートカウントにより測定した(表8)。
【0237】
【表9】

【0238】
実施例15:HN001に関するHPP処理間のpHの効果
HN001細菌細胞培養物を、PBS(pH7.4)又は酢酸緩衝液(pH5.0)に各々再懸濁し、加圧処理(600MPa/3分間)により不活性化させ、そして上記のように、ヒト生体外PBMCによるIL−10産生を刺激する能力を測定することにより、生存、及び熱不活性化HN001と生物活性について比較した。
【0239】
図16は、これらの個々の3つからの組み合わされた結果を示す。pH7.4又はpH5.0のいずれかでの加圧処理により不活性化されたHN001に反応して産生されるIL−10レベルは、生きているHN001について観察されるものと著しく異なっているわけではなかったが、加熱処理されたHN001についてのものとの比較では著しく高かった(各々、p=0.043、及びp=0.037)。
【0240】
実施例16:リガンド結合による強化された生物活性保持力
pH6.8で、水中のホエイタンパク質濃度(WPC)として、2%溶液(Alacen 342,Fonterra Co−operative Group Ltd.)を製造した。以下の疎水性リガンドを、(タンパク質に対して1:1モル比として)WPC溶液に別々に添加した:共役リノール酸、ドデシル硫酸ナトリウム、レチノール、及びパルミチン酸。次いで、これらの溶液を、1、2、3又は4分間保持される600MPaで各々加圧処理し、あるいは1、2、3又は4分間保持される90℃で加熱処理した。IgG、ラクトフェリン、及び高分子量の凝集体のレベルを、SDS−PAGE上で評価し、そして図17において、未処理の対照溶液と、添加されたリガンドなしの2%WPC溶液の両方を比較する。
【0241】
バンドの強度は、溶液中に存在するタンパク質単量体の量を示す。未処理対照サンプル(レーン1)において、(i)の領域は高分子量凝集体であり、(ii)におけるバンドはIgGであり、(iii)のバンドはラクトフェリンである。加熱処理されたサンプル(上)において、IgG、及びラクトフェリンのバンドの強度は、実質的に低減し、タンパク質の凝集、及び単量体タンパク質の損失を示す。このことは、タンパク質の変性、及び凝集の結果である。この凝集は、疎水性リガンドがあるか(B〜E)無いか(A)に関係なく加熱処理サンプルに見られる。
【0242】
対照的に、リガンドなしの加圧処理されたWPC溶液は、低減された強度(A、レーン2〜5)を示し、一方様々な添加疎水性リガンドあり(B〜E)の加圧処理されたWPC溶液は、実質的により強い強度を示した。
【0243】
生物活性含有溶液への疎水性リガンドの添加は、中性付近のpHでの加圧処理の後、生物活性の保持を強化する。
【0244】
実施例17
ACE−I(アンジオテンシン転換酵素阻害剤)活性を有するホエイタンパク質加水分解物の溶液(6%w/v)を製造し、そしてpH3.5、4.5又は7.0に調整した。サンプルを加圧処理(600MPaで3分間又は600MPaで10分間)、あるいは加熱処理(85℃で10分間、あるいは90℃で10分間)、そしてACE−I活性、及び微生物含有量を、未処理対照と比較して評価した。ACE−I活性を、D.W.Cushman&H.S.Cheung(1971)の方法によって基質(製品305−10 ex Sigma Chemical Corporation,St Louis,Mp,USA)としてFAPGGを使用して測定した。
【0245】
結果において、未処理対照と比較される加圧処理、及び加熱処理の両方について、大腸菌数、酵母菌及びかび、好気性生菌数、中温性胞子及び好熱性細菌数において3log超の低減であった。当該加圧処理、及び加熱処理されたサンプルのACE−I活性は、未処理対照のACE−I活性の+/−2標準偏差以内であり、統計的相違ではなかった。
【0246】
産業上の利用
本発明の方法は、存在し得る生物活性成分の効果を避け又は最小化しながら、食品産業、及び健康産業における使用を目的とした組成物における不要な微生物の成長を阻害するために使用され得る。
【0247】
当業者は、上記記載が例示目的のみにより提供されるものであり、それにより本発明を限定するものではないことを理解するだろう。
【0248】
【表10】

【表11】

【表12】

【図面の簡単な説明】
【0249】
【図1】図1は、600MPa、3分間保持の加圧処理と比較した、83.5℃、3分間保持の熱加工後、酸性乳飲料(pH3.5で3.6%タンパク質)中に残る免疫グロブリン画分(HPLCにより測定されるように)を示したグラフである。
【図2A】図2Aは、6%w/vのコロストロム・ホエイ組成物のIgG成分に関する、様々なpHでの加熱処理(85℃/10分間)、及び加圧処理(600MPa/3分間保持)の効果を示すグラフである。
【図2B】図2Bは、6%w/vのコロストロム・ホエイUFリテンテート組成物(10kDaでの限外ろ過)のIgG成分に関する、様々なpHでの加熱処理(85℃/10分間)、及び加圧処理(600MPa/3分間保持)の効果を示すグラフである。
【図2C】図2Cは、6%w/vのコロストロム脱脂粉乳組成物のIgG成分に関する、様々なpHでの加熱処理(85℃/10分間)、及び加圧処理(600MPa/3分間保持)の効果を示すグラフである。
【図2D】図2Dは、6%w/vのコロストロムMPC組成物のIgG成分に関する、様々なpHでの加熱処理(85℃/10分間)、及び加圧処理(600MPa/3分間保持)の効果を示すグラフである。
【図3A】図3Aは、7%w/vのHI−MPC組成物の加圧処理(600MPa/保持なし、及び600MPa/3分間)サンプル、及び加熱処理(85℃/10分間)サンプルにおける残余IgA、IgG、IgM、及びラクトフェリン(LF)の値(%)を示すグラフである。結果を、未処理の対照のIgA、IgG、IgM、及びラクトフェリンの値のパーセンテージとして示す。
【図3B】図3Bは、7%w/vのHI−WPC組成物の加圧処理(600MPa/保持なし、及び600MPa/3分間)サンプル、及び加熱処理(85℃/10分間)サンプルにおける残余IgA、IgG、IgM、及びラクトフェリン(LF)の値(%)を示すグラフである。結果を、未処理の対照のIgA、IgG、IgM、及びラクトフェリンの値のパーセンテージとして示す。
【図4A】図4Aは、7%w/vのWPC組成物の未処理、加圧処理(600MPa/3分間)、及び熱処理(75℃/5分間)のサンプルにおける残余IgGの値を示すグラフである。
【図4B】図4Bは、7%w/vのWPC組成物の未処理、加圧処理(600MPa/3分間)、及び熱処理(75℃/5分間)のサンプルにおける残余ラクトフェリン(LF)の値を示すグラフである。
【図5】図5は、以下のように加圧処理された6%w/vのラクトフェリン溶液のサンプル中の残余LFの値を示すグラフである:(1)対照、(2)600MPa/5分間、(3)600MPa/15分間、(4)600MPa/30分間、(5)600MPa/45分間、(6)75℃/5分間、(7)85℃/5分間、及び(8)90℃/5分間。
【図6】図6は、以下のように、様々なpHで加圧又は加熱処理した6%w/vのラクトフェリン溶液のサンプル中の残余LFの値(%)を示したグラフである:600MPa/5分間、600MPa/15分間、600MPa/30分間、600MPa/45分間又は85℃/5分間。結果は、未処理の対照サンプルにおけるラクトフェリンの値のパーセンテージとして示される。
【図7A】図7Aは、HI−WPCの7%溶液w/vの加熱処理又は加圧処理されたサンプルの残余増殖因子(TGFベータ1)の値を示すグラフである。
【図7B】図7Bは、HI−WPCの7%溶液w/vの加熱処理又は加圧処理されたサンプルの残余増殖因子(TGFベータ2)の値を示すグラフである。
【図8】図8は、対照LFヨーグルト、加熱処理LFヨーグルト、及びHPP処理LFヨーグルトの製造を簡略化したフローチャートである。
【図9】図9は、対照、加熱処理された、及びHPP処理されたLFヨーグルトにおける残余LFの値を示すグラフである。
【図10】図10は、標準的(加熱処理された)酸性飲料、未処理(対照)の酸性飲料、及びHPP処理された酸性飲料の製造を簡略化したフローチャートである。
【図11】図11は、対照である酸性飲料、加熱処理された酸性飲料、及びHPP処理された酸性飲料における残余IgGの値を示すグラフである。
【図12】図12は、対照(未処理)となるLFゼリー、及びHPP処理されたゼリーを簡略化したフローチャートである。
【図13】図13は、対照、及びHPP処理されたLFゼリーにおける残余LFの値を示すグラフである。
【図14】図14は、ラクトバシラス・ラムノサスHN001(H001)処理に対する応答におけるヒト生体外PBMCによるIFNγ製造を示す箱ひげ図である、ここで各箱は中央値(水平線)の上下四分位を示し、縦線は全範囲を示し、そしてアスタリスクは異常結果を示し、そして結果を、HN001なしで培養されたPBMC(培地のみ)、生きているHN001と共に培養されたPBMC(HN001生存)、加熱不活性HN001と共に培養されたPBMC(HN001加熱)又はUHP不活性HN001と共に培養されたPBMC(HN001UHP)について示す。
【図15】図15は、HN001処理に対する応答におけるヒト生体外PBMCによるIL−10製造を示す箱ひげ図である。
【図16】図16は、生存HN001(生存)又は加熱不活性HN001(加熱)と比較される、pH7.4、PBSバッファー(UHP−pH7.4)における、あるいはpH5.0、酢酸バッファー(UHP−pH5.0)における、UHP(600MPa/3分間)により不活性化されたHN001処理に対する応答におけるヒト生体外PBMCによるIL−10製造を示す箱ひげ図である。
【図17】図17は、疎水性リガンドが追加された、加熱処理(90℃/1〜4分間、上の列)又は加圧処理された(600MPa/1〜4分間、下の列)7%w/vのWPCサンプルのPAGEゲルの10枚の写真である。各ゲルにおいて、各レーンは以下の処理時間に対応する:レーン1:未処理の対照;レーン2:1分間;レーン3:2分間;レーン4:3分間;レーン5:4分間。高分子量集合体は(i)で示され、IgGは(ii)で、及びラクトフェリンは(iii)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物活性組成物の品質を保持又は向上するために当該生物活性組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)1若しくは複数のタンパク質、1若しくは複数の脂質、1若しくは複数のタンパク質加水分解物、1若しくは複数の脂質加水分解物、1若しくは複数の炭水化物又は1若しくは複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される少なくとも1つの生物活性成分を含む組成物を選択し、ここで、当該少なくとも1つの生物活性成分は、約350〜1000MPaの所定の圧力、及び約3.0〜8.0のpHで加圧処理後、所望のレベルの活性を保持され得る;そして
(b)前記少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記組成物中に存在し得る不要な生物の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力、及びpHで加圧処理に供する
を含む、上記方法。
【請求項2】
生物活性組成物の品質を保持又は向上するために当該生物活性組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)1若しくは複数のタンパク質、1若しくは複数の脂質、1若しくは複数のタンパク質加水分解物、1若しくは複数の脂質加水分解物、1若しくは複数の炭水化物又は1若しくは複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される少なくとも1つの生物活性成分を含む組成物を選択し、ここで、当該少なくとも1つの生物活性成分は、約350〜1000MPaの所定の圧力、約3.0〜8.0のpH、及び約0〜5分間の保持時間で加圧処理後、所望のレベルの活性を保持され得る;そして
(b)前記少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記組成物中に存在し得る不要な生物の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力、pH、及び保持時間で加圧処理に供する
を含む、上記方法。
【請求項3】
前記生物活性成分が、ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、1若しくは複数の増殖因子、TGFβ1、TGFβ2、1若しくは複数のプロバイオティック因子、1若しくは複数の非極性脂質、1若しくは複数のリン脂質、1若しくは複数のスフィンゴ脂質、1若しくは複数のガングリオシド又は1若しくは複数のセラミド、あるいはその混合物から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記生物活性成分が、ラクトフェリン、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、TGFβ1、TGFβ2又は1若しくは複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物が、ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、1若しくは複数の増殖因子、TGFβ1、TGFβ2、1若しくは複数の非極性脂質、1若しくは複数のリン脂質、1若しくは複数のスフィンゴ脂質、1若しくは複数のガングリオシド又は1若しくは複数のセラミド、あるいはその混合物から選択される生物活性成分から本質的になる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物が、1又は複数のプロバイオティック因子から本質的になる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
生物活性組成物の品質を保持又は向上するために当該生物活性組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、1若しくは複数の増殖因子、TGFβ1、TGFβ2又は1若しくは複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される少なくとも1つの生物活性成分を含む組成物を選択し、ここで、当該少なくとも1つの生物活性成分は、約350〜1000MPaの所定の圧力、及び約3.0〜8.0のpHで加圧処理後、所望のレベルの活性を保持され得る;そして
(b)前記少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記組成物中に存在し得る不要な生物の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力、及びpHで加圧処理に供する
を含む、上記方法。
【請求項8】
生物活性組成物の品質を保持又は向上するために当該生物活性組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、1若しくは複数の増殖因子、TGFβ1、TGFβ2又は1若しくは複数のプロバイオティック因子、あるいはその混合物から選択される少なくとも1つの生物活性成分を含む組成物を選択し、ここで、当該少なくとも1つの生物活性成分は、約350〜1000MPaの所定の圧力、約3.0〜8.0のpH、及び約0〜5分間の保持時間で加圧処理後、所望のレベルの活性を保持され得る;そして
(b)前記少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記組成物中に存在し得る不要な生物の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力、pH、及び保持時間で加圧処理に供する
を含む、上記方法。
【請求項9】
生物活性組成物の品質を保持又は向上するために当該生物活性組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)1又は複数のプロバイオティック因子から選択される少なくとも1つの生物活性成分を含む組成物を選択し、ここで、当該少なくとも1つの生物活性成分は、約350〜1000MPaの所定の圧力、及び約3.0〜8.0のpHで加圧処理後、所望のレベルの活性を保持し得る;そして
(b)前記少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記組成物中に存在し得る不要な生物成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力、及びpHで加圧処理に供する
を含む、上記方法。
【請求項10】
生物活性組成物の品質を保持又は向上するために当該生物活性組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)1又は複数のプロバイオティック因子から選択される少なくとも1つの生物活性成分を含む組成物を選択し、ここで、当該少なくとも1つの生物活性成分は、約350〜1000MPaの所定の圧力、約3.0〜8.0のpH、及び約0〜5分間の保持時間で加圧処理後、所望のレベルの活性を保持され得る;そして
(b)前記少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記組成物中に存在し得る不要な生物の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力、pH、及び保持時間で加圧処理に供する
を含む、上記方法。
【請求項11】
前記不要な生物が、プロバイオティック生物、及び場合により1又は複数のさらなる不要な生物を含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記プロバイオティック因子が、1若しくは複数の細菌DNAモチーフ、1若しくは複数の細菌表面タンパク質、1若しくは複数の細菌小有機酸又は1若しくは複数の細菌細胞壁成分、あるいはその混合物から選択される、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
生物活性組成物の品質を保持又は向上するために当該生物活性組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、1若しくは複数の増殖因子、TGFβ1又はTGFβ2、あるいはその混合物から選択される少なくとも1つの生物活性成分を含む乳タンパク質組成物を選択し、ここで、当該少なくとも1つの生物活性成分は、約350〜1000MPaの所定の圧力、及び約3.0〜8.0のpHで加圧処理後、所望のレベルの活性を保持され得る;そして
(b)前記少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記組成物中に存在し得る不要な生物の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力、及びpHで加圧処理に供する
を含む、上記方法。
【請求項14】
生物活性組成物の品質を保持又は向上するために当該生物活性組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、1若しくは複数の増殖因子、TGFβ1又はTGFβ2、あるいはその混合物から選択される少なくとも1つの生物活性成分を含む乳タンパク質組成物を選択し、ここで、当該少なくとも1つの生物活性成分は、約350〜1000MPaの所定の圧力、約3.0〜8.0のpH、及び約0〜5分間の保持時間で加圧処理後、所望のレベルの活性を保持し得る;そして
(b)前記少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記組成物中に存在し得る不要な生物の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力、pH、及び保持時間で加圧処理に供する
を含む、上記方法。
【請求項15】
生物活性組成物の品質を保持又は向上するために当該生物活性組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、TGFβ1又はTGFβ2、あるいはその混合物から選択される少なくとも1つの生物活性成分を含む、コロストロムMPC、コロストロムMPI、コロストロムWPC、コロストロムWPI、MPC、MPI、WPC、WPI、高免疫MPC、高免疫MPI、高免疫WPC又は高免疫WPI、あるいはその混合物から組成物を選択し、ここで、前記少なくとも1つの生物活性成分は、約350〜1000MPaの所定の圧力、及び約3.0〜8.0のpHで加圧処理後、所望のレベルの活性を保持され得る;そして
(b)前記少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記組成物中に存在し得る不要な生物の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力、及びpHで加圧処理に供する
を含む、上記方法。
【請求項16】
生物活性組成物の品質を保持又は向上するために当該生物活性組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、TGFβ1又はTGFβ2、あるいはその混合物から選択される少なくとも1つの生物活性成分を含む、コロストロムMPC、コロストロムMPI、コロストロムWPC、コロストロムWPI、MPC、MPI、WPC、WPI、高免疫MPC、高免疫MPI、高免疫WPC又は高免疫WPI、あるいはその混合物から組成物を選択し、ここで、前記少なくとも1つの生物活性成分は、約350〜1000MPaの所定の圧力、約3.0〜8.0のpH、及び約0〜5分間の保持時間で加圧処理後、所望のレベルの活性を保持され得る;そして
(b)前記少なくとも1つの生物活性成分の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記組成物中に存在し得る不要な生物の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力、pH、及び保持時間で加圧処理に供する
を含む、上記方法。
【請求項17】
前記不要な生物が、1若しくは複数の細菌、1若しくは複数の糸状菌、1若しくは複数のかび、1若しくは複数の酵母菌又は1若しくは複数の藻類、あるいはその混合物から選択される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
プロバイオティック組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)1又は複数のプロバイオティック因子を有するプロバイオティック微生物の1又は複数の株を含む組成物を選択し、ここで、当該プロバイオティック因子は、約350〜1000MPaの所定の圧力で加圧処理後、少なくとも所望のレベルの活性を保持され得る;そして
(b)前記1又は複数のプロバイオティック因子の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記プロバイオティック微生物の1又は複数の株の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力で加圧処理に供する
を含む、上記方法。
【請求項19】
前記不要な生物又は前記プロバイオティック微生物が、ラクトバシラス・アシドフィルス、ラクトバシラス・デルブルエッキ亜種ブルガリカス、ラクトバチラス・カセイ、ラクトバシラス・クリスパタス、ラクトバシラス・ジョンソニー、ラクトバシラス・プランタラム、ラクトバシラス・ロウテリ、ラクトバシラス・ラムノサス、ラクトバシラス・サリバリウス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ブレベ、ビフィドバクテリウム・インファンチス、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチス、ビフィドバクテリウム・ロンガム又はストレプトコッカス・サーモフィラス、あるいはその混合物からなる群より選択される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記不要な生物又は前記プロバイオティック微生物が、ラクトバシラス・ラムノサスHN001、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチスHN019、ラクトバシラス・アシドフィルスHN017、ラクトバシラス・ラムノサスHN067、ラクトバシラス・ジョンソニーNCC533(La1)、ラクトバシラス・ラムノサスGG、ラクトバチラス・カセイ・シロタ、ラクトバシラス・アシドフィルスNCFM、ラクトバシラス・プランタラム299v、ラクトバチラス・カセイDN114001、ラクトバシラス・サリバリウスUCC4331、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチスBB12又はビフィドバクテリウム・インファンチス35624、あるいはその混合物からなる群より選択される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
プロバイオティック組成物を処理する方法であって、以下のステップ:
(a)1若しくは複数のラクトバシラス・アシドフィルス株、1若しくは複数のラクトバシラス・ラムノサス株又は1若しくは複数のビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチス株、あるいはその混合物から選択されるプロバイオティック微生物の1又は複数の株を含む組成物を選択し、ここで、前記プロバイオティック微生物の1又は複数の株は1又は複数のプロバイオティック因子を有し、当該プロバイオティック因子は、約350〜1000MPaの所定の圧力で加圧処理後、少なくとも所望のレベルの活性を保持され得る;そして
(b)前記1又は複数のプロバイオティック因子の活性の少なくとも所望のレベルを保持しながら、前記プロバイオティック微生物の1又は複数の株の成長を阻害するために、前記組成物を所定の圧力で加圧処理に供する
を含む、上記方法。
【請求項22】
前記不要な生物又はプロバイオティック微生物が、ラクトバシラス・ラムノサスHN001、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチスHN019、ラクトバシラス・アシドフィルスHN017又はラクトバシラス・ラムノサスHN067、あるいはその混合物からなる群より選択される、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記不要な生物又はプロバイオティック微生物が、ラクトバシラス・ラムノサスHN001である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記圧力が、約0、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5又は10分間、持続される、請求項18〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記圧力が、約350〜850MPaである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記圧力が、約350〜800MPaである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記圧力が、約350〜750MPaである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記圧力が、約350〜700MPaである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記圧力が、約350〜650MPaである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記圧力が、約400〜800MPaである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記圧力が、約400〜700MPaである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記圧力が、約400〜600MPaである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記圧力が、約500〜800MPaである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記圧力が、約500〜700MPaである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記圧力が、約500〜600MPaである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記圧力が、約550〜650MPaである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記組成物のpHが、約3.0〜7.0である、請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記組成物のpHが、約3.0〜6.0である、請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記組成物のpHが、約3.0〜5.0である、請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記組成物のpHが、約3.2〜4.8である、請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記組成物のpHが、約4.6未満である、請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記所望の活性レベルが、未処理対照の活性の少なくとも約35%である、請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記所望の活性レベルが、未処理対照の活性の少なくとも約50%である、請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記所望の活性レベルが、未処理対照の活性の少なくとも約60%である、請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記所望の活性レベルが、未処理対照の活性の少なくとも約70%である、請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記所望の活性レベルが、未処理対照の活性の少なくとも約80%である、請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記所望の活性レベルが、未処理対照の活性の少なくとも約90、95、99又は100%である、請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記圧力が、約0、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5又は5分間保持される、請求項1〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記圧力が、約0、0.5、1、1.5、2、2.5又は3分間保持される、請求項1〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記圧力が、約0分間保持される、請求項1〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記方法が、以下のステップ:
前記組成物を加圧処理に供し;次いで
前記組成物を製品に組み入れる
を含む、請求項1〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記方法が、以下のステップ:
前記組成物を製品に組み入れ;次いで
前記製品を加圧処理に供する
を含む、請求項1〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記方法が、以下のステップ:
前記組成物を加圧処理に供し;次いで
前記組成物を包装する
を含む、請求項1〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記方法が、以下のステップ:
前記組成物を包装し;次いで
前記包装された組成物を加圧処理に供する
を含む、請求項1〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記組成物が、安定剤をさらに含む、請求項1〜54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記安定剤が、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、カシアガム、コンニャクフラワー、ベータグルカン、タラガム、アラビアゴム、ジェランガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース、トラガカントゴム、カラヤゴム、アカシアゴム、キトサン、アラビノグラクチン(alabinoglactins)、アルギネート、ペクチン、カラギーナン又はサイリウム、あるいはその混合物から選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記組成物が、疎水性リガンドをさらに含む、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記疎水性リガンドが、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、共役リノール酸、1若しくは複数のリン脂質、1若しくは複数のホスファチジルコリン、1若しくは複数のスフィンゴミエリン、1若しくは複数のガングリオシド、酪酸、1若しくは複数のオメガ3脂肪酸、1若しくは複数のフィトステロール、1若しくは複数のフィトステロール・エステル、1若しくは複数のフィトステロール・アセテート、1若しくは複数のオメガ6脂肪酸、ビタミンA、ビタミンD、リコピン又はドデシル硫酸ナトリウム、あるいはその混合物から選択される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記組成物のpHが、約5.0〜8.0である、請求項57又は58に記載の方法。
【請求項60】
前記組成物が、飲料である請求項1〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記組成物が、酸性飲料である請求項1〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記組成物が、ヨーグルトである請求項1〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記組成物が、ゼリーである請求項1〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記成分が1又は複数のIgGであり、前記処理圧力が約350〜650MPaであり、前記pHが約3.0〜5.0であり、そして前記保持時間が約0又は1、2若しくは3分間である、請求項1に記載の方法。
【請求項65】
前記組成物がコロストロムMPCであり、前記成分が1又は複数のIgGであり、前記圧力が約350〜650MPaであり、前記pHが約3.0〜5.0であり、そして前記保持時間が約0、1、2又は3分間である、請求項1に記載の方法。
【請求項66】
前記組成物がコロストロムMPIであり、前記成分が1又は複数のIgGであり、前記圧力が約350〜650MPaであり、前記pHが約3.0〜5.0であり、そして前記保持時間が約0、1、2又は3分間である、請求項1に記載の方法。
【請求項67】
前記組成物がコロストロム脱脂粉乳であり、前記成分が1又は複数のIgGであり、前記圧力が約350〜650MPaであり、前記pHが約3.0〜5.0であり、そして前記保持時間が約0、1、2又は3分間である、請求項1に記載の方法。
【請求項68】
前記組成物がコロストロム・ホエイであり、前記成分が1又は複数のIgGであり、前記圧力が約350〜650MPaであり、前記pHが約3.0〜5.0であり、そして前記保持時間が約0、1、2又は3分間である、請求項1に記載の方法。
【請求項69】
前記組成物がコロストロム・ホエイUFリテンテートであり、前記成分が1又は複数のIgGであり、前記圧力が約350〜650MPaであり、前記pHが約3.0〜5.0であり、そして前記保持時間が約0、1、2又は3分間である、請求項1に記載の方法。
【請求項70】
前記組成物が高免疫ミルク、高免疫ミルクタンパク質濃縮物又は高免疫ホエイタンパク質濃縮物高免疫コロストロム、高免疫コロストロム・ミルクタンパク質濃縮物又は高免疫コロストロム・ホエイタンパク質濃縮物であり、前記成分がIgA、IgG、IgM又はラクトフェリンであり、前記圧力が約350〜650MPaであり、前記pHが約3.2〜5.5であり、そして前記保持時間が約0、1、2又は3分間である、請求項1に記載の方法。
【請求項71】
前記成分がラクトフェリンであり、前記圧力が約350〜650MPaであり、前記pHが約3.0〜7.5であり、そして前記保持時間が約0、1、2又は3分間である、請求項1に記載の方法。
【請求項72】
前記成分がTGF−β1又はTGF−β2であり、前記圧力が約350〜650MPaであり、前記pHが約3.0〜8.0であり、そして前記保持時間が約0、1、2又は3分間である、請求項1に記載の方法。
【請求項73】
前記組成物がヨーグルトであり、前記成分がラクトフェリンであり、前記圧力が約350〜500MPaであり、前記pHが約3.5〜4.6であり、そして前記保持時間が約0、1、2又は3分間である、請求項1に記載の方法。
【請求項74】
前記組成物が飲料であり、前記成分がIgGであり、前記圧力が約350〜650MPaであり、前記pHが約3.0〜5.0であり、そして前記保持時間が約0、1、2又は3分間である、請求項1に記載の方法。
【請求項75】
前記組成物がゼリーであり、前記成分がラクトフェリンであり、前記圧力が約350〜650MPaであり、前記pHが約3.0〜5.0であり、そして前記保持時間が約0、1、2又は3分間である、請求項1に記載の方法。
【請求項76】
前記加圧処理後の組成物の好気性生菌数が、約50,000cfu/ml未満又は同等である、請求項1〜75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
請求項1〜76のいずれか1項に記載の方法によって処理された組成物。
【請求項78】
飲料、ゼリー又はヨーグルトである、請求項77に記載の組成物。
【請求項79】
飲料である、請求項78に記載の組成物。
【請求項80】
ゼリーである、請求項78に記載の組成物。
【請求項81】
ヨーグルトである、請求項78に記載の組成物。
【請求項82】
請求項1〜76のいずれか1項に記載の方法によって処理されたプロバイオティック組成物。
【請求項83】
1若しくは複数のラクトバシラス・アシドフィルス株、1若しくは複数のラクトバシラス・デルブルエッキ亜種ブルガリカス株、1若しくは複数のラクトバチラス・カセイ株、1若しくは複数のラクトバシラス・クリスパタス株、1若しくは複数のラクトバシラス・ジョンソニー株、1若しくは複数のラクトバシラス・プランタラム株、1若しくは複数のラクトバシラス・ロウテリ株、1若しくは複数のラクトバシラス・ラムノサス株、1若しくは複数のラクトバシラス・サリバリウス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ビフィダム株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ブレベ株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・インファンチス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ロンガム株又は1若しくは複数のストレプトコッカス・サーモフィラス株、あるいはその混合物から選択される1又は複数のプロバイオティック微生物を含み、かつ請求項1〜76のいずれか1項に記載の方法によって処理された組成物。
【請求項84】
1若しくは複数のラクトバシラス・アシドフィルス株、1若しくは複数のラクトバシラス・デルブルエッキ亜種ブルガリカス株、1若しくは複数のラクトバチラス・カセイ株、1若しくは複数のラクトバシラス・クリスパタス株、1若しくは複数のラクトバシラス・ジョンソニー株、1若しくは複数のラクトバシラス・プランタラム株、1若しくは複数のラクトバシラス・ロウテリ株、1若しくは複数のラクトバシラス・ラムノサス株、1若しくは複数のラクトバシラス・サリバリウス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ビフィダム株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ブレベ株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・インファンチス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ロンガム株又は1若しくは複数のストレプトコッカス・サーモフィラス株、あるいはその混合物から選択される1又は複数のプロバイオティック微生物から本質的になり、かつ請求項1〜76のいずれか1項に記載の方法によって処理された組成物。
【請求項85】
ラクトバシラス・ラムノサスHN001、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチスHN019、ラクトバシラス・アシドフィルスHN017又はラクトバシラス・ラムノサスHN067、あるいはその混合物から選択される1又は複数のプロバイオティック微生物を含み、かつ請求項1〜76のいずれか1項に記載の方法によって処理された組成物。
【請求項86】
ラクトバシラス・ラムノサスHN001、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチスHN019、ラクトバシラス・アシドフィルスHN017又はラクトバシラス・ラムノサスHN067、あるいはその混合物から選択される1又は複数のプロバイオティック微生物から本質的になり、かつ請求項1〜76のいずれか1項に記載の方法によって処理された組成物。
【請求項87】
ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、1若しくは複数の増殖因子、TGFβ1又はTGFβ2、あるいはその混合物を含み、かつ請求項1〜76のいずれか1項に記載の方法によって処理された組成物。
【請求項88】
ラクトフェリン、リゾチーム、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgD、1若しくは複数のIgE、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、1若しくは複数の増殖因子、TGFβ1又はTGFβ2、あるいはその混合物から本質的になり、かつ請求項1〜76のいずれか1項に記載の方法によって処理された組成物。
【請求項89】
ラクトフェリン、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、TGFβ1又はTGFβ2、あるいはその混合物を含み、かつ請求項1〜76のいずれか1項に記載の方法によって処理された組成物。
【請求項90】
ラクトフェリン、1若しくは複数のIgA、1若しくは複数のIgG、1若しくは複数のIgM、TGFβ1又はTGFβ2、あるいはその混合物から本質的になり、かつ請求項1〜76のいずれか1項に記載の方法によって処理された組成物。
【請求項91】
食品、飲物、食品添加物、飲料添加物、栄養補助食品、栄養製品、病人用特別食、栄養補給食品、薬剤又は調合薬の製造における、請求項77〜90のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項92】
それを必要とする患者を治療するための、食品、飲物、食品添加物、飲料添加物、栄養補助食品、栄養製品、病人用特別食、栄養補給食品、薬剤又は調合薬の製造における、請求項77〜90のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項93】
それを必要とする患者の免疫系を刺激するための、食品、飲物、食品添加物、飲料添加物、栄養補助食品、栄養製品、病人用特別食、栄養補給食品、薬剤又は調合薬の製造における、請求項77〜90のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項94】
請求項77〜90のいずれか1項に記載の組成物の患者への投与を含む、それを必要とする患者の免疫系を刺激する方法。
【請求項95】
約0.1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理された組成物。
【請求項96】
約0.1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理されたゼリー。
【請求項97】
約0.1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理されたヨーグルト。
【請求項98】
約0.1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理された飲料。
【請求項99】
約1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理された組成物。
【請求項100】
約1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理されたゼリー。
【請求項101】
約1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理されたヨーグルト。
【請求項102】
約1mg/ml〜1000mg/mlのラクトフェリン、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理された飲料。
【請求項103】
約0.1mg/ml〜1000mg/mlのIgG、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理された組成物。
【請求項104】
約0.1mg/ml〜1000mg/mlのIgG、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理されたゼリー。
【請求項105】
約0.1mg/ml〜1000mg/mlのIgG、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理されたヨーグルト。
【請求項106】
約0.1mg/ml〜1000mg/mlのIgG、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理された飲料。
【請求項107】
約1mg/ml〜1000mg/mlのIgG、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理された組成物。
【請求項108】
約1mg/ml〜1000mg/mlのIgG、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理されたゼリー。
【請求項109】
約1mg/ml〜1000mg/mlのIgG、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理されたヨーグルト。
【請求項110】
約1mg/ml〜1000mg/mlのIgG、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理された飲料。
【請求項111】
1又は複数の生育不能なプロバイオティック微生物培養物、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理された組成物。
【請求項112】
1若しくは複数のラクトバシラス・アシドフィルス株、1若しくは複数のラクトバシラス・デルブルエッキ亜種ブルガリカス株、1若しくは複数のラクトバチラス・カセイ株、1若しくは複数のラクトバシラス・クリスパタス株、1若しくは複数のラクトバシラス・ジョンソニー株、1若しくは複数のラクトバシラス・プランタラム株、1若しくは複数のラクトバシラス・ロウテリ株、1若しくは複数のラクトバシラス・ラムノサス株、1若しくは複数のラクトバシラス・サリバリウス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ビフィダム株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ブレベ株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・インファンチス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチス株、1若しくは複数のビフィドバクテリウム・ロンガム株又は1若しくは複数のストレプトコッカス・サーモフィラス株、あるいはその混合物からなる群より選択される1又は複数の生育不能なプロバイオティック微生物の培養物、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理された組成物。
【請求項113】
ラクトバシラス・ラムノサスHN001、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチスHN019、ラクトバシラス・アシドフィルスHN017、ラクトバシラス・ラムノサスHN067、ラクトバシラス・ジョンソニーNCC533(La1)、ラクトバシラス・ラムノサスGG、ラクトバチラス・カセイ・シロタ、ラクトバシラス・アシドフィルスNCFM、ラクトバシラス・プランタラム299v、ラクトバチラス・カセイDN114001、ラクトバシラス・サリバリウスUCC4331、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチスBB12又はビフィドバクテリウム・インファンチス35624、あるいはその混合物からなる群より選択される1又は複数の生育不能なプロバイオティック微生物の培養物、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理された組成物。
【請求項114】
ラクトバシラス・ラムノサスHN001、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチスHN019、ラクトバシラス・アシドフィルスHN017又はラクトバシラス・ラムノサスHN067、あるいはその混合物からなる群より選択される1又は複数の生育不能なプロバイオティック微生物の培養物、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理された組成物。
【請求項115】
ラクトバシラス・ラムノサスHN001の生育不能な培養物、及び約50,000cfu/ml未満の微生物を含む、加圧処理された組成物。
【請求項116】
約350〜850MPaの圧力で加圧処理された、請求項95〜115のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項117】
約3.0〜8.0のpHを有する、請求項95〜115のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項118】
前記ラクトフェリン、IgG又は生育不能なプロバイオティック微生物が、未処理対照の活性の少なくとも約35%を保持する、請求項95〜115のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項119】
前記ラクトフェリン、IgG又は生育不能なプロバイオティック微生物が、未処理対照の活性の少なくとも約70%を保持する、請求項95〜115のいずれか1項に記載の組成物。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2008−533002(P2008−533002A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500657(P2008−500657)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【国際出願番号】PCT/NZ2006/000039
【国際公開番号】WO2006/096074
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(504214246)フォンテラ コ−オペレイティブ グループ リミティド (17)
【Fターム(参考)】