説明

画像処理装置、画像処理方法、および、映像信号処理装置

【課題】映像信号の動き・差分部分をユーザーにとって視認しやすい形態で適切に表示する。
【解決手段】動き・差分検出部(41)で現フレームの映像信号と前フレームの映像信号との動きおよび/または差分を算出し、動き・差分演算部(42)で検出した動き・差分を演算し、タイミング信号生成部(43)でこれらの結果に基づいて同期信号を参照して、動き・差分決定タイミングパルス信号(S43)を生成し、映像信号合成部で(44)このタイミングパルス信号に基づいて映像信号処理手段で処理した映像信号に合成処理を行う。好ましくは、合成処理として、ユーザーからの要求に応じた処理を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は映像信号を処理する画像処理装置および画像処理方法に関する。
特に、本発明は、動き・差分を処理する画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、一般的に使用されている監視カメラには、機械の動き検出や人物検出などの対象物の動きを検出する機能を搭載しているものが知られている。
その表示数とサイズにおいて、図1(A)、(B)に例示したように、検出するエリアまたはブロック数そのものを使用しているものが多く、固定である。
【0003】
動きおよび/または差分(以下、動き・差分)を検出したことを示す表示方法において、映像信号の上に、動きや差分のあったエリアを輝度信号の上位ビットと切替えているので、たとえば、図2(A)に例示したように、白塗りされたもの、あるいは、図2(B)に例示したように、黒塗りされたものがほとんどである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1(A)、(B)に例示したように、動き検出や人物検出したエリアまたはブロックが、そのエリアまたはブロック数に起因する。したがって、検出された対象物の動き・差分のエリアまたはブロック数が少なすぎると、図1(A)に例示したように、表示の大きさとしては大きくなり、目立ちすぎる。他方、図1(B)に例示したように、検出された対象物の動き・差分のエリアまたはブロック数が多すぎると、表示の大きさが小さくなり、目立たなさ過ぎる。
上述したようにエリアまたはブロックが固定しているとユーザーの視認の面で不都合がある。
【0005】
図2(A)、(B)に例示した方法は、映像信号(特に輝度信号の上位ビット)との切替による表示方法に起因する事で、動き・差分が検出されるエリア内の映像信号が白塗りまたは黒塗りされる事でユーザーが視認しづらい。そのため、動き・差分の検出エリアの対象物やその背景の映像を確認しにくい場合がある。時によっては、ユーザーが見えない場合がある。
【0006】
本発明は上述した課題を克服することを目的とする。
すなわち、本発明は、映像内の動き・差分を検出したとき、ユーザーにとって視認しやすい形態で表示することが可能な信号処理を行う画像処理装置と画像処理方法とをが提供することを目的とする。
また本発明は、上述した画像処理装置を含む映像信号処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、現フレームの映像信号について処理を行う映像信号処理手段と、現フレームの映像信号と前フレームの映像信号との動きおよび/または差分を算出する動き・差分検出手段と、前記動き・差分検出手段で検出した動き・差分を演算する動き・差分演算手段と、前記動き・差分検出手段で検出した信号と、前記動き・差分演算手段で演算した結果とに基づいて、同期信号を参照して、動き・差分決定タイミング信号を生成するタイミング信号生成手段と、該タイミング信号生成手段で生成したタイミング信号に基づいて、前記映像信号処理手段で処理した映像信号に前記動き・差分に応じた信号処理を行う映像信号合成手段とを有する画像処理装置が提供される。
【0008】
好ましくは、当該画像処理装置は、ユーザーからの動き・差分についての表示方法について要求を受け付ける要求受け付け、受け付けた要求に基づく、動き・差分部分についての表示方法を前記映像信号合成手段に送信する、動き・差分要求受け付け手段をさらに有し、前記映像信号合成手段は、前記動き・差分部分についての表示方法に基づいて、前記映像信号処理手段で処理した映像信号に信号処理を行う。
好ましくは、前記ユーザーからの動き・差分についての表示方法について要求は、動き・差分部分について、色の変更、および/または輝度の変更、反転、または、動き・差分のない部分について、色の変更、および/または輝度の変更、反転を含む。
また好ましくは、前記ユーザーからの動き・差分についての表示方法について要求は、動き・差分部分について、輪郭を示す線で表示することを含む。
【0009】
好ましくは、前記映像信号合成手段は、輝度レベル選択手段と、色レベル選択手段と、前記輝度レベル選択手段の出力信号と前記色レベル選択手段の出力信号を加算する信号合成手段とを有し、前記輝度レベル選択手段は、前記タイミング信号生成手段から出力された動き・差分決定タイミング信号のタイミングで輝度レベルを選択(変更)する、および/または、前記色レベル選択手段は、前記タイミング信号生成手段から出力された動き・差分決定タイミング信号のタイミングで色レベルを選択(変更)する。
また好ましくは、前記色レベル選択手段は、色信号として第1色差信号Cbと第2色差信号Crとをそれぞれ選択(変更)する。
【0010】
好ましくは、前記映像信号合成手段は、第1〜第3の映像信号レベル選択手段と、前記第1〜第3の映像信号レベル選択手段の出力信号と前記映像信号処理手段の出力信号を加算する信号合成手段とを有し、前記第1〜第3の映像信号レベル選択手段はそれぞれ、前記タイミング信号生成手段から出力された動き・差分決定タイミング信号のタイミングで対応する映像信号レベルを選択(変更)する。
【0011】
また本発明によれば、現フレームの映像信号について処理を行う映像信号処理工程と、現フレームの映像信号と前フレームの映像信号との動きおよび/または差分を算出する動き・差分検出工程と、前記動き・差分検出工程において検出した動き・差分を演算する動き・差分演算工程と、前記動き・差分検出工程で検出した信号と、前記動き・差分演算工程で演算した結果とに基づいて、同期信号を参照して、動き・差分決定タイミング信号を生成するタイミング信号生成工程と、該タイミング信号生成工程で生成したタイミング信号に基づいて、前記映像信号処理工程で処理した映像信号に前記動き・差分に応じた信号処理を行う映像信号合成工程とを有する画像処理方法が提供される。
【0012】
好ましくは、当該画像処理方法は、ユーザーからの動き・差分についての表示方法について要求を受け付ける要求受け付け、受け付けた要求に基づく、動き・差分部分についての表示方法を前記映像信号合成工程で適用させる工程をさらに有し、前記映像信号合成工程において、前記動き・差分部分についての表示方法に基づいて、前記映像信号処理工程で処理した映像信号に信号処理を行う。
【0013】
さらに本発明によれば、撮像手段と、上記画像処理装置と、該画像処理装置の処理結果を表示する表示手段とを有する映像信号処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、映像内の動き・差分を検出したとき、ユーザーにとって視認しやすい形態で表示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
添付図面を参照して、本発明の画像処理装置、画像処理方法および映像信号処理装置の実施の形態について述べる。
【0016】
第1実施の形態
図3は本発明の第1実施の形態の映像信号処理装置の構成図である。
映像信号処理装置10は、本発明の撮像手段の一部としての撮像部1と、本発明の画像処理装置の1例としての映像信号処理部3と、本発明の表示手段の1例としての表示器2とを有する。
撮像部1は、たとえば、監視カメラの撮像部である。たとえば、本発明との映像信号処理装置は、監視カメラシステムなどへの適用には限定されず、映像内の物体(対象物)の動きおよび/または差分(動き・差分)を検出する種々の用途に適用できることは勿論である。
以下、例示として、映像信号処理装置10を監視カメラシステムとして適用する場合を例示する。
【0017】
撮像部1は、被写体を撮像して、たとえば、輝度信号Yと色信号Cとの映像信号(ビデオ信号)を生成する。色信号Cとしては、たとえば、第1色差信号Cbと第2色差信号Crとを有する。以下、第1色差信号Cbと第2色差信号Crとを総称して色信号Cという。
なお撮像部1は、3原色R,G,Bの映像信号(ビデオ信号)、モノクロの映像信号を生成することもできる。
以下、映像信号として、輝度信号Yと色信号Cとについて述べる。
【0018】
撮像部1で撮像された映像信号は表示器2に表示されるが、その前に、映像信号処理部3において信号処理される。
【0019】
映像信号処理部
映像信号処理部3は、入力インターフェース31と、映像信号入力部32と、第1フレームメモリ33と、第2フレームメモリ34と、映像信号処理部35と、表示制御処理部36と、全体制御部37と、動き・差分処理部40とを有する。
動き・差分処理部40は、動き・差分検出部41と、動き・差分演算部42と、タイミング信号生成部43とを有する。
【0020】
映像信号入力部32は、全体制御部37の制御のもとで、入力インターフェース31を介して撮像部1で撮像した映像信号(ビデオ信号)を毎フレームごと入力して、第1フレームメモリ33に記憶する。
第1フレームメモリ33に新しい映像信号が記録される前に、全体制御部37の制御のもとで、第1フレームメモリ33に記憶された1フレーム分の映像信号が第2フレームメモリ34に移動されて記憶される。
これにより、第1フレームメモリ33には現フレームの映像信号が記憶され、第2フレームメモリ34には前フレームの映像信号が記録される。
第1フレームメモリ33に記録された映像信号を現フレーム・ビデオ信号VIDEO−1と呼び、第2フレームメモリ34に記録された映像信号を前フレーム・ビデオ信号VIDEO−2と呼ぶ。
【0021】
映像信号処理部35は第1フレームメモリ33から読みだした前フレーム・ビデオ信号VIDEO−2について、表示器2に表示するための通常の処理を行う。
映像信号処理部35におけるそのような処理としては、たとえば、垂直同期信号Vsyncと水平同期信号Hsyncと走査周波数に応じて、現フレーム・ビデオ信号VIDEO−1を表示器2に表示するための各種処理、その他、ブランキング処理などを行う。
【0022】
動き・差分処理部40内の動き・差分検出部41は、第1フレームメモリ33から読みだした現フレーム・ビデオ信号VIDEO−1と、第2フレームメモリ34から読みだした前フレーム・ビデオ信号VIDEO−2とについて、ブロックごと差があるか否かを検出する。
なお、動き・差分検出部41には、垂直同期信号Vsyncと水平同期信号Hsyncとが入力れており、これらの同期信号に応じて、現フレーム・ビデオ信号VIDEO−1と前フレーム・ビデオ信号VIDEO−2との間の動き・差分の検出を行う。
動き・差分検出部41は、動き・差分を検出した場合、検出したことを示す動き・差分検出信号S41aを動き・差分演算部42に送出し、動き・差分検出信号S41bをタイミング信号生成部43に送出する。
たとえば、動き・差分検出信号S41aは、動き・差分きあったブロックを含む。動き・差分検出信号S41bは、動き・差分を検出したことを示す信号である。
【0023】
上記ブロックは、たとえば、図5に図解したように、ユーザーなどによって指定された大きさの画像を含む領域である。たとえば、1ブロックの大きさとしては、8×8画素の領域、あるいは、16×16画素の領域などがある。
このようなユーザーからの指定は、たとえば、全体制御部37でユーザーの要求を受け付けたとき、全体制御部37から、動き・差分検出部41、動き・差分演算部42、タイミング信号生成部43および映像信号合成部44に送信される。以下、動き・差分検出部41、動き・差分演算部42、タイミング信号生成部43および映像信号合成部44は、そのようなブロック単位で下記に述べる処理を行う。
【0024】
動き・差分演算部42は、動き・差分検出部41で2つのフレームの映像信号、現フレーム・ビデオ信号VIDEO−1と前フレーム・ビデオ信号VIDEO−2のいずれかのブロックに動き(差分)があったこと示す動き・差分検出信号S41aを受信したとき、そのブロックの動きの大きさ(または差分)を演算する。
【0025】
なお、原理的には、動き・差分検出部41と動き・差分演算部42とを合体して、動き・差分検出とその量とを同時に求めることもできる。ただし、1フレームの映像信号における各ブロックに動き・差分があるかいなかを迅速に検出する必要があるため、本実施の形態では、時間のかかる演算とを分離し、まず、動き・差分検出部41でブロックに動き・差分があるか否かを検出し、その後の演算を動き・差分演算部42で行うように、処理を分散している。
【0026】
タイミング信号生成部43は、動き・差分検出部41から動き・差分検出信号S41bを受信した場合、垂直同期信号Vsyncと水平同期信号Hsyncとのタイミングから、どのブロックであるかを検出することができる。
【0027】
動き・差分演算部42で算出した動き・差分量が動き・差分演算信号S42としてタイミング信号生成部43に送出される。
タイミング信号生成部43は、動き・差分演算信号S42で示された動き・差分量が少ないときは、誤差またはノイズなどとして、実質的な動き・差分はないと判断する。タイミング信号生成部43は動き・差分演算信号S42で示された動き・差分量が所定量を越えているとき、実際に動き・差分が発生したこと判断する。
【0028】
タイミング信号生成部43から垂直同期信号Vsyncと水平同期信号Hsyncとに基づく第1タイミング信号S43aが動き・差分検出部41に送出する。
タイミング信号生成部43はまた、垂直同期信号Vsyncおよび水平同期信号Hsyncに基づいて生成した第2タイミング信号S43bを動き・差分演算部42に送出する。
これにより、タイミング信号生成部43で生成したタイミング信号ごとに、動き・差分検出部41と動き・差分演算部42とのタイミングが一致する。たとえば、動き・差分検出部41と、動き・差分演算部42とタイミング信号生成部43と間で処理のタイミングのずれが起こりうり、該当するブロックの判断がずれる可能性もあるが、上記タイミング調整により、そのような処理のずれは防止できる。
【0029】
タイミング信号生成部43は、動き・差分演算部42で演算した動き・差分量が所定レベルを越えている場合、その該当ブロックに対応する動き・差分決定タイミングパルス信号S43を生成して映像信号合成部44に送出する。
【0030】
映像信号合成部44は、図4に例示したように、映像信号合成部44は、図4に図解したように、輝度レベル選択(または、変更、または、調整)回路441と、色レベル選択(または、変更、または、調整)回路442と、信号加算(合成)回路443とを有する。
【0031】
輝度レベル選択(または、変更、または、調整)回路441は、映像信号処理部35から出力された通常処理映像信号S35内の輝度信号Yのレベルを、動き・差分決定タイミングパルス信号S43のタイミング、すなわち、ブロックに応じて、選択(変更、または、調整)する回路である。
輝度レベル選択回路441における選択(変更、または、調整)は、動き・差分部分(ブロック)の選択(調整)に限らず、動き・差分部分(ブロック)はそのままで、その他の部分を変化させる場合も含む。
なお、輝度レベル選択回路441の処理は輝度信号の反転も含む。
【0032】
色レベル選択(または、変更、または、調整)回路442は、映像信号処理部35から出力された通常処理映像信号S35内の色信号Cレベルを、動き・差分決定タイミングパルス信号S43のタイミング、すなわち、ブロックに応じて、選択(または、変更、または、調整)する回路である。
なお、色信号Cは具体的には、第1色差信号Cbと第2色差信号Crとを有するから、色レベル選択回路442はこれら第1色差信号Cbと第2色差信号Crとのレベルを選択(または、変更、または、調整)する。
なお、色レベル選択回路442における処理は、第1色差信号Cbと第2色差信号Crとの混合比率を異ならせて、動き・差分部分の色を変化させることを含む。
なお、色レベル選択回路442における選択は、動き・差分部分(ブロック)の選択(調整)に限らず、動き・差分部分(ブロック)はそのままで、その他の部分の色を変化させる場合も含む。
【0033】
輝度レベル選択回路441で選択するレベルの量(反転も含む)、および/または、色レベル選択回路442で選択するレベルの量(色の変化も含む)は、たとえば、全体制御部37を介して事前にユーザーの指定で決定することができる。
また、動き・差分決定タイミングパルス信号S43に応じて、輝度信号Yのレベルを調整するか、色信号Cのレベルを調整するか、あるいは、輝度信号Yと色信号Cの両者のレベルを調整するかについても、たとえば、全体制御部37を介して事前にユーザーの指定で決定することができる。
以上から、全体制御部37は本発明の動き・差分要求受け付け手段として機能する。
【0034】
図4を参照して図4に図解した映像信号合成部44の動作を述べる。
輝度レベル選択回路441には通常処理映像信号S35内の輝度信号Yが入力されている。同時に色レベル選択回路442には通常処理映像信号S35内の色信号Cが入力されている。
タイミング信号生成部43から動き・差分決定タイミングパルス信号S43が輝度レベル選択回路441および/または色レベル選択回路442に印加されたとき、動き・差分決定タイミングパルス信号S43が印加された輝度レベル選択回路441および/または色レベル選択回路442は、事前に設定された量のレベルを調整する。たとえば、その部分(ブロック)の輝度信号Yのレベルを低下させたり、逆に輝度信号Yのレベルを高める。あるいは、そのブロックの色信号Cを異ならせる。
以上により、通常処理映像信号S35について、動き・差分が検出された部分のブロックの映像信号が変化する。この変化は、たとえば、ユーザーの希望に従って行われる。
同様に、ブロックの大きさもユーザーの希望に従って規定される。
【0035】
輝度レベル選択回路441および色レベル選択回路442で変化された輝度信号Yと色信号Cとが信号加算(合成)回路443において合成されて合成処理済映像信号S44として表示制御処理部36に出力される。
【0036】
表示制御処理部36は映像信号合成部44から出力された合成処理済映像信号S44を表示器2に表示する。
以上により、表示器2には、通常処理映像信号S35について、動き・差分が検出された部分のブロックの映像信号が変化された映像が表示される。
動き・差分部分(ブロック)の表示は、たとえば、ユーザーの希望に従って行われる。したがって、ユーザーにとって視認しやすい。
同様に、動き・差分部分(ブロック)の大きさもユーザーの希望に従って規定されるから、ユーザーにとって視認しやすい。
【0037】
上述した実施の形態に基づく表示例を図6に示した。
図6に例示した表示は、図2(A)、(B)に例示した表示例に対して、動体、および、背景が見えやすいように、輝度信号Yを反転した例を示す。
もちろん、表示器2への動き・差分部分の表示としては、上述したように、色を変化させる、輝度を変化させるなどをすることもできる。
【0038】
表示器2への動き・差分部分の表示としては、上述した例示の他に、動き・差分部分を線で囲うなどとしてもよい。
その線としては、動き・差分部分の色とは大きく異なる色の線として表示することができる。この場合、動き・差分部分の映像は維持され、その部分が動き・差分ブロックであることが、線で示される。
【0039】
第2実施の形態
上述した第1実施の形態は、映像信号について、輝度信号Yと色信号Cについて処理した場合を述べた。
第2実施の形態は、映像信号が3原色R,G,Bの場合について述べる。
この実施の形態において、図4を参照して述べた、輝度レベル選択回路441と色レベル選択回路442とを、R色レベル選択回路、G色レベル選択回路、B色レベル選択回路に置き換える。
もちろん、映像信号処理部35からは、3原色R,G,Bに分離された通常処理映像信号S35が映像信号合成部44に入力される。
第2実施の形態においても、第1実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0040】
第3実施の形態
映像信号がモノクロの場合であっても、本発明を適用することができる。
ただし、モノクロ映像信号は、動き・差分部分はあるいは、その逆の部分について、輝度のレベル調整、輝度の反転などに限定され、色の変化は困難である。
【0041】
以上述べたように、本発明の実施の形態によれば、ユーザーにとって、動き(人物)検出機能の確認がし易い効果を実現できる。
また本発明の実施の形態動き(人物など)検出機能をもつカメラシステムまたは信号処理において、それが持つ検出されたエリアまたはブロックサイズが変えられない部分において、検出エリアまたはブロックサイズや数に関係なく、ユーザーが設定したい表示サイズや表示時間タイミングに対応できる。
さらに本発明の実施の形態により、動き(人物など)検出機能をもつカメラシステムまたは信号処理において、従来の検出されたエリアまたはブロックが白塗りされる表示だけでなく、輝度や色情報を設定可能にすることで、フレキシブルなユーザー対応と、動体及び背景がユーザー側で確認しづらい(または見えない)ことが解消できた。
【0042】
本発明の実施に際しては上述した実施の形態には限定されず、当業者が想到する種々の置換、変形態様をとることができる。
【0043】
上述した実施の形態においては、現フレーム・ビデオ信号VIDEO−1と前フレーム・ビデオ信号VIDEO−2とは連続するフレームの例として述べたが、現フレーム・ビデオ信号VIDEO−1と前フレーム・ビデオ信号VIDEO−2とは2以上のフレームが離れていてもよい。したがって、前フレーム・ビデオ信号VIDEO−2は、必ずしも、現フレーム・ビデオ信号VIDEO−1と連続するフレームの映像信号ではない場合てもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1(A)、(B)は動き・差分を表示する場合の表示画面のサイズが不適切な例を示す図である。
【図2】図2(A)、(B)は、動き検出部分を、白塗り、または、黒塗りにして表示した例を示す図である。
【図3】図3は本発明の画像処理装置の1実施の形態の構成図である。
【図4】図4は図3に図解した映像信号合成部の回路図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態の1例しての、動き(差分)決定タイミングパルスの設定例を示す図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態の処理結果例を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1…撮像部、2…表示器、3…映像信号処理部、31…入力インターフェース、32…映像信号入力部、33、34…第1、第2フレームメモリ、35…映像信号処理部、36…表示制御処理部、37…全体制御部、40…動き・差分処理部、41…動き・差分検出部,42…動き・差分演算部、43…タイミング信号生成部、44…映像信号合成部44、441…輝度レベル選択回路、442…色レベル選択回路、443…信号加算(合成)回路、10…映像信号処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現フレームの映像信号について処理を行う映像信号処理手段と、
現フレームの映像信号と前フレームの映像信号との動きおよび/または差分を算出する動き・差分検出手段と、
前記動き・差分検出手段で検出した動き・差分を演算する動き・差分演算手段と、
前記動き・差分検出手段で検出した信号と、前記動き・差分演算手段で演算した結果とに基づいて、同期信号を参照して、動き・差分決定タイミング信号を生成するタイミング信号生成手段と、
該タイミング信号生成手段で生成したタイミング信号に基づいて、前記映像信号処理手段で処理した映像信号に前記動き・差分に応じた信号処理を行う映像信号合成手段と
を有する画像処理装置。
【請求項2】
当該画像処理装置は、ユーザーからの動き・差分についての表示方法について要求を受け付ける要求受け付け、受け付けた要求に基づく、動き・差分部分についての表示方法を前記映像信号合成手段に送信する、動き・差分要求受け付け手段をさらに有し、
前記映像信号合成手段は、前記動き・差分部分についての表示方法に基づいて、前記映像信号処理手段で処理した映像信号に信号処理を行う、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ユーザーからの動き・差分についての表示方法について要求は、
動き・差分部分について色の変更、および/または、輝度の変更、輝度の反転、または、動き・差分のない部分について色の変更、および/または輝度の変更、輝度の反転
を含む
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記ユーザーからの動き・差分についての表示方法について要求は、動き・差分部分について輪郭を示す線で表示することを含む
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記映像信号合成手段は、
輝度レベル選択手段と、
色レベル選択手段と、
前記輝度レベル選択手段の出力信号と前記色レベル選択手段の出力信号を加算する信号合成手段と
を有し、
前記輝度レベル選択手段は、前記タイミング信号生成手段から出力された動き・差分決定タイミング信号のタイミングで輝度レベルを変更する、および/または、前記色レベル選択手段は、前記タイミング信号生成手段から出力された動き・差分決定タイミング信号のタイミングで色レベルを変更する、
請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記色レベル選択手段は色信号として第1色差信号と第2色差信号とをそれぞれへ変更する、
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記映像信号合成手段は、
第1〜第3の映像信号レベル選択手段と、
前記第1〜第3の映像信号レベル選択手段の出力信号と前記映像信号処理手段の出力信号を加算する信号合成手段と
を有し、
前記第1〜第3の映像信号レベル選択手段はそれぞれ、前記タイミング信号生成手段から出力された動き・差分決定タイミング信号のタイミングで対応する映像信号レベルを変更する、
請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
現フレームの映像信号について処理を行う映像信号処理工程と、
現フレームの映像信号と前フレームの映像信号との動きおよび/または差分を算出する動き・差分検出工程と、
前記動き・差分検出工程において検出した動き・差分を演算する動き・差分演算工程と、
前記動き・差分検出工程で検出した信号と、前記動き・差分演算工程で演算した結果とに基づいて、同期信号を参照して、動き・差分決定タイミング信号を生成するタイミング信号生成工程と、
該タイミング信号生成工程で生成したタイミング信号に基づいて、前記映像信号処理工程で処理した映像信号に前記動き・差分に応じた信号処理を行う映像信号合成工程と
を有する画像処理方法。
【請求項9】
当該画像処理方法は、ユーザーからの動き・差分についての表示方法について要求を受け付ける要求受け付け、受け付けた要求に基づく、動き・差分部分についての表示方法を前記映像信号合成工程で適用させる工程をさらに有し、
前記映像信号合成工程において、前記動き・差分部分についての表示方法に基づいて、前記映像信号処理工程で処理した映像信号に信号処理を行う、
請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項10】
撮像手段と、
画像処理装置と、
該画像処理装置の処理結果を表示する表示手段と
を有し、
上記画像処理装置は、
上記撮像手段で撮像した現フレームの映像信号について処理を行う映像信号処理手段と、
現フレームの映像信号と前フレームの映像信号との動きおよび/または差分を算出する動き・差分検出手段と、
前記動き・差分検出手段で検出した動き・差分を演算する動き・差分演算手段と、
前記動き・差分検出手段で検出した信号と、前記動き・差分演算手段で演算した結果とに基づいて、同期信号を参照して、動き・差分決定タイミング信号を生成するタイミング信号生成手段と、
該タイミング信号生成手段で生成したタイミング信号に基づいて、前記映像信号処理手段で処理した映像信号に前記動き・差分に応じた信号処理を行い、その結果を上記表示手段に送出する、映像信号合成手段と
を有する、
映像信号処理装置。
【請求項11】
当該映像信号処理装置は、ユーザーからの動き・差分についての表示方法について要求を受け付ける要求受け付け、受け付けた要求に基づく、動き・差分部分についての表示方法を前記映像信号合成手段に送信する、動き・差分要求受け付け手段をさらに有し、
前記映像信号合成手段は、前記動き・差分部分についての表示方法に基づいて、前記映像信号処理手段で処理した映像信号に信号処理を行う、
請求項10に記載の映像信号処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−9680(P2008−9680A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−179066(P2006−179066)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】